JP2004222781A - 内視鏡の処置具導入装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉗子栓10が着脱可能に装着される口金13の処置具導入部5からの導出部には概略四角形となった外壁部を有する凹部14が形成され、また鉗子栓10は全体がゴム等の弾性部材で形成されており、かつシリコンオイル等の潤滑部材を含浸させて滑りを良くしたものであり、その栓本体部20の口金13における凹部14への嵌合部には内向きに突出する囲繞内壁部23bが形成されて、口金13の凹部14に嵌合される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用等として用いられる内視鏡に設けた処置具挿通チャンネル内に鉗子その他の処置具を導入する機構である内視鏡の処置具導入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
体腔内に挿入されて、医療検査等を行う内視鏡は、術者等が手で把持して操作を行う本体操作部に体腔内への挿入部を連設し、さらに本体操作部に光源装置等に着脱可能に接続されるユニバーサルコードを連結して設けることにより大略構成されるものである。挿入部の先端部には体腔内を照明するための照明部と、この照明部から照射される照明下で体腔内の検査を行う観察部とを備えている。
【0003】
例えば、内視鏡による検査の結果、患部等が発見されたときには、所要の処置を行うことができ、また組織細胞のサンプリング等も行えるようにしたものもある。このために、内視鏡には鉗子その他の処置具を挿通するための処置具挿通チャンネルが設けられる。処置具挿通チャンネルは、その先端が照明部及び観察部と共に挿入部の先端部に開口している。一方、処置具の処置具挿通チャンネルへの導入操作は本体操作部側で行なわれる。このために、本体操作部または本体操作部と挿入部との連結部に処置具導入部が形成される。
【0004】
体腔内の圧力は大気圧より高いため、また処置具挿通チャンネルを吸引通路と兼用することがある等の点で、処置具導入部における処置具を導入するための開口は常時には閉鎖状態に保持しなければならない。このために、処置具導入部の装置構成としては、本体操作部のケーシングに通路を形成すると共に、この通路に口金を着脱可能に装着し、さらにこの口金に鉗子栓を着脱可能に装着する構成とするのが一般的である。そして、鉗子栓はゴム等の弾性部材で形成され、この鉗子栓に開閉弁を設けることによって、処置具を使用する場合に鉗子栓を口金から取り外すことなく、この開閉弁を開いて処置具を挿通させるように構成される。
【0005】
処置具挿通チャンネル内に挿通される処置具としては、例えば鉗子等のように外径が大きく、しかも腰の強い処置具が挿通されることもあり、またチューブ等の外径が小さく、軟性の処置具が挿通されることもある。つまり、処置具挿通チャンネル内に挿通される処置具の太さ及び剛性はまちまちである。鉗子栓に設けられる開閉弁としては、処置具を挿入しても処置具の周囲を密閉状態に保持できるようになっているのが理想的である。しかしながら、処置具導入部の口径に近いような太い処置具を挿入したときにも、またそれより遥かに細い処置具を挿入したときにも、完全に密閉性が確保される鉗子栓は未だ開発されてはいない。
【0006】
従来から知られている鉗子栓としては、処置具導入部の口径より小さい孔径を有する絞り通路と、処置具導入部の口径とほぼ同じかまたはそれより長いスリットとを形成し、このスリットは常時においては密着状態となし、もって処置具導入部を密閉状態に保持するように構成したものがある。そして、細い処置具を挿通する際には、スリットを押し広げるようにして通過させ、絞り通路の内部を通って処置具挿通チャンネル内に導くようにする。一方、太い処置具の場合には、スリットを開くようにしても良いが、絞り通路を通過させることによって処置具導入部の密閉性が確保されるので、スリットを通過させずに、直接絞り通路から処置具挿通チャンネル内に導くようにするのが操作性の観点から望ましい。
【0007】
以上のことから、口金に装着される鉗子栓の全体をゴム等の弾性部材で形成し、絞り通路の形成部を口金に着脱される栓本体部となし、またスリットの形成部を開閉弁部として、これら栓本体部と開閉弁部とを連結部で連結するようになし、栓本体部を口金に装着した上で、開閉弁部を栓本体に着脱可能に装着する構成としたものは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。このように構成することによって、太い処置具を挿通する際には、開閉弁部を栓本体から取り外すことができるので、その挿通操作性が向上する。また、処置具を挿通しない時、及び絞り通路の内径とほぼ同じか、それより細い処置具を挿通する際には、栓本体部に開閉弁部を装着することによって、密閉性を保持することができる。
【0008】
また、開閉弁部におけるスリット及び栓本体部における絞り通路は繰り返し処置具が通過することから、磨耗や変形等の可能性がある。特にスリットが磨耗したり、変形したりすると、鉗子栓の密閉性が失われることになる。そこで、スリットの密着性を高めるためには、鉗子栓全体の硬度を高くすると共に、開閉弁部を予圧縮した状態で栓本体部に装着しなければならない。そうすると、処置具の挿通操作性が悪くなる。このために、鉗子栓を構成するゴム等の弾性部材にシリコンオイル等の潤滑部材を含浸させることによって、処置具の滑り性を良好にする構成としたものも従来から知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特公平5−57848号公報(第2頁、第1−第4図)
【特許文献2】
実開昭62−155802号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
シリコンオイル等の潤滑部材を含浸させた鉗子栓を用いれば、鉗子栓のゴム硬度を高くしても、剛性の高い処置具を挿通する際における磨耗の低減が図られ、かつ柔軟な処置具を挿通する際には、スリットを通過する際に処置具が曲がったりすることなくなる等の利点があるが、このような構成を有する鉗子栓を用いる場合にも、なお問題点がない訳ではない。
【0011】
即ち、処置具挿通チャンネルの内部を洗浄するに当っては、ブラシを内部に挿入する必要があること等から、鉗子栓は口金に着脱可能に取り付けられることになる。しかも、鉗子栓を構成し、口金に連結される栓本体部に対して、スリットを設けた開閉弁部をこの栓本体部に着脱可能に連結するように構成した場合、太径の処置具を挿通させる際には、開閉弁部を栓本体部から脱着することになるが、この脱着時でも、開閉弁部は栓本体部から完全に分離しないように連結部材で連結されている。従って、開閉弁部を栓本体部から脱着させたときに、この開閉弁部がどの方向に位置するかによっては、処置具の挿入操作性に大きな影響を与えることになる。
【0012】
本発明は以上の点に鑑みてなれたものであって、その目的とするところは、鉗子栓を処置具導入部の口金に装着した状態で、その方向性を安定的に保持し、鉗子栓を構成する開閉弁部の栓本体部に対する着脱操作及び処置具の操作性を良好にすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、内視鏡の本体操作部のケーシングに形成され、処置具挿通路に処置具を導くための処置具導入用通路に口金を着脱可能に装着し、またこの口金に逆流防止部材を備えた鉗子栓を着脱可能に装着することにより構成される内視鏡の処置具導入装置であって、前記鉗子栓は前記口金に嵌合する栓本体部と、この栓本体部に着脱可能に連結される開閉弁部と、これら栓本体部と開閉弁部との間を連結する連結部材とから構成し、前記栓本体部と前記口金との嵌合部には回り止め部を形成する構成としたことをその特徴とするものである。
【0014】
口金は本体操作部のケーシングにおいて、処置具導入部となる部位に一体に設けるのではなく、着脱可能に装着されるが、この着脱方式としては、螺挿方式が一般的である。このために、口金の外面は円筒形状とし、この口金に鉗子栓の栓本体部を囲繞させるうようにして装着されることから、口金を本体操作部のケーシングにおける処置具導入部から所定の長さだけ突出させるようにするが、この口金の突出部外面と栓本体部との係合部に回り止めを行う。
【0015】
回り止め部としては、例えば凹凸係合等適宜の手段を用いることができる。口金をケーシングに螺挿して固定するために、締め付け用の工具を作用させるが、この工具を係合させるために、口金における鉗子栓の装着部に平坦面となる外壁部を形成することによって、口金の装着が容易になる。しかも、この口金の平坦な外壁部を回り止め部として利用することができる。締め付け用の工具を係合させるだけであれば、平坦面は2面形成されておれば良いが、口金の外面を概略四角形状となし、栓本体部のこの口金への嵌合部は口金の外壁部を囲繞する概略四角形状の内壁部を形成すると、鉗子栓を極めて安定的に回り止めすることができる。そして、鉗子栓全体がオイルを含浸させて、滑り性の高いゴムから構成した場合には、このように回り止めを行う必要性がさらに高くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、図1に内視鏡の全体構成図を示す。図中において、1は本体操作部、2は挿入部、3はユニバーサルコードである。挿入部2は、本体操作部1への連結側から大半の長さ分は体腔内の挿入経路が曲がっている場合に、その曲がり方向に沿って自在に曲がる軟性部2aとなっており、この軟性部2aには、アングル部2b及び先端硬質部2cが順次連結されている。先端硬質部2cには内視鏡観察手段を構成する照明部と観察部(共に図示せず)とが設けられており、アングル部2bは先端硬質部2cを挿入経路に沿ってガイドしたり、かつ先端硬質部2cに設けた内視鏡観察手段の視野を変えたりするために、所望の方向に向けて湾曲操作できるようになっている。このアングル部2bの湾曲操作は本体操作部1に設けたアングル操作手段4によって遠隔操作で行なわれる。
【0017】
内視鏡は前述した内視鏡観察手段によって、体腔内を観察するだけではなく、内視鏡検査の結果等に基づいて発見された患部に対する処置や組織のサンプリング等も行えるようになっている。このために、本体操作部1には処置具導入部5が設けられ、この処置具導入部5から先端硬質部2cまでの部位には処置具挿通チャンネル6が設けられており、この処置具挿通チャンネル6の先端は照明部及び観察部等と共に先端硬質部2cに開口している。従って、鉗子その他の処置具を処置具導入部5から処置具挿通チャンネル6に挿通させて、先端硬質部2cから所定の長さ導出させることによって、所望の処置を施すことができるようになる。
【0018】
処置具挿通チャンネル6は、また、吸引通路としても利用されるものである。従って、図示は省略するが、処置具挿通チャンネルは本体操作部1内で処置具導入部5に至る経路と、本体操作部1からユニバーサルコード3を経て吸引装置に接続される経路とに分岐している。さらに、本体操作部1には吸引ボタン7が設けられており、この吸引ボタン7を操作することによって、処置具挿通チャンネル6と吸引装置との間を連通・遮断できるようになっている。
【0019】
そこで、内視鏡検査が行われる体腔内に体液や汚物が存在していると、吸引バルブを操作することによって、それらを処置具挿通チャンネル6から吸引通路に排出して、体腔内の観察条件を良好にする。この状態で、体腔内の検査を行い、その結果患部等が存在すると、鉗子その他の処置具を処置具導入部5から処置具挿通チャンネル6内に挿入することによって、患部等に対して適宜の処置が施されることになる。
【0020】
本体操作部1のケーシング1aに形成した処置具導入部5は、本体操作部1のケーシング1aにおいて、斜め上方に向けた通路を外部に開口させるようにして設けたものであり、少なくとも吸引作業を行っている間は密閉状態に保持させる必要があり、しかもそのままで処置具を挿入できるものでなければならない。さらに、処置具挿通チャンネル6は体液等で汚損されることから、使用後には、処置具挿通チャンネル6の内部を洗浄しなければならない。従って、処置具導入部5には鉗子栓10が着脱可能に装着されており、この鉗子栓10は常時には密閉状態に保たれ、かつ処置具が挿通できる構造となっている。
【0021】
図2に処置具導入部5の具体的な構成を示す。図中において、11は通路分岐部材を示し、この通路分岐部材11は本体操作部1の内部に設けられており、処置具導入部5の内部に開口する処置具導入通路部12を有し、また図示は省略するが、処置具挿通チャンネル6の接続部と、吸引通路の接続部とに分岐している。処置具導入通路部12には口金13が接続して設けられている。口金13は処置具導入部5内に螺挿されており、その先端は処置具導入通路部12に接続され、他端は処置具導入部5から所定の長さだけ突出している。
【0022】
鉗子栓10は、この口金13の処置具導入部5から外部への突出部に着脱可能に装着される。このために、口金13の処置具導入部5からの突出部には凹部14が形成され、先端部には鉗子栓10を取り付けるために円環状の固定用突条15が形成されている。ここで、口金13の内部通路は断面が円形となっているが、処置具導入部5から導出した凹部14は概略四角形となった平坦な外壁部となっており、これによって口金13を本体操作部1のケーシング1aに設けた処置具導入部5に螺挿する際に、ねじ回し用の工具を係合させることができる。
【0023】
図3に鉗子栓10の平面図を、また図4に断面図をそれぞれ示す。これらの図から明らかなように、鉗子栓10は全体がゴム等の弾性部材で形成されており、かつシリコンオイル等の潤滑部材を含浸させて、滑りを良くしたものである。この鉗子栓10は栓本体部20と開閉弁部21とを有し、これら栓本体部20と開閉弁部21との間は扁平な帯状の折り返し用連結部22により連結する構成としている。
【0024】
栓本体部20は、外周部が概略円筒状の部材からなり、その内面における一端側は口金15の外周部とほぼ同じかそれより僅かに大きい内径を有する開口部23aが形成されており、この開口部23aに連なる部位は内向きに突出する囲繞内壁部23bが形成されており、この囲繞内壁部23bは、口金13における凹部14より僅かに小さい寸法の四角形状となっている。また、栓本体部20の中間部には中央に絞り通路24を形成した隔壁25が設けられ、さらに他端部には円環状突条26が形成されている。そして、囲繞内壁部23bと隔壁25との間には第1の円環状凹部27が、また隔壁25と円環状突条26との間には第2の円環状凹部28が形成されている。従って、栓本体部20は、一端が口金13の内部に連通し、他端は外部に開口する通路が形成され、この通路のうち最も狭い部位は絞り通路24である。
【0025】
また、開閉弁部21は栓本体部20の開口部分を閉鎖する隔壁となる本体板29を有し、この本体板29の栓本体部20への接合端面からはフランジ部30が内向きに突出する状態に連設されている。このフランジ部30の外周面部には円環状溝31が形成されており、この円環状溝31の両立ち上がり壁によって栓本体部20に形成した円環状突条26を挟持するようにして連結される。そして、開閉弁部21の本体板29におけるフランジ部30の突出方向に対する反対面には、概略凹半球形状の処置具ガイド部32が形成されており、この処置具ガイド部32の底部にスリット33が形成されている。
【0026】
さらに、スリット33の形成部分には、処置具ガイド部32とは反対側の面に窪み34が形成されている。そして、処置具ガイド部32側から窪み34に至るように、つまり栓本体部20に形成されている通路を外部と連通可能となし、もって処置具ガイド部32側から挿入された処置具を栓本体部20の内部に形成した通路を介して処置具導入部12における口金13の内部から処置具挿通チャンネル6内に導かれるようになている。
【0027】
鉗子栓10は、処置具が挿通されない限り密閉状態に保持され、処置具挿通チャンネル6側が高圧になっても、スリット33を介して逆流しない、逆流防止弁としての機能を発揮するものである。スリット33は、それを構成する相対向する壁面は相互に密着状態とし、処置具が挿通される際には、相互の壁面を離間させて、その間に処置具が通る隙間を形成させる。従って、処置具はスリット33の壁面に対して摺動することになるが、鉗子栓10をシリコンオイル等の潤滑部材を含浸させたゴムで形成したのは、この摺動時における摩擦の低減を図るためである。
【0028】
以上の構成において、口金13は本体操作部1の処置具導入部5に螺挿されるが、この口金13を螺挿するに当っては、その凹部14に締め付け用の工具を挟み込んで、工具を回転させることによって、所定の位置に固定される。この状態で、鉗子栓10を口金13に連結するが、口金13の固定用突条15の外周部に栓本体部20の開口部23aを嵌合させて、押し込むようにして装着する。鉗子栓10は全体が弾性部材から構成されているので、囲繞内壁部23bは弾性変形して、その内周部分が拡大することになって、口金13の固定用突条15を乗り越えて、凹部14内に嵌入する。これによって、鉗子栓10が処置具導入部5に固定される。ここで、口金13の凹部14と鉗子栓10における囲繞内壁部23bとは、図5からも明らかなように、共に四角形状であり、かつ囲繞内壁部23bの方が小さい寸法となし、もって囲繞内壁部23bは凹部14の壁面に密着することになって、鉗子栓10は口金13に着脱可能に装着される。
【0029】
前述のようにして栓本体部20が口金13に装着された状態で、折り返し用連結部22をU字状に曲げるようにして、開閉弁部21が栓本体部20に着脱可能に装着される。この開閉弁部21の栓本体部20に対する装着状態を安定させるために、栓本体部20の係止部を構成する円環状突条26を、開閉弁部21における本体板29とそれと対面するフランジ部30の壁部30aとで構成される挟持部に挟持させ、開閉弁部21の装着時には円環状突条26はある程度圧縮されるようにする。また、栓本体部20における円環状突条26の内径寸法を開閉弁部21における円環状溝31の溝底部の外径寸法より小さくし、もって円環状突条26は拡径する方向に付勢力が生じる状態とする。これによって、栓本体部20の円環状突条26と、開閉弁部21のフランジ部30が相対的に圧縮された状態となる。この圧縮分により開閉弁部21は栓本体部20に連結した状態に保持される。従って、その間の気密性が良好となる。
【0030】
鉗子栓10は以上のようにして装着されるが、処置具を使用しない場合には、鉗子栓10が本体操作部1における処置具導入部5の通路を閉鎖しているので、吸引操作時等において、体液等が溢出するのを防止できる。また、鉗子栓10を装着したままで、処置具を処置具挿通チャンネル6から体腔内に導いて、所定の処置を施すことができる。ここで、細径の処置具を相通させる場合には、開閉弁部21を栓本体部20から分離せず、そのまま処置具を挿入する。また、太径の処置具を用いる場合には、鉗子栓10における開閉弁部21を栓本体部20から脱着させて、栓本体部20における絞り通路24を拡径しながら挿通される。
【0031】
鉗子栓10の装着時における栓本体部20と口金13との連結強度は、開閉弁部21の栓本体部20への連結強度より大きくする。従って、口金13の凹部14及び固定用突条15と、栓本体部20における囲繞内壁部23b及び第1の円環状凹部27とでは、凹部14と囲繞内壁部23bとの寸法の方を大きくする。その結果、開閉弁部21を栓本体部20から取り外す際に、鉗子栓10全体が口金13から抜け出すのを防止できる。なお、この開閉弁部21の開閉操作を行うために、開閉弁部21には開閉操作用の突出部35が設けられている。
【0032】
細径の処置具は開閉弁部21のスリット33と摺動しながら、また太径の処置具は絞り通路24と摺動しながら挿入されるが、鉗子栓10はシリコンオイル等からなる潤滑部材を含浸させたものから構成されるので、処置具とスリット33及び絞り通路24との間の摺動抵抗が低減され、この鉗子栓10を円滑に通過させることができる。また、繰り返し処置具を挿通させても、スリット33や絞り通路24が磨耗したり、変形したりするのを抑制できるので、鉗子栓10の耐久性が向上すると共に、スリット33の密着性が維持されるので、吸引操作時等において、鉗子栓10から体液等の溢出のおそれはない。
【0033】
ここで、鉗子栓10において、開閉弁部21を栓本体部20に装着した状態では、一方側では開閉操作用の突出部35が突出し、かつ反対側では折り返し用連結部22はU字状に突出することになる。これら突出部35及び折り返し用連結部22の突出方向によっては、開閉弁部21の栓本体部20に対する着脱操作及び本体操作部1を把持して行う内視鏡の操作に邪魔になることがある。このために、開閉弁部21には方向性があり、この開閉弁部21の方向性によっては、開閉弁部21の開閉操作及び内視鏡の円滑な操作性が損なわれることになる。特に、処置具の挿入操作性を向上させるために潤滑部材により滑り易くなっている鉗子栓10が口金13に対してみだりに回転しないように保持されなければならない。
【0034】
栓本体部20の囲繞内壁部23bは四角形状となっており、口金13における凹部14の外面も四角形状となっており、かつ囲繞内壁部23bは凹部14に圧接されるようになっているので、栓本体部20は口金13に対して回り止めがなされて、例えば栓本体部20に対して開閉弁部21を着脱する際等において、大きな外力が作用しても、回転方向に位置ずれ等を生じることはなく、極めて安定的に保持されている。図2に示したように、突出部35は上方に向いている方が開閉弁部21の開閉操作の操作性が良好となる。従って、鉗子栓10の栓本体部20を口金13に装着する際に、突出部35を上方に向けた状態にして囲繞内壁部23bを凹部14に嵌合させるようにする方が合理的である。また、開閉弁部21を栓本体部20から取り外して行う太径の処置具の挿入操作時に、折り返し用連結部22及び開閉弁部21が下方に向いている方が、処置具の操作時に邪魔になることはない。ただし、術者等の好み等によっては、折り返し用連結部22が上方を向くように、また左右いずれかの側方に折り返し用連結部22を突出させるようにすることもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、鉗子栓を処置具導入部の口金に装着した状態で、その方向性を安定的に保持し、内視鏡及び処置具の操作性を良好にすることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉗子栓が装着される内視鏡の一例を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態である鉗子栓を装着した処置具導入部の断面図である。
【図3】図2の鉗子栓を栓本体部と開閉弁部とを分離した状態を示す平面図である。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】図2のY−Y断面図である。
【符号の説明】
1 本体操作部 2 挿入部
5 処置具導入部 6 処置具挿通チャンネル
10 鉗子栓 13 口金
20 栓本体部 21 開閉弁部
22 折り返し用連結部 23a 開口部
23b 囲繞壁部 24 絞り通路
25 隔壁 26 円環状突条
27 第1の円環状凹部 28 第2の円環状凹部
29 本体板 32 処置具ガイド部
33 スリット 35 突出部
Claims (3)
- 内視鏡の本体操作部のケーシングに形成され、処置具挿通路に処置具を導くための処置具導入用通路に口金を着脱可能に装着し、またこの口金に逆流防止部材を備えた鉗子栓を着脱可能に装着することにより構成される内視鏡の処置具導入装置において、
前記鉗子栓は前記口金に嵌合する栓本体部と、この栓本体部に着脱可能に連結される開閉弁部と、これら栓本体部と開閉弁部との間を連結する連結部材とから構成し、
前記栓本体部と前記口金との嵌合部には回り止め部を形成する
構成としたことを特徴とする内視鏡の処置具導入装置。 - 前記口金の外面に概略四角形状となった平面形状の外壁部を有し、また前記栓本体部のこの口金への嵌合部は前記口金の平面部を囲繞する内壁部を形成する構成としたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡の処置具導入装置。
- 前記鉗子栓は、その全体がオイルを含浸させたゴムから構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の内視鏡の処置具導入装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003010954A JP4395602B2 (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 内視鏡の処置具導入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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