JP2004226188A - レーダ目標高度推定装置 - Google Patents

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JP2004226188A JP2003013158A JP2003013158A JP2004226188A JP 2004226188 A JP2004226188 A JP 2004226188A JP 2003013158 A JP2003013158 A JP 2003013158A JP 2003013158 A JP2003013158 A JP 2003013158A JP 2004226188 A JP2004226188 A JP 2004226188A
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Noriyuki Inaba
敬之 稲葉
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Abstract

【課題】レーダにて低高度目標の追尾を行うとき,マルチパス現象により目標の高度推定に誤差が発生するという課題があった,アレーアンテナを用い,周波数ホッピングを併用した最尤推定法による推定法が報告されているが,この方法では,未知パラメータ数が周波数の数とともに増大し計算量が大きくリアルタイムな装置に実装することが困難であるという課題があった.
【解決手段】周波数ホッピングした送信波に対する,アレーアンテナでの受信信号のデータベクトル(列がアレー素子,行が時間)を周波数毎にstack配列するStack配列処理を備え,幾つかの物理的仮定を設けその配列に合致するモードベクトル算出するモードベクトル算出装置,おいびそれらを用いて最尤推定法に基づき,周波数に依存した複素振幅などの未知パラメータと無関係に,推定対象である目標高度の1パラメータで目標高度を推定する目標高度推定処理を備える.
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、追尾レーダや航空管制レーダにおいて低高度目標を追尾するとき,直接波と海面反射(あるいは地面反射)によるマルチパス現象によりモノパルスレーダなどの測角処理の出力に誤差が生じ目標追尾が困難となる現象を回避するレーダ目標の高度想定技術に関するのものである。
【0002】
【従来の技術】
低高度目標を追尾するときのマルチパス環境を説明する図を図5に示す.このような状況では,直接波と海面反射波は同一ビーム内の僅少な角度差となる.一方,ドップラ周波数差や時間遅延差はほぼ無視できる(観測できない)大きさとなる.すなわち,直接波と海面反射波は位相のみシフトした完全相関信号に近い状況となっている.このようなマルチパス環境では目標の位置(距離・高度)によっては,マルチパス現象により電力が消滅するフェージングが発生する.このようなマルチパス環境下で,モノパルスアンテナによる測角処理の出力には,大フェージングが発生する位置で大きなスパイク誤差が発生し,それ以外の位置ではバイアス誤差が発生することが良く知られている.ここで言うモノパルスアンテナとは,アレーアンテナでの各受信RF信号をRF段で,和チャンネル(Σと呼ぶ)と差チャンネル(Δと呼ぶ)を合成するΣΔ合成器をもつアンテナである.Σ,ΔのRF信号は,周波数変換装置によりIF信号を経由し,ベースバンドに周波数変換され,ベースバンドのΣ,Δ信号から,(Δ/Σ)を演算し,その値が角度(RF段の移相器に与えた移相によるビーム試行方向からの角度差)が得られるアンテナを指している.
【0003】
この課題を解決するために,周波数ホッピング(F/H;Frequency Hopping)を併用したアレーアンテナの出力信号そのものを利用する方法がある.アレーアンテナを用いた複数波の角度推定法として,MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法や,ESPRI(Estimation via Rotational Invariant Technique)T法がある.しかし,目標からのレーダ反射波とその海面反射波は,前記したように,時間遅延差,ドップラ周波数差がなく,位相のみことなる完全相関波となり,このような環境では,これら推定法より,レーダ波の電波伝播の幾何学的モデルに基づいた最尤推定法が優れているといわれている.最尤推定法に基づき複数の未知パラメータで非線探索を行う低高度レーダ目標の高度推定法は既に報告されている.(例えば,非特許文献1)
【0004】
目標高度が低いと直接波と海面反射波が干渉しフェージングが発生する.フェージングが発生すると受信信号そのものが消滅するため目標高度が推定できない.このため,送信パルス毎にf1,f2,・・と周波数を変える周波数ホッピング法(frequency hopping)を併用しフェージングしない周波数による受信信号を得る必要がある.各周波数での送信パルスに対する受信信号を保存しておき,周波数ホッピングした全ての受信信号を用いて最尤推定法を適用する.周波数によっては,フェージングが発生しない,送信パルスが含まれるため,全ての受信信号を用いた最尤推定法では,安定して目標の高度,距離によらず目標高度が推定可能となる.しかし,非特許文献記載の従来技術では,周波数ホッピングした周波数の数が増えれば,それだけ最尤推定法適用時の未知パラメータの数が増え,極端に計算料が増加するという問題があった.また,アレーアンテナで受信した全ての素子信号をベースバンドに変換して,その信号を用いて最尤推定法を適用していた.このため,アレーアンテナの受信系のチャンネル数がアレーアンテナ素子数だけ必要であり,ハードウエア規模が大きくなっているという課題もある.
【0005】
【非特許文献1】
E.Bosse,R.M.Turner and E.S.Riseborough,“Model−based multifrequency array signal processing for low−angle−tracking,”IEEE transaction on Aerospace and Electronic Systems,vol31.no.1,pp.194−209,Jan,1995.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
現在広く実用化されているモノパルス測角法では,目標高度が低くマルチパスが発生する状況では受信信号にフェージングが発生し,目標高度推定が可能となるという課題があった.非公知文献1では,アレーアンテナを用いて周波数ホッピィングを併用することでその信号を用いて最尤推定法に基づく目標高度推定が報告されている.しかし,この方法では,周波数ホッピングを行う周波数の数が増えるとともに,未知パラメータ数が増え計算量が極めて大きくなるという課題があった.また,アレーアンテナを用いており,受信系のハードウエア規模が大きいという問題がある.
【0007】
このように,従来の最尤推定法に基づく目標高度推定装置は,アレーアンテナの全ての素子で受信した周波数ホッピング信号から最尤推定法に基づき目標高度を推定するものであるが,周波数ホッピングの周波数の数だけの複素振幅・移相が未知パラメータとなり,計算量が大きくなり,リアルタイムのレーダ信号処理装置への実相する場合,目標高度推定装置の規模が大きくなるという課題がある.また,アレーアンテナの各素子のRF信号をそれぞれベースバンド信号に変換する必要がありIF部の受信系チャンネル数もアレーアンテナ素子数だけ必要となり装置規模が大きくなるという課題がある.更に,この従来法はアレー素子数が3チャンネル以上必要であり,RF部でΣ,Δ信号が合成されるモノパルスアンテナは,受信系はΣとΔの2チャンネルでありこの2チャンネル信号を用いた従来法では目標高度推定は本来不可能である.
【0008】
この発明は,係る課題を解決するために成されたものであり,周波数ホッピングを用いてフェージング対策を図りつつ最尤推定法で目標高度推定を行うときでも,計算量やIF段の受信系装置規模が小さいレーダ目標高度推定装置を得ることを目的とする.
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明では,周波数ホッピング信号を保持する受信データ保持装置と,前記受信データ保持装置に保持された周波数ホッピング信号から目標までの距離を算出する測距装置と,等価地球半径係数などのパラメータを保持しているパラメータ保持装置と,前記測距装置からの距離データと前記パラメータ保持装置からのパラメータとからモードベクトルを得るモードベクトル算出処理と,前記受信データ保持装置に保持された周波数ホッピング信号をstack配列し計測データベクトルを作成するStack配列処理と,前記モードベクトルと前記計測データベクトルとから最尤推定法に基づき目標高度を推定する目標高度推定処理と,を備えるレーダ目標高度推定装置に関するものである.
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下,図を用いてこの発明に係わる実施の形態1について説明する.
図1は実施の形態1による目標高度推定装置の構成を示している.図に記載する,アレーアンテナ1で送信した周波数f1の送信パルスは,目標から反射し同じくアレーアンテナ1に入射し受信信号となる.アレーアンテナ1で受信された信号は周波数変換装置2でRF信号からベースバンド信号に周波数変換される.バースバンドに周波数変換された各アンテナ素子で受信された信号を用いて最尤推定法に基づき目標高度が推定される.
【0011】
最尤推定法を適用するために受信信号のモデル化が必要である.最尤推定法は,計測データベクトルとモードベクトルと呼ばれるものを用いて,モードベクトルに含まれる未知パラメータについて探索することで推定値を得ることができる.最尤推定法を適用した手法において,計測データベクトルの配列方法とモードベクトルのモデル化に独自性がある.
ベースバンドに周波数変換せれた受信信号は目標からの直接波と海面反射波の和である.この受信信号をモデル化することから始める.
【0012】
地球が丸いこと,地球表面の大気屈折率が高度が増すにつれ指数関数的に現象することを考慮した幾何光学モデルによる受信信号の振幅と位相について,文献L.V.Blake, “Radar Range−Performance Analysis,” Artech House, chapt.6, 1986.に詳細な記述がある.この文献によると目標反射の直接波Sdと海面反射Siは,それぞれ,
【0013】
【数1】
Figure 2004226188
【0014】
”数3”で表される.ここで,S(t)は目標からの反射波形(tは時刻),Γはフレネル反射係数(グレージング角Ψ,複素誘電率εcの関数),ρsは海面反射係数(グレージング角Ψ,波高標準偏差σhの関数),Dはダイバージェンスファクタ,λは波長,dRは直接波と反射波の路長差(アンテナ高Ha,目標高度Ht,等価地球半径Reの関数)ある.arg(X)は複素数Xの偏角を表す.この文献では,一つのアンテナ素子での受信信号が説明されている.実施例1の発明を説明するために,アレーアンテナを用いる場合に拡張する.ここでは簡単のために,アレーアンテナとして素子間隔dが等しい素子数Nからなる上下方向のリニアアレーとする.数1の幾何光学モデルの定式中に含まれるアンテナ高度を,素子別に
【0015】
【数2】
Figure 2004226188
【0016】
とおく.ここでHaはアレーアンテナ素子番号1(一番下の素子)の高度であり,Ha,は素子番号nの高度を表す.このように,直接波と海面反射波を素子個別に記述することでアレーアンテナの各素子で計測される信号を定式化していく.目標位置での信号St(t)は,
【0017】
【数3】
Figure 2004226188
【0018】
で得られる.ここで,S(t)は送信波形であり,直接波と海面反射波の時間遅延差は無視できるとし,また簡単のため伝搬路長による減衰とドップラシフトは省略して記述している.Rはアンテナ中心から目標までの距離であり,Cは光速である.また,wは素子パターンとステアリングベクトルからなる送信時のウエイトベクトルである.Aは,各素子別に直接波と海面反射波の振幅,位相差を与える行列であり下式で表される.
【0019】
【数4】
Figure 2004226188
【0020】
ここで,R1,R2,・・,Rnはそれぞれ素子番号1,2,・・,nのアレーアンテナ素子から目標までの距離であり,φ1,φ2,・・,φnはそれぞれ素子番号1,2,・・,nのアレーアンテナ素子に入射する直接波と海面反射波の位相差であり,ρ1,ρ2,・・,ρnはそれぞれ素子番号1,2,・・,nのアレーアンテナ素子に入射する海面反射波の海面での反射係数である.またλは電波の波長である.
次に,
【0021】
【数5】
Figure 2004226188
【0022】
を,それぞれ目標の直接波方向と海面反射方向への反射係数とすると,受信素子アンテナでの受信信号Xaは,
【0023】
【数6】
Figure 2004226188
【0024】
となる. ここで,C × は,複素数を要素としたN行T列の行列であることを表す.
次に,アンテナ高さは既知である.また,レーダは一般に目標までの距離を測る機能を有しており,本発明でも図1の測距処理6により目標距離が得られているとする.目標高度を測るという目的に,目標距離を既知とすることが,この発明の第一のポイントである.このことから,
【0025】
【数7】
Figure 2004226188
【0026】
という関数関係がある.すなわち,直接波の入射角と海面反射波の入射角という二つの未知パラメータが目標高度Htという一つのパラメータに集約される.ここで,Reは等価地球半である.等価地球半径は,標準大気である等価地球半径係数k=4/3,あるいはラジオゾンデなど何らかの別の方法にて求めた等価地球半径係数値として,パラメータ保持装置7に保持されているとする.ここで,数8に含まれる未知パラメータである等価地球半径Re,フレネル反射係数の偏角(arg(Γ))について以下の仮定を設ける.
【0027】
【数8】
Figure 2004226188
【0028】
ここでkは等価地球半径係数であり定数値とする.フレネル反射係数の偏角は,水平偏波のときは数8の仮定のとおりπとなる.垂直偏波の場合でも,グレージング角Ψが小さいときにはほぼπとなる.
この仮定がこの発明の第二のポイントである.次に,ρには素子依存性がないと仮定する.
この仮定がこの発明の第三のポイントである.以上の三つの仮定から,ある一つの周波数に対するモードベクトルは,モードベクトル算出処理8にて
【0029】
【数9】
Figure 2004226188
【0030】
から算出される. モードベクトルを数8と仮定することで,モードベクトルに含まれる未知数は目標高度1パラメータとすることができたこととなる.
【0031】
以上,非特許文献1では「目標高度の1パラメータで最尤推定が可能」という表現はあるものの数式では明らかにされていない.しかし,ここまでの定式化によりモードベクトルが目標高度の1パラメータとなる定式化がなされた.次に,この発明の主題であるフェージング対策として必須の周波数ホッピングを併用する場合に拡張する.
周波数ホッピングとは図4に示すように,レーダの送信パルス毎に送信周波数をホッピングさせ送信するものである.各周波数番号k(k=1,・・K)で送信したパルスの受信信号を計測した計測データベクトルXakは受信データ保持装置で保持される.
次に,Stack配列処理9にて
【0032】
【数10】
Figure 2004226188
【0033】
のように各周波数での計測データベクトルはstack配列(同じ列数の行列を行方向に逐次並べる)に並べられる.このように各周波数で送信したパルスの受信信号をStack配列処理9にてstack配列することが,この発明の第四のポイントである.
このとき,モードベクトルもモードベクトル算出装置8にて
【0034】
【数11】
Figure 2004226188
【0035】
のように,stack配列したものが算出されるとする.
このとき,信号ベクトルSは,
【0036】
【数12】
Figure 2004226188
【0037】
となる.ここでξk(k=2,・・K)は,周波数k=1を基準とした目標からの反射波の複素振幅・位相である.次に,最尤推定法(ML;Maximum Likelihood)の原理に基づいた,目標高度推定装置10では,数10,数11を用いて
【0038】
【数13】
Figure 2004226188
【0039】
により目標高度Htを推定することができる.厳密には内部雑音が定常かつエルゴード性を有したガウス性白色であるとする仮定したときに最尤推定法となる.このようにこのh発明では,計測データベクトルを数10のように配列すること,幾つかの仮定を設けることでモードベクトル数9とし周波数ホッピングし計測データベクトルを数10と配列するときに対応するように数11としたモデルを用いることで,信号ベクトルSに含まれるρ,St,および目標の反射係数である数5が未定のまま,目標高度Htが探索可能となる.数13に示す探索とは,目標高度Htとして想定される範囲でHtを種々変化させ数11を計算し最大となるときのHtを目標高度Htの推定値とするものである.ここでtrは行列のトレースを表す.なお,探索範囲はレーダ送信ビーム幅範囲に限定されること,及びモードベクトルAに関わる部分は事前に計算しておくことが可能であることより比較的少ない計算量で推定値が得られる.更に,数13における最大値探索法としては上記のようにHtを変化させ全て計算して最大値を選ぶのではなく,ガウス・ニュートン法などにて最大値探索の高速化を図ることも可能である.
【0040】
実施の形態2.
実施の形態2は,1〜10は図1と同じものである.実施の形態2では,RF段に移相器11と合成器12を備え,サブビームを形成するRFサブアレー構成をもつアンテナに,実施の形態1の目標高度推定アルゴリズムに対し,RF部がサブアレー構成となっていることに対応するように合成器摸擬処理13を付加したことを特徴とする.
2波到来波環境での分離推定に必要なアレー数は3以上であり最小の3サブアレーでも良いが,図2の実施例においてはサブアレー数は4サブアレーを例として説明する.
アレーアンテナで受信された信号が合成器13により合成されることを,ベースバンドの合成器摸擬装置13にて定式化し,モードベクトル数11に反映する.ここで,簡単のために,位相器11で与えられる位相制御はビーム指向方法としてアレーノーマルとし,それぞれ1または0を要素とした,N/4次元の行ベクトルを
【0041】
【数14】
Figure 2004226188
【0042】
と定義し,数14を部分行列とした行列を数15で定義する.
【0043】
【数15】
Figure 2004226188
【0044】
この数15の行列を用いて,アレーアンテナで受信した信号を入力し,合成器12の出力である計測信号Xsは,
【0045】
【数16】
Figure 2004226188
【0046】
とモデル化されることとなる.
次に,周波数ホッピングしたデータベクトルXsを,実施例1と同様にStack配列処理9にて並べ替えて,
【0047】
【数17】
Figure 2004226188
【0048】
と置く.
このとき,モードベクトル算出処理8では,,
【0049】
【数18】
Figure 2004226188
【0050】
からモードベクトルを求める.
こうして,計測データベクトルである数17とモードベクトル数18を入力として,最尤推定法に基づき目標高度推定処理10にて,数19にて
【0051】
【数19】
Figure 2004226188
【0052】
にて,目標高度の1パラメータで最大値を探索することで目標高度推定値を得ることが可能となる.
【0053】
実施の形態3.
実施の形態3はRF段にΣΔ合成器をもつモノパルスアンテナに最尤推定法を適用するものである.図3はこの実施の形態を示すもので、図において、1〜11は図2と同じものである.14はアレーアンテナでの受信信号から和信号(Σ信号)と差信号(Δ信号)を合成するΣΔ合成器である.
アレーアンテナで受信された信号が合成器14により合成されることを,ベースバンドのΣΔ合成器摸擬装置15にて定式化し,モードベクトルに反映することを特徴とする.
ここで,簡単のために位相器11で与えられる位相制御はビーム指向方法としてアレーノーマルとし,1を要素とした,N/2次元の行ベクトルを
【0054】
【数20】
Figure 2004226188
【0055】
と定義し,数20を部分行列とした行列を数21で定義する.
【0056】
【数21】
Figure 2004226188
【0057】
この数21の行列を用いて,アレーアンテナで受信した信号を入力し,ΣΔ合成器13の出力である計測信号Xmは,
【0058】
【数22】
Figure 2004226188
【0059】
とモデル化されることとなる.
このとき,モードベクトル算出処理8では,数23の仮定を設ける.この仮定は,発明の実施例1および2では用いなかった,追加の仮定である.
【0060】
【数23】
Figure 2004226188
【0061】
この仮定を設けることで,数22に対応した計測データベクトルの配列に対し,以下の数24で
【0062】
【数24】
Figure 2004226188
【0063】
モードベクトルを求めることができる.
こうして,計測データベクトルである数22とモードベクトル数24を入力として,最尤推定法に基づき目標高度推定処理10にて,
【0064】
【数25】
Figure 2004226188
【0065】
にて, 目標高度Htと,周波数k=1を基準とした相対複素振幅(ξk=2,・・ξk=K)の1+2(K−1)個の実数未知数パラメータによる最大値探索から目標高度推定値を得ることが可能となる.
【0066】
図6は,目標高度が300mの一定高度で,遠方から近づいてくる場合の,ΣΔアンテナでのモノパルス処理(周波数f0)による目標高度推定,および同じΣΔアンテナで周波数ホッピング(周波数f0−10%,f0+10%の2波)を行った計測データベクトルを用いて数25に基づく目標高度推定を行ったものである.モノパルス処理では大きなスパイク状の高度誤差とバイアス誤差が見られる.一方,本発明の実施例による目標高度推定では,周波数ホッピングの数は2周波数のみであるにも関わらずスパイク誤差が小さくなっているとともに,バイアス誤差も発生しない良い目標高度推定が可能であることが分かる.
【0067】
【発明の効果】
この発明によれば、周波数ホッピングを用いた受信信号からフェージング対策を図りつつ,モノパルス測角法では困難であったマルチパス環境での目標高度推定が可能となり,追尾レーダや航空管制レーダで低高度目標の高度が正しく計測可能となる.
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を説明するブロック図である。
【図2】実施の形態2を説明するブロック図である.
【図3】実施の形態3を説明するブロック図である.
【図4】従来技術を説明するブロック図である.
【図5】従来技術,および実施の形態1〜3で使用する周波数ホッピングのタイミングを説明する図である.
【図6】マルチパス環境の電波伝播を説明する図である.
【符号の説明】
1 アレーアンテナ
2 送信機(周波数ホッピング送信)
3 サーキュレータ
4 周波数変換装置
5 受信データ保持装置
6 測距処理
7 パラメータ保持装置
8 モードベクトル算出処理
9 Stack配列処理
10 目標高度推定処理
11 移相器
12 合成器
13 合成器摸擬処理
14 ΣΔ合成器
15 ΣΔ合成器摸擬処理
16 目標

Claims (3)

  1. 周波数ホッピング信号を保持する受信データ保持部と,
    前記受信データ保持部に保持された周波数ホッピング信号から目標までの距離を算出する測距部と,
    等価地球半径係数などのパラメータを保持するパラメータ保持部と,
    前記測距部の距離データと前記パラメータ保持部のパラメータとからモードベクトルを得るモードベクトル算出処理部と,
    前記受信データ保持部に保持された周波数ホッピング信号をstack配列し計測データベクトルを作成するStack配列処理部と,
    前記モードベクトルと前記計測データベクトルとから最尤推定法に基づき目標高度を推定する目標高度推定処理部と,
    を備えるレーダ目標高度推定装置.
  2. 周波数ホッピング信号により構成されるサブビームを合成する合成器と,
    前記合成器により合成された周波数ホッピング信号を保持する受信データ保持部と,
    前記受信データ保持部に保存された周波数ポッピング信号から目標までの距離を算出する測距部と,
    等価地球半径係数などのパラメータを保持するパラメータ保持部と,
    前記合成器の機能を数値的に摸擬する合成器摸擬処理部と,
    前記測距部からの距離データと前記パラメータ保持部からのパラメータと前記合成器摸擬処理部とからモードベクトルを得るモードベクトル算出処理部と,
    前記受信データ保持部に保持された周波数ホッピング信号をstack配列し計測データベクトルを作成するStack配列処理部と,
    前記モードベクトルと前記計測データベクトルとから最尤推定法に基づき目標高度を推定する目標高度推定処理部と,
    を備えるレーダ目標高度推定装置.
  3. 周波数ポッピング信号の和信号と差信号を合成するΣΔ合成器と,
    前記ΣΔ合成器により合成された周波数ホッピング信号を保持する受信データ保持部と,
    前記受信データ保持部に保存された周波数ポッピング信号から目標までの距離を算出する測距部と,
    等価地球半径係数などのパラメータを保持しているパラメータ保持部と,
    前記ΣΔ合成器の機能を数値的に摸擬するΣΔ合成器摸擬処理部と,
    前記測距部からの距離データと前記パラメータ保持部からのパラメータと前記ΣΔ合成器摸擬処理部とからモードベクトルを得るモードベクトル算出処理部と,
    前記受信データ保持部に保持された周波数ホッピング信号をstack配列し計測データベクトルを作成するStack配列処理部と,
    前記モードベクトルと前記計測データベクトルとから最尤推定法に基づき目標高度を推定する目標高度推定処理部と,
    を備えるレーダ目標高度推定装置.
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