JP2004226578A - 光学部品 - Google Patents

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西川  学
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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂製の光学部品、特に成形時における成形品が金型に密着することによる離型不良、成形品表面の外観不良等を有しない光学有効面積の大きい高精度の反射型光学部品を提供することを目的とする。
【解決手段】熱可塑性樹脂をヘリユウム雰囲気中で、250℃、25分加熱したときに発生する総ガス量が当該熱可塑性樹脂の1%重量以下であって、かつ発生した総ガス量の内、芳香族系の有機溶剤が30%重量以下含有している熱可塑性樹脂からなることを特徴とする光学部品。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂原料を使用して成形されたオーバーヘッドプロジェクター、ウィンドディスプレイ、フロントプロジェクター、デジタルカメラ、ヘッドアップディスプレイ、複写機、レーザープリンター、リアプロジェクションテレビ、その他光学機器等の光学部品に係り、特に成形表面の精密度が要求される反射型光学部品等の光学部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂を用いて光学部品を得るための成形方法としては、射出成形や押出成形などがある。また、熱可塑性樹脂をプレス成形方法によって光学部品を製造する方法も、本出願人自身が既に提案している(例えば、特許文献1参照。)。
当該出願人が提案した特許文献1の方法は、冷却のプロセスをコントロールして最適化することによって、複屈折位相差を30nm以下に押さえることで、残留歪みが極めて少ない、高精度の光学部品を得ることができる。
しかし、当該方法は成形工程に於おいて、光学有効面に外観不良が発生して、光学的に使用できない場合がある。特に、光学有効面積が大きい光学部品では、外観不良が発生する確率が高くなる。
外観不良の原因としては、様々な要因が考えられるが、特に大きな要因としては成形時に使用した熱可塑性樹脂から発生するガスが考えられる。
【0003】
光学有効面が大きい光学部品は熱可塑性樹脂の使用量が多く、熱可塑性樹脂から発生するガス量も多くなり、このガスが金型に付着などして、モールドデボジットとなって成形面を汚染したり、成形面と金型とが汚染物質が原因で密着してしまい、離型不良を起こすことがある。
このような現象は、金型にガス抜き構造を施したとしても、発生するガス量が多い場合などは、成形ショット数が増えてくるとガス抜き部が詰まり、効果が低減し外観不良が発生する問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−131519
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、光学有効面積の大きい光学部品では、成形加工時に使用する熱可塑性樹脂の原料から発生するガスによる汚染が要因となって成形面の外観不良を引き起こすことがある。
本発明では、特に熱可塑性樹脂の原料中に含有する有機溶媒の含有量を所定値以下の熱可塑性樹脂を使用すれば、成形品が金型との密着によって起こる離型不良、またこれが原因となって生じる成形品表面の部分的な樹脂の脱落などの外観不良を有しない光学部品を得ることがを見いだした。
【0006 】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題を解決した光学部品であってその要旨は、
(1)熱可塑性樹脂をヘリユウム雰囲気中で、250℃、25分加熱したときに発生する総ガス量が当該熱可塑性樹脂の1%重量以下であって、かつ発生した総ガス量の内、芳香族系の有機溶剤が30%重量以下含有する熱可塑性樹脂からなることを特徴とする光学部品である。
(2)熱可塑性樹脂が非晶性熱可塑性樹脂であることを特徴とする上記(1)の光学部品である。
(3)非晶性熱可塑性樹脂がポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィンポリマー、ポリエーテルサルフォンであることを特徴とする上記(2)の光学部品である。
(4)芳香族系の有機溶剤がキシレン、エチルベンゼン又はトルエンであって、その合計が30%重量以下含有している熱可塑性樹脂からなることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかの光学部品である。
(5)非球面形状を有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかの光学部品である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の光学部品の成形方法としては、射出成形、押出成形、プレス成形や、これらを組み合わせた成形方法などが採用出来る。特に製造方法は限定するものではないが、射出成形やプレス成形が好ましい。
射出成形は、熱可塑性樹脂を溶融させるために加熱とスクリューによる可塑化で溶融が早く行うことが出来るため好ましい。しかし、高精度が必要な光学部品、例えば薄型リアプロジェクションテレビ用の反射型非球面ミラーなどに使用する場合は、冷却時の温度制御を精密に行うことで、樹脂温度分布を均一に制御しながら成形を行うため、冷却工程時にはある程度の時間を要する。
射出成形の場合は、溶融樹脂の金型内への射出までの時間間隔が長くなると射出シリンダ内で熱可塑性樹脂の滞留が起こり樹脂劣化の原因となる。この場合には、金型を射出成形機より移動して、プレス成形機で冷却プレートの温度を制御しながら冷却することが好ましい。また、プレス成形機で原料を溶融して、そのまま冷却工程へ移行することも可能である。
【0008】
本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、成形加工時及び成形加工後の寸法変化が少ない非晶性樹脂が好ましい。非晶性熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィンポリマー、ポリエーテルサルフォンなどがある。これらの材料は外観に影響しない程度に、機械物性を改良するためにタルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンファイバーなどのフイラーを含有することが出来る。
【0009】
高精度の光学部品を成形する場合は、初期の製品の形状精度が高くても環境により形状変化するのは好ましくない。特に、高温高湿状態に暴露された場合に、吸湿して形状変化を生じることがあり、これが大きな問題となる場合がある。
このような場合に選択される熱可塑性樹脂としては、吸水率が0.1%(重量比)以下であるものであって、ポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン)が好ましい。
【0010】
以下、本発明の成形方法一例を添付図面に基づいてされに詳しく説明する。
図1は金型をプレス成型機に装着した状態の縦断面図である。
図2は射出金型を縦型の射出成型機に取付けた状態の縦断面図である。
図3は画像評価装置の概略図である。
【0011】
図1において、周枠1及び2によって挟持された鏡面金型3及び裏金型5との間に熱可塑性樹脂4が充填されている。
符号6は加熱板であって、当該加熱板6はプレス成型機の加圧シリンダー8のヘッドに取り付けられた冷却板7と共に移動自在に配置されている。
そして加圧シリンダー8を作動させると共に加熱板6によって所定温度に加熱し、当該加熱板6、6の間に組み込まれた鏡面金型3及び裏金型5間に充填された熱可塑性樹脂4により成形品を得る。
【0012】
図2において、射出成型機10の先端に取り付けられたノズル10−1より上金型9−1及び下金型9−2よりなる射出金型9によって形成されるキャビティー内に溶融状態の熱可塑性樹脂4を射出して成形品を得る。
【0013】
図3において、符号(イ)は反射型非球面光学部品であって、当該反射型非球面光学部品(イ)の鏡面部に形成された反射膜(イ−1)にプロジェクター(ロ)から光線を照射し、ここより反射される反射光をスクリーン(ハ)に投影して画像評価を行うものである。
【0014】
得られた成形品の鏡面部に反射膜を形成する方法としては、真空蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、無電解メッキなどがあるが、ここでは膜密着性や反射率を高めるために真空蒸着が好ましい。
反射膜の構成としては、成形品の表面に接着層としてSiOxまたはCrなどを50〜1000Å成膜することが好ましい。反射膜としては、接着層の上にAlまたはAgなどを300〜2000Å成膜することが好ましい。反射膜の上には、保護膜としてSiOxを50〜1000Å成膜する事が好ましい。さらに、反射率をアップするために、保護膜の上に増反射膜を形成する場合もある。
この場合は、増反射膜としてはTiOやフッ素系化合物が使用される。これらの増反射膜としては、50〜1000Åが好ましい。このようにして最終製品である反射型非球面光学部品(イ)を完成する。
【0015】
光学有効面積が大きい光学部品としては、光学有効面が15cm以上であれば大きい方である。例えば、このような面積に該当する光学部品としては、複写機、レーザープリンターなどに使用するfθミラー、反射ミラーなど、また、リアプロジェクションテレビを薄型化するために必要な反射型非球面ミラーなどがある。
特に限定されるものではないが、可視光波長領域前面を反射するリアプロジェクションテレビの薄型化用の反射型非球面ミラーは外観不良による微少な凹凸でも画像不良となる。このため、本発明により得られた光学部品を用いる最適な用途である。
【0016】
【実施例】
(残留ガスの測定方法)
1)加熱追い出し装置(ダイナミックヘッドスペース):ゲステル社製 TDS−Aを使用して、試料0.2±0.03gを加熱追い出し管に充填し、ヘリウムを50ml/minの流量で通気させながら、250℃で25分間加熱及び揮発成分を熱抽出する。
試料から発生した揮発成分は、加熱中、ガスクロマトグラフに用いたカラム先端を液体窒素で−150℃に冷却することにより捕集する。捕集した成分は、捕集カラム部分を12℃/sの速度で250℃に加熱することにより熱脱着して、分離カラムに導入する。分離カラムからマスクベクトルメーターに導入し各成分の検出を行う。
【0017】
2)使用したガスクロマトグラフは、アジレント社製 HP6890。
また、用いたカラムは、アジレント社製のHP−INNO WAX(長さ:60m、内径:0.25mmφ、液相膜厚:0.5μm)である。カラムの昇温条件は、40℃で5分間加熱した後、5℃/minで250℃まで昇温し、その後30分間加熱する。このときのカラム流量は、1.4ml/minである。
3)使用したマスクベクトルメーターは、アジレント社製 5973で、測定成分のイオン化には電子衝撃(EI)法を用いる。ここで、測定質量数はm/214〜m/2400とする。
【0018】
(評価方法)
1)測定によって得られたデータから、トータルイオン強度を用いて各成分のピーク面積を算出する。
2)n−オクタデカンの100ppm、アセトン濃度の1μl(n−オクタンとして0.1μg)を試料と同様に加熱追い出し管に採取し、上述した測定方法で測定し、マスクベクトルメーターの感度を次の式(1)より求める。
[n−オクタデカンのトータルイオン面積]/[n−オクタデカンの注入重量]……(1)
3)1)の各成分の面積を2)の式(1)で求めた感度および1)の測定した各試料の重量で除する。これにより、各成分のn−オクタデカン換算発生重量濃度が計算される。
【0019】
4)検出された有機溶媒由来のピーク濃度をすべて加算し、発生ガスの全ピーク濃度を加算した数値で除して、有機溶媒の発生重量濃度を求める。
また、各有機溶媒の重量濃度は、各有機溶媒由来のピーク濃度を加算して、発生ガスの全ピーク濃度を加算した数値で除して、重量濃度を求める。
【0020】
(成形体の外観評価)
1)得られた成形体の表面に編目状の痕が目視される場合は表1において×表示。
2)明瞭には目視されないが編目模様が確認される場合は表1において△表示。
3)全く目視されない場合は表1において○表示。
【0021】
(実施例1)
下記式(2)からなる非球面形状を有する、縦(光軸方向):160mm×横(光軸と垂直方向):160mm×厚み:8mmの成形体用の金型に、100℃、48時間真空中で乾燥した、ポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン、アートンF5023、日本合成ゴム(株)製)を図1のように充填してプレス成形を行った。
成形条件としては、プレス圧力0.5MPa、温度250℃で、50分間加熱した。その後、プレス圧力を0.1MPaとし、冷却プレートの温度を180℃で40分、160℃で40分間、120℃で40分間、100℃で30分間のパターンで冷却を行った。
【0022】
Z(h)=ch/(1+√(1−(1+k)c))+Ah+Bh+Ch+Dh10……(2)
(c=1/r,c:曲線,r:半径,k:円錐率,A,B,C,Dは係数)
r=−160
k=−8.0
A=7.0−9
B=−9.0−14
C=6.5−19
D=−2.0−24
【0023】
得られた成形体の表面を観察したところやや網目模様が確認された。得られた成形体をアルカリ系の洗浄液で洗浄して乾燥後、真空蒸着装置内にセットし、真空度を10−5torrまで上げて、保護膜SiOxを厚み250Å、反射膜Alを厚み700Å、保護膜SiOxを厚み250Å、増反射膜TiOを600Å成膜し、反射層を形成した。
得られた非球面ミラーを、図3のような画像評価装置にセットして白色画像をスクリーンに写した。画像にボケは見られなかった。
成形前の乾燥した樹脂0.23gの発生ガスを測定したところ、総発生ガス量は、210ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが0.5%重量、キシレンが0.8%重量、トルエンが18.5%重量の割合で含有していた。
また、得られた成形体を削って0.23gの試料を採取した。この試料を発生ガスの測定を行ったところ、総発生ガス量は194ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが0.3%重量、キシレンが0.6%重量、トルエンが17.1%重量の割合で有機溶剤が含有していた。
【0024】
(実施例2)
原料をポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン、アートンFX4727、日本合成ゴム(株)製)とした以外は実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体を観察したところ、外観の不良は全く見られなかった。
得られた成形体に実施例1と同様にして反射層を形成した。得られた非球面ミラーを、実施例1と同様にして画像評価を行った。画像にはボケは見られなかった。
成形前の乾燥した樹脂0.23gの発生ガスを測定したところ、総発生ガス量は、1200ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが0.5%重量、キシレンが1.0%重量、トルエンが10.9%重量の割合で含有していた。
また、得られた成形体を削って0.23gの試料を採取した。この試料を発生ガスの測定を行ったところ、総発生ガス量は908ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが0.4%重量、キシレンが0.8%重量、トルエンが10.6%重量の割合で有機溶剤が含有していた。
【0025】
(実施例3)
原料をポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン、ゼオノア1430R1、日本ゼオン(株)製)とし、この原料を真空度10−5torr中で120分間、120℃に加熱した。この原料を用いて実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体の表面を観察したところ、やや網目模様が見られた。
得られた成形体を実施例1と同様にして反射層を形成し、非球面ミラーを得た。得られた非球面ミラーを実施例1と同様にして画像評価したところ、画像にボケは見られなかった。
成形前の乾燥した樹脂0.23gの発生ガスを測定したところ、総発生ガス量は、85ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが10.7%重量、キシレンが13.7%重量、トルエンが0.5%重量の割合で含有していた。
また、得られた成形体を削って0.23gの試料を採取した。この試料を発生ガスの測定を行ったところ、総発生ガス量は70ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが10.5%重量、キシレンが13.5%重量、トルエンが0.4%重量の割合で有機溶剤が含有していた。
【0026】
(実施例4)
原料をポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン、アートンFX4727、日本合成ゴム(株)製)とし、図2に示す射出金型9を射出シリンダー10が縦型の射出装置に取り付けて、溶融樹脂を電熱ヒーターで180℃に保温された当該射出金型内に射出した。この射出金型をプレス成形装置に移動して、実施例1と同じ条件で冷却を行った。得られた成形体は、問題なく離型し、表面外観は問題なかった。
得られた成形体を実施例1と同様にして反射層を形成し、非球面ミラーを得た。得られた非球面ミラーを実施例1と同様にして画像評価を実施したが、画像ボケは見られなかった。
成形前の乾燥した樹脂0.23gの発生ガスを測定したところ、総発生ガス量は、250ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが0.5%重量、キシレンが1.0%重量、トルエンが10.5%重量の割合で含有していた。
また、得られた成形体を削って0.23gの試料を採取した。この試料を発生ガスの測定を行ったところ、総発生ガス量は230ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが0.4重量、キシレンが0.8%重量、トルエンが10.1%重量の割合で有機溶剤が含有していた。
【0027】
(比較例1)
原料をポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン、ゼオノア1430R、日本ゼオン(株)製)とした以外は実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体の表面を観察したところ網目模様が見られた。
得られた成形体を実施例1と同様にして反射層を形成し、非球面ミラーを得た。得られた非球面ミラーを実施例1と同様にして画像評価したところ、画像がボケていた。
また、得られた成形体を削って0.23gの試料を採取した。この試料を発生ガスの測定を行ったところ、総発生ガス量は75ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが18.9%重量、キシレンが17.9%重量、トルエンが1.4%重量の割合で有機溶剤が含有していた。
【0028】
(比較例2)
原料をポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン、ゼオノア1430R1、日本ゼオン(株)製)とした以外は実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体の表面を観察したところ網目模様が見られた。
得られた成形体を実施例1と同様にして反射層を形成し、非球面ミラーを得た。得られた非球面ミラーを実施例1と同様にして画像評価したところ、画像がボケていた。
また、得られた成形体を削って0.23gの試料を採取した。この試料を発生ガスの測定を行ったところ、総発生ガス量は56ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが12.2%重量、キシレンが17.9%重量、トルエンが1.0%重量の割合で有機溶剤が含有していた。
【0029】
(比較例3)
原料をポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン、ゼオノア1420R、日本ゼオン(株)製)とした以外は実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体の表面を観察したところ網目模様が見られた。
得られた成形体を実施例1と同様にして反射層を形成し、非球面ミラーを得た。得られた非球面ミラーを実施例1と同様にして画像評価したところ、画像がボケていた。
また、得られた成形体を削って0.23gの試料を採取した。この試料を発生ガスの測定を行ったところ、総発生ガス量は29ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが12.8%重量、キシレンが20.1%重量、トルエンが4.0%重量の割合で有機溶剤が含有していた。
【0030】
(比較例4)
原料をポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン、ゼオネックス480R、日本ゼオン(株)製)とした以外は実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体の表面を観察したところ網目模様が見られた。
得られた成形体を実施例1と同様にして反射層を形成し、非球面ミラーを得た。得られた非球面ミラーを実施例1と同様にして画像評価したところ、画像がボケていた。
また、得られた成形体を削って0.23gの試料を採取した。この試料を発生ガスの測定を行ったところ、総発生ガス量は61ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが15.8%重量、キシレンが21.9%重量、トルエンが8.4%重量の割合で有機溶剤が含有していた。
【0031】
(比較例5)
原料をポリシクロオレフィンポリマー(非晶性ポリオレフィン、ゼオノア1430R1、日本ゼオン(株)製)とし、図2に示す射出金型9を射出シリンダー10が縦型の射出装置に取り付けて、溶融樹脂を電熱ヒーターで180℃に保温された当該射出金型内に射出した。この射出金型をプレス成形装置に移動して、実施例1と同じ条件で冷却を行った。得られた成形体は、離型時に金型に貼り付き割れた。
また、得られた成形体を削って0.23gの試料を採取した。この試料を発生ガスの測定を行ったところ、総発生ガス量は50ppmであった。当該総発生ガス量内にエチルベンゼンが18.9%重量、キシレンが17.9%重量、トルエンが1.4%重量の割合で有機溶剤が含有していた。
【0032】
【表1】
Figure 2004226578
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の成形原料である熱可塑性樹脂中にキシレン、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族系の有機溶剤を所定量以下含有したものを使用すれば、成形品が金型に密着することによる離型不良、外観不良等の発現しない光学有効面積の大きい高精度の反射型光学部品を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】金型をプレス成型機に装着した状態の縦断面図。
【図2】射出金型を縦型の射出成型機に取付けた状態の縦断面図。
【図3】画像評価装置の概略図。
【符号の説明】
1、2…周枠
3…鏡面金型
4…熱可塑性樹脂
5…裏面金型
6…加熱板
7…冷却板
8…加圧シリンダー
9…射出金型
10…射出成型機
イ…非球面ミラート
ロ…プロジェクター
ハ…スクリーン

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂をヘリユウム雰囲気中で、250℃、25分加熱したときに発生する総ガス量が当該熱可塑性樹脂の1%重量以下であって、かつ発生した総ガス量の内、芳香族系の有機溶剤が30%重量以下含有している熱可塑性樹脂からなる特徴とする光学部品。
  2. 熱可塑性樹脂が非晶性熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の光学部品。
  3. 非晶性熱可塑性樹脂がポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィンポリマー、ポリエーテルサルフォンであることを特徴とする請求項2記載の光学部品。
  4. 芳香族系の有機溶剤がキシレン、エチルベンゼン又はトルエンであって、その合計が30%重量以下含有している熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学部品。
  5. 非球面形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009143497A (ja) * 2007-12-17 2009-07-02 Denso Corp 車両用ヘッドアップディスプレイ装置

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