JP2004221982A - 映像信号処理回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、映像信号中の微小な変化部分を拡大することができ、しかも映像信号中の大きな変化部分が拡大されすぎるのを抑制することができる映像信号処理回路を提供することを目的とする。
【解決手段】差分データを注目画素の画素データに加算する手段、加算出力データと、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して予め設定された所定のデータ範囲とを比較し、加算出力データが所定のデータ範囲の上限を越えているときには、加算出力データを所定のデータ範囲の上限値に置き換え、加算出力データが所定のデータ範囲の下限未満であるときには、加算出力データを所定のデータ範囲の下限値に置き換える手段を備えている。
【選択図】 図4
【解決手段】差分データを注目画素の画素データに加算する手段、加算出力データと、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して予め設定された所定のデータ範囲とを比較し、加算出力データが所定のデータ範囲の上限を越えているときには、加算出力データを所定のデータ範囲の上限値に置き換え、加算出力データが所定のデータ範囲の下限未満であるときには、加算出力データを所定のデータ範囲の下限値に置き換える手段を備えている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、映像信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号処理回路にA/D変換器を用いたディスプレイ装置では、A/D変換器の量子化ビット数に応じて、再現できる映像信号のとりうる範囲(ダイナミックレンジ)が決定される。
【0003】
このダイナミックレンジを等価的に拡張する手段として、A/D変換器への入力映像信号レベルがダイナミックレンジに対して小さい場合、可変ゲインアンプによって出力映像信号の振幅を変化させる技術がある。この例を図1に示す。
【0004】
図1において、輝度信号Yは、可変ゲインアンプ101に入力される。可変ゲインアンプ101の出力は、A/D変換器103に送られて、nビットのデジタル信号に変換される。A/D変換器103から出力されるデジタル信号は、解像度変換回路(スケーラー)104によって解像度変換が行われた後に、LCD、PDP、DLP等の表示パネル105に送られる。
【0005】
可変ゲインアンプ101のゲインは、最大値検出回路102から出力されるゲインコントロール信号によって制御される。最大値検出回路102は、映像信号の最も大きな部分の電圧をホールドし、A/D変換のダイミックレンジの最大値に対応する所定の電圧と比較する。そして、その差分値に基づいて、ゲインコントロール信号を生成する。
【0006】
図2は、最大値検出回路2の一例を示している。
【0007】
輝度信号Yの最大値は、ダイオード111によってコンデンサ112に保持される。コンデンサ111に保持された電圧は、電池114によって与えられるA/D変換のダイナミックレンジの最大値に対応する所定の電圧と、第1の差動増幅器113によって比較される。第1の差動増幅器113の出力は、第2の差動増幅器115に送られる。第2の差動増幅器115の出力がゲインコントロール信号となる。
【0008】
コンデンサ111に保持された電圧がA/D変換のダイナミックレンジの最大値に対応する所定の電圧より大きい場合には、ゲインコントロール信号電圧が下がり、コンデンサ111に保持された電圧がA/D変換のダイナミックレンジの最大値に対応する所定の電圧より小さい場合には、ゲインコントロール信号電圧が上がる。可変ゲインアンプ101のゲインは、ゲインコントロール信号電圧に比例するように制御される。
【0009】
したがって、A/D変換器103のダイナミックレンジに相当する振幅をもった映像信号がA/D変換器103に供給されるようになる。
【0010】
上記のような技術を用いた映像信号処理回路においては、入力映像信号が動画の映像信号である場合には、信号中の最も振幅の大きな部分が変化すると、それ以外の部分も連動して振幅が変化するため、随時、明るさが変化する。このため、入力映像信号中に振幅が変化しない部分があっても、信号中の最も振幅の大きな部分が変化すると、入力映像信号では変化しない部分においても表示画面上では明るさが変動してしまう。この結果、入力映像信号を忠実に再現できないという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、映像信号中の微小な変化部分を拡大することができ、しかも映像信号中の大きな変化部分が拡大されすぎるのを抑制することができる映像信号処理回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、入力映像信号をデジタルデータに変換するA/D変換器を備えた映像信号処理回路において、注目画素の左右の両側部分の画素データの平均値である左右両側平均値を算出する第1手段、注目画素の画素データと左右両側平均値との差分データを算出する第2手段、第2手段によって算出された差分データが大きい場合に、上記差分データを減衰させる第3手段、第3手段によって得られた差分データを、注目画素の画素データに加算する第4手段、ならびに第4手段によって得られた加算出力データと、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して予め設定された所定のデータ範囲とを比較し、加算出力データが所定のデータ範囲の上限を越えているときには、加算出力データを所定のデータ範囲の上限値に置き換え、加算出力データが所定のデータ範囲の下限未満であるときには、加算出力データを所定のデータ範囲の下限値に置き換える第5手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の映像信号処理回路において、第5手段における所定のデータ範囲は、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して100%を越える所定の第1の比率を掛けた値を上限値とし、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して100%未満の所定の第2の比率を掛けた値を下限値としたデータ範囲であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1乃至2に記載の映像信号処理回路において、第3手段は、黒側への差分データに対する減衰効果に比べて、白側への差分データに対する減衰効果が高くなるような入出力特性を有していることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図3〜図7を参照して、この発明を液晶表示装置の映像信号処理回路に提供した場合の実施の形態について説明する。
【0016】
図3は、液晶表示装置に設けられた映像信号処理回路の構成を示している。
【0017】
輝度信号Yは、アンプ1に入力される。アンプ1の出力は、A/D変換器2に送られて、デジタル信号に変換される。A/D変換器2から出力されるデジタル信号は、ダイナミックレンジ拡張回路3に送られる。ダイナミックレンジ拡張回路3は、映像の微小な変化を拡大することにより、視覚的なダイナミックレンジを拡張するものである。ダイナミックレンジ拡張回路3の構成および動作については後述する。
【0018】
ダイナミックレンジ拡張回路3から出力される信号は、解像度変換回路(スケーラー)4に送られて、解像度変換が行われる。解像度変換回路4から出力される信号は、LCDパネル5に送られる。
【0019】
図4は、ダイナミックレンジ拡張回路3の構成を示している。
【0020】
ダイナミックレンジ拡張回路3は、フィルタ(FILTER)31、第1のリミッタ(LIMITER)32、加算器33および第2のリミッタ(LIMITER)34から構成されている。
【0021】
A/D変換器2から出力されるデジタルデータがダイナミックレンジ拡張回路3に、Yin として入力する。このデジタルデータYin は、フィルタ31、加算器33および第2のリミッタ34に入力される。
【0022】
フィルタ31は、Yin 信号の高周波成分を取り出す。フィルタ31は、隣接4タップ平均(AV4)と隣接2タップ平均(AV2)とでBPF特性を作っている。つまり、注目画素のY信号をY(n)とし、注目画素の左隣の画素の信号をY(n−1)とし、そのさらに左隣の信号をY(n−2)とし、注目画素の右隣の画素の信号をY(n+1)とし、そのさらに右隣の信号をY(n+2)とし、注目画素のY信号に対するフィルタ31の出力をFoutとすると、Foutは次式(1)で表される。
【0023】
AV2 ={Y(n−1)+Y(n+1) }/2
AV4 ={Y(n−2)+Y(n−1)+Y(n+1)+Y(n+2) }/4
Fout=Y(n)−(AV4−AV2)
【0024】
Fout は、「Y(n)−(AV4)」で構成したハイパスフィルター特性から、「Y(n)−(AV2)」で構成したハイパスフィルター特性を減算することによって、BPF 特性を得ている。これは、一般的には、映像信号には、ノイズが含まれており、これを強調しないようにするためである。特に、1タップ単位のドット状ノイズには効果がある。従って、ノイズが十分に小さい映像信号であれば、「Fout=Y(n)−(AV4)」としてもよい。
【0025】
フィルタ31によって取り出された高周波成分は、第1のリミッタ32に送られる。第1のリミッタ32は、フィルタ31によって取り出された高周波成分に対して振幅制限を行い、高周波成分のうち大きな振幅の成分を減衰させる。この処理により、映像信号中の細かい変化のみを抽出することができるようになる。
【0026】
図5は、第1のリミッタ32の入出力特性を示している。図5では、入力信号が10ビット幅(0〜1023)であることを前提としている。
【0027】
図5に示すように、この例では、第1のリミッタ32の入力信号のプラス側(白側)とマイナス側(黒側)とにおいて、第1のリミッタ32の特性の傾斜と変局点とが異なっている。この例では、第1のリミッタ32の入力信号がマイナス側(黒側)である場合には、第1のリミッタ32の入力信号がプラス側(白側)である場合に比べて、振幅制限の効果が少なくなるようにしている。これは、人間の視覚特性によって、白のピークは認識されやすく目立つが、黒のピークは認識されにくく目立ちにくいからである。
【0028】
第1のリミッタ32によって振幅制限が行われた高周波成分は加算器33に送られる。加算器33では、原信号(注目画素のデータ)に振幅制限が行われた高周波成分が加算される。
【0029】
図6にYin で示すように、映像信号のステップ状の変化部分が入力されたとする。図6において、直線(AV4−AV2) は、注目画素の隣接4タップ平均(AV4)と注目画素の隣接2タップ平均(AV2)との差(AV4−AV2) を表している。また、図6において、折れ線{Yin−(AV4−AV2) }は、注目画素のデータYin と(AV4−AV2) との差分値{Yin−(AV4−AV2) }を表している。
【0030】
元の映像信号Yin に、差分値{Yin−(AV4−AV2) }をそのまま加算すると、図6の右側にYaで示すように、両エッジ部分に大きな偽輪郭が発生してしまう。
【0031】
そこで、偽輪郭の振幅を減衰させるために、上記第1のリミッタ32によって、差分値{Yin−(AV4−AV2) }の振幅を制限しているのである。たとえば、差分値{Yin−(AV4−AV2) }のプラス側(白側)の振幅が制限されたとすると、図6にYbで示すように、プラス側(白側)の偽輪郭の振幅が低減せしめられる。
【0032】
加算器33の出力(加算出力データ)は、第2のリミッタ34に送られる。ところで、表示機器のガンマ特性、明るさ、さらに原信号の低域周波数をも含めた原信号の振幅と加算出力データとの振幅比により、第1のリミッタ32によって振幅制限が行われた高周波成分を、映像信号の輝度の高い部分に加算した場合には視覚的に補正量が小さく見え、逆に映像信号の輝度の低い部分に加算した場合には視覚的に補正量が目立って見える。
【0033】
そこで、第2のリミッタ34では、原信号(注目画素のデータ)Y(n)の輝度レベルに対して、加算出力データが注目画素データY(n)に対して白側の補正が行われているものである場合には、Y(n)の+3%が上限となるように加算出力データの振幅を制限し、加算出力データが注目画素データY(n)に対して黒側の補正が行われているものである場合には、Y(n)の−6%が下限となるように加算出力データの振幅を制限する。第2のリミッタ34の特性を図7に示す。
【0034】
第2のリミッタ34の処理を具体的に説明する。
【0035】
まず、加算出力データと注目画素データY(n)とを比較する。加算出力データが注目画素データY(n)以上である場合には、つまり、白側の補正が行われている場合には、加算出力データが注目画素データY(n)の103%を越えているか否かを判別する。加算出力データが注目画素データY(n)の103%を越えている場合には、加算出力データを注目画素データY(n)の103%に補正する。加算出力データが注目画素データY(n)の103%以下である場合には、加算出力データをそのまま出力する。
【0036】
加算出力データが注目画素データY(n)未満である場合には、つまり、黒側の補正が行われている場合には、加算出力データが注目画素データY(n)の94%未満であるか否かを判別する。加算出力データが注目画素データY(n)の94%未満である場合には、加算出力データを注目画素データY(n)の94%に補正する。加算出力データが注目画素データY(n)の94%以上である場合には、加算出力データをそのまま出力する。
【0037】
上記実施の形態によれば、不自然なピークや輪郭を目立たないようにしながら、映像信号中の微小な変化を大きくすることができ、従来では見えにくい信号の変化が大きくなり、視覚的なダイナミックレンジを拡張することができる。
【0038】
【発明の効果】
この発明によれば、映像信号中の微小な変化部分を拡大することができ、しかも映像信号中の大きな変化部分が拡大されすぎるのを抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A/D変換器への入力映像信号レベルがダイナミックレンジに対して小さい場合、可変ゲインアンプによって出力映像信号の振幅を変化させる技術を利用したて従来の信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の最大値検出回路の構成例を示す電気回路図である。
【図3】液晶表示装置に設けられた映像信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図4】ダイナミックレンジ拡張回路3の構成を示すブロック図である。
【図5】第1のリミッタ32の入出力特性を示すグラフである。
【図6】第1のリミッタ32の作用を説明するための模式図である。
【図7】第2のリミッタ34の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 アンプ
2 A/D変換器
3 ダイナミックレンジ拡張回路
4 解像度変換回路
5 LCDパネル
31 フィルタ
32 第1のリミッタ
33 加算器
34 第2のリミッタ
【発明の属する技術分野】
この発明は、映像信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号処理回路にA/D変換器を用いたディスプレイ装置では、A/D変換器の量子化ビット数に応じて、再現できる映像信号のとりうる範囲(ダイナミックレンジ)が決定される。
【0003】
このダイナミックレンジを等価的に拡張する手段として、A/D変換器への入力映像信号レベルがダイナミックレンジに対して小さい場合、可変ゲインアンプによって出力映像信号の振幅を変化させる技術がある。この例を図1に示す。
【0004】
図1において、輝度信号Yは、可変ゲインアンプ101に入力される。可変ゲインアンプ101の出力は、A/D変換器103に送られて、nビットのデジタル信号に変換される。A/D変換器103から出力されるデジタル信号は、解像度変換回路(スケーラー)104によって解像度変換が行われた後に、LCD、PDP、DLP等の表示パネル105に送られる。
【0005】
可変ゲインアンプ101のゲインは、最大値検出回路102から出力されるゲインコントロール信号によって制御される。最大値検出回路102は、映像信号の最も大きな部分の電圧をホールドし、A/D変換のダイミックレンジの最大値に対応する所定の電圧と比較する。そして、その差分値に基づいて、ゲインコントロール信号を生成する。
【0006】
図2は、最大値検出回路2の一例を示している。
【0007】
輝度信号Yの最大値は、ダイオード111によってコンデンサ112に保持される。コンデンサ111に保持された電圧は、電池114によって与えられるA/D変換のダイナミックレンジの最大値に対応する所定の電圧と、第1の差動増幅器113によって比較される。第1の差動増幅器113の出力は、第2の差動増幅器115に送られる。第2の差動増幅器115の出力がゲインコントロール信号となる。
【0008】
コンデンサ111に保持された電圧がA/D変換のダイナミックレンジの最大値に対応する所定の電圧より大きい場合には、ゲインコントロール信号電圧が下がり、コンデンサ111に保持された電圧がA/D変換のダイナミックレンジの最大値に対応する所定の電圧より小さい場合には、ゲインコントロール信号電圧が上がる。可変ゲインアンプ101のゲインは、ゲインコントロール信号電圧に比例するように制御される。
【0009】
したがって、A/D変換器103のダイナミックレンジに相当する振幅をもった映像信号がA/D変換器103に供給されるようになる。
【0010】
上記のような技術を用いた映像信号処理回路においては、入力映像信号が動画の映像信号である場合には、信号中の最も振幅の大きな部分が変化すると、それ以外の部分も連動して振幅が変化するため、随時、明るさが変化する。このため、入力映像信号中に振幅が変化しない部分があっても、信号中の最も振幅の大きな部分が変化すると、入力映像信号では変化しない部分においても表示画面上では明るさが変動してしまう。この結果、入力映像信号を忠実に再現できないという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、映像信号中の微小な変化部分を拡大することができ、しかも映像信号中の大きな変化部分が拡大されすぎるのを抑制することができる映像信号処理回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、入力映像信号をデジタルデータに変換するA/D変換器を備えた映像信号処理回路において、注目画素の左右の両側部分の画素データの平均値である左右両側平均値を算出する第1手段、注目画素の画素データと左右両側平均値との差分データを算出する第2手段、第2手段によって算出された差分データが大きい場合に、上記差分データを減衰させる第3手段、第3手段によって得られた差分データを、注目画素の画素データに加算する第4手段、ならびに第4手段によって得られた加算出力データと、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して予め設定された所定のデータ範囲とを比較し、加算出力データが所定のデータ範囲の上限を越えているときには、加算出力データを所定のデータ範囲の上限値に置き換え、加算出力データが所定のデータ範囲の下限未満であるときには、加算出力データを所定のデータ範囲の下限値に置き換える第5手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の映像信号処理回路において、第5手段における所定のデータ範囲は、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して100%を越える所定の第1の比率を掛けた値を上限値とし、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して100%未満の所定の第2の比率を掛けた値を下限値としたデータ範囲であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1乃至2に記載の映像信号処理回路において、第3手段は、黒側への差分データに対する減衰効果に比べて、白側への差分データに対する減衰効果が高くなるような入出力特性を有していることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図3〜図7を参照して、この発明を液晶表示装置の映像信号処理回路に提供した場合の実施の形態について説明する。
【0016】
図3は、液晶表示装置に設けられた映像信号処理回路の構成を示している。
【0017】
輝度信号Yは、アンプ1に入力される。アンプ1の出力は、A/D変換器2に送られて、デジタル信号に変換される。A/D変換器2から出力されるデジタル信号は、ダイナミックレンジ拡張回路3に送られる。ダイナミックレンジ拡張回路3は、映像の微小な変化を拡大することにより、視覚的なダイナミックレンジを拡張するものである。ダイナミックレンジ拡張回路3の構成および動作については後述する。
【0018】
ダイナミックレンジ拡張回路3から出力される信号は、解像度変換回路(スケーラー)4に送られて、解像度変換が行われる。解像度変換回路4から出力される信号は、LCDパネル5に送られる。
【0019】
図4は、ダイナミックレンジ拡張回路3の構成を示している。
【0020】
ダイナミックレンジ拡張回路3は、フィルタ(FILTER)31、第1のリミッタ(LIMITER)32、加算器33および第2のリミッタ(LIMITER)34から構成されている。
【0021】
A/D変換器2から出力されるデジタルデータがダイナミックレンジ拡張回路3に、Yin として入力する。このデジタルデータYin は、フィルタ31、加算器33および第2のリミッタ34に入力される。
【0022】
フィルタ31は、Yin 信号の高周波成分を取り出す。フィルタ31は、隣接4タップ平均(AV4)と隣接2タップ平均(AV2)とでBPF特性を作っている。つまり、注目画素のY信号をY(n)とし、注目画素の左隣の画素の信号をY(n−1)とし、そのさらに左隣の信号をY(n−2)とし、注目画素の右隣の画素の信号をY(n+1)とし、そのさらに右隣の信号をY(n+2)とし、注目画素のY信号に対するフィルタ31の出力をFoutとすると、Foutは次式(1)で表される。
【0023】
AV2 ={Y(n−1)+Y(n+1) }/2
AV4 ={Y(n−2)+Y(n−1)+Y(n+1)+Y(n+2) }/4
Fout=Y(n)−(AV4−AV2)
【0024】
Fout は、「Y(n)−(AV4)」で構成したハイパスフィルター特性から、「Y(n)−(AV2)」で構成したハイパスフィルター特性を減算することによって、BPF 特性を得ている。これは、一般的には、映像信号には、ノイズが含まれており、これを強調しないようにするためである。特に、1タップ単位のドット状ノイズには効果がある。従って、ノイズが十分に小さい映像信号であれば、「Fout=Y(n)−(AV4)」としてもよい。
【0025】
フィルタ31によって取り出された高周波成分は、第1のリミッタ32に送られる。第1のリミッタ32は、フィルタ31によって取り出された高周波成分に対して振幅制限を行い、高周波成分のうち大きな振幅の成分を減衰させる。この処理により、映像信号中の細かい変化のみを抽出することができるようになる。
【0026】
図5は、第1のリミッタ32の入出力特性を示している。図5では、入力信号が10ビット幅(0〜1023)であることを前提としている。
【0027】
図5に示すように、この例では、第1のリミッタ32の入力信号のプラス側(白側)とマイナス側(黒側)とにおいて、第1のリミッタ32の特性の傾斜と変局点とが異なっている。この例では、第1のリミッタ32の入力信号がマイナス側(黒側)である場合には、第1のリミッタ32の入力信号がプラス側(白側)である場合に比べて、振幅制限の効果が少なくなるようにしている。これは、人間の視覚特性によって、白のピークは認識されやすく目立つが、黒のピークは認識されにくく目立ちにくいからである。
【0028】
第1のリミッタ32によって振幅制限が行われた高周波成分は加算器33に送られる。加算器33では、原信号(注目画素のデータ)に振幅制限が行われた高周波成分が加算される。
【0029】
図6にYin で示すように、映像信号のステップ状の変化部分が入力されたとする。図6において、直線(AV4−AV2) は、注目画素の隣接4タップ平均(AV4)と注目画素の隣接2タップ平均(AV2)との差(AV4−AV2) を表している。また、図6において、折れ線{Yin−(AV4−AV2) }は、注目画素のデータYin と(AV4−AV2) との差分値{Yin−(AV4−AV2) }を表している。
【0030】
元の映像信号Yin に、差分値{Yin−(AV4−AV2) }をそのまま加算すると、図6の右側にYaで示すように、両エッジ部分に大きな偽輪郭が発生してしまう。
【0031】
そこで、偽輪郭の振幅を減衰させるために、上記第1のリミッタ32によって、差分値{Yin−(AV4−AV2) }の振幅を制限しているのである。たとえば、差分値{Yin−(AV4−AV2) }のプラス側(白側)の振幅が制限されたとすると、図6にYbで示すように、プラス側(白側)の偽輪郭の振幅が低減せしめられる。
【0032】
加算器33の出力(加算出力データ)は、第2のリミッタ34に送られる。ところで、表示機器のガンマ特性、明るさ、さらに原信号の低域周波数をも含めた原信号の振幅と加算出力データとの振幅比により、第1のリミッタ32によって振幅制限が行われた高周波成分を、映像信号の輝度の高い部分に加算した場合には視覚的に補正量が小さく見え、逆に映像信号の輝度の低い部分に加算した場合には視覚的に補正量が目立って見える。
【0033】
そこで、第2のリミッタ34では、原信号(注目画素のデータ)Y(n)の輝度レベルに対して、加算出力データが注目画素データY(n)に対して白側の補正が行われているものである場合には、Y(n)の+3%が上限となるように加算出力データの振幅を制限し、加算出力データが注目画素データY(n)に対して黒側の補正が行われているものである場合には、Y(n)の−6%が下限となるように加算出力データの振幅を制限する。第2のリミッタ34の特性を図7に示す。
【0034】
第2のリミッタ34の処理を具体的に説明する。
【0035】
まず、加算出力データと注目画素データY(n)とを比較する。加算出力データが注目画素データY(n)以上である場合には、つまり、白側の補正が行われている場合には、加算出力データが注目画素データY(n)の103%を越えているか否かを判別する。加算出力データが注目画素データY(n)の103%を越えている場合には、加算出力データを注目画素データY(n)の103%に補正する。加算出力データが注目画素データY(n)の103%以下である場合には、加算出力データをそのまま出力する。
【0036】
加算出力データが注目画素データY(n)未満である場合には、つまり、黒側の補正が行われている場合には、加算出力データが注目画素データY(n)の94%未満であるか否かを判別する。加算出力データが注目画素データY(n)の94%未満である場合には、加算出力データを注目画素データY(n)の94%に補正する。加算出力データが注目画素データY(n)の94%以上である場合には、加算出力データをそのまま出力する。
【0037】
上記実施の形態によれば、不自然なピークや輪郭を目立たないようにしながら、映像信号中の微小な変化を大きくすることができ、従来では見えにくい信号の変化が大きくなり、視覚的なダイナミックレンジを拡張することができる。
【0038】
【発明の効果】
この発明によれば、映像信号中の微小な変化部分を拡大することができ、しかも映像信号中の大きな変化部分が拡大されすぎるのを抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A/D変換器への入力映像信号レベルがダイナミックレンジに対して小さい場合、可変ゲインアンプによって出力映像信号の振幅を変化させる技術を利用したて従来の信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の最大値検出回路の構成例を示す電気回路図である。
【図3】液晶表示装置に設けられた映像信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図4】ダイナミックレンジ拡張回路3の構成を示すブロック図である。
【図5】第1のリミッタ32の入出力特性を示すグラフである。
【図6】第1のリミッタ32の作用を説明するための模式図である。
【図7】第2のリミッタ34の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 アンプ
2 A/D変換器
3 ダイナミックレンジ拡張回路
4 解像度変換回路
5 LCDパネル
31 フィルタ
32 第1のリミッタ
33 加算器
34 第2のリミッタ
Claims (3)
- 入力映像信号をデジタルデータに変換するA/D変換器を備えた映像信号処理回路において、
注目画素の左右の両側部分の画素データの平均値である左右両側平均値を算出する第1手段、
注目画素の画素データと左右両側平均値との差分データを算出する第2手段、
第2手段によって算出された差分データが大きい場合に、上記差分データを減衰させる第3手段、
第3手段によって得られた差分データを、注目画素の画素データに加算する第4手段、ならびに
第4手段によって得られた加算出力データと、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して予め設定された所定のデータ範囲とを比較し、加算出力データが所定のデータ範囲の上限を越えているときには、加算出力データを所定のデータ範囲の上限値に置き換え、加算出力データが所定のデータ範囲の下限未満であるときには、加算出力データを所定のデータ範囲の下限値に置き換える第5手段、
を備えていることを特徴とする映像信号処理回路。 - 第5手段における所定のデータ範囲は、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して100%を越える所定の第1の比率を掛けた値を上限値とし、注目画素の画素データに対応する入力映像信号レベルに対して100%未満の所定の第2の比率を掛けた値を下限値としたデータ範囲であることを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理回路。
- 第3手段は、黒側への差分データに対する減衰効果に比べて、白側への差分データに対する減衰効果が高くなるような入出力特性を有していることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の映像信号処理回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003007389A JP2004221982A (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | 映像信号処理回路 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=32897508
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2003
- 2003-01-15 JP JP2003007389A patent/JP2004221982A/ja active Pending
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