JP2004222443A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Hidetoshi Suzuki
英俊 鈴木
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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
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Abstract

【課題】内燃機関の動力によって駆動される発電機でモータが駆動される形式の駆動力制御装置であっても、エンジンルームの容積が小さい車両であっても容易に搭載可能とする。
【解決手段】発電機7の電力を、条件によって、モータ、若しくはランプ類などの一般電装品用のバッテリ52に供給可能とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前後輪のうちの一方の車輪である主駆動輪を内燃機関で駆動し、他方の車輪である従駆動輪を電動モータで駆動可能となっている車両の駆動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前輪を内燃機関(エンジン)で駆動し、後輪を電動モータで駆動する車両としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。
この従来例は、エンジンで駆動されるモータ用発電機を備え、該モータ用発電機で発電した電力によって上記電動モータを駆動することで4輪駆動状態となる。すなわち、上記従来例は、所謂バッテリレス式モータ4WDの駆動力制御装置の例である。
【0003】
ここで、通常、車両には、ランプ類などの一般電装品が搭載されており、その一般電装品を駆動するために、一般電装品用のバッテリ、及び当該バッテリを充電するための一般電装用発電機を備える。
また、一般電装品とは、ランプ類、ワイパー、エアコンディショナーなどを指す。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−318473号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両にあっては、エンジンに対して、モータ駆動用発電機と、一般電装用発電機との2台の発電機が接続される構成であることから、エンジンルームの容積が小さい車両にあっては、当該エンジンルームに2台の発電機が配置できるようにレイアウトを設計する必要があることから、その他の搭載部品のレイアウトが制限を受ける。
【0006】
本発明は、そのようなことに着目してなされたもので、内燃機関の動力によって駆動される発電機でモータが駆動される形式の駆動力制御装置であっても、エンジンルームの容積が小さい車両であっても容易に搭載可能とすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、主駆動輪を駆動する内燃機関と、従駆動輪を駆動可能な電動モータとを備えた車両の駆動力制御装置において、
上記内燃機関の動力で駆動され且つ発電した電力を上記電動モータに供給可能な発電機と、車両の走行状態に応じて電動機の出力トルクを制御する電動機トルク制御手段と、ランプなどの一般電装品に電力を供給するためのバッテリと、上記発電機で発電した電力の全部若しくは一部の供給先を上記バッテリに振り替える切替手段と、
電動機によるトルク要求が無い若しくは所定値以下と判定すると、上記切替手段を介して、発電機で発電した電力の全部若しくは一部の供給先を上記バッテリ側に変更する切替制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、モータ駆動用のバッテリを必要としない所謂バッテリレス式モータ4WDの駆動力制御装置を採用しても、エンジンルーム内に配置する発電機を1台にすることが可能となる。したがって、エンジンルームの容積が小さな車両に対しても、所謂バッテリレス式モータ4WD形式の駆動力制御装置の搭載が容易化する。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る車両のシステム構成を説明する図である。
この図1に示すように、本実施形態の車両は、左右前輪1L、1Rが、内燃機関であるエンジン2(主駆動源)によって駆動される主駆動輪であり、左右後輪3L、3Rが、モータ4(電動モータ)によって駆動可能な従駆動輪である。
【0010】
すなわち、エンジン2の出力トルクTeが、トランスミッション30及びディファレンスギア31を通じて左右前輪1L、1Rに伝達されるようになっている。
上記トランスミッション30には、現在の変速のレンジを検出するシフト位置検出手段32が設けられ、該シフト位置検出手段32は、検出したシフト位置信号を4WDコントローラ8に出力する。
【0011】
上記エンジン2の吸気管路14(例えばインテークマニホールド)には、メインスロットルバルブ15とサブスロットルバルブ16が介装されている。メインスロットルバルブ15は、アクセル開度指示装置(加速指示操作部)であるアクセルペダル17の踏み込み量等に応じてスロットル開度が調整制御される。このメインスロットルバルブ15は、アクセルペダル17の踏み込み量に機械的に連動するか、あるいは当該アクセルペダル17の踏み込み量を検出するアクセルセンサ40の踏み込み量検出値に応じて、エンジンコントローラ18が電気的に調整制御することで、そのスロットル開度が調整される。上記アクセルセンサ40の踏み込み量検出値は、4WDコントローラ8にも出力される。
【0012】
また、サブスロットルバルブ16は、ステップモータ19をアクチュエータとし、そのステップ数に応じた回転角により開度が調整制御される。上記ステップモータ19の回転角は、モータコントローラ20からの駆動信号によって調整制御される。なお、サブスロットルバルブ16にはスロットルセンサが設けられており、このスロットルセンサで検出されるスロットル開度検出値に基づいて、上記ステップモータ19のステップ数はフィードバック制御される。ここで、上記サブスロットルバルブ16のスロットル開度をメインスロットルバルブ15の開度以下等に調整することによって、運転者のアクセルペダルの操作とは独立して、エンジン2の出力トルクを制御することができる。
【0013】
また、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数検出センサ21を備え、エンジン回転数検出センサ21は、検出した信号をエンジンコントローラ18及び4WDコントローラ8に出力する。
また、符号34は制動指示操作部を構成するブレーキペダルであって、そのブレーキペダル34のストローク量がブレーキストロークセンサ35によって検出される。該ブレーキストロークセンサ35は、検出したブレーキストローク量を制動コントローラ36及び4WDコントローラ8に出力する。
【0014】
制動コントローラ36は、入力したブレーキストローク量に応じて、各車輪1L、2R、3L、3Rに装備したディスクブレーキなどの制動装置37FL、37FR、37RL、37RRを通じて、車両に作用する制動力を制御する。
また、上記エンジン2の回転トルクTeの一部は、無端ベルト6を介して発電機7に伝達されることで、上記発電機7は、エンジン2の回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Nhで回転する。
【0015】
上記発電機7は、磁界を永久磁石で形成する永久磁石式の発電機であって、エンジン2の回転数に応じた発電を行い、発電した電力を電線9を通じてモータ4に供給可能となっている。上記モータ4の駆動軸は、減速機11及びクラッチ12を介して後輪3L、3Rに接続可能となっている。符号13はデフを表す。
上記電線9の途中には、切替ボックス50及びジャンクションボックス10が設けられている。
【0016】
上記切替ボックス50は、切替手段を構成し、4WDコントローラ8からの指令に応じて、発電機7が発電した電力を、モータ4側若しくはバッテリ52側に切り替える。この切替ボックス50は、例えばメカニカルリレー式や半導体リレー式によって構成すればよい。
この切替ボックス50とバッテリ52とを接続する電線55の途中には、モータ用の電圧(例えば42V)をバッテリ52用の電圧(例えば12V)に変換する電圧変換器51が介装されている。上記バッテリ52は、ランプ類などの一般電装品54の電源となるものであって、各一般電装品54からの電力要求に応じて対応する一般電装品54に電力を供給する。
【0017】
なお、本実施形態では、一般電装品54からの電力要求の信号、若しくは一般電装品54の作動指令信号が、上記4WDコントローラにも供給される。
また、上記バッテリ52の蓄電率を計測する蓄電量センサ53が設けられ、その蓄電量センサ53は、計測した蓄電率を4WDコントローラに供給可能となっている。なお、蓄電量センサ53は、蓄電量検出手段を構成する。
【0018】
また、上記ジャンクションボックス10内には電流センサ23が設けられ、該電流センサ23は、発電機7からモータ4に供給される電力の電流値Iaを検出し、当該検出した電機子電流信号を4WDコントローラ8に出力する。また、電線9を流れる電圧値(モータ4の電圧)が4WDコントローラ8で検出される。符号24は、リレーであり、4WDコントローラ8から指令によってモータ4に供給される電圧(電流)の遮断及び接続が制御される。
【0019】
また、モータ4は、4WDコントローラ8からの指令によって界磁電流Ifmが制御され、その界磁電流Ifmの調整によって駆動トルクが調整される。
また、上記モータ4の駆動軸の回転数Nmを検出するモータ用回転数センサ26を備え、該モータ用回転数センサ26は、検出したモータ4の回転数信号を4WDコントローラ8に出力する。
【0020】
また、上記クラッチ12は、油圧クラッチや電磁クラッチであって、4WDコントローラ8からのクラッチ制御指令に応じて接続状態又は切断状態となる。
また、各車輪1L、1R、3L、3Rには、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRが設けられている。各車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRは、対応する車輪1L、1R、3L、3Rの回転速度に応じたパルス信号を車輪速検出値として4WDコントローラ8に出力する。
【0021】
4WDコントローラ8は、図2に示すように、リレー制御部8B、モータ制御部8C、クラッチ制御部8D、コントローラ本体部8Xを備える。
上記リレー制御部8Bは、発電機7からモータ4への電力供給の遮断・接続を制御する。
モータ制御部8Cは、モータ4の界磁電流Ifmを調整することで、当該モータ4のトルクを所要の値に調整する。
【0022】
クラッチ制御部8Dは、上記クラッチ12にクラッチ制御指令を出力することで、クラッチ12の状態を制御する。
また、上記コントローラ本体部8Xは、所定サンプリング時間毎に図3に示す処理を行う。すなわち、まずステップS10にて、蓄電量センサからの信号に基づきバッテリ52の蓄電率が50%以下か否かを判定し、50%以下と判定した場合にはステップS20に移行する。一方、50%を超える蓄電率と判定した場合にはステップS40に移行する。
【0023】
ステップS20では、一般電装品54への電力要求があるか否かを判定し、電力要求があると判定した場合には、ステップS30に移行し、電力要求が無いと判定した場合にはステップS40に移行する。
ステップS30では、切替ボックス50に対し、バッテリ52側に電力供給可能な状態にスイッチを切り替える指令を出力した後に復帰する。
【0024】
また、ステップS40では、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRからの信号に基づき演算した、前輪1L、1R(主駆動輪)の車輪速から後輪3L、3R(従駆動輪)の車輪速を減算することで、前輪1L、1Rの加速スリップ量であるスリップ速度ΔVFを求め、ステップS50に移行する。
ここで、スリップ速度ΔVFの演算は、例えば、次のように行われる。
【0025】
前輪1L、1Rにおける左右輪速の平均値である平均前輪速VWf、及び後輪3L、3Rにおける左右輪速の平均値である平均後輪速VWrを、それぞれ下記式により算出する。
VWf=(VWfl+VWfr)/2
VWr=(VWrl+VWrr)/2
次に、上記平均前輪速VWfと平均後輪速VWrとの偏差から、主駆動輪である前輪1L、1Rのスリップ速度(加速スリップ量)ΔVFを、下記式により算出する。
【0026】
ΔVF = VWf −VWr
ステップS50では、上記求めたスリップ速度ΔVFが所定値、例えばゼロより大きいか否かを判定する。スリップ速度ΔVFが0以下と判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていないと推定されるので、ステップS30に移行して、上述のように切替ボックス50に対し、バッテリ52側に電力供給可能な状態にスイッチを切り替える指令を出力した後に復帰する。
【0027】
一方、ステップS50において、スリップ速度ΔVFが0より大きいと判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていると推定されるので、ステップS60に移行する。
ステップS60では、切替ボックス50に対し、モータ側に電力供給可能な状態にスイッチを切り替える指令を出力した後にステップS70に移行する。
【0028】
ステップS70では、下記式のように、前輪1L、1Rの加速スリップに、設計的または実験的に求めておいた係数K1を乗じて目標モータトルクTmを算出した後に、ステップS80に移行する。これによって、後輪3L、3Rのトルクは加速スリップ量に応じたトルクに設定される。
Tm = K1 × ΔVF
ステップS80では、モータ電機子電流Ia、つまり発電機7の発電電流を検出し、続いてステップS90にてモータの回転速度Nmを検出してステップS100に移行する。
【0029】
ステップS100では、目標モータトルクTm、モータ電機子電流Ia、及びモータ回転数Nmを変数として、マップなどに基づきモータ界磁電流を算出し、算出した界磁電流Ifmをモータ制御部8Cに出力した後に復帰する。
ここで、上記ステップS10〜ステップS30は、振替制御手段を構成する。ステップS40〜100は、電動機トルク制御手段を構成する。
【0030】
次に、エンジンコントローラ18の処理について説明する。
エンジンコントローラ18では、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づいて図8に示すような処理が行われる。
すなわち、まずステップS210で、アクセルセンサ40からの検出信号に基づいて、運転者の要求する目標出力トルクTeNを演算して、ステップS220に移行する。
【0031】
ステップS220では、スロットル開度やエンジン回転数などに基づき、現在の出力トルクTeを算出してステップS230に移行する。
ステップS230では、加速スリップがあるか否かを判定し、加速スリップが加速スリップが無いと判定すればステップS290に移行する。一方、加速スリップが有る場合にはステップS240に移行する。
【0032】
ステップS240では、加速スリップを吸収するための吸収トルクTΔFを、例えば下記式によって求めた後にステップS250に移行する。
TΔF = ΔVF × K2
ここで、K2は、実験などによって求めたゲインである。
ステップS250では、現時点でのモータトルクTmDを求めてステップS260に移行する。なお、2輪駆動状態では、モータトルクTmDはゼロである。
【0033】
ステップS260では、モータ4の駆動トルクで吸収しきれないトルク分(TΔF−TmD)だけ、現在のモータトルクよりも小さな制限出力トルクTeMを、下記式によって求め、ステップS270に移行する。
TeM = Te −(TΔF −TmD)
ステップS270では、制限出力トルクTeMが目標出力トルクTeNよりも大きいか否かを判定する。制限出力トルクTeMの方が大きいと判定した場合には、ステップS280に移行する。一方、制限出力トルクTeMの方が小さいか目標出力トルクTeNと等しければステップS290に移行する。
【0034】
ステップS280では、目標出力トルクTeNに制限出力トルクTeMを代入することで目標出力トルクTeNを増大して、ステップS290に移行する。
ステップS290では、現在の出力トルクTeに対する目標出力トルクTeNのの偏差分ΔTe′を下記式に基づき出力して、ステップS300に移行する。
ΔTe′ =TeN − Te
ステップS300では、その偏差分ΔTeに応じたスロットル開度θの変化分Δθを演算し、その開度の変化分Δθに対応する開度信号を上記ステップモータ19に出力して、復帰する。
【0035】
ここで、上記ステップS230からS280は、トラクション制御手段を構成し、この処理によって、モータ4が駆動されない状態若しくはモータ4の駆動トルクで吸収出来ないトルク分をエンジン側で吸収して上記加速スリップが低減される。なお、この上記ステップS230からS280は、モータが非駆動状態のときにのみ実施しても良い。
【0036】
次に、上記構成の装置における作用などについて説明する。
上記構成の装置にあっては、一般電装品54用のバッテリ蓄電量が50%以下であって且つ一般電装品54が作動中(バッテリ消費中)の状態中には、切替ボックス50のスイッチがバッテリ52側に切り替わって、発電機7の発電による電力がバッテリ52に供給される。これによって、確実に、ランプ類などの一般電装品54の作動を確保可能となる。
【0037】
また、車両が加速スリップしていない場合にも、電力の供給先がバッテリ52側となってバッテリ52の充電が可能となっている。
また、路面μが小さいためや運転者によるアクセルペダル17の踏み込み量が大きいなどによって、エンジン2から前輪1L、1Rに伝達されたトルクが路面反力限界トルクよりも大きくなると、つまり、主駆動輪1L、1Rである前輪1L、1Rが加速スリップすると、クラッチ12が接続され且つモータ4に電力が供給されて加速スリップに応じたモータ4の駆動力が後輪3L、3Rに伝達されることで4輪駆動状態に移行し、続いて、前輪1L、1Rに伝達される駆動トルクが、当該前輪1L、1Rの路面反力限界トルクに近づくように調整されることで、2輪駆動状態に移行する。この結果、主駆動輪である前輪1L、1Rでの加速スリップが抑えられる。
【0038】
ここで、加速スリップ状態の場合には、エンジン2の回転数も高くなり易いことから発電機7の発電量も大きくなって、モータ4の駆動トルクも大きく設定可能となるが、このモータ4の駆動トルクによっても加速スリップを吸収できない状態や、上記一般電装品54用のバッテリ蓄電量が50%以下であって且つ一般電装品54が作動中(バッテリ消費中)の状態中となって4輪駆動に移行できずに加速スリップが吸収されない状態となる可能性もある。これに対し、本実施形態では、その分エンジンのトルクが調整されることで、加速スリップが低減する。すなわち、エンジンTCS制御によって加速スリップを抑制するため、このことから大きな発電機7を備えること無く主駆動輪である前輪の加速スリップを抑制することができる。このことは、エンジンルームの容積が小さな車両においても、所謂バッテリレスモータ4WD方式の駆動装置を搭載することがより容易となる。
【0039】
以上のように、エンジンルーム内に備える発電機7は1つで済むので、エンジンルームの容積が小さな車両においても、所謂バッテリレスモータ4WD方式の駆動装置を搭載することが容易となる。
ここで、上記システムでは、前輪1L、1Rの加速スリップに応じて4輪駆動状態に移行する場合で説明したが、アクセル開度などに応じて4輪駆動状態に移行するシステムであっても適用可能である。
【0040】
また、上記実施形態では、モータ4と後輪3L、3Rとの間に減速機11及びクラッチ12を介装した構成となっているが、当該減速機11及びクラッチ12は無くても構わない。
また、上記実施形態では、切替ボックス50によって択一的に電力の供給先を切り替えているが、これに限定されない。例えば、一般電装品54用のバッテリ蓄電量が50%以下であって且つ一般電装品54が作動中(バッテリ消費中)の状態中であっても、モータ4側にも電力の一部を供給するように構成しても良い。
【0041】
また、モータの電圧とバッテリ52の電圧が同じ場合には、電圧変換器51は不要である。
また、上記実施形態では、発電機7として永久磁石式を例示しているが、界磁制御式の発電機を採用しても良い。
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
【0042】
本実施形態の基本構成は、図5に示すように、上記第1実施形態と同様であるが、発電機7が、界磁制御によってエンジン2に対する発電負荷を制御可能な場合の例である。
本実施形態の発電機7は、出力電圧Vを調整するための電圧調整器22(レギュレータ)を備え、4WDコントローラ8によって発電機制御指令値c1(デューティ比)が制御されることで、界磁電流Ifhを通じて、エンジン2に対する発電負荷トルクTh及び発電する電圧Vが制御される。すなわち、電圧調整器22は、4WDコントローラ8から発電機制御指令c1(界磁電流値)を入力し、その発電機制御指令c1に応じた値に発電機7の界磁電流Ifhを調整すると共に、発電機7の出力電圧Vを検出して4WDコントローラ8に出力可能となっている。なお、発電機7の回転数Nhは、エンジン2の回転数Neからプーリ比に基づき演算することができる。
【0043】
また、本実施形態の4WDコントローラ8は、図6に示すように、発電機制御部8A、リレー制御部8B、モータ制御部8C、クラッチ制御部8D、余剰トルク演算部8E、目標トルク制限部8F、余剰トルク変換部8G、及び切替制御手段を構成する切替SW制御部を備える。
上記発電機制御部8Aは、電圧調整器22を通じて、発電機7の発電電圧Vをモニターしながら、当該発電機7の発電機7指令値c1を出力して界磁電流Ifhを調整する。
【0044】
リレー制御部8Bは、発電機7からモータ4への電力供給の遮断・接続を制御する。
モータ制御部8Cは、モータ4の界磁電流Ifmを調整することで、当該モータ4のトルクを所要の値に調整する。
クラッチ制御部8Dは、上記クラッチ12にクラッチ制御指令を出力することで、クラッチ12の状態を制御する。
【0045】
また、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づき、余剰トルク演算部8E→目標トルク制限部8F→余剰トルク変換部8Gの順に循環して処理が行われる。
次に、余剰トルク演算部8Eでは、図7に示すような処理を行う。
すなわち、先ず、ステップS410において、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRからの信号に基づき演算した、前輪1L、1R(主駆動輪)の車輪速から後輪3L、3R(従駆動輪)の車輪速を減算することで、前輪1L、1Rの加速スリップ量であるスリップ速度ΔVFを求め、ステップS420に移行する。
【0046】
ここで、スリップ速度ΔVFの演算は、例えば、次のように行われる。
前輪1L、1Rにおける左右輪速の平均値である平均前輪速VWf、及び後輪3L、3Rにおける左右輪速の平均値である平均後輪速VWrを、それぞれ下記式により算出する。
VWf=(VWfl+VWfr)/2
VWr=(VWrl+VWrr)/2
次に、上記平均前輪速VWfと平均後輪速VWrとの偏差から、主駆動輪である前輪1L、1Rのスリップ速度(加速スリップ量)ΔVFを、下記式により算出する。
【0047】
ΔVF = VWf −VWr
ステップS420では、上記求めたスリップ速度ΔVFが所定値、例えばゼロより大きいか否かを判定する。スリップ速度ΔVFが0以下と判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていないと推定されるので、ステップS470に移行し、一方、スリップ速度ΔVFが0より大きいと判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていると推定されるので、ステップS430に移行する。
【0048】
ステップS430では、切替フラグFLG−SWに「1」を代入して、モータ側にスイッチを設定した後、ステップS440に移行する。
ステップS440では、前輪1L、1Rの加速スリップを抑えるために必要な吸収トルクTΔVFを、下記式によって演算してステップS450に移行する。この吸収トルクTΔVFは加速スリップ量に比例した量となる。
【0049】
TΔVF = K3 × ΔVF
ここで、K1は、実験などによって求めたゲインである。
ステップS450では、現在の発電機7の負荷トルクTGを、下記式に基づき演算したのち、ステップS460に移行する。
Figure 2004222443
ここで、
V :発電機7の電圧
Ia:発電機7の電機子電流
Nh:発電機7の回転数
K4:効率
K5:係数
である。
ステップS460では、下記式に基づき、余剰トルクつまり発電機7で負荷すべき目標の発電負荷トルクThを求め、復帰する。
【0050】
Th = TG + TΔVF
一方、ステップS420で前輪1L、1Rが加速スリップしていないと推定されるとステップS470に移行して切替フラグFLG−SWに「0」を代入して電力供給先をバッテリ52側に設定した後に、ステップS480に移行する。
スリップS480では、蓄電量センサ53からの信号に基づきバッテリ蓄電量が99%以下が否かを判定し、99%以下と判定した場合にはステップS490に移行し、また、99%を超える蓄電量、つまりフル充電に近い状態と判定した場合にはステップS500に移行して、目標の発電負荷トルクThにゼロを代入して復帰する。
【0051】
ステップS490では、蓄電率に応じた発電負荷トルクThを算出し、蓄電率が少ないほど上記発電負荷トルクThが大きくつまり早く充電可能に設定して復帰する。
ここで、上記ステップS410及びS420は駆動輪スリップ推定手段を構成する。
【0052】
ステップS490は、バッテリ蓄電量演算手段を構成する。なお、発電負荷トルクThがバッテリへの電力供給量に相当する。
また、上記余剰トルク演算部8Eが、発電機のトルクを制御する発電機制御手段を構成する。ここで、本実施形態の説明では、発電機7からの電力を排他的にモータ4若しくはバッテリ52に供給する構成となっているので、上記発電負荷トルクThが、スリップ分発電負荷トルク若しくは蓄電分発電負荷トルクであり、総合発電負荷トルクとなる。発電機からの電力を、モータ4とバッテリ52に振り分ける場合には、例えば、スリップ分発電負荷トルクと蓄電分発電負荷トルクとそれぞれ求め、その和を、総合発電負荷トルクとして、上記発電負荷トルクThとする。なお、両方4,52に供給する場合の配分比を一定としておいて、蓄電分発電負荷トルクを、スリップ分発電負荷トルクから演算するようにしても良い。
【0053】
次に、目標トルク制限部8Fの処理について、図8に基づいて説明する。
すなわち、まず、ステップS610で、上記目標発電負荷トルクThが、発電機7の最大負荷容量HQより大きいか否かを判定する。目標発電負荷トルクThが当該発電機7の最大負荷容量HQ以下と判定した場合には、復帰する。一方、目標発電負荷トルクThが発電機7の最大負荷容量HQよりも大きいと判定した場合には、ステップS620に移行する。なお、本実施形態にあっては、目標発電負荷トルクThが発電機7の最大負荷容量HQよりも大きくなるのは、モータ4に電力を供給する場合だけである。すなわち、目標発電負荷トルクThがスリップ分発電負荷トルクとなっている場合である。
【0054】
ステップS620では、目標の発電負荷トルクThにおける最大負荷容量HQを越える超過トルクΔTbを下記式によって求め、ステップS630に移行する。
ΔTb= Th − HQ
ステップS630では、エンジン回転数検出センサ21及びスロットルセンサからの信号等に基づいて、現在のエンジントルクTeを演算してステップS640に移行する。
【0055】
ステップS640では、下記式のように、上記エンジントルクTeから上記超過トルクΔTbを減算したエンジントルク上限値TeMを演算し、求めたエンジントルク上限値TeMをエンジンコントローラ18に出力した後に、ステップS650に移行する。
TeM =Te −ΔTb
ステップS650では、目標発電負荷トルクThに最大負荷容量HQを代入した後に、復帰する。
【0056】
次に、余剰トルク変換部8Gの処理について、図9に基づいて説明する。
この余剰トルク変換部8Gは電動機トルク制御手段を構成する。
まず、ステップS710で、FLG−SWが「1」か否か、つまり電力の供給先がモータ4側か否かを判定し、FLG−SWが「1」つまりモータ4側(このとき前輪1L、1Rが加速スリップしていると判定されている)であれば、ステップS720に移行する。一方、FLG−SWが「0」つまりバッテリ52側であればステップS760に移行する。
【0057】
ステップS720では、モータ用回転数センサ21が検出したモータ4の回転数Nmを入力し、そのモータ4の回転数Nmに応じた目標モータ界磁電流Ifmを算出し、当該目標モータ界磁電流Ifmをモータ制御部8Cに出力した後、ステップS730に移行する。
ここで、上記モータ4の回転数Nmに対する目標モータ界磁電流Ifmは、回転数Nmが所定回転数以下の場合には一定の所定電流値とし、モータ4が所定の回転数以上になった場合には、公知の弱め界磁制御方式でモータ4の界磁電流Ifmを小さくする。すなわち、モータ4が高速回転になるとモータ誘起電圧Eの上昇によりモータトルクが低下することから、上述のように、モータ4の回転数Nmが所定値以上になったらモータ4の界磁電流Ifmを小さくして誘起電圧Eを低下させることでモータ4に流れる電流を増加させて所要モータトルクを得るようにする。この結果、モータ4が高速回転になってもモータ誘起電圧Eの上昇を抑えてモータトルクの低下を抑制するため、所要のモータトルクを得ることができる。また、モータ界磁電流Ifmを所定の回転数未満と所定の回転数以上との2段階で制御することで、連続的な界磁電流制御に比べ制御の電子回路を安価にできる。
【0058】
なお、所要のモータトルクに対しモータ4の回転数Nmに応じて界磁電流Ifmを調整することでモータトルクを連続的に補正するモータトルク補正手段を備えても良い。すなわち、2段階切替えに対し、モータ回転数Nmに応じてモータ4の界磁電流Ifmを調整すると良い。この結果、モータ4が高速回転になってもモータ4の誘起電圧Eの上昇を抑えモータトルクの低下を抑制するため、所要のモータトルクを得ることができる。また、なめらかなモータトルク特性にできるため、2段階制御に比べ車両は安定して走行できるし、常にモータ駆動効率が良い状態にすることができる。
【0059】
次に、ステップS730では、上記余剰トルク演算部8Eが演算した発電負荷トルクThに基づきマップなどから対応する目標モータトルクTm(n)を算出して、ステップS740に移行する。
ステップS740では、上記目標モータトルクTm(n)及び目標モータ界磁電流Ifmを変数として、マップなどに基づき、対応する目標電機子電流Iaを求め、ステップS750に移行する。
【0060】
ステップS750では、上記目標電機子電流Iaに基づき、発電機制御指令値であるデューティ比c1を演算し出力した後に、復帰する。
一方、電力の供給先がバッテリ52側の場合には、ステップS760に移行して、上記余剰トルク演算部8Eが演算した発電負荷トルクThに基づきマップなどから対応する発電機制御指令値であるデューティ比c1を演算し出力した後に、復帰する。
【0061】
次に、切替SW制御部8Hの処理について説明する。
切替SW制御部8Hは、所定の所定のサンプリング時間毎に、図10に示すような処理が行われる。
すなわち、先ずステップS810にて、フラグFLG−SWが「1」か否かを判定し、フラグFLG−SWが「1」であれば、ステップS820にて、切替ボックスに対してスイッチをモータ側に切り替える指令を出力した後に復帰し、一方、フラグFLG−SWが「0」であれば、ステップS830にて、切替ボックスに対してスイッチをバッテリ52側に切り替える指令を出力した後に復帰する。
【0062】
次に、本実施形態におけるエンジンコントローラ18の処理について説明する。
エンジンコントローラ18では、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づいて図11に示すような処理が行われる。
すなわち、まずステップS910で、アクセルセンサ40からの検出信号に基づいて、運転者の要求する目標出力トルクTeNを演算して、ステップS920に移行する。
【0063】
ステップS920では、4WDコントローラ8から制限出力トルクTeMの入力があるか否かを判定する。入力が有ると判定するとステップS930に移行する。一方、入力が無いと判定した場合にはステップS950に移行する。
ステップS930では、制限出力トルクTeMが目標出力トルクTeNよりも大きいか否かを判定する。制限出力トルクTeMの方が大きいと判定した場合には、ステップS940に移行する。一方、制限出力トルクTeMの方が小さいか目標出力トルクTeNと等しければステップS950に移行する。
【0064】
ステップS940では、目標出力トルクTeNに制限出力トルクTeMを代入することで目標出力トルクTeNを増大して、ステップS950に移行する。
ステップS950では、スロットル開度やエンジン回転数などに基づき、現在の出力トルクTeを算出してステップS960に移行する。
ステップS960では、現在の出力トルクTeに対する目標出力トルクTeNのの偏差分ΔTe′を下記式に基づき出力して、ステップS970に移行する。
【0065】
ΔTe′ =TeN − Te
ステップS970では、その偏差分ΔTeに応じたスロットル開度θの変化分Δθを演算し、その開度の変化分Δθに対応する開度信号を上記ステップモータ19に出力して、復帰する。
ここで、ステップS920〜S940が、トラクション制御手段を構成する。なお、上記目標発電負荷トルクThが、スリップ分発電負荷トルクと蓄電分負荷トルクとの和からなる場合には、上記制限出力トルクTeMは、スリップ分発電負荷トルクの寄与分から求める。蓄電分負荷トルクは、発電機の発生可能な最大限界トルクに影響するが、車輪の加速スリップには直接影響しないからである。
【0066】
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
次に、上記構成の装置における作用などについて説明する。
路面μが小さいためや運転者によるアクセルペダル17の踏み込み量が大きいなどによって、エンジン2から前輪1L、1Rに伝達されたトルクが路面反力限界トルクよりも大きくなると、つまり、主駆動輪1L、1Rである前輪1L、1Rが加速スリップすると、クラッチ12が接続されると共に、その加速スリップ量に応じた発電負荷トルクThで発電機7が発電することで、4輪駆動状態に移行し、続いて、前輪1L、1Rに伝達される駆動トルクが、当該前輪1L、1Rの路面反力限界トルクに近づくように調整されることで、2輪駆動状態に移行する。この結果、主駆動輪である前輪1L、1Rでの加速スリップが抑えられる。
【0067】
しかも、発電機7で発電した余剰の電力によってモータ4が駆動されて従駆動輪である後輪3L、3Rも駆動されることで、車両の加速性が向上する。
このとき、主駆動輪1L、1Rの路面反力限界トルクを越えた余剰のトルクでモータ4を駆動するため、エネルギー効率が向上し、燃費の向上に繋がる。
ここで、常時、後輪3L、3Rを駆動状態とした場合には、力学的エネルギー→電気的エネルギー→力学的エネルギーと何回かエネルギー変換を行うために、変換効率分のエネルギー損失が発生することで、前輪1L、1Rだけで駆動した場合に比べて車両の加速性が低下する。このため、後輪3L、3Rの駆動は原則として抑えることが望まれる。これに対し、本実施形態では、滑り易い路面等では前輪1L、1Rに全てのエンジン2の出力トルクTeを伝達しても全てが駆動力として使用されないことに鑑みて、前輪1L、1Rで有効利用できない駆動力を後輪3L、3Rに出力して加速性を向上させるものである。
【0068】
また、加速スリップが発生していないか小さいときには、2輪駆動状態となって発電機7による発電が行われず、モータ4に対して電力の供給が行われず、当該発電機7は、エンジンの負荷となっていない。
この状態つまり、2輪駆動状態と判定されると、バッテリ52の蓄電率に応じて、上記発電機7が発電状態となり、その発電による電力が一般電装用のバッテリ52に供給されて当該バッテリ52の充電が行われる。このとき、バッテリ52の蓄電率に応じて発電機7の発電量を調整するので、必要以上に発電機7がエンジン2の負荷となることが防止されて、燃費向上に寄与する。
【0069】
これによって、一般電装用だけの発電機7を搭載する必要が無くなり、エンジンルーム内に備える発電機7は1台で済む。したがって、エンジンルームの容積が小さな小型車両であっても、所謂バッテリレスモータ4WD方式の駆動装置を搭載することが容易となる。
また、上記実施形態では、発電機7の最大容量を超える分は、エンジンTCS制御によって加速スリップを抑制するため、このことから大きな発電機7を備えること無く主駆動輪である前輪の加速スリップを抑制することができる。このことからも、エンジンルームの容積が小さな車両においても、所謂バッテリレスモータ4WD方式の駆動装置を搭載することが容易となる。
【0070】
その他の作用などについては上記第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、4輪駆動状態のときにバッテリ52の蓄電を実施しない構成となっているが、これに限定されない。例えば、バッテリ52の蓄電率が小さく且つ一般電装品54が作動中の状態の場合には、バッテリ52に供給する電力供給量を演算し、その電力分も加算した発電負荷トルクとして、発電機7が発電した電力の一部をバッテリ52側に供給するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく第1実施形態に係る概略装置構成図である。
【図2】本発明に基づく第1実施形態に係る4WDコントローラを示すブロック図である。
【図3】本発明に基づく第1実施形態に係るコントローラ本体部の処理を示す図である。
【図4】本発明に基づく第1実施形態に係るエンジンコントローラの処理を示す図である。
【図5】本発明に基づく第2実施形態に係る概略装置構成図である。
【図6】本発明に基づく第2実施形態に係る4WDコントローラを示すブロック図である。
【図7】本発明に基づく第2実施形態に係る余剰トルク演算部を示す図である。
【図8】本発明に基づく第2実施形態に係る目標トルク制限部の処理を示す図である。
【図9】本発明に基づく実施形態に係る余剰トルク変換部の処理を示す図である。
【図10】本発明に基づく第2実施形態に係る切替SW制御部の処理を示す図である。
【図11】本発明に基づく実施形態に係るエンジンコントローラの処理を示す図である。
【符号の説明】
1L、1R 前輪
2 エンジン
3L、3R 後輪
4 モータ
6 ベルト
7 発電機
8 4WDコントローラ
8A 発電機制御部
8B リレー制御部
8C モータ制御部
8D クラッチ制御部
8E 余剰トルク演算部
8F 目標トルク制限部
8G 余剰トルク変換部
8H 切替SW制御部
8X コントローラ本体部
9 電線
10 ジャンクションボックス
11 減速機
12 クラッチ
14 吸気管路
15 メインスロットルバルブ
16 サブスロットルバルブ
18 エンジンコントローラ
19 ステップモータ
20 モータコントローラ
21 エンジン回転数センサ
22 電圧調整器
23 電流センサ
26 モータ用回転数センサ
27FL、27FR、27RL、27RR
車輪速センサ
30 トランスミッション
31 ディファレンシャル・ギヤ
32 シフト位置検出手段
34 ブレーキペダル
35 ブレーキストロークセンサ
36 制動コントローラ
37FL、37FR、37RL、37RR
制動装置
40 アクセルセンサ
50 切替ボックス
51 電圧変換器
52 バッテリ
54 一般電装品
Ifh 発電機の界磁電流
V 発電機の電圧
Nh 発電機の回転数
Ia 目標電機子電流
Ifm 目標モータ界磁電流
E モータの誘起電圧
Nm モータの回転数(回転速度)
ΔNm モータの回転加速度
TG 発電機負荷トルク
Th 目標発電機負荷トルク
Tm(n) モータの現在の目標トルク
Te エンジンの出力トルク
FLG−SW 供給先切替用のフラグ

Claims (5)

  1. 主駆動輪を駆動する内燃機関と、従駆動輪を駆動可能な電動モータとを備えた車両の駆動力制御装置において、
    上記内燃機関の動力で駆動され且つ発電した電力を上記電動モータに供給可能な発電機と、車両の走行状態に応じて電動機の出力トルクを制御する電動機トルク制御手段と、ランプなどの一般電装品に電力を供給するためのバッテリと、上記発電機で発電した電力の全部若しくは一部の供給先を上記バッテリに振り替える切替手段と、
    電動機によるトルク要求が無い若しくは所定値以下と判定すると、上記切替手段を介して、発電機で発電した電力の全部若しくは一部の供給先を上記バッテリ側に変更する切替制御手段と、を備えることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 上記発電機は、界磁制御で発電負荷が制御可能なことを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。
  3. 上記バッテリの蓄電量を検出する蓄電量検出手段を備え、
    上記振替制御手段は、上記蓄電量検出手段の検出値に基づき上記バッテリの蓄電量が所定値以下と判定すると、電動機の出力トルクが所定値以上であっても、上記発電機で発電した電力の一部の供給先を上記バッテリの振り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の駆動力制御装置。
  4. 上記主駆動輪が加速スリップしているか否かを推定する駆動輪スリップ推定手段と、
    バッテリへの電力供給量若しくはその電力供給量に対応する発電負荷トルク分を演算するバッテリ蓄電量演算手段と、
    上記駆動輪スリップ推定手段の推定に基づき求めた上記主駆動輪の加速スリップ量に応じたスリップ分発電負荷トルク、及び上記バッテリ蓄電量演算手段の演算値に基づき求めたバッテリへ供給する電力に応じた蓄電分発電負荷トルクの和である総合発電負荷トルクに、上記発電機のトルクを制御する発電機制御手段と、を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載した車両の駆動力制御装置。
  5. 上記総合発電負荷トルクが発電機で発生可能な最大限界トルクを越えると判定した場合には、上記スリップ分発電負荷トルクと最大限界トルクとの差分のトルクに応じて内燃機関の出力トルクを減少させるトラクション制御手段を備えることを特徴とする請求項4に記載した車両の駆動力制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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