JP2004224874A - 圧送式ロ−ラー塗装用塗料 - Google Patents

圧送式ロ−ラー塗装用塗料 Download PDF

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Toshihiro Tsushi
年宏 津志
Shigeyuki Abe
繁行 安部
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Abstract

【課題】圧送式ロ−ラー塗装に優れた塗料を提供する。
【解決手段】塗布用ローラーの内部に塗料を圧送して塗装する圧送式ロ−ラー塗装装置を用いて塗装する塗料において、コーンプレート型粘度計で測定した見かけ粘度がシェアレート500sec−1では100〜2000mPa・sec、及び3000sec−1では50〜1000mPa・secの範囲であり、且つ粘性が、下記式(1)で定義される構造粘性指数Rで1〜4の範囲にあることを特徴とする圧送式ロ−ラー塗装用塗料。
R=Va/Vb ・・・・・・(1)
(ただし、式(1)中Vaは、温度20℃において、B型粘度計によって回転数6回/分にて測定した見掛け粘度(mPa・sec)であり、Vbは、同じく回転数60回/分にて測定した粘度(mPa・sec)である。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧送式ロ−ラー塗装用塗料に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】ローラー式塗布装置はこれまでもいろいろの分野で用いられてきており、その1例としては、例えば、自動車製造工場において、完成した自動車を出荷する際に、自動車の塗膜を雨水、鉄粉、花粉、とり糞等の汚染から保護し、品質の低下を防ぐ目的で塗膜表面上に保護膜を形成するのにも使用されている。
【0003】
従来公知のローラー式塗布装置は、塗料パンの中でローラーを手作業で回転させ塗料をローラーに付着、浸透させていたが、ローラー全体に塗料を均一に付けることが難しくバラツキを生じていた。
【0004】
また、数回塗布後に再び塗料をローラーに浸透させるという作業が繰り返し行われるので工数がかかり、人件費、作業時間、塗装ブースの延長などの欠点が多かった。
【0005】
この様な不便さを解消するために、塗料パンの塗料をポンプ等の圧送によりローラーまで自動供給する圧送式ローラー塗装装置が開発されている。そして、高粘度化した塗料の塗装にも対応した塗装装置が開発されてきている(特許文献1)。
【0006】
該公報の塗装装置は、内外を複数の噴射孔により連結する円筒状のローラーの外周に塗料浸透性を有する円筒状の刷毛素体を装着してなるローラー刷毛と、このローラー刷毛を回転自在に支持するローラー支持体と、このローラー支持体に連結されるハンドルとを備え、ローラーの空間部内にハンドル及びローラー支持体内を経由して塗料が供給されるローラー式塗装装置である。
【0007】
従来、ローラー塗装用塗料として、塗装後の塗料が垂れないように、高粘度の塗料が使用されている。高粘度の塗料を上記した圧送式ローラー塗装装置で塗装した場合には、塗料を圧送するために必要な設備コストが高くなる、安定して塗料をローラーに供給できない、均一な塗膜が形成できないといった問題点がある。
【0008】
また、ローラー塗装用塗料として、塗料の粘性(構造粘性指数)を調整することにより、塗装後の塗料に垂れを生じないように工夫されていることも公知である(特許文献2)。
【0009】
この様な粘性を調整した塗料は、該公報にも記載される様に、見かけ粘度が高く、そして構造粘性指数が2〜3.5と幅が狭いものが使用されている。即ち、この様な従来の塗料は、圧送式ローラー塗装装置を対象として設計されたものではなく、塗料パン中でローラーを手作業で回転させ塗料をローラーに付着、浸透させて塗装するための塗料として設計されたものである。
【0010】
この様な塗料を片圧送式ローラー塗装装置(特許文献1)に適用した場合には、ローラー支持体に設けられた塗料供給孔の位置が、ハンドルに近い孔では塗料供給圧が高くなり、塗料に掛かるせん断力が大きく、その結果として塗料粘度が低下して、塗料の吐出量が多くなり、 逆に、ハンドルから離れた孔部においては、ローラー支持体の一方(ハンドルと逆方向)が閉塞されているので、背圧により圧力損失が高くなり、塗料に掛かるせん断力が小さくなるので、その結果として塗料粘度は高く、塗料の吐出量が少なくなることが、判明した。
【0011】
この様な欠点を改善するためには、ハンドルに近い孔部は小さく、そしてハンドルから遠く離れた孔部はそれよりも大きくしたり、また孔部の距離を適宜調整したりすることにより吐出量を均一に調整することも可能であるが、塗料の種類、固形分や塗装条件(回転スピード、塗装雰囲気温度など)などにより吐出量が変化したりするので塗料設計に幅を持たせることができない。
【0012】
即ち、圧送式ローラー塗装装置に従来公知の粘度や粘性を持つ塗料を適用しても、最適塗装範囲が狭く塗装管理が面倒であること、塗料設計に幅を持たせることができないことなどの問題点があった。
【特許文献1】
特開平9−192584号公報
【特許文献2】
特開平9−192593号公報
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来からの塗料を圧送式ローラー塗装装置に適用した場合に発生する問題点を追求及び解析をおこない、その問題点となる原因が塗料特性にあることを突き止め、圧送ローラー塗装装置に適した塗料特性を提供することにより、従来からの問題点をすべて解消するものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
即ち、本発明は、塗布用ローラーの内部に塗料を圧送して塗装する圧送式ロ−ラー塗装装置用の塗料において、コーンプレート型粘度計で測定した見かけ粘度がシェアレート500sec−1では100〜2000mPa・sec、及び3000sec−1では50〜1000mPa・secの範囲であり、且つ粘性が、下記式(1)で定義される構造粘性指数Rで1〜4の範囲にあることを特徴とする圧送式ロ−ラー塗装用塗料に関する。
【0015】
R=Va/Vb ・・・・・・(1)
(ただし、式(1)中Vaは、温度20℃において、B型粘度計によって回転数6回/分にて測定した見掛け粘度(mPa・sec)であり、Vbは、同じく回転数60回/分にて測定した粘度(mPa・sec)である。)
また、本発明の実施態様としては、ローラー塗装に使用される圧送式ローラー塗装装置が、塗装用ローラーの両端から内部へ塗料を圧送して塗装する両圧送式ローラー塗装装置であることを特徴とする圧送式ロ−ラー塗装用塗料である。
【0016】
更に、塗料が、水性塗料であることを特徴とする圧送式ロ−ラー塗装用塗料に関する。
【0017】
更に、 塗料が、自動車外板塗膜の一時保護に使用される塗料であることを特徴とする圧送式ロ−ラー塗装用塗料に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。
【0019】
本発明塗料が適用される圧送式ロ−ラー塗装装置としては、塗布用ローラーの内部に塗料を圧送して塗装する圧送式ロ−ラー塗装装置であって、特に制限なしに、従来から知られているものに適用できる。具体的には、片圧送式ロ−ラー塗装装置の一例としては、例えば、特開平9−192584号公報などが挙げられる。
【0020】
該塗装装置については、該公報に詳細に記載されているので、ここでは以下に述べる要約でもって詳細な説明に換える。
【0021】
本願の塗料は、内外を複数の噴出孔により連通する円筒状のローラの外周に塗料浸透性を有する円筒状の刷毛素体を装着してなるローラ刷毛と、ローラ刷毛を回転自在に支持するローラ支持体と、このローラ支持体に連設されるハンドルとを備え、ローラの空間部内にハンドル及びローラ支持体内を経由して塗料が供給されるローラ式塗布装置に適用できる。
【0022】
更に、限定される構成要件のローラ支持体が、ハンドルに基端が連設する軸部と、フッ素樹脂或いはフッ素樹脂によって表面処理されたベアリングを介在して軸部に回転自在に支持されてローラ刷毛を装着する回転部とを有するローラ式塗布装置も使用することができる。
【0023】
本発明塗料が適用される圧送式ロ−ラー塗装装置として、上記した片圧送式ローラー塗装装置以外に両圧送式ローラー塗装装置も使用することができる。
【0024】
両圧送式ローラー塗装装置としては、特に制限なしに従来から公知のものや、本出願人が提出した特願2002−174595号に記載の両圧送式ローラー塗装装置が使用できる。
【0025】
該塗装装置については、該特願2002−174595号に詳細に記載されているので、ここでは以下の要約でもって詳細な説明に換える。
【0026】
該特願2002−174595号に記載のものは、軸中心を貫通する軸中心孔と該軸中心孔の複数箇所から半径方向に放射状に延びる放射孔とを残して中実をなす中実円筒体と・核中実円筒体の外周に取り付けられるローラー刷毛とから構成されることを特徴とする塗布用ローラーである。
【0027】
また、実施態様項は次の通りである。
【0028】
1、前記中実円筒体の表面に前記放射孔の出口につながる周方向の溝を有することを特徴とする塗布用ローラ。
【0029】
2、塗布用ローラと、該塗布用ローラーの前記中実円筒体の前記軸中心孔両端に接続される塗料圧送管と、前記塗布用ローラを前記塗布用ローラの両端で回転可能に支持するアーム部とを備えたことを特徴とするローラ式塗布装置。
【0030】
3、塗布用ローラと、該塗布用ローラの両端から内部へ塗料を圧送する塗料圧送管と、該塗布用ローラを回転可能に該塗布用ローラの両端で支持するアーム部と、該アーム部を前記塗布用ローラの軸を含む垂直面と平行な面で旋回可能に支持する旋回可能支持機構と、該アーム部を上下方向に移動可能に支持する上下可能支持機構とを備えていることを特徴とする曲面対応トラ式塗布装置。
【0031】
4、塗布用ローラとして前記の塗布用ローラを使用したことを特徴とする曲面対応ローラ式塗布装置。
【0032】
5、ロボットのアーム先端に曲面対応ローラ塗布装置を取りつけた3次元方向に移動可能な3次元移動ロボットと、該3次元移動ロボットを制御するロボット制御装置と、前記曲面対応ローラ塗布装置へ圧送する塗料流量を制御するポンプ詣岬装置とを備えたことを特徴とするローラ式自動塗装装置。
【0033】
本発明塗料は、コーンプレート型粘度計で測定した見かけ粘度がシェアレート500sec−1では100〜2000mPa・sec、及び3000sec−1では50〜1000mPa・secの範囲のものである。
【0034】
本明細書において、コーンプレート型粘度計は、測定機として、レオストレスRS150(HAAKE社製、商品名)により測定することができる。測定温度は25℃である。また、測定はシェレートを1(0.1)〜3500sec−1と連続に変化させた時の粘度(mPa・sec)をプロットし、シェアレート500sec−1及び3000sec−1でのmPa・secを読取った数値である。
【0035】
見かけ粘度において、シェアレート500sec−1で100mPa・sec未満になると、縦面に塗装した塗料が垂れやすくなり、一方、2000mPa・secを越えると塗膜平滑性が悪くなる。また、上記シェレートにおける見かけ粘度は、好ましくは150〜1500mPa・secである。
【0036】
見かけ粘度において、シェアレート3000sec−1の測定値が50mPa・sec未満になると、塗装装置内を流れる塗料の粘度が低くなりすぎるので孔部の場所により塗料の吐出量が異なり、塗装膜厚が不均一になり、一方、1000mPa・secを越えると吐出量が低下したり、塗装膜厚が不均一になったりする。また、上記シェレートにおける見かけ粘度は、好ましくは60〜900mPa・secの範囲である。
【0037】
本発明塗料は、上記した見かけ粘度以外に、粘性が、下記式(1)で定義される構造粘性指数Rで1〜4、好ましくは1.5〜3.5の範囲である。
【0038】
構造粘性指数Rは、
R=Va/Vb ・・・・・・(1)
(ただし、式(1)中Vaは、温度20℃において、B型粘度計によって回転数6回/分にて測定した見掛け粘度(mPa・sec)であり、Vbは、同じく回転数60回/分にて測定した粘度(mPa・sec)である。
【0039】
構造粘性指数Rが、1未満になると垂れ発生が起こり易く、一方、4を越えると、垂れ抑制には有利である(見かけ粘度にも左右される)。しかし、片側供給ではローラー刷毛内部の吐出孔距離により、塗料供給部分に圧力損失を生じ、吐出量が安定しない
本発明塗料において、上記した範囲の見かけ粘度、及び構造粘性指数を調整するには、例えば、粘度調整剤の種類や配合量、体質顔料の種類や配合量、着色顔料の種類や配合量、有機溶媒の種類や配合量、塗料用樹脂の分散粒子の形や大きさ、塗料固形分などをコントロールすることにより調整することができる。
【0040】
また、本発明塗料において、水性塗料を使用することが、環境安全衛生の面から特に好ましい。更に、水性樹脂を水に分散したエマルション塗料を使用したものは、上記した範囲内の見かけ粘度や構造粘性指数を容易に調整できることから、このものを使用することが好ましい。
【0041】
本発明塗料は、基材に乾燥膜厚が10〜100μm、好ましくは40〜80μmになるようにローラー塗装を行い、室温では30分もしくは2時間、また加熱する場合は例えば50℃で20分、または70℃で10分間加熱することにより乾燥直後に雨にさらされても溶け落ちることのない乾燥状態にすることができる。更に、中赤外又は遠赤外線を30秒もしくは1分照射した後に、50℃から70℃の雰囲気温度で2分から3分間加熱することにより、乾燥時間を短縮することが可能である。
【0042】
また、本発明塗料は、上記した中赤外又は遠赤外線の強制乾燥をおこなっても垂れ、ワキ、ピンホールなどの塗膜欠陥がなく、平滑性に優れた塗膜が形成できる。
【0043】
本発明塗料は、3次曲面を有する被塗物に適用することにより、より効果を発揮する。即ち、縦面においては塗装直後の塗液は大きな構造粘性により粘度が高くなるために塗膜が垂れ難く、しかも水平面においては、塗装時に掛かる大きなシェアにより粘度が極限まで低下するので塗面平滑性が優れる。これらの効果が、圧送ローラー塗装装置を使用することにより、より顕著な効果を発揮するものである。
【0044】
本発明塗料は、上記したことから、特に3次曲面を多く持つ自動車外板塗膜の一時保護に使用することが好ましい。自動車の3次曲面を有する部分としては、例えば、ボンネット、フード、ルーフ、ドアーなどが挙げられる。
【0045】
【発明の効果】本発明の塗料において、本発明塗料が圧送式ローラー塗装装置に適した塗料であることは、次の様な作用効果に基ずくものであると推察される。
【0046】
1、従来、塗料パンの中でローラーを手作業で回転させ塗料をローラーに付着、浸透させて塗装していた非圧送式ローラー式塗布装置は、ローラー全体に均一に塗料を付けることが難しく塗装膜厚にバラツキが生じたり、数回塗布後に再び塗料をローラーに浸透させるという作業が繰り返し行われるので工数がかかり、人件費、作業時間、塗装ブースの延長などの欠点が多いが、本発明においては、圧送式ローラー塗装装置を使用するのでこの様な欠点は全くない。
【0047】
2、 本発明の圧送式ローラー式塗布装置で使用される塗料は、上記した特定の範囲内の見かけ粘度、構造粘性指数を有するので、次の様な顕著な効果を発現する。
【0048】
(1) 一般的にローラー塗装で厚膜塗布をする自動車一時保護塗料(建築用、橋梁用、船舶用など)は、塗料が垂れ易い形状部位に対して垂れ発生させないよう塗装方法又は塗料的対策がとられている。
【0049】
その垂れ発生を抑制する対策として、塗料の高粘度化、又は構造粘性を付与することが考えられる。
【0050】
しかしながら、この様な従来からの見かけ粘度や構造粘性を有する塗料を圧送式ローラー塗装装置に適用しても見かけ粘度と構造粘性のバランスをとることが困難であり、その結果として、塗装作業性(吐出量、吐出安定性など)及び塗膜仕上がり外観(ローラー跡、又は垂れなど)の両性能を満足させることができない。
【0051】
即ち、見かけ粘度をある程度低くすると、塗装作業性(吐出量、吐出安定性など)は良くなるが、逆に塗膜仕上がり外観(垂れ)が悪くなり、また、塗膜仕上がり外観(垂れ)を改善するために構造粘性を高くすると、今度は塗装作業性(吐出量、吐出安定性など)が悪くなり、両者の性能を満足させることができない。
【0052】
本発明塗料は、特許請求の範囲に記載した如く特定の見かけ粘度と構造粘性の範囲を有することから、圧送式ローラー塗装装置に適用しても上記した様な欠点は全くない。
【0053】
(2)更に、本発明塗料は、両圧送式ローラー塗装装置(例えば、特願2002−174595号)に最適な塗料である。
【0054】
その理由は、次の通りである。
【0055】
▲1▼ 従来の例えば片圧送ローラー塗装装置(例えば、特開平9−192584号公報)は、ローラー刷毛内部にある塗料供給孔が数箇所またはスリット状になっており、片側供給の為に供給口の手前と先端部を粘度に応じて吐出孔の調整をしながら、それぞれの吐出バランスを保ち、膜厚均一化の手段がとられるように設計された装置である。
【0056】
しかしながら、このものでは、構造粘性を高くするとローラー刷毛内部にある塗料供給部分に圧力損失を生じる。
【0057】
この圧力損失の発生により、ハンドルから離れた塗料供給孔部に掛かるせん断速度(力)が、ハンドル近傍の塗料供給孔部のせん断速度(力)よりも遅く(小さく)なる。
【0058】
その結果として、ハンドルから離れた塗料供給孔部の塗料粘度が、ハンドル近傍の塗料供給孔部の塗料粘度よりも高くなるので各塗料供給孔部における吐出量が安定しないので、塗装膜厚が不均一となり性能や塗膜外観に優れた塗膜が形成できない。
【0059】
これに対して、両圧送ローラー塗装装置は、両端から塗料が供給され構成をもつものである。塗料供給孔の両端部は、常に塗料が供給される部分であり、せん断速度(力)が大きく粘度が低下しやすい、そして、塗料供給孔の中央は左右から供給された塗料同士が混合される部分でもあり、せん断速度(力)が大きく粘度が低下しやすい。その結果として、塗料供給孔の両端部と中央部における吐出量(分布)に偏りが少なく均一塗装が可能となる。
【0060】
両圧送ローラー塗装装置は、塗料の高せん断化により、塗装時には粘度が低下するので塗着直後のフロー性と経時によるレベリング性とが良くなる。その結果として、塗膜の仕上がり外観が良くなる。更に、塗装された塗料の粘度上昇(初期粘度の回復)により垂れの発生を抑制する。
【0061】
即ち、本発明塗料を両圧送ローラー塗装装置に適用することにより、適用できる構造粘性の幅が広く、その構造粘性による効果で、より見かけの塗装シェア粘度を低くする事が容易となりフロー性と垂れとの性能を満足させることができるといった顕著な効果を発揮する。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、更に具体的に説明する。尚、本発明塗料は、以下に掲げる実施例に限定されるものではない。
塗料1
ラップガードL(関西ペイント株式会社製、商品名、アクリル樹脂系エマルションクリヤー塗料、固形分45重量%)に粘度調整剤(ポリアルキレン誘導体)を配合して図1に示す粘度カーブの塗料1を得た。
【0063】
塗料1は、構造粘性指数で2.0、見かけ粘度がシェアレート500sec−1では200mPa・sec、及び3000sec−1では80mPa・secであった。
【0064】
塗料2
塗料1と同様にして塗料を調整して図1に示す粘度カーブの塗料2のものを得た。塗料2は、構造粘性指数で3.0、見かけ粘度がシェアレート500sec−1では150mPa・sec、及び3000sec−1では60mPa・secであった。
【0065】
塗料3(比較例用)
塗料1と同様にして塗料を調整して、構造粘性指数が3.0、見かけ粘度がシェアレート500sec−1では90mPa・sec、及び3000sec−1では80mPa・secの塗料3を得た。
【0066】
塗料4(比較例用)
ラップガードLから増粘剤を除く塗料を作成して、構造粘性指数が1.0、見かけ粘度がシェアレート500sec−1では1500mPa・sec、及び3000sec−1では1500mPa・secの塗料4を得た。
【0067】
塗料5(比較例用)
塗料1と同様にして塗料を調整して、構造粘性指数が2.0、見かけ粘度がシェアレート500sec−1では2500mPa・sec、及び3000sec−1では2000mPa・secの塗料5を得た。
【0068】
実施例及び比較例
上記した塗料を使用して、図2に記載の片圧送式ローラー塗装装置(特開平9−192584号公報に記載のローラー装置参照、図2は該公報に記載の分割斜視図である。)、及び図3に記載の両圧送ローラー塗装装置(特願2002−174595号に記載のローラー装置参照、図3はローラー刷毛組立体の軸方向の断面図である。)を使用して塗装して、塗装作業性及び塗膜の仕上がり外観を観察した。
【0069】
表1
【0070】
【表1】
Figure 2004224874
【0071】
見かけ粘度(*1):、コーンプレート型粘度計(レオストレス RS150(HAAKE社製、商品名)により測定、塗料温度25℃)で測定した。単位はPas・Secである。
【0072】
構造粘性指数(*2):下記式
R=Va/Vb ・・・・・・(1)
(ただし、式(1)中Vaは、温度20℃において、B型粘度計によって回転数6回/分にて測定した見掛け粘度(mPa・sec)であり、Vbは、同じく回転数60回/分にて測定した粘度(mPa・sec)である。)
片圧送式ローラー(*3):図2に示す片圧送式ローラー塗装装置を使用して塗装した。塗装温度は25℃である。ローラーに供給する塗料の流量は 500 cc/minである。塗装膜厚が平均60μmになるように塗装した。
【0073】
両圧送式ローラー(*4) :図3に示す両圧送式ローラー塗装装置を使用して塗装した。塗装温度は25℃である。ローラーに供給する塗料の流量は500cc/minである。塗装膜厚が平均60μmになるように塗装した。
【0074】
塗装作業性(1):図2のa孔部とb孔部との吐出量を比較した。◎は両部での吐出量に殆んど差異がなく良好、○は両部での吐出量が少し異なるが実用上問題がない、△は両部での吐出量が異なり劣る、×は両部での吐出量が著しく異なり劣る。
【0075】
仕上がり外観
垂れ(2):水平面に塗装した後、塗板を素早く垂直にして25℃に放置して乾燥を行った。◎は垂れがなく良好、○は垂れを若干生じるが実用上問題がない、△は垂れを生じ劣る、×は垂れが著しく劣る。
【0076】
ローラ跡(3):◎はローラ跡がなく良好、○はローラ跡を若干生じるが実用上問題がない、△はローラ跡を生じ劣る、×はローラ跡が著しく劣る。
【0077】
塗装作業性(4):図3のイ孔部とロ孔部との吐出量を比較した。◎は両部での吐出量に殆んど差異はなく良好、○は両部での吐出量が少し異なるが実用上問題がない、△は両部での吐出量が異なり劣る、×は両部での吐出量が著しく異なり劣る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1及び2で使用した塗料1及び2のシェアレートを変化させた時の見かけ粘度を示す。
【図2】本発明の実施例、及び比較例で使用した片圧送式ローラー塗装装置の分割斜視図を示す。
【図3】本発明の実施例、及び比較例で使用した両圧送式ローラー塗装装置のローラー刷毛組立体の軸方向の断面図を示す。

Claims (4)

  1. 塗布用ローラーの内部に塗料を圧送して塗装する圧送式ロ−ラー塗装装置用の塗料において、コーンプレート型粘度計で測定した見かけ粘度がシェアレート500sec−1では100〜2000mPa・sec、及び3000sec−1では50〜1000mPa・secの範囲であり、且つ粘性が、下記式(1)で定義される構造粘性指数Rで1〜4の範囲にあることを特徴とする圧送式ロ−ラー塗装用塗料。
    R=Va/Vb ・・・・・・(1)
    (ただし、式(1)中Vaは、温度20℃において、B型粘度計によって回転数6回/分にて測定した見掛け粘度(mPa・sec)であり、Vbは、同じく回転数60回/分にて測定した粘度(mPa・sec)である。)
  2. 圧送式ローラー塗装装置が、塗装用ローラーの両端から内部へ塗料を圧送して塗装する両圧送式ローラー塗装装置であることを特徴とする請求項1に記載の圧送式ロ−ラー塗装用塗料。
  3. 塗料が、水性塗料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧送式ロ−ラー塗装用塗料。
  4. 塗料が、自動車外板塗膜の一時保護に使用される塗料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧送式ロ−ラー塗装用塗料。
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