JP2004222957A - 蒸気滅菌装置 - Google Patents

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文雄 鵜殿
Yoshihito Yamazaki
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Abstract

【課題】滅菌処理工程を開始する前に行うべき性能テストを、迅速に行うことができ、また、化学的インジケータの色変化等による良否判定を、作業者の目視による主観に依存することなく、的確に行い得る滅菌装置を提供する。
【解決手段】滅菌工程の開始前に、滅菌槽内に熱で変色する化学的インジケータを内蔵したテストパックを用いた空気排除機能テストからなる第一の運転テストを実行し、そのテスト結果が“否”であった場合に、異なる運転条件で空気排除機能テストからなる第二の運転テストを実行するものであるため、第一の運転テストによる良否判定結果が“否”であっても、運転条件を変えた第二の運転テストで“良”であれば、それに対応する運転条件によって滅菌可能とすることができる。またこのため、種々の確認工程からなる機能テストが不要となり、テストに要する時間を著しく短縮することができる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気によって医療用具等を滅菌する蒸気滅菌装置において、通常の滅菌工程を開始する前に、機能テストを行うことができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
病院等で使用される医療用具や衣類等を滅菌する滅菌装置として、高温の蒸気を用いる蒸気滅菌装置がある。この種の蒸気滅菌装置は、被滅菌物を滅菌槽に収容して密閉し、この滅菌槽内に、加熱・加圧した飽和水蒸気(以下、単に蒸気という)を送り込み、この蒸気の熱、圧力及び湿度によって、被滅菌物の滅菌を行うものである。
【0003】
このような蒸気滅菌装置において、十分な滅菌効果を発揮するためには、堆積した衣類等、被滅菌物内部の空気を除去して、この被滅菌物に蒸気が迅速に浸透するように、滅菌槽への蒸気の導入前に空気の排除が十分に行われている必要がある。したがって、実際の滅菌処理工程を開始する前に、滅菌槽から空気を充分に排除することができるか等を確認するためのテストを行うことが重要である。そして、上述のようなテストを行うことができるようにした蒸気滅菌装置としては、従来、例えば下記の特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−224198
【0005】
すなわち、特許文献1に記載された蒸気滅菌装置は、空気、蒸気、給水の各ユーティリティーを確認する工程と、扉の開閉が正確に行なわれるか否かを確認する工程と、滅菌槽のジャケットに蒸気を供給した時のジャケットの温度上昇率を確認する工程と、滅菌槽内が所定時間内に真空に到達するか否かを確認する工程と、リークテスト工程と、滅菌槽内に蒸気を供給することによって規定時間内に規定圧力及び/又は規定温度に到達するか否かを確認する工程と、滅菌槽内に蒸気を供給することによって、滅菌槽内が所定時間、所定圧力および所定温度で維持されることを確認する工程と、滅菌槽内の蒸気を排出後、一定時間真空状態としてから滅菌槽内に外気を導入することによって、規定時間以内に滅菌槽内が大気圧まで復圧することを確認する工程等からなる機能テストを実施した後、熱によって変色する化学的インジケータを内蔵した空気排除試験パックを用いて、化学的インジケータの色変化によって滅菌槽内の空気の残留を診断するボーウィ・ディック(Bowie−Dick)テスト、すなわち空気排除機能テストを行うようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の蒸気滅菌装置によれば、空気排除機能テストの前に、種々の確認工程を含む機能テストを行うものであるため、テストに時間がかかるものであった。また、空気排除機能テストにおいては、滅菌槽から取り出した化学的インジケータの色変化を、作業者が、良否判定用の変色パターンが印刷された色見本と目視で比較することによって、滅菌槽内の空気排除状態の良否を診断しているため、誤認のおそれも懸念される。
【0007】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、滅菌処理工程を開始する前に行うべき性能テストを、迅速に行うことの可能な滅菌装置を提供することにある。
【0008】
また、他の技術的課題は、化学的インジケータの色変化等による良否判定を、作業者の目視による主観に依存することなく、的確に行い得る滅菌装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る蒸気滅菌装置は、被滅菌物を収納する滅菌槽に高温・高圧の蒸気を供給することにより滅菌を行う蒸気滅菌装置において、各部の動作を制御する主制御部を備え、この主制御部は、制御プログラムが記憶されたプログラム記憶手段と、前記制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する中央演算処理手段と、演算結果等のデータを記憶するデータ記憶手段を備え、前記制御プログラムが、滅菌工程の開始前に、第一の運転テストを実行するプログラムと、この第一の運転テストによるテスト結果が“否”であった場合に、第二の運転テストを前記第一の運転テストと異なる条件で実行するためのプログラムを含むものである。
【0010】
請求項2の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項1に記載の構成において、第一の運転テストによる良否判定が“否”であった場合に、第二の運転テストの実行を選択可能とする選択手段を備えるものである。
【0011】
請求項3の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項1又は2に記載の構成において、第一又は第二の運転テストによる良否判定が“良”であった場合に、日付が変わるまでは再度の運転テストの実行をキャンセル可能とする選択手段を備えるものである。
【0012】
請求項4の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成において、主制御部による制御プログラムが、第一又は第二の運転テストによる良否判定が“良”であった場合にのみ、被滅菌物を滅菌処理する通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムを含むものである。
【0013】
請求項5の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、第一の運転テスト及び第二の運転テストは、滅菌槽内に熱で変色する化学的インジケータを内蔵したテストパックを収納し、滅菌槽内の空気を排除した後で蒸気を供給して所定の高温状態に所定時間維持することによる前記化学的インジケータの変色状態から良否を判定する空気排除機能テストからなるものである。
【0014】
請求項6の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、第一の運転テスト及び第二の運転テストは、密閉容器に微生物又は酵素を封入した生物学的インジケータを滅菌槽内に収納して所定時間蒸気滅菌処理した後、栄養培地内で所定時間培養して、前記栄養培地の変色状態から陰性又は陽性を判定する滅菌効力テストからなるものである。
【0015】
請求項7の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の構成において、主制御部による制御プログラムが、被滅菌物を滅菌する滅菌工程と並行して、密閉容器に微生物又は酵素を封入した生物学的インジケータを滅菌槽内に収納して所定時間蒸気滅菌処理した後、栄養培地内で所定時間培養して、前記栄養培地の変色状態から陰性又は陽性を判定する滅菌効力テストを実行するプログラムを含むものである。
【0016】
請求項8の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項5に記載の構成において、第一又は第二の運転テストによる良否判定が、化学的インジケータの変色を、この変色データを取り込む手段と、判定基準となる色彩データが記憶された記憶手段と、前記変色データと判定基準の色彩データに基づいて良否判定する判定手段とを備える変色自動識別装置により行われ、主制御部による制御プログラムが、前記変色自動識別装置による良否判定データを取り込んで主制御部のデータ記憶手段に記憶させるプログラムを含むものである。
【0017】
請求項9の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項5に記載の構成において、第二の運転テストを実行するプログラムは、滅菌槽内を真空引きして強制排気した後、高温・高圧の蒸気を供給する工程を所要回数繰り返すことによりコンディショニングを行う際の、真空引きによる真空値及び給蒸時の蒸気圧力が、第一の運転テストを実行するプログラムにおける設定値よりも厳しい値に設定されたものである。
【0018】
請求項10の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項7に記載の構成において、滅菌処理後の生物学的インジケータの培養による陽性・陰性の判定が、前記生物学的インジケータを培養に適した温度で所定時間培養する手段と、前記生物学的インジケータの栄養培地の色を検出する色検出手段と、陽性又は陰性の判定基準となる色データが記憶された色データ記憶手段と、前記色検出手段の検出データと前記色データ記憶手段の色データを比較判定する判定手段とを備える培養自動判定装置により行われるものである。
【0019】
請求項11の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項7に記載の構成において、主制御部による制御プログラムが、第一又は第二の運転テストによる良否判定が“良”及び/又は滅菌効力テスト後の陽性・陰性判定が“陰性”であった場合にのみ、被滅菌物を滅菌処理する通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムを含むものである。
【0020】
請求項12の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項7に記載の構成において、主制御部が、滅菌効力テストを少なくとも週1回以上実行するように選択する選択手段を備えるものである。
【0021】
請求項13の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項8に記載の構成において、変色自動識別装置のプログラム記憶手段に、化学的インジケータに、良否判定結果、試験年月日、試験機名、運転工程を印字するプログラムが記憶されたものである。
【0022】
請求項14の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項7に記載の構成において、変色自動識別装置のプログラム記憶手段に、パーソナルコンピュータ又は記録媒体に、良否判定結果、試験年月日、試験機名、運転工程を含むデータを転送するプログラムが記憶されたものである。
【0023】
請求項15の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項8に記載の構成において、変色自動識別装置の判定手段が、複数の蒸気滅菌装置における主制御部に接続されたものである。
【0024】
請求項16の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項10に記載の構成において、主制御部による制御プログラムが、滅菌効力テストによる陽性・陰性判定データを取り込んで主制御部のデータ記憶手段に記憶させるプログラムと、最新の良否判定データが前記主制御部のデータ記憶手段に記憶された場合は前の判定データを培養自動判定装置のデータ記憶手段及び前記主制御部のデータ記憶手段に記憶させるプログラムを含むものである。
【0025】
請求項17の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項10に記載の構成において、培養自動判定装置の判定手段が、複数の蒸気滅菌装置における主制御部に接続されたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蒸気滅菌装置の好適な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。まず図1は、この実施の形態を示す概略構成説明図である。すなわち、この図1に示される蒸気滅菌装置本体SLは、滅菌槽1と、この滅菌槽1の外周に設けられたジャケット2と、滅菌槽1又はジャケット2に加熱水蒸気を供給する給蒸部3と、滅菌槽1内を真空引きする排気・排蒸部4と、滅菌槽1内への給気を行う給気部5と、前記給蒸部3、排気・排蒸部4及び給気部5等の各部の動作を制御する主制御部6とを備える。また、この蒸気滅菌装置本体SLには、変色自動識別装置7及び培養自動判定装置8が組み込まれており、それぞれ主制御部6に接続されている。
【0027】
滅菌槽1は、ステンレス鋼等からなる角型の圧力容器であって、水平方向の両端の搬入・搬出口が、水平スライドドア11,12で開閉されるものである。ジャケット2もステンレス鋼等からなるものであって、滅菌槽1における両端(搬入・搬出口)の近傍を除く外周全体を包囲するように設けられている。
【0028】
滅菌槽1の搬入・搬出口を開閉するスライドドア11,12は、閉塞状態において、それぞれ滅菌槽1の搬入・搬出口の縁に沿って配置されたパッキン13,14と密接されるようになっている。また、このパッキン13,14は、エアコンプレッサ15から延びる給気管P1から分岐した給気管P2,P3から弁装置V1,V2を介して供給される圧縮空気で押し出されることによって、スライドドア11,12の内側面外周部に強制的に密接されるようになっており、確実なシールが図られている。
【0029】
給蒸部3は、例えば既設又は専用のボイラからなる給蒸源31を備え、この給蒸源31から延びる給蒸管P4は、下流側の端部が滅菌槽1内に開口しており、この給蒸管P4から分岐して延びる給蒸管P5は、その下流側の端部がジャケット2内に開口している。給蒸管P4には、絞り弁V3及び給蒸弁V4が設けられ、また給蒸管P5には、給蒸弁V5及び安全弁V6が設けられている。給蒸源31から滅菌槽1内に供給される高温・高圧の蒸気は、滅菌槽1内に収納した被滅菌物の滅菌を行うものであり、ジャケット2内に供給された蒸気は、滅菌槽1を、その外周から加熱するものである。
【0030】
滅菌槽1からは排気・排蒸管P6が延びており、ジャケット2からは排蒸管P7が延びており、排気・排蒸管P6の下流側の端部と、排蒸管P7との間には、排気管P8、第一排蒸管P9及びドレン管P10が並列に接続されている。排気・排蒸部4は、排気管P8及びこれに設けられた真空弁V7及び真空ポンプ41からなる排気部4Aと、第一排蒸管P9及びこれに設けられた排蒸弁V8からなる排蒸部4Bと、ドレン管P10及びこれに設けられたドレン弁V9及びドレントラップ42からなるドレン排出部4Cと、排蒸管P7及びこれに設けられた蒸気トラップ43からなる第二排蒸部4Dとを備える。また、真空ポンプ41は、市水等の給水源44からの水が、給水管P11、給水弁V10及び絞り弁V11を介して供給されるようになっている。
【0031】
排気・排蒸部4において、排気部4Aは、真空弁V7の開放及び真空ポンプ41の駆動によって、滅菌槽1内の空気あるいは蒸気を強制排出するものであり、排蒸部4Bは、滅菌槽1内で被滅菌物の滅菌に供された蒸気を排出するものであり、ドレン排出部4Cは、滅菌槽1内で凝縮した凝縮水を排出するものであり、第二排蒸部4Dは、ジャケット2内で滅菌槽1の加熱に供されて厚恩した降温した蒸気及びこの蒸気の凝結水を排出するものである。
【0032】
滅菌槽1内に外部から空気を導入する給気部5は、滅菌槽1から外部へ延びる給気管P12と、この給気管P12に設けられたエアフィルタ51及び置換弁V12とを備える。
【0033】
主制御部6は、滅菌工程等の制御に必要な制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する中央演算処理部61と、前記制御プログラムが格納されたプログラム記憶部62と、中央演算処理部61による演算結果や各種入力データ等を記憶するデータ記憶部63と、中央演算処理部61による演算結果や各種入力データ、あるいは操作指示メッセージや処理メニュー等を表示する表示部64と、電源スイッチ、入力キー、あるいはタッチパネル等からなる操作部65とを備えている。中央演算処理部61は、請求項1における中央演算処理手段に相当し、プログラム記憶部62は、請求項1におけるプログラム記憶手段に相当するものである。そして、作業者は、制御プログラムの実行に基づいて表示部64に表示される操作指示メッセージや処理メニューを見ながら、操作部65の操作によって、各種の操作をしたり処理メニューを選択することができるようになっている。
【0034】
滅菌槽1内の圧力は、圧力計PG1によって計測されると共に、滅菌槽1内の温度は、温度センサTSによって計測され、圧力計PG1への導圧管P13には、圧力伝送器PTDが設けられている。また、ジャケット2内の圧力は、圧力計PG2によって計測されるようになっており、この圧力計PG2への導圧管P14には、ジャケット2内の圧力が正常であるかを検出する給蒸圧力スイッチPSW1が設けられている。同様に、給蒸部3における給蒸弦31からの給蒸圧力は圧力計PG3によって計測されるようになっており、この圧力計PG2への導圧管P15には、給蒸圧力が正常であるかを検出する給蒸圧力スイッチPSW2が設けられている。更に、エアコンプレッサ等の空圧源15から延びる給気管P1には、パッキン13,14への圧縮空気の圧力が正常であるかを検出する空気圧力スイッチPSW3が設けられており、同様に、給水源44から延びる給水管P11には、真空ポンプ41へ供給する水の有無を検出する給水圧力スイッチPSW4が設けられている。
【0035】
弁装置V1,V2、給蒸弁V4,V5、真空ポンプ41、真空弁V7、排蒸弁V8、ドレン弁V9、給水弁V10、絞り弁V11、置換弁V12、温度センサTS、圧力伝送器PTD、給蒸圧力スイッチPSW1、給蒸圧力スイッチPSW2、空気圧力スイッチPSW3、給水圧力スイッチPSW4等は、主制御部6の中央演算処理部61に接続されている。そして、温度センサTSによる滅菌槽1内の温度計測データや、圧力検出器PTDを介して伝送される滅菌槽1内の圧力計測データや、給蒸圧力スイッチPSW1、空気圧力スイッチPSW2、給蒸圧力スイッチPSW3及び給水圧力スイッチPSW4からの検出データのうち、いずれか1つでも正常範囲にない場合には、エラー信号が主制御部6へ出力され、滅菌処理工程等が開始されないようになっている。また、温度センサTSによる滅菌槽1内の温度計測データ等は、記録部16において、時系列的に、連続して記録されるようになっている。
【0036】
ところで、被滅菌物に対する蒸気滅菌処理工程を開始する前に、滅菌槽1から空気を充分に排除することができるか、あるいは滅菌槽1からの蒸気の漏れがないか等を確認するため、ボーウィ・ディック(Bowie−Dick)テストと呼ばれる空気排除機能テストが行われる。図2は、この空気排除機能テストに用いられるテストパックの概略構造を示す説明図で、すなわち、テストパック100は、テストシート101を、一定の厚さに折り畳んだ吸湿性の良い外科医療用タオル102等に挟み、布103等で包装したものである。テストシート101は、請求項1に記載された化学的インジケータに相当するものであって、熱によって変色する物質が塗布されている。
【0037】
空気排除機能テストは、テストパック100を図1に示される滅菌槽1に収納し、この滅菌槽1内の空気を排除してから高温・高圧の蒸気を供給するといった工程を所要回数繰り返してコンディショニングを行った後で、所定温度(134℃)の蒸気を加圧供給して、その高温・高圧の蒸気雰囲気中で所定時間(3.5分)処理し、滅菌槽1から取り出したテストパック100におけるテストシート101の変色状況から、滅菌槽1内の残留空気の有無による滅菌用蒸気の品質の良否を判定するものである。そして、滅菌槽1内の空気が所要の基準まで確実に排除されている場合は、テストパック100への高温蒸気の浸透が速やかに行われるので、テストパック100内のテストシート101は、ほぼ一様に変色する。これに対し、滅菌槽1内の残留空気によって、テストパック100内にエアポケットが存在し、あるいは蒸気の品質不良があるような場合は、テストパック100への高温蒸気の浸透が十分に行われないので、テストシート101の中央部分が周囲の色相と相違するものとなる。
【0038】
蒸気滅菌装置本体SLに組み込まれた変色自動識別装置7は、上述のテストシート101の変色状況による良否判定を、作業者の色覚等による主観に依存することなく判定する装置であり、図3は、その概略構成を示すブロック図である。
【0039】
すなわち、変色自動識別装置7は、図3に示されるように、テストシートの変色状況を撮影して画像信号に変換する撮像部71と、この装置7の動作プログラムやテストシートの良否判定基準の変色パターンデータが記憶されたプログラム記憶部72と、撮像部71からのテストシート変色データと前記プログラム記憶部72から読み出された良否判定基準の変色パターンデータとの比較により良否を判定する演算処理部73と、この演算処理部73による判定結果を表示する判定結果表示部74と、判定データを記憶する判定結果記憶部75と、テストシートに良否判定結果、試験年月日、試験機名(機種、固有の番号など)、運転工程を印字する判定結果印刷部76とを備える。撮像部71は、請求項7における変色データを取り込む手段に相当し、プログラム記憶部72は、請求項7における記憶手段に相当し、演算処理部73は、請求項7における判定手段に相当する。
【0040】
なお、判定結果表示部74は、判定結果が“良”であった場合にONになる滅菌処理可スイッチと、判定結果が“否”であった場合にONになる滅菌処理不可スイッチを有し、演算処理部73は、図1における主制御部6の中央演算処理部61にも接続されている。
【0041】
ところで、空気排除機能テストは、上述のように、蒸気による滅菌効力の阻害となる残留空気の有無や滅菌蒸気の品質を確認するために行われるのであって、滅菌効力自体を判定するものではない。蒸気による滅菌効力自体を判定するテストとしては、生物学的インジケータを用いた滅菌効力テストがある。
【0042】
図4は、この滅菌効力テストに用いられる生物学的インジケータ(バイオロジカルインジケータ)200の概略構造を示す説明図で、一端が、通気孔を有する蓋201aによって開放可能で耐熱性に優れ可撓性のある外装容器201に、一定数の微生物を固定した濾紙202と、栄養培地203を充填した密閉状のガラス容器204とを内蔵したものである。なお、生物学的インジケータには、濾紙202に一定量の酵素を固定したものもあるが、ここでは微生物を固定したものについて説明する。
【0043】
滅菌効力テストは、生物学的インジケータ200を、図1に示される滅菌槽1内の所定箇所に収納して通常の滅菌処理工程を実行した後、外装容器201の外側からガラス容器204を破壊して濾紙202の微生物を栄養培地203と接触させ、一定温度で一定時間培養を行い、生存している微生物の有無(陽性又は陰性)を、栄養培地203の変色の有無あるいは度合いを確認することによって、生物学的に滅菌効力を判定するものである。
【0044】
蒸気滅菌装置本体SLに組み込まれた培養自動判定装置8は、上述した生物学的インジケータ200を用いた滅菌効力テストの結果を自動判定するもので、図5は、その概略構成を示すブロック図である。すなわち、この培養自動判定装置8は、複数の生物学的インジケータ200を保持可能な保持部81と、この保持部81に設けられたクラッシャ81a及び培養温度維持部81bと、培養時間(例えば3時間)を設定するタイマ82と、栄養培地203の色を検出する色検出部83と、この装置8の動作プログラムや陽性又は陰性の判定基準となる色データが記憶されたプログラム記憶部84と、演算処理部85と、判定結果出力部86と、判定結果記憶部87とを備える。また、演算処理部85は、図1における主制御部6の中央演算処理部61にも接続されている。
【0045】
クラッシャ81aは、生物学的インジケータ200の外装容器201を加圧変形させてその内部のガラス容器204を破壊するものであり、培養温度維持部81bは、インジケータ内部の栄養培地203での微生物の培養に適した温度(例えば40℃)に保つもので、請求項9に記載された培養する手段に相当するものである。色検出部83は、請求項9に記載された色検出手段に相当し、プログラム記憶部84は、請求項9に記載された色データ記憶手段に相当する。また、演算処理部85は、クラッシャ81a、培養温度維持部81b及びタイマ82等の動作を制御し、かつ色検出部83からの色検出データと、プログラム記憶部84における判定基準色データとの比較により陽性又は陰性を判定するもので、請求項9に記載された判定手段に相当するものである。また、判定結果出力部86は、演算処理部85による判定結果、陰性であった場合にONになる陰性スイッチと、陽性であった場合にONとなる陽性スイッチを有するものであり、判定結果記憶部87は、演算処理部85による判定結果を記憶するものである。
【0046】
プログラム記憶部62に格納された制御プログラムは、通常の滅菌工程を実行するための滅菌工程プログラムと、滅菌工程の開始前に、テストシート101を用いた第一の空気排除機能テストを実行するプログラムと、この第一の空気排除機能テストによる判定結果が“否”であった場合にテストシート101を用いた第二の空気排除機能テストを実行するプログラムと、被滅菌物に対する滅菌処理と共に生物学的インジケータ200を滅菌処理することによる滅菌効力テストを滅菌始業時に実行するプログラムと、第一及び第二の空気排除機能テストによる良否判定データを取り込んでデータ記憶部63に記憶させるプログラムと、滅菌効力テストによる陰性・陽性判定データを取り込んでデータ記憶部63に記憶させるプログラムと、最新の陰性・陽性判定データがデータ記憶部63に記憶された場合は前の陰性・陽性判定データを培養自動判定装置8の判定結果記憶部87及び前記データ記憶部63に記憶させるプログラムと、カレンダー機能プログラムと、空気排除機能テスト後のテストシート101の良否判定が“良”であり、及び/又は生物学的インジケータ200によるテスト後の陰性・陽性判定が“陰性”であった場合に、被滅菌物を処理する通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムを含んでいる。なお、第一の空気排除機能テストは、請求項1における第一の運転テストに相当するものであり、第二の運転テストは、請求項1における第二の運転テストに相当するものである。
【0047】
第一及び第二の空気排除機能テストにおいては、先に説明したように、まず、滅菌槽1内の空気を排除してから高温・高圧の蒸気を供給するといった工程を所要回数繰り返すことにより、コンディショニングを行うが、第二の空気排除機能テストを実行するプログラムは、コンディショニングの際の真空引きによる真空値及び給蒸時の蒸気圧力が、第一の空気排除機能テストを実行するプログラムにおける設定値よりも厳しい値に設定されている。具体的には、第一の空気排除機能テストでは、例えば真空値が−0.080 MPa、真空引きの時間が1分、給蒸圧力が0.06 MPaに設定されているのに対し、第二の空気排除機能テストでは、真空値が−0.085 MPa 、真空引きの時間が3分、給蒸圧力が0.20 MPaに設定されている。なお、プログラムの内容は、滅菌槽1の容積によっても異なるものとなっている。
【0048】
また、操作部65は、第一の空気排除機能テストにおける良否判定結果が“否”であった場合に、空気排除機能テストの再実行を選択可能とする選択手段と、前記良否判定が“良”であった場合に、日付が変わるまでは再度の空気排除機能テスト工程をキャンセル可能とする選択手段と、滅菌制御プログラムを少なくとも週1回以上実行するように選択する選択手段を備え、その選択は、作業者が、表示部64に表示された処理メニューを見ながら、操作部65の操作によって行うことができるようになっている。
【0049】
次に、図6〜図12に示される処理ステップのフローチャートを参照しながら、本形態による動作を説明する。なお、図示のフローチャートにおいて、各判断記号に付記された「Y」はYES、「N」はNOを意味し、また、「SW」はスイッチを意味するものである。
【0050】
まず図6は、暖機運転工程の処理ステップを示すフローチャートである。すなわち、暖機運転工程においては、図1に示される主制御部6の操作部65における電源スイッチをONにすることによって、主制御部6の表示部64に、暖機運転の実行を選択する画面が表示され(ステップS001)、暖機運転実行の指示待ちとなる(ステップS002)。暖機運転の実行が、選択可能となっているのは、滅菌槽1及びジャケット2内が十分に保温されている場合は、暖機運転を実行する必要はない(ステップS002=NO)。
【0051】
次に、暖機運転の実行が選択されると(ステップS002=YES)、主制御部6の表示部64に、“扉を閉塞してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS003)、作業者は、これに従って図1に示される扉11,12の閉塞操作を行う。そして、扉11,12が密閉されたことが、図示されていないリミットスイッチ等によって検出されると(ステップS004=YES)、前記表示部64に、“始動スイッチをONにしてください”とのメッセージが表示され(ステップS005)、待機状態となる(ステップS006)。
【0052】
作業者が、主制御部6における操作部65の始動スイッチをONにすると(ステップS006=YES)、暖機運転が開始される(ステップS007)。暖機運転は、主制御部6のプログラム記憶部62に記憶された暖機運転の制御プログラムに従って行われる。
【0053】
すなわち図1において、まず給蒸弁V5を開放することによって、給蒸部における給蒸源31からの高温蒸気を、給蒸管P5を通じてジャケット2内に供給する一方、ジャケット2内での熱交換によって降温した蒸気及びその凝結水を、排蒸管P7及びこれに設けられた蒸気トラップ43からなる第二排蒸部4Dを通じて排出する。また、排気部4Aにおける真空弁V7を開放すると共に真空ポンプ41を駆動させることによって、滅菌槽1内の空気を排出し、次に、真空弁V7を閉塞すると共に真空ポンプ41を停止させ、給蒸弁V4を開放することによって、給蒸部3からの高温蒸気を、給蒸管P5を通じて滅菌槽1内に所定の圧力まで供給するといった工程を、所要回数繰り返す。
【0054】
上述のような工程による暖機運転が終了すると(ステップS008)、主制御部6の中央演算処理部61は、当日、すでに空気排除機能テストが実行されていたかを検索し、まだ実行されていない場合、すなわち上述の暖機運転が、1日のうちの最初の運転であった場合は(ステップS009=YES)、処理は、次に説明する第一の空気排除機能テストプログラムに移行する。また、当日、すでに空気排除機能テストが実行されていた場合は(ステップS009=NO)、プログラム記憶部62に格納されたカレンダー機能プログラムによって、日付が変わるまでは空気排除機能テストがキャンセルされ、後述する滅菌工程を直ちに実行することができる。
【0055】
図7は、第一の空気排除機能テストのプログラムによる処理ステップを示すフローチャートである。このプログラムにおいては、上述の暖機運転が終了すると、まず主制御部6の表示部64に、“扉を開放してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS101)、作業者は、これに従って図1に示される扉11又は12の開放操作を行う。そして、扉11又は12が開放されたことが、図示されていないリミットスイッチがONになること等によって検出されると(ステップS102=YES)、前記表示部64に、“空気排除機能テストパックを収納してください”とのメッセージが表示され(ステップS103)、テストパック収納待ち状態となる(ステップS104)。
【0056】
ここで、図2に示される空気排除機能テスト用テストパック100を、滅菌槽1内の、予め定められた箇所に設置するが、その設置は、滅菌槽1内における最も滅菌条件の悪い場所とするのが良い。最も滅菌条件の悪い場所とは、通常、排気・排蒸管P6の開口部に相当するが、滅菌槽1の下段で扉11又は扉12の近傍に設置しても良い。
【0057】
滅菌槽1内へテストパック100を収納し、それを確認したら、例えば図示されていない確認ボタンを押すことによって(ステップS104=YES)、主制御部6の表示部64に、“扉を閉塞してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS105)、作業者は、これに従って図1に示される扉11,12の閉塞操作を行う。そして、扉11,12が密閉されたことが、図示されていないリミットスイッチ等によって検出されると(ステップS106=YES)、第一の空気排除機能テスト工程が開始される。
【0058】
第一の空気排除機能テスト工程においては、まず、排気部4Aにおける真空弁V7を開放すると共に真空ポンプ41を駆動させることによって、滅菌槽1内の空気を、真空値が−0.080MPa、真空引き時間1分で強制排出し、次に、真空弁V7を閉塞すると共に真空ポンプ41を停止させ、給蒸弁V4を開放することによって、給蒸源31から135℃の飽和蒸気を、給蒸管P5を通じて滅菌槽1内に供給する。滅菌槽1内の圧力計測データは、圧力伝送器PTDによって主制御部6の中央演算処理部61に送出されており、滅菌槽1内の蒸気圧力が所定の高圧値(例えば+0.06MPa)に達すると、前記中央演算処理部61によって給蒸弁V4が閉塞されると共に、排蒸部4Bにおける排蒸弁V8が開放されることによって、滅菌槽1内の圧力が例えば+0.015MPaに降下するまで、滅菌槽1内の蒸気が、排蒸部4Bを通じて排出される。そして、このような給蒸と排蒸が所定回数繰り返されることによって、滅菌槽1内のコンディショニングが行われる。
【0059】
次に、上述のコンディショニングの後、排蒸弁V8を閉塞し、給蒸弁V4を開放することによって、滅菌槽1内に所定の圧力(例えばコンディショニング時と同じく+0.06MPa)まで高温蒸気を供給する。空気排除機能テストでは、テストパック100を135℃の飽和蒸気に3.5分間曝すことが決められており、したがって、主制御部6は、温度センサTSからの温度計測データが、このような値に維持されるように、給蒸弁V4の開閉による蒸気の供給が適切に制御される。また、滅菌槽1内で蒸気の一部が凝縮することにより発生した凝縮水(ドレン)は、ドレン排出部4Cにおけるドレン弁V9の開閉によって、ドレン管P10及びドレントラップ42を通じて適宜排出される。
【0060】
上述の設定時間が経過すると、給蒸弁V4が閉塞されることにより滅菌槽1への給蒸が停止された後、給蒸弁V4が閉塞されると共に、排蒸部4Bにおける排蒸弁V8が開放されることによって、滅菌槽1内の圧力が例えば+0.015MPaに降下するまで、滅菌槽1内の蒸気が排出される。次に、排気部4Aにおける真空弁V7を開放すると共に真空ポンプ41を駆動させることによって、滅菌槽1内が所定の負圧(例えば−0.080MPa)となるまで、滅菌槽1内を例えば3分間真空引きすることによって、滅菌槽1内の水滴を気化させると共に強制排蒸する。更に、給気部5における置換弁V12が開放されることによって、エアフィルタ51及び給気管P12を通じて、滅菌槽1内が大気圧となるまで清浄な空気が滅菌槽1へ吸入され、第一の空気排除機能テスト工程が終了する(ステップS108)。
【0061】
第一の空気排除機能テスト工程が終了すると、主制御部6の表示部64に、“扉を開放してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS109)、作業者は、これに従って扉11又は12の開放操作を行う。そして、扉11又は12が開放されたことが、図示されていないリミットスイッチがONになること等によって検出されると(ステップS110=YES)、前記表示部64に、“テストパックを取り出してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS111)、作業者は、これに従って、滅菌槽1内からテストパック100を取り出す。そして、例えば図示されていない取出し確認ボタンを押すことによって、前記表示部64に、“テストパックのインジケータを変色自動識別装置にセットしてください”とのメッセージが表示されるので(ステップS112)、作業者はテストパック100の包装を開いて、テストシート101を取り出し、これを変色自動識別装置7の所定箇所にセットする。
【0062】
変色自動識別装置7は、これを起動させることによって、まず、セットされたテストシート101の表面の変色パターンを撮像部71で撮像し、画像データに変換する。次に、演算処理部73が、この変色パターンデータを取り込むと共に、プログラム記憶部72から読み出された良否判定基準の変色パターンデータと照合することにより、良否判定を行う(ステップS113)。
【0063】
このとき、テストシート101の変色パターンが、中央部分とその周囲との色相の相違が良否判定基準以下、すなわちほぼ一様の色相をなす場合は、滅菌槽1内の空気が十分に排除されたことによって、テストパック100への高温蒸気の浸透が十分に行われたことを示しているので、“良”と判定され(ステップS113=YES)、判定結果表示部74における「滅菌処理可」スイッチがONとなり(ステップS114)、主制御部6の表示部64に、“異常なし”とのメッセージが出力されると共に、判定データがデータ記憶部63に書き込まれ、判定結果印刷部76によってテストシート101に、良否判定結果、試験年月日、試験機名、運転工程等のデータがプリントされる(ステップS115)。また、これらのデータは、請求項14における記録媒体に相当する記録部16あるいは図示されていない特定のパソコン等に転送され、記録することもできる。
【0064】
ここで、主制御部6の中央演算処理部61は、プログラム記憶部62に格納されたカレンダー機能プログラムによって、当日が、始業の際に滅菌効力テストを実行すべきと設定された日(曜日)であるかを検索し、実行日であった場合は(ステップS116=YES)、主制御部6の表示部64に、“滅菌工程と共に滅菌効力テストを実行します”とのメッセージが表示され(ステップS117)、処理は後述する滅菌効力テスト工程へ移行する。また、当日が、滅菌効力テストの実行日以外の曜日であれば(S116=NO)、処理ステップは、後述する通常の滅菌工程へ移行する。
【0065】
一方、変色自動識別装置7による良否判定結果、テストシート101の変色パターンが、中央部分とその周囲との色相の相違が良否判定基準より大きい場合は、滅菌槽1内の残留空気によって、テストパック100への高温蒸気の浸透が十分に行われなかったことを意味しているので、“否”と判定され(ステップS113=NO)、判定結果表示部74における「滅菌処理可」スイッチがOFFとなり(ステップS118)、主制御部6の表示部64に、“異常あり”とのメッセージが出力されると共に、判定データがデータ記憶部63に書き込まれ、テストシート101に、良否判定結果、試験年月日、試験機名、運転工程がプリントされる(ステップS119)。そして、主制御部6の表示部64に、“第二の空気排除機能テストを実行しますか”とのメッセージが表示されるので(ステップS120)、実行を選択した場合は(ステップS120=YES)、以下に説明する第二の空気排除機能テストへ移行する。
【0066】
また、第一の空気排除機能テスト結果が“否”となるのは、排気・排蒸部4における真空ポンプ41の性能劣化や、滅菌槽1内の蒸気圧が低いといった原因によることが殆どであるが、それ以外の原因であることがわかっているような場合は、第二の空気排除機能テストを実行しないこともでき、この場合は(ステップS120=NO)、処理が終了する。
【0067】
図8は、第二の空気排除機能テストのプログラムによる処理ステップを示すフローチャートである。第二の空気排除機能テストも、基本的には第一の空気排除機能テストと同様の処理ステップで行われるもので、すなわち、まず主制御部6の表示部64に、“扉を開放してください”とのメッセージが表示され(ステップS201)、作業者は、これに従って図1に示される扉11又は12の開放操作を行う。そして、扉11又は12が開放されたことが、図示されていないリミットスイッチがONになること等によって検出されると(ステップS202=YES)、前記表示部64に、“空気排除機能テストパックを収納してください”とのメッセージが表示され(ステップS203)、テストパック収納待ち状態となる(ステップS204)。
【0068】
滅菌槽1内へテストパック100を収納し、それを確認したら、例えば図示されていない確認ボタンを押すと(ステップS204=YES)、主制御部6の表示部64に、“扉を閉塞してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS205)、作業者は、これに従って図1に示される扉11,12の閉塞操作を行う。そして、扉11,12が密閉されたことが、図示されていないリミットスイッチ等によって検出されると(ステップS206=YES)、第二の空気排除機能テスト工程が開始される。
【0069】
第二の空気排除機能テスト工程においては、まず、排気部4Aにおける真空弁V7を開放すると共に真空ポンプ41を駆動させることによって、滅菌槽1内を真空引きして強制排気する。このときの真空値及び真空引き時間は、先に説明したように、第一の空気排除機能テストにおける設定値よりも厳しく、例えば真空値は−0.085MPa、真空引き時間は3分に設定されている。次に、真空弁V7を閉塞すると共に真空ポンプ41を停止させ、給蒸弁V4を開放することによって、給蒸源31から135℃の飽和蒸気を、給蒸管P5を通じて滅菌槽1内に供給する。このときの給蒸圧力も、第一の空気排除機能テスト工程よりも厳しく(例えば+0.20MPa)、滅菌槽1内の圧力がこの設定値に達すると、給蒸弁V4が閉塞されると共に、排蒸部4Bにおける排蒸弁V8が開放されることによって、滅菌槽1内の圧力が例えば+0.015MPaに降下するまで、滅菌槽1内の蒸気が、排蒸部4Bを通じて排出される。そして、このような給蒸と排蒸が所定回数繰り返されることによって、コンディショニングが行われる。
【0070】
ここで、真空引き時の真空値及び真空引き時間や、給蒸圧力が、第一の空気排除機能テストにおける設定値工程よりも厳しく設定されているのは、空気排除機能テストによる判定結果が“否”となる原因は、殆どの場合、排気・排蒸部4における真空ポンプ41の性能劣化によって、真空引き後の滅菌槽1内の残留空気量が増大したからか、又は滅菌槽1内の蒸気圧が低いからである。したがって、この場合は、コンディショニングにおける真空値及び真空引き時間や、給蒸圧力を、第一の空気排除機能テストにおける設定値工程よりもある程度厳しく設定すれば、従来の技術のように、空気排除機能テストの前に、空気、蒸気、給水の各ユーティリティーを確認する工程や、扉の開閉を確認する工程や、給蒸によるジャケットの温度上昇率を確認する工程や、滅菌槽内が所定時間内に真空に到達するか否かを確認する工程等や、その他の種々の確認工程を含む機能テストを行うまでもなく、テストパック100への蒸気の浸透力、言い換えれば否滅菌物の滅菌処理に必要な蒸気の浸透力を補償することができるはずである。
【0071】
また、先に説明した暖機運転や、コンディショニング等において、温度センサTSによる滅菌槽1内の温度計測データや、圧力検出器PTD、給蒸圧力スイッチPSW1、空気圧力スイッチPSW2、給蒸圧力スイッチPSW3あるいは給水圧力スイッチPSW4から、主制御部6の中央演算処理部61にエラー信号が入力された場合は、これに基づいて、表示部64にエラーメッセージが表示される。このため、従来の技術のように、空気排除機能テストの前に、空気、蒸気、給水の各ユーティリティーを確認する工程や、扉の開閉を確認する工程や、給蒸によるジャケットの温度上昇率を確認する工程や、滅菌槽内が所定時間内に真空に到達するか否かを確認する工程等や、その他の種々の確認工程を含む機能テストを行うまでもなく、不具合を特定して、必要な処置を講じることができる。
【0072】
次に、上述したコンディショニングの後、排蒸弁V8を閉塞し、給蒸弁V4を開放することによって、滅菌槽1内に所定の圧力(例えばコンディショニング時と同じ+0.20MPa)まで蒸気を供給し、135℃で3.5分間維持する。
【0073】
第二の空気排除機能テスト工程が終了すると(ステップS208)、主制御部6の表示部64に、“扉を開放してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS209)、作業者は、これに従って扉11又は12の開放操作を行う。そして、扉11又は12が開放されたことが、図示されていないリミットスイッチがONになること等によって検出されると(ステップS210=YES)、前記表示部64に、“テストパックを取り出してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS211)、作業者は、これに従って、滅菌槽1内からテストパック100を取り出し、図示されていない取出し確認ボタンを押す。次いで前記表示部64に、“テストパックのインジケータを変色自動識別装置にセットしてください”とのメッセージが表示されるので(ステップS212)、作業者はテストパック100の包装を開いて、テストシート101を取り出し、これを変色自動識別装置7の所定箇所にセットする。
【0074】
変色自動識別装置7による良否判定も、先の説明と同様に行われる。そして判定結果が“良”であった場合は(ステップS213=YES)、判定結果表示部74における「滅菌処理可」スイッチがONになり(ステップS214)、主制御部6の表示部64に、“異常なし”とのメッセージが出力されると共に、判定データをデータ記憶部63に書き込まれ、判定結果印刷部76によってテストシート101に、良否判定結果、試験年月日、試験機名、運転工程がプリントされる(ステップS215)。
【0075】
ここで、主制御部6の中央演算処理部61は、プログラム記憶部62に格納されたカレンダー機能プログラムによって、当日が、始業の際に滅菌効力テストを実行すべきと設定された日(曜日)であるかを検索し、実行日であった場合は(ステップS216=YES)、主制御部6の表示部64に、“滅菌工程と共に滅菌効力テストを実行します”とのメッセージが表示され(ステップS217)、処理は後述する滅菌効力テスト工程へ移行する。また、当日が、滅菌効力テストの実行日以外の曜日であれば(S216=NO)、処理ステップは、後述する通常の滅菌工程へ移行する。
【0076】
また、第二の空気排除機能テストでの判定結果も“否”であった場合は(ステップS213=NO)、コンディショニングにおける真空値及び真空引き時間や、給蒸圧力を、第一の空気排除機能テストにおける設定値工程よりもある程度厳しく設定しても、否滅菌物の滅菌処理に必要な蒸気の浸透力を補償できなかったことを意味する。したがってこの場合は、判定結果表示部74における「滅菌処理可」スイッチがOFFになり(ステップS218)、主制御部6の表示部64に、“異常あり”とのメッセージが出力されると共に、判定データがデータ記憶部63に書き込まれ(ステップS219)、更に、前記表示部64に、“メンテナンスを実行してください”との指示及びメンテナンスの依頼先等が表示される(ステップS220)。
【0077】
図9は、第一の空気排除機能テスト又は第二の空気排除機能テストによる判定結果が“良”であった場合にのみ通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムによる滅菌工程の処理ステップを示すフローチャートである。すなわち、通常の滅菌工程においては、まず主制御部6の表示部64に、“扉を開放してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS301)、作業者は、これに従って図1に示される扉11又は12の開放操作を行う。そして、扉11又は12が開放されたことが、図示されていないリミットスイッチがONになること等によって検出されると(ステップS302=YES)、前記表示部64に、“被滅菌物を収納してください”とのメッセージが表示され(ステップS303)、被滅菌物の収納待ち状態となる(ステップS304)。
【0078】
そこで作業者は、滅菌槽1内に、カートに載せた医療用具や衣類等の被滅菌物をカートごと収納し、それを確認して、例えば図示されていない確認ボタンを押すと(ステップS304=YES)、主制御部6の表示部64に、“扉を閉塞してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS305)、作業者は、これに従って図1に示される扉11,12の閉塞操作を行う。そして、扉11,12が密閉されたことが、図示されていないリミットスイッチ等によって検出されると(ステップS306=YES)、主制御部6の中央演算処理部61は、データ記憶部63に記憶された第一の空気排除機能テストによる判定結果又は第二の空気排除機能テストによる判定結果のデータを読み出し、そのデータが“良”であった場合には(ステップS307=YES)、被滅菌物に対する滅菌工程が開始される(ステップS308)。
【0079】
滅菌工程においては、まず、図1に示される排気部4Aによって滅菌槽1内を真空引きし、真空弁V7を閉塞すると共に真空ポンプ41を停止させ、給蒸部3からの高温蒸気を滅菌槽1内に供給する。次に、滅菌槽1内の蒸気圧力が一定の高圧値に達すると、給蒸弁V4が閉塞されると共に、排蒸部4Bにおける排蒸弁V8が開放されることによって、滅菌槽1内の蒸気が排出される。そしてこのような給蒸と排蒸を所定回数繰り返すことにより、滅菌槽1内のコンディショニングが行われる。
【0080】
このとき、図10のフローチャートでは省略されているが、図7に示される第一の空気排除機能テストの判定結果が“良”(ステップS113=YES)であったことによって、滅菌工程を実行可能となった場合は、ステップS308の滅菌工程におけるコンディショニング時の真空値、真空引き時間及び給蒸圧力は、第一の空気排除機能テストと同様の設定値が選択される。また、図7に示される第一の空気排除機能テストの判定結果が“否”(ステップS113=NO)で、図8に示される第二の空気排除機能テストの判定結果が“良”(ステップS213=YES)となることによって、滅菌工程が実行可能となった場合は、前記真空値、真空引き時間及び給蒸圧力は、第二の空気排除機能テストと同様の設定値が選択される。
【0081】
上述のような給蒸と排蒸を所定回数繰り返すことによるコンディショニングの後は、排蒸弁V8を閉塞し、給蒸弁V4を開放することによって、滅菌槽1内に所定の圧力まで高温蒸気を供給して、その圧力及び温度を一定に維持する。滅菌槽1内の被滅菌物は、このような高温の蒸気雰囲気中に曝されることによって、滅菌処理される。また、その過程で滅菌槽1内で蒸気の一部が凝縮することにより発生したドレンは、ドレン排出部4Cにおけるドレン弁V9の開閉によって、ドレン管P10及びドレントラップ42を通じて適宜排出される。
【0082】
滅菌工程が終了すると(ステップS309)、主制御部6の表示部64に、“扉を開放してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS310)、作業者は、これに従って扉11又は12の開放操作を行う。そして、扉11又は12が開放されたことが、図示されていないリミットスイッチがONになること等によって検出されると(ステップS311=YES)、前記表示部64に、“被滅菌物を取り出してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS312)、作業者は、これに従って滅菌槽1内から滅菌済みの被滅菌物をカートごと取り出す。そして、図示されていない取出し確認ボタンを押すと(ステップS313=YES)、前記表示部64に、“扉を閉塞してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS314)、作業者は、これに従って図1に示される扉11,12の閉塞操作を行い、扉11,12が密閉されたことが、図示されていないリミットスイッチ等で検出されることによって(ステップS315=YES)、処理が終了する。
【0083】
一方、ステップS307において、読み出された判定データが“否”であった場合には(ステップS307=NO)、主制御部6の表示部64に、“滅菌できません”とのメッセージが表示され(ステップS316)、処理はステップS310へ移行するので、作業者は、滅菌槽1内から被滅菌物をカートごと取り出し、扉11,12を閉塞して(ステップS310〜S315)、処理を終了する。すなわち、第一の空気排除機能テスト又は第二の空気排除機能テストによる判定結果が“良”でなければ、滅菌工程を実行することができないので、滅菌処理の信頼性を確保することができる。
【0084】
ここで、説明を前に戻すと、図7における第一の空気排除機能テストによる判定結果、又は又は図8に示される第二の空気排除機能テストによる判定結果が“良”であり(S113orS213=YES)、当日が、始業の際に滅菌効力テストを実行すべきと設定された日、すなわち例えば1週間のうち最初の営業日であることが、カレンダー機能プログラムによって確認された場合は(S116orS216=YES)、主制御部6の表示部64に、“滅菌工程と共に滅菌効力テストを実行します”とのメッセージが表示され(ステップS117orS217)、処理は被滅菌物の滅菌処理工程と並行して滅菌効力テストを実行するプログラムへ移行する。
【0085】
図10は、被滅菌物の滅菌工程と並行して滅菌効力テストを行う場合の処理ステップを示すフローチャートである。すなわちこの場合は、まず主制御部6の表示部64に、“扉を開放してください”とのメッセージが表示され(ステップS401)、作業者は、これに従って図1に示される扉11又は12の開放操作を行う。そして、扉11又は12が開放されたことが、図示されていないリミットスイッチがONになること等によって検出されると(ステップS402=YES)、前記表示部64に、“被滅菌物及び生物学的インジケータを収納してください”とのメッセージが表示され(ステップS403)、被滅菌物及び生物学的インジケータ200の収納待ち状態となる(ステップS404)。
【0086】
滅菌槽1内に、カートに載せた医療用具や衣類等の被滅菌物を収納し、かつ生物学的インジケータ200を滅菌槽1内の所定箇所に設置し、それを確認して、例えば図示されていない確認ボタンを押すと(ステップS404=YES)、主制御部6の表示部64に、“扉を閉塞してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS405)、作業者は、これに従って図1に示される扉11,12の閉塞操作を行う。そして、扉11,12が密閉されたことが、図示されていないリミットスイッチ等によって検出されると(ステップS406=YES)、滅菌効力テスト工程が、被滅菌物に対する滅菌工程と共に開始される(ステップS407)。
【0087】
滅菌効力テスト工程においては、通常の滅菌工程と同様に、まず、図1に示される排気部4Aによって滅菌槽1内の空気を真空引きしてから、給蒸部3からの高温蒸気を滅菌槽1内に供給し、その蒸気圧力が一定の高圧値に達したら、排蒸部4Bを通じて滅菌槽1内の蒸気を排出するといった工程を、所定回数繰り返すことによってコンディショニングを行い、その後、滅菌槽1内に所定の圧力まで高温蒸気を供給して、その圧力及び温度を一定に維持する。また、滅菌槽1内で蒸気の一部が凝縮することにより発生したドレンは、ドレン排出部4Cにおけるドレン弁V9の開閉によって、ドレン管P10及びドレントラップ42を通じて適宜排出する。
【0088】
なお、図9のフローチャートでは省略されているが、図7に示される第一の空気排除機能テストの判定結果が“良”となった後に、上述の滅菌効力テストを実行した場合は、ステップS407の滅菌効力テスト工程におけるコンディショニング時の真空値、真空引き時間及び給蒸圧力は、第一の空気排除機能テストと同様の設定値が選択される。また、図8に示される第二の空気排除機能テストの判定結果が“良”となった後に、上述の滅菌効力テストを実行した場合は、前記コンディショニング時の真空値、真空引き時間及び給蒸圧力は、第二の空気排除機能テストと同様の設定値が選択される。
【0089】
設定された滅菌処理時間が経過したら、滅菌槽1への給蒸が停止され、排気部4Aによって滅菌槽1内の蒸気を真空引きする。次に、給気部5における置換弁V12が開放されることによって、エアフィルタ51及び給気管P12を通じて、滅菌槽1内が大気圧となるまで清浄な空気が滅菌槽1へ吸入され、滅菌工程と並行した滅菌効力テスト工程が終了する(ステップS408)。
【0090】
滅菌工程と並行した滅菌効力テスト工程が終了すると、主制御部6の表示部64に、“扉を開放してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS409)、作業者は、これに従って扉11又は12の開放操作を行う。そして、扉11又は12が開放されたことが、図示されていないリミットスイッチがONになること等によって検出されると(ステップS410=YES)、前記表示部64に、“被滅菌物及び生物学的インジケータを取り出してください”とのメッセージが表示されるので(ステップS411)、作業者は、これに従って、滅菌槽1内から被滅菌物及び生物学的インジケータ200を取り出し、図示されていない取出し確認ボタンを押す。次いで前記表示部64に、“生物学的インジケータを培養自動判定装置にセットしてください”とのメッセージが表示されるので(ステップS412)、作業者は、生物学的インジケータ200を培養自動判定装置8の保持部81にセットする。
【0091】
生物学的インジケータ200を培養自動判定装置8の保持部81にセットしたことを確認したら、例えば図示されていない確認ボタンを押すことによって(ステップS413=YES)、まずクラッシャ81aによって、保持部81に保持された生物学的インジケータ200(図4参照)の外装容器201が加圧変形されて、内部のガラス容器204が破壊されることにより、このガラス容器204に充填された栄養培地203が濾紙202と接触すると共に、培養温度維持部81bによって、生物学的インジケータ200が、栄養培地203での微生物の培養に適した温度(例えば40℃)に加温される。
【0092】
タイマ82による設定時間(例えば3時間)が経過すると、培養温度維持部81bによる加温が停止すると共に、色検出部83によって栄養培地203の色が検出される。ステップS407の滅菌処理工程によって、生物学的インジケータ200内の濾紙202に固定された微生物が死滅していれば、培養後も栄養培地203は殆ど変色しないが、微生物が生存していた場合は、培養によってこの微生物が繁殖し、栄養培地203が黄変し、その変色の度合いは、繁殖した微生物の数に応じて変化する。すなわち、演算処理部85は、色検出部83からの色検出データとプログラム記憶部84における判定基準色データとの比較により、陽性又は陰性を判定する(ステップS414)。
【0093】
そして、判定結果、陰性であった場合、言い換えれば滅菌処理工程による滅菌効力が正常であった場合は(ステップS414=YES)、判定結果出力部86における陰性スイッチがONになると共に(ステップS415)、判定結果陰性であった旨が判定結果記憶部87に書き込まれる(ステップS416)。また、判定結果、陽性であった場合、言い換えれば滅菌処理工程による滅菌効力に異常が認められた場合は(ステップS414=NO)、判定結果出力部86における陽性スイッチがONになると共に(ステップS417)、判定結果陽性であった旨が判定結果記憶部87に書き込まれる(ステップS418)。
【0094】
次に、図11は、滅菌効力テストによる判定結果が“陰性”であった場合にのみ通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムによる滅菌工程の処理ステップを示すフローチャートである。この場合は、ステップS501〜S506までは、図9におけるステップS301〜S306と同様であり、すなわち作業者は、主制御部6の表示部64に表示されるメッセージに従って、扉11又は12を開放し、滅菌槽1内に、カートに載せた医療用具や衣類等の被滅菌物をカートごと収納し、扉11又は12を閉塞する。このとき、主制御部6の中央演算処理部61は、データ記憶部63に記憶された最も新しい滅菌効力テスト判定結果のデータを読み出し、そのデータが“陰性”であった場合には(ステップS507=YES)、被滅菌物に対する滅菌工程が開始される(ステップS508)。
【0095】
滅菌工程以後の処理ステップS508〜S515は、先に説明した図9の処理ステップS308〜S315と同様である。すなわち、滅菌工程が終了したら、作業者は、主制御部6の表示部64に表示されるメッセージに従って、扉11又は12を開放し、滅菌槽1内から滅菌済みの被滅菌物をカートごと取り出して、扉11,12を閉塞し、処理を終了する。
【0096】
また、ステップS507において、読み出された判定データが“陽性”であった場合には(ステップS507=NO)、主制御部6の表示部64に、“滅菌できません”とのメッセージが表示され(ステップS516)、処理はステップS510へ移行するので、作業者は、滅菌槽1内から被滅菌物をカートごと取り出し、扉11,12を閉塞することによって処理が終了する(ステップS510〜S515)。
【0097】
更に、図12は、第一の空気排除機能テスト又は第二の空気排除機能テストによる判定結果が“良”で、かつ滅菌効力テストによる判定結果が“陰性”であった場合にのみ通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムによる滅菌工程の処理ステップを示すフローチャートである。この場合も、ステップS601〜S606までは、図9におけるステップS301〜S306と同様であり、すなわち作業者は、主制御部6の表示部64に表示されるメッセージに従って、扉11又は12を開放し、滅菌槽1内に、カートに載せた医療用具や衣類等の被滅菌物をカートごと収納し、扉11又は12を閉塞する。このとき、主制御部6の中央演算処理部61は、データ記憶部63に記憶された滅菌効力テスト判定結果のデータを読み出し、そのデータが“陰性”であった場合には(ステップS607=YES)、更にデータ記憶部63に記憶された第一の空気排除機能テスト又は第二の空気排除機能テストによる判定データを読み出し、そのデータが“良”であった場合には(ステップS608=YES)、被滅菌物に対する滅菌工程が開始される(ステップS609)。
【0098】
滅菌工程の開始後の処理ステップは、図9における処理ステップS309〜315と同様である。すなわち、所定時間の滅菌工程が終了したら、作業者は、主制御部6の表示部64に表示されるメッセージに従って、扉11又は12を開放し、滅菌槽1内から、カートに載せた医療用具や衣類等の被滅菌物をカートごと取り出し、扉11又は12を閉塞することによって処理が終了する(ステップS610〜616)。
【0099】
また、ステップS607において、読み出された判定データが“否”であるか(ステップS607=NO)、もしくは次のステップS608において、読み出された判定データが“陽性”であった場合は(ステップS608=NO)、主制御部6の表示部64に、“滅菌できません”とのメッセージが表示され(ステップS617)、処理はステップS611へ移行するので、作業者は、滅菌槽1内から被滅菌物をカートごと取り出し、扉11,12を閉塞することによって処理が終了する(ステップS611〜S616)。
【0100】
上述の形態は、変色自動識別装置7及び培養自動判定装置8が蒸気滅菌装置本体SLに組み込まれた構成となっているが、これら変色自動識別装置7及び培養自動判定装置8は、蒸気滅菌装置本体と別体として、複数の蒸気滅菌装置本体における各主制御部と接続することもできる。図13は、複数の蒸気滅菌装置本体SL〜SLが変色自動識別装置7及び培養自動判定装置8を共有する形態を示す概略的な説明図である。
【0101】
すなわち、この形態においては、例えば病院の滅菌室に1号機からn号機までの複数の蒸気滅菌装置本体SL〜SLが設置されており、変色自動識別装置7の演算処理部(図3における符号73参照)及び培養自動判定装置8の演算処理部(図5における符号85参照)の出力側が、各蒸気滅菌装置本体SL〜SLにおける主制御部の中央演算処理部(図1における符号61参照)の入力側に接続されている。接続の形態は、有線、無線のいずれの通信手段によるものでも良い。
【0102】
このように構成すれば、1号機からn号機までの各蒸気滅菌装置本体SL〜SLを始動する際に実行された第一の空気排除機能テスト又は第二の空気排除機能テストの結果を、1台の変色自動識別装置7によって順次判定することができ、同様に、1号機からn号機までの各蒸気滅菌装置本体SL〜SLにおいて実行された滅菌効力テストの結果を、1台の培養自動判定装置8によって順次判定することができる。そして、1台の変色自動識別装置7及び1台の培養自動判定装置8を蒸気滅菌装置本体SL〜SLが共有するため、1つの病院内に蒸気滅菌装置本体SLを複数設置した場合のコストを軽減することができる。
【0103】
なお、滅菌効力テストは、先に説明したように、生物学的インジケータ200を滅菌処理して培養するといった工程が必要であり、時間がかかるため、通常は週に1回程度実行すれば良いが、勿論、毎日実行しても良い。この場合は、第一の運転テスト及び第二の運転テストとして、空気排除機能テストの代わりに、生物学的インジケータによる滅菌効力テストを実行することもできる。また、この場合、請求項1又は2等に記載された“否”は“陽性”のことであり、請求項3又は4等に記載された“良”は“陰性”のことであるのは勿論である。
【0104】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、滅菌工程の開始前に、第一の運転テストを実行し、そのテスト結果が“否”であった場合に、異なる運転条件で第二の運転テストを実行するものであるため、第一の運転テストによる良否判定結果が“否”であっても直ちに滅菌不可とすることなく、運転条件を変えた第二の運転テストで“良”であれば、それに対応する運転条件によって滅菌可能とすることができる。また、このため空気、蒸気、給水の各ユーティリティーを確認する工程や、扉の開閉を確認する工程や、給蒸によるジャケットの温度上昇率を確認する工程や、滅菌槽内が所定時間内に真空に到達するか否かを確認する工程等や、その他の種々の確認工程からなる機能テストを不要となり、テストに要する時間を著しく短縮することができる。
【0105】
請求項2の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項1における第一の運転テストによる良否判定が“否”であった場合に、第二の運転テストの実行を選択可能となっているため、不具合の原因が判明しているような場合には、第二の運転テストをキャンセルすることができる。
【0106】
請求項3の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項1又は2における第一又は第二の運転テストによる良否判定が“良”であった場合には、日付が変わるまでは再度の運転テストの実行をキャンセル可能であるため、1日のうちに同じテストを何度も繰り返す無駄を避けることができる。
【0107】
請求項4の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項1〜3における第一又は第二の運転テストによる良否判定が“良”であった場合にのみ、被滅菌物を滅菌処理する通常の滅菌工程を実行可能としたため、信頼性の高い滅菌処理を行うことができる。
【0108】
請求項5の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項1〜4のいずれかにおける第一の運転テスト及び第二の運転テストが、滅菌槽内に熱で変色する化学的インジケータを内蔵したテストパックを用いた空気排除機能テスト、いわゆるボーウィ・ディックテストであるため、真空引き機能の劣化又は給蒸圧力不足に起因する殆どの不具合の判定に対応することができる。
【0109】
請求項6の発明に係る蒸気滅菌装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、第一の運転テスト及び第二の運転テストが、生物学的インジケータを滅菌処理することによる滅菌効力テストであるため、滅菌効力自体を判定することができる。
【0110】
請求項7の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項1〜6のいずれかにおける滅菌工程と並行して、生物学的インジケータを滅菌処理することによる滅菌効力テストを実行することができるため、滅菌効力自体を判定することができ、テスト結果の信頼性を一層高めることができる。
【0111】
請求項8の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項5における第一又は第二の運転テストによる良否判定が、変色自動識別装置によって、予め記憶された判定基準データに基づいて自動的に識別することにより行われるため、作業者の色覚や主観による判定のばらつきがなく、高精度で判定することができる。また、その良否判定データを、主制御部で管理することかできる。
【0112】
請求項9の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項5における第二の運転テストが、滅菌槽のコンディショニングを行う際の、真空引きによる真空値及び給蒸時の蒸気圧力が、第一の運転テストにおける設定値よりも厳しい値に設定されているため、真空値や蒸気圧力の劣化を補償した状態で再テストをすることにより、真空引き機能の劣化又は給蒸圧力不足に起因する殆どの不具合の判定に対応することができる。
【0113】
請求項10の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項7における陽性・陰性の判定が、培養自動判定装置によって、予め記憶された判定基準データに基づいて自動的に比較判定することにより行われるため、作業者の色覚や主観による判定のばらつきがなく、高精度で判定することができる。また、その良否判定データを、主制御部で管理することかできる。
【0114】
請求項11の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項7における第一又は第二の運転テストによる良否判定が“良”及び/又は滅菌効力テスト後の陽性・陰性判定が“陰性”であった場合にのみ、被滅菌物を滅菌処理する通常の滅菌工程を実行可能であるため、信頼性の高い滅菌処理を行うことができる。
【0115】
請求項12の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項7における滅菌効力テストを少なくとも週1回以上実行するように選択することができるため、長期間にわたって滅菌効力テストの実行を忘れてしまうのを防止することができる。
【0116】
請求項13の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項8における変色自動識別装置が、テスト後の化学的インジケータに、良否判定結果、試験年月日、試験機名、運転工程を印字することができるため、空気排除機能テストのデータを、具体的な資料として確認し、保管することができる。
【0117】
請求項14の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項8における変色自動識別装置が、パーソナルコンピュータ又は記録媒体に、良否判定結果、試験年月日、試験機名、運転工程を含むデータを転送することができるので、蒸気滅菌装置の設置場所以外でも、空気排除機能テストによる結果のデータを確認することができる。
【0118】
請求項15の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項8における変色自動識別装置の判定手段が、複数の蒸気滅菌装置における主制御部に接続されたものであるため、複数の蒸気滅菌装置本体において実行された第一の空気排除機能テスト又は第二の空気排除機能テストの結果を、1台の変色自動識別装置によって順次判定することができ、しかも、蒸気滅菌装置本体を複数設置した場合の全体としての設備コストを安価にすることができる。
【0119】
請求項16の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項10における滅菌効力テストによる最新の陽性・陰性判定データが主制御部のデータ記憶手段に記憶され、それ以前のデータが培養自動判定装置のデータ記憶手段及び前記主制御部のデータ記憶手段に記憶されるため、最新のデータに基づいて滅菌工程の制御を行うことができる。
【0120】
請求項17の発明に係る蒸気滅菌装置によれば、請求項10における培養自動判定装置の判定手段が、複数の蒸気滅菌装置における主制御部に接続されたものであるため、複数の蒸気滅菌装置本体において実行された滅菌効力テストの結果を、1台の培養自動判定装置によって順次判定することができ、しかも、蒸気滅菌装置本体を複数設置した場合の全体としての設備コストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蒸気滅菌装置の好適な実施の形態を示す概略構成説明図である。
【図2】空気排除機能テストに用いられるテストパック100の概略構造を示す説明図である。
【図3】図1における変色自動識別装置7の概略構成を示すブロック図である。
【図4】滅菌効力テストに用いられる生物学的インジケータ200の概略構造を示す説明図である。
【図5】図1における培養自動判定装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】暖機運転工程の処理ステップを示すフローチャートである。
【図7】第一の空気排除機能テストのプログラムによる処理ステップを示すフローチャートである。
【図8】第二の空気排除機能テストのプログラムによる処理ステップを示すフローチャートである。
【図9】第一の空気排除機能テスト又は第二の空気排除機能テストによる判定結果が“良”であった場合にのみ通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムによる滅菌工程の処理ステップを示すフローチャートである。
【図10】被滅菌物の滅菌工程と並行して滅菌効力テストを行う場合の処理ステップを示すフローチャートである。
【図11】滅菌効力テストによる判定結果が“陰性”であった場合にのみ通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムによる滅菌工程の処理ステップを示すフローチャートである。
【図12】第一の空気排除機能テスト又は第二の空気排除機能テストによる判定結果が“良”で、かつ滅菌効力テストによる判定結果が“陰性”であった場合にのみ通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムによる滅菌工程の処理ステップを示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る蒸気滅菌装置において、複数の蒸気滅菌装置本体SL〜SLが変色自動識別装置7及び培養自動判定装置8を共有した形態を示す概略的な説明図である。
【符号の説明】
1 滅菌槽
2 ジャケット
3 給蒸部
4 排気・排蒸部
5 給気部
6 主制御部
61 中央演算処理部(中央演算処理手段)
62 プログラム記憶部(プログラム記憶手段)
63 データ記憶部(データ記憶手段)
64 表示部
65 操作部
7 変色自動識別装置
8 培養自動判定装置
100 テストパック
101 テストシート(化学的インジケータ)
200 生物学的インジケータ
SL,SL〜SL 蒸気滅菌装置本体

Claims (17)

  1. 被滅菌物を収納する滅菌槽に高温・高圧の蒸気を供給することにより滅菌を行う蒸気滅菌装置において、各部の動作を制御する主制御部を備え、この主制御部は、制御プログラムが記憶されたプログラム記憶手段と、前記制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する中央演算処理手段と、演算結果等のデータを記憶するデータ記憶手段を備え、前記制御プログラムが、滅菌工程の開始前に、第一の運転テストを実行するプログラムと、この第一の運転テストによるテスト結果が“否”であった場合に、第二の運転テストを前記第一の運転テストと異なる条件で実行するためのプログラムを含むことを特徴とする蒸気滅菌装置。
  2. 第一の運転テストによる良否判定が“否”であった場合に、第二の運転テストの実行を選択可能とする選択手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気滅菌装置。
  3. 第一又は第二の運転テストによる良否判定が“良”であった場合に、日付が変わるまでは再度の運転テストの実行をキャンセル可能とする選択手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気滅菌装置。
  4. 主制御部による制御プログラムが、第一又は第二の運転テストによる良否判定が“良”であった場合にのみ、被滅菌物を滅菌処理する通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蒸気滅菌装置。
  5. 第一の運転テスト及び第二の運転テストは、滅菌槽内に熱で変色する化学的インジケータを内蔵したテストパックを収納し、滅菌槽内の空気を排除した後で蒸気を供給して所定の高温状態に所定時間維持することによる前記化学的インジケータの変色状態から良否を判定する空気排除機能テストであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蒸気滅菌装置。
  6. 第一の運転テスト及び第二の運転テストは、密閉容器に微生物又は酵素を封入した生物学的インジケータを滅菌槽内に収納して所定時間蒸気滅菌処理した後、栄養培地内で所定時間培養して、前記栄養培地の変色状態から陰性又は陽性を判定する滅菌効力テストであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蒸気滅菌装置。
  7. 主制御部による制御プログラムが、被滅菌物を滅菌する滅菌工程と並行して、密閉容器に微生物又は酵素を封入した生物学的インジケータを滅菌槽内に収納して所定時間蒸気滅菌処理した後、栄養培地内で所定時間培養して、前記栄養培地の変色状態から陰性又は陽性を判定する滅菌効力テストを実行するプログラムを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蒸気滅菌装置。
  8. 第一又は第二の運転テストによる良否判定が、化学的インジケータの変色を、この変色データを取り込む手段と、判定基準となる色彩データが記憶された記憶手段と、前記変色データと判定基準の色彩データに基づいて良否判定する判定手段とを備える変色自動識別装置により行われ、主制御部による制御プログラムが、前記変色自動識別装置による良否判定データを取り込んで主制御部のデータ記憶手段に記憶させるプログラムを含むことを特徴とする請求項5に記載の蒸気滅菌装置。
  9. 第二の運転テストを実行するプログラムは、滅菌槽内を真空引きして強制排気した後、高温・高圧の蒸気を供給する工程を所要回数繰り返すことによりコンディショニングを行う際の、真空引きによる真空値及び給蒸時の蒸気圧力が、第一の運転テストを実行するプログラムにおける設定値よりも厳しい値に設定されたことを特徴とする請求項5に記載の蒸気滅菌装置。
  10. 滅菌処理後の生物学的インジケータの培養による陽性・陰性の判定が、前記生物学的インジケータを培養に適した温度で所定時間培養する手段と、前記生物学的インジケータの栄養培地の色を検出する色検出手段と、陽性又は陰性の判定基準となる色データが記憶された色データ記憶手段と、前記色検出手段の検出データと前記色データ記憶手段の色データを比較判定する判定手段とを備える培養自動判定装置により行われることを特徴とする請求項7に記載の蒸気滅菌装置。
  11. 主制御部による制御プログラムが、第一又は第二の運転テストによる良否判定が“良”及び/又は滅菌効力テスト後の陽性・陰性判定が“陰性”であった場合にのみ、被滅菌物を滅菌処理する通常の滅菌工程を実行可能とするプログラムを含むことを特徴とする請求項7に記載の蒸気滅菌装置。
  12. 主制御部が、滅菌効力テストを少なくとも週1回以上実行するように選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の蒸気滅菌装置。
  13. 変色自動識別装置のプログラム記憶手段に、化学的インジケータに、良否判定結果、試験年月日、試験機名、運転工程を印字するプログラムが記憶されていることを特徴とする請求項8に記載の蒸気滅菌装置。
  14. 変色自動識別装置のプログラム記憶手段に、パーソナルコンピュータ又は記録媒体に、良否判定結果、試験年月日、試験機名、運転工程を含むデータを転送するプログラムが記憶されていることを特徴とする請求項8に記載の蒸気滅菌装置。
  15. 変色自動識別装置の判定手段が、複数の蒸気滅菌装置における主制御部に接続されたことを特徴とする請求項8に記載の蒸気滅菌装置。
  16. 主制御部による制御プログラムが、滅菌効力テストによる陽性・陰性判定データを取り込んで主制御部のデータ記憶手段に記憶させるプログラムと、最新の良否判定データが前記主制御部のデータ記憶手段に記憶された場合は前の判定データを培養自動判定装置のデータ記憶手段及び前記主制御部のデータ記憶手段に記憶させるプログラムを含むことを特徴とする請求項10に記載の蒸気滅菌装置。
  17. 培養自動判定装置の判定手段が、複数の蒸気滅菌装置における主制御部に接続されたことを特徴とする請求項10に記載の蒸気滅菌装置。
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