JP2004226055A - ボイラ室監視装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボイラ室2内に配置されるボイラ3を含む複数の機器の運転状態を監視し、ボイラ室2に配置されるボイラ室監視盤1であって、ボイラ室2の機器構成と各機器が正常か否かの運転状態とを表示する表示器19を備えたことを特徴とする。機器が、ボイラ3とこのボイラ3の附帯機器4,5からなり、前記表示器19が、その表示画面を複数の機器表示区域に区画され、ボイラ室2の機器構成を表示する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボイラ室内に配置されるボイラを含む複数の機器の運転状態を監視するボイラ室監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、この発明を生むに至った背景につき説明する。この30年間、蒸気ボイラ(以下、単に「ボイラ」という。)の需要は、ボイラ技士による取扱いが必要な大型ボイラからボイラ技士の取扱い不要な小型貫流ボイラへとシフトしてきた。現実に小型貫流ボイラの設置台数は、大幅に増加してきている。実に、毎年設置されるボイラとしては、生産台数で約95%程度、蒸発量は約90%程度が小型貫流ボイラとなってきている。この小型貫流ボイラは、ボイラ技士が不要ではあるが、何らかの異常によりボイラが停止すると、場合によっては工場などの操業停止という事態を招来し、多額の損害が発生することになる。
【0003】
このため前記ボイラの使用者は、保守管理業者(以下、「保守管理者」という。)と保守管理契約を結んで、前記ボイラの保守管理を委託している。ここで、保守管理契約を結んでいる場合、前記使用者を契約者と称し(使用者と称することもできる。)、前記保守管理契約を結んでいない場合は、使用者(ユーザー)と称するが、以下の説明では、前記保守管理を結んでいるものとして、説明する。
【0004】
前記保守管理者は、通信技術を用いて、早期の異常復旧や異常発生を未然に防止するための保守管理システムを構築してきた。この保守管理システムは、前記ボイラの運転状態を監視するための各種のセンサを取り付け、前記センサによる検出信号をもとに、異常かどうかの判断を行い、異常と判断したときは、速やかに警報情報を前記保守管理者の拠点コンピュータへ送信する。この警報情報を受信した前記管理拠点は、サービス員(メンテナンス員)を異常発生の現場へ派遣して、早期の異常復旧を図るものである。一方、異常などが発生すると、その警報内容を前記サービス員が現場で確認することができるように、また使用者が知ることができるように前記ボイラの表示器に表示するようにしている。(たとえば、特許文献1,特許文献2参照)
【0005】
前記ボイラの表示器に表示される警報の数は、有る機種では50以上にものぼっている。また、前記ボイラの普及とともに、前記ボイラに附帯する軟水器、脱酸素装置などの附帯機器の普及も目覚しく、かつこれら附帯機器も前記ボイラと同様に、電子化、ネットワーク化が進行し、各機器毎に種々の警報を表示している。
【0006】
このような従来技術には、つぎのような課題がある。まず、前記のように前記ボイラ室の構成機器が、前記ボイラの数,前記附帯機器の種類および数において大幅に増加したことにより、前記機器に異常などが発生しても前記ボイラ室内の何処で、何が生じているのかを容易に把握できないようになってきている。すなわち、前記契約者にとっては、前記ボイラ室全体の運転状態の把握が困難であるという課題がある。また、、前記ボイラと前記附帯機器とでは、警報の様式が異なる場合があり、前記契約者にとって、分かりずらいものとなっていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−15037号公報
【特許文献2】
実開平3−21649号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、契約者(または使用者)が前記ボイラ室の構成機器の運転状態を容易に把握できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、ボイラ室内に配置されるボイラを含む複数の機器の運転状態を監視し、前記ボイラ室に配置されるボイラ室監視装置であって、前記ボイラ室の機器構成と前記各機器が正常か否かの運転状態とを表示する表示器を備えたとを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記機器が、前記ボイラとこのボイラの附帯機器からなることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記表示器が、その表示画面を複数の機器表示区域に区画され、前記ボイラ室の機器構成を表示することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、前記構成機器をグループ分けして表示画面を切り換えて階層的に表示することを特徴ととしている。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3において、前記機器表示区域に前記ボイラ室の機器構成を表示するとともに前記各機器が正常か否かを表示する第一表示処理と、前記機器の警報情報の現象情報を表示する第二表示処理とを切り換えて行うことを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記第一表示処理が前記機器をグループ分けして表示画面を切り換えて階層的に表示することを特徴としている。
【0015】
さらに、請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6において、前記各機器が警報情報を発すると、前記第一処理を前記第二表示処理へ自動的に切り替えて行うことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この実施の形態は、蒸気ボイラおよび/または温水ボイラからなるボイラを含む複数の機器を配置したボイラ室に適用される。
【0017】
(実施の形態1)
この実施の形態は、ボイラ室内に配置されるボイラを含む複数の機器(以下、「ボイラ室構成機器」という。)の運転状態を監視し、前記ボイラ室に配置されるボイラ室監視装置(運転監視盤と称することもできる。)であって、前記ボイラ室構成機器と前記各機器が正常か否かの運転状態とを統一した表示様式にて表示する表示器を備えたことを特徴とする。前記ボイラ室構成機器を表示するとは、前記ボイラ室にどのような機器が配置されているのかを示す前記ボイラ室の機器構成を表示することを意味する。なお、運転状態は、運転状況と称することもできる。
【0018】
前記ボイラ室とは、前記契約者が使用する前記ボイラなどの機器を配置する部屋であり、前記契約者または前記保守管理者のサービス員が出入りできるものであればよく、とくに構造的に限定されるものではない。また、前記保守管理者は、好ましくは、有償契約を結んだものとするが、これに限定されるものではない。
【0019】
前記ボイラ室構成機器は、好ましくは、前記ボイラとこれに附帯する軟水器,脱酸素装置などの附帯機器とから構成される。そして、前記附帯機器は、水設備機器と燃料設備機器とから構成される。前記水設備機器は、前記ボイラへ水を供給し、供給する水(給水)の水質を向上させるための諸機器であり、給水タンク,軟水器,脱酸素装置,薬注装置,ろ過装置,前記給水の水質を検出する水質検出器などを含む。前記燃料設備機器は、前記ボイラへ燃料を供給するための機器であり、油燃料タンクなどを含む。
【0020】
前記ボイラ室監視装置は、前記ボイラ室構成機器と前記各機器が正常か否かを表示する表示器,この表示器を制御する制御器などを含んでいる。これら前記ボイラ室監視装置は、前記ボイラの横に設置したり、前記ボイラ室の壁面に装着されたりして、使用される。
【0021】
前記ボイラ室監視装置と前記ボイラ室構成機器とは、前記監視装置が前記ボイラ室構成機器から警報情報などの情報を得るために相互に回線(信号線)によって接続される。この前記回線の接続方法は、限定されず、有線であるか無線であるかも問わない。また、前記水設備機器からの信号を中継する水設備用中継器を設け、この水設備用中継器とボイラ室監視装置とを回線で接続することにより、前記ボイラ室監視装置が前記前記水設備機器から警報情報などの情報を得るように構成することが可能である。
【0022】
前記水設備用中継器は、これにつながる前記水設備機器を一括して制御する制御機能および/または前記水設備機器を一括して監視する運転監視機能を持たせることもできる。前記制御機能は、前記給水タンクの水位制御,前記薬注装置の薬注量制御を含み、前記運転監視機能は、前記薬注装置の薬品補充要の判定,前記軟水器の再生塩の補充要の判定,前記水設備機器へ流入する原水の水質監視,前記ボイラから還流するドレン水の水質監視,前記ボイラへの給水の水質監視を含む。これらの監視結果は、前記ボイラ室監視装置へ送信されるが、自ら表示器にその監視結果を表示するように構成することができる。こうした制御と監視機能を有することにより、前記水設備用中継器は、前記水設備機器(水処理機器)の監視制御装置としても機能する。
【0023】
前記ボイラ室監視装置は、前記表示器などの構成機器を一つの箱体にまとめて収納するものとする。前記箱体は、好ましくは、奥行きの薄い扁平体として構成される。こうすることにより、前記ボイラ室監視装置を前記ボイラ室の壁面に容易に装着可能となる。勿論、実施に応じて、前記ボイラ室監視装置の構成要素全てを前記箱体にコンパクトに収めることなく、大きな箱体にゆったりと収納することもできる。
【0024】
前記ボイラ室監視装置は、前記ボイラ室全体をモニタ(監視)し、原則として前記契約者が必要とする情報を分かり易く表示する機能を有している。
【0025】
ここで、この明細書において使用する警報(アラームともいう。)内容情報(以下、「警報情報」という。),異常情報などの用語を定義しておく。
【0026】
前記警報情報は、現象・原因情報および警報程度情報を含む。
【0027】
前記現象・原因情報は、どのような異常現象であるかの現象情報と、原因または原因につながる情報,すなわち原因情報とを含む。この原因情報は、前記サービス員にとって必要であるが、前記契約者にとっては必ずしも必要でない情報である。
【0028】
前記警報程度情報は、異常情報,注意情報およびお知らせ情報を含む。前記異常情報,前記注意情報および前記お知らせ情報は、前記機器単体あるいはシステムにおける安全性およびメンテナンス(保守管理)の緊急度に基づく警報レベルにより分類され、この記載の順に警報レベルが高い。前記異常情報は、安全を損なう警報および本来の機能を損ない修復に緊急性を要する警報である。この異常情報に対しては、特に迅速な対応が必要である。前記注意情報は、放置しておけば安全上の支障がでる警報および修復に緊急性を要し無いが、修復が必要であることを知らせる警報である。前記お知らせ情報は、そのまま放置しておくと将来前記異常情報および前記注意情報につながる情報であり、前記前記異常情報,前記注意情報より警報程度が低く、前記サービス員にとって必要であるが、前記契約者にとってはあまり必要でない情報である。
【0029】
また、警報状態とは、前記機器において前記警報情報が発生している状態をいう。
【0030】
この実施の形態のボイラ室監視装置においては、好ましくは、前記原因情報を表示しないものとする。また、前記お知らせ情報のうち前記契約者にお願いする操作指示情報を含まないものは、表示しないように構成することができる。しかしながら、実施に応じては、これらの情報を表示させるよう構成することができる。
【0031】
また、この実施の形態においては、好ましくは、前記表示器は、前記契約者が必要な情報を分かり易く表示させるために、前記ボイラ室の運転状態を前記ボイラ室の機器構成と前記各機器が正常か異常かを統一した表示様式にて表示するものとする。この統一した表示様式とは、たとえば前記異常情報ありの場合は、赤色で表示し、前記注意情報または前記お知らせ情報ありの場合は、黄色で表示し、いずれの情報も無い場合は、緑色で表示することである。
【0032】
また、この実施の形態のにおける機器構成の表示方法として、前記各機器をイメージさせる表示ブロックを各機器の数だけ設けて表示する方法と、前記表示画面を前記各機器に対応させて前記機器の数の前記表示区域を区画形成して、前記各表示区域に前記各機器の名称を表示させる方法とを適宜選択することができる。
【0033】
また、この実施の形態において、前記表示画面に前記各機器が正常か否かを表示する方法として、前記表示ブロック方式による前記ボイラ室機器構成表示の場合は、各表示ブロックに合わせて前記異常情報または前記注意情報を表示するためランプをイメージさせる擬似ランプを設けるように構成できる。そして、前記異常情報ありの場合は、前記擬似ランプを赤色で表示し、前記注意情報または前記お知らせ情報ありの場合は、前記擬似ランプを黄色で表示し、いずれの情報も無い場合は、前記擬似ランプを緑色で表示することができる。
【0034】
さらに、この実施の形態においては、前記警報程度情報を、前記異常情報と前記注意情報と前記お知らせ情報とに区分することなく、前記異常情報とそれ以外の警報情報とに区分して表示するように構成できる。
【0035】
この発明は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、つぎの実施の形態を含むものである。
【0036】
(実施の形態2)
実施の形態1において、前記機器をグループ分けして表示画面を切り換えて階層的に表示することを特徴とするボイラ室監視装置。
【0037】
この実施の形態2においては、前記各グループをボイラグループと水設備グループと燃料設備グループとから構成し、前記表示画面を前記グループの数に合わせて3つの機器表示区域(以下、単に「表示区域」という。)に区画して、前記各表示区域に前記各グループの名称を表示する。そして、前記表示器を好ましくは、タッチパネル式の液晶型の表示器として、前記各グループの表示区域を触れると前記表示画面が下階層の前記表示画面に切換え、当該グループに属する機器を前記グループの表示と同様の表示手法にて表示する。
【0038】
この場合、前記表示画面への前記各機器が正常か否かの表示は、つぎのようにして行われる。前記各機器表示区域全体を前記異常情報ありの場合は、赤色で表示し、前記注意情報またはお知らせ情報ありの場合は、黄色で表示し、いずれの情報も無い場合は、緑色で表示する。
【0039】
その結果、前記表示区域は、正常か否かの情報を色分け表示する表示手段と表示画面を切換えるキー手段として機能する。こうした構成により、前記契約者は、前記ボイラ室構成機器の運転状態の把握が容易となる。
【0040】
こうして、前記表示器には、前記ボイラ室の機器構成と前記各機器が正常か否かの情報が、表示される。そして、この表示の際には、前記各機器毎に異なる表示様式でなく、統一された表示がおこなわれる。その結果、前記契約者は、前記ボイラ室の運転状態をより一層容易に把握できるものである。
【0041】
(実施の形態3)
前記実施の形態1または実施の形態2において、表示画面を複数の表示区域に区画し、前記表示区域に前記ボイラ室の機器構成を表示するとともに前記各機器が正常か否かを第一表示画面に表示する第一表示処理と、前記第一表示画面を切り換えて前記機器の前記警報現象情報を第二表示画面に表示する第二表示処理を行うことを特徴とするボイラ室監視装置。
【0042】
この実施の形態2によれば、前記各機器が正常か否かだけでなく、前記警報情報の内容を見ることができるとともに、前記第一表示画面に表示させる情報を少なくすることができ、前記表示器を小型化できるものである。
【0043】
(実施の形態4)
前記実施の形態3において、前記構成機器に警報情報が生成されると、前記第一表示処理を前記第二表示処理へ自動的に切り替えて行うことを特徴とするボイラ室監視装置。
【0044】
この実施の形態4においては、前記構成機器が何らかの警報情報を発すると、前記第一表示処理から自動的に第二表示処理へ切り替えられて、前記第二表示処理により当該警報情報を発した前記機器についての前記警報現象情報を表示するので、画面切り替え操作を行うことなく、警報内容を知ることができる。この実施の形態4は、前記第一表示処理において、前記機器をグループ分けして表示画面を切り換えて階層的に表示するものにおいて特に好適である。
【0045】
(実施の形態5)
前記実施の形態1において、一表示画面にてボイラ室の構成機器を全て表示させることを特徴とするボイラ室監視装置。
【0046】
この実施の形態5においては、前記ボイラ室構成機器の数が少ない場合に有効である。
【0047】
【実施例】
(実施例の構成)
以下、この発明の具体的一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明を実施したボイラ室監視装置(ボイラ室監視盤)を備えたボイラ室の概略構成図であり、図2は、ボイラ室監視盤を含む保守管理システムの概略構成図であり、図3は、同実施例のボイラ室監視盤の一実施例の要部の正面説明図であり、図4は、図2の要部制御回路図であり、図5は、同実施例の表示画面のメイン画面の説明図であり、図6は、同実施例の前記表示画面の第一階層画面および画面構成を説明する図であり、図7は、同実施例の前記表示画面の第二階層画面の説明図であり、図8は、同実施例の前記表示画面の第三階層画面の説明図であり、図9は、同実施例の警報画面の画面構成を説明する説明図であり、図10は、同警報画面の具体例の説明図であり、図11は、同警報画面の他の具体例の説明図であり、図12は、同実施例の通信表示記号の説明図であり、図13は、同実施例の表示処理の全体処理を示すフローチャート図であり、図14は、図13の要部の処理を示すフローチャート図であり、図15は、図13の他の要部の処理を示すフローチャート図であり、図16は、図15の他の要部の処理を示すフローチャート図である。
【0048】
前記一実施例のボイラ室監視盤(以下、単に「監視盤」と云う。)1は、図2に示す前記保守管理システムの一構成要素として組み込まれている。すなわち、前記監視盤1は、従来の契約者による管理装置というこれまでの技術思想を転換して、使用者の監視および管理負担をできるだけ軽減するという技術思想に基づくボイラ室監視装置として、また極めてシンプルな構成のボイラ室監視装置として構成したものである。
【0049】
図2に示すように、前記監視盤1,前記第一管理コンピュータA,前記第二管理コンピュータBは、ISDN,インターネットなどを含む公衆回線網Cに接続されて、互いに通信可能に構成されている。さらに、前記公衆回線網Cには、前記管理拠点に設置され、メンテナンス情報などのデータベースを格納した管理サーバーDが接続されている。前記管理サーバに対して前記第一管理コンピュータAおよび前記第二管理コンピュータBからアクセス可能として、保守管理に必要な情報を引き出せるように構成している。Eは、前記サービス員が携行する形態電話機であり、前記異常情報が発生したとき、その異常発生の情報を受信した前記第一管理コンピュータがインターネットメールにより送信する異常発生のメールを受信する機能を有している。
【0050】
前記監視盤1は、つぎの機能を有している。▲1▼ボイラ室2に設置の蒸気ボイラ(以下、単に「ボイラ」と云う。)3などの機器(ボイラ室構成機器)が正常か否かの運転状態を監視し、表示する監視表示機能,▲2▼警報発生状態において、前記警報情報に関連して前記契約者にやっていただきたいこと,すなわち操作指示事項を前記警報現象情報とともに表示する操作指示表示機能,▲3▼前記ボイラ室構成機器と前記保守管理者の拠点に設置した第一管理コンピュータAおよび前記サービス員が携行する第二管理コンピュータBとの通信の中継をなすとともに前記ボイラ室構成機器の前記警報情報および運転詳細情報(各種センサの検出値など)を含む運転状態の監視結果を一括して前記第一管理コンピュータAおよび前記第二管理コンピュータBへ送信する通信中継機能,▲4▼前記ボイラ室2に配置される複数の前記ボイラの台数制御に関する運転制御条件を設定し、設定された運転制御条件に基づき運転制御を行う台数制御機能,▲5▼前記異常情報の発生時に前記契約者の所有する携帯電話器などへ前記異常情報の発生を通報する異常通報機能,▲6▼前記ボイラ室2に設置される複数台の前記各ボイラ3に地震感知センサを設け、全てのまたはある割合の前記地震感知センサが地震ありとの信号を出力したとき地震ありとの判定をなす地震判定機能。
【0051】
前記ボイラ室2内には、複数台の前記ボイラ3,3,…と、前記各ボイラ3の附帯機器としての水設備(水設備機器あるいは水処理機器と称することもできる。)4および燃料設備(燃料設備機器と称することもできる。)5とが設置されている。前記水設備4は、軟水器6,脱酸素装置7,水タンク8,薬注器9などからなる。前記燃料設備5は、燃料タンクなどを含む。これらの前記ボイラ室構成機器3,5,6〜9は、それぞれ第一制御器10〜第六制御器15を備え、各制御器10〜15は、各機器の運転状態を監視して前記警報状態となると、自らの機器において表示するとともに他の機器と通信する通信機能を有している。
【0052】
前記各ボイラ3には、前記警報状態で無い正常時に緑色となり、前記警報状態の前記異常情報の発生状態において赤色となり、運転停止状態で無色となるボイラ第一表示器16および前記注意情報または前記お知らせ情報の生成状態において黄色となり、運転停止状態で無色となるボイラ第二表示器17とを備えている。また、他の機器5,6〜9においても、前記ボイラ第一表示器16および前記ボイラ第二表示器17と同様な表示器(図示しない。)を備えることが望ましい。
【0053】
前記監視盤1は、前記各ボイラ3とその高さを揃えた直方体状の箱体18にまとめている。そして、前記監視盤1は、図1および図3に示すように、前記箱体18の前面側には、ボイラ室表示器としての監視盤第一表示器19と、この監視盤第一表示器19を挟むようにその両側辺に配置される警報有無表示器としての一対の監視盤第二表示器20,20と、赤外線通信送受信部21と、人検知用センサ22とを備えている。前記赤外線通信送受信部21は、前記サービス員が携行する第二管理コンピュータBを用いて前記ボイラ室構成機器の前記警報情報および運転詳細情報を直接入手(読み出す)際と前記各機器への運転条件データの設定のための書き込みの際とに用いられる。前記人検知センサ22は、人が近づいたことを検知して、前記監視盤第一表示器19への通電を開始し、人がいないことを検知してから所定時間後に通電を停止して画面を暗くする制御を行うためのセンサである。
【0054】
前記監視盤第一表示器19は、5.7インチのTFTタッチパネル式のカラー液晶型表示器を用いている。この液晶型の監視盤第一表示器19は、前記人検知センサ22を用いた通電制御により、長期にわたる使用が可能となる。
【0055】
また、前記各監視盤第二表示器20は、赤、緑、黄色の3色を表示可能なものとし、前記各ボイラ3の前記ボイラ第一表示器16および前記ボイラ第二表示器17と正常,異常,注意・お知らせの色表示を統一するように構成している。そして、前記各監視盤第二表示器20は、この実施例ではLED(発光ダイオード)を用いている。
【0056】
そして、前記監視盤1は、図1に示すように、第一制御器10〜第六制御器15と通信回線23により接続され、第一制御器10〜第六制御器15と通信可能な第七制御器24を備えている。
【0057】
この第七制御器24は、図4に示すように、マイクロコンピュータなどを含むCPU回路25と、このCPU回路25に接続される入出力回路26と、この入出力回路26に接続される交流電源27と、停電(前記交流電源27による給電停止)時のバックアップ用の電池電源28と、着脱自在のPHSモデムユニット29とを備えている。前記入出力回路26には、通信機能を備えない機器の異常,正常により開閉する接点の信号を取り込める接点入力インターフェース30を備えている。また、前記入出力回路26には、前記監視盤第一表示器19,前記監視盤第二表示器20,前記赤外線通信送受信部21,前記人検知センサ22および前記台数制御のために前記各ボイラ3の蒸気ヘッダ(図示しない。)の圧力検出用の圧力センサ31が接続される。
【0058】
前記監視盤1が備える前記監視表示機能▲1▼,前記操作指示表示機能▲2▼,前記通信中継機能▲3▼,前記台数制御機能▲4▼,前記異常通報機能▲5▼および前記地震判定機能▲6▼は、その処理手順がプログラムとして前記CPU回路25のメモリ(図示しない。)に記憶されている。前記監視表示機能▲1▼,前記操作指示表示機能▲2▼および前記通信中継機能▲3▼に関する処理手順は、図13〜図16に示される。
【0059】
これらの処理手順に基づく、実施例の動作を説明する前に、前記監視盤第一表示器19にて表示される表示画面の構成について、図5〜図12に基づき、以下に説明する。
【0060】
前記監視盤1の表示画面は、グループ別・階層構造をなしていて、ボイラグループを例にとれば、図5に示すボイラ室表示画面32(初期画面:メイン画面と称することもできる。),図6に示す第一階層画面33,図7に示す第二階層画面34,図8に示す第三階層画面35,図9に示す最下層であって前記警報情報の前記現象情報および前記操作指示情報などを表示する警報画面36から構成される。前記ボイラ室表示画面32,前記第一階層画面〜第三階層画面33,34,35が前記第一表示画面に相当し、前記警報画面36が前記第二表示画面に相当する。
【0061】
そして、前記表示画面は、図6に示すように、主表示部37と、前画面表示部38と、固定表示部39とから構成される。
【0062】
前記主表示部37は、単独で、または前記前画面表示部38を含めて、前記ボイラ室2の機器構成をグループ別に階層的に表示する領域であり、各階層毎に複数の表示区域に区画して、前記表示区域にグループまたは前記機器を表示する。
【0063】
図5に示す、前記メイン画面32においては、前記主表示部37および前画面表示部38の領域を3つの表示区域に等分して、ボイラグループキー部40,水設備グループキー部41および燃料設備グループキー部42として、各キー部にグループ名「ボイラ」,「水設備」,「燃料設備」を表示している。この表示画面において、前記グループに属する前記機器が前記異常情報の発生状態となると当該グループのキー部全体を赤色となし、前記注意情報または前記お知らせ情報の発生状態となると黄色となし、正常であると緑色となす。このように各キー部40,41,42は、色分けによる警報表示および画面切換の機能をなす。以下に説明する前記第一階層画面33,前記第二階層画面34および前記第三階層画面35におけるキー部も同様に色分けによる警報表示の機能をなすとともに画面切換の機能をなす。
【0064】
また、図6に示す第一階層画面33においては、前記主表示部37の領域を2等分して、ボイラの第一系統グループキー部43と第二系統グループキー部44を形成し、各キー部にグループ名「第一系統」,「第二系統」を表示し、前記前画面表示部38の領域を3等分して前画面のグループに対応する区域として、各区域にグループ名「ボイラ」,「水設備」,「燃料設備」を表示している。この前画面表示部38の表示は、その下方に下位のグループまたは機器が表示されている上位の特定のグループを他の上位グループと区別してはっきりと表示させる。具体的には、前記特定の上位グループのキー部を明るく表示し、他の上位グループのキー部を暗くする。この点は、以下に説明する図7および図8の前画面表示部38の表示においても同様である。
【0065】
また、図7に示す第二階層画面34においては、前記主表示部37の領域を2等分して1〜8号機の第一グループキー部45および9〜14号機の第二グループキー部46を形成し、各表示区域に「1〜8号機」,「9〜14号機」の名称を表示している。そして、前記前画面表示部38の領域を2等分して前画面のグループに対応する表示区域として、各表示区域にグループ名「第一系統」,「第二系統」を表示している。
【0066】
また、図8に示す第三階層画面35においては、前記主表示部37の領域を9等分して9個のボイラーキー部47,47,…を形成し、各キー部に「1号機」〜「8号機」の名称を表示している。そして、前記前画面表示部38の領域を2等分して前画面のグループに対応する表示区域として、各表示区域にグループ名「1〜8号機」,「9〜14号機」を表示している。
【0067】
前記メイン画面32,前記第一階層画面33および前記第二階層画面34において、前記グループに属する前記ボイラ室構成機器が前記異常情報の発生状態となると当該グループの区域全体を赤色となし、前記注意情報または前記お知らせ情報の発生状態となると黄色となし、正常であると緑色となすよう構成されている。また、前記第三階層画面35においても前記ボイラ室構成機器が前記異常情報の発生状態となると当該機器の区域全体を赤色となし、前記注意情報または前記お知らせ情報の発生状態となると黄色となし、正常であると緑色となすよう構成されている。このように前記監視盤第一表示器19の警報程度の表示色は、前記各ボイラ3の前記ボイラ第一表示器16および前記ボイラ第二表示器17と前記監視盤1の監視盤第二表示器20と統一したものとしている。
【0068】
つぎに、前記固定表示部39につき説明する。前記固定表示部39には、図5に示すように、前記メイン画面32において前記第一系統グループおよび前記第二系統グループの蒸気ヘッダ(図示しない。)の圧力値を表示する圧力表示部51,51および安全監視キー部52を形成する。前記安全監視キー部52は、前記地震判定機能▲6▼において地震ありと判定したときにその旨赤色表示を行う表示機能および触れることで前記各機器を非常停止させるスイッチ機能をなすように構成されている。
【0069】
また、前記固定表示部39には、図6〜図8に示す前記第一〜第三階層画面33〜35において、前記圧力表示部51に加えて、触れる(タッチする)と前記メイン画面32に戻る第一画面切換キー部53,触れると前の画面に戻る第二画面切換キー部54,触れると前記台数制御機能▲4▼の各種運転条件設定の画面(図示しない。)に切り換える設定キー部55を形成している。
【0070】
最後に、前記警報画面36につき説明する。図9に示すように、前記主表示部36および前記前画面表示部37を一つ主表示部36の領域として、そこに発生項目表示部56,操作指示表示部57,警報コード表示部58,階層構造表示部59を形成する。前記警報画面36の具体例は、図10および図11に示される。
【0071】
前記発生項目表示部56は、前記警報情報の前記警報現象情報に相当する情報を表示するもので、前記警報情報に関してどのような現象が生じているのかを前記契約者が分かるように表示を行うように構成している。
【0072】
また、前記操作指示表示部57は、前記発生項目表示部56に関して前記契約者が何をなすべきかの内容を表示する部分である。前記操作指示表示部57に表示される項目(操作指示項目)は、前記ボイラ室構成機器の本体の不具合(故障など)以外に基づくものであって、この警報は、原則として前記契約者が対応する責任を有するものについて行われる。前記操作指示項目は、運転条件警報と日常管理警報に関連するものである。
【0073】
そして、前記運転条件警報は、前記機器本体が正常運転するために必要な入力条件、たとえば、燃料,水,電気などに不備があることによる警報である。この警報に関する前記操作指示項目の例としては、つぎのようなものがある。前記発生項目表示部56に「停電がありました」と表示したうえで「元電源を確認してください」と表示する、前記発生項目表示部56に「感震器が作動しました」と表示したうえで、「感震器をリセットしてください」と表示するなどである。
【0074】
また、前記日常管理警報は、前記機器本体が正常に動作していても定常的に発生する管理不備による警報である。この警報に関する前記操作指示項目の例としては、つぎのようなものがある。前記発生項目表示部56に「制御部温度が上昇しています」と表示したうえで「ボイラ室の換気を行ってください」と表示する、前記発生項目表示部56に「ブロー時期です」と表示したうえで、「ブローしてください」と表示するなどである。
【0075】
また、前記警報コード表示部58は、前記監視盤1による前記保守管理者の管理拠点への自動通報機能が何らかの理由で働かなかったときに、前記契約者が前記保守管理者へ電話などにより連絡する際に利用するためのものである。前記警報コードを用いて連絡することで、前記警報情報を正確に伝えることができる。
【0076】
また、前記階層構造表示部59は、前記警報情報を発している機器がどのグループに属し、かつどのような階層で表示されたかの情報を表示する部分である。
【0077】
また、前記固定表示部39の上部の領域には、図12に示す第一通信表示記号〜第四通信表示記号(または図形で、説明文字を含む)60〜63が表示される。前記第一通信表示記号60は、それぞれ前記監視盤1が当該警報画面に表示の前記警報情報を「通信中」であることを表示し、前記第二通信表示記号61は、前記警報情報を「通信済み」であることを表示するためのものである。前記契約者は、この第一通信表示記号60および第二通信表示記号61の表示により、前記保守管理者へ通報中または通報済みであることを知る。前記第三通信表示記号62は、通信不良の際に「ご連絡下さい」と前記保守管理者へ連絡が必要なことを表示し、前記第四通信表示記号63は、「通信不良」であることを表示するためのものである。前記第三通信表示記号62と前記第四通信表示記号63とは、通信不良時交互に表示される。
【0078】
さらに、図9を参照して、前記警報画面36の前記主表示部37の右下隅には、触れることで前記警報画面36を切り換えるなどの機能を有する第三画面切換キー部64が形成される。
【0079】
(実施例の動作および作用)
前記構成の実施例の前記監視表示機能▲1▼,前記操作指示表示機能▲2▼および前記通信中継機能▲3▼につき、図13〜図16に示すフローチャート図に従い説明する。
【0080】
まず、前記監視表示機能▲1▼および前記操作指示表示機能▲2▼について説明する。図13において、前記監視盤1の電源を入れると、前記CPU回路25の処理が開始され、ステップS1(以下、ステップSNをSNと云う。)において、図5に示す前記メイン画面32を前記監視盤第一表示器19に表示する。なお、以下の説明では、前記契約者などが前記監視盤1の前に立っていて、前記人検知センサ22の検出信号により前記監視盤第一表示器19に給電されているとして説明する。
【0081】
ついで、S2において、前記ボイラ室2の構成機器との通信により、そのいずれかにおいて前記警報情報が生成されたかどうかを監視する。S2にて、YESが判定されると、S3へ移行して、図14に示す警報発生時の表示処理を行う。S2にて、NOが判定されると、S4へ移行して、図15および図16に示す階層表示処理を行う。
【0082】
今、前記ボイラグループの第一系統グループの1〜8号機グループの3号機にガス圧異常の前記異常情報が生成されたとする。すると、S3の警報発生時表示処理が行われる。すなわち、図14のS8へ移行して、警報通信・表示処理を行う。
【0083】
この警報通信・表示処理は、前記警報画面36において前記発生項目表示部56および前記操作指示部57を表示する警報機能と、前記第二表示器20,20を点灯する第二表示器点灯機能と、前記異常発生情報および前記運転詳細情報を前記第一管理コンピュータAへ送信する警報通信機能と、前記異常情報および前記運転詳細情報の通信状態を表示する通信状態表示機能とを含む。
【0084】
まず、前記警報表示機能により、前記監視盤第一表示器19は、前記メイン画面32からいきなり最下層の図10に示す前記警報画面36を表示する。また、前記第二表示器点灯機能により、前記監視盤第二表示器20,20を前記警報画面36の前記警報程度情報と同じ色にて点灯させる機能を有している。この機能により、前記契約者は、遠く離れた位置からも警報状態を認知できる。また、この警報状態においては、前記ボイラ3の3号機の前記ボイラ第一表示器16が同じ色にて点灯しているので、前記契約者は、どの機器が警報状態であるかを容易に見分けることができる。
【0085】
さらに、前記異常情報送信機能により、前記第一管理コンピュータAへ前記異常情報および前記運転詳細情報を送信する。そして、前記送信状態表示機能により、図10に示すように、前記主表示部37および前記固定表示部39の前記第一通信表示記号60を前記異常情報であることを示す赤色に表示する。前記第一通信表示記号60は、赤色にて点滅表示される。
【0086】
この警報画面36を見た前記契約者は、前記発生項目表示部56の情報により、ガス圧に異常があることを知り、前記操作指示表示部57の情報により、ガス供給ラインを確認しなければならないことを知る。そして、前記契約者は、前記第一通信表示記号60により、前記異常情報が、前記第二管理コンピュータAへ通信されていることを知り、この通信が終了すると、前記第二通信表示記号61が表示され、通信が完了したことを知り、安心感を覚える。
【0087】
前記保守管理者への通信ができなかったときは、前記第三通信表示記号62と前記第四通信記号63との交互の点滅表示がなされるので、前記契約者は、電話により、前記異常情報の発生を前記保守管理者へ連絡する。その際に、前記警報コード表示部58に表示されたコードを前記保守管理者へ伝えることにより、前記保守管理者は、前記警報情報を正確に知ることができ、迅速な異常復旧のための対応を行うことができる。
【0088】
また、前記警報情報が複数発生しているとする。図14において、この警報画面36表示中、第三画面切換キー部64をONすると、S9においてYESが判定され、処理は、S10へ移行して他に警報情報があるかどうかを判定する。他に警報情報が有ればS11へ移行して前記警報画面36に表示させる前記警報情報をつぎのものとして、S8へ移行して、自らまたは、他の機器に関する警報情報を表示する。S10において、NOが判定されると、図13のS1へ戻って前記メイン画面32を表示する。S9において、NOが判定されると、前記警報画面36の表示を続ける。
【0089】
この警報発生時表示処理において、前記2号機の前記ボイラ3において、空気フィルタ詰まりの前記注意情報が生成されたとすると、前記警報画面36は、図11に示す表示画面となる。この画面においては、前記主表示部37を前記注意情報であることを示す黄色に表示し、前記第一通信表示記号60を赤色表示する。
【0090】
この警報画面36を見た前記契約者は、前記発生項目表示部56の情報により、空気フィルタが詰まっているという前記注意情報があることを知り、前記操作指示表示部57の情報により、空気フィルタの掃除を行わなければならないことを知ることができる。
【0091】
つぎに、図13のS1における前記メイン画面32の表示において、前記警報情報の発生後、前記警報が復旧していない場合は、当該警報が復旧していない機器が属する前記ボイラグループキー部39,前記水設備グループキー部40,前記燃料設備グループキー部41のいずれかが、前記警報程度情報に応じて、赤色または黄色に表示される。これにより、前記契約者は、どのグループの機器の警報が復旧されていないことを知る。
【0092】
いま、前記ボイラグループの第一系統グループの1〜8号機グループの3号機にガス圧異常の前記異常情報が生成され、その警報が復旧していないとする。この状態において、警報発生機器の前記警報画面36を表示するには、図5に示す赤色表示の前記ボイラグループキー部40の区域を触れると、図15のS12において、ボイラグループキー部40のONが判定され、処理は、図16に詳細を示すS13のボイラグループ表示処理へ移行する。
【0093】
そして、図16のS20にて、図6に示す前記第一階層画面33が表示される。このとき前記第一系統グループキー部43が赤色に表示され、この第一系統グループキー部43を触れると、S22にてYESが判定され、S23へ移行して図7に示す前記第二階層画面34を表示する。この前記第二階層画面34においては、第一グループキー部45が赤色となっていて、同キー部45に触れると、S25にてYESが判定され、S26にて図8に示す第三階層画面35が表示される。この第三階層画面35においては、前記3号機のボイラキー部47が赤色に表示されている。この3号機のボイラキー部47に触れると、S28においてYESが判定され、S29にて前記S3と同様の警報発生時表示処理が行われ、図10に示す前記警報画面36が表示される。S29の処理は、S3と同様であるので、説明を省略する。
【0094】
また、図16のS21,S24,S27において、第二画面切換キー部54に触れると前の画面へ戻る。なお、前記第一画面切換キー部53に触れると前記メイン画面32に戻る処理が行われるが、図16のフローチャートではその処理を省略している。また、図15において、S14の水設備表示処理およびS15の燃料設備表示処理処理は、S13のボイラグループ表示処理と同様であるので、説明を省略する。
【0095】
つぎに、前記人検知センサ22による動作を説明する。図13において、前記警報発生時表示処理S3および前記階層表示処理S4を終えると、処理は、S5へ移行する。ここで、人検知無しかどうかの判定がなされる。すなわち、前記人検知センサ22により所定時間(たとえば約10分)の人検知有りが継続されないと、YESが判定され、S7へ移行し、前記監視盤第一表示器19への給電を停止する。これにより、前記警報発生時表示処理S3および前記階層表示処理S4は行われているが、前記監視盤第一表示器19への通電が停止されるために、前記第一表示器19による状態表示は行われない。
【0096】
S5において、人が近づき、人検知無しの判定がNOと判定されると、S6へ移行して、前記監視盤第一表示器19へ給電される。これにより、S3,S4の処理に基づく表示が行われる。
【0097】
S2の処理において、警報情報の発生無しが判定されているときは、前記監視盤第二表示器20,20は、緑色にて点灯し、前記構成機器の全てが正常であることを表示している。ここで、S3の処理により、図9の前記警報画面36を表示させる処理が行われ、かつS5の処理により、人検知無しと判断されると、前記監視盤第二表示器20,20は、緑色から赤色表示に切り替わり、前記監視盤第一表示器19は、表示無しの状態となる。
【0098】
そして、この状態において、人が近づくと、前記監視盤第一表示器19は、前記警報画面36を直ちに表示するので、管理者などは、警報内容を速やかに知ることができる。
【0099】
つぎに、前記契約者への異常通報機能▲5▼につき説明する。この実施例の監視盤1は、前記警報情報を自らまたは前記ボイラ室構成機器から受信すると、契約者へ通報する機能を有する。その通報手段として、契約者の携帯電話器(図示省略)への出力(モデム通報)および/または接点出力(接点通報)を有している。そして、どの手段を用いるかは、発生する前記警報情報の種類毎に契約者が設定可能としている。
【0100】
また、前記接点出力手段は、複数の接点を備え、発生する前記警報情報によって使用する接点を任意に異ならせることができる。前記接点は、前記ボイラ室2と別の室に設置されるブザー(図示省略)または表示ランプ(図示省略)などへ出力可能なように設けている。たとえば、ボイラグループの警報情報を第一の接点へ出力し、水設備機器の警報情報を第二の接点へ出力するなど、任意の設定を可能としている。
【0101】
前記携帯電話機への通報は、メール機能を用いて警報情報を伝えるものの他、予め契約者の携帯電話器に前記監視盤1の電話番号と名称を登録しておき、前記監視盤1は、契約者の携帯電話器の呼び出しを行ったあと直ちに電話を切り発信先を知らせる手法を用いて警報情報そのものは伝えないが、何らかの警報発生状態となったことを伝えるものであっても良い。この手法によっても契約者は、前記監視盤から呼び出しの通報があったこと,すなわち何らかの警報情報が発せられたことを知ることができる。
【0102】
さらに、前記地震判定機能▲6▼につき説明する。前記ボイラ室2に設置される前記ボイラ3の全てまたは一部(複数台)に地震感知センサを設ける。前記各ボイラ3は、地震感知センサの作動により地震有りと判定すると、前記監視盤1へその旨通信する。前記監視盤1は、全てのまたはある割合(たとえば8割)の前記地震感知センサが地震ありとの信号を出力したとき、前記監視盤1は、地震ありとの判定をなす。
【0103】
この判定後の処理について、前記契約者は、つぎの設定が可能であり、前記監視盤1は、その設定に従って動作する。第一の設定は、前記監視盤1において、「地震あり」の「表示をする」,「表示をしない」の設定である。前記「表示する」との設定がされたときは、さらにお知らせ情報として表示するのみの第一状態と、異常情報として表示し、かつ全てのボイラ3を燃焼待機(または燃焼停止)とする第二状態とを選択的に設定できるように構成している。また、前記監視盤1が地震有りと判定する前記割合は、前記契約者により調整可能とすることができる。
【0104】
(実施例の効果)
このように、前記実施例によれば、前記契約者は、前記ボイラ室構成機器の運転状態を容易に把握でき、しかも警報状態となると、前記監視盤第一表示器19に前記警報画面36が表示されるので、グループ・階層構造の表示にもかかわらず、階層表示のための操作を要することなく、必要な情報を入手できる。また、これらの目的を、少ない表示面積の表示機器により、達成できる。
【0105】
また、前記実施例によれば、前記監視盤1は、前記契約者に対しては、前記警報情報の開示を行うとともに、最低限行っていただく項目について、前記操作指示を行うだけにとどめ、その他の保守管理については、前記監視盤1が前記ボイラ室構成機器の警報情報などの情報を中継して前記第一管理コンピュータAおよび前記第二管理コンピュータBへ送信することにより行うように構成している。これにより、従来の管理装置のような負担を前記契約者にかけることなく、前記ボイラ室構成機器の監視と保守管理とを行うことができる。
【0106】
(実施例の変形例)
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、前記監視盤1は、実施に応じて、図17に示すように、壁掛け型のものとすることができる。この実施例においては、扁平な直方体の箱体65に、前記第三表示器19,前記第四表示器20,前記第七制御器24などの構成要素を収める。この実施例は、図1に示す実施例のような前記監視盤1の設置スペースが無い場合に好適である。
【0107】
また、前記実施例によれば、前記ボイラ室2の全ての附帯機器5〜9を通信機能を有する前記制御器11〜15を備えたものとしているが、実施に応じては通信機能を備えない機器とすることができる。この場合には、前記接点入力インターフェース30を利用して信号を取り込み前記監視盤1に警報情報を表示させることができる。
【0108】
前記実施例においては、前記監視盤1が前記ボイラ室構成機器の警報情報などの情報を中継して前記第一管理コンピュータAおよび前記第二管理コンピュータBへ送信するように構成しているが、前記第一管理コンピュータAおよび前記第二管理コンピュータBのいずれか一方へ送信し、受信情報を他の管理コンピュータへ送信するように構成することができる。
【0109】
【発明の効果】
この発明によれば、契約者(または使用者)が前記ボイラ室の構成機器の運転状態を容易に把握することができるなど、産業的価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施したボイラ室監視装置を備えたボイラ室の概略構成図である。
【図2】同実施例のボイラ室監視装置を含む保守管理システムの概略構成図である。
【図3】同実施例のボイラ室監視装置の一実施例の要部の正面説明図である。
【図4】図3の要部制御回路図である。
【図5】同実施例の表示画面のメイン画面の説明図である。
【図6】同実施例の前記表示画面の第一階層画面および画面構成を説明する図である。
【図7】同実施例の前記表示画面の第二階層画面の説明図である。
【図8】同実施例の前記表示画面の第三階層画面の説明図である。
【図9】同実施例の警報画面の画面構成を説明する説明図である。
【図10】同警報画面の具体例の説明図である。
【図11】同警報画面の他の具体例の説明図である。
【図12】同実施例の通信表示記号の説明図である。
【図13】同実施例の表示処理の全体処理を示すフローチャート図である。
【図14】図13の要部の処理を示すフローチャート図である。
【図15】図13の要部の処理を示すフローチャート図である。
【図16】図15の要部の処理を示すフローチャート図である。
【図17】図17は、この発明の他の実施例を示す斜視の説明図である。
【符号の説明】
1 ボイラ室監視盤
2 ボイラ室
3 ボイラ
19 監視盤第一表示器
Claims (7)
- ボイラ室2内に配置されるボイラ3を含む複数の機器の運転状態を監視し、前記ボイラ室2に配置されるボイラ室監視装置1であって、前記ボイラ室2の機器構成と前記各機器が正常か否かの運転状態とを表示する表示器19を備えたことを特徴とするボイラ室監視装置。
- 前記機器が、前記ボイラ3とこのボイラ3の附帯機器4,5からなることを特徴とする請求項1に記載のボイラ室監視装置。
- 前記表示器19が、その表示画面を複数の機器表示区域に区画され、前記ボイラ室2の機器構成を表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラ室監視装置。
- 前記機器をグループ分けして表示画面を切り換えて階層的に表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のボイラ室監視装置。
- 前記機器表示区域に前記ボイラ室の機器構成を表示するとともに前記各機器が正常か否かを表示する第一表示処理と、前記各機器の警報情報の現象情報を表示する第二表示処理とを切り換えて行うことを特徴とする請求項3に記載のボイラ室監視装置。
- 前記第一表示処理が前記機器をグループ分けして表示画面を切り換えて階層的に表示することを特徴とする請求項5に記載のボイラ室監視装置。
- 前記各機器が警報情報を発すると、前記第一処理を前記第二表示処理へ自動的に切り替えて行うことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のボイラ室監視装置。
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