JP2004229080A - 画像表示装置を有する機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】大画面のモニタを有する構造でありながら、大画面のモニタが必要でない場合には、この大画面モニタを隠して保護することができる画像表示装置を有する機器を提供すること。
【解決手段】撮影レンズ1を介して取得した画像を表示する大画面モニタ4を有する扉部2aと、この扉部2aに対して相対移動が可能であり、大画面モニタ4と対向して、大画面モニタ4の画面大きさをより小さく制限可能に構成された開口4aを有するカメラ本体2とを含んで構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】撮影レンズ1を介して取得した画像を表示する大画面モニタ4を有する扉部2aと、この扉部2aに対して相対移動が可能であり、大画面モニタ4と対向して、大画面モニタ4の画面大きさをより小さく制限可能に構成された開口4aを有するカメラ本体2とを含んで構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像取得及び再生を可能とするカメラ等の画像表示装置を有する機器に用いられる表示装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の取得及び画像の再生を可能とする機器の代表的なものにデジタルスチルカメラ(デジタルカメラ)がある。デジタルカメラは従来のフィルム式カメラの形状に基づいて設計されたものが多いものの、内部機構が少なく電子回路の配置の自由度も高いことから、近年、フィルム式カメラとは異なる形状の製品も市場に出回り始めている。
【0003】
また、デジタルカメラはフィルム式カメラと異なり、撮影後の画像を手軽に再生表示することができる。これがデジタルカメラの魅力の一つであり、デジタルカメラにおいては、画像再生用のモニタを備えていることが売れ筋商品となる条件の一つとなっている。
【0004】
つまり、デジタルカメラは「カメラ」とは呼ばれるものの、画像の再生機器としての側面も有しているので、完全にパーソナルユースの製品と割り切れない部分がある。すなわち、デジタルカメラが画像の再生機器として使用されるときには、ユーザ以外の不特定多数の人によって使用されることも多かった。そうした中にあって、ユーザ以外の人の操作を受けつけないようにすることが可能なカメラも提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−77700号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
今後、映像情報機器が増加し、映像が氾濫してくると、ユーザの目も肥えてくるので、高画質な画像を大画面で見ることが可能な製品が望まれるようになると考えられる。この傾向はデジタルカメラにおいても同様であると考えられるが、大画面表示のためにモニタを大型化することは製品自体の小型化と相反することになる。
【0007】
ここで、画像の再生時において望まれるモニタの大型化は、撮影時においてはむしろ邪魔になる場合も考えられる。例えば、撮影中には、構図やシャッタチャンスを考えて、カメラを構えなおしたり、上下左右に動かしたり、持ち替えたりなどをすることがある。このときモニタが大型であると、モニタを手で汚してしまったり、どこかにぶつけて損傷させたりする可能性が高くなる。
【0008】
また、画像の再生時であっても、ユーザ自身が画像を大きな画面で見たいときや大きな画面で他人に見せたいときなどの、ユーザが望んだときのみに大画面表示が行われるほうが好ましい。つまり、ユーザが他人に見せたくないような画像までもが大画面で表示されてしまうのはプライバシーの保護の上でも好ましくない。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、大画面のモニタを有する構造でありながら、大画面のモニタが必要でない場合には、この大画面モニタを隠して保護することができる画像表示装置を有する機器を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、状況に応じて適切な再生制御を行うことによりユーザのプライバシーを保護することが可能な画像表示装置を有する機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による画像表示装置を有する機器は、撮影レンズと、上記撮影レンズを介して取得した画像を表示する画面表示部を有する第1の筐体と、上記第1の筐体に対して相対移動が可能であり、上記画面表示部と対向して上記画面表示部の画面大きさをより小さく制限可能に構成された開口を有する第2の筐体とを具備することを特徴とする。
【0012】
つまり、本発明の画像表示装置を有する機器は、第1の筐体に設けられた画面表示部の画面大きさを、第2の筐体によって制限することによって、画面表示部の全画面を用いる必要がないときには、画面表示部を隠して保護する。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、本発明による画像表示装置を有する機器は、画像を再生するためのモニタと、上記モニタを有する筐体と、上記モニタの画面大きさを規制するための規制部材とを有し、上記規制部材には、上記筐体を把持するためのグリップ部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
つまり、本発明の画像表示装置を有する機器は、モニタの画面大きさを規制部材によって規制するとともに、この規制部材に筐体を把持するためのグリップ部を形成している。これにより、モニタが汚れたり損傷したりする可能性を更に低減させることが可能である。
【0015】
また、上記の目的を達成するために、本発明の画像表示装置を有する機器は、画像を縮小してモニタに表示する第1の表示モードと、画像を拡大して表示する第2の表示モードを有する表示装置であって、上記モニタを観察している観察者を特定する特定手段と、上記特定手段によって特定された観察者に応じて上記第1の表示モード及び上記第2の表示モードを切り換えて画像を表示させる切替制御手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
つまり、本発明の画像表示装置を有する機器は、モニタを観察している観察者を特定手段によって特定し、この特定手段による観察者の特定結果に応じて適切な再生制御を行う。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器の一例であるカメラの外観構成を図1(A)〜図1(C)に示す。なお、ここでの「カメラ」とはデジタルスチルカメラのことをいうものとする。
【0018】
このカメラは、画像撮影時のモードである「撮影モード」と画像再生時のモードである「再生モード」の2種類のモードに対応する2種類の形態を有する。ここで、図1(A)及び図1(B)はこのカメラが「撮影モード」の状態にあるときの形態を示す。図1(A)は撮影モード時のカメラを前方から観察した様子を示し、図1(B)は撮影モード時のカメラを後方から観察した様子を示す。また、図1(C)はこのカメラが「再生モード」の状態にあるときの形態を示す。
【0019】
つまり、このカメラは、図1(C)に示すように、扉部2a(特許請求の範囲に記載の第1の筐体)とカメラ本体2(特許請求の範囲に記載の第2の筐体,規制部材)とで構成される。そして、扉部2aとカメラ本体2とは丁番部(特許請求の範囲に記載の丁番構造)2cを介して図の矢印で示す方向に相対的に回動可能(特許請求の範囲に記載の相対移動が可能)に構成されている。
【0020】
ここで、撮影モードにおいては、図1(A)に示すように、カメラの前面に、撮影レンズ1、ストロボ発光部3の他、マイク5等が配置される。また、カメラの上面にはレリーズボタン10aが配置される。更に、図1(B)に示すようにカメラの背面には、ファインダ用の窓として機能する開口4a及びカメラを保持するためのグリップ部2bが配置される。この撮影モード時には、大画面モニタ(特許請求の範囲に記載の画面表示部,モニタ)4の一部が開口4aの分だけ露出されるようになっている。即ち、開口4aによって大画面モニタ4の画面大きさを制限可能である。そして、この大画面モニタ4にファインダ用の画面表示がなされる。つまり、撮影モードにおいて、ユーザはカメラ本体2の背面に構成されたファインダを見ながら、グリップ部2bを握って撮影を行うことになる。
【0021】
一方、撮影モードから画像を再生する再生モードにする際には、扉部2aを図1(C)の矢印方向に回動させる。これにより、図1(C)のように、大画面モニタ4の全体やスピーカ6、及びモニタ表示用の操作ボタン群7が現れる。つまり、再生モード時においては、図1(C)に示すように大画面モニタ4の全画面が現れるので、画像を大画面で表示させることが可能となる。
【0022】
このような折りたたみ式の構成をとることによってユーザ11が撮影に専念している場合でも大画面モニタ4に触れてしまう可能性が少ない。また、画像再生時には大画面モニタ4を用いて画像を品位よく、迫力を持って再生可能である。
【0023】
図2(A)はユーザ11がカメラを持って撮影しているところを前方から見たときの様子を示した図である。また、図2(B)はユーザ11がカメラを持って撮影しているところを後方から見たときの様子を示した図である。図2(B)において、ユーザ11は大画面モニタ4と開口4aとで構成されるファインダを観察しながら、被写体12を狙って構図を決めようとしている。このとき、ユーザ11はグリップ部2bを握って撮影を行うので、大画面モニタ4が指紋や汗などによって汚れる可能性が少ない。なお、このユーザ11は後で詳述するユーザ登録を行った人物のことをいう。
【0024】
また、画像をモニタするときは、扉部2aを扉状に開いて図2(C)のような状態にすれば、それによって現れる大画面モニタ4において大画面表示がなされるので、このカメラを電子アルバムとしても利用することができる。このとき、操作ボタン群7の各種ボタンを利用して画像再生時の画像切り換えや画像の検索等を行うことができる。なお、この操作ボタン群7は撮影時においては邪魔になるものであるが本実施の形態では、撮影時において操作ボタン群7が扉部2aによって隠される。このため、撮影時に誤って操作ボタン群7を操作してしまうこともなく、カメラの信頼性を劣化させることもない。
【0025】
また、画像の他に音声情報がある場合にはスピーカ6から音声を再生することも可能である。本実施の形態では、スピーカ6を図1(C)に示すように大画面モニタ4に対向するような形で配置している。これにより大型で音質に優れたスピーカを使用しながら、カメラの小型化も実現でき、また、撮影時にも邪魔にならない。
【0026】
更に、本実施の形態において、特筆すべきことは、撮影モード時と再生モード時とでカメラの形態を異ならせたことである。これにより、ユーザ11に、現在のカメラモードが撮影モードと再生モードの何れであるかを分かりやすく認知させることができる。従来のカメラは電子アルバムの再生機器としての使い勝手に留意されたものが少なかったが、本実施の形態のような工夫によって、単なる画像の撮影機器としてのみならず、画像の再生機器としての側面も魅力的なカメラを提供することができる。これは、表示モニタの大型化やスピーカの大型化などによってもたらされるものである。
【0027】
次に、前述の大画面モニタ4及び開口4aについて更に詳しく説明する。図3(A)に大画面モニタ4の全表示領域の大きさと開口4aによって規制された表示領域4bの大きさとの比較を示す。また、図3(B)は大画面モニタ4の全領域を用いて画像を表示させるとき、つまり、再生モード時の表示例である。更に、図3(C)は表示領域4bのみに画像を表示させてファインダとして機能させるときの表示例である。図3(B)の表示と図3(C)の表示の切り換えは、その縦横比を保ったまま拡大・縮小表示することによって行う。なお、撮影時においては、縮小表示により図3(C)のような表示を行うが、表示領域4b以外の領域については、余計な表示を行わずに省エネルギー化を図る。
【0028】
なお、図2(B)及び図2(C)に示すように、撮影モード時と再生モード時とでは、大画面モニタ4の天地方向が反転することになるので、撮影モード時と再生モード時とで、表示画像の天地方向を反転させる必要がある。このような表示の切り換えは図4の画像処理回路22や表示回路24等で行う。反転表示は表示回路24にシリアル入力させる信号の順番を反対にして行い、また、縮小は特定のエリアのみに間引きされた信号を入力すればよい。このような制御はCPU10が画像処理回路を介して行うが、これらの制御を総称して特許請求の範囲に記載の表示制御手段と呼ぶことができる。
【0029】
次に、このカメラの内部構成について説明する。図4にこのカメラの内部の回路ブロック図を示す。
撮影レンズ1を介して受光した被写体像をCCDやCMOSセンサなどの撮像素子20によって電気信号に変換し、更にアナログ/デジタル(A/D)変換回路21によって、撮像素子20からの出力をデジタル化した後、画像処理回路22に出力する。この後、画像処理回路22はデジタル画像の色調やコントラストを整えた後、画像データの圧縮処理を行って記録部23に記録させる。
【0030】
一方、記録部23に記録させた画像データを表示させる場合には、記録部23に記録された画像データを、画像処理回路22を介して表示回路24に入力する、そして、表示回路24によって前述の大画面モニタ4に画像を表示させる。
【0031】
更に、撮像素子20の出力を画像処理回路22で処理した後、記録部23に記録させずに直接、大画面モニタ4に表示させることもできる。このような制御を行うことによって、図2(B)のような状態で大画面モニタ4をファインダとして用いることが可能となる。
【0032】
なお、撮影時においては、画像処理回路22の画像処理信号の一部を利用して、その利用した部分の信号のコントラストが最も高くなるようにピント制御回路25を介して撮影レンズを駆動制御するようにすることでオートフォーカス制御が可能である。
【0033】
演算制御回路(CPU)10はマイクロコンピュータ等で構成されており、カメラユーザによる各種スイッチの入力状態を判定して、その判定したスイッチの入力状態に応じて一連の撮影シーケンスの制御や表示再生の制御等を行う。
【0034】
ここで、レリーズスイッチ10aはレリーズボタン10aによってON/OFFされるスイッチである。CPU10はレリーズスイッチ10aのON状態を判定した場合に露出動作を開始させる。また、モード判定スイッチ10bは扉部2aの開閉状態によりON/OFFされるスイッチである。CPU10はモード判定スイッチ10bの状態により撮影モード及び再生モードの判定を行う。更に操作スイッチ群7は再生モード時に操作ボタン群7の各種ボタンにより操作されるスイッチ群である。
【0035】
また、CPU10は露出時にストロボ制御回路26を制御する。ストロボ制御回路26はCPU10の制御により、ストロボ発光部3から被写体に補助光を照射する。
【0036】
更に、マイク5から音声の入力があった場合には、その音声信号をA/D変換回路27を介してデジタル化して取り込む。CPU10は、この取り込んだ音声データを画像処理回路22のデータ圧縮機能を利用して圧縮した後、記録部23に記録させる制御を行う。また、CPU10は記録部23に記録させた音声データを伸張し、その信号をアンプ28によって増幅した後、スピーカ6を介して音声として再生する制御も行う。
【0037】
このような構成のカメラにおいて、CPU10は図5のような制御手段としてのフローチャートに従った制御を実行する。以後、この図5のフローチャートについて説明する。まず、CPU10は前述の扉部2aが閉じているか否かを判定する(S1)。これはモード判定スイッチ10bのON/OFF状態により判定すれば良い。
【0038】
S1の判定において、扉部2aが閉じていると判定したときには特許請求の範囲に記載の第1のモードである撮影モードである。撮影モードにおいては、まず、カメラのメインスイッチがON状態であるか否かを判定する(S8)。なお、このメインスイッチは図示されていないが、例えば、機械的なスイッチであってもよいし、タッチセンサ等によりグリップ部2bを握るとONするように構成してもよい。S8の判定において、メインスイッチがON状態でないと判定した場合にはS1に戻る。一方、S8の判定において、メインスイッチがON状態であると判定した場合には、図3(C)に示すようなファインダ表示を行うために、撮像素子20によって撮像した画像を縮小して大画面モニタ4の表示領域4bに特許請求の範囲に記載の第1の表示モードである表示を行う(S9)。これにより、ユーザ11はファインダを見ながら撮影を行うことができる。なお、音声を録音する場合には、この表示領域4bに画像を表示させるのと並行して録音動作を開始(S10)させてもよい。
【0039】
この状態でCPU10はカメラユーザによりレリーズスイッチ10aがON操作されたか否かを判定する(S11)。レリーズスイッチ10aがON操作されていないと判定した場合にはS1に戻る。このとき、省エネルギー化のために所定時間経過後にファインダ表示をOFFするようにしてもよい。
【0040】
一方、S11の判定において、レリーズスイッチ10aがON操作されたと判定した場合には、撮影レンズ1のピント合わせを行った後(S12)、露出を行う(S13)。なお、前述したS10の録音を開始した場合には、録音の終了指示が入力されたか否かを判定するようにして(S14)、録音終了の指示が入力されたと判定した場合に録音を終了させる(S15)ようにしてもよい。この場合には、録音終了後に録音した音声データの中でどのデータを記録部23に記録させたいのかをユーザに指定させるようにする(S16)ステップを設けてもよい。
【0041】
以上の動作により露出が終了した後には、画像データを記録部23に記録させる(S17)。また、録音した音声データが存在する場合には、それも記録部23に記録させる。画像データ及び音声データの記録を終了した後は本フローチャートの制御を終了する。
【0042】
また、S1の判定において、扉部2aが開いていると判定したときには特許請求の範囲に記載の第2のモードである再生モードである。なお、これから説明する再生モードにおいては、プライバシーの保護のために、登録を行ったユーザ以外では撮影モードの動作が行われない例についても説明する。
【0043】
撮影モード時には、まず、撮影レンズ1を介して観察者の画像情報を取得する(S2)。次に、観察者の音声入力により観察者の音声情報を取得する(S3)。次に、S2及びS3で取得した画像情報及び音声情報が予め登録してあるユーザの画像情報及び音声情報と一致しているか否かを判定する(S4)。S4の判定において、画像情報及び音声情報が予め登録してある情報と一致していないと判定した場合には、プライバシーの保護を考慮して再生モードを終了し、S1に戻る。なお、入力された画像及び音声が予め登録されたものと一致しない場合には、再生モード時においても縮小表示が行われるようにしてもよい。
【0044】
一方、S4の判定において、画像情報及び音声情報が予め登録してある情報と一致したと判定した場合には、図3(B)に示すような、大画面モニタ4の全領域を用いた特許請求の範囲に記載の第2の表示モードである大画面表示(拡大表示)を行う(S5)。即ちS4の制御が特許請求の範囲に記載の観察者を特定する特定手段に相当し、上記S2での観察者の画像情報と所定の画像情報とを照合するか、又は上記S3での観察者の音声情報と所定の音声情報とを照合することにより観察者を特定する。なお、再生モード時と撮影モード時とでは前述したように大画面モニタ4の天地方向が反転するので、S5の拡大表示時では表示回路24により画像の天地方向を反転させて表示を行う。
【0045】
この後、音声情報を再生するか否かを判定する(S6)。これは、例えば、再生する画像データに対応する音声データがある場合には自動的に再生されるようにしてもよいし、操作ボタン群7に音声再生用のボタンを設けておき、そのボタンがON操作された場合に対応する音声データを再生するようにしてもよい。S6の判定において、音声情報を再生しないと判定した場合には、本フローチャートの制御を終了する。このとき表示されている画像は、所定時間経過後に自動的にOFFされるようにする。または、表示をOFFする所定のスイッチがONされた場合に表示をOFFするようにしてもよい。
【0046】
一方、S6の判定において、音声情報を再生すると判定した場合には、対応する音声データを再生する(S7)。そして、本フローチャートの制御を終了する。このとき表示されている画像及び再生されている音声は、所定時間経過後に自動的にOFFされるようにする。または、これらをOFFする所定のスイッチがONされた場合に画像表示及び音声再生をOFFするようにしてもよい。
【0047】
なお、このカメラは、図6に示すようにして扉部2aを開いて机の上に置くことで電子写真立てとして使用することができる。次にこのモード(以後、電子写真立てモードと称する)時の制御について図7を用いて説明する。なお、この電子写真立てモードは前述してきた再生モードとは異なるモードであり、扉部2aが開かれ、かつ、カメラのモードが電子写真立てモードに切り換えられた場合にのみ動作するものとする。これは、例えば、操作スイッチ群7の一つにカメラモードを電子写真立てモードに切り換えるためのスイッチを含めて構成しておけばよい。
【0048】
電子写真立てモードでは、まず、撮像素子20による撮像を行う。このとき、マイク5を介して音声が入力された場合にはその音声情報も取り込む(S21)。次に、S21で取得した結果が予め設定された所定条件を満足しているか否かを判定する(S22)。つまり、電子写真立てモードでは所定条件を満たしたときのみ大画面表示を行う。なお、所定条件は、例えば、部屋に電気が灯された場合、撮影レンズ1に手がかざされた場合、マイク5から所定の音声が入力された場合や、登録されたユーザであると認証された場合等を条件とすればよい。
【0049】
S22の判定において、S21で取得した結果が所定条件を満足していないと判定した場合には、S25に移行する。一方、S22の判定において、S21で取得した結果が所定条件を満足していると判定した場合には、大画面モニタ4に大画面表示を行う(S23)。図6により明らかであるが、電子写真立てモードでは再生モードとは異なり、大画面モニタ4の天地方向が反転しないので、画像表示の際には反転表示制御を行わない。
【0050】
なお、表示を行った後は、所定時間表示を継続させる(S24)。なお、所定時間の経過後に画像表示を自動的に終了させるようにしてもよい。これは、観察者が大画面モニタ4をずっと見ている確率が低いためである。なお、自動的に表示を終了させずに、観察者の任意の操作により表示を終了させるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0051】
表示が終了した後は電子写真立てモードが解除されたか否かを判定する(S25)。これは、操作スイッチ群7の操作によりモードが解除されたか否か、又は、扉部2aが閉じられたか否かを判定すればよい。S25の判定において、電子写真立てモードが解除されていないと判定した場合にはS21に戻り、再び撮像や集音を開始する。一方、S26の判定において、電子写真立てモードが解除されたと判定した場合には、この電子写真立てモードのフローチャートの制御を終了する。
【0052】
なお、図5のS4におけるユーザ認証や図7のS22における所定条件判定は、画像データや音声データが予めユーザが設定した条件になったことを判定する必要がある。ここでは、ユーザ登録の場合を例にとって所定条件の入力プロセスについて説明する。図8はこのときの入力手順を示すフローチャートである。
【0053】
ユーザ認証用に用いる基準信号としては画像信号のみを用いる場合、音声信号のみを用いる場合、又は画像信号と音声信号の両方を用いる場合の3つのパターンが考えられる。
【0054】
基準信号の入力モードにおいて、CPU10は、まず、画像信号の入力を必要とするか否かを判定する(S31)。これは製造時に予め決定しておいてもよいし、ユーザの任意の操作を判定するようにしてもよい。S31の判定において、画像信号の入力を必要としないと判定した場合、つまり、音声のみの入力を行う場合にはS35に移行する。一方、S31の判定において、画像信号の入力を必要とすると判定した場合には、撮像素子20による撮像を開始して得られた画像を大画面モニタ4に表示させる(S32)。なお、このときは大画面モニタの天地方向が反転するので画像表示時には天地方向を反転させる。この後、ユーザによりレリーズスイッチ10aがONされたか否かを判定する(S33)。S33においてレリーズスイッチ10aがONされていないと判定した場合にはS32に戻る。一方、S33においてレリーズスイッチ10aがONされたと判定した場合には、特許請求の範囲に記載の所定の画像情報としての基準画像信号の取得を完了させる(S34)。
【0055】
次に、音声信号の入力を必要とするか否かを判定する(S35)。S35の判定において、音声信号の入力を必要としないと判定した場合には、この基準信号入力のフローチャートを終了する。一方、S35の判定において、音声信号の入力を必要とすると判定した場合には、ユーザの操作により音声入力が開始されたか否かを判定する(S36)。S36の判定において、音声入力が開始されていないと判定した場合にはS35に戻る。一方、S36の判定において、音声入力が開始されたと判定した場合には、集音を開始し、同時に集音時間を大画面モニタ4に表示させる(S37)。
【0056】
この時間表示は、図9に示すようにユーザの像11と共に表示されるものである。なお、図9では時間表示をバーグラフ30で表示している。このバーグラフは所定時間t0ごとに1セグメントずつ点灯していく。そして、この図9の例では7セグメント点灯したときに認証用の特許請求の範囲に記載の所定の音声情報としての基準音声信号の集音が終了する。
【0057】
ユーザは、このセグメントの点灯のタイミングに従って、発音のタイミングを調整しながら音声の入力を行う。例えば、「こんにちは」という音声を基準信号として登録する場合には、時間t0が経過するごとに、「こ」、「ん」、「に」、「ち」、「は」というように入力すればよい。図9の例のように7セグメントのときは最初の2つのセグメントの点灯を見て、音声入力のタイミングを確認し、後の5セグメントで音声を入力していけばよい。
【0058】
このような集音時にCPU10は、音声入力が終了したか否か、つまり、7セグメント分の時間が経過したか否かを判定する(S38)。S38の判定において、音声入力が終了していないと判定した場合にはS37に戻り、集音を続ける。一方、S38の判定において、音声入力が終了していないと判定した場合には、基準音声信号の取得を完了させた後(S39)、この基準信号入力のフローチャートを終了する。
【0059】
再生モードや電子写真立てモードにおいて画像及び音声によって認証を行う際にも図9と同様の制御を行えばよい。つまり、例えば、画像信号入力による像比較の例では図9(B)や図9(C)のように2つの像の明暗の変化を用い、予め基準信号と新たに入力された画像信号を照合(比較)し、一致度が高いときに認証を終了する。この照合判定は図4のCPU10が行う。
【0060】
なお、画像での認証時には、撮像結果の一部(図9においては領域31)が登録時の画像と一致した場合には認証が行われるようにしてもよい。このような認証においては、あまり複雑な認証を行うようにするとCPU10が誤判定する可能性が高く、また、認証が終了するまでの時間も長くかかるようになる。そこで、認証を単純化することにより誤判定の可能性を低減させる。更に、基準信号の入力時には、通常の撮影と異なることを明示するために、例えば、「基準入力」という文字情報32を表示させてもよい。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態によれば撮影モードと再生モードとで形態を異なるようにしたので、ユーザに分かりやすい。また、再生モード時に使用する機能は、撮影モード時には扉部によって隠されているので撮影時の機動性がよく、また、再生時には、大画面のモニタにより高画質の画像を見ることができる。また、ユーザ以外の人間では再生モードが動作しないようになっているので、プライバシーの保護も図ることが可能である。
【0062】
[第2の実施の形態]
次に本発明の第2の実施の形態について図10(A)及び図10(B)を用いて説明する。つまり、この第2の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器としてのカメラでは大画面モニタ4の画面大きさを規制するのにカメラ本体2の背面に設けられたグリップ部2d,2eによるスライド式の構造を用いる。なお、このグリップ部2d,2eが特許請求の範囲に記載の規制部材である。
【0063】
即ち、グリップ部2d,2eをそれぞれ、図10(A)の矢印方向にスライドさせることにより大画面モニタ4の全画面が現れる。これによりカメラモードが再生モードとなり、大画面表示がなされる。
【0064】
一方、撮影モードは、グリップ部2d,2eをそれぞれ図10(B)の矢印方向にスライドさせることにより大画面モニタ4の画面大きさが小さく制限される。このとき、ユーザによるスライド操作を判定するようにして、スライド操作により制限された画面大きさに従って、画像をもとの画像の縦横比を保ったまま縮小表示する。
【0065】
また、本実施の形態においては、撮影用の撮影レンズ1とは別に、ユーザ認証に用いるための別のレンズ(ユーザ認証用レンズ)1aが設けられている。また、このユーザ認証用レンズ1aを介して入射した像を受けるための図示しない撮像素子がカメラ内部に構成されている。
【0066】
以上説明したように、本実施の形態においても、撮影時には大画面のモニタが隠されているので、機動性がよく、また画面を汚したり傷つけたりすることがない。また、画像の再生時には美しい画像を大画面で表示することができる。
【0067】
[第3の実施の形態]
次に、図11(A)〜図11(D)を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は第1の実施の形態における扉部2aと同様の構成を、画像表示装置を有する機器としてのカメラの背面に構成した例であるが、第1の実施の形態とは逆に、開口4aを扉部2aに設け、大画面モニタ4をカメラ本体2に設けた点が異なる。
【0068】
本実施の形態の動作は前述の第1の実施の形態と同様で、図11(B)のように扉部2aを閉じることにより撮影モードとなり大画面モニタ4が保護される。このとき、開口4aに制限された画面大きさに全画像が表示できるように縮小表示することも前述した第1及び第2の実施の形態と同様である。
【0069】
一方、再生モード時には図11(A)のようにして扉部2aを開くことにより大画面モニタ4の全画面が現れ、また、操作ボタン群なども現れるようになる。
なお、本実施の形態においてはユーザ認証用レンズ1aをカメラの背面に配置しており、扉部2aが閉じられている場合には、このユーザ認証用レンズ1aが隠れて保護されるようになっている。
【0070】
このようにして扉部2aをカメラの背面に設けたことにより、カメラ前面に配置された撮影レンズ1を保護するためのレンズバリア2fを設けることが可能になる。図11(C)及び図11(D)は、それぞれレンズバリア2fが開いている状態及び閉じている状態を示す。更にこのレンズバリア2fの開閉状態とカメラの電源のON/OFFとを連動させるようにしてもよい。
【0071】
以上、本発明の全実施の形態の画像表示装置を有する機器において、必要な場合においてのみ大画面表示させるので、常に大画面を駆動して大きな消費エネルギーを費やすこともなく省エネルギーとなる。この効果の一つとして長時間の撮影を楽しむことができることになる。
【0072】
また、本発明は、状況に応じて適切な再生制御を行うことによりユーザのプライバシーを保護することが可能な画像表示装置を有する機器を提供することができる。
【0073】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、大画面のモニタを有する構造でありながら、大画面のモニタが必要でない場合には、この大画面モニタを隠して保護することができる画像表示装置を有する機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器の一例であるカメラの外観構成図である。
【図2】図2(A)はユーザがカメラを持って撮影しているところを前方から見たときの様子を示した図であり、図2(B)はユーザがカメラを持って撮影しているところを後方から見たときの様子を示した図であり、図2(C)はユーザが画像を再生しているときの様子を示した図である。
【図3】図3(A)は大画面の全領域と規制後の領域との比較図であり、図3(B)は全画面表示の例を示す図であり、図3(C)は縮小表示の例を示す図である。
【図4】カメラの内部構成を説明するためのブロック図である。
【図5】カメラにおけるメイン動作の制御手順を示すフローチャートである。
【図6】カメラを電子写真立てとして使用する際の例を示す図である。
【図7】電子写真立てモードにおける制御手順を示すフローチャートである。
【図8】基準信号入力時の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】図9(A)は基準信号入力時の表示例を示す図であり、図9(B)は像比較の例において基準像信号に対して入力された像信号の一致度が高いときの図であり、図9(C)は像比較の例において基準像信号に対して入力された像信号の一致度が低いときの例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器としてのカメラの外観構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器としてのカメラの外観構成図である。
【符号の説明】1…撮影レンズ、1a…ユーザ認証用レンズ、2…カメラ本体、2a…扉部、2b,2d,2e…グリップ部、2c…丁番部、2f…レンズバリア、3…ストロボ発光部、4…大画面モニタ(モニタ)、4a…開口、5…マイク、6…スピーカ、7…操作ボタン群、10…演算制御回路(CPU)、10a…レリーズボタン、10b…モード判定スイッチ、20…撮像素子、21,27…アナログ/デジタル(A/D)変換回路、22…画像処理回路、23…記録部、24…表示回路、25…ピント制御回路、26…ストロボ制御回路、28…アンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像取得及び再生を可能とするカメラ等の画像表示装置を有する機器に用いられる表示装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の取得及び画像の再生を可能とする機器の代表的なものにデジタルスチルカメラ(デジタルカメラ)がある。デジタルカメラは従来のフィルム式カメラの形状に基づいて設計されたものが多いものの、内部機構が少なく電子回路の配置の自由度も高いことから、近年、フィルム式カメラとは異なる形状の製品も市場に出回り始めている。
【0003】
また、デジタルカメラはフィルム式カメラと異なり、撮影後の画像を手軽に再生表示することができる。これがデジタルカメラの魅力の一つであり、デジタルカメラにおいては、画像再生用のモニタを備えていることが売れ筋商品となる条件の一つとなっている。
【0004】
つまり、デジタルカメラは「カメラ」とは呼ばれるものの、画像の再生機器としての側面も有しているので、完全にパーソナルユースの製品と割り切れない部分がある。すなわち、デジタルカメラが画像の再生機器として使用されるときには、ユーザ以外の不特定多数の人によって使用されることも多かった。そうした中にあって、ユーザ以外の人の操作を受けつけないようにすることが可能なカメラも提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−77700号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
今後、映像情報機器が増加し、映像が氾濫してくると、ユーザの目も肥えてくるので、高画質な画像を大画面で見ることが可能な製品が望まれるようになると考えられる。この傾向はデジタルカメラにおいても同様であると考えられるが、大画面表示のためにモニタを大型化することは製品自体の小型化と相反することになる。
【0007】
ここで、画像の再生時において望まれるモニタの大型化は、撮影時においてはむしろ邪魔になる場合も考えられる。例えば、撮影中には、構図やシャッタチャンスを考えて、カメラを構えなおしたり、上下左右に動かしたり、持ち替えたりなどをすることがある。このときモニタが大型であると、モニタを手で汚してしまったり、どこかにぶつけて損傷させたりする可能性が高くなる。
【0008】
また、画像の再生時であっても、ユーザ自身が画像を大きな画面で見たいときや大きな画面で他人に見せたいときなどの、ユーザが望んだときのみに大画面表示が行われるほうが好ましい。つまり、ユーザが他人に見せたくないような画像までもが大画面で表示されてしまうのはプライバシーの保護の上でも好ましくない。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、大画面のモニタを有する構造でありながら、大画面のモニタが必要でない場合には、この大画面モニタを隠して保護することができる画像表示装置を有する機器を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、状況に応じて適切な再生制御を行うことによりユーザのプライバシーを保護することが可能な画像表示装置を有する機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による画像表示装置を有する機器は、撮影レンズと、上記撮影レンズを介して取得した画像を表示する画面表示部を有する第1の筐体と、上記第1の筐体に対して相対移動が可能であり、上記画面表示部と対向して上記画面表示部の画面大きさをより小さく制限可能に構成された開口を有する第2の筐体とを具備することを特徴とする。
【0012】
つまり、本発明の画像表示装置を有する機器は、第1の筐体に設けられた画面表示部の画面大きさを、第2の筐体によって制限することによって、画面表示部の全画面を用いる必要がないときには、画面表示部を隠して保護する。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、本発明による画像表示装置を有する機器は、画像を再生するためのモニタと、上記モニタを有する筐体と、上記モニタの画面大きさを規制するための規制部材とを有し、上記規制部材には、上記筐体を把持するためのグリップ部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
つまり、本発明の画像表示装置を有する機器は、モニタの画面大きさを規制部材によって規制するとともに、この規制部材に筐体を把持するためのグリップ部を形成している。これにより、モニタが汚れたり損傷したりする可能性を更に低減させることが可能である。
【0015】
また、上記の目的を達成するために、本発明の画像表示装置を有する機器は、画像を縮小してモニタに表示する第1の表示モードと、画像を拡大して表示する第2の表示モードを有する表示装置であって、上記モニタを観察している観察者を特定する特定手段と、上記特定手段によって特定された観察者に応じて上記第1の表示モード及び上記第2の表示モードを切り換えて画像を表示させる切替制御手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
つまり、本発明の画像表示装置を有する機器は、モニタを観察している観察者を特定手段によって特定し、この特定手段による観察者の特定結果に応じて適切な再生制御を行う。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器の一例であるカメラの外観構成を図1(A)〜図1(C)に示す。なお、ここでの「カメラ」とはデジタルスチルカメラのことをいうものとする。
【0018】
このカメラは、画像撮影時のモードである「撮影モード」と画像再生時のモードである「再生モード」の2種類のモードに対応する2種類の形態を有する。ここで、図1(A)及び図1(B)はこのカメラが「撮影モード」の状態にあるときの形態を示す。図1(A)は撮影モード時のカメラを前方から観察した様子を示し、図1(B)は撮影モード時のカメラを後方から観察した様子を示す。また、図1(C)はこのカメラが「再生モード」の状態にあるときの形態を示す。
【0019】
つまり、このカメラは、図1(C)に示すように、扉部2a(特許請求の範囲に記載の第1の筐体)とカメラ本体2(特許請求の範囲に記載の第2の筐体,規制部材)とで構成される。そして、扉部2aとカメラ本体2とは丁番部(特許請求の範囲に記載の丁番構造)2cを介して図の矢印で示す方向に相対的に回動可能(特許請求の範囲に記載の相対移動が可能)に構成されている。
【0020】
ここで、撮影モードにおいては、図1(A)に示すように、カメラの前面に、撮影レンズ1、ストロボ発光部3の他、マイク5等が配置される。また、カメラの上面にはレリーズボタン10aが配置される。更に、図1(B)に示すようにカメラの背面には、ファインダ用の窓として機能する開口4a及びカメラを保持するためのグリップ部2bが配置される。この撮影モード時には、大画面モニタ(特許請求の範囲に記載の画面表示部,モニタ)4の一部が開口4aの分だけ露出されるようになっている。即ち、開口4aによって大画面モニタ4の画面大きさを制限可能である。そして、この大画面モニタ4にファインダ用の画面表示がなされる。つまり、撮影モードにおいて、ユーザはカメラ本体2の背面に構成されたファインダを見ながら、グリップ部2bを握って撮影を行うことになる。
【0021】
一方、撮影モードから画像を再生する再生モードにする際には、扉部2aを図1(C)の矢印方向に回動させる。これにより、図1(C)のように、大画面モニタ4の全体やスピーカ6、及びモニタ表示用の操作ボタン群7が現れる。つまり、再生モード時においては、図1(C)に示すように大画面モニタ4の全画面が現れるので、画像を大画面で表示させることが可能となる。
【0022】
このような折りたたみ式の構成をとることによってユーザ11が撮影に専念している場合でも大画面モニタ4に触れてしまう可能性が少ない。また、画像再生時には大画面モニタ4を用いて画像を品位よく、迫力を持って再生可能である。
【0023】
図2(A)はユーザ11がカメラを持って撮影しているところを前方から見たときの様子を示した図である。また、図2(B)はユーザ11がカメラを持って撮影しているところを後方から見たときの様子を示した図である。図2(B)において、ユーザ11は大画面モニタ4と開口4aとで構成されるファインダを観察しながら、被写体12を狙って構図を決めようとしている。このとき、ユーザ11はグリップ部2bを握って撮影を行うので、大画面モニタ4が指紋や汗などによって汚れる可能性が少ない。なお、このユーザ11は後で詳述するユーザ登録を行った人物のことをいう。
【0024】
また、画像をモニタするときは、扉部2aを扉状に開いて図2(C)のような状態にすれば、それによって現れる大画面モニタ4において大画面表示がなされるので、このカメラを電子アルバムとしても利用することができる。このとき、操作ボタン群7の各種ボタンを利用して画像再生時の画像切り換えや画像の検索等を行うことができる。なお、この操作ボタン群7は撮影時においては邪魔になるものであるが本実施の形態では、撮影時において操作ボタン群7が扉部2aによって隠される。このため、撮影時に誤って操作ボタン群7を操作してしまうこともなく、カメラの信頼性を劣化させることもない。
【0025】
また、画像の他に音声情報がある場合にはスピーカ6から音声を再生することも可能である。本実施の形態では、スピーカ6を図1(C)に示すように大画面モニタ4に対向するような形で配置している。これにより大型で音質に優れたスピーカを使用しながら、カメラの小型化も実現でき、また、撮影時にも邪魔にならない。
【0026】
更に、本実施の形態において、特筆すべきことは、撮影モード時と再生モード時とでカメラの形態を異ならせたことである。これにより、ユーザ11に、現在のカメラモードが撮影モードと再生モードの何れであるかを分かりやすく認知させることができる。従来のカメラは電子アルバムの再生機器としての使い勝手に留意されたものが少なかったが、本実施の形態のような工夫によって、単なる画像の撮影機器としてのみならず、画像の再生機器としての側面も魅力的なカメラを提供することができる。これは、表示モニタの大型化やスピーカの大型化などによってもたらされるものである。
【0027】
次に、前述の大画面モニタ4及び開口4aについて更に詳しく説明する。図3(A)に大画面モニタ4の全表示領域の大きさと開口4aによって規制された表示領域4bの大きさとの比較を示す。また、図3(B)は大画面モニタ4の全領域を用いて画像を表示させるとき、つまり、再生モード時の表示例である。更に、図3(C)は表示領域4bのみに画像を表示させてファインダとして機能させるときの表示例である。図3(B)の表示と図3(C)の表示の切り換えは、その縦横比を保ったまま拡大・縮小表示することによって行う。なお、撮影時においては、縮小表示により図3(C)のような表示を行うが、表示領域4b以外の領域については、余計な表示を行わずに省エネルギー化を図る。
【0028】
なお、図2(B)及び図2(C)に示すように、撮影モード時と再生モード時とでは、大画面モニタ4の天地方向が反転することになるので、撮影モード時と再生モード時とで、表示画像の天地方向を反転させる必要がある。このような表示の切り換えは図4の画像処理回路22や表示回路24等で行う。反転表示は表示回路24にシリアル入力させる信号の順番を反対にして行い、また、縮小は特定のエリアのみに間引きされた信号を入力すればよい。このような制御はCPU10が画像処理回路を介して行うが、これらの制御を総称して特許請求の範囲に記載の表示制御手段と呼ぶことができる。
【0029】
次に、このカメラの内部構成について説明する。図4にこのカメラの内部の回路ブロック図を示す。
撮影レンズ1を介して受光した被写体像をCCDやCMOSセンサなどの撮像素子20によって電気信号に変換し、更にアナログ/デジタル(A/D)変換回路21によって、撮像素子20からの出力をデジタル化した後、画像処理回路22に出力する。この後、画像処理回路22はデジタル画像の色調やコントラストを整えた後、画像データの圧縮処理を行って記録部23に記録させる。
【0030】
一方、記録部23に記録させた画像データを表示させる場合には、記録部23に記録された画像データを、画像処理回路22を介して表示回路24に入力する、そして、表示回路24によって前述の大画面モニタ4に画像を表示させる。
【0031】
更に、撮像素子20の出力を画像処理回路22で処理した後、記録部23に記録させずに直接、大画面モニタ4に表示させることもできる。このような制御を行うことによって、図2(B)のような状態で大画面モニタ4をファインダとして用いることが可能となる。
【0032】
なお、撮影時においては、画像処理回路22の画像処理信号の一部を利用して、その利用した部分の信号のコントラストが最も高くなるようにピント制御回路25を介して撮影レンズを駆動制御するようにすることでオートフォーカス制御が可能である。
【0033】
演算制御回路(CPU)10はマイクロコンピュータ等で構成されており、カメラユーザによる各種スイッチの入力状態を判定して、その判定したスイッチの入力状態に応じて一連の撮影シーケンスの制御や表示再生の制御等を行う。
【0034】
ここで、レリーズスイッチ10aはレリーズボタン10aによってON/OFFされるスイッチである。CPU10はレリーズスイッチ10aのON状態を判定した場合に露出動作を開始させる。また、モード判定スイッチ10bは扉部2aの開閉状態によりON/OFFされるスイッチである。CPU10はモード判定スイッチ10bの状態により撮影モード及び再生モードの判定を行う。更に操作スイッチ群7は再生モード時に操作ボタン群7の各種ボタンにより操作されるスイッチ群である。
【0035】
また、CPU10は露出時にストロボ制御回路26を制御する。ストロボ制御回路26はCPU10の制御により、ストロボ発光部3から被写体に補助光を照射する。
【0036】
更に、マイク5から音声の入力があった場合には、その音声信号をA/D変換回路27を介してデジタル化して取り込む。CPU10は、この取り込んだ音声データを画像処理回路22のデータ圧縮機能を利用して圧縮した後、記録部23に記録させる制御を行う。また、CPU10は記録部23に記録させた音声データを伸張し、その信号をアンプ28によって増幅した後、スピーカ6を介して音声として再生する制御も行う。
【0037】
このような構成のカメラにおいて、CPU10は図5のような制御手段としてのフローチャートに従った制御を実行する。以後、この図5のフローチャートについて説明する。まず、CPU10は前述の扉部2aが閉じているか否かを判定する(S1)。これはモード判定スイッチ10bのON/OFF状態により判定すれば良い。
【0038】
S1の判定において、扉部2aが閉じていると判定したときには特許請求の範囲に記載の第1のモードである撮影モードである。撮影モードにおいては、まず、カメラのメインスイッチがON状態であるか否かを判定する(S8)。なお、このメインスイッチは図示されていないが、例えば、機械的なスイッチであってもよいし、タッチセンサ等によりグリップ部2bを握るとONするように構成してもよい。S8の判定において、メインスイッチがON状態でないと判定した場合にはS1に戻る。一方、S8の判定において、メインスイッチがON状態であると判定した場合には、図3(C)に示すようなファインダ表示を行うために、撮像素子20によって撮像した画像を縮小して大画面モニタ4の表示領域4bに特許請求の範囲に記載の第1の表示モードである表示を行う(S9)。これにより、ユーザ11はファインダを見ながら撮影を行うことができる。なお、音声を録音する場合には、この表示領域4bに画像を表示させるのと並行して録音動作を開始(S10)させてもよい。
【0039】
この状態でCPU10はカメラユーザによりレリーズスイッチ10aがON操作されたか否かを判定する(S11)。レリーズスイッチ10aがON操作されていないと判定した場合にはS1に戻る。このとき、省エネルギー化のために所定時間経過後にファインダ表示をOFFするようにしてもよい。
【0040】
一方、S11の判定において、レリーズスイッチ10aがON操作されたと判定した場合には、撮影レンズ1のピント合わせを行った後(S12)、露出を行う(S13)。なお、前述したS10の録音を開始した場合には、録音の終了指示が入力されたか否かを判定するようにして(S14)、録音終了の指示が入力されたと判定した場合に録音を終了させる(S15)ようにしてもよい。この場合には、録音終了後に録音した音声データの中でどのデータを記録部23に記録させたいのかをユーザに指定させるようにする(S16)ステップを設けてもよい。
【0041】
以上の動作により露出が終了した後には、画像データを記録部23に記録させる(S17)。また、録音した音声データが存在する場合には、それも記録部23に記録させる。画像データ及び音声データの記録を終了した後は本フローチャートの制御を終了する。
【0042】
また、S1の判定において、扉部2aが開いていると判定したときには特許請求の範囲に記載の第2のモードである再生モードである。なお、これから説明する再生モードにおいては、プライバシーの保護のために、登録を行ったユーザ以外では撮影モードの動作が行われない例についても説明する。
【0043】
撮影モード時には、まず、撮影レンズ1を介して観察者の画像情報を取得する(S2)。次に、観察者の音声入力により観察者の音声情報を取得する(S3)。次に、S2及びS3で取得した画像情報及び音声情報が予め登録してあるユーザの画像情報及び音声情報と一致しているか否かを判定する(S4)。S4の判定において、画像情報及び音声情報が予め登録してある情報と一致していないと判定した場合には、プライバシーの保護を考慮して再生モードを終了し、S1に戻る。なお、入力された画像及び音声が予め登録されたものと一致しない場合には、再生モード時においても縮小表示が行われるようにしてもよい。
【0044】
一方、S4の判定において、画像情報及び音声情報が予め登録してある情報と一致したと判定した場合には、図3(B)に示すような、大画面モニタ4の全領域を用いた特許請求の範囲に記載の第2の表示モードである大画面表示(拡大表示)を行う(S5)。即ちS4の制御が特許請求の範囲に記載の観察者を特定する特定手段に相当し、上記S2での観察者の画像情報と所定の画像情報とを照合するか、又は上記S3での観察者の音声情報と所定の音声情報とを照合することにより観察者を特定する。なお、再生モード時と撮影モード時とでは前述したように大画面モニタ4の天地方向が反転するので、S5の拡大表示時では表示回路24により画像の天地方向を反転させて表示を行う。
【0045】
この後、音声情報を再生するか否かを判定する(S6)。これは、例えば、再生する画像データに対応する音声データがある場合には自動的に再生されるようにしてもよいし、操作ボタン群7に音声再生用のボタンを設けておき、そのボタンがON操作された場合に対応する音声データを再生するようにしてもよい。S6の判定において、音声情報を再生しないと判定した場合には、本フローチャートの制御を終了する。このとき表示されている画像は、所定時間経過後に自動的にOFFされるようにする。または、表示をOFFする所定のスイッチがONされた場合に表示をOFFするようにしてもよい。
【0046】
一方、S6の判定において、音声情報を再生すると判定した場合には、対応する音声データを再生する(S7)。そして、本フローチャートの制御を終了する。このとき表示されている画像及び再生されている音声は、所定時間経過後に自動的にOFFされるようにする。または、これらをOFFする所定のスイッチがONされた場合に画像表示及び音声再生をOFFするようにしてもよい。
【0047】
なお、このカメラは、図6に示すようにして扉部2aを開いて机の上に置くことで電子写真立てとして使用することができる。次にこのモード(以後、電子写真立てモードと称する)時の制御について図7を用いて説明する。なお、この電子写真立てモードは前述してきた再生モードとは異なるモードであり、扉部2aが開かれ、かつ、カメラのモードが電子写真立てモードに切り換えられた場合にのみ動作するものとする。これは、例えば、操作スイッチ群7の一つにカメラモードを電子写真立てモードに切り換えるためのスイッチを含めて構成しておけばよい。
【0048】
電子写真立てモードでは、まず、撮像素子20による撮像を行う。このとき、マイク5を介して音声が入力された場合にはその音声情報も取り込む(S21)。次に、S21で取得した結果が予め設定された所定条件を満足しているか否かを判定する(S22)。つまり、電子写真立てモードでは所定条件を満たしたときのみ大画面表示を行う。なお、所定条件は、例えば、部屋に電気が灯された場合、撮影レンズ1に手がかざされた場合、マイク5から所定の音声が入力された場合や、登録されたユーザであると認証された場合等を条件とすればよい。
【0049】
S22の判定において、S21で取得した結果が所定条件を満足していないと判定した場合には、S25に移行する。一方、S22の判定において、S21で取得した結果が所定条件を満足していると判定した場合には、大画面モニタ4に大画面表示を行う(S23)。図6により明らかであるが、電子写真立てモードでは再生モードとは異なり、大画面モニタ4の天地方向が反転しないので、画像表示の際には反転表示制御を行わない。
【0050】
なお、表示を行った後は、所定時間表示を継続させる(S24)。なお、所定時間の経過後に画像表示を自動的に終了させるようにしてもよい。これは、観察者が大画面モニタ4をずっと見ている確率が低いためである。なお、自動的に表示を終了させずに、観察者の任意の操作により表示を終了させるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0051】
表示が終了した後は電子写真立てモードが解除されたか否かを判定する(S25)。これは、操作スイッチ群7の操作によりモードが解除されたか否か、又は、扉部2aが閉じられたか否かを判定すればよい。S25の判定において、電子写真立てモードが解除されていないと判定した場合にはS21に戻り、再び撮像や集音を開始する。一方、S26の判定において、電子写真立てモードが解除されたと判定した場合には、この電子写真立てモードのフローチャートの制御を終了する。
【0052】
なお、図5のS4におけるユーザ認証や図7のS22における所定条件判定は、画像データや音声データが予めユーザが設定した条件になったことを判定する必要がある。ここでは、ユーザ登録の場合を例にとって所定条件の入力プロセスについて説明する。図8はこのときの入力手順を示すフローチャートである。
【0053】
ユーザ認証用に用いる基準信号としては画像信号のみを用いる場合、音声信号のみを用いる場合、又は画像信号と音声信号の両方を用いる場合の3つのパターンが考えられる。
【0054】
基準信号の入力モードにおいて、CPU10は、まず、画像信号の入力を必要とするか否かを判定する(S31)。これは製造時に予め決定しておいてもよいし、ユーザの任意の操作を判定するようにしてもよい。S31の判定において、画像信号の入力を必要としないと判定した場合、つまり、音声のみの入力を行う場合にはS35に移行する。一方、S31の判定において、画像信号の入力を必要とすると判定した場合には、撮像素子20による撮像を開始して得られた画像を大画面モニタ4に表示させる(S32)。なお、このときは大画面モニタの天地方向が反転するので画像表示時には天地方向を反転させる。この後、ユーザによりレリーズスイッチ10aがONされたか否かを判定する(S33)。S33においてレリーズスイッチ10aがONされていないと判定した場合にはS32に戻る。一方、S33においてレリーズスイッチ10aがONされたと判定した場合には、特許請求の範囲に記載の所定の画像情報としての基準画像信号の取得を完了させる(S34)。
【0055】
次に、音声信号の入力を必要とするか否かを判定する(S35)。S35の判定において、音声信号の入力を必要としないと判定した場合には、この基準信号入力のフローチャートを終了する。一方、S35の判定において、音声信号の入力を必要とすると判定した場合には、ユーザの操作により音声入力が開始されたか否かを判定する(S36)。S36の判定において、音声入力が開始されていないと判定した場合にはS35に戻る。一方、S36の判定において、音声入力が開始されたと判定した場合には、集音を開始し、同時に集音時間を大画面モニタ4に表示させる(S37)。
【0056】
この時間表示は、図9に示すようにユーザの像11と共に表示されるものである。なお、図9では時間表示をバーグラフ30で表示している。このバーグラフは所定時間t0ごとに1セグメントずつ点灯していく。そして、この図9の例では7セグメント点灯したときに認証用の特許請求の範囲に記載の所定の音声情報としての基準音声信号の集音が終了する。
【0057】
ユーザは、このセグメントの点灯のタイミングに従って、発音のタイミングを調整しながら音声の入力を行う。例えば、「こんにちは」という音声を基準信号として登録する場合には、時間t0が経過するごとに、「こ」、「ん」、「に」、「ち」、「は」というように入力すればよい。図9の例のように7セグメントのときは最初の2つのセグメントの点灯を見て、音声入力のタイミングを確認し、後の5セグメントで音声を入力していけばよい。
【0058】
このような集音時にCPU10は、音声入力が終了したか否か、つまり、7セグメント分の時間が経過したか否かを判定する(S38)。S38の判定において、音声入力が終了していないと判定した場合にはS37に戻り、集音を続ける。一方、S38の判定において、音声入力が終了していないと判定した場合には、基準音声信号の取得を完了させた後(S39)、この基準信号入力のフローチャートを終了する。
【0059】
再生モードや電子写真立てモードにおいて画像及び音声によって認証を行う際にも図9と同様の制御を行えばよい。つまり、例えば、画像信号入力による像比較の例では図9(B)や図9(C)のように2つの像の明暗の変化を用い、予め基準信号と新たに入力された画像信号を照合(比較)し、一致度が高いときに認証を終了する。この照合判定は図4のCPU10が行う。
【0060】
なお、画像での認証時には、撮像結果の一部(図9においては領域31)が登録時の画像と一致した場合には認証が行われるようにしてもよい。このような認証においては、あまり複雑な認証を行うようにするとCPU10が誤判定する可能性が高く、また、認証が終了するまでの時間も長くかかるようになる。そこで、認証を単純化することにより誤判定の可能性を低減させる。更に、基準信号の入力時には、通常の撮影と異なることを明示するために、例えば、「基準入力」という文字情報32を表示させてもよい。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態によれば撮影モードと再生モードとで形態を異なるようにしたので、ユーザに分かりやすい。また、再生モード時に使用する機能は、撮影モード時には扉部によって隠されているので撮影時の機動性がよく、また、再生時には、大画面のモニタにより高画質の画像を見ることができる。また、ユーザ以外の人間では再生モードが動作しないようになっているので、プライバシーの保護も図ることが可能である。
【0062】
[第2の実施の形態]
次に本発明の第2の実施の形態について図10(A)及び図10(B)を用いて説明する。つまり、この第2の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器としてのカメラでは大画面モニタ4の画面大きさを規制するのにカメラ本体2の背面に設けられたグリップ部2d,2eによるスライド式の構造を用いる。なお、このグリップ部2d,2eが特許請求の範囲に記載の規制部材である。
【0063】
即ち、グリップ部2d,2eをそれぞれ、図10(A)の矢印方向にスライドさせることにより大画面モニタ4の全画面が現れる。これによりカメラモードが再生モードとなり、大画面表示がなされる。
【0064】
一方、撮影モードは、グリップ部2d,2eをそれぞれ図10(B)の矢印方向にスライドさせることにより大画面モニタ4の画面大きさが小さく制限される。このとき、ユーザによるスライド操作を判定するようにして、スライド操作により制限された画面大きさに従って、画像をもとの画像の縦横比を保ったまま縮小表示する。
【0065】
また、本実施の形態においては、撮影用の撮影レンズ1とは別に、ユーザ認証に用いるための別のレンズ(ユーザ認証用レンズ)1aが設けられている。また、このユーザ認証用レンズ1aを介して入射した像を受けるための図示しない撮像素子がカメラ内部に構成されている。
【0066】
以上説明したように、本実施の形態においても、撮影時には大画面のモニタが隠されているので、機動性がよく、また画面を汚したり傷つけたりすることがない。また、画像の再生時には美しい画像を大画面で表示することができる。
【0067】
[第3の実施の形態]
次に、図11(A)〜図11(D)を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は第1の実施の形態における扉部2aと同様の構成を、画像表示装置を有する機器としてのカメラの背面に構成した例であるが、第1の実施の形態とは逆に、開口4aを扉部2aに設け、大画面モニタ4をカメラ本体2に設けた点が異なる。
【0068】
本実施の形態の動作は前述の第1の実施の形態と同様で、図11(B)のように扉部2aを閉じることにより撮影モードとなり大画面モニタ4が保護される。このとき、開口4aに制限された画面大きさに全画像が表示できるように縮小表示することも前述した第1及び第2の実施の形態と同様である。
【0069】
一方、再生モード時には図11(A)のようにして扉部2aを開くことにより大画面モニタ4の全画面が現れ、また、操作ボタン群なども現れるようになる。
なお、本実施の形態においてはユーザ認証用レンズ1aをカメラの背面に配置しており、扉部2aが閉じられている場合には、このユーザ認証用レンズ1aが隠れて保護されるようになっている。
【0070】
このようにして扉部2aをカメラの背面に設けたことにより、カメラ前面に配置された撮影レンズ1を保護するためのレンズバリア2fを設けることが可能になる。図11(C)及び図11(D)は、それぞれレンズバリア2fが開いている状態及び閉じている状態を示す。更にこのレンズバリア2fの開閉状態とカメラの電源のON/OFFとを連動させるようにしてもよい。
【0071】
以上、本発明の全実施の形態の画像表示装置を有する機器において、必要な場合においてのみ大画面表示させるので、常に大画面を駆動して大きな消費エネルギーを費やすこともなく省エネルギーとなる。この効果の一つとして長時間の撮影を楽しむことができることになる。
【0072】
また、本発明は、状況に応じて適切な再生制御を行うことによりユーザのプライバシーを保護することが可能な画像表示装置を有する機器を提供することができる。
【0073】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、大画面のモニタを有する構造でありながら、大画面のモニタが必要でない場合には、この大画面モニタを隠して保護することができる画像表示装置を有する機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器の一例であるカメラの外観構成図である。
【図2】図2(A)はユーザがカメラを持って撮影しているところを前方から見たときの様子を示した図であり、図2(B)はユーザがカメラを持って撮影しているところを後方から見たときの様子を示した図であり、図2(C)はユーザが画像を再生しているときの様子を示した図である。
【図3】図3(A)は大画面の全領域と規制後の領域との比較図であり、図3(B)は全画面表示の例を示す図であり、図3(C)は縮小表示の例を示す図である。
【図4】カメラの内部構成を説明するためのブロック図である。
【図5】カメラにおけるメイン動作の制御手順を示すフローチャートである。
【図6】カメラを電子写真立てとして使用する際の例を示す図である。
【図7】電子写真立てモードにおける制御手順を示すフローチャートである。
【図8】基準信号入力時の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】図9(A)は基準信号入力時の表示例を示す図であり、図9(B)は像比較の例において基準像信号に対して入力された像信号の一致度が高いときの図であり、図9(C)は像比較の例において基準像信号に対して入力された像信号の一致度が低いときの例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器としてのカメラの外観構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る画像表示装置を有する機器としてのカメラの外観構成図である。
【符号の説明】1…撮影レンズ、1a…ユーザ認証用レンズ、2…カメラ本体、2a…扉部、2b,2d,2e…グリップ部、2c…丁番部、2f…レンズバリア、3…ストロボ発光部、4…大画面モニタ(モニタ)、4a…開口、5…マイク、6…スピーカ、7…操作ボタン群、10…演算制御回路(CPU)、10a…レリーズボタン、10b…モード判定スイッチ、20…撮像素子、21,27…アナログ/デジタル(A/D)変換回路、22…画像処理回路、23…記録部、24…表示回路、25…ピント制御回路、26…ストロボ制御回路、28…アンプ
Claims (9)
- 撮影レンズと、
上記撮影レンズを介して取得した画像を表示する画面表示部を有する第1の筐体と、
上記第1の筐体に対して相対移動が可能であり、上記画面表示部と対向して上記画面表示部の画面大きさをより小さく制限可能に構成された開口を有する第2の筐体と、を具備することを特徴とする画像表示装置を有する機器。 - 上記相対移動は上記第1の筐体と上記第2の筐体の間に設けられた丁番構造によって回動可能とすることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置を有する機器。
- 上記撮影レンズが上記第1の筐体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置を有する機器。
- 画像を再生するためのモニタと、
上記モニタを有する筐体と、
上記モニタの画面大きさを規制するための規制部材と、を有し、
上記規制部材には、上記筐体を把持するためのグリップ部が形成されていることを特徴とする画像表示装置を有する機器。 - 上記規制部材によって上記モニタの画面大きさが規制されたときには撮影を行うための第1のモードであると判定して第1のモードに対応する動作を開始させ、上記規制部材によって上記モニタの画面大きさが規制されていないときには画像再生を行うための第2のモードであると判定して第2のモードに対応する動作を開始させる制御手段を更に具備することを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置を有する機器。
- 上記規制部材によって上記モニタの画面大きさが規制された場合には、規制された画面大きさで全ての画像を表示できるように、画像を縮小して表示する表示制御手段を更に具備することを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置を有する機器。
- 上記表示制御手段は、上記画像を縮小して表示する場合に、上記規制前の画像と同じ縦横比を保ったまま縮小表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置を有する機器。
- 画像を縮小してモニタに表示する第1の表示モードと、画像を拡大して表示する第2の表示モードを有する画像表示装置を有する機器であって、
上記モニタを観察している観察者を特定する特定手段と、
上記特定手段によって特定された観察者に応じて上記第1の表示モード及び上記第2の表示モードを切り換えて画像を表示させる切替制御手段と、を具備することを特徴とする画像表示装置を有する機器。 - 上記特定手段は、上記観察者の画像情報と所定の画像情報とを照合、又は上記観察者の音声情報と所定の音声情報とを照合することにより、上記観察者を特定することを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置を有する機器。
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-
2003
- 2003-01-24 JP JP2003016205A patent/JP2004229080A/ja not_active Withdrawn
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