JP2004221571A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好なシリコン系の半導体を、より大面積に高速かつ均一な成膜をすることができ、堆積膜に欠陥がなく、高機能で高品質の薄膜を形成することができるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】 VHF高周波電力を高周波電極3に供給してプラズマを生起するプラズマ処理装置であって、高周波電極3の反応空間12に接する面以外の電極面と接地電位の導体との間に、高周波電極3の中心に対して対称となるように、容量素子5’と誘導素子6とを直列接続したインピーダンス整合器を配する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波放電を利用したプラズマ処理装置に係り、主にシリコン系の非結晶半導体や結晶系半導体の製造に用いられるプラズマCVD装置、プラズマエッチング装置等のプラズマ処理装置に関する。
従来、プラズマを用いたプラズマCVD装置やプラズマエッチング装置等のプラズマ処理装置においては、一般的に13.56MHzの高周波プラズマが利用されている。
そうした前記プラズマ処理装置は反応室を有し、該反応室内に高周波電極が配置され、この高周波電極に整合回路を介してケーブル等により高周波電力が供給される。しかしながら、このような従来のプラズマ処理装置では、高周波電極と対向電極である接地電極の電極間に形成される容量、及び高周波電極と高周波電極周辺の接地電位の部材や真空容器の壁との間に形成される容量が、高周波電極に形成される。さらに電極構造によってはセラミックの絶縁部材等が採用され、無視できない高周波電極の容量を形成することがある。これらの容量はプラズマインピーダンスの抵抗と等価的に並列に接続される事になりプラズマインピーダンスの値が下がりかつ容量性負荷となる為、電力伝送には伝送電流が増える事になりケーブル等でジュール熱の発生があり、損失を増す。
上述したような問題点を解決するについて提案がなされている。例えば、特許文献1には、真空容器内の電極に給電ケーブルを介して供給される高周波電力によってプラズマを発生させるプラズマ発生装置において、プラズマインピーダンスの容量及び高周波電極と真空容器の壁面等の接地電位部材の間に形成される容量を打ち消す手段をとして、高周波電極に給電ケーブルとは別に先端をLCの直列共振回路で短絡した可変長の同軸管を誘導性スタブとして使用することが開示されている。
また、特許文献2には、高周波電極と該電極周辺の接地電位の部材や、真空容器の壁面との間に形成される容量を小さくする方法として、並行平板高周波電極の周囲のうち、接地電位にない電極と該電極および該電極の周囲の接地電位の導体のいずれからも絶縁された、容量を小さくする為の金属板を、少なくとも1枚挿入した電極構造を有するプラズマ処理装置が提案されている。この特許文献2に記された提案によると、高周波電極と対向電極を除いた周囲導体との間の容量を減少させ、しかも不要部分での放電、プラズマの発生を防ぐ効果が得られている。
特開平4−237940号公報 特公平1−19254号公報
近年、13.56MHzの高周波プラズマを用いたプラズマ処理装置によって、シリコン系の非結晶薄膜や結晶系薄膜の高速成膜が試みられている。しかし、13.56MHz程度のHF領域の高周波プラズマは、高速成膜化を図る上でプラズマエネルギーが小さい為、良質な非結晶系薄膜や結晶系薄膜の堆積速度は、数Å/sec程度、又はそれ以下である。
高い成膜速度を得るためには、主として、プラズマの密度を高めることが必要で、そのためにはVHF帯以上の高周波の大電力を高周波電極へ供給することが必要である。
シリコン系の非結晶薄膜や結晶系薄膜等の半導体を用いたディスプレイや太陽電池といった大面積製品の生産性を改善するには、これまで以上の良好なシリコン系の非結晶薄膜や結晶系薄膜等の半導体を大面積に高速で成膜することが必要である。そのためには、13.56MHzのいわゆるHF帯より、よりエネルギーの高い周波数帯を用いることが必要で、マイクロ波やVHF帯のプラズマを用いた高速成膜化の研究が試みられているが、このような研究によりVHF帯以上の高周波の大電力を、大面積の高周波電極全域に、均一に供給し、さらなる高密度の均一なプラズマを実現することが必須である。
しかしながら、大面積に均一な堆積膜を形成する為には、高周波電極もそれ以上に大きくなる。少なくともVHF帯の高周波領域においては、特許文献1の方法は、VHF帯の高周波電力を、給電ケーブルを介して高周波電極に給電することは、ジュール損失が大きいばかりか、インダクタンス成分が大きすぎて、高周波電極面の電界分布を不均一にし、プラズマを生起することさえ難しい。よって、VHF帯の高周波プラズマを均一でかつ大面積に生起させることはできない。VHF帯以上の高周波領域においては、13.56MHzの高周波に比べエネルギーが高く、かつ高周波電極を分布定数回路として考える必要があり、高周波電極への給電位置および高周波電極の容量を低減するインピーダンス整合器をどのような構造で高周波電極にどのように配置するかを考慮しなければ、大面積での均一プラズマを得ることはできないのみならず、大面積に均一な膜を高速で形成する事は不可能である。
また、VHF帯の高周波に対する大面積の高周波電極の容量は、特許文献2に記載の方法では、十分に打ち消す事が困難であり、VHF帯の大電力供給は、高周波電力導入部の過熱や破損を招く場合がる。
このように、特許文献1及び2の方法では、大面積高周波電極にVHF帯の高周波電力を供給し、良質な薄膜を大面積に均一にさらに高速に形成する上で不十分である。
本発明は、上記の事情に鑑みて創案されたものであり、その目的は、良好なシリコン系の非結晶薄膜や結晶系薄膜等の半導体を、より大面積に高速かつ均一な成膜をすることができ、堆積膜に欠陥がなく、高機能で高品質の薄膜を形成することができるプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的を達成する、本発明のプラズマ処理装置は、内部に反応空間を有する真空容器を備え、前記反応空間は、前記真空容器内に対向して設けられた接地電極と高周波電極との間に形成されていて、前記高周波電極にVHF電力を供給することで前記反応空間内に曝される面とは異なる側の前記高周波電極の面と、少なくとも前記真空容器の周囲壁の一部を包含する接地電位の導体との間に、容量素子と誘導素子とを直列に配設し、かつ前記容量素子及び前記誘導素子が前記高周波電極の中心に対して対称となるインピーダンス整合器を配設したことを特徴とする。
また、前記インピーダンス整合器は、高周波電極と直流電位的に絶縁された導電体プレートを前記高周波電極の電極面に平行に配設し、前記導電体プレートと接地電位の導体との間に誘導素子を挿入することが好ましい。
さらに、前記高周波電極の反応空間に接する面と反対側の面が大気圧であって、該反対側の面と前記接地電位の導体との間に、前記インピーダンス整合器を直列にして配設することが好ましい。
そして、前記インピーダンス整合器が、前記高周波電極に対して平行に可動することが好ましい。
また、前記インピーダンス整合器を、複数個有することが好ましい。
本発明によれば、良好なシリコン系の非結晶薄膜や結晶系薄膜等の半導体を、より大面積に高速かつ均一な成膜をすることができ、堆積膜に欠陥がなく、高機能で高品質の薄膜を形成することができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は本実施形態に限るものではない。
図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7及び図8は、本発明に係るプラズマ処理装置の種々の例を示す模式図である。図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7及び図8において、1は真空容器、2は接地電極、3は高周波電極、4は基板加熱ヒータ、5は導電体プレート、6は誘導素子、7はインピーダンス整合器、8は排気手段、9はシールドケース、10はマッチングボックス、11は高周波電源、12は反応空間、13はガス噴出し穴、14固定金具、15は絶縁体、16はシールド管、17は絶縁体、18はガス供給手段である。
尚、導電体プレート5は、高周波電極3との関係において容量素子5’として機能する役割をなす。
図1及び図2に示したプラズマ処理装置では、真空容器1内に、高周波電力を供給する平板状の高周波電極3と、これに対向する接地電極2とを有し、高周波電極3と絶縁体15と真空容器1で減圧雰囲気を構成し、高周波電極3と接地電極2との間に反応空間12を構成した。そして、高周波電極3の反応空間12とは反対の裏面側は、大気側となる。さらに、高周波電極3の反応空間12とは反対の裏面となる高周波電極3の中心に高周波電力を給電し、高周波電極3と高周波電極3とほぼ平行に配置した導電体プレート5とで構成した容量素子5’と、誘導素子6とを直列に配設し、かつ容量素子5’及び誘導素子6が前記高周波電極の中心に対して対称となるインピーダンス整合器を配設した。そして、高周波電極裏面からの高周波電力の放出を遮蔽するシールドケース9に、複数個の誘導素子6の端部を固定金具14で短絡し接地したものである。
図1のプラズマ処理装置はインピーダンス整合器7を1ユニットで構成したものである。図2のプラズマ処理装置は、インピーダンス整合器7を2ユニットで構成し、それぞれインピーダンスの調整を可能にしている。また、インピーダンス整合器7を多数ユニットで構成し、高周波電極3のインピーダンスをさらに細かく調整することも可能である。
ここで、インピーダンス整合器とその動作について詳細を述べる。図7は、インピーダンス整合器の詳細図で、(a)は側面図、(b)は下面図である。また、図6は、図1のプラズマ処理装置における、インピーダンス整合器7の動作図で、図7のインピーダンス整合器が配設されている。
図7のインピーダンス整合器は、高周波電極3の裏面側に導電体プレート5を配設し、高周波電極3と導電体プレート5が容量結合する事により容量素子5’が形成され、容量素子5’の容量は、高周波電極3と導電体プレート5の間隔に依存する。さらに導電体プレートに4本の棒状の誘導素子6を接続し、反対部分を接地電位のシールドケース9に短絡接地される。この誘導素子6のインダクタンスは、導電体プレート5からシールドケース9の短絡位置までの誘導素子6の長さLに依存する。
そして、高周波電力は高周波電極3の裏面の中心に給電され、上記のインピーダンス整合器7は、高周波電極3の中心に対して対称に配設されている。このインピーダンス整合器7を上下させると、それに連動して容量素子5’の容量と、誘導素子6のインダクタンスが変化する。
また、このインピーダンス整合器7は、マッチングボックス10から電気回路としてみれば、高周波電極3の容量と並列に接続される事になり高周波電極3の容量と並列共振回路を形成する。そしてこのインピーダンス整合器7を上下させて並列共振点に整合させると、高周波電極3の容量は、打消され無限大の抵抗とみなされる。そして、高周波電極3のインピーダンスは、ほぼプラズマによる抵抗成分となり、高周波電極3の無効電流が減少し、マッチングボックス10から高周波電極3の間の高周波電力導入経路のジュール損失が低減される。
ここで、VHF帯の電力を供給する場合、高周波電極3は分布定数回路とみなされ、インピーダンス整合器7を高周波電極3の中心に対して、非対称に配設すると、VHF電力は高周波電極面で偏りを生じる。そのため、このインピーダンス整合器7を電極中心に対して対称に配設して、高周波電極の容量の偏りを無くしている。
図6のプラズマ処理装置では、ガス供給手段18からガスを箱状の高周波電極3に供給し、該高周波電極3の表面に空けられた多数のガス噴出し穴13から反応空間にガスを供給する。そして、高周波電極裏面中心に給電された電力でプラズマが生起され、高周波電極のインピーダンスは、インピーダンス整合器を図6のように上下に移動させて、反応空間の発光強度が強くなるようにインピーダンス整合器の位置を調整する。さらに、接地電極2を兼ねた又は支持された図5(a)、(b)に示す金属基板やガラス基板などに、薄膜を堆積させて、膜厚分布等を確認しながら、インピーダンス整合器の位置を調整する。
また、材料ガス供給は、高周波電極3表面以外に、反応空間12の周辺から行っても良い。プラズマ処理後のガスは反応空間12の周辺の排気手段8により排出される。
さらに、図1及び図2のプラズマ処理装置は、高周波電極3の裏面側が大気になっているため、インピーダンス整合器7と高周波電極3及びシールドケース9などの接地電位部材との間で、異常放電は発生しない。
また、図3及び図4のプラズマ処理装置では、インピーダンス整合器7の誘導素子6は、真空容器1の外部に突き出したシールド管16内と、さらにその外側が大気側に配設されている。そして、高周波電極3及びインピーダンス整合器7の大半が減圧雰囲気中にあり、インピーダンス整合器7は、高周波電極3に対して直流電位的に絶縁し、インピーダンス整合器7と高周波電極3及びシールドケース9などの接地電位部材との隙間は、絶縁体で埋める又は、放電の起こらない3mm以下の隙間で構成する。そして、高周波電極3と導電体プレート5との間で構成した容量素子5’と、棒状の誘導素子6とを直列接続したインピーダンス整合器7とを、図3では高周波電極3の反応空間と反対の裏面側へ、図4は高周波電極の側面の両側へ、高周波電極中心に対して対称に配設したものである。そして、大気側に配設された外側の管が摺動する接地電位のシールド管16に、誘導素子6の端部を固定金具14で短絡し接地したものである。
図8に、図3のインピーダンス整合器の詳細図を示す。高周波電極3と高周波電極3に平行に挿入された導電体プレート5が容量結合され容量素子5’が構成され、導電体プレート5に誘導素子6が接続されている。また、外側のシールド管16の一方の端が接地された内側のシールド管16に、外側のシールド管16の他方の端が誘導素子6に、ばね状の板などで短絡され、電気的に接地されている。そして、外側のシールド管が上下に移動し、誘導素子6の長さLが可変され、インダクタンスの値が調整される。これにより、高周波電極3の容量成分を打ち消すようにインピーダンス整合をとることが可能になる。
上記記載の方法により、高周波電極3に供給する高周波電力を効率よく均一にプラズマに供給でき、高周波電極の給電部等の異常放電や加熱、破壊等のない極めて生産性の高い大面積に均一なプラズマ処理装置を提供できる。
また、高周波電極3に供給する高周波電力の周波数、反応空間圧力、電極間隔、材料ガスを適切に調整することにより、大面積での高速成膜が可能となり、高品質の堆積膜を形成することができる。
次に、本発明に係るプラズマ処理装置を創案するに至った経緯とともに、本発明について補足説明する。
プラズマの密度を高め、高い成膜速度を得るためには、VHF帯の高周波電力を効率良く高周波電極を介して材料ガスに供給し、材料ガスを分解し、大量のラジカルを生成することが必要である。
本発明者等は、図1に示すプラズマ処理装置において、高周波電極3の反応空間に接する面と反対側の大気側面(裏面)のほぼ全域に、平行に導電体プレート5を配設することで、高周波電極3と導電体プレート5とを容量結合させた容量素子5’を構成し、導電体プレート5に棒状の誘導素子6を接続したインピーダンス整合器7を、高周波電極3のインピーダンスが電極中心に対して対称になるように高周波電極3とシールドケース9との間に配し、固定金具14で誘導素子6の一方をシールドケース9に電気的に接地して構成し、プラズマの強度について検証を行った。
プラズマ発光強度は、接地電極2の上面から光ファイバーとプラズマ発光分光器を用いて測定した。
高周波電極3とシールドケース9との間に配したインピーダンス整合器7を上下させて、高周波電極3と導電体プレート5の間に形成される容量素子5’と誘導素子6との定数を適当な値に調整すると、プラズマ発光強度が大きく変化することを確認した。さらに、プラズマ発光強度は、均一になることを発見した。
これは、電極面が単に抵抗成分をもつだけではなく、容量成分、誘導成分を並列にもつ分布定数回路となっているからで、直列の容量素子と誘導素子とを配する電極の場所が非対称であると、高周波電極を流れる電流が不均一な流れとなり、プラズマの均一性に影響を与えることになるからである。
このように、本発明者等が提案するプラズマ処理装置は、平板状の高周波電極3を用い、電極中心に対して対称となるように、容量素子5’と誘導素子6とを直列接続したインピーダンス整合器7を、高周波電極3の反応空間に接する電極面を除く電極面と接地導体間に配して構成し、高周波電極3の容量成分とインピーダンス整合器7の誘導成分とで並列共振が生じるように、インピーダンス整合器7を調整して、マッチングボックス10と高周波電極3の間に流れる無効電流を大幅に減少させることによって、VHF帯の大電力を反応空間の全面の高周波電極、さらに材料ガスやプラズマに効率良く安定に供給できるものである。
また、反応空間のプラズマを均一化し、薄膜の堆積速度、膜特性の分布を改善することができ、本発明のプラズマ処理装置を用いた堆積膜形成方法は、高周波プラズマを用いる堆積膜形成方法に有効であるが、特にVHF帯の周波数においてその効果は、絶大である。
すなわち、本発明によれば、高周波電極3の反応空間12に面する電極面を除く電極面と、シールドケースなどの接地電位の部材との間に、高周波電極の中心に対して対称になるように、容量素子と誘導素子を直列接続したインピーダンス整合器を配することより、大面積の反応空間に分布の良い高密度のプラズマを得ることができる。さらに、高周波電極への大電力供給による誘電損失が減少できるため、特にVHF帯以上の高周波を用いた大電力プラズマを実現することができる。
また、本発明に係るプラズマ処理装置を用いて堆積膜形成方法を実施することにより、VHF帯の高周波電力により、大面積反応空間で成膜速度を高速化することができ、これまで以上の良好な非結晶系及び結晶系のシリコン膜を形成することが可能となる。
さらに、スパッタ装置及びエッチング装置への展開も可能であり、大面積の高速プラズマ処理装置を実現することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限るものではない。
〔実施例1〕
図1は、実施例1のプラズマ処理装置を示す模式図である。
図1に示すように、プラズマ処理装置の高周波電極3の裏面を大気に開放し、前記高周波電極の全周及び裏面全域を接地されたシールドケース9により包囲し、さらに前記高周波電極3上面に略平行に接地電極2を配置している。
また、前記高周波電極3に平行に導電体プレート5を設け容量素子5’を構成し、さらに導電体プレート5にφ16mmの棒状の誘導素子6を導電体プレートの中心に対して対称に4本設置したインピーダンス整合器7の誘導素子6の一端をシールドケース9に固定金具14により接地し、前記高周波電極3の容量成分と並列接続となるように構成している。
ここで、導電体プレート5に棒状の誘導素子6を取り付けたインピーダンス整合器7を上下させることにより、インピーダンス値を変えて、電極3の容量成分と並列共振を起こさせるように調整する。
上記の構成のプラズマ処理装置を用いて、プラズマの生起及び広がりについて確認した。
プラズマ反応空間12は、540mm×890mm、高周波電極3のサイズは、500mm×850mmとした。プラズマ反応空間12には、H2ガス1000sccmをガス噴出し穴13からフローした。そして、反応空間12内の圧力を266Paに維持した。
そして、VHF60MHzの3kWの高周波電力を、高周波電極3に印加し、プラズマの強さと広がりを愛宕物産製のプラズマ発光分光器MAX3000を用いて接地電極2の上面から15点を測定し確認した。
その結果を図9に示す。図9において、横軸は高周波電極の位置を、縦軸は、プラズマ発光強度を示す。ここで、座標(X,Y)の(0,0)は高周波電極の中心位置である。図示するように、プラズマの発光強度分布は±10%となり、反応空間の全域においてもムラのない発光強度の強い安定なプラズマが得られ、電力導入部の加熱や異常放電も無く、良好な結果となった。
〔実施例2〕
図3は、実施例2のプラズマ処理装置を示す模式図である。
図3に示すように、本実施例では、高周波電極3の裏面に絶縁体17を挟んで導電体プレート5を配置し、さらに前記導電体プレート5にφ16mmの棒状の誘導素子6を電極中心に対して対称に2本配置し、真空容器1の外部でシールド管16を上下させて、インダクタンスを調整するように構成した。
上記の構成のプラズマ処理装置を用いて、プラズマの強さと広がりについて、プラズマ発光分光器を用いて接地電極2の上面から電極中心に9点を測定し確認した。
プラズマ反応空間は510mm×510mm、高周波電極サイズは500mm×500mmとした。プラズマ反応空間には、H2ガス1000sccmをガス噴出し穴13からフローした。
電極間隔を10mm、VHF100MHzの高周波電力2kWを高周波電極3に印加し、反応空間12の圧力を133Paで、愛宕物産製のプラズマ発光分光器MAX3000を用いてプラズマ発光強度と広がりを確認した。
その結果を図10に示す。図10において、横軸は高周波電極の位置を、縦軸は、プラズマ発光強度である。ここで、座標(X,Y)の(0,0)は高周波電極の中心位置である。図示するように、プラズマの発光強度分布は±6%となり、反応空間全域でムラのない発光強度の高い安定放電が得られ、電力導入部の加熱や異常放電も無く、良好な結果となった。
〔実施例3〕
本実施例は、図5(b)に示したような構造を有する基板支持部材を接地電極として使用する以外は、実施例1に記述したものと本質的に同じ構造を有するプラズマ処理装置を使用して、前記基板支持部材により支持した7059ガラス基板からなる基板上に、アモルファスシリコン薄膜を形成し、その薄膜の膜厚から堆積速度及び堆積速度分布を調べた。
まず、反応空間12は、高周波電極3と前記7059ガラス基板の表面の間隔を10mmに構成し、実施例1と同様にして、インピーダンス整合器の位置を、反応空間12に生起するプラズマ強度が最大となるように上下させて調整し固定した。
次に、真空容器を0.1Pa以下に排気し、Arガスをフローし、反応空間12の圧力を133Paに保持して、7059ガラス基板を基板加熱ヒーター4で200℃に加熱した。
次に、Arガスを排気した後、SiH4ガス1000sccm、H2ガス1000sccmをフローして、反応空間12の圧力を266Paに保持した。その後、VHF60MHz、2KWの高周波電力を高周波電極3に印加し、5分間薄膜を形成した。
図11は、実施例3における堆積速度分布を示す説明図である。ここで、図11内のX軸は、高周波電極の長手方向、Y軸は高周波電極の幅方向を表し、図11の横軸は高周波電極3の長手方向の位置、縦軸は薄膜の堆積速度である。また、堆積速度分布は、高周波電極の反応空間12に面した前記7059ガラス基板に堆積した膜厚を高周波電極3の位置に対する21点について測定し、その堆積速度及び分布を算出した結果を示している。図11において、堆積速度分布は±8%、平均堆積速度は、67Å/secとなり、良質で均一な薄膜を大面積に形成できる良好な結果となった。さらに、電力導入部の加熱や異常放電も無かった。
〔比較例1〕
比較例1は、図2に例示したプラズマ処理装置を用いて、インピーダンス整合器7の一方を外し、他の条件は実施例3と同じ条件として、さらに堆積速度分布についても実施例3同様に高周波電極の反応空間12に面した前記7059ガラス基板に堆積した膜厚を高周波電極3の位置に対する21点について、測定し、その堆積速度及び分布を算出した。
その結果を図12に示す。図12に示すように、堆積速度分布は、±45%、平均堆積速度は、56Å/secとなり実施例3に比べ大幅に劣る結果となった。
本発明に係るプラズマ処理装置の第1の形態を示す模式図である。 本発明に係るプラズマ処理装置の第2の形態を示す模式図である。 本発明に係るプラズマ処理装置の第3の形態を示す模式図である。 本発明に係るプラズマ処理装置の第4の形態を示す模式図である。 図1から図4の接地電極の模式図である。 図1のプラズマ処理装置のインピーダンス整合器の動作状態を表す説明図である。 図1のプラズマ処理装置のインピーダンス整合器の形態を示す説明図である。 図3のプラズマ処理装置のインピーダンス整合器の形態を示す説明図である。 実施例1におけるプラズマ発光強度を示す説明図である。 実施例2におけるプラズマ発光強度を示す説明図である。 実施例3におけるアモルファスシリコン薄膜の堆積速度分布を示す説明図である。 比較例1におけるアモルファスシリコン薄膜の堆積速度分布を示す説明図である。
符号の説明
1 真空容器
2 接地電極(基板ホルダー)
3 高周波電極
4 基板加熱ヒーター
5 導電体プレート
6 誘導素子
7 インピーダンス整合器
8 排気手段
9 シールドケース
10 マッチングボックス
11 高周波電源
12 反応空間
13 ガス噴出し穴
14 固定金具
15 絶縁体
16 シールド管
17 絶縁体
18 ガス供給手段

Claims (4)

  1. VHF高周波電力を高周波電極に供給してプラズマを生起するプラズマ処理装置において、
    前記高周波電極の反応空間に接する面以外の電極面と接地電位の導体との間に、高周波電極の中心に対して対称となるように、容量素子と誘導素子とを直列接続したインピーダンス整合器を配することを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記高周波電極の反応空間に接する面と反対側の面が大気圧であって、該反対側の面と前記接地電位の導体との間に、前記インピーダンス整合器を直列にして配設したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記インピーダンス整合器が、前記高周波電極に対して平行に可動することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記インピーダンス整合器を、複数個有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
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