JP7079631B2 - 画像処理方法、コンピュータプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、コンピュータプログラムおよび記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP7079631B2
JP7079631B2 JP2018050932A JP2018050932A JP7079631B2 JP 7079631 B2 JP7079631 B2 JP 7079631B2 JP 2018050932 A JP2018050932 A JP 2018050932A JP 2018050932 A JP2018050932 A JP 2018050932A JP 7079631 B2 JP7079631 B2 JP 7079631B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
image
cell
original image
image processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018050932A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019164450A (ja
Inventor
博己 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2018050932A priority Critical patent/JP7079631B2/ja
Priority to US16/979,928 priority patent/US11430130B2/en
Priority to PCT/JP2018/043983 priority patent/WO2019181072A1/ja
Priority to EP18911181.8A priority patent/EP3770853A4/en
Publication of JP2019164450A publication Critical patent/JP2019164450A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7079631B2 publication Critical patent/JP7079631B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
    • G06T7/11Region-based segmentation
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/483Physical analysis of biological material
    • G01N33/4833Physical analysis of biological material of solid biological material, e.g. tissue samples, cell cultures
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F18/00Pattern recognition
    • G06F18/20Analysing
    • G06F18/24Classification techniques
    • G06F18/245Classification techniques relating to the decision surface
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T3/00Geometric image transformation in the plane of the image
    • G06T3/40Scaling the whole image or part thereof
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
    • G06T7/168Segmentation; Edge detection involving transform domain methods
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
    • G06T7/194Segmentation; Edge detection involving foreground-background segmentation
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V10/00Arrangements for image or video recognition or understanding
    • G06V10/40Extraction of image or video features
    • G06V10/50Extraction of image or video features by performing operations within image blocks; by using histograms, e.g. histogram of oriented gradients [HoG]; by summing image-intensity values; Projection analysis
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V10/00Arrangements for image or video recognition or understanding
    • G06V10/94Hardware or software architectures specially adapted for image or video understanding
    • G06V10/945User interactive design; Environments; Toolboxes
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V20/00Scenes; Scene-specific elements
    • G06V20/60Type of objects
    • G06V20/69Microscopic objects, e.g. biological cells or cellular parts
    • G06V20/695Preprocessing, e.g. image segmentation
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V20/00Scenes; Scene-specific elements
    • G06V20/60Type of objects
    • G06V20/69Microscopic objects, e.g. biological cells or cellular parts
    • G06V20/698Matching; Classification
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20021Dividing image into blocks, subimages or windows
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20048Transform domain processing
    • G06T2207/20052Discrete cosine transform [DCT]
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20092Interactive image processing based on input by user
    • G06T2207/20101Interactive definition of point of interest, landmark or seed
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30004Biomedical image processing
    • G06T2207/30024Cell structures in vitro; Tissue sections in vitro

Description

この発明は、培養環境下で撮像された細胞とその背景とを含む画像から、細胞の領域とそれ以外の領域とを分割する画像処理技術に関するものである。
培養環境下で細胞を含んで撮像された画像においては、本来の撮像対象物である細胞の領域とその背景に当たる領域とが画像内で区別して扱われる場合がある。例えば細胞の大きさを求めるために、細胞と背景との境界を画定させる必要がある。従来、例えば細胞を所定の薬剤で染色したり蛍光試薬を投入したりすることで細胞の領域を特定することが行われてきた。しかしながら、例えば細胞の変化を経時的に観察する等の目的で、撮像対象である細胞を改変するような処理を用いずに細胞領域を特定することが求められる場合がある。
培地中の細胞は透明に近く屈折率も水とあまり違わないため、撮像された画像においては細胞と背景との境界が不明瞭であることも多い。この問題に対応するため、本願出願人はこれまでに、特に細胞の輪郭が明瞭に現れた画像を得ることのできる明視野撮像技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。画像における細胞と背景との区別には、例えば細胞と背景との輝度の差を利用した2値化処理、細胞輪郭を抽出するためのエッジ検出などの画像処理が利用可能である。
特開2016-071588号公報
培養環境下の細胞を経時的に観察する場合、培養の初期段階では撮像された画像に含まれるのは細胞と概ね一様な背景たる培地とである。このため細胞と背景との識別は比較的容易である。しかしながら、培養が進むにつれて、細胞から排出される老廃物や死んだ細胞の残骸など(以下、「デブリ」と総称する)が撮像対象である細胞の周りに現れ、画像に含まれるようになってくる。このため、2値化や輪郭抽出などの単純な処理では細胞とデブリとを適切に識別することが困難である。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、細胞と背景とを含む画像から細胞の領域とそれ以外の領域とを適切に分割することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明に係る画像処理方法の第1の態様は、上記目的を達成するため、培養された細胞が背景と共に含まれる原画像を取得する工程と、前記原画像を所定数の画素からなるブロックに分割し、各ブロック内の画像が有する空間周波数成分を求める工程と、予め定められた周波数以下の低周波数成分の強度の合計と、前記低周波成分よりも高い周波数の高周波数成分の強度の合計とをそれぞれ特徴量とする二次元特徴量空間において、前記ブロックの各々を、前記細胞に対応する細胞クラスタに属するブロックとそれ以外のブロックとに分類する工程と、前記原画像のうち、前記細胞クラスタに分類された前記ブロックが占める領域を前記細胞の領域として、前記原画像を前記細胞の領域とそれ以外の領域とに分割する工程とを備え、前記空間周波数成分のうち直流成分の強度と、全ての交流成分の強度の合計とをそれぞれ前記特徴量とする。また、この発明に係る画像処理方法の第2の態様は、上記目的を達成するため、培養された細胞が背景と共に含まれる原画像を取得する工程と、前記原画像の画素サイズを、取得したときの原画素サイズから、前記原画素サイズと異なるブロック分割用の画素サイズに変換する工程と、前記変換後の前記原画像を所定数の画素からなるブロックに分割し、各ブロック内の画像が有する空間周波数成分を求める工程と、予め定められた周波数以下の低周波数成分の強度の合計と、前記低周波数成分より高い周波数の高周波数成分の強度の合計とをそれぞれ特徴量とする二次元特徴量空間において、前記ブロックの各々を、前記細胞に対応する細胞クラスタに属するブロックとそれ以外のブロックとに分類する工程と、前記原画像を、前記細胞クラスタに分類された前記ブロックが占める領域とそれ以外の領域とに分割する工程とを備え、前記ブロックのサイズは、前記細胞1つのサイズに相当するように選ばれている。
このように構成された発明では、画像内における局所的な空間周波数成分の分布に基づいて画像が分割される。すなわち、画像がブロックに分割され、ブロックごとの空間周波数成分が求められる。空間周波数成分のうち低周波成分は当該ブロックにおける緩やかな輝度変化を、高周波成分はより細かな輝度変化の状態をそれぞれ表す。なお低周波成分の中でも直流成分は当該ブロック全体の平均的な輝度を表す。したがって、このようにブロックを空間周波成分ごとの強度で表現した場合、低周波成分は当該ブロックの明るさを、また高周波成分はブロック内のテクスチャをそれぞれ反映したものとなる。
これらを当該ブロックの特徴量として扱ったとき、二次元特徴量空間内で占める位置を考えると、細胞の領域に該当するブロックと背景に該当するブロックとではその分布に有意な差が現れ、互いに独立したクラスタを形成する。画像にデブリが含まれる場合には、これに該当するブロックは細胞、背景のいずれとも異なるクラスタを形成する。このことを利用し、特徴量空間において細胞クラスタに属するブロックが原画像において占める位置を細胞の領域とみなすこととすれば、デブリの影響を受けることなく原画像から細胞の領域を的確に抽出することが可能となる。
本発明に係る画像処理方法は、コンピュータをその実行主体とすることが可能なものである。この意味において、本発明は、コンピュータに上記処理を実行させるためのコンピュータプログラムとして実現することが可能である。また、当該コンピュータプログラムを記録した記録媒体として実現することも可能である。
上記のように、本発明の画像処理方法によれば、原画像を分割したブロックの各々について、当該ブロック内の画像が有する空間周波数成分の特徴に基づき、当該ブロックが細胞に相当するものか否かが評価される。このため、細胞と背景とを含む画像から、細胞の領域とそれ以外の領域とを適切に分離することが可能である。
本実施形態の領域分割処理を示すフローチャートである。 この実施形態の領域分割処理を実行するコンピュータ装置の構成例である。 原画像の例を示す図である。 DCT演算の概念を示す図である。 判定基準を策定するための処理を示すフローチャートである。 処理過程における指示入力態様を例示する図である。 特徴量空間における境界特定方法の例を示す図である。
以下、本発明に係る画像処理方法の一実施形態について説明する。この実施形態における画像処理は、培地中で培養された細胞または細胞の集合体を撮像した画像から、細胞の領域を抽出する領域分割処理である。この画像処理は、細胞を含む試料を撮像する撮像機能を備えた撮像装置によって撮像された未加工の原画像に対してなされる。撮像装置が撮像後の画像データに対する後処理の1つとして本画像処理を実行してもよく、また撮像装置あるいは適宜の記憶手段から画像データを受け取ったコンピュータ装置が、本画像処理を実行してもよい。
ここでは、既に実行された撮像により生成された原画像データに対し、汎用のコンピュータ装置が本実施形態の画像処理を実行する態様を例示して説明する。撮像装置の構成については特に限定されず、培養された細胞を含む試料を培地とともに撮像し、デジタル画像データとして出力する機能を有するものであればよい。また画像は明視野撮像画像であることが好ましい。また、コンピュータ装置についても、例えばパーソナルコンピュータとして製品化されている一般的なハードウェア構成を有するものを利用可能である。以下ではこれらのハードウェアについての詳しい説明を省略する。
図1は本実施形態の領域分割処理を示すフローチャートである。まず、図1を参照してこの実施形態における領域分割処理の概略について説明し、その後で処理の具体的内容について詳しく説明する。コンピュータ装置は、培地中で培養された細胞を含む試料を適宜の撮像装置および撮像条件で明視野撮像することにより得られる原画像を取得する(ステップS101)。原画像は少なくとも1つの細胞の全体を含むものとする。したがって、原画像は細胞と細胞以外のデブリや背景等とを含み得る。
取得された原画像については、解像度変換が必要であるか否かが判断される(ステップS102)。解像度変換は、撮像時の原画像の画素サイズを領域分割処理に適した画素サイズに変換する処理である。必要と判断された場合には解像度変換が実行される(ステップS103)。
以下の説明において特に断りなく単に「画素」というとき、ステップS104以降の処理に供される原画像の画素を指すものとする。解像度変換が実行されていれば変換後の画素が、また解像度変換が実行されていなければ撮像時の画素が、ここでいう「画素」である。なお特に区別する必要があるとき、変換前の(つまり撮像時の)画素を「原画素」と称することがある。すなわち、「原画素」は、解像度変換が実行されたか否かに関わらず撮像時の画素を意味するものとする。
原画像は複数のブロックに分割される(ステップS104)。この実施形態では、原画像における4画素×4画素の正方形が1つのブロックとされる。解像度変換が行われたときには、上記した通り、ここでいう画素は変換後の画素である。1ライン分の画素数が1ブロックの1辺の画素数4で割り切れない場合には、原画像の端部において処理に算入されない画素が生じてもよい。また、このような端数が出ないように原画像の端部を予め切除しておいてもよい。
次に、各画素の画素値から、原画像全体における平均画素値がオフセット値として減算される(ステップS105)。画素値が例えば8ビットデータとして表されている場合、各画素は0から255までの256段階の値を取り得るが、平均画素値を減算することにより、画素値として負の値を取る画素も出現することになる。この処理は、後の演算の便宜のためのレベルシフトのためのものである。
こうして分割されたブロックごとに、空間周波数成分が求められる。この目的のために、本実施形態では二次元の離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform;以下「DCT」と略称する)演算が利用される(ステップS106)。例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)画像圧縮技術でも用いられているように、二次元DCT演算により各ブロックの画像内容が二次元の空間周波数成分に分解される。
当該ブロックの画像内容は、各周波数成分を合成することによって再現することが可能である。画像の内容により、周波数成分ごとの強度が異なる。JPEG方式の画像圧縮理論において知られているように、各周波数成分の強度は、DCT演算により得られるDCT係数として求められる。
空間周波数成分のうち低周波成分は、ブロック内の画像における緩やかな明るさの変化を表す。このうち直流成分は、当該ブロックの明るさの平均値に相当する。一方、高周波成分はより細かい明るさの変化を表しており、ブロック内の画像のテクスチャに関する情報を持つ。そこで、求められたDCT係数に基づき、ある空間周波数より低い周波数成分の合計値を、当該ブロックの明るさに対応する特徴量として、またこれより高い周波数成分の合計値を、当該ブロックのテクスチャに対応する特徴量としてそれぞれ算出する(ステップS107)。
こうすることで、1つのブロックを、明るさを示す低周波特徴量とテクスチャを示す高周波特徴量とによって表現することができる。一例として、画像の空間周波数成分を直流成分と交流成分とに分け、直流成分をブロックの明るさを表す特徴量として、また交流成分をブロック内のテクスチャを表す特徴量とすることができる。
こうして各ブロックの画像の特徴が、明るさを表す低周波特徴量とテクスチャを表す高周波特徴量とにより表現される。これらの特徴量で表されるブロックが、細胞内領域の特徴と、それ以外の領域の特徴とのいずれを強く有しているかによって、当該ブロックが細胞に対応するものかそれ以外の非細胞に対応するかを判定することができる(ステップS108)。ブロックごとに当該ブロックが細胞に相当するか非細胞に相当するかが判定されれば、その結果に基づき、原画像が細胞の領域と非細胞の領域とに分割される(ステップS109)。以上が本実施形態の領域分割処理の概要である。
図2はこの実施形態の領域分割処理を実行するコンピュータ装置の構成例である。コンピュータ装置1は例えばパーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものであり、CPU(Central Processing Unit)10、メモリ14、ストレージ15、入力デバイス16、表示部17、インターフェース18およびディスクドライブ19などを備えている。
CPU10は、予め用意された制御プログラムを実行することで、領域分割処理を実行するための各機能ブロック、すなわち画像加工部11、DCT演算部12および分類部13などの機能ブロックをソフトウェア的に実現する。なお、これらが専用ハードウェアにより構成されてもよい。メモリ14はCPU10の演算過程で生成される各種データを一時的に記憶する。ストレージ15は、CPU10が実行すべき制御プログラムのほか、原画像の画像データや処理後の画像データ等を長期的に記憶する。
入力デバイス16は、オペレータからの指示入力を受け付けるためのものであり、例えばマウス、キーボードなどを含む。また、表示部17は画像を表示する機能を有する例えば液晶ディスプレイであり、原画像や処理後の画像、オペレータへのメッセージ等種々の情報を表示する。なお、入力デバイスと表示部とが一体化されたタッチパネルが設けられてもよい。
インターフェース18は、電気通信回線を介して外部装置との間で各種データ交換を行う。ディスクドライブ19は、画像データや制御プログラム等各種のデータを記録した外部の記録ディスク2を受け入れる。記録ディスク2に記憶された画像データや制御プログラム等は、ディスクドライブ19により読み出され、ストレージ16に記憶される。ディスクドライブ19はコンピュータ装置1内で生成されたデータを記録ディスク2に書き込む機能を備えていてもよい。
本実施形態の領域分割処理をコンピュータ装置1に実行させるための制御プログラムについては、これを記録した記録ディスク2にディスクドライブ19がアクセスして読み出される態様であってもよく、インターフェース18を介して外部装置から与えられる態様であってもよい。原画像データについても同様である。
画像加工部11は、原画像の解像度変換、ブロック分割および最終的な画像の領域分割等を実行する。また、DCT演算部12は上記したDCT演算をブロックごとに実行して空間周波数成分を求める。分類部13は、ブロックごとに求められた特徴量に基づき、各ブロックを細胞に対応するものとそれ以外とに分類する。
図3は原画像の例を示す図である。図3(a)に示すように、ステップS101において取得された原画像Iaが、画像オブジェクトとして細胞Cと、その周囲に分布するデブリDと、培地に対応する背景Bとを含むものであったとする。図において画像の横方向座標をX座標、縦方向座標をY座標とする。これらの画像オブジェクトの形状および濃淡は単に一例を示したものであり、実際に得られる画像では種々の形状および濃淡を取り得る。なおデブリは常に存在するとは限らず、細胞Cと背景Bとで原画像が構成される場合もあり得る。また、画像が細胞Cと、これを取り巻くデブリDとで占められ、培地に対応する背景が含まれない場合もあり得る。また、培地の量や撮像時の照明条件等により、背景Bの明るさも常に同じとは限らない。
これらのことから、画像の中での細胞の領域とそれ以外の領域との配置や濃淡等の関係は、原画像ごとに異なっていると考えるべきである。ここに説明する画像処理は、これらの関係によらず成立するものである。この実施形態における領域分割処理の基本的な考え方は、原画像Iaを小さなブロックに分割し、各ブロックが有する空間周波数成分によって、当該ブロックが細胞Cの画像特徴を強く有しているか、それ以外の特徴を強く有しているかを判定するというものである。
この領域分割処理では、原画像Iaが所定サイズを有する正方形のブロックに分割されて処理される。図3(b)に示すように、1つのブロックBLはX方向およびY方向に4画素ずつ、計16の画素Pからなる正方形の領域である。ブロックBLの大きさは、画像中の抽出対象となる細胞Cの大きさに応じて設定されることが望ましい。
ブロックサイズが小さすぎると、1つのブロックは細胞のごく一部のみを含むこととなり、画像において細胞が有する特徴的な性質を十分に処理に反映させることができず、領域分割の精度低下を招く。また、ブロックサイズが大きすぎると、1つのブロックに細胞の特徴とそれ以外のオブジェクトの特徴とが混在することになり、やはり精度低下の原因となる。本願発明者の知見では、ブロックBLの大きさは、画像中の抽出対象となる細胞Cの内部に概ね1つのブロックが入る程度に選ばれるのが好ましい。
細胞Cが例えばヒトの体細胞である場合、その直径は概ね10μm~20μm程度である。したがって、ブロックBLの大きさも、試料サイズに換算したときの1辺の長さがこれと同程度か少し小さいことが好ましい。このことから1つの画素Pのサイズは、1辺が2.5μm~5μmまたはこれより少し小さいことが好ましい。
撮像における解像度を例えば6400dpi(dots per inch)とすると、画素サイズは約4μmである。また、解像度を16000dpiとすると、画素サイズは約1.6μmである。このことから、上記した画素Pのサイズを得るために必要な解像度としては6400dpiないし16000dpiが好適である。ただし、これらは本実施形態の領域分割処理を行うのに適した値であって、撮像時にはこれに制約されずできるだけ高い解像度で撮像を行うことが基本である。
例えば32000dpi(画素サイズ0.8μm)の解像度で原画像の撮像が可能であるとき、領域分割処理の都合のために敢えて解像度を低下させる必然性はない。この場合、図3(c)に示すように、撮像時の原画像Iaにおける4画素を擬似的に1つの画素Pとみなし、それらの平均画素値を当該画素Pの画素値とする。こうすることで、撮像時の解像度を低下させることなく、かつ領域分割処理に適した画素サイズ(1.6μm)を得ることができる。本実施形態ではこのような処理を「解像度変換」と称している。
解像度変換が必要であるか否かは、撮像時の画素サイズと処理対象である細胞Cのサイズとの関係によって決まる。これらの関係が予めわかっている場合には、その既知の関係から解像度変換が必要であるか否かを判断することができる。また、解像度変換を行うかどうかをユーザからの指示入力に基づいて決定するようにしてもよい。必要と判断された場合には解像度変換が実行される(ステップS103)。
解像度変換が行われたとき、ステップS104では、変換後の画像における4画素×4画素の正方形が1つのブロックBLとされる。解像度変換が行われていなければ、原画像Iaの撮像時の画像における4画素×4画素の正方形が1つのブロックBLとされる。X方向およびY方向の少なくとも一方において、1ライン分の画素数が1ブロックの1辺の画素数4で割り切れない場合には、原画像の端部において処理に算入されない画素が生じてもよい。また、このような端数が出ないように原画像の端部を予め切除しておいてもよい。
次に、各画素の画素値から、原画像Ia全体における平均画素値がオフセット値として減算される(ステップS105)。画素値が例えば8ビットデータとして表されている場合、各画素は0から255までの256段階の値を取り得るが、平均画素値を減算することにより、画素値として負の値を取る画素も出現することになる。本願発明者の知見では、画像における最大画素値と最小画素値との差が比較的小さい細胞画像では、各画素から画像全体の平均画素値を差し引くことで、各画素値の正負のバランスが良好なものとなる。各画素Pの画素値をp(X,Y)、平均画素値をpavとするとき、減算後の画素Pの画素値g(X,Y)は次式(式1)で表される。
Figure 0007079631000001
こうして分割されたブロックごとに、DCT演算が実行される(ステップS106)。DCT演算により、各ブロックの画像内容が、X方向およびY方向それぞれについて2次元の空間周波数成分に分解される。DCT演算処理はJPEG方式の画像圧縮処理でも利用されているように広く知られたものであるため、以下ではJPEG画像圧縮処理と同じ考え方を適用することができる事項については説明を省略する。
図4はDCT演算の概念を示す図である。図左は、原画像の一部であって(4×4)画素からなる、1つのブロックBLを表している。原画像での座標位置と区別してブロック内での各画素の位置を表すために小文字を用い、横方向座標をx座標、縦方向座標をy座標とする。DCT演算は、ブロックBL内の各画素の画素値g(x,y)から、図右に示す4行×4列のDCT係数テーブルTを求める演算と考えることができる。
DCT係数テーブルTにおける行位置u(u=0,1,2,3)はx方向における空間周波数成分を表し、具体的には、u=0は直流成分を、u=1は基本周波数成分を、u=2,3はそれぞれ基本周波数の2倍、3倍の成分を表す。同様に、列位置v(v=0,1,2,3)はy方向における空間周波数成分を示しており、v=0は直流成分を、v=1は基本周波数成分を、v=2,3はそれぞれ基本周波数の2倍、3倍の成分を表す。
各周波数成分の強度を表すDCT係数C(u,v)は、次式(式2)により表される。
Figure 0007079631000002
ここで、定数Nはブロックサイズであり、JPEG方式では、N=8、すなわち(8×8)画素が1ブロックとされるが、前述したように、この実施形態では(4×4)画素を1ブロックとしているので、N=4である。本願発明者の知見では、画像の圧縮・復元を目的とせずDCT係数を特徴量として利用する本処理方法では、ブロックサイズを(4×4)画素とした方が良好な結果が得られている。またこうすることで演算量も削減することができ高速化にも適している。
DCT係数テーブルTを構成するDCT係数C(u,v)のうち、予め定められた周波数以下の低周波の成分、例えば直流成分を表す係数C(0,0)が低周波特徴量とされる。また、それ以外の係数の合計が高周波特徴量とされる。なお、DCT係数は正負いずれの値も取り得る。合計時にそれらの値が相殺されることを回避するためには、例えばDCT係数の合計をそれぞれの絶対値の和とすることができる。
このようにして求められた低周波特徴量と高周波特徴量とに基づき、各ブロックが「細胞」に相当するか「非細胞」に相当するかが判定される(ステップS108)。この判定は、低周波特徴量と高周波特徴量とで構成される二次元特徴量空間において当該ブロックが占める位置に基づいてなされる。判定を行うためには、その判定基準、具体的には二次元特徴量空間において「細胞」の特徴が占める範囲を特定しておく必要がある。
複数の撮像の間で、撮像される細胞の種類、培地の種類および量、撮像条件(撮像倍率や照明強度など)等が固定されている場合には、同じ条件で撮像された典型的な細胞の画像を事例として多数収集し、適宜の機械学習アルゴリズムを用いることで、二次元特徴量空間において細胞クラスタが占める範囲を予め特定しておくことができる。この場合、未知の原画像から選出されたブロックの特徴量が細胞クラスタに属するか否かによって、当該ブロックが細胞に対応するか非細胞に対応するかを判定することが可能である。
ただし、一般的には撮像条件等は原画像ごとに異なる。このため、より精度の高い判定を行うためには、処理対象である原画像から読み取れる情報から判定基準を策定することができると便宜である。以下、その方法の一例について説明する。
図5は判定基準を策定するための処理を示すフローチャートである。また、図6は処理過程における指示入力態様を例示する図である。この処理は、取得された原画像Iaのうち細胞および非細胞それぞれの特徴を強く有する典型例についてオペレータから教示を受け、その情報から二次元特徴量空間における細胞と非細胞との境界を特定するものである。この処理は、コンピュータ装置1が原画像Iaを取得した時(ステップS101)以降、ブロックの分類(ステップS108)を開始するまでの任意のタイミングで実行することができる。処理は、CPU10がストレージ15に記憶されている制御プログラムを実行することにより実現される。
最初に、取得された原画像Iaが表示部17に表示されオペレータに提示される(ステップS201)。そして、表示された原画像Iaの中で、細胞の領域に属する代表点と、非細胞の領域に対応する代表点とを指定するオペレータからの教示入力を受け付ける(ステップS202)。なお、細胞の領域と非細胞の領域とがはっきりした外見上の差異を有している場合には、細胞の領域に属する代表点のみが指定されてもよい。
精度向上のために、代表点は複数指定されることが望ましい。そこで、図6(a)に示すように、例えば、マウス操作あるいはタッチペン入力等により細胞Cの領域内で連続的にポインタを動かす動作をオペレータに実行させることで、その軌跡上の複数の点を細胞Cの代表点として取得収集することができる。図における白抜き矢印は、ユーザによるマウス等の操作に連動して画面上で移動するポインタを表している。
また、図6(b)に点線で示すように、細胞C内に属する矩形領域、細胞外の矩形領域等を二次元の領域として指定させてもよい。画像内にデブリDと背景Bとが存在する場合、細胞外の領域の指定においてはデブリDの領域と背景Bの領域との両方を含ませることが望ましい。こうすることにより、細胞外の領域から抽出される代表点にはデブリDの特徴を有するものと背景Bの特徴を有するものとがともに含まれることとなる。そのため、特徴量空間における細胞の領域と非細胞の領域との境界を決めるに当たり、非細胞に関する情報をより強く反映させることができる。
また、図6(c)に点線で示すように、細胞Cの領域、デブリDの領域、背景Bの領域それぞれを個別に指定させるようにしてもよい。こうして指定された範囲から選出される代表点は、特徴量空間において細胞クラスタ、デブリクラスタおよび背景クラスタをそれぞれ形成することとなるので、細胞と非細胞とを分割するだけでなく、例えば背景とデブリとの間で領域分割を行うことも可能となる。
こうしていくつかの代表点が指定されると、上記した領域分割処理と同様に、各画素の画素値から原画像Ia全体における平均画素値が減算され(ステップS203)、代表点を含む(4×4)画素サイズの仮想的なブロックにつきDCT演算が実行され(ステップS204)、DCT係数から低周波特徴量および高周波特徴量が算出される(ステップS205)。これにより、代表点を含むブロックを典型例としたときの二次元特徴量空間における分布が明らかになり、その結果から、二次元特徴量空間における「細胞」の領域と「非細胞」の領域との境界を特定することができる(ステップS206)。
境界の特定には、特徴量の値に基づく特徴量空間におけるクラスタリング技術として知られている種々の方法を適宜選択して使用することができる。ただし、典型例の数があまり多くないことから複雑な学習アルゴリズムを適用する利点は少なく、以下に説明するようなより簡易な方法を用いることも可能である。
図7は特徴量空間における境界特定方法の例を示す図である。図6(a)または図6(b)に示した方法を用いて、ユーザにより細胞領域と非細胞領域とが指定されると、それらの領域内の代表点を含むいくつかのブロックにつき低周波特徴量および高周波特徴量が求められる。各ブロックを二次元特徴量空間にプロットすると、図7(a)に示すように、細胞および非細胞それぞれの画像特徴の差異に起因して、細胞Cに対応するクラスタ(細胞クラスタ)C1と、それ以外の非細胞、すなわち背景BおよびデブリDに対応するクラスタ(非細胞クラスタ)C2との2つのクラスタが形成されると考えられる。
これらのクラスタC1、C2の重心点G1、G2をそれぞれ特定し、これらの重心点G1、G2を結ぶ線分L1の垂直二等分線L2を、特徴量空間において細胞と非細胞とを区分する境界とすることができる。領域分割処理におけるブロックごとの判定(ステップS108)においては、各ブロックの画像特徴を表す低周波特徴量と高周波特徴量との組が境界線L2に対し細胞クラスタC1に近い点として表される場合には当該ブロックは細胞Cに対応すると判定される。一方、特徴量が非細胞クラスタC2に近い点として表される場合には、当該ブロックは非細胞に対応すると判定される。
図6(c)に示すように、細胞Cに対応する領域、背景Bに対応する領域およびデブリDに対応する領域がそれぞれ指定されるケースでは、図7(b)に示すように、特徴量空間では細胞Cに対応するクラスタC1、背景Bに対応するクラスタC3およびデブリDに対応するクラスタC4が形成される。細胞クラスタC1を他のクラスタから明確に分離することのできる適宜の直線または曲線L3を特定することで、当該曲線L3を細胞と非細胞とを区分する境界とすることができる。
以上のように、この実施形態の領域分割処理では、細胞を含む原画像を複数の小ブロックに分割し、ブロックごとの空間周波数成分を求める。そして、低周波成分の強度に基づく低周波特徴量と、高周波成分の強度に基づく高周波特徴量との組が二次元特徴量空間において占める位置が、細胞クラスタに属するものであるか否かによって、当該ブロックの画像が細胞に対応するものかそれ以外の非細胞に対応するものであるかが判定される。
低周波特徴量はブロックの明るさおよび比較的単純な構造を、また高周波特徴量はブロック内の細かいテクスチャをそれぞれ表す特徴量である。このように明るさとテクスチャとを総合的に評価することで、単なる2値化処理や輪郭抽出処理による領域分割よりも優れた精度で、画像内の細胞と非細胞とを区分することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態における原画像の領域分割(ステップS109)では、原画像がブロック単位で細胞と非細胞とに分割されることになる。しかしながら、ブロック境界は自動的に策定されたものであり、原画像における細胞と非細胞との境界に一致するとは限らない。このことに鑑み、例えば公知の輪郭抽出処理と組み合わせて原画像の分割が行われてもよい。すなわち、上記のようにしてブロック単位で特定された細胞領域と非細胞領域との境界の位置を、輪郭抽出処理の結果によって修正するようにしてもよい。
また、上記実施形態における二次元特徴量空間での細胞クラスタの境界を特定する処理は単なる例示であり、これ以外にも各種のクラスタリング方法を適用することが可能である。また、細胞および非細胞の典型例を収集する方法についても、上記に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、低周波特徴量についてはDCT係数の直流成分C(0,0)を、高周波特徴量についてはそれ以外のDCT係数の絶対値の和を用いている。しかしながら、低周波特徴量と高周波特徴量とを区別する周波数はこれに限定されず、比較的低い交流周波数であってもよい。また、DCT演算以外にも適宜の空間周波数成分を求める方法があれば、それが利用されてもよい。
また、上記実施形態では、汎用のコンピュータ装置1によって領域分割処理が実行されているが、前述したように例えば撮像装置にこの処理機能が組み込まれていてもよい。また、既存の撮像装置に本実施形態の領域分割処理を実行するためのプログラムを追加的に実装して機能拡張を行うことも可能である。
また、上記説明では画素のサイズやブロックサイズの具体的数値を例示しているが、本実施形態の領域分割処理は、これらの数値範囲外の条件であっても実行することが可能である。
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、本発明においては、空間周波数成分のうち直流成分の強度と、交流成分の強度の合計とをそれぞれ特徴量とするように構成されてもよい。空間周波数成分のうち直流成分はブロックの平均的な明るさを表し、交流成分はブロック内での明るさの変化態様、すなわちテクスチャを表す。したがって、ブロック内の明るさとテクスチャとを指標する特徴量に基づき画像を領域分割することとなり、単なる2値化処理や輪郭抽出処理よりも精度の高い領域分割が可能となる。
また、ブロックごとに、当該ブロックに含まれる画素の画素値に基づく二次元離散コサイン変換を実行し、各周波数成分の強度が当該周波数成分の離散コサイン変換係数として求められてもよい。このような処理はJPEG方式の画像圧縮処理にも利用されており、演算アルゴリズムが既に確立されているため、本発明にもこれを適用することができる。
この場合、画素それぞれの画素値から原画像全体の平均画素値を減じた値に基づき二次元離散コサイン変換が実行されてもよい。透明に近い細胞を撮像した画像では画素値の分布幅が小さいため、離散コサイン変換演算のためのレベルシフトは、原画像全体の平均画素値を用いて行われるのが好ましい。
また、複数の周波数成分の強度の合計は、各周波数成分の離散コサイン変換係数の絶対値の和として求められてもよい。離散コサイン変換係数は正負いずれの値をを取り得るため、単純な合計では各周波数成分が相殺されて良好な結果を得られないおそれがある。絶対値の和を取ることにより、この問題を解消することができる。
また、各ブロックは、1辺が4画素に相当するブロックサイズの正方形であってもよい。JPEG方式の画像圧縮ではブロックサイズは8画素とされているが、本願発明者の知見では、画像の圧縮・復元を目的としない本発明においてはブロックサイズを4画素とした方が良好な結果が得られる。
また、原画像をブロックに分割するのに先立って、原画像の画素サイズを、取得したときの原画素サイズから、原画素サイズと異なるブロック分割用の画素サイズに変換する工程がさらに設けられてもよい。細胞とそれ以外の非細胞との間における明るさやテクスチャの違いを利用して領域分割を行う本発明では、演算時の好ましい画素サイズが例えば細胞等、画像中のオブジェクトのサイズに依存する。このための画素サイズは撮像時の好ましい画素サイズとは必ずしも一致しないが、画素サイズの変換を行うことにより、それぞれ個別に画素サイズの最適化を図ることができる。
また、分類に先立って、原画像中で細胞に属する点と背景に属する点とに関するユーザからの教示入力を受け付ける工程と、教示入力の結果に基づき、細胞に属する点を含む少なくとも1つのブロックと、背景に属する点を含む少なくとも1つのブロックとのそれぞれについて特徴量を求め、その結果に基づき二次元特徴量空間における細胞クラスタの範囲を特定する工程とがさらに設けられてもよい。このような構成によれば、細胞の種類や撮像条件が一定でない場合でも、細胞とそれ以外との領域の分割を安定的に行うことが可能である。
また、原画像は細胞を明視野撮像することで得られた画像であってもよい。一般に細胞は透明に近く、また培地との屈折率の差も小さいため、明視野撮像画像では目視による細胞と非細胞との区別がつきにくい。このような画像に本発明を適用することで、画像中の細胞の領域とそれ以外の領域とを良好にかつ安定的に分割することが可能となる。
本発明は、細胞を撮像し画像を評価する生化学や医療の分野に適用可能であり、特に培養されている細胞にダメージを与えるような加工を行うことのない撮像が必要とされる技術分野に好適なものである。
1 コンピュータ装置
2 記録ディスク(記録媒体)
B 背景
BL ブロック
C 細胞
D デブリ
Ia 原画像

Claims (12)

  1. 培養された細胞が背景と共に含まれる原画像を取得する工程と、
    前記原画像を所定数の画素からなるブロックに分割し、各ブロック内の画像が有する空間周波数成分を求める工程と、
    予め定められた周波数以下の低周波数成分の強度の合計と、前記低周波数成分より高い周波数の高周波数成分の強度の合計とをそれぞれ特徴量とする二次元特徴量空間において、前記ブロックの各々を、前記細胞に対応する細胞クラスタに属するブロックとそれ以外のブロックとに分類する工程と、
    前記原画像を、前記細胞クラスタに分類された前記ブロックが占める領域とそれ以外の領域とに分割する工程と
    を備え
    前記空間周波数成分のうち直流成分の強度と、全ての交流成分の強度の合計とをそれぞれ前記特徴量とする画像処理方法。
  2. 培養された細胞が背景と共に含まれる原画像を取得する工程と、
    前記原画像の画素サイズを、取得したときの原画素サイズから、前記原画素サイズと異なるブロック分割用の画素サイズに変換する工程と、
    前記変換後の前記原画像を所定数の画素からなるブロックに分割し、各ブロック内の画像が有する空間周波数成分を求める工程と、
    予め定められた周波数以下の低周波数成分の強度の合計と、前記低周波数成分より高い周波数の高周波数成分の強度の合計とをそれぞれ特徴量とする二次元特徴量空間において、前記ブロックの各々を、前記細胞に対応する細胞クラスタに属するブロックとそれ以外のブロックとに分類する工程と、
    前記原画像を、前記細胞クラスタに分類された前記ブロックが占める領域とそれ以外の領域とに分割する工程と
    を備え
    前記ブロックのサイズは、前記細胞1つのサイズに相当するように選ばれた画像処理方法。
  3. 前記空間周波数成分のうち直流成分の強度と、交流成分の強度の合計とをそれぞれ前記特徴量とする請求項に記載の画像処理方法。
  4. 前記原画像を前記ブロックに分割するのに先立って、前記原画像の画素サイズを、取得したときの原画素サイズから、前記原画素サイズと異なるブロック分割用の画素サイズに変換する工程を備える請求項1に記載の画像処理方法。
  5. 前記ブロックごとに、当該ブロックに含まれる前記画素の画素値に基づく二次元離散コサイン変換を実行し、各周波数成分の強度が当該周波数成分の離散コサイン変換係数として求められる請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理方法。
  6. 前記画素それぞれの画素値から前記原画像全体の平均画素値を減じた値に基づき前記二次元離散コサイン変換を実行する請求項に記載の画像処理方法。
  7. 複数の周波数成分の強度の合計は、各周波数成分の前記離散コサイン変換係数の絶対値の和として求められる請求項またはに記載の画像処理方法。
  8. 前記ブロックは、1辺が4画素に相当するブロックサイズの正方形である請求項ないしのいずれかに記載の画像処理方法。
  9. 前記分類に先立って、
    前記原画像中で前記細胞に属する点と前記背景に属する点とに関するユーザからの教示入力を受け付ける工程と、
    前記教示入力の結果に基づき、前記細胞に属する点を含む少なくとも1つの前記ブロックと、前記背景に属する点を含む少なくとも1つの前記ブロックとのそれぞれについて前記特徴量を求め、その結果に基づき前記二次元特徴量空間における前記細胞クラスタの範囲を特定する工程と
    を備える請求項1ないしのいずれかに記載の画像処理方法。
  10. 前記原画像は、前記細胞を明視野撮像することで得られた画像である請求項1ないしのいずれかに記載の画像処理方法。
  11. コンピュータに、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像処理方法の各工程を実行させるためのコンピュータプログラム。
  12. 請求項1に記載のコンピュータプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP2018050932A 2018-03-19 2018-03-19 画像処理方法、コンピュータプログラムおよび記録媒体 Active JP7079631B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018050932A JP7079631B2 (ja) 2018-03-19 2018-03-19 画像処理方法、コンピュータプログラムおよび記録媒体
US16/979,928 US11430130B2 (en) 2018-03-19 2018-11-29 Image processing method and computer-readable recording medium having recorded thereon image processing program
PCT/JP2018/043983 WO2019181072A1 (ja) 2018-03-19 2018-11-29 画像処理方法、コンピュータプログラムおよび記録媒体
EP18911181.8A EP3770853A4 (en) 2018-03-19 2018-11-29 IMAGE PROCESSING, COMPUTER PROGRAM AND RECORDING MEDIA

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018050932A JP7079631B2 (ja) 2018-03-19 2018-03-19 画像処理方法、コンピュータプログラムおよび記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019164450A JP2019164450A (ja) 2019-09-26
JP7079631B2 true JP7079631B2 (ja) 2022-06-02

Family

ID=67987050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018050932A Active JP7079631B2 (ja) 2018-03-19 2018-03-19 画像処理方法、コンピュータプログラムおよび記録媒体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11430130B2 (ja)
EP (1) EP3770853A4 (ja)
JP (1) JP7079631B2 (ja)
WO (1) WO2019181072A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021173734A (ja) * 2020-04-30 2021-11-01 ソニーグループ株式会社 生成装置、生成方法、生成プログラム及び診断支援システム
JP2022007281A (ja) * 2020-06-26 2022-01-13 ソニーグループ株式会社 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び診断支援システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004229097A (ja) 2003-01-24 2004-08-12 Ricoh Co Ltd 画像処理装置、プログラム及び記憶媒体
JP2005244710A (ja) 2004-02-27 2005-09-08 Ricoh Co Ltd 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び情報記録媒体
JP2005250778A (ja) 2004-03-03 2005-09-15 Seiko Epson Corp 画像の天地方向判定
JP2010045613A (ja) 2008-08-13 2010-02-25 Ntt Docomo Inc 画像識別方法および撮像装置
JP2012079089A (ja) 2010-10-01 2012-04-19 Dainippon Printing Co Ltd 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体
JP2014016666A (ja) 2012-07-05 2014-01-30 Olympus Corp 細胞分裂過程追跡装置、及び細胞分裂過程追跡プログラム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0216682A (ja) * 1988-07-04 1990-01-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 細胞増殖状態のモニタ方法及びそのモニタ装置
JP4107544B2 (ja) 2000-10-23 2008-06-25 三菱電機株式会社 画像信号の再符号化装置
JP6333145B2 (ja) 2014-09-30 2018-05-30 株式会社Screenホールディングス 画像処理方法および画像処理装置
WO2016076515A1 (ko) * 2014-11-13 2016-05-19 삼성전자 주식회사 영상의 주파수 특성 정보를 포함하는 메타 데이터를 생성하는 방법 및 장치
CN109804077A (zh) * 2016-03-28 2019-05-24 富士胶片株式会社 细胞的筛选方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004229097A (ja) 2003-01-24 2004-08-12 Ricoh Co Ltd 画像処理装置、プログラム及び記憶媒体
JP2005244710A (ja) 2004-02-27 2005-09-08 Ricoh Co Ltd 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び情報記録媒体
JP2005250778A (ja) 2004-03-03 2005-09-15 Seiko Epson Corp 画像の天地方向判定
JP2010045613A (ja) 2008-08-13 2010-02-25 Ntt Docomo Inc 画像識別方法および撮像装置
JP2012079089A (ja) 2010-10-01 2012-04-19 Dainippon Printing Co Ltd 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体
JP2014016666A (ja) 2012-07-05 2014-01-30 Olympus Corp 細胞分裂過程追跡装置、及び細胞分裂過程追跡プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
EP3770853A1 (en) 2021-01-27
US20210012509A1 (en) 2021-01-14
WO2019181072A1 (ja) 2019-09-26
EP3770853A4 (en) 2021-12-15
US11430130B2 (en) 2022-08-30
JP2019164450A (ja) 2019-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bankhead Analyzing fluorescence microscopy images with ImageJ
EP3788591B1 (en) Focus-weighted, machine learning classifier error prediction for microscope slide images
TWI412949B (zh) 影像區域的自動選擇裝置及方法
WO2021139258A1 (zh) 基于图像识别的细胞识别计数方法、装置和计算机设备
EP1882237A2 (en) Methods of chromogen separation-based image analysis
JP2017521779A (ja) 画像解析を用いた核のエッジの検出
JP6422198B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
JP5442542B2 (ja) 病理診断支援装置、病理診断支援方法、病理診断支援のための制御プログラムおよび該制御プログラムを記録した記録媒体
Pech et al. Abundance estimation of rocky shore invertebrates at small spatial scale by high-resolution digital photography and digital image analysis
CN111598869B (zh) 一种对显示屏幕的Mura进行检测的方法、设备及存储介质
WO2006087526A1 (en) Apparatus and method for processing of specimen images for use in computer analysis thereof
WO2017120796A1 (zh) 路面病害的检测方法及其装置、电子设备
JP7079631B2 (ja) 画像処理方法、コンピュータプログラムおよび記録媒体
JP4383352B2 (ja) 核多形性の組織学的評価
JP6045292B2 (ja) 細胞計数装置及び細胞計数プログラム
Valous et al. Multistage histopathological image segmentation of Iba1-stained murine microglias in a focal ischemia model: methodological workflow and expert validation
CN110648312A (zh) 一种基于鳞片形态特征分析的羊毛与羊绒纤维识别方法
Liang et al. AI framework with computational box counting and Integer programming removes quantization error in fractal dimension analysis of optical images
Sysko et al. From image to data using common image‐processing techniques
Pollatou An automated method for removal of striping artifacts in fluorescent whole-slide microscopy
CN115705748A (zh) 一种面部特征的识别系统
US11025924B2 (en) Image processing method and recording medium
Nurzynska Optimal parameter search for colour normalization aiding cell nuclei segmentation
Wolniewicz Stromatoporoid biometrics using image analysis software: a first order approach
WO2024062953A1 (ja) 画像処理方法及び画像処理プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7079631

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150