JP2952420B2 - 材料振れ止め送り装置 - Google Patents
材料振れ止め送り装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は軸材または管材を回転しながら加工する装置
の材料振れ止め送り装置およびそれを含む装置列に関す
るものである. (従来の技術) 棒材や管材を加工する設備は加工中の材料の運動によ
り,材料回転加工装置(回転加工装置と略称する)と材
料非回転加工装置(非回転加工装置と略称する)に分類
できる.回転加工装置としては加工ローラ軸が回転加工
装置中心軸の周りに捻れたいわゆる傾斜ローラ加工装置
や,センタレス研削装置や,ローラ矯正装置を含む.こ
の種の加工装置のうち遊星ローラ装置は材料を非回転の
まま加工できるとも言えなくはないが,現実にはこの装
置でも材料の回転をそれ自身によって止めるには極めて
高度の制御技術を必要とするので工業化が難しく,材料
は系外の装置によって強引に回転を制止せざるを得な
い.従って遊星ローラ装置も現実には回転加工装置と同
様の問題を含むので回転加工装置として扱う.非回転加
工装置としては平行なローラ組間で加工する種々の加工
機があるが,管材や棒材を加工する場合にはカリバ圧延
機が最も良く知られている. 材料回転加工装置は材料が回転しながら軸方向に進む
ため,材料を支持して誘導する送り装置で打ち疵や擦り
疵を生じた.現在この問題に対する解決法は加工される
材料よりも軟らかい材質の固定式筒型ガイドが知られて
いる.しかし固定式筒型ガイドはすべり摩擦による消耗
が激しく,生産コストが高くつくばかりでなく,材料と
ガイド内径とのクリアランスを大きくとらなければ材料
の回転が不可能であり,この大きなクリアランスによっ
て材料が回転加工装置中心軸から外れて加工精度が悪く
なった.またこのような固定式筒型ガイドはそれ自体に
材料回転機能や送り機能がないことは明らかで,材料の
回転振れは大きく,材料の回転速度や仕上げ長さは著し
く制限されている.また従来の送り装置は材料回転軸に
回転軸を平行にしたローラの外周面を用いるので,回転
する材料との間に必ずすべりを生じて材料に擦り疵を生
じた.このすべりを無くするには回転加工装置と同じよ
うに傾斜したローラ組によって材料を保持すれば良い
が,これのみでは高価で占有面積や設置間隔が大きく,
この傾斜したローラ組のみを並べればコストの点から十
分な効果をあげることは難しい.さらに回転加工装置を
用いた加工作業は極めて高度な熟練を要し,材料を入側
から出側へ加工しながら進めること自体が極めて難し
い. (発明が解決しようとする問題点) 以上のような従来技術の問題点を克服するために,本
発明は回転加工装置において材料の振れを小さくして打
ち疵を発生させず,材料を回転加工装置中心軸上または
その近傍に保って精度の高い加工ができる材料振れ止め
装置を提供することを第1の目的とする.また特に材料
とガイドの回転方向の相対速度が両者の接点に於てほぼ
等しい材料振れ止め送り装置を提供し,材料の擦疵を減
少することを第2の目的とする.さらに材料の振れを小
さくし,作業が容易で材料の前進効率の良い回転加工装
置を提供することを第3の目的とする. (問題点を解決するための手段・作用) 本発明は次のように構成する. 1)本発明は第1図ないし第8図に示すように,回転加
工装置中心軸1の周りに加工ローラ軸2を角度A捻った
加工ローラ組3により材料を回転させて加工する回転加
工装置4の前または後または前後に,環または筒5をそ
の孔内に回転加工装置中心軸1を含んで駆動力または従
動力によって回転できるように保持して配置して構成す
る材料振れ止め送り装置である. 回転加工装置中心軸1の周りに加工ローラ軸2を角度
A捻った加工ローラ組3により加工すると,材料13は必
然的に回転しながら進む.回転加工装置では材料表面の
回転と前進の速度比はほとんどの場合に2以上であり,
回転速度の方が遥かに速い.この様な表面速度成分を持
つ材料をガイドするには,ガイドと材料の接点における
速度ベクトルが一致するのが最も良く,本発明ではガイ
ドとしての環または筒5をその孔内に回転加工装置中心
軸1を含んで駆動力または従動力によって少なくとも回
転できるように保持して配置する. 本発明の基本原理を述べると,第1図ないし第8図に
示すように,回転加工装置中心軸1の周りに加工ローラ
軸2を角度A捻った加工ローラ組3により材料を回転さ
せて加工する回転加工装置4の前または後または前後
に,ガイドとしての環または筒5をその孔内に回転加工
装置中心軸1を含んでベアリング15を介在させて駆動力
または従動力によって回転できるように保持して配置し
て構成する.このとき環または筒5の中心軸8が回転加
工装置中心軸1に対して傾斜していない環または筒を本
発明では「環または筒」と呼び,筒は環に対して長さが
長い.またこれらが傾斜している場合を「傾斜環」と略
称する.本発明の環または筒は材料の振れ止め機能と材
料の回転を妨害しない機能を有し,環または筒5を駆動
すれば材料に積極的に回転を与える機能を有する.この
材料回転効果は環よりも長さの長い筒の方が大きい.傾
斜環ではこれらの機能のほか回転と共に材料に前進の送
りがかかるため,無駆動であっても材料の前進を妨害し
ない機能を持ち,これを駆動すれば積極的に材料を送る
機能を持つ.また何れの場合にもベアリング15は環また
は筒および傾斜環を駆動力または従動力によって回転で
きるように支持する機能と断熱機能を持つ. 本発明で環または筒状のガイドを用いる場合について
説明すると,第1図と第3図に示す様に,環または筒は
その孔内に回転加工装置中心軸1を含んで駆動力または
従動力によって回転できるように保持されている.材料
13を内面で支持する環または筒5を,回転加工装置4に
よって材料13を回転させる方向に駆動すれば,材料13の
ガイドによる抵抗は無くなり,特に問題を生じる材料の
加工開始時や加工終了時には,加工ローラ組3によって
材料に対して十分な回転力が与えられない場合にもこの
回転を補助できるので,作業が容易になる.また加工中
の前進効率,すなはち出側材料前進速度と加工ローラ組
作動面の前進速度成分との比の百分率も大きくなり,加
工速度が増大できる.また擦疵の発生も減少できる. 環または筒を駆動しないで材料に従動回転するように
構成すれば,前記の効果は低減するが,少なくとも材料
回転に対する抵抗が従来の固定式ガイドに対して著しく
低下できるため,本発明は十分な効果を得ることができ
る. 本発明の環または筒は材料の振れ止め時に材料の前進
に抵抗を与えるが,好ましくはこの抵抗を軽減させるた
めに環または筒の内孔と材料の接触面において環または
筒が半径方向または回転軸長方向に振動し,この振動力
によって摩擦抵抗を小さくするか,出側に向かっては材
料前進速度よりやや速い速度で,そして入側に向かって
はこれより遥かに速い速度で環または筒を振動させ,ま
たは微小距離づつ上向きで材料進行方向に材料をほうり
上げて材料に推進力を発生させるのが良い. 本発明の装置は好ましくは,回転加工装置中心軸1の
周りに加工ローラ軸2を角度A捻った加工ローラ組3に
より材料を回転させて加工する回転加工装置4の前また
は後または前後に,環または筒の回転軸8が回転加工装
置中心軸1に対して傾斜した傾斜環5をその孔内に回転
加工装置中心軸1を含んで駆動力または従動力によって
回転できるように保持して配置し,傾斜環5の内面と材
料13との接点6における両者の運動方向がほぼ一致する
ように傾斜環5の回転軸8を傾斜させて構成する材料振
れ止め送り装置である. 回転加工装置中心軸1の周りに加工ローラ軸2を角度
A捻った加工ローラ組3により加工すると,材料13は必
然的に回転する.加工ローラが遊星運動する場合には,
材料の回転を止めることは不可能ではないが,ほとんど
の場合に現実には材料は回転するので材料が回転する限
り本発明の対象となる.本発明装置を構成する傾斜環5
は,回転加工装置中心軸1上に材料13を保てるように孔
内に回転加工装置中心軸1を含み,材料とのすべてを無
くするように所定の方向に傾斜して駆動力または従動力
によって回転できるように保持され,回転加工装置中心
軸1から傾斜環中心8までの距離を複数の水準に変更可
能な機構で位置決めされている.傾斜環5の傾斜の方向
は,第6図と第7図に示す様に,材料13と傾斜環5の接
点6は傾斜環5が最も傾斜している位置またはその近傍
にある.この接点6は一般には最も回転加工装置中心軸
1に近づいている点であるが,材料の重力や回転力の影
響によりこの点からずれることがある.例えば第6図と
第7図の回転加工装置4の入側(図の左側)では傾斜環
5の内面は重力の影響により下方でのみ接している.こ
の場合には傾斜環5の中心の正常な位置は回転加工装置
中心軸1よりも高い位置にあり,回転加工装置中心軸1
から傾斜環5の下方内面までの距離はこの位置における
材料の半径に等しいのが最も良いが,傾斜環5の中心8
をこれより下方にしたとしても材料が送りローラ10で支
持されない限り,依然として傾斜環5の下方内面で材料
13と接する.この入側の例では材料13を回転加工装置中
心軸1上に保てない場合があるが,回転方向と前進方向
の速度比を両者が等しい条件になる様に傾斜環5の姿勢
を設定し,擦り疵を防止する本発明の目的を達成するこ
とができ,この場合も本発明に含まれる.回転加工装置
4の出側(図の右側)の場合にも回転加工装置中心軸1
から材料軸が外れる様に傾斜環5の中心をずらすことは
可能であり,現実には重力や材料の回転方向の影響を考
慮して,故意に,僅かではあるが材料を回転加工装置中
心軸1から外しても良く,必ずしも材料を回転加工位置
中心軸1上に保つことを最良としない.本発明装置を用
いる場合の入側および出側装置の材料通過位置は,装置
全体に十分な強度がある場合には回転加工装置中心軸1
上とし,経済性を考慮したほどほどの強度の装置の場合
には材料が重力と回転による摩擦力によって動こうとす
る方向,例えば材料が時計の針の周る方向に回転すると
きは3時から6時までの短針の方向に材料直径の0.10倍
を限度として中心位置をずらすのが良い.このように材
料中心位置をずらして設計すると装置全体に負荷を分散
させることができる. 第6図と第7図の出側装置にはその入側装置と異なる
特徴が示されている.すなはち,傾斜環5a,5cは下方で
材料と接しているが,その間の傾斜環5bは上方で接して
おり(第7図の5bには接点が紙面より手前にあるので接
点は描かれていない),傾斜環5bの傾斜方向はその両側
の傾斜方向と異なるように見える.しかし材料に乗って
観察すれば,傾斜環5の接点における速度の方向は材料
の速度方向に同じに見える様に構成されている.そして
この様な場合には材料を隣合う傾斜環で挟んで保持する
ことにより材料の振動を止めることができる.本発明の
場合には従来のローラと異なり,周方向にも接触長さを
持ち集中荷重が避けられるため,材料に打疵を生じにく
い. 本発明装置の傾斜環5は第8図に示す様に,傾斜環支
持部材14に,例えばベアリング15を介して駆動力または
従動力によって回転できるように保持されている.材料
が第8図の左から見て時計周りに回りながら左から右へ
進むとき,傾斜環5の最大傾斜方向において材料13と接
すると,この接点6における速度の方向7を材料の速度
の方向と一致させることができ,両者の速度の大きさも
接点で一致させることができる.換言すれば材料と傾斜
環の接点6において材料と傾斜環の速度ベクトルを等し
くできる.また傾斜環5を材料回転に従動回転させれ
ば,その構造は極めて単純化でき,面倒な速度制御も必
要としない. 傾斜環5の傾斜方向は以上の説明の通りであるが,そ
の傾斜角Bはおよそ次の通りである.回転加工装置4の
出側における材料の前進速度と回転速度の比は一般には
加工ローラ軸2の傾斜角Aの正接にほぼ等しい.従って
傾斜環5の傾斜角Bは加工ローラ軸2の傾斜角Aにほぼ
等しくすれば,両者の接点における速度ベクトルの方向
をほぼ等しくでき,傾斜環5の軸受けの損失を小さくす
れば両者の速度ベクトルの大きさをもほぼ等しくでき
る.回転加工装置4の入側の材料の前進速度はこの加工
装置における材料の伸びの比だけ出側の速度より小さ
い.また入側の材料の回転速度は出側の材料の回転速度
に対して加工中の材料の捻れ分だけ補正すればよく,こ
れらの条件の外に材料の速度が決まれば,傾斜環5の傾
斜角がほぼ決まる.材料の前進速度と回転速度の比は,
加工している材料の表面速度を測定するのが最も手っと
り早い.また傾斜環5の傾斜角が適切さを欠いた場合に
は,擦疵防止効果が低減はするが,本発明の材料振れ止
め効果は享受できる. 本発明の傾斜環5は隣合う傾斜環5の中心を回転加工
装置中心軸1の周りに180゜位相をずらした場合を第6
図,第7図,第9図,第10図に,120゜位相をずらした場
合を第11図に示した.図示してはいないが,位相をさら
に小さく,例えば90゜ずらした場合も本発明に含む.こ
のように位相を小さくすると傾斜環5により材料を支え
る方向は多くなるが,その方向が1回転する距離が長く
なるのでその選択には注意を要する.一般には傾斜環5
の内面で材料を支持するのであるから,この位相は180
゜または120゜で十分である. また本発明には傾斜環5を駆動して材料に回転と前進
を与える場合を含むことができる. なお環を傾斜させた傾斜環の効果のうち,材料を回転
させながら推進する傾斜環特有の効果以外は環や筒につ
いても同様の効果を得ることができる. 2)本発明は好ましくは,複数の環または筒5をその孔
内に回転加工装置中心軸1を含む様に配置し,環または
筒5の中心が加工中に回転加工装置中心軸1に対して変
化できるように構成し,この環または筒または傾斜環に
よって材料を保持して材料の振れを止め,さらに回転力
や推進力を与え,隣合う環または筒5の間に回転加工装
置中心軸1に対して直交するローラ軸を持つ駆動した送
りローラ10を配置して材料に推進力を与えるように構成
した前述の材料振れ止め送り装置である. 環または筒5の中心を回転加工装置の中心軸に対して
変化させる機構は公知のものでよく,例えば油圧装置を
用いる.この変化のタイミングについては後述する.ま
た送りローラ10には公知の機構を用いることができる
が,加工中には材料の前進速度に,加工の前後にはそれ
より速い速度に送りローラ作用面の速度を選定するのが
良い. 3)本発明の好ましい装置列は,例えば第6図と第7図
に示すように,回転加工装置中心軸1の周りに加工ロー
ラ軸2を角度A捻った加工ローラ組3により材料を回転
させて加工する回転加工装置4の前または後または前後
に,環または筒5の複数をそれらの孔内に回転加工装置
中心軸1を含んで駆動力または従動力によって回転でき
るように保持して配置し,環または筒5の内面と材料と
の接点における両者の運動方向がほぼ一致するように環
または筒5の回転軸を傾斜させたまたは傾斜させない複
数の環または筒5を配置し,これらの環または筒5の中
心が加工中に回転加工装置中心軸1に対して変化できる
ように構成し,隣合う環または筒5の間に回転加工装置
中心軸1に対して直交するローラ軸を持つ駆動送りロー
ラ10を配置し,回転加工装置中心軸1に対して加工ロー
ラ軸2を直交する加工ローラ組11により材料を回転させ
ずに加工する非回転加工装置12とをこの順に材料を貫通
できるように連ね,かつ回転加工装置4と非回転加工装
置12とで同一材料が同時に加工されない程度に両装置を
離して配列した材料振れ止め送り装置を含む装置列であ
る. この様に装置列を構成すると,本発明の前記の目的を
達成できるほか,材料を直進させながら加工でき,材料
の横送りの必要がなく,回転加工装置4と非回転加工装
置12の間隔を小さくでき,占有面積が小さく安価で自動
運転が容易になる. 4)前記の本発明の材料振れ止め送り装置には,第1図
と第2図に示す様に,中心軸の周りに回転加工装置の加
工ローラ組3と同方向にローラ軸17を捻ったガイドロー
ラ組16により材料13を挟んで,このガイドローラ組16を
加工ローラ組3と同方向に駆動して材料13に回転力と前
進力を与えるか,これを材料13に従動する装置を含む請
求項1項ないし4項のいずれかに記載の材料振れ止め送
り装置を含めることができる. このときのガイドローラ組16の駆動方向は加工ローラ
組3の駆動方向と同じである.このようなガイドローラ
式の材料振れ止め送り装置としては例えば前述の回転加
工装置と同様の構造とすることができるし,また例えば
第2図に示すような3本のガイドローラ組のうち下方の
2本のガイドローラ16を駆動し,上の1本のガイドロー
ラ16′を無駆動を可としこのローラ間隔を迅速に変更,
特に上のガイドローラ16′を開閉するなど様々な構造と
することができる.この傾斜したガイドローラを駆動す
ることにより,例えば回転加工装置への材料噛み込み時
期や加工終了時期に,この装置によって材料に強制的に
回転力と前進力を与えれば,噛み込み不良や尻抜け不良
のない円滑な作業が可能になる. 5)本発明装置は好ましくは第12図と第13図に示す様
に,材料振れ止め送り装置が弾性体18,19を介して基礎
部材20に支持されることを特徴とする.この弾性体とし
ては第12図に示すようなばね式や,第13図や第14図に示
すような空気圧シリンダ式や,それらと液圧との組合せ
方式が良い.材料振れ止め送り装置はこのような弾性体
を介して,好ましくは長さ方向に分断されてそれぞれ独
立に基礎部材に支持されて柔軟性を向上する.本発明装
置では所望の位置を中心に振動するように材料を保持す
ることが可能である. このように構成すると材料が曲がっている場合でも振
れ止め装置が材料の回転を許容し,かつ材料の支持力を
広範囲に分散するので,材料の回転や進行が容易とな
る.また材料が振れ止め装置に衝突しても衝撃が小さ
く,材料に打傷や擦傷が付き難い.さらに材料振れ止め
送り装置を駆動しない場合にもこれが材料の回転にとも
なって振動するために材料との間の摩擦力が低下し,材
料の進行妨害力が小さく,疵の発生も少なくなる.本発
明において振れ止め送り装置自体の振れを許容するため
材料とこの振れ止め送り装置とのクリアランスを小さく
でき,全体としては材料の振れを小さくでき,かつ材料
を無理なく回転させてその品質を向上し,加工作業を容
易にできる. また材料が進んでくるときの材料位置を検知して,こ
れを入力信号として振れ止め送り装置の支持位置をその
横断面内で変化させるように,基礎部材位置または弾性
体の弾性力を変化させるのが最も良い. 6)本発明は好ましくは,回転加工装置中心軸のこれに
近接する部分の材料振れ止め送り装置中心軸とが,出側
に向かって下降していることを特徴とする前述の1)項
ないし5)項のいずれかに記載の材料振れ止め送り装置
である. 本発明に用いる回転加工装置は,材料を回転させなが
ら前進させるために,特に材料が長尺で曲がっていたり
重量物である場合には,加工開始時期や終了時期におい
て,回転加工装置の加工ローラ組のみでは材料に十分な
回転力と前進力を与えられない場合があり,噛み込み不
良が尻抜け不良を生じやすく,加工中の前進効率すなは
ち材料の前進速度と加工ローラ組の前進速度成分との比
も小さく,改善が望まれていた.本発明では材料が回転
しながら前進し,それによって振動とすべりを伴うため
に,従来の非回転加工装置では殆ど効果のないような中
心軸の出側に向かう僅かな下降勾配,例えば1/100ない
し1/10程度の下降勾配でも,重力の効果を十分に利用す
ることができる.この効果を利用すれば材料振れ止め送
り装置を積極的に駆動する必要はなくなるが,その駆動
の効果を増大できる.なお一般には入側と出側の装置の
レベルの違いは好ましくなく,これが実施をためらう理
由となるが,本発明に採用する出側へ向かう下降勾配
は,最も効果が期待できる加工装置とそれに近接する部
分の材料振れ止め送り装置に採用するのが望ましく,そ
の下降勾配を材料回転の特殊性を利用して1/10以下の勾
配とするのが良い. 7)本発明は環または筒の回転軸が回転加工装置中心軸
に対して傾斜しその孔内に回転加工装置中心軸を含んで
材料を保持するように構成することを特徴とする前記
1)項ないし6)項記載の材料振れ止め送り装置であ
る. 本発明の装置は最も好ましくは,回転加工装置中心軸
1の周りに加工ローラ軸2を角度A捻った加工ローラ組
3により材料を回転させて加工する回転加工装置4の前
または後または前後に,環または筒または傾斜環5をそ
の孔内に回転加工装置中心軸1を含んで駆動力または従
動力によって回転できるように保持して配置し,環また
は筒または傾斜環5の内面と材料との接点6における両
者の運動方向7がほぼ一致するように環または筒または
傾斜環5の回転軸を傾斜させた複数の環または筒または
傾斜環5を配置し,これらの環または筒または傾斜環5
の中心が加工中に回転加工装置中心軸1に対して変化で
きるように構成し,隣合う環または筒または傾斜環5の
間に回転加工装置中心軸1に対して直交するローラ軸を
持つ駆動送りローラ10を配置した装置列において,回転
加工装置4の出側における環または筒または傾斜環5と
送りローラ10の操作法が,それぞれの環または筒または
傾斜環5に材料が到達するまでは環または筒または傾斜
環5の中心位置8を回転加工装置中心軸1に近づかせて
待機させ,材料が環または筒または傾斜環5内に進入し
た後この環または筒または傾斜環5の中心8に回転加工
装置中心軸1から離してその所定の方向の内面により材
料を支持し,回転加工装置4で加工が完了すると環また
は筒または傾斜環5の中心と送りローラ10とを回転加工
装置中心軸1に近づかせ,材料を送りローラ10により支
持して環または筒内面から離して送り出す. なお本発明の対象とする回転加工装置には軸材や管材
などを回転させながら前進させて加工する全ての加工装
置を含むものである. (発明の効果) 以上のように,本発明によって従来技術の問題点は克
服できる.すなはち本発明によって回転装置において材
料の振れを小さくして打ち疵を発生させず,材料を回転
加工装置中心軸上に保って精度の高い加工ができる材料
振れ止め装置を提供できる.また前進方向と回転方向の
速度比すなはち表面速度方向が材料との接点に於てほぼ
等しい材料振れ止め送り装置を提供でき,擦傷を減少す
ることができる.さらに作業が容易な前進効率の良い回
転加工装置を提供できる.
の材料振れ止め送り装置およびそれを含む装置列に関す
るものである. (従来の技術) 棒材や管材を加工する設備は加工中の材料の運動によ
り,材料回転加工装置(回転加工装置と略称する)と材
料非回転加工装置(非回転加工装置と略称する)に分類
できる.回転加工装置としては加工ローラ軸が回転加工
装置中心軸の周りに捻れたいわゆる傾斜ローラ加工装置
や,センタレス研削装置や,ローラ矯正装置を含む.こ
の種の加工装置のうち遊星ローラ装置は材料を非回転の
まま加工できるとも言えなくはないが,現実にはこの装
置でも材料の回転をそれ自身によって止めるには極めて
高度の制御技術を必要とするので工業化が難しく,材料
は系外の装置によって強引に回転を制止せざるを得な
い.従って遊星ローラ装置も現実には回転加工装置と同
様の問題を含むので回転加工装置として扱う.非回転加
工装置としては平行なローラ組間で加工する種々の加工
機があるが,管材や棒材を加工する場合にはカリバ圧延
機が最も良く知られている. 材料回転加工装置は材料が回転しながら軸方向に進む
ため,材料を支持して誘導する送り装置で打ち疵や擦り
疵を生じた.現在この問題に対する解決法は加工される
材料よりも軟らかい材質の固定式筒型ガイドが知られて
いる.しかし固定式筒型ガイドはすべり摩擦による消耗
が激しく,生産コストが高くつくばかりでなく,材料と
ガイド内径とのクリアランスを大きくとらなければ材料
の回転が不可能であり,この大きなクリアランスによっ
て材料が回転加工装置中心軸から外れて加工精度が悪く
なった.またこのような固定式筒型ガイドはそれ自体に
材料回転機能や送り機能がないことは明らかで,材料の
回転振れは大きく,材料の回転速度や仕上げ長さは著し
く制限されている.また従来の送り装置は材料回転軸に
回転軸を平行にしたローラの外周面を用いるので,回転
する材料との間に必ずすべりを生じて材料に擦り疵を生
じた.このすべりを無くするには回転加工装置と同じよ
うに傾斜したローラ組によって材料を保持すれば良い
が,これのみでは高価で占有面積や設置間隔が大きく,
この傾斜したローラ組のみを並べればコストの点から十
分な効果をあげることは難しい.さらに回転加工装置を
用いた加工作業は極めて高度な熟練を要し,材料を入側
から出側へ加工しながら進めること自体が極めて難し
い. (発明が解決しようとする問題点) 以上のような従来技術の問題点を克服するために,本
発明は回転加工装置において材料の振れを小さくして打
ち疵を発生させず,材料を回転加工装置中心軸上または
その近傍に保って精度の高い加工ができる材料振れ止め
装置を提供することを第1の目的とする.また特に材料
とガイドの回転方向の相対速度が両者の接点に於てほぼ
等しい材料振れ止め送り装置を提供し,材料の擦疵を減
少することを第2の目的とする.さらに材料の振れを小
さくし,作業が容易で材料の前進効率の良い回転加工装
置を提供することを第3の目的とする. (問題点を解決するための手段・作用) 本発明は次のように構成する. 1)本発明は第1図ないし第8図に示すように,回転加
工装置中心軸1の周りに加工ローラ軸2を角度A捻った
加工ローラ組3により材料を回転させて加工する回転加
工装置4の前または後または前後に,環または筒5をそ
の孔内に回転加工装置中心軸1を含んで駆動力または従
動力によって回転できるように保持して配置して構成す
る材料振れ止め送り装置である. 回転加工装置中心軸1の周りに加工ローラ軸2を角度
A捻った加工ローラ組3により加工すると,材料13は必
然的に回転しながら進む.回転加工装置では材料表面の
回転と前進の速度比はほとんどの場合に2以上であり,
回転速度の方が遥かに速い.この様な表面速度成分を持
つ材料をガイドするには,ガイドと材料の接点における
速度ベクトルが一致するのが最も良く,本発明ではガイ
ドとしての環または筒5をその孔内に回転加工装置中心
軸1を含んで駆動力または従動力によって少なくとも回
転できるように保持して配置する. 本発明の基本原理を述べると,第1図ないし第8図に
示すように,回転加工装置中心軸1の周りに加工ローラ
軸2を角度A捻った加工ローラ組3により材料を回転さ
せて加工する回転加工装置4の前または後または前後
に,ガイドとしての環または筒5をその孔内に回転加工
装置中心軸1を含んでベアリング15を介在させて駆動力
または従動力によって回転できるように保持して配置し
て構成する.このとき環または筒5の中心軸8が回転加
工装置中心軸1に対して傾斜していない環または筒を本
発明では「環または筒」と呼び,筒は環に対して長さが
長い.またこれらが傾斜している場合を「傾斜環」と略
称する.本発明の環または筒は材料の振れ止め機能と材
料の回転を妨害しない機能を有し,環または筒5を駆動
すれば材料に積極的に回転を与える機能を有する.この
材料回転効果は環よりも長さの長い筒の方が大きい.傾
斜環ではこれらの機能のほか回転と共に材料に前進の送
りがかかるため,無駆動であっても材料の前進を妨害し
ない機能を持ち,これを駆動すれば積極的に材料を送る
機能を持つ.また何れの場合にもベアリング15は環また
は筒および傾斜環を駆動力または従動力によって回転で
きるように支持する機能と断熱機能を持つ. 本発明で環または筒状のガイドを用いる場合について
説明すると,第1図と第3図に示す様に,環または筒は
その孔内に回転加工装置中心軸1を含んで駆動力または
従動力によって回転できるように保持されている.材料
13を内面で支持する環または筒5を,回転加工装置4に
よって材料13を回転させる方向に駆動すれば,材料13の
ガイドによる抵抗は無くなり,特に問題を生じる材料の
加工開始時や加工終了時には,加工ローラ組3によって
材料に対して十分な回転力が与えられない場合にもこの
回転を補助できるので,作業が容易になる.また加工中
の前進効率,すなはち出側材料前進速度と加工ローラ組
作動面の前進速度成分との比の百分率も大きくなり,加
工速度が増大できる.また擦疵の発生も減少できる. 環または筒を駆動しないで材料に従動回転するように
構成すれば,前記の効果は低減するが,少なくとも材料
回転に対する抵抗が従来の固定式ガイドに対して著しく
低下できるため,本発明は十分な効果を得ることができ
る. 本発明の環または筒は材料の振れ止め時に材料の前進
に抵抗を与えるが,好ましくはこの抵抗を軽減させるた
めに環または筒の内孔と材料の接触面において環または
筒が半径方向または回転軸長方向に振動し,この振動力
によって摩擦抵抗を小さくするか,出側に向かっては材
料前進速度よりやや速い速度で,そして入側に向かって
はこれより遥かに速い速度で環または筒を振動させ,ま
たは微小距離づつ上向きで材料進行方向に材料をほうり
上げて材料に推進力を発生させるのが良い. 本発明の装置は好ましくは,回転加工装置中心軸1の
周りに加工ローラ軸2を角度A捻った加工ローラ組3に
より材料を回転させて加工する回転加工装置4の前また
は後または前後に,環または筒の回転軸8が回転加工装
置中心軸1に対して傾斜した傾斜環5をその孔内に回転
加工装置中心軸1を含んで駆動力または従動力によって
回転できるように保持して配置し,傾斜環5の内面と材
料13との接点6における両者の運動方向がほぼ一致する
ように傾斜環5の回転軸8を傾斜させて構成する材料振
れ止め送り装置である. 回転加工装置中心軸1の周りに加工ローラ軸2を角度
A捻った加工ローラ組3により加工すると,材料13は必
然的に回転する.加工ローラが遊星運動する場合には,
材料の回転を止めることは不可能ではないが,ほとんど
の場合に現実には材料は回転するので材料が回転する限
り本発明の対象となる.本発明装置を構成する傾斜環5
は,回転加工装置中心軸1上に材料13を保てるように孔
内に回転加工装置中心軸1を含み,材料とのすべてを無
くするように所定の方向に傾斜して駆動力または従動力
によって回転できるように保持され,回転加工装置中心
軸1から傾斜環中心8までの距離を複数の水準に変更可
能な機構で位置決めされている.傾斜環5の傾斜の方向
は,第6図と第7図に示す様に,材料13と傾斜環5の接
点6は傾斜環5が最も傾斜している位置またはその近傍
にある.この接点6は一般には最も回転加工装置中心軸
1に近づいている点であるが,材料の重力や回転力の影
響によりこの点からずれることがある.例えば第6図と
第7図の回転加工装置4の入側(図の左側)では傾斜環
5の内面は重力の影響により下方でのみ接している.こ
の場合には傾斜環5の中心の正常な位置は回転加工装置
中心軸1よりも高い位置にあり,回転加工装置中心軸1
から傾斜環5の下方内面までの距離はこの位置における
材料の半径に等しいのが最も良いが,傾斜環5の中心8
をこれより下方にしたとしても材料が送りローラ10で支
持されない限り,依然として傾斜環5の下方内面で材料
13と接する.この入側の例では材料13を回転加工装置中
心軸1上に保てない場合があるが,回転方向と前進方向
の速度比を両者が等しい条件になる様に傾斜環5の姿勢
を設定し,擦り疵を防止する本発明の目的を達成するこ
とができ,この場合も本発明に含まれる.回転加工装置
4の出側(図の右側)の場合にも回転加工装置中心軸1
から材料軸が外れる様に傾斜環5の中心をずらすことは
可能であり,現実には重力や材料の回転方向の影響を考
慮して,故意に,僅かではあるが材料を回転加工装置中
心軸1から外しても良く,必ずしも材料を回転加工位置
中心軸1上に保つことを最良としない.本発明装置を用
いる場合の入側および出側装置の材料通過位置は,装置
全体に十分な強度がある場合には回転加工装置中心軸1
上とし,経済性を考慮したほどほどの強度の装置の場合
には材料が重力と回転による摩擦力によって動こうとす
る方向,例えば材料が時計の針の周る方向に回転すると
きは3時から6時までの短針の方向に材料直径の0.10倍
を限度として中心位置をずらすのが良い.このように材
料中心位置をずらして設計すると装置全体に負荷を分散
させることができる. 第6図と第7図の出側装置にはその入側装置と異なる
特徴が示されている.すなはち,傾斜環5a,5cは下方で
材料と接しているが,その間の傾斜環5bは上方で接して
おり(第7図の5bには接点が紙面より手前にあるので接
点は描かれていない),傾斜環5bの傾斜方向はその両側
の傾斜方向と異なるように見える.しかし材料に乗って
観察すれば,傾斜環5の接点における速度の方向は材料
の速度方向に同じに見える様に構成されている.そして
この様な場合には材料を隣合う傾斜環で挟んで保持する
ことにより材料の振動を止めることができる.本発明の
場合には従来のローラと異なり,周方向にも接触長さを
持ち集中荷重が避けられるため,材料に打疵を生じにく
い. 本発明装置の傾斜環5は第8図に示す様に,傾斜環支
持部材14に,例えばベアリング15を介して駆動力または
従動力によって回転できるように保持されている.材料
が第8図の左から見て時計周りに回りながら左から右へ
進むとき,傾斜環5の最大傾斜方向において材料13と接
すると,この接点6における速度の方向7を材料の速度
の方向と一致させることができ,両者の速度の大きさも
接点で一致させることができる.換言すれば材料と傾斜
環の接点6において材料と傾斜環の速度ベクトルを等し
くできる.また傾斜環5を材料回転に従動回転させれ
ば,その構造は極めて単純化でき,面倒な速度制御も必
要としない. 傾斜環5の傾斜方向は以上の説明の通りであるが,そ
の傾斜角Bはおよそ次の通りである.回転加工装置4の
出側における材料の前進速度と回転速度の比は一般には
加工ローラ軸2の傾斜角Aの正接にほぼ等しい.従って
傾斜環5の傾斜角Bは加工ローラ軸2の傾斜角Aにほぼ
等しくすれば,両者の接点における速度ベクトルの方向
をほぼ等しくでき,傾斜環5の軸受けの損失を小さくす
れば両者の速度ベクトルの大きさをもほぼ等しくでき
る.回転加工装置4の入側の材料の前進速度はこの加工
装置における材料の伸びの比だけ出側の速度より小さ
い.また入側の材料の回転速度は出側の材料の回転速度
に対して加工中の材料の捻れ分だけ補正すればよく,こ
れらの条件の外に材料の速度が決まれば,傾斜環5の傾
斜角がほぼ決まる.材料の前進速度と回転速度の比は,
加工している材料の表面速度を測定するのが最も手っと
り早い.また傾斜環5の傾斜角が適切さを欠いた場合に
は,擦疵防止効果が低減はするが,本発明の材料振れ止
め効果は享受できる. 本発明の傾斜環5は隣合う傾斜環5の中心を回転加工
装置中心軸1の周りに180゜位相をずらした場合を第6
図,第7図,第9図,第10図に,120゜位相をずらした場
合を第11図に示した.図示してはいないが,位相をさら
に小さく,例えば90゜ずらした場合も本発明に含む.こ
のように位相を小さくすると傾斜環5により材料を支え
る方向は多くなるが,その方向が1回転する距離が長く
なるのでその選択には注意を要する.一般には傾斜環5
の内面で材料を支持するのであるから,この位相は180
゜または120゜で十分である. また本発明には傾斜環5を駆動して材料に回転と前進
を与える場合を含むことができる. なお環を傾斜させた傾斜環の効果のうち,材料を回転
させながら推進する傾斜環特有の効果以外は環や筒につ
いても同様の効果を得ることができる. 2)本発明は好ましくは,複数の環または筒5をその孔
内に回転加工装置中心軸1を含む様に配置し,環または
筒5の中心が加工中に回転加工装置中心軸1に対して変
化できるように構成し,この環または筒または傾斜環に
よって材料を保持して材料の振れを止め,さらに回転力
や推進力を与え,隣合う環または筒5の間に回転加工装
置中心軸1に対して直交するローラ軸を持つ駆動した送
りローラ10を配置して材料に推進力を与えるように構成
した前述の材料振れ止め送り装置である. 環または筒5の中心を回転加工装置の中心軸に対して
変化させる機構は公知のものでよく,例えば油圧装置を
用いる.この変化のタイミングについては後述する.ま
た送りローラ10には公知の機構を用いることができる
が,加工中には材料の前進速度に,加工の前後にはそれ
より速い速度に送りローラ作用面の速度を選定するのが
良い. 3)本発明の好ましい装置列は,例えば第6図と第7図
に示すように,回転加工装置中心軸1の周りに加工ロー
ラ軸2を角度A捻った加工ローラ組3により材料を回転
させて加工する回転加工装置4の前または後または前後
に,環または筒5の複数をそれらの孔内に回転加工装置
中心軸1を含んで駆動力または従動力によって回転でき
るように保持して配置し,環または筒5の内面と材料と
の接点における両者の運動方向がほぼ一致するように環
または筒5の回転軸を傾斜させたまたは傾斜させない複
数の環または筒5を配置し,これらの環または筒5の中
心が加工中に回転加工装置中心軸1に対して変化できる
ように構成し,隣合う環または筒5の間に回転加工装置
中心軸1に対して直交するローラ軸を持つ駆動送りロー
ラ10を配置し,回転加工装置中心軸1に対して加工ロー
ラ軸2を直交する加工ローラ組11により材料を回転させ
ずに加工する非回転加工装置12とをこの順に材料を貫通
できるように連ね,かつ回転加工装置4と非回転加工装
置12とで同一材料が同時に加工されない程度に両装置を
離して配列した材料振れ止め送り装置を含む装置列であ
る. この様に装置列を構成すると,本発明の前記の目的を
達成できるほか,材料を直進させながら加工でき,材料
の横送りの必要がなく,回転加工装置4と非回転加工装
置12の間隔を小さくでき,占有面積が小さく安価で自動
運転が容易になる. 4)前記の本発明の材料振れ止め送り装置には,第1図
と第2図に示す様に,中心軸の周りに回転加工装置の加
工ローラ組3と同方向にローラ軸17を捻ったガイドロー
ラ組16により材料13を挟んで,このガイドローラ組16を
加工ローラ組3と同方向に駆動して材料13に回転力と前
進力を与えるか,これを材料13に従動する装置を含む請
求項1項ないし4項のいずれかに記載の材料振れ止め送
り装置を含めることができる. このときのガイドローラ組16の駆動方向は加工ローラ
組3の駆動方向と同じである.このようなガイドローラ
式の材料振れ止め送り装置としては例えば前述の回転加
工装置と同様の構造とすることができるし,また例えば
第2図に示すような3本のガイドローラ組のうち下方の
2本のガイドローラ16を駆動し,上の1本のガイドロー
ラ16′を無駆動を可としこのローラ間隔を迅速に変更,
特に上のガイドローラ16′を開閉するなど様々な構造と
することができる.この傾斜したガイドローラを駆動す
ることにより,例えば回転加工装置への材料噛み込み時
期や加工終了時期に,この装置によって材料に強制的に
回転力と前進力を与えれば,噛み込み不良や尻抜け不良
のない円滑な作業が可能になる. 5)本発明装置は好ましくは第12図と第13図に示す様
に,材料振れ止め送り装置が弾性体18,19を介して基礎
部材20に支持されることを特徴とする.この弾性体とし
ては第12図に示すようなばね式や,第13図や第14図に示
すような空気圧シリンダ式や,それらと液圧との組合せ
方式が良い.材料振れ止め送り装置はこのような弾性体
を介して,好ましくは長さ方向に分断されてそれぞれ独
立に基礎部材に支持されて柔軟性を向上する.本発明装
置では所望の位置を中心に振動するように材料を保持す
ることが可能である. このように構成すると材料が曲がっている場合でも振
れ止め装置が材料の回転を許容し,かつ材料の支持力を
広範囲に分散するので,材料の回転や進行が容易とな
る.また材料が振れ止め装置に衝突しても衝撃が小さ
く,材料に打傷や擦傷が付き難い.さらに材料振れ止め
送り装置を駆動しない場合にもこれが材料の回転にとも
なって振動するために材料との間の摩擦力が低下し,材
料の進行妨害力が小さく,疵の発生も少なくなる.本発
明において振れ止め送り装置自体の振れを許容するため
材料とこの振れ止め送り装置とのクリアランスを小さく
でき,全体としては材料の振れを小さくでき,かつ材料
を無理なく回転させてその品質を向上し,加工作業を容
易にできる. また材料が進んでくるときの材料位置を検知して,こ
れを入力信号として振れ止め送り装置の支持位置をその
横断面内で変化させるように,基礎部材位置または弾性
体の弾性力を変化させるのが最も良い. 6)本発明は好ましくは,回転加工装置中心軸のこれに
近接する部分の材料振れ止め送り装置中心軸とが,出側
に向かって下降していることを特徴とする前述の1)項
ないし5)項のいずれかに記載の材料振れ止め送り装置
である. 本発明に用いる回転加工装置は,材料を回転させなが
ら前進させるために,特に材料が長尺で曲がっていたり
重量物である場合には,加工開始時期や終了時期におい
て,回転加工装置の加工ローラ組のみでは材料に十分な
回転力と前進力を与えられない場合があり,噛み込み不
良が尻抜け不良を生じやすく,加工中の前進効率すなは
ち材料の前進速度と加工ローラ組の前進速度成分との比
も小さく,改善が望まれていた.本発明では材料が回転
しながら前進し,それによって振動とすべりを伴うため
に,従来の非回転加工装置では殆ど効果のないような中
心軸の出側に向かう僅かな下降勾配,例えば1/100ない
し1/10程度の下降勾配でも,重力の効果を十分に利用す
ることができる.この効果を利用すれば材料振れ止め送
り装置を積極的に駆動する必要はなくなるが,その駆動
の効果を増大できる.なお一般には入側と出側の装置の
レベルの違いは好ましくなく,これが実施をためらう理
由となるが,本発明に採用する出側へ向かう下降勾配
は,最も効果が期待できる加工装置とそれに近接する部
分の材料振れ止め送り装置に採用するのが望ましく,そ
の下降勾配を材料回転の特殊性を利用して1/10以下の勾
配とするのが良い. 7)本発明は環または筒の回転軸が回転加工装置中心軸
に対して傾斜しその孔内に回転加工装置中心軸を含んで
材料を保持するように構成することを特徴とする前記
1)項ないし6)項記載の材料振れ止め送り装置であ
る. 本発明の装置は最も好ましくは,回転加工装置中心軸
1の周りに加工ローラ軸2を角度A捻った加工ローラ組
3により材料を回転させて加工する回転加工装置4の前
または後または前後に,環または筒または傾斜環5をそ
の孔内に回転加工装置中心軸1を含んで駆動力または従
動力によって回転できるように保持して配置し,環また
は筒または傾斜環5の内面と材料との接点6における両
者の運動方向7がほぼ一致するように環または筒または
傾斜環5の回転軸を傾斜させた複数の環または筒または
傾斜環5を配置し,これらの環または筒または傾斜環5
の中心が加工中に回転加工装置中心軸1に対して変化で
きるように構成し,隣合う環または筒または傾斜環5の
間に回転加工装置中心軸1に対して直交するローラ軸を
持つ駆動送りローラ10を配置した装置列において,回転
加工装置4の出側における環または筒または傾斜環5と
送りローラ10の操作法が,それぞれの環または筒または
傾斜環5に材料が到達するまでは環または筒または傾斜
環5の中心位置8を回転加工装置中心軸1に近づかせて
待機させ,材料が環または筒または傾斜環5内に進入し
た後この環または筒または傾斜環5の中心8に回転加工
装置中心軸1から離してその所定の方向の内面により材
料を支持し,回転加工装置4で加工が完了すると環また
は筒または傾斜環5の中心と送りローラ10とを回転加工
装置中心軸1に近づかせ,材料を送りローラ10により支
持して環または筒内面から離して送り出す. なお本発明の対象とする回転加工装置には軸材や管材
などを回転させながら前進させて加工する全ての加工装
置を含むものである. (発明の効果) 以上のように,本発明によって従来技術の問題点は克
服できる.すなはち本発明によって回転装置において材
料の振れを小さくして打ち疵を発生させず,材料を回転
加工装置中心軸上に保って精度の高い加工ができる材料
振れ止め装置を提供できる.また前進方向と回転方向の
速度比すなはち表面速度方向が材料との接点に於てほぼ
等しい材料振れ止め送り装置を提供でき,擦傷を減少す
ることができる.さらに作業が容易な前進効率の良い回
転加工装置を提供できる.
第1図と第6図は本発明を実施する設備列の立面概念
図,第2図ないし第5図は第1図のそれぞれ順にA−A,
B−B,C−C,D−D断面図であり,第7図は第6図の平面
概念図,第8図は環または筒の構造と姿勢の説明図,第
9図は環または筒が上下方向に位置を変化する場合,第
10図は環または筒が左右に位置を変化する場合,第11図
は環または筒が3方向から材料を保持する場合,第12図
ないし第13図は弾性体に支持される環または筒または傾
斜環,第14図は弾性体に支持されるガイドローラを示
す. 1:回転加工装置中心軸,2:加工ローラ軸,3:加工ローラ
組,4:回転加工装置,5:環または筒,6:材料と環または筒
の接点,7:材料と環または筒の接点における両者の運動
方向,8:環または筒の中心,環または筒の回転軸,9:ロー
ラ軸,10:送りローラ,11:加工ローラ組,12:非回転加工装
置,13:材料,軸材,管材,14:環または筒支持部材,15:ベ
アリング,16,16′:ガイドローラ,17:ガイドローラ回転
軸,18:ばね式弾性体,19:シリンダ式弾性体,20:基礎部
材,A:加工ローラ軸の傾斜角,B:傾斜環回転軸の傾斜角.
図,第2図ないし第5図は第1図のそれぞれ順にA−A,
B−B,C−C,D−D断面図であり,第7図は第6図の平面
概念図,第8図は環または筒の構造と姿勢の説明図,第
9図は環または筒が上下方向に位置を変化する場合,第
10図は環または筒が左右に位置を変化する場合,第11図
は環または筒が3方向から材料を保持する場合,第12図
ないし第13図は弾性体に支持される環または筒または傾
斜環,第14図は弾性体に支持されるガイドローラを示
す. 1:回転加工装置中心軸,2:加工ローラ軸,3:加工ローラ
組,4:回転加工装置,5:環または筒,6:材料と環または筒
の接点,7:材料と環または筒の接点における両者の運動
方向,8:環または筒の中心,環または筒の回転軸,9:ロー
ラ軸,10:送りローラ,11:加工ローラ組,12:非回転加工装
置,13:材料,軸材,管材,14:環または筒支持部材,15:ベ
アリング,16,16′:ガイドローラ,17:ガイドローラ回転
軸,18:ばね式弾性体,19:シリンダ式弾性体,20:基礎部
材,A:加工ローラ軸の傾斜角,B:傾斜環回転軸の傾斜角.
Claims (3)
- 【請求項1】複数の環または筒をその孔内に回転加工装
置中心軸を含む様に配置し,環または筒の中心が加工中
に回転加工装置中心軸に対して変化できるように構成
し,隣合う環または筒の間に回転加工装置中心軸に対し
て直交するローラ軸を持つ駆動送りローラを配置した材
料振れ止め送り装置. - 【請求項2】回転加工装置中心軸の周りに加工ローラ軸
を捻った加工ローラ組により材料を回転させて加工する
回転加工装置の前または後または前後に,環または筒を
その孔内に回転加工装置中心軸を含んで駆動力または従
動力によって回転できるように保持して複数の環または
筒を配置し,これらの環または筒の中心が加工中に回転
加工装置中心軸に対して変化できるように構成し,隣合
う環または筒の間に回転加工装置中心軸に対して直交す
るローラ軸を持つ駆動送りローラを配置し,回転加工装
置中心軸に対して加工ローラ軸を直交する加工ローラ組
により材料を回転させずに加工する非回転加工装置とを
この順に材料が貫通できるように連ね,かつ回転加工装
置と非回転加工装置とで同一材料が同時に加工されない
程度に両装置を離して配列した材料振れ止め送り装置を
含む装置列. - 【請求項3】環または筒の回転軸が回転加工装置中心軸
に対して傾斜しその孔内に回転加工装置中心軸を含んで
材料を保持するように構成することを特徴とする請求項
1項ないし2項記載の材料振れ止め送り装置.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4210490A JP2952420B2 (ja) | 1990-02-21 | 1990-02-21 | 材料振れ止め送り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4210490A JP2952420B2 (ja) | 1990-02-21 | 1990-02-21 | 材料振れ止め送り装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03243569A JPH03243569A (ja) | 1991-10-30 |
JP2952420B2 true JP2952420B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=12626670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4210490A Expired - Lifetime JP2952420B2 (ja) | 1990-02-21 | 1990-02-21 | 材料振れ止め送り装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2952420B2 (ja) |
-
1990
- 1990-02-21 JP JP4210490A patent/JP2952420B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03243569A (ja) | 1991-10-30 |
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