JP2004228046A - 鉛蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子本体とブッシングとが一体の端子部であって、該端子部に設けた貫通部に極柱を挿通して端子本体の上面で溶接する、あるいは、端子本体と一体になった極柱の下端部とストラップが溶接・接合される鉛蓄電池において、前記溶接での不良が大幅に低減され、溶接時の生産性が改善されると共に、寿命性能の安定した鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】端子本体1とブッシング2とが一体の端子部には、アンチモン系鉛合金、前記端子本体1と溶接・接合される極柱3には非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金、また端子本体1と極柱3とからなる端子部にはカルシウム系鉛合金、それと溶接・接合されるストラップ4には非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金をそれぞれ使用する。
【選択図】 図1
【解決手段】端子本体1とブッシング2とが一体の端子部には、アンチモン系鉛合金、前記端子本体1と溶接・接合される極柱3には非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金、また端子本体1と極柱3とからなる端子部にはカルシウム系鉛合金、それと溶接・接合されるストラップ4には非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金をそれぞれ使用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
鉛蓄電池の端子部の溶接に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉛蓄電池では、発電要素である正・負極板を多孔性のセパレータを介して積層した極板群(エレメント、以降、エレメントという)の同極性同士がストラップにより電気的に接続される。前記ストラップは蓄電池外部の端子本体と接合され、前記端子本体が外部負荷と接続される。
【0003】
ストラップと端子本体との接合にはいくつかの方式が採用されている。例えば、ストラップと極柱とを一体に形成し、前記極柱を一体に形成された端子本体とブッシングに設けた貫通部に挿通し、端子本体の上面で溶接により一体に接合する方式や、端子本体と極柱とからなり、前記極柱の下端部をストラップと溶接・接合する方式がある。
【0004】
ここでのブッシングとは、鉛蓄電池の端子の一部を形成するもので図1に示すように端子本体を蓋に固定するために蓋部内に埋没されている部分で、通常、蓋成型時に一体に成型される。
【0005】
また、上述の端子本体と極柱からなる端子部は、図2に示すように、極柱の中腹部の周面を気密的に取り巻いて成型された樹脂部を備えた構造のものが一般的に採用されており、端子本体、極柱および前記樹脂部をまとめて樹脂巻き端子と称している。
【0006】
制御弁式鉛蓄電池では、格子および極板耳部にはカルシウム系鉛合金が一般的に使用されている。その理由は、アンチモン系鉛合金のような自己放電量の多い合金を用いると、負極での水素ガスの発生が多くなり、制御弁式鉛蓄電池の特徴である、密閉反応機能が阻害され、性能が劣化してしまうからである。そのため、極板耳部を束ねてストラップを形成すると共にそれと接合した極柱には、同種のカルシウム系鉛合金が使用されていることが多い。
【0007】
ストラップと極柱とを一体に形成し、前記極柱を端子本体およびブッシングに設けた貫通部に挿通し、端子本体の上面で溶接により一体に接合する鉛蓄電池においては、端子本体およびブッシングは、一般的にアンチモン系鉛合金が用いられている。その理由は、前記貫通部に極柱を挿通して、バーナーであぶりながら極柱と端子本体とを溶接により一体に接合する場合、蓋内に埋設されたブッシングの周囲には樹脂部があり、バーナーの火力を強くできないので、融点の低いアンチモン系鉛合金が適しているからである。
【0008】
しかしながら、カルシウム系鉛合金とアンチモン系鉛合金とをバーナーで溶融して一体に溶接すると、腐食性が高いCa3Sb2が生成され、蓄電池の使用中にその部分で腐食が進行し、劣化が促進される問題を抱えている。
【0009】
また、端子本体と一体に形成された極柱の下端部がストラップと溶接・接合される鉛蓄電池においては、前記極柱は、通常、ストラップと同じカルシウム系鉛合金が用いられている。その場合、上述したようなアンチモンによる腐食の問題は回避されるが、カルシウム系鉛合金同士を溶接した場合、カルシウムが酸化され易く、酸化被膜が溶接部に噛みこみ溶接不良を起こし生産性が低下すると共に、該酸化被膜の部分で腐食が発生し易く、寿命が短くなる問題を抱えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、貫通部を備えた端子本体とブッシングとが一体に形成され、前記貫通部にストラップと一体に形成された極柱を挿通して前記端子本体と極柱とを溶接する、あるいは、端子本体と一体に形成された極柱下端部とストラップとを溶接・接合する鉛蓄電池において、溶接不良が大幅に低減され、しかも溶接部での腐食が抑制され、寿命性能の安定した鉛蓄電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決するための手段として、請求項1によれば、一体に形成された端子本体とブッシングの貫通部にストラップと一体に形成された極柱を挿通して前記端子本体上部と極柱とを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、前記端子本体とブッシングとはアンチモン系鉛合金からなり、前記極柱は非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金からなることを特徴とするものである。
【0012】
ストラップと一体に形成された極柱に非アンチモン系鉛合金を用いることによって、カルシウム系鉛合金からなる極板耳部との溶接でストラップを形成する際に、カルシウムとアンチモンとが溶融されたときに生成する腐食性の高いSb3Ca2が生成しないので腐食の問題が解決され、蓄電池寿命が安定する。制御弁式鉛蓄電池においてはこのことは特に重要である。また、Pb−Sb合金系鉛合金からなる端子本体との溶接においても、極柱が非カルシウム系であるのでSb3Ca2が生成せず、ここでも腐食の心配がない。
【0013】
請求項2によれば、端子本体と一体に形成された極柱の下端部とストラップとを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、
前記極柱はカルシウム系鉛合金からなり、前記ストラップが非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金からなることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成にすることによって、極柱とストラップとの溶接部にSbが存在しないので、腐食性の高いSb3Ca2は生成せず、また、カルシウム系鉛合金同士を溶接する際に生ずる酸化被膜の生成が回避されるので、安定した溶接が行え、生産性が向上すると共に安定した寿命性能の鉛蓄電池が得られる。
【0015】
【実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に説明する。
【0016】
図1は請求項1に記載の発明の実施の形態の一例を示す要部断面図で、1は端子本体、2はブッシング、3は極柱、4はストラップ、5は溶接部、6は蓋、7は極板耳部、8は端子本体及びブッシングに設けられた貫通部をそれぞれ示す。なお、この図では貫通部8の内径と極柱3の外径が同一に図示されている。
【0017】
図1に示すように、端子本体1はブッシング2と一体に形成されると共に、貫通部8を有している。極柱3とストラップ4とはキャスト・オン・ストラップ法(Cast on Strap 略してCOSという)あるいはバーニング法により一体に形成され、前記貫通部8に前記極柱3を挿通し、端子本体1の上面でバーナー等により極柱の一部を溶融して溶接部5を形成して端子本体と極柱とが接合される。本発明の特徴は、端子本体およびブッシングにアンチモン系鉛合金例えばPb−Sb系あるいはPb−Sb−As系合金を用い、極柱3とストラップ4とを構成する鉛合金に非アンチモン系、非カルシウム系、例えばPb−Sn、Pb−Sn−Ag−As合金等を用いることにある。
【0018】
図2は請求項2に記載の発明の実施の形態を示す要部断面図で、9は樹脂巻き端子、10はその樹脂部それぞれを示す。他の構成部材は、図1と同じ番号を付記する。
【0019】
図2に示すように、極柱3の下端部が溶接部5を介してストラップ4と溶接・接合する方式で、二輪車用鉛蓄電池によく採用されている。本発明の特徴は、極柱がカルシウム系鉛合金例えば、Pb−Ca系あるいはPb−Ca−Sn系合金からなり、ストラップに非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金、例えばPb−Sn、Pb−Sn−Ag−As合金等を用いることにある。
【0020】
【実施例】
次に、実施例に基づき詳細に説明する。
〔実施例1〕
JIS D5301に規定されているD26サイズの自動車用鉛蓄電池について、正・負極格子にPb−0.08質量%Ca−1.2質量%Snを用い、通常のペーストを充填・乾燥した極板を微細ガラス繊維セパレータを介して積層したエレメントを形成してCOS法により、図1に示すストラップ4および極柱3を形成した。その際、これらの合金には、Pb−2.5質量%Sb合金、Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金およびPb−2質量%Sn合金の3種類のものを作製した。
【0021】
一方、図1に示す貫通部を有する端子本体とブッシングとには、Pb−2.5%Sb合金を用いて鋳造し、蓋とを一体にインサート成型したものを準備した。
【0022】
上記3種類の合金からなる極柱を従来と同じ方法で端子本体に設けた貫通部に挿通後、端子本体の上面で極柱をバーナーであぶりながら端子本体と一体に溶接した。
【0023】
ストラップおよび極柱の合金組成がPb−2.5質量%Sbの蓄電池をA−1、Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snの蓄電池をB−1、Pb−2質量%Snの蓄電池をC−1とした。これら3種類の蓄電池の端子本体と極柱との溶接状態の比較を行った。
【0024】
ここでの溶接状態の評価は、図1に示す端子本体1を固定して、極柱3を真上に45度まで持ち上げ、溶接部5が外れないものを良好とし、外れたものを溶接不具合という評価を行った。その溶接不具合率の結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1に示すように、ストラップおよび極柱にPb−2.5質量%Sb合金を用いた蓄電池A−1は端子本体およびブッシングの合金組成と同じであり、該合金の融点が低く溶融し易いこともあり溶接の不具合率が最も低かった。Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snを用いた蓄電池B−1は、Caの特性である酸化被膜ができやすいことから溶接性が劣った。一方、Pb−2質量%Sn合金を用いた蓄電池C−1は、Snが溶接性を改善する特性を有しており、Pb−2.5質量%Sb合金との溶接性が良好で、蓄電池A−1とあまり変わらない不具合率であった。
【0027】
次に、蓄電池A−1、B−1およびC−1をJIS D 5301に基づく軽負荷寿命試験を、腐食の影響が顕著に出る温度、75℃の加速条件で行った。試験条件を以下に示す。
試験温度:水槽 75℃
放電:25Aで4分間
充電:14.8V(制限充電電流:25A)で10分間
上記試験の結果を表2に示す。寿命の判定は、該規格の基準にしたがって行った。
【0028】
【表2】
【0029】
表2に示すように、ストラップおよび極柱の合金にPb−2.5質量%Sb合金を用いた蓄電池A−1は、極板耳部がPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snであるので溶接時に腐食され易いCa3Sb2が形成されており、それを起点に腐食が進行し、極板耳部がストラップから剥離し約1,500サイクルと短寿命であった。ストラップおよび極柱の合金にPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snを用いた蓄電池B−1は、極柱と端子本体の溶接部に腐食され易いCa3Sb2が形成され、それを起点に腐食が進行すると共に、ストラップと極板耳の溶接部は、合金組成に起因する腐食はなかったが、ストラップ溶接時に酸化被膜の噛みこみがありその部分での腐食の進行もあり約2,500サイクルと若干寿命が短くなった。それに対して、ストラップおよび極柱の合金にPb−2質量%Sn合金を用いた蓄電池C−1は、Snの効果により端子本体との溶接性も良く、COSにおけるストラップと極板耳部との溶接状態も良好で、腐食による性能劣化もなく3,500サイクルと最も長寿命であった。
【0030】
上記実施例では、正・負極格子にPb−0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用い、ブッシングと端子本体にはPb−2%Sb合金を用い、ストラップにはPb−2質量%Sn合金を用いたが、正・負極格子として0.04〜1.2質量%のCaを含むPb−Ca系合金を用い、ブッシングと端子本体として1.5〜3.5質量%のSb含むPb−Sb系合金を用い、ストラップとして0.5〜3.5質量%のSn含むPb−Sn系合金やPb−Sn−Ag−As系の非アンチモン、非カルシウム系鉛合金を用いても同様の効果があった。
【0031】
また、Agの含有量は、0.05〜0.15質量%、Asの含有量は、0.05〜0.3質量%の範囲が好ましいことを、別の試験で確認した。
【0032】
以上のように、一体に形成された端子本体とブッシングの貫通部にストラップと一体に形成された極柱を挿通して前記端子本体上部と極柱とを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、前記端子本体とブッシングにはアンチモン系鉛合金、前記極柱には非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金を使用することにより、端子本体と極柱との溶接性が良く、生産性がアップすると共に、COS法やバーニング法等により極板耳部とストラップとを一体に形成する場合にも溶接状態が良好で、溶接部での腐食の問題が回避され、寿命性能の優れた蓄電池が得られることがわかった。
〔実施例2〕
実施例2では、図2に示す端子本体1と一体に形成された極柱3の下端部がストラップ4に溶接・接合された鉛蓄電池に関して、各種合金を用い、その溶接性およびその蓄電池の寿命性能評価を行った。
【0033】
JIS D 5302による定格容量8Ah(10時間率)の二輪車用制御弁式鉛電池、BTX9(6セル、12V)について、正・負極格子に実施例1と同様のPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用い、通常のペーストを充填・乾燥して、微細ガラス繊維セパレータを介して積層した制御弁式鉛蓄電池用エレメントを形成し、電槽に半挿入し、COS法により、図2に示すストラップ4を形成した。その際のストラップの合金には、Pb−2.5質量%Sb合金、Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金およびPb−2質量%Sn―0.05質量%Ag−0.1質量%As合金の3種類を準備した。
【0034】
一方、端子本体と極柱にはPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snを用いた。
【0035】
Pb−0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金からなる極柱の下端部と上記3種類の合金を用いたストラップとをバーナーを用いて溶接を行い溶接状態を比較した。溶接状態の評価は、ストラップ4を固定し、端子本体1を図2に示す矢印方向に45度まで曲げたときに溶接部5が破損しないものを溶接状態良好とし、極柱が外れたものを溶接不具合とし、不具合率を求めた。その結果を表3に示す。
【0036】
ここで、ストラップにPb−2%Sb合金を用いた蓄電池をA−2、Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用いた蓄電池をB−2、Pb−2質量%Sn―0.05質量%Ag−0.1質量%As合金を用いた蓄電池をC−2とした。
【0037】
【表3】
【0038】
表3に示すように、溶接における、上記組み合わせでは、いずれもCaが存在するために溶接不具合率が実施例1に比べて総体的に高かったが、ストラップにSnの量が多いC−2がその中では不具合率が低く、本発明の効果が認められた。
【0039】
次に、これら3種類の蓄電池のサイクル寿命試験を行った。その試験条件を以下に示す。
試験温度:水槽 60℃
放電:8Aで4分間
充電:14.8V(制限充電電流8A)で10分間
上記充・放電を繰り返し、480回毎に、56時間以上放置後、70Aで30秒間連続放電し、30秒目電圧が7.2V以下になった時を寿命とした。試験結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
表4に示すように、ストラップ合金にPb−2.5%Sbを用いた蓄電池A−2は、ストラップと極柱とをバーナーで溶接する際に、腐食され易いCa3Sb2が生成されるために寿命試験中にその部分が集中的に腐食を受け、最終的にはストラップが破断して約2,000サイクルと短寿命になった。ストラップ合金にPb‐0.08%Ca−1.2%Snを用いた蓄電池B−2は、ストラップと極柱とが同じ組成であり、合金組成に起因する腐食はなかったが、バーナーでストラップと極柱とを溶接する際に、酸化被膜が形成され、溶接部がその酸化被膜を噛みこむため、その部分での腐食が起こり4,000サイクルの寿命であった。一方、ストラップ合金にPb−2%Sn―0.05%Ag−0.1%Asを用いた蓄電池C−2は、Snの存在により溶接性が良好であると共に、Sbが存在しないのでCa3Sb2も生成されず、腐食が抑制され、約7,500サイクルと最も安定した寿命性能を示した。
【0042】
上記実施例では、正・負極格子にPb−0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用い、端子本体と一体になった極柱にはPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用い、ストラップにはPb−2質量%Sn―0.05質量%Ag−0.1質量%As合金を用いたが、正・負極格子として0.04〜0.15質量%のCaを含むPb−Ca系合金を用い、端子本体と一体になった極柱には、0.04〜0.15質量%のCaを含むPb−Ca系合金を用い、ストラップとして0.5〜3.5質量%のSnを含むPb−Sn系合金あるいはPb−Sn−Ag−As系合金を用いても同様の効果があった。
【0043】
また、Agの含有量は、0.05〜0.15質量%、Asの含有量は、0.05〜0.3質量%の範囲が好ましいことを、別の試験で確認した。
【0044】
以上のように、端子本体と一体に形成された極柱の下端部とストラップとを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、前記端子本体と極柱にはカルシウム系鉛合金を用い、前記ストラップには非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金を用いることにより、溶接性がよく生産性が優れていると共に腐食し易いCa3Sb2が生成されないので寿命性能の安定した蓄電池が得られることがわかった。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明による鉛蓄電池によれば、溶接性が改善され生産性が改善されると共に、腐食性の高いCa3Sb2の生成もなく安定した寿命性能が得られ、その工業的効果が極めて大である。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】端子本体と極柱とが一体に溶接・接合された構造の鉛蓄電池の一例を示す要部断面図。
【図2】端子本体と一体になった極柱の下端部とストラップとが溶接・接合された構造の鉛蓄電池の一例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 端子本体
2 ブッシング
3 極柱
4 ストラップ
5 溶接部
6 樹脂製蓋
7 極板耳部
8 貫通部
9 樹脂巻き端子
10 樹脂部
【発明の属する技術分野】
鉛蓄電池の端子部の溶接に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉛蓄電池では、発電要素である正・負極板を多孔性のセパレータを介して積層した極板群(エレメント、以降、エレメントという)の同極性同士がストラップにより電気的に接続される。前記ストラップは蓄電池外部の端子本体と接合され、前記端子本体が外部負荷と接続される。
【0003】
ストラップと端子本体との接合にはいくつかの方式が採用されている。例えば、ストラップと極柱とを一体に形成し、前記極柱を一体に形成された端子本体とブッシングに設けた貫通部に挿通し、端子本体の上面で溶接により一体に接合する方式や、端子本体と極柱とからなり、前記極柱の下端部をストラップと溶接・接合する方式がある。
【0004】
ここでのブッシングとは、鉛蓄電池の端子の一部を形成するもので図1に示すように端子本体を蓋に固定するために蓋部内に埋没されている部分で、通常、蓋成型時に一体に成型される。
【0005】
また、上述の端子本体と極柱からなる端子部は、図2に示すように、極柱の中腹部の周面を気密的に取り巻いて成型された樹脂部を備えた構造のものが一般的に採用されており、端子本体、極柱および前記樹脂部をまとめて樹脂巻き端子と称している。
【0006】
制御弁式鉛蓄電池では、格子および極板耳部にはカルシウム系鉛合金が一般的に使用されている。その理由は、アンチモン系鉛合金のような自己放電量の多い合金を用いると、負極での水素ガスの発生が多くなり、制御弁式鉛蓄電池の特徴である、密閉反応機能が阻害され、性能が劣化してしまうからである。そのため、極板耳部を束ねてストラップを形成すると共にそれと接合した極柱には、同種のカルシウム系鉛合金が使用されていることが多い。
【0007】
ストラップと極柱とを一体に形成し、前記極柱を端子本体およびブッシングに設けた貫通部に挿通し、端子本体の上面で溶接により一体に接合する鉛蓄電池においては、端子本体およびブッシングは、一般的にアンチモン系鉛合金が用いられている。その理由は、前記貫通部に極柱を挿通して、バーナーであぶりながら極柱と端子本体とを溶接により一体に接合する場合、蓋内に埋設されたブッシングの周囲には樹脂部があり、バーナーの火力を強くできないので、融点の低いアンチモン系鉛合金が適しているからである。
【0008】
しかしながら、カルシウム系鉛合金とアンチモン系鉛合金とをバーナーで溶融して一体に溶接すると、腐食性が高いCa3Sb2が生成され、蓄電池の使用中にその部分で腐食が進行し、劣化が促進される問題を抱えている。
【0009】
また、端子本体と一体に形成された極柱の下端部がストラップと溶接・接合される鉛蓄電池においては、前記極柱は、通常、ストラップと同じカルシウム系鉛合金が用いられている。その場合、上述したようなアンチモンによる腐食の問題は回避されるが、カルシウム系鉛合金同士を溶接した場合、カルシウムが酸化され易く、酸化被膜が溶接部に噛みこみ溶接不良を起こし生産性が低下すると共に、該酸化被膜の部分で腐食が発生し易く、寿命が短くなる問題を抱えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、貫通部を備えた端子本体とブッシングとが一体に形成され、前記貫通部にストラップと一体に形成された極柱を挿通して前記端子本体と極柱とを溶接する、あるいは、端子本体と一体に形成された極柱下端部とストラップとを溶接・接合する鉛蓄電池において、溶接不良が大幅に低減され、しかも溶接部での腐食が抑制され、寿命性能の安定した鉛蓄電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決するための手段として、請求項1によれば、一体に形成された端子本体とブッシングの貫通部にストラップと一体に形成された極柱を挿通して前記端子本体上部と極柱とを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、前記端子本体とブッシングとはアンチモン系鉛合金からなり、前記極柱は非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金からなることを特徴とするものである。
【0012】
ストラップと一体に形成された極柱に非アンチモン系鉛合金を用いることによって、カルシウム系鉛合金からなる極板耳部との溶接でストラップを形成する際に、カルシウムとアンチモンとが溶融されたときに生成する腐食性の高いSb3Ca2が生成しないので腐食の問題が解決され、蓄電池寿命が安定する。制御弁式鉛蓄電池においてはこのことは特に重要である。また、Pb−Sb合金系鉛合金からなる端子本体との溶接においても、極柱が非カルシウム系であるのでSb3Ca2が生成せず、ここでも腐食の心配がない。
【0013】
請求項2によれば、端子本体と一体に形成された極柱の下端部とストラップとを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、
前記極柱はカルシウム系鉛合金からなり、前記ストラップが非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金からなることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成にすることによって、極柱とストラップとの溶接部にSbが存在しないので、腐食性の高いSb3Ca2は生成せず、また、カルシウム系鉛合金同士を溶接する際に生ずる酸化被膜の生成が回避されるので、安定した溶接が行え、生産性が向上すると共に安定した寿命性能の鉛蓄電池が得られる。
【0015】
【実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に説明する。
【0016】
図1は請求項1に記載の発明の実施の形態の一例を示す要部断面図で、1は端子本体、2はブッシング、3は極柱、4はストラップ、5は溶接部、6は蓋、7は極板耳部、8は端子本体及びブッシングに設けられた貫通部をそれぞれ示す。なお、この図では貫通部8の内径と極柱3の外径が同一に図示されている。
【0017】
図1に示すように、端子本体1はブッシング2と一体に形成されると共に、貫通部8を有している。極柱3とストラップ4とはキャスト・オン・ストラップ法(Cast on Strap 略してCOSという)あるいはバーニング法により一体に形成され、前記貫通部8に前記極柱3を挿通し、端子本体1の上面でバーナー等により極柱の一部を溶融して溶接部5を形成して端子本体と極柱とが接合される。本発明の特徴は、端子本体およびブッシングにアンチモン系鉛合金例えばPb−Sb系あるいはPb−Sb−As系合金を用い、極柱3とストラップ4とを構成する鉛合金に非アンチモン系、非カルシウム系、例えばPb−Sn、Pb−Sn−Ag−As合金等を用いることにある。
【0018】
図2は請求項2に記載の発明の実施の形態を示す要部断面図で、9は樹脂巻き端子、10はその樹脂部それぞれを示す。他の構成部材は、図1と同じ番号を付記する。
【0019】
図2に示すように、極柱3の下端部が溶接部5を介してストラップ4と溶接・接合する方式で、二輪車用鉛蓄電池によく採用されている。本発明の特徴は、極柱がカルシウム系鉛合金例えば、Pb−Ca系あるいはPb−Ca−Sn系合金からなり、ストラップに非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金、例えばPb−Sn、Pb−Sn−Ag−As合金等を用いることにある。
【0020】
【実施例】
次に、実施例に基づき詳細に説明する。
〔実施例1〕
JIS D5301に規定されているD26サイズの自動車用鉛蓄電池について、正・負極格子にPb−0.08質量%Ca−1.2質量%Snを用い、通常のペーストを充填・乾燥した極板を微細ガラス繊維セパレータを介して積層したエレメントを形成してCOS法により、図1に示すストラップ4および極柱3を形成した。その際、これらの合金には、Pb−2.5質量%Sb合金、Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金およびPb−2質量%Sn合金の3種類のものを作製した。
【0021】
一方、図1に示す貫通部を有する端子本体とブッシングとには、Pb−2.5%Sb合金を用いて鋳造し、蓋とを一体にインサート成型したものを準備した。
【0022】
上記3種類の合金からなる極柱を従来と同じ方法で端子本体に設けた貫通部に挿通後、端子本体の上面で極柱をバーナーであぶりながら端子本体と一体に溶接した。
【0023】
ストラップおよび極柱の合金組成がPb−2.5質量%Sbの蓄電池をA−1、Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snの蓄電池をB−1、Pb−2質量%Snの蓄電池をC−1とした。これら3種類の蓄電池の端子本体と極柱との溶接状態の比較を行った。
【0024】
ここでの溶接状態の評価は、図1に示す端子本体1を固定して、極柱3を真上に45度まで持ち上げ、溶接部5が外れないものを良好とし、外れたものを溶接不具合という評価を行った。その溶接不具合率の結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1に示すように、ストラップおよび極柱にPb−2.5質量%Sb合金を用いた蓄電池A−1は端子本体およびブッシングの合金組成と同じであり、該合金の融点が低く溶融し易いこともあり溶接の不具合率が最も低かった。Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snを用いた蓄電池B−1は、Caの特性である酸化被膜ができやすいことから溶接性が劣った。一方、Pb−2質量%Sn合金を用いた蓄電池C−1は、Snが溶接性を改善する特性を有しており、Pb−2.5質量%Sb合金との溶接性が良好で、蓄電池A−1とあまり変わらない不具合率であった。
【0027】
次に、蓄電池A−1、B−1およびC−1をJIS D 5301に基づく軽負荷寿命試験を、腐食の影響が顕著に出る温度、75℃の加速条件で行った。試験条件を以下に示す。
試験温度:水槽 75℃
放電:25Aで4分間
充電:14.8V(制限充電電流:25A)で10分間
上記試験の結果を表2に示す。寿命の判定は、該規格の基準にしたがって行った。
【0028】
【表2】
【0029】
表2に示すように、ストラップおよび極柱の合金にPb−2.5質量%Sb合金を用いた蓄電池A−1は、極板耳部がPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snであるので溶接時に腐食され易いCa3Sb2が形成されており、それを起点に腐食が進行し、極板耳部がストラップから剥離し約1,500サイクルと短寿命であった。ストラップおよび極柱の合金にPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snを用いた蓄電池B−1は、極柱と端子本体の溶接部に腐食され易いCa3Sb2が形成され、それを起点に腐食が進行すると共に、ストラップと極板耳の溶接部は、合金組成に起因する腐食はなかったが、ストラップ溶接時に酸化被膜の噛みこみがありその部分での腐食の進行もあり約2,500サイクルと若干寿命が短くなった。それに対して、ストラップおよび極柱の合金にPb−2質量%Sn合金を用いた蓄電池C−1は、Snの効果により端子本体との溶接性も良く、COSにおけるストラップと極板耳部との溶接状態も良好で、腐食による性能劣化もなく3,500サイクルと最も長寿命であった。
【0030】
上記実施例では、正・負極格子にPb−0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用い、ブッシングと端子本体にはPb−2%Sb合金を用い、ストラップにはPb−2質量%Sn合金を用いたが、正・負極格子として0.04〜1.2質量%のCaを含むPb−Ca系合金を用い、ブッシングと端子本体として1.5〜3.5質量%のSb含むPb−Sb系合金を用い、ストラップとして0.5〜3.5質量%のSn含むPb−Sn系合金やPb−Sn−Ag−As系の非アンチモン、非カルシウム系鉛合金を用いても同様の効果があった。
【0031】
また、Agの含有量は、0.05〜0.15質量%、Asの含有量は、0.05〜0.3質量%の範囲が好ましいことを、別の試験で確認した。
【0032】
以上のように、一体に形成された端子本体とブッシングの貫通部にストラップと一体に形成された極柱を挿通して前記端子本体上部と極柱とを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、前記端子本体とブッシングにはアンチモン系鉛合金、前記極柱には非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金を使用することにより、端子本体と極柱との溶接性が良く、生産性がアップすると共に、COS法やバーニング法等により極板耳部とストラップとを一体に形成する場合にも溶接状態が良好で、溶接部での腐食の問題が回避され、寿命性能の優れた蓄電池が得られることがわかった。
〔実施例2〕
実施例2では、図2に示す端子本体1と一体に形成された極柱3の下端部がストラップ4に溶接・接合された鉛蓄電池に関して、各種合金を用い、その溶接性およびその蓄電池の寿命性能評価を行った。
【0033】
JIS D 5302による定格容量8Ah(10時間率)の二輪車用制御弁式鉛電池、BTX9(6セル、12V)について、正・負極格子に実施例1と同様のPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用い、通常のペーストを充填・乾燥して、微細ガラス繊維セパレータを介して積層した制御弁式鉛蓄電池用エレメントを形成し、電槽に半挿入し、COS法により、図2に示すストラップ4を形成した。その際のストラップの合金には、Pb−2.5質量%Sb合金、Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金およびPb−2質量%Sn―0.05質量%Ag−0.1質量%As合金の3種類を準備した。
【0034】
一方、端子本体と極柱にはPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Snを用いた。
【0035】
Pb−0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金からなる極柱の下端部と上記3種類の合金を用いたストラップとをバーナーを用いて溶接を行い溶接状態を比較した。溶接状態の評価は、ストラップ4を固定し、端子本体1を図2に示す矢印方向に45度まで曲げたときに溶接部5が破損しないものを溶接状態良好とし、極柱が外れたものを溶接不具合とし、不具合率を求めた。その結果を表3に示す。
【0036】
ここで、ストラップにPb−2%Sb合金を用いた蓄電池をA−2、Pb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用いた蓄電池をB−2、Pb−2質量%Sn―0.05質量%Ag−0.1質量%As合金を用いた蓄電池をC−2とした。
【0037】
【表3】
【0038】
表3に示すように、溶接における、上記組み合わせでは、いずれもCaが存在するために溶接不具合率が実施例1に比べて総体的に高かったが、ストラップにSnの量が多いC−2がその中では不具合率が低く、本発明の効果が認められた。
【0039】
次に、これら3種類の蓄電池のサイクル寿命試験を行った。その試験条件を以下に示す。
試験温度:水槽 60℃
放電:8Aで4分間
充電:14.8V(制限充電電流8A)で10分間
上記充・放電を繰り返し、480回毎に、56時間以上放置後、70Aで30秒間連続放電し、30秒目電圧が7.2V以下になった時を寿命とした。試験結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
表4に示すように、ストラップ合金にPb−2.5%Sbを用いた蓄電池A−2は、ストラップと極柱とをバーナーで溶接する際に、腐食され易いCa3Sb2が生成されるために寿命試験中にその部分が集中的に腐食を受け、最終的にはストラップが破断して約2,000サイクルと短寿命になった。ストラップ合金にPb‐0.08%Ca−1.2%Snを用いた蓄電池B−2は、ストラップと極柱とが同じ組成であり、合金組成に起因する腐食はなかったが、バーナーでストラップと極柱とを溶接する際に、酸化被膜が形成され、溶接部がその酸化被膜を噛みこむため、その部分での腐食が起こり4,000サイクルの寿命であった。一方、ストラップ合金にPb−2%Sn―0.05%Ag−0.1%Asを用いた蓄電池C−2は、Snの存在により溶接性が良好であると共に、Sbが存在しないのでCa3Sb2も生成されず、腐食が抑制され、約7,500サイクルと最も安定した寿命性能を示した。
【0042】
上記実施例では、正・負極格子にPb−0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用い、端子本体と一体になった極柱にはPb‐0.08質量%Ca−1.2質量%Sn合金を用い、ストラップにはPb−2質量%Sn―0.05質量%Ag−0.1質量%As合金を用いたが、正・負極格子として0.04〜0.15質量%のCaを含むPb−Ca系合金を用い、端子本体と一体になった極柱には、0.04〜0.15質量%のCaを含むPb−Ca系合金を用い、ストラップとして0.5〜3.5質量%のSnを含むPb−Sn系合金あるいはPb−Sn−Ag−As系合金を用いても同様の効果があった。
【0043】
また、Agの含有量は、0.05〜0.15質量%、Asの含有量は、0.05〜0.3質量%の範囲が好ましいことを、別の試験で確認した。
【0044】
以上のように、端子本体と一体に形成された極柱の下端部とストラップとを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、前記端子本体と極柱にはカルシウム系鉛合金を用い、前記ストラップには非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金を用いることにより、溶接性がよく生産性が優れていると共に腐食し易いCa3Sb2が生成されないので寿命性能の安定した蓄電池が得られることがわかった。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明による鉛蓄電池によれば、溶接性が改善され生産性が改善されると共に、腐食性の高いCa3Sb2の生成もなく安定した寿命性能が得られ、その工業的効果が極めて大である。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】端子本体と極柱とが一体に溶接・接合された構造の鉛蓄電池の一例を示す要部断面図。
【図2】端子本体と一体になった極柱の下端部とストラップとが溶接・接合された構造の鉛蓄電池の一例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 端子本体
2 ブッシング
3 極柱
4 ストラップ
5 溶接部
6 樹脂製蓋
7 極板耳部
8 貫通部
9 樹脂巻き端子
10 樹脂部
Claims (2)
- 一体に形成された端子本体とブッシングの貫通部にストラップと一体に形成された極柱を挿通して前記端子本体上部と極柱とを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、
前記端子本体とブッシングとはアンチモン系鉛合金からなり、前記極柱は非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金からなることを特徴とする鉛蓄電池。 - 端子本体と一体に形成された極柱の下端部とストラップとを溶接により一体に接合した鉛蓄電池において、
前記極柱はカルシウム系鉛合金からなり、前記ストラップが非アンチモン系、非カルシウム系鉛合金からなることを特徴とする鉛蓄電池。
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