JP2004224174A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【効果】取り外しの際には、ベース部を介したフックを傾動させて係合受部から取り外すことにより、エアバッグ装置をインストルメントパネル外部へ容易に取り外すことができるため、別体の締結具を要しないので、手探りで位置を決め、作業箇所を直視しないで一連の作業が可能になるから、無理のない作業姿勢で行うことができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のインストルメントパネル内に組込まれ、衝突時等に膨張展開するエアバッグ装置の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来助手席用エアバッグは、乗員の衝突安全性を向上させる手段として、既に相当数の市販車に搭載されている。
助手席用エアバッグ装置をインストルメントパネルに組み付ける構造について、種々の態様が提案されており、ステアリングハンガービーム等のインストルメントパネル構造体にエアバッグ装置を固定する構造として、エアバッグ装置のリテーナ(リアクションカン)にブラケットを設け、ステアリングハンガービームにネジ止めする構造が知られており、また、樹脂製のリッドとリテーナとをフックを引っ掛けて支持する構造(例えば、特許文献1参照)が知られている。
一方、車両は製造時に組立てやすく、使用時に点検修理のしやすい構造が望まれる。しかしながら、上記フック構造では、樹脂製リッドをフックから外すことは容易ではない。したがって、エアバッグ装置の周辺に組み付けられた相当数の部品を外した後、ようやくエアバッグ装置の着脱ができることになる。
そこで、グローブボックスを取り外してできる開口部を利用してエアバッグモジュールを着脱するとの提案がある。モジュールには車両前方に延びる係合ピンと同後方に締結ブラケットを用意し、係止ブラケットに係合ピンを挿通させ、締結ブラケットでナット締めにより固定する構造(例えば、特許文献2参照)を採用している。
また、同様の考え方により、係止バーで固定される取付プレートを使用する旨の提案(例えば、特許文献3参照)も存在している。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−321513号公報(特許請求の範囲、図1)
【特許文献2】
特開2002−104123号公報(特許請求の範囲、図1)
【突起文献3】
特開2001−301489号公報(特許請求の範囲、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公知文献に記載の構造は、グローブボックス用に形成された開口を利用してサービス性を向上させる方法を提供せんとするものである。
しかし、グローブボックス用の開口は、概して下方に形成されるものである。これはインストルメントパネルの上方は、エアバッグの膨出用に確保するのが乗員の保護のために好ましいからである。また、インストルメントパネルの上面に比較的小さいエリアを占める別体のリッドを設ける形態に代えて、インストルメントパネルフェイシア全体を一体のエアバッグリッドとする、いわゆるシームレスインパネと呼ばれる形態を採用して、エアバッグ装置の存在を誇示しない、スムーズでシンプルなデザインの要求がある。そのため、大型のリッドがインストルメントパネル構造体に取り付けられるが、エアバッグ装置の点検等のサービスのために着脱する際、この大型のリッドを着脱しなければならず、作業性の点で好ましくない。したがって、グローブボックスなどの後付けされる比較的小さい部品のために用意された開口を利用するのがよいが、上述のような位置に設定されるため、腰を屈めて作業する必要があり、サービス性の点で改善が望まれている。また、ナットなどの締結具を用いるのは、インストルメントパネル内で誤って落とす場合もあり、一旦落ちてしまったナット等は他の機能部品や電線等で混み合うインストルメントパネル内で探し出すことは極めて困難である。さらに、係止バーを使って作業を簡略化しようとする方法もあるが、この係止バーを串刺しにする作業にあっては一層作業が困難であるという種々の問題点があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、製造時の組立てにおいても組立てやすく、使用時の点検や交換においても、サービス性の良好なエアバッグ装置の構造を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題の解決を図ったもので、次のような技術手段を採用した。
請求項1記載の発明においては、係合通孔を穿設した係合受部とエアバッグ膨出用扉予定部とが形成された裏面部と、車両室内に面する表面部とを有する、インストルメントパネル構造体の上方を覆うインストルメントパネル上板と、インストルメントパネル構造体に着脱可能に配置されインストルメントパネル構造体の側方を覆うインストルメントパネル立板と、折り畳んだエアバッグを収容するとともに、前記係合受部に向かって起立され係合通孔に係合可能なフックを有するリテーナとからなり、フックは、リテーナに傾動自在に設けられ、係合受部から離脱可能であるという技術手段を採用した。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を添付図面で詳細に説明する。
図1は、車輌の室内の例を示す斜視図であり、インストルメントパネル1の上面10の裏側に薄肉のテアラインを彫刻している。
テアライン11は縦部11b、中央部11cを有し、ヒンジを形成する支持片35の基線13により略「日」の字をなす、二枚ドア形式(観音開き)のエアバッグ膨出扉12を上面10に形成している。上面10の前縁14に開口15が設けられ、グローブボックス16が開閉可能に取り付けられているものである。
【0008】
図2は、図1のI−I部の断面図であり、インストルメントパネル1の裏面に形成した支持片35には角孔37を穿設し、エアバッグモジュール5はそのブラケット51を介してステアリングハンガー40に一体に熔接して設けたナット38にボルト39で固定されているものである。
【0009】
図3は、エアバッグモジュール5の斜視図であり、リテーナ52には、下部53にインフレータを収容し、上部54(バッグ収容部)にはエアバッグ55を折り畳んで収納し、ラッピング布56で折りの崩れを防止している。また、上部54の側壁には軸受け61、シャフト62、傾動板63(フック64、アーム65)がある。またアーム65は、外方へL字状に折り曲げられ、ビス71、ナット72で他の傾動板と締結固定される。
【0010】
図4は、エアバッグモジュール5を取り外す作業の説明図であり、ビス71を図2の工具T1で外し、傾動板63が自重、または手動で下がる。これによりフック64が抜ける。そして、図2の工具T2でボルト39を外し、グローブボックス16を取り除いてできる開口からエアバッグモジュール5をインストルメントパネル1外へ取り出すという流れで取り外し作業を行うものである。
【0011】
なお、ビス71、ナット72と反対側にも同様の構造が存在するが、反対側の固定は、上記と同様にアーム65をビス、ナットで固定してもよいし、アーム65をフリーの状態にして、片側だけの固定でも可能である。これにより、作業性をより簡潔にすることも可能である。
【0012】
図5は、図3の変形例であり、一側にのみ傾動板63を設け、アーム65に通孔68を設け、図示しないビスによりリテーナ52の上部54に直接固定したものである。
【0013】
なお、傾斜板63はアーム65に設けた通孔68に係合するエアバッグモジュール5の上部54に突出部を設けて、この突出部と通孔68によりリテーナ52の上部54に係合固定することも可能である。
【0014】
次に、本発明の特徴について説明する。
本発明の特徴は、安全のため、とりわけ好適なサービス性によりユーザー及び整備工場に有益な構造を提供するものにある。
すなわち、本発明のエアバッグ装置は、インストルメントパネル1構造体にインストルメントパネル上板とインストルメントパネル立板が取り付けられ、さらにエアバッグ装置が組み合わされるエアバッグ装置であって、インストルメントパネル上板にはエアバッグ膨出用扉12予定部が設けられ、インストルメントパネル1構造体に着脱可能に構成されるものである。
【0015】
その構造体に折り畳んだエアバッグ55を収納するリテーナ52には、インストルメントパネル上板の裏面に設けた係合受部に係合されるフック64が設けられ、このフック64は係合受部に係脱可能となされる。なお、フック64はリテーナ52に傾動自在に設けられる。
【0016】
このような構成であるので、エアバッグ装置をインストルメントパネル立板を外した状態で、インストルメントパネル上板の係合受部に引っ掛けることで、容易に組み付けることができる。この組み付けに係る別体の締結具を要しないので、手探りで位置を決めるだけで、作業箇所を直視しないで一連の作業が可能になるから、無理のない作業姿勢で行うことができ、サービス性が向上する。取り外しの際には、ベース部を介したフックを傾動させて係合受部から取り外すことにより、エアバッグ装置をインストルメントパネル外部へ取り外すことができる構成である。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成を採用した結果、次のような効果を得ることができる。
(1)別体の締結具を要しないので、手探りで位置を決め、作業箇所を直視しないで一連の作業が可能になるから、無理のない作業姿勢で行うことができ、サービス性が向上し、ユーザー及び整備工場に有益な構造を提供することができる。
(2)取り外しの際には、ベース部を介したフックを傾動させて係合受部から取り外すことにより、エアバッグ装置をインストルメントパネル外部へ容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアバッグモジュールを通常使用される車輌の室内に設けた例を示す斜視図である。
【図2】図1のI−I部の断面図である。
【図3】本発明に係るエアバッグモジュールの斜視図である。
【図4】本発明に係るエアバッグモジュールを取り外す作業の説明図である。
【図5】図4の変形例のエアバックモジュールを取り外す作業の説明図である。
【符号の説明】
1‥‥インストルメントパネル 5‥‥エアバッグモジュール
10・・・・上面 11・・・・テアライン
11b・・・・縦部 11c・・・・中央部
12・・・・エアバッグ膨出扉 13・・・・基線
14・・・・前縁 15・・・・開口
16・・・・グローブボックス 35・・・・支持片
37・・・・角孔 38・・・・ナット
39・・・・ボルト 40・・・・ステアリングハンガー
52・・・・リテーナ 53・・・・下部
54・・・・上部 55・・・・エアバッグ
56・・・・ラッピング布 61・・・・軸受け
62・・・・シャフト 63・・・・傾動板
64・・・・フック 65・・・・アーム
71・・・・ビス 72・・・・ナット
T1・・・・工具 T2・・・・工具
Claims (1)
- 係合通孔を穿設した係合受部とエアバッグ膨出用扉予定部とが形成された裏面部と、車両室内に面する表面部とを有する、インストルメントパネル構造体の上方を覆うインストルメントパネル上板と、インストルメントパネル構造体に着脱可能に配置されインストルメントパネル構造体の側方を覆うインストルメントパネル立板と、折り畳んだエアバッグを収容するとともに、前記係合受部に向かって起立され係合通孔に係合可能なフックを有するリテーナとからなり、フックは、リテーナに傾動自在に設けられ、係合受部から離脱可能であることを特徴とするエアバッグ装置。
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