JP2004222349A - 昇圧回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電圧検出回路12は、入力電圧(バッテリ電圧VB)を検出し、発振回路10は、入力電圧が10Vよりも低い場合には比較的高い周波数のゲート信号g1を出力して駆動回路7の駆動能力を高め、入力電圧が10V以上である場合にはゲート信号g1の周波数を下げて駆動回路7の駆動能力が過大となるのを防止する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャージポンプ方式の昇圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
チャージポンプ回路は、ダイオードを介して複数段に設けられたコンデンサの接続状態を、例えば100kHz程度の周波数でスイッチングすることにより、コンデンサへの電荷の充電と次段のコンデンサへの電荷の移送とを順次行って昇圧するようになっている。この昇圧動作時にコンデンサに流れる急峻な充放電電流は、チャージポンプ回路の電圧入力端子を通してノイズとなって外部に放出される。
【0003】
このノイズを低減する一手段が特許文献1に開示されている。この昇圧回路は、充放電回路と補助充放電回路とを備え、昇圧回路の起動時には、充放電回路と補助充放電回路とを並列動作させ、駆動回路(ゲート回路)のドライブ能力を大きくして、コンデンサの充電時間を短縮し、他方、大きなドライブ能力を要求されない定常状態では、充放電回路を単独動作させることにより、起動時に比してドライブ能力を低下させて消費電力のロスやノイズを低減している。つまり、本手段は、起動能力を確保しつつノイズの低減を図ったものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−69747号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チャージポンプ回路が車載電子制御装置に用いられているような場合、チャージポンプ回路の入力電圧はバッテリ電圧に応じて大きく変動するという事情がある。この場合、チャージポンプ回路に所定の負荷が接続された状態で、バッテリ電圧が動作保証上の最小入力電圧(例えば4.5V)となった時であっても、チャージポンプ回路は所定の電圧値(例えば12V)以上の昇圧電圧を出力しなければならない。
【0006】
従来のチャージポンプ回路は、このような最も昇圧し辛い条件を想定して設計されているため、バッテリ電圧が標準的な範囲内(例えば12V程度)にあると昇圧能力が過大となり、発生するノイズが増大する問題がある。特に、チャージポンプ回路が車載電子制御装置に用いられている場合、上記ノイズはAM帯のラジオノイズとなるためより深刻な問題となる。
【0007】
そこで、従来は、チャージポンプ回路の入力電源ラインにリアクトルやコンデンサからなるフィルタを挿入することにより、ノイズの放出を抑制していた。しかし、ノイズを有効に遮断するためには大きなインダクタンスや静電容量が必要となるため、フィルタを構成する電子部品のサイズが大きくなり、実装上の問題が生じていた。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、入力電圧の変動にかかわらず所定の昇圧電圧を得ることができるとともに、ノイズフィルタを付加することなく発生ノイズを低減できる昇圧回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した手段によれば、ダイオード同士の共通接続点に接続された各コンデンサの他端子に、第1の電圧と第2の電圧とが交互に印加されることにより、各コンデンサへの電荷の充電と次段のコンデンサへの電荷の移送とが順次行われ、チャージポンプ方式による昇圧が行われる。この場合、駆動回路は、電圧出力端子に所定の負荷が接続された状態で電圧入力端子の電圧が所定の最小入力電圧である場合であっても、所定電圧以上に昇圧可能な最大駆動能力を備えている。このため、入力電圧が変動する場合であっても、最小入力電圧までの低下であれば、所定の昇圧電圧を得ることができる。
【0010】
そして、駆動能力調整手段は、電圧検出回路により検出された入力電圧が高いほど駆動回路の駆動能力を低下させるので、入力電圧が最小入力電圧よりも高い電圧となっても駆動回路の駆動能力が過大になることを防止でき、当該昇圧回路からのノイズ発生量を低減することができる。本手段は、発生したノイズを除去するのではなく、ノイズの発生自体を抑えるものであり、従来用いていたようなフィルタを付加する必要がない。
【0011】
請求項2に記載した手段によれば、駆動能力調整手段は、検出電圧が高いほど、各コンデンサの他端子の接続状態を切り替える際のスイッチング周波数を下げる。スイッチング周波数が下がると、駆動回路の駆動能力が抑制されてノイズ量が低減することに加え、ノイズの高調波成分が全体的に低周波数側にシフトするため、ノイズの主要な周波数成分を例えばラジオのAM帯からずらすことができ、車載電子制御装置などにおいてラジオノイズについて大きな低減効果が得られる。
【0012】
請求項3に記載した手段によれば、駆動能力調整手段は、検出電圧が高くなるのに応じてスイッチング周波数を段階的に低下させるため、ディジタル回路として構成し易くなるなどの利点がある。
【0013】
請求項4に記載した手段によれば、駆動能力調整手段は、検出した入力電圧が所定のしきい値以上であるかどうかに応じてスイッチング周波数を2段階に調整する。本手段によれば、駆動能力調整手段の回路構成が比較的簡単となり、従来の昇圧回路に対して追加的な適用が容易となる。
【0014】
請求項5に記載した手段によれば、駆動能力調整手段は、検出電圧に応じてスイッチング周波数を連続的に調整するので、入力電圧にかかわらず常に駆動回路の駆動能力を必要最小限に調整することが可能となる。
【0015】
請求項6に記載した手段によれば、一対のFETを介して各コンデンサの他端子に与えられる第1、第2の電圧はそれぞれ入力電圧、グランド電圧となる。この場合、FETは同一導電型(例えばNチャネル型)を用いているため、電圧入力端子側のFETがオンするには入力電圧よりもFETのしきい値電圧以上高いゲート電圧が必要となる。本手段では、このゲート電圧として当該昇圧回路自身が生成した昇圧電圧を用いているので、別に昇圧回路を設ける必要がなく、回路構成を簡単化できる。
【0016】
請求項7に記載した手段によれば、電圧入力端子から各コンデンサに至る充電経路に介在するダイオードの数を実質的に減らすことができ、昇圧開始前に入力電圧により各コンデンサに充電される初期電圧を高めることができる。その結果、昇圧開始時において、電圧入力端子側のFETに対してより高いゲート電圧を与えることができるため、その分低い入力電圧からFETのオンオフ動作ひいては昇圧回路の昇圧動作を行うことができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。
図1は、チャージポンプ回路の電気的構成を示している。このチャージポンプ回路1(昇圧回路に相当)は、例えば車両に搭載された電子制御装置において、ハイサイドスイッチとして機能するNチャネル型MOSトランジスタM1のゲート電圧を生成するために用いられるものである。チャージポンプ回路1のうち後述するコンデンサC1〜C4を除く回路部分は、図示しない制御用ICの一部として構成されている。
【0018】
チャージポンプ回路1の入力端子2(電圧入力端子に相当)、入力端子3には、図示しないバッテリの正極端子、負極端子からイグニッションスイッチなどを介してバッテリ電圧VBが印加されるようになっている。この入力電圧であるバッテリ電圧VBの公称電圧は12Vであるが、バッテリの使用期間、使用状態、車両の状態などにより大きく変化する。
【0019】
チャージポンプ回路1の出力端子4(電圧出力端子に相当)には、上記トランジスタM1のゲートが接続されている。トランジスタM1のドレインにはバッテリ電圧VBが印加されるようになっており、ソースと出力端子5との間にはソレノイド6が接続されるようになっている。なお、図1では、チャージポンプ回路1の負荷として1つのトランジスタM1のみを示しているが、実際には複数のNチャネル型MOSトランジスタのゲートが接続されている。
【0020】
このチャージポンプ回路1は、出力端子4に負荷としてのトランジスタM1等が接続された状態で、入力電圧(バッテリ電圧VB)が最小入力電圧である4.5Vにまで低下しても、所定電圧例えば(VB+8V)に近い出力電圧(昇圧電圧Vo)を出力できるような最大能力を有している。
【0021】
さて、入力端子2と出力端子4との間には、入力端子2側をアノードとしてダイオードD1、D2、D3、D4が直列に接続されている。そして、ダイオードD1とD2との共通接続点、ダイオードD2とD3との共通接続点、ダイオードD3とD4との共通接続点をそれぞれノードNa、Nb、Ncとすれば、入力端子2とノードNbとの間、入力端子2とノードNcとの間に、それぞれ入力端子2側をアノードとしてダイオードD5、D6が接続されている。ノードNa、Nb、Ncには、それぞれコンデンサC1、C2、C3の各一端子が接続されており、これらコンデンサC1、C2、C3の各他端子には、駆動回路7により所定電圧が与えられるようになっている。なお、出力端子4、5間には平滑用のコンデンサC4が接続されている。
【0022】
駆動回路7は以下のように構成されている。すなわち、入力端子2に繋がる電源線8と入力端子3に繋がる電源線9(グランド線)との間には、Nチャネル型MOSトランジスタM2とM3およびM4とM5がそれぞれ直列に接続されている。トランジスタM2のソースとトランジスタM3のドレインとの共通接続点であるノードNdは、上記コンデンサC1、C3の各他端子に接続されており、トランジスタM4のソースとトランジスタM5のドレインとの共通接続点であるノードNeは、上記コンデンサC2の他端子に接続されている。
【0023】
トランジスタM2のゲートと電源線9との間には、Nチャネル型MOSトランジスタM6が接続されており、さらにトランジスタM2のゲートは抵抗R1を介して上記ノードNbに接続されている。同様に、トランジスタM4のゲートと電源線9との間には、Nチャネル型MOSトランジスタM7が接続されており、さらにトランジスタM4のゲートは抵抗R2を介して上記ノードNcに接続されている。ここで、トランジスタM2、M3、M6および抵抗R1により駆動回路7aが構成され、トランジスタM4、M5、M7および抵抗R2により駆動回路7bが構成される。
【0024】
トランジスタM3とM6のゲートは共通に接続されており、後述する発振回路10からゲート信号g1が与えられるようになっている。同様に、トランジスタM5とM7のゲートも共通に接続されており、ゲート信号g1をインバータ11により反転したゲート信号g2が与えられるようになっている。駆動回路7で用いられるトランジスタM2〜M7(スイッチング素子に相当)は、高耐圧を有するパワーMOSFETである。
【0025】
電圧検出回路12は、入力端子2、3間の入力電圧(バッテリ電圧VB)を分圧した検出電圧Vbを出力する回路である。発振回路10(駆動能力調整手段に相当)は、検出電圧Vbに基づいてゲート信号g1の周波数を2段階に切り替えるもので、具体的には図2に示す電気的構成となっている。すなわち、コンパレータ13は、基準電圧Vref を抵抗R3、R4で分圧して得た切替基準電圧Va(しきい値に相当)と上記検出電圧Vbとを比較するようになっており、分周回路15は、CR発振回路14から出力されるクロックをコンパレータ13の出力電圧レベルに応じて分周したゲート信号g1を出力するようになっている。
【0026】
このチャージポンプ回路1は昇圧電圧Voについてオープンループ制御であるため、昇圧電圧Voが過大になる虞がある。そこで、電源線8と出力端子4との間には、8VのツェナーダイオードD7とダイオードD8と抵抗R5との直列回路からなるクランプ回路16が接続されている。
【0027】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、チャージポンプ回路1の基本動作について説明する。車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオンされるなどして入力端子2、3間にバッテリ電圧VBが印加されると、コンデンサC1〜C4に初期電荷が充電される。このとき、コンデンサC1へはダイオードD1を介して充電され、コンデンサC2へはダイオードD5を介して充電され、コンデンサC3へはダイオードD6を介して充電される。すなわち、ダイオードD5、D6を設けたことにより、コンデンサC2の電圧(ノードNbの電圧)およびコンデンサC3の電圧(ノードNcの電圧)はともにVB−Vf(Vf:ダイオードの順方向電圧)となり、ダイオードD5、D6を設けない従来構成に比べVfまたは2・Vfだけ高い初期電圧を得ることができる。
【0028】
これは、本実施形態ではノードNb、Ncの電圧をそれぞれトランジスタM2、M4のゲート電圧として用いているため、昇圧開始時においてより高いゲート電圧を確保して、バッテリ電圧VBが最小入力電圧(4.5V)であってもトランジスタM2、M4を確実にオン駆動できるように工夫したものである。
【0029】
駆動回路7において、ゲート信号g1により駆動されるトランジスタM2、M3、M6とゲート信号g2により駆動されるトランジスタM4、M5、M7とは相補的に動作する。また、トランジスタM3とM6がオンするとトランジスタM2がオフとなり、同様にトランジスタM5とM7がオンするとトランジスタM4がオフとなる。つまり、トランジスタM2とM3およびトランジスタM4とM5はそれぞれ相補的に動作する。発振回路10内のCR発振回路14がクロックの発振を開始して、ゲート信号g1の出力を開始した後の動作は以下のようになる。なお、入力電圧(バッテリ電圧VB)が本発明でいう第1の電圧に相当し、グランド電圧が本発明でいう第2の電圧に相当する。
【0030】
▲1▼ トランジスタM3、M4:オン、トランジスタM2、M5:オフ
入力端子2から電源線8、ダイオードD1、コンデンサC1、トランジスタM3、電源線9、入力端子3を介して充電電流が流れ、コンデンサC1が充電される。
【0031】
▲2▼ トランジスタM3、M4:オフ、トランジスタM2、M5:オン
入力端子2から電源線8、トランジスタM2、コンデンサC1、ダイオードD2、コンデンサC2、トランジスタM5、電源線9、入力端子3を介して充電電流が流れ、コンデンサC1の充電電荷がダイオードD2を通して次段のコンデンサC2に移される。この過程で昇圧が行われる。
【0032】
▲3▼ トランジスタM3、M4:オン、トランジスタM2、M5:オフ
入力端子2から電源線8、トランジスタM4、コンデンサC2、ダイオードD3、コンデンサC3、トランジスタM3、電源線9、入力端子3を介して充電電流が流れ、コンデンサC2の充電電荷がダイオードD3を通して次段のコンデンサC3に移される。この過程でも昇圧が行われる。
【0033】
すなわち、チャージポンプ回路1の昇圧電圧Voは、出力電流をIout 、ゲート信号g1、g2の周波数(スイッチング周波数に相当)をf、コンデンサC1〜C4の容量をCとすれば、次の(1)式で示すようになる。
【0034】
ここで、第1項は上述の▲2▼、▲3▼の昇圧動作によるもので、第2項はダイオードD1の順方向電圧のロスで、第3項は出力電流Iout による電圧低下分を表している。この(1)式をさらに一般化すると、昇圧段数をN、一段あたりのスイング電圧をVφとして次の(2)式のようになる。スイング電圧Vφとは、本発明でいう第1の電圧と第2の電圧との差電圧である。
【0035】
これら(1)式、(2)式によれば、昇圧電圧Voは、昇圧段数Nおよびバッテリ電圧VB(スイング電圧Vφ)に比例して増加し、出力電流Iout が増加し周波数fが下がるほど低下することが分かる。
【0036】
さて、発振回路10内のコンパレータ13は、検出電圧Vbと切替基準電圧Vaとを常時比較している。切替基準電圧Vaは、バッテリ電圧VBの10Vに相当する電圧に設定されており、コンパレータ13は、バッテリ電圧VBが10Vよりも低下するとLレベルを出力し、バッテリ電圧VBが10V以上になるとHレベルを出力する。
【0037】
分周回路15は、コンパレータ13の出力レベルがLレベルになると、分周比を小さく設定して比較的高い周波数f1(第1の周波数に相当、一例として100kHz)のゲート信号g1を出力する。周波数f1は、バッテリ電圧VBが最小入力電圧である4.5Vにまで低下しても、12Vの昇圧電圧Voを出力できる最大能力が得られるような周波数である。この場合、コンデンサC1〜C4に流れる急峻な充放電電流が大きくなるとともに周波数f1の主要な高調波成分がラジオのAM帯(530kHz〜1620kHz)と重なるため、ラジオノイズは低減されない。しかしながら、バッテリ電圧VBが10Vよりも低下した状態は、通常の車両使用時にはほとんど生じないため、ラジオノイズが増加したとしても車両の利用者に与える影響は小さい。
【0038】
これに対し、分周回路15は、コンパレータ13の出力レベルがHレベルになると、分周比を大きく設定して比較的低い周波数f2(第2の周波数に相当、一例として数十kHz)のゲート信号g1を出力する。周波数f2は、バッテリ電圧VBが10Vの時に、所定電圧であるVB+8V=18Vの昇圧電圧Voを出力できる能力が得られるような周波数である。この場合、コンデンサC1〜C4に流れる急峻な充放電電流は小さくなるとともに、周波数f2の主要な高調波成分がラジオのAM帯から低周波数側にずれるため、ラジオノイズは減少する。通常の車両使用時においては、バッテリ電圧VBは10Vよりも高いため、利用者はクリアな音でラジオの音声を聞くことができるようになる。
【0039】
なお、バッテリ電圧VBが高くなるに従って昇圧電圧VoはVB+8Vを超えてさらに上昇する。しかし、昇圧電圧VoがほぼVB+9Vに達するとクランプ回路16に電流が流れてそれ以上の電圧上昇が抑えられるので、チャージポンプ回路1の構成部品および出力端子4に繋がるトランジスタM1等の耐圧を超える昇圧電圧Voが生成されることはない。
【0040】
以上説明したように、本実施形態のチャージポンプ回路1は、入力電圧(バッテリ電圧VB)を検出し、その入力電圧の大きさが所定のしきい値である10V以上になるとトランジスタM2〜M7のスイッチング周波数を下げて駆動回路7の駆動能力を低下させるので、チャージポンプ回路1から外部に放出されるノイズ量を低減できる。また、ノイズの周波数帯が低周波側にシフトするため、ノイズの主要な周波数成分をラジオのAM帯からずらすことができ、ラジオノイズについても大きな低減効果が得られる。
【0041】
このチャージポンプ回路1は、発生したノイズを除去するのではなく、ノイズの発生自体を抑えるものである。このため、従来用いていたようなリアクトルやコンデンサからなるフィルタを付加する必要がなくなり、小型化、低コスト化が図られる。また、入力電圧が10V未満になって昇圧能力が不足する場合には、トランジスタM2〜M7のスイッチング周波数を上げるため、所定電圧であるVB+8Vの昇圧電圧Voを出力することができる。
【0042】
さらに、上述したように駆動回路7の駆動能力を2段階に調整しあるいはフィルタ構成部品を削除することにより、チャージポンプ回路1での電力損失を低減でき、従来よりも効率を高める効果も得られる。また、従来構成に対し新たに追加する電圧検出回路12および発振回路10内のコンパレータ13や分周回路15は、回路規模が小さくIC化またはディスクリートでの付加が容易であるため、従来構成からの回路変更が容易となる。
【0043】
本実施形態で用いた駆動回路7においては、全てNチャネル型のMOSトランジスタを用いているので、チップ面積およびオン抵抗の面で有利である。また、自ら昇圧した電圧をゲート電圧として利用しているので、別に昇圧回路を設ける必要がなく回路構成を簡単化できる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図3および図4を参照しながら説明する。
図3は、チャージポンプ回路の電気的構成を示すもので、図1と同一構成部分には同一符号を付して示している。このチャージポンプ回路17の駆動回路18は、コンデンサC1、C3の他端子を駆動するための駆動回路18a1、18a2と、コンデンサC2の他端子を駆動するための駆動回路18b1、18b2とを有している。ここで、駆動回路18a1、18b1は、それぞれ図1に示す駆動回路7a、7bと同一回路であって、便宜上符号を付け替えたものである。
【0045】
駆動回路18a2は、駆動回路18a1と同様の回路形態を持ち、電源線8、9間に直列接続されたトランジスタM8、M9、トランジスタM8のゲートと電源線9との間に接続されたトランジスタM12、およびトランジスタM8のゲートとノードNbとの間に接続された抵抗R6から構成されている。駆動回路18b2も、同様にして電源線8、9間に直列接続されたトランジスタM10、M11、トランジスタM10のゲートと電源線9との間に接続されたトランジスタM13、およびトランジスタM10のゲートとノードNcとの間に接続された抵抗R7から構成されている。
【0046】
駆動制御回路19a(駆動能力調整手段に相当)は、後述する電圧検出回路20からの切替信号ScがLレベルの場合にあっては、ゲート信号g1をゲート信号g3、g4としてトランジスタM9、M12に対し出力し、切替信号ScがHレベルの場合にあっては、ゲート信号g3をLレベル、ゲート信号g4をHレベルとする。一方、駆動制御回路19b(駆動能力調整手段に相当)も、切替信号ScがLレベルの場合にあっては、ゲート信号g2をゲート信号g5、g6としてトランジスタM11、M13に対し出力し、切替信号ScがHレベルの場合にあっては、ゲート信号g5をLレベル、ゲート信号g6をHレベルとする。
【0047】
発振回路21は、CR発振回路を備えており、その発振周波数は一定(例えば100kHz)である。電圧検出回路20は、図4に示すように、入力端子2、3間の電圧を分圧して検出する抵抗R8、R9と、切替基準電圧Vaを生成するための抵抗R10、R11と、検出電圧と切替基準電圧Vaとを比較するコンパレータ22とから構成されている。
【0048】
本実施形態におけるスイッチング周波数、トランジスタM2〜M13のトランジスタサイズ等は、後述する駆動能力(昇圧特性)を満足するような値に設定されている。例えばトランジスタサイズを調整することにより、駆動回路18a1、18a2、18b1、18b2の各駆動能力、ひいては駆動回路18a1と18a2との能力比、駆動回路18b1と18b2との能力比を所望する値に設定することができる。
【0049】
次に、本実施形態の作用について説明する。
入力電圧であるバッテリ電圧VBが10Vよりも低下すると、電圧検出回路20はLレベルの切替信号Scを出力する。この場合、トランジスタM3、M6、M9、M12にはゲート信号g1が与えられ、トランジスタM5、M7、M11、M13にはゲート信号g2が与えられる。このため、駆動回路18a1と18a2および駆動回路18b1と18b2はそれぞれ並列動作を行い、最大駆動能力によりコンデンサC1〜C3の充放電動作を行う。その結果、より大きな充放電電流を流すことが可能となり、バッテリ電圧VBが最小入力電圧である4.5Vにまで低下しても、12Vの昇圧電圧Voを出力できるようになる。
【0050】
これに対し、バッテリ電圧VBが10V以上になると、電圧検出回路20はHレベルの切替信号Scを出力する。この場合、トランジスタM8、M9、M10、M11がオフとなり、駆動回路18a2と18b2は駆動動作を停止する。このため、駆動回路18a1と18b1のみがそれぞれ単独で駆動動作を行い、上記最大駆動能力に比べて低い駆動能力によりコンデンサC1〜C3の充放電動作を行う。この駆動能力は、バッテリ電圧VBが10Vの時に、所定電圧であるVB+8V=18Vの昇圧電圧Voを出力できるような駆動能力である。
【0051】
本実施形態によれば、駆動回路18a1と18a2および駆動回路18b1と18b2をそれぞれ並列動作させるモードと駆動回路18a1および18b1を単独動作させるモードとを備え、入力されたバッテリ電圧VBに応じて両動作モードを切り替えることにより、駆動回路18の駆動能力を調整するようになっている。従って、バッテリ電圧VBが最小入力電圧(4.5V)以上であればほぼVB+8Vの所定の昇圧電圧Voを出力できるとともに、バッテリ電圧VBが上昇した場合にはコンデンサC1〜C3の充放電電流を抑制して、発生するノイズ量を低減することができる。その結果、第1の実施形態と同様に、小型化、低コスト化、高効率化などが図られる。
【0052】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
チャージポンプ回路1、17は、車載電子制御装置に限られず、昇圧電圧を必要とする他の装置にも適用可能である。
各コンデンサの他端子に与える第1の電圧と第2の電圧は、入力電圧(バッテリ電圧VB)とグランド電圧に限られない。
スイッチング素子は、FETに限らずバイポーラトランジスタやIGBTであっても良い。
【0053】
第1の実施形態で示したスイッチング周波数を可変する手段と、第2の実施形態で示した駆動装置の動作モードを切り替える手段とを組み合わせても良い。また、第1の実施形態において、入力電圧に応じてスイッチング周波数fを3段階以上に切り替えるように構成しても良い。また、入力電圧に応じてスイッチング周波数fを連続的に変化させるように構成しても良い。切り替える段階数を増やしあるいは連続的に変化させることにより、駆動回路の駆動能力を必要最小限の値に近づけることができ、発生ノイズを一層低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すチャージポンプ回路の電気的構成図
【図2】発振回路の電気的構成図
【図3】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図4】電圧検出回路の電気的構成図
【符号の説明】
1、17はチャージポンプ回路(昇圧回路)、2は入力端子(電圧入力端子)、4は出力端子(電圧出力端子)、7、7a、7b、18、18a1、18a2、18b1、18b2は駆動回路、10は発振回路(駆動能力調整手段)、12、20は電圧検出回路、19a、19bは駆動制御回路(駆動能力調整手段)、M2〜M13はMOSトランジスタ(FET、スイッチング素子)、D1〜D6はダイオード、C1〜C4はコンデンサである。
Claims (7)
- 電圧入力端子と電圧出力端子との間に同一の極性で直列に接続された複数のダイオードと、
前記ダイオード同士が接続された各接続点に対し各一端子が接続された複数のコンデンサと、
前記各コンデンサの他端子に第1の電圧と第2の電圧とを交互に印加するものであって、前記電圧出力端子に所定の負荷が接続された状態で前記電圧入力端子の電圧が所定の最小入力電圧である場合に、前記電圧出力端子の電圧が所定電圧以上となるような最大駆動能力を備えた駆動回路と、
前記電圧入力端子の電圧を検出する電圧検出回路と、
前記検出電圧が高いほど前記駆動回路の駆動能力を低下させる駆動能力調整手段とを備えていることを特徴とする昇圧回路。 - 前記駆動回路は、前記各コンデンサの他端子の接続状態を切り替えるスイッチング素子を備えて構成され、
前記駆動能力調整手段は、前記検出電圧が高いほど前記スイッチング素子のスイッチング周波数を下げるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の昇圧回路。 - 前記駆動能力調整手段は、前記検出電圧に応じて前記スイッチング周波数を段階的に調整するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の昇圧回路。
- 前記駆動能力調整手段は、前記検出電圧が所定のしきい値未満である場合にあっては、前記駆動回路が前記最大駆動能力を有するように前記スイッチング周波数を第1の周波数に設定し、前記検出電圧が所定のしきい値以上である場合にあっては、前記スイッチング周波数を前記第1の周波数よりも低い第2の周波数に設定するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の昇圧回路。
- 前記駆動能力調整手段は、前記検出電圧に応じて前記スイッチング周波数を連続的に調整するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の昇圧回路。
- 前記駆動回路は、互いに相補動作を行う同一導電型のFETが前記電圧入力端子とグランド端子との間に前記各コンデンサの他端子を挟んで直列に接続された形態を有し、前記電圧入力端子側のFETは自ら昇圧した電圧をゲート電圧として動作するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の昇圧回路。
- 前記電圧入力端子と前記ダイオード同士の共通接続点との間に、前記ダイオードと同一極性となるように更にダイオードが接続されていることを特徴とする請求項6記載の昇圧回路。
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