JP2004226664A - シャッター付き光コネクタ、シャッターユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】光コネクタアダプタなどのコネクタハウジングのコネクタ穴の奥側の被接続側光コネクタからの出射光をシャッターによって遮光する技術に関し、コネクタハウジングの大型化などの影響を与えること無く、シャッターを設置できる技術の開発が求められていた。
【解決手段】組込用の本体部51に遮光用のシャッター片53A、53Bを軸支した構成のシャッターユニット15を、コネクタハウジング14のコネクタ穴14a内に組み込む構成により、コネクタハウジング14を大型化することなく遮光を実現する。また、複数のシャッター片53A、53Bは、遮光位置にあるときにコネクタ穴14aを塞ぐように重なり合うため、コネクタ穴の防塵性も確保できる。
【選択図】 図8
【解決手段】組込用の本体部51に遮光用のシャッター片53A、53Bを軸支した構成のシャッターユニット15を、コネクタハウジング14のコネクタ穴14a内に組み込む構成により、コネクタハウジング14を大型化することなく遮光を実現する。また、複数のシャッター片53A、53Bは、遮光位置にあるときにコネクタ穴14aを塞ぐように重なり合うため、コネクタ穴の防塵性も確保できる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタに係り、特に、光コネクタが挿入、接続されるコネクタハウジングにおいて、被接続側光コネクタからの出射光を遮光するシャッターが設けられているシャッター付き光コネクタおよびこのシャッター付きコネクタに用いられるシャッターユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図18に示すように、例えば、光コネクタアダプタ1のコネクタ穴2に光コネクタ3(光コネクタプラグ)を挿入して、光コネクタアダプタ1に逆側から挿入接続されている光コネクタ4(光コネクタプラグ。以下「アダプタ側光コネクタ」と称する場合がある)に対して接続する場合、アダプタ側光コネクタ4先端からの出射光Hが、挿入側の光コネクタ3を操作する作業者の目に入らないように防護したい要求がある。同様の要求は、例えば、光コネクタレセプタクルなどの各種コネクタハウジングに対する光コネクタの挿入、接続に共通に存在する。
前述の要求に鑑みて、例えば、光コネクタアダプタ1のコネクタ穴2の開口部付近に、コネクタ穴2を開閉する蓋を取り付け、アダプタ側光コネクタ4からの出遮光を遮光することが幾つか提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−201953号公報
【特許文献2】
特開2002−243978号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の蓋による遮光には、以下のような問題があった。
(1)多くのものは、光コネクタの挿入時に手動で開放操作する必要があり、この操作の手間が面倒である。
(2)光コネクタアダプタに開閉自在に取り付けるための構成が複雑であり、多数の部品によって構成されるものが多く、コストが高くなる。この場合、小型化が困難であり、光コネクタアダプタの大幅な設計変更、大型化が必要となる。
(3)前記(2)のように小型化が困難なことから、光コネクタアダプタの多心化、コネクタ取付穴の高密度化、小型化に対応できない。
【0005】
また、近年、電気、電子機器について電磁波シールド性能の要求が高まっており、筐体内部の電子部品などが外部の電磁波の影響を受けないように保護したり、機器からの電磁波の放射を防止して外部の他の電気、電子機器に電磁波の影響を与えないようにするために、導電性を有する金属製筐体など、電磁波シールド性能を有する筐体の採用が普及しているが、図19〜図21に例示するように、光コネクタアダプタ1を筐体5の取付壁6に取り付けるには、光コネクタアダプタ1を挿入可能な大きさのコネクタ取付穴7を取付壁6に形成する必要がある。また、光コネクタアダプタ1としてはプラスチック製のものが広く用いられており、このようなプラスチック製の光コネクタアダプタ1をコネクタ取付穴7に挿入して取付壁6に取り付けた場合、筐体5が電磁波シールド性能を有するものであっても、コネクタ取付穴7の電磁波シールド性能を確保することができない。これに鑑みて、光コネクタアダプタ1の外側に導電性のカバーを取り付けることが検討されている。
【0006】
しかしながら、例えば、この導電性のカバーを光コネクタアダプタ1のコネクタ穴2の開口部付近にまで設けることは、光コネクタアダプタ1に対する光コネクタ3の接続作業性の確保の点で事実上不可能であるため、結局、コネクタ取付穴7の電磁波シールド性を確保できない。このため、機器の筐体などの取付壁に形成されたコネクタ取付穴の電磁波シールド(遮蔽)を効果的に実現できる技術の開発が求められていた。なお、この電磁波シールドの問題も光コネクタアダプタに限定されず、例えば、光コネクタレセプタクルなど、光コネクタプラグが挿入接続される構成の各種光コネクタについても、取り付けのために取付壁にコネクタ取付穴を形成する場合に共通して生じる。
【0007】
本発明は、前記課題に鑑みて、遮光用のシャッターの小型化、低コスト化が容易で、しかも、取り付け位置精度、取り付け安定性も確保でき、コネクタハウジングの小型化、高密度化(コネクタ取付穴の高密度化)を実現でき、また、機器の筐体などの取付壁に形成されたコネクタ取付穴に位置決めして取り付けることで、コネクタ取付穴の電磁波シールド性の確保も容易に実現できるシャッター付き光コネクタの提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
本発明では、光コネクタが挿入、接続されるコネクタ穴内にて前記光コネクタと被接続側光コネクタとが接続されるようになっているコネクタハウジングに、前記被接続側光コネクタから出射される光を遮光するシャッターユニットが組み込まれており、前記シャッターユニットは、前記コネクタハウジングに取り付けられる本体部と、コネクタ穴の内面付近にて前記本体部と連結されており、この本体部から前記コネクタ穴に突出するようにして配置されることで、前記被接続側光コネクタの先端に露出する光ファイバからの出射光を遮光する舌片状の前記シャッター片とを有し、前記コネクタハウジングには、本体部との連結部を中心とする回転変位によって、前記連結部からコネクタ穴に突出する遮光位置と、前記コネクタ穴へ挿入した前記光コネクタによって前記コネクタ穴内への突出量を減少するように押し倒されて前記光コネクタの前記被接続側光コネクタに対する接続を可能とする待避位置とを切り替え自在として前記本体部に連結されている前記シャッター片が複数設けられており、しかも、各シャッター片が前記遮光位置にあるときに、シャッター片同士がコネクタ穴を塞ぐように重なり合うことを特徴とするシャッター付き光コネクタを提供する。
また、本発明では、光コネクタが挿入、接続されるコネクタ穴内にて前記光コネクタと被接続側光コネクタとが接続されるようになっているコネクタハウジングに組み込まれる本体部と、この本体部から前記コネクタハウジングのコネクタ穴に突出するようにして配置される舌片状のシャッター片とを有し、前記本体部は、前記光コネクタ及び/又は被接続側光コネクタが挿入可能な窓が形成されていて、この窓を前記コネクタ穴に連通させて前記コネクタ穴を横切る向きで前記コネクタハウジングに設けられる主板部と、この主板部の対向する両側から該主板部の一方の面の側に立ち上げるようにして張り出された一対の張り出し部とを有し、各張り出し部には、前記シャッター片が、該張り出し部との連結部を中心とする回転変位によって、前記連結部から一対の張り出し部間の空間に突出する遮光位置と、押し倒しによって前記連結部から主板部の側に延びる姿勢である待避位置とを切り替え自在として連結されており、しかも、シャッター片が前記遮光位置から回転変位したときには、前記連結部自体あるいは該連結部とは別に設けられた弾性部材がシャッター片を前記遮光位置に押し戻す押し戻し用付勢部材として機能するようになっており、両側のシャッター片が前記遮光位置にあるときに、シャッター片同士がコネクタ穴を塞ぐように重なり合うことを特徴とするシャッターユニット(以下、このシャッターユニットを、一括組込型シャッターユニットと称する場合がある)を提供する。
なお、本発明に係るシャッター付き光コネクタに適用するシャッターユニットとしては、一括組込型シャッターユニットに限定されず、例えば、図に示すように、コネクタハウジングに取り付けられる本体部(ブラケット)にシャッター片が1枚のみ連結されている構成のシャッターユニット(以下、このシャッターユニットを、分割組込型シャッターユニットと称する場合がある)も採用可能である。分割組込型シャッターユニットを採用する場合は、コネクタハウジングに複数組み込んで、重ね合わせによってコネクタ穴を塞ぐことができるシャッター片の組を構成する。
【0009】
この発明に係るシャッター付き光コネクタのコネクタハウジングは、例えば、光コネクタアダプタのように、対向する両側から挿入、接続された光コネクタプラグ同士が内部で接続される構成のものや、コネクタ穴への光コネクタプラグの挿入によって光コネクタプラグと光接続される光コネクタ(光コネクタフェルールなど)を内蔵する光コネクタレセプタクル等、光コネクタプラグが挿入、接続されるコネクタ穴を有する光コネクタである。
シャッター片は、被接続側光コネクタからの出射光を遮光できる遮光性を有するものであり、コネクタ穴の軸方向に対して傾斜させて(傾斜角度90度も含む)本体部から延出されることで、コネクタ穴内にて、コネクタハウジング内の被接続側光コネクタからの出射光を遮光可能に配置される。シャッター片は、被接続側光コネクタからの出射光を遮光する位置(以下、「遮光位置」とも言う。)に配置される。本発明では、コネクタハウジング内に配置される複数のシャッター片の内、少なくとも一方が遮光位置に配置されることで、遮光を満足する。
【0010】
被接続側光コネクタとは、光コネクタアダプタ(コネクタハウジング)においては、コネクタ穴への光コネクタの挿入前に、先行してコネクタ穴に挿入されている光コネクタプラグのことを指し、コネクタ穴への光コネクタの挿入によって、コネクタ穴内で光コネクタと接続される。光コネクタレセプタクル(コネクタハウジング)においては、例えば、図17(a)、(b)に示すように、光コネクタレセプタクル45a、45bのハウジング45hに組み込まれてコネクタ穴46奥側(図17(a)、(b)右側)に配置され、コネクタ穴46に挿入された光コネクタ7が接続されるようになっている部分が被接続側光コネクタである。図17(a)の光コネクタレセプタクル45aでは、ハウジング45hと別体の光コネクタ48であるが、これに限定されず、例えば図17(b)に示す光コネクタレセプタクル45bのように、ハウジング45hの一部をコネクタ状に成形した部分49(この部分48が被接続側光コネクタ)であっても良い。なお、図17(a)、(b)では、シャッターユニットの本体部の図示を省略している。
【0011】
本発明では、シャッターユニットのシャッター片(図17(a)、(b)では符号40)は、被接続側光コネクタ先端に露出する光ファイバに対面するようにして配置される。コネクタハウジングのコネクタ穴に光コネクタを挿入していくと、シャッター片は、光コネクタからの押圧力によって、コネクタ穴内への突出量を減少するように押し倒されてゆき、被接続側光コネクタに対する光コネクタの接続作業の障害にならない。
なお、本発明では、コネクタ穴から光コネクタが抜き去られたときに、シャッター片を遮光位置に復帰させる構成を採用するが、この構成(押し戻し用付勢部材)としては、例えば、シャッターユニットの構成部材の一部をバネ状に成形した部分(シャッター片自体、連結部自体をバネ状に成形した構成、シャッターユニットの本体部やシャッター片からバネ状に成形した突起など)、シャッターユニットに別途設けたバネ等の弾性部材、などが採用可能である。また、磁気吸着、光コネクタとの係脱自在な係合なども採用可能である。
【0012】
本発明では、コネクタハウジング内に設けられた複数のシャッター片がいずれも遮光位置にあるとき、これらシャッター片によって、コネクタ穴全体が塞がれる(コネクタ穴がその断面方向ほぼ全体にわたって塞がれる)ようになっており、被接続側光コネクタからの出射光の確実な遮光を実現できるとともに、特にコネクタ穴の防塵性確保の点で有利である。
また、複数のシャッター片によってコネクタ穴をその断面方向(軸方向に直交する方向)ほぼ全体にわたって塞ぐ構成であれば、1枚のシャッター片の大きさを小さくすることが可能である。シャッター片は、光コネクタの押圧によるコネクタ穴内での移動(押し倒しや遮光位置への復帰)を可能にするために、コネクタ穴内の突起などとの干渉を回避する形状に形成される。小型のシャッター片であれば、コネクタ穴内での可動範囲の縮小が可能であり、コネクタ穴内の突起などの干渉を少なくできることから、コネクタ穴の断面全体をより確実に塞ぐ大きさに形成してコネクタ穴内の防塵性の向上を図る点で有利である。
【0013】
また、この発明では、前記コネクタハウジングのコネクタ穴には、前記光コネクタと前記被接続光コネクタとの接続位置付近に、導電性を有する遮蔽部材が収納されており、前記遮蔽部材には、前記光コネクタ先端のフェルール及び/又は前記被接続側光コネクタ先端のフェルールが挿通可能な窓が形成されている構成も採用可能である。
遮蔽部材としては、例えば、一括組込型のシャッターユニットの主板部なども利用できるが、これに限らず、一括組込型のシャッターユニットの主板部に沿わせるようにして配置される板状あるいは駒状のもの、一括組込型以外のシャッターユニットが組み込まれているコネクタハウジングに内装される板状あるいは駒状のものなど、各種構成が採用可能である。なお、一括組込型のシャッターユニットと、これとは別体の遮蔽板部とを、コネクタハウジングに組み込む場合は、シャッターユニットの主板部の窓と遮蔽部材の窓とを連通させて、コネクタハウジング内での光コネクタと被接続側光コネクタとの接続が可能なようにする。
【0014】
この構成のシャッター付き光コネクタは、例えば電気機器の筐体等の取付壁のコネクタ取付穴に位置決めして取付壁に取り付ける場合、遮蔽部材がコネクタ取付穴の電磁波シールド性を確保するための電磁波シールド部材として機能する。電磁波シールド性のより確実な確保の点では、遮蔽部材として、コネクタ取付穴を出来る限り広範囲にわたって塞ぐように配置できる寸法、形状のものを採用することが有利であることは言うまでも無い。また、この構成では、シャッター片など、シャッターユニットを構成するより多くの部材について、導電性を有する部材を採用して、電磁波シールド部材として機能させることが、コネクタ取付穴の電磁波シールド性の確保の点でより好ましい。遮蔽部材は、例えば、取付壁に設けられている導電性の部材や、取付壁自体が導電性を有する場合にはこの取付壁自体をグランドとして電気的に接続することで、電磁波シールド機能を効果的に発揮する。電磁波シールド性能(導電性)を有する遮蔽部材としては、例えばステンレス等の導電性の金属板から形成したものや、カーボンフィラー等の電磁波シールド性を有する粉体を混入した合成樹脂によって成形したもの、板材等の基材に導電性の塗料(例えば、電磁波吸収作用を持つ磁性金属粉を混入したペースト等)を塗布したもの、導電性繊維(金属繊維等)からなる導電性布帛を板材に固定したものなど、各種構成が採用可能である。シャッターユニットの構成部材の内、遮蔽部材以外の部材にも電磁波シールド性を有するものを採用する場合も、同様のものを採用できる。
【0015】
遮蔽部材の窓は、光コネクタと被接続側光コネクタとの接続を可能にするためのものであるが、この窓は、電磁波シールド性の確保の点では、出来るだけ小さく形成することが好ましい。これにより、窓に相当する僅かな部分を除いて、コネクタ取付穴の大部分を覆うように遮蔽部材を配置できるため、コネクタ取付穴の防塵性および電磁波シールド性を効果的に確保できる。遮蔽部材に形成する窓は、少なくとも、前記光コネクタ先端のフェルール及び/又は前記被接続側光コネクタ先端のフェルールが挿通可能な大きさとすれば良い。
なお、ここで、光コネクタあるいは被接続側光コネクタの「フェルール」とは、MPO形光コネクタやSC形光コネクタ等の各種光コネクタプラグのハウジング先端に突出するフェルールの他、例えば、光コネクタプラグのハウジング先端に、合成樹脂製のハウジングと一体に形成されてフェルールとして機能する部分なども含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1(a)〜(d)は本発明の第1実施形態のシャッター付き光コネクタ10の外観を示す図、図2は機器の筐体11の取付壁12(パネル)に対するシャッター付き光コネクタ10の取付状態を示す図であって取付壁12に開口されたコネクタ取付穴13付近を示す断面図、図3は図2のシャッター付き光コネクタ10の取付壁12に対する取付状態を筐体11外側から見た斜視図、図4は取付壁12に形成されたコネクタ取付穴13を示す斜視図、図5は図2のシャッター付き光コネクタ10の取付壁12に対する取付状態を筐体11内側から見た斜視図、図6は本発明に係るシャッター付き光コネクタ10を示す全体斜視図、図7(a)、(b)はシャッター付き光コネクタ10のコネクタハウジング14の構造を示す断面図、図8はシャッター付き光コネクタ10の内部構造を示す断面図、図9はシャッター付き光コネクタ10の内部構造を示す断面斜視図である。
【0018】
図8、図9に示すように、前記シャッター付き光コネクタ10は、光コネクタアダプタを構成するコネクタハウジング14の内部に、シャッターユニット15と遮蔽部材60(以下、遮蔽板とも称する)とを組み込んだ構成になっている。
【0019】
図1(a)〜(d)において、前記コネクタハウジング14は、MPO形光コネクタ(MPO:Multifiber Push−On。例えばJIS C 5982、IEC 1754−7発行に制定されるもの)の光コネクタアダプタである。このコネクタハウジング14は、内部を貫通するコネクタ穴14aを有するスリーブ状の概略構造に形成されている。このコネクタハウジング14は、一対のハウジング半体14A、14Bを接合、一体化して組み立てられる。なお、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aは、一対のハウジング半体14A、14Bを接合、一体化することにより、各ハウジング半体14A、14Bのコネクタ穴14a1、14a2(ハウジング半体14A側のコネクタ穴に符号14a1、ハウジング半体14B側のコネクタ穴に符号14a2を付す)が連続して形成される。
【0020】
図7に示すように、各ハウジング半体14A、14Bは、例えばプラスチックなどの合成樹脂によって形成された一体成形品であり、スリーブ状のハウジング本体部14bと、このハウジング本体部14bの軸方向一端から対向する両側に突設された突片14cとを有している。そして、コネクタハウジング14は、一対のハウジング半体14A、14Bを軸方向に直列に接合、一体化して組み立てられるようになっている。なお、図7は、シャッターユニット15や遮蔽板60を組み込まずに、ハウジング半体14A、14B同士を直接接合した状態を示す。
【0021】
一対のハウジング半体14A、14Bは、突片14cが形成されている側の端部(ハウジング本体部14bの軸方向一方の端部。以下、接合端面側の軸方向端部という場合がある)同士を接合して一体化されるようになっており、これにより、各ハウジング半体14A、14Bの突片14c同士の重ね合わせによって構成された突片14Cが軸方向中央部(コネクタ穴14a軸方向)の対向する両側に突設されたコネクタハウジング14が組み立てられる。
【0022】
また、一対のハウジング半体14A、14B同士を位置決めして一体化、固定する構成としては各種採用可能であるが、例えば、一対のハウジング半体14A、14Bは、突片14cが形成されている側の端面(接合端面14i)に形成されている嵌合突起(図示略)と、嵌合穴(図示略)との嵌合によって、コネクタ穴同士が連通するように位置決めした上、例えばネジ、クランプなどの機械的手段や、接着剤などを用いて、一体化状態に固定する。また、二つのハウジング半体14A、14Bを一体化したときに、各ハウジング半体14A、14Bの突片14cに形成されているネジ穴14v(図2、図3等ではネジ穴14vの図示を略している)を連通させ、これらネジ穴14vにネジを挿通させて締め付け固定することによっても、ハウジング半体14A、14Bの位置決め、一体化を実現できる。各ハウジング半体14A、14Bの突片14cのネジ穴14vに連通させるネジは、ハウジング半体14A、14Bを一体化して構成されるコネクタハウジング14を、例えば図2、図3に例示した筐体11の壁等の取付壁12等に取り付けるための固定部材を兼ねさせることができる。
【0023】
図1(c)、(d)、図7(a)、(b)などにおいて、符号14fは、コネクタハウジング14内の係合爪(弾性爪)であり、コネクタハウジング14に挿入、接続される光コネクタ16A、16B(図3、図5参照。ここではMPO形光コネクタ(例えばJIS C 5982、IEC 1754−7発行に制定されるもの)の光コネクタプラグ。以下、光コネクタ16A、16Bについて共通の構成について説明する場合に、符号16を付して説明する場合がある)のスリーブ状のハウジング17の側部に形成されている係合部17c(図8、図9参照。係合突起)に係脱可能に係合する。ここでは、光コネクタ16Bが、被接続側光コネクタとして機能させる光コネクタであり、以下、被接続側光コネクタ16Bと称する場合がある。なお、MPO形光コネクタプラグ同士を位置決めして接続するためのガイドピン19cは、被接続側光コネクタ16Bのフェルール19に組み込まれている。
ここでは、光コネクタとして多心用のMPO形光コネクタの光コネクタプラグを例示するが、ここで採用可能なMPO形光コネクタプラグとしては単心用のものであっても良い。
【0024】
前記係合爪14fは、ハウジング半体14A、14Bのハウジング本体部14bに一体に形成されており、スリーブ状のハウジング本体14b内側のコネクタ穴に内面14kからコネクタ穴14a1、14a2内に突出されている。各ハウジング半体14A、14Bの係合爪14fは、ハウジング半体14A、14Bの接合端面14i側の軸方向端部から、コネクタ穴14a軸方向において前記接合端面14iとは逆の入口側(図7(a)、(b)において、コネクタハウジング14の左右両端部)に向けて、ハウジング本体部14b内面に沿って延びる形状になっている。また、この係合爪14fのハウジング本体部14b内面に沿って延在する部分と、ハウジング本体部14b内面との間には、若干のクリアランス14mが確保されている。
【0025】
MPO形光コネクタの光コネクタプラグである光コネクタ16と各ハウジング半体14A、14Bとは、コネクタハウジング14(より具体的にはハウジング半体)に光コネクタ16を挿入すると、光コネクタ16のハウジング17の側部の係合部に、ハウジング半体の係合爪14fのハウジング本体部14bからの突出先端の係合突起14nが係合するとともに、この係合の解除を阻止してハウジング半体から光コネクタ16が引き抜かれないようにするロックが掛かり、光コネクタ16に付いているスライド片(カップリング18)を引くと、ロックを解除させながら、コネクタハウジング14(ハウジング半体)から光コネクタ16を抜き去ることができる、スライドロック構造を構成する。
【0026】
なお、係合爪14fは、光コネクタ16の種類や、ハウジング17のサイズや、ハウジング17の側部に形成されている係合部の形状などによって適宜変更される。
図2、図3、図5などでは係合爪14fの図示を省略している。
また、符号14gは、前記ハウジング17の側部に突設されているキー17aが挿入されるキー溝である。このキー溝14gの形成位置は、両ハウジング半体14A、14Bで相対的に逆向きになっている。
ハウジング半体14A、14Bの相違点は、一方のハウジング半体14Aの内部に形成されている軸挿入溝14h(図8、図10参照)が、他方のハウジング半体14Bには形成されていないことのみであり、他の構成は同様になっている。コネクタハウジング14は、ハウジング14A、14Bをキー溝14gの向きが相対的に逆になるようにして、一体化して形成される。ハウジング半体14Bの具体的構成は、被接続側光コネクタ16Bが挿入、接続されたときに、係合爪14fによって光コネクタ16Bを係合保持でき、かつ、光コネクタ16B先端に突出するフェルール19が後述するシャッターユニット15の主板部54の窓56に挿入されるように、光コネクタ16Bを保持できるもの(あるいは、ハウジング半体14Aに挿入された光コネクタ16A先端のフェルール19が窓56に挿入されたときに、このフェルール19の、光コネクタ16Bのフェルール19に対する接続を実現できる位置に、光コネクタ16Bを保持できるもの)であればよく、特に限定は無い。
また、コネクタハウジングとしては、上述のように、光コネクタ(光コネクタプラグ)と係合する係合爪が、各ハウジング半体のハウジング本体部と一体成形されている構成に限定されず、例えば、ハウジング半体のスリーブ状のハウジング本体部とは別体のスリーブ状の内部ハウジングを収容し、この内部ハウジングに係合爪が形成されている構成なども採用可能である。
【0027】
次に、図11等を参照して、シャッターユニット15(一括組込型のシャッターユニット)の構成について説明する。
図11に示すように、シャッターユニット15は、一枚の金属板から曲げなどの成形によって形成された本体部51と、この本体部51に枢着部52によって回転自在に取り付けられた一対のシャッター片53(一方のシャッター片に符号53A、他方のシャッター片に符号53Bを付す)とを有して構成されている。枢着部52は、本体部51に対してシャッター片53A、53Bを回転変位可能に連結する連結部を構成する。
【0028】
前記本体部51は、プレート状の主板部54と、この主板部54の対向する両側から、主板部54に対してほぼ直角となるようにして張り出された舌片状の張り出し部55A、55Bとを有している。一対の張り出し部55A、55Bの主板部54からの突出向き(張り出し方向)は、主板部54に対して、同じ向き(つまり、主板部54の同じ面の側)になっている。
また、シャッター片53A、53Bは、各張り出し部55A、55Bの主板部54からの突出先端に設けられた枢着部52(軸)によって枢着されているが、この枢着部52を中心とするシャッター片53A、53Bの回転は、シャッターユニット15をコネクタハウジング14(詳細にはハウジング半体14A)に組み込んだときに、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの中心軸線に直交する向きの回転軸線を中心とするものである。また、シャッター片53A、53Bと本体部51との連結部(枢着部52)は、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの中心軸線を介して対向する両側となるところに位置している。また、各シャッター片53A、53Bは、枢着部52付近に組み込まれた弾性部材58であるバネ(図12にトーションバネを例示)の付勢力によって、枢着部52から、一対の張り出し部55A、55Bの間の空間57に突出するように付勢されており、特に、外力が作用していないときでは、枢着部52から空間57に突出する一対のシャッター片53A、53Bの先端部53a同士が重なり合い、一枚の壁を形成するようになっている。
なお、バネ58は、図12以外の図面では図示を略している。
また、この実施形態では、シャッターユニット15を構成する全ての部材、すなわち、本体部51、枢着部52、シャッター片53A、53B、バネ58は、導電性を有する部材で形成されており、互いに電気導通可能に接続されている。ここに例示する実施の形態では、本体部や、シャッター片として、導電性を有するステンレス板を成形して形成したものを例示する。
【0029】
シャッターユニット15は、ハウジング半体14Aに対して接合端面14iの側から挿入して、ハウジング半体14A内に組み込むようになっている。
張り出し部55A、55Bは、シャッターユニット15をハウジング半体14Aに組み込んだ時に、それぞれ、ハウジング半体14Aのコネクタ穴14a1、具体的には、コネクタ穴14a1を、該コネクタ穴14a1の中心軸線を介して対向する両側の内側部を拡張した部分である拡張部14e(図10参照)に収納される。また、図10に示すように、一方の拡張部14e(符号14e1)は、コネクタ穴14a1を、該ハウジング半体14A内において光コネクタ16Aが収納される領域を超えてキー溝14gの側に拡張した部分であり、他方の拡張部14e(符号14e2)は、コネクタ穴14a1を該コネクタ穴14a1において光コネクタ16Aが収納される領域を超えてキー溝14gに対向する側に拡張した部分である。コネクタ穴14a1の中心軸線を介して対向する両側となる位置にてハウジング本体部14bに形成されている一対の係合爪14fは、拡張部14eの対の間に位置する。
なお、この実施の形態では、拡張部14e1、14e2を含めて(拡張部14eの一部である軸挿入溝14h(後述)も含む)、コネクタ穴14a1、14a2と称している。
【0030】
両拡張部14eは、ハウジング半体14Aの接合端面14iに開口しており、シャッターユニット15は、接合端面14iの側から、両張り出し部55A、55Bを拡張部14eに挿入していくようにして、コネクタ穴14a1内に挿入して収納できる。
各拡張部14eは、ハウジング半体14Aをコネクタ穴14a1の軸方向に貫通して形成されている訳ではなく、ハウジング半体14Aにおける光コネクタ16Aの挿入口の側の端部(図8左側)にて、ハウジング半体14Aのコネクタ穴14a1内面から突設された壁部14j(図7(b)、図8等参照。突壁)が、拡張部14eの最奥(接合端面14iから見て、最も奥側)を塞ぐ壁部として機能している。この壁部14jは、ハウジング半体14Aに挿入された光コネクタ16Aのハウジング17を支持してぐらつきを防止する機能を果たす。
前記壁部14jは、コネクタ穴14a1の中心軸線を介して対向する両側に形成されており、この一対の壁部14jの間には、ハウジング半体14Aに挿入される光コネクタ16Aのハウジング17の断面形状とほぼ一致する形状の空間(この空間もコネクタ穴14a、14a1の一部)が確保されている。光コネクタ16Aのハウジング17のキー17aが挿入される前記キー溝14gは、一対の壁部14jの内の一方(以下、符号14j1を付して説明する場合がある)に形成されている。他方の壁部14j(以下、符号14J2を付して説明する場合がある)には、キー溝は形成されていない。壁部14J1側の拡張部14e1に収納された張り出し部55B、及び壁部14J2側の拡張部14e2に収納された張り出し部55A、及び枢着部52は、ハウジング半体14Aへの光コネクタ16Aの挿入時に光コネクタ16Aのハウジング17に干渉しないようになっている。各拡張部14eは、各壁部14j1、14J2から、コネクタ穴14a1の軸方向に沿って延在して、凹所14oに開口する溝状に形成されている。各拡張部14eは、コネクタ穴14a1をその中心軸線を介して両側に拡張した形状になっている。
【0031】
図11に示すように、張り出し部55A、55Bの両側には、枢着部52である軸(以下、枢着部52を軸とも言う)軸方向両端が突出されており(突出部52a)、各突出部52aは、拡張部14eの対向する両側が、ハウジング本体部14bに溝状に切り込まれた部分である軸挿入溝14h(図8、図10参照)に挿入される。図8に示すように、軸挿入溝14hは、コネクタ穴14a1の軸方向に沿って延在形成されており、接合端面14i側からコネクタ穴14a1に挿入していくシャッターユニット15は、各軸52の突出部52aが軸挿入溝14hの最奥部に突き当たるところで挿入限界となる。このとき、軸52の突出部52aは、軸挿入溝14hによってぐらつかないように安定支持される。また、シャッターユニット15の両張り出し部55A、55Bは、コネクタ穴14a1の内、両側に拡張部14eが形成されている部分の内面に接するようになり、コネクタ穴14a1内に支持される。拡張部14eは、コネクタ穴14a1に収納したシャッターユニット15を位置決めする位置決め溝としても機能する。
【0032】
図8、図9に示すように、この実施形態では、遮蔽部材60は、一方のハウジング半体14Aのコネクタ穴14a1内に収納されたシャッターユニット15の主板部54に当接させて、コネクタ穴14a内に収納される。遮蔽部材60は扁平形状の部材(遮蔽板)であり、一対のハウジング半体14A、14Bの接合境界に対応する位置に配置されて、各ハウジング半体14A、14Bの接合端面14iから窪んだ形状の凹所14oに、それぞれ厚みの半分程度が嵌め込むようにして収納される。
遮蔽部材60には、シャッターユニット15の主板部54とは逆の側から、ハウジング半体14Bの端部14dが当接されるようになっており、これにより、シャッターユニット15と遮蔽部材60とが、ハウジング半体14Bによってコネクタ穴14a1から抜け出ないように押さえ込まれるとともに、コネクタ穴14a内でぐらつかないように安定収納される。なお、ハウジング半体14Bの端部14dは、遮蔽部材60に対して、該遮蔽部材60の主板部54とは逆の側の端面65の外周部に当接されるようになっており、光コネクタ16同士の接続の障害にはならない。
【0033】
前記本体部51の主板部54は、シャッターユニット15をハウジング半体14A内に組み込んだ時には、コネクタ穴14aを横切るように配置される。また、遮蔽部材60も、コネクタ穴14aを横切るように配置される。ただし、コネクタ穴14aは、この本体部51の主板部54の中央部に形成されている窓56、及び、遮蔽部材60に貫通して形成されている窓62によって連通されており、シャッターユニット15の主板部54や遮蔽部材60は、コネクタ穴14aに対向する両側から挿入して接続される光コネクタ16A、16B同士の接続の邪魔にならない。このシャッター付き光コネクタ10では、コネクタ穴14aに対向する両側から挿入された光コネクタ16A、16Bの先端同士(具体的にはフェルール19同士)が、丁度、前記遮蔽部材60の窓62付近で突き合わせ接続されるようになっている。
【0034】
なお、図11に示すように、シャッターユニット15の主板部54の窓56には、光コネクタ16Aのハウジング17が通過可能な大きさが確保されている。また、電磁波シールド性の確保の点では(後述)、前記窓56は出来る限り小さくすることがより好ましく、図11の例では窓56はハウジング17の断面形状と同様の形状で、ハウジング17の断面形状よりも僅かに大きい寸法に形成されている。また、遮蔽部材60の窓62も、電磁波シールド性の確保の点で出来るだけ小さく形成することが好ましく、図8等に示した例では、光コネクタ16A、16Bのフェルール19を僅かなクリアランスを以て挿入可能(ハウジング17は挿通不可能)な大きさに形成されている。
【0035】
遮蔽部材60は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの合成樹脂で一体成形された部材であり、ここでは、全体がカーボンフィラーなどの電磁波吸収作用を有する微細粉を含有した導電性樹脂による一体成形品を採用している。図8、図11に示すように、この遮蔽部材60は、コネクタ穴14aを横切るようにしてコネクタ穴14a内に挿嵌される本体部61と、この本体部61の中央部に貫通して形成された窓62とを有する。また、扁平形状の本体部61の厚みの両側には、光コネクタ16A、16Bのハウジング17の先端部17bが挿入される凹所63(ハウジング半体14A側に配置される凹所に符号63a、ハウジング半体14B側に配置される凹所に符号63bを付す)が形成されており、前記窓62は、両側の凹所63a、63bの間を仕切るように形成されている壁部64の中央部に開口されている。両側の凹所63a、63bは窓62を介して連通されている。
【0036】
コネクタハウジング14に挿入された光コネクタ16Aは、ハウジング17の先端部17bが凹所63aに挿入されることで遮蔽部材60によってぐらつかないように支持され、しかも、ハウジング17先端部から突出するフェルール19が、窓62に挿入可能な位置に位置決めされる。光コネクタ16Aのハウジング17のキー17aは、凹所63aに形成されているキー溝66aに挿入される。被接続側光コネクタ16Bのハウジング17の先端部17bは、凹所63bに挿入されることで遮蔽部材60によってぐらつかないように支持され、しかも、ハウジング17先端部から突出するフェルール19が、窓62に挿入可能な位置に位置決めされる。光コネクタ16Bのハウジング17のキー17aは、凹所63bに形成されているキー溝66bに挿入される。
また、図8、図9では、被接続側光コネクタ16Bのフェルール19が、遮蔽部材60の窓62に挿入されて、ハウジング半体14Aの側に突出して設けられている構成を例示しているが、これに限定されず、被接続側光コネクタ16Bのフェルール19の位置は、ハウジング半体14Aの側からコネクタハウジング14に挿入した光コネクタ16A先端のフェルール19との接続が可能な位置であればよく、窓62からハウジング半体14Aの側に必ず突出させる必要性は無い。
【0037】
前述した通り、シャッターユニット15の前記枢着部52は、ここでは、張り出し部55A、55Bの主板部54からの突出先端に取り付けられた軸であり、シャッターユニット15をハウジング半体14のコネクタ穴14a1内に組み込んだ時には、丁度、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの軸方向にほぼ直交する向きに配置される。したがって、この軸(枢着部52)によって本体部51に対して回転自在に枢着されるシャッター片53A、53Bは、枢着部52である軸(以下、枢着部52を軸52ともいう)と同じ向き、すなわち、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aに対してほぼ直交する回転軸線をもって回転自在に支持される。この軸52は、張り出し部55A、55B先端を筒状に湾曲成形した部分(軸保持部55a)の内側に収納保持されている。シャッター片53A、53Bも一部を筒状に湾曲成形した軸保持部53bの内側に軸52を収納して、軸52回りに回転自在に軸支されている。
なお、張り出し部55A、55Bは、主板部54からの突出位置が異なるのみであり、以下、張り出し部55A、55Bに共通の構成をいう場合に、符号55を付して説明する場合がある。
【0038】
図8、図11に示すように、シャッター片53A、53Bは、シャッターユニット15の本体部51から前記コネクタ穴14aに突出する舌片状の小板片である。
両シャッター片53A、53Bは、いずれも遮光位置(後述)にあるときは、シャッター片53A、53Bの先端部53a同士が重なり合う。シャッター片53A、53Bは、コネクタ穴14aに挿入された光コネクタ16によって押圧されると、押し倒されて、待避位置(後述)に至るが、このとき、先端部53a同士の重なりが解除される。コネクタ穴14aから光コネクタ16が引き抜かれると、バネ58(図12参照)の付勢力によってシャッター片53A、53Bが遮光位置に復帰し、再び、先端部53a同士が重なり合う。前記バネ58は、遮光位置から回転変位したシャッター片を遮光位置に押し戻す押し戻し用付勢部材として機能する。
なお、押し戻し用付勢部材としては、シャッターユニット15の本体部51の一部をバネ状に成形したものや、シャッター片53の一部を板バネ状に加工したものなど、各種構成が採用可能である。
【0039】
図8に示すように、シャッター片53は、軸52を中心とする回転によって、軸52から主板部54側に向けて斜めに若干傾斜する姿勢(図8実線に示すシャッター片53A、53Bの位置。この位置を、以下「遮光位置」ともいう)と、張り出し部55A、55Bとほぼ重ね合わされる姿勢(図8中想像線で示すシャッター片53A、53Bの位置。以下、この位置を「待避位置」ともいう)とを切り替えることができる。
【0040】
ただし、図12に示すように、シャッター片53Aは、遮光位置(図12実線で示す位置)では、前記ストッパ当接部53cが張り出し部55Aの突出先端部の表面に突き当たることで、主板部54に対する逆側(つまり、シャッター片53Aについては図8反時計回り)へのそれ以上の回転が規制される。このことは、シャッター片53Bについても同様である(シャッター片53Bについては、図8実線で示す遮光位置から時計回りの回転が規制される)。張り出し部55の主板部54からの突出先端部は、遮光位置から主板部54に対する逆側へのシャッター片53の回転を規制するストッパ55bとして機能する。
遮光位置にあるシャッター片53A、53Bは、バネ58の付勢力によってストッパ当接部53cに押し付けられるようになり、ぐらつかないように保持される。
【0041】
なお、両シャッター片53A、53Bが遮光位置にあるときは、シャッター片53A、53Bの先端部53a同士が重なり合うことで、コネクタ穴14aがその断面方向ほぼ全体にわたって塞がれるため、この状態では、例えば、図8に示すように、コネクタ穴14aの片側の開口部から先行して挿入接続された光コネクタ16B先端(詳細には光コネクタ16先端の接合端面19b。この光コネクタ16Bを被接続側光コネクタとする)に露出する光ファイバ19aからの出射光が、コネクタ穴14aの反対側の開口部から飛び出ることを防止できる。したがい、例えば、シャッターユニット15が収納されていないハウジング半体14Bの開口部(図8の右側)からコネクタハウジング14に光コネクタ16Bを挿入した後、シャッターユニット15が収納されているハウジング半体14Aの開口部(図8の左側)からコネクタハウジング14に光コネクタ16Aを挿入接続する場合、光コネクタ16Aのコネクタ穴14aへの挿入、接続作業の際に、被接続側光コネクタからの出射光が邪魔になるといった不都合が無く、接続作業を効率良く行える。
【0042】
また、このように遮光位置のシャッター片53A、53B同士が重なり合って、コネクタ穴14aがその断面方向ほぼ全体にわたって塞がれた状態では、コネクタ穴14aにおける前記シャッター片53と遮蔽部材60との間に位置する区間への埃などの侵入を防止する防塵性を発揮するため、被接続側光コネクタ16B先端(具体的にはフェルール19の接合端面19b)が埃などの付着によって汚染されるなどの不都合を防止できる。
【0043】
(コネクタ取付穴の電磁波シールドについて)
この実施形態のシャッター付き光コネクタ10では、コネクタハウジング14、遮蔽部材60として導電性を有するものを採用したことにより、例えば、図2〜図4に例示した筐体11の取付壁12に取り付けた場合に、コネクタ取付穴13の電磁波シールド性能を良好に確保できる。この実施形態では、電磁波シールド機能を有するコネクタハウジング14、遮蔽部材60として、カーボンフィラーを成形樹脂中に混入分散した合成樹脂材料によって成形したものを採用したが、これに限定されず、例えば、合成樹脂などからなる基材に導電性の塗料(例えば、電磁波吸収作用を持つ磁性金属粉を混入したペーストなど)を塗布して形成した導電性塗膜を有するもの、導電性繊維(金属繊維など)からなる導電性布帛を固定したものなども採用可能である。また、電磁波吸収作用を有する微細粉としては、カーボンフィラーに限定されず、各種材料が採用可能である。
【0044】
この実施形態のシャッター付き光コネクタ10では、特に、遮蔽部材60が、コネクタ取付穴13の電磁波シールド性の確保に有効に寄与する。遮蔽部材60は、コネクタ穴14aをその断面方向にほぼ全体にわたって塞ぐようになっており、シャッター付き光コネクタ10を取付壁12のコネクタ取付穴13に挿入して取付壁12に取り付けたときに、コネクタ取付穴13のほぼ全体を塞ぐように配置される。そして、遮蔽部材60と接触して電気導通可能になっているコネクタハウジング14や、コネクタハウジング14に設けた接続回路などによって、遮蔽部材60のグランドを確保しておくことにより、遮蔽部材60を電磁波シールド用の部材として有効に機能させることができ、これにより、コネクタ取付穴13の電磁波シールド性を確保できる。
【0045】
また、このシャッター付き光コネクタ10では、コネクタハウジング14も電磁波シールド機能を有する部材として機能させることができるため、結果的に、フェルール19外形よりも僅かに大きい程度の窓62の部分を除いて、コネクタ取付穴13の殆どの部分を電磁波シールド機能を有する部材によって塞ぐことができ、優れた電磁波シールド性が得られる。つまり、このシャッター付き光コネクタ10が取付壁に取り付けられると、取付壁のコネクタ取付穴がシャッター付き光コネクタ10によってほぼ隙間無く塞がれた状態となる。さらに、このシャッター付き光コネクタ10では、シャッターユニット15も導電性部材を採用したことにより、より高い電磁波シールド機能が得られる。
【0046】
図1、図2中、符号20で示すシールドカバーは、ハウジング半体14Bの断面長方形状のハウジング本体部14b(図1(c)参照)の4側面(周面)の内の3面に対して個別に装着される3つの側板部20a、20b、20cを有し、全体がステンレスなどの導電性の金属板で形成され、ハウジング半体14Bを3方から取り囲むカバー状の部材である。このシールドカバー20の3つの側板部20a、20b、20cは、ハウジング本体部14bの3面に形成されている浅溝14pに収納するようにして、ハウジング本体部14bの外側に、位置ズレを生じないようにして装着される。このシールドカバー20は、筐体11との接触によって電気導通可能に接続されて、電磁波シールド性能を発揮するとともに、電磁波シールド性を有するコネクタハウジング14と取付壁12との電気導通のより確実な確保に寄与する。
【0047】
このシャッター付き光コネクタ10を取付壁12に取り付けるには、このシャッター付き光コネクタ10を筐体11の外側(図2中、取付壁12の左側)から、シールドカバー20が取り付けられている側(ここではハウジング半体14Bの側)を押し込み方向前側として取付壁12のコネクタ取付穴13に押し込んで(図2中、取付壁12の右側へ向けて押し込む)、このシールドカバー20の対向する両側に位置する側板部20b、20cから外側に突出され係合爪20dを弾性変形させつつ取付壁12に通過させれば良い。係合爪20dは取付壁12を通過したところで弾性復帰して取付壁12と係合する。これにより、係止爪20dと突片14cとの間に取付壁12が挟み込まれて、シャッター付き光コネクタ10が取付壁12に対して安定に取り付けられると同時に、取付壁12との電気導通が確保される。
【0048】
なお、コネクタハウジング14を介して遮蔽部材60のグランドを確保する構成であれば、特別な接続回路等をシャッター付き光コネクタ10に設ける必要が無くなるため、シャッター付き光コネクタの低コスト化に寄与する。また、シャッターユニット15に、コネクタハウジング14の外側に突出する通電用コンタクトを突設するなどによって、シャッターユニット15をグランド用の接続回路として機能させることも可能である。
【0049】
次に、本発明の第2実施形態を、図13〜図16を参照して説明する。
図13に示すように、この実施形態のシャッター付き光コネクタ10Aは、コネクタハウジング内に組み込むシャッターユニット、遮蔽部材の構成が第1実施形態と異なる。
【0050】
図13、図14に示すように、このシャッター付き光コネクタ10Aに適用するシャッターユニット150(分割組込型のシャッターユニット)は、コネクタハウジング14内に固定される本体部151(以下、ブラケットとも言う)に、小板片であるシャッター片153を、本体部151との連結部(枢着部。ここでは軸152)によって本体部151に対して回転変位自在に連結した構成であり、コネクタハウジング14のハウジング半体14Aに2つ組み込まれている。以下、図13においてハウジング半体14Aの下部に設けられたシャッターユニット150に符号150A、図13においてハウジング半体14Aの上部に設けられたシャッターユニット150に符号150Bを付して説明する場合がある。また、シャッターユニット150Aに設けられたシャッター片153に符号153A、シャッターユニット150Bに設けられたシャッター片153に符号153Bを付して説明する場合がある。
なお、これらシャッターユニット150A、150Bを構成する各部材は、導電性金属の曲げ等の成形によって形成したものであり、ここでは、ステンレス板から成形したものを例示する。
【0051】
図14、図15に示すように、各シャッターユニット150A、150Bのブラケット151は平板状の部材である。このブラケット151は、該ブラケット151を形成する金属板を筒状に成形した軸保持部151aによって軸152を一端部(図15(a)、(b)左側)に収納支持している。一方、シャッター片153A、153Bも、該シャッター片153A、153Bを形成する金属板を筒状に成形した軸保持部153bによって軸152を収納しており、これにより、軸152を介してブラケット151に対して回転自在に連結されている。
【0052】
軸152は、長手方向両端がブラケット151の両側に突出されている(突出部152a)。各シャッターユニット150A、150Bをハウジング半体14Aに組み込むには、ハウジング半体14Aの接合端面14i側から、ブラケット151の両側の突出部152aを拡張部14e(図10(a)参照)の対向する両側の軸挿入溝14hに挿入していく。シャッターユニット150A、150Bは、ハウジング半体14Aに対して、軸152の突出部152aが、ハウジング半体14aの壁部14jに突き当たるところまで挿入される。これにより、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの中心軸線を介して両側に、各シャッターユニット150A、150Bの軸152が対向配置される。また、シャッターユニット150A、150Bは、シャッター片153A、153Bに対して連結されている一端部に対向する他端部151bが凹所14o内に突出されるようになっており、この他端部151bが、凹所14oに嵌め込まれる遮蔽部材160によって凹所14o内壁面、すなわち、ハウジング半体14Aの壁部との間に挟み込むようにして固定される。これにより、シャッターユニット150A、150Bは、ブラケット151の対向する両端部(一端部と他端部)がハウジング半体14A内に固定され、ブラケット151がぐらつかないように固定されて安定な収納状態が得られる。
【0053】
図13、図14において、遮蔽部材160は、第1実施形態の遮蔽部材60と同様に、カーボンフィラーを混入した合成樹脂によって形成した一体成形品であり、全体として扁平形状(遮蔽板)に形成されていることも遮蔽部材60と同様である。また、この遮蔽部材160には、遮蔽部材60の窓62、凹所63a、63b、壁部64と同様に、窓162、凹所163a、163b、壁部164が形成されている。但し、図11に示すように、第1実施形態の遮蔽部材60では、光コネクタ16A、16Bのキー17aを挿入するためのキー溝66a、66bが、それぞれ壁部64を貫通して両側の凹所63a、63bにわたって形成されているが(キー溝66aは凹所63a内に位置する部分のみ、キー溝66bは凹所63b内に位置する部分のみが、キー17aの挿入に利用される)、図13、図14に示すように遮蔽部材160では、キー17aが挿入されない部分へのキー溝の形成を省略している。
【0054】
凹所163aの周囲に存在する壁部の内、凹所163aを介してキー溝166aに対向する側は、シャッターユニット150Aのブラケット151の他端部151bをコネクタハウジング14の内面(具体的にはハウジング半体14Aの内面)に押し付け固定する固定壁167(図13参照)として機能する。
また、凹所163aの周囲に存在する壁部の内、キー溝166aの側の壁部から突出されているリブ168aは、シャッターユニット150Bのブラケット151の他端部151bをコネクタハウジング14の内面(具体的にはハウジング半体14Aの内面)に押し付け固定する固定壁として機能する。
【0055】
コネクタハウジング14における遮蔽部材160の収納位置は、第1実施形態の遮蔽部材60と同じであり、一対のハウジング半体14A、14Bの接合端面14i側の凹所14oに嵌め込むようにして収納され、各ハウジング半体14A、14Bの凹所14oの内面形状によってガタ付かないように安定保持される。遮蔽部材160はコネクタ穴14aを横切る向きで収納されるが、コネクタ穴14aは、光コネクタ16A、16Bのフェルール19が挿入可能な窓162を介して遮蔽部材160の両側に連通されており、また、この窓162によって、光コネクタ16A、16B同士の接続が可能になっている。
【0056】
ハウジング半体14A、14Bを一体化して、コネクタハウジング14内にシャッターユニット150A、150B及び遮蔽部材160を収納すると、シャッターユニット150Aのブラケット151の他端部151bに、遮蔽部材160の側面に突設されているリブ168b(凹所163bの周囲の壁部の内、キー溝166b側の壁部から突出されているリブ168b)がハウジング半体14Bの側から突き当てられ、これによりシャッターユニット150Aのブラケット151は、いわば、遮蔽部材160と、ハウジング半体14Aの壁部14jとの間に挟み込まれるようにして、ガタ付かないように安定収納される。一方、シャッターユニット150Bのブラケット151は、他端部151bに、ハウジング半体14Bの接合端面14iが突き当てられることで、これにより、いわば、両ハウジング半体14A、14Bの間に挟み込まれるようにして、ガタ付かないように安定収納される。
【0057】
なお、シャッターユニット150A、150Bのブラケット151の他端部151bの固定力が、遮蔽部材160とハウジング半体14Aの内面(詳しくは凹所14o内面)との間の挟み込みや、この挟み込みと接着剤の併用等によって充分に得られる場合は、リブ168bやハウジング半体14Bのブラケット他端部151bに対する突き当てを省略しても良い。また、リブ168bやハウジング半体14Bのブラケット他端部151bに対する突き当てに代えて、遮蔽部材160に突き当て部を形成して、遮蔽部材160によって、ブラケット151をハウジング半体14Aに押さえ込む構成等も採用可能である。
【0058】
ハウジング半体14Aへのシャッターユニット150A、150Bの組み込みが完了すれば、シャッターユニット150A、150Bのシャッター片153A、153Bが、軸152を中心とする回転変位可能として、コネクタ穴14a(詳細にはコネクタ穴14a1)内に配置される。シャッターユニット150A、150Bのシャッター片153A、153Bの軸152を中心とする回転軸線の向きは、第1実施形態のシャッターユニット15のシャッター片53A、53Bと同じ、すなわち、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの中心軸線に直交する方向であり、この回転軸線を中心とする回転によって、遮光位置(図13実線の位置)と待避位置(図13仮想線の位置)とを切り替えできることも、第1実施形態のシャッターユニット15のシャッター片53A、53Bと同じである。
【0059】
また、それぞれ遮光位置にあるシャッター片153A、153Bは先端部153a(軸152からの突出先端部)同士が重なり合うため、優れた遮光性、コネクタ穴14aの防塵性を確保できる点も、第1実施形態と同様である。各シャッターユニット150A、150Bには、押し戻し用付勢部材としてのバネ(トーションバネ。図示略)が、軸152付近に組み込まれているから、コネクタハウジング14に挿入、接続されていた光コネクタ16Aをコネクタハウジング14から引き抜けば、押し戻し用付勢部材の付勢力によって、各シャッター片153A、153Bが遮光位置に押し戻されてコネクタ穴14aを塞ぐように重なり合う状態に復帰し、コネクタ穴14aの防塵性が確保される。
【0060】
図16は、シャッター片153Aのストッパ当接部153cと、ブラケット151のストッパ151cとの関係を示す拡大図である。図16に示すように、シャッター片153Aは、遮光位置(図16実線の位置)では、該シャッター片153Aから突出する突起であるストッパ当接部153cが、ブラケット151の一端部であるストッパ151cに突き当たるため、遮光位置から、被接続側光コネクタ16Bから遠ざかる方向への回転(図16では反時計回りの回転)が規制される。シャッターユニット150Bのシャッター片153Bについても、同様の構造により、遮光位置から、被接続側光コネクタ16Bから遠ざかる方向への回転(図13では時計回りの回転)が規制される。
【0061】
このシャッター付き光コネクタ10Aによれば、被接続側光コネクタ16Bからの出射光の遮光、防塵性の確保、取付壁12に取り付けたときのコネクタ取付穴13の電磁波シールド性の確保を、第1実施形態のシャッター付き光コネクタ10と同様に実現できる。さらに、このシャッター付き光コネクタ10Aによれば、コネクタハウジング14のコネクタ穴14a(詳細には、ハウジング半体14Aのコネクタ穴14a1)の中心軸線を介して両側に、シャッターユニット150A、150Bを別々に組み込む構成であるから、コネクタハウジング14のサイズ等に幅広く対応でき、コネクタハウジング14に対する安定収納を容易に実現できる利点がある。また、コネクタハウジングに収納するシャッターユニットは、全て同様の形状である必要は無い。また、コネクタハウジングの構造等に対応して、組み込みが容易なシャッターユニットを選択使用することが可能であり、これにより、コネクタハウジングへの組み込みを容易にすることができる。
【0062】
なお、本発明は、前述の実施形態に限定されず、各種変更が可能である。
例えば、シャッターユニットの具体的形状は、前述の実施形態に例示したものに限定されず、適宜設計変更可能である。
また、前記実施形態では、MPO形光コネクタの光コネクタプラグ同士の接続に用いられる光コネクタアダプタへの適用例を例示したが、本発明はこれに限定されず、MPO形光コネクタ以外の多心用、単心用の各種光コネクタプラグ同士の接続に用いられる光コネクタアダプタに適用可能である。また、光コネクタアダプタに限定されず、光コネクタプラグが挿入、接続されるコネクタ穴を有する各種光コネクタに適用可能である。
遮蔽部材として、例えば、前述した一括組込型のシャッターユニットの主板部を機能させることも可能である。この場合、シャッターユニットは主板部が、コネクタハウジングのコネクタ穴内における光コネクタ同士の接続位置付近となるように収納する。また、主板部には、光コネクタのフェルールが僅かなクリアランスを以て挿入可能な程度の大きさの窓を形成すれば良い。
シャッター付き光コネクタの取り付け対象の取付壁としては、機器の筐体の一部に限定されず、例えば、光配線盤などの架体において光コネクタアダプタなどの光コネクタを実装するためのパネルなど、各種構成が採用可能である。
シャッターユニットの本体部とシャッター片との連結部としては、軸等に限定されず、光コネクタからの押圧力により弾性変形可能な部材など、各種構成が採用可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コネクタハウジング内に組み込んだシャッターユニットのシャッター片によって、被接続側光コネクタからの出射光を遮光できるため、被接続側光コネクタに対する別の光コネクタの接続作業を効率良く行える。これにより、コネクタハウジングの外側への遮光用の部材の設置を不要にできる。しかも、遮光用のシャッター片を回転変位自在に支持するシャッターユニットをコネクタハウジングのコネクタ穴への挿入によって組み込み構成であるため、コネクタハウジングの大型化を避けることが容易である。また、コネクタハウジングに光コネクタを挿入、接続していないときには、遮光位置にある複数のシャッター片が重なり合って、コネクタハウジングのコネクタ穴を塞ぐようになるため、コネクタ穴に優れた防塵性が確保され、被接続側光コネクタのフェルール等を汚染から保護できる等の利点がある。
さらに、この本発明のシャッター付き光コネクタによれば、コネクタハウジング内への遮蔽部材の組み込みによって電磁波シールド性を確保でき、取付壁のコネクタ取付穴に取り付けるだけで、コネクタ取付穴の電磁波シールド性を確保できる。しかも、遮蔽部材の窓を介して、光コネクタと被接続側光コネクタとの接続を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のシャッター付き光コネクタの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図である。
【図2】筐体の取付壁に対する図1のシャッター付き光コネクタの取付状態を示す図であって、取付壁のコネクタ取付穴付近を示す断面図である。
【図3】図2の取付状態を筐体外側から見た斜視図である。
【図4】取付壁に形成されたコネクタ取付穴を示す斜視図である。
【図5】図2の取付状態を筐体内側から見た斜視図である。
【図6】図1のシャッター付き光コネクタのシャッターユニットを示す全体斜視図である。
【図7】(a)、(b)は、図1のシャッター付き光コネクタのコネクタハウジングを示す断面図である。
【図8】図1のシャッター付き光コネクタの構造を示す断面図である。
【図9】図1のシャッター付き光コネクタの構造を示す断面斜視図である。
【図10】図1のシャッター付き光コネクタのコネクタハウジングの2つのハウジング半体の内、軸挿入溝が形成されているハウジング半体を示す図であって、(a)は断面図、(b)は接合端面側から見た図である。
【図11】図1のシャッター付き光コネクタのシャッターユニットと、遮蔽部材(遮蔽板)とを示す斜視図である。
【図12】図11のシャッターユニットのシャッター片のストッパ当接部と、張り出し部先端のストッパとの関係を示す拡大図である。
【図13】本発明の第2実施形態のシャッター付き光コネクタの構造を示す断面図である。
【図14】図13のシャッター付き光コネクタのシャッターユニットと遮光部材(遮光板)とを示す斜視図である。
【図15】図14のシャッターユニットのシャッター片を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図16】図11のシャッターユニットのシャッター片のストッパ当接部と、ブラケットのストッパとの関係を示す拡大図である。
【図17】本発明に係るシャッター付き光コネクタを適用した光コネクタレセプタクルを示す断面図であり、(a)はコネクタハウジングに別体の被接続側光コネクタを組み込んだ構成、(b)はコネクタハウジングと一体に被接続側光コネクタを形成した構成を示す。
【図18】光コネクタアダプタを介した光コネクタプラグの接続を示す断面図である。
【図19】機器の筐体の取付壁(パネル)に対する光コネクタアダプタの取付状態を示す斜視図である。
【図20】図19の取付壁に開口されたコネクタ取付穴を示す斜視図である。
【図21】図19の光コネクタアダプタの取付壁に対する取付状態を示す図であって、コネクタ取付穴付近を示す断面図である。
【符号の説明】
10,10A・・・シャッター付き光コネクタ、12・・・取付壁、13・・・コネクタ取付穴、 14・・・コネクタハウジング(光コネクタアダプタ)、14a・・・コネクタ穴、14A,14B・・・ハウジング半体、15,150・・・シャッターユニット、16, 16A・・・光コネクタ、16B・・・被接続側光コネクタ、19…フェルール、19b・・・接合端面、40,53,53A,53B,153,153A,153B・・・シャッター片、52,152・・・連結部(枢着部、軸)、55,55A,55B…張り出し部、56・・・窓、57…空間、58…押し戻し用付勢部材(トーションバネ)、60,160・・・遮蔽部材(遮蔽板)、62,162…窓。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタに係り、特に、光コネクタが挿入、接続されるコネクタハウジングにおいて、被接続側光コネクタからの出射光を遮光するシャッターが設けられているシャッター付き光コネクタおよびこのシャッター付きコネクタに用いられるシャッターユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図18に示すように、例えば、光コネクタアダプタ1のコネクタ穴2に光コネクタ3(光コネクタプラグ)を挿入して、光コネクタアダプタ1に逆側から挿入接続されている光コネクタ4(光コネクタプラグ。以下「アダプタ側光コネクタ」と称する場合がある)に対して接続する場合、アダプタ側光コネクタ4先端からの出射光Hが、挿入側の光コネクタ3を操作する作業者の目に入らないように防護したい要求がある。同様の要求は、例えば、光コネクタレセプタクルなどの各種コネクタハウジングに対する光コネクタの挿入、接続に共通に存在する。
前述の要求に鑑みて、例えば、光コネクタアダプタ1のコネクタ穴2の開口部付近に、コネクタ穴2を開閉する蓋を取り付け、アダプタ側光コネクタ4からの出遮光を遮光することが幾つか提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−201953号公報
【特許文献2】
特開2002−243978号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の蓋による遮光には、以下のような問題があった。
(1)多くのものは、光コネクタの挿入時に手動で開放操作する必要があり、この操作の手間が面倒である。
(2)光コネクタアダプタに開閉自在に取り付けるための構成が複雑であり、多数の部品によって構成されるものが多く、コストが高くなる。この場合、小型化が困難であり、光コネクタアダプタの大幅な設計変更、大型化が必要となる。
(3)前記(2)のように小型化が困難なことから、光コネクタアダプタの多心化、コネクタ取付穴の高密度化、小型化に対応できない。
【0005】
また、近年、電気、電子機器について電磁波シールド性能の要求が高まっており、筐体内部の電子部品などが外部の電磁波の影響を受けないように保護したり、機器からの電磁波の放射を防止して外部の他の電気、電子機器に電磁波の影響を与えないようにするために、導電性を有する金属製筐体など、電磁波シールド性能を有する筐体の採用が普及しているが、図19〜図21に例示するように、光コネクタアダプタ1を筐体5の取付壁6に取り付けるには、光コネクタアダプタ1を挿入可能な大きさのコネクタ取付穴7を取付壁6に形成する必要がある。また、光コネクタアダプタ1としてはプラスチック製のものが広く用いられており、このようなプラスチック製の光コネクタアダプタ1をコネクタ取付穴7に挿入して取付壁6に取り付けた場合、筐体5が電磁波シールド性能を有するものであっても、コネクタ取付穴7の電磁波シールド性能を確保することができない。これに鑑みて、光コネクタアダプタ1の外側に導電性のカバーを取り付けることが検討されている。
【0006】
しかしながら、例えば、この導電性のカバーを光コネクタアダプタ1のコネクタ穴2の開口部付近にまで設けることは、光コネクタアダプタ1に対する光コネクタ3の接続作業性の確保の点で事実上不可能であるため、結局、コネクタ取付穴7の電磁波シールド性を確保できない。このため、機器の筐体などの取付壁に形成されたコネクタ取付穴の電磁波シールド(遮蔽)を効果的に実現できる技術の開発が求められていた。なお、この電磁波シールドの問題も光コネクタアダプタに限定されず、例えば、光コネクタレセプタクルなど、光コネクタプラグが挿入接続される構成の各種光コネクタについても、取り付けのために取付壁にコネクタ取付穴を形成する場合に共通して生じる。
【0007】
本発明は、前記課題に鑑みて、遮光用のシャッターの小型化、低コスト化が容易で、しかも、取り付け位置精度、取り付け安定性も確保でき、コネクタハウジングの小型化、高密度化(コネクタ取付穴の高密度化)を実現でき、また、機器の筐体などの取付壁に形成されたコネクタ取付穴に位置決めして取り付けることで、コネクタ取付穴の電磁波シールド性の確保も容易に実現できるシャッター付き光コネクタの提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
本発明では、光コネクタが挿入、接続されるコネクタ穴内にて前記光コネクタと被接続側光コネクタとが接続されるようになっているコネクタハウジングに、前記被接続側光コネクタから出射される光を遮光するシャッターユニットが組み込まれており、前記シャッターユニットは、前記コネクタハウジングに取り付けられる本体部と、コネクタ穴の内面付近にて前記本体部と連結されており、この本体部から前記コネクタ穴に突出するようにして配置されることで、前記被接続側光コネクタの先端に露出する光ファイバからの出射光を遮光する舌片状の前記シャッター片とを有し、前記コネクタハウジングには、本体部との連結部を中心とする回転変位によって、前記連結部からコネクタ穴に突出する遮光位置と、前記コネクタ穴へ挿入した前記光コネクタによって前記コネクタ穴内への突出量を減少するように押し倒されて前記光コネクタの前記被接続側光コネクタに対する接続を可能とする待避位置とを切り替え自在として前記本体部に連結されている前記シャッター片が複数設けられており、しかも、各シャッター片が前記遮光位置にあるときに、シャッター片同士がコネクタ穴を塞ぐように重なり合うことを特徴とするシャッター付き光コネクタを提供する。
また、本発明では、光コネクタが挿入、接続されるコネクタ穴内にて前記光コネクタと被接続側光コネクタとが接続されるようになっているコネクタハウジングに組み込まれる本体部と、この本体部から前記コネクタハウジングのコネクタ穴に突出するようにして配置される舌片状のシャッター片とを有し、前記本体部は、前記光コネクタ及び/又は被接続側光コネクタが挿入可能な窓が形成されていて、この窓を前記コネクタ穴に連通させて前記コネクタ穴を横切る向きで前記コネクタハウジングに設けられる主板部と、この主板部の対向する両側から該主板部の一方の面の側に立ち上げるようにして張り出された一対の張り出し部とを有し、各張り出し部には、前記シャッター片が、該張り出し部との連結部を中心とする回転変位によって、前記連結部から一対の張り出し部間の空間に突出する遮光位置と、押し倒しによって前記連結部から主板部の側に延びる姿勢である待避位置とを切り替え自在として連結されており、しかも、シャッター片が前記遮光位置から回転変位したときには、前記連結部自体あるいは該連結部とは別に設けられた弾性部材がシャッター片を前記遮光位置に押し戻す押し戻し用付勢部材として機能するようになっており、両側のシャッター片が前記遮光位置にあるときに、シャッター片同士がコネクタ穴を塞ぐように重なり合うことを特徴とするシャッターユニット(以下、このシャッターユニットを、一括組込型シャッターユニットと称する場合がある)を提供する。
なお、本発明に係るシャッター付き光コネクタに適用するシャッターユニットとしては、一括組込型シャッターユニットに限定されず、例えば、図に示すように、コネクタハウジングに取り付けられる本体部(ブラケット)にシャッター片が1枚のみ連結されている構成のシャッターユニット(以下、このシャッターユニットを、分割組込型シャッターユニットと称する場合がある)も採用可能である。分割組込型シャッターユニットを採用する場合は、コネクタハウジングに複数組み込んで、重ね合わせによってコネクタ穴を塞ぐことができるシャッター片の組を構成する。
【0009】
この発明に係るシャッター付き光コネクタのコネクタハウジングは、例えば、光コネクタアダプタのように、対向する両側から挿入、接続された光コネクタプラグ同士が内部で接続される構成のものや、コネクタ穴への光コネクタプラグの挿入によって光コネクタプラグと光接続される光コネクタ(光コネクタフェルールなど)を内蔵する光コネクタレセプタクル等、光コネクタプラグが挿入、接続されるコネクタ穴を有する光コネクタである。
シャッター片は、被接続側光コネクタからの出射光を遮光できる遮光性を有するものであり、コネクタ穴の軸方向に対して傾斜させて(傾斜角度90度も含む)本体部から延出されることで、コネクタ穴内にて、コネクタハウジング内の被接続側光コネクタからの出射光を遮光可能に配置される。シャッター片は、被接続側光コネクタからの出射光を遮光する位置(以下、「遮光位置」とも言う。)に配置される。本発明では、コネクタハウジング内に配置される複数のシャッター片の内、少なくとも一方が遮光位置に配置されることで、遮光を満足する。
【0010】
被接続側光コネクタとは、光コネクタアダプタ(コネクタハウジング)においては、コネクタ穴への光コネクタの挿入前に、先行してコネクタ穴に挿入されている光コネクタプラグのことを指し、コネクタ穴への光コネクタの挿入によって、コネクタ穴内で光コネクタと接続される。光コネクタレセプタクル(コネクタハウジング)においては、例えば、図17(a)、(b)に示すように、光コネクタレセプタクル45a、45bのハウジング45hに組み込まれてコネクタ穴46奥側(図17(a)、(b)右側)に配置され、コネクタ穴46に挿入された光コネクタ7が接続されるようになっている部分が被接続側光コネクタである。図17(a)の光コネクタレセプタクル45aでは、ハウジング45hと別体の光コネクタ48であるが、これに限定されず、例えば図17(b)に示す光コネクタレセプタクル45bのように、ハウジング45hの一部をコネクタ状に成形した部分49(この部分48が被接続側光コネクタ)であっても良い。なお、図17(a)、(b)では、シャッターユニットの本体部の図示を省略している。
【0011】
本発明では、シャッターユニットのシャッター片(図17(a)、(b)では符号40)は、被接続側光コネクタ先端に露出する光ファイバに対面するようにして配置される。コネクタハウジングのコネクタ穴に光コネクタを挿入していくと、シャッター片は、光コネクタからの押圧力によって、コネクタ穴内への突出量を減少するように押し倒されてゆき、被接続側光コネクタに対する光コネクタの接続作業の障害にならない。
なお、本発明では、コネクタ穴から光コネクタが抜き去られたときに、シャッター片を遮光位置に復帰させる構成を採用するが、この構成(押し戻し用付勢部材)としては、例えば、シャッターユニットの構成部材の一部をバネ状に成形した部分(シャッター片自体、連結部自体をバネ状に成形した構成、シャッターユニットの本体部やシャッター片からバネ状に成形した突起など)、シャッターユニットに別途設けたバネ等の弾性部材、などが採用可能である。また、磁気吸着、光コネクタとの係脱自在な係合なども採用可能である。
【0012】
本発明では、コネクタハウジング内に設けられた複数のシャッター片がいずれも遮光位置にあるとき、これらシャッター片によって、コネクタ穴全体が塞がれる(コネクタ穴がその断面方向ほぼ全体にわたって塞がれる)ようになっており、被接続側光コネクタからの出射光の確実な遮光を実現できるとともに、特にコネクタ穴の防塵性確保の点で有利である。
また、複数のシャッター片によってコネクタ穴をその断面方向(軸方向に直交する方向)ほぼ全体にわたって塞ぐ構成であれば、1枚のシャッター片の大きさを小さくすることが可能である。シャッター片は、光コネクタの押圧によるコネクタ穴内での移動(押し倒しや遮光位置への復帰)を可能にするために、コネクタ穴内の突起などとの干渉を回避する形状に形成される。小型のシャッター片であれば、コネクタ穴内での可動範囲の縮小が可能であり、コネクタ穴内の突起などの干渉を少なくできることから、コネクタ穴の断面全体をより確実に塞ぐ大きさに形成してコネクタ穴内の防塵性の向上を図る点で有利である。
【0013】
また、この発明では、前記コネクタハウジングのコネクタ穴には、前記光コネクタと前記被接続光コネクタとの接続位置付近に、導電性を有する遮蔽部材が収納されており、前記遮蔽部材には、前記光コネクタ先端のフェルール及び/又は前記被接続側光コネクタ先端のフェルールが挿通可能な窓が形成されている構成も採用可能である。
遮蔽部材としては、例えば、一括組込型のシャッターユニットの主板部なども利用できるが、これに限らず、一括組込型のシャッターユニットの主板部に沿わせるようにして配置される板状あるいは駒状のもの、一括組込型以外のシャッターユニットが組み込まれているコネクタハウジングに内装される板状あるいは駒状のものなど、各種構成が採用可能である。なお、一括組込型のシャッターユニットと、これとは別体の遮蔽板部とを、コネクタハウジングに組み込む場合は、シャッターユニットの主板部の窓と遮蔽部材の窓とを連通させて、コネクタハウジング内での光コネクタと被接続側光コネクタとの接続が可能なようにする。
【0014】
この構成のシャッター付き光コネクタは、例えば電気機器の筐体等の取付壁のコネクタ取付穴に位置決めして取付壁に取り付ける場合、遮蔽部材がコネクタ取付穴の電磁波シールド性を確保するための電磁波シールド部材として機能する。電磁波シールド性のより確実な確保の点では、遮蔽部材として、コネクタ取付穴を出来る限り広範囲にわたって塞ぐように配置できる寸法、形状のものを採用することが有利であることは言うまでも無い。また、この構成では、シャッター片など、シャッターユニットを構成するより多くの部材について、導電性を有する部材を採用して、電磁波シールド部材として機能させることが、コネクタ取付穴の電磁波シールド性の確保の点でより好ましい。遮蔽部材は、例えば、取付壁に設けられている導電性の部材や、取付壁自体が導電性を有する場合にはこの取付壁自体をグランドとして電気的に接続することで、電磁波シールド機能を効果的に発揮する。電磁波シールド性能(導電性)を有する遮蔽部材としては、例えばステンレス等の導電性の金属板から形成したものや、カーボンフィラー等の電磁波シールド性を有する粉体を混入した合成樹脂によって成形したもの、板材等の基材に導電性の塗料(例えば、電磁波吸収作用を持つ磁性金属粉を混入したペースト等)を塗布したもの、導電性繊維(金属繊維等)からなる導電性布帛を板材に固定したものなど、各種構成が採用可能である。シャッターユニットの構成部材の内、遮蔽部材以外の部材にも電磁波シールド性を有するものを採用する場合も、同様のものを採用できる。
【0015】
遮蔽部材の窓は、光コネクタと被接続側光コネクタとの接続を可能にするためのものであるが、この窓は、電磁波シールド性の確保の点では、出来るだけ小さく形成することが好ましい。これにより、窓に相当する僅かな部分を除いて、コネクタ取付穴の大部分を覆うように遮蔽部材を配置できるため、コネクタ取付穴の防塵性および電磁波シールド性を効果的に確保できる。遮蔽部材に形成する窓は、少なくとも、前記光コネクタ先端のフェルール及び/又は前記被接続側光コネクタ先端のフェルールが挿通可能な大きさとすれば良い。
なお、ここで、光コネクタあるいは被接続側光コネクタの「フェルール」とは、MPO形光コネクタやSC形光コネクタ等の各種光コネクタプラグのハウジング先端に突出するフェルールの他、例えば、光コネクタプラグのハウジング先端に、合成樹脂製のハウジングと一体に形成されてフェルールとして機能する部分なども含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1(a)〜(d)は本発明の第1実施形態のシャッター付き光コネクタ10の外観を示す図、図2は機器の筐体11の取付壁12(パネル)に対するシャッター付き光コネクタ10の取付状態を示す図であって取付壁12に開口されたコネクタ取付穴13付近を示す断面図、図3は図2のシャッター付き光コネクタ10の取付壁12に対する取付状態を筐体11外側から見た斜視図、図4は取付壁12に形成されたコネクタ取付穴13を示す斜視図、図5は図2のシャッター付き光コネクタ10の取付壁12に対する取付状態を筐体11内側から見た斜視図、図6は本発明に係るシャッター付き光コネクタ10を示す全体斜視図、図7(a)、(b)はシャッター付き光コネクタ10のコネクタハウジング14の構造を示す断面図、図8はシャッター付き光コネクタ10の内部構造を示す断面図、図9はシャッター付き光コネクタ10の内部構造を示す断面斜視図である。
【0018】
図8、図9に示すように、前記シャッター付き光コネクタ10は、光コネクタアダプタを構成するコネクタハウジング14の内部に、シャッターユニット15と遮蔽部材60(以下、遮蔽板とも称する)とを組み込んだ構成になっている。
【0019】
図1(a)〜(d)において、前記コネクタハウジング14は、MPO形光コネクタ(MPO:Multifiber Push−On。例えばJIS C 5982、IEC 1754−7発行に制定されるもの)の光コネクタアダプタである。このコネクタハウジング14は、内部を貫通するコネクタ穴14aを有するスリーブ状の概略構造に形成されている。このコネクタハウジング14は、一対のハウジング半体14A、14Bを接合、一体化して組み立てられる。なお、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aは、一対のハウジング半体14A、14Bを接合、一体化することにより、各ハウジング半体14A、14Bのコネクタ穴14a1、14a2(ハウジング半体14A側のコネクタ穴に符号14a1、ハウジング半体14B側のコネクタ穴に符号14a2を付す)が連続して形成される。
【0020】
図7に示すように、各ハウジング半体14A、14Bは、例えばプラスチックなどの合成樹脂によって形成された一体成形品であり、スリーブ状のハウジング本体部14bと、このハウジング本体部14bの軸方向一端から対向する両側に突設された突片14cとを有している。そして、コネクタハウジング14は、一対のハウジング半体14A、14Bを軸方向に直列に接合、一体化して組み立てられるようになっている。なお、図7は、シャッターユニット15や遮蔽板60を組み込まずに、ハウジング半体14A、14B同士を直接接合した状態を示す。
【0021】
一対のハウジング半体14A、14Bは、突片14cが形成されている側の端部(ハウジング本体部14bの軸方向一方の端部。以下、接合端面側の軸方向端部という場合がある)同士を接合して一体化されるようになっており、これにより、各ハウジング半体14A、14Bの突片14c同士の重ね合わせによって構成された突片14Cが軸方向中央部(コネクタ穴14a軸方向)の対向する両側に突設されたコネクタハウジング14が組み立てられる。
【0022】
また、一対のハウジング半体14A、14B同士を位置決めして一体化、固定する構成としては各種採用可能であるが、例えば、一対のハウジング半体14A、14Bは、突片14cが形成されている側の端面(接合端面14i)に形成されている嵌合突起(図示略)と、嵌合穴(図示略)との嵌合によって、コネクタ穴同士が連通するように位置決めした上、例えばネジ、クランプなどの機械的手段や、接着剤などを用いて、一体化状態に固定する。また、二つのハウジング半体14A、14Bを一体化したときに、各ハウジング半体14A、14Bの突片14cに形成されているネジ穴14v(図2、図3等ではネジ穴14vの図示を略している)を連通させ、これらネジ穴14vにネジを挿通させて締め付け固定することによっても、ハウジング半体14A、14Bの位置決め、一体化を実現できる。各ハウジング半体14A、14Bの突片14cのネジ穴14vに連通させるネジは、ハウジング半体14A、14Bを一体化して構成されるコネクタハウジング14を、例えば図2、図3に例示した筐体11の壁等の取付壁12等に取り付けるための固定部材を兼ねさせることができる。
【0023】
図1(c)、(d)、図7(a)、(b)などにおいて、符号14fは、コネクタハウジング14内の係合爪(弾性爪)であり、コネクタハウジング14に挿入、接続される光コネクタ16A、16B(図3、図5参照。ここではMPO形光コネクタ(例えばJIS C 5982、IEC 1754−7発行に制定されるもの)の光コネクタプラグ。以下、光コネクタ16A、16Bについて共通の構成について説明する場合に、符号16を付して説明する場合がある)のスリーブ状のハウジング17の側部に形成されている係合部17c(図8、図9参照。係合突起)に係脱可能に係合する。ここでは、光コネクタ16Bが、被接続側光コネクタとして機能させる光コネクタであり、以下、被接続側光コネクタ16Bと称する場合がある。なお、MPO形光コネクタプラグ同士を位置決めして接続するためのガイドピン19cは、被接続側光コネクタ16Bのフェルール19に組み込まれている。
ここでは、光コネクタとして多心用のMPO形光コネクタの光コネクタプラグを例示するが、ここで採用可能なMPO形光コネクタプラグとしては単心用のものであっても良い。
【0024】
前記係合爪14fは、ハウジング半体14A、14Bのハウジング本体部14bに一体に形成されており、スリーブ状のハウジング本体14b内側のコネクタ穴に内面14kからコネクタ穴14a1、14a2内に突出されている。各ハウジング半体14A、14Bの係合爪14fは、ハウジング半体14A、14Bの接合端面14i側の軸方向端部から、コネクタ穴14a軸方向において前記接合端面14iとは逆の入口側(図7(a)、(b)において、コネクタハウジング14の左右両端部)に向けて、ハウジング本体部14b内面に沿って延びる形状になっている。また、この係合爪14fのハウジング本体部14b内面に沿って延在する部分と、ハウジング本体部14b内面との間には、若干のクリアランス14mが確保されている。
【0025】
MPO形光コネクタの光コネクタプラグである光コネクタ16と各ハウジング半体14A、14Bとは、コネクタハウジング14(より具体的にはハウジング半体)に光コネクタ16を挿入すると、光コネクタ16のハウジング17の側部の係合部に、ハウジング半体の係合爪14fのハウジング本体部14bからの突出先端の係合突起14nが係合するとともに、この係合の解除を阻止してハウジング半体から光コネクタ16が引き抜かれないようにするロックが掛かり、光コネクタ16に付いているスライド片(カップリング18)を引くと、ロックを解除させながら、コネクタハウジング14(ハウジング半体)から光コネクタ16を抜き去ることができる、スライドロック構造を構成する。
【0026】
なお、係合爪14fは、光コネクタ16の種類や、ハウジング17のサイズや、ハウジング17の側部に形成されている係合部の形状などによって適宜変更される。
図2、図3、図5などでは係合爪14fの図示を省略している。
また、符号14gは、前記ハウジング17の側部に突設されているキー17aが挿入されるキー溝である。このキー溝14gの形成位置は、両ハウジング半体14A、14Bで相対的に逆向きになっている。
ハウジング半体14A、14Bの相違点は、一方のハウジング半体14Aの内部に形成されている軸挿入溝14h(図8、図10参照)が、他方のハウジング半体14Bには形成されていないことのみであり、他の構成は同様になっている。コネクタハウジング14は、ハウジング14A、14Bをキー溝14gの向きが相対的に逆になるようにして、一体化して形成される。ハウジング半体14Bの具体的構成は、被接続側光コネクタ16Bが挿入、接続されたときに、係合爪14fによって光コネクタ16Bを係合保持でき、かつ、光コネクタ16B先端に突出するフェルール19が後述するシャッターユニット15の主板部54の窓56に挿入されるように、光コネクタ16Bを保持できるもの(あるいは、ハウジング半体14Aに挿入された光コネクタ16A先端のフェルール19が窓56に挿入されたときに、このフェルール19の、光コネクタ16Bのフェルール19に対する接続を実現できる位置に、光コネクタ16Bを保持できるもの)であればよく、特に限定は無い。
また、コネクタハウジングとしては、上述のように、光コネクタ(光コネクタプラグ)と係合する係合爪が、各ハウジング半体のハウジング本体部と一体成形されている構成に限定されず、例えば、ハウジング半体のスリーブ状のハウジング本体部とは別体のスリーブ状の内部ハウジングを収容し、この内部ハウジングに係合爪が形成されている構成なども採用可能である。
【0027】
次に、図11等を参照して、シャッターユニット15(一括組込型のシャッターユニット)の構成について説明する。
図11に示すように、シャッターユニット15は、一枚の金属板から曲げなどの成形によって形成された本体部51と、この本体部51に枢着部52によって回転自在に取り付けられた一対のシャッター片53(一方のシャッター片に符号53A、他方のシャッター片に符号53Bを付す)とを有して構成されている。枢着部52は、本体部51に対してシャッター片53A、53Bを回転変位可能に連結する連結部を構成する。
【0028】
前記本体部51は、プレート状の主板部54と、この主板部54の対向する両側から、主板部54に対してほぼ直角となるようにして張り出された舌片状の張り出し部55A、55Bとを有している。一対の張り出し部55A、55Bの主板部54からの突出向き(張り出し方向)は、主板部54に対して、同じ向き(つまり、主板部54の同じ面の側)になっている。
また、シャッター片53A、53Bは、各張り出し部55A、55Bの主板部54からの突出先端に設けられた枢着部52(軸)によって枢着されているが、この枢着部52を中心とするシャッター片53A、53Bの回転は、シャッターユニット15をコネクタハウジング14(詳細にはハウジング半体14A)に組み込んだときに、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの中心軸線に直交する向きの回転軸線を中心とするものである。また、シャッター片53A、53Bと本体部51との連結部(枢着部52)は、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの中心軸線を介して対向する両側となるところに位置している。また、各シャッター片53A、53Bは、枢着部52付近に組み込まれた弾性部材58であるバネ(図12にトーションバネを例示)の付勢力によって、枢着部52から、一対の張り出し部55A、55Bの間の空間57に突出するように付勢されており、特に、外力が作用していないときでは、枢着部52から空間57に突出する一対のシャッター片53A、53Bの先端部53a同士が重なり合い、一枚の壁を形成するようになっている。
なお、バネ58は、図12以外の図面では図示を略している。
また、この実施形態では、シャッターユニット15を構成する全ての部材、すなわち、本体部51、枢着部52、シャッター片53A、53B、バネ58は、導電性を有する部材で形成されており、互いに電気導通可能に接続されている。ここに例示する実施の形態では、本体部や、シャッター片として、導電性を有するステンレス板を成形して形成したものを例示する。
【0029】
シャッターユニット15は、ハウジング半体14Aに対して接合端面14iの側から挿入して、ハウジング半体14A内に組み込むようになっている。
張り出し部55A、55Bは、シャッターユニット15をハウジング半体14Aに組み込んだ時に、それぞれ、ハウジング半体14Aのコネクタ穴14a1、具体的には、コネクタ穴14a1を、該コネクタ穴14a1の中心軸線を介して対向する両側の内側部を拡張した部分である拡張部14e(図10参照)に収納される。また、図10に示すように、一方の拡張部14e(符号14e1)は、コネクタ穴14a1を、該ハウジング半体14A内において光コネクタ16Aが収納される領域を超えてキー溝14gの側に拡張した部分であり、他方の拡張部14e(符号14e2)は、コネクタ穴14a1を該コネクタ穴14a1において光コネクタ16Aが収納される領域を超えてキー溝14gに対向する側に拡張した部分である。コネクタ穴14a1の中心軸線を介して対向する両側となる位置にてハウジング本体部14bに形成されている一対の係合爪14fは、拡張部14eの対の間に位置する。
なお、この実施の形態では、拡張部14e1、14e2を含めて(拡張部14eの一部である軸挿入溝14h(後述)も含む)、コネクタ穴14a1、14a2と称している。
【0030】
両拡張部14eは、ハウジング半体14Aの接合端面14iに開口しており、シャッターユニット15は、接合端面14iの側から、両張り出し部55A、55Bを拡張部14eに挿入していくようにして、コネクタ穴14a1内に挿入して収納できる。
各拡張部14eは、ハウジング半体14Aをコネクタ穴14a1の軸方向に貫通して形成されている訳ではなく、ハウジング半体14Aにおける光コネクタ16Aの挿入口の側の端部(図8左側)にて、ハウジング半体14Aのコネクタ穴14a1内面から突設された壁部14j(図7(b)、図8等参照。突壁)が、拡張部14eの最奥(接合端面14iから見て、最も奥側)を塞ぐ壁部として機能している。この壁部14jは、ハウジング半体14Aに挿入された光コネクタ16Aのハウジング17を支持してぐらつきを防止する機能を果たす。
前記壁部14jは、コネクタ穴14a1の中心軸線を介して対向する両側に形成されており、この一対の壁部14jの間には、ハウジング半体14Aに挿入される光コネクタ16Aのハウジング17の断面形状とほぼ一致する形状の空間(この空間もコネクタ穴14a、14a1の一部)が確保されている。光コネクタ16Aのハウジング17のキー17aが挿入される前記キー溝14gは、一対の壁部14jの内の一方(以下、符号14j1を付して説明する場合がある)に形成されている。他方の壁部14j(以下、符号14J2を付して説明する場合がある)には、キー溝は形成されていない。壁部14J1側の拡張部14e1に収納された張り出し部55B、及び壁部14J2側の拡張部14e2に収納された張り出し部55A、及び枢着部52は、ハウジング半体14Aへの光コネクタ16Aの挿入時に光コネクタ16Aのハウジング17に干渉しないようになっている。各拡張部14eは、各壁部14j1、14J2から、コネクタ穴14a1の軸方向に沿って延在して、凹所14oに開口する溝状に形成されている。各拡張部14eは、コネクタ穴14a1をその中心軸線を介して両側に拡張した形状になっている。
【0031】
図11に示すように、張り出し部55A、55Bの両側には、枢着部52である軸(以下、枢着部52を軸とも言う)軸方向両端が突出されており(突出部52a)、各突出部52aは、拡張部14eの対向する両側が、ハウジング本体部14bに溝状に切り込まれた部分である軸挿入溝14h(図8、図10参照)に挿入される。図8に示すように、軸挿入溝14hは、コネクタ穴14a1の軸方向に沿って延在形成されており、接合端面14i側からコネクタ穴14a1に挿入していくシャッターユニット15は、各軸52の突出部52aが軸挿入溝14hの最奥部に突き当たるところで挿入限界となる。このとき、軸52の突出部52aは、軸挿入溝14hによってぐらつかないように安定支持される。また、シャッターユニット15の両張り出し部55A、55Bは、コネクタ穴14a1の内、両側に拡張部14eが形成されている部分の内面に接するようになり、コネクタ穴14a1内に支持される。拡張部14eは、コネクタ穴14a1に収納したシャッターユニット15を位置決めする位置決め溝としても機能する。
【0032】
図8、図9に示すように、この実施形態では、遮蔽部材60は、一方のハウジング半体14Aのコネクタ穴14a1内に収納されたシャッターユニット15の主板部54に当接させて、コネクタ穴14a内に収納される。遮蔽部材60は扁平形状の部材(遮蔽板)であり、一対のハウジング半体14A、14Bの接合境界に対応する位置に配置されて、各ハウジング半体14A、14Bの接合端面14iから窪んだ形状の凹所14oに、それぞれ厚みの半分程度が嵌め込むようにして収納される。
遮蔽部材60には、シャッターユニット15の主板部54とは逆の側から、ハウジング半体14Bの端部14dが当接されるようになっており、これにより、シャッターユニット15と遮蔽部材60とが、ハウジング半体14Bによってコネクタ穴14a1から抜け出ないように押さえ込まれるとともに、コネクタ穴14a内でぐらつかないように安定収納される。なお、ハウジング半体14Bの端部14dは、遮蔽部材60に対して、該遮蔽部材60の主板部54とは逆の側の端面65の外周部に当接されるようになっており、光コネクタ16同士の接続の障害にはならない。
【0033】
前記本体部51の主板部54は、シャッターユニット15をハウジング半体14A内に組み込んだ時には、コネクタ穴14aを横切るように配置される。また、遮蔽部材60も、コネクタ穴14aを横切るように配置される。ただし、コネクタ穴14aは、この本体部51の主板部54の中央部に形成されている窓56、及び、遮蔽部材60に貫通して形成されている窓62によって連通されており、シャッターユニット15の主板部54や遮蔽部材60は、コネクタ穴14aに対向する両側から挿入して接続される光コネクタ16A、16B同士の接続の邪魔にならない。このシャッター付き光コネクタ10では、コネクタ穴14aに対向する両側から挿入された光コネクタ16A、16Bの先端同士(具体的にはフェルール19同士)が、丁度、前記遮蔽部材60の窓62付近で突き合わせ接続されるようになっている。
【0034】
なお、図11に示すように、シャッターユニット15の主板部54の窓56には、光コネクタ16Aのハウジング17が通過可能な大きさが確保されている。また、電磁波シールド性の確保の点では(後述)、前記窓56は出来る限り小さくすることがより好ましく、図11の例では窓56はハウジング17の断面形状と同様の形状で、ハウジング17の断面形状よりも僅かに大きい寸法に形成されている。また、遮蔽部材60の窓62も、電磁波シールド性の確保の点で出来るだけ小さく形成することが好ましく、図8等に示した例では、光コネクタ16A、16Bのフェルール19を僅かなクリアランスを以て挿入可能(ハウジング17は挿通不可能)な大きさに形成されている。
【0035】
遮蔽部材60は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの合成樹脂で一体成形された部材であり、ここでは、全体がカーボンフィラーなどの電磁波吸収作用を有する微細粉を含有した導電性樹脂による一体成形品を採用している。図8、図11に示すように、この遮蔽部材60は、コネクタ穴14aを横切るようにしてコネクタ穴14a内に挿嵌される本体部61と、この本体部61の中央部に貫通して形成された窓62とを有する。また、扁平形状の本体部61の厚みの両側には、光コネクタ16A、16Bのハウジング17の先端部17bが挿入される凹所63(ハウジング半体14A側に配置される凹所に符号63a、ハウジング半体14B側に配置される凹所に符号63bを付す)が形成されており、前記窓62は、両側の凹所63a、63bの間を仕切るように形成されている壁部64の中央部に開口されている。両側の凹所63a、63bは窓62を介して連通されている。
【0036】
コネクタハウジング14に挿入された光コネクタ16Aは、ハウジング17の先端部17bが凹所63aに挿入されることで遮蔽部材60によってぐらつかないように支持され、しかも、ハウジング17先端部から突出するフェルール19が、窓62に挿入可能な位置に位置決めされる。光コネクタ16Aのハウジング17のキー17aは、凹所63aに形成されているキー溝66aに挿入される。被接続側光コネクタ16Bのハウジング17の先端部17bは、凹所63bに挿入されることで遮蔽部材60によってぐらつかないように支持され、しかも、ハウジング17先端部から突出するフェルール19が、窓62に挿入可能な位置に位置決めされる。光コネクタ16Bのハウジング17のキー17aは、凹所63bに形成されているキー溝66bに挿入される。
また、図8、図9では、被接続側光コネクタ16Bのフェルール19が、遮蔽部材60の窓62に挿入されて、ハウジング半体14Aの側に突出して設けられている構成を例示しているが、これに限定されず、被接続側光コネクタ16Bのフェルール19の位置は、ハウジング半体14Aの側からコネクタハウジング14に挿入した光コネクタ16A先端のフェルール19との接続が可能な位置であればよく、窓62からハウジング半体14Aの側に必ず突出させる必要性は無い。
【0037】
前述した通り、シャッターユニット15の前記枢着部52は、ここでは、張り出し部55A、55Bの主板部54からの突出先端に取り付けられた軸であり、シャッターユニット15をハウジング半体14のコネクタ穴14a1内に組み込んだ時には、丁度、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの軸方向にほぼ直交する向きに配置される。したがって、この軸(枢着部52)によって本体部51に対して回転自在に枢着されるシャッター片53A、53Bは、枢着部52である軸(以下、枢着部52を軸52ともいう)と同じ向き、すなわち、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aに対してほぼ直交する回転軸線をもって回転自在に支持される。この軸52は、張り出し部55A、55B先端を筒状に湾曲成形した部分(軸保持部55a)の内側に収納保持されている。シャッター片53A、53Bも一部を筒状に湾曲成形した軸保持部53bの内側に軸52を収納して、軸52回りに回転自在に軸支されている。
なお、張り出し部55A、55Bは、主板部54からの突出位置が異なるのみであり、以下、張り出し部55A、55Bに共通の構成をいう場合に、符号55を付して説明する場合がある。
【0038】
図8、図11に示すように、シャッター片53A、53Bは、シャッターユニット15の本体部51から前記コネクタ穴14aに突出する舌片状の小板片である。
両シャッター片53A、53Bは、いずれも遮光位置(後述)にあるときは、シャッター片53A、53Bの先端部53a同士が重なり合う。シャッター片53A、53Bは、コネクタ穴14aに挿入された光コネクタ16によって押圧されると、押し倒されて、待避位置(後述)に至るが、このとき、先端部53a同士の重なりが解除される。コネクタ穴14aから光コネクタ16が引き抜かれると、バネ58(図12参照)の付勢力によってシャッター片53A、53Bが遮光位置に復帰し、再び、先端部53a同士が重なり合う。前記バネ58は、遮光位置から回転変位したシャッター片を遮光位置に押し戻す押し戻し用付勢部材として機能する。
なお、押し戻し用付勢部材としては、シャッターユニット15の本体部51の一部をバネ状に成形したものや、シャッター片53の一部を板バネ状に加工したものなど、各種構成が採用可能である。
【0039】
図8に示すように、シャッター片53は、軸52を中心とする回転によって、軸52から主板部54側に向けて斜めに若干傾斜する姿勢(図8実線に示すシャッター片53A、53Bの位置。この位置を、以下「遮光位置」ともいう)と、張り出し部55A、55Bとほぼ重ね合わされる姿勢(図8中想像線で示すシャッター片53A、53Bの位置。以下、この位置を「待避位置」ともいう)とを切り替えることができる。
【0040】
ただし、図12に示すように、シャッター片53Aは、遮光位置(図12実線で示す位置)では、前記ストッパ当接部53cが張り出し部55Aの突出先端部の表面に突き当たることで、主板部54に対する逆側(つまり、シャッター片53Aについては図8反時計回り)へのそれ以上の回転が規制される。このことは、シャッター片53Bについても同様である(シャッター片53Bについては、図8実線で示す遮光位置から時計回りの回転が規制される)。張り出し部55の主板部54からの突出先端部は、遮光位置から主板部54に対する逆側へのシャッター片53の回転を規制するストッパ55bとして機能する。
遮光位置にあるシャッター片53A、53Bは、バネ58の付勢力によってストッパ当接部53cに押し付けられるようになり、ぐらつかないように保持される。
【0041】
なお、両シャッター片53A、53Bが遮光位置にあるときは、シャッター片53A、53Bの先端部53a同士が重なり合うことで、コネクタ穴14aがその断面方向ほぼ全体にわたって塞がれるため、この状態では、例えば、図8に示すように、コネクタ穴14aの片側の開口部から先行して挿入接続された光コネクタ16B先端(詳細には光コネクタ16先端の接合端面19b。この光コネクタ16Bを被接続側光コネクタとする)に露出する光ファイバ19aからの出射光が、コネクタ穴14aの反対側の開口部から飛び出ることを防止できる。したがい、例えば、シャッターユニット15が収納されていないハウジング半体14Bの開口部(図8の右側)からコネクタハウジング14に光コネクタ16Bを挿入した後、シャッターユニット15が収納されているハウジング半体14Aの開口部(図8の左側)からコネクタハウジング14に光コネクタ16Aを挿入接続する場合、光コネクタ16Aのコネクタ穴14aへの挿入、接続作業の際に、被接続側光コネクタからの出射光が邪魔になるといった不都合が無く、接続作業を効率良く行える。
【0042】
また、このように遮光位置のシャッター片53A、53B同士が重なり合って、コネクタ穴14aがその断面方向ほぼ全体にわたって塞がれた状態では、コネクタ穴14aにおける前記シャッター片53と遮蔽部材60との間に位置する区間への埃などの侵入を防止する防塵性を発揮するため、被接続側光コネクタ16B先端(具体的にはフェルール19の接合端面19b)が埃などの付着によって汚染されるなどの不都合を防止できる。
【0043】
(コネクタ取付穴の電磁波シールドについて)
この実施形態のシャッター付き光コネクタ10では、コネクタハウジング14、遮蔽部材60として導電性を有するものを採用したことにより、例えば、図2〜図4に例示した筐体11の取付壁12に取り付けた場合に、コネクタ取付穴13の電磁波シールド性能を良好に確保できる。この実施形態では、電磁波シールド機能を有するコネクタハウジング14、遮蔽部材60として、カーボンフィラーを成形樹脂中に混入分散した合成樹脂材料によって成形したものを採用したが、これに限定されず、例えば、合成樹脂などからなる基材に導電性の塗料(例えば、電磁波吸収作用を持つ磁性金属粉を混入したペーストなど)を塗布して形成した導電性塗膜を有するもの、導電性繊維(金属繊維など)からなる導電性布帛を固定したものなども採用可能である。また、電磁波吸収作用を有する微細粉としては、カーボンフィラーに限定されず、各種材料が採用可能である。
【0044】
この実施形態のシャッター付き光コネクタ10では、特に、遮蔽部材60が、コネクタ取付穴13の電磁波シールド性の確保に有効に寄与する。遮蔽部材60は、コネクタ穴14aをその断面方向にほぼ全体にわたって塞ぐようになっており、シャッター付き光コネクタ10を取付壁12のコネクタ取付穴13に挿入して取付壁12に取り付けたときに、コネクタ取付穴13のほぼ全体を塞ぐように配置される。そして、遮蔽部材60と接触して電気導通可能になっているコネクタハウジング14や、コネクタハウジング14に設けた接続回路などによって、遮蔽部材60のグランドを確保しておくことにより、遮蔽部材60を電磁波シールド用の部材として有効に機能させることができ、これにより、コネクタ取付穴13の電磁波シールド性を確保できる。
【0045】
また、このシャッター付き光コネクタ10では、コネクタハウジング14も電磁波シールド機能を有する部材として機能させることができるため、結果的に、フェルール19外形よりも僅かに大きい程度の窓62の部分を除いて、コネクタ取付穴13の殆どの部分を電磁波シールド機能を有する部材によって塞ぐことができ、優れた電磁波シールド性が得られる。つまり、このシャッター付き光コネクタ10が取付壁に取り付けられると、取付壁のコネクタ取付穴がシャッター付き光コネクタ10によってほぼ隙間無く塞がれた状態となる。さらに、このシャッター付き光コネクタ10では、シャッターユニット15も導電性部材を採用したことにより、より高い電磁波シールド機能が得られる。
【0046】
図1、図2中、符号20で示すシールドカバーは、ハウジング半体14Bの断面長方形状のハウジング本体部14b(図1(c)参照)の4側面(周面)の内の3面に対して個別に装着される3つの側板部20a、20b、20cを有し、全体がステンレスなどの導電性の金属板で形成され、ハウジング半体14Bを3方から取り囲むカバー状の部材である。このシールドカバー20の3つの側板部20a、20b、20cは、ハウジング本体部14bの3面に形成されている浅溝14pに収納するようにして、ハウジング本体部14bの外側に、位置ズレを生じないようにして装着される。このシールドカバー20は、筐体11との接触によって電気導通可能に接続されて、電磁波シールド性能を発揮するとともに、電磁波シールド性を有するコネクタハウジング14と取付壁12との電気導通のより確実な確保に寄与する。
【0047】
このシャッター付き光コネクタ10を取付壁12に取り付けるには、このシャッター付き光コネクタ10を筐体11の外側(図2中、取付壁12の左側)から、シールドカバー20が取り付けられている側(ここではハウジング半体14Bの側)を押し込み方向前側として取付壁12のコネクタ取付穴13に押し込んで(図2中、取付壁12の右側へ向けて押し込む)、このシールドカバー20の対向する両側に位置する側板部20b、20cから外側に突出され係合爪20dを弾性変形させつつ取付壁12に通過させれば良い。係合爪20dは取付壁12を通過したところで弾性復帰して取付壁12と係合する。これにより、係止爪20dと突片14cとの間に取付壁12が挟み込まれて、シャッター付き光コネクタ10が取付壁12に対して安定に取り付けられると同時に、取付壁12との電気導通が確保される。
【0048】
なお、コネクタハウジング14を介して遮蔽部材60のグランドを確保する構成であれば、特別な接続回路等をシャッター付き光コネクタ10に設ける必要が無くなるため、シャッター付き光コネクタの低コスト化に寄与する。また、シャッターユニット15に、コネクタハウジング14の外側に突出する通電用コンタクトを突設するなどによって、シャッターユニット15をグランド用の接続回路として機能させることも可能である。
【0049】
次に、本発明の第2実施形態を、図13〜図16を参照して説明する。
図13に示すように、この実施形態のシャッター付き光コネクタ10Aは、コネクタハウジング内に組み込むシャッターユニット、遮蔽部材の構成が第1実施形態と異なる。
【0050】
図13、図14に示すように、このシャッター付き光コネクタ10Aに適用するシャッターユニット150(分割組込型のシャッターユニット)は、コネクタハウジング14内に固定される本体部151(以下、ブラケットとも言う)に、小板片であるシャッター片153を、本体部151との連結部(枢着部。ここでは軸152)によって本体部151に対して回転変位自在に連結した構成であり、コネクタハウジング14のハウジング半体14Aに2つ組み込まれている。以下、図13においてハウジング半体14Aの下部に設けられたシャッターユニット150に符号150A、図13においてハウジング半体14Aの上部に設けられたシャッターユニット150に符号150Bを付して説明する場合がある。また、シャッターユニット150Aに設けられたシャッター片153に符号153A、シャッターユニット150Bに設けられたシャッター片153に符号153Bを付して説明する場合がある。
なお、これらシャッターユニット150A、150Bを構成する各部材は、導電性金属の曲げ等の成形によって形成したものであり、ここでは、ステンレス板から成形したものを例示する。
【0051】
図14、図15に示すように、各シャッターユニット150A、150Bのブラケット151は平板状の部材である。このブラケット151は、該ブラケット151を形成する金属板を筒状に成形した軸保持部151aによって軸152を一端部(図15(a)、(b)左側)に収納支持している。一方、シャッター片153A、153Bも、該シャッター片153A、153Bを形成する金属板を筒状に成形した軸保持部153bによって軸152を収納しており、これにより、軸152を介してブラケット151に対して回転自在に連結されている。
【0052】
軸152は、長手方向両端がブラケット151の両側に突出されている(突出部152a)。各シャッターユニット150A、150Bをハウジング半体14Aに組み込むには、ハウジング半体14Aの接合端面14i側から、ブラケット151の両側の突出部152aを拡張部14e(図10(a)参照)の対向する両側の軸挿入溝14hに挿入していく。シャッターユニット150A、150Bは、ハウジング半体14Aに対して、軸152の突出部152aが、ハウジング半体14aの壁部14jに突き当たるところまで挿入される。これにより、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの中心軸線を介して両側に、各シャッターユニット150A、150Bの軸152が対向配置される。また、シャッターユニット150A、150Bは、シャッター片153A、153Bに対して連結されている一端部に対向する他端部151bが凹所14o内に突出されるようになっており、この他端部151bが、凹所14oに嵌め込まれる遮蔽部材160によって凹所14o内壁面、すなわち、ハウジング半体14Aの壁部との間に挟み込むようにして固定される。これにより、シャッターユニット150A、150Bは、ブラケット151の対向する両端部(一端部と他端部)がハウジング半体14A内に固定され、ブラケット151がぐらつかないように固定されて安定な収納状態が得られる。
【0053】
図13、図14において、遮蔽部材160は、第1実施形態の遮蔽部材60と同様に、カーボンフィラーを混入した合成樹脂によって形成した一体成形品であり、全体として扁平形状(遮蔽板)に形成されていることも遮蔽部材60と同様である。また、この遮蔽部材160には、遮蔽部材60の窓62、凹所63a、63b、壁部64と同様に、窓162、凹所163a、163b、壁部164が形成されている。但し、図11に示すように、第1実施形態の遮蔽部材60では、光コネクタ16A、16Bのキー17aを挿入するためのキー溝66a、66bが、それぞれ壁部64を貫通して両側の凹所63a、63bにわたって形成されているが(キー溝66aは凹所63a内に位置する部分のみ、キー溝66bは凹所63b内に位置する部分のみが、キー17aの挿入に利用される)、図13、図14に示すように遮蔽部材160では、キー17aが挿入されない部分へのキー溝の形成を省略している。
【0054】
凹所163aの周囲に存在する壁部の内、凹所163aを介してキー溝166aに対向する側は、シャッターユニット150Aのブラケット151の他端部151bをコネクタハウジング14の内面(具体的にはハウジング半体14Aの内面)に押し付け固定する固定壁167(図13参照)として機能する。
また、凹所163aの周囲に存在する壁部の内、キー溝166aの側の壁部から突出されているリブ168aは、シャッターユニット150Bのブラケット151の他端部151bをコネクタハウジング14の内面(具体的にはハウジング半体14Aの内面)に押し付け固定する固定壁として機能する。
【0055】
コネクタハウジング14における遮蔽部材160の収納位置は、第1実施形態の遮蔽部材60と同じであり、一対のハウジング半体14A、14Bの接合端面14i側の凹所14oに嵌め込むようにして収納され、各ハウジング半体14A、14Bの凹所14oの内面形状によってガタ付かないように安定保持される。遮蔽部材160はコネクタ穴14aを横切る向きで収納されるが、コネクタ穴14aは、光コネクタ16A、16Bのフェルール19が挿入可能な窓162を介して遮蔽部材160の両側に連通されており、また、この窓162によって、光コネクタ16A、16B同士の接続が可能になっている。
【0056】
ハウジング半体14A、14Bを一体化して、コネクタハウジング14内にシャッターユニット150A、150B及び遮蔽部材160を収納すると、シャッターユニット150Aのブラケット151の他端部151bに、遮蔽部材160の側面に突設されているリブ168b(凹所163bの周囲の壁部の内、キー溝166b側の壁部から突出されているリブ168b)がハウジング半体14Bの側から突き当てられ、これによりシャッターユニット150Aのブラケット151は、いわば、遮蔽部材160と、ハウジング半体14Aの壁部14jとの間に挟み込まれるようにして、ガタ付かないように安定収納される。一方、シャッターユニット150Bのブラケット151は、他端部151bに、ハウジング半体14Bの接合端面14iが突き当てられることで、これにより、いわば、両ハウジング半体14A、14Bの間に挟み込まれるようにして、ガタ付かないように安定収納される。
【0057】
なお、シャッターユニット150A、150Bのブラケット151の他端部151bの固定力が、遮蔽部材160とハウジング半体14Aの内面(詳しくは凹所14o内面)との間の挟み込みや、この挟み込みと接着剤の併用等によって充分に得られる場合は、リブ168bやハウジング半体14Bのブラケット他端部151bに対する突き当てを省略しても良い。また、リブ168bやハウジング半体14Bのブラケット他端部151bに対する突き当てに代えて、遮蔽部材160に突き当て部を形成して、遮蔽部材160によって、ブラケット151をハウジング半体14Aに押さえ込む構成等も採用可能である。
【0058】
ハウジング半体14Aへのシャッターユニット150A、150Bの組み込みが完了すれば、シャッターユニット150A、150Bのシャッター片153A、153Bが、軸152を中心とする回転変位可能として、コネクタ穴14a(詳細にはコネクタ穴14a1)内に配置される。シャッターユニット150A、150Bのシャッター片153A、153Bの軸152を中心とする回転軸線の向きは、第1実施形態のシャッターユニット15のシャッター片53A、53Bと同じ、すなわち、コネクタハウジング14のコネクタ穴14aの中心軸線に直交する方向であり、この回転軸線を中心とする回転によって、遮光位置(図13実線の位置)と待避位置(図13仮想線の位置)とを切り替えできることも、第1実施形態のシャッターユニット15のシャッター片53A、53Bと同じである。
【0059】
また、それぞれ遮光位置にあるシャッター片153A、153Bは先端部153a(軸152からの突出先端部)同士が重なり合うため、優れた遮光性、コネクタ穴14aの防塵性を確保できる点も、第1実施形態と同様である。各シャッターユニット150A、150Bには、押し戻し用付勢部材としてのバネ(トーションバネ。図示略)が、軸152付近に組み込まれているから、コネクタハウジング14に挿入、接続されていた光コネクタ16Aをコネクタハウジング14から引き抜けば、押し戻し用付勢部材の付勢力によって、各シャッター片153A、153Bが遮光位置に押し戻されてコネクタ穴14aを塞ぐように重なり合う状態に復帰し、コネクタ穴14aの防塵性が確保される。
【0060】
図16は、シャッター片153Aのストッパ当接部153cと、ブラケット151のストッパ151cとの関係を示す拡大図である。図16に示すように、シャッター片153Aは、遮光位置(図16実線の位置)では、該シャッター片153Aから突出する突起であるストッパ当接部153cが、ブラケット151の一端部であるストッパ151cに突き当たるため、遮光位置から、被接続側光コネクタ16Bから遠ざかる方向への回転(図16では反時計回りの回転)が規制される。シャッターユニット150Bのシャッター片153Bについても、同様の構造により、遮光位置から、被接続側光コネクタ16Bから遠ざかる方向への回転(図13では時計回りの回転)が規制される。
【0061】
このシャッター付き光コネクタ10Aによれば、被接続側光コネクタ16Bからの出射光の遮光、防塵性の確保、取付壁12に取り付けたときのコネクタ取付穴13の電磁波シールド性の確保を、第1実施形態のシャッター付き光コネクタ10と同様に実現できる。さらに、このシャッター付き光コネクタ10Aによれば、コネクタハウジング14のコネクタ穴14a(詳細には、ハウジング半体14Aのコネクタ穴14a1)の中心軸線を介して両側に、シャッターユニット150A、150Bを別々に組み込む構成であるから、コネクタハウジング14のサイズ等に幅広く対応でき、コネクタハウジング14に対する安定収納を容易に実現できる利点がある。また、コネクタハウジングに収納するシャッターユニットは、全て同様の形状である必要は無い。また、コネクタハウジングの構造等に対応して、組み込みが容易なシャッターユニットを選択使用することが可能であり、これにより、コネクタハウジングへの組み込みを容易にすることができる。
【0062】
なお、本発明は、前述の実施形態に限定されず、各種変更が可能である。
例えば、シャッターユニットの具体的形状は、前述の実施形態に例示したものに限定されず、適宜設計変更可能である。
また、前記実施形態では、MPO形光コネクタの光コネクタプラグ同士の接続に用いられる光コネクタアダプタへの適用例を例示したが、本発明はこれに限定されず、MPO形光コネクタ以外の多心用、単心用の各種光コネクタプラグ同士の接続に用いられる光コネクタアダプタに適用可能である。また、光コネクタアダプタに限定されず、光コネクタプラグが挿入、接続されるコネクタ穴を有する各種光コネクタに適用可能である。
遮蔽部材として、例えば、前述した一括組込型のシャッターユニットの主板部を機能させることも可能である。この場合、シャッターユニットは主板部が、コネクタハウジングのコネクタ穴内における光コネクタ同士の接続位置付近となるように収納する。また、主板部には、光コネクタのフェルールが僅かなクリアランスを以て挿入可能な程度の大きさの窓を形成すれば良い。
シャッター付き光コネクタの取り付け対象の取付壁としては、機器の筐体の一部に限定されず、例えば、光配線盤などの架体において光コネクタアダプタなどの光コネクタを実装するためのパネルなど、各種構成が採用可能である。
シャッターユニットの本体部とシャッター片との連結部としては、軸等に限定されず、光コネクタからの押圧力により弾性変形可能な部材など、各種構成が採用可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コネクタハウジング内に組み込んだシャッターユニットのシャッター片によって、被接続側光コネクタからの出射光を遮光できるため、被接続側光コネクタに対する別の光コネクタの接続作業を効率良く行える。これにより、コネクタハウジングの外側への遮光用の部材の設置を不要にできる。しかも、遮光用のシャッター片を回転変位自在に支持するシャッターユニットをコネクタハウジングのコネクタ穴への挿入によって組み込み構成であるため、コネクタハウジングの大型化を避けることが容易である。また、コネクタハウジングに光コネクタを挿入、接続していないときには、遮光位置にある複数のシャッター片が重なり合って、コネクタハウジングのコネクタ穴を塞ぐようになるため、コネクタ穴に優れた防塵性が確保され、被接続側光コネクタのフェルール等を汚染から保護できる等の利点がある。
さらに、この本発明のシャッター付き光コネクタによれば、コネクタハウジング内への遮蔽部材の組み込みによって電磁波シールド性を確保でき、取付壁のコネクタ取付穴に取り付けるだけで、コネクタ取付穴の電磁波シールド性を確保できる。しかも、遮蔽部材の窓を介して、光コネクタと被接続側光コネクタとの接続を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のシャッター付き光コネクタの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図である。
【図2】筐体の取付壁に対する図1のシャッター付き光コネクタの取付状態を示す図であって、取付壁のコネクタ取付穴付近を示す断面図である。
【図3】図2の取付状態を筐体外側から見た斜視図である。
【図4】取付壁に形成されたコネクタ取付穴を示す斜視図である。
【図5】図2の取付状態を筐体内側から見た斜視図である。
【図6】図1のシャッター付き光コネクタのシャッターユニットを示す全体斜視図である。
【図7】(a)、(b)は、図1のシャッター付き光コネクタのコネクタハウジングを示す断面図である。
【図8】図1のシャッター付き光コネクタの構造を示す断面図である。
【図9】図1のシャッター付き光コネクタの構造を示す断面斜視図である。
【図10】図1のシャッター付き光コネクタのコネクタハウジングの2つのハウジング半体の内、軸挿入溝が形成されているハウジング半体を示す図であって、(a)は断面図、(b)は接合端面側から見た図である。
【図11】図1のシャッター付き光コネクタのシャッターユニットと、遮蔽部材(遮蔽板)とを示す斜視図である。
【図12】図11のシャッターユニットのシャッター片のストッパ当接部と、張り出し部先端のストッパとの関係を示す拡大図である。
【図13】本発明の第2実施形態のシャッター付き光コネクタの構造を示す断面図である。
【図14】図13のシャッター付き光コネクタのシャッターユニットと遮光部材(遮光板)とを示す斜視図である。
【図15】図14のシャッターユニットのシャッター片を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図16】図11のシャッターユニットのシャッター片のストッパ当接部と、ブラケットのストッパとの関係を示す拡大図である。
【図17】本発明に係るシャッター付き光コネクタを適用した光コネクタレセプタクルを示す断面図であり、(a)はコネクタハウジングに別体の被接続側光コネクタを組み込んだ構成、(b)はコネクタハウジングと一体に被接続側光コネクタを形成した構成を示す。
【図18】光コネクタアダプタを介した光コネクタプラグの接続を示す断面図である。
【図19】機器の筐体の取付壁(パネル)に対する光コネクタアダプタの取付状態を示す斜視図である。
【図20】図19の取付壁に開口されたコネクタ取付穴を示す斜視図である。
【図21】図19の光コネクタアダプタの取付壁に対する取付状態を示す図であって、コネクタ取付穴付近を示す断面図である。
【符号の説明】
10,10A・・・シャッター付き光コネクタ、12・・・取付壁、13・・・コネクタ取付穴、 14・・・コネクタハウジング(光コネクタアダプタ)、14a・・・コネクタ穴、14A,14B・・・ハウジング半体、15,150・・・シャッターユニット、16, 16A・・・光コネクタ、16B・・・被接続側光コネクタ、19…フェルール、19b・・・接合端面、40,53,53A,53B,153,153A,153B・・・シャッター片、52,152・・・連結部(枢着部、軸)、55,55A,55B…張り出し部、56・・・窓、57…空間、58…押し戻し用付勢部材(トーションバネ)、60,160・・・遮蔽部材(遮蔽板)、62,162…窓。
Claims (4)
- 光コネクタ(16A)が挿入、接続されるコネクタ穴(14a、46)内にて前記光コネクタと被接続側光コネクタ(16B、48、49)とが接続されるようになっているコネクタハウジング(14、45h)にシャッターユニット(15、150、150A、150B)が組み込まれており、
前記シャッターユニットは、前記コネクタハウジングに取り付けられる本体部(51、151)と、コネクタ穴の内面付近にて前記本体部と連結されており、この本体部から前記コネクタ穴に突出するようにして配置されることで、前記被接続側光コネクタの先端に露出する光ファイバ(19a)からの出射光を遮光する舌片状の前記シャッター片(53、53A、53B、153、153A、153B)とを有し、
前記コネクタハウジングには、本体部との連結部(52、152)を中心とする回転変位によって、前記連結部からコネクタ穴に突出する遮光位置と、前記コネクタ穴へ挿入した前記光コネクタによって前記コネクタ穴内への突出量を減少するように押し倒されて前記光コネクタの前記被接続側光コネクタに対する接続を可能とする待避位置とを切り替え自在として前記本体部に連結されている前記シャッター片が複数設けられており、
しかも、各シャッター片が前記遮光位置にあるときに、シャッター片同士がコネクタ穴を塞ぐように重なり合うことを特徴とするシャッター付き光コネクタ(10、10A)。 - 光コネクタ(16A)が挿入、接続されるコネクタ穴(14a)内にて前記光コネクタと被接続側光コネクタ(16B)とが接続されるようになっているコネクタハウジング(14)に組み込まれる本体部(151)と、この本体部から前記コネクタハウジングのコネクタ穴に突出するようにして配置される舌片状のシャッター片(53、53A、53B)とを有し、
前記本体部は、前記光コネクタ及び/又は被接続側光コネクタが挿入可能な窓(56)が形成されていて、この窓を前記コネクタ穴に連通させて前記コネクタ穴を横切る向きで前記コネクタハウジングに設けられる主板部(54)と、この主板部の対向する両側から該主板部の一方の面の側に立ち上げるようにして張り出された一対の張り出し部(55、55A、55B)とを有し、
各張り出し部には、前記シャッター片が、該張り出し部との連結部を中心とする回転変位によって、前記連結部から一対の張り出し部間の空間(57)に突出する遮光位置と、押し倒しによって前記連結部から主板部の側に延びる姿勢である待避位置とを切り替え自在として連結されており、
しかも、シャッター片が前記遮光位置から回転変位したときには、前記連結部自体あるいは該連結部とは別に設けられた弾性部材がシャッター片を前記遮光位置に押し戻す押し戻し用付勢部材(58)として機能するようになっており、両側のシャッター片が前記遮光位置にあるときに、シャッター片同士がコネクタ穴を塞ぐように重なり合うことを特徴とするシャッターユニット(15)。 - 前記シャッターユニットが請求項2記載のシャッターユニットであることを特徴とする請求項1記載のシャッター付き光コネクタ。
- 前記コネクタハウジングのコネクタ穴には、前記光コネクタと前記被接続光コネクタとの接続位置付近に、導電性を有する遮蔽部材(60、160)が収納されており、前記遮蔽部材には、前記光コネクタ先端のフェルール及び/又は前記被接続側光コネクタ先端のフェルールが挿通可能な窓(62、162)が形成されていることを特徴とする請求項1又は3記載のシャッター付き光コネクタ。
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JP2010008992A (ja) * | 2008-05-27 | 2010-01-14 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 光レセプタクル |
-
2003
- 2003-01-22 JP JP2003014073A patent/JP2004226664A/ja not_active Withdrawn
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