JP2004226154A - 二次電池用電流センサ補正方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】このため、出力状態または発電状態になる電動機と、電動機の状態を切り換えるコントローラと、高圧の二次電池と電動機とをコントローラを介して接続し、二次電池とコントローラ間を流れる電流を検出する二次電池用電流センサを持つ電池管理装置と電池管理装置からの情報が入力されるとともに、コントローラを制御する制御装置とを有する二次電池装置の電流センサの補正方法であって、電池管理装置が電流センサの補正処理要求を制御装置に出力するとともに、制御装置は電流センサの補正処理要求を受けてから補正処理終了まで、運転停止中となった電動機状態を維持している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は二次電池用電流センサ補正方法に係り、特にガソリン自動車や電動車両の二次電池管理装置において、この電池管理装置が電流積算により電池残量を検出する際の精度向上を図る二次電池用電流センサ補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガソリン自動車や電動車両において、搭載される二次電池の電池残量を検出する種々の方策が既に開発されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−150873号公報 (第2−4頁、図1−3)
【特許文献2】
特開2000−137062号公報 (第5−7頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−151165号公報 (第2−3頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガソリン自動車や電動車両に搭載される車載電池残量を精度良く検出することが、航続距離の向上や燃費の向上、排気ガスの低減に重要な役割を果たしている。
【0005】
従来、電池残量の検出方法としては、電池電圧と電池温度等からの推定と、電流積算による充放電電気量の算出とを併用する方法がある(特開2000−261905号公報、特開2002−238106号公報)。
【0006】
しかしながら、電池残量の検出は非常に困難であり、電池の劣化状態や雰囲気状態等により誤差が生ずることとなる。
【0007】
また、電流積算に関しても誤差が生じ、積算誤差の累積により電池残量の検出誤りを増大することとなっている。
【0008】
開示した公知技術においても、電流積算誤差を補正する方法が提案されている。
【0009】
このとき、電流積算の誤差発生原因は一義的に特定することができるものではないが、1つの電流検出基準(例えば、0A(ゼロ・アンペア)時の電流センサ基準出力)と実際の電流センサ出力とに誤差が生じている場合がある。
【0010】
この結果、電流が流れていない状態にあっても、電流が流れているように電流積算処理されるため、積算誤差が生じてしまうという不都合がある。
【0011】
この誤検出による誤差電流を電流オフセットとして、電池残量検出誤差の原因の1つとすることができる。
【0012】
このため、この発明の目的は、電流オフセットによる電流検出誤差の削減を図ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、出力状態または発電状態になることが可能な電動機と、この電動機の状態を切り換えるコントローラと、高圧の二次電池と前記電動機とをコントローラを介して接続し、前記二次電池とコントローラ間を流れる電流を検出する二次電池用電流センサを持つ電池管理装置とこの電池管理装置からの情報が入力されるとともに、前記コントローラを制御する制御装置とを有する二次電池装置の電流センサの補正方法であって、前記電池管理装置が電流センサの補正処理要求を制御装置に出力するとともに、この制御装置は電流センサの補正処理要求を受けてから補正処理終了まで、運転停止中となった電動機状態を維持することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
上述の如く発明したことにより、電池管理装置が電流センサの補正処理要求を制御装置に出力するとともに、この制御装置は電流センサの補正処理要求を受けてから補正処理終了まで、運転停止中となった電動機状態を維持し、良好な補正処理環境を確保するとともに、補正処理によって電流オフセットの発生を防止して、電流オフセットによる電流積算誤差を減少させている。
【0015】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0016】
図1〜図7はこの発明の第1実施例を示すものである。図2において、2はハイブリッド車両(「HEV車両」ともいう)に搭載されるエンジンである。
【0017】
このエンジン2に、12V用の発電機4をベルト6によって連絡して設け、この発電機4に12V用の電池8を接続して設け、12V用の電池8を、前記エンジン2に接続して設けるとともに他の電気負荷(図示せず)へも接続して設ける。
【0018】
また、前記エンジン2には、出力状態または発電状態になることが可能な電動機10を設け、この電動機10には、電動機10が出力状態または発電状態になるように切り換えるコントローラ12を接続して設ける。
【0019】
前記電動機10には、コントローラ12を介して、前記電池8よりも高圧の二次電池14を接続して設け、コントローラ12と二次電池14間を流れる電流を検出する二次電池用電流センサ16を持つ電池管理装置(「BMU」ともいう)18を設ける。
【0020】
更に、この電池管理装置18からの情報が入力されるとともに、前記コントローラ12を制御する制御装置(「HCU」ともいう)20を設け、前記電動機10とコントローラ12と高圧の二次電池14と二次電池用電流センサ16と電池管理装置18と制御装置20とによって二次電池装置22を構成する。
【0021】
前記電池管理装置18は、電流センサ16により二次電池14からの充放電電流を検出する。そして、電池管理装置18は、後述する所定の制御動作の実施判定情報及び実施状態を第1の制御信号線24−1により制御装置20と交換する。
【0022】
この第1の制御信号線24−1は、デジタル2値信号(「”0”/”1”」)でもCAN等の通信信号のいずれの方策を使用することが可能である。
【0023】
第1の制御信号線24−1により電池管理装置18の所定の制御動作実施を認識した制御装置20は第2の制御信号線24−2により前記コントローラ12に対し所定の運転状態となるような制御命令を伝達する。
【0024】
この第2の制御信号線24−2は、前記第1の制御信号線24−1のものと同様に、デジタル2値信号(「”0”/”1”」)でもCAN等の通信信号のいずれの方策を使用することが可能である。
【0025】
このため、上述した構成によって、電流検出とそれに伴う前記電池管理装置18の所定の制御動作に対して前記電動機10を所望の制御状態とすることが可能となる。
【0026】
ここで、電流積算に関して説明すると、前記二次電池14の電池残量の検出に際して、前記電流センサ16で検出した二次電池14の充放電電流を前記電池管理装置18にて積算処理することで、充放電電気量を算出し、二次電池14の電池残量を検出する。このとき、電流センサ16の電流検出誤差が電池残量誤差を生じさせることとなる。従って、電流積算の誤差を削減する方策が切望される。
【0027】
前記電池管理装置18の電流検出は、以下の処理によって演算される。
【0028】
先ず、充放電電流0A(ゼロ・アンペア)(電流が流れていない)時の電流センサ16の出力(電圧)を、図3に示す如く、電流検出基準値として設定する。この設定処理は、前記電池管理装置18に動作電源(12V)が投入された直後の初期化処理時(充放電電流:0A時)に実施される。また、電流検出基準値は、制御変数として前記電池管理装置18の図示しないRAM(ランダム・アクセス・メモリ)に保存される。
【0029】
そして、電流検出基準値が設定された後は、その設定値を0Aとして、充放電電流に則して電流センサ16の出力(電圧)との差を電流値に換算する処理を行い、電流値を算出する。例えば、電流検出基準値=2500mVに設定し、電流センサ出力=2700mVを検出した際に、電流検出値は、
2700mV−2500mV=200mV
となり、この200mVは、電圧を電流値に換算した場合に、xxAとなる。
【0030】
このとき、算出した電流値を積算することにより、充放電電気量を計算し、前記二次電池14の電池残量を推定することが可能となる。
【0031】
また、電流検出誤差に関して説明すると、上述した電流検出方策において、誤差が発生する一要因として前記電池管理装置18の初期化時に設定された電流検出基準値と電流センサ16の0A時(充放電電流が流れていない時)出力がずれることが考えられる。この場合の電流検出誤差は、以下の通りとなる。
【0032】
つまり、電流が流れていない状態での電流算出処理において、例えば、電流検出基準値=2500mVに設定し、0A時の電流センサ出力=2580mVを検出(電流が流れていない0A時での電流センサ出力は、2500mVが適正値)した際に、電流検出値は、
2580mV−2500mV=80mV
となり、この80mVは、電圧を電流値に換算した場合に、yyAとなる。
【0033】
そして、電流が流れていない状態で、電流センサ出力が電流検出基準値の設定からずれたことにより、検出値が0Aにならず、yyAを検出してしまう。この結果、電流積算に誤差を生じる。この誤差電流を電流オフセットという(図4参照)。
【0034】
更に、誤差発生要因に関して説明すると、誤差電流が生じる原因は、残留磁気による電流センサ出力のヒステリシス特性にある。これは、充放電後に電流が流れなくなった状態(0A)に戻った時に、電流センサ16の出力が残留磁気の影響により元の0A時の出力電圧まで戻らない状態のことである。図5には、放電側ヒステリシス(「放電側ヒス」ともいう)及び充電側ヒステリシス(「充電側ヒス」ともいう)からなるヒステリシス特性を示す。
【0035】
このヒステリシス特性は、図5に示す如く、充放電電流を電流センサ16が検出した後に電流が流れなくなった状態(0A)に戻った時に、電流センサ出力が0A相当の出力電圧まで戻らず、オフセット電圧(「電流オフセット」と換言できる)が残る様子を示している。このヒステリシス特性がHEV車両の走行状態において電流検出後に発生することで、図4に示す如く、電流オフセットが生じ、電流積算誤差の原因の1つとなる。
【0036】
HEV車両走行に伴う電流オフセットの発生状況を説明すると、図6にHEV車両走行中の充放電電流と電流センサ出力との状態を示すが、充電または放電が終了する度に0A時の電流センサ16の出力はヒステリシス特性により変化し、電流検出基準値(0A時出力電圧)と差が生じ、電流オフセットとなることを表している。
【0037】
図6の電流検出基準値は、放電終了後の電流センサ出力の電圧により前記電池管理装置18に設定されているため、充電終了後の電流センサ出力の電圧と差が生じている。つまり、一義的に設定される電流検出基準値に対して、電流センサ16の出力は残留磁気のヒステリシス特性により0A時出力の不一致を発生し、積算誤差が生じるものである。
【0038】
この結果、オフセット誤差が生じるのは、ヒステリシス特性で放電検出後と充電検出後であり、0A時の電流センサ16の出力が異なることが原因となる。つまり、電流検出基準値が一義的に設定(電池管理装置18)されているのに対して、充放電後の電流センサ出力が特定の値に収束しないことが問題を惹起させている。
【0039】
仮に電流検出基準値が放電終了後の0A時センサ出力値に設定されていれば、充電運転終了後の0A時センサ出力は電流オフセットを生じる。このように、一義的に電流検出基準値を設定したのでは、ヒステリシス特性により、いずれにしてもオフセット誤差が生じることが明らかである。
【0040】
図6は、放電終了後の0A時センサ出力値に電流検出基準値が設定された場合に、充電運転終了後にオフセット誤差が生じている状態を示している。このオフセット誤差が生じるのは、前記電動機10の運転停止(充放電終了)後に電流オフセットを生じる場合であり、この誤差の累積を抑制するためにも、電流検出基準値の補正は電動機10の運転停止(充放電終了)直後に実施することが有効である。
【0041】
電流検出基準値の補正を電動機10の運転停止(充放電終了)直後に毎回実施することで、オフセット誤差の発生を最小にさざめることができるものである。
【0042】
電流オフセットの削減方策に関して説明すると、電流積算誤差削減のためには、積算誤差の一要因である電源オフセットの発生を防止する必要がある。上述した電流センサ出力のヒステリシス特性による0A時出力の変化に対し、電流検出基準値を追従するように補正するものである。
【0043】
そして、この発明の第1実施例においては、前記電池管理装置18が電流センサ16の補正処理要求を制御装置20に出力するとともに、この制御装置20は電流センサ16の補正処理要求を受けてから補正処理終了まで、運転停止中の前記電動機10を維持する構成とする。
【0044】
詳述すれば、前記電池管理装置18は、制御装置20から電動機10の運転状態の信号を受けるとともに、電動機10の運転状態から停止状態への切換動作を検知し、制御装置20へ二次電池用電流センサ16の補正処理要求を出力するものである。
【0045】
次に、図1の二次電池用電流センサ補正方法の制御用フローチャート及び図7のタイムチャートに沿って作用を説明する。
【0046】
制御電源(12V)の投入(IG SW(イグニションスイッチ) ON)されると、制御用プログラムがスタート(102)し、初期化処理にて電流検出基準値を設定する(104)。なお、この電流検出基準値は、0A時の電流センサ出力電圧によって設定される。
【0047】
そして、前記電池管理装置18は、第1の制御信号線24−1を介して、前記制御装置20から現在の発電機4及び電動機10の運転状態を受信(106)し、運転中から運転停止中となったか否かを判断(108)する。
【0048】
この判断(108)がNOの場合には、前記制御装置20から現在の発電機4及び電動機10の運転状態を受信する処理(106)に戻り、判断(108)がYESの場合には、発電機4及び電動機10の運転状態が運転中から運転停止中となったものであり、発電機4及び電動機10の運転状態が運転中から運転停止中となった時に、前記電池管理装置18は、電流検出基準値の補正処理を行うために、第1の制御信号線24−1により電池への充放電電流を流さないように前記制御装置20へ補正処理中、つまり補正処理要求を伝達する(110)。
【0049】
前記制御装置20は、第1の制御信号線24−1により前記電池管理装置18の要求を受信した後に、補正終了まで電池への充放電電流が流れないよう(「モータ運転停止状態」ともいう)に、前記第2の制御信号線24−2により制御を実施する。また、前記第1の制御信号線24−1により前記電池管理装置18に電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であることを伝達する(112)。
【0050】
そして、電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であるか否かの判断(114)を行い、この判断(114)がNOの場合には、電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であることを伝達する処理(112)に戻り、判断(114)がYESの場合には、前記電池管理装置18は、電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であると認識し、0A時の電流センサ出力を電流検出基準値として新たに設定する(116)。
【0051】
前記電流検出基準値の補正が終了した後に、前記電池管理装置18は、第1の制御信号線24−1により処理終了を他の制御装置に伝達(118)し、前記制御装置20から現在の発電機4及び電動機10の運転状態を受信する処理(106)に戻る。なお、他の制御装置は、処理終了を認識した際に、通常の発電機4及び電動機10の運転を再開するものである。
【0052】
これにより、前記電池管理装置18が電流センサ16の補正処理要求を制御装置20に出力するとともに、この制御装置20は電流センサ16の補正処理要求を受けてから補正処理終了まで、少なくとも運転停止中の前記電動機10の停止状態を維持し、電池への充放電電流が流れないようにし、良好な補正処理環境を確保することができるとともに、補正処理によって電流オフセットの発生を防止し得て、電流オフセットによる電流積算誤差を減少させることができる。
【0053】
また、前記電池管理装置18が、制御装置20から電動機10の運転状態の信号を受けるとともに、電動機10の運転状態から停止状態(「運転中から運転停止中」ともいう)への切換動作を検知し、制御装置20へ二次電池用電流センサ16の補正処理要求を出力することにより、電流検出基準値の補正処理を行い(図7の破線矢印参照)、電流検出基準値の補正処理の終了後に、電流センサ出力(0A)と電流検出基準値(図7の破線部分参照)とが一致した値となり、電流検出基準値の変更更新するタイミングを電流センサ16のヒステリシス特性により、誤差が生じ易いモータ運転停止直後に行うことができ、誤差の累積を最小限に抑制し得る。
【0054】
図8はこの発明の第2実施例を示すものである。この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0055】
この第2実施例の特徴とするところは、電流センサが所定の電流値以上の電流を検知した時に補正処理を実施する構成とした点にある。
【0056】
すなわち、前記電流センサのヒステリシス特性に依存することとなるが、電流センサの計測レンジに対して小さい電流に関しては、ヒステリシス特性の影響を無視できる場合がある。
【0057】
このような場合を考慮し、前記電流センサが所定の電流値(「電流しきい値」ともいう)以上の電流を検知した時に、電流検出基準値の補正を行うものである。
【0058】
次に、図8の二次電池用電流センサ補正方法の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
【0059】
制御電源(12V)の投入(IG SW(イグニションスイッチ) ON)されると、制御用プログラムがスタート(202)し、初期化処理にて電流検出基準値を設定する(204)。なお、この電流検出基準値は、0A時の電流センサ出力電圧によって設定される。
【0060】
そして、前記電池管理装置は、第1の制御信号線を介して、前記制御装置から現在の発電機及び電動機の運転状態を受信(206)し、運転中から運転停止中となったか否かを判断(208)する。
【0061】
この判断(208)がNOの場合には、前記制御装置から現在の発電機及び電動機の運転状態を受信する処理(206)に戻り、判断(208)がYESの場合には、前記電流センサの検知する運転中の最大電流値が所定の電流値である電流しきい値を越えているか否かの判断(210)に移行し、この判断(210)がNOの場合には、前記制御装置から現在の発電機及び電動機の運転状態を受信する処理(206)に戻り、判断(210)がYESの場合には、発電機及び電動機の運転状態が運転中から運転停止中となったものであり、発電機及び電動機の運転状態が運転中から運転停止中となった時に、前記電池管理装置は、電流検出基準値の補正処理を行うために、第1の制御信号線により電池への充放電電流を流さないように前記制御装置へ補正処理開始、つまり補正処理要求を伝達する(212)。
【0062】
前記制御装置は、第1の制御信号線により前記電池管理装置の要求を受信した後に、補正終了まで電池への充放電電流が流れないよう(「モータ運転停止状態」ともいう)に、前記第2の制御信号線により制御を実施する。また、前記第1の制御信号線により前記電池管理装置に電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であることを伝達する(214)。
【0063】
そして、電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であるか否かの判断(216)を行い、この判断(216)がNOの場合には、電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であることを伝達する処理(214)に戻り、判断(216)がYESの場合には、前記電池管理装置は、電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であると認識し、0A時の電流センサ出力を電流検出基準値として新たに設定する(218)。
【0064】
前記電流検出基準値の補正が終了した後に、前記電池管理装置は、第1の制御信号線により処理終了を他の制御装置に伝達(220)し、前記制御装置から現在の発電機及び電動機の運転状態を受信する処理(206)に戻る。なお、他の制御装置は、処理終了を認識した際に、通常の発電機及び電動機の運転を再開するものである。
【0065】
これにより、ヒステリシス特性によってオフセット誤差が必ず発生する訳ではなく、充放電電流値が小さい場合等はオフセット誤差が発生しない場合があり、このような時に電流検出基準値の補正は不要であるので、前記電流センサが所定の電流値(「電流しきい値」ともいう)以上の電流を検知した時、つまりオフセット誤差が発生するような充放電が行われた時のみ電流検出基準値の補正を実施することとし、オフセット誤差の悪化を伴わずに、電流検出基準値の補正頻度の低減や補正のためのモータ運転停止動作の削減等を実現することができる。
【0066】
図9はこの発明の第3実施例を示すものである。
【0067】
この第3実施例の特徴とするところは、電流検出基準値の補正処理を所定時間毎に行う構成とした点にある。
【0068】
すなわち、逐次電流検出基準値の補正する方策に比べ若干の誤差が生じるが、所定時間毎に誤差が修正されるので積算誤差増加の防止に寄与し得るものである。
【0069】
前記所定時間の設定方策としては、オフセット誤差の累積を抑制するために、以下の如く所定時間(「補正周期」とも換言できる)を設定する必要がある。
【0070】
つまり、オフセット誤差の許容範囲を考慮して、次式にて所定時間の最大値を決定する。
所定時間<二次電池定格容量・許容誤差割合/最大オフセット電流値・60例えば、
二次電池定格容量 =6.5Ah
許容誤差割合 =0.05(オフセット誤差を定格容量比5%以内とする)
最大オフセット電流値=0.2A(確認したオフセット電流最大値)
とした場合に、
所定時間<97.5min
となり、オフセット電流の累積誤差が定格容量比許容誤差5%に到達する時間を所定時間(「補正周期」とも換言できる)の最大値とする。
【0071】
このため、上述した如く、許容誤差割合を定義し、最大オフセット電流を確認することで上述の式により電流検出基準値の補正処理を行う際の所定時間(「補正周期」とも換言できる)の最大値を算出することができる。この最大値に対してある程度のマージンを見込んで任意に周期を設定すると、例えば、所定時間(「補正周期」とも換言できる)の最大値の約半分として、45min間隔で電流検出基準値の補正処理を実施するように設定とする。
【0072】
次に、図9の二次電池用電流センサ補正方法の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
【0073】
制御電源(12V)の投入(IG SW(イグニションスイッチ) ON)されると、制御用プログラムがスタート(302)し、初期化処理にて電流検出基準値を設定する(304)。なお、この電流検出基準値は、0A時の電流センサ出力電圧によって設定される。
【0074】
そして、電流検出基準値の設定後に所定時間、例えば10分間が経過したか否かの判断(306)を行い、この判断(306)がNOの場合には、判断(306)がYESとなるまで判断(306)を繰り返し、判断(306)がYESの場合には、前記電池管理装置は、電流検出基準値の補正処理を行うために、第1の制御信号線により電池へ充放電電流を流さないように制御装置へ補正処理開始要求を伝達する(308)。
【0075】
前記制御装置は、第1の制御信号線により前記電池管理装置からの補正処理開始要求を受信した後に、補正終了まで電池への充放電電流が流れないよう(「モータ運転停止状態」ともいう)に、前記第2の制御信号線により制御を実施する。また、前記第1の制御信号線により前記電池管理装置に電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であることを伝達する(310)。
【0076】
そして、電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であるか否かの判断(312)を行い、この判断(312)がNOの場合には、電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であることを伝達する処理(310)に戻り、判断(312)がYESの場合には、前記電池管理装置は、電流検出基準値の補正処理可能状態(許可)であると認識し、0A時の電流センサ出力を電流検出基準値として新たに設定する(314)。
【0077】
前記電流検出基準値の補正が終了した後に、前記電池管理装置は、第1の制御信号線により処理終了を他の制御装置に伝達(316)し、電流検出基準値の設定後に所定時間、例えば10分間が経過したか否かの判断(306)に戻る。なお、他の制御装置は、処理終了を認識した際に、通常の発電機及び電動機の運転を再開するものである。
【0078】
これにより、オフセット誤差の発生を許容することとなるが、電流検出基準値の補正処理を所定時間毎に行うことによってある程度の誤差累積の抑制が可能となり、オフセット誤差の悪化を伴うこととなるが、電流検出基準値の補正頻度の低減による処理負荷の減少やモータ運転停止動作の削減等が、上述の第1実施例にものよりも顕著に実現できるものである。
【0079】
なお、この発明は上述第1〜第3実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0080】
例えば、この発明の第1実施例においては、唯一の電流検出基準値を設定する構成としたが、複数の電流検出基準値を設定する構成とすることも可能である。
【0081】
すなわち、前記電池管理装置は、電流センサの複数の基準出力を持ち、停止状態となる直前の電動機の運転状態に応じて使い分けるように設定するものである。
【0082】
詳述すれば、電流検出基準値のヒステリシス特性によるオフセット誤差分を予め実機にて確認し、電流検出基準値を充放電いずれかの状態で設定するとともに、この設定に対してオフセット誤差の発生する運転後にオフセット誤差分(既知データ)を補正計算する。
【0083】
また、ヒステリシスを懸案して、電動機の運転が停止中の電流センサの出力電圧である電流検出基準値を、例えば2つ持ち電動機の直前の運転状態(充電あるいは放電)によって使い分けることも可能である。
【0084】
さすれば、電流検出基準値の補正を計算のみで実施でき、補正のためのモータ運転停止も必要なくなるという効果がある。
【0085】
また、電流検出基準値の補正を組み合わせる場合においても、その補正周期を長くすることができるものである。
【0086】
設定例を説明する。例えば、
とし、上記の2つの放電運転後検出基準値及び充電運転後検出基準値を充放電運転終了毎に設定し直すようにする。
【0087】
また、初期値は、低い頻度による電流検出基準値の補正処理(モータ運転を停止して実施)により更新されるので、2つの放電運転後検出基準値及び充電運転後検出基準値も、更新された基準値を元に再設定される。
【0088】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、出力状態または発電状態になることが可能な電動機と、電動機の状態を切り換えるコントローラと、高圧の二次電池と電動機とをコントローラを介して接続し、二次電池とコントローラ間を流れる電流を検出する二次電池用電流センサを持つ電池管理装置と電池管理装置からの情報が入力されるとともに、コントローラを制御する制御装置とを有する二次電池装置の電流センサの補正方法であって、電池管理装置が電流センサの補正処理要求を制御装置に出力するとともに、制御装置は電流センサの補正処理要求を受けてから補正処理終了まで、少なくとも運転停止中となった電動機状態を維持し、電池への充放電電流が流れないようにすることにより、良好な補正処理環境を確保することができるとともに、補正処理によって電流オフセットの発生を防止し得て、電流オフセットによる電流積算誤差を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す二次電池用電流センサ補正方法の制御用フローチャートである。
【図2】二次電池装置の概略構成図である。
【図3】充放電電流と電流センサ出力との関係を示すタイムチャートである。
【図4】電流オフセットを示すタイムチャートである。
【図5】充放電電流と電流センサ出力とにおけるヒステリシスを示す図である。
【図6】車速と充放電電流と電流センサ出力との関係を示すタイムチャートである。
【図7】車速と充放電電流と電動機運転状態と基準点補正処理中と基準点補正処理可能と電流センサ出力との関係を示すタイムチャートである。
【図8】この発明の第2実施例を示す二次電池用電流センサ補正方法の制御用フローチャートである。
【図9】この発明の第3実施例を示す二次電池用電流センサ補正方法の制御用フローチャートである。
【符号の説明】
2 エンジン
4 発電機
8 12V用の電池
10 電動機
12 コントローラ
14 高圧の二次電池
16 二次電池用電流センサ
18 電池管理装置(「BMU」ともいう)
20 制御装置(「HCU」ともいう)
22 制御装置
24−1 第1の制御信号線
24−2 第2の制御信号線
Claims (5)
- 出力状態または発電状態になることが可能な電動機と、この電動機の状態を切り換えるコントローラと、高圧の二次電池と前記電動機とをコントローラを介して接続し、前記二次電池とコントローラ間を流れる電流を検出する二次電池用電流センサを持つ電池管理装置とこの電池管理装置からの情報が入力されるとともに、前記コントローラを制御する制御装置とを有する二次電池装置の電流センサの補正方法であって、前記電池管理装置が電流センサの補正処理要求を制御装置に出力するとともに、この制御装置は電流センサの補正処理要求を受けてから補正処理終了まで、運転停止中となった電動機状態を維持することを特徴とする二次電池用電流センサ補正方法。
- 前記電池管理装置は、制御装置から電動機の運転状態の信号を受けるとともに、電動機の運転状態から停止状態への切換動作を検知し、制御装置へ電流センサの補正処理要求を出力することを特徴とする請求項1に記載の二次電池用電流センサ補正方法。
- 前記補正処理は、電流センサが所定の電流値以上の電流を検知した時に行うことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用電流センサ補正方法。
- 前記補正処理は、所定時間毎に行うことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用電流センサ補正方法。
- 前記電池管理装置は、電流センサの複数の基準出力を持ち、停止状態となる直前の電動機の運転状態に応じて使い分けることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用電流センサ補正方法。
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