JP2004226857A - 表示装置及び表示デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の表示部のうち一つの表示部から発せられた光を、適切に観察者に視覚されるように伝搬し、その結果、観察者に好適に立体感のある画像を視覚せしめる。
【解決する手段】表示装置(1)は、観察者の視線上で複数の画像を、所定距離を隔てて重ねて表示することで立体表示を行う表示装置であって、表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の発光部(11−1)と、表示画面内における発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部(11−2)とを備えた第1表示手段(11)と、前記観察者から見て前記第1表示手段の後方に相前後して配置された第2表示手段(12)とを備える。
【選択図】 図1
【解決する手段】表示装置(1)は、観察者の視線上で複数の画像を、所定距離を隔てて重ねて表示することで立体表示を行う表示装置であって、表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の発光部(11−1)と、表示画面内における発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部(11−2)とを備えた第1表示手段(11)と、前記観察者から見て前記第1表示手段の後方に相前後して配置された第2表示手段(12)とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示手段を観察者の視線方向に相前後して配置し、これらの表示手段に画像を重ねて表示することにより当該物体を立体的に表示する表示装置、及び該表示装置を構成する表示手段として好適に用いられる表示デバイスの技術分野に属する。
【0002】
【従来技術】
従来、立体視することが可能な表示装置として種々の形態のものが提案され、或いは実用化がなされている。例えば、電気的に書き換え可能であり、立体的な画像を表示することが可能な表示装置として、液晶シャッタ眼鏡方式等が良く知られている。この液晶シャッタ眼鏡方式はカメラで物体を異なる方向から撮影し、得られた視差情報を含む画像データを合成して1つの画像信号に合成し、表示装置に入力し表示する。観察者は液晶シャッタ眼鏡をかけ、例えば奇数フィールド時に右目用の液晶シャッタを透過状態とし左目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。一方、偶フィールド時に左目用の液晶シャッタを透過状態とし右目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。このとき、奇数フィールドに右目用の画像を、偶フィールドに左目用の画像を同期して表示することで右目用、左目用の視差を含む画像を夫々の目で見ることにより立体的な画像を視覚するものである。
【0003】
又、観察者の視線上に相前後して複数の表示部を配置し、それらに表示される画像を重ねて見ることによって、奥行き方向には離散的であるが、立体的な画像として視覚される表示装置がある。又、その離散的な状態を改善するために、表示装置の夫々に表示される画像の輝度に変化を付けることによって、離散的な位置の中間位置に物体があるかの様に視覚され、より立体感が自然となるように改良された表示装置がある。例えば、複数のハーフミラーを用いて複数の表示部からの物体像を重ねて表示することで、半透明な物体や後ろの物体が透けて見えるような表示を可能ならしめる、輝度変調型の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献】
特開2000−115812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示部を有する表示装置では、一の表示部に表示される画像が他の表示部に映りこみ、その結果、観察者に適切に表示されないという技術的な問題点を有する。例えば光透過性を有する一の表示部から発せられた光は、光透過性を有するため観察者の側のみならず、観察者の側から見て後方へも伝搬する。この場合、観察者の側から見て一の表示部の後方にある他の表示部の表示面に、一の表示部から発せられた光が映りこむことで、観察者は、本来認識するべき適切な画像とは異なる画像を視覚することとなる。即ち、立体表示に係る画像を適切な状態で表示することが困難或いは不可能となり、輝度変調型等の型式を問わずに、立体表示を適切に実施することが困難になるという技術的な問題点が生じる。
【0006】
加えて、このような映り込みを引き起こす光の分だけ、光が無駄使いされており、表示のための光の利用効率が悪いという技術的問題点もある。
【0007】
本発明は、例えば上述の問題点に鑑みなされたものであり、例えば、複数の表示部のうち一の表示部に表示される画像を、適切な状態で観察者に視覚させ、その結果、観察者に好適に立体感のある画像を視覚せしめる表示装置及び該表示装置を構成する表示手段として好適に用いられる表示デバイスを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の表示装置は、観察者の視線上で複数の画像を、所定距離を隔てて重ねて表示することで立体表示を行う表示装置であって、(i)表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の第1発光部と、前記表示画面内における前記複数の第1発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部とを備えた表示デバイスを含んでなる第1表示手段と、(ii)前記観察者から見て前記第1表示手段の後方に相前後して配置された第2表示手段とを備える。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項7に記載の表示デバイスは、表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の発光部と、前記表示画面内における前記複数の発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部とを備える。
【0010】
本発明の作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について以下に説明する。
【0012】
本発明の表示装置に係る実施形態の態様では、観察者の視線上で複数の画像を、所定距離を隔てて重ねて表示することで立体表示を行う表示装置であって、(i)表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の第1発光部と、前記表示画面内における前記複数の第1発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部とを備えた表示デバイスを含んでなる第1表示手段と、(ii)前記観察者から見て前記第1表示手段の後方に相前後して配置された第2表示手段とを備える。
【0013】
本発明の表示装置に係る実施形態によれば、その動作時には、上述の如く第1発光部と透過部とを備えた第1表示手段、及び第1表示手段の後方(即ち、観察者の側から見て奥側或いは遠い方)に配置された第2表示手段の夫々に立体表示用の画像を表示する。ここで、第2表示手段に表示される画像は、複数の透過部を備えた第1表示手段を透過して観察者に視覚させることが可能である。従って、本発明の表示装置に係る表示装置は、第1表示手段及び第2表示手段の夫々に表示される立体表示用の画像を、観察者の視線上で重ねて表示可能である。これにより、立体表示或いは三次元表示を行うことが可能となる。即ち、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0014】
例えば、輝度変調型の立体表示であれば、二つの表示手段(即ち、第1表示手段及び第2表示手段)で表示される同一画像部分についての輝度の割振によって、二つの表示手段間におけるいずれかの奥行位置に画像が存在するように見える、連続的な立体表示が可能となる。或いは、画像部分が、二つの表示手段のいずれかに表示されている離散的な立体表示が可能となる。更に、三つ以上の表示手段間のいずれかの位置に画像が存在するように見える、連続的又は離散的な立体表示も可能となる。
【0015】
本実施形態の表示装置では特に、第1表示手段の第1発光部から発せられた光は、例えば後述の反射層により、第2表示手段の側(即ち、観察者とは反対の側或いは表示画面とは反対の側)へ向かって伝搬することなく、観察者の側へ向かって伝搬することとなる。このため、仮に第2表示手段の側へ向かって伝搬する光が発生したと仮定した場合(即ち、第1表示手段が第1発光部と透過部とを備えていない光透過性を有する表示デバイスと仮定した場合)に発生しうる、第2表示手段の表示画面上における反射光の発生を防止することが可能となる。従って、第1表示手段が表示する画像が、第2表示手段に映り込んだ画像として、観察者に視覚される不都合を防ぐことが可能という大きな利点を有することとなる。係る利点は、特に複数の画像を観察者の視線上で重ねて表示する立体表示方式において極めて大きな利点となるものである。
【0016】
以上の結果、本実施形態に係る表示装置によれば、第1表示手段から発せられる光が第2表示手段の表示画面上に映り込むことを防止することが可能となる。従って、第1表示手段及び第2表示手段の夫々に表示される立体表示用の画像に影響を与えることなく、観察者に適切に視覚させることが可能となる。これにより、観察者は、視線上において適切に重なった立体表示用の画像を視覚することで、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0017】
尚、本実施形態において、立体表示方式或いは三次元表示方式として、輝度変調方式の他、任意の立体表示方式或いは三次元表示方式を採用しても、上述の如き効果と同様の効果を得ることが可能である。
【0018】
又、第2表示手段は、エレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いることが好ましい。或いは、光透過性を有する必要はないため、ブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス、電界電子放出表示デバイス或いは液晶表示デバイス等の表示デバイスを用いても、本実施形態に係る表示装置と同様の効果を得ることは可能である。
【0019】
尚、第1表示手段の前方(即ち、観察者の側から見て手前側或いは近い方)に更に発光部と透過部とを有する表示手段を備えていても、即ち、三つ以上の複数の表示手段を備えていても、本実施形態に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。
【0020】
本発明の表示装置に係る実施形態の一の態様では、前記第2表示手段は、表示画面内の少なくとも一部に離散的に平面配置されており光を発する複数の第2発光部を備えた他の表示デバイスを含んでなる。
【0021】
この態様によれば、複数の第2発光部を有する第2表示手段を用いて、複数の第2発光部のうち所望の第2発光部から光を発することで、適切な画像を表示することが可能となる。
【0022】
加えて、後述するように、透過部と対応するように第2発光部を配置することで、第2表示手段から発せられる光を適切に観察者に視覚させることも可能である。
【0023】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記第2発光部は、一画素毎に一つずつ又は複数画素毎に一つずつ平面配置されている。
【0024】
この態様によれば、一画素毎に一つの第2発光部を備えることで、表示画面の精細度を変えることなく、第2表示手段に適切に画像を表示することが可能となる。
【0025】
或いは、複数画素毎に一つの第2発光部を備えることで、表示画面の精細度は若干低下することとなるが、第2表示手段の構成を簡略化することが可能という大きな利点を有する。
【0026】
何れの態様であっても、所望の画像を適宜表示することが可能となる。
【0027】
上述の如く第2発光部を有する第2表示手段を備えた表示装置の態様では、前記第2発光部の夫々は、前記透過部の夫々に対応して平面配置されているように構成してもよい。
【0028】
このように構成すれば、第2発光部から発せられた光は、第1表示手段の透過部へ向かって適切に伝搬可能となる。即ち、第1表示手段へ向かって伝搬する光は、観察者に視覚されることはないため、観察者に視覚されうる光を選択して、適切に発することが可能となる。これにより、第2発光部の発光に係る例えば消費電力量を低減可能という実践上大きな利点を有することとなる。
【0029】
又、第1表示手段の第1発光部に向かって伝搬する光が存在すると仮定すると、このような光は該第1発光部に係る例えば反射層により反射されることとなる。この反射された光は、ノイズ光として観察者に視覚されるおそれもありうる。
【0030】
しかるにこのように構成することで、第2表示手段の第2発光部は、第1表示手段の透過部に向かって伝搬する光を選択して発することで、係るノイズ光の発生を低減或いは防止することが可能となる。従って、観察者はノイズ光を視覚することなく、第1表示手段及び第2表示手段に表示される立体表示用の画像を、その画像本来の状態で視覚し、視線上において適切に重ねて視覚することが可能となる。
【0031】
但し、係るノイズ光の発生は、立体表示用の画像の視覚を困難或いは不可能とするような大きな影響を及ぼすものではなく、係るノイズ光を防止すれば極めて精細な立体的な画像を視覚することが可能となるが、防止せずとも立体表示用の画像を重ねて視覚することは可能であるという程度のものである。
【0032】
上述の如く第2発光部を有する第2表示手段を備えた表示装置の態様では、前記第2発光部の夫々の大きさは、前記透過部の夫々の大きさと相等しいように構成してもよい。
【0033】
このように構成すれば、第2発光部から発せられた光は、適切に透過部を透過することが可能となる。即ち、当該光が第1発光部等によって反射されることをより防止し、且つ反射による光の減衰もなく適切に観察者に視覚されることが可能である。従って、上述のノイズ光の発生を防ぐと共に、第2表示手段から発せられた光をより適切に観察者に視覚させることが可能となる。
【0034】
これにより、観察者は、第2表示手段に表示される画像を適切に視覚すると共に、第1表示手段に表示されている画像と重ねて視覚することで立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0035】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記第2表示手段は、エレクトロルミネッセンス表示デバイスである。
【0036】
この態様によれば、エレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いて、立体表示を可能とならしめる表示装置を構成することが可能である。
【0037】
更に、本発明の表示デバイスに係る実施形態と同様に、第2表示手段に係るエレクトロルミネッセンス層の一部を発光させることで、第1表示手段の透過部を透過する第2発光部を形成することが可能となる。或いは、エレクトロルミネッセンス層を第1表示手段の透過部に対応するように形成してもよい。この場合には、第2発光部はエレクトロルミネッセンス層となる。
【0038】
尚、エレクトロルミネッセンス表示デバイスであれば、ボトムエミッション方式であってもよいし、トップエミッション方式であってもよい。又、パッシブマトリックス駆動方式であってもよいし、アクティブマトリックス駆動方式であってもよい。
【0039】
本発明の表示デバイスに係る実施形態は、表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の発光部と、前記表示画面内における前記複数の発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部とを備える。
【0040】
本発明の表示デバイスに係る実施形態によれば、表示画面内に離散的に平面配置されている複数の発光部は、夫々が独立して光を発することが可能に構成されている。複数の発光部の夫々に、例えばマイコン等により発光を制御する信号を所望のタイミングにて入力することで、所望の発光部を発光させる。これらの複数の発光部のうち所望の発光部が発する光の集合により、表示画面内に画像を適宜映し出すことが可能である。従って、観察者は、本実施形態に係る表示デバイスに表示される画像を視覚することとなる。
【0041】
更に、表示画面内に離散的に平面配置された複数の透過部の夫々に光が入射した場合、該入射した光は、本実施形態に係る表示デバイスを透過して伝搬していくこととなる。従って、例えば、観察者の側から見て本実施形態に係る表示デバイスの後方から伝搬してくる光は、当該表示デバイスを透過して伝搬可能である。即ち、観察者は、本実施形態に係る表示デバイスを介して、該表示デバイスの後方側を視覚することが可能となる。従って、観察者は、本実施形態に係る表示デバイスの後方に存在する、例えば風景或いは物体等を視覚することが可能となる。或いは、例えば当該表示デバイスの後方に所定の表示デバイスが配置されていた場合、観察者は、その所定の表示デバイスに表示される画像或いは映像等を視覚することが可能となる。
【0042】
以上の結果、複数の発光部と複数の透過部とを備えることで、所望の画像を適宜表示可能であると共に、光透過性を有する表示デバイスを実現することが可能である。このため、観察者は、本実施形態に係る表示デバイスの表示画面に表示される画像を視覚すると共に、該表示デバイスの後方に存在する、例えば風景、物体、画像或いは映像等を視覚することが可能となる。
【0043】
従って、例えば上述したように、本実施形態に係る表示デバイスと、所定の表示デバイスとを、観察者の視線上において相前後して配置することで、立体表示を可能とする表示装置を構成することが可能となる。
【0044】
尚、発光部は光透過性を有していなくとも、透過部を備えていることで表示デバイスとしては光透過性を有することが可能となる。従って、この場合、複数の発光部から発せられた光は、例えば後述の反射層の作用によって表示画面の側へ向かって伝搬することとなる。
【0045】
尚、発光部及び透過部は夫々が所定の関係を配置されていてもよい。即ち、例えば一つの発光部及び一つの透過部を有する領域を一単位として、該一単位ごと表示画面内に離散的に平面配置してもよい。
【0046】
また、複数の発光部及び複数の透過部の夫々の平面配置は、例えば格子状の配置パターンに基づいて行ってもよい。
【0047】
本発明の表示デバイスに係る実施形態の一の態様では、前記複数の発光部は、一画素毎に一つずつ又は複数画素毎に一つずつ平面配置されている。
【0048】
この態様によれば、一画素毎に一つの発光部を備えることで、表示画面の精細度を変えることなく、本発明の表示デバイスに係る実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、表示画面内に表示される画像の品質(即ち、画質)を維持可能という大きな利点を有することとなる。
【0049】
或いは、複数画素毎に一つの発光部を備えることで、表示画面の精細度は若干低下することとなるが、表示デバイスの構成を簡略化することが可能という大きな利点を有する。
【0050】
何れの態様であっても、所望の画像を適宜表示すると共に、光透過性を有する表示デバイスを実現することが可能となる。
【0051】
尚、透過部についても、発光部に係る構成と同様に、一画素毎に一つずつ備えていてもよいし、或いは複数画素毎に一つずつ備えていてもよい。或いは、そのいずれの構成でなくとも、本発明の表示デバイスに係る実施形態と同様の効果を得ることは可能である。
【0052】
本発明の表示デバイスに係る実施形態の他の態様では、前記複数の発光部及び前記複数の透過部は、少なくとも夫々一つずつ同一画素内に平面配置されている。
【0053】
この態様によれば、一つの画素毎に一つの発光部を配置することで、画面の精細度を変えることなく、表示画面に画像を表示することが可能となる。更に、一つの画素毎に一つの透過部を配置することで、表示画面全体として光透過性を有することとなる。従って、表示画面全体を通して、その後方に存在する風景、物体、画像或いは映像等を視覚することが可能となる。
【0054】
これにより、表示画面全体に適切に画像を表示可能であると共に、表示画面全体として光透過性を有する表示デバイスを実現することが可能となる。
【0055】
尚、一つの発光部と一つの透過部との大きさは相等しいものであってもよいし、相異なるものであってもよい。
【0056】
本発明の表示デバイスに係る実施形態の他の態様では、前記複数の発光部は夫々、エレクトロルミネッセンス発光層と前記表示画面を基準とする前記エレクトロルミネッセンス発光層の裏側に配置された反射層とを有し、前記複数の透過部は、前記反射層の間隙に位置する透光性部分を有する。
【0057】
この態様によれば、自発光性を有するエレクトロルミネッセンス発光層は、表示画面側及び表示画面とは反対の側(即ち、表示画面を基準とするエレクトロルミネッセンス発光層の裏側)の双方へ向かって光を発する。この場合、表示画面とは反対の側へ向かって発する光は、反射層により反射され、表示画面側へ伝搬することとなる。これにより、エレクトロルミネッセンス発光層から発せられた光は、適切に表示画面側に伝搬することとなり、その結果、表示画面に適切な画像を表示することが可能となる。
【0058】
更に、反射層の存在しない透光性部分(即ち、反射層の間隙)は、光透過性を有する。従って、これらの部分が複数の透過部を構成することとなる。
【0059】
以上の結果、いわゆるエレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いて、発光部と透過部とを備えた表示デバイスを実現することが可能となる。尚、エレクトロルミネッセンス表示デバイスの光取り出し方式は、ボトムエミッション方式であってもよいし、トップエミッション方式であってもよい。
【0060】
尚、反射層は、例えばアルミニウムを含んで構成されている。或いは、アルミニウムに限らずとも、反射率の高い金属或いは物体であれば反射層を構成可能である。
【0061】
更に、反射層は、後述の如くエレクトロルミネッセンス発光層に電圧を印加する一対の電極の一方(例えば、後述の金属電極層)であってもよいし、或いは光の反射のために設けられる例えば後述の反射板であってもよい。
【0062】
上述の如く反射層を有する表示デバイスの態様では、前記反射層は、前記エレクトロルミネッセンス発光層に対して前記裏側から駆動電圧を印加する一対の電極の一方として機能する金属電極層からなるように構成してもよい。
【0063】
このように構成すれば、エレクトロルミネッセンス表示デバイスに用いられる電極を、反射層として用いることが可能となる。従って、反射層は、反射のために用いるのみならず、エレクトロルミネッセンス発光層に電圧を印加する電極としても用いることが可能である。
【0064】
上述の如く反射層が一対の電極の一方として機能する金属電極層からなる表示デバイスの態様では、前記一対の電極の他方は、前記表示画面を基準とする前記エレクトロルミネッセンス発光層の前側に配置された透明電極層からなるように構成してもよい。
【0065】
このように構成すれば、金属電極層及び透明電極層の間に配置されたエレクトロルミネッセンス発光層から発せられた光及び該光が金属電極層によって反射された光を、透明電極層を介して表示画面側(即ち、表示画面を基準とするエレクトロルミネッセンス発光層の前側)に伝搬することが可能となる。従って、エレクトロルミネッセンス発光層から発せられた光により、表示画面に適切に画像を表示することで、該画像を適切に観察者に視覚させることが可能となる。
【0066】
尚、金属電極層の存在しない透光性部分に、エレクトロルミネッセンス発光層は存在しなくてもよいし存在してもよい。仮に、存在しても、金属電極層が存在しなければ、当該透光性部分において、エレクトロルミネッセンス発光層は、発光しないので、結局、発光部として機能することはない。
【0067】
以上、本発明の表示装置に係る実施形態によれば、第1表示手段と第2表示手段とを備える。このため、立体表示用の画像を変化させることなく、観察者に適切に視覚させることが可能となる。又、本発明の表示デバイスに係る実施形態によれば、複数の発光部と複数の透過部とを備える。このため、所望の画像を適宜表示可能であると共に、光透過性を有する構成を採ることが可能となる。また、本発明の表示装置に係る実施形態によれば、動画或いは静止画にかかわらず、同様の効果、即ち、観察者は、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0068】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の表示装置及び表示装置に係る実施例について説明する。
【0069】
(表示装置の実施例)
以下、図1から図4を参照して、本発明の表示装置に係る表示装置の実施例について説明する。
【0070】
(1)表示装置の基本構成
図1を参照して、本発明の表示装置に係る実施例の基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の表示装置に係る実施例の構成を示すブロック図である。
【0071】
図1に示すように表示装置1は、前画面11と、前画面11の後方に配置された後画面12と、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11に表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12に表示する第二駆動部16と、表示装置1の全体制御を行う制御部17とを備えて構成されている。
【0072】
前画面11及び後画面12は、表示装置1の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面11は、前方に配置され、後画面12は後方に配置されている。前画面11は、後方にある後画面12の画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性を必要とし、例えば上述の有機EL表示デバイスが用いられる。他方、後方に配置される後画面12は、有機EL表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス、電界電子放出表示デバイス或いは液晶表示デバイスであってもよい。
【0073】
本実施例では特に、前画面11は、光を発する発光部11−1と、後画面12から発せられる光を透過する透過部11−2とを夫々複数備えた、後述するような本実施例に係る表示デバイスによって構成されている。前画面11は、当該発光部11−1により発せられた光により立体表示用の画像を形成する。又、透過部11−2は、後画面12により発せられた光を透過し、観察者に後画面12に表示される立体表示用の画像を視覚させる。これにより、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面11及び後画面12の間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。即ち、輝度変調方式の立体表示も可能である。
【0074】
尚、発光部11−1及び透過部11−2は、一つの画素毎に一つの発光部11−1と一つの透過部11−2とを有していてもよい。或いは、複数の画素毎に一つの発光部11−1と透過部11−2とを有していてもよい。いずれの場合も、発光部11−1と透過部11−2は、図1に示すように互いに隣り合うように、即ち格子状パターンに基づいて配置されるのが好ましい。但し、それ以外のパターンに基づいて配置されていてもよい。
【0075】
又、後画面12は、その画面全体が発光するものであってもよい。或いは、前画面12の発光部11−1と同様に、光を発する発光部12−1(図4参照)をその一部に有するものであってもよい。いずれにせよ、後画面12の発光部12−1から発せられた光は、前画面11の透過部11−2を透過することで、後画面12には適切な画像を表示可能である。
【0076】
画像発生部14は、前画面11及び後画面12に表示される画像を発生し、記憶している。又、外部から入力される画像、例えばパソコン等で作成された画像を所定の記録エリアに記録しておき、必要に応じて読み出すようにしてもよい。単位としての画像は夫々個別に管理されていて、独立して表示のための処理が可能である。前画面11及び後画面12の何れに表示させるかは勿論、例えば表示の位置、大きさ、明るさ、色相、表示形態、画像変形等についても個別に制御可能である。
【0077】
第一駆動部15及び第二駆動部16は、前画面11及び後画面12を夫々表示駆動するためのものであり、画像発生部14で形成された前画面11又は後画面12用の画像信号に基づいて表示駆動する。制御部17の制御に基づいて、表示のタイミングや点滅等の装飾的で効果的な駆動を行う機能を持たせても良い。
【0078】
制御部17は、表示装置1の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11及び後画面12の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。又、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作を制御する。
【0079】
(2)表示装置の動作原理
次に、図2から図4を参照して、本発明の表示装置に係る実施例の動作原理について説明する。ここに、図2は、本発明の表示装置に係る実施例の発光の様子を模式的に示す断面図であり、図3は、本発明の表示装置に係る実施例の比較例を模式的に示す断面図であり、図4は、本発明の表示装置に係る実施例の他の発光の様子を模式的に示す断面図である。
【0080】
図2に示すように、前画面11は、複数の発光部11−1と複数の透過部11−2とを有する。この場合、一つの発光部11−1と一つの透過部11−2との組み合わせにより、前画面11の一つの画素が形成されることが好ましい。但し、例えば後述するように、一つの発光部11−1及び一つの透過部11−2の夫々が一つの画素を形成するようにしてもよい。
【0081】
光透過性を有する前画面11の発光部11−1から発せられた光は、観察者の側及び観察者の側とは反対の側へ向かって伝搬する。即ち、発光部11−1から発せられた光のうち50パーセントは観察者の側へ伝搬し、残り50パーセントの光は観察者の側とは反対の側へ伝搬する。ここで、観察者の側とは反対の側へ向かって伝搬する光は、例えば後述の金属電極114(図5参照)或いは反射板119(図6参照)によって反射され、観察者の側へと伝搬することとなる。これにより、観察者の側とは反対の側へ伝搬した光を、適切に観察者の側へ無駄なく反射させることが可能となる。即ち、発光部11−1から発せられた光は、その100%が観察者の側へ伝搬することとなる。
【0082】
従って、一つの画素を発光部11−1と透過部11−2とに分割しても、一つの画素全体として発せられる光量は変化しないこととなる。このため、前画面11において、発光部11−1及び透過部11−2に画素分割していない画面に表示される画像と同等の画像を表示可能となる。また、透過部11−2は、光を発することはない。
【0083】
そして、複数の発光部11−1により、前画面11に立体表示用の画像が表示される。ここで、実際に前画面11に表示される画像は、その透過部11−2に該当する部分の画像が表示されていない状態となっている。しかしながら、一つの画素は観察者の目で識別困難或いは不可能なほど小さい単位で構成されているため、当該画像は、観察者から見て、従来の画面(即ち、透過部11−2を有していない表示手段)に表示される画像と比較して、変化のない画像を視覚することとなる。
【0084】
一方、後画面12により発せられた光は、透過部11−2を透過して、観察者に視覚されることとなる。この場合、後画面12より発せられた光のうち発光部11−1へ伝搬する光は、例えば後述の金属電極(図5参照)或いは反射板(図6参照)によって反射され、観察者に視覚されることはない。即ち、透過部11−2に伝搬する光のみを観察者は視覚することとなる。
【0085】
ここで、本発明の表示装置に係る実施例の比較例として、仮に前画面11を発光部11−1と透過部11−2とに分割していない場合の表示装置について説明する。
【0086】
図3に示すように、前画面11a及び後画面12はその全体が発光することとなる。この場合、前画面11aから発せられた光のうち観察者の側とは反対の側へ伝搬する光は、後画面12の表面においてその一部或いは全部が反射することとなる。このため、観察者は、この反射光を後画面12に映り込んだ画像として視覚することとなる。即ち、観察者は、前画面11a及び後画面12に表示される画像に加えて、前画面11aに表示される画像が後画面12によって反射された画像を同時に視覚することとなる。このような状況は、複数の画像を観察者の視線上において重ねて視覚させる立体表示方式においては、適切な立体感のある画像を表示することが困難或いは不可能という状態を発生させる要因ともなりうる。
【0087】
しかるに本発明の表示装置に係る実施例によれば、上述の比較例において見られる前画面11aから後画面12へ伝搬する光をなくすことが可能となる。このため、前画面11に表示される画像が、後画面12の画面上に映り込むことを防止することが可能という大きな利点を有する。従って、前画面11及び後画面12の夫々に表示される画像を、観察者の視線上において適切に重ねて表示可能となる。これにより、観察者は、前画面11及び後画面12に表示される画像のみを適切に視覚することが可能となり、その結果、適切な立体感のある画像を視覚することが可能となる。
【0088】
又、図4に示すように、複数の第2発光部12−1をその一部に備える後画面12aを備えた表示装置101であっても表示装置100と同様の効果を得ることが可能となる。加えて、後画面12aの一部の領域のみを発光させるのみで足り、消費電力量を低減可能という大きな利点を有する。
【0089】
尚、この場合、前画面11の透過部11−2の後方に後画面12aの発光部12−1が形成されるのが好ましい。即ち、後画面12aの発光部12−1から発せられた光が適切に前画面11の透過部11−2を透過するように発光部12−1が形成されるのが好ましい。これにより、発光部12−1から発せられた光が、前画面11の発光部11−1に設けられた例えば後述の金属電極(図5参照)或いは反射板(図6参照)によって反射されることを防止することが可能となる。従って、反射される光がノイズ光として観察者に視覚されることを防止することが可能となる。
【0090】
(表示デバイスの実施例)
続いて、図5から図11を参照して本発明の表示デバイスに係る実施例について説明する。
【0091】
(1)表示デバイスの基本構成
図5から図7を参照して、本発明の表示デバイスに係る実施例の構成について説明する。ここに、図5は、本発明の表示デバイスに係る実施例の一の具体例を模式的に示す断面図であり、図6は、本発明の表示デバイスに係る実施例の他の具体例を模式的に示す断面図であり、図7は、本発明の表示デバイスに係る実施例の他の具体例を模式的に示す断面図である。
【0092】
図5に示すように、本実施例に係る表示デバイス1は構成されている。即ち、表示デバイス1は、有機エレクトロルミネッセンス発光層111(以下、適宜“エレクトロルミネッセンス”を“EL”と称する)と、基板112と、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・スズ・オキサイド)電極(陽極)113と、金属電極(陰極)114と、絶縁膜115と、陰極隔壁116と、透明ガラス封止缶117とを備えて構成されている。即ち、表示デバイス1は、ボトムエミッション方式の有機EL表示デバイスにより構成されている。
【0093】
有機EL発光層111は、何れも図示しない、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含んで構成されている。正孔注入層は、例えばCuPc(銅フタロシアニン)により、正孔輸送層は、例えばNPB(N,N−di(naphthalene−1−yl)−N,N−diphenyl−benzidene)により、発光層は、例えばAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)により、電子輸送層は、例えばBCP(バソキュプロイン又はバトクプロイン:bathocuproine)により、電子注入層は、例えばLiF(フッ化リチウム)により、それぞれ形成されている。尚、有機EL発光層111は表示デバイス1の一つの画素毎に一つ含まれていてもよいし、複数の画素毎に一つ含まれていてもよい。
【0094】
尚、有機EL発光層111の夫々は、ITO電極113及び金属電極114と共に格子パターンにて配置されていることが好ましい。
【0095】
基板112は、有機EL発光層111を保護し、支持するためのものであり、例えばガラス基板を含んでなる。又、ポリマーフィルムを基板として用いてもよい。表示デバイス1においては、観察者は基板112を介して、有機EL発光層111の発光により形成される画像を視覚することとなる。
【0096】
ITO電極113は、本発明に係る「透明電極層」の一例であり、光透過性を有するアノード電極である。又、アノード電極として、ITO電極に代えて、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム・亜鉛・オキサイド)電極であってもよい。
【0097】
金属電極114は、本発明に係る「金属電極層」の一例であり、ITO電極113との間に形成される有機EL発光層111に電圧を印加する。電圧が印加された有機EL発光層111は発光することとなる。又、有機EL発光層111から発せられた光のうち、観察者の側とは反対の側(即ち、図5において基板112の反対側)へ伝搬する光を、基板112側へ反射する。このため、金属電極114は、反射率の高いアルミニウムで形成されることが好ましい。但し、光を反射可能であればこれに限らず金属電極114を形成することは可能である。
【0098】
ここで、金属電極114は特に、有機EL発光層111の一部の領域上に形成され、該一部の領域にのみ電圧を印加する。金属電極114が形成されない有機EL発光層111の他の領域は、光を発することなく、光透過性を有することとなる。即ち、金属電極114とITO電極113によってはさまれた有機EL発光層111の一部の領域が発光部11−1を形成し、金属電極114が形成されていない有機EL発光層111の他の領域が透過部11−2を形成することとなる。
【0099】
尚、金属電極114が形成されない部分には、有機EL発光層111は形成されていなくともよい。この場合、金属電極114及びITO電極114によってはさまれた有機EL発光層111が発光部11−1を形成し、有機EL発光層111が形成されていない部分が透過部11−2を形成することとなる。
【0100】
絶縁膜115は、電流リークを抑えるためのものであり、例えばポリイミドによって、有機EL発光層111が形成される位置以外の基板上に形成される。
【0101】
陰極隔壁116は、陰極(即ち、金属電極114)形成の際に、任意の形状にパターニングするために、陰極が形成される部分を除いて絶縁膜115の上に形成される。
【0102】
透明ガラス封止缶117は、上述の構成要素を、外部の影響から保護するためのものである。或いは、透明ガラス封止缶に加えて或いは代えて、透明封止膜を用いてもよい。
【0103】
以上のように構成することで、有機EL発光層111から発せられる光により、表示デバイス1は、所望の画像を表示可能となる。更に、金属電極114が形成されていない部分は、光透過性を有するため、表示デバイス1の後方に存在する画像、映像、風景或いは物体を視覚することが可能となる。
【0104】
加えて、一つの有機EL発光層111の夫々を発光部11−1と透過部11−2とに分割することで、画面の精細度を変化させることなく、表示デバイス1に適切に画像を表示可能となる。
【0105】
又、図6に示したように、トップエミッション方式の有機EL表示デバイス用いても、上述した表示デバイス1と同様の効果を得ることが可能である。
【0106】
この場合、図6に示すように、表示デバイス2は、図5に示す金属電極114に代えて、本発明に係る「透明電極層」の一例たる透明電極118と、更に本発明に係る「反射層」の一例たる反射板119とを備える。
【0107】
透明電極118は、例えばITOを含んでなる光透過性を有するカソード電極である。又、透明電極118は、IZOを含む電極或いは薄膜状の金属電極であってもよい。透明電極118は、図5に示した金属電極114と同様に、有機EL発光層111の一部の領域上に形成され、発光部11−1を形成する。
【0108】
反射板119は、例えばアルミニウム等の反射率の高い金属を含んで形成されている。反射板119は、透明電極118とITO電極113との間の部分を占める有機EL発光部11−1が発する光を観察者の側へ伝搬可能なように構成されている。従って、図1の場合と同様に、表示デバイス2により発せられた光は、その全てが観察者の側(即ち、図6において基板112と反対の側)へ伝搬することとなる。
【0109】
このような、トップエミッション方式の有機EL表示デバイスを用いても、図5に示す表示デバイス1と同様の効果を得ることが可能となる。
【0110】
更に、図5及び図6に示した例のように一つの有機EL発光層111毎に発光部11−1及び透過部11−2を形成しなくとも、図7に示すように、一つの有機EL発光層111を発光部11−1とし、有機EL発光層111が形成されていない部分を透過部11−2とする構成をとる表示デバイス3であっても本実施例に係る表示デバイスと同様の効果を得ることが可能である。
【0111】
図7に示すように、表示デバイス3は、有機EL発光層111が形成される領域が発光部11−1を形成し、有機EL発光層111及び陰極隔壁116の何れもが形成されない領域が透過部11−2を形成している。この場合、発光部11−1と透過部11−2とが互いに隣り合うように有機EL発光層111が形成されるのが好ましい。但し、互いに隣り合うように有機EL発光層111が形成されていなくともよい。
【0112】
(2)表示デバイスの製造方法
続いて、図8から図11を参照して、本発明の表示デバイスに係る実施例、特に表示デバイス1の製造方法について説明する。ここに、図8は、製造工程における一の過程を模式的に示す断面図であり、図9は、製造工程における他の過程を模式的に示す断面図であり、図10は、製造工程における他の過程を模式的に示す断面図であり、図11は、製造工程が終了した後の表示デバイスを模式的に示す断面図である。
【0113】
本発明の実施例に係る表示デバイスを製造するにあたり、まず、図8に示すように、基板112を用意する。
【0114】
次に、図8に示すように、基板112のいずれか一方の表面にITO電極113を形成する。具体的には、まず、基板112のいずれか一方の表面にスパッタリング等によりパターンニングを行い、ITO電極113を形成する。
【0115】
次に、図10に示すように、基板112上に形成したITO電極上に、絶縁膜115、陰極隔壁116、有機EL発光層111、金属電極114を形成する。これらの部材の形成方法は、周知の方法を用いればよい。例えば、まず、絶縁膜115を、画素を形成すべき部分以外の部分にパターンニングを行って形成する。そして、その絶縁膜115上に、陰極隔壁116を形成する。次に、有機EL発光層111を、パターンマスクを用いて真空蒸着法により成膜し、有機EL発光層111上に、金属電極114を真空蒸着法により成膜する。ここで、金属電極114のパターンニングは、陰極隔壁法でなくマスクを用いて有機EL発光層111の一部の領域上に形成されるように行う。即ち、発光部11−1に該当する部分にのみ金属電極114を形成し、金属電極114が形成されていない有機EL発光層111の領域は光透過性を有する透過部11−2となる。
【0116】
次に、図11に示すように、基板112の有機EL発光層111等が形成された側の面にて、有機EL発光層111、ITO電極113、金属電極114、絶縁膜115及び陰極隔壁116を覆うように、ガラス封止缶117を形成する。
【0117】
以上の製造工程を経て、図11に示す表示デバイス1が完成する。
【0118】
尚、有機EL発光層111は、発光部11−1及び透過部11−2の何れの領域にも形成されたが、発光部11−1に該当する部分にのみ形成されてもよい。即ち、この場合、パターンマスクを所望の形状(即ち、発光部11−1に該当する部分以外がマスクされている形状)にし、該パターンマスクにより有機EL発光層111を成膜してもよい。この場合、原料となる例えばAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)の使用量を低減可能という、大きな利点を有する。
【0119】
尚、図5から図11において示した有機EL発光層111は一つ又は二つであるが、説明の便宜上一つ又は二つの有機EL発光層111を有する表示デバイスに係る図にて説明したものであり、実際の表示デバイスにおいては、その使用態様により所望数の有機EL発光層111が形成されることとなる。
(表示装置の具体例)
次に、図12から図16を参照して、本発明の表示装置に係る実施例において、より具体的な例について説明する。ここに、図12は、本発明の表示装置に係る実施例の一の具体例を模式的に示す断面図であり、図13は、本発明の表示装置に係る実施例の他の具体例を模式的に示す断面図であり、図14は、本発明の表示装置に係る実施例の他の具体例を模式的に示す断面図であり、図15は、図12に示す一の具体例を模式的に示す斜視図であり、図16は、図13に示す他の具体例を模式的に示す斜視図である。尚、図12から図16において、上述の本発明の表示デバイスに係る実施例と同様の構成要素には、同様の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
【0120】
図12に示すように、本実施例に係る表示装置102は構成されている。即ち、前画面11bは、有機EL発光層111と、基板112と、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・スズ・オキサイド)電極(陽極)113と、金属電極(陰極)114と、絶縁膜115と、陰極隔壁116と、透明ガラス封止缶117とを備えて構成されており、後画面12bは、有機EL発光層121と、基板122と、ITO電極(陽極)123と、金属電極(陰極)124と、絶縁膜125と、陰極隔壁126と、透明ガラス封止缶127とを備えて構成されている。即ち、前画面11b及び後画面12bは、共にボトムエミッション方式の有機EL表示デバイスを用いている。特に前画面11bには、本発明の表示デバイスに係る実施例の一の具体例たる表示デバイス1を用いている。
【0121】
有機EL発光層121は、何れも図示しない、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含んで構成されている。正孔注入層は、例えばCuPc(銅フタロシアニン)により、正孔輸送層は、例えばNPB(N,N−di(naphthalene−1−yl)−N,N−diphenyl−benzidene)により、発光層は、例えばAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)により、電子輸送層は、例えばBCP(バソキュプロイン又はバトクプロイン:bathocuproine)により、電子注入層は、例えばLiF(フッ化リチウム)により、それぞれ形成されている。当該有機EL発光層121が後画面12bの一つの画素を形成することとなる。尚、有機EL発光層121の夫々は、有機EL発光層111のそれぞれと相等しい大きさを有していることが好ましい。但し、相等しい大きさでなくともよい。
【0122】
基板122は、有機EL発光層121を保護し、支持するためのものであり、例えばガラス基板を含んでなる。又、ポリマーフィルムを基板として用いてもよい。
【0123】
ITO電極123は、光透過性を有するアノード電極である。又、アノード電極として、ITO電極に代えて、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム・亜鉛・オキサイド)電極であってもよい。
【0124】
金属電極124は、例えばアルミニウムにより形成されている。該金属電極124とITO電極123との間に電圧が印加され、電圧が印加された有機EL発光層121が発光することとなる、又、有機EL発光層121から発せられた光のうち、観察者の側とは反対の側へ伝搬する光を、基板122側へ反射する。このため、金属電極124は、反射率の高いアルミニウムで形成されることが好ましい。但し、光を反射可能であればこれに限らず金属電極124を形成することは可能である。
【0125】
尚、後画面12bの金属電極124は、有機EL発光層121の全体に形成されていてもよいし、少なくとも前画面11bの透過部11−2を透過する光を発するように、有機EL発光層121の一部の領域上に形成されていてもよい。この場合、有機EL発光層121の発光する部分が、前画面11bの透過部11−2と対応するように金属電極124が形成されるのが好ましい。これにより、有機EL発光層121を発光させる消費電力を低減可能となるという大きな利点を有する。更に、後画面12bから発せられた光が、前画面11の金属電極114によって反射され、ノイズ光として観察者に視覚されるという不都合を防ぐことが可能となる。金属電極124が有機EL発光層121の一部の領域上に形成される場合には、有機EL発光層121は、金属電極124が形成されない部分には形成されていなくともよい。
【0126】
絶縁膜125は、電流リークを抑えるためのものであり、例えばポリイミドによって、有機EL発光層121が形成される位置以外の基板上に形成される。
【0127】
陰極隔壁126は、陰極(即ち、金属電極124)形成の際に、任意の形状にパターニングするために、陰極が形成される部分を除いて絶縁膜125の上に形成される。
【0128】
透明ガラス封止缶127は、上述の構成要素を、外部の影響から保護するためのものである。或いは、透明ガラス封止缶に加えて或いは代えて、透明封止膜を用いてもよい。
【0129】
尚、後画面12bは、周知の方法を用いて製造可能である。或いは、有機EL発光層121の一部の領域上に金属電極124を形成する場合には、図4から図7で説明した方法で製造可能である。
【0130】
以上のように構成することで、前画面11bから発せられた光が、後画面12bへ伝搬し、当該光が例えば基板122に写り込んで観察者に視覚されるという不都合を防ぐことが可能となる。即ち、前画面11b及び後画面12bの夫々に表示される画像を適切に観察者の視線上において重ねて視覚させることが可能となる。更に、一つの有機EL発光層111を発光部11−1と透過部11−2とに分割することで画素数を減少させることなく、即ち画面の精細度を変化させることなく、前画面11bに立体表示用の画像を表示することが可能となる。従って、観察者は、前画面11b及び後画面12bの夫々に表示される画像を、視線上において適切に重ねて視覚することで、好適に立体感のある画像を視覚することが可能となる。
【0131】
尚、観察者は、前画面11bの有機EL発光層111の発光と、該有機EL発光層111に対応した後画面12bの有機EL発光層121の発光とを視線上において重ねて視覚し、一つの画素として認識することとなる。
【0132】
加えて、有機EL発光層121の発光する部分が、前画面11bの透過部11−2と対応するように金属電極124が有機EL発光層121の一部の領域上に形成されていれば、ノイズ光の発生を低減或いは防止することが可能となる。従って、観察者は前画面11b及び後画面12bの夫々に表示される画像を視線上においてより適切に重ねて視覚することが可能となる。但し、このように金属電極124を形成しなくとも、観察者は前画面11b及び後画面12bの夫々に表示される画像を視線上において適切に重ねて視覚することは可能である。
【0133】
又、前画面11及び後画面12の双方にボトムエミッション方式の有機EL表示デバイスを用いなくとも、例えば、前画面11にトップエミッション方式の有機EL表示デバイス(即ち、本発明の表示デバイスに係る実施例の一の具体例たる表示デバイス2)を用いても、上述の如き本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。
【0134】
更に、一つの有機EL発光層111毎に発光部11−1及び透過部11−2を形成しなくとも、図13に示すように、一つの有機EL発光層111を発光部11−1とし、有機EL発光層111が形成されない部分を透過部11−2とする構成をとる表示装置103であっても本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。
【0135】
図13に示すように、前画面11cは、有機EL発光層111が形成される領域に発光部11−1を形成し、有機EL発光層111及び陰極隔壁116の何れもが形成されない領域に透過部11−2を形成している。この場合、発光部11−1と透過部11−2とが互いに隣り合うように有機EL発光層111が形成されるのが好ましい。
【0136】
又、後画面12cは、前画面11cの透過部11−2を透過する光を発するように有機EL発光層121が形成されている。この場合、前画面11cの有機EL発光層111と、該有機EL発光層111の発する光と観察者の視線上において重ねて視覚される光を発する後画面12cの有機EL発光層121とが一つの画素を形成することとなる。尚、後画面12cは、前画面11cの発光部11−1に向かって伝搬する光を発するような有機EL発光層121が更に形成されていてもよい。
【0137】
以上のような構成であっても、図12に示した表示装置102と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、前画面11cから発せられた光が、後画面12cへ伝搬し、当該光が例えば基板122に写り込んで観察者に視覚されるという不都合を防ぐことが可能となる。
【0138】
更に、有機EL表示デバイスを用いた形態では、図14に示すように、一枚の基板の一方の表面上に前画面11dを形成し、他方の表面上に後画面11dを形成した有機EL表示デバイスからなる表示装置104であっても、本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0139】
このように構成しても、上述の図12及び図13に係る表示装置102及び103と同様に、前画面11dから発せられた光が、後画面12dへ伝搬し、当該光が例えば基板122に写り込んで観察者に視覚されるという不都合を防ぐことが可能となる。
【0140】
続いて、図15に示すように、図12に示した前画面11b及び後画面12bの斜視図により一つの有機EL発光層111ごとに発光部11−1及び透過部11−2の夫々が形成されている表示装置102について説明する。尚、図15においては、図12中において説明した構成部分のうち一部の構成部分のみを抜き出して示している。
【0141】
この場合、金属電極114(124)と、ITO電極113(123)とが交差する部分に形成された有機EL発光層111(121)にのみ電圧が印加され、発光部11−1を形成する。尚、上述したように、有機EL発光層111(121)は、金属電極114(124)と、ITO電極113(123)とが交差する部分にのみ形成されるような構成であってもよい。尚、図15においては、金属電極124は、有機EL発光層121の一部の領域上に形成され、透過部11−2を透過する光を発するように形成されている。
【0142】
続いて、図16に示すように、図13に示した前画面11c及び後画面12cの斜視図により一つの有機EL発光層111が発光部11−1を形成している表示装置103について説明する。尚、図16においては、図13中において説明した構成部分のうち一部の構成部分のみを抜き出して示している。
【0143】
この場合、金属電極114(124)が形成されている画素のみが発光することとなり、金属電極114(124)が形成されていない部分は発光することなく、透過部11−2となる。又、透過部11−2となる部分については、有機EL発光層111は形成されていなくともよい。即ち、透過部11−2となる部分は、後画面12cにより発せられる光を透過可能であればよい。尚、図16においては、金属電極124は、透過部11−2を透過する光を発するように、所定の領域上に形成されている。金属電極124が形成されていない領域には、有機EL発光層124は形成されていなくともよい。
【0144】
尚、本実施例においては、二つの画面(即ち、前画面11及び後画面12)を有する表示装置について説明したが、三つ以上の画面を有する表示装置であっても、同様の効果を得ることが可能である。この場合、夫々の画面における発光部と透過部とを、上述の実施例に従って夫々対応させて配置することが好ましい。即ち、一の画面の発光部が出射する光は、一の画面の前方に配置される画面の透過部を透過し、一の画面の透過部は、一の画面の後方に配置される画面の発光部が出射する光を透過するように構成することが好ましい。
【0145】
本発明は、上述した実施形態並びに実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置も又本発明の技術思想に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置に係る実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の表示装置に係る実施例の構成を概念的に示す模式図である。
【図3】本発明の表示装置に係る実施例の比較例として、従来の構成による表示装置を概念的に示す模式図である。
【図4】本発明の表示装置に係る実施例の他の構成を概念的に示す模式図である。
【図5】本発明の表示デバイスに係る実施例の一の構成に係る具体例を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の表示デバイスに係る実施例の他の構成に係る具体例を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の表示デバイスに係る実施例の他の構成に係る具体例を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の表示デバイスに係る実施例の製造時の一の形態を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の表示デバイスに係る実施例の製造時の他の形態を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の表示デバイスに係る実施例の製造時の他の形態を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明の表示デバイスに係る実施例の製造時の他の形態を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の一の具体例を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の他の具体例を模式的に示す断面図である。
【図14】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の他の具体例を模式的に示す断面図である。
【図15】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の一の具体例を模式的に示す斜視図である。
【図16】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の他の具体例を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1、2、3、4・・・表示デバイス
11、11a、11b、11c・・・前画面
11−1・・・発光部
11−2・・・透過部
12、12a、12b、12c・・・後画面
14・・・画像発生部
15・・・第一駆動部
16・・・第二駆動部
17・・・制御部
100、101、102、103、104・・・表示装置
111、121・・・有機EL発光層
114、124・・・金属電極
118・・・透明電極
119・・・反射板
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示手段を観察者の視線方向に相前後して配置し、これらの表示手段に画像を重ねて表示することにより当該物体を立体的に表示する表示装置、及び該表示装置を構成する表示手段として好適に用いられる表示デバイスの技術分野に属する。
【0002】
【従来技術】
従来、立体視することが可能な表示装置として種々の形態のものが提案され、或いは実用化がなされている。例えば、電気的に書き換え可能であり、立体的な画像を表示することが可能な表示装置として、液晶シャッタ眼鏡方式等が良く知られている。この液晶シャッタ眼鏡方式はカメラで物体を異なる方向から撮影し、得られた視差情報を含む画像データを合成して1つの画像信号に合成し、表示装置に入力し表示する。観察者は液晶シャッタ眼鏡をかけ、例えば奇数フィールド時に右目用の液晶シャッタを透過状態とし左目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。一方、偶フィールド時に左目用の液晶シャッタを透過状態とし右目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。このとき、奇数フィールドに右目用の画像を、偶フィールドに左目用の画像を同期して表示することで右目用、左目用の視差を含む画像を夫々の目で見ることにより立体的な画像を視覚するものである。
【0003】
又、観察者の視線上に相前後して複数の表示部を配置し、それらに表示される画像を重ねて見ることによって、奥行き方向には離散的であるが、立体的な画像として視覚される表示装置がある。又、その離散的な状態を改善するために、表示装置の夫々に表示される画像の輝度に変化を付けることによって、離散的な位置の中間位置に物体があるかの様に視覚され、より立体感が自然となるように改良された表示装置がある。例えば、複数のハーフミラーを用いて複数の表示部からの物体像を重ねて表示することで、半透明な物体や後ろの物体が透けて見えるような表示を可能ならしめる、輝度変調型の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献】
特開2000−115812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示部を有する表示装置では、一の表示部に表示される画像が他の表示部に映りこみ、その結果、観察者に適切に表示されないという技術的な問題点を有する。例えば光透過性を有する一の表示部から発せられた光は、光透過性を有するため観察者の側のみならず、観察者の側から見て後方へも伝搬する。この場合、観察者の側から見て一の表示部の後方にある他の表示部の表示面に、一の表示部から発せられた光が映りこむことで、観察者は、本来認識するべき適切な画像とは異なる画像を視覚することとなる。即ち、立体表示に係る画像を適切な状態で表示することが困難或いは不可能となり、輝度変調型等の型式を問わずに、立体表示を適切に実施することが困難になるという技術的な問題点が生じる。
【0006】
加えて、このような映り込みを引き起こす光の分だけ、光が無駄使いされており、表示のための光の利用効率が悪いという技術的問題点もある。
【0007】
本発明は、例えば上述の問題点に鑑みなされたものであり、例えば、複数の表示部のうち一の表示部に表示される画像を、適切な状態で観察者に視覚させ、その結果、観察者に好適に立体感のある画像を視覚せしめる表示装置及び該表示装置を構成する表示手段として好適に用いられる表示デバイスを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の表示装置は、観察者の視線上で複数の画像を、所定距離を隔てて重ねて表示することで立体表示を行う表示装置であって、(i)表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の第1発光部と、前記表示画面内における前記複数の第1発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部とを備えた表示デバイスを含んでなる第1表示手段と、(ii)前記観察者から見て前記第1表示手段の後方に相前後して配置された第2表示手段とを備える。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項7に記載の表示デバイスは、表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の発光部と、前記表示画面内における前記複数の発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部とを備える。
【0010】
本発明の作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について以下に説明する。
【0012】
本発明の表示装置に係る実施形態の態様では、観察者の視線上で複数の画像を、所定距離を隔てて重ねて表示することで立体表示を行う表示装置であって、(i)表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の第1発光部と、前記表示画面内における前記複数の第1発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部とを備えた表示デバイスを含んでなる第1表示手段と、(ii)前記観察者から見て前記第1表示手段の後方に相前後して配置された第2表示手段とを備える。
【0013】
本発明の表示装置に係る実施形態によれば、その動作時には、上述の如く第1発光部と透過部とを備えた第1表示手段、及び第1表示手段の後方(即ち、観察者の側から見て奥側或いは遠い方)に配置された第2表示手段の夫々に立体表示用の画像を表示する。ここで、第2表示手段に表示される画像は、複数の透過部を備えた第1表示手段を透過して観察者に視覚させることが可能である。従って、本発明の表示装置に係る表示装置は、第1表示手段及び第2表示手段の夫々に表示される立体表示用の画像を、観察者の視線上で重ねて表示可能である。これにより、立体表示或いは三次元表示を行うことが可能となる。即ち、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0014】
例えば、輝度変調型の立体表示であれば、二つの表示手段(即ち、第1表示手段及び第2表示手段)で表示される同一画像部分についての輝度の割振によって、二つの表示手段間におけるいずれかの奥行位置に画像が存在するように見える、連続的な立体表示が可能となる。或いは、画像部分が、二つの表示手段のいずれかに表示されている離散的な立体表示が可能となる。更に、三つ以上の表示手段間のいずれかの位置に画像が存在するように見える、連続的又は離散的な立体表示も可能となる。
【0015】
本実施形態の表示装置では特に、第1表示手段の第1発光部から発せられた光は、例えば後述の反射層により、第2表示手段の側(即ち、観察者とは反対の側或いは表示画面とは反対の側)へ向かって伝搬することなく、観察者の側へ向かって伝搬することとなる。このため、仮に第2表示手段の側へ向かって伝搬する光が発生したと仮定した場合(即ち、第1表示手段が第1発光部と透過部とを備えていない光透過性を有する表示デバイスと仮定した場合)に発生しうる、第2表示手段の表示画面上における反射光の発生を防止することが可能となる。従って、第1表示手段が表示する画像が、第2表示手段に映り込んだ画像として、観察者に視覚される不都合を防ぐことが可能という大きな利点を有することとなる。係る利点は、特に複数の画像を観察者の視線上で重ねて表示する立体表示方式において極めて大きな利点となるものである。
【0016】
以上の結果、本実施形態に係る表示装置によれば、第1表示手段から発せられる光が第2表示手段の表示画面上に映り込むことを防止することが可能となる。従って、第1表示手段及び第2表示手段の夫々に表示される立体表示用の画像に影響を与えることなく、観察者に適切に視覚させることが可能となる。これにより、観察者は、視線上において適切に重なった立体表示用の画像を視覚することで、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0017】
尚、本実施形態において、立体表示方式或いは三次元表示方式として、輝度変調方式の他、任意の立体表示方式或いは三次元表示方式を採用しても、上述の如き効果と同様の効果を得ることが可能である。
【0018】
又、第2表示手段は、エレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いることが好ましい。或いは、光透過性を有する必要はないため、ブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス、電界電子放出表示デバイス或いは液晶表示デバイス等の表示デバイスを用いても、本実施形態に係る表示装置と同様の効果を得ることは可能である。
【0019】
尚、第1表示手段の前方(即ち、観察者の側から見て手前側或いは近い方)に更に発光部と透過部とを有する表示手段を備えていても、即ち、三つ以上の複数の表示手段を備えていても、本実施形態に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。
【0020】
本発明の表示装置に係る実施形態の一の態様では、前記第2表示手段は、表示画面内の少なくとも一部に離散的に平面配置されており光を発する複数の第2発光部を備えた他の表示デバイスを含んでなる。
【0021】
この態様によれば、複数の第2発光部を有する第2表示手段を用いて、複数の第2発光部のうち所望の第2発光部から光を発することで、適切な画像を表示することが可能となる。
【0022】
加えて、後述するように、透過部と対応するように第2発光部を配置することで、第2表示手段から発せられる光を適切に観察者に視覚させることも可能である。
【0023】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記第2発光部は、一画素毎に一つずつ又は複数画素毎に一つずつ平面配置されている。
【0024】
この態様によれば、一画素毎に一つの第2発光部を備えることで、表示画面の精細度を変えることなく、第2表示手段に適切に画像を表示することが可能となる。
【0025】
或いは、複数画素毎に一つの第2発光部を備えることで、表示画面の精細度は若干低下することとなるが、第2表示手段の構成を簡略化することが可能という大きな利点を有する。
【0026】
何れの態様であっても、所望の画像を適宜表示することが可能となる。
【0027】
上述の如く第2発光部を有する第2表示手段を備えた表示装置の態様では、前記第2発光部の夫々は、前記透過部の夫々に対応して平面配置されているように構成してもよい。
【0028】
このように構成すれば、第2発光部から発せられた光は、第1表示手段の透過部へ向かって適切に伝搬可能となる。即ち、第1表示手段へ向かって伝搬する光は、観察者に視覚されることはないため、観察者に視覚されうる光を選択して、適切に発することが可能となる。これにより、第2発光部の発光に係る例えば消費電力量を低減可能という実践上大きな利点を有することとなる。
【0029】
又、第1表示手段の第1発光部に向かって伝搬する光が存在すると仮定すると、このような光は該第1発光部に係る例えば反射層により反射されることとなる。この反射された光は、ノイズ光として観察者に視覚されるおそれもありうる。
【0030】
しかるにこのように構成することで、第2表示手段の第2発光部は、第1表示手段の透過部に向かって伝搬する光を選択して発することで、係るノイズ光の発生を低減或いは防止することが可能となる。従って、観察者はノイズ光を視覚することなく、第1表示手段及び第2表示手段に表示される立体表示用の画像を、その画像本来の状態で視覚し、視線上において適切に重ねて視覚することが可能となる。
【0031】
但し、係るノイズ光の発生は、立体表示用の画像の視覚を困難或いは不可能とするような大きな影響を及ぼすものではなく、係るノイズ光を防止すれば極めて精細な立体的な画像を視覚することが可能となるが、防止せずとも立体表示用の画像を重ねて視覚することは可能であるという程度のものである。
【0032】
上述の如く第2発光部を有する第2表示手段を備えた表示装置の態様では、前記第2発光部の夫々の大きさは、前記透過部の夫々の大きさと相等しいように構成してもよい。
【0033】
このように構成すれば、第2発光部から発せられた光は、適切に透過部を透過することが可能となる。即ち、当該光が第1発光部等によって反射されることをより防止し、且つ反射による光の減衰もなく適切に観察者に視覚されることが可能である。従って、上述のノイズ光の発生を防ぐと共に、第2表示手段から発せられた光をより適切に観察者に視覚させることが可能となる。
【0034】
これにより、観察者は、第2表示手段に表示される画像を適切に視覚すると共に、第1表示手段に表示されている画像と重ねて視覚することで立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0035】
本発明の表示装置に係る実施形態の他の態様では、前記第2表示手段は、エレクトロルミネッセンス表示デバイスである。
【0036】
この態様によれば、エレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いて、立体表示を可能とならしめる表示装置を構成することが可能である。
【0037】
更に、本発明の表示デバイスに係る実施形態と同様に、第2表示手段に係るエレクトロルミネッセンス層の一部を発光させることで、第1表示手段の透過部を透過する第2発光部を形成することが可能となる。或いは、エレクトロルミネッセンス層を第1表示手段の透過部に対応するように形成してもよい。この場合には、第2発光部はエレクトロルミネッセンス層となる。
【0038】
尚、エレクトロルミネッセンス表示デバイスであれば、ボトムエミッション方式であってもよいし、トップエミッション方式であってもよい。又、パッシブマトリックス駆動方式であってもよいし、アクティブマトリックス駆動方式であってもよい。
【0039】
本発明の表示デバイスに係る実施形態は、表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の発光部と、前記表示画面内における前記複数の発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部とを備える。
【0040】
本発明の表示デバイスに係る実施形態によれば、表示画面内に離散的に平面配置されている複数の発光部は、夫々が独立して光を発することが可能に構成されている。複数の発光部の夫々に、例えばマイコン等により発光を制御する信号を所望のタイミングにて入力することで、所望の発光部を発光させる。これらの複数の発光部のうち所望の発光部が発する光の集合により、表示画面内に画像を適宜映し出すことが可能である。従って、観察者は、本実施形態に係る表示デバイスに表示される画像を視覚することとなる。
【0041】
更に、表示画面内に離散的に平面配置された複数の透過部の夫々に光が入射した場合、該入射した光は、本実施形態に係る表示デバイスを透過して伝搬していくこととなる。従って、例えば、観察者の側から見て本実施形態に係る表示デバイスの後方から伝搬してくる光は、当該表示デバイスを透過して伝搬可能である。即ち、観察者は、本実施形態に係る表示デバイスを介して、該表示デバイスの後方側を視覚することが可能となる。従って、観察者は、本実施形態に係る表示デバイスの後方に存在する、例えば風景或いは物体等を視覚することが可能となる。或いは、例えば当該表示デバイスの後方に所定の表示デバイスが配置されていた場合、観察者は、その所定の表示デバイスに表示される画像或いは映像等を視覚することが可能となる。
【0042】
以上の結果、複数の発光部と複数の透過部とを備えることで、所望の画像を適宜表示可能であると共に、光透過性を有する表示デバイスを実現することが可能である。このため、観察者は、本実施形態に係る表示デバイスの表示画面に表示される画像を視覚すると共に、該表示デバイスの後方に存在する、例えば風景、物体、画像或いは映像等を視覚することが可能となる。
【0043】
従って、例えば上述したように、本実施形態に係る表示デバイスと、所定の表示デバイスとを、観察者の視線上において相前後して配置することで、立体表示を可能とする表示装置を構成することが可能となる。
【0044】
尚、発光部は光透過性を有していなくとも、透過部を備えていることで表示デバイスとしては光透過性を有することが可能となる。従って、この場合、複数の発光部から発せられた光は、例えば後述の反射層の作用によって表示画面の側へ向かって伝搬することとなる。
【0045】
尚、発光部及び透過部は夫々が所定の関係を配置されていてもよい。即ち、例えば一つの発光部及び一つの透過部を有する領域を一単位として、該一単位ごと表示画面内に離散的に平面配置してもよい。
【0046】
また、複数の発光部及び複数の透過部の夫々の平面配置は、例えば格子状の配置パターンに基づいて行ってもよい。
【0047】
本発明の表示デバイスに係る実施形態の一の態様では、前記複数の発光部は、一画素毎に一つずつ又は複数画素毎に一つずつ平面配置されている。
【0048】
この態様によれば、一画素毎に一つの発光部を備えることで、表示画面の精細度を変えることなく、本発明の表示デバイスに係る実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、表示画面内に表示される画像の品質(即ち、画質)を維持可能という大きな利点を有することとなる。
【0049】
或いは、複数画素毎に一つの発光部を備えることで、表示画面の精細度は若干低下することとなるが、表示デバイスの構成を簡略化することが可能という大きな利点を有する。
【0050】
何れの態様であっても、所望の画像を適宜表示すると共に、光透過性を有する表示デバイスを実現することが可能となる。
【0051】
尚、透過部についても、発光部に係る構成と同様に、一画素毎に一つずつ備えていてもよいし、或いは複数画素毎に一つずつ備えていてもよい。或いは、そのいずれの構成でなくとも、本発明の表示デバイスに係る実施形態と同様の効果を得ることは可能である。
【0052】
本発明の表示デバイスに係る実施形態の他の態様では、前記複数の発光部及び前記複数の透過部は、少なくとも夫々一つずつ同一画素内に平面配置されている。
【0053】
この態様によれば、一つの画素毎に一つの発光部を配置することで、画面の精細度を変えることなく、表示画面に画像を表示することが可能となる。更に、一つの画素毎に一つの透過部を配置することで、表示画面全体として光透過性を有することとなる。従って、表示画面全体を通して、その後方に存在する風景、物体、画像或いは映像等を視覚することが可能となる。
【0054】
これにより、表示画面全体に適切に画像を表示可能であると共に、表示画面全体として光透過性を有する表示デバイスを実現することが可能となる。
【0055】
尚、一つの発光部と一つの透過部との大きさは相等しいものであってもよいし、相異なるものであってもよい。
【0056】
本発明の表示デバイスに係る実施形態の他の態様では、前記複数の発光部は夫々、エレクトロルミネッセンス発光層と前記表示画面を基準とする前記エレクトロルミネッセンス発光層の裏側に配置された反射層とを有し、前記複数の透過部は、前記反射層の間隙に位置する透光性部分を有する。
【0057】
この態様によれば、自発光性を有するエレクトロルミネッセンス発光層は、表示画面側及び表示画面とは反対の側(即ち、表示画面を基準とするエレクトロルミネッセンス発光層の裏側)の双方へ向かって光を発する。この場合、表示画面とは反対の側へ向かって発する光は、反射層により反射され、表示画面側へ伝搬することとなる。これにより、エレクトロルミネッセンス発光層から発せられた光は、適切に表示画面側に伝搬することとなり、その結果、表示画面に適切な画像を表示することが可能となる。
【0058】
更に、反射層の存在しない透光性部分(即ち、反射層の間隙)は、光透過性を有する。従って、これらの部分が複数の透過部を構成することとなる。
【0059】
以上の結果、いわゆるエレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いて、発光部と透過部とを備えた表示デバイスを実現することが可能となる。尚、エレクトロルミネッセンス表示デバイスの光取り出し方式は、ボトムエミッション方式であってもよいし、トップエミッション方式であってもよい。
【0060】
尚、反射層は、例えばアルミニウムを含んで構成されている。或いは、アルミニウムに限らずとも、反射率の高い金属或いは物体であれば反射層を構成可能である。
【0061】
更に、反射層は、後述の如くエレクトロルミネッセンス発光層に電圧を印加する一対の電極の一方(例えば、後述の金属電極層)であってもよいし、或いは光の反射のために設けられる例えば後述の反射板であってもよい。
【0062】
上述の如く反射層を有する表示デバイスの態様では、前記反射層は、前記エレクトロルミネッセンス発光層に対して前記裏側から駆動電圧を印加する一対の電極の一方として機能する金属電極層からなるように構成してもよい。
【0063】
このように構成すれば、エレクトロルミネッセンス表示デバイスに用いられる電極を、反射層として用いることが可能となる。従って、反射層は、反射のために用いるのみならず、エレクトロルミネッセンス発光層に電圧を印加する電極としても用いることが可能である。
【0064】
上述の如く反射層が一対の電極の一方として機能する金属電極層からなる表示デバイスの態様では、前記一対の電極の他方は、前記表示画面を基準とする前記エレクトロルミネッセンス発光層の前側に配置された透明電極層からなるように構成してもよい。
【0065】
このように構成すれば、金属電極層及び透明電極層の間に配置されたエレクトロルミネッセンス発光層から発せられた光及び該光が金属電極層によって反射された光を、透明電極層を介して表示画面側(即ち、表示画面を基準とするエレクトロルミネッセンス発光層の前側)に伝搬することが可能となる。従って、エレクトロルミネッセンス発光層から発せられた光により、表示画面に適切に画像を表示することで、該画像を適切に観察者に視覚させることが可能となる。
【0066】
尚、金属電極層の存在しない透光性部分に、エレクトロルミネッセンス発光層は存在しなくてもよいし存在してもよい。仮に、存在しても、金属電極層が存在しなければ、当該透光性部分において、エレクトロルミネッセンス発光層は、発光しないので、結局、発光部として機能することはない。
【0067】
以上、本発明の表示装置に係る実施形態によれば、第1表示手段と第2表示手段とを備える。このため、立体表示用の画像を変化させることなく、観察者に適切に視覚させることが可能となる。又、本発明の表示デバイスに係る実施形態によれば、複数の発光部と複数の透過部とを備える。このため、所望の画像を適宜表示可能であると共に、光透過性を有する構成を採ることが可能となる。また、本発明の表示装置に係る実施形態によれば、動画或いは静止画にかかわらず、同様の効果、即ち、観察者は、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0068】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の表示装置及び表示装置に係る実施例について説明する。
【0069】
(表示装置の実施例)
以下、図1から図4を参照して、本発明の表示装置に係る表示装置の実施例について説明する。
【0070】
(1)表示装置の基本構成
図1を参照して、本発明の表示装置に係る実施例の基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の表示装置に係る実施例の構成を示すブロック図である。
【0071】
図1に示すように表示装置1は、前画面11と、前画面11の後方に配置された後画面12と、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11に表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12に表示する第二駆動部16と、表示装置1の全体制御を行う制御部17とを備えて構成されている。
【0072】
前画面11及び後画面12は、表示装置1の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面11は、前方に配置され、後画面12は後方に配置されている。前画面11は、後方にある後画面12の画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性を必要とし、例えば上述の有機EL表示デバイスが用いられる。他方、後方に配置される後画面12は、有機EL表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイス、電界電子放出表示デバイス或いは液晶表示デバイスであってもよい。
【0073】
本実施例では特に、前画面11は、光を発する発光部11−1と、後画面12から発せられる光を透過する透過部11−2とを夫々複数備えた、後述するような本実施例に係る表示デバイスによって構成されている。前画面11は、当該発光部11−1により発せられた光により立体表示用の画像を形成する。又、透過部11−2は、後画面12により発せられた光を透過し、観察者に後画面12に表示される立体表示用の画像を視覚させる。これにより、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面11及び後画面12の間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。即ち、輝度変調方式の立体表示も可能である。
【0074】
尚、発光部11−1及び透過部11−2は、一つの画素毎に一つの発光部11−1と一つの透過部11−2とを有していてもよい。或いは、複数の画素毎に一つの発光部11−1と透過部11−2とを有していてもよい。いずれの場合も、発光部11−1と透過部11−2は、図1に示すように互いに隣り合うように、即ち格子状パターンに基づいて配置されるのが好ましい。但し、それ以外のパターンに基づいて配置されていてもよい。
【0075】
又、後画面12は、その画面全体が発光するものであってもよい。或いは、前画面12の発光部11−1と同様に、光を発する発光部12−1(図4参照)をその一部に有するものであってもよい。いずれにせよ、後画面12の発光部12−1から発せられた光は、前画面11の透過部11−2を透過することで、後画面12には適切な画像を表示可能である。
【0076】
画像発生部14は、前画面11及び後画面12に表示される画像を発生し、記憶している。又、外部から入力される画像、例えばパソコン等で作成された画像を所定の記録エリアに記録しておき、必要に応じて読み出すようにしてもよい。単位としての画像は夫々個別に管理されていて、独立して表示のための処理が可能である。前画面11及び後画面12の何れに表示させるかは勿論、例えば表示の位置、大きさ、明るさ、色相、表示形態、画像変形等についても個別に制御可能である。
【0077】
第一駆動部15及び第二駆動部16は、前画面11及び後画面12を夫々表示駆動するためのものであり、画像発生部14で形成された前画面11又は後画面12用の画像信号に基づいて表示駆動する。制御部17の制御に基づいて、表示のタイミングや点滅等の装飾的で効果的な駆動を行う機能を持たせても良い。
【0078】
制御部17は、表示装置1の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11及び後画面12の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。又、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作を制御する。
【0079】
(2)表示装置の動作原理
次に、図2から図4を参照して、本発明の表示装置に係る実施例の動作原理について説明する。ここに、図2は、本発明の表示装置に係る実施例の発光の様子を模式的に示す断面図であり、図3は、本発明の表示装置に係る実施例の比較例を模式的に示す断面図であり、図4は、本発明の表示装置に係る実施例の他の発光の様子を模式的に示す断面図である。
【0080】
図2に示すように、前画面11は、複数の発光部11−1と複数の透過部11−2とを有する。この場合、一つの発光部11−1と一つの透過部11−2との組み合わせにより、前画面11の一つの画素が形成されることが好ましい。但し、例えば後述するように、一つの発光部11−1及び一つの透過部11−2の夫々が一つの画素を形成するようにしてもよい。
【0081】
光透過性を有する前画面11の発光部11−1から発せられた光は、観察者の側及び観察者の側とは反対の側へ向かって伝搬する。即ち、発光部11−1から発せられた光のうち50パーセントは観察者の側へ伝搬し、残り50パーセントの光は観察者の側とは反対の側へ伝搬する。ここで、観察者の側とは反対の側へ向かって伝搬する光は、例えば後述の金属電極114(図5参照)或いは反射板119(図6参照)によって反射され、観察者の側へと伝搬することとなる。これにより、観察者の側とは反対の側へ伝搬した光を、適切に観察者の側へ無駄なく反射させることが可能となる。即ち、発光部11−1から発せられた光は、その100%が観察者の側へ伝搬することとなる。
【0082】
従って、一つの画素を発光部11−1と透過部11−2とに分割しても、一つの画素全体として発せられる光量は変化しないこととなる。このため、前画面11において、発光部11−1及び透過部11−2に画素分割していない画面に表示される画像と同等の画像を表示可能となる。また、透過部11−2は、光を発することはない。
【0083】
そして、複数の発光部11−1により、前画面11に立体表示用の画像が表示される。ここで、実際に前画面11に表示される画像は、その透過部11−2に該当する部分の画像が表示されていない状態となっている。しかしながら、一つの画素は観察者の目で識別困難或いは不可能なほど小さい単位で構成されているため、当該画像は、観察者から見て、従来の画面(即ち、透過部11−2を有していない表示手段)に表示される画像と比較して、変化のない画像を視覚することとなる。
【0084】
一方、後画面12により発せられた光は、透過部11−2を透過して、観察者に視覚されることとなる。この場合、後画面12より発せられた光のうち発光部11−1へ伝搬する光は、例えば後述の金属電極(図5参照)或いは反射板(図6参照)によって反射され、観察者に視覚されることはない。即ち、透過部11−2に伝搬する光のみを観察者は視覚することとなる。
【0085】
ここで、本発明の表示装置に係る実施例の比較例として、仮に前画面11を発光部11−1と透過部11−2とに分割していない場合の表示装置について説明する。
【0086】
図3に示すように、前画面11a及び後画面12はその全体が発光することとなる。この場合、前画面11aから発せられた光のうち観察者の側とは反対の側へ伝搬する光は、後画面12の表面においてその一部或いは全部が反射することとなる。このため、観察者は、この反射光を後画面12に映り込んだ画像として視覚することとなる。即ち、観察者は、前画面11a及び後画面12に表示される画像に加えて、前画面11aに表示される画像が後画面12によって反射された画像を同時に視覚することとなる。このような状況は、複数の画像を観察者の視線上において重ねて視覚させる立体表示方式においては、適切な立体感のある画像を表示することが困難或いは不可能という状態を発生させる要因ともなりうる。
【0087】
しかるに本発明の表示装置に係る実施例によれば、上述の比較例において見られる前画面11aから後画面12へ伝搬する光をなくすことが可能となる。このため、前画面11に表示される画像が、後画面12の画面上に映り込むことを防止することが可能という大きな利点を有する。従って、前画面11及び後画面12の夫々に表示される画像を、観察者の視線上において適切に重ねて表示可能となる。これにより、観察者は、前画面11及び後画面12に表示される画像のみを適切に視覚することが可能となり、その結果、適切な立体感のある画像を視覚することが可能となる。
【0088】
又、図4に示すように、複数の第2発光部12−1をその一部に備える後画面12aを備えた表示装置101であっても表示装置100と同様の効果を得ることが可能となる。加えて、後画面12aの一部の領域のみを発光させるのみで足り、消費電力量を低減可能という大きな利点を有する。
【0089】
尚、この場合、前画面11の透過部11−2の後方に後画面12aの発光部12−1が形成されるのが好ましい。即ち、後画面12aの発光部12−1から発せられた光が適切に前画面11の透過部11−2を透過するように発光部12−1が形成されるのが好ましい。これにより、発光部12−1から発せられた光が、前画面11の発光部11−1に設けられた例えば後述の金属電極(図5参照)或いは反射板(図6参照)によって反射されることを防止することが可能となる。従って、反射される光がノイズ光として観察者に視覚されることを防止することが可能となる。
【0090】
(表示デバイスの実施例)
続いて、図5から図11を参照して本発明の表示デバイスに係る実施例について説明する。
【0091】
(1)表示デバイスの基本構成
図5から図7を参照して、本発明の表示デバイスに係る実施例の構成について説明する。ここに、図5は、本発明の表示デバイスに係る実施例の一の具体例を模式的に示す断面図であり、図6は、本発明の表示デバイスに係る実施例の他の具体例を模式的に示す断面図であり、図7は、本発明の表示デバイスに係る実施例の他の具体例を模式的に示す断面図である。
【0092】
図5に示すように、本実施例に係る表示デバイス1は構成されている。即ち、表示デバイス1は、有機エレクトロルミネッセンス発光層111(以下、適宜“エレクトロルミネッセンス”を“EL”と称する)と、基板112と、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・スズ・オキサイド)電極(陽極)113と、金属電極(陰極)114と、絶縁膜115と、陰極隔壁116と、透明ガラス封止缶117とを備えて構成されている。即ち、表示デバイス1は、ボトムエミッション方式の有機EL表示デバイスにより構成されている。
【0093】
有機EL発光層111は、何れも図示しない、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含んで構成されている。正孔注入層は、例えばCuPc(銅フタロシアニン)により、正孔輸送層は、例えばNPB(N,N−di(naphthalene−1−yl)−N,N−diphenyl−benzidene)により、発光層は、例えばAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)により、電子輸送層は、例えばBCP(バソキュプロイン又はバトクプロイン:bathocuproine)により、電子注入層は、例えばLiF(フッ化リチウム)により、それぞれ形成されている。尚、有機EL発光層111は表示デバイス1の一つの画素毎に一つ含まれていてもよいし、複数の画素毎に一つ含まれていてもよい。
【0094】
尚、有機EL発光層111の夫々は、ITO電極113及び金属電極114と共に格子パターンにて配置されていることが好ましい。
【0095】
基板112は、有機EL発光層111を保護し、支持するためのものであり、例えばガラス基板を含んでなる。又、ポリマーフィルムを基板として用いてもよい。表示デバイス1においては、観察者は基板112を介して、有機EL発光層111の発光により形成される画像を視覚することとなる。
【0096】
ITO電極113は、本発明に係る「透明電極層」の一例であり、光透過性を有するアノード電極である。又、アノード電極として、ITO電極に代えて、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム・亜鉛・オキサイド)電極であってもよい。
【0097】
金属電極114は、本発明に係る「金属電極層」の一例であり、ITO電極113との間に形成される有機EL発光層111に電圧を印加する。電圧が印加された有機EL発光層111は発光することとなる。又、有機EL発光層111から発せられた光のうち、観察者の側とは反対の側(即ち、図5において基板112の反対側)へ伝搬する光を、基板112側へ反射する。このため、金属電極114は、反射率の高いアルミニウムで形成されることが好ましい。但し、光を反射可能であればこれに限らず金属電極114を形成することは可能である。
【0098】
ここで、金属電極114は特に、有機EL発光層111の一部の領域上に形成され、該一部の領域にのみ電圧を印加する。金属電極114が形成されない有機EL発光層111の他の領域は、光を発することなく、光透過性を有することとなる。即ち、金属電極114とITO電極113によってはさまれた有機EL発光層111の一部の領域が発光部11−1を形成し、金属電極114が形成されていない有機EL発光層111の他の領域が透過部11−2を形成することとなる。
【0099】
尚、金属電極114が形成されない部分には、有機EL発光層111は形成されていなくともよい。この場合、金属電極114及びITO電極114によってはさまれた有機EL発光層111が発光部11−1を形成し、有機EL発光層111が形成されていない部分が透過部11−2を形成することとなる。
【0100】
絶縁膜115は、電流リークを抑えるためのものであり、例えばポリイミドによって、有機EL発光層111が形成される位置以外の基板上に形成される。
【0101】
陰極隔壁116は、陰極(即ち、金属電極114)形成の際に、任意の形状にパターニングするために、陰極が形成される部分を除いて絶縁膜115の上に形成される。
【0102】
透明ガラス封止缶117は、上述の構成要素を、外部の影響から保護するためのものである。或いは、透明ガラス封止缶に加えて或いは代えて、透明封止膜を用いてもよい。
【0103】
以上のように構成することで、有機EL発光層111から発せられる光により、表示デバイス1は、所望の画像を表示可能となる。更に、金属電極114が形成されていない部分は、光透過性を有するため、表示デバイス1の後方に存在する画像、映像、風景或いは物体を視覚することが可能となる。
【0104】
加えて、一つの有機EL発光層111の夫々を発光部11−1と透過部11−2とに分割することで、画面の精細度を変化させることなく、表示デバイス1に適切に画像を表示可能となる。
【0105】
又、図6に示したように、トップエミッション方式の有機EL表示デバイス用いても、上述した表示デバイス1と同様の効果を得ることが可能である。
【0106】
この場合、図6に示すように、表示デバイス2は、図5に示す金属電極114に代えて、本発明に係る「透明電極層」の一例たる透明電極118と、更に本発明に係る「反射層」の一例たる反射板119とを備える。
【0107】
透明電極118は、例えばITOを含んでなる光透過性を有するカソード電極である。又、透明電極118は、IZOを含む電極或いは薄膜状の金属電極であってもよい。透明電極118は、図5に示した金属電極114と同様に、有機EL発光層111の一部の領域上に形成され、発光部11−1を形成する。
【0108】
反射板119は、例えばアルミニウム等の反射率の高い金属を含んで形成されている。反射板119は、透明電極118とITO電極113との間の部分を占める有機EL発光部11−1が発する光を観察者の側へ伝搬可能なように構成されている。従って、図1の場合と同様に、表示デバイス2により発せられた光は、その全てが観察者の側(即ち、図6において基板112と反対の側)へ伝搬することとなる。
【0109】
このような、トップエミッション方式の有機EL表示デバイスを用いても、図5に示す表示デバイス1と同様の効果を得ることが可能となる。
【0110】
更に、図5及び図6に示した例のように一つの有機EL発光層111毎に発光部11−1及び透過部11−2を形成しなくとも、図7に示すように、一つの有機EL発光層111を発光部11−1とし、有機EL発光層111が形成されていない部分を透過部11−2とする構成をとる表示デバイス3であっても本実施例に係る表示デバイスと同様の効果を得ることが可能である。
【0111】
図7に示すように、表示デバイス3は、有機EL発光層111が形成される領域が発光部11−1を形成し、有機EL発光層111及び陰極隔壁116の何れもが形成されない領域が透過部11−2を形成している。この場合、発光部11−1と透過部11−2とが互いに隣り合うように有機EL発光層111が形成されるのが好ましい。但し、互いに隣り合うように有機EL発光層111が形成されていなくともよい。
【0112】
(2)表示デバイスの製造方法
続いて、図8から図11を参照して、本発明の表示デバイスに係る実施例、特に表示デバイス1の製造方法について説明する。ここに、図8は、製造工程における一の過程を模式的に示す断面図であり、図9は、製造工程における他の過程を模式的に示す断面図であり、図10は、製造工程における他の過程を模式的に示す断面図であり、図11は、製造工程が終了した後の表示デバイスを模式的に示す断面図である。
【0113】
本発明の実施例に係る表示デバイスを製造するにあたり、まず、図8に示すように、基板112を用意する。
【0114】
次に、図8に示すように、基板112のいずれか一方の表面にITO電極113を形成する。具体的には、まず、基板112のいずれか一方の表面にスパッタリング等によりパターンニングを行い、ITO電極113を形成する。
【0115】
次に、図10に示すように、基板112上に形成したITO電極上に、絶縁膜115、陰極隔壁116、有機EL発光層111、金属電極114を形成する。これらの部材の形成方法は、周知の方法を用いればよい。例えば、まず、絶縁膜115を、画素を形成すべき部分以外の部分にパターンニングを行って形成する。そして、その絶縁膜115上に、陰極隔壁116を形成する。次に、有機EL発光層111を、パターンマスクを用いて真空蒸着法により成膜し、有機EL発光層111上に、金属電極114を真空蒸着法により成膜する。ここで、金属電極114のパターンニングは、陰極隔壁法でなくマスクを用いて有機EL発光層111の一部の領域上に形成されるように行う。即ち、発光部11−1に該当する部分にのみ金属電極114を形成し、金属電極114が形成されていない有機EL発光層111の領域は光透過性を有する透過部11−2となる。
【0116】
次に、図11に示すように、基板112の有機EL発光層111等が形成された側の面にて、有機EL発光層111、ITO電極113、金属電極114、絶縁膜115及び陰極隔壁116を覆うように、ガラス封止缶117を形成する。
【0117】
以上の製造工程を経て、図11に示す表示デバイス1が完成する。
【0118】
尚、有機EL発光層111は、発光部11−1及び透過部11−2の何れの領域にも形成されたが、発光部11−1に該当する部分にのみ形成されてもよい。即ち、この場合、パターンマスクを所望の形状(即ち、発光部11−1に該当する部分以外がマスクされている形状)にし、該パターンマスクにより有機EL発光層111を成膜してもよい。この場合、原料となる例えばAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)の使用量を低減可能という、大きな利点を有する。
【0119】
尚、図5から図11において示した有機EL発光層111は一つ又は二つであるが、説明の便宜上一つ又は二つの有機EL発光層111を有する表示デバイスに係る図にて説明したものであり、実際の表示デバイスにおいては、その使用態様により所望数の有機EL発光層111が形成されることとなる。
(表示装置の具体例)
次に、図12から図16を参照して、本発明の表示装置に係る実施例において、より具体的な例について説明する。ここに、図12は、本発明の表示装置に係る実施例の一の具体例を模式的に示す断面図であり、図13は、本発明の表示装置に係る実施例の他の具体例を模式的に示す断面図であり、図14は、本発明の表示装置に係る実施例の他の具体例を模式的に示す断面図であり、図15は、図12に示す一の具体例を模式的に示す斜視図であり、図16は、図13に示す他の具体例を模式的に示す斜視図である。尚、図12から図16において、上述の本発明の表示デバイスに係る実施例と同様の構成要素には、同様の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
【0120】
図12に示すように、本実施例に係る表示装置102は構成されている。即ち、前画面11bは、有機EL発光層111と、基板112と、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・スズ・オキサイド)電極(陽極)113と、金属電極(陰極)114と、絶縁膜115と、陰極隔壁116と、透明ガラス封止缶117とを備えて構成されており、後画面12bは、有機EL発光層121と、基板122と、ITO電極(陽極)123と、金属電極(陰極)124と、絶縁膜125と、陰極隔壁126と、透明ガラス封止缶127とを備えて構成されている。即ち、前画面11b及び後画面12bは、共にボトムエミッション方式の有機EL表示デバイスを用いている。特に前画面11bには、本発明の表示デバイスに係る実施例の一の具体例たる表示デバイス1を用いている。
【0121】
有機EL発光層121は、何れも図示しない、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含んで構成されている。正孔注入層は、例えばCuPc(銅フタロシアニン)により、正孔輸送層は、例えばNPB(N,N−di(naphthalene−1−yl)−N,N−diphenyl−benzidene)により、発光層は、例えばAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)により、電子輸送層は、例えばBCP(バソキュプロイン又はバトクプロイン:bathocuproine)により、電子注入層は、例えばLiF(フッ化リチウム)により、それぞれ形成されている。当該有機EL発光層121が後画面12bの一つの画素を形成することとなる。尚、有機EL発光層121の夫々は、有機EL発光層111のそれぞれと相等しい大きさを有していることが好ましい。但し、相等しい大きさでなくともよい。
【0122】
基板122は、有機EL発光層121を保護し、支持するためのものであり、例えばガラス基板を含んでなる。又、ポリマーフィルムを基板として用いてもよい。
【0123】
ITO電極123は、光透過性を有するアノード電極である。又、アノード電極として、ITO電極に代えて、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム・亜鉛・オキサイド)電極であってもよい。
【0124】
金属電極124は、例えばアルミニウムにより形成されている。該金属電極124とITO電極123との間に電圧が印加され、電圧が印加された有機EL発光層121が発光することとなる、又、有機EL発光層121から発せられた光のうち、観察者の側とは反対の側へ伝搬する光を、基板122側へ反射する。このため、金属電極124は、反射率の高いアルミニウムで形成されることが好ましい。但し、光を反射可能であればこれに限らず金属電極124を形成することは可能である。
【0125】
尚、後画面12bの金属電極124は、有機EL発光層121の全体に形成されていてもよいし、少なくとも前画面11bの透過部11−2を透過する光を発するように、有機EL発光層121の一部の領域上に形成されていてもよい。この場合、有機EL発光層121の発光する部分が、前画面11bの透過部11−2と対応するように金属電極124が形成されるのが好ましい。これにより、有機EL発光層121を発光させる消費電力を低減可能となるという大きな利点を有する。更に、後画面12bから発せられた光が、前画面11の金属電極114によって反射され、ノイズ光として観察者に視覚されるという不都合を防ぐことが可能となる。金属電極124が有機EL発光層121の一部の領域上に形成される場合には、有機EL発光層121は、金属電極124が形成されない部分には形成されていなくともよい。
【0126】
絶縁膜125は、電流リークを抑えるためのものであり、例えばポリイミドによって、有機EL発光層121が形成される位置以外の基板上に形成される。
【0127】
陰極隔壁126は、陰極(即ち、金属電極124)形成の際に、任意の形状にパターニングするために、陰極が形成される部分を除いて絶縁膜125の上に形成される。
【0128】
透明ガラス封止缶127は、上述の構成要素を、外部の影響から保護するためのものである。或いは、透明ガラス封止缶に加えて或いは代えて、透明封止膜を用いてもよい。
【0129】
尚、後画面12bは、周知の方法を用いて製造可能である。或いは、有機EL発光層121の一部の領域上に金属電極124を形成する場合には、図4から図7で説明した方法で製造可能である。
【0130】
以上のように構成することで、前画面11bから発せられた光が、後画面12bへ伝搬し、当該光が例えば基板122に写り込んで観察者に視覚されるという不都合を防ぐことが可能となる。即ち、前画面11b及び後画面12bの夫々に表示される画像を適切に観察者の視線上において重ねて視覚させることが可能となる。更に、一つの有機EL発光層111を発光部11−1と透過部11−2とに分割することで画素数を減少させることなく、即ち画面の精細度を変化させることなく、前画面11bに立体表示用の画像を表示することが可能となる。従って、観察者は、前画面11b及び後画面12bの夫々に表示される画像を、視線上において適切に重ねて視覚することで、好適に立体感のある画像を視覚することが可能となる。
【0131】
尚、観察者は、前画面11bの有機EL発光層111の発光と、該有機EL発光層111に対応した後画面12bの有機EL発光層121の発光とを視線上において重ねて視覚し、一つの画素として認識することとなる。
【0132】
加えて、有機EL発光層121の発光する部分が、前画面11bの透過部11−2と対応するように金属電極124が有機EL発光層121の一部の領域上に形成されていれば、ノイズ光の発生を低減或いは防止することが可能となる。従って、観察者は前画面11b及び後画面12bの夫々に表示される画像を視線上においてより適切に重ねて視覚することが可能となる。但し、このように金属電極124を形成しなくとも、観察者は前画面11b及び後画面12bの夫々に表示される画像を視線上において適切に重ねて視覚することは可能である。
【0133】
又、前画面11及び後画面12の双方にボトムエミッション方式の有機EL表示デバイスを用いなくとも、例えば、前画面11にトップエミッション方式の有機EL表示デバイス(即ち、本発明の表示デバイスに係る実施例の一の具体例たる表示デバイス2)を用いても、上述の如き本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。
【0134】
更に、一つの有機EL発光層111毎に発光部11−1及び透過部11−2を形成しなくとも、図13に示すように、一つの有機EL発光層111を発光部11−1とし、有機EL発光層111が形成されない部分を透過部11−2とする構成をとる表示装置103であっても本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。
【0135】
図13に示すように、前画面11cは、有機EL発光層111が形成される領域に発光部11−1を形成し、有機EL発光層111及び陰極隔壁116の何れもが形成されない領域に透過部11−2を形成している。この場合、発光部11−1と透過部11−2とが互いに隣り合うように有機EL発光層111が形成されるのが好ましい。
【0136】
又、後画面12cは、前画面11cの透過部11−2を透過する光を発するように有機EL発光層121が形成されている。この場合、前画面11cの有機EL発光層111と、該有機EL発光層111の発する光と観察者の視線上において重ねて視覚される光を発する後画面12cの有機EL発光層121とが一つの画素を形成することとなる。尚、後画面12cは、前画面11cの発光部11−1に向かって伝搬する光を発するような有機EL発光層121が更に形成されていてもよい。
【0137】
以上のような構成であっても、図12に示した表示装置102と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、前画面11cから発せられた光が、後画面12cへ伝搬し、当該光が例えば基板122に写り込んで観察者に視覚されるという不都合を防ぐことが可能となる。
【0138】
更に、有機EL表示デバイスを用いた形態では、図14に示すように、一枚の基板の一方の表面上に前画面11dを形成し、他方の表面上に後画面11dを形成した有機EL表示デバイスからなる表示装置104であっても、本実施例に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0139】
このように構成しても、上述の図12及び図13に係る表示装置102及び103と同様に、前画面11dから発せられた光が、後画面12dへ伝搬し、当該光が例えば基板122に写り込んで観察者に視覚されるという不都合を防ぐことが可能となる。
【0140】
続いて、図15に示すように、図12に示した前画面11b及び後画面12bの斜視図により一つの有機EL発光層111ごとに発光部11−1及び透過部11−2の夫々が形成されている表示装置102について説明する。尚、図15においては、図12中において説明した構成部分のうち一部の構成部分のみを抜き出して示している。
【0141】
この場合、金属電極114(124)と、ITO電極113(123)とが交差する部分に形成された有機EL発光層111(121)にのみ電圧が印加され、発光部11−1を形成する。尚、上述したように、有機EL発光層111(121)は、金属電極114(124)と、ITO電極113(123)とが交差する部分にのみ形成されるような構成であってもよい。尚、図15においては、金属電極124は、有機EL発光層121の一部の領域上に形成され、透過部11−2を透過する光を発するように形成されている。
【0142】
続いて、図16に示すように、図13に示した前画面11c及び後画面12cの斜視図により一つの有機EL発光層111が発光部11−1を形成している表示装置103について説明する。尚、図16においては、図13中において説明した構成部分のうち一部の構成部分のみを抜き出して示している。
【0143】
この場合、金属電極114(124)が形成されている画素のみが発光することとなり、金属電極114(124)が形成されていない部分は発光することなく、透過部11−2となる。又、透過部11−2となる部分については、有機EL発光層111は形成されていなくともよい。即ち、透過部11−2となる部分は、後画面12cにより発せられる光を透過可能であればよい。尚、図16においては、金属電極124は、透過部11−2を透過する光を発するように、所定の領域上に形成されている。金属電極124が形成されていない領域には、有機EL発光層124は形成されていなくともよい。
【0144】
尚、本実施例においては、二つの画面(即ち、前画面11及び後画面12)を有する表示装置について説明したが、三つ以上の画面を有する表示装置であっても、同様の効果を得ることが可能である。この場合、夫々の画面における発光部と透過部とを、上述の実施例に従って夫々対応させて配置することが好ましい。即ち、一の画面の発光部が出射する光は、一の画面の前方に配置される画面の透過部を透過し、一の画面の透過部は、一の画面の後方に配置される画面の発光部が出射する光を透過するように構成することが好ましい。
【0145】
本発明は、上述した実施形態並びに実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置も又本発明の技術思想に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置に係る実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の表示装置に係る実施例の構成を概念的に示す模式図である。
【図3】本発明の表示装置に係る実施例の比較例として、従来の構成による表示装置を概念的に示す模式図である。
【図4】本発明の表示装置に係る実施例の他の構成を概念的に示す模式図である。
【図5】本発明の表示デバイスに係る実施例の一の構成に係る具体例を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の表示デバイスに係る実施例の他の構成に係る具体例を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の表示デバイスに係る実施例の他の構成に係る具体例を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の表示デバイスに係る実施例の製造時の一の形態を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の表示デバイスに係る実施例の製造時の他の形態を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の表示デバイスに係る実施例の製造時の他の形態を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明の表示デバイスに係る実施例の製造時の他の形態を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の一の具体例を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の他の具体例を模式的に示す断面図である。
【図14】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の他の具体例を模式的に示す断面図である。
【図15】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の一の具体例を模式的に示す斜視図である。
【図16】本発明の表示装置に係る実施例において、有機EL表示デバイスを用いた場合の他の具体例を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1、2、3、4・・・表示デバイス
11、11a、11b、11c・・・前画面
11−1・・・発光部
11−2・・・透過部
12、12a、12b、12c・・・後画面
14・・・画像発生部
15・・・第一駆動部
16・・・第二駆動部
17・・・制御部
100、101、102、103、104・・・表示装置
111、121・・・有機EL発光層
114、124・・・金属電極
118・・・透明電極
119・・・反射板
Claims (12)
- 観察者の視線上で複数の画像を、所定距離を隔てて重ねて表示することで立体表示を行う表示装置であって、
(i)表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の第1発光部と、前記表示画面内における前記複数の第1発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部とを備えた表示デバイスを含んでなる第1表示手段と、
(ii)前記観察者から見て前記第1表示手段の後方に相前後して配置された第2表示手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。 - 前記第2表示手段は、表示画面内の少なくとも一部に離散的に平面配置されており光を発する複数の第2発光部を備えた他の表示デバイスを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記第2発光部は、一画素毎に一つずつ又は複数画素毎に一つずつ平面配置されていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
- 前記第2発光部の夫々は、前記透過部の夫々に対応して平面配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置。
- 前記第2発光部の夫々の大きさは、前記透過部の夫々の大きさと相等しいことを特著とする請求項2から4のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記第2表示手段は、エレクトロルミネッセンス表示デバイスであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
- 表示画面内に離散的に平面配置されており光を発する複数の発光部と、
前記表示画面内における前記複数の発光部が占める各領域を除く領域内に離散的に平面配置されており光を透過する複数の透過部と
を備えたことを特徴とする表示デバイス。 - 前記複数の発光部は、一画素毎に一つずつ又は複数画素毎に一つずつ平面配置されていることを特徴とする請求項7に記載の表示デバイス。
- 前記複数の発光部及び前記複数の透過部は、少なくとも夫々一つずつ同一画素内に平面配置されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の表示デバイス。
- 前記複数の発光部は夫々、エレクトロルミネッセンス発光層と前記表示画面を基準とする前記エレクトロルミネッセンス発光層の裏側に配置された反射層とを有し、
前記複数の透過部は、前記反射層の間隙に位置する透光性部分を有することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の表示デバイス。 - 前記反射層は、前記エレクトロルミネッセンス発光層に対して前記裏側から駆動電圧を印加する一対の電極の一方として機能する金属電極層からなることを特徴とする請求項10に記載の表示デバイス。
- 前記一対の電極の他方は、前記表示画面を基準とする前記エレクトロルミネッセンス発光層の前側に配置された透明電極層からなることを特徴とする請求項11に記載の表示デバイス。
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