JP2004228195A - 電気光学基板、電気光学装置、電気光学基板の製造方法、電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の表面に遮光層が形成された電気光学基板において、遮光能力をさらに高める構成を提供する。
【解決手段】本発明の電気光学基板200は、基材210上に半導体層を備えるとともに、該基材210上に、所定パターンの遮光層215と、該遮光層215上に形成された絶縁体層212と、該絶縁体層212上に形成された半導体層206とを備え、遮光層215が、所定パターンの遮光本体層211上にシリコン層214が形成された構成を具備している。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の電気光学基板200は、基材210上に半導体層を備えるとともに、該基材210上に、所定パターンの遮光層215と、該遮光層215上に形成された絶縁体層212と、該絶縁体層212上に形成された半導体層206とを備え、遮光層215が、所定パターンの遮光本体層211上にシリコン層214が形成された構成を具備している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子を備えた電気光学基板、及び電気光学装置と、これらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと略す)を用いたアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置では、各画素に設けられた画素スイッチング用のTFTのチャネル領域に光が照射されると、光による励起で光リーク電流が発生しTFTの特性が変化してしまう場合がある。特に、プロジェクタにおけるライトバルブ用の電気光学装置の場合には、入射光の強度が高いため、TFTのチャネル領域やその周辺領域において入射光を遮光することが重要となる。そこで従来は、対向基板に設けられた各画素の開口領域を規定する遮光膜により、或いはTFTアレイ基板上においてTFTの上を通過すると共にAl(アルミニウム)等の金属膜からなるデータ線により、係るチャネル領域やその周辺領域を遮光するように構成している。
【0003】
そして特に、TFTアレイ基板上におけるTFTの下側にも、例えば高融点金属からなる遮光膜を設けることがある。このようにTFTの下側にも遮光膜を設ければ、TFTアレイ基板側からの裏面反射光や、複数の電気光学装置をプリズム等を介して組み合わせて一つの光学系を構成する場合に他の電気光学装置からプリズム等を突き抜けてくる投射光などの戻り光が、当該電気光学装置のTFTに入射するのを未然に防ぐことができる。例えば、特許文献1参照。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−133033号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような遮光膜を備えたTFTにおいても、光リーク電流の発生を更に防止する構成を採用することが望ましく、例えばTFTの下側に形成する遮光膜の遮光性向上が望まれる。
【0006】
一方、このようなTFTを製造する技術としてSOI技術が知られている。SOI技術は、素子の高速化や低消費電力化、高集積化を図ることができる等の利点を有することから、例えば電気光学装置に好ましく適用されている技術である。基板上に上述の遮光層及び絶縁体層を形成してなる支持基板と、単結晶シリコンなどからなる単結晶半導体層を含むデバイス形成層とを貼り合わせ、研磨する方法等により薄膜単結晶半導体層を形成し、その薄膜単結晶半導体層を例えば液晶駆動用のTFTに適用している。
【0007】
そして、薄膜単結晶半導体層を液晶駆動用のTFT等のトランジスタ素子に適用する場合には、パターニングした薄膜単結晶半導体層をウエットエッチングする方法や、薄膜単結晶半導体層を酸化して酸化膜とした後、その酸化膜をウエットエッチングする方法などにより、トランジスタ素子を構成する薄膜単結晶半導体層の膜厚の制御が行われている。
【0008】
このようなSOI技術を用いて製造されるTFTにおいても、光リーク電流の発生を防止するために遮光膜の遮光性向上は必須で、例えばTFTの下側に形成する遮光膜の遮光性向上が更に望まれている。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、基板の表面に遮光層が形成された電気光学基板において、遮光能力をさらに高める構成を提供することを目的とし、また、このような耐光性の高い電気光学基板を用いた電気光学装置を提供することを目的としている。さらに、これら電気光学基板、電気光学装置を好適に提供可能な製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電気光学基板は、基材上に半導体層を備えた電気光学基板であって、前記基材上に、所定パターンの遮光層と、該遮光層上に形成された絶縁体層と、該絶縁体層上に形成された半導体層とを備え、前記遮光層が、所定パターンの第1遮光膜とシリコン膜とが積層された構成を具備していることを特徴とする。
【0011】
このような構成の電気光学基板によると、遮光層の構成を、第1遮光膜とシリコン膜とを積層して2層構造としたため、単に1層の遮光層を設けた場合に比して遮光能力が向上する。また、シリコン膜表面での反射が生じ難いため、該反射に基づいて外部からの迷光が半導体層に入射することも防止ないし抑制される。したがって、このような電気光学基板を用いて半導体素子を構成した場合にも、該半導体素子において光リーク電流が極めて生じ難くなり、その駆動特性が優れたものとなる。
【0012】
また、本発明の電気光学基板は、その異なる態様として、支持基板と、半導体層を備えた半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板であって、前記支持基板上に、所定パターンの遮光層と、該遮光層上に形成された絶縁体層と、該絶縁体層と貼合せ絶縁体層を介して貼り合わされた半導体層とを備え、前記遮光層が、所定パターンの第1遮光膜上にシリコン膜が形成された構成を具備していることを特徴とする。
【0013】
このような構成の電気光学基板によると、支持基板と半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板において、遮光層の構成を、第1遮光膜上にシリコン膜を形成した2層構造としたため、単に1層の遮光層を設けた場合に比して遮光能力が向上する。また、シリコン膜表面での反射が生じ難いため、該反射に基づいて外部からの迷光が半導体層に入射することも防止ないし抑制される。したがって、このような電気光学基板を用いて半導体素子を構成した場合にも、該半導体素子において光リーク電流が極めて生じ難くなり、その駆動特性が優れたものとなる。
【0014】
本発明の電気光学基板において、前記第1遮光膜として高融点金属シリサイド膜を用いることができる。この場合、高融点金属シリサイド膜と前記シリコン膜との2層構造となり、またシリコン膜表面での反射も生じ難いため、上述の通り遮光性能が向上するとともに、当該高融点金属シリサイド膜とシリコン膜とからなる遮光層をアニールすることで遮光性を一層向上させることが可能となる。具体的には、高融点金属シリサイド膜をアニールすることにより、膜中に形成された余剰のシリコン成分が抜け、第1遮光膜たる高融点金属シリサイド膜の遮光性が向上する。さらに、本発明では、高融点金属シリサイド膜上にシリコン膜が形成されているため、高融点金属シリサイド膜から上記シリコン成分がシリコン膜側に抜けやすくなり、遮光能力が一層向上するものとなる。なお、例えば高融点金属としてW(タングステン)を用いた場合には、WSiがよりWSi2に近づくため遮光能力が増加することとなる。
さらに、薄膜単結晶半導体層を酸化して酸化膜とした時、シリコン膜が酸化されることによって高融点金属シリサイド膜が酸化されることが防止されるため、該高融点金属シリサイド膜が酸化して高融点金属が飛散することが防止される。さらに該高融点金属シリサイド膜が酸化され遮光性が低下する事を防止する事が可能となる。
【0015】
また、前記シリコン膜としてポリシリコン膜を用いることができ、この場合、当該遮光層の遮光性向上効果が一層顕著となる。なお、前記シリコン膜は、遮光性向上を考慮して、前記第1遮光膜の上面及び/又は側面を覆う態様にて形成することが好ましく、特に第1遮光膜の上面を覆う態様にて形成するのが遮光性向上の観点から最も効果的である。
【0016】
次に、本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学材料が挟持されてなる電気光学装置であって、前記基板の少なくとも一方を上述の電気光学基板にて構成したことを特徴とする。このような電気光学装置によると、上記電気光学基板を用いて電気光学材料を挟持し、その半導体層を主体として半導体素子を構成することにより駆動特性に優れ、信頼性の高い電気光学装置を提供することが可能となる。
【0017】
次に、本発明の電気光学基板の製造方法は、支持基板と、半導体層を備えた半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板の製造方法であって、支持基板上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、該絶縁体層上に貼合せ絶縁体層を介して、半導体層を備える半導体基板を貼り合わせる工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
このような製造方法により、上述した電気光学基板が製造され、例えば遮光層の構成が、第1遮光膜上にシリコン膜を形成した2層構造となり遮光能力が向上する。この場合も、第1遮光膜としては例えば高融点金属シリサイド膜を用いることができ、シリコン膜としては例えばポリシリコン膜を用いることができる。なお、シリコン膜は、第1遮光膜の上面及び/又は側面を覆う態様にて形成することが遮光性向上の観点から好ましい。
【0019】
また、本発明の電気光学基板の製造方法は、支持基板と、半導体層を備えた半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板を用いた電気光学装置の製造方法であって、支持基板上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、該絶縁体層上に貼合せ絶縁体層を介して、半導体層を備える半導体基板を貼り合わせる工程とを含む電気光学基板作成工程を具備することを特徴とする。
【0020】
このような電気光学基板作成工程により得られた基板を用いて電気光学材料を挟持することで、その基板に形成された半導体層を主体として半導体素子を構成することが可能となり、駆動特性に優れ、信頼性の高い電気光学装置を提供することが可能となる。
【0021】
なお、前記第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程において、前記シリコン膜を前記基板全面を覆う態様にて前記第1遮光層上に形成するものとし、前記シリコン膜の形成後、該シリコン膜上に窒化シリコン膜及びレジストを形成し、前記第1遮光層をマスクとして露光することにより、該第1遮光層上に窒化シリコン膜及びレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を除去して、第1遮光層上に選択的に窒化シリコン膜を形成する工程と、前記窒化シリコン膜をマスクとし、前記第1遮光層の形成領域以外の領域において前記シリコン膜を酸化させる工程とを含むものとすることができる。
【0022】
このような工程を採用することにより、電気光学基板上に形成される積層膜において段差が生じ難く、膜厚を均一にすることが可能となる。すなわち、上記方法ではシリコン膜を基板全面に形成し、これを第1遮光層形成領域以外の領域(非遮光領域)において選択的に酸化するものとしたため、該非遮光領域のシリコン膜が酸化シリコン膜となり、この酸化に伴って該シリコン膜の膜厚が増大することとなる。したがって、第1遮光層形成領域のシリコン膜よりも非形成領域の酸化シリコン膜が相対的に厚膜となり、第1遮光層が形成されたことによる膜厚差分を補うことが可能となる。その結果、例えば第1遮光層上にシリコン膜を形成して2層構造とした場合にも、作成される電気光学基板上の積層膜に段差が生じ難くなり、当該電気光学基板を電気光学装置に適用した場合にも段差に基づく表示不具合が生じ難くなり、例えば液晶材料を該基板で挟持して液晶装置(電気光学装置)を構成した場合にも、段差によるディスクリネーションが発生し難くなる。
【0023】
一方、上記のような段差を解消するための工程を含む製造方法は、貼り合わせ構造を含む電気光学装置に限定されず、例えば単に基材上に半導体素子を備えてなる電気光学基板を用いた電気光学装置の製造方法にも適用可能である。すなわち本発明の電気光学装置の製造方法について、その異なる態様は、基材上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、該絶縁体層上に所定パターンの半導体層を形成する工程とを含み、前記第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程において、前記シリコン膜を前記基板全面を覆う態様にて前記第1遮光層上に形成するものとし、前記シリコン膜の形成後、該シリコン膜上に窒化シリコン膜及びレジストを形成し、前記第1遮光層をマスクとして露光することにより、該第1遮光層上に窒化シリコン膜及びレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を除去して、第1遮光層上に選択的に窒化シリコン膜を形成する工程と、前記窒化シリコン膜をマスクとし、前記第1遮光層の形成領域以外の領域において前記シリコン膜を酸化させる工程とを含むことを特徴とする。このような方法により、半導体素子を備える電気光学基板において段差の大きさを低減することが可能となる。また、第1遮光層をマスクとして露光し、該第1遮光層上に選択的に窒化シリコン膜及びレジスト膜を形成する工程においては、別途フォトマスクを用意する手間が省かれ、製造効率が向上する。
【0024】
なお、本発明に用いる支持基板としては透光性の絶縁基板、例えば石英基板等を主体として構成することが好ましい。また、本発明においては遮光層を所定パターンに形成するものとしたが、例えば格子状、ストライプ状、島状などの所定形状の平面パターンを有する遮光層により、半導体層(例えばチャネル領域)を下側から遮光することができる。ここで遮光層を構成する第1遮光膜としては、例えば高融点金属の珪素化合物により形成することができるものとしたが、高融点金属としては例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pb(鉛)等を例示できる。
【0025】
また、前記遮光層上に形成する絶縁体層としては例えば酸化シリコンを主体として構成することが好ましく、例えば多層構造のものを採用することができる。絶縁体層は遮光層を完全に覆う、例えば支持基板の略全面に形成することができるが、例えば遮光層よりも一回り大きい格子状、ストライプ状、島状などの形状の平面パターンにて形成することも可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0027】
(電気光学基板)
まず、本発明に係る電気光学基板の第1実施形態について説明する。図1は、電気光学基板200の断面構成図であって、この電気光学基板200は、支持基板210と、この支持基板210上に形成され、所定の形状にパターニングされた遮光層215と、さらに遮光層215上に形成された絶縁体層212と、この絶縁体層212上に、貼合せ絶縁層216を介して形成された単結晶シリコン層(半導体層)206とを備えて構成されている。ここでは、例えば遮光層215に下側から覆われる位置の半導体層206に、トランジスタ素子等の各種スイッチング素子が形成されるようになっている。なお、絶縁体層212と貼合せ絶縁体層216の間が貼り合わせ界面とされている。
【0028】
ここで支持基板210は透光性を備えた絶縁基板であればよく、本実施形態では石英基板を用いている。遮光層215は、遮光本体層(第1遮光膜)211と、この遮光本体層211を覆うように形成されたシリコン層214とが積層された構成を有している。
【0029】
遮光本体層211は、例えば高融点金属の珪素化合物により形成することができ、本実施形態ではWSi(タングステンシリサイド)を用いている。なお、高融点金属としてはW(タングステン)の他にも、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pb(鉛)等を用いることができる。また、シリコン層214は、本実施形態ではポリシリコン層を用いて構成したが、例えばアモルファスシリコンを採用することも可能である。
【0030】
絶縁体層212は、所定パターンの遮光層215を形成したことにより生じる段差を解消するための平坦化膜であり、例えば酸化シリコン膜にて構成することができ、例えば多層構造のものを採用することができる。絶縁体層212は遮光層215を完全に覆う形にて、例えば支持基板210の略全面に形成することができるが、少なくとも遮光層215よりも一回り大きい平面パターンにて形成すればよい。なお、この絶縁体層212は本発明において特に必須の構成要素ではない。貼合せ絶縁層216は、絶縁体層212との接着性を考慮して例えば酸化シリコン膜にて構成することができる。
【0031】
半導体層206は、本実施形態では単結晶シリコンにて構成され、遮光層215のパターンに対応して該遮光層に下側から覆われる形にて配設されている。なお、遮光層215のパターン形状としては、例えば格子状、ストライプ状、島状などの所定形状の平面パターンにて形成することで、半導体層(例えばチャネル領域)206を下側から遮光することができる。
【0032】
このような構成の電気光学基板200では、遮光層215が遮光本体層211上にシリコン層214を形成した2層構造であるため、単に1層の遮光層(遮光本体層211)を設けた場合に比して遮光能力が向上する。また、シリコン層214表面での反射が生じ難いため、該反射に基づいて外部からの迷光が半導体層206に入射することも防止ないし抑制される。したがって、このような電気光学基板200の半導体層206を用いて半導体素子を構成した場合にも、該半導体素子において光リーク電流が極めて生じ難くなり、その駆動特性が優れたものとなる。
【0033】
また、遮光本体層211を高融点金属シリサイドにて構成したため、これをアニールすることにより、該遮光本体層211中に形成された余剰のシリコン成分が抜け、遮光本体層211の遮光性を向上させることが可能である。さらに、高融点金属シリサイドで構成された遮光本体層211上にシリコン層214が形成されているため、遮光本体層211から上記シリコン成分がシリコン層214側に抜けやすくなり、遮光能力を一層向上させることが可能となる。なお、本実施形態では、遮光本体層211としてWSiが用いられ、このWSiがアニールによりWSi2に近づくため遮光能力が増加することとなる。
さらに、半導体層206をゲート酸化等で酸化膜とした時、シリコン層214が酸化されることによって遮光本体層211のWSiの酸化が防止されるため、遮光本体層211のWSiの酸化に基づいてWが飛散することが防止される。さらに遮光本体層211が酸化され遮光性が低下する事を防止する事が可能となる。
【0034】
次に、本発明の電気光学基板の第2実施形態について説明する。図2は、第2実施形態の電気光学基板290の断面構成図であって、この電気光学基板200は、基板210と、この基板210上に形成され、所定の形状にパターニングされた遮光層215と、さらに遮光層215上に形成された絶縁体層212と、この絶縁体層212上に形成された半導体層206とを備えて構成されている。ここでは、例えば遮光層215に下側から覆われる位置の半導体層206に、トランジスタ素子等の各種スイッチング素子が形成されるようになっている。なお、図1に示した第1実施形態と同じ符号を付した要素については、特に説明のない限り同じ構成を有するものとする。
【0035】
このように本実施形態の電気光学基板290は、貼り合わせ構造を有しておらず、したがって、半導体層206と絶縁体層212との間に貼合せ絶縁層216が形成されていない。このような電気光学装置290においても、遮光層215が2層構造をなしているため、第1実施形態と同様に半導体層206に対して高い遮光性が確保されるようになる。なお、本第2実施形態では、半導体層206は単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコンのいずれかにて構成することができる。
【0036】
次に、図3は第2実施形態の電気光学基板290の変形例を示す断面模式図であって、この電気光学基板280においては、遮光本体層211に沿う形にて、該遮光本体層211の上面及び側面にシリコン層214が形成されている。このような電気光学装置280においても、遮光層215が2層構造をなしているため、第1実施形態と同様に半導体層206に対して高い遮光性が確保されるようになる。
【0037】
なお、図3に示した電気光学基板280のシリコン層214を形成する方法としては以下のような方法を採用することができる。すなわち、まず、遮光本体層211を所定パターンで形成した後、該遮光本体層211を覆う態様にて基板210の全面にシリコン膜をCVD法もしくはスパッタ法等にて堆積し、これにポジ型のレジストを積層する。そして、遮光本体層211を介してレジストに対して裏面露光することにより、該遮光本体層211の形成領域のみにレジストを残存させ、レジストを介してシリコン膜に対してエッチングを行うことで、遮光本体層211の形成領域のみにシリコン層214を形成することができる。なお、この場合、遮光本体層211の側面においては、シリコン膜が露光方向に膜厚が大きいためレジストが露光されず、該側面部分にも図3に示すようにシリコン層214が残存することとなる。
【0038】
次に、図4は第2実施形態の電気光学基板290の変形例を示す断面模式図であって、この電気光学基板270においては、遮光本体層211に沿う形にて、該遮光本体層211の上面にシリコン層214が形成されている。このような電気光学装置270においても、遮光層215が2層構造をなしているため、第1実施形態と同様に半導体層206に対して高い遮光性が確保されるようになる。
【0039】
なお、図4に示した電気光学基板270のシリコン層214を形成する方法としては、例えば遮光本体層211に使用するWSi膜とシリコン層214を構成するシリコン膜をCVD法もしくはスパッタ法等にて堆積することで、所定パターンで遮光本体層211とシリコン層214を形成する事が出来る。
【0040】
次に、図5は第2実施形態の電気光学基板290の変形例を示す断面模式図であって、この電気光学基板260においては、遮光本体層211に沿う形にて、該遮光本体層211の下面にシリコン層214が形成されている。このような電気光学装置260においては、遮光本体層211をアニールする際のシリコン成分の抜けを促進する効果があり、また遮光層215と基板210との間に入射した迷光を吸収する効果を併せ持っている。
【0041】
なお、図5に示した電気光学基板260のシリコン層214を形成する方法としては、シリコン層214を構成するシリコン膜をCVD法もしくはスパッタ法等にて堆積し、遮光本体層211に使用するWSi膜を堆積することで、所定パターンで遮光本体層211とシリコン層214を形成する事が出来る。
【0042】
次に、図6は第2実施形態の電気光学基板290の変形例を示す断面模式図であって、この電気光学基板250においては、遮光本体層211に沿う形にて、該遮光本体層211の上面及び下面にシリコン層214a、214bが形成されている。このような電気光学装置250においては、遮光層215が2層構造をなしているため、第1実施形態と同様に半導体層206に対して高い遮光性が確保され、また遮光本体層211をアニールする際のシリコン成分の抜けを促進する効果があり、また遮光層215と基板210との間に入射した迷光を吸収する効果を併せ持っている。
【0043】
なお、図6に示した電気光学基板250のシリコン層214a,214bを形成する方法としては、遮光本体層211に使用するWSi膜を堆積し、さらに遮光本体層211に使用するWSi膜上に第2のシリコン膜を形成し、所定パターンでシリコン層214a、遮光本体層211、及びシリコン層214bを形成する事が出来る。
【0044】
次に、図1に示す電気光学基板200の製造方法について、図面を参照して説明する。図7及び図8は、図1に示す電気光学基板の製造工程を示す断面工程図であり、図7(a)〜(d)、図8(a)〜(c)はそれぞれ各工程における断面図を示している。また、以下に示す製造方法は、一例であって、本発明は以下に記載のものに限定されない。
【0045】
まず、図7(a)に示すように、支持基板210上の全面に第1遮光膜たる遮光本体層211を形成し、これを所定形状にパターニングする。支持基板210としては、例えば厚さ1.2mmの石英基板を用いることができる。遮光本体層211は、例えばタングステンシリサイドをスパッタ法により100〜250nm程度の厚さ、より好ましくは200nmの厚さに堆積することにより得る。なお、この遮光本体層211の材料は本実施形態に限定されるものではなく、製造するデバイスの熱プロセス最高温度に対して安定な材料であればどのような材料を用いても問題はない。例えば他にもモリブデン、タンタルなどの高融点金属や多結晶シリコン、さらにはモリブデンシリサイド等のシリサイドが好ましい材料として用いられ、形成法もスパッタ法の他、CVD法、電子ビーム加熱蒸着法などを用いることができる。
【0046】
次に、図7(b)に示すように、遮光本体層211上に、そのパターン形状に対応させて、該遮光本体層211を覆う態様にてシリコン層214を形成する。このシリコン層214としては例えばポリシリコンを主体として構成されるものを用いることができ、その成膜方法としては例えばCVD法もしくはスパッタ法等にて堆積し、これを所定形状にパターニングすることによって構成することができる。
【0047】
次に、図7(c)に示すように、シリコン層214及び遮光本体層211が形成された支持基板210を覆うように、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁体層212を堆積する。このような絶縁体層212は、例えばスパッタ法、あるいはTEOS(テトラエチルオルソシリケート)を用いたプラズマCVD法により堆積させる。なお、絶縁体層212の材料としては、上記の酸化シリコン膜の他に、例えばNSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス等を用いることができる。
【0048】
なお、図7(d)に示すように、絶縁体層212の表面を、遮光本体層211上に所定の膜厚を残す条件で、例えば研磨後の遮光本体層211上の層厚が0.4μmから1.0μm程度となるようにグローバルに研磨して平坦化してもよい。なお、研磨による平坦化の手法としては、例えばCMP(化学的機械研磨)法を用いることができる。
【0049】
次に、絶縁体層212上に半導体層として例えば単結晶シリコン層を形成するが、本実施形態では以下の方法を用いた。なお、絶縁体層212上に直接半導体層を形成する方法を採用することも可能であるが、以下の方法を採用することにより薄膜の単結晶半導体層を形成することが可能となる。
すなわち、まず図8(a)に示すように、図7(d)に示した絶縁体層付き支持基板210と、単結晶シリコン基板(単結晶半導体基板)260との貼り合わせを行う。貼り合わせに用いる単結晶シリコン基板260は、貼合せ絶縁層216と、厚さ0.2μm程度の単結晶シリコン層226とを積層した構成を含み、貼合せ絶縁層216と、上記支持基板210の絶縁体層212とを貼り合わせるものとしている。上記貼り合わせ工程は、例えば室温で2枚の基板を直接貼り合わせる方法が採用できる。
【0050】
このような貼合せ工程後、単結晶シリコン層226上に、所定の平面形状にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストをマスクとして単結晶シリコン層226のエッチングを行い、その後フォトレジストを剥離して図8(b)に示すように所定のパターンの単結晶シリコン層226を得る。次に、形成した単結晶シリコン層226の膜厚制御を行う。この場合、例えば図8(c)に示すように、単結晶シリコン層226の一部を酸化して所定の層厚の犠牲酸化層226aを形成し、この犠牲酸化層226aをドライエッチング、或いはウェットエッチングにより除去することで、所定膜厚の単結晶シリコン層(半導体層)206を得る。以上のような方法により、図1に示すような半導体層206を備えた電気光学基板200が得られる。なお形成した単結晶シリコン層206の形成方法としては前記記載の方法のみならず、図8(a)に示された基板上に形成された単結晶シリコン層226を酸化して所定の膜厚の犠牲酸化層226aを形成し、この犠牲酸化層226aをドライエッチング、或いはウェットエッチングにより除去して膜厚制御を行い、所定の形状のフォトレジストでパターニングを行って所定膜厚の単結晶シリコン層(半導体層)206を得ても良い。
【0051】
次に、本発明に係る電気光学基板の製造方法について、その一実施形態を示す。図9及び図10は、その製造工程を示す断面工程図であり、図9(a)〜(d)、図10(a)〜(c)はそれぞれ各工程における断面図を示している。また、以下に示す製造方法は、一例であって、本発明は以下に記載のものに限定されない。
【0052】
まず、図9(a)に示すように、支持基板(基材)210上に所定パターンの遮光本体層211を形成した後、該遮光本体層211を覆う態様にて支持基板210上にシリコン層214を形成し、さらにシリコン層214上に窒化シリコン膜221を形成する。支持基板210としては、例えば厚さ1.2mmの石英基板を用いることができる。遮光本体層211は、例えばタングステンシリサイドをスパッタ法により100〜250nm程度の厚さ、より好ましくは200nmの厚さに堆積することにより得る。また、シリコン層214としては、例えばポリシリコンを主体として構成されるものを用いることができる。
【0053】
次に、図9(b)に示すように、窒化シリコン膜221上全面にフォトレジスト222を形成するとともに、遮光本体層211をマスクとして支持基板210側から光Lを照射し裏面露光を行う。このような露光により、図9(c)に示すように遮光本体層211の形成領域に平面的に重なってレジスト222がパターン形成される。続いて、パターン形成されたレジスト222をマスクとして、窒化シリコン膜221のエッチングを行い、さらにレジスト222を除去して、図9(d)に示すように遮光本体層211の形成領域に平面的に重なって形成された窒化シリコン膜221を得る。
【0054】
次に、図9(d)に示したようなパターン化された窒化シリコン膜221をマスクとして、シリコン層214を酸化させる。この場合、図10(a)に示すように、窒化シリコン膜221の非形成領域、すなわち遮光本体層211の非形成領域に位置するシリコン層214が酸化され、酸化シリコン層223が形成されることとなる。そして、この場合、酸化に伴ってシリコン膜の容積が増大するため、酸化シリコン層223の膜厚がシリコン層214の膜厚よりも大きく形成されることとなる。
【0055】
その後、図10(b)に示すように窒化シリコン膜221を除去し、残ったシリコン層214及び酸化シリコン層223上に絶縁体層212を形成することで、2層構造の遮光層を備えた支持基板210を得ることができる。この場合、酸化シリコン層223を遮光本体層211の非形成領域に形成したため、所定パターンの遮光本体層211を形成したことに基づいて、絶縁体層212に段差が発生する問題が解消されることとなる。すなわち、酸化シリコン層223が段差抑制層として機能し、より平坦な表面を有した絶縁体層212を備える支持基板210を得ることが可能となる。なお、図11に示すように、窒化シリコン膜221を除去することなく、その上層に絶縁体層212を形成することも可能であり、この場合、窒化シリコン膜221がシリコン層214に対する酸化抑制層として機能することとなる。
【0056】
(液晶装置)
図12は電気光学装置としての液晶装置の画像形成領域(画素部若しくは表示領域)を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。また、図13は、データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群を拡大して示す平面図である。
また、図14は、図13のA−A’断面図である。尚、図14においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0057】
図12において、本実施形態による液晶装置の画像表示領域(画素部若しくは表示領域)を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、マトリクス状に複数形成された画素電極9aと画素電極9aを制御するためのTFT(トランジスタ素子)30とからなり、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0058】
画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20(図14参照)に形成された対向電極21(図14参照)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。例えば、画素電極9aの電圧は、データ線に電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、保持特性は更に改善され、コントラスト比の高い液晶装置が実現できる。本実施形態では特に、このような蓄積容量70を形成するために、後述の如く走査線と同層、もしくは導電性の遮光膜を利用して低抵抗化された容量線3bを設けている。
【0059】
次に、図13に基づいて、TFTアレイ基板の画素部(画像表示領域)内の平面構造について詳細に説明する。図13に示すように、液晶装置のTFTアレイ基板上の画素部内には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。データ線6aは、コンタクトホール5を介して単結晶シリコン層の半導体層1aのうち後述のソース領域に電気的接続されており、画素電極9aは、コンタクトホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン領域1eに電気的接続されている。また、半導体層1aのうちチャネル領域1a’(図中右上りの斜線の領域;図14参照)に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。
【0060】
容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直線状に伸びる本線部(即ち、平面的に見て、走査線3aに沿って形成された第1領域)と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中、上向き)に突出した突出部(即ち、平面的に見て、データ線6aに沿って延設された第2領域)とを有する。
【0061】
そして、図中右上がりの斜線で示した領域には、図1に示した遮光本体層211に対応する複数の第1遮光膜11aが設けられている。より具体的には、第1遮光膜11aは夫々、画素部において半導体層1aのチャネル領域を含むTFTをTFTアレイ基板の側から見て覆う位置に設けられており、更に、容量線3bの本線部に対向して走査線3aに沿って直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って隣接する段側(即ち、図中下向き)に突出した突出部とを有する。第1遮光膜11aの各段(画素行)における下向きの突出部の先端は、データ線6a下において次段における容量線3bの上向きの突出部の先端と重ねられている。この重なった箇所には、第1遮光膜11aと容量線3bとを相互に電気的接続するコンタクトホール13が設けられている。即ち、本実施形態では、第1遮光膜11aは、コンタクトホール13により前段あるいは後段の容量線3bに電気的接続されている。
【0062】
次に、図14に基づいて、液晶装置の画素部内の断面構造について説明する。図14に示すように、液晶装置は、光透過性基板の一例を構成するTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、石英基板10Aを備えてなり、対向基板20は、ガラス基板(石英基板でも良い)20Aを備えている。TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜40が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0063】
他方、対向基板20には、TFTアレイ基板10上のデータ線6a、走査線3a、画素スイッチング用TFT30の形成領域に対向する領域、すなわち各画素部の開口領域以外の領域に第2遮光膜23が設けられている。さらに、第2遮光膜23を含む対向基板20上には、その全面にわたって対向電極(共通電極)21が設けられている。対向電極21もTFTアレイ基板10の画素電極9aと同様、ITO膜等の透明導電性膜から形成されている。第2遮光膜23の存在により、対向基板20側からの入射光が画素スイッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに侵入することはない。さらに、第2遮光膜23は、カラーフィルターを備えた構成の表示装置においては、コントラスト比の向上、色材の混色防止などの機能、いわゆるブラックマトリクスとしての機能を発現することが可能である。また、前記対向電極21の上側全面に配向膜60が形成されている。この配向膜60は、ポリイミドなどの有機配向膜の他、酸化シリコンなどを射方蒸着して形成した無機配向膜を適用することができる。
【0064】
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、シール材(図示を省略)により囲まれた空間に液晶が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜40及び60により所定の配向状態を採る。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材は、二つの基板10及び20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサが混入されている。
【0065】
図14に示すように、画素スイッチング用TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板10表面の各画素スイッチング用TFT30に対応する位置には第1遮光膜11aが各々設けられている。ここで、第1遮光膜11aはWSiにて構成されているが、その他、不透明な高融点金属であるTi、Cr、Ta、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成することができる。このような材料から構成すれば、TFTアレイ基板10上の第1遮光膜11aの形成工程の後に行われる画素スイッチング用TFT30の形成工程における高温処理により、第1遮光膜11aが破壊されたり溶融しないようにできる。
【0066】
また、本実施形態においては、TFTアレイ基板10上の第1遮光膜11a上には更にポリシリコンからなる第2遮光層14(図1のシリコン層214に相当)が形成されている。これにより本実施形態では画素スイッチング用TFT30に対して遮光機能を担う層が2層構造となり、TFTアレイ基板10の側からの戻り光等が画素スイッチング用TFT30のチャネル領域1a’やLDD領域1b、1cに入射する事態を未然に防ぐことができ、光電流の発生によりトランジスタ素子としての画素スイッチング用TFT30の特性が低下し難く構成されている。そして、本実施形態の液晶装置では、上述した図1の電気光学基板200の製造方法によりTFTアレイ基板10を製造するものとしている。
【0067】
すなわち、本実施形態の液晶装置の製造方法は、以下の工程を少なくとも含むものとしており、図7〜図8に示した工程を用いて第1遮光層11a(遮光本体層211)及び第2遮光層14(シリコン層214)上に半導体層1aを備えた基板を製造する工程と、該基板の半導体層1aに、チャネル領域1a’、低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d、高濃度ドレイン領域1e、第1蓄積容量電極1f、走査線3a、容量線3b、第2層間絶縁膜4、データ線6a、第3層間絶縁膜7、コンタクトホール8、画素電極9aを従来と同様の方法(例えばフォトリソグラフィ法)により形成するとともに、画素電極9上に配向膜40を形成してTFTアレイ基板10を製造する工程とを含んでいる。さらに、同様の工程により基板上に第2遮光膜23、対向電極21、配向膜60を形成して対向基板20を得る工程と、上述のように各層が形成されたTFTアレイ基板10と対向基板20とを配向膜の配向方向が交差(例えば90°)になるように配置し、セル厚が4μmになるようにシール材(図示略)により貼り合わせ、空パネルを作製する。液晶としてはTN液晶を使用し、この液晶をパネル内に封入し、本実施形態の液晶装置が得られる。
【0068】
(液晶装置の全体構成)
以上のように構成された本実施形態の液晶装置の全体構成を図15及び図16を参照して説明する。尚、図15は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図16は、対向基板20を含めて示す図15のH−H’断面図である。
【0069】
図15において、TFTアレイ基板10の上には、シール材51がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ或いは異なる材料から成る周辺見切りとしての第2遮光膜53が設けられている。シール材51の外側の領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。
【0070】
走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならない場合には、走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画面表示領域の辺に沿って両側に配列してもよい。例えば奇数列のデータ線6aは画面表示領域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、偶数列のデータ線は前記画面表示領域の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしてもよい。この様にデータ線6aを櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路の占有面積を拡張することができるため、複雑な回路を構成することが可能となる。
【0071】
更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間を接続するための複数の配線105が設けられており、更に、周辺見切りとしての第2遮光膜53の下に隠れてプリチャージ回路を設けてもよい。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導通材106が設けられている。そして、図16に示すように、図15に示したシール材51とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材51によりTFTアレイ基板10に固着されている。
【0072】
以上の液晶装置のTFTアレイ基板10上には更に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。また、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッドボンディング基板)上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺領域に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード、D−STN(デュアルスキャン−STN)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光手段などが所定の方向で配置される。
【0073】
以上、本実施形態では、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置を電気光学装置の一実施形態として説明した。液晶としては、例えば、TN(Twisted Nematic)型のほか、180°以上のねじれ配向を有するSTN(Super Twisted Nematic)型、BTN(Bistable Twisted Nematic)型、強誘電型等のメモリ性を有する双安定型、高分子分散型、ゲストホスト型等を含めて、周知なものを広く用いることができる。
【0074】
また、本発明はさらに、液晶以外の電気光学材料、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、或いは、プラズマ発光や電子放出による蛍光等を用いた様々な電気光学装置に対しても適用可能であるということは言うまでもない。
【0075】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学基板の製造方法、電気光学装置の製造方法並びに電気光学装置にもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気光学基板の一実施形態を示す断面構成図。
【図2】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図3】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図4】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図5】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図6】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図7】図1に示す電気光学基板の製造工程の一例を示す断面工程図。
【図8】図7に続く、電気光学基板の製造工程を示す断面工程図。
【図9】本発明の電気光学基板の製造方法についてその一例を示す断面工程図。
【図10】図9に続く、電気光学基板の製造工程を示す断面工程図。
【図11】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面模式図。
【図12】本発明の電気光学装置の一実施形態である液晶装置の等価回路図。
【図13】図12に示す液晶装置のTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群を示す平面図。
【図14】図13のA−A’線に沿う断面図。
【図15】本実施形態の液晶装置のTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに示す平面図。
【図16】図15のH−H’線に沿う断面図。
【符号の説明】
200…電気光学基板、206…半導体層、210…支持基板(基材)、211…遮光本体層、212…絶縁体層、214…シリコン層、215…遮光層
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子を備えた電気光学基板、及び電気光学装置と、これらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと略す)を用いたアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置では、各画素に設けられた画素スイッチング用のTFTのチャネル領域に光が照射されると、光による励起で光リーク電流が発生しTFTの特性が変化してしまう場合がある。特に、プロジェクタにおけるライトバルブ用の電気光学装置の場合には、入射光の強度が高いため、TFTのチャネル領域やその周辺領域において入射光を遮光することが重要となる。そこで従来は、対向基板に設けられた各画素の開口領域を規定する遮光膜により、或いはTFTアレイ基板上においてTFTの上を通過すると共にAl(アルミニウム)等の金属膜からなるデータ線により、係るチャネル領域やその周辺領域を遮光するように構成している。
【0003】
そして特に、TFTアレイ基板上におけるTFTの下側にも、例えば高融点金属からなる遮光膜を設けることがある。このようにTFTの下側にも遮光膜を設ければ、TFTアレイ基板側からの裏面反射光や、複数の電気光学装置をプリズム等を介して組み合わせて一つの光学系を構成する場合に他の電気光学装置からプリズム等を突き抜けてくる投射光などの戻り光が、当該電気光学装置のTFTに入射するのを未然に防ぐことができる。例えば、特許文献1参照。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−133033号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような遮光膜を備えたTFTにおいても、光リーク電流の発生を更に防止する構成を採用することが望ましく、例えばTFTの下側に形成する遮光膜の遮光性向上が望まれる。
【0006】
一方、このようなTFTを製造する技術としてSOI技術が知られている。SOI技術は、素子の高速化や低消費電力化、高集積化を図ることができる等の利点を有することから、例えば電気光学装置に好ましく適用されている技術である。基板上に上述の遮光層及び絶縁体層を形成してなる支持基板と、単結晶シリコンなどからなる単結晶半導体層を含むデバイス形成層とを貼り合わせ、研磨する方法等により薄膜単結晶半導体層を形成し、その薄膜単結晶半導体層を例えば液晶駆動用のTFTに適用している。
【0007】
そして、薄膜単結晶半導体層を液晶駆動用のTFT等のトランジスタ素子に適用する場合には、パターニングした薄膜単結晶半導体層をウエットエッチングする方法や、薄膜単結晶半導体層を酸化して酸化膜とした後、その酸化膜をウエットエッチングする方法などにより、トランジスタ素子を構成する薄膜単結晶半導体層の膜厚の制御が行われている。
【0008】
このようなSOI技術を用いて製造されるTFTにおいても、光リーク電流の発生を防止するために遮光膜の遮光性向上は必須で、例えばTFTの下側に形成する遮光膜の遮光性向上が更に望まれている。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、基板の表面に遮光層が形成された電気光学基板において、遮光能力をさらに高める構成を提供することを目的とし、また、このような耐光性の高い電気光学基板を用いた電気光学装置を提供することを目的としている。さらに、これら電気光学基板、電気光学装置を好適に提供可能な製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電気光学基板は、基材上に半導体層を備えた電気光学基板であって、前記基材上に、所定パターンの遮光層と、該遮光層上に形成された絶縁体層と、該絶縁体層上に形成された半導体層とを備え、前記遮光層が、所定パターンの第1遮光膜とシリコン膜とが積層された構成を具備していることを特徴とする。
【0011】
このような構成の電気光学基板によると、遮光層の構成を、第1遮光膜とシリコン膜とを積層して2層構造としたため、単に1層の遮光層を設けた場合に比して遮光能力が向上する。また、シリコン膜表面での反射が生じ難いため、該反射に基づいて外部からの迷光が半導体層に入射することも防止ないし抑制される。したがって、このような電気光学基板を用いて半導体素子を構成した場合にも、該半導体素子において光リーク電流が極めて生じ難くなり、その駆動特性が優れたものとなる。
【0012】
また、本発明の電気光学基板は、その異なる態様として、支持基板と、半導体層を備えた半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板であって、前記支持基板上に、所定パターンの遮光層と、該遮光層上に形成された絶縁体層と、該絶縁体層と貼合せ絶縁体層を介して貼り合わされた半導体層とを備え、前記遮光層が、所定パターンの第1遮光膜上にシリコン膜が形成された構成を具備していることを特徴とする。
【0013】
このような構成の電気光学基板によると、支持基板と半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板において、遮光層の構成を、第1遮光膜上にシリコン膜を形成した2層構造としたため、単に1層の遮光層を設けた場合に比して遮光能力が向上する。また、シリコン膜表面での反射が生じ難いため、該反射に基づいて外部からの迷光が半導体層に入射することも防止ないし抑制される。したがって、このような電気光学基板を用いて半導体素子を構成した場合にも、該半導体素子において光リーク電流が極めて生じ難くなり、その駆動特性が優れたものとなる。
【0014】
本発明の電気光学基板において、前記第1遮光膜として高融点金属シリサイド膜を用いることができる。この場合、高融点金属シリサイド膜と前記シリコン膜との2層構造となり、またシリコン膜表面での反射も生じ難いため、上述の通り遮光性能が向上するとともに、当該高融点金属シリサイド膜とシリコン膜とからなる遮光層をアニールすることで遮光性を一層向上させることが可能となる。具体的には、高融点金属シリサイド膜をアニールすることにより、膜中に形成された余剰のシリコン成分が抜け、第1遮光膜たる高融点金属シリサイド膜の遮光性が向上する。さらに、本発明では、高融点金属シリサイド膜上にシリコン膜が形成されているため、高融点金属シリサイド膜から上記シリコン成分がシリコン膜側に抜けやすくなり、遮光能力が一層向上するものとなる。なお、例えば高融点金属としてW(タングステン)を用いた場合には、WSiがよりWSi2に近づくため遮光能力が増加することとなる。
さらに、薄膜単結晶半導体層を酸化して酸化膜とした時、シリコン膜が酸化されることによって高融点金属シリサイド膜が酸化されることが防止されるため、該高融点金属シリサイド膜が酸化して高融点金属が飛散することが防止される。さらに該高融点金属シリサイド膜が酸化され遮光性が低下する事を防止する事が可能となる。
【0015】
また、前記シリコン膜としてポリシリコン膜を用いることができ、この場合、当該遮光層の遮光性向上効果が一層顕著となる。なお、前記シリコン膜は、遮光性向上を考慮して、前記第1遮光膜の上面及び/又は側面を覆う態様にて形成することが好ましく、特に第1遮光膜の上面を覆う態様にて形成するのが遮光性向上の観点から最も効果的である。
【0016】
次に、本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学材料が挟持されてなる電気光学装置であって、前記基板の少なくとも一方を上述の電気光学基板にて構成したことを特徴とする。このような電気光学装置によると、上記電気光学基板を用いて電気光学材料を挟持し、その半導体層を主体として半導体素子を構成することにより駆動特性に優れ、信頼性の高い電気光学装置を提供することが可能となる。
【0017】
次に、本発明の電気光学基板の製造方法は、支持基板と、半導体層を備えた半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板の製造方法であって、支持基板上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、該絶縁体層上に貼合せ絶縁体層を介して、半導体層を備える半導体基板を貼り合わせる工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
このような製造方法により、上述した電気光学基板が製造され、例えば遮光層の構成が、第1遮光膜上にシリコン膜を形成した2層構造となり遮光能力が向上する。この場合も、第1遮光膜としては例えば高融点金属シリサイド膜を用いることができ、シリコン膜としては例えばポリシリコン膜を用いることができる。なお、シリコン膜は、第1遮光膜の上面及び/又は側面を覆う態様にて形成することが遮光性向上の観点から好ましい。
【0019】
また、本発明の電気光学基板の製造方法は、支持基板と、半導体層を備えた半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板を用いた電気光学装置の製造方法であって、支持基板上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、該絶縁体層上に貼合せ絶縁体層を介して、半導体層を備える半導体基板を貼り合わせる工程とを含む電気光学基板作成工程を具備することを特徴とする。
【0020】
このような電気光学基板作成工程により得られた基板を用いて電気光学材料を挟持することで、その基板に形成された半導体層を主体として半導体素子を構成することが可能となり、駆動特性に優れ、信頼性の高い電気光学装置を提供することが可能となる。
【0021】
なお、前記第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程において、前記シリコン膜を前記基板全面を覆う態様にて前記第1遮光層上に形成するものとし、前記シリコン膜の形成後、該シリコン膜上に窒化シリコン膜及びレジストを形成し、前記第1遮光層をマスクとして露光することにより、該第1遮光層上に窒化シリコン膜及びレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を除去して、第1遮光層上に選択的に窒化シリコン膜を形成する工程と、前記窒化シリコン膜をマスクとし、前記第1遮光層の形成領域以外の領域において前記シリコン膜を酸化させる工程とを含むものとすることができる。
【0022】
このような工程を採用することにより、電気光学基板上に形成される積層膜において段差が生じ難く、膜厚を均一にすることが可能となる。すなわち、上記方法ではシリコン膜を基板全面に形成し、これを第1遮光層形成領域以外の領域(非遮光領域)において選択的に酸化するものとしたため、該非遮光領域のシリコン膜が酸化シリコン膜となり、この酸化に伴って該シリコン膜の膜厚が増大することとなる。したがって、第1遮光層形成領域のシリコン膜よりも非形成領域の酸化シリコン膜が相対的に厚膜となり、第1遮光層が形成されたことによる膜厚差分を補うことが可能となる。その結果、例えば第1遮光層上にシリコン膜を形成して2層構造とした場合にも、作成される電気光学基板上の積層膜に段差が生じ難くなり、当該電気光学基板を電気光学装置に適用した場合にも段差に基づく表示不具合が生じ難くなり、例えば液晶材料を該基板で挟持して液晶装置(電気光学装置)を構成した場合にも、段差によるディスクリネーションが発生し難くなる。
【0023】
一方、上記のような段差を解消するための工程を含む製造方法は、貼り合わせ構造を含む電気光学装置に限定されず、例えば単に基材上に半導体素子を備えてなる電気光学基板を用いた電気光学装置の製造方法にも適用可能である。すなわち本発明の電気光学装置の製造方法について、その異なる態様は、基材上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、該絶縁体層上に所定パターンの半導体層を形成する工程とを含み、前記第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程において、前記シリコン膜を前記基板全面を覆う態様にて前記第1遮光層上に形成するものとし、前記シリコン膜の形成後、該シリコン膜上に窒化シリコン膜及びレジストを形成し、前記第1遮光層をマスクとして露光することにより、該第1遮光層上に窒化シリコン膜及びレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を除去して、第1遮光層上に選択的に窒化シリコン膜を形成する工程と、前記窒化シリコン膜をマスクとし、前記第1遮光層の形成領域以外の領域において前記シリコン膜を酸化させる工程とを含むことを特徴とする。このような方法により、半導体素子を備える電気光学基板において段差の大きさを低減することが可能となる。また、第1遮光層をマスクとして露光し、該第1遮光層上に選択的に窒化シリコン膜及びレジスト膜を形成する工程においては、別途フォトマスクを用意する手間が省かれ、製造効率が向上する。
【0024】
なお、本発明に用いる支持基板としては透光性の絶縁基板、例えば石英基板等を主体として構成することが好ましい。また、本発明においては遮光層を所定パターンに形成するものとしたが、例えば格子状、ストライプ状、島状などの所定形状の平面パターンを有する遮光層により、半導体層(例えばチャネル領域)を下側から遮光することができる。ここで遮光層を構成する第1遮光膜としては、例えば高融点金属の珪素化合物により形成することができるものとしたが、高融点金属としては例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pb(鉛)等を例示できる。
【0025】
また、前記遮光層上に形成する絶縁体層としては例えば酸化シリコンを主体として構成することが好ましく、例えば多層構造のものを採用することができる。絶縁体層は遮光層を完全に覆う、例えば支持基板の略全面に形成することができるが、例えば遮光層よりも一回り大きい格子状、ストライプ状、島状などの形状の平面パターンにて形成することも可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0027】
(電気光学基板)
まず、本発明に係る電気光学基板の第1実施形態について説明する。図1は、電気光学基板200の断面構成図であって、この電気光学基板200は、支持基板210と、この支持基板210上に形成され、所定の形状にパターニングされた遮光層215と、さらに遮光層215上に形成された絶縁体層212と、この絶縁体層212上に、貼合せ絶縁層216を介して形成された単結晶シリコン層(半導体層)206とを備えて構成されている。ここでは、例えば遮光層215に下側から覆われる位置の半導体層206に、トランジスタ素子等の各種スイッチング素子が形成されるようになっている。なお、絶縁体層212と貼合せ絶縁体層216の間が貼り合わせ界面とされている。
【0028】
ここで支持基板210は透光性を備えた絶縁基板であればよく、本実施形態では石英基板を用いている。遮光層215は、遮光本体層(第1遮光膜)211と、この遮光本体層211を覆うように形成されたシリコン層214とが積層された構成を有している。
【0029】
遮光本体層211は、例えば高融点金属の珪素化合物により形成することができ、本実施形態ではWSi(タングステンシリサイド)を用いている。なお、高融点金属としてはW(タングステン)の他にも、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pb(鉛)等を用いることができる。また、シリコン層214は、本実施形態ではポリシリコン層を用いて構成したが、例えばアモルファスシリコンを採用することも可能である。
【0030】
絶縁体層212は、所定パターンの遮光層215を形成したことにより生じる段差を解消するための平坦化膜であり、例えば酸化シリコン膜にて構成することができ、例えば多層構造のものを採用することができる。絶縁体層212は遮光層215を完全に覆う形にて、例えば支持基板210の略全面に形成することができるが、少なくとも遮光層215よりも一回り大きい平面パターンにて形成すればよい。なお、この絶縁体層212は本発明において特に必須の構成要素ではない。貼合せ絶縁層216は、絶縁体層212との接着性を考慮して例えば酸化シリコン膜にて構成することができる。
【0031】
半導体層206は、本実施形態では単結晶シリコンにて構成され、遮光層215のパターンに対応して該遮光層に下側から覆われる形にて配設されている。なお、遮光層215のパターン形状としては、例えば格子状、ストライプ状、島状などの所定形状の平面パターンにて形成することで、半導体層(例えばチャネル領域)206を下側から遮光することができる。
【0032】
このような構成の電気光学基板200では、遮光層215が遮光本体層211上にシリコン層214を形成した2層構造であるため、単に1層の遮光層(遮光本体層211)を設けた場合に比して遮光能力が向上する。また、シリコン層214表面での反射が生じ難いため、該反射に基づいて外部からの迷光が半導体層206に入射することも防止ないし抑制される。したがって、このような電気光学基板200の半導体層206を用いて半導体素子を構成した場合にも、該半導体素子において光リーク電流が極めて生じ難くなり、その駆動特性が優れたものとなる。
【0033】
また、遮光本体層211を高融点金属シリサイドにて構成したため、これをアニールすることにより、該遮光本体層211中に形成された余剰のシリコン成分が抜け、遮光本体層211の遮光性を向上させることが可能である。さらに、高融点金属シリサイドで構成された遮光本体層211上にシリコン層214が形成されているため、遮光本体層211から上記シリコン成分がシリコン層214側に抜けやすくなり、遮光能力を一層向上させることが可能となる。なお、本実施形態では、遮光本体層211としてWSiが用いられ、このWSiがアニールによりWSi2に近づくため遮光能力が増加することとなる。
さらに、半導体層206をゲート酸化等で酸化膜とした時、シリコン層214が酸化されることによって遮光本体層211のWSiの酸化が防止されるため、遮光本体層211のWSiの酸化に基づいてWが飛散することが防止される。さらに遮光本体層211が酸化され遮光性が低下する事を防止する事が可能となる。
【0034】
次に、本発明の電気光学基板の第2実施形態について説明する。図2は、第2実施形態の電気光学基板290の断面構成図であって、この電気光学基板200は、基板210と、この基板210上に形成され、所定の形状にパターニングされた遮光層215と、さらに遮光層215上に形成された絶縁体層212と、この絶縁体層212上に形成された半導体層206とを備えて構成されている。ここでは、例えば遮光層215に下側から覆われる位置の半導体層206に、トランジスタ素子等の各種スイッチング素子が形成されるようになっている。なお、図1に示した第1実施形態と同じ符号を付した要素については、特に説明のない限り同じ構成を有するものとする。
【0035】
このように本実施形態の電気光学基板290は、貼り合わせ構造を有しておらず、したがって、半導体層206と絶縁体層212との間に貼合せ絶縁層216が形成されていない。このような電気光学装置290においても、遮光層215が2層構造をなしているため、第1実施形態と同様に半導体層206に対して高い遮光性が確保されるようになる。なお、本第2実施形態では、半導体層206は単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコンのいずれかにて構成することができる。
【0036】
次に、図3は第2実施形態の電気光学基板290の変形例を示す断面模式図であって、この電気光学基板280においては、遮光本体層211に沿う形にて、該遮光本体層211の上面及び側面にシリコン層214が形成されている。このような電気光学装置280においても、遮光層215が2層構造をなしているため、第1実施形態と同様に半導体層206に対して高い遮光性が確保されるようになる。
【0037】
なお、図3に示した電気光学基板280のシリコン層214を形成する方法としては以下のような方法を採用することができる。すなわち、まず、遮光本体層211を所定パターンで形成した後、該遮光本体層211を覆う態様にて基板210の全面にシリコン膜をCVD法もしくはスパッタ法等にて堆積し、これにポジ型のレジストを積層する。そして、遮光本体層211を介してレジストに対して裏面露光することにより、該遮光本体層211の形成領域のみにレジストを残存させ、レジストを介してシリコン膜に対してエッチングを行うことで、遮光本体層211の形成領域のみにシリコン層214を形成することができる。なお、この場合、遮光本体層211の側面においては、シリコン膜が露光方向に膜厚が大きいためレジストが露光されず、該側面部分にも図3に示すようにシリコン層214が残存することとなる。
【0038】
次に、図4は第2実施形態の電気光学基板290の変形例を示す断面模式図であって、この電気光学基板270においては、遮光本体層211に沿う形にて、該遮光本体層211の上面にシリコン層214が形成されている。このような電気光学装置270においても、遮光層215が2層構造をなしているため、第1実施形態と同様に半導体層206に対して高い遮光性が確保されるようになる。
【0039】
なお、図4に示した電気光学基板270のシリコン層214を形成する方法としては、例えば遮光本体層211に使用するWSi膜とシリコン層214を構成するシリコン膜をCVD法もしくはスパッタ法等にて堆積することで、所定パターンで遮光本体層211とシリコン層214を形成する事が出来る。
【0040】
次に、図5は第2実施形態の電気光学基板290の変形例を示す断面模式図であって、この電気光学基板260においては、遮光本体層211に沿う形にて、該遮光本体層211の下面にシリコン層214が形成されている。このような電気光学装置260においては、遮光本体層211をアニールする際のシリコン成分の抜けを促進する効果があり、また遮光層215と基板210との間に入射した迷光を吸収する効果を併せ持っている。
【0041】
なお、図5に示した電気光学基板260のシリコン層214を形成する方法としては、シリコン層214を構成するシリコン膜をCVD法もしくはスパッタ法等にて堆積し、遮光本体層211に使用するWSi膜を堆積することで、所定パターンで遮光本体層211とシリコン層214を形成する事が出来る。
【0042】
次に、図6は第2実施形態の電気光学基板290の変形例を示す断面模式図であって、この電気光学基板250においては、遮光本体層211に沿う形にて、該遮光本体層211の上面及び下面にシリコン層214a、214bが形成されている。このような電気光学装置250においては、遮光層215が2層構造をなしているため、第1実施形態と同様に半導体層206に対して高い遮光性が確保され、また遮光本体層211をアニールする際のシリコン成分の抜けを促進する効果があり、また遮光層215と基板210との間に入射した迷光を吸収する効果を併せ持っている。
【0043】
なお、図6に示した電気光学基板250のシリコン層214a,214bを形成する方法としては、遮光本体層211に使用するWSi膜を堆積し、さらに遮光本体層211に使用するWSi膜上に第2のシリコン膜を形成し、所定パターンでシリコン層214a、遮光本体層211、及びシリコン層214bを形成する事が出来る。
【0044】
次に、図1に示す電気光学基板200の製造方法について、図面を参照して説明する。図7及び図8は、図1に示す電気光学基板の製造工程を示す断面工程図であり、図7(a)〜(d)、図8(a)〜(c)はそれぞれ各工程における断面図を示している。また、以下に示す製造方法は、一例であって、本発明は以下に記載のものに限定されない。
【0045】
まず、図7(a)に示すように、支持基板210上の全面に第1遮光膜たる遮光本体層211を形成し、これを所定形状にパターニングする。支持基板210としては、例えば厚さ1.2mmの石英基板を用いることができる。遮光本体層211は、例えばタングステンシリサイドをスパッタ法により100〜250nm程度の厚さ、より好ましくは200nmの厚さに堆積することにより得る。なお、この遮光本体層211の材料は本実施形態に限定されるものではなく、製造するデバイスの熱プロセス最高温度に対して安定な材料であればどのような材料を用いても問題はない。例えば他にもモリブデン、タンタルなどの高融点金属や多結晶シリコン、さらにはモリブデンシリサイド等のシリサイドが好ましい材料として用いられ、形成法もスパッタ法の他、CVD法、電子ビーム加熱蒸着法などを用いることができる。
【0046】
次に、図7(b)に示すように、遮光本体層211上に、そのパターン形状に対応させて、該遮光本体層211を覆う態様にてシリコン層214を形成する。このシリコン層214としては例えばポリシリコンを主体として構成されるものを用いることができ、その成膜方法としては例えばCVD法もしくはスパッタ法等にて堆積し、これを所定形状にパターニングすることによって構成することができる。
【0047】
次に、図7(c)に示すように、シリコン層214及び遮光本体層211が形成された支持基板210を覆うように、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁体層212を堆積する。このような絶縁体層212は、例えばスパッタ法、あるいはTEOS(テトラエチルオルソシリケート)を用いたプラズマCVD法により堆積させる。なお、絶縁体層212の材料としては、上記の酸化シリコン膜の他に、例えばNSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス等を用いることができる。
【0048】
なお、図7(d)に示すように、絶縁体層212の表面を、遮光本体層211上に所定の膜厚を残す条件で、例えば研磨後の遮光本体層211上の層厚が0.4μmから1.0μm程度となるようにグローバルに研磨して平坦化してもよい。なお、研磨による平坦化の手法としては、例えばCMP(化学的機械研磨)法を用いることができる。
【0049】
次に、絶縁体層212上に半導体層として例えば単結晶シリコン層を形成するが、本実施形態では以下の方法を用いた。なお、絶縁体層212上に直接半導体層を形成する方法を採用することも可能であるが、以下の方法を採用することにより薄膜の単結晶半導体層を形成することが可能となる。
すなわち、まず図8(a)に示すように、図7(d)に示した絶縁体層付き支持基板210と、単結晶シリコン基板(単結晶半導体基板)260との貼り合わせを行う。貼り合わせに用いる単結晶シリコン基板260は、貼合せ絶縁層216と、厚さ0.2μm程度の単結晶シリコン層226とを積層した構成を含み、貼合せ絶縁層216と、上記支持基板210の絶縁体層212とを貼り合わせるものとしている。上記貼り合わせ工程は、例えば室温で2枚の基板を直接貼り合わせる方法が採用できる。
【0050】
このような貼合せ工程後、単結晶シリコン層226上に、所定の平面形状にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストをマスクとして単結晶シリコン層226のエッチングを行い、その後フォトレジストを剥離して図8(b)に示すように所定のパターンの単結晶シリコン層226を得る。次に、形成した単結晶シリコン層226の膜厚制御を行う。この場合、例えば図8(c)に示すように、単結晶シリコン層226の一部を酸化して所定の層厚の犠牲酸化層226aを形成し、この犠牲酸化層226aをドライエッチング、或いはウェットエッチングにより除去することで、所定膜厚の単結晶シリコン層(半導体層)206を得る。以上のような方法により、図1に示すような半導体層206を備えた電気光学基板200が得られる。なお形成した単結晶シリコン層206の形成方法としては前記記載の方法のみならず、図8(a)に示された基板上に形成された単結晶シリコン層226を酸化して所定の膜厚の犠牲酸化層226aを形成し、この犠牲酸化層226aをドライエッチング、或いはウェットエッチングにより除去して膜厚制御を行い、所定の形状のフォトレジストでパターニングを行って所定膜厚の単結晶シリコン層(半導体層)206を得ても良い。
【0051】
次に、本発明に係る電気光学基板の製造方法について、その一実施形態を示す。図9及び図10は、その製造工程を示す断面工程図であり、図9(a)〜(d)、図10(a)〜(c)はそれぞれ各工程における断面図を示している。また、以下に示す製造方法は、一例であって、本発明は以下に記載のものに限定されない。
【0052】
まず、図9(a)に示すように、支持基板(基材)210上に所定パターンの遮光本体層211を形成した後、該遮光本体層211を覆う態様にて支持基板210上にシリコン層214を形成し、さらにシリコン層214上に窒化シリコン膜221を形成する。支持基板210としては、例えば厚さ1.2mmの石英基板を用いることができる。遮光本体層211は、例えばタングステンシリサイドをスパッタ法により100〜250nm程度の厚さ、より好ましくは200nmの厚さに堆積することにより得る。また、シリコン層214としては、例えばポリシリコンを主体として構成されるものを用いることができる。
【0053】
次に、図9(b)に示すように、窒化シリコン膜221上全面にフォトレジスト222を形成するとともに、遮光本体層211をマスクとして支持基板210側から光Lを照射し裏面露光を行う。このような露光により、図9(c)に示すように遮光本体層211の形成領域に平面的に重なってレジスト222がパターン形成される。続いて、パターン形成されたレジスト222をマスクとして、窒化シリコン膜221のエッチングを行い、さらにレジスト222を除去して、図9(d)に示すように遮光本体層211の形成領域に平面的に重なって形成された窒化シリコン膜221を得る。
【0054】
次に、図9(d)に示したようなパターン化された窒化シリコン膜221をマスクとして、シリコン層214を酸化させる。この場合、図10(a)に示すように、窒化シリコン膜221の非形成領域、すなわち遮光本体層211の非形成領域に位置するシリコン層214が酸化され、酸化シリコン層223が形成されることとなる。そして、この場合、酸化に伴ってシリコン膜の容積が増大するため、酸化シリコン層223の膜厚がシリコン層214の膜厚よりも大きく形成されることとなる。
【0055】
その後、図10(b)に示すように窒化シリコン膜221を除去し、残ったシリコン層214及び酸化シリコン層223上に絶縁体層212を形成することで、2層構造の遮光層を備えた支持基板210を得ることができる。この場合、酸化シリコン層223を遮光本体層211の非形成領域に形成したため、所定パターンの遮光本体層211を形成したことに基づいて、絶縁体層212に段差が発生する問題が解消されることとなる。すなわち、酸化シリコン層223が段差抑制層として機能し、より平坦な表面を有した絶縁体層212を備える支持基板210を得ることが可能となる。なお、図11に示すように、窒化シリコン膜221を除去することなく、その上層に絶縁体層212を形成することも可能であり、この場合、窒化シリコン膜221がシリコン層214に対する酸化抑制層として機能することとなる。
【0056】
(液晶装置)
図12は電気光学装置としての液晶装置の画像形成領域(画素部若しくは表示領域)を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。また、図13は、データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群を拡大して示す平面図である。
また、図14は、図13のA−A’断面図である。尚、図14においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0057】
図12において、本実施形態による液晶装置の画像表示領域(画素部若しくは表示領域)を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、マトリクス状に複数形成された画素電極9aと画素電極9aを制御するためのTFT(トランジスタ素子)30とからなり、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0058】
画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20(図14参照)に形成された対向電極21(図14参照)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。例えば、画素電極9aの電圧は、データ線に電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、保持特性は更に改善され、コントラスト比の高い液晶装置が実現できる。本実施形態では特に、このような蓄積容量70を形成するために、後述の如く走査線と同層、もしくは導電性の遮光膜を利用して低抵抗化された容量線3bを設けている。
【0059】
次に、図13に基づいて、TFTアレイ基板の画素部(画像表示領域)内の平面構造について詳細に説明する。図13に示すように、液晶装置のTFTアレイ基板上の画素部内には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。データ線6aは、コンタクトホール5を介して単結晶シリコン層の半導体層1aのうち後述のソース領域に電気的接続されており、画素電極9aは、コンタクトホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン領域1eに電気的接続されている。また、半導体層1aのうちチャネル領域1a’(図中右上りの斜線の領域;図14参照)に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。
【0060】
容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直線状に伸びる本線部(即ち、平面的に見て、走査線3aに沿って形成された第1領域)と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中、上向き)に突出した突出部(即ち、平面的に見て、データ線6aに沿って延設された第2領域)とを有する。
【0061】
そして、図中右上がりの斜線で示した領域には、図1に示した遮光本体層211に対応する複数の第1遮光膜11aが設けられている。より具体的には、第1遮光膜11aは夫々、画素部において半導体層1aのチャネル領域を含むTFTをTFTアレイ基板の側から見て覆う位置に設けられており、更に、容量線3bの本線部に対向して走査線3aに沿って直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って隣接する段側(即ち、図中下向き)に突出した突出部とを有する。第1遮光膜11aの各段(画素行)における下向きの突出部の先端は、データ線6a下において次段における容量線3bの上向きの突出部の先端と重ねられている。この重なった箇所には、第1遮光膜11aと容量線3bとを相互に電気的接続するコンタクトホール13が設けられている。即ち、本実施形態では、第1遮光膜11aは、コンタクトホール13により前段あるいは後段の容量線3bに電気的接続されている。
【0062】
次に、図14に基づいて、液晶装置の画素部内の断面構造について説明する。図14に示すように、液晶装置は、光透過性基板の一例を構成するTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、石英基板10Aを備えてなり、対向基板20は、ガラス基板(石英基板でも良い)20Aを備えている。TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜40が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0063】
他方、対向基板20には、TFTアレイ基板10上のデータ線6a、走査線3a、画素スイッチング用TFT30の形成領域に対向する領域、すなわち各画素部の開口領域以外の領域に第2遮光膜23が設けられている。さらに、第2遮光膜23を含む対向基板20上には、その全面にわたって対向電極(共通電極)21が設けられている。対向電極21もTFTアレイ基板10の画素電極9aと同様、ITO膜等の透明導電性膜から形成されている。第2遮光膜23の存在により、対向基板20側からの入射光が画素スイッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに侵入することはない。さらに、第2遮光膜23は、カラーフィルターを備えた構成の表示装置においては、コントラスト比の向上、色材の混色防止などの機能、いわゆるブラックマトリクスとしての機能を発現することが可能である。また、前記対向電極21の上側全面に配向膜60が形成されている。この配向膜60は、ポリイミドなどの有機配向膜の他、酸化シリコンなどを射方蒸着して形成した無機配向膜を適用することができる。
【0064】
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、シール材(図示を省略)により囲まれた空間に液晶が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜40及び60により所定の配向状態を採る。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材は、二つの基板10及び20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサが混入されている。
【0065】
図14に示すように、画素スイッチング用TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板10表面の各画素スイッチング用TFT30に対応する位置には第1遮光膜11aが各々設けられている。ここで、第1遮光膜11aはWSiにて構成されているが、その他、不透明な高融点金属であるTi、Cr、Ta、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成することができる。このような材料から構成すれば、TFTアレイ基板10上の第1遮光膜11aの形成工程の後に行われる画素スイッチング用TFT30の形成工程における高温処理により、第1遮光膜11aが破壊されたり溶融しないようにできる。
【0066】
また、本実施形態においては、TFTアレイ基板10上の第1遮光膜11a上には更にポリシリコンからなる第2遮光層14(図1のシリコン層214に相当)が形成されている。これにより本実施形態では画素スイッチング用TFT30に対して遮光機能を担う層が2層構造となり、TFTアレイ基板10の側からの戻り光等が画素スイッチング用TFT30のチャネル領域1a’やLDD領域1b、1cに入射する事態を未然に防ぐことができ、光電流の発生によりトランジスタ素子としての画素スイッチング用TFT30の特性が低下し難く構成されている。そして、本実施形態の液晶装置では、上述した図1の電気光学基板200の製造方法によりTFTアレイ基板10を製造するものとしている。
【0067】
すなわち、本実施形態の液晶装置の製造方法は、以下の工程を少なくとも含むものとしており、図7〜図8に示した工程を用いて第1遮光層11a(遮光本体層211)及び第2遮光層14(シリコン層214)上に半導体層1aを備えた基板を製造する工程と、該基板の半導体層1aに、チャネル領域1a’、低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d、高濃度ドレイン領域1e、第1蓄積容量電極1f、走査線3a、容量線3b、第2層間絶縁膜4、データ線6a、第3層間絶縁膜7、コンタクトホール8、画素電極9aを従来と同様の方法(例えばフォトリソグラフィ法)により形成するとともに、画素電極9上に配向膜40を形成してTFTアレイ基板10を製造する工程とを含んでいる。さらに、同様の工程により基板上に第2遮光膜23、対向電極21、配向膜60を形成して対向基板20を得る工程と、上述のように各層が形成されたTFTアレイ基板10と対向基板20とを配向膜の配向方向が交差(例えば90°)になるように配置し、セル厚が4μmになるようにシール材(図示略)により貼り合わせ、空パネルを作製する。液晶としてはTN液晶を使用し、この液晶をパネル内に封入し、本実施形態の液晶装置が得られる。
【0068】
(液晶装置の全体構成)
以上のように構成された本実施形態の液晶装置の全体構成を図15及び図16を参照して説明する。尚、図15は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図16は、対向基板20を含めて示す図15のH−H’断面図である。
【0069】
図15において、TFTアレイ基板10の上には、シール材51がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ或いは異なる材料から成る周辺見切りとしての第2遮光膜53が設けられている。シール材51の外側の領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。
【0070】
走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならない場合には、走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画面表示領域の辺に沿って両側に配列してもよい。例えば奇数列のデータ線6aは画面表示領域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、偶数列のデータ線は前記画面表示領域の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしてもよい。この様にデータ線6aを櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路の占有面積を拡張することができるため、複雑な回路を構成することが可能となる。
【0071】
更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間を接続するための複数の配線105が設けられており、更に、周辺見切りとしての第2遮光膜53の下に隠れてプリチャージ回路を設けてもよい。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導通材106が設けられている。そして、図16に示すように、図15に示したシール材51とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材51によりTFTアレイ基板10に固着されている。
【0072】
以上の液晶装置のTFTアレイ基板10上には更に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。また、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッドボンディング基板)上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺領域に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード、D−STN(デュアルスキャン−STN)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光手段などが所定の方向で配置される。
【0073】
以上、本実施形態では、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置を電気光学装置の一実施形態として説明した。液晶としては、例えば、TN(Twisted Nematic)型のほか、180°以上のねじれ配向を有するSTN(Super Twisted Nematic)型、BTN(Bistable Twisted Nematic)型、強誘電型等のメモリ性を有する双安定型、高分子分散型、ゲストホスト型等を含めて、周知なものを広く用いることができる。
【0074】
また、本発明はさらに、液晶以外の電気光学材料、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、或いは、プラズマ発光や電子放出による蛍光等を用いた様々な電気光学装置に対しても適用可能であるということは言うまでもない。
【0075】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学基板の製造方法、電気光学装置の製造方法並びに電気光学装置にもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気光学基板の一実施形態を示す断面構成図。
【図2】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図3】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図4】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図5】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図6】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面構成図。
【図7】図1に示す電気光学基板の製造工程の一例を示す断面工程図。
【図8】図7に続く、電気光学基板の製造工程を示す断面工程図。
【図9】本発明の電気光学基板の製造方法についてその一例を示す断面工程図。
【図10】図9に続く、電気光学基板の製造工程を示す断面工程図。
【図11】本発明の電気光学基板の一変形例を示す断面模式図。
【図12】本発明の電気光学装置の一実施形態である液晶装置の等価回路図。
【図13】図12に示す液晶装置のTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群を示す平面図。
【図14】図13のA−A’線に沿う断面図。
【図15】本実施形態の液晶装置のTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに示す平面図。
【図16】図15のH−H’線に沿う断面図。
【符号の説明】
200…電気光学基板、206…半導体層、210…支持基板(基材)、211…遮光本体層、212…絶縁体層、214…シリコン層、215…遮光層
Claims (11)
- 基材上に半導体層を備えた電気光学基板であって、
前記基材上に、所定パターンの遮光層と、該遮光層上に形成された絶縁体層と、該絶縁体層上に形成された半導体層とを備え、
前記遮光層が、所定パターンの第1遮光膜とシリコン膜とが積層された構成を具備していることを特徴とする電気光学基板。 - 支持基板と、半導体層を備えた半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板であって、
前記支持基板上に、所定パターンの遮光層と、該遮光層上に形成された絶縁体層と、該絶縁体層と貼合せ絶縁体層を介して貼り合わされた半導体層とを備え、
前記遮光層が、所定パターンの第1遮光膜上にシリコン膜が形成された構成を具備していることを特徴とする電気光学基板。 - 前記第1遮光膜が、高融点金属シリサイド膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学基板。
- 前記シリコン膜が、ポリシリコン膜であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気光学基板。
- 前記シリコン膜が、前記第1遮光膜の上面及び/又は側面を覆う態様にて形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電気光学基板。
- 一対の基板間に電気光学材料が挟持されてなる電気光学装置であって、前記基板の少なくとも一方を、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電気光学基板にて構成したことを特徴とする電気光学装置。
- 基材上に半導体層を備えた電気光学基板の製造方法であって、
基材上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、
該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、
前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、
該絶縁体層上に半導体層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする電気光学基板の製造方法。 - 支持基板と、半導体層を備えた半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板の製造方法であって、
支持基板上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、
該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、
前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、
該絶縁体層上に貼合せ絶縁体層を介して、半導体層を備える半導体基板を貼り合わせる工程と、
を含むことを特徴とする電気光学基板の製造方法。 - 基材上に半導体層を備えた電気光学基板を用いた電気光学装置の製造方法であって、
基材上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、
該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、
前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、
該絶縁体層上に半導体層を形成する工程と、
を含む電気光学基板作成工程を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 支持基板と、半導体層を備えた半導体基板とを貼り合わせてなる電気光学基板を用いた電気光学装置の製造方法であって、
支持基板上に所定パターンの第1遮光層を形成する工程と、
該第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程と、
前記第1遮光層及びシリコン膜からなる遮光層上に絶縁体層を形成する工程と、
該絶縁体層上に貼合せ絶縁体層を介して、半導体層を備える半導体基板を貼り合わせる工程と、
を含む電気光学基板作成工程を具備することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記第1遮光層上にシリコン膜を形成する工程において、前記シリコン膜を前記基板全面を覆う態様にて前記第1遮光層上に形成するものとし、
前記シリコン膜の形成後、該シリコン膜上に窒化シリコン膜及びレジストを形成し、前記第1遮光層をマスクとして露光することにより、該第1遮光層上に窒化シリコン膜及びレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を除去して、第1遮光層上に選択的に窒化シリコン膜を形成する工程と、
前記窒化シリコン膜をマスクとし、前記第1遮光層の形成領域以外の領域において前記シリコン膜を酸化させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の電気光学装置の製造方法。
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KR20150002279A (ko) * | 2013-06-28 | 2015-01-07 | 엘지디스플레이 주식회사 | 산화물 반도체 박막 트랜지스터, 제조방법 및 이를 구비한 표시장치용 어레이 기판 및 제조방법 |
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-
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