JP2004229096A - 画像処理装置、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像データを処理する画像処理装置である複写機において、原画像中から画像として必要としない不要領域を抽出する不要領域抽出手段である不要領域抽出部40と、この不要領域抽出部40により抽出された不要領域を原画像から除去する不要領域除去手段である不要領域除去部41と、不要領域が除去された原画像を圧縮する圧縮手段である圧縮・伸長部42と、を設けるようにした。これにより、不要領域を含む原画像を圧縮する場合に比べ、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の処理に費やす時間が短くなるので、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、プログラム及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スキャナ、デジタルカメラ、コンピュータ、複写機、複合機(MFP)等の画像処理装置の普及に伴い、デジタル画像データをメモリやハードディスク等の記憶装置に記憶したり、CD−ROM等の光ディスクに記憶したり、さらには、インターネット等を介して伝送したりすることが身近なものになっている。このような画像データは圧縮されて記憶装置や光ディスク等に記憶されている。
【0003】
また、最近では、各種の技術により簡単に高精細な画像を得ることができるが、このような高精細静止画像のデータサイズは大きくなる傾向にあり、高精細静止画像の取扱いは困難になってきている。このため、高精細静止画像の取扱いを容易にする画像圧縮伸長技術に対する高性能化や多機能化等の要求は、今後、ますます強くなっていくことは必至と思われる。
【0004】
こうした高精細静止画像の取扱いを容易にする画像圧縮伸長アルゴリズムとしては、現在、JPEG(Joint Photographic Experts Group)が最も広く用いられている。また、このJPEGで採用されているDCT(離散コサイン変換)に代わる周波数変換として、近年、DWT(離散ウェーブレット変換)の採用が増加している。その代表例は、2001年に国際標準となったJPEG後継の画像圧縮伸長方式JPEG2000である。
【0005】
ところで、記憶装置や光ディスク等に記憶される画像データサイズを小さくする方法としては、原画像の特定領域を低圧縮率で圧縮し、特定領域以外の領域を高圧縮率で圧縮する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、特定領域の画像が高画質で形成され、特定領域以外の領域の画像が低画質(粗い画質)で形成されることになる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−128109公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、原画像の特定領域以外の領域が、高圧縮率ではあるが圧縮され、特定領域と一緒に画像データとして保存されてしまう。例えば、スキャナ等で原稿から原画像を読み取った場合、読み取られた原画像は原稿画像の周囲に黒ベタを有することがある。この黒ベタは本来不要な領域(以下、不要領域とする)であるが、従来の技術では、黒ベタ領域も圧縮し画像データとして保存してしまう。また、操作者によっては、例えば、文字領域以外を不要領域とする場合もあるが、従来の技術では、そのような不要領域を圧縮し画像データとして保存してしまう。このように従来の技術では、原画像の特定領域以外の不要領域も特定領域と一緒に画像データとして保存してしまうので、その画像データサイズが大きくなるという問題がある。
【0008】
また、従来の技術では、圧縮や伸長等の画像処理を含む様々な処理において、特定領域に加え不要領域に対しても処理を行う必要があり、特定領域だけの画像に対する処理と比較すると、余計な時間がかかってしまうので、処理時間が長くなるという問題もある。
【0009】
本発明の目的は、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる画像処理装置、プログラム及び記憶媒体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像処理装置は、原画像中から画像として必要としない不要領域を抽出する不要領域抽出手段と、前記不要領域抽出手段により抽出された前記不要領域を前記原画像から除去する不要領域除去手段と、前記不要領域が除去された前記原画像を圧縮する圧縮手段と、を備える。
【0011】
したがって、原画像から不要領域を除去し、不要領域が除去された原画像を圧縮することで、不要領域を含む原画像を圧縮する場合に比べ、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間が短くなり、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することが可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、前記不要領域の属性である所定の不要領域属性に基づいて前記原画像から前記不要領域を抽出する。
【0013】
したがって、不要領域属性に基づいて原画像から不要領域を抽出することで、簡単にそして正確に不要領域を抽出することが可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の不要領域属性と一致する領域を前記不要領域として抽出する。
【0015】
したがって、原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が所定の不要領域属性と一致する領域を不要領域として抽出することで、簡単にそして正確に不要領域を抽出することが可能になる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別する。
【0017】
したがって、2次元ウェーブレット変換による領域識別を行うことによって、精度が高い領域識別を実行することが可能となる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別する。
【0019】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別することで、写真領域を精度高く識別することが可能となる。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別する。
【0021】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別することで、文字領域を精度高く識別することが可能となる。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項4、5又は6記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別する。
【0023】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別することで、表領域を精度高く識別することが可能となる。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項4、5、6又は7記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別する。
【0025】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別することで、背景領域を精度高く識別することが可能となる。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項2ないし8のいずれか一記載の画像処理装置において、操作者による操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の不要領域属性を設定する不要領域属性設定手段と、を備える。
【0027】
したがって、操作部に対する操作者の操作によって操作者の希望に応じて不要領域属性が設定されるため、操作者は自由に不要領域を選択することが可能になる。
【0028】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、操作者による操作を受け付ける操作部を備え、前記不要領域抽出手段は、前記操作部に対する操作者の操作により前記原画像から選択された特定領域に基づいて前記不要領域を抽出する。
【0029】
したがって、操作者により原画像から選択された特定領域に基づいて不要領域を抽出することで、操作者により選択された特定領域が必要領域である場合には、特定領域以外の領域が不要領域として設定され、操作者により選択された特定領域が不要領域である場合には、その不要領域が不要領域として設定されて、操作者は不要領域を自由に選択設定することが可能になる。
【0030】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10のいずれか一記載の画像処理装置において、原稿から前記原画像を光学的に読み取る読取光学系を備える。
【0031】
したがって、原稿から原画像を読み取ることが可能になり、その結果として、この原画像に対し画像処理等の様々な処理を実行することが可能になる。
【0032】
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置において、前記圧縮手段により圧縮された画像を伸長する伸長手段を備える。
【0033】
したがって、圧縮された画像を伸長することが可能になり、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することが可能になる。
【0034】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の画像処理装置において、前記伸長手段により伸長された画像を記録材に画像形成するプリンタエンジンを備える。
【0035】
したがって、伸長された画像を用紙等の記録材に形成することが可能になり、その結果として、人による画像認識が可能になり、さらに、不要な画像が記録材に形成されなくなる。
【0036】
請求項14記載の発明は、請求項1ないし13のいずれか一記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、前記不要領域が除去された前記原画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する。
【0037】
したがって、不要領域が除去された原画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮することで、不要領域が除去された原画像が高い圧縮率で圧縮され、その結果として、画像データサイズを小さくすることが可能になる。
【0038】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の画像処理装置において、前記伸長手段は、前記圧縮手段により圧縮された前記原画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する。
【0039】
したがって、2次元ウェーブレット変換を用いて圧縮された原画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長することで、圧縮された画像が伸張され、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することが可能になる。
【0040】
請求項16記載の発明のプログラムは、画像処理装置が備えるコンピュータによって解釈され、前記コンピュータに、原画像中から画像として必要としない不要領域を抽出する不要領域抽出機能と、前記不要領域抽出機能により抽出された前記不要領域を前記原画像から除去する不要領域除去機能と、前記不要領域が除去された前記原画像を圧縮する圧縮機能と、を実行させる。
【0041】
したがって、原画像から不要領域を除去し、不要領域が除去された原画像を圧縮することで、不要領域を含んだままの原画像を圧縮する場合に比べ、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の処理に費やす時間が短くなり、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することが可能になる。
【0042】
請求項17記載の発明は、請求項16記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、前記不要領域の属性である所定の不要領域属性に基づいて前記原画像から前記不要領域を抽出する。
【0043】
したがって、不要領域属性に基づいて原画像から不要領域を抽出することで、簡単にそして正確に不要領域を抽出することが可能になる。
【0044】
請求項18記載の発明は、請求項17記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の不要領域属性と一致する領域を前記不要領域として抽出する。
【0045】
したがって、原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が所定の不要領域属性と一致する領域を不要領域として抽出することで、簡単にそして正確に不要領域を抽出することが可能になる。
【0046】
請求項19記載の発明は、請求項18記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別する。
【0047】
したがって、2次元ウェーブレット変換による領域識別を行うことによって、精度が高い領域識別を実行することが可能となる。
【0048】
請求項20記載の発明は、請求項19記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別する。
【0049】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別することで、写真領域を精度高く識別することが可能となる。
【0050】
請求項21記載の発明は、請求項19又は20記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別する。
【0051】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別することで、文字領域を精度高く識別することが可能となる。
【0052】
請求項22記載の発明は、請求項19、20又は21記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別する。
【0053】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別することで、表領域を精度高く識別することが可能となる。
【0054】
請求項23記載の発明は、請求項19、20、21又は22記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別する。
【0055】
したがって、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別することで、背景領域を精度高く識別することが可能となる。
【0056】
請求項24記載の発明は、請求項17ないし23のいずれか一記載のプログラムにおいて、操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の不要領域属性を設定する不要領域属性設定機能を前記コンピュータに実行させる。
【0057】
したがって、操作部に対する操作者の操作によって、操作者の希望に応じて不要領域属性が設定されるため、操作者は自由に不要領域を選択することが可能となる。
【0058】
請求項25記載の発明は、請求項16記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、操作部に対する操作者の操作により前記原画像から選択された特定領域に基づいて前記不要領域を抽出する。
【0059】
したがって、操作者により原画像から選択された特定領域に基づいて不要領域を抽出することで、操作者により選択された特定領域が必要領域である場合には、特定領域以外の領域が不要領域として設定され、操作者により選択された領域が不要領域である場合には、その不要領域が不要領域として設定されて、操作者は不要領域を自由に選択設定することが可能になる。
【0060】
請求項26記載の発明は、請求項16ないし25のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能により圧縮された画像を伸長する伸長機能を前記コンピュータに実行させる。
【0061】
したがって、圧縮された画像を伸長することが可能になり、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することが可能になる。
【0062】
請求項27記載の発明は、請求項16ないし26のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、前記不要領域が除去された前記原画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する。
【0063】
したがって、不要領域が除去された原画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮することで、不要領域が除去された原画像が高い圧縮率で圧縮され、その結果として、画像データサイズを小さくすることが可能になる。
【0064】
請求項28記載の発明は、請求項27記載のプログラムにおいて、前記伸長機能は、前記圧縮機能により圧縮された前記原画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する。
【0065】
したがって、2次元ウェーブレット変換を用いて圧縮された原画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長することで、圧縮された画像が伸張され、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することが可能になる。
【0066】
請求項29記載の発明のコンピュータ読取可能な記憶媒体は、請求項16ないし28のいずれか一記載のプログラムを記憶している。
【0067】
したがって、請求項16ないし28のいずれか一記載の発明と同様な作用を奏する。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0069】
本実施の形態は、「JPEG2000アルゴリズム」を利用するものであるが、JPEG2000アルゴリズム自体は各種文献や公報等により周知であるので、詳細は省略し、その概要について説明する。
【0070】
図1は、JPEG2000アルゴリズムの概要を説明するための機能ブロック図である。JPEG2000のアルゴリズムは、色空間変換・逆変換部100、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101、量子化・逆量子化部102、エントロピー符号化・復号化部103、タグ処理部104で構成されている。
【0071】
JPEG2000の特徴の一つは、高圧縮領域における画質が良いという長所を持つ2次元離散ウェーブレット変換(DWT:Discrete Wavelet Transform)を用いている点である。また、もう一つの大きな特徴は、最終段に符号形成を行うためのタグ処理部104と呼ばれる機能ブロックが追加されており、符号列データであるコードストリームの生成や解釈が行われる点である。そして、コードストリームによって、JPEG2000は様々な便利な機能を実現できるようになっている。
【0072】
なお、画像の入出力部分には、色空間変換・逆変換部100が用意されることが多い。この色空間変換・逆変換部100は、例えば、原色系のR(赤)/G(緑)/B(青)の各コンポーネントからなるRGB表色系や、補色系のY(黄)/M(マゼンタ)/C(シアン)の各コンポーネントからなるYMC表色系から、YCrCbあるいはYUV表色系への変換又は逆の変換を行う部分である。
【0073】
以下、JPEG2000アルゴリズム、特にウェーブレット変換について説明する。
【0074】
図2は、カラー画像である原画像の分割された各コンポーネントの一例を概略的に示す模式図である。カラー画像は、一般に、図2に示すように、画像の各コンポーネント110が、例えばRGB原色系によって分離されている。さらに、画像の各コンポーネント110は、矩形をした領域であるタイル111によって分割されている。個々のタイル111、例えば、R00,R01,…,R15/G00,G01,…,G15/B00,B01,…,B15は、圧縮伸長プロセスを実行する際の基本単位を構成する。従って、圧縮伸長動作は、コンポーネント110毎に、そしてタイル111毎に、独立して行われる。
【0075】
画像データの符号化時には(図1参照)、各コンポーネント110の各タイル111のデータが色空間変換・逆変換部100に入力され、色空間変換を施された後、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101で2次元ウェーブレット変換(順変換)が適用されて周波数帯に空間分割される。
【0076】
図3は、デコンポジションレベル数が3である場合の各デコンポジションレベルにおけるサブバンドを概略的に示す模式図である。2次元ウェーブレット変換・逆変換部101は、画像のタイル分割によって得られたタイル画像(デコンポジションレベル0:0LL)に対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル1に示すサブバンド(1LL,1HL,1LH,1HH)を分離する。引き続き、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101は、この階層における低周波成分1LLに対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル2に示すサブバンド(2LL,2HL,2LH,2HH)を分離する。そして、2次元ウェーブレット変換・逆変換部101は、順次同様に、低周波成分2LLに対しても、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジションレベル3に示すサブバンド(3LL,3HL,3LH,3HH)を分離する。なお、図3中では、各デコンポジションレベルにおいて符号化の対象となるサブバンドはグレーで示されている。例えば、デコンポジションレベル数を3とした場合、グレーで示したサブバンド(3HL,3LH,3HH,2HL,2LH,2HH,1HL,1LH,1HH)が符号化対象となり、3LLサブバンドは符号化されない。
【0077】
次いで、量子化・逆量子化部102では(図1参照)、指定した符号化の順番で符号化の対象となるビットが定められた後、対象ビット周辺のビットからコンテキストが生成される。量子化の処理が終わったウェーブレット係数は、個々のサブバンド毎に、「プレシンクト」と呼ばれる重複しない矩形に分割される。これは、インプリメンテーションでメモリを効率的に使うために導入されたものである。さらに、個々のプレシンクトは、重複しない矩形の「コードブロック」に分けられる。これは、エントロピーコーディングを行う際の基本単位となる。
【0078】
なお、ウェーブレット変換後の係数値は、そのまま量子化し符号化することも可能であるが、JPEG2000では符号化効率を上げるために、係数値を「ビットプレーン」単位に分解し、画素あるいはコードブロック毎にビットプレーンに順位付けを行うことができる。
【0079】
エントロピー符号化・復号化部103では(図1参照)、コンテキストと対象ビットとから、確率推定によって各コンポーネント110の各タイル111に対する符号化を行う。こうして、画像の全てのコンポーネント110について、タイル111単位で符号化処理が行われる。
【0080】
最後に、タグ処理部104では(図1参照)、エントロピー符号化・復号化部103からの全符号化データを1本のコードストリーム(符号列データ)に結合するとともに、それにタグを付加する処理を行う。ここで、図4は、コードストリームの構造の一例を概略的に示す模式図である。コードストリームの先頭と各タイル111を構成する部分タイルの先頭には、ヘッダ(メインヘッダ(Main header)、タイルパートヘッダ(tile part header))と呼ばれるタグ情報が付加され、その後に、各タイル111の符号化データ(bit stream)が続く。そして、コードストリームの終端には、再びタグ情報(end of codestream)が付加される。
【0081】
一方、復号化時には、符号化時とは逆に、各コンポーネント110の各タイル111のコードストリームから画像データを生成する。この場合、図1に示すように、タグ処理部104は、外部より入力されたコードストリーム(符号列データ)に付加されたタグ情報を解釈し、コードストリームを各コンポーネント110の各タイル111のコードストリームに分解し、その各コンポーネント110の各タイル111のコードストリーム毎に復号化処理を行う。この際、コードストリーム内のタグ情報に基づく順番で復号化の対象となるビットの位置が定められるとともに、量子化・逆量子化部102において、その対象ビット位置の周辺ビット(既に復号化を終えている)の並びからコンテキストを生成する。そして、エントロピー符号化・復号化部103では、そのコンテキストとコードストリームとから確率推定によって復号化を行って対象ビットを生成し、それを対象ビットの位置に書き込む。このようにして復号化されたデータは、周波数帯域毎に空間分割されているため、これを2次元ウェーブレット変換・逆変換部101で2次元ウェーブレット逆変換を行うことにより、画像データ中の各コンポーネント110における各タイル111が復元される。復元されたデータは、色空間変換・逆変換部100によって元の表色系のデータに変換される。
【0082】
次に、本実施の形態の画像処理装置である複写機(いわゆる複合機であってもよい)の構成例について説明する。
【0083】
図5は、本実施の形態の複写機1を概略的に示す縦断面図である。複写機1は、原稿から原稿画像を読み取る画像読取部であるスキャナ2と、スキャナ2で読み取られた画像を用紙等の記録材に形成する画像形成部であるプリンタ3とを備えている。
【0084】
スキャナ2の本体ケース4の上面には、原稿(図示せず)が載置されるコンタクトガラス5が設けられている。原稿は、原稿面をコンタクトガラス5に対向させて載置される。コンタクトガラス5の上側には、コンタクトガラス5上に載置された原稿を押える原稿圧板6(いわゆるADFであってもよい)が設けられている。
【0085】
コンタクトガラス5の下方には、原稿画像を光学的に読み取るための読取光学系7が設けられている。この読取光学系7は、光を発光する光源8及びミラー9を搭載する第1走行体10、2枚のミラー11,12を搭載する第2走行体13、結像レンズ14を介してミラー9,11,12によって導かれる光を受光するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ15等によって構成されている。CCDイメージセンサ15は、CCDイメージセンサ15上に結像される原稿からの反射光を光電変換することで光電変換データを生成する光電変換素子として機能する。光電変換データは、原稿からの反射光の強弱に応じた大きさを有する電圧値である。第1、第2走行体10,13は、コンタクトガラス5に沿って往復動自在に設けられており、後述する原稿画像の読取動作に際しては、図示しないモータ等の移動装置によって2:1の速度比で副走査方向にスキャニング走行する。これにより、読取光学系7による原稿読取領域の露光走査が行われる。なお、本実施の形態では、読取光学系7側がスキャニング走査を行う原稿固定型で示しているが、読取光学系7側が位置固定で原稿側が移動する原稿移動型であってもよい。
【0086】
プリンタ3は、シート状の用紙等の記録材を保持する記録材保持部16から電子写真方式のプリンタエンジン17及び定着器18を経由して排出部19へ至る記録材経路20を備えている。
【0087】
プリンタエンジン17は、感光体21、帯電器22、露光器23、現像器24、転写器25及びクリーナー26等を用いて、電子写真方式で感光体21の周囲に形成したトナー像を記録材に転写し、転写したトナー像を、定着器18によって記録材上に定着させる。なお、本実施の形態では、プリンタエンジン17が電子写真方式で画像形成を行うが、これに限るものではなく、例えば、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、直接感熱記録方式等の様々な画像形成方式で画像形成を行うようにしても良い。
【0088】
このような複写機1は、複数のマイクロコンピュータで構成される制御系により制御される。図6は、これらの制御系のうち、画像処理に関わる制御系の電気的な接続を概略的に示すブロック図である。この制御系は、CPU30、ROM31、RAM32、操作部である操作パネル33、IPU(Image Processing Unit)34、I/Oポート35等がバス36で接続され構成されている。CPU30は、各種演算を行い、画像処理等の処理を集中的に制御する。ROM31には、CPU30が実行する処理に関わる各種プログラムや固定データが格納されている。また、RAM32は、CPU30のワークエリアとして機能し、加えて、画像データ(画像ファイル等)を一時的に記憶するメモリとしても機能する。操作パネル33には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示器、ハードキー及びタッチパネル等によって構成される複数の操作キー(いずれも図示せず)が設けられている。IPU34は各種画像処理に関わるハードウエアを備えており、ROM31はEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えている。ここで、ROM31内に格納されているプログラムは、CPU30の制御によりI/Oポート35を介して外部装置(図示せず)からダウンロードされるプログラムに書換え可能である。なお、本実施の形態では、ROM31がプログラムを記憶する記憶媒体として機能している。
【0089】
次に、本実施の形態の複写機1における画像処理の概要について図7を参照して説明する。図7は、複写機1における画像処理の概要を説明するための機能ブロック図である。複写機1の画像処理は、スキャナ2で読み取った原画像から画像として必要としない不要領域を抽出する不要領域抽出部40と、抽出した不要領域を原画像から除去する不要領域除去部41と、さらに、図1を参照して説明した各機能ブロックを有する圧縮・伸長部42と、を備え、抽出した不要領域が除去された原画像の画像データに対して前述のようなJPEG2000アルゴリズムによる圧縮符号化を実行し、あるいは、圧縮符号化した原画像の画像データに対して前述のようなJPEG2000アルゴリズムによる伸長復号化を実行する。
【0090】
このような不要領域抽出部40、不要領域除去部41、圧縮・伸長部42等の機能は、ROM31に記憶されているプログラムに基づいてCPU30が行う画像処理で実行されるようにしているが、これに限るものではなく、例えば、IPU34によりハードウエアが行う画像処理で実行されるようにしても良い。これにより、基本的には、スキャナ2で読み取られた原画像の画像データから不要領域に対応する画像データを削除し、削除後の画像データをJPEG2000アルゴリズムにより圧縮符号化して、各画像のコードストリームを生成する。すなわち、画像を1又は複数の矩形領域(タイル111)に分割し、この矩形領域毎に画素値を離散ウェーブレット変換して階層的に圧縮符号化する。
【0091】
ここで、不要領域抽出部40における不要領域の抽出方法について説明する。不要領域抽出部40では、不要領域の属性である所定の不要領域属性に基づいて原画像から不要領域を抽出する。例えば、原画像を複数の領域に分割し、分割した複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が所定の不要領域属性と一致する領域を不要領域として抽出することで、原画像から不要領域が抽出される。領域属性としては、例えば、文字領域、写真領域、図領域、表領域、黒ベタ領域、背景領域等の様々な領域属性があり、本実施の形態では、これらのどれか一つ又は複数の領域属性が所定の不要領域属性として設定される。このような不要領域属性の設定では、不要領域属性を工場出荷時等に予め設定しておいても良く、あるいは、操作パネル33に対する操作者の操作によって設定するようにしても良い。
【0092】
ここで、例えば、原画像が文字領域と写真領域とから構成されている場合には、不要領域属性が写真領域に設定されていると、不要領域抽出部40により写真領域が不要領域として抽出され、その後、不要領域除去部41により原画像から写真領域が除去されることになる。
【0093】
なお、背景領域とは、原稿の余白にあたる余白領域であるが、これに限るものではなく、例えば、行間にあたる行間領域を余白領域に加えた領域であっても良い。また、行間が大きい原画像に対しては、行のみを抽出し、行のみ圧縮・伸長部42により圧縮し、必要であれば、行間の色情報や行の位置情報を別途保存することで、原画像に近い(または同等の)画像を再現することができ、圧縮した画像の画像データサイズを小さくすることができる。また、真っ白な画像の場合には、真っ白な画像に該当する符号を予め設定しておき、圧縮・伸長部42による圧縮を行わずに、予め設定された符号を割当てることで、画像データサイズを小さくすることができる。
【0094】
次いで、複写機1のCPU30がプログラムに基づいて実行する画像処理について説明する。ここでは、複写機1によるコピー動作に伴う画像処理について、不要領域属性が工場出荷時等に予め設定されている場合と不要領域属性が操作者によって設定される場合とに分けて説明する。
【0095】
最初に、不要領域属性が予め設定されている場合について図8及び図9を参照して説明する。図8は不要領域属性が予め設定されている場合の画像処理の流れを概略的に示すフローチャート、図9はその画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。ここでは、所定の不要領域属性として黒ベタ領域U1が設定されている。
【0096】
まず、スキャナ2による原稿画像の読取に待機する(ステップS1のN)。操作者がスキャナ2の原稿圧板6を開放してコンタクトガラス5上に原稿M(例えば、厚手のブック原稿)をセットし、原稿圧板6を開放した状態で、操作パネル33のコピースタートキーを押下すると、スキャナ2は読取光学系7のスキャニング動作でコンタクトガラス5上にセットされた原稿Mから原画像Pを読み取る。このとき、原稿Mの周囲には、原稿Mが厚手のブック原稿であるため、黒ベタが発生する場合がある。
【0097】
スキャナ2により原稿Mから原画像Pが読み取られると(S1のY)、不要領域抽出部40により、所定の不要領域属性である黒ベタ領域属性に基づいて、原画像P中から不要領域である黒ベタ領域U1(図9中の斜線領域)を抽出する(S2)。ここに、不要領域抽出手段又は不要領域抽出機能が実行される。なお、黒ベタ領域U1の抽出方法、例えば、原稿Mの周囲に接触する黒い大きな領域を検出する方法等は公知であるため、その説明は省略する。
【0098】
次いで、原画像Pから黒ベタ領域U1が抽出されたか否か、すなわち、原画像P中に黒ベタ領域U1が存在するか否かを判断する(S3)。黒ベタ領域U1が原画像P中に存在する場合には(S3のY)、不要領域除去部41により、原画像P中の黒ベタ領域U1を原画像Pから除去して画像P1を形成する(S4)。ここに、不要領域除去手段又は不要領域除去機能が実行される。その後、原画像Pから黒ベタ領域U1が除去された画像P1を圧縮・伸長部42により圧縮し(S5)、RAM32に画像ファイルFとして記憶する。ここに、圧縮手段又は圧縮機能が実行される。一方、黒ベタ領域U1が原画像P中に存在しなかった場合には(S3のN)、原画像Pをそのままの状態で圧縮・伸長部42により圧縮し(S5)、RAM32に画像ファイルとして記憶する。
【0099】
その後、RAM32に記憶された画像P1は、所定のタイミングで読み出され、圧縮・伸長部42により伸長されてプリンタ3に供給され、コピー画像として用紙等の記録材に印刷される。ここに、伸長手段又は伸長機能が実行される。なお、RAM32に記憶された画像P1は、変倍(拡大,縮小)、回転、白黒反転等の画像処理が行われる場合もある。
【0100】
次に、不要領域属性が操作者により設定される場合について図10及び図11を参照して説明する。図10は不要領域属性が操作者により設定される場合の画像処理の流れを概略的に示すフローチャート、図11はその画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【0101】
まず、スキャナ2による原稿画像の読取に待機する(ステップS11のN)。操作者がスキャナ2の原稿圧板6を開放してコンタクトガラス5上に原稿Mをセットし、原稿圧板6を閉じて操作パネル33のコピースタートキーを押下すると、スキャナ2は読取光学系7のスキャニング動作でコンタクトガラス5上にセットされた原稿Mから原画像Pを読み取る。
【0102】
スキャナ2により原稿Mから原画像Pが読み取られると(S11のY)、不要領域抽出部40により、読み取られた原画像Pを複数の領域に分割し、原画像P中に混在する複数領域の属性を識別して、文字領域、写真領域、図領域、表領域、背景領域等に分類し、分類した領域属性の中から所定の不要領域属性に一致する領域を不要領域として抽出する(S12)。ここに、不要領域抽出手段又は不要領域抽出機能が実行される。なお、領域識別の方法は、従来の方法、例えば、黒ランの密度を用いて領域識別する方法等で十分であり、その方法は公知であるため、その説明は省略する。
【0103】
ここで、不要領域属性は、操作パネル33に対する操作者の操作によって設定されている。例えば、操作パネル33に文字モードキーや写真モードキー等を設け、文字モードキーが押下された場合には、文字領域以外の領域属性が不要領域属性として設定され、写真モードキーが押下された場合には、写真領域以外の領域属性が不要領域属性として指定される。ここでは、写真モードが操作者により選択されており、写真領域以外の領域属性が不要領域属性として設定され、不要領域U2(図11中の斜線領域)が抽出される。ここに、不要領域属性設定手段又は不要領域属性設定機能が実行される。
【0104】
次いで、原画像Pから不要領域U2が抽出されたか否か、すなわち、原画像Pの分類された複数領域の中に不要領域U2が存在するか否かを判断する(S13)。原画像P中に不要領域U2が存在する場合には(S13のY)、不要領域除去部41により、原画像P中の不要領域U2を原画像Pから除去して画像P2を形成する(S14)。ここに、不要領域除去手段又は不要領域除去機能が実行される。その後、原画像Pから不要領域U2が除去された画像P2を圧縮・伸長部42により圧縮し(S15)、RAM32に画像ファイルFとして記憶する。ここに、圧縮手段又は圧縮機能が実行される。一方、原画像P中に不要領域U2が存在しない場合には(S13のN)、原画像Pをそのままの状態で圧縮・伸長部42により圧縮し(S15)、RAM32に画像ファイルとして記憶する。
【0105】
その後、RAM32に記憶された画像P2は、所定のタイミングで読み出され、圧縮・伸長部42により伸長されてプリンタ3に供給され、コピー画像として用紙等の記録材に印刷される。ここに、伸長手段又は伸長機能が実行される。なお、RAM32に記憶された画像P2は、変倍(拡大,縮小)、回転、白黒反転等の画像処理が行われる場合もある。
【0106】
ここで、ステップS12における領域属性の識別方法としては、ウェーブレット特徴量を用いることが可能であり、例えば、原画像Pを2次元ウェーブレット変換し(図3参照)、変換した原画像Pの2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報(LL成分、LH成分、HL成分、HH成分)に基づいて原画像P中に混在する複数領域の属性を識別分類する方法がある。ここで、LL成分とは水平方向低周波・垂直方向低周波成分であり、LH成分とは水平方向低周波・垂直方向高周波成分であり、HL成分とは水平方向高周波・垂直方向低周波成分であり、HH成分とは水平方向高周波・垂直方向高周波成分である。なお、JPEG2000の2次元ウェーブレット変換は、1次元フィルタを水平方向及び垂直方向に適用することで2次元ウェーブレット係数を算出し、算出した2次元ウェーブレット係数をローパスフィルタとハイパスフィルタとの組合せによって、前述した4つの係数群(LL成分、LH成分、HL成分、HH成分)に分割する。
【0107】
その周波数成分情報に基づく識別方法においては、原画像Pの写真領域でHH成分が高くなることを利用して、HH成分の領域が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別し、また、原画像の文字領域でHH成分が文字行方向に隣設して連続することを利用して、HH成分が文字行方向に隣設して連続する領域の属性を文字領域属性として識別する。さらに、表の罫線がHL成分及びLH成分に反応することを利用して、HL及びLH成分に基づいて複数領域の属性を表領域属性として識別し、加えて、背景領域でLL成分以外のHH、HL、LH成分があまり高くないことを利用して、HH、HL、LH成分が他の領域に比べあまり高くない領域の属性を背景領域属性として識別する。このような領域識別方法を用いることで、従来の領域識別方法に比べ、精度が高い領域識別を実行することができる。
【0108】
このように本実施の形態では、原画像Pから不要領域U1,U2を除去し、不要領域U1,U2が除去された画像P1,P2を圧縮することで、不要領域U1,U2を含む原画像Pを圧縮する場合に比べ、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間が短くなるので、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。さらに、JPEG2000アルゴリズムの圧縮手段及び伸長手段を用いることで、JPEG2000の特性を活かした様々な画像処理を実行することができる。
【0109】
また、操作パネル33に対する操作者の操作によって、操作者の希望に応じて不要領域属性が設定されるので、操作者は自由に不要領域を選択することができる。
【0110】
本発明の第二の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第一の実施の形態と基本的構成は同じであり、その相違点は不要領域抽出部40における不要領域の抽出手段である。なお、第一の実施の形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0111】
本実施の形態の不要領域抽出部40では、第一の実施の形態のように領域属性に基づいて不要領域を抽出することはなく、操作パネル33に対する操作者の操作によって原画像から特定領域を選択し、操作者によって選択された特定領域に基づいて不要領域を抽出することで、原画像から不要領域が抽出される。なお、特定領域としては、必要領域又は不要領域のどちらを選択するようにしても良く、必要領域が特定領域として選択された場合には、特定領域以外の領域が不要領域として設定され、不要領域が特定領域として選択された場合には、特定領域がそのまま不要領域として設定される。また、必要領域には、注目領域が含まれる場合もある。なお、特定領域の選択方法は公知であるため、その説明は省略する。
【0112】
ここで、例えば、原画像が文字領域と写真領域とから構成されている場合には、操作者によって写真領域の中から特に必要な特定領域が選択されると、不要領域抽出部40により特定領域以外の領域が不要領域として抽出され、その後、不要領域除去部41により原画像から特定領域以外の領域が除去されることになる。このような不要領域の抽出手段は、特に、画像処理装置としてデジタルカメラやパーソナルコンピュータ等を用いた場合に有効である。
【0113】
このように本実施の形態では、操作者により原画像から選択された特定領域に基づいて不要領域を抽出することで、操作者により選択された特定領域が必要領域である場合には、特定領域以外の領域が不要領域として設定され、操作者により選択された特定領域が不要領域である場合には、その不要領域が不要領域として設定されるので、操作者は不要領域を自由に選択設定することができる。
【0114】
なお、各実施の形態においては、画像処理装置として複写機1を用いているが、これに限るものではなく、例えば、パーソナルコンピュータ等を用いても良い。この場合、パーソナルコンピュータは、CPU、ROM、RAM、各種のプログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、CD−ROMドライブ、ネットワークを介し外部装置と通信により情報を伝達するための通信制御装置、処理経過や結果等を操作者に表示する表示装置、キーボードやマウス等の入力装置等を備えている。ここで、HDDは、前述したようなJPEG2000フォーマットの圧縮伸長用のプログラムを含むプログラムを記憶する記憶媒体として機能する。
【0115】
なお、一般的には、パーソナルコンピュータのHDDにインストールされるプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等に記録され、この記録されたプログラムがHDDにインストールされる。このため、CD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体も、前述したようなJPEG2000フォーマットの圧縮伸長用のプログラムを含むプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、このようなプログラムは、例えば通信制御装置を介して外部から取込まれ、HDDにインストールされても良い。
【0116】
また、各実施の形態においては、JPEG2000アルゴリズムの圧縮手段を用いているが、これに限るものではなく、例えば、JPEG等の他の圧縮手段を用いても良い。
【0117】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像処理装置によれば、原画像中から画像として必要としない不要領域を抽出する不要領域抽出手段と、前記不要領域抽出手段により抽出された前記不要領域を前記原画像から除去する不要領域除去手段と、前記不要領域が除去された前記原画像を圧縮する圧縮手段と、を備えることから、原画像から不要領域を除去し、不要領域が除去された原画像を圧縮することで、不要領域を含む原画像を圧縮する場合に比べ、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の様々な処理に費やす時間が短くなるので、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。
【0118】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、前記不要領域の属性である所定の不要領域属性に基づいて前記原画像から前記不要領域を抽出することから、簡単にそして正確に不要領域を抽出することができる。
【0119】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の不要領域属性と一致する領域を前記不要領域として抽出することから、簡単にそして正確に不要領域を抽出することができる。
【0120】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別することから、2次元ウェーブレット変換による領域識別が行われるので、精度が高い領域識別を実行することができる。
【0121】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別することから、写真領域を精度高く識別することができる。
【0122】
請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別することから、文字領域を精度高く識別することができる。
【0123】
請求項7記載の発明によれば、請求項4、5又は6記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別することから、表領域を精度高く識別することができる。
【0124】
請求項8記載の発明によれば、請求項4、5、6又は7記載の画像処理装置において、前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別することから、背景領域を精度高く識別することができる。
【0125】
請求項9記載の発明によれば、請求項2ないし8のいずれか一記載の画像処理装置において、操作者による操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の不要領域属性を設定する不要領域属性設定手段と、を備えることから、操作部に対する操作者の操作によって操作者の希望に応じて不要領域属性が設定されるので、操作者は自由に不要領域を選択することができる。
【0126】
請求項10記載の発明によれば、請求項1記載の画像処理装置において、操作者による操作を受け付ける操作部を備え、前記不要領域抽出手段は、前記操作部に対する操作者の操作により前記原画像から選択された特定領域に基づいて前記不要領域を抽出することから、操作者により選択された特定領域が必要領域である場合には、特定領域以外の領域が不要領域として設定され、操作者により選択された特定領域が不要領域である場合には、その不要領域が不要領域として設定されて、操作者は不要領域を自由に選択設定することができる。
【0127】
請求項11記載の発明によれば、請求項1ないし10のいずれか一記載の画像処理装置において、原稿から前記原画像を光学的に読み取る読取光学系を備えることから、原稿から原画像を読み取ることが可能になり、その結果として、この原画像に対し画像処理等の様々な処理を実行することができる。
【0128】
請求項12記載の発明によれば、請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置において、前記圧縮手段により圧縮された画像を伸長する伸長手段を備えることから、圧縮された画像を伸長することが可能になり、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することができる。
【0129】
請求項13記載の発明によれば、請求項12記載の画像処理装置において、前記伸長手段により伸長された画像を記録材に画像形成するプリンタエンジンを備えることから、伸長された画像を用紙等の記録材に形成することが可能になり、その結果として、人による画像認識ができ、さらに、不要な画像を記録材に形成せずに画像を形成することができる。
【0130】
請求項14記載の発明によれば、請求項1ないし13のいずれか一記載の画像処理装置において、前記圧縮手段は、前記不要領域が除去された前記原画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮することから、不要領域が除去された原画像が高い圧縮率で圧縮され、その結果として、画像データサイズを小さくすることが可能になる。
【0131】
請求項15記載の発明によれば、請求項14記載の画像処理装置において、前記伸長手段は、前記圧縮手段により圧縮された前記原画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長することから、圧縮された画像が伸張され、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することができる。
【0132】
請求項16記載の発明のプログラムによれば、画像処理装置が備えるコンピュータによって解釈され、前記コンピュータに、原画像中から画像として必要としない不要領域を抽出する不要領域抽出機能と、前記不要領域抽出機能により抽出された前記不要領域を前記原画像から除去する不要領域除去機能と、前記不要領域が除去された前記原画像を圧縮する圧縮機能と、を実行させることから、原画像から不要領域を除去し、不要領域が除去された原画像を圧縮することで、不要領域を含んだままの原画像を圧縮する場合に比べ、画像データサイズが小さくなり、その結果として、画像処理等の処理に費やす時間が短くなるので、画像データサイズの低減及び処理時間の短縮を実現することができる。
【0133】
請求項17記載の発明によれば、請求項16記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、前記不要領域の属性である所定の不要領域属性に基づいて前記原画像から前記不要領域を抽出することから、簡単にそして正確に不要領域を抽出することができる。
【0134】
請求項18記載の発明によれば、請求項17記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の不要領域属性と一致する領域を前記不要領域として抽出することから、簡単にそして正確に不要領域を抽出することができる。
【0135】
請求項19記載の発明によれば、請求項18記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別することから、2次元ウェーブレット変換による領域識別が行われるので、精度が高い領域識別を実行することができる。
【0136】
請求項20記載の発明によれば、請求項19記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別することから、写真領域を精度高く識別することができる。
【0137】
請求項21記載の発明によれば、請求項19又は20記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別することから、文字領域を精度高く識別することができる。
【0138】
請求項22記載の発明によれば、請求項19、20又は21記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別することから、表領域を精度高く識別することができる。
【0139】
請求項23記載の発明によれば、請求項19、20、21又は22記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別することから、背景領域を精度高く識別することができる。
【0140】
請求項24記載の発明によれば、請求項17ないし23のいずれか一記載のプログラムにおいて、操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の不要領域属性を設定する不要領域属性設定機能を前記コンピュータに実行させることから、操作部に対する操作者の操作によって操作者の希望に応じて不要領域属性が設定されるので、操作者は自由に不要領域を選択することができる。
【0141】
請求項25記載の発明によれば、請求項16記載のプログラムにおいて、前記不要領域抽出機能は、操作部に対する操作者の操作により前記原画像から選択された特定領域に基づいて前記不要領域を抽出することから、操作者により選択された特定領域が必要領域である場合には、特定領域以外の領域が不要領域として設定され、操作者により選択された領域が不要領域である場合には、その不要領域が不要領域として設定されて、操作者は不要領域を自由に選択設定することができる。
【0142】
請求項26記載の発明によれば、請求項16ないし25のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能により圧縮された画像を伸長する伸長機能を前記コンピュータに実行させることから、圧縮された画像を伸長することが可能になり、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することができる。
【0143】
請求項27記載の発明によれば、請求項16ないし26のいずれか一記載のプログラムにおいて、前記圧縮機能は、前記不要領域が除去された前記原画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮することから、不要領域が除去された原画像が高い圧縮率で圧縮され、その結果として、画像データサイズを小さくすることができる。
【0144】
請求項28記載の発明によれば、請求項27記載のプログラムにおいて、前記伸長機能は、前記圧縮機能により圧縮された前記原画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長することから、圧縮された画像が伸張され、その結果として、伸長された画像の表示装置等への表示や用紙等への印字等を実行することができる。
【0145】
請求項29記載の発明のコンピュータ読取可能な記憶媒体によれば、請求項16ないし28のいずれか一記載のプログラムを記憶していることから、請求項16ないし28のいずれか一記載の発明と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】JPEG2000アルゴリズムの概要を説明するための機能ブロック図である。
【図2】カラー画像である原画像の分割された各コンポーネントの一例を概略的に示す模式図である。
【図3】デコンポジションレベル数が3である場合の各デコンポジションレベルにおけるサブバンドを概略的に示す模式図である。
【図4】コードストリームの構造の一例を概略的に示す模式図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態の複写機を概略的に示す縦断面図である。
【図6】複写機の制御系のうち、画像処理に関わる制御系の電気的な接続を概略的に示すブロック図である。
【図7】複写機における画像処理の概要を説明するための機能ブロック図である。
【図8】不要領域属性が予め設定されている場合の画像処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図9】不要領域属性が予め設定されている場合の画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【図10】不要領域属性が操作者により設定される場合の画像処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図11】不要領域属性が操作者により設定される場合の画像処理による画像の変化を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像処理装置(複写機)
7 読取光学系
17 プリンタエンジン
31 記憶媒体(ROM)
33 操作部(操作パネル)
40 不要領域抽出手段、不要領域抽出機能(不要領域抽出部)
41 不要領域除去手段、不要領域除去機能(不要領域除去部)
42 圧縮手段、伸長手段、圧縮機能、伸長機能(圧縮・伸長手段)
Claims (29)
- 原画像中から画像として必要としない不要領域を抽出する不要領域抽出手段と、
前記不要領域抽出手段により抽出された前記不要領域を前記原画像から除去する不要領域除去手段と、
前記不要領域が除去された前記原画像を圧縮する圧縮手段と、
を備える画像処理装置。 - 前記不要領域抽出手段は、前記不要領域の属性である所定の不要領域属性に基づいて前記原画像から前記不要領域を抽出する請求項1記載の画像処理装置。
- 前記不要領域抽出手段は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の不要領域属性と一致する領域を前記不要領域として抽出する請求項2記載の画像処理装置。
- 前記不要領域抽出手段は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別する請求項3記載の画像処理装置。
- 前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別する請求項4記載の画像処理装置。
- 前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別する請求項4又は5記載の画像処理装置。
- 前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別する請求項4、5又は6記載の画像処理装置。
- 前記不要領域抽出手段は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別する請求項4、5、6又は7記載の画像処理装置。
- 操作者による操作を受け付ける操作部と、
前記操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の不要領域属性を設定する不要領域属性設定手段と、
を備える請求項2ないし8のいずれか一記載の画像処理装置。 - 操作者による操作を受け付ける操作部を備え、
前記不要領域抽出手段は、前記操作部に対する操作者の操作により前記原画像から選択された特定領域に基づいて前記不要領域を抽出する請求項1記載の画像処理装置。 - 原稿から前記原画像を光学的に読み取る読取光学系を備える請求項1ないし10のいずれか一記載の画像処理装置。
- 前記圧縮手段により圧縮された画像を伸長する伸長手段を備える請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置。
- 前記伸長手段により伸長された画像を記録材に画像形成するプリンタエンジンを備える請求項12記載の画像処理装置。
- 前記圧縮手段は、前記不要領域が除去された前記原画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する請求項1ないし13のいずれか一記載の画像処理装置。
- 前記伸長手段は、前記圧縮手段により圧縮された前記原画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する請求項14記載の画像処理装置。
- 画像処理装置が備えるコンピュータによって解釈され、前記コンピュータに、
原画像中から画像として必要としない不要領域を抽出する不要領域抽出機能と、
前記不要領域抽出機能により抽出された前記不要領域を前記原画像から除去する不要領域除去機能と、
前記不要領域が除去された前記原画像を圧縮する圧縮機能と、
を実行させるプログラム。 - 前記不要領域抽出機能は、前記不要領域の属性である所定の不要領域属性に基づいて前記原画像から前記不要領域を抽出する請求項16記載のプログラム。
- 前記不要領域抽出機能は、前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別分類し、識別分類した領域属性が前記所定の不要領域属性と一致する領域を前記不要領域として抽出する請求項17記載のプログラム。
- 前記不要領域抽出機能は、前記原画像を2次元ウェーブレット変換し、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれている周波数成分情報に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を識別する請求項18記載のプログラム。
- 前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が広く分布している領域の属性を写真領域属性として識別する請求項19記載のプログラム。
- 前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分に基づいて、HH成分が行方向に隣接して連続している領域の属性を文字領域属性として識別する請求項19又は20記載のプログラム。
- 前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHL成分及びLH成分に基づいて前記原画像中に混在する複数領域の属性を表領域属性として識別する請求項19、20又は21記載のプログラム。
- 前記不要領域抽出機能は、変換した前記原画像の2次元ウェーブレット係数中に含まれているHH成分、HL成分及びLH成分に基づいて、HH成分、HL成分及びLH成分が他の領域に比べ高くない領域の属性を背景領域属性として識別する請求項19、20、21又は22記載のプログラム。
- 操作部に対する操作者の操作に基づいて前記所定の不要領域属性を設定する不要領域属性設定機能を前記コンピュータに実行させる請求項17ないし23のいずれか一記載のプログラム。
- 前記不要領域抽出機能は、操作部に対する操作者の操作により前記原画像から選択された特定領域に基づいて前記不要領域を抽出する請求項16記載のプログラム。
- 前記圧縮機能により圧縮された画像を伸長する伸長機能を前記コンピュータに実行させる請求項16ないし25のいずれか一記載のプログラム。
- 前記圧縮機能は、前記不要領域が除去された前記原画像を2次元ウェーブレット変換、量子化及び符号化という手順で圧縮する請求項16ないし26のいずれか一記載のプログラム。
- 前記伸長機能は、前記圧縮機能により圧縮された前記原画像を復号化、逆量子化及び2次元ウェーブレット逆変換という手順で伸長する請求項27記載のプログラム。
- 請求項16ないし28のいずれか一記載のプログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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JP2003016325A JP2004229096A (ja) | 2003-01-24 | 2003-01-24 | 画像処理装置、プログラム及び記憶媒体 |
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JP2013095064A (ja) * | 2011-11-01 | 2013-05-20 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、画像形成システム、出力用画像データ処理方法、プログラム及び記録媒体 |
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2003
- 2003-01-24 JP JP2003016325A patent/JP2004229096A/ja active Pending
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