JP2004226380A - 触覚センサ及び分布型触覚センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】高い空間分解能を備えるとともに、構成が単純で作成が容易な触覚センサを提供する。
【解決手段】本発明の触覚センサは、基板2上に対象物との接触感覚を検出する検出部30と、該検出部30から出力された信号を処理する処理回路7とを備えている。上記検出部30は、引張り力および圧縮力を検出する第1の感圧素子4と、上記第1の感圧素子4上に形成され、上記対象物と接触する接触面を有する弾性接触子5とを備えている。さらに、弾性接触子5において、上記対象物との接触面は、上記第1の感圧素子4と接している面と平行であり、かつ、上記対象物との接触面の中心位置(弾性接触子上部中心9)は、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置(弾性接触子下部中心10)からずれている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の触覚センサは、基板2上に対象物との接触感覚を検出する検出部30と、該検出部30から出力された信号を処理する処理回路7とを備えている。上記検出部30は、引張り力および圧縮力を検出する第1の感圧素子4と、上記第1の感圧素子4上に形成され、上記対象物と接触する接触面を有する弾性接触子5とを備えている。さらに、弾性接触子5において、上記対象物との接触面は、上記第1の感圧素子4と接している面と平行であり、かつ、上記対象物との接触面の中心位置(弾性接触子上部中心9)は、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置(弾性接触子下部中心10)からずれている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボットハンド等の表面に取り付けられ、そのロボットハンドが物体を把持するときに加えられる力の検出が可能な触角センサに関するものである。また、本発明は、この触覚センサが平面上に配置された分布型触覚センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロボットハンド等に取り付けて、そのハンドに対して垂直方向に加わる力の分布を検出する分布型圧覚センサとして、検出素子に導電性を有するゴムまたはプラスチックをマトリックス状に配置するものがある。また、高精度な分布型圧覚センサとして静電容量型のものがあるが、これは、電極を上下にマトリックス状に配置し、上下の電極間の距離が変動することによる静電容量の変化を検出することにより、垂直方向に加わる力のみの分布を検出するものである。
【0003】
これに対し、垂直方向のみでなく、水平方向の力、すなわちハンドに加わるせん断力や滑り覚を検出する分布型圧覚センサもある。その一例として、特許文献1に記載されているような、中心に突起部のある梁を構成し、突起部に対象物体が接触し、梁が撓んだときの撓み量を梁に設置した歪みゲージで検出するものがある。ロボットの把持制御において、ハンドに加わるせん断力や滑り覚を検出し制御に用いることは非常に有効である。しかしながら、特許文献1に記載のセンサの場合、1つの触覚センサ素子について梁の撓みを検出するために複数の歪みゲージ(実施例では、4つの歪みゲージ)が備えられており、その歪みゲージからの検出信号は、1つの処理回路で処理される。そのため、せん断力や滑り覚を検出するためには、処理するデータが多くなってしまい複雑化するという問題点がある。
【0004】
せん断力や滑り覚を検出することができる触覚センサのうち、その構成が比較的単純なものとしては、特許文献2に記載された皮膚感覚センサを挙げることができる。この皮膚感覚センサは、水平方向に配置された少なくとも2つの感圧素子の上部に突出部を有する接触子を構成している。この接触子は可撓性(弾性)部材であるため、対象物体と接触子とが接触することにより、接触子が変形する。このような構成の接触子にせん断力が加えられると、2つの感圧素子に加わる力に差が生ずる。この原理を利用して、2つの感圧素子が受ける力の平均値から圧力感(垂直方向の力)を求め、水平方向の力を2つの感圧素子が受ける力の差分値の直流成分、もしくは低周波成分からせん断感(せん断力)を求め、そして、上記差分値の交流成分もしくは高周波成分からすべり感(滑り覚)を求めることによって、各力を検出している。このような構成の皮膚感覚センサを触覚センサ素子として2次元的に配置することで、分布型触覚センサを構成することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−75924号公報(平成2年3月15日公開)
【0006】
【特許文献2】
特公平4−48597号公報(昭和60年2月21日公開)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ロボットハンド等が触覚センサから得られる触覚情報を用いてより確実な把持制御を行うためには、高空間分解能を有する触覚センサであることが求められる。上述のような分布型触覚センサでは、空間分解能はセンサ素子のピッチに依存する。すなわち、隣接する2つセンサ素子のピッチ(間隔)が小さいほど、高い空間分解能を得ることができる。
【0008】
しかしながら、上述の分布型触覚センサでは、2つの感圧素子が同一面上に並列に配列された触覚センサ素子が用いられているため、触覚センサ素子同士のピッチは、感圧素子同士のピッチの2倍となってしまう。それゆえ、上述の分布型触覚センサの空間分解能は、1つの感圧素子のみを有する圧覚センサ素子が配置された分布型圧覚センサの空間分解能の2分の1となり、減少してしまう。
【0009】
また、直交する2方向のせん断力を検出するために、マトリックス状に配置された感圧素子上に各触覚センサ素子を設ける場合、隣接する2つの感圧素子を用いて1方向のせん断力を検出する触覚センサ素子とする。しかし、この場合、感圧素子がマトリックス状に制限されているため、それぞれの方向の触覚センサ素子の配置パターンが制限され、加えて空間分解能も減少してしまう。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、せん断力および滑り覚を検出可能な触覚センサについて、高い空間分解能を備えるとともに、構成が単純で作成が容易なものを提供することを目的とする。また、本発明は、上記触覚センサが平面上に配置された分布型触覚センサを提供するものでもある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の触覚センサは、上記の課題を解決するために、基板と、該基板上に対象物との接触感覚を検出する検出部と、該検出部に接続され、該検出部から出力された信号を処理する処理回路とを備えた触覚センサにおいて、上記検出部は、引張り力および圧縮力を検出する第1の感圧素子と、上記第1の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する接触面を有する第1の接触子とを備え、さらに、上記第1の接触子において、上記対象物との接触面は、上記第1の感圧素子と接している面と平行であり、かつ、上記対象物との接触面の中心位置は、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置からずれていることを特徴としている。
【0012】
ここで、「上記対象物との接触面の中心位置が、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置からずれている」とは、上記第1の感圧素子と接触している面を上記対象物と接触する面と同一面上に平行移動させた場合に、お互いの中心位置が一致しないということを意味する。つまり、上記第1の接触子の形状は、上記対象物との接触面と、上記第1の感圧素子と接している面とが水平方向にずれた形状になっていると言ってもよい。このような特徴を有する第1の接触子の形状の一例としては、水平方向にずれている2つの面の中心位置を通過する垂直断面の形状が台形になっているものを挙げることができる。
【0013】
上記第1の接触子において、上述のように「上記対象物との接触面の中心位置が、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置からずれている」ことによって、対象物から付加された上記中心位置のずれの方向に働く力を、その下層に配置された第1の感圧素子が圧縮力、あるいは引張り力として感知することができる。
【0014】
上記構成の触覚センサによれば、上記第1の感圧素子が、第1の接触子における上述の2つの面の中心位置のずれ方向に働く力を感知し、その感知した力に関する信号を処理回路が適宜処理することによって、せん断力や滑り覚を検出することができる。このように、上記触覚センサは、1つ接触子(第1の接触子)に対して、1つの感圧素子(第1の感圧素子)のみでせん断力を検出することができるため、2つの感圧素子を同一平面上に配置してせん断力を検知する従来の方法と比較して、高い空間分解能を得ることができる。それに加えて、その構成が単純であるため、容易に作成することができるという利点も有している。
【0015】
上記触覚センサは、圧力を検出する第2の感圧素子と、上記第2の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する突出部が設けられた第2の接触子とをさらに有し、上記第2の感圧素子及び上記第2の接触子の一部分は、上記基板と上記第1の感圧素子との間に挟まれて配置されていることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記第2の接触子は、触覚センサ、より具体的には、第2の接触子と第2の感圧素子との接触面に垂直方向に加わる力を検出することができる。従って、上記第1の感圧素子及び上記第2の感圧素子を備えた上記触覚センサは、垂直方向の力、せん断力、滑り覚を同時に検出することができる。
【0017】
そして、上記触覚センサにおいては、上記第2の感圧素子、さらにそれに積層されて形成されている上記第2の接触子の一部分が、同一平面上に並べて配置されているのではなく、上基板と上第1の感圧素子との間に挟まれて配置されている。つまり、第1の感圧素子と第2の感圧素子とは、その一部の領域が積層された階段状の構成となっている。
【0018】
このように、第1及び第2という2つの感圧素子を上下2段構成にして配置することで、同一平面上に配置するよりも、感圧素子同士のピッチを狭くすることができ、空間分解能を高める(最高で2倍にする)ことができる。
【0019】
上記触覚センサにおいて、上記第1の接触子は、弾性部材からなることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、上記第1の接触子が弾性を有するため、せん断力が加わった場合に、上記第1の接触子は圧縮されたり、引っ張られたりして容易に変形する。上記第1の感圧素子はその変形をせん断力として検出するため、より確実にせん断力を検出することができる。
【0021】
上記第1の接触子において、上記対象物との接触面の面積は、上記第1の感圧素子と接している面の面積よりも小さいことが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、上記第1の接触子と上記第2の接触子の突出部とがより近い位置になるように、各感圧素子および各接触子を配置しても、加圧時に上記第1の接触子と上記第2の接触子の突出部とが接触することを避けることができる。すなわち、同じ大きさのせん断力が加わった場合に、上記対象物との接触面が小さければ、上記第1の接触子の変形量が小さくなる。そのため、第2の感圧素子及び第2の接触子において、基板と第1の感圧素子との間に挟まれている部分の面積を大きくしても、加圧時に上記第1の接触子と上記第2の接触子の突出部とが接触することを避けることができる。
【0023】
それゆえ、上記触覚センサを用いて分布型触覚センサを作成すれば、空間分解能をより高くすることができ、ひいては、より感度が高く小型化された分布型触覚センサを得ることができる。
【0024】
上記触覚センサは、上記第1の感圧素子の出力と上記第2の感圧素子の出力との差分の直流成分または低周波成分を、上記対象物から加えられたせん断力として検出するものであってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、上記第1の感圧素子に付加された圧縮力あるいは引張り力から、せん断力を正確に検出することができる。また、上記の構成によれば、垂直方向の力とせん断力とを同時に検出することができる。
【0026】
上記触覚センサは、上記第1の感圧素子の出力と上記第2の感圧素子の出力との差分の交流成分または高周波成分を、上記対象物から加えられた滑り覚として検出するものであってもよい。
【0027】
上記の構成によれば、上記第1の感圧素子に付加された圧縮力あるいは引張り力から、滑り覚を正確に検出することができる。
【0028】
本発明の分布型触覚センサは、上述の触覚センサが平面上に配置されていることを特徴とするものである。
【0029】
上記の構成によれば、空間分解能の高い本発明の触覚センサが平面上に配置されているため、空間分解能の高い分布型触覚センサを得ることができ、対象物から加えられた力をより正確に把握することができる。また、簡単な構成で垂直方向の圧力、せん断力、滑り覚を同時に検出できる触覚センサを用いて、分布型触覚センサを得ることができるため、作成が容易である。なお、ここで「触覚センサが平面上に配置されている」とは、複数個の触覚センサが同一平面上に2次元的に配置されているということを意味する。
【0030】
上記分布型触覚センサにおいて、各触覚センサの第1の感圧素子および第2の感圧素子は、それぞれマトリックス状に配置された電極で形成されていることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、マトリックス状に配置された電極で静電容量型の感圧マトリックスを形成し、この感圧マトリックス2つを適当な位置関係で配置させることによって、分布型触覚センサに2次元的に配置されている各触覚センサの第1の感圧素子および第2の感圧素子として機能させることができる。このような構成の分布型触覚センサは、既存の静電容量型の感圧マトリックスを2枚上下に積層するのみで、第1及び第2の感圧素子を形成することができる。そのため、均等な位置に触覚センサが配置された分布型触覚センサを容易に作成することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について以下に説明するが、本発明はこの記載に限定されるものではない。
【0033】
図1は、本実施の形態にかかる触覚センサの構成を説明するためのものであり、触覚センサの断面を透視した状態で示す断面図である。図1に示すように、本触覚センサは、支持体1の上に設置されたプラスチックなどからなる基板2上に、対象物との接触感覚を検出する検出部30と、該検出部30に接続され、該検出部30に付加される圧力に比例した信号を処理する処理回路7とが備えられている。上記検出部30は、静電容量型、感圧ゴムなどからなる第1の感圧素子4、ピエゾ素子、静電容量型、あるいは感圧ゴムなどからなる第2の感圧素子3、第1の感圧素子4の上部に設けられた弾性接触子(第1の接触子)5、第2の感圧素子3の上部に設けられた接触子(第2の接触子)6、及び処理回路7、各感圧素子3、4、各接触子5、6の間の空間を埋めるために設けられたスペーサ8などを備えている。
【0034】
上記検出部30の各部材及び処理回路7の配置状態について、図1及び図2を用いて以下に説明する。なお、図2は、本触覚センサを上部から見た場合の平面透視図である。
【0035】
図1に示すように、基板2上には、処理回路7と第2の感圧素子3とが並列した状態で設けられている。上記第2の感圧素子3の上面、すなわち基板2と接している面に対向する面の面上には、検出対象となる対象物が接触する接触子6が配置されている。上記接触子6には、その上面の中央部に円柱形状の突出部11が設けられている。そして、この突出部11の上面が検出対象物との接触面となり、該検出対象物から付加される垂直方向の力を第2の感圧素子3が感知し、付加される圧力に比例した信号p2を処理回路7に対して出力している。
【0036】
また、処理回路7及び、上下に重ねて設けられている第2の感圧素子および接触子6の一部分の上部には、シリコーンゴムなどでできたスペーサ8が設けられている。このスペーサ8の上面には、静電容量型などで形成された第1の感圧素子4が重ねて配置されている。この第1の感圧素子4は、圧縮、引張りの両方の力を検出することが可能である。さらに上記第1の感圧素子4の上面、すなわちスペーサ8との接触面の反対側の面には、シリコーンゴムや磨耗に強いタイプの合成ゴムなどの可撓性を有する弾性体でできた弾性接触子5が配置されている。
【0037】
上記弾性接触子5は、図1に示すように、その上面(すなわち、検出対象物と接触する面)が、上記第1の感圧素子4と接触している面と平行となっており、かつ、図2に示すように、上記上面の中心位置(弾性接触子上部中心9)が、上記第1の感圧素子4と接触している面の中心位置(弾性接触子下部中心10)から矢印Aの右方向にずれている。言い換えれば、弾性接触子5の垂直縦断面の形状は台形であり、そして、その上面(すなわち、検出対象物との接触面)が、図2に示すように矢印X方向に平行に移動して、弾性接触子上部中心9が弾性接触子下部中心10の真上にこない形状となっている。
【0038】
弾性接触子5が、上述のような形状を有していることによって、対象物からせん断力が付加された場合に、矢印A方向(すなわち、弾性接触子上部中心9と弾性接触子下部中心10との水平方向におけるずれ方向)に変形しやすい。これにより、上記A方向のせん断力を、第1の感圧素子4が検出する引張り力、圧縮力として検出することができる。このようにして、本触覚センサでは、1つの弾性接触子5に対して1つの感圧素子(第1の感圧素子4)のみでせん断力検出することができる。それゆえ、触覚センサを複数個配置させて分布型触覚センサを形成する場合に、触覚センサ素子同士のピッチを、感圧素子同士のピッチと同程度とすることができる。
【0039】
本触覚センサにおいて、上記第2の感圧素子3及び上記接触子6の一部の領域は、基板2と第1の感圧素子4との間に挟まれて配置されている。すなわち、図2に示すように、上記接触センサを上部から見た場合に、第2の感圧素子3および接触子6が配置されている領域と、第1の感圧素子4および弾性接触子5が配置されている領域とで、その一部領域のみが重なるように上下2段構成で配置されている。そして、上記触覚センサにおいて、第1の感圧素子4と第2の感圧素子3との相対位置は、対象物の正確な触覚情報を得るために、対象物の加圧時に、2つの接触子5、6同士が接触しない位置となっている。なお、第1の感圧素子4及び第2の感圧素子3は、弾性接触子5あるいは接触子6の下部に重なるように配置されているため、図2おいては図示されていない。また、図2では、便宜上スペーサ8も省略されている。
【0040】
上記の構成の触覚センサを用いて分布型触覚センサを作成すれば、一平面上に並列に配置された二つの感圧素子を用いた従来の触覚センサで分布型触覚センサを構成する場合と比較して、空間分解能を2倍にすることができるため、対象物の触覚情報をより正確に得ることができる。
【0041】
また、上記弾性接触子5において、上記対象物との接触面(弾性接触子5の上面)の面積は、上記第1の感圧素子4との接触面(弾性接触子5の下面)の面積よりも小さいことが好ましい。
【0042】
これによれば、図2において、接触子6が配置されている領域と、弾性接触子5が配置されている領域との重複領域の面積がより大きくなるように、各感圧素子3、4および各接触子5、6をより近い位置に配置しても、加圧時に上記弾性接触子5と上記接触子6の突出部11とが接触することを避けることができる。そして、弾性接触子5と接触子6とは、互いに接触しない最小の距離だけ離れて配置されていることが好ましい。これによって、触覚センサの大きさをより小型化することができ、この触覚センサを平面上に複数個配置して構成される分布型触覚センサの空間分解能を向上させることができる。
【0043】
ここで、上記の「弾性接触子5と接触子6とが、互いに接触しない最小の距離」は、弾性接触子5の変形量に応じて決定される。それゆえ、弾性接触子5と接触子6とをより近い位置に配置させるためには、弾性接触子5の素材について可撓性が小さいものを選択すればよい。また、本実施の形態では、図2に示すように、接触子6は弾性接触子5の下部中心10を通過する長軸上を外した位置に配置さているが、弾性接触子5の変形量が小さければ、接触子6が弾性接触子5の上記長軸上に配置されていても構わない。ここで、上記長軸とは、弾性接触子5の下部中心10を矢印A方向に移動させて得られる軸のことを意味する。
【0044】
なお、本実施の形態においては、接触子6の対象物との接触面(すなわち、突出部11の上面)、及び弾性接触子5の対象物との接触面(すなわち、上面)は、ともに円形の形状となっているが、本発明は、これに限定されることなく、例えば楕円状あるいは方形状などであってもよい。また、上記突出部11の高さは、上記第1の接触子の上記基板2からの高さと等しくなっていることが好ましい。すなわち、弾性接触子5、接触子6の各接触面が同一平面上にあることが好ましい。これによって、対象物の垂直方向の圧力およびせん断力、滑り覚を同時に検出することができる。
【0045】
上記触覚センサにおいて、第1の感圧素子4および第2の感圧素子3は、基板2上の処理回路7に接続されており、対象物から付加される圧力に比例した信号p1あるいはp2を処理回路7に対してそれぞれ出力する。より具体的には、接触子6に加わった力の垂直成分は、第2の感圧素子3から信号p2として処理回路7に出力される。
【0046】
また、弾性接触子5にせん断力が加わった場合、図2に示すように、弾性接触子上部中心9が弾性接触子下部中心10の真上にないため、弾性接触子5は上記上部中心9と下部中心10とのずれ方向(矢印A方向)に変形しやすい。これによって、第1の感圧素子4は、せん断力を引張り力、圧縮力として検出することができる。本触覚センサの場合、弾性接触子5は図2中のX軸プラス方向に変形しやすく、第1の感圧素子4には、X軸プラス方向のせん断力は引張り力として、X軸マイナス方向のせん断力は圧縮力として力が付加される。上記第1の感圧素子4は、引張り力、圧縮力の両方を検出することができるため、X軸プラス、マイナス両方向のせん断力を検出することができる。そして、弾性接触子5に加わった力のせん断力成分は、第1の感圧素子4から信号p1として処理回路7に入力される。
【0047】
続いて、処理回路7のより具体的な構成について、図3を用いて以下に説明する。図3は処理回路7の内部の構成を示すブロック図である。図3に示すように、処理回路7は、2つの前処理回路12・13、差分回路14、弁別回路15を備えている。前処理回路12は、上述の検出部30の第1の感圧素子4から出力された信号p1を、これに比例した信号θ1に変換する。前処理回路13は、上述の検出部30の第2の感圧素子3から出力された信号p2を、これに比例した信号θ2に変換する。
【0048】
前処理回路12において変換された信号θ1は、続いて差分回路14に入力される。前処理回路13において変換された信号θ2は、θ1と同様に差分回路に入力されるとともに、そのまま圧力信号(垂直方向の圧力信号)pとして出力される。差分回路14では、信号θ1とθ2との差に基づく信号Dが演算され、出力される。弁別回路15は、信号Dの直流成分もしくは低周波成分の大きさに比例した信号をせん断力信号Sとして出力する。また、信号Dの交流成分もしくは高周波成分の大きさに比例した信号を滑り覚信号Fとして出力する。
【0049】
ここで、上述の本実施の形態の触覚センサの動作について、以下にまとめて説明する。対象物が弾性接触子5の上面及び接触子6の突出部11の接触面に触れると、接触子6に垂直に加わる力の情報が、第2の感圧素子3に加わる圧力に比例した信号pとして得られる。また、弾性接触子5に接触する物体が水平方向に動こうとする力、すなわちせん断力に関する力の情報は、第1の感圧素子4に加わる圧力から第2の感圧素子3に加わる圧力を引くことによって、せん断力信号Sとして得られる。さらに、弾性接触子5に接触する対象物の水平方向に滑る感覚である滑り覚に関する力の情報は、弾性接触子5と対象物の摩擦によるスティックスリップ振動の周波数に基づく滑り覚信号Fとして得られる。
【0050】
上述の本実施の形態に係る触覚センサによれば、1つのセンサで圧力覚、せん断力覚、滑り覚を同時に検出することができる。そして、上記触覚センサにおいては、弾性接触子5の上面の中心(上部中心9)と下面の中心(下部中心10)とがずれていることによって、そのずれ方向のせん断力を、第1の感圧素子4に付加される引張り力、圧縮力として検出することができ、1つの弾性接触子5に対して、1つの感圧素子(第1の感圧素子4)のみでせん断力を検出することができる。また、せん断力成分を検出する第1の感圧素子4と、垂直方向の圧力を検出する第2の感圧素子3とが、上下2段の構成となっているため、2つの感圧素子を一平面上に並べて配置する場合と比較して、空間分解能を高めることができる。
【0051】
また、上記触覚センサにおいては、弾性接触子5の表面に高摩擦の可撓性材料膜層を形成してもよい。これによれば、対象物と弾性接触子5との接触が確実となり、せん断力覚、滑り覚の検出感度を向上させることができる。
【0052】
次に、上述の触覚センサを平面上に複数個配置して構成される分布型触覚センサについて、図4、5を用いて説明する。この分布型触覚センサは、センサに対象物が接触した場合の触覚分布情報を得ることができる。
【0053】
図4は、上記分布型触覚センサに設けられ、各触覚センサの感圧素子を形成する感圧マトリックス16・17の配置状態示す模式図である。感圧マトリクス16は、せん断力検出用の静電容量型感圧マトリックスであり、引張り、圧縮両方向の力を検出することができる。この感圧マトリクス16は、上記分布型触覚センサに2次元的に配置された各触覚センサにおいて、上述の第1の感圧素子4として機能する。図4に示すように、上記感圧マトリックス16は、平行に配置された複数の上側電極16’と、同じく平行に配置された複数の下側電極16”とが直交するようにマトリックス状に配置されており、上部電極16’と下部電極16”との間の距離が変動することによる静電容量の変化を圧力情報として検出する。すなわち、上部電極16’と下部電極16”とが重なり合う箇所が圧力情報を取得できる箇所であり、当該箇所(感圧箇所と称する)が各触覚センサの第1の感圧素子4となる。
【0054】
感圧マトリクス17は、垂直方向の圧力検出用の静電容量型感圧マトリックスであり、上述の感圧マトリックス16と同様に、平行に配置された複数の上側電極17’と、同じく平行に配置された複数の下側電極17”とが直交するようにマトリックス状に配置されている。そして、上部電極17’と下部電極17”との間の距離が変動することによる静電容量の変化を圧力情報として検出することができる。この感圧マトリクス17は、上記分布型触覚センサに2次元的に配置された各触覚センサにおいて、上述の第2の感圧素子3として機能する。より詳しくは、上部電極17’と下部電極17”とが重なり合う箇所が圧力情報を取得できる箇所であり、当該箇所(感圧箇所と称する)が各触覚センサの第2の感圧素子3となる。
【0055】
図4に示すように、感圧マトリックス16及び感圧マトリックス17は、一マス分ずらして上下に配置されている。すなわち、上方から見た場合に、感圧マトリックス16の感圧箇所と、感圧マトリックス17の感圧箇所とが、一致することなく、交互に配置された状態になっている。上記各感圧箇所の上部には、各接触子が変形時においても接触しないように接触子が形成されることで、対象物からの垂直成分の圧力、及びせん断力、滑り覚の分布を検出することができる。
【0056】
図5は、本実施の形態に係る分布型触覚センサの平面構成を模式的に示す平面図である。図5に示す分布型触覚センサは、X方向、Y方向という、2次元(平面的)に直交する2方向のせん断力の分布を検出することができる。図5に示す格子状の実線は、感圧マトリックス16の上部電極16’および下部電極16”であり、格子状の点線は、感圧マトリックス17の上部電極17’および下部電極17”である。そして、格子状の実線の交差部分上の斜線を付した部分18が、各触覚センサ素子において第1の感圧素子4としての役割を果たしている。また、格子状の点線の交差部分上の斜線を付した部分19が、各触覚センサ素子において第2の感圧素子3としての役割を果たしている。
【0057】
すなわち、上記の斜線を付した部分18は、せん断力検出用の感圧マトリックス16の感圧箇所であり、上記の斜線を付した部分19は、垂直方向の圧力検出用の感圧マトリックス17の感圧箇所である。上記感圧箇所18上には、弾性接触子20aあるいは弾性接触子20bがそれぞれ交互に形成されている。上記弾性接触子20aは、その楕円形状の下部面の長軸がX方向であり、弾性接触子20aの真下に形成されている感圧箇所18は、X方向のせん断力を検出することができる。一方、上記弾性接触子20bは、その楕円形状の下部面の長軸がY軸方向であり、弾性接触子20bの真下に形成されている感圧箇所18は、Y軸方向のせん断力を検出することができる。従って、上記分布型触覚センサは、X・Y両方向のせん断力分布を検出可能である。
【0058】
また、各感圧箇所19上には、接触子21が形成されており、該接触子21に付加された垂直方向の圧力(垂直力)を検出することができる。そして、隣接するせん断力検出用の感圧箇所18、及び垂直力検出用感圧箇所19の各出力は、図3に示すような処理回路に入力される。これによって、垂直方向の圧力信号、せん断力信号、滑り各信号を得ることができ、感圧マトリックスの全領域について同様の処理を行うことで、各力の分布を検出することができる。
【0059】
すなわち、実線枠Bあるいは実線枠Cで囲まれた部分のように、隣接する2つの感圧素子が上述の触覚センサを形成していると言うことができる。ここで、実線枠Bで囲まれた部分の触覚センサは、X軸方向のせん断力を検出可能なセンサであり、実線Cで囲まれた部分の触覚センサは、Y軸方向のせん断力を検出可能な触覚センサである。そして、本実施の形態の分布型触覚センサは、上記2種類の触覚センサが交互に配置され、X軸方向、Y軸方向のせん断力および滑り覚を検出することができるとともに、垂直方向の圧力を検出することもできる。
【0060】
なお、本実施の形態では、上下に配置された2枚の感圧マトリックス16・17は、図4、5に示すように、X軸方向、Y軸方向にそれぞれずらされている。しかしながら、本発明では、弾性接触子20aあるいは20bが対象物と接触し変形する場合に、弾性接触子20aあるいは20bと接触子19とが接触しないのであれば、X軸方向またはY軸方向のどちらか一方のみにずらしてもよい。
【0061】
また、感圧マトリックス16と感圧マトリックス17とは、図5に示すように、感圧マトリックス16に格子状に配置された各弾性接触子20a・20bのちょうど中央部に、感圧マトリックス17に格子状に配置された各接触子19が配置されるようにずらされて配置されていてもよいが、必ずしもちょうど中央部ではなく、何れか1つの弾性接触子により近い位置に片寄って配置されるようにずらされていてもよい。なお、空間分解能を高めるためには、1つの触覚センサ素子を構成する弾性接触子20a(あるいは20b)と、接触子19とが変形後接触しない最小の距離だけ離れてずらされていることが好ましい。
【0062】
これらの構成によれば、上記感圧マトリックス16・17の配置を基準にして配置される各触覚センサにおいて、第2の感圧素子3及び接触子6の一部の領域が、基板2と第1の感圧素子4との間に挟まれた配置状態となる。その結果、一定の空間内により多くの感圧素子を配置することができるため、感圧素子のピッチを小さくでき、ひいては各触覚センサ素子のピッチを小さくすることができるため、高い空間分解能を得ることができる。なお、2つの感圧マトリックスにおいて、一方の感圧素子(第2の感圧素子3)は、垂直力のみを検出するためのものである。そのため、垂直力の検出はせん断方向に変形する必要がなく、接触面が小さくても良い事から、第2の感圧素子3は、基板2と第1の感圧素子4との間に挟まれた状態でも構わない。
【0063】
また、本実施の形態に係る分布型触覚センサは、X軸、Y軸両方向のせん断力を検出するものであるが、本発明はこれに限定されることなく、弾性接触子の長軸方向をX軸方向のみ、あるいはY軸方向のみとする一方向のセンシングを行うセンサであってもよい。
【0064】
さらに、本発明の分布型触覚センサにおいて、上記触覚センサの配置方法は、平面上に2次元的に配置されていれば、特に限定はされないが、上記触覚センサは等間隔で規則的に配置されていることが好ましい。これによれば、センサに付加される力の分布をより正確に入手することができる。そして、上記分布型触覚センサにおいては、対象物から力が付加された時に、隣接する各接触子同士が接触しない最小の距離だけ離れて、各触覚センサが配置されることがより好ましい。これによれば、空間分解能を向上させることができ、より正確な力の分布を検出することができる。
【0065】
上述の分布型触覚センサは、既存の静電容量型の感圧マトリックスを2枚上下に積層した後に、各感圧箇所に接触子や処理回路などを形成することによって、容易に作成することができる。加えて、感圧素子が上下2段の構成となっているため、一平面上に並んで配置された2つの感圧素子で各力の検出を行う触覚センサ素子を用いた分布型触覚センサと比較して、空間分解能を倍にすることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の触覚センサは、基板と、該基板上に対象物との接触感覚を検出する検出部と、該検出部に接続され、該検出部から出力された信号を処理する処理回路とを備えた触覚センサにおいて、上記検出部は、引張り力および圧縮力を検出する第1の感圧素子と、上記第1の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する接触面を有する第1の接触子とを備え、さらに、上記第1の接触子において、上記対象物との接触面は、上記第1の感圧素子と接している面と平行であり、かつ、上記対象物との接触面の中心位置は、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置からずれていることを特徴としている。
【0067】
上記触覚センサは、1つ接触子(第1の接触子)に対して、1つの感圧素子(第1の感圧素子)のみでせん断力を検出することができるため、2つの感圧素子を同一平面上に配置してせん断力を検知する従来の方法と比較して、高い空間分解能を得ることができる。それに加えて、その構成が単純であるため、容易に作成することができるという利点も有している。
【0068】
また、上記触覚センサは、圧力を検出する第2の感圧素子と、上記第2の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する突出部が設けられた第2の接触子とをさらに有し、上記第2の感圧素子及び上記第2の接触子の一部分は、上記基板と上記第1の感圧素子との間に挟まれて配置されていることが好ましい。
【0069】
上記触覚センサにおいては、第1の感圧素子と第2の感圧素子とが、その一部の領域が積層された階段状の構成となっている。このように、第1及び第2という2つの感圧素子を上下2段構成にして配置することで、同一平面上に配置するよりも、感圧素子同士のピッチを狭くすることができ、空間分解能を高める(最高で2倍にする)ことができる。
【0070】
本発明の分布型触覚センサは、上述の触覚センサが平面上に配置されていることを特徴とするものである。
【0071】
上記の構成によれば、空間分解能の高い本発明の触覚センサが平面上に配置されているため、空間分解能の高い分布型触覚センサを得ることができ、対象物から加えられた力をより正確に把握することができる。
【0072】
さらに、上記分布型触覚センサにおいて、各触覚センサの第1の感圧素子および第2の感圧素子は、それぞれマトリックス状に配置された電極で形成されていることが好ましい。
【0073】
上記の構成によれば、既存の静電容量型の感圧マトリックスを2枚上下に積層するのみで、第1及び第2の感圧素子を形成することができる。そのため、均等な位置に触覚センサが配置された分布型触覚センサを容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である触覚センサの断面を透視した状態で示す断面図である。
【図2】図1に示す触覚センサを上部から見た場合の平面透視図である。
【図3】図1に示す触覚センサに備えられた処理回路の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の一形態である分布型触覚センサに設けられた感圧マトリックスの配置状態を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の一形態である分布型触覚センサの平面構成を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 基板
3 第2の感圧素子
4 第1の感圧素子
5 弾性接触子(第1の接触子)
6 接触子(第2の接触子)
7 処理回路
8 スペーサ
9 弾性接触子上部中心
10 弾性接触子下部中心
11 突出部
12・13 前処理回路
14 差分回路
15 弁別回路
16・17 感圧マトリックス
16’・17’ 上部電極
16”・17” 下部電極
18・19 感圧箇所
20a・20b 弾性接触子
21 接触子
30 検出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボットハンド等の表面に取り付けられ、そのロボットハンドが物体を把持するときに加えられる力の検出が可能な触角センサに関するものである。また、本発明は、この触覚センサが平面上に配置された分布型触覚センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロボットハンド等に取り付けて、そのハンドに対して垂直方向に加わる力の分布を検出する分布型圧覚センサとして、検出素子に導電性を有するゴムまたはプラスチックをマトリックス状に配置するものがある。また、高精度な分布型圧覚センサとして静電容量型のものがあるが、これは、電極を上下にマトリックス状に配置し、上下の電極間の距離が変動することによる静電容量の変化を検出することにより、垂直方向に加わる力のみの分布を検出するものである。
【0003】
これに対し、垂直方向のみでなく、水平方向の力、すなわちハンドに加わるせん断力や滑り覚を検出する分布型圧覚センサもある。その一例として、特許文献1に記載されているような、中心に突起部のある梁を構成し、突起部に対象物体が接触し、梁が撓んだときの撓み量を梁に設置した歪みゲージで検出するものがある。ロボットの把持制御において、ハンドに加わるせん断力や滑り覚を検出し制御に用いることは非常に有効である。しかしながら、特許文献1に記載のセンサの場合、1つの触覚センサ素子について梁の撓みを検出するために複数の歪みゲージ(実施例では、4つの歪みゲージ)が備えられており、その歪みゲージからの検出信号は、1つの処理回路で処理される。そのため、せん断力や滑り覚を検出するためには、処理するデータが多くなってしまい複雑化するという問題点がある。
【0004】
せん断力や滑り覚を検出することができる触覚センサのうち、その構成が比較的単純なものとしては、特許文献2に記載された皮膚感覚センサを挙げることができる。この皮膚感覚センサは、水平方向に配置された少なくとも2つの感圧素子の上部に突出部を有する接触子を構成している。この接触子は可撓性(弾性)部材であるため、対象物体と接触子とが接触することにより、接触子が変形する。このような構成の接触子にせん断力が加えられると、2つの感圧素子に加わる力に差が生ずる。この原理を利用して、2つの感圧素子が受ける力の平均値から圧力感(垂直方向の力)を求め、水平方向の力を2つの感圧素子が受ける力の差分値の直流成分、もしくは低周波成分からせん断感(せん断力)を求め、そして、上記差分値の交流成分もしくは高周波成分からすべり感(滑り覚)を求めることによって、各力を検出している。このような構成の皮膚感覚センサを触覚センサ素子として2次元的に配置することで、分布型触覚センサを構成することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−75924号公報(平成2年3月15日公開)
【0006】
【特許文献2】
特公平4−48597号公報(昭和60年2月21日公開)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ロボットハンド等が触覚センサから得られる触覚情報を用いてより確実な把持制御を行うためには、高空間分解能を有する触覚センサであることが求められる。上述のような分布型触覚センサでは、空間分解能はセンサ素子のピッチに依存する。すなわち、隣接する2つセンサ素子のピッチ(間隔)が小さいほど、高い空間分解能を得ることができる。
【0008】
しかしながら、上述の分布型触覚センサでは、2つの感圧素子が同一面上に並列に配列された触覚センサ素子が用いられているため、触覚センサ素子同士のピッチは、感圧素子同士のピッチの2倍となってしまう。それゆえ、上述の分布型触覚センサの空間分解能は、1つの感圧素子のみを有する圧覚センサ素子が配置された分布型圧覚センサの空間分解能の2分の1となり、減少してしまう。
【0009】
また、直交する2方向のせん断力を検出するために、マトリックス状に配置された感圧素子上に各触覚センサ素子を設ける場合、隣接する2つの感圧素子を用いて1方向のせん断力を検出する触覚センサ素子とする。しかし、この場合、感圧素子がマトリックス状に制限されているため、それぞれの方向の触覚センサ素子の配置パターンが制限され、加えて空間分解能も減少してしまう。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、せん断力および滑り覚を検出可能な触覚センサについて、高い空間分解能を備えるとともに、構成が単純で作成が容易なものを提供することを目的とする。また、本発明は、上記触覚センサが平面上に配置された分布型触覚センサを提供するものでもある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の触覚センサは、上記の課題を解決するために、基板と、該基板上に対象物との接触感覚を検出する検出部と、該検出部に接続され、該検出部から出力された信号を処理する処理回路とを備えた触覚センサにおいて、上記検出部は、引張り力および圧縮力を検出する第1の感圧素子と、上記第1の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する接触面を有する第1の接触子とを備え、さらに、上記第1の接触子において、上記対象物との接触面は、上記第1の感圧素子と接している面と平行であり、かつ、上記対象物との接触面の中心位置は、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置からずれていることを特徴としている。
【0012】
ここで、「上記対象物との接触面の中心位置が、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置からずれている」とは、上記第1の感圧素子と接触している面を上記対象物と接触する面と同一面上に平行移動させた場合に、お互いの中心位置が一致しないということを意味する。つまり、上記第1の接触子の形状は、上記対象物との接触面と、上記第1の感圧素子と接している面とが水平方向にずれた形状になっていると言ってもよい。このような特徴を有する第1の接触子の形状の一例としては、水平方向にずれている2つの面の中心位置を通過する垂直断面の形状が台形になっているものを挙げることができる。
【0013】
上記第1の接触子において、上述のように「上記対象物との接触面の中心位置が、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置からずれている」ことによって、対象物から付加された上記中心位置のずれの方向に働く力を、その下層に配置された第1の感圧素子が圧縮力、あるいは引張り力として感知することができる。
【0014】
上記構成の触覚センサによれば、上記第1の感圧素子が、第1の接触子における上述の2つの面の中心位置のずれ方向に働く力を感知し、その感知した力に関する信号を処理回路が適宜処理することによって、せん断力や滑り覚を検出することができる。このように、上記触覚センサは、1つ接触子(第1の接触子)に対して、1つの感圧素子(第1の感圧素子)のみでせん断力を検出することができるため、2つの感圧素子を同一平面上に配置してせん断力を検知する従来の方法と比較して、高い空間分解能を得ることができる。それに加えて、その構成が単純であるため、容易に作成することができるという利点も有している。
【0015】
上記触覚センサは、圧力を検出する第2の感圧素子と、上記第2の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する突出部が設けられた第2の接触子とをさらに有し、上記第2の感圧素子及び上記第2の接触子の一部分は、上記基板と上記第1の感圧素子との間に挟まれて配置されていることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記第2の接触子は、触覚センサ、より具体的には、第2の接触子と第2の感圧素子との接触面に垂直方向に加わる力を検出することができる。従って、上記第1の感圧素子及び上記第2の感圧素子を備えた上記触覚センサは、垂直方向の力、せん断力、滑り覚を同時に検出することができる。
【0017】
そして、上記触覚センサにおいては、上記第2の感圧素子、さらにそれに積層されて形成されている上記第2の接触子の一部分が、同一平面上に並べて配置されているのではなく、上基板と上第1の感圧素子との間に挟まれて配置されている。つまり、第1の感圧素子と第2の感圧素子とは、その一部の領域が積層された階段状の構成となっている。
【0018】
このように、第1及び第2という2つの感圧素子を上下2段構成にして配置することで、同一平面上に配置するよりも、感圧素子同士のピッチを狭くすることができ、空間分解能を高める(最高で2倍にする)ことができる。
【0019】
上記触覚センサにおいて、上記第1の接触子は、弾性部材からなることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、上記第1の接触子が弾性を有するため、せん断力が加わった場合に、上記第1の接触子は圧縮されたり、引っ張られたりして容易に変形する。上記第1の感圧素子はその変形をせん断力として検出するため、より確実にせん断力を検出することができる。
【0021】
上記第1の接触子において、上記対象物との接触面の面積は、上記第1の感圧素子と接している面の面積よりも小さいことが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、上記第1の接触子と上記第2の接触子の突出部とがより近い位置になるように、各感圧素子および各接触子を配置しても、加圧時に上記第1の接触子と上記第2の接触子の突出部とが接触することを避けることができる。すなわち、同じ大きさのせん断力が加わった場合に、上記対象物との接触面が小さければ、上記第1の接触子の変形量が小さくなる。そのため、第2の感圧素子及び第2の接触子において、基板と第1の感圧素子との間に挟まれている部分の面積を大きくしても、加圧時に上記第1の接触子と上記第2の接触子の突出部とが接触することを避けることができる。
【0023】
それゆえ、上記触覚センサを用いて分布型触覚センサを作成すれば、空間分解能をより高くすることができ、ひいては、より感度が高く小型化された分布型触覚センサを得ることができる。
【0024】
上記触覚センサは、上記第1の感圧素子の出力と上記第2の感圧素子の出力との差分の直流成分または低周波成分を、上記対象物から加えられたせん断力として検出するものであってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、上記第1の感圧素子に付加された圧縮力あるいは引張り力から、せん断力を正確に検出することができる。また、上記の構成によれば、垂直方向の力とせん断力とを同時に検出することができる。
【0026】
上記触覚センサは、上記第1の感圧素子の出力と上記第2の感圧素子の出力との差分の交流成分または高周波成分を、上記対象物から加えられた滑り覚として検出するものであってもよい。
【0027】
上記の構成によれば、上記第1の感圧素子に付加された圧縮力あるいは引張り力から、滑り覚を正確に検出することができる。
【0028】
本発明の分布型触覚センサは、上述の触覚センサが平面上に配置されていることを特徴とするものである。
【0029】
上記の構成によれば、空間分解能の高い本発明の触覚センサが平面上に配置されているため、空間分解能の高い分布型触覚センサを得ることができ、対象物から加えられた力をより正確に把握することができる。また、簡単な構成で垂直方向の圧力、せん断力、滑り覚を同時に検出できる触覚センサを用いて、分布型触覚センサを得ることができるため、作成が容易である。なお、ここで「触覚センサが平面上に配置されている」とは、複数個の触覚センサが同一平面上に2次元的に配置されているということを意味する。
【0030】
上記分布型触覚センサにおいて、各触覚センサの第1の感圧素子および第2の感圧素子は、それぞれマトリックス状に配置された電極で形成されていることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、マトリックス状に配置された電極で静電容量型の感圧マトリックスを形成し、この感圧マトリックス2つを適当な位置関係で配置させることによって、分布型触覚センサに2次元的に配置されている各触覚センサの第1の感圧素子および第2の感圧素子として機能させることができる。このような構成の分布型触覚センサは、既存の静電容量型の感圧マトリックスを2枚上下に積層するのみで、第1及び第2の感圧素子を形成することができる。そのため、均等な位置に触覚センサが配置された分布型触覚センサを容易に作成することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について以下に説明するが、本発明はこの記載に限定されるものではない。
【0033】
図1は、本実施の形態にかかる触覚センサの構成を説明するためのものであり、触覚センサの断面を透視した状態で示す断面図である。図1に示すように、本触覚センサは、支持体1の上に設置されたプラスチックなどからなる基板2上に、対象物との接触感覚を検出する検出部30と、該検出部30に接続され、該検出部30に付加される圧力に比例した信号を処理する処理回路7とが備えられている。上記検出部30は、静電容量型、感圧ゴムなどからなる第1の感圧素子4、ピエゾ素子、静電容量型、あるいは感圧ゴムなどからなる第2の感圧素子3、第1の感圧素子4の上部に設けられた弾性接触子(第1の接触子)5、第2の感圧素子3の上部に設けられた接触子(第2の接触子)6、及び処理回路7、各感圧素子3、4、各接触子5、6の間の空間を埋めるために設けられたスペーサ8などを備えている。
【0034】
上記検出部30の各部材及び処理回路7の配置状態について、図1及び図2を用いて以下に説明する。なお、図2は、本触覚センサを上部から見た場合の平面透視図である。
【0035】
図1に示すように、基板2上には、処理回路7と第2の感圧素子3とが並列した状態で設けられている。上記第2の感圧素子3の上面、すなわち基板2と接している面に対向する面の面上には、検出対象となる対象物が接触する接触子6が配置されている。上記接触子6には、その上面の中央部に円柱形状の突出部11が設けられている。そして、この突出部11の上面が検出対象物との接触面となり、該検出対象物から付加される垂直方向の力を第2の感圧素子3が感知し、付加される圧力に比例した信号p2を処理回路7に対して出力している。
【0036】
また、処理回路7及び、上下に重ねて設けられている第2の感圧素子および接触子6の一部分の上部には、シリコーンゴムなどでできたスペーサ8が設けられている。このスペーサ8の上面には、静電容量型などで形成された第1の感圧素子4が重ねて配置されている。この第1の感圧素子4は、圧縮、引張りの両方の力を検出することが可能である。さらに上記第1の感圧素子4の上面、すなわちスペーサ8との接触面の反対側の面には、シリコーンゴムや磨耗に強いタイプの合成ゴムなどの可撓性を有する弾性体でできた弾性接触子5が配置されている。
【0037】
上記弾性接触子5は、図1に示すように、その上面(すなわち、検出対象物と接触する面)が、上記第1の感圧素子4と接触している面と平行となっており、かつ、図2に示すように、上記上面の中心位置(弾性接触子上部中心9)が、上記第1の感圧素子4と接触している面の中心位置(弾性接触子下部中心10)から矢印Aの右方向にずれている。言い換えれば、弾性接触子5の垂直縦断面の形状は台形であり、そして、その上面(すなわち、検出対象物との接触面)が、図2に示すように矢印X方向に平行に移動して、弾性接触子上部中心9が弾性接触子下部中心10の真上にこない形状となっている。
【0038】
弾性接触子5が、上述のような形状を有していることによって、対象物からせん断力が付加された場合に、矢印A方向(すなわち、弾性接触子上部中心9と弾性接触子下部中心10との水平方向におけるずれ方向)に変形しやすい。これにより、上記A方向のせん断力を、第1の感圧素子4が検出する引張り力、圧縮力として検出することができる。このようにして、本触覚センサでは、1つの弾性接触子5に対して1つの感圧素子(第1の感圧素子4)のみでせん断力検出することができる。それゆえ、触覚センサを複数個配置させて分布型触覚センサを形成する場合に、触覚センサ素子同士のピッチを、感圧素子同士のピッチと同程度とすることができる。
【0039】
本触覚センサにおいて、上記第2の感圧素子3及び上記接触子6の一部の領域は、基板2と第1の感圧素子4との間に挟まれて配置されている。すなわち、図2に示すように、上記接触センサを上部から見た場合に、第2の感圧素子3および接触子6が配置されている領域と、第1の感圧素子4および弾性接触子5が配置されている領域とで、その一部領域のみが重なるように上下2段構成で配置されている。そして、上記触覚センサにおいて、第1の感圧素子4と第2の感圧素子3との相対位置は、対象物の正確な触覚情報を得るために、対象物の加圧時に、2つの接触子5、6同士が接触しない位置となっている。なお、第1の感圧素子4及び第2の感圧素子3は、弾性接触子5あるいは接触子6の下部に重なるように配置されているため、図2おいては図示されていない。また、図2では、便宜上スペーサ8も省略されている。
【0040】
上記の構成の触覚センサを用いて分布型触覚センサを作成すれば、一平面上に並列に配置された二つの感圧素子を用いた従来の触覚センサで分布型触覚センサを構成する場合と比較して、空間分解能を2倍にすることができるため、対象物の触覚情報をより正確に得ることができる。
【0041】
また、上記弾性接触子5において、上記対象物との接触面(弾性接触子5の上面)の面積は、上記第1の感圧素子4との接触面(弾性接触子5の下面)の面積よりも小さいことが好ましい。
【0042】
これによれば、図2において、接触子6が配置されている領域と、弾性接触子5が配置されている領域との重複領域の面積がより大きくなるように、各感圧素子3、4および各接触子5、6をより近い位置に配置しても、加圧時に上記弾性接触子5と上記接触子6の突出部11とが接触することを避けることができる。そして、弾性接触子5と接触子6とは、互いに接触しない最小の距離だけ離れて配置されていることが好ましい。これによって、触覚センサの大きさをより小型化することができ、この触覚センサを平面上に複数個配置して構成される分布型触覚センサの空間分解能を向上させることができる。
【0043】
ここで、上記の「弾性接触子5と接触子6とが、互いに接触しない最小の距離」は、弾性接触子5の変形量に応じて決定される。それゆえ、弾性接触子5と接触子6とをより近い位置に配置させるためには、弾性接触子5の素材について可撓性が小さいものを選択すればよい。また、本実施の形態では、図2に示すように、接触子6は弾性接触子5の下部中心10を通過する長軸上を外した位置に配置さているが、弾性接触子5の変形量が小さければ、接触子6が弾性接触子5の上記長軸上に配置されていても構わない。ここで、上記長軸とは、弾性接触子5の下部中心10を矢印A方向に移動させて得られる軸のことを意味する。
【0044】
なお、本実施の形態においては、接触子6の対象物との接触面(すなわち、突出部11の上面)、及び弾性接触子5の対象物との接触面(すなわち、上面)は、ともに円形の形状となっているが、本発明は、これに限定されることなく、例えば楕円状あるいは方形状などであってもよい。また、上記突出部11の高さは、上記第1の接触子の上記基板2からの高さと等しくなっていることが好ましい。すなわち、弾性接触子5、接触子6の各接触面が同一平面上にあることが好ましい。これによって、対象物の垂直方向の圧力およびせん断力、滑り覚を同時に検出することができる。
【0045】
上記触覚センサにおいて、第1の感圧素子4および第2の感圧素子3は、基板2上の処理回路7に接続されており、対象物から付加される圧力に比例した信号p1あるいはp2を処理回路7に対してそれぞれ出力する。より具体的には、接触子6に加わった力の垂直成分は、第2の感圧素子3から信号p2として処理回路7に出力される。
【0046】
また、弾性接触子5にせん断力が加わった場合、図2に示すように、弾性接触子上部中心9が弾性接触子下部中心10の真上にないため、弾性接触子5は上記上部中心9と下部中心10とのずれ方向(矢印A方向)に変形しやすい。これによって、第1の感圧素子4は、せん断力を引張り力、圧縮力として検出することができる。本触覚センサの場合、弾性接触子5は図2中のX軸プラス方向に変形しやすく、第1の感圧素子4には、X軸プラス方向のせん断力は引張り力として、X軸マイナス方向のせん断力は圧縮力として力が付加される。上記第1の感圧素子4は、引張り力、圧縮力の両方を検出することができるため、X軸プラス、マイナス両方向のせん断力を検出することができる。そして、弾性接触子5に加わった力のせん断力成分は、第1の感圧素子4から信号p1として処理回路7に入力される。
【0047】
続いて、処理回路7のより具体的な構成について、図3を用いて以下に説明する。図3は処理回路7の内部の構成を示すブロック図である。図3に示すように、処理回路7は、2つの前処理回路12・13、差分回路14、弁別回路15を備えている。前処理回路12は、上述の検出部30の第1の感圧素子4から出力された信号p1を、これに比例した信号θ1に変換する。前処理回路13は、上述の検出部30の第2の感圧素子3から出力された信号p2を、これに比例した信号θ2に変換する。
【0048】
前処理回路12において変換された信号θ1は、続いて差分回路14に入力される。前処理回路13において変換された信号θ2は、θ1と同様に差分回路に入力されるとともに、そのまま圧力信号(垂直方向の圧力信号)pとして出力される。差分回路14では、信号θ1とθ2との差に基づく信号Dが演算され、出力される。弁別回路15は、信号Dの直流成分もしくは低周波成分の大きさに比例した信号をせん断力信号Sとして出力する。また、信号Dの交流成分もしくは高周波成分の大きさに比例した信号を滑り覚信号Fとして出力する。
【0049】
ここで、上述の本実施の形態の触覚センサの動作について、以下にまとめて説明する。対象物が弾性接触子5の上面及び接触子6の突出部11の接触面に触れると、接触子6に垂直に加わる力の情報が、第2の感圧素子3に加わる圧力に比例した信号pとして得られる。また、弾性接触子5に接触する物体が水平方向に動こうとする力、すなわちせん断力に関する力の情報は、第1の感圧素子4に加わる圧力から第2の感圧素子3に加わる圧力を引くことによって、せん断力信号Sとして得られる。さらに、弾性接触子5に接触する対象物の水平方向に滑る感覚である滑り覚に関する力の情報は、弾性接触子5と対象物の摩擦によるスティックスリップ振動の周波数に基づく滑り覚信号Fとして得られる。
【0050】
上述の本実施の形態に係る触覚センサによれば、1つのセンサで圧力覚、せん断力覚、滑り覚を同時に検出することができる。そして、上記触覚センサにおいては、弾性接触子5の上面の中心(上部中心9)と下面の中心(下部中心10)とがずれていることによって、そのずれ方向のせん断力を、第1の感圧素子4に付加される引張り力、圧縮力として検出することができ、1つの弾性接触子5に対して、1つの感圧素子(第1の感圧素子4)のみでせん断力を検出することができる。また、せん断力成分を検出する第1の感圧素子4と、垂直方向の圧力を検出する第2の感圧素子3とが、上下2段の構成となっているため、2つの感圧素子を一平面上に並べて配置する場合と比較して、空間分解能を高めることができる。
【0051】
また、上記触覚センサにおいては、弾性接触子5の表面に高摩擦の可撓性材料膜層を形成してもよい。これによれば、対象物と弾性接触子5との接触が確実となり、せん断力覚、滑り覚の検出感度を向上させることができる。
【0052】
次に、上述の触覚センサを平面上に複数個配置して構成される分布型触覚センサについて、図4、5を用いて説明する。この分布型触覚センサは、センサに対象物が接触した場合の触覚分布情報を得ることができる。
【0053】
図4は、上記分布型触覚センサに設けられ、各触覚センサの感圧素子を形成する感圧マトリックス16・17の配置状態示す模式図である。感圧マトリクス16は、せん断力検出用の静電容量型感圧マトリックスであり、引張り、圧縮両方向の力を検出することができる。この感圧マトリクス16は、上記分布型触覚センサに2次元的に配置された各触覚センサにおいて、上述の第1の感圧素子4として機能する。図4に示すように、上記感圧マトリックス16は、平行に配置された複数の上側電極16’と、同じく平行に配置された複数の下側電極16”とが直交するようにマトリックス状に配置されており、上部電極16’と下部電極16”との間の距離が変動することによる静電容量の変化を圧力情報として検出する。すなわち、上部電極16’と下部電極16”とが重なり合う箇所が圧力情報を取得できる箇所であり、当該箇所(感圧箇所と称する)が各触覚センサの第1の感圧素子4となる。
【0054】
感圧マトリクス17は、垂直方向の圧力検出用の静電容量型感圧マトリックスであり、上述の感圧マトリックス16と同様に、平行に配置された複数の上側電極17’と、同じく平行に配置された複数の下側電極17”とが直交するようにマトリックス状に配置されている。そして、上部電極17’と下部電極17”との間の距離が変動することによる静電容量の変化を圧力情報として検出することができる。この感圧マトリクス17は、上記分布型触覚センサに2次元的に配置された各触覚センサにおいて、上述の第2の感圧素子3として機能する。より詳しくは、上部電極17’と下部電極17”とが重なり合う箇所が圧力情報を取得できる箇所であり、当該箇所(感圧箇所と称する)が各触覚センサの第2の感圧素子3となる。
【0055】
図4に示すように、感圧マトリックス16及び感圧マトリックス17は、一マス分ずらして上下に配置されている。すなわち、上方から見た場合に、感圧マトリックス16の感圧箇所と、感圧マトリックス17の感圧箇所とが、一致することなく、交互に配置された状態になっている。上記各感圧箇所の上部には、各接触子が変形時においても接触しないように接触子が形成されることで、対象物からの垂直成分の圧力、及びせん断力、滑り覚の分布を検出することができる。
【0056】
図5は、本実施の形態に係る分布型触覚センサの平面構成を模式的に示す平面図である。図5に示す分布型触覚センサは、X方向、Y方向という、2次元(平面的)に直交する2方向のせん断力の分布を検出することができる。図5に示す格子状の実線は、感圧マトリックス16の上部電極16’および下部電極16”であり、格子状の点線は、感圧マトリックス17の上部電極17’および下部電極17”である。そして、格子状の実線の交差部分上の斜線を付した部分18が、各触覚センサ素子において第1の感圧素子4としての役割を果たしている。また、格子状の点線の交差部分上の斜線を付した部分19が、各触覚センサ素子において第2の感圧素子3としての役割を果たしている。
【0057】
すなわち、上記の斜線を付した部分18は、せん断力検出用の感圧マトリックス16の感圧箇所であり、上記の斜線を付した部分19は、垂直方向の圧力検出用の感圧マトリックス17の感圧箇所である。上記感圧箇所18上には、弾性接触子20aあるいは弾性接触子20bがそれぞれ交互に形成されている。上記弾性接触子20aは、その楕円形状の下部面の長軸がX方向であり、弾性接触子20aの真下に形成されている感圧箇所18は、X方向のせん断力を検出することができる。一方、上記弾性接触子20bは、その楕円形状の下部面の長軸がY軸方向であり、弾性接触子20bの真下に形成されている感圧箇所18は、Y軸方向のせん断力を検出することができる。従って、上記分布型触覚センサは、X・Y両方向のせん断力分布を検出可能である。
【0058】
また、各感圧箇所19上には、接触子21が形成されており、該接触子21に付加された垂直方向の圧力(垂直力)を検出することができる。そして、隣接するせん断力検出用の感圧箇所18、及び垂直力検出用感圧箇所19の各出力は、図3に示すような処理回路に入力される。これによって、垂直方向の圧力信号、せん断力信号、滑り各信号を得ることができ、感圧マトリックスの全領域について同様の処理を行うことで、各力の分布を検出することができる。
【0059】
すなわち、実線枠Bあるいは実線枠Cで囲まれた部分のように、隣接する2つの感圧素子が上述の触覚センサを形成していると言うことができる。ここで、実線枠Bで囲まれた部分の触覚センサは、X軸方向のせん断力を検出可能なセンサであり、実線Cで囲まれた部分の触覚センサは、Y軸方向のせん断力を検出可能な触覚センサである。そして、本実施の形態の分布型触覚センサは、上記2種類の触覚センサが交互に配置され、X軸方向、Y軸方向のせん断力および滑り覚を検出することができるとともに、垂直方向の圧力を検出することもできる。
【0060】
なお、本実施の形態では、上下に配置された2枚の感圧マトリックス16・17は、図4、5に示すように、X軸方向、Y軸方向にそれぞれずらされている。しかしながら、本発明では、弾性接触子20aあるいは20bが対象物と接触し変形する場合に、弾性接触子20aあるいは20bと接触子19とが接触しないのであれば、X軸方向またはY軸方向のどちらか一方のみにずらしてもよい。
【0061】
また、感圧マトリックス16と感圧マトリックス17とは、図5に示すように、感圧マトリックス16に格子状に配置された各弾性接触子20a・20bのちょうど中央部に、感圧マトリックス17に格子状に配置された各接触子19が配置されるようにずらされて配置されていてもよいが、必ずしもちょうど中央部ではなく、何れか1つの弾性接触子により近い位置に片寄って配置されるようにずらされていてもよい。なお、空間分解能を高めるためには、1つの触覚センサ素子を構成する弾性接触子20a(あるいは20b)と、接触子19とが変形後接触しない最小の距離だけ離れてずらされていることが好ましい。
【0062】
これらの構成によれば、上記感圧マトリックス16・17の配置を基準にして配置される各触覚センサにおいて、第2の感圧素子3及び接触子6の一部の領域が、基板2と第1の感圧素子4との間に挟まれた配置状態となる。その結果、一定の空間内により多くの感圧素子を配置することができるため、感圧素子のピッチを小さくでき、ひいては各触覚センサ素子のピッチを小さくすることができるため、高い空間分解能を得ることができる。なお、2つの感圧マトリックスにおいて、一方の感圧素子(第2の感圧素子3)は、垂直力のみを検出するためのものである。そのため、垂直力の検出はせん断方向に変形する必要がなく、接触面が小さくても良い事から、第2の感圧素子3は、基板2と第1の感圧素子4との間に挟まれた状態でも構わない。
【0063】
また、本実施の形態に係る分布型触覚センサは、X軸、Y軸両方向のせん断力を検出するものであるが、本発明はこれに限定されることなく、弾性接触子の長軸方向をX軸方向のみ、あるいはY軸方向のみとする一方向のセンシングを行うセンサであってもよい。
【0064】
さらに、本発明の分布型触覚センサにおいて、上記触覚センサの配置方法は、平面上に2次元的に配置されていれば、特に限定はされないが、上記触覚センサは等間隔で規則的に配置されていることが好ましい。これによれば、センサに付加される力の分布をより正確に入手することができる。そして、上記分布型触覚センサにおいては、対象物から力が付加された時に、隣接する各接触子同士が接触しない最小の距離だけ離れて、各触覚センサが配置されることがより好ましい。これによれば、空間分解能を向上させることができ、より正確な力の分布を検出することができる。
【0065】
上述の分布型触覚センサは、既存の静電容量型の感圧マトリックスを2枚上下に積層した後に、各感圧箇所に接触子や処理回路などを形成することによって、容易に作成することができる。加えて、感圧素子が上下2段の構成となっているため、一平面上に並んで配置された2つの感圧素子で各力の検出を行う触覚センサ素子を用いた分布型触覚センサと比較して、空間分解能を倍にすることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の触覚センサは、基板と、該基板上に対象物との接触感覚を検出する検出部と、該検出部に接続され、該検出部から出力された信号を処理する処理回路とを備えた触覚センサにおいて、上記検出部は、引張り力および圧縮力を検出する第1の感圧素子と、上記第1の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する接触面を有する第1の接触子とを備え、さらに、上記第1の接触子において、上記対象物との接触面は、上記第1の感圧素子と接している面と平行であり、かつ、上記対象物との接触面の中心位置は、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置からずれていることを特徴としている。
【0067】
上記触覚センサは、1つ接触子(第1の接触子)に対して、1つの感圧素子(第1の感圧素子)のみでせん断力を検出することができるため、2つの感圧素子を同一平面上に配置してせん断力を検知する従来の方法と比較して、高い空間分解能を得ることができる。それに加えて、その構成が単純であるため、容易に作成することができるという利点も有している。
【0068】
また、上記触覚センサは、圧力を検出する第2の感圧素子と、上記第2の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する突出部が設けられた第2の接触子とをさらに有し、上記第2の感圧素子及び上記第2の接触子の一部分は、上記基板と上記第1の感圧素子との間に挟まれて配置されていることが好ましい。
【0069】
上記触覚センサにおいては、第1の感圧素子と第2の感圧素子とが、その一部の領域が積層された階段状の構成となっている。このように、第1及び第2という2つの感圧素子を上下2段構成にして配置することで、同一平面上に配置するよりも、感圧素子同士のピッチを狭くすることができ、空間分解能を高める(最高で2倍にする)ことができる。
【0070】
本発明の分布型触覚センサは、上述の触覚センサが平面上に配置されていることを特徴とするものである。
【0071】
上記の構成によれば、空間分解能の高い本発明の触覚センサが平面上に配置されているため、空間分解能の高い分布型触覚センサを得ることができ、対象物から加えられた力をより正確に把握することができる。
【0072】
さらに、上記分布型触覚センサにおいて、各触覚センサの第1の感圧素子および第2の感圧素子は、それぞれマトリックス状に配置された電極で形成されていることが好ましい。
【0073】
上記の構成によれば、既存の静電容量型の感圧マトリックスを2枚上下に積層するのみで、第1及び第2の感圧素子を形成することができる。そのため、均等な位置に触覚センサが配置された分布型触覚センサを容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である触覚センサの断面を透視した状態で示す断面図である。
【図2】図1に示す触覚センサを上部から見た場合の平面透視図である。
【図3】図1に示す触覚センサに備えられた処理回路の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の一形態である分布型触覚センサに設けられた感圧マトリックスの配置状態を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の一形態である分布型触覚センサの平面構成を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 基板
3 第2の感圧素子
4 第1の感圧素子
5 弾性接触子(第1の接触子)
6 接触子(第2の接触子)
7 処理回路
8 スペーサ
9 弾性接触子上部中心
10 弾性接触子下部中心
11 突出部
12・13 前処理回路
14 差分回路
15 弁別回路
16・17 感圧マトリックス
16’・17’ 上部電極
16”・17” 下部電極
18・19 感圧箇所
20a・20b 弾性接触子
21 接触子
30 検出部
Claims (8)
- 基板と、該基板上に対象物との接触感覚を検出する検出部と、該検出部に接続され、該検出部から出力された信号を処理する処理回路とを備えた触覚センサにおいて、
上記検出部は、引張り力および圧縮力を検出する第1の感圧素子と、上記第1の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する接触面を有する第1の接触子とを備え、
さらに、上記第1の接触子において、上記対象物との接触面は、上記第1の感圧素子と接している面と平行であり、かつ、上記対象物との接触面の中心位置は、上記第1の感圧素子と接している面の中心位置からずれていることを特徴とする触覚センサ。 - 上記触覚センサは、圧力を検出する第2の感圧素子と、
上記第2の感圧素子上に形成され、上記対象物と接触する突出部が設けられた第2の接触子とをさらに有し、
上記第2の感圧素子及び上記第2の接触子の一部分は、上記基板と上記第1の感圧素子との間に挟まれて配置されていることを特徴とする請求項1記載の触覚センサ。 - 上記第1の接触子は、弾性部材からなることを特徴とする請求項1または2記載の触覚センサ。
- 上記第1の接触子において、上記対象物との接触面の面積は、上記第1の感圧素子と接している面の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1または2記載の触覚センサ。
- 上記触覚センサは、上記第1の感圧素子の出力と上記第2の感圧素子の出力との差分の直流成分または低周波成分を、上記対象物から加えられたせん断力として検出することを特徴とする請求項2ないし4の何れか1項に記載の触覚センサ。
- 上記触覚センサは、上記第1の感圧素子の出力と上記第2の感圧素子の出力との差分の交流成分または高周波成分を、上記対象物から加えられた滑り覚として検出することを特徴とする請求項2ないし5の何れか1項に記載の触覚センサ。
- 請求項1ないし6の何れか1項に記載の触覚センサが平面上に配置された分布型触覚センサ。
- 上記分布型触覚センサにおいて、各触覚センサの第1の感圧素子および第2の感圧素子は、それぞれマトリックス状に配置された電極で形成されていることを特徴とする請求項7記載の分布型触覚センサ。
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