JP2004224739A - 油性化粧料 - Google Patents

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教安 今井
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Abstract

【課題】使用性に優れ、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果及びその持続に優れ、安定性が良好な油性化粧料に関する。
【解決手段】特定のポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物およびパーフルオロポリエーテルを含有することを特徴とする油性化粧料を提供するものである。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の油性化粧料は、メイクアップ化粧料、特に口唇用化粧料に有用であり、更に詳しくは、ベタツキなく滑らかな伸び広がり等の使用性に優れ、二次付着防止効果や化粧膜のツヤ感、保湿効果及びその持続に優れ安定性の良好な油性化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油性化粧料は、口紅、ファンデーション等のメイクアップ化粧料に応用されている。近年、特に口紅等の油性化粧料においては化粧膜塗布後に、化粧料が衣服等に付着しない、いわゆる二次付着防止効果が求められており、また同時にツヤ感とその持続が重要な品質として求められている。
二次付着防止効果を実現する方法として、例えば、揮発性油分と撥水性ポリマーを組み合わせた技術(例えば特許文献1)や、ポリオキシアルキレン変性シリコーンを配合した技術(例えば特許文献2)およびそれとパーフルオロアルキル基を含有する油剤を組み合わせた技術(例えば特許文献3)等が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−267826号公報
【特許文献2】
特開平5−178722号公報
【特許文献3】
特開平7−33622号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、揮発性油剤と撥水性ポリマーを組み合わせた技術では経時で二次付着防止効果が得られる反面、化粧膜のツヤ感が著しく減少し、塗布後の乾燥を感じるといった問題を生じる場合があった。また、ポリオキシアルキレン変性シリコーンを配合する技術では、化粧膜のツヤ感の減少および塗布部位で乾燥を感じるといった問題が生じる場合があった。また最近の、ツヤ感のあるものを好む傾向を意識した、ポリオキシアルキレン変性シリコーンとパーフルオロアルキル基を含有する油剤を組み合わせた技術ではツヤ感の減少は少ないものの、塗布後に経時で乾燥を感じるといった問題が生じる可能性は残っている。これは、従来技術のポリオキシアルキレン変性シリコーンは、これにより二次付着防止効果を得るために、ある程度の配合量を必要とされるためであり、また、塗布部位の水分を吸収して化粧膜をゲル化するにあたり、多くの水分を吸収する必要があり乾燥感を強く与える場合があるためと考えられる。
このため、塗布部位に乾燥感を与えず、ツヤ感があり、二次付着防止効果を有する油性化粧料が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは、鋭意研究した結果、特定のポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物およびパーフルオロポリエーテルとを含有する油性化粧料が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、次の成分(a)、(b);
成分(a)下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物を0.1〜20質量%(以下、単に「%」と示す。)
SiO(4―a―b―c)/2 …(1)
(但し、式中のRは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(2)
で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、
は下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(3)
で表されるポリオキシアルキレン基、
は下記一般式(4)
−C −(SiRO)−SiR …(4)
で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦198、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の正数である。)
成分(b)下記一般式(5)で表わされるパーフルオロポリエーテルを0.1〜90%
−(CFCF(R)CFO)−(CF(R)CFO)−(CF(R)O)−R …(5)
(但し、式中、R、R、R、R及びRは同一又は異なって、それぞれフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はオキシパーフルオロアルキル基を示し、p、q及びrは分子量500〜10,000を与える0以上の整数を示す。ただし、p=q=r=0となることはない。)
を含有することを特徴とする油性化粧料に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる成分(a)のポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物とは下記一般式(1)で表されるものであり、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続を向上させるために配合される。
SiO(4―a―b―c)/2 …(1)
(但し、式中のRは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(2)
で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、
は下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(3)
で表されるポリオキシアルキレン基、
は下記一般式(4)
−C −(SiRO)−SiR …(4)
で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦198、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の正数である。)
上記ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物とは少なくとも1つのポリオキシアルキレン基及びオルガノシロキサン基を有するオルガノポリシロキサングラフト重合体で、具体的には特開2001−39819号公報、特開2002−193732号公報に記載されているものが例示され、市販品としては、KF−6028(信越化学工業社製)が挙げられる。
成分(a)はその1種又は2種以上を用いることができ、配合量は、化粧料中0.1〜20%、好ましくは1〜10%である。配合量が0.1%未満であると二次付着防止効果の点で良好なものが得られず、20%を超えると使用性の点で劣り、また乾燥感を強く与える可能性がある。
【0007】
本発明で用いられる成分(b)のパーフルオロポリエーテルは、化粧時に塗布膜中から膜表面に速やかに移動して、化粧膜表面に液膜を形成するもので、それによる液ツヤの付与と、成分(a)との組合せにより、二次付着防止効果をより高める機能を発揮するもので、例えば、一般式(5)で表されるパーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
−(CFCF(R)CFO)−(CF(R)CFO)−(CF(R)O)−R …(5)
(式中、R,R,R,R及びRは同一又は異なって、それぞれフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はオキシパーフルオロアルキル基を示し、p、q、及びrは分子量500〜100,000を与える0以上の整数を示す。但し、p=q=r=0となることはない。)
なお、ここで括弧内に示される各パーフルオロ基はこの順で並んでいる必要はなく、またランダム重合でもブロック重合でも構わない。かかるパーフルオロポリエーテルとしては、撥水性、撥油性を有し、特に粘度が5〜5000mm/sのものが好ましく、例えば次の一般式(6)
CF−(OCF(CF)CF−(OCF−OCF …(6)
(式中、m及びnは分子量500〜10,000を与える数を示し、n/mは0.2〜2である)
で表されるもの、市販品としてはFOMBLIN HC−04(動粘度測定法で測定した重量平均分子量1500)、同HC−25(同3200)、同HC−R(同6600)(以上、アウジモント社製)等や、次の一般式(7)
F−(CFCFCFO)−CFCF …(7)
(式中、lは4〜500の数を示す。)
で表されるもの、市販品としてはデムナムS−20(重量平均分子量2700)、同S−65(4500)、同S−100(同5600)、同S−200(同8400)(ダイキン工業(株)製)等が挙げられる。
【0008】
成分(b)はその1種又は2種以上を用いることができ、配合量は、化粧料中0.1〜90%、好ましくは、0.5〜80%である。配合量が0.1%未満であると二次付着防止効果や塗布後のツヤ感の点において良好なものが得られず、80%を超えても二次付着防止効果、塗布後のツヤ感、使用性などで良好なものは得られるが、80%以下であれば、使用性において更に良好なものが得られる。
【0009】
本発明の油性化粧料は、更に、成分(c)として12−ヒドロキシステアリン酸、デキストリン脂肪酸エステル、煙霧状無水ケイ酸から選ばれる1種又は2種以上を含有することにより、油性成分をゲル化することができ、これにより、化粧料の安定性が更に向上し、また経時での二次付着防止効果も更に向上させることができる。これらの中でも煙霧状無水ケイ酸が、外観上、特に透明性の点で好ましい。
12−ヒドロキシステアリン酸はひまし油に80〜85%含まれるリシノール酸を水素ガスにて接触還元して製せられる脂肪酸であって白色でロウ状の固体であり、一般的な市販品が使用できる。
デキストリン脂肪酸エステルとしてはデキストリンと炭素数8〜22の高級脂肪酸とのエステルが好ましく、具体的にはラウリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン等があげられ、市販品としてはレオパールKE、レオパールKL,レオパールTT(いずれも千葉製粉社製)等があげられる。また、これらのデキストリン脂肪酸エステルは必要に応じ1種又は2種以上を用いることができる。
煙霧状無水ケイ酸は、例えば四塩化ケイ素を水素と酸素炎中で加水分解して得られるものが挙げられ、市販品としては、AEROSIL 50、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL 200V、AEROSIL 200CF、AEROSIL 200FAD、AEROSIL 300、AEROSIL 300CF、AEROSIL 380(以上、日本アエロジル社製)等が挙げられる。また、前記煙霧状無水ケイ酸を反応性アルキルシランやオルガノシラザン等で処理した疎水性煙霧状無水ケイ酸でもよい。疎水化処理の方法としては、ジメチルジクロルシランによるジメチルシリル化処理、トリメチルクロルシランやヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシリル化処理、オクチルトリクロルシランによるオクチルシリル化処理、ジメチルポリシロキサンやメチルハイドロジェンポリシロキサンによるシリコーン処理、金属セッケン化合物によるコーティング処理等が挙げられる。市販品としては、AEROSIL R−972、AEROSIL R974、AEROSIL R976(以上、ジメチルジクロルシラン処理)、AEROSIL RX200、AEROSIL RX300(以上、ヘキサメチルジシラザン処理)、AEROSIL R805(オクチルシラン処理)、AEROSIL RY200、AEROSIL RY300(以上、ジメチルシロキサン処理)(いずれも日本アエロジル社製)、キャボジルTS530(トリメチルクロルシラン処理)(キャボット社製)等が挙げられる。これらの煙霧状無水ケイ酸の一次粒径は50nm以下が好ましく、20nm以下が特に好ましい。また、これらの煙霧状無水ケイ酸は必要に応じ、1種又は2種以上を用いることができる。
成分(c)の配合量は化粧料中0.1〜25%であれば、安定性および経時での二次付着防止効果の点で優れ好ましい。
【0010】
本発明の油性化粧料は、更に、成分(d)としての融点が90〜110℃のエチレンホモポリマー及び/又はコポリマーを含有することにより、特に固形状の油性化粧料においては、形状の保持や、経時及び高温での安定性を更に向上させることができる。このエチレンホモポリマー及び/又はコポリマーは、エチレン単独若しくは、エチレンと付加重合可能な1種以上の不飽和単量体との共重合体で、通常化粧料に使用されるものであればいずれのものも使用することができるが、ポリエチレンワックス及び/又はエチレン・プロピレン共重合体が好ましい。市販品としてはPERFORMALENE500、PERFORMALENE655、PERFORMALENE725、PERFORMALENE850、EP−700、EP−1100(共にBaker Petrolite社製)などが挙げられる。また、これらは必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
成分(d)の配合量は、好ましくは化粧料中5〜25%、更に好ましくは8〜15%の範囲で配合される。配合量がこの範囲であれば二次付着防止効果、塗布後のツヤ感、使用性および経時や高温での安定性においてより良好なものが得られる。
【0011】
本発明の油性化粧料には、上記した必須成分の他に化粧品一般に使用される成分、例えば、成分(a)〜(d)以外の油性成分、粉体、界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、皮膜形成剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0012】
様々な感触を演出したり、経時安定性を確保する目的で油性成分としては、成分(a)〜(d)以外で化粧品一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活性剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、ミツロウ、ゲイロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス等のロウ類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸等の脂肪酸類、ラウリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクチルメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合メチルポリシロキサン、高重合メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0013】
着色を施したり、経時安定性を確保したりする目的で粉体成分としては、化粧品一般に使用される粉体として用いられている粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、合成金雲母、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄・酸化チタン被覆合成金雲母、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー、魚鱗箔、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の光輝性粉体が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上を複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素、アミノ酸系化合物、水溶性高分子等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0014】
メイクアップ化粧料においては粉体を含有することが多いが、その粉体の分散性向上を目的で、界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればよく、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。これらの中でも、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が好ましく、例えば、非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、例えば、大豆リン脂質が挙げられる。
【0015】
水性成分としては、清涼感やモイスチャー効果を付与する目的で用いることができるが、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、PABA系としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等が挙げられ、ケイ皮酸としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としてはサリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等が挙げられ、その他、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0016】
本発明の油性化粧料は、高温で溶解した成分(a)(b)を含む油性成分と、他の成分がある場合はそれらとを混合した後、冷却することにより得ることができる。
【0017】
本発明の油性化粧料は、メイクアップ、スキンケア、頭髪製品等種々の化粧料とすることができるが、形状としてスティック状、ゲル状、液状、流し込みタイプのものが挙げられ、また、口紅、リップグロス、下地用のリップベース、口紅オーバーコート、リップクリームや、アイカラー、フェイスカラー、ファンデーション、クレンジング、アイクリーム、チック等とすることができるが、この中でもメイクアップ化粧料、特に口唇用化粧料であることが効果の発現が顕著である点で好ましい。
【0018】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0019】
本発明品1〜8及び比較例1〜4:スティック状口紅
表1に示す処方のスティック状口紅を調製し、使用性(なめらかさ、付着性)、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続(経時での乾燥感のなさ)について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0020】
【表1】
Figure 2004224739
【0021】
注1:ペトロライト EP−700(Baker Petrolite社製)
注2:パールリーム18(日本油脂社製)
注3:FOMBLIN HC−04(アウシモント社製)
注4:KF−6028(信越化学工業社製)
注5:ジメチコンコポリオール;KF−6017(信越化学工業社製)
注6:AEROSIL 300(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A、成分1〜12を110℃にて均一に溶解する。
B、A成分に成分13〜19を加えて均一混合し、その後、成分20を添加し均一混合する。
C、口紅容器に充填して口紅を得る。
【0022】
(評価方法)
下記評価項目について各々評価を行った。
イの使用性、ロの化粧膜のツヤ感、ハの二次付着防止効果、ニの保湿効果の持続については、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚、ハの二次付着防止効果については、各試料を唇に塗布し、一時間後ティッシュペーパーを唇にあて、ティッシュペーパーへの転写のなさの程度を評価し、ハの保湿効果の持続ついては、各試料を唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後の保湿効果について評価した。
【0023】
(評価項目)
イ.使用性
ロ.化粧膜のツヤ感
ハ.二次付着防止効果
ニ.保湿効果の持続
【0024】
(使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続評価)
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(4段階判定基準)
(評点平均値) :(判定)
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超えて5点以下:良好 :○
1点を超えて3点以下:やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
【0025】
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜8のスティック状口紅は、比較例1〜4のスティック状口紅に比べ使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続の全てにおいて優れ、また安定性も良好なものであった。これに対して成分(a)の配合されていない比較例2では特に使用性、二次付着防止効果の点で、成分(a)の代わりに構造の異なるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物を含有した比較例4では特に二次付着防止効果と保湿効果の持続において満足いくものが得られなかった。また、成分(b)の配合されていない比較例1では全ての項目で、成分(a)と(b)の配合量がともに0.05%である比較例3では、特に化粧膜のツヤ感と二次付着防止効果の点で満足いくものが得られなかった。
【0026】
実施例9:口紅オーバーコート(ゲル状)
(成分) (%)
1.パーフルオロポリエーテル 注7 残量
2.ジメチルジクロルシラン処理煙霧状無水ケイ酸 注8 6
3.ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物 注4 3
4.12−ヒドロキシステアリン酸 1.5
5.ビタミンE 0.5
6.香料 適量
注7:式(7)で表されるパーフルオロポリエーテル
注8:AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分1〜4を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分5、6を加え均一に分散する。
C:Bを容器に充填して口紅オーバーコートを得た。
実施例9は、使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続といった項目に優れ安定性も良好な口紅オーバーコートであった。
【0027】
実施例10:油性ファンデーション
(成分) (%)
1.キャンデリラワックス 5
2.マイクロクリスタリンワックス 10
3.ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物 注9 2
4.エチレン・プロピレンコポリマー 注1 0.5
5.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 10
6.パーフルオロポリエーテル 注3 15
7.ポリブテン 注10 1
8.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセライド 残量
9.デキストリン脂肪酸エステル 注11 3
10.微粒子酸化チタン 1
11.微粒子酸化亜鉛 1
12.酸化チタン 8
13.硫酸バリウム 2
14.セリサイト 15
15.ベンガラ 1
16.黄酸化鉄 2
17.黒酸化鉄 0.5
18.1,3−ブチレングリコール 0.5
19.アロエエキス 適量
20.香料 適量
注9:下記平均組成式(8)で示されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物
【0028】
【化1】
Figure 2004224739
【0029】
但し、
【0030】
【化2】
Figure 2004224739
【0031】
=−CO(CO)
【0032】
注10:ポリブテン100R(出光石油化学社製)
注11:パルミチン酸デキストリン;レオパールKL(千葉製粉社製)
(製造方法)
A:成分1〜9を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分10〜19を加え均一に分散した後、成分20を加え均一に混合する。
C:Bを金皿に流し込み、冷却固化して油性ファンデーションを得た。
実施例10は、使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続といった項目に優れ安定性も良好な油性ファンデーションであった。
【0033】
実施例11:油性アイシャドウ
Figure 2004224739
注12:質量平均分子量が2000のα−オレフィンオリゴマー
注13:下記平均組成式(9)で示されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物
【0034】
【化3】
Figure 2004224739
【0035】
但し、R、Rは前記と同じ。
【0036】
注14:KP−561(信越化学工業社製)
注15:メチルハイドロジェンポリシロキサン3%処理
注16:パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩5%処理
(製造方法)
A:成分1〜11を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分12〜20を加え、均一に混合分散する。
C:Bを金皿に流し込み、冷却固化して油性アイシャドウを得た。
実施例11は使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続といった項目に優れ安定性も良好な油性アイシャドウであった。
【0037】
実施例12:油性ゲル状ヘアクリーム
Figure 2004224739
注17:ビスタネックスLMMH−LC(エクソンモービルケミカル社製)
注18:エルデュウ CL−301(味の素社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分8〜10を加え、均一に混合分散する。
C:Bを容器に流し込み、冷却して油性ゲル状ヘアクリームを得た。
実施例12は使用性、化粧膜のツヤ感、襟への二次付着防止効果、しっとり感(保湿効果)の持続といった項目で良好な油性ゲル状ヘアクリームであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の油性化粧料は特定のポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物およびパーフルオロポリエーテルを含有し、使用性、化粧膜のツヤ感、二次付着防止効果、保湿効果の持続に優れ、安定性も良好な油性化粧料である。

Claims (5)

  1. 次の成分(a)、(b);
    成分(a)下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物を0.1〜20質量%
    SiO(4―a―b―c)/2 …(1)
    (但し、式中のRは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
    −C2m−O−(CO)(CO)−R …(2)
    で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、
    は下記一般式(3)
    −C2m−O−(CO)(CO)−R …(3)
    で表されるポリオキシアルキレン基、
    は下記一般式(4)
    −C −(SiRO)−SiR …(4)
    で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦198、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の正数である。)
    成分(b)下記一般式(5)で表わされるパーフルオロポリエーテルを0.1〜90質量%
    −(CFCF(R)CFO)−(CF(R)CFO)−(CF(R)O)−R …(5)
    (但し、式中、R、R、R、R及びRは同一又は異なって、それぞれフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はオキシパーフルオロアルキル基を示し、p、q及びrは分子量500〜10,000を与える0以上の整数を示す。ただし、p=q=r=0となることはない。)
    を含有することを特徴とする油性化粧料。
  2. 更に、成分(c)として、12−ヒドロキシステアリン酸、煙霧状無水ケイ酸、デキストリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のゲル化剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の油性化粧料。
  3. 前記成分(c)のゲル化剤が煙霧状無水ケイ酸を必須に含有することを特徴とする請求項2に記載の油性化粧料。
  4. 更に、成分(d)として融点が90〜110℃のエチレンホモポリマー及び/又はコポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油性化粧料。
  5. 口唇化粧料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油性化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012056881A (ja) * 2010-09-08 2012-03-22 Saiensurin:Kk 毛髪処理剤組成物
JP2014129256A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Kose Corp 口紅オーバーコート

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