JP2004225629A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】筒内噴射式火花点火内燃機関の吸気行程燃料噴射において、噴射圧を比較的低くしても、シリンダ内壁への燃料付着を防止して良好な均質混合気を形成することを可能とする。
【解決手段】気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁7を具備し、燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、燃料噴射弁は、均質燃焼に際して、吸気行程においてリフトした吸気弁3の直下側へ向けて噴孔から柱状の燃料10を噴射する。
【選択図】 図1
【解決手段】気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁7を具備し、燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、燃料噴射弁は、均質燃焼に際して、吸気行程においてリフトした吸気弁3の直下側へ向けて噴孔から柱状の燃料10を噴射する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射式火花点火内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
気筒内へ直接的に燃料を噴射することにより、燃料噴射量を必要最小限として燃料消費率の悪化を防止する筒内噴射式火花点火内燃機関が公知である。このような筒内噴射式火花点火内燃機関において、吸気行程での燃料噴射によって気筒内に均質混合気を形成して均質燃焼を実施することが意図されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−212986号公報
【特許文献2】
特開平09−53420号公報
【特許文献3】
特開2000−337180号公報
【特許文献4】
特開昭61−65211号公報
【特許文献5】
特開2002−180838号公報
【特許文献6】
特開平11−107759号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
吸気行程の筒内圧力はそれほど高くなく、燃料噴射圧を比較的低くしても、均質燃焼のための吸気行程燃料噴射自身は可能である。しかしながら、こうした低圧の燃料噴射では、燃料噴霧の貫徹力が弱くなる。一般的に、燃料噴射弁は気筒上部周囲の吸気弁側に配置されているために、このような貫徹力の弱い燃料噴霧では、吸気弁傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流のうちで特に燃料噴射弁の噴孔側へ向かう吸気流によって、容易に偏向されてシリンダ内壁へ付着してしまう。こうして噴射燃料がシリンダ内壁へ付着すると、気筒内には良好な均質混合気を形成することができないだけでなく、燃料によってエンジンオイルを希釈させてしまう。
【0005】
従って、本発明の目的は、吸気行程燃料噴射において、噴射圧を比較的低くしても、シリンダ内壁への燃料付着を防止して良好な均質混合気を形成することを可能とする筒内噴射式火花点火内燃機関を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して、吸気行程においてリフトした吸気弁の直下側へ向けて前記噴孔から柱状の燃料を噴射することを特徴とする。
【0007】
また、本発明による請求項2に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して、吸気行程においてピストン頂面の偏向部分へ向けて前記噴孔から柱状の燃料を噴射し、前記偏向部分は前記燃料を上方へ偏向させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明による請求項3に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、請求項2に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、前記偏向部分は、前記燃料を分流させるための楔部を有し、前記楔部によって分流させた前記燃料をそれぞれに上方へ偏向することを特徴とする。
【0009】
また、本発明による請求項4に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部における二つの吸気弁用気筒内開口の間の最小離間部近傍に位置し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする。
【0010】
また、本発明による請求項5に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、前記気筒上部の前記噴孔の近傍部分は下方へ隆起して、吸気弁リフト時においても吸気弁傘部における前記噴孔側は開弁しないようにし、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする。
【0011】
また、本発明による請求項6に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、吸気弁傘部の周囲は、吸気弁リフト時に前記吸気弁傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流が吸気弁直下側へ回り込むように滑らかなU字形断面を有し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする。
【0012】
また、本発明による請求項7に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、二つの吸気弁の傘部には、吸気弁リフト時に二つの前記傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流に互いに反対方向の吸気弁軸線回りの旋回速度成分を付与するフィンが設けられて、前記二つの吸気弁の間において前記噴孔側を上流とする吸気流を発生させ、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする。
【0013】
また、本発明による請求項8に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、請求項7に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、前記二つの吸気弁は軸線回りの回り止めがされており、前記フィンは、前記二つの傘部における前記噴孔近傍だけに設けられていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図であり、図2は図1の気筒上壁の底面図である。これらの図において、1は吸気ポート、2は排気ポートである。吸気ポート1は吸気弁3を介して、排気ポート2は排気弁4を介して、それぞれ気筒内へ通じている。5はピストンであり、6は気筒上部中心近傍において気筒上壁から突出している点火プラグである。7は気筒上部周囲の吸気弁3側に配置された燃料噴射弁である。
【0015】
燃料噴射弁7から噴射された燃料は確実に気筒内へ供給されるために、燃料噴射弁7は必要最小量の燃料を噴射すれば良く、燃料消費率の悪化を防止することができる。本筒内噴射式火花点火内燃機関は、吸気行程において燃料噴射弁7から燃料を噴射して気筒内に均質混合気を形成する均質燃焼を実施する。
【0016】
点火プラグ近傍だけに可燃混合気を形成する成層燃焼を実施する場合には、筒内圧力が比較的高い圧縮行程での燃料噴射が必要となるために、燃料噴射弁7の噴射圧は高圧(例えば、12MPa)とすることが好ましい。これに対して、吸気行程での燃料噴射では、筒内圧力はそれほど高くはなく、低圧(例えば、2MPa)での燃料噴射が可能である。それにより、各気筒の燃料噴射弁7へ燃料を供給するための蓄圧室内の燃料圧力を低圧として良く、蓄圧室内の燃料圧力を維持するための燃料ポンプを小型化することができる。また、機関始動時の均質燃焼において、蓄圧室内を大気圧から噴射可能圧まで非常に短時間で昇圧することができ、機関始動性を向上することができる。
【0017】
しかしながら、噴射圧を単に低圧とすると以下のような問題が発生する。図17は図1に対応する従来例における概略縦断面図であり、図18は図17の気筒上壁の底面図である。本従来例において、燃料噴射弁7’は、スリット状噴孔7a’を有し、燃料を厚さの薄い略扇形状に噴射するものである。この燃料噴霧の場合において、噴射圧を12MPaとした場合には、2msec後における噴霧到達距離は約70mmであるのに対して、噴射圧を2MPaとした場合には、2msec後における噴霧到達距離は約35mmに半減してしまう。このように噴射圧を低圧とすると、燃料噴霧の貫徹力がかなり減少してしまう。
【0018】
ところで、燃料噴射弁7’により燃料が噴射される吸気行程においては、吸気弁3がリフトされ、図18に矢印で示すように、各吸気弁3の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流が発生する。それにより、貫徹力の弱い燃料噴霧を単に噴射すると、図17に示すように、吸気流のうちで特に燃料噴射弁7’の噴孔7a’側へ向かう吸気流f1が、燃料噴霧10’を容易にシリンダ内壁側へ押戻して一部の燃料をシリンダ内壁へ付着させる。こうして、燃料付着が起きると、その分、均質混合気の形成に使用される燃料量が減少して意図する空燃比の均質混合気を形成することができないだけでなく、燃料によってエンジンオイルを希釈させてしまう。また、噴射燃料は、吸気行程においてシリンダ内壁近傍に位置することとなり、点火までの十分な均質化も困難となる。
【0019】
本実施形態における燃料噴射弁7は、円錐形状又は扇状のような先拡がり形状ではなく、柱状に燃料を噴射するものである。図3は燃料噴射弁7の先端部の断面図である。燃料通路の先端部には燃料溜7bが形成され、この燃料溜7bを燃料通路から遮断可能な弁体7cが配置されている。噴孔7aは燃料溜7bへ通じる真っ直ぐな貫通穴として形成されている。また、本実施形態の筒内噴射式火花点火内燃機関は、吸気二弁式であるために、燃料噴射弁7には、二つの噴孔7aが形成され、図1及び図2に示すように、各噴孔7aはリフトした各吸気弁3の直下側へ向けられている。
【0020】
このような噴孔7aから噴射される柱状の燃料は、先拡がり形状の燃料噴霧に比較して同じ噴射圧でも貫徹力が強くなる。それにより、噴射燃料10は、前述した吸気流f1によってシリンダ内壁側へ押戻されることがなく、リフトした各吸気弁3の直下側へ向かう。こうして、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、柱状の噴射燃料は、飛行中において気筒内の吸気との摩擦によって徐々に微粒化及び気化し、各吸気弁3の直下側には、微粒化又は気化した燃料を位置させることができる。前述したように気筒内へ流入した吸気流は、当初、各吸気弁3の直下側回りを通過するが、その後には、図1に矢印で示すように、ピストン頂面を介して各吸気弁3の直下側へ向かって流入するために、この吸気流によって各吸気弁3の直下側の燃料は攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0021】
図4は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第二実施形態を示す概略縦断面図であり、図5は図4の気筒上壁の底面図である。第一実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態の燃料噴射弁7’は、図17及び18の従来例と同様に、燃料を先拡がりの扇形状又は円錐形状の燃料噴霧として噴射するものである。そのために、噴孔7a’は、噴霧形状に合わせた先拡がりの貫通穴として形成され、又は、噴孔7a’へ流入する直前の燃料に旋回速度成分を付与するような工夫がされている。噴孔7a’の位置は、気筒上部周囲の吸気弁側ではなく、気筒上部の二つの吸気弁用気筒内開口の間の最小離間部近傍とされている。
【0022】
それにより、燃料噴射弁7’から噴射される燃料は、貫徹力が弱くても、前述の吸気流f1に影響されることはなく、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。また、図18に示すように、この噴孔7a’位置近傍において、二つの吸気弁3の傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流f2は、互いに衝突して乱れを発生させるために、噴孔7a’から噴射された先拡がりの燃料噴霧は、それ自身で微粒化され易いことに加えて、この乱れによって十分に攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0023】
図6は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第三実施形態を示す概略縦断面図である。第二実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態の燃料噴射弁7’は、第二実施形態と同様に燃料を先拡がりの燃料噴霧として噴射するものであり、噴孔位置は気筒上部周囲の吸気弁側とされている。しかしながら、従来例とは異なり、吸気弁3’の傘部の周囲は、滑らかなU字形断面を有するように形成されている。それにより、図6に矢印で示すように、各吸気弁3’の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流は、傘部の周囲から剥離し難く、コアンダ効果によってリフトされた吸気弁3’の直下側へ回り込むようにされている。
【0024】
こうして、燃料噴射弁7’から噴射される燃料は、貫徹力が弱くても、前述の吸気流f1が吸気弁3’の直下側へ回り込むようにされて噴射燃料をシリンダ内壁へ押戻すようには作用しないために、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。また、噴孔7a’から噴射された先拡がりの燃料噴霧10’は、それ自身で微粒化され易いことに加えて、燃料噴霧10’の近傍には、各吸気弁3’の直下側へ回り込む吸気流が存在するために、この吸気流によって十分に攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0025】
図7は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第四実施形態を示す概略縦断面図であり、図8は図7の気筒上部の底面図である。第三実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態において、各吸気弁3”の傘部には、放射状に位置する複数のフィン3a”が設けられ、これらのフィン3a”によって二つの吸気弁3”の傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流には、互いに反対方向の吸気弁軸線回りの旋回速度成分が付与されるようになっている。各吸気弁3”の傘部におけるフィンの配置は、特に、二つの吸気弁3”の間においては、気筒上部周囲の燃料噴射弁7’の噴孔7a’側が上流となる吸気流を発生させるように選択されている。
【0026】
それにより、燃料噴射弁7’から噴射される燃料は、貫徹力が弱くても、前述の吸気流f1には吸気弁軸線回りの旋回速度成分が付与され、噴射燃料10’をシリンダ内壁へ押戻すようには作用しないために、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。また、噴孔7a’から噴射された先拡がりの燃料噴霧10’は、それ自身で微粒化され易いことに加えて、二つの吸気弁3”の間において噴孔7a’側を上流とする吸気流が存在するために、この吸気流によって十分に攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0027】
図9は、本第四実施形態の変形例であり、各吸気弁3”の傘部に配置されたフィン3a”が、噴孔7a’の近傍だけに設けられている。フィン3a”は、吸気弁3”の傘部に沿う吸気流へ強制的に旋回速度成分を付与するものであるために、僅かではあるが吸気の吸入抵抗となる。従って、このような構成により、吸入抵抗を低減して、前述同様に、噴射燃料がシリンダ内壁へ押戻されることがないように前述の吸気流f1へ吸気弁軸線回りの旋回速度成分を付与することができる。この場合において、各吸気弁3”には、軸線方向の移動(リフト)を許容して、軸線回りの回転を防止するようなキー形状等の回り止めを設ける必要がある。
【0028】
図10は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第五実施形態を示す概略縦断面図であり、図11は図10の気筒上壁の底面図である。第三実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態において、各吸気弁3は従来例と同じであるが、気筒上部周囲の吸気弁側に位置する燃料噴射弁7’の噴孔7a’の近傍部分9は、下方へ隆起しており、吸気弁3のリフト時においても傘部における噴孔側は開弁しないようにしている。
【0029】
それにより、図11に示すように、燃料噴射弁7’の噴孔7a’側へ向かう吸気流f1が発生しない。こうして、燃料噴射弁7’から噴射される燃料は、貫徹力が弱くても、シリンダ内壁へ押戻されるようなことはなく、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。また、噴孔7a’から噴射された先拡がりの燃料噴霧は、それ自身で微粒化され易いことに加えて、第二実施形態と同様に、二つの吸気弁3の間で互いに衝突する吸気流によって発生する乱れによって十分に攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0030】
図12は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第六実施形態を示す概略縦断面図であり、図13は図12のピストン平面図である。第一実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態の燃料噴射弁7”は、第一実施形態の燃料噴射弁7と同様に燃料を柱状に噴射するものであるが、形成された噴孔は一つであり、この噴孔はピストン5’頂面の吸気弁側に偏在して設けられた偏向部分11へ向けられている。
【0031】
図14は偏向部分11のA−A拡大断面図であり、図15は偏向部分11のB−B拡大断面図である。燃料噴射弁7”から噴射される柱状の燃料は、先拡がり形状の燃料噴霧に比較して同じ噴射圧でも貫徹力が強くなる。それにより、噴射燃料10”は、前述した吸気流f1によってシリンダ内壁側へ押戻されることがなく、ピストン頂面の偏向部分11へ向かう。こうして、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、柱状の噴射燃料10”は、飛行中において気筒内の吸気との摩擦によって徐々に微粒化及び気化し、偏向部分11の幅方向中央に形成された楔部11aに衝突して二つに分流される。
【0032】
偏向部分11は、両側において楔部11aに滑らかに接続された二つの円弧状底部を有し、これら二つの円弧状底部は楔部11aによって分流された噴射燃料をそれぞれに上方へ偏向する。こうして、偏向部分11は、徐々に微粒化及び気化している噴射燃料へピストン熱を与えると共に、これを二つに分割して気筒内へ分散させるために、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0033】
燃料噴射弁7”は、気筒軸線と平行に燃料を噴射するのではなく、ピストン中心側へ傾斜して燃料を噴射する。それにより、ピストン位置に係らずに噴射燃料を常に偏向部分11の楔部へ衝突させるためには、図13及び図15に示すように、楔部11aを含めて偏向部分11は、ピストン中心側へ延在させることが必要となる。このように延在する楔部11aに対して、噴射燃料は楔部11aに対する衝突位置近傍において楔部11aの両側から上方へ偏向されることとなる。この際に、二つの円弧状底部へ分割された燃料が、図15に示すように、それぞれの円弧状底部上をピストン中心側及びシリンダボア側へ向けて進行することがあるが、それぞれの円弧状底壁部の両端は、これらの燃料を上方へ偏向させるような部分球形状を有しているために、噴射燃料は、偏向部分内において確実に上方へ偏向されることとなる。
【0034】
図16は、本第六実施形態における偏向部分の変形例を示している。本変形例11’では、楔部は設けられておらず、前述の偏向部分11における一方の円弧状底壁に対応する形状とされている。このような偏向部分11’において、柱状の噴射燃料10”は、円弧状底壁の一方側に衝突し、これを他方側から上方へ偏向するようになっている。こうして偏向される噴射燃料は、飛行中において既に微粒化されており、さらに、偏向部分11’においてピストン熱が与えられて非常に気化し易くなっているために、第一実施形態において説明した吸気流によって、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0035】
前述した全ての実施形態において、例えば、冷却水温が設定温度以上である機関温間時で必要燃料量がそれほど多くない低回転低負荷側の運転領域では、燃料噴射弁から圧縮行程で燃料を噴射して点火プラグ近傍だけに可燃混合気を形成する成層燃焼を実施するようにしても良い。
【0036】
【発明の効果】
このように、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程においてリフトした吸気弁の直下側へ向けて柱状の燃料を噴射するようになっている。それにより、噴射圧を比較的低くしても、噴射燃料の貫徹力は比較的強くなり、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流によって噴射燃料がシリンダ内壁側へ押戻されてシリンダ内壁へ付着することは防止される。さらに、飛行中に微粒化されて吸気弁の直下側へ到達した燃料は、吸気弁の直下側回りを通過した後に、ピストン頂面を介して吸気弁の直下流側へ流入する吸気流によって攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0037】
また、本発明によるもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程においてピストン頂面の偏向部分へ向けて柱状の燃料を噴射するようになっている。それにより、噴射圧を比較的低くしても、噴射燃料の貫徹力は比較的強くなり、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流によって噴射燃料がシリンダ内壁側へ押戻されてシリンダ内壁へ付着することは防止される。さらに、飛行中に微粒化され、ピストン頂面の偏向部分から受熱して偏向部分の上方へ偏向された燃料は、吸気弁の直下側回りを通過した後にピストン頂面を介して吸気弁の直下流側へ流入する吸気流によって攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0038】
また、本発明によるさらにもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部における二つの吸気弁用気筒内開口の間の最小離間部近傍に位置する噴孔から吸気行程において燃料を噴射するようになっている。それにより、噴射圧を比較的低くして噴射燃料の貫徹力が弱くなっても、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入して噴射燃料をシリンダ内壁側へ押戻す吸気流に影響されることはなく、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、噴孔位置近傍において、二つの吸気弁の傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流は、互いに衝突して乱れを発生させるために、燃料噴霧は、この乱れによって十分に攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0039】
また、本発明によるさらにもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程において燃料を噴射するが、気筒上部の噴孔の近傍部分は下方へ隆起して、吸気弁リフト時においても吸気弁傘部における噴孔側は開弁しないようにしている。それにより、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流のうちで燃料噴射弁の噴孔側へ向かう吸気流は発生せず、噴射圧を比較的低くして噴射燃料の貫徹力が弱くなっても、シリンダ内壁へ押戻されることによるシリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、噴射燃料は、吸気弁の直下側回りを通過してピストン頂面を介して吸気弁の下側回りへ流入する空気流によって、及び、吸気二弁式の場合には、二つの吸気弁の間で互いに衝突する吸気流によって発生する乱れによって十分に攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0040】
また、本発明によるさらにもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程において燃料を噴射するが、吸気弁傘部の周囲は、吸気弁リフト時に吸気弁傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流が吸気弁直下側へ回り込むように滑らかなU字形断面を有している。それにより、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流は、傘部の周囲から剥離し難く、コアンダ効果によってリフトされた吸気弁の直下側へ回り込むようになって噴射燃料をシリンダ内壁へ押戻すようには作用しないために、噴射圧を比較的低くして噴射燃料の貫徹力が弱くなっても、シリンダ内壁へ押戻されることによるシリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、噴射燃料は、その近傍に吸気弁の直下側へ回り込む吸気流が存在するために、この吸気流によって十分に攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0041】
また、本発明によるさらにもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程において燃料を噴射するが、二つの吸気弁の傘部には、吸気弁リフト時に二つの傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流に互いに反対方向の旋回成分を付与するフィンが設けられて、二つの吸気弁の間において噴孔側を上流とする吸気流を発生させるようになっている。それにより、噴射圧を比較的低くして噴射燃料の貫徹力が弱くなっても、前述のように吸気弁軸線回りの旋回速度成分が付与された吸気流は、噴射燃料をシリンダ内壁へ押戻すようには作用しないために、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、噴射燃料は、二つの吸気弁の間において噴孔側を上流とする吸気流が存在するために、この吸気流によって十分に攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【図3】図1の筒内噴射式火花点火内燃機関における燃料噴射弁の先端部の拡大断面図である。
【図4】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第二実施形態を示す概略縦断面図である。
【図5】図4の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【図6】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第三実施形態を示す概略縦断面図である。
【図7】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第四実施形態を示す概略縦断面図である。
【図8】図7の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【図9】図7の筒内噴射式火花点火内燃機関の変形例を示す気筒上部の底面図である。
【図10】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第五実施形態を示す概略縦断面図である。
【図11】図10の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【図12】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第六実施形態を示す概略縦断面図である。
【図13】図12の筒内噴射式火花点火内燃機関におけるピストン平面図である。
【図14】図13におけるA−A拡大断面図である。
【図15】図13におけるB−B拡大断面図である。
【図16】図12の筒内噴射式火花点火内燃機関の変形例を示す図14に相当する偏向部分の拡大断面図である。
【図17】筒内噴射式火花点火内燃機関の従来例を示す概略縦断面図である。
【図18】図17の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【符号の説明】
1…吸気ポート
2…排気ポート
3,3’,3”…吸気弁
4…排気弁
5,5’…ピストン
6…点火プラグ
7,7’…燃料噴射弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射式火花点火内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
気筒内へ直接的に燃料を噴射することにより、燃料噴射量を必要最小限として燃料消費率の悪化を防止する筒内噴射式火花点火内燃機関が公知である。このような筒内噴射式火花点火内燃機関において、吸気行程での燃料噴射によって気筒内に均質混合気を形成して均質燃焼を実施することが意図されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−212986号公報
【特許文献2】
特開平09−53420号公報
【特許文献3】
特開2000−337180号公報
【特許文献4】
特開昭61−65211号公報
【特許文献5】
特開2002−180838号公報
【特許文献6】
特開平11−107759号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
吸気行程の筒内圧力はそれほど高くなく、燃料噴射圧を比較的低くしても、均質燃焼のための吸気行程燃料噴射自身は可能である。しかしながら、こうした低圧の燃料噴射では、燃料噴霧の貫徹力が弱くなる。一般的に、燃料噴射弁は気筒上部周囲の吸気弁側に配置されているために、このような貫徹力の弱い燃料噴霧では、吸気弁傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流のうちで特に燃料噴射弁の噴孔側へ向かう吸気流によって、容易に偏向されてシリンダ内壁へ付着してしまう。こうして噴射燃料がシリンダ内壁へ付着すると、気筒内には良好な均質混合気を形成することができないだけでなく、燃料によってエンジンオイルを希釈させてしまう。
【0005】
従って、本発明の目的は、吸気行程燃料噴射において、噴射圧を比較的低くしても、シリンダ内壁への燃料付着を防止して良好な均質混合気を形成することを可能とする筒内噴射式火花点火内燃機関を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して、吸気行程においてリフトした吸気弁の直下側へ向けて前記噴孔から柱状の燃料を噴射することを特徴とする。
【0007】
また、本発明による請求項2に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して、吸気行程においてピストン頂面の偏向部分へ向けて前記噴孔から柱状の燃料を噴射し、前記偏向部分は前記燃料を上方へ偏向させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明による請求項3に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、請求項2に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、前記偏向部分は、前記燃料を分流させるための楔部を有し、前記楔部によって分流させた前記燃料をそれぞれに上方へ偏向することを特徴とする。
【0009】
また、本発明による請求項4に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部における二つの吸気弁用気筒内開口の間の最小離間部近傍に位置し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする。
【0010】
また、本発明による請求項5に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、前記気筒上部の前記噴孔の近傍部分は下方へ隆起して、吸気弁リフト時においても吸気弁傘部における前記噴孔側は開弁しないようにし、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする。
【0011】
また、本発明による請求項6に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、吸気弁傘部の周囲は、吸気弁リフト時に前記吸気弁傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流が吸気弁直下側へ回り込むように滑らかなU字形断面を有し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする。
【0012】
また、本発明による請求項7に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、二つの吸気弁の傘部には、吸気弁リフト時に二つの前記傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流に互いに反対方向の吸気弁軸線回りの旋回速度成分を付与するフィンが設けられて、前記二つの吸気弁の間において前記噴孔側を上流とする吸気流を発生させ、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする。
【0013】
また、本発明による請求項8に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、請求項7に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、前記二つの吸気弁は軸線回りの回り止めがされており、前記フィンは、前記二つの傘部における前記噴孔近傍だけに設けられていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図であり、図2は図1の気筒上壁の底面図である。これらの図において、1は吸気ポート、2は排気ポートである。吸気ポート1は吸気弁3を介して、排気ポート2は排気弁4を介して、それぞれ気筒内へ通じている。5はピストンであり、6は気筒上部中心近傍において気筒上壁から突出している点火プラグである。7は気筒上部周囲の吸気弁3側に配置された燃料噴射弁である。
【0015】
燃料噴射弁7から噴射された燃料は確実に気筒内へ供給されるために、燃料噴射弁7は必要最小量の燃料を噴射すれば良く、燃料消費率の悪化を防止することができる。本筒内噴射式火花点火内燃機関は、吸気行程において燃料噴射弁7から燃料を噴射して気筒内に均質混合気を形成する均質燃焼を実施する。
【0016】
点火プラグ近傍だけに可燃混合気を形成する成層燃焼を実施する場合には、筒内圧力が比較的高い圧縮行程での燃料噴射が必要となるために、燃料噴射弁7の噴射圧は高圧(例えば、12MPa)とすることが好ましい。これに対して、吸気行程での燃料噴射では、筒内圧力はそれほど高くはなく、低圧(例えば、2MPa)での燃料噴射が可能である。それにより、各気筒の燃料噴射弁7へ燃料を供給するための蓄圧室内の燃料圧力を低圧として良く、蓄圧室内の燃料圧力を維持するための燃料ポンプを小型化することができる。また、機関始動時の均質燃焼において、蓄圧室内を大気圧から噴射可能圧まで非常に短時間で昇圧することができ、機関始動性を向上することができる。
【0017】
しかしながら、噴射圧を単に低圧とすると以下のような問題が発生する。図17は図1に対応する従来例における概略縦断面図であり、図18は図17の気筒上壁の底面図である。本従来例において、燃料噴射弁7’は、スリット状噴孔7a’を有し、燃料を厚さの薄い略扇形状に噴射するものである。この燃料噴霧の場合において、噴射圧を12MPaとした場合には、2msec後における噴霧到達距離は約70mmであるのに対して、噴射圧を2MPaとした場合には、2msec後における噴霧到達距離は約35mmに半減してしまう。このように噴射圧を低圧とすると、燃料噴霧の貫徹力がかなり減少してしまう。
【0018】
ところで、燃料噴射弁7’により燃料が噴射される吸気行程においては、吸気弁3がリフトされ、図18に矢印で示すように、各吸気弁3の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流が発生する。それにより、貫徹力の弱い燃料噴霧を単に噴射すると、図17に示すように、吸気流のうちで特に燃料噴射弁7’の噴孔7a’側へ向かう吸気流f1が、燃料噴霧10’を容易にシリンダ内壁側へ押戻して一部の燃料をシリンダ内壁へ付着させる。こうして、燃料付着が起きると、その分、均質混合気の形成に使用される燃料量が減少して意図する空燃比の均質混合気を形成することができないだけでなく、燃料によってエンジンオイルを希釈させてしまう。また、噴射燃料は、吸気行程においてシリンダ内壁近傍に位置することとなり、点火までの十分な均質化も困難となる。
【0019】
本実施形態における燃料噴射弁7は、円錐形状又は扇状のような先拡がり形状ではなく、柱状に燃料を噴射するものである。図3は燃料噴射弁7の先端部の断面図である。燃料通路の先端部には燃料溜7bが形成され、この燃料溜7bを燃料通路から遮断可能な弁体7cが配置されている。噴孔7aは燃料溜7bへ通じる真っ直ぐな貫通穴として形成されている。また、本実施形態の筒内噴射式火花点火内燃機関は、吸気二弁式であるために、燃料噴射弁7には、二つの噴孔7aが形成され、図1及び図2に示すように、各噴孔7aはリフトした各吸気弁3の直下側へ向けられている。
【0020】
このような噴孔7aから噴射される柱状の燃料は、先拡がり形状の燃料噴霧に比較して同じ噴射圧でも貫徹力が強くなる。それにより、噴射燃料10は、前述した吸気流f1によってシリンダ内壁側へ押戻されることがなく、リフトした各吸気弁3の直下側へ向かう。こうして、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、柱状の噴射燃料は、飛行中において気筒内の吸気との摩擦によって徐々に微粒化及び気化し、各吸気弁3の直下側には、微粒化又は気化した燃料を位置させることができる。前述したように気筒内へ流入した吸気流は、当初、各吸気弁3の直下側回りを通過するが、その後には、図1に矢印で示すように、ピストン頂面を介して各吸気弁3の直下側へ向かって流入するために、この吸気流によって各吸気弁3の直下側の燃料は攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0021】
図4は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第二実施形態を示す概略縦断面図であり、図5は図4の気筒上壁の底面図である。第一実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態の燃料噴射弁7’は、図17及び18の従来例と同様に、燃料を先拡がりの扇形状又は円錐形状の燃料噴霧として噴射するものである。そのために、噴孔7a’は、噴霧形状に合わせた先拡がりの貫通穴として形成され、又は、噴孔7a’へ流入する直前の燃料に旋回速度成分を付与するような工夫がされている。噴孔7a’の位置は、気筒上部周囲の吸気弁側ではなく、気筒上部の二つの吸気弁用気筒内開口の間の最小離間部近傍とされている。
【0022】
それにより、燃料噴射弁7’から噴射される燃料は、貫徹力が弱くても、前述の吸気流f1に影響されることはなく、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。また、図18に示すように、この噴孔7a’位置近傍において、二つの吸気弁3の傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流f2は、互いに衝突して乱れを発生させるために、噴孔7a’から噴射された先拡がりの燃料噴霧は、それ自身で微粒化され易いことに加えて、この乱れによって十分に攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0023】
図6は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第三実施形態を示す概略縦断面図である。第二実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態の燃料噴射弁7’は、第二実施形態と同様に燃料を先拡がりの燃料噴霧として噴射するものであり、噴孔位置は気筒上部周囲の吸気弁側とされている。しかしながら、従来例とは異なり、吸気弁3’の傘部の周囲は、滑らかなU字形断面を有するように形成されている。それにより、図6に矢印で示すように、各吸気弁3’の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流は、傘部の周囲から剥離し難く、コアンダ効果によってリフトされた吸気弁3’の直下側へ回り込むようにされている。
【0024】
こうして、燃料噴射弁7’から噴射される燃料は、貫徹力が弱くても、前述の吸気流f1が吸気弁3’の直下側へ回り込むようにされて噴射燃料をシリンダ内壁へ押戻すようには作用しないために、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。また、噴孔7a’から噴射された先拡がりの燃料噴霧10’は、それ自身で微粒化され易いことに加えて、燃料噴霧10’の近傍には、各吸気弁3’の直下側へ回り込む吸気流が存在するために、この吸気流によって十分に攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0025】
図7は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第四実施形態を示す概略縦断面図であり、図8は図7の気筒上部の底面図である。第三実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態において、各吸気弁3”の傘部には、放射状に位置する複数のフィン3a”が設けられ、これらのフィン3a”によって二つの吸気弁3”の傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流には、互いに反対方向の吸気弁軸線回りの旋回速度成分が付与されるようになっている。各吸気弁3”の傘部におけるフィンの配置は、特に、二つの吸気弁3”の間においては、気筒上部周囲の燃料噴射弁7’の噴孔7a’側が上流となる吸気流を発生させるように選択されている。
【0026】
それにより、燃料噴射弁7’から噴射される燃料は、貫徹力が弱くても、前述の吸気流f1には吸気弁軸線回りの旋回速度成分が付与され、噴射燃料10’をシリンダ内壁へ押戻すようには作用しないために、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。また、噴孔7a’から噴射された先拡がりの燃料噴霧10’は、それ自身で微粒化され易いことに加えて、二つの吸気弁3”の間において噴孔7a’側を上流とする吸気流が存在するために、この吸気流によって十分に攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0027】
図9は、本第四実施形態の変形例であり、各吸気弁3”の傘部に配置されたフィン3a”が、噴孔7a’の近傍だけに設けられている。フィン3a”は、吸気弁3”の傘部に沿う吸気流へ強制的に旋回速度成分を付与するものであるために、僅かではあるが吸気の吸入抵抗となる。従って、このような構成により、吸入抵抗を低減して、前述同様に、噴射燃料がシリンダ内壁へ押戻されることがないように前述の吸気流f1へ吸気弁軸線回りの旋回速度成分を付与することができる。この場合において、各吸気弁3”には、軸線方向の移動(リフト)を許容して、軸線回りの回転を防止するようなキー形状等の回り止めを設ける必要がある。
【0028】
図10は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第五実施形態を示す概略縦断面図であり、図11は図10の気筒上壁の底面図である。第三実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態において、各吸気弁3は従来例と同じであるが、気筒上部周囲の吸気弁側に位置する燃料噴射弁7’の噴孔7a’の近傍部分9は、下方へ隆起しており、吸気弁3のリフト時においても傘部における噴孔側は開弁しないようにしている。
【0029】
それにより、図11に示すように、燃料噴射弁7’の噴孔7a’側へ向かう吸気流f1が発生しない。こうして、燃料噴射弁7’から噴射される燃料は、貫徹力が弱くても、シリンダ内壁へ押戻されるようなことはなく、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。また、噴孔7a’から噴射された先拡がりの燃料噴霧は、それ自身で微粒化され易いことに加えて、第二実施形態と同様に、二つの吸気弁3の間で互いに衝突する吸気流によって発生する乱れによって十分に攪拌され、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0030】
図12は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第六実施形態を示す概略縦断面図であり、図13は図12のピストン平面図である。第一実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態の燃料噴射弁7”は、第一実施形態の燃料噴射弁7と同様に燃料を柱状に噴射するものであるが、形成された噴孔は一つであり、この噴孔はピストン5’頂面の吸気弁側に偏在して設けられた偏向部分11へ向けられている。
【0031】
図14は偏向部分11のA−A拡大断面図であり、図15は偏向部分11のB−B拡大断面図である。燃料噴射弁7”から噴射される柱状の燃料は、先拡がり形状の燃料噴霧に比較して同じ噴射圧でも貫徹力が強くなる。それにより、噴射燃料10”は、前述した吸気流f1によってシリンダ内壁側へ押戻されることがなく、ピストン頂面の偏向部分11へ向かう。こうして、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、柱状の噴射燃料10”は、飛行中において気筒内の吸気との摩擦によって徐々に微粒化及び気化し、偏向部分11の幅方向中央に形成された楔部11aに衝突して二つに分流される。
【0032】
偏向部分11は、両側において楔部11aに滑らかに接続された二つの円弧状底部を有し、これら二つの円弧状底部は楔部11aによって分流された噴射燃料をそれぞれに上方へ偏向する。こうして、偏向部分11は、徐々に微粒化及び気化している噴射燃料へピストン熱を与えると共に、これを二つに分割して気筒内へ分散させるために、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0033】
燃料噴射弁7”は、気筒軸線と平行に燃料を噴射するのではなく、ピストン中心側へ傾斜して燃料を噴射する。それにより、ピストン位置に係らずに噴射燃料を常に偏向部分11の楔部へ衝突させるためには、図13及び図15に示すように、楔部11aを含めて偏向部分11は、ピストン中心側へ延在させることが必要となる。このように延在する楔部11aに対して、噴射燃料は楔部11aに対する衝突位置近傍において楔部11aの両側から上方へ偏向されることとなる。この際に、二つの円弧状底部へ分割された燃料が、図15に示すように、それぞれの円弧状底部上をピストン中心側及びシリンダボア側へ向けて進行することがあるが、それぞれの円弧状底壁部の両端は、これらの燃料を上方へ偏向させるような部分球形状を有しているために、噴射燃料は、偏向部分内において確実に上方へ偏向されることとなる。
【0034】
図16は、本第六実施形態における偏向部分の変形例を示している。本変形例11’では、楔部は設けられておらず、前述の偏向部分11における一方の円弧状底壁に対応する形状とされている。このような偏向部分11’において、柱状の噴射燃料10”は、円弧状底壁の一方側に衝突し、これを他方側から上方へ偏向するようになっている。こうして偏向される噴射燃料は、飛行中において既に微粒化されており、さらに、偏向部分11’においてピストン熱が与えられて非常に気化し易くなっているために、第一実施形態において説明した吸気流によって、圧縮行程末期の点火時期までには、十分に均質化された良好な均質混合気を形成することができる。
【0035】
前述した全ての実施形態において、例えば、冷却水温が設定温度以上である機関温間時で必要燃料量がそれほど多くない低回転低負荷側の運転領域では、燃料噴射弁から圧縮行程で燃料を噴射して点火プラグ近傍だけに可燃混合気を形成する成層燃焼を実施するようにしても良い。
【0036】
【発明の効果】
このように、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程においてリフトした吸気弁の直下側へ向けて柱状の燃料を噴射するようになっている。それにより、噴射圧を比較的低くしても、噴射燃料の貫徹力は比較的強くなり、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流によって噴射燃料がシリンダ内壁側へ押戻されてシリンダ内壁へ付着することは防止される。さらに、飛行中に微粒化されて吸気弁の直下側へ到達した燃料は、吸気弁の直下側回りを通過した後に、ピストン頂面を介して吸気弁の直下流側へ流入する吸気流によって攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0037】
また、本発明によるもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程においてピストン頂面の偏向部分へ向けて柱状の燃料を噴射するようになっている。それにより、噴射圧を比較的低くしても、噴射燃料の貫徹力は比較的強くなり、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流によって噴射燃料がシリンダ内壁側へ押戻されてシリンダ内壁へ付着することは防止される。さらに、飛行中に微粒化され、ピストン頂面の偏向部分から受熱して偏向部分の上方へ偏向された燃料は、吸気弁の直下側回りを通過した後にピストン頂面を介して吸気弁の直下流側へ流入する吸気流によって攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0038】
また、本発明によるさらにもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部における二つの吸気弁用気筒内開口の間の最小離間部近傍に位置する噴孔から吸気行程において燃料を噴射するようになっている。それにより、噴射圧を比較的低くして噴射燃料の貫徹力が弱くなっても、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入して噴射燃料をシリンダ内壁側へ押戻す吸気流に影響されることはなく、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、噴孔位置近傍において、二つの吸気弁の傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流は、互いに衝突して乱れを発生させるために、燃料噴霧は、この乱れによって十分に攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0039】
また、本発明によるさらにもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程において燃料を噴射するが、気筒上部の噴孔の近傍部分は下方へ隆起して、吸気弁リフト時においても吸気弁傘部における噴孔側は開弁しないようにしている。それにより、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流のうちで燃料噴射弁の噴孔側へ向かう吸気流は発生せず、噴射圧を比較的低くして噴射燃料の貫徹力が弱くなっても、シリンダ内壁へ押戻されることによるシリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、噴射燃料は、吸気弁の直下側回りを通過してピストン頂面を介して吸気弁の下側回りへ流入する空気流によって、及び、吸気二弁式の場合には、二つの吸気弁の間で互いに衝突する吸気流によって発生する乱れによって十分に攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0040】
また、本発明によるさらにもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程において燃料を噴射するが、吸気弁傘部の周囲は、吸気弁リフト時に吸気弁傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流が吸気弁直下側へ回り込むように滑らかなU字形断面を有している。それにより、吸気弁の傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流は、傘部の周囲から剥離し難く、コアンダ効果によってリフトされた吸気弁の直下側へ回り込むようになって噴射燃料をシリンダ内壁へ押戻すようには作用しないために、噴射圧を比較的低くして噴射燃料の貫徹力が弱くなっても、シリンダ内壁へ押戻されることによるシリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、噴射燃料は、その近傍に吸気弁の直下側へ回り込む吸気流が存在するために、この吸気流によって十分に攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【0041】
また、本発明によるさらにもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関は、均質燃焼に際して、燃料噴射弁が、気筒上部周囲における吸気弁側に位置する噴孔から吸気行程において燃料を噴射するが、二つの吸気弁の傘部には、吸気弁リフト時に二つの傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流に互いに反対方向の旋回成分を付与するフィンが設けられて、二つの吸気弁の間において噴孔側を上流とする吸気流を発生させるようになっている。それにより、噴射圧を比較的低くして噴射燃料の貫徹力が弱くなっても、前述のように吸気弁軸線回りの旋回速度成分が付与された吸気流は、噴射燃料をシリンダ内壁へ押戻すようには作用しないために、シリンダ内壁への燃料付着を防止することができる。さらに、噴射燃料は、二つの吸気弁の間において噴孔側を上流とする吸気流が存在するために、この吸気流によって十分に攪拌され、良好な均質混合気を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【図3】図1の筒内噴射式火花点火内燃機関における燃料噴射弁の先端部の拡大断面図である。
【図4】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第二実施形態を示す概略縦断面図である。
【図5】図4の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【図6】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第三実施形態を示す概略縦断面図である。
【図7】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第四実施形態を示す概略縦断面図である。
【図8】図7の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【図9】図7の筒内噴射式火花点火内燃機関の変形例を示す気筒上部の底面図である。
【図10】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第五実施形態を示す概略縦断面図である。
【図11】図10の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【図12】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第六実施形態を示す概略縦断面図である。
【図13】図12の筒内噴射式火花点火内燃機関におけるピストン平面図である。
【図14】図13におけるA−A拡大断面図である。
【図15】図13におけるB−B拡大断面図である。
【図16】図12の筒内噴射式火花点火内燃機関の変形例を示す図14に相当する偏向部分の拡大断面図である。
【図17】筒内噴射式火花点火内燃機関の従来例を示す概略縦断面図である。
【図18】図17の筒内噴射式火花点火内燃機関における気筒上部の底面図である。
【符号の説明】
1…吸気ポート
2…排気ポート
3,3’,3”…吸気弁
4…排気弁
5,5’…ピストン
6…点火プラグ
7,7’…燃料噴射弁
Claims (8)
- 気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して、吸気行程においてリフトした吸気弁の直下側へ向けて前記噴孔から柱状の燃料を噴射することを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
- 気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して、吸気行程においてピストン頂面の偏向部分へ向けて前記噴孔から柱状の燃料を噴射し、前記偏向部分は前記燃料を上方へ偏向させることを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
- 前記偏向部分は、前記燃料を分流させるための楔部を有し、前記楔部によって分流させた前記燃料をそれぞれに上方へ偏向することを特徴とする請求項2に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
- 気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部における二つの吸気弁用気筒内開口の間の最小離間部近傍に位置し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
- 気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、前記気筒上部の前記噴孔の近傍部分は下方へ隆起して、吸気弁リフト時においても吸気弁傘部における前記噴孔側は開弁しないようにし、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
- 気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、吸気弁傘部の周囲は、吸気弁リフト時に前記吸気弁傘部に沿って放射状に気筒内へ流入する吸気流が吸気弁直下側へ回り込むように滑らかなU字形断面を有し、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
- 気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁の噴孔は、気筒上部周囲における吸気弁側に位置し、二つの吸気弁の傘部には、吸気弁リフト時に二つの前記傘部に沿って気筒内へ流入する吸気流に互いに反対方向の吸気弁軸線回りの旋回速度成分を付与するフィンが設けられて、前記二つの吸気弁の間において前記噴孔側を上流とする吸気流を発生させ、前記燃料噴射弁は、均質燃焼に際して吸気行程において前記噴孔から燃料を噴射することを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
- 前記二つの吸気弁は軸線回りの回り止めがされており、前記フィンは、前記二つの傘部における前記噴孔近傍だけに設けられていることを特徴とする請求項7に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
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A621 | Written request for application examination |
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