JP2004225074A - 線材の連続蒸着装置 - Google Patents

線材の連続蒸着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004225074A
JP2004225074A JP2003011627A JP2003011627A JP2004225074A JP 2004225074 A JP2004225074 A JP 2004225074A JP 2003011627 A JP2003011627 A JP 2003011627A JP 2003011627 A JP2003011627 A JP 2003011627A JP 2004225074 A JP2004225074 A JP 2004225074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
pulleys
pair
vapor deposition
pulley
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003011627A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhiko Kawaguchi
川口晴彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ROCK GIKEN KOGYO CO Ltd
Original Assignee
ROCK GIKEN KOGYO CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ROCK GIKEN KOGYO CO Ltd filed Critical ROCK GIKEN KOGYO CO Ltd
Priority to JP2003011627A priority Critical patent/JP2004225074A/ja
Publication of JP2004225074A publication Critical patent/JP2004225074A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】1対のプーリ部の間を複数回往復する線材に蒸着膜を連続的に形成する蒸着装置において、線材の弛みと捩れを防止すること。
【解決手段】線材40は、供給スプール121aから供給され、プーリ部20a,20bの間を複数回往復し、その往復の間に蒸着されて巻取りスプール121bに巻き取られる。フリープーリ211〜21nは、線材40の1巻回毎に独立して回転する。蒸着時の加熱により線材40が伸張し、巻回毎の伸張量が異なっても、各フリープーリは、その伸長量に対応して回転速度が変わるから、線材40の張力は均一になり、線材40が弛むことはない。また線材40は、行きと帰りで経路が異なるが、各フリープーリは、回転軸22に対して傾くことができるから、捩れることがない。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法等の物理的蒸着法により、線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一対のロール部の間に線材を複数回巻回して、線材に連続的に蒸着膜を形成する蒸着装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
従来の線材の連続蒸着装置を図6、図7により説明する。
【0003】
まず図6について説明する。
一対のロール部50a,50bの間に線材60を複数回巻回してある。またロール部50a,50bの間には、蒸着源(或いはターゲット)53を配置してある。線材60は、供給スプール(図示せず)から供給され、ロール部50a,50bの間を複数回往復して順次移動し、巻取りスプール(図示せず)に巻き取られる。線材60は、ロール部50a,50bの間を複数回往復して移動する間に、蒸着源53から飛散する蒸着材料によって蒸着膜が順次形成され積層される。
ロール部50a,50bは、同じ構成で、夫々複数個(4個)のロール511〜514と回転軸52からなる。線材60は、ロール部50a、50bの対向する1個のロール(例えば両ロール部のロール511)に複数回(3回)巻回してある。
【0004】
図7は、図6のロールと線材の拡大図で、図7(a)は、ロールの形状と線材の往復経路を示し、図7(b)は、蒸着膜を形成した線材の斜視図を示し、図7(c)、(d)は、図7(b)のY1−Y1部分とY2−Y2部分の矢印方向の断面図を示す。
ロール部50a,50bの各ロール(ロール511のみ示す)には、図7(a)のように、線材60を案内するリング状の溝51k1〜51k3を複数個(3個)形成してある。溝51k1〜51k3は、曲面をなしている。線材60は、ロール部50aからロール部50bへ進み、ロール部50bからロール部50aへ戻る。この際、線材60は、ロール部50aからロール部50bへ進むとき、両ロール部のロール511の1番目の溝51k1を通るが、ロール部50bからロール部50aへ戻ったとき、ロール部50aのロール511の2番目の溝51k2へ移る。そして次に戻ったときは、3番目の溝51k3へ移る。
【0005】
このように線材60は、1巻回(1往復)毎に隣の溝51k1〜51k3へ移るため、行きと帰りで異なる経路を通る。即ち線材60は、図7(a)において、行きと帰りの経路に開きがあり、回転軸52の長手方向へ位置がずれる。その結果線材60は、溝51k1〜51k3の中心(底部)から外れて溝の一方の側面に片寄って接触するため、捩れが生じる。線材60は、捩れた状態で蒸着されるため、蒸着膜は、図7(b),(c),(d)ように捩れた位置に形成される。即ち線材60の基材61に形成される蒸着膜62は、基材61の中心線を回る方向に捩れた位置に形成されるため、図7(c)、(d)のように基材61の円周上の位置がずれてしまう。
【0006】
またロール511は、線材60を複数回(3回)巻回した状態で回転するから、ロール511に巻回された線材60の各巻回の移動量は同じになり、その移動量は、巻回毎に変えることができない。したがって蒸着時等の加熱により線材60が伸張し、その伸張量が巻回毎に異なる場合でも、線材60の各巻回の移動量は同じになる。その結果線材60の各巻回の伸張量の違いにより1部の巻回(例えば伸長量の大きい巻回)に弛みが生じる。その弛みにより線材60に形成された蒸着膜62の膜厚は、不均一になる。
【0007】
図6、図7は、断面が円形の線材を例に説明したが、超伝導用線材のように断面が四角形のテープ状線材の場合には、線材の捩れは一層大きくなる。超伝導用線材は、長さ数十メートルのテープ状基材に中間層を蒸着により形成するが、基材に捩れが生じると、蒸着工程の途中から蒸着面が変わったり、或いは蒸着面とイオンビームの角度が変わったりするため、中間層の膜厚が不均一になり、かつ中間層の配向性が悪くなる等の問題が生じる。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−136538号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、前記した従来の線材の連続蒸着装置における線材の弛み、捩れを防止して、線材の全長にわたって蒸着膜を所定の位置に形成することができ、かつ膜厚が均一で、配向性の優れた蒸着膜を形成することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の線材の連続蒸着装置は、線材を複数回巻回する1対のプーリ部及び蒸着源を備え、その線材がその1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立していることを特徴とする。
請求項2に記載の線材の連続蒸着装置は、線材を複数回巻回する1対のプーリ部及び蒸着源を備え、その線材がその1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立し、前記回転軸の回転力を軸受のシール部材を介して前記各フリープーリへ伝達することを特徴とする。
請求項3に記載の線材の連続蒸着装置は、線材を複数回巻回する1対のプーリ部、蒸着源、及びその1対のプーリ部の間にその線材が接触するように設けた線材予熱ヒータ又は線材冷却装置を備え、前記線材が前記1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立していることを特徴とする。
請求項4に記載の線材の連続蒸着装置は、線材を複数回巻回する1対のプーリ部、蒸着源、その1対のプーリ部の間にその線材が接触するように設けた線材予熱ヒータ又は線材冷却装置、及び前記1対のプーリ部の間に設けた線材搬送用のベルトを備え、前記線材が前記1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立していることを特徴とする。
請求項5に記載の線材の連続蒸着装置は、線材を複数回巻回する1対のプーリ部、蒸着源、その1対のプーリ部の間にその線材が接触するように設けた線材予熱ヒータ、前記1対のプーリ部の間に設けた線材搬送用のベルト、及びそのベルト用のベルト予熱ヒータを備え、前記線材が前記1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立していることを特徴とする。
請求項6に記載の線材の連続蒸着装置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の線材の連続蒸着装置において、前記各フリープーリは、前記回転軸に対して傾くことができることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図5により本願発明の実施の形態を説明する。各図に共通の部分は同じ符号を使用している。
図1、図2は、本願発明の実施の形態に係る線材の連続蒸着装置の概略を示す図で、図1は、平面図、図2は、図1のX3−X3部分の矢印方向の正面図である。
【0012】
線材の連続蒸着装置は、真空蒸着室10内に、一対の同じ構造のプーリ部20a,20b、一対の同じ構造の円柱状のベルト駆動プーリ31a,31b、線材搬送用の環状のスチールベルト11、熱源を内蔵したベルト予熱ヒータ12、熱源を内蔵した線材予熱ヒータ13、蒸着源(或いはターゲット)24、線材供給用スプール121a、線材巻取り用スプール121b、線材の張力検出器122a,122b、テープ状の線材40を配置してある。
【0013】
供給用スプール121a、巻取り用スプール121bは、回転軸123a,123bに固定され、回転軸123a,123bは、モータ124a,124bによって駆動される。モータ124a,124bは、制御部(図示せず)の制御により回転方向が反転し、巻取り用スプール121bは供給用に、供給用スプール121aは巻取り用に使用することもできる。ここで125a,125bは、回転軸123a,123bを支持する気密軸受である。
【0014】
線材40の基材(後述する)は、供給用スプール121aから供給され、蒸着膜が形成されて、巻取り用スプール121bに巻き取られる。この際、張力検出器122a,122bは、線材40の張力を検出し、その検出値をモータ124a,124bの制御部(図示せず)へ送る。その制御部は、線材40の張力が所定の範囲に維持されるように、モータ124a,124bを制御する。
【0015】
プーリ部20a,20bは、n個のフリープーリ211〜21nからなる、いわゆる多連(n連)構造からなる。本実施の形態は、n=15、即ち15連構造を採用したが、15個以上、或いは15個以下であってもよい。
プーリ部20aとプーリ部20bの間には、線材40をn回巻いてあるが、フリープーリ211〜21nは、1個1個独立しており、線材40の1往復毎に1個のフリープーリを割り当ててある。
【0016】
各フリープーリ211〜21nは、夫々回転軸22に回転自在に取り付けられ、夫々独立して回転できる。また各フリープーリ211〜21nは、夫々後述する接触シール式軸受のシール部材による摩擦結合によって回転軸22から回転力(トルク)が伝達され、線材40を円滑に移動する。その際、線材40の張力が一定以上になったフリープーリは、シール部材による摩擦抵抗に抗して独自に回転できる。
回転軸22は、減速機223を介してモータ224により回転する。モータ224の回転数は、フリープーリ211〜21nの周速が線材40の移動速度の20〜30%増しになるように、制御部(図示せず)によって制御する。この場合、フリープーリ211〜21nは、後述する接触シール式軸受を介して回転軸22の回転力が伝達されるから、プーリ部20aとプーリ部20bの間に張られた線材40に弛みを生じる程の回転力は伝達されない。ここで221は気密軸受、222は軸受である。
【0017】
また線材40は、蒸着時の加熱により伸張し、その伸張量が巻回毎に異なる場合がある。このような場合にも、フリープーリ211〜21nは、線材40の巻回毎に夫々独立して回転するから、各フリープーリの回転速度は、線材40の各巻回毎の伸張量に対応して変化する。したがって線材40の各巻回の張力は、均一になり、線材40が弛むことはない。
【0018】
線材40は、線材予熱ヒータ13に接触して移動し、その移動の間に蒸着源24から飛散する蒸着材料によって蒸着膜が順次形成され積層される。その際線材40は、線材予熱ヒータ13によって蒸着に適した所定の温度に加熱され、蒸着膜の形成を適切に促進する。
【0019】
線材40は、線材予熱ヒータ13に接触して移動するから、線材予熱ヒータ13との接触抵抗があり、特に線材40の巻回数が多い場合にはその接触抵抗が大きくなり、線材40の円滑な移動に影響するようになる。そこで、線材搬送用の環状のスチールベルト11を設け、そのスチールベルト11を一対のベルト駆動スプール31a,31bにより回転して、線材40の移動を補助して線材40が円滑に移動するように構成してある。ベルト駆動スプール31a,31bは、回転軸32に固定してあり、回転軸32によって回転する。回転軸32は、減速機323、クラッチ325を介してモータ324により回転する。クラッチ325は、スチールベルト11の移動方向を反転するとき、制御部(図示せず)の制御によって切り換える。ここで321は気密軸受、322は軸受である。
スチールベルト11を設けると、線材40は、スチールベルト11に熱を奪われるため、ベルト予熱ヒータ12を設けてスチールベルト11を加熱している。
【0020】
線材40は、線材予熱ヒータ13に接触してスチールベルト11とともに移動するため、仮に移動の途中で線材40に小さな捩れが生じても、その捩れは、線材予熱ヒータ13の接触面において平らになり、修正される。したがって線材40の蒸着面は、蒸着源24のイオンビームに対して常に所定の角度に保たれる。またスチールベルト11は、線材予熱ヒータ13を覆っているから線材予熱ヒータ13が蒸着されるのを防止する機能も有する。
なお線材予熱ヒータ13は、スチールベルト11が接触する面に回転自在のローラを複数設けてもよい。その場合には、スチールベルト11及び線材40はより円滑に移動する。また線材40は、加熱するよりも冷却する方がよい場合もあるが、その場合には、線材予熱ヒータ13を線材冷却装置に置き換える。
【0021】
図3は、図1、図2のフリープーリと線材の拡大図で、図3(a)は、図1のX1−X1部分の矢印方向の断面図、図3(b)は、線材の斜視図である。
フリープーリ211〜21nの周辺部には、線材40の案内用の溝21kをリング状に形成してある。溝21kの断面は、ほぼ四角形で、その溝21kにテープ状の線材40が係合する。23は、円筒状のスペーサーである。
供給スプールから供給される線材40は、基材41のみであるが、巻取りスプールに巻き取られるときは、蒸着膜42が形成され積層されて図3(b)のようになる。
【0022】
図4は、フリープーリの傾きについて説明する図である。
ここではフリープーリ21nを例に説明するが、他のフリープーリについても同様である。
フリープーリ21nは、通常は図4(a)のように、回転軸22或いはその中心線X2−X2に対して直角になり、溝21kの上部21kuと下部21kdは、中心線X2−X2上の同じ位置にあるが、図4(b)或いは図4(c)のように、中心線X2−X2に対して傾くことができる。例えば図4(b)において、線材40が溝21kの上部21kuに入り、下部21kdから出て斜め右方向へ進む場合、フリープーリ21nは、同図のように傾き、溝21kの上部21kuと下部21kdの位置は、中心線X2−X2上の左右にずれる。したがって従来のように線材40に捩れが生じることはない。図4(c)において、線材40が溝21kの上部21kuに入り、下部21kdから出て斜め左方向へ進む場合には、フリープーリ21nは、図4(c)のように傾く。
各フリープーリは、例えば直径210mmで、間隔を1mmに程度に設定する。
【0023】
図5は、フリープーリの軸受について説明する図である。
ここではフリープーリ211,212を例に説明するが、他のフリープーリについても同様である
図5(a)は、接触シール式の深溝玉軸受を用いた例であり、図5(b)は、接触シール式の自動調心軸受を用いた例である。
【0024】
まず図5(a)について説明する。フリープーリ211,212は、中心に回転軸22を通す孔部21hを有し、その孔部21hの内面にリング状の凹部を形成してある。そのリング状の凹部に外輪261を固定し、回転軸22に内輪262を固定し、外輪261と内輪262の間にボール263を介在させてある。また外輪261と内輪262には、金属、ゴム等からなる環状のシール部材264を取り付けてある。シール部材264は、外輪261と内輪262に接触するように、例えば外輪261、内輪262の一方或いは双方に凹部を形成し、その凹部にはめ込むように取り付けてある。外輪261と内輪262は、シール部材264により摩擦結合されていて、回転軸22の回転力は、内輪262、シール部材264、外輪261を介してフリープーリ211,212へ伝達される。フリープーリ211,212の一方或いは双方の線材の張力が所定以上になると、そのフリープーリは、シール部材264の摩擦抵抗に抗して独自に回転する。フリープーリ211,212は、ボール263を支点として図の左右に傾くことができる。23は、円筒状のスペーサーである。
【0025】
次に図5(b)について説明する。図5(b)の場合、外輪261は、内輪262と対向する面を球面(曲面)状に形成し、その外輪261と内輪262の間にボール263を介在させてある。外輪261、内輪262及びボール263は、いわゆる自動調心軸受と同様の機能を有する。フリープーリ211,212が回転軸22の中心線の方向に移動すると、外輪261は内輪262に対して回転する方向に傾くから、フリープーリ211,212も傾く。図5(b)は、ボール263が2個(2列)の例であるが、1個(1列)であってもよい。シール部材264は、図5(a)と同様である。23は、円筒状のスペーサーである。
軸受は、図5(a)、図5(b)の例に限らず他の接触シール式軸受を用いることができる。
本願発明は、図5(a)、図5(b)のように、軸受のシール部材を回転力の伝達手段に兼用するから回転力伝達手段を別途設ける必要がない。
【0026】
前記実施の形態は、断面が四角形のテープ状の基材に蒸着膜を形成した線材について説明したが、本願発明は、前記基材を含め蒸着膜を形成するテープ状部材を線材と呼ぶ。また線材は、断面が四角形のテープ状のものに限らず、断面が円形、楕円形等の線状のものでもよい。
また前記実施の形態は、線材予熱ヒータ或いは線材冷却装置を設けた例について説明したが、それらは、必要に応じて設ければよい。
本願発明は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法等の物理的蒸着法に適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
本願発明のフリープーリは、線材の1巻回毎に独立し、回転軸に回転自在に取り付けてあるから、蒸着時等の加熱により線材が伸張し、その伸張量が線材の巻回毎に異なる場合にも、各巻回の伸張量に対応して回転速度が変わる。したがって線材の張力は、常に均一になり、線材が弛むことはない。
本願発明の各フリープーリは、線材の1巻回毎に独立し、回転軸に回転自在に取り付けてあるから、回転軸に対して左右に傾くことができる。したがって線材は、一対のプーリ部の間を捩れることなく往復する。
本願発明は、前記のように線材の弛み、捩れを防止できるから、線材の所定の位置に正確に蒸着膜を形成することができ、かつ膜厚の均一な、配向性の優れた蒸着膜を形成することができる。
【0028】
本願発明は、線材予熱ヒータ或いは線材冷却装置を設けているから、線材を蒸着に適した温度に加熱或いは冷却できる。また線材は、線材予熱ヒータ或いは線材冷却装置に接触して移動するから、線材の移動過程で小さな捩れが生じても、その捩れは、線材予熱ヒータ或いは線材冷却装置の接触面において平らになり、線材の蒸着面は、イオンビームの方向と常に所定の角度を保つことができる。したがって線材がテープ状の場合にも、線材の所期の位置に正確に蒸着膜を形成することができ、かつ膜厚の均一な、配向性の優れた蒸着膜を形成することができる。
【0029】
本願発明は、線材搬送用のベルトを設けているから、線材を線材予熱ヒータ或いは線材冷却装置に接触させても、線材を円滑に移動させることができる。またベルト予熱ヒータによりベルトを加熱することによって、ベルトによる線材の温度低下を防止することができる。
本願発明は、軸受のシール部材を、フリープーリの回転力伝達手段に兼用しているから、その回転力伝達手段を別途設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る線材の連続蒸着装置の概略を示す平面図である。
【図2】本願発明の実施の形態に係る線材の連続蒸着装置の概略を示す正面図である。
【図3】本願発明の実施の形態に係るプーリ部と線材の拡大図である。
【図4】本願発明の実施の形態に係るフリープーリの傾きを説明する図である。
【図5】本願発明の実施の形態に係るフリープーリの軸受を示す図である。
【図6】従来の線材の連続蒸着装置の概略を示す平面図と正面図である。
【図7】従来のロール部と線材の拡大図である。
【符号の説明】
10 真空蒸着室
11 スチールベルト
12 ベルト予熱ヒータ
13 線材予熱ヒータ
121a,121b スプール
122a,122b 線材の張力検出器
123a,123b 回転軸
124a,124b モータ
20a,20b プーリ部
211〜21n フリープーリ
21k 溝
22 回転軸
223 減速機
224 モータ
23 スペーサー
24 蒸着源或いはターゲット
261 外輪
262 内輪
263 ボール
264 シール部材
31a,31b ベルト駆動スプール
32 回転軸
323 減速機
324 モータ
325 クラッチ
40 線材

Claims (6)

  1. 線材を複数回巻回する1対のプーリ部及び蒸着源を備え、その線材がその1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立していることを特徴とする線材の連続蒸着装置。
  2. 線材を複数回巻回する1対のプーリ部及び蒸着源を備え、その線材がその1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立し、前記回転軸の回転力を軸受のシール部材を介して前記各フリープーリへ伝達することを特徴とする線材の連続蒸着装置。
  3. 線材を複数回巻回する1対のプーリ部、蒸着源、及びその1対のプーリ部の間にその線材が接触するように設けた線材予熱ヒータ又は線材冷却装置を備え、前記線材が前記1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立していることを特徴とする線材の連続蒸着装置。
  4. 線材を複数回巻回する1対のプーリ部、蒸着源、その1対のプーリ部の間にその線材が接触するように設けた線材予熱ヒータ又は線材冷却装置、及び前記1対のプーリ部の間に設けた線材搬送用のベルトを備え、前記線材が前記1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立していることを特徴とする線材の連続蒸着装置。
  5. 線材を複数回巻回する1対のプーリ部、蒸着源、その1対のプーリ部の間にその線材が接触するように設けた線材予熱ヒータ、前記1対のプーリ部の間に設けた線材搬送用のベルト、及びそのベルト用のベルト予熱ヒータを備え、前記線材が前記1対のプーリ部の間を移動する間に前記線材に蒸着膜を形成する線材の連続蒸着装置において、前記各プーリ部は、回転軸とその回転軸に回転自在に取り付けた複数のフリープーリとからなり、その各フリープーリは前記線材の1巻回毎に独立していることを特徴とする線材の連続蒸着装置。
  6. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の線材の連続蒸着装置において、前記各フリープーリは、前記回転軸に対して傾くことができることを特徴とする線材の連続蒸着装置。
JP2003011627A 2003-01-20 2003-01-20 線材の連続蒸着装置 Pending JP2004225074A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003011627A JP2004225074A (ja) 2003-01-20 2003-01-20 線材の連続蒸着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003011627A JP2004225074A (ja) 2003-01-20 2003-01-20 線材の連続蒸着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004225074A true JP2004225074A (ja) 2004-08-12

Family

ID=32900473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003011627A Pending JP2004225074A (ja) 2003-01-20 2003-01-20 線材の連続蒸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004225074A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2055802A1 (en) * 2007-10-31 2009-05-06 Korea Electro Technology Research Institute Deposition Equipment with Guide Roller for Long Superconducting Tape
CN110923652A (zh) * 2019-12-26 2020-03-27 北京大学深圳研究院 一种丝材表面涂层磁控溅射连续沉积用装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2055802A1 (en) * 2007-10-31 2009-05-06 Korea Electro Technology Research Institute Deposition Equipment with Guide Roller for Long Superconducting Tape
JP2009108403A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Korea Electrotechnology Research Inst ガイドローラーを備えた長尺テープ用蒸着装置
CN110923652A (zh) * 2019-12-26 2020-03-27 北京大学深圳研究院 一种丝材表面涂层磁控溅射连续沉积用装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7754015B2 (en) Vacuum vapor-deposition apparatus and method of producing vapor-deposited film
US6758109B2 (en) Cam device
JP2011527644A5 (ja)
JP5740244B2 (ja) 有機el素子の製造方法及び製造装置
US8900365B2 (en) Apparatus for depositing material on elongate substrate
JP4472962B2 (ja) 表面処理装置
EP2055802B1 (en) Deposition apparatus with guide roller for long superconducting tape
US8921142B2 (en) Method and apparatus for manufacturing organic EL device
US3884025A (en) Method and apparatus for making SZ-twisted communications cable
US9224953B2 (en) Method and apparatus for manufacturing organic el device
JP2004225074A (ja) 線材の連続蒸着装置
JP2003267532A (ja) ベルトコンベヤ
JP3245999B2 (ja) 連続線材のコーティング装置
KR100960857B1 (ko) 초전도 테이프 이송장치
JPH082820A (ja) 糸条ガイド方法およびその装置
JP2000281251A (ja) 限定された広がりを有する処理領域にあるテープの処理装置および方法
JP2810113B2 (ja) 金属薄帯の搬送及び巻取り装置
KR101034889B1 (ko) 장선 테이프 증착 장치
JPH0559660A (ja) 広角織布の製造方法とその装置
JP3063603B2 (ja) 合糸仮撚り機における張力制御システム
JPH054305B2 (ja)
JP2952420B2 (ja) 材料振れ止め送り装置
JPH07233474A (ja) 巻取式真空成膜装置
JPH0289809A (ja) 移動体ガイド機構
JP3927591B2 (ja) 巻取り装置