JP2004224718A - N−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、一般式(I)
【化1】
(式中、R1は、置換基を有していても良いアリール基、R2は、置換基を有していても良いアルキル基を示す。)
で示されるβ−アミノ酸エステル類と一般式(II)
【化2】
(式中、R3は、置換基を有していても良いアリール基を示す。)
で示されるアルデヒド類から、簡便な方法によって、高収率で一般式(III)
【化3】
(式中、R1、R2及びR3は、前記と同義である。)
で示されるN−置換−β−アミノ酸エステルを製造する、工業的に好適なN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の課題は、金属触媒及び水素の存在下、β−アミノ酸エステル類とアルデヒド類とを、有機溶媒中で反応させることを特徴とする、N−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法によって解決される。
【選択図】 なし
【化1】
(式中、R1は、置換基を有していても良いアリール基、R2は、置換基を有していても良いアルキル基を示す。)
で示されるβ−アミノ酸エステル類と一般式(II)
【化2】
(式中、R3は、置換基を有していても良いアリール基を示す。)
で示されるアルデヒド類から、簡便な方法によって、高収率で一般式(III)
【化3】
(式中、R1、R2及びR3は、前記と同義である。)
で示されるN−置換−β−アミノ酸エステルを製造する、工業的に好適なN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の課題は、金属触媒及び水素の存在下、β−アミノ酸エステル類とアルデヒド類とを、有機溶媒中で反応させることを特徴とする、N−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法によって解決される。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、β−アミノ酸エステル類とアルデヒド類とから、N−置換−β−アミノ酸エステルを製造する方法に関する。N−置換−β−アミノ酸エステルは、例えば、加水分解酵素の存在下で加水分解させて光学活性なN−置換−β−アミノ酸及びそのエステルとした後(例えば、非特許文献1参照。)、公知の還元方法によって、生理活ペプチドやラクタム系抗生物質の合成中間体として有用な光学活性β−アミノ酸及びそのエステルに容易に誘導出来る(例えば、非特許文献2参照。)。
【0002】
【非特許文献1】
Tetrahedron Asymmetry,8,37(1997)
【0003】
【非特許文献2】
Current Medicinal Chemistry,6,955(1999)
【0004】
【従来の技術】
従来、N−置換−β−アミノ酸エステル、即ち、3−アリールメチルアミノ−3−アリールプロピオン酸エステルを製造する方法としては、類似化合物の製法として、シアノトリヒドロホウ酸ナトリウム存在下、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸とp−クロロベンズアルデヒドとを反応させて、収率28%で3−(p−クロロベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸を得る方法が知られている(例えば、非特許文献3参照。)。しかしながら、この方法では極めて毒性の高いシアノトリヒドロホウ酸ナトリウムを使用しなければならない上に、収率が低いという問題があった。
【0005】
【非特許文献3】
Eur.J.Med.Chem.,23,523(1988)、表5
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、β−アミノ酸エステル類とアルデヒド類から、簡便な方法によって、高収率でN−置換−β−アミノ酸エステルを製造する、工業的に好適なN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、金属触媒及び水素の存在下、一般式(I)
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、R1は、置換基を有していても良いアリール基、R2は、置換基を有していても良いアルキル基を示す。)
で示されるβ−アミノ酸エステル類と一般式(II)
【0010】
【化5】
【0011】
(式中、R3は、置換基を有していても良いアリール基を示す。)
で示されるアルデヒド類とを、有機溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式(III)
【0012】
【化6】
【0013】
(式中、R1、R2及びR3は、前記と同義である。)
で示されるN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法によって解決される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の反応では、例えば、下記の一般式(IV)
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、R1、R2及びR3は、前記と同義である。)
で示されるように、金属触媒及び水素の存在下、前記の一般式(I)で示されるβ−アミノ酸エステル類(以下、化合物(I)と称することもある。)と前記の一般式(II)で示されるアルデヒド類(以下、化合物(II)と称することもある。)とを、有機溶媒中で反応させることによって、一般式(III)で示されるN−置換−β−アミノ酸エステル(以下、化合物(III)と称することもある。)を得ることが出来る。
【0017】
化合物(I)及び(III)のR1、化合物(II)及び(III)のR3は、置換基を有していても良いアリール基を示す。
【0018】
前記の「置換基を有していても良いアリール基」におけるアリール基とは、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。又、「置換基を有していても良いアリール基」における置換基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ヒドロキシル基;塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ニトロ基等が挙げられる。
【0019】
このような置換基を有していても良いアリール基としては、具体的には、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4−キシリル基、3,4−基尻る基、メシチル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられるが、好ましくはフェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、3,4−キシリル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、更に好ましくはフェニル基、4−トリル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基である。
【0020】
化合物(I)及び(III)のR2は置換基を有していても良いアルキル基を示す。
【0021】
前記の「置換基を有していても良いアルキル基」におけるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基のようなアルキル基が挙げられるが(なお、これらの基は、各種異性体を含む。)、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、更に好ましくはメチル基、エチル基である。又、「置換基を有していても良いアルキル基」における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);シアノ基等が挙げられるが、好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、シアノ基である。
【0022】
このような置換基を有していても良いアルキル基としては、具体的には、例えば、2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブロモエチル基、2−ジメチルアミノ基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基などが挙げられるが、好ましくは2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−シアノエチル基である。
【0023】
本発明の反応において使用される化合物(I)は、例えば、アルデヒド類、マロン酸及び酢酸アンモニウムを反応させた後(例えば、非特許文献4参照)、公知のエステル化法によって容易に製造することが出来る。
【0024】
【非特許文献4】
Tetrahedron Asymmetry,6,1601(1995)
【0025】
前記のR1及びR2を有する化合物(I)の具体例としては、例えば
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−オクチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸イソプロピルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸t−ブチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸クロロメチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸フルオロメチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸シアノメチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−クロロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−フルオロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−シアノエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2,2,2−トリクロロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2,2,2−トリフルオロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸ベンジルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸4−クロロベンジルエステル、
3−アミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−チエニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−フリル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−キノリル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−エチルフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−フリル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−キノリル)プロピオン酸エチルエステル、
等が挙げられるが、好ましくは、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−クロロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−フルオロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸ベンジルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸エチルエステル、
更に好ましくは、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−クロロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−フルオロエチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル
である。
【0026】
前記のR3を有する化合物(II)の具体例としては、例えば、
ベンズアルデヒド、
2−クロロベンズアルデヒド、
3−クロロベンズアルデヒド、
4−クロロベンズアルデヒド、
2−ブロモベンズアルデヒド、
3−ブロモベンズアルデヒド、
4−ブロモベンズアルデヒド、
2−フルオロベンズアルデヒド、
3−フルオロベンズアルデヒド、
4−フルオロベンズアルデヒド、
2−メトキシベンズアルデヒド、
3−メトキシベンズアルデヒド、
4−メトキシベンズアルデヒド、
2−ヒドロキシベンズアルデヒド、
3−ヒドロキシベンズアルデヒド、
4−ヒドロキシベンズアルデヒド、
2−メチルベンズアルデヒド、
3−メチルベンズアルデヒド、
4−メチルベンズアルデヒド、
2−トリフルオロメチルベンズアルデヒド、
3−トリフルオロメチルベンズアルデヒド、
4−トリフルオロメチルベンズアルデヒド、
2−ニトロベンズアルデヒド、
3−ニトロベンズアルデヒド、
4−ニトロベンズアルデヒド、
2−シアノベンズアルデヒド、
3−シアノベンズアルデヒド、
4−シアノベンズアルデヒド、
2,4−ジクロロベンズアルデヒド、
3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、
3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、
2−ナフトアルデヒド、
2−ピリジルアルデヒド
等が挙げられるが、好ましくは、
ベンズアルデヒド、
2−クロロベンズアルデヒド、
2−メトキシベンズアルデヒド、
2−ヒドロキシベンズアルデヒド、
3−ヒドロキシベンズアルデヒド、
4−ヒドロキシベンズアルデヒド、
2−メチルベンズアルデヒド、
3−メチルベンズアルデヒド、
4−メチルベンズアルデヒド、
3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、
3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、
2−ナフトアルデヒド、
2−ピリジルアルデヒド、
更に好ましくは、
ベンズアルデヒド、
2−メチルベンズアルデヒド、
3−メチルベンズアルデヒド、
4−メチルベンズアルデヒド、
3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド
である。
【0027】
本発明で使用するアルデヒド類(II)の量は、化合物(I)1モルに対して、好ましくは0.5〜5.0モル、更に好ましくは0.8〜1.2モル、特に好ましくは0.9〜1.1モルである。
【0028】
本発明の反応で使用する金属触媒としては、パラジウム/炭素、白金/炭素、ルテニウム/炭素、ロジウム/炭素、ニッケル/炭素、ラネーニッケル等が挙げられるが、好ましくはパラジウム/炭素、白金/炭素、更に好ましくはパラジウム/炭素が使用される。なお、これらの金属触媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0029】
前記金属触媒の使用量は、化合物(I)1gに対して、金属原子換算で、好ましくは0.005〜50mg、更に好ましくは0.05〜10mgである。
【0030】
本発明の反応で使用する水素量は、化合物(I)1モルに対して、好ましくは1.0〜15.0モル、更に好ましくは1.0〜10.0モルである。←記載下さい。なお、本発明で使用する水素は、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガスによって希釈されていても
良い。
【0031】
本発明で使用する有機溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピリドン等のアミド類;1,2−ジメチルイミダゾール等のイミダゾール類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の尿素類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類が挙げられるが、好ましくはアルコール類、芳香族炭化水素類、更に好ましくはアルコール類が使用される。なお、これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0032】
前記有機溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、例えば、化合物(I)1gに対して、好ましくは2〜200ml、更に好ましくは5〜80mlである。
【0033】
本発明の反応は、例えば、化合物(I)、化合物(II)、金属触媒及び有機溶媒を混合して、水素雰囲気下、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは−80〜100℃、更に好ましくは0℃〜40℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【0034】
本発明の反応によって得られた化合物(III)は、例えば、反応終了後、反応液を濾過し、反応溶媒を留去することによって単離することが出来る。なお、これにより得られた化合物(III)は、晶析、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法により、更に精製することも出来る。
【0035】
本発明の反応によって得られる化合物(III)は前記のの具体例としては、例えば、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸n−オクチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸イソプロピルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸t−ブチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸クロロメチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸フルオロメチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸シアノメチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2−クロロエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2−フルオロエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2−シアノエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2,2,2−トリクロロエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2,2,2−トリフルオロエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸ベンジルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸4−クロロベンジルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−チエニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−フリル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−キノリル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−エチルフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−フリル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−キノリル)プロピオン酸エチルエステル、
3−(2−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(3−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(4−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(2−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(3−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(4−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
、
3−(2、4−メチレンジオキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
、
3−(2−ピリジルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(2−フリルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルである。
【0036】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0037】
実施例1(3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル26.50g(0.15mol)をメタノール80mlに溶解し、ベンズアルデヒド15.7g(0.15mol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)0.27gを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温にて10時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル39.43gを得た。得られた3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルを高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の収率は99.0%であった。
【0038】
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
カラム:Cadenza CD−C18(4.6cmΦ×150mm、ダイセル化学工業株式会社製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=3/2(容量比))
リン酸二水素カリウム10mmol/L
pH6.0
波長 :254nm
流速 :0.6ml/min.
温度 :40℃
【0039】
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.62(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.72(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.53(d、1H、J=13.2Hz)、3.62(s、3H)、3.65(d、1H、J=13.2Hz)、4.11(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、7.21−7.35(m、10H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):42.9、51.3、51.6、58.8、126.9、127.1、127.5、128.1、128.3、128.6、140.3、142.5、172.2
MS(CI、i−C4H10)m/z:270(MH+)
【0040】
実施例2(3−(4−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル3.61g(20.14mmol)をメタノール40mlに溶解し、ベンズアルデヒド24.60g(20.14mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)36mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温にて10時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル=3/5(容量比))で精製し、3−(4−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル4.89gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=85.0%)。
【0041】
3−(4−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.66(dd、1H、J=5.4、15.9Hz)、2.80(dd、1H、J=8.8、15.9Hz)、3.44(d、1H、J=12.7Hz)、3.55(d、1H、J=12.7Hz)、3.59(s、3H)、4.12(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、6.63−7.35(m、9H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):42.1、50.7、51.8、58.7、115.7、127.3、127.7、128.8、129.6、130.6、141.5、155.5、172.6
MS(CI、i−C4H10)m/z:286(MH+)
【0042】
実施例3(3−(3,4−メチレンジオキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル2.30g(8.54mmol)をメタノール23mlに溶解し、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド1.28g(20.14mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)23mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温にて8時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(WakogelC−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル=5/3(容量比))で精製し、3−(3,4−メチレンジオキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル2.04gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=80.0%)。
3−(3,4−メチレンジオキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
【0043】
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.60(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.70(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.43(d、1H、J=13.2Hz)、3.54(d、1H、J=13.2Hz)、3.61(s、3H)、4.09(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、5.88(S、2H)、6.65−6.78(m、3H)、 7.23−7.34(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):42.8、51.0、51.6、58.6、100.8、108.0、108.7、121、1、127.1、127.5、128.6、134.2、142.5、146.4、147.6、172.2
MS(CI、i−C4H10)m/z:314(MH+)
【0044】
実施例4(3−(2−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル1.20g(6.67mmol)をメタノール12mlに溶解し、2−メチルベンズアルデヒド0.80g(6.67mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)60mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温にて3時間攪拌反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1(容量比))で精製し、3−(2−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル2.04gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=85.0%)。
3−(2−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
【0045】
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.26(s,3H)、2.62(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.71(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.56(s、2H)、3.62(s、3H)、4.13(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、7.12−7.39(m、9H) 13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):18.8、42.9、49.5、51.6、59.4、125.8、127.0、127.1、127.5、128.6、128.8、130.2、136.6、138.1、142.7、172.3
MS(CI、i−C4H10)m/z:286(MH+)
【0046】
実施例5(3−(2−フリルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル1.23g(6.88mmol)をメタノール12mlに溶解し、2−フリルアルデヒド12.8mg(6.88mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)62mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温で3時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル=5/2(容量比))で精製し、3−(2−フリルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル1.43gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=80.0%)。
3−(2−フリルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
【0047】
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.62(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.73(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.53(d、1H、J=14.2Hz)、3.62(s、3H)、3.64(d、1H、J=14.2Hz)、4.10(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、6.10(d、1H、J=3.4Hz)、6.28(dd、1H、J=2.0、2.9Hz)、7.25−7.41(m、6H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):42.7、43.8、51.6、58.4、106.9、110.1、127.2、127.6、128.6、141.8、142.0、153.7、172.1
MS(CI、i−C4H10)m/z:260(MH+)
【0048】
実施例6(3−(2−ピリジルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸メチルエステル4.0g(22.19mmol)をメタノール20mlに溶解し、ベンズアルデヒド2.59g(24.40mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)200mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温で3時間攪拌反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル/メタノール=5/2/1(容量比))で精製し、3−(2−ピリジルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル4.67gを得た(3−アミノ−3−(2−ピリジルメチルアミノ)フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=77.8%)。
3−ベンジルアミノ−3−(2−ピリジルメチルアミノ)フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
【0049】
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.63(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.75(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.54(d、1H、J=13.2Hz)、3.64(s、3H)、3.64(d、1H、J=14.2Hz)、4.15(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、7.20−7.33(m、6H)、 7.72−7.75(m、1H)、 8.53−8.59(m、6H)
MS(CI、i−C4H10)m/z:271(MH+)
【0050】
【発明の効果】
本発明の課題により、β−アミノ酸エステル類とアルデヒド類から、簡便な方法によって、高収率でN−置換−β−アミノ酸エステルを製造する、工業的に好適なN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法を提供することが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明は、β−アミノ酸エステル類とアルデヒド類とから、N−置換−β−アミノ酸エステルを製造する方法に関する。N−置換−β−アミノ酸エステルは、例えば、加水分解酵素の存在下で加水分解させて光学活性なN−置換−β−アミノ酸及びそのエステルとした後(例えば、非特許文献1参照。)、公知の還元方法によって、生理活ペプチドやラクタム系抗生物質の合成中間体として有用な光学活性β−アミノ酸及びそのエステルに容易に誘導出来る(例えば、非特許文献2参照。)。
【0002】
【非特許文献1】
Tetrahedron Asymmetry,8,37(1997)
【0003】
【非特許文献2】
Current Medicinal Chemistry,6,955(1999)
【0004】
【従来の技術】
従来、N−置換−β−アミノ酸エステル、即ち、3−アリールメチルアミノ−3−アリールプロピオン酸エステルを製造する方法としては、類似化合物の製法として、シアノトリヒドロホウ酸ナトリウム存在下、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸とp−クロロベンズアルデヒドとを反応させて、収率28%で3−(p−クロロベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸を得る方法が知られている(例えば、非特許文献3参照。)。しかしながら、この方法では極めて毒性の高いシアノトリヒドロホウ酸ナトリウムを使用しなければならない上に、収率が低いという問題があった。
【0005】
【非特許文献3】
Eur.J.Med.Chem.,23,523(1988)、表5
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、β−アミノ酸エステル類とアルデヒド類から、簡便な方法によって、高収率でN−置換−β−アミノ酸エステルを製造する、工業的に好適なN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、金属触媒及び水素の存在下、一般式(I)
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、R1は、置換基を有していても良いアリール基、R2は、置換基を有していても良いアルキル基を示す。)
で示されるβ−アミノ酸エステル類と一般式(II)
【0010】
【化5】
【0011】
(式中、R3は、置換基を有していても良いアリール基を示す。)
で示されるアルデヒド類とを、有機溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式(III)
【0012】
【化6】
【0013】
(式中、R1、R2及びR3は、前記と同義である。)
で示されるN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法によって解決される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の反応では、例えば、下記の一般式(IV)
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、R1、R2及びR3は、前記と同義である。)
で示されるように、金属触媒及び水素の存在下、前記の一般式(I)で示されるβ−アミノ酸エステル類(以下、化合物(I)と称することもある。)と前記の一般式(II)で示されるアルデヒド類(以下、化合物(II)と称することもある。)とを、有機溶媒中で反応させることによって、一般式(III)で示されるN−置換−β−アミノ酸エステル(以下、化合物(III)と称することもある。)を得ることが出来る。
【0017】
化合物(I)及び(III)のR1、化合物(II)及び(III)のR3は、置換基を有していても良いアリール基を示す。
【0018】
前記の「置換基を有していても良いアリール基」におけるアリール基とは、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。又、「置換基を有していても良いアリール基」における置換基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ヒドロキシル基;塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ニトロ基等が挙げられる。
【0019】
このような置換基を有していても良いアリール基としては、具体的には、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4−キシリル基、3,4−基尻る基、メシチル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられるが、好ましくはフェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、3,4−キシリル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、更に好ましくはフェニル基、4−トリル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基である。
【0020】
化合物(I)及び(III)のR2は置換基を有していても良いアルキル基を示す。
【0021】
前記の「置換基を有していても良いアルキル基」におけるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基のようなアルキル基が挙げられるが(なお、これらの基は、各種異性体を含む。)、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、更に好ましくはメチル基、エチル基である。又、「置換基を有していても良いアルキル基」における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);シアノ基等が挙げられるが、好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、シアノ基である。
【0022】
このような置換基を有していても良いアルキル基としては、具体的には、例えば、2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブロモエチル基、2−ジメチルアミノ基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基などが挙げられるが、好ましくは2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−シアノエチル基である。
【0023】
本発明の反応において使用される化合物(I)は、例えば、アルデヒド類、マロン酸及び酢酸アンモニウムを反応させた後(例えば、非特許文献4参照)、公知のエステル化法によって容易に製造することが出来る。
【0024】
【非特許文献4】
Tetrahedron Asymmetry,6,1601(1995)
【0025】
前記のR1及びR2を有する化合物(I)の具体例としては、例えば
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−オクチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸イソプロピルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸t−ブチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸クロロメチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸フルオロメチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸シアノメチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−クロロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−フルオロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−シアノエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2,2,2−トリクロロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2,2,2−トリフルオロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸ベンジルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸4−クロロベンジルエステル、
3−アミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−チエニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−フリル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−キノリル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−エチルフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−フリル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−キノリル)プロピオン酸エチルエステル、
等が挙げられるが、好ましくは、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−クロロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−フルオロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸ベンジルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸エチルエステル、
更に好ましくは、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−クロロエチルエステル、
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸2−フルオロエチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−アミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル
である。
【0026】
前記のR3を有する化合物(II)の具体例としては、例えば、
ベンズアルデヒド、
2−クロロベンズアルデヒド、
3−クロロベンズアルデヒド、
4−クロロベンズアルデヒド、
2−ブロモベンズアルデヒド、
3−ブロモベンズアルデヒド、
4−ブロモベンズアルデヒド、
2−フルオロベンズアルデヒド、
3−フルオロベンズアルデヒド、
4−フルオロベンズアルデヒド、
2−メトキシベンズアルデヒド、
3−メトキシベンズアルデヒド、
4−メトキシベンズアルデヒド、
2−ヒドロキシベンズアルデヒド、
3−ヒドロキシベンズアルデヒド、
4−ヒドロキシベンズアルデヒド、
2−メチルベンズアルデヒド、
3−メチルベンズアルデヒド、
4−メチルベンズアルデヒド、
2−トリフルオロメチルベンズアルデヒド、
3−トリフルオロメチルベンズアルデヒド、
4−トリフルオロメチルベンズアルデヒド、
2−ニトロベンズアルデヒド、
3−ニトロベンズアルデヒド、
4−ニトロベンズアルデヒド、
2−シアノベンズアルデヒド、
3−シアノベンズアルデヒド、
4−シアノベンズアルデヒド、
2,4−ジクロロベンズアルデヒド、
3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、
3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、
2−ナフトアルデヒド、
2−ピリジルアルデヒド
等が挙げられるが、好ましくは、
ベンズアルデヒド、
2−クロロベンズアルデヒド、
2−メトキシベンズアルデヒド、
2−ヒドロキシベンズアルデヒド、
3−ヒドロキシベンズアルデヒド、
4−ヒドロキシベンズアルデヒド、
2−メチルベンズアルデヒド、
3−メチルベンズアルデヒド、
4−メチルベンズアルデヒド、
3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、
3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、
2−ナフトアルデヒド、
2−ピリジルアルデヒド、
更に好ましくは、
ベンズアルデヒド、
2−メチルベンズアルデヒド、
3−メチルベンズアルデヒド、
4−メチルベンズアルデヒド、
3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド
である。
【0027】
本発明で使用するアルデヒド類(II)の量は、化合物(I)1モルに対して、好ましくは0.5〜5.0モル、更に好ましくは0.8〜1.2モル、特に好ましくは0.9〜1.1モルである。
【0028】
本発明の反応で使用する金属触媒としては、パラジウム/炭素、白金/炭素、ルテニウム/炭素、ロジウム/炭素、ニッケル/炭素、ラネーニッケル等が挙げられるが、好ましくはパラジウム/炭素、白金/炭素、更に好ましくはパラジウム/炭素が使用される。なお、これらの金属触媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0029】
前記金属触媒の使用量は、化合物(I)1gに対して、金属原子換算で、好ましくは0.005〜50mg、更に好ましくは0.05〜10mgである。
【0030】
本発明の反応で使用する水素量は、化合物(I)1モルに対して、好ましくは1.0〜15.0モル、更に好ましくは1.0〜10.0モルである。←記載下さい。なお、本発明で使用する水素は、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガスによって希釈されていても
良い。
【0031】
本発明で使用する有機溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピリドン等のアミド類;1,2−ジメチルイミダゾール等のイミダゾール類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の尿素類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類が挙げられるが、好ましくはアルコール類、芳香族炭化水素類、更に好ましくはアルコール類が使用される。なお、これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0032】
前記有機溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、例えば、化合物(I)1gに対して、好ましくは2〜200ml、更に好ましくは5〜80mlである。
【0033】
本発明の反応は、例えば、化合物(I)、化合物(II)、金属触媒及び有機溶媒を混合して、水素雰囲気下、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは−80〜100℃、更に好ましくは0℃〜40℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【0034】
本発明の反応によって得られた化合物(III)は、例えば、反応終了後、反応液を濾過し、反応溶媒を留去することによって単離することが出来る。なお、これにより得られた化合物(III)は、晶析、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法により、更に精製することも出来る。
【0035】
本発明の反応によって得られる化合物(III)は前記のの具体例としては、例えば、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸n−オクチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸イソプロピルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸t−ブチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸クロロメチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸フルオロメチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸シアノメチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2−クロロエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2−フルオロエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2−シアノエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2,2,2−トリクロロエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸2,2,2−トリフルオロエチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸ベンジルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸4−クロロベンジルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−チエニル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−フリル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−キノリル)プロピオン酸メチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−エチルフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−フリル)プロピオン酸エチルエステル、
3−ベンジルアミノ−3−(2−キノリル)プロピオン酸エチルエステル、
3−(2−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(3−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(4−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(2−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(3−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(4−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
、
3−(2、4−メチレンジオキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
、
3−(2−ピリジルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル、
3−(2−フリルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルである。
【0036】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0037】
実施例1(3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル26.50g(0.15mol)をメタノール80mlに溶解し、ベンズアルデヒド15.7g(0.15mol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)0.27gを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温にて10時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル39.43gを得た。得られた3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルを高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の収率は99.0%であった。
【0038】
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
カラム:Cadenza CD−C18(4.6cmΦ×150mm、ダイセル化学工業株式会社製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=3/2(容量比))
リン酸二水素カリウム10mmol/L
pH6.0
波長 :254nm
流速 :0.6ml/min.
温度 :40℃
【0039】
3−ベンジルアミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.62(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.72(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.53(d、1H、J=13.2Hz)、3.62(s、3H)、3.65(d、1H、J=13.2Hz)、4.11(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、7.21−7.35(m、10H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):42.9、51.3、51.6、58.8、126.9、127.1、127.5、128.1、128.3、128.6、140.3、142.5、172.2
MS(CI、i−C4H10)m/z:270(MH+)
【0040】
実施例2(3−(4−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル3.61g(20.14mmol)をメタノール40mlに溶解し、ベンズアルデヒド24.60g(20.14mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)36mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温にて10時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル=3/5(容量比))で精製し、3−(4−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル4.89gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=85.0%)。
【0041】
3−(4−ヒドロキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.66(dd、1H、J=5.4、15.9Hz)、2.80(dd、1H、J=8.8、15.9Hz)、3.44(d、1H、J=12.7Hz)、3.55(d、1H、J=12.7Hz)、3.59(s、3H)、4.12(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、6.63−7.35(m、9H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):42.1、50.7、51.8、58.7、115.7、127.3、127.7、128.8、129.6、130.6、141.5、155.5、172.6
MS(CI、i−C4H10)m/z:286(MH+)
【0042】
実施例3(3−(3,4−メチレンジオキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル2.30g(8.54mmol)をメタノール23mlに溶解し、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド1.28g(20.14mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)23mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温にて8時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(WakogelC−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル=5/3(容量比))で精製し、3−(3,4−メチレンジオキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル2.04gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=80.0%)。
3−(3,4−メチレンジオキシベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
【0043】
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.60(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.70(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.43(d、1H、J=13.2Hz)、3.54(d、1H、J=13.2Hz)、3.61(s、3H)、4.09(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、5.88(S、2H)、6.65−6.78(m、3H)、 7.23−7.34(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):42.8、51.0、51.6、58.6、100.8、108.0、108.7、121、1、127.1、127.5、128.6、134.2、142.5、146.4、147.6、172.2
MS(CI、i−C4H10)m/z:314(MH+)
【0044】
実施例4(3−(2−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル1.20g(6.67mmol)をメタノール12mlに溶解し、2−メチルベンズアルデヒド0.80g(6.67mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)60mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温にて3時間攪拌反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1(容量比))で精製し、3−(2−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル2.04gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=85.0%)。
3−(2−メチルベンジルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
【0045】
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.26(s,3H)、2.62(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.71(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.56(s、2H)、3.62(s、3H)、4.13(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、7.12−7.39(m、9H) 13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):18.8、42.9、49.5、51.6、59.4、125.8、127.0、127.1、127.5、128.6、128.8、130.2、136.6、138.1、142.7、172.3
MS(CI、i−C4H10)m/z:286(MH+)
【0046】
実施例5(3−(2−フリルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル1.23g(6.88mmol)をメタノール12mlに溶解し、2−フリルアルデヒド12.8mg(6.88mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)62mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温で3時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル=5/2(容量比))で精製し、3−(2−フリルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル1.43gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=80.0%)。
3−(2−フリルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
【0047】
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.62(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.73(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.53(d、1H、J=14.2Hz)、3.62(s、3H)、3.64(d、1H、J=14.2Hz)、4.10(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、6.10(d、1H、J=3.4Hz)、6.28(dd、1H、J=2.0、2.9Hz)、7.25−7.41(m、6H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):42.7、43.8、51.6、58.4、106.9、110.1、127.2、127.6、128.6、141.8、142.0、153.7、172.1
MS(CI、i−C4H10)m/z:260(MH+)
【0048】
実施例6(3−(2−ピリジルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルの合成)
3−アミノ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸メチルエステル4.0g(22.19mmol)をメタノール20mlに溶解し、ベンズアルデヒド2.59g(24.40mmol)、5%パラジウム炭素(Nx−Type)200mgを加え、水素雰囲気下(常圧)、攪拌しながら室温で3時間攪拌反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル/メタノール=5/2/1(容量比))で精製し、3−(2−ピリジルメチルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル4.67gを得た(3−アミノ−3−(2−ピリジルメチルアミノ)フェニルプロピオン酸メチルエステル基準の単離収率=77.8%)。
3−ベンジルアミノ−3−(2−ピリジルメチルアミノ)フェニルプロピオン酸メチルエステルの物性値は以下の通りであった。
【0049】
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):2.63(dd、1H、J=5.4、15.6Hz)、2.75(dd、1H、J=8.8、15.6Hz)、3.54(d、1H、J=13.2Hz)、3.64(s、3H)、3.64(d、1H、J=14.2Hz)、4.15(dd、1H、J=5.4、8.8Hz)、7.20−7.33(m、6H)、 7.72−7.75(m、1H)、 8.53−8.59(m、6H)
MS(CI、i−C4H10)m/z:271(MH+)
【0050】
【発明の効果】
本発明の課題により、β−アミノ酸エステル類とアルデヒド類から、簡便な方法によって、高収率でN−置換−β−アミノ酸エステルを製造する、工業的に好適なN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法を提供することが出来る。
Claims (3)
- 金属触媒が、パラジウム/炭素又は白金/炭素である請求項1記載のN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法。
- 有機溶媒が、アルコール類、芳香族炭化水素類、又はそれらの混合溶媒である請求項1記載のN−置換−β−アミノ酸エステルの製造方法。
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