JP2004223330A - 容器内部の油分除去方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器内部に付着した油分を除去すること。
【解決手段】本発明の容器内部の油分除去方法は、洗浄する容器(1)内部に油分を溶かす液状溶媒または前記溶媒の蒸気を供給し、前記容器(1)内部の油分が前記溶媒に接触している状態で前記容器(1)内部の気体を排気することを特徴とする。また、容器内部の油分除去装置は、洗浄する容器(1)内部に連通、遮断可能に接続される真空排気装置(106)および容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒を供給する溶媒供給装置(107)を備え、前記容器(1)内壁に前記溶媒が接触している状態で前記容器(1)内部を排気することを特徴とする。
【選択図】 図7
【解決手段】本発明の容器内部の油分除去方法は、洗浄する容器(1)内部に油分を溶かす液状溶媒または前記溶媒の蒸気を供給し、前記容器(1)内部の油分が前記溶媒に接触している状態で前記容器(1)内部の気体を排気することを特徴とする。また、容器内部の油分除去装置は、洗浄する容器(1)内部に連通、遮断可能に接続される真空排気装置(106)および容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒を供給する溶媒供給装置(107)を備え、前記容器(1)内壁に前記溶媒が接触している状態で前記容器(1)内部を排気することを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は容器内部の油分除去方法および容器内部の油分除去装置に関する。前記本発明は、例えば、窒素、水素やアルゴン等の半導体製造用のガスが充填されるガスボンベ(容器)等の容器内部を洗浄する際に使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボンベ製造工場で、ボンベ内面をサンドブラストによる研磨などで内面処理し、その後、ボンベの外面を焼付塗装している。
図8は従来のボンベの塗装時の状態を示す断面図である。
図8において、半導体製造工程等で使用するガスを貯蔵する容器であるボンベ1は、ボンベ本体2と、ネックリング3とを具備している。ボンベ本体2に形成された開口2aの内側面には、容器内部に半導体製造用または医療用の気体を充填した状態で前記容器内部を密封するバルブを取り付けるための開口部メスネジ(図示せず)が形成されている。
【0003】
前記ネックリング3は、ボンベ本体2の容器開口2aを形成する部分(容器開口部)の外側面にカシメて取り付けられ、固定されている。また、ネックリング3の外周面には雄ネジが形成されている。そして、塗装時には、ボンベ1のネックリング3に、二点鎖線で図示するキャップ4が螺合し、このキャップ4がボンベ本体2の容器開口2aを覆っている。また、キャップ4の頂部には被吊り下げ具としてのアイボルト6が設けられている。このアイボルト6を図示しない搬送装置(例えばチェーンコンベア)により搬送されるフック等の吊り下げ具に吊り下げることにより、ボンベ1を吊り下げ、焼付塗料を塗布する塗装工程、塗料を加熱乾燥させる加熱乾燥工程に連続して搬送している。そして、塗装後のボンベ1の容器開口2aに、バルブを取り付けるとともに、充填されるガスの名称をペンキ等を用いてボンベ外側面に表示し、ガス充填工場に搬入している。
【0004】
ところで、前述したように、ボンベ内面は外面の塗装を行う前に、汚れを除去するためのサンドブラスト処理によりに凸凹が形成されており、その凹凸部には除去できなかったゴミや水分などのパーティクル(不純物)が付着している。
そこで、ガス充填工場では、ボンベ1をたとえば70〜90℃に加熱し、温度が上昇した状態でボンベ内部の空気を吸引して洗浄している。そして、洗浄後、窒素、水素やアルゴンなどの所定のガスを充填している。
【0005】
近年、特に半導体の製造などにおいては、高純度のガスが要求されており、ガス充填前のボンベから、パーティクルなどの不純物を極力排除することが望まれている。そして、ボンベ内面からの水分脱離効率が高くなる温度が約150℃であることが知られている。したがって、ボンベ内面の洗浄効果を高めるためには、ガス充填工場における処理温度を150℃程度で行うことが好ましい。
しかしながら、ボンベ製造工場でボンベ外側面に塗装した塗料の耐熱温度は150℃程度であり、また、その塗料の上から塗られた充填ガス名を表示する塗料の耐熱温度はそれよりも低い。また、ボンベ製造工場からガス充填工場に納入されたボンベに装着されているバルブのパッキンも耐熱温度の低いものが使用されている。このため、ガス充填工場でボンベの洗浄工程における加熱排気時のボンベの加熱温度は、洗浄効率の高い150℃程度に比べて低い70〜90℃が採用されている。その結果、ガス充填工場におけるボンベ内部の洗浄効率が低くなっている。
【0006】
また、ガス充填工場においてボンベの内部を洗浄するためにわざわざ洗浄工程を設ける必要があり、ガスを充填したガスボンベの製造のための作業時間が長くなり、ボンベ洗浄コストも高価なものとなっていた。
さらに、各ボンベ内部の空気を吸引するために、各ボンベはチューブを介して真空ポンプ(真空排気装置)に接続される。しかしながら、真空ポンプの吸引口の個数には限りがあるので一度に真空ポンプに接続されるボンベの数には限度がある。したがって、一度に多数のボンベを処理することが困難である。
本発明者は、前記問題点に鑑み、ボンベ内部を効率よく洗浄することができる容器内部の油分除去方法、前記容器内部の油分除去方法で特に便利に使用可能な容器開閉バルブユニットおよび流路開閉バルブを発明して、すでに特許出願している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許出願(先願)において、ボンベ内部を真空排気した後に、前記ボンベに半導体製造用の気体または医療用の気体を充填した場合、前記充填した気体に油分の蒸気(気体)が混入する場合があることが分かった。その原因について研究した結果、次のことが分かった。
すなわち、前記ボンベ本体2の容器開口2aの内側面にバルブ装着用のメスネジ(図示せず)を形成する際に使用する切削油がボンベ1の内壁(容器内壁)に付着する。前記切削油が付着した容器内壁(ボンベ1の内壁)は水により洗浄された後、乾燥された状態で保持されている。このとき、前記容器内壁に付着した油分(切削油)は水により洗浄された後も除去されずに容器内壁に付着した状態で残留しており、この残留している油分は前記真空排気による容器内部の洗浄作業によっても除去されず、容器内壁に付着したままである。
本発明者は、前記容器内壁に付着した油分を蒸発させて排気するため、容器内部を10−4torr程度の高真空に排気する実験を何度も行ってみたが、前記油分の除去はできなかった。
【0008】
前記真空排気による容器内部の洗浄作業は、従来は、前記容器内部が乾燥した状態で行っていたのであるが、本発明者は、水またはアルコール等の油分を溶かすことが可能な溶媒を容器内壁に接触させた状態(前記容器内壁を前記溶媒の液体で濡らした状態または前記溶媒の蒸気を容器内部に充填した状態)で、排気作業を行う実験を行った。その結果、容器内壁に溶媒を接触させた状態で10−3torr程度の真空に排気すると、前記油分の除去を行えることが分かった。
この理由は明らかではないが、ボンベの内部表面に付着した油分は、水蒸気またはアルコール等の油分を溶かす溶媒(液体状溶媒および気体状溶媒)に接触した状態では、蒸発し易くなるためと考えられる。
本発明は前記事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)容器内壁に付着した油分を除去すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(第1発明)
本発明の容器内部の油分除去方法は、洗浄する容器(1)内部に水蒸気を供給し、前記容器(1)内部に水蒸気が充填された状態を所定期間保持した後、前記供給した水蒸気とともに前記容器(1)内部の気体を排気することを特徴とする。
【0010】
(第1発明の作用)
前記第1発明では、前記容器(1)内部に水蒸気が充填された状態を所定期間保持することにより、容器(1)内部に付着した油等の不純物が前記水蒸気に接触して蒸発し易くなる。その状態で容器(1)内部の気体を排気するので、油等の不純物は内部の気圧が低下するに従って蒸発し、容器(1)内部の気体と共に排気される。このため、容器(1)内部の油分は短時間で除去される。
【0011】
前記第1発明の容器内部の油分除去方法において、前記洗浄する容器(1)内部を真空排気装置(106)に連通させて容器(1)内部の気体を排気する排気作業の途中で前記排気作業を一時中止し、前記排気作業を一時中止した状態で前記容器(1)内部に水蒸気を供給することができる。
【0012】
前記第1発明の容器内部の油分除去方法において、前記水蒸気の供給を停止してから所定時間排気作業を行わずに容器(1)本体内に水蒸気が供給された状態を所定期間保持してから、前記供給した水蒸気とともに容器(1)内部の気体を排気することができる。
【0013】
前記第1発明の容器内部の油分除去方法において、洗浄する容器(1)内部を真空排気装置(106)に連通させて容器(1)内部の気体を第1目標真空度まで排気してから、前記容器(1)内部に液化しない程度の蒸気圧の水蒸気を前記容器内部に供給し、その後、水蒸気の供給を停止した状態で、前記供給した水蒸気とともに容器内部の気体を第2目標真空度まで排気することができる。
この場合の容器内部の油分除去方法では、排気作業の途中(容器(1)内部の気体を第1目標真空度まで排気した状態)で、前記容器(1)内部に水蒸気が液化しない程度の蒸気圧の水蒸気を前記容器(1)内部に供給するので、容器(1)内部に余分な水蒸気が供給されない。すなわち、容器(1)内部に供給する水蒸気の量が少なくなるので、前記水蒸気に接触して蒸発し易くなった油等の不純物の蒸気および前記供給した水蒸気を短時間で排気することができる。このため、容器(1)内部は短時間で高真空度に排気される。
なお、この場合は、前記第1および第2の目標真空度を検出する真空度検出器と、真空排気装置(106)および容器(1)内部の間を連通、遮断する流路開閉バルブと、蒸気供給装置および容器(1)内部の間を連通、遮断する流路開閉バルブと、前記各バルブの開閉動作を行うバルブ開閉駆動装置と、それらの各部材の動作を制御する制御装置とを使用することにより、自動的に容器洗浄を行うことが可能である。
【0014】
(第2発明)
第2発明の容器内部の油分除去方法は、洗浄する容器(1)内部を真空排気装置(106)に連通させて容器(1)内部の気体を排気する排気作業の途中で、容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒の蒸気を前記蒸気が液化しない程度の蒸気圧で容器(1)内部に供給し、前記蒸気が供給された状態で且つ前記真空排気作業を停止した状態を所定期間保持した後、前記容器(1)内部の気体を真空排気装置(106)により排気することを特徴とする。
【0015】
(第2発明の作用)
この第2発明の容器内部の油分除去方法では、排気作業の途中で、前記容器(1)内部に前記溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給するので、容器(1)内部に付着した油等の不純物が前記溶媒の蒸気に接触して蒸発し易くなる。また、容器(1)内部には、液化しない程度の蒸気圧の溶媒が供給されるので、余分な蒸気が供給されない。すなわち、容器(1)内部に供給される溶媒の量が少なくなるので、前記容器(1)内部に供給された溶媒の蒸気および油分が蒸発した油分蒸気を含む容器(1)内部の気体を排気する時間を短縮できる。すなわち、容器(1)内部は短時間で高真空度に排気されるので、容器(1)内部の洗浄作業時間が短縮される。
【0016】
(第3発明)
第3発明の容器内部の油分除去方法は、容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給し、その後、前記蒸気の供給を停止した状態で、前記供給した蒸気とともに容器(1)内部の気体を真空排気装置(106)により排気することを特徴とする。
この第3発明の容器内部の油分除去方法も、油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給してから排気するので、容器(1)内壁に付着した油分を除去することができる。
【0017】
(第4発明)
第4発明の容器内部の油分除去方法は、容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給し、前記蒸気の供給を停止した状態を所定期間保持した後、前記容器(1)内部の気体を真空排気装置(106)により排気することを特徴とする。
この第4発明の容器内部の油分除去方法も、油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給してから排気するので、容器(1)内壁に付着した油分を除去することができる。
【0018】
(第5発明)
第5発明の容器内部の油分除去方法は、容器(1)内壁に付着した油分を溶かす液体状の溶媒により前記容器(1)内壁全面を濡らした状態で、前記容器(1)内部の気体を真空排気装置(106)により排気することを特徴とする。
この第5発明も、油分を溶かす液体状の溶媒により容器(1)内部を濡らした状態(容器(1)内壁に付着した油分が液体状の溶媒に接触した状態)で、排気するので、容器(1)内壁に付着した油分を除去することができる。
【0019】
(第6発明)
洗浄する容器(1)内部に連通、遮断可能に接続される真空排気装置(106)および容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒を供給する溶媒供給装置(107)を備え、前記容器(1)内壁に前記溶媒が接触している状態で前記容器(1)内部を排気することを特徴とする容器内部の油分除去装置。
前記第6発明の容器内部の油分除去装置の溶媒供給装置(107)は、前記溶媒の蒸気を供給する溶媒蒸気供給装置により構成したり、水蒸気を供給する水蒸気供給装置により構成したりすることが可能である。
【0020】
(第6発明の作用)
前記構成を備えた第6発明の容器内部の油分除去装置では、容器(1)内部に真空排気装置(106)が接続され且つ溶媒供給装置(107)が接続されない状態(遮断された状態)で容器(1)内部を排気することができる。また、容器(1)内部に真空排気装置(106)が接続されない状態(遮断された状態)で且つ溶媒供給装置(107)が接続された容器(1)内部に油分を溶かす溶媒を供給することができる。
したがって、第6発明の容器内部の油分除去装置では、油分を溶かす溶媒を容器(1)内部に供給して、容器(1)内壁に付着した油分に前記溶媒を接触させた状態で容器(1)内部を排気することができるので、容器(1)内壁に付着した油分を除去することができる。
【0021】
前記第6発明の容器内部の油分除去装置では、前記容器(1)内部が所定の真空度になった状態で、容器(1)内部に蒸気供給装置(107)を接続して、液化しない程度の圧力および温度の蒸気を前記容器(1)内部に供給することができる。この蒸気供給作業時に、真空排気装置(106)は、前記容器(1)内部に対して接続して排気を行うことも可能であるが、遮断する方が蒸気の供給量の制御が容易である。
前記容器(1)内部に所定温度および量の蒸気を供給した後で、前記蒸気を所定時間容器(1)内部に滞留させて油分およびその他の不純物の蒸発を促進させるため、真空排気装置(106)は所定時間容器(1)内部に対して遮断状態に保持することが好ましい。その後、真空排気装置(106)を容器(1)内部に連通させて排気を行うことができる。その場合、前記蒸気供給により容器(1)内部の油分および不純物が蒸発したり、蒸発し易くなっているため、10−3torr以上の高真空度(すなわち、10−3torr以下の圧力)まで排気することにより、前記油分を除去することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施の形態)
図1は本発明の容器内部の油分除去方法で使用される容器開閉バルブユニットが取り付けられたボンベの断面図である。
図2は容器開閉バルブユニットの断面図である。
図3はチューブ連結用バルブの説明図で、図3Aが一部切欠き正面図、図3Bが図3AのIIIB矢視図、図3Cが図3AのIIIC矢視図である。
図4はボンベ連結用バルブの説明図で、図4Aが一部切欠き正面図、図4Bが図4Aの IVB矢視図、図4Cが図4Aの IVC矢視図である。
図5は連結チューブの一部切欠き正面図である。
なお、ボンベ1自体は図8に図示する従来のボンベと同じであり、その詳細な説明は省略する。
【0023】
ボンベ1に着脱自在に取り付けられる容器開閉バルブユニット11は、ボンベ1が着脱自在に取り付けられる筒状のボンベ連結用バルブ12、下端にボンベ連結用バルブ(流路開閉バルブ)12が取り付けられる容器開閉バルブユニット本体13、この容器開閉バルブユニット本体13の頂部に設けられている被吊り下げ具としてのアイボルト14、容器開閉バルブユニット本体13の左右の側部に取り付けられている筒状の左右のチューブ連結用バルブ(流路開閉バルブ)16、並びに、前記ボンベ連結用バルブ12の内部空間およびチューブ連結用バルブ16の内部空間同士を互いに連通させる容器開閉バルブユニット本体13に形成されている排気流路17を具備している。
【0024】
図2において、チューブ連結用バルブ16の筒状の流路形成部材20には、一端に容器開閉バルブユニット本体13に取り付けられる小径の小径連結部21が形成されている。図3において、この小径連結部21の外周面には連結用オスネジ21aが形成され、この連結用オスネジ21aが容器開閉バルブユニット本体13の排気流路17の端部に形成されているメスネジにねじ込まれる。また、容器開閉バルブユニット本体13と小径連結部21との隙間から気体が漏れないように、Oリング22が流路形成部材20に取り付けられている。そして、前述の様に連結用オスネジ21aが排気流路17の端部にねじ込まれると、このOリング22が容器開閉バルブユニット本体13と流路形成部材20とにより圧縮される。したがって、チューブ連結用バルブ16を容器開閉バルブユニット本体13に気密な状態で取り付けることができる。
【0025】
チューブ連結用バルブ16の流路形成部材20の他端には、クランプ用のチューブ連結部としてのフランジ23が形成されている。また、チューブ連結用バルブ16の流路形成部材20の内部の貫通孔により形成された流路(チューブ連通流路)20aは断面略円形であるとともに、他端側(すなわち、フランジ23側)には一端側(すなわち、小径連結部21側)よりも大径の弁体収容孔20bが形成されており、前記大径の弁体収容孔20bの内端面には弁座24が形成されている。この弁座24に対向して弁体としての遮断板26が、チューブ連結用バルブ16の軸方向に移動可能(流路方向に移動可能)に取り付けられている。この遮断板26は略三角形形状をしており、遮断板26の外周面とチューブ連通流路20aの内周面との間には隙間が形成されている。また、遮断板26における弁座24配置側の端面にOリング28が設けられている。そして、遮断板26が弁座24側に移動して、Oリング28を介して弁座24に当接すると、チューブ連通流路20aを閉じて、チューブ連通流路20aにおける流体の流れは遮断される。一方、遮断板26が弁座24から離れると、遮断板26の外周面とチューブ連通流路20aの内周面との隙間を通って、流体は流れることが可能となる。前述したように前述遮断板26が3角形に形成されているので、遮断板26の外周面とチューブ連通流路20aの内周面との隙間が大きくなる。このため、流体が流れるときの抵抗が小さくなるので、流体が流れ易い。
【0026】
チューブ連結用バルブ16の流路形成部材20には、チューブ連通流路20aの外側に3本のシャフト用孔20cが形成されている。この各シャフト用孔20cは、チューブ連結用バルブ16の軸心と略平行に配置されているとともに、各シャフト用孔20cの内部には、シール材付きのシャフト31が摺動可能に挿入されており、シャフト31はチューブ連結用バルブ16の軸方向に摺動することができる。そして、この3本のシャフト31に、前述の遮断板26がビス33で取り付けられている。一方、シャフト31の他端には、リング状プレート36がナット37で取り付けられている。このリング状プレート36の外周部を間に挟んで、操作部材としての操作リング41および押えリング42が配置されている。押えリング42は操作リング41にビス43で取り付けられて一体となっているとともに、操作リング41および押えリング42は、リング状プレート36に対して周方向に摺動可能となっている。この操作リング41および押えリング42がチューブ連結用バルブ16の軸方向に移動すると、操作リング41または押えリング42がリング状プレート36を押し、リング状プレート36がチューブ連結用バルブ16の軸方向に移動する。
また、操作リング41の内面にはメスネジが形成されており、このメスネジが流路形成部材20の外周面に形成されているオスネジ44に螺合している。この様に螺合しているため、操作リング41を回転させると、この回転にともなって、操作リング41がチューブ連結用バルブ16の軸方向に移動する。この操作リング41の軸方向の移動が、連動機構としてのリング状プレート36やシャフト31などを介して遮断板26に伝達され、遮断板26がチューブ連結用バルブ16の軸方向に移動し、チューブ連通流路20aを開閉する。
【0027】
次に、ボンベ連結用バルブ12を説明する。
ボンベ連結用バルブ12の筒状の流路形成部材50には、上端に容器開閉バルブユニット本体13に取り付けられる小径連結部51が形成されている。この小径連結部51の外周面には螺子部51aが形成され、この螺子部51aが容器開閉バルブユニット本体13の排気流路17の端部に形成されているメスネジにねじ込まれる。また、容器開閉バルブユニット本体13と小径連結部51との隙間から気体が漏れないように、Oリング52が流路形成部材50に取り付けられている。そして、前述の様に螺子部51aが排気流路17の端部にねじ込まれると、このOリング52が容器開閉バルブユニット11の容器開閉バルブユニット本体13と流路形成部材50とにより圧縮される。したがって、ボンベ連結用バルブ12を容器開閉バルブユニット本体13に気密な状態で取り付けることができる。
【0028】
ボンベ連結用バルブ12の下端には、ボンベ1のネックリング3の雄ネジ部に螺合する容器連結部としてのボンベ装着リング54が回転可能に設けられている。すなわち、ボンベ連結用バルブ12の流路形成部材50の下端の外周面にはフランジ55が形成され、このフランジ55がボンベ装着リング54の上端のフランジ54aと回転可能に係合し、ボンベ装着リング54が流路形成部材50から下方に離脱することを防止している。
【0029】
また、フランジ55の下面には、リング状のボンベ当接板56がビス57で取り付けられている。このボンベ当接板56の下面にはOリング58が取り付けられている。そして、ボンベ連結用バルブ12にボンベ1が装着された際には、ボンベ1の先端がOリング58を介してボンベ当接板56に当接し、Oリング58によりシーリングされる。
【0030】
ボンベ連結用バルブ12の流路形成部材50の内部の流路50aは断面略円形であるとともに、下端側(すなわち、フランジ55側)が上端側(すなわち、小径連結部51側)よりも大径の弁体収容孔50bが形成されており、前記大径の弁体収容孔50bの内端面には弁座64が形成されている。この弁座64に対向して弁体としての遮断板66が、ボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動可能(流路方向に移動可能)に取り付けられている。この遮断板66は略三角形形状をしており、遮断板66の外周面と流路50aの内周面との間には隙間が形成されている。また、遮断板66における弁座64配置側の端面にOリング68が設けられている。そして、遮断板66が弁座64側に移動して、Oリング68を介して弁座64に当接すると、容器に連通する流路(容器連通流路)50aを閉じて、流路50aにおける流体の流れは遮断される。一方、遮断板66が弁座64から離れると、遮断板66の外周面と流路50aの内周面との隙間を通って、流体は流れることが可能となる。そして、ボンベ連結用バルブ12にボンベ1が取り付けられていない際に、遮断板66を閉じることにより、ボンベ連結用バルブ12の流路50aを通って、容器開閉バルブユニット本体13の排気流路17にゴミや外気が侵入することを防止することができる。
【0031】
ボンベ連結用バルブ12の流路形成部材50には、流路50aの外側に3本のシャフト用孔50cが形成されている。この各シャフト用孔50cは、ボンベ連結用バルブ12の軸心と略平行に配置されているとともに、各シャフト用孔50cの内部には、シール材付きのシャフト71が摺動可能に挿入されており、シャフト71はボンベ連結用バルブ12の軸方向に摺動することができる。そして、この3本のシャフト71に、前述の遮断板66がビス73で取り付けられている。一方、シャフト71の他端には、リング状プレート76がナット77で取り付けられている。このリング状プレート76の外周部を間に挟んで、操作部材としての操作リング81および押えリング82が配置されている。押えリング82は操作リング81にビス83で取り付けられて一体となっているとともに、操作リング81および押えリング82は、リング状プレート76に対して周方向に摺動可能となっている。
【0032】
この操作リング81および押えリング82がボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動すると、操作リング81または押えリング82がリング状プレート76を押し、リング状プレート76がボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動する。また、操作リング81の内面にはメスネジが形成されており、このメスネジが流路形成部材50の外周面に形成されているオスネジ84に螺合している。この様に螺合しているため、操作リング81を回転させると、この回転にともなって、操作リング81がボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動する。この操作リング81の軸方向の移動が、連動機構としてのリング状プレート76やシャフト71などを介して遮断板66に伝達され、遮断板66がボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動し、流路50aを開閉する。
【0033】
図5に図示するように、チューブ連結用バルブ16のフランジ23には、クランプ91により、連結チューブ92が接続される。このチューブ92は蛇腹状の可撓なチューブ本体93とこのチューブ本体93の端部に設けられている連結口部94とからなっており、この連結口部94の端部には鍔部95が形成されている。また、チューブ連結用バルブ16とチューブ92との間には、外周にOリング96が嵌められているシール用リング97が配置されている。そして、クランプ91がチューブ連結用バルブ16のフランジ23とチューブ92の鍔部95とを互いに近づけて固定すると、両フランジ23,95間のOリング96が圧縮され、チューブ連結用バルブ16とチューブ92との接続部分が気密にシールされる。
【0034】
図6は本発明の容器内部の油分除去方法を実施する前工程である容器に対する焼付塗料の塗装工程を示す図である。
図6において、チェーンコンベア101により搬送される複数の移動ブロック102にはそれぞれフック103が下方に垂れ下がって連結されており、フック103の下端部には前記容器開閉バルブユニット11のアイボルト14が吊り下げられている。
前記容器開閉バルブユニット11に装着されたボンベ(容器)1は、前記チェーンコンベア101により搬送される移動ブロック102と共に移動し、塗装室R1および加熱炉R2を順次通過する。
【0035】
図7は前記図6の塗装工程の後に連続して実行する容器洗浄作業を行う容器洗浄装置の説明図である。
図7において、容器洗浄装置105は、真空排気装置106と蒸気供給装置107とを有している。蒸気供給装置107は、蒸気発生装置108と、前記蒸気発生装置で発生した蒸気を貯溜しておく蒸気室109と、前記蒸気発生装置108および蒸気室109の間に設けた流路開閉バルブ110とを有している。蒸気発生装置108はヒータ108aを有しており、内部に収容された水を蒸発させて水蒸気に生成する。
前記生成された水蒸気は、流路開閉バルブ110を通って蒸気室109に一定量だけ貯溜される。蒸気室109は、ヒータ109aを有しており、蒸気室内109内の蒸気の温度および容積が設定した値に保持される。
【0036】
図7において、複数の排気チューブL1により接続された複数のボンベ1内部は、前記容器開閉バルブユニット11の流路開閉バルブ16,12が開の時は排気チューブL1により連通される。
前記真空排気装置106は流路開閉バルブ111により前記排気チューブL1に接続している。したがって、流路開閉バルブ111が開のときには排気チューブL1に連通するボンベ(容器)1内部を排気可能である。
前記蒸気室109は流路開閉バルブ112により前記排気チューブL1に接続している。したがって、流路開閉バルブ112が開のときには排気チューブL1に連通するボンベ(容器)1内部を蒸気を供給可能である。
【0037】
(実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の実施の形態の容器塗装方法および容器洗浄方法を実施する装置の作用を以下に説明する。
(プレ真空排気工程)
次に説明するプレ真空排気工程は、ボンベ表面に焼付塗料の塗装を行う前に実行する。
錆などを除去するために、ボンベ1の内面および外面をサンドブラストや研磨などで表面処理する(表面処理工程)。ついで、容器開閉バルブユニット11をボンベ1に取り付ける(容器開閉バルブユニット取付工程)。すなわち、容器開閉バルブユニット11のボンベ装着リング54をボンベ1のネックリング3に螺合させ、容器開閉バルブユニット11をボンベ1に取り付ける。この際には、チューブ連結用バルブ16の遮断板26およびボンベ連結用バルブ12の遮断板66は、弁座24,64に当接しており、流路を閉じている。この様にして、複数のボンベ1に容器開閉バルブユニット11を各々取り付ける。
【0038】
そして、1個の容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16に、排気チューブ(図示しない)を介して、ガス吸引装置である真空ポンプ(図示しない)を接続するとともに、この容器開閉バルブユニット11の第2チューブ連結用バルブ16に、チューブ92を介して、別の容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16を接続する。この様にして、容器開閉バルブユニット11を複数(たとえば、数個から数十個)順次接続する。そして、各容器開閉バルブユニット11の操作リング41,81を回転させて、遮断板26,66を弁座24,64から離して、流路を開ける。
なお、最後尾の容器開閉バルブユニット11の第2チューブ連結用バルブ16の遮断板26は弁座24に当接したままにし、閉じた状態を維持させる。ついで、真空ポンプを稼働させて、複数のボンベ1内の空気を排気する(プレ真空排気工程)。すなわち、プレ真空排気工程により、複数のボンベ1内の空気は、容器開閉バルブユニット11の排気流路17、チューブ92、および他の容器開閉バルブユニット11の排気流路17などを順次通って真空ポンプに排気される。このプレ真空排気工程により、後工程の高真空排気工程での処理時間の短縮およびボンベ1内面の酸化防止を図っている。
【0039】
(焼付塗装工程)
ついで、各容器開閉バルブユニット11のチューブ連結用バルブ16の操作リング41を回転させて、遮断板26を弁座24に当接させて、流路を閉じるとともに、排気チューブおよび連結チューブ92をチューブ連結用バルブ16から外す。そして、容器開閉バルブユニット11のアイボルト14に図示しないフックなどを引っ掛けて、ボンベ1を吊り下げ、焼付塗装を行う(焼付塗装工程)。この焼付塗装工程では、塗装を行った前記ボンベ1を加熱炉を通過させる。
【0040】
(塗装後第1排気工程)
ボンベ1が加熱炉から出てきたとき、速やかに、容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16に排気チューブを介して、真空ポンプ(図示しない)を接続させるとともに、第1チューブ連結用バルブ16の操作リング41を回転させて、遮断板(弁体)26を弁座24から離して流路を開け、真空ポンプを稼働させて、ボンベ1内の空気を排気する。
ついで、前記ボンベ1内の空気を排気した容器開閉バルブユニット(すなわち、先行した容器開閉バルブユニット)11の第2チューブ連結用バルブ16にチューブ92を介して、後続の容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16を接続するとともに、前記先行の容器開閉バルブユニット11の第2チューブ連結用バルブ16の操作リング41、および、後続の容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16の操作リング41を回転させて、遮断板26を弁座24から離して流路を開け、ボンベ1内の空気を先行の容器開閉バルブユニット11を介して順次排気させる。この様にして、容器開閉バルブユニット11を複数順次接続しながら、複数のボンベ1内の空気を排気する。(ガス吸引工程である塗装後第1排気工程)。
【0041】
(蒸気供給工程)
前記塗装後第1排気工程において、ボンベ(容器)1内部の気圧が1〜10Torr程度になったら、流路開閉バルブ111を閉じる。そして、流路開閉バルブ112を開にして、蒸気室10内部を排気チューブL1を介して設定数(複数)のボンベ1に連通させる。このとき、各ボンベ1には蒸気が供給されるがこの蒸気供給時には前記流路開閉バルブ105は閉じられている。このとき供給される蒸気がボンベ1内で液化しないように、前記蒸気室109の容積および温度が設定されている。
前記蒸気がボンベ1内に蒸気を供給した後、前記流路開閉バルブ112は閉じられる。
【0042】
(蒸気放置期間)
前記ボンベ1内部に蒸気が供給された状態で一定時間放置して、ボンベ1の内部表面に付着した油その他の不純物が蒸発するのを待つ。
【0043】
なお、前記ボンベ1内に蒸気を供給してから前記流路開閉バルブ112が閉じられた後、前記流路開閉バルブ105が開いて、蒸気発生装置108から蒸気室109内に蒸気が供給される。その後、前記流路開閉バルブ105は閉じられて、蒸気室109内に供給された蒸気は前記ヒータ109aにより所定の温度および気圧に保持される。
【0044】
(塗装後第2排気工程)
前記所定の放置期間が経過してから、前記流路開閉バルブ111を開にして、ボンベ1内の気体を前記蒸気と共に排気する。このとき、前記放置期間の間にボンベ1の内部表面に付着していた油や不純物が前記蒸気に接触して気化した気体も同時に排気される。このため、排気作業中に表面に付着した油等がじわじわ時間をかけて蒸発することがなくなり、高真空度までの排気時間が短縮される。
【0045】
前記、塗装後第1排気工程および第2排気工程では、焼付塗装時の加熱により高温(たとえば、約150℃)となっているボンベ1に対して行っており、焼付塗装時の熱源を利用することができる。なお、塗装後第2排気工程以降の工程では、ボンベ1は、一度に30本程度が連続的に、容器開閉バルブユニット11のアイボルト14をフックで吊り下げられながらチェーンにて搬送される。その搬送速度は、先行のボンベ1と後続のボンベ1との間隔(約300〜350mm)を、60〜90秒で移動するように設定されている。
【0046】
(ガス充填工程)
ついで、内部が低圧となっているボンベ1に外気が侵入しないように、ボンベ1に高純度の窒素ガスなどの不活性ガスを充填する(不活性ガス充填工程)。また、この不活性ガスの充填により、ボンベ1の内部を洗浄された綺麗な状態に維持することができる。
その後、容器開閉バルブユニット11を取り外し、図示しない市販用の(すなわち、ボンベを販売する際に取り付けられる通常の)バルブをボンベ1に取り付けるとともに、充填されるガスの名称をペンキなどで表示する(バルブ取付工程)。その後、ガス充填工場にボンベ1を搬送し、ガス充填工場で、ボンベ1に、窒素、水素やアルゴンなどの所定のガスを充填している。
【0047】
前述の実施の形態では、焼付塗装終了後、速やかに、ボンベ1の容器開閉バルブユニット11に真空ポンプを接続して、ボンベ1内の空気を排気して洗浄している。したがって、焼付塗装時の高温(たとえば150℃)の状態で排気すなわち洗浄が行われる。この様に処理温度を従来の70〜90℃よりも上昇させることができ、ボンベ1の内面から水分などのパーティクルが効率よく遊離する。その結果、ボンベ1の内部を効率よく洗浄することができる。なお、バルブの取付やペンキによる名称の表示は、洗浄後、行われており、処理温度の上昇により悪影響を受けることはない。また、容器開閉バルブユニット11に取り付けられているOリングなどのシール部材は、約150℃に耐えられる耐熱性を有する部材が使用される。
【0048】
また、真空ポンプに接続されている先行の容器開閉バルブユニット11に、チューブ92を介して後続の容器開閉バルブユニット11を接続しているので、1つの真空ポンプにより一度に複数のボンベ1内の空気を排気することができる。
【0049】
(実施の形態の作用効果)
前記本発明の容器洗浄方法の実施の形態は、次の作用効果を奏する。
(1)操作部材を回転操作することにより、流路の遮断および連通を容易に行うことができる。また操作部材は筒状の流路形成部材の外周面に回転操作可能に装着されているので、操作部材の構成がコンパクトで少スペース化が計れる。このため、小型の流路開閉バルブを提供することができる。
(2)容器開閉バルブユニットは、搬送可能な吊り下げ部材で容器開閉バルブユニットの被吊り下げ具を吊り下げることにより、容器開閉バルブユニットおよび容器は吊り下げ部材により吊り下げた状態で、容器外面の焼付塗装工程および容器内部を排気して洗浄する容器内部洗浄工程に順次連続して搬送することができる。また、各作業工程において容器内部を密封したり、排気したりすることができる。
(3)容器開閉バルブユニットは各々、チューブ連結用バルブを2個具備しているので、容器開閉バルブユニット同士を互いにチューブで接続することができる。したがって、一台のガス吸引装置で、一度に複数のボンベの空気を排気することができる。
(4)焼付塗装工程の直後に(加熱炉から搬出された後、少なくとも常温に戻るまでの高温状態の間)に、容器開閉バルブユニットの排気口にガス吸引装置を接続し、焼付塗装時の加熱を利用して、ボンベ内のガスを吸引して洗浄することができるので、焼付塗装時の加熱を有効利用することができる。
(5)洗浄工程終了後、容器開閉バルブユニットを取り外して、出荷用バルブの取り付けや、ペンキによる名称表示を行うことができるので、名称表示のペンキや出荷用バルブを高温に加熱することがなくなる。このため、バルブのシールやペンキによる名称の表示が、温度上昇による悪影響を受けることがなくなる。
(6)弁体を操作する操作部材はリング状をし、流路形成部材および流路形成部材の外側に螺合しているので、容器開閉バルブユニットの外側に大きく突出することがなくなる。したがって、容器開閉バルブユニットがコンパクトとなるとともに、操作部材が不用意に他の部材などに引っ掛かることが減少する。
【0050】
(変更例)
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)前記実施の形態の説明では、ボンベ(容器)の焼付塗料の塗装工程の直後に容器洗浄を行う場合について説明したが、本発明の容器洗浄方法および容器洗浄装置は、以外の任意の時期に実施および使用可能である。
(2)本発明の容器洗浄方法および容器洗浄装置で、容器(ボンベ)に装着して使用するバルブの構成は実施の形態で示したものに限定されない。
(3)本発明の流路形成部材20,50は直線状の筒状部材だけでなく、L字型等のように中間部で曲げられた筒状部材を使用することが可能である。
(4)実施の形態で行っている工程の全てを必ずしも行う必要はない。
(5)実施の形態においては、被吊り下げ具はアイボルト14であるが、ボンベ1を吊り下げることができるならば、吊り下げ具の構造は適宜変更可能である。たとえば、フックであることも可能である。
(6)焼付塗装工程後、ガス吸引工程は速やかに行うことが省エネルギの観点から好ましい。少なくとも、常温に戻るまでに行うことが好ましい。特に、100℃以上であることが好ましく、より好ましくは、約140℃以上である。
(7)実施の形態においては、チューブ連結用バルブ16およびボンベ連結用バルブ12は容器開閉バルブユニット本体13とは別体に形成されたものを使用しているが、一体成形したものを使用することも可能である。
(8)実施の形態においては、ネックリング3はボンベ1とは別体に形成されているが、一体成形することも可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明は次の作用効果(E01)を奏する。
(E01)容器内壁に付着した油分を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の容器開閉バルブユニットが取り付けられたボンベの断面図である。
【図2】図2は容器開閉バルブユニットの断面図である。
【図3】図3はチューブ連結用バルブの説明図で、図3Aが一部切欠き正面図、図3Bが図3AのIIIB矢視図、図3Cが図3AのIIIC矢視図である。
【図4】図4はボンベ連結用バルブの説明図で、図4Aが一部切欠き正面図、図4Bが図4Aの IVB矢視図、図4Cが図4Aの IVC矢視図である。
【図5】図5は連結チューブの一部切欠き正面図である。
【図6】図6は本発明の容器内部の油分除去方法を実施する前工程である容器に対する焼付塗料の塗装工程を示す図である。
【図7】図7は前記図6の塗装工程の後に連続して実行する容器洗浄作業を行う際に使用する本発明の実施の形態の容器洗浄装置の説明図である。
【図8】図8は従来のボンベの塗装時の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…容器(ボンベ)、2a…開口部(容器開口)、11…容器開閉バルブユニット、12…流路開閉バルブ、14…被吊り下げ具(アイボルト)、16…流路開閉バルブ、17…排気流路、20…流路形成部材、20a…流路(チューブ連通流路)、20b…弁体収容孔、23…鍔部(チューブ連結部)、24…弁座、26…弁体(遮断板)、31…シャフト、36…リング状プレート、41…操作部材、44…オスネジ、50…流路形成部材、50a…流路(容器連通流路)、50b…弁体収容孔、54…容器連結部(ボンベ装着リング)、64…弁座、66…弁体(遮断板)、71…シャフト、76…リング状プレート、81…操作部材、84…オスネジ、92…チューブ(連結チューブ)、105…容器内部の油分除去装置、106…真空排気装置、107…蒸気供給装置。
(31,36),(71,76)…連動機構。
【発明の属する技術分野】
本発明は容器内部の油分除去方法および容器内部の油分除去装置に関する。前記本発明は、例えば、窒素、水素やアルゴン等の半導体製造用のガスが充填されるガスボンベ(容器)等の容器内部を洗浄する際に使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボンベ製造工場で、ボンベ内面をサンドブラストによる研磨などで内面処理し、その後、ボンベの外面を焼付塗装している。
図8は従来のボンベの塗装時の状態を示す断面図である。
図8において、半導体製造工程等で使用するガスを貯蔵する容器であるボンベ1は、ボンベ本体2と、ネックリング3とを具備している。ボンベ本体2に形成された開口2aの内側面には、容器内部に半導体製造用または医療用の気体を充填した状態で前記容器内部を密封するバルブを取り付けるための開口部メスネジ(図示せず)が形成されている。
【0003】
前記ネックリング3は、ボンベ本体2の容器開口2aを形成する部分(容器開口部)の外側面にカシメて取り付けられ、固定されている。また、ネックリング3の外周面には雄ネジが形成されている。そして、塗装時には、ボンベ1のネックリング3に、二点鎖線で図示するキャップ4が螺合し、このキャップ4がボンベ本体2の容器開口2aを覆っている。また、キャップ4の頂部には被吊り下げ具としてのアイボルト6が設けられている。このアイボルト6を図示しない搬送装置(例えばチェーンコンベア)により搬送されるフック等の吊り下げ具に吊り下げることにより、ボンベ1を吊り下げ、焼付塗料を塗布する塗装工程、塗料を加熱乾燥させる加熱乾燥工程に連続して搬送している。そして、塗装後のボンベ1の容器開口2aに、バルブを取り付けるとともに、充填されるガスの名称をペンキ等を用いてボンベ外側面に表示し、ガス充填工場に搬入している。
【0004】
ところで、前述したように、ボンベ内面は外面の塗装を行う前に、汚れを除去するためのサンドブラスト処理によりに凸凹が形成されており、その凹凸部には除去できなかったゴミや水分などのパーティクル(不純物)が付着している。
そこで、ガス充填工場では、ボンベ1をたとえば70〜90℃に加熱し、温度が上昇した状態でボンベ内部の空気を吸引して洗浄している。そして、洗浄後、窒素、水素やアルゴンなどの所定のガスを充填している。
【0005】
近年、特に半導体の製造などにおいては、高純度のガスが要求されており、ガス充填前のボンベから、パーティクルなどの不純物を極力排除することが望まれている。そして、ボンベ内面からの水分脱離効率が高くなる温度が約150℃であることが知られている。したがって、ボンベ内面の洗浄効果を高めるためには、ガス充填工場における処理温度を150℃程度で行うことが好ましい。
しかしながら、ボンベ製造工場でボンベ外側面に塗装した塗料の耐熱温度は150℃程度であり、また、その塗料の上から塗られた充填ガス名を表示する塗料の耐熱温度はそれよりも低い。また、ボンベ製造工場からガス充填工場に納入されたボンベに装着されているバルブのパッキンも耐熱温度の低いものが使用されている。このため、ガス充填工場でボンベの洗浄工程における加熱排気時のボンベの加熱温度は、洗浄効率の高い150℃程度に比べて低い70〜90℃が採用されている。その結果、ガス充填工場におけるボンベ内部の洗浄効率が低くなっている。
【0006】
また、ガス充填工場においてボンベの内部を洗浄するためにわざわざ洗浄工程を設ける必要があり、ガスを充填したガスボンベの製造のための作業時間が長くなり、ボンベ洗浄コストも高価なものとなっていた。
さらに、各ボンベ内部の空気を吸引するために、各ボンベはチューブを介して真空ポンプ(真空排気装置)に接続される。しかしながら、真空ポンプの吸引口の個数には限りがあるので一度に真空ポンプに接続されるボンベの数には限度がある。したがって、一度に多数のボンベを処理することが困難である。
本発明者は、前記問題点に鑑み、ボンベ内部を効率よく洗浄することができる容器内部の油分除去方法、前記容器内部の油分除去方法で特に便利に使用可能な容器開閉バルブユニットおよび流路開閉バルブを発明して、すでに特許出願している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許出願(先願)において、ボンベ内部を真空排気した後に、前記ボンベに半導体製造用の気体または医療用の気体を充填した場合、前記充填した気体に油分の蒸気(気体)が混入する場合があることが分かった。その原因について研究した結果、次のことが分かった。
すなわち、前記ボンベ本体2の容器開口2aの内側面にバルブ装着用のメスネジ(図示せず)を形成する際に使用する切削油がボンベ1の内壁(容器内壁)に付着する。前記切削油が付着した容器内壁(ボンベ1の内壁)は水により洗浄された後、乾燥された状態で保持されている。このとき、前記容器内壁に付着した油分(切削油)は水により洗浄された後も除去されずに容器内壁に付着した状態で残留しており、この残留している油分は前記真空排気による容器内部の洗浄作業によっても除去されず、容器内壁に付着したままである。
本発明者は、前記容器内壁に付着した油分を蒸発させて排気するため、容器内部を10−4torr程度の高真空に排気する実験を何度も行ってみたが、前記油分の除去はできなかった。
【0008】
前記真空排気による容器内部の洗浄作業は、従来は、前記容器内部が乾燥した状態で行っていたのであるが、本発明者は、水またはアルコール等の油分を溶かすことが可能な溶媒を容器内壁に接触させた状態(前記容器内壁を前記溶媒の液体で濡らした状態または前記溶媒の蒸気を容器内部に充填した状態)で、排気作業を行う実験を行った。その結果、容器内壁に溶媒を接触させた状態で10−3torr程度の真空に排気すると、前記油分の除去を行えることが分かった。
この理由は明らかではないが、ボンベの内部表面に付着した油分は、水蒸気またはアルコール等の油分を溶かす溶媒(液体状溶媒および気体状溶媒)に接触した状態では、蒸発し易くなるためと考えられる。
本発明は前記事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)容器内壁に付着した油分を除去すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(第1発明)
本発明の容器内部の油分除去方法は、洗浄する容器(1)内部に水蒸気を供給し、前記容器(1)内部に水蒸気が充填された状態を所定期間保持した後、前記供給した水蒸気とともに前記容器(1)内部の気体を排気することを特徴とする。
【0010】
(第1発明の作用)
前記第1発明では、前記容器(1)内部に水蒸気が充填された状態を所定期間保持することにより、容器(1)内部に付着した油等の不純物が前記水蒸気に接触して蒸発し易くなる。その状態で容器(1)内部の気体を排気するので、油等の不純物は内部の気圧が低下するに従って蒸発し、容器(1)内部の気体と共に排気される。このため、容器(1)内部の油分は短時間で除去される。
【0011】
前記第1発明の容器内部の油分除去方法において、前記洗浄する容器(1)内部を真空排気装置(106)に連通させて容器(1)内部の気体を排気する排気作業の途中で前記排気作業を一時中止し、前記排気作業を一時中止した状態で前記容器(1)内部に水蒸気を供給することができる。
【0012】
前記第1発明の容器内部の油分除去方法において、前記水蒸気の供給を停止してから所定時間排気作業を行わずに容器(1)本体内に水蒸気が供給された状態を所定期間保持してから、前記供給した水蒸気とともに容器(1)内部の気体を排気することができる。
【0013】
前記第1発明の容器内部の油分除去方法において、洗浄する容器(1)内部を真空排気装置(106)に連通させて容器(1)内部の気体を第1目標真空度まで排気してから、前記容器(1)内部に液化しない程度の蒸気圧の水蒸気を前記容器内部に供給し、その後、水蒸気の供給を停止した状態で、前記供給した水蒸気とともに容器内部の気体を第2目標真空度まで排気することができる。
この場合の容器内部の油分除去方法では、排気作業の途中(容器(1)内部の気体を第1目標真空度まで排気した状態)で、前記容器(1)内部に水蒸気が液化しない程度の蒸気圧の水蒸気を前記容器(1)内部に供給するので、容器(1)内部に余分な水蒸気が供給されない。すなわち、容器(1)内部に供給する水蒸気の量が少なくなるので、前記水蒸気に接触して蒸発し易くなった油等の不純物の蒸気および前記供給した水蒸気を短時間で排気することができる。このため、容器(1)内部は短時間で高真空度に排気される。
なお、この場合は、前記第1および第2の目標真空度を検出する真空度検出器と、真空排気装置(106)および容器(1)内部の間を連通、遮断する流路開閉バルブと、蒸気供給装置および容器(1)内部の間を連通、遮断する流路開閉バルブと、前記各バルブの開閉動作を行うバルブ開閉駆動装置と、それらの各部材の動作を制御する制御装置とを使用することにより、自動的に容器洗浄を行うことが可能である。
【0014】
(第2発明)
第2発明の容器内部の油分除去方法は、洗浄する容器(1)内部を真空排気装置(106)に連通させて容器(1)内部の気体を排気する排気作業の途中で、容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒の蒸気を前記蒸気が液化しない程度の蒸気圧で容器(1)内部に供給し、前記蒸気が供給された状態で且つ前記真空排気作業を停止した状態を所定期間保持した後、前記容器(1)内部の気体を真空排気装置(106)により排気することを特徴とする。
【0015】
(第2発明の作用)
この第2発明の容器内部の油分除去方法では、排気作業の途中で、前記容器(1)内部に前記溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給するので、容器(1)内部に付着した油等の不純物が前記溶媒の蒸気に接触して蒸発し易くなる。また、容器(1)内部には、液化しない程度の蒸気圧の溶媒が供給されるので、余分な蒸気が供給されない。すなわち、容器(1)内部に供給される溶媒の量が少なくなるので、前記容器(1)内部に供給された溶媒の蒸気および油分が蒸発した油分蒸気を含む容器(1)内部の気体を排気する時間を短縮できる。すなわち、容器(1)内部は短時間で高真空度に排気されるので、容器(1)内部の洗浄作業時間が短縮される。
【0016】
(第3発明)
第3発明の容器内部の油分除去方法は、容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給し、その後、前記蒸気の供給を停止した状態で、前記供給した蒸気とともに容器(1)内部の気体を真空排気装置(106)により排気することを特徴とする。
この第3発明の容器内部の油分除去方法も、油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給してから排気するので、容器(1)内壁に付着した油分を除去することができる。
【0017】
(第4発明)
第4発明の容器内部の油分除去方法は、容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給し、前記蒸気の供給を停止した状態を所定期間保持した後、前記容器(1)内部の気体を真空排気装置(106)により排気することを特徴とする。
この第4発明の容器内部の油分除去方法も、油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器(1)内部に供給してから排気するので、容器(1)内壁に付着した油分を除去することができる。
【0018】
(第5発明)
第5発明の容器内部の油分除去方法は、容器(1)内壁に付着した油分を溶かす液体状の溶媒により前記容器(1)内壁全面を濡らした状態で、前記容器(1)内部の気体を真空排気装置(106)により排気することを特徴とする。
この第5発明も、油分を溶かす液体状の溶媒により容器(1)内部を濡らした状態(容器(1)内壁に付着した油分が液体状の溶媒に接触した状態)で、排気するので、容器(1)内壁に付着した油分を除去することができる。
【0019】
(第6発明)
洗浄する容器(1)内部に連通、遮断可能に接続される真空排気装置(106)および容器(1)内壁に付着した油分を溶かす溶媒を供給する溶媒供給装置(107)を備え、前記容器(1)内壁に前記溶媒が接触している状態で前記容器(1)内部を排気することを特徴とする容器内部の油分除去装置。
前記第6発明の容器内部の油分除去装置の溶媒供給装置(107)は、前記溶媒の蒸気を供給する溶媒蒸気供給装置により構成したり、水蒸気を供給する水蒸気供給装置により構成したりすることが可能である。
【0020】
(第6発明の作用)
前記構成を備えた第6発明の容器内部の油分除去装置では、容器(1)内部に真空排気装置(106)が接続され且つ溶媒供給装置(107)が接続されない状態(遮断された状態)で容器(1)内部を排気することができる。また、容器(1)内部に真空排気装置(106)が接続されない状態(遮断された状態)で且つ溶媒供給装置(107)が接続された容器(1)内部に油分を溶かす溶媒を供給することができる。
したがって、第6発明の容器内部の油分除去装置では、油分を溶かす溶媒を容器(1)内部に供給して、容器(1)内壁に付着した油分に前記溶媒を接触させた状態で容器(1)内部を排気することができるので、容器(1)内壁に付着した油分を除去することができる。
【0021】
前記第6発明の容器内部の油分除去装置では、前記容器(1)内部が所定の真空度になった状態で、容器(1)内部に蒸気供給装置(107)を接続して、液化しない程度の圧力および温度の蒸気を前記容器(1)内部に供給することができる。この蒸気供給作業時に、真空排気装置(106)は、前記容器(1)内部に対して接続して排気を行うことも可能であるが、遮断する方が蒸気の供給量の制御が容易である。
前記容器(1)内部に所定温度および量の蒸気を供給した後で、前記蒸気を所定時間容器(1)内部に滞留させて油分およびその他の不純物の蒸発を促進させるため、真空排気装置(106)は所定時間容器(1)内部に対して遮断状態に保持することが好ましい。その後、真空排気装置(106)を容器(1)内部に連通させて排気を行うことができる。その場合、前記蒸気供給により容器(1)内部の油分および不純物が蒸発したり、蒸発し易くなっているため、10−3torr以上の高真空度(すなわち、10−3torr以下の圧力)まで排気することにより、前記油分を除去することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施の形態)
図1は本発明の容器内部の油分除去方法で使用される容器開閉バルブユニットが取り付けられたボンベの断面図である。
図2は容器開閉バルブユニットの断面図である。
図3はチューブ連結用バルブの説明図で、図3Aが一部切欠き正面図、図3Bが図3AのIIIB矢視図、図3Cが図3AのIIIC矢視図である。
図4はボンベ連結用バルブの説明図で、図4Aが一部切欠き正面図、図4Bが図4Aの IVB矢視図、図4Cが図4Aの IVC矢視図である。
図5は連結チューブの一部切欠き正面図である。
なお、ボンベ1自体は図8に図示する従来のボンベと同じであり、その詳細な説明は省略する。
【0023】
ボンベ1に着脱自在に取り付けられる容器開閉バルブユニット11は、ボンベ1が着脱自在に取り付けられる筒状のボンベ連結用バルブ12、下端にボンベ連結用バルブ(流路開閉バルブ)12が取り付けられる容器開閉バルブユニット本体13、この容器開閉バルブユニット本体13の頂部に設けられている被吊り下げ具としてのアイボルト14、容器開閉バルブユニット本体13の左右の側部に取り付けられている筒状の左右のチューブ連結用バルブ(流路開閉バルブ)16、並びに、前記ボンベ連結用バルブ12の内部空間およびチューブ連結用バルブ16の内部空間同士を互いに連通させる容器開閉バルブユニット本体13に形成されている排気流路17を具備している。
【0024】
図2において、チューブ連結用バルブ16の筒状の流路形成部材20には、一端に容器開閉バルブユニット本体13に取り付けられる小径の小径連結部21が形成されている。図3において、この小径連結部21の外周面には連結用オスネジ21aが形成され、この連結用オスネジ21aが容器開閉バルブユニット本体13の排気流路17の端部に形成されているメスネジにねじ込まれる。また、容器開閉バルブユニット本体13と小径連結部21との隙間から気体が漏れないように、Oリング22が流路形成部材20に取り付けられている。そして、前述の様に連結用オスネジ21aが排気流路17の端部にねじ込まれると、このOリング22が容器開閉バルブユニット本体13と流路形成部材20とにより圧縮される。したがって、チューブ連結用バルブ16を容器開閉バルブユニット本体13に気密な状態で取り付けることができる。
【0025】
チューブ連結用バルブ16の流路形成部材20の他端には、クランプ用のチューブ連結部としてのフランジ23が形成されている。また、チューブ連結用バルブ16の流路形成部材20の内部の貫通孔により形成された流路(チューブ連通流路)20aは断面略円形であるとともに、他端側(すなわち、フランジ23側)には一端側(すなわち、小径連結部21側)よりも大径の弁体収容孔20bが形成されており、前記大径の弁体収容孔20bの内端面には弁座24が形成されている。この弁座24に対向して弁体としての遮断板26が、チューブ連結用バルブ16の軸方向に移動可能(流路方向に移動可能)に取り付けられている。この遮断板26は略三角形形状をしており、遮断板26の外周面とチューブ連通流路20aの内周面との間には隙間が形成されている。また、遮断板26における弁座24配置側の端面にOリング28が設けられている。そして、遮断板26が弁座24側に移動して、Oリング28を介して弁座24に当接すると、チューブ連通流路20aを閉じて、チューブ連通流路20aにおける流体の流れは遮断される。一方、遮断板26が弁座24から離れると、遮断板26の外周面とチューブ連通流路20aの内周面との隙間を通って、流体は流れることが可能となる。前述したように前述遮断板26が3角形に形成されているので、遮断板26の外周面とチューブ連通流路20aの内周面との隙間が大きくなる。このため、流体が流れるときの抵抗が小さくなるので、流体が流れ易い。
【0026】
チューブ連結用バルブ16の流路形成部材20には、チューブ連通流路20aの外側に3本のシャフト用孔20cが形成されている。この各シャフト用孔20cは、チューブ連結用バルブ16の軸心と略平行に配置されているとともに、各シャフト用孔20cの内部には、シール材付きのシャフト31が摺動可能に挿入されており、シャフト31はチューブ連結用バルブ16の軸方向に摺動することができる。そして、この3本のシャフト31に、前述の遮断板26がビス33で取り付けられている。一方、シャフト31の他端には、リング状プレート36がナット37で取り付けられている。このリング状プレート36の外周部を間に挟んで、操作部材としての操作リング41および押えリング42が配置されている。押えリング42は操作リング41にビス43で取り付けられて一体となっているとともに、操作リング41および押えリング42は、リング状プレート36に対して周方向に摺動可能となっている。この操作リング41および押えリング42がチューブ連結用バルブ16の軸方向に移動すると、操作リング41または押えリング42がリング状プレート36を押し、リング状プレート36がチューブ連結用バルブ16の軸方向に移動する。
また、操作リング41の内面にはメスネジが形成されており、このメスネジが流路形成部材20の外周面に形成されているオスネジ44に螺合している。この様に螺合しているため、操作リング41を回転させると、この回転にともなって、操作リング41がチューブ連結用バルブ16の軸方向に移動する。この操作リング41の軸方向の移動が、連動機構としてのリング状プレート36やシャフト31などを介して遮断板26に伝達され、遮断板26がチューブ連結用バルブ16の軸方向に移動し、チューブ連通流路20aを開閉する。
【0027】
次に、ボンベ連結用バルブ12を説明する。
ボンベ連結用バルブ12の筒状の流路形成部材50には、上端に容器開閉バルブユニット本体13に取り付けられる小径連結部51が形成されている。この小径連結部51の外周面には螺子部51aが形成され、この螺子部51aが容器開閉バルブユニット本体13の排気流路17の端部に形成されているメスネジにねじ込まれる。また、容器開閉バルブユニット本体13と小径連結部51との隙間から気体が漏れないように、Oリング52が流路形成部材50に取り付けられている。そして、前述の様に螺子部51aが排気流路17の端部にねじ込まれると、このOリング52が容器開閉バルブユニット11の容器開閉バルブユニット本体13と流路形成部材50とにより圧縮される。したがって、ボンベ連結用バルブ12を容器開閉バルブユニット本体13に気密な状態で取り付けることができる。
【0028】
ボンベ連結用バルブ12の下端には、ボンベ1のネックリング3の雄ネジ部に螺合する容器連結部としてのボンベ装着リング54が回転可能に設けられている。すなわち、ボンベ連結用バルブ12の流路形成部材50の下端の外周面にはフランジ55が形成され、このフランジ55がボンベ装着リング54の上端のフランジ54aと回転可能に係合し、ボンベ装着リング54が流路形成部材50から下方に離脱することを防止している。
【0029】
また、フランジ55の下面には、リング状のボンベ当接板56がビス57で取り付けられている。このボンベ当接板56の下面にはOリング58が取り付けられている。そして、ボンベ連結用バルブ12にボンベ1が装着された際には、ボンベ1の先端がOリング58を介してボンベ当接板56に当接し、Oリング58によりシーリングされる。
【0030】
ボンベ連結用バルブ12の流路形成部材50の内部の流路50aは断面略円形であるとともに、下端側(すなわち、フランジ55側)が上端側(すなわち、小径連結部51側)よりも大径の弁体収容孔50bが形成されており、前記大径の弁体収容孔50bの内端面には弁座64が形成されている。この弁座64に対向して弁体としての遮断板66が、ボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動可能(流路方向に移動可能)に取り付けられている。この遮断板66は略三角形形状をしており、遮断板66の外周面と流路50aの内周面との間には隙間が形成されている。また、遮断板66における弁座64配置側の端面にOリング68が設けられている。そして、遮断板66が弁座64側に移動して、Oリング68を介して弁座64に当接すると、容器に連通する流路(容器連通流路)50aを閉じて、流路50aにおける流体の流れは遮断される。一方、遮断板66が弁座64から離れると、遮断板66の外周面と流路50aの内周面との隙間を通って、流体は流れることが可能となる。そして、ボンベ連結用バルブ12にボンベ1が取り付けられていない際に、遮断板66を閉じることにより、ボンベ連結用バルブ12の流路50aを通って、容器開閉バルブユニット本体13の排気流路17にゴミや外気が侵入することを防止することができる。
【0031】
ボンベ連結用バルブ12の流路形成部材50には、流路50aの外側に3本のシャフト用孔50cが形成されている。この各シャフト用孔50cは、ボンベ連結用バルブ12の軸心と略平行に配置されているとともに、各シャフト用孔50cの内部には、シール材付きのシャフト71が摺動可能に挿入されており、シャフト71はボンベ連結用バルブ12の軸方向に摺動することができる。そして、この3本のシャフト71に、前述の遮断板66がビス73で取り付けられている。一方、シャフト71の他端には、リング状プレート76がナット77で取り付けられている。このリング状プレート76の外周部を間に挟んで、操作部材としての操作リング81および押えリング82が配置されている。押えリング82は操作リング81にビス83で取り付けられて一体となっているとともに、操作リング81および押えリング82は、リング状プレート76に対して周方向に摺動可能となっている。
【0032】
この操作リング81および押えリング82がボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動すると、操作リング81または押えリング82がリング状プレート76を押し、リング状プレート76がボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動する。また、操作リング81の内面にはメスネジが形成されており、このメスネジが流路形成部材50の外周面に形成されているオスネジ84に螺合している。この様に螺合しているため、操作リング81を回転させると、この回転にともなって、操作リング81がボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動する。この操作リング81の軸方向の移動が、連動機構としてのリング状プレート76やシャフト71などを介して遮断板66に伝達され、遮断板66がボンベ連結用バルブ12の軸方向に移動し、流路50aを開閉する。
【0033】
図5に図示するように、チューブ連結用バルブ16のフランジ23には、クランプ91により、連結チューブ92が接続される。このチューブ92は蛇腹状の可撓なチューブ本体93とこのチューブ本体93の端部に設けられている連結口部94とからなっており、この連結口部94の端部には鍔部95が形成されている。また、チューブ連結用バルブ16とチューブ92との間には、外周にOリング96が嵌められているシール用リング97が配置されている。そして、クランプ91がチューブ連結用バルブ16のフランジ23とチューブ92の鍔部95とを互いに近づけて固定すると、両フランジ23,95間のOリング96が圧縮され、チューブ連結用バルブ16とチューブ92との接続部分が気密にシールされる。
【0034】
図6は本発明の容器内部の油分除去方法を実施する前工程である容器に対する焼付塗料の塗装工程を示す図である。
図6において、チェーンコンベア101により搬送される複数の移動ブロック102にはそれぞれフック103が下方に垂れ下がって連結されており、フック103の下端部には前記容器開閉バルブユニット11のアイボルト14が吊り下げられている。
前記容器開閉バルブユニット11に装着されたボンベ(容器)1は、前記チェーンコンベア101により搬送される移動ブロック102と共に移動し、塗装室R1および加熱炉R2を順次通過する。
【0035】
図7は前記図6の塗装工程の後に連続して実行する容器洗浄作業を行う容器洗浄装置の説明図である。
図7において、容器洗浄装置105は、真空排気装置106と蒸気供給装置107とを有している。蒸気供給装置107は、蒸気発生装置108と、前記蒸気発生装置で発生した蒸気を貯溜しておく蒸気室109と、前記蒸気発生装置108および蒸気室109の間に設けた流路開閉バルブ110とを有している。蒸気発生装置108はヒータ108aを有しており、内部に収容された水を蒸発させて水蒸気に生成する。
前記生成された水蒸気は、流路開閉バルブ110を通って蒸気室109に一定量だけ貯溜される。蒸気室109は、ヒータ109aを有しており、蒸気室内109内の蒸気の温度および容積が設定した値に保持される。
【0036】
図7において、複数の排気チューブL1により接続された複数のボンベ1内部は、前記容器開閉バルブユニット11の流路開閉バルブ16,12が開の時は排気チューブL1により連通される。
前記真空排気装置106は流路開閉バルブ111により前記排気チューブL1に接続している。したがって、流路開閉バルブ111が開のときには排気チューブL1に連通するボンベ(容器)1内部を排気可能である。
前記蒸気室109は流路開閉バルブ112により前記排気チューブL1に接続している。したがって、流路開閉バルブ112が開のときには排気チューブL1に連通するボンベ(容器)1内部を蒸気を供給可能である。
【0037】
(実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の実施の形態の容器塗装方法および容器洗浄方法を実施する装置の作用を以下に説明する。
(プレ真空排気工程)
次に説明するプレ真空排気工程は、ボンベ表面に焼付塗料の塗装を行う前に実行する。
錆などを除去するために、ボンベ1の内面および外面をサンドブラストや研磨などで表面処理する(表面処理工程)。ついで、容器開閉バルブユニット11をボンベ1に取り付ける(容器開閉バルブユニット取付工程)。すなわち、容器開閉バルブユニット11のボンベ装着リング54をボンベ1のネックリング3に螺合させ、容器開閉バルブユニット11をボンベ1に取り付ける。この際には、チューブ連結用バルブ16の遮断板26およびボンベ連結用バルブ12の遮断板66は、弁座24,64に当接しており、流路を閉じている。この様にして、複数のボンベ1に容器開閉バルブユニット11を各々取り付ける。
【0038】
そして、1個の容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16に、排気チューブ(図示しない)を介して、ガス吸引装置である真空ポンプ(図示しない)を接続するとともに、この容器開閉バルブユニット11の第2チューブ連結用バルブ16に、チューブ92を介して、別の容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16を接続する。この様にして、容器開閉バルブユニット11を複数(たとえば、数個から数十個)順次接続する。そして、各容器開閉バルブユニット11の操作リング41,81を回転させて、遮断板26,66を弁座24,64から離して、流路を開ける。
なお、最後尾の容器開閉バルブユニット11の第2チューブ連結用バルブ16の遮断板26は弁座24に当接したままにし、閉じた状態を維持させる。ついで、真空ポンプを稼働させて、複数のボンベ1内の空気を排気する(プレ真空排気工程)。すなわち、プレ真空排気工程により、複数のボンベ1内の空気は、容器開閉バルブユニット11の排気流路17、チューブ92、および他の容器開閉バルブユニット11の排気流路17などを順次通って真空ポンプに排気される。このプレ真空排気工程により、後工程の高真空排気工程での処理時間の短縮およびボンベ1内面の酸化防止を図っている。
【0039】
(焼付塗装工程)
ついで、各容器開閉バルブユニット11のチューブ連結用バルブ16の操作リング41を回転させて、遮断板26を弁座24に当接させて、流路を閉じるとともに、排気チューブおよび連結チューブ92をチューブ連結用バルブ16から外す。そして、容器開閉バルブユニット11のアイボルト14に図示しないフックなどを引っ掛けて、ボンベ1を吊り下げ、焼付塗装を行う(焼付塗装工程)。この焼付塗装工程では、塗装を行った前記ボンベ1を加熱炉を通過させる。
【0040】
(塗装後第1排気工程)
ボンベ1が加熱炉から出てきたとき、速やかに、容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16に排気チューブを介して、真空ポンプ(図示しない)を接続させるとともに、第1チューブ連結用バルブ16の操作リング41を回転させて、遮断板(弁体)26を弁座24から離して流路を開け、真空ポンプを稼働させて、ボンベ1内の空気を排気する。
ついで、前記ボンベ1内の空気を排気した容器開閉バルブユニット(すなわち、先行した容器開閉バルブユニット)11の第2チューブ連結用バルブ16にチューブ92を介して、後続の容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16を接続するとともに、前記先行の容器開閉バルブユニット11の第2チューブ連結用バルブ16の操作リング41、および、後続の容器開閉バルブユニット11の第1チューブ連結用バルブ16の操作リング41を回転させて、遮断板26を弁座24から離して流路を開け、ボンベ1内の空気を先行の容器開閉バルブユニット11を介して順次排気させる。この様にして、容器開閉バルブユニット11を複数順次接続しながら、複数のボンベ1内の空気を排気する。(ガス吸引工程である塗装後第1排気工程)。
【0041】
(蒸気供給工程)
前記塗装後第1排気工程において、ボンベ(容器)1内部の気圧が1〜10Torr程度になったら、流路開閉バルブ111を閉じる。そして、流路開閉バルブ112を開にして、蒸気室10内部を排気チューブL1を介して設定数(複数)のボンベ1に連通させる。このとき、各ボンベ1には蒸気が供給されるがこの蒸気供給時には前記流路開閉バルブ105は閉じられている。このとき供給される蒸気がボンベ1内で液化しないように、前記蒸気室109の容積および温度が設定されている。
前記蒸気がボンベ1内に蒸気を供給した後、前記流路開閉バルブ112は閉じられる。
【0042】
(蒸気放置期間)
前記ボンベ1内部に蒸気が供給された状態で一定時間放置して、ボンベ1の内部表面に付着した油その他の不純物が蒸発するのを待つ。
【0043】
なお、前記ボンベ1内に蒸気を供給してから前記流路開閉バルブ112が閉じられた後、前記流路開閉バルブ105が開いて、蒸気発生装置108から蒸気室109内に蒸気が供給される。その後、前記流路開閉バルブ105は閉じられて、蒸気室109内に供給された蒸気は前記ヒータ109aにより所定の温度および気圧に保持される。
【0044】
(塗装後第2排気工程)
前記所定の放置期間が経過してから、前記流路開閉バルブ111を開にして、ボンベ1内の気体を前記蒸気と共に排気する。このとき、前記放置期間の間にボンベ1の内部表面に付着していた油や不純物が前記蒸気に接触して気化した気体も同時に排気される。このため、排気作業中に表面に付着した油等がじわじわ時間をかけて蒸発することがなくなり、高真空度までの排気時間が短縮される。
【0045】
前記、塗装後第1排気工程および第2排気工程では、焼付塗装時の加熱により高温(たとえば、約150℃)となっているボンベ1に対して行っており、焼付塗装時の熱源を利用することができる。なお、塗装後第2排気工程以降の工程では、ボンベ1は、一度に30本程度が連続的に、容器開閉バルブユニット11のアイボルト14をフックで吊り下げられながらチェーンにて搬送される。その搬送速度は、先行のボンベ1と後続のボンベ1との間隔(約300〜350mm)を、60〜90秒で移動するように設定されている。
【0046】
(ガス充填工程)
ついで、内部が低圧となっているボンベ1に外気が侵入しないように、ボンベ1に高純度の窒素ガスなどの不活性ガスを充填する(不活性ガス充填工程)。また、この不活性ガスの充填により、ボンベ1の内部を洗浄された綺麗な状態に維持することができる。
その後、容器開閉バルブユニット11を取り外し、図示しない市販用の(すなわち、ボンベを販売する際に取り付けられる通常の)バルブをボンベ1に取り付けるとともに、充填されるガスの名称をペンキなどで表示する(バルブ取付工程)。その後、ガス充填工場にボンベ1を搬送し、ガス充填工場で、ボンベ1に、窒素、水素やアルゴンなどの所定のガスを充填している。
【0047】
前述の実施の形態では、焼付塗装終了後、速やかに、ボンベ1の容器開閉バルブユニット11に真空ポンプを接続して、ボンベ1内の空気を排気して洗浄している。したがって、焼付塗装時の高温(たとえば150℃)の状態で排気すなわち洗浄が行われる。この様に処理温度を従来の70〜90℃よりも上昇させることができ、ボンベ1の内面から水分などのパーティクルが効率よく遊離する。その結果、ボンベ1の内部を効率よく洗浄することができる。なお、バルブの取付やペンキによる名称の表示は、洗浄後、行われており、処理温度の上昇により悪影響を受けることはない。また、容器開閉バルブユニット11に取り付けられているOリングなどのシール部材は、約150℃に耐えられる耐熱性を有する部材が使用される。
【0048】
また、真空ポンプに接続されている先行の容器開閉バルブユニット11に、チューブ92を介して後続の容器開閉バルブユニット11を接続しているので、1つの真空ポンプにより一度に複数のボンベ1内の空気を排気することができる。
【0049】
(実施の形態の作用効果)
前記本発明の容器洗浄方法の実施の形態は、次の作用効果を奏する。
(1)操作部材を回転操作することにより、流路の遮断および連通を容易に行うことができる。また操作部材は筒状の流路形成部材の外周面に回転操作可能に装着されているので、操作部材の構成がコンパクトで少スペース化が計れる。このため、小型の流路開閉バルブを提供することができる。
(2)容器開閉バルブユニットは、搬送可能な吊り下げ部材で容器開閉バルブユニットの被吊り下げ具を吊り下げることにより、容器開閉バルブユニットおよび容器は吊り下げ部材により吊り下げた状態で、容器外面の焼付塗装工程および容器内部を排気して洗浄する容器内部洗浄工程に順次連続して搬送することができる。また、各作業工程において容器内部を密封したり、排気したりすることができる。
(3)容器開閉バルブユニットは各々、チューブ連結用バルブを2個具備しているので、容器開閉バルブユニット同士を互いにチューブで接続することができる。したがって、一台のガス吸引装置で、一度に複数のボンベの空気を排気することができる。
(4)焼付塗装工程の直後に(加熱炉から搬出された後、少なくとも常温に戻るまでの高温状態の間)に、容器開閉バルブユニットの排気口にガス吸引装置を接続し、焼付塗装時の加熱を利用して、ボンベ内のガスを吸引して洗浄することができるので、焼付塗装時の加熱を有効利用することができる。
(5)洗浄工程終了後、容器開閉バルブユニットを取り外して、出荷用バルブの取り付けや、ペンキによる名称表示を行うことができるので、名称表示のペンキや出荷用バルブを高温に加熱することがなくなる。このため、バルブのシールやペンキによる名称の表示が、温度上昇による悪影響を受けることがなくなる。
(6)弁体を操作する操作部材はリング状をし、流路形成部材および流路形成部材の外側に螺合しているので、容器開閉バルブユニットの外側に大きく突出することがなくなる。したがって、容器開閉バルブユニットがコンパクトとなるとともに、操作部材が不用意に他の部材などに引っ掛かることが減少する。
【0050】
(変更例)
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)前記実施の形態の説明では、ボンベ(容器)の焼付塗料の塗装工程の直後に容器洗浄を行う場合について説明したが、本発明の容器洗浄方法および容器洗浄装置は、以外の任意の時期に実施および使用可能である。
(2)本発明の容器洗浄方法および容器洗浄装置で、容器(ボンベ)に装着して使用するバルブの構成は実施の形態で示したものに限定されない。
(3)本発明の流路形成部材20,50は直線状の筒状部材だけでなく、L字型等のように中間部で曲げられた筒状部材を使用することが可能である。
(4)実施の形態で行っている工程の全てを必ずしも行う必要はない。
(5)実施の形態においては、被吊り下げ具はアイボルト14であるが、ボンベ1を吊り下げることができるならば、吊り下げ具の構造は適宜変更可能である。たとえば、フックであることも可能である。
(6)焼付塗装工程後、ガス吸引工程は速やかに行うことが省エネルギの観点から好ましい。少なくとも、常温に戻るまでに行うことが好ましい。特に、100℃以上であることが好ましく、より好ましくは、約140℃以上である。
(7)実施の形態においては、チューブ連結用バルブ16およびボンベ連結用バルブ12は容器開閉バルブユニット本体13とは別体に形成されたものを使用しているが、一体成形したものを使用することも可能である。
(8)実施の形態においては、ネックリング3はボンベ1とは別体に形成されているが、一体成形することも可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明は次の作用効果(E01)を奏する。
(E01)容器内壁に付着した油分を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の容器開閉バルブユニットが取り付けられたボンベの断面図である。
【図2】図2は容器開閉バルブユニットの断面図である。
【図3】図3はチューブ連結用バルブの説明図で、図3Aが一部切欠き正面図、図3Bが図3AのIIIB矢視図、図3Cが図3AのIIIC矢視図である。
【図4】図4はボンベ連結用バルブの説明図で、図4Aが一部切欠き正面図、図4Bが図4Aの IVB矢視図、図4Cが図4Aの IVC矢視図である。
【図5】図5は連結チューブの一部切欠き正面図である。
【図6】図6は本発明の容器内部の油分除去方法を実施する前工程である容器に対する焼付塗料の塗装工程を示す図である。
【図7】図7は前記図6の塗装工程の後に連続して実行する容器洗浄作業を行う際に使用する本発明の実施の形態の容器洗浄装置の説明図である。
【図8】図8は従来のボンベの塗装時の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…容器(ボンベ)、2a…開口部(容器開口)、11…容器開閉バルブユニット、12…流路開閉バルブ、14…被吊り下げ具(アイボルト)、16…流路開閉バルブ、17…排気流路、20…流路形成部材、20a…流路(チューブ連通流路)、20b…弁体収容孔、23…鍔部(チューブ連結部)、24…弁座、26…弁体(遮断板)、31…シャフト、36…リング状プレート、41…操作部材、44…オスネジ、50…流路形成部材、50a…流路(容器連通流路)、50b…弁体収容孔、54…容器連結部(ボンベ装着リング)、64…弁座、66…弁体(遮断板)、71…シャフト、76…リング状プレート、81…操作部材、84…オスネジ、92…チューブ(連結チューブ)、105…容器内部の油分除去装置、106…真空排気装置、107…蒸気供給装置。
(31,36),(71,76)…連動機構。
Claims (11)
- 洗浄する容器内部に水蒸気を供給し、前記容器内部に水蒸気が充填された状態を所定期間保持した後、前記供給した水蒸気とともに前記容器内部の気体を排気することを特徴とする容器内部の油分除去方法。
- 前記洗浄する容器内部を真空排気装置に連通させて容器内部の気体を排気する排気作業の途中で前記排気作業を一時中止し、前記排気作業を一時中止した状態で前記容器内部に水蒸気を供給することを特徴とする請求項1記載の容器内部の油分除去方法。
- 前記水蒸気の供給を停止してから所定時間排気作業を行わずに容器本体内に水蒸気が供給された状態を所定期間保持してから、前記供給した水蒸気とともに容器内部の気体を排気することを特徴とする請求項1または2記載の容器内部の油分除去方法。
- 洗浄する容器内部を真空排気装置に連通させて容器内部の気体を第1目標真空度まで排気してから、前記容器内部に水蒸気が液化しない程度の蒸気圧の水蒸気を前記容器内部に供給し、その後、水蒸気の供給を停止した状態で、前記供給した水蒸気とともに容器内部の気体を第2目標真空度まで排気することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の容器内部の油分除去方法。
- 洗浄する容器内部を真空排気装置に連通させて容器内部の気体を排気する排気作業の途中で、容器内壁に付着した油分を溶かす溶媒の蒸気を前記蒸気が液化しない程度の蒸気圧で容器内部に供給し、前記蒸気が供給された状態で且つ前記真空排気作業を停止した状態を所定期間保持した後、前記容器内部の気体を真空排気装置により排気することを特徴とする容器内部の油分除去方法。
- 容器内壁に付着した油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器内部に供給し、その後、前記蒸気の供給を停止した状態で、前記供給した蒸気とともに容器内部の気体を真空排気装置により排気することを特徴とする容器内部の油分除去方法。
- 容器内壁に付着した油分を溶かす溶媒の蒸気を前記容器内部に供給し、前記蒸気の供給を停止した状態を所定期間保持した後、前記容器内部の気体を真空排気装置により排気することを特徴とする容器内部の油分除去方法。
- 容器内壁に付着した油分を溶かす液体状の溶媒により前記容器内壁全面を濡らした状態で、前記容器内部の気体を真空排気装置により排気することを特徴とする容器内部の油分除去方法。
- 洗浄する容器内部に連通、遮断可能に接続される真空排気装置および容器内壁に付着した油分を溶かす溶媒を供給する溶媒供給装置を備え、前記容器内壁に前記溶媒が接触している状態で前記容器内部を排気することを特徴とする容器内部の油分除去装置。
- 前記溶媒供給装置は前記溶媒の蒸気を供給する溶媒蒸気供給装置により構成されたことを特徴とする請求項9記載の容器内部の油分除去装置。
- 前記溶媒蒸気供給装置は水蒸気供給装置により構成されたことを特徴とする請求項10記載の容器内部の油分除去装置。
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JP2003011441A JP2004223330A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 容器内部の油分除去方法および装置 |
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JP2013198871A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Japan Environmental Safety Corp | 抜油装置および抜油方法 |
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2003
- 2003-01-20 JP JP2003011441A patent/JP2004223330A/ja active Pending
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