JP2004221506A - 固体撮像素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】CCD型固体撮像素子やCMOS型固体撮像素子において、カラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また製造が容易で、良好な色分解精度を得る。
【解決手段】支持基板10上に絶縁層21、22、23を介して単結晶シリコン層31、32、33が形成されている。単結晶シリコン層31、32、33は、フォトセンサ部及び信号転送回路部から構成され、各単結晶シリコン層31、32、33の厚みは、色分解を行うのに最適な厚みに最適化されている。この結果、入射光は、各層を通過することで色分解され、各層のフォトセンサからの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】支持基板10上に絶縁層21、22、23を介して単結晶シリコン層31、32、33が形成されている。単結晶シリコン層31、32、33は、フォトセンサ部及び信号転送回路部から構成され、各単結晶シリコン層31、32、33の厚みは、色分解を行うのに最適な厚みに最適化されている。この結果、入射光は、各層を通過することで色分解され、各層のフォトセンサからの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板に形成した光電変換素子によってカラー画像等の撮影を行う固体撮像素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シリコン基板に形成したフォトダイオード等の光電変換素子を受光画素として、各種被写体の撮影を行う固体撮像素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、このような固体撮像素子に使用されるシリコン基板で形成したフォトダイオード等は、単独では色を検出ことはできないので、カラー画像を撮影するには、入射光を各色成分毎に分離する機構を持たせる必要がある。
そこで、従来のカラー画像を撮影する構成としては、以下のような方式のものが知られている。
【0003】
(1)フィルタ方式
例えばRGBのそれぞれの光のみを検出するフィルタを2次元配列の受光画素に対応して例えば市松模様状に配置し、それぞれの色成分の画像を検出し、信号処理で補完することで、各センサ毎にRGBの信号を得る。
(2)プリズム3板方式
入射光を例えばRGBに色分解するプリズムを設け、このプリズムによってRGBに色分解した上で、各色毎に独立に固体撮像素子を配置し、それぞれの色成分の画像を検出する。
(3)多層PN接合を用いた多層単版カラーセンサ方式
イオン注入等の工程によってシリコン基板中にPN接合層を複数層形成し、さらに基板の深さ方向に複数のポテンシャル井戸を形成し、基板の深さ方向の色毎の吸収係数の差を利用して色分解し、カラーセンサとする。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−21772号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)に示す方式では、構造が簡単ではあるが、解像度の低下、信号処理の補完に起因した色偽などが発生する問題がある。また、各フィルタで透過色以外の色がフィルタで吸収されてしまい、利用されないため、光の利用効率が低いという問題がある。
また、上記(2)に示す方式では、光の利用効率は高いが、プリズムを設けることで小型化が困難で、コストも高いという問題がある。
さらに、上記(3)に示す方式では、基板の深さ方向に複数のPN接合を正確に形成することは難しく、より深い部分では、イオン注入の散乱により接合部分の制御性が悪くなる。また、隣接するポテンシャル井戸との間も発生電子が過剰となると電流が流れ込み、色分解精度が悪化する等の問題が発生する。
【0006】
そこで本発明の目的は、カラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また製造が容易で、良好な色分解精度を得ることができる固体撮像素子及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、半導体基板中に入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて複数の波長成分光の光電変換を行う光電変換手段を設けたことを特徴とする。
また本発明は、絶縁層上に半導体単結晶層を形成してなるSOI構造層を複数積層して構成され、前記複数のSOI構造層が入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて各層ごとに異なる分光特性を有する積層基板と、前記積層基板の各半導体単結晶層に形成され、前記積層基板を透過された光を受光する光電変換素子、及び前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部を含む撮像素子機能部とを有することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、半導体基板の上層部に形成された光電変換素子と、前記半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することにより、前記光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、前記光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせるバイアス制御部と、 前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部とを有することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、絶縁層上に半導体単結晶層を形成してなるSOI構造層を複数積層し、前記複数のSOI構造層が入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて各層ごとに異なる分光特性を有する積層基板を形成する工程と、前記積層基板の各半導体単結晶層に、前記積層基板を透過された光を受光する光電変換素子、及び前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部を含む撮像素子機能部を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、半導体基板の上層部に形成された光電変換素子と、前記半導体基板にバイアス電圧を印加するバイアス制御部と、前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部とを有する固体撮像素子の制御方法であって、前記半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することにより、前記光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、前記光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることを特徴とする。
【0011】
本発明の固体撮像素子では、半導体基板中に入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて複数の波長成分光の光電変換を行う光電変換手段を設けたことから、カラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、複数の波長成分光の撮像を行うことが可能となる。
また、本発明の固体撮像素子では、積層基板の各SOI構造層の分光特性により、各層の光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0012】
また、本発明の固体撮像素子では、半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することで光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることにより、1つの光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0013】
また、本発明の固体撮像素子の製造方法では、撮像素子機能部を設けたSOI構造層を複数積層して積層基板を作成する工程で、各SOI構造層に異なる分光特性を持たせることにより、各SOI構造層の分光特性により、各層の光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことができる固体撮像素子を容易に作成することが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を容易に作成することが可能となり、高性能な固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0014】
また、本発明の固体撮像素子の制御方法では、半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することで光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることにより、1つの光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による固体撮像素子及びその製造方法の実施の形態例について説明する。
近年、MOSロジックLSIの微細化や高密度化の目的から、化学的機械研磨法(CMP)の応用や、へき開法による張り合わせSOI法が開発されている。そこで、本発明の第1の実施の形態例では、張り合わせSOI法によって、入射光の量子効率の高い単版カラー固体撮像素子を形成するものである。
以下、本発明の第1の実施の形態例による固体撮像素子の構造及び製造方法について順次説明する。
【0016】
(1)多層張り合わせSOI構造単板型カラー固体撮像素子
(1−1)センサ構造
図1は、本実施の形態例による多層張り合わせSOI法で形成したカラー固体撮像素子の積層構造を示す断面図である。
この固体撮像素子は、支持基板10上に絶縁層21、22、23を介して単結晶シリコン層31、32、33を形成したものである。
単結晶シリコン層31、32、33は、フォトセンサ部及び信号転送回路部から構成されており、各単結晶シリコン層31、32、33の厚みは、色分解を行うのに最適な厚みに最適化されている。
なお、フォトセンサとその出力を外部に伝達する伝達部(CCD型であればCCD転送レジスタ、CMOS型であれば画素トランジスタ等)をまとめて撮像素子機能部というものとする。また、絶縁層21、22、23上に単結晶シリコン層31、32、33を形成した各層をSOI構造層というものとする。
【0017】
また、各単結晶シリコン層31、32、33は、絶縁層21、22、23で接着されており、電気的には完全に分離しているが、特定波長は透過することができる。
絶縁層21、22、23は、各単結晶シリコン層31、32、33の色分解の分離精度が高くなるように、各層で反射透過特性を最適化したものである。
なお、このような固体撮像素子の多層構造は、後述する張り合わせSOI法により、原理的に何層でも積み上げることができる。そして、その層数だけ波長分解することが可能である。
【0018】
(1−2)電荷転送構造例
次に、CCD型センサの例を用いて電荷転送構造の具体例を説明する。
図2は、2次元画素配列を有するCCD固体撮像素子のインタライン転送方式の構造例を示し、図3は、同じく2次元画素配列を有するCCD固体撮像素子のフレーム転送方式の構造例を示している。
【0019】
まず、図2において、各単結晶シリコン層31、32、33には、それぞれフォトセンサ(フォトダイオード)40、CCD転送レジスタ50、読み出しゲート部60、及びチャネルストップ部70が設けられている。
フォトセンサ40は、上層のp+層42と下層のn層44を含み、受光量に応じた信号電荷を蓄積する。CCD転送レジスタ50は、上層のn層52と下層のp+層54を含み、フォトセンサ40から読み出された信号電荷を垂直転送方向(紙面方向)に転送する。
読み出しゲート部60は、n−層よりなり、フォトセンサ40から信号電荷を読み出してCCD転送レジスタ50に渡す。チャネルストップ部70は、p+層よりなり、隣接する画素との間で電子の漏洩を防止する。
【0020】
また、最上層の単結晶シリコン層31の上には、CCD転送レジスタ50の駆動を行う転送電極81がゲート絶縁膜80を介して設けられ、その上に絶縁膜82を介して遮光膜83が配置されている。
この遮光膜83には、フォトセンサ40の受光面に対応する開口部83Aが形成され、この開口部83Aを通して光が入射される。
また、絶縁層21、22には、それぞれ転送電極84、85が埋め込まれ、それぞれの直下に配置されたCCD転送レジスタ50の駆動を行うようになっている。
【0021】
また、図3において、各単結晶シリコン層31、32、33には、それぞれフォトセンサ(フォトダイオード)100、及びチャネルストップ部110が設けられており、その下層にオーバーフロードレインとなるn層120が形成されている。
また、最上層の単結晶シリコン層31の上には、電荷転送部を兼ねたフォトセンサ100に対応する転送電極130が絶縁膜(図示せず)を介して設けられ、絶縁層21、22には、それぞれ転送電極131、132が埋め込まれ、それぞれ直下のフォトセンサ100によるCCD転送レジスタの駆動を行うようになっている。
なお、本例ではCCD型センサの場合について説明しているが、CMOS型センサでも同様に適用できるものである。
【0022】
(1−3)動作例
次に、図1に示した多層基板によってカラー画像を検出する動作原理について説明する。なお、説明を簡単にするために、可視光のR、G、Bの各光が各セル毎に独立に検出可能な場合の動作について説明する。
図4は、RGBの色分解可能な3層構造の多層基板を示す断面図である。また、図5(A)は、入射可視光のスペクトルの一例(白色光の例)を示す説明図であり、図5(B)は、図5(A)の入射可視光のスペクトルを分解した場合の例を示す説明図である。
ここで、図5(A)を示すようなスペクトルの白色光がフォトセンサに入射した場合を考える。なお、フォトダイオードとしてはSiで形成した場合を例に説明する。可視光では、Siの光吸収係数は、B>G>Rの順、すなわち長波長のR側ほど透過率が高い。
そこで、図4に示す積層基板では、第1層ではB光がほぼ完全に吸収されるように、センサの厚みd1を設定する。また、第2層ではG光がほぼ完全に減衰して吸収されるように厚みd2を設定する。さらに、第3層ではR光がほぼ完全に吸収されるように設定する。
【0023】
そして、図5(A)に示す白色光が入射した場合には、各層での吸収はおおむね以下のようになる。
まず、各色の入射光量をR0、B0、G0とし、各層で吸収される光量をRi、Bi、Giとする。また、各層で検出される信号強度をA1、A2、A3とする。このA1、A2、A3が実際に観察可能な信号となる。
すなわち、
第1層 A1=R1+B1+G1
第2層 A2=R2+G2
第3層 A3=R3
となる。
【0024】
ここで、各色の光吸収係数をαr、αg、αbとし、各層の厚みを考慮すると、以下の式が成り立つ。
これにより、入射光に依存せず、各色入射光R0、B0、G0を各ユニットセルごとに容易に検出することができる。
さらに多層化した場合でも同様にして、吸収係数から各色を一義的に算出することができる。
【0025】
(1−4)波長選択性透過膜による色分解精度の向上
本実施の形態例による固体撮像素子の多層構造の接合絶縁層に、光学的な波長選択膜を配置することで、より色分解精度を向上することができる。
上述した(1−1)では、第1層ではBが、第2層ではGが、第3層ではRが完全に吸収されるという理想的な状態を仮定したが、吸収の式よりわかるように、吸収係数と厚みにより指数的に減衰してゆくため、実際は全ての色がある程度意図した吸収層以下にも漏れ込んでしまう。
そこで、これらの漏れ込みのみを選択的に吸収する光学薄膜としての機能を接合部絶縁膜に持たせることも、本実施の形態例では容易に実現可能である。
PNジャンクション型の多層センサ構造では、このような光学薄膜を各層間に配置することは不可能であるし、そもそも各層間が素子的に完全に分離されていないため、発生電子の漏れ込みによる色分解精度の低下が避けられないが、本実施の形態例では、素子的、光学的に完全に分離されており、理想的な色分解が可能である。
【0026】
(2)多層張り合わせSOI構造単板型カラー固体撮像素子の製造方法
次に、本実施の形態例の多層張り合わせSOI構造単板型カラー固体撮像素子の製造方法について説明する。
図6〜図8は、本実施の形態例の固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
(2−1)まず図6(A)に示すSi等の半導体単結晶ウエーハ基板200上に2次元配列状にセンサ機能部の一部210を形成する(図6(B))。
(2−2)次に、ウエーハ200の表面に絶縁膜220を形成した支持ウエーハ230を上下反転して貼り付ける(図6(C))。
(2−3)次に、下側から研磨もしくはへき開によって、センサ機能部210を分離して、SOI構造とする(図7(D))。なお、分離したウエーハ200は再利用する。
【0027】
(2−4)さらに残りのセンサ機能部240を形成し、第1層のセンサを完成する(図7(E))。
(2−5)次に、センサ機能部240上に、絶縁層250を形成する(図7(F))。そして、新たにセンサ機能の一部210を形成したウエーハ200をその上に再び貼り付ける(図8(G))。
(2−6)そして、へき開、残りのセンサ機能部240の形成により、2層目のセンサを完成する(図8(H))。
以後、同様の作業を繰り返すことにより、原理的には何層でも重ね合わせることが可能である。また、へき開法では、ウエーハ表面のみをへき開で利用するため、基板を何回も再利用することが可能である。
以上のような製造工程により、多層張り合わせ構造によるSOI構造単版型カラー固体撮像素子が容易に形成可能である。
【0028】
次に、図9は、本実施の形態例による固体撮像素子の変形例として、赤外光(IR)、紫外光(UV)を同一セルで同時に検出可能な多層張り合わせSOI構造単板型カラー固体撮像素子の構造例を示す断面図である。
すなわち、本例では、それぞれセンサ機能を設けた5つの単結晶シリコン層331、332、333、334、335を絶縁層321、322、323、324、325を介して積層し、RGB光に加えて、赤外光IR、紫外光UVを検出する。
なお、本例に限らず、さらに吸収係数、分光屈折率、分光反射率が異なる波長分解を可能とするセンサを形成することが可能である。
【0029】
以上のような本発明の第1の実施の形態例によれば、以下のような効果を得ることが可能である。
(1)高解像度、高感度で、色分解性能に優れた固体撮像素子が実現可能であり、銀塩写真画質に迫る高品位な固体撮像素子を低コストで実現可能である。
(2)また、紫外線、赤外光の検出層を設けることにより、単板で可視光以外の波長光を同時に検出することができ、高機能センサを実現可能である。
(3)また、赤外光などを各画素毎に独立して検出可能であるため、赤外成分が不要な場合には、フィルタなどによらず、信号の演算処理により容易に可視光成分に対して赤外感度成分の分離を行うことができ、一般的なカラー撮像素子に必須な赤外線カットフィルタなどが不要となる利点がある。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態例による固体撮像素子の構造及び制御方法について順次説明する。
(2−1)センサ構造
図10は本実施の形態例による固体撮像素子の構造を示す断面図である。
この固体撮像素子は、2次元画素配列を有するインタライン転送方式のCCD固体撮像素子であるが、上述の第1の実施の形態例で説明したような多層構造のものではなく、フォトセンサを単層で配置したものである。
すなわち、図10において、N型シリコン基板400上に設けた素子形成層には、上層部にフォトセンサ(フォトダイオード)410、CCD転送レジスタ(伝達部)420、読み出しゲート部430、及びチャネルストップ部440が設けられている。
【0031】
そして、フォトセンサ410は、上層のp+層412と下層のn層414を含み、受光量に応じた信号電荷を蓄積する。
CCD転送レジスタ420は、上層のn層422と下層のp+層424を含み、フォトセンサ410から読み出された信号電荷を垂直転送方向(紙面方向)に転送する。
読み出しゲート部430は、n−層よりなり、フォトセンサ410から信号電荷を読み出してCCD転送レジスタ420に渡す。チャネルストップ部440は、p+層よりなり、隣接する画素との間で電子の漏洩を防止する。
【0032】
また、シリコン基板400の中層(すなわち、フォトセンサ410より深い位置)には、オーバーフローバリアを形成するためのp+層450が形成されている。すなわち、フォトセンサ410の下層の空乏層からp+層450にかけてポテンシャルが徐々に低くなり、p+層450の近傍部におけるポテンシャルの極小領域がオーバーフローバリア(OFB)部となっている。
フォトセンサ410で光電変換された信号電荷は、フォトセンサ410の周辺空乏層に貯留され、読み出しゲート部430の動作によって読み出されるが、フォトセンサ410に過大な光が入射し、過剰な信号電荷が生成された場合には、その過剰電荷はフォトセンサ410の下層のオーバーフローバリア部を越えてシリコン基板400の裏面側に排出される。いわゆる縦形オーバーフロードレイン構造となっている。
【0033】
また、シリコン基板400の上部には、ゲート酸化膜500を介して転送電極510が設けられ、その上に絶縁膜520を介して遮光膜530が配置されている。この遮光膜530には、フォトセンサ410の受光面に対応する開口部530Aが形成され、この開口部530Aを通して光が入射される。
さらに、遮光膜530の上層には、図では省略するが、平坦化膜等を介してオンチップマイクロレンズが配置されており、カラーフィルタを持たない構造となっている。
【0034】
そして、このような構造の固体撮像素子においては、シリコン基板400に所定の基板バイアス電圧(Vsub)を印加した状態で駆動するようになっているが、この基板バイアス電圧の変化によって、フォトセンサ410からオーバーフロードレイン部にわたるポテンシャルの位置や勾配が変動し、フォトセンサ410における光電変換の分光感度(波長特性)が変化する。
そこで、本実施の形態例では、このバイアス電圧を適宜に切り換えることにより、フォトセンサ410の分光感度を変えて複数回の撮像動作を行い、複数の波長成分光を検出する。そして、この複数の波長成分光を光電変換して得た複数の信号を用いて所定の演算処理を行うことにより、カラーフィルタ等を用いることなく特定の波長光の撮像信号を得るようにする。
【0035】
(2−2)動作例
以下、RGBの3原色光によるカラー画像を撮像する場合を例に本実施の形態例の制御方法について説明する。
図11は基板バイアス電圧の切り換え制御に伴うフォトセンサ(光電変換領域)のポテンシャルの変化を示す説明図であり、縦軸はポテンシャルφ、横軸はシリコン基板の深さを示している。
そして、図11(A)は基板バイアス電圧Vsub1の場合のポテンシャル分布を示し、図11(B)は基板バイアス電圧Vsub2の場合のポテンシャル分布を示し、図11(C)は基板バイアス電圧Vsub3の場合のポテンシャル分布を示しており、Vsub1<Vsub2<Vsub3の関係となっている。
【0036】
図12は各基板バイアス電圧に対するフォトセンサの分光特性の一例を示す説明図であり、縦軸は受光感度レベルを示し、横軸は波長の長さを示している。
一般にフォトセンサの分光感度は、光電変換領域の浅い側で短波長、深い側で長波長となる。
これにより本例では、基板バイアス電圧Vsub1とした場合、フォトセンサ410の波長特性は近似的にRGBの3つの波長光(R光とG光とB光)を検出する特性となる。また、基板バイアス電圧Vsub2とした場合、フォトセンサ410の波長特性は近似的にRGBのうちGとBの2つの波長光(G光とB光)を検出する特性となる。
さらに、基板バイアス電圧Vsub3とした場合、フォトセンサ410の波長特性は近似的にRGBのうちBの波長光(G光)を検出する特性となる。なお、B光の感度だけを有するポテンシャル分布を得るには、基板バイアス電圧Vsub3によってオーバーフロードレインの深さを0.5μmとすることが必要となる。
なお、このような基板バイアス電圧の切り換え制御に対してオーバーフローバリアの機能を適正に成立させるには、例えばフォトセンサ410のn層414の深い領域に薄いn領域、もしくは若干の濃度を有するp領域を設けることが有効である。
【0037】
図13は本例の固体撮像素子における基板バイアス電圧の切り換え動作を従来と対比して示すタイミングチャートである。
図13(A)に示すように、従来は基板バイアス電圧を固定値で用いており、例えば1フィールド読み出し方式においては、1フィールドに1回の読み出し動作を実行していたが、本例では図13(B)に示すように、例えば1フィールド期間内で3つの基板バイアス電圧Vsub1、Vsub2、Vsub3を順番に切り換え、各基板バイアス電圧Vsub1、Vsub2、Vsub3に対応して1フィールド期間に3回の読み出し動作を行う。このように、高速な読み出し動作を行えば、各出力信号の時間的なずれも小さいものとなり、高画質を維持できる。
【0038】
以上の動作により、1つの画素から3つの分光特性を有する信号を読み出すことができ、図12に示すような、各分光特性を有する信号を取得できる。
そこで、後段の信号処理回路(図示せず)の演算処理により、基板バイアス電圧Vsub1で読み出した出力信号と基板バイアス電圧Vsub2で読み出した出力信号との減算((R+G+B)−(G+B))を行い、R光成分の信号を得る。また、基板バイアス電圧Vsub2で読み出した出力信号と基板バイアス電圧Vsub3で読み出した出力信号との減算((G+B)−(B))を行い、G光成分の信号を得る。さらに、基板バイアス電圧Vsub3で読み出した出力信号からB光成分の信号を得る。
このようにして、カラーフィルタを用いることなく、RGBのカラー撮像信号を得ることができる。
【0039】
以上のような本発明の第2の実施の形態例によれば、以下のような効果を得ることが可能である。
(1)フォトセンサのプロファイルに対し、基板バイアス電圧を変調させることにより、1画素で3色分の信号を取り出すことができるので、従来は必要としていたカラーフィルタ無しでもカラー信号処理が可能となり、簡単な構造のCCDが製造することができる。
(2)この結果、フィルタ無しにより集光条件等のSi基板上における高さ方向の制約が少なくなり、さらなるセルサイズの縮小が可能となる。
(3)また、1画素で3色の信号を生成するので、同サイズで同画素数の固体撮像素子に対して解像度を向上することができる。
(4)さらに、カラーフィルタを廃止できるとともに、構造的に新たな要素を付加する必要がなく、極めて簡素な素子構造を実現でき、製造コストの低減にも寄与できる。
なお、以上の例は、RGBカラー画像を撮像する構成について説明したが、さらに他の波長成分の検出が可能なセンサを形成することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の固体撮像素子によれば、半導体基板中に入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて複数の波長成分光の光電変換を行う光電変換手段を設けたことから、カラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、複数の波長成分光の撮像を行うことが可能となる。
また、本発明の固体撮像素子では、積層基板の各SOI構造層の分光特性により、各層の光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0041】
また、本発明の固体撮像素子では、半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することで、光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることにより、1つの光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0042】
また、本発明の固体撮像素子の製造方法では、撮像素子機能部を設けたSOI構造層を複数積層して積層基板を作成する工程で、各SOI構造層に異なる分光特性を持たせることにより、各SOI構造層の分光特性により、各層の光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことができる固体撮像素子を容易に作成することが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を容易に作成することが可能となり、高性能な固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0043】
また、本発明の固体撮像素子の制御方法では、半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することで、光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることにより、1つの光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例による多層張り合わせSOI法で形成したカラー固体撮像素子の積層構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す固体撮像素子の具体例としてのインタライン転送方式のCCD固体撮像素子の構造例を示す断面図である。
【図3】図1に示す固体撮像素子の具体例としてのフレーム転送方式のCCD固体撮像素子の構造例を示す断面図である。
【図4】図1に示す固体撮像素子でRGBの色分解可能な3層構造の多層基板を構成した例を示す断面図である。
【図5】入射可視光のスペクトルの一例(白色光の例)とスペクトルを分解した場合の例を示す説明図である。
【図6】図1に示す固体撮像素子の製造工程を示す断面図である。
【図7】図1に示す固体撮像素子の製造工程を示す断面図である。
【図8】図1に示す固体撮像素子の製造工程を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態例による多層張り合わせSOI法で形成したカラー固体撮像素子の積層構造の他の例を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態例による固体撮像素子の画素部の構造を示す断面図である。
【図11】図10に示す固体撮像素子における基板バイアス電圧の切り換え制御に伴うフォトセンサのポテンシャルの変化を示す説明図である。
【図12】図10に示す固体撮像素子における基板バイアス電圧に対するフォトセンサの分光特性の一例を示す説明図である。
【図13】図10に示す固体撮像素子における基板バイアス電圧の切り換え動作を従来と対比して示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10……支持基板、21、22、23……絶縁層、31、32、33……単結晶シリコン層、40、410……フォトセンサ、50、420……CCD転送レジスタ、60、430……読み出しゲート部、70、440……チャネルストップ部、400……シリコン基板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板に形成した光電変換素子によってカラー画像等の撮影を行う固体撮像素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シリコン基板に形成したフォトダイオード等の光電変換素子を受光画素として、各種被写体の撮影を行う固体撮像素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、このような固体撮像素子に使用されるシリコン基板で形成したフォトダイオード等は、単独では色を検出ことはできないので、カラー画像を撮影するには、入射光を各色成分毎に分離する機構を持たせる必要がある。
そこで、従来のカラー画像を撮影する構成としては、以下のような方式のものが知られている。
【0003】
(1)フィルタ方式
例えばRGBのそれぞれの光のみを検出するフィルタを2次元配列の受光画素に対応して例えば市松模様状に配置し、それぞれの色成分の画像を検出し、信号処理で補完することで、各センサ毎にRGBの信号を得る。
(2)プリズム3板方式
入射光を例えばRGBに色分解するプリズムを設け、このプリズムによってRGBに色分解した上で、各色毎に独立に固体撮像素子を配置し、それぞれの色成分の画像を検出する。
(3)多層PN接合を用いた多層単版カラーセンサ方式
イオン注入等の工程によってシリコン基板中にPN接合層を複数層形成し、さらに基板の深さ方向に複数のポテンシャル井戸を形成し、基板の深さ方向の色毎の吸収係数の差を利用して色分解し、カラーセンサとする。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−21772号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)に示す方式では、構造が簡単ではあるが、解像度の低下、信号処理の補完に起因した色偽などが発生する問題がある。また、各フィルタで透過色以外の色がフィルタで吸収されてしまい、利用されないため、光の利用効率が低いという問題がある。
また、上記(2)に示す方式では、光の利用効率は高いが、プリズムを設けることで小型化が困難で、コストも高いという問題がある。
さらに、上記(3)に示す方式では、基板の深さ方向に複数のPN接合を正確に形成することは難しく、より深い部分では、イオン注入の散乱により接合部分の制御性が悪くなる。また、隣接するポテンシャル井戸との間も発生電子が過剰となると電流が流れ込み、色分解精度が悪化する等の問題が発生する。
【0006】
そこで本発明の目的は、カラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また製造が容易で、良好な色分解精度を得ることができる固体撮像素子及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、半導体基板中に入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて複数の波長成分光の光電変換を行う光電変換手段を設けたことを特徴とする。
また本発明は、絶縁層上に半導体単結晶層を形成してなるSOI構造層を複数積層して構成され、前記複数のSOI構造層が入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて各層ごとに異なる分光特性を有する積層基板と、前記積層基板の各半導体単結晶層に形成され、前記積層基板を透過された光を受光する光電変換素子、及び前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部を含む撮像素子機能部とを有することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、半導体基板の上層部に形成された光電変換素子と、前記半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することにより、前記光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、前記光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせるバイアス制御部と、 前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部とを有することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、絶縁層上に半導体単結晶層を形成してなるSOI構造層を複数積層し、前記複数のSOI構造層が入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて各層ごとに異なる分光特性を有する積層基板を形成する工程と、前記積層基板の各半導体単結晶層に、前記積層基板を透過された光を受光する光電変換素子、及び前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部を含む撮像素子機能部を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、半導体基板の上層部に形成された光電変換素子と、前記半導体基板にバイアス電圧を印加するバイアス制御部と、前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部とを有する固体撮像素子の制御方法であって、前記半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することにより、前記光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、前記光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることを特徴とする。
【0011】
本発明の固体撮像素子では、半導体基板中に入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて複数の波長成分光の光電変換を行う光電変換手段を設けたことから、カラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、複数の波長成分光の撮像を行うことが可能となる。
また、本発明の固体撮像素子では、積層基板の各SOI構造層の分光特性により、各層の光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0012】
また、本発明の固体撮像素子では、半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することで光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることにより、1つの光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0013】
また、本発明の固体撮像素子の製造方法では、撮像素子機能部を設けたSOI構造層を複数積層して積層基板を作成する工程で、各SOI構造層に異なる分光特性を持たせることにより、各SOI構造層の分光特性により、各層の光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことができる固体撮像素子を容易に作成することが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を容易に作成することが可能となり、高性能な固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0014】
また、本発明の固体撮像素子の制御方法では、半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することで光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることにより、1つの光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による固体撮像素子及びその製造方法の実施の形態例について説明する。
近年、MOSロジックLSIの微細化や高密度化の目的から、化学的機械研磨法(CMP)の応用や、へき開法による張り合わせSOI法が開発されている。そこで、本発明の第1の実施の形態例では、張り合わせSOI法によって、入射光の量子効率の高い単版カラー固体撮像素子を形成するものである。
以下、本発明の第1の実施の形態例による固体撮像素子の構造及び製造方法について順次説明する。
【0016】
(1)多層張り合わせSOI構造単板型カラー固体撮像素子
(1−1)センサ構造
図1は、本実施の形態例による多層張り合わせSOI法で形成したカラー固体撮像素子の積層構造を示す断面図である。
この固体撮像素子は、支持基板10上に絶縁層21、22、23を介して単結晶シリコン層31、32、33を形成したものである。
単結晶シリコン層31、32、33は、フォトセンサ部及び信号転送回路部から構成されており、各単結晶シリコン層31、32、33の厚みは、色分解を行うのに最適な厚みに最適化されている。
なお、フォトセンサとその出力を外部に伝達する伝達部(CCD型であればCCD転送レジスタ、CMOS型であれば画素トランジスタ等)をまとめて撮像素子機能部というものとする。また、絶縁層21、22、23上に単結晶シリコン層31、32、33を形成した各層をSOI構造層というものとする。
【0017】
また、各単結晶シリコン層31、32、33は、絶縁層21、22、23で接着されており、電気的には完全に分離しているが、特定波長は透過することができる。
絶縁層21、22、23は、各単結晶シリコン層31、32、33の色分解の分離精度が高くなるように、各層で反射透過特性を最適化したものである。
なお、このような固体撮像素子の多層構造は、後述する張り合わせSOI法により、原理的に何層でも積み上げることができる。そして、その層数だけ波長分解することが可能である。
【0018】
(1−2)電荷転送構造例
次に、CCD型センサの例を用いて電荷転送構造の具体例を説明する。
図2は、2次元画素配列を有するCCD固体撮像素子のインタライン転送方式の構造例を示し、図3は、同じく2次元画素配列を有するCCD固体撮像素子のフレーム転送方式の構造例を示している。
【0019】
まず、図2において、各単結晶シリコン層31、32、33には、それぞれフォトセンサ(フォトダイオード)40、CCD転送レジスタ50、読み出しゲート部60、及びチャネルストップ部70が設けられている。
フォトセンサ40は、上層のp+層42と下層のn層44を含み、受光量に応じた信号電荷を蓄積する。CCD転送レジスタ50は、上層のn層52と下層のp+層54を含み、フォトセンサ40から読み出された信号電荷を垂直転送方向(紙面方向)に転送する。
読み出しゲート部60は、n−層よりなり、フォトセンサ40から信号電荷を読み出してCCD転送レジスタ50に渡す。チャネルストップ部70は、p+層よりなり、隣接する画素との間で電子の漏洩を防止する。
【0020】
また、最上層の単結晶シリコン層31の上には、CCD転送レジスタ50の駆動を行う転送電極81がゲート絶縁膜80を介して設けられ、その上に絶縁膜82を介して遮光膜83が配置されている。
この遮光膜83には、フォトセンサ40の受光面に対応する開口部83Aが形成され、この開口部83Aを通して光が入射される。
また、絶縁層21、22には、それぞれ転送電極84、85が埋め込まれ、それぞれの直下に配置されたCCD転送レジスタ50の駆動を行うようになっている。
【0021】
また、図3において、各単結晶シリコン層31、32、33には、それぞれフォトセンサ(フォトダイオード)100、及びチャネルストップ部110が設けられており、その下層にオーバーフロードレインとなるn層120が形成されている。
また、最上層の単結晶シリコン層31の上には、電荷転送部を兼ねたフォトセンサ100に対応する転送電極130が絶縁膜(図示せず)を介して設けられ、絶縁層21、22には、それぞれ転送電極131、132が埋め込まれ、それぞれ直下のフォトセンサ100によるCCD転送レジスタの駆動を行うようになっている。
なお、本例ではCCD型センサの場合について説明しているが、CMOS型センサでも同様に適用できるものである。
【0022】
(1−3)動作例
次に、図1に示した多層基板によってカラー画像を検出する動作原理について説明する。なお、説明を簡単にするために、可視光のR、G、Bの各光が各セル毎に独立に検出可能な場合の動作について説明する。
図4は、RGBの色分解可能な3層構造の多層基板を示す断面図である。また、図5(A)は、入射可視光のスペクトルの一例(白色光の例)を示す説明図であり、図5(B)は、図5(A)の入射可視光のスペクトルを分解した場合の例を示す説明図である。
ここで、図5(A)を示すようなスペクトルの白色光がフォトセンサに入射した場合を考える。なお、フォトダイオードとしてはSiで形成した場合を例に説明する。可視光では、Siの光吸収係数は、B>G>Rの順、すなわち長波長のR側ほど透過率が高い。
そこで、図4に示す積層基板では、第1層ではB光がほぼ完全に吸収されるように、センサの厚みd1を設定する。また、第2層ではG光がほぼ完全に減衰して吸収されるように厚みd2を設定する。さらに、第3層ではR光がほぼ完全に吸収されるように設定する。
【0023】
そして、図5(A)に示す白色光が入射した場合には、各層での吸収はおおむね以下のようになる。
まず、各色の入射光量をR0、B0、G0とし、各層で吸収される光量をRi、Bi、Giとする。また、各層で検出される信号強度をA1、A2、A3とする。このA1、A2、A3が実際に観察可能な信号となる。
すなわち、
第1層 A1=R1+B1+G1
第2層 A2=R2+G2
第3層 A3=R3
となる。
【0024】
ここで、各色の光吸収係数をαr、αg、αbとし、各層の厚みを考慮すると、以下の式が成り立つ。
これにより、入射光に依存せず、各色入射光R0、B0、G0を各ユニットセルごとに容易に検出することができる。
さらに多層化した場合でも同様にして、吸収係数から各色を一義的に算出することができる。
【0025】
(1−4)波長選択性透過膜による色分解精度の向上
本実施の形態例による固体撮像素子の多層構造の接合絶縁層に、光学的な波長選択膜を配置することで、より色分解精度を向上することができる。
上述した(1−1)では、第1層ではBが、第2層ではGが、第3層ではRが完全に吸収されるという理想的な状態を仮定したが、吸収の式よりわかるように、吸収係数と厚みにより指数的に減衰してゆくため、実際は全ての色がある程度意図した吸収層以下にも漏れ込んでしまう。
そこで、これらの漏れ込みのみを選択的に吸収する光学薄膜としての機能を接合部絶縁膜に持たせることも、本実施の形態例では容易に実現可能である。
PNジャンクション型の多層センサ構造では、このような光学薄膜を各層間に配置することは不可能であるし、そもそも各層間が素子的に完全に分離されていないため、発生電子の漏れ込みによる色分解精度の低下が避けられないが、本実施の形態例では、素子的、光学的に完全に分離されており、理想的な色分解が可能である。
【0026】
(2)多層張り合わせSOI構造単板型カラー固体撮像素子の製造方法
次に、本実施の形態例の多層張り合わせSOI構造単板型カラー固体撮像素子の製造方法について説明する。
図6〜図8は、本実施の形態例の固体撮像素子の製造方法を示す断面図である。
(2−1)まず図6(A)に示すSi等の半導体単結晶ウエーハ基板200上に2次元配列状にセンサ機能部の一部210を形成する(図6(B))。
(2−2)次に、ウエーハ200の表面に絶縁膜220を形成した支持ウエーハ230を上下反転して貼り付ける(図6(C))。
(2−3)次に、下側から研磨もしくはへき開によって、センサ機能部210を分離して、SOI構造とする(図7(D))。なお、分離したウエーハ200は再利用する。
【0027】
(2−4)さらに残りのセンサ機能部240を形成し、第1層のセンサを完成する(図7(E))。
(2−5)次に、センサ機能部240上に、絶縁層250を形成する(図7(F))。そして、新たにセンサ機能の一部210を形成したウエーハ200をその上に再び貼り付ける(図8(G))。
(2−6)そして、へき開、残りのセンサ機能部240の形成により、2層目のセンサを完成する(図8(H))。
以後、同様の作業を繰り返すことにより、原理的には何層でも重ね合わせることが可能である。また、へき開法では、ウエーハ表面のみをへき開で利用するため、基板を何回も再利用することが可能である。
以上のような製造工程により、多層張り合わせ構造によるSOI構造単版型カラー固体撮像素子が容易に形成可能である。
【0028】
次に、図9は、本実施の形態例による固体撮像素子の変形例として、赤外光(IR)、紫外光(UV)を同一セルで同時に検出可能な多層張り合わせSOI構造単板型カラー固体撮像素子の構造例を示す断面図である。
すなわち、本例では、それぞれセンサ機能を設けた5つの単結晶シリコン層331、332、333、334、335を絶縁層321、322、323、324、325を介して積層し、RGB光に加えて、赤外光IR、紫外光UVを検出する。
なお、本例に限らず、さらに吸収係数、分光屈折率、分光反射率が異なる波長分解を可能とするセンサを形成することが可能である。
【0029】
以上のような本発明の第1の実施の形態例によれば、以下のような効果を得ることが可能である。
(1)高解像度、高感度で、色分解性能に優れた固体撮像素子が実現可能であり、銀塩写真画質に迫る高品位な固体撮像素子を低コストで実現可能である。
(2)また、紫外線、赤外光の検出層を設けることにより、単板で可視光以外の波長光を同時に検出することができ、高機能センサを実現可能である。
(3)また、赤外光などを各画素毎に独立して検出可能であるため、赤外成分が不要な場合には、フィルタなどによらず、信号の演算処理により容易に可視光成分に対して赤外感度成分の分離を行うことができ、一般的なカラー撮像素子に必須な赤外線カットフィルタなどが不要となる利点がある。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態例による固体撮像素子の構造及び制御方法について順次説明する。
(2−1)センサ構造
図10は本実施の形態例による固体撮像素子の構造を示す断面図である。
この固体撮像素子は、2次元画素配列を有するインタライン転送方式のCCD固体撮像素子であるが、上述の第1の実施の形態例で説明したような多層構造のものではなく、フォトセンサを単層で配置したものである。
すなわち、図10において、N型シリコン基板400上に設けた素子形成層には、上層部にフォトセンサ(フォトダイオード)410、CCD転送レジスタ(伝達部)420、読み出しゲート部430、及びチャネルストップ部440が設けられている。
【0031】
そして、フォトセンサ410は、上層のp+層412と下層のn層414を含み、受光量に応じた信号電荷を蓄積する。
CCD転送レジスタ420は、上層のn層422と下層のp+層424を含み、フォトセンサ410から読み出された信号電荷を垂直転送方向(紙面方向)に転送する。
読み出しゲート部430は、n−層よりなり、フォトセンサ410から信号電荷を読み出してCCD転送レジスタ420に渡す。チャネルストップ部440は、p+層よりなり、隣接する画素との間で電子の漏洩を防止する。
【0032】
また、シリコン基板400の中層(すなわち、フォトセンサ410より深い位置)には、オーバーフローバリアを形成するためのp+層450が形成されている。すなわち、フォトセンサ410の下層の空乏層からp+層450にかけてポテンシャルが徐々に低くなり、p+層450の近傍部におけるポテンシャルの極小領域がオーバーフローバリア(OFB)部となっている。
フォトセンサ410で光電変換された信号電荷は、フォトセンサ410の周辺空乏層に貯留され、読み出しゲート部430の動作によって読み出されるが、フォトセンサ410に過大な光が入射し、過剰な信号電荷が生成された場合には、その過剰電荷はフォトセンサ410の下層のオーバーフローバリア部を越えてシリコン基板400の裏面側に排出される。いわゆる縦形オーバーフロードレイン構造となっている。
【0033】
また、シリコン基板400の上部には、ゲート酸化膜500を介して転送電極510が設けられ、その上に絶縁膜520を介して遮光膜530が配置されている。この遮光膜530には、フォトセンサ410の受光面に対応する開口部530Aが形成され、この開口部530Aを通して光が入射される。
さらに、遮光膜530の上層には、図では省略するが、平坦化膜等を介してオンチップマイクロレンズが配置されており、カラーフィルタを持たない構造となっている。
【0034】
そして、このような構造の固体撮像素子においては、シリコン基板400に所定の基板バイアス電圧(Vsub)を印加した状態で駆動するようになっているが、この基板バイアス電圧の変化によって、フォトセンサ410からオーバーフロードレイン部にわたるポテンシャルの位置や勾配が変動し、フォトセンサ410における光電変換の分光感度(波長特性)が変化する。
そこで、本実施の形態例では、このバイアス電圧を適宜に切り換えることにより、フォトセンサ410の分光感度を変えて複数回の撮像動作を行い、複数の波長成分光を検出する。そして、この複数の波長成分光を光電変換して得た複数の信号を用いて所定の演算処理を行うことにより、カラーフィルタ等を用いることなく特定の波長光の撮像信号を得るようにする。
【0035】
(2−2)動作例
以下、RGBの3原色光によるカラー画像を撮像する場合を例に本実施の形態例の制御方法について説明する。
図11は基板バイアス電圧の切り換え制御に伴うフォトセンサ(光電変換領域)のポテンシャルの変化を示す説明図であり、縦軸はポテンシャルφ、横軸はシリコン基板の深さを示している。
そして、図11(A)は基板バイアス電圧Vsub1の場合のポテンシャル分布を示し、図11(B)は基板バイアス電圧Vsub2の場合のポテンシャル分布を示し、図11(C)は基板バイアス電圧Vsub3の場合のポテンシャル分布を示しており、Vsub1<Vsub2<Vsub3の関係となっている。
【0036】
図12は各基板バイアス電圧に対するフォトセンサの分光特性の一例を示す説明図であり、縦軸は受光感度レベルを示し、横軸は波長の長さを示している。
一般にフォトセンサの分光感度は、光電変換領域の浅い側で短波長、深い側で長波長となる。
これにより本例では、基板バイアス電圧Vsub1とした場合、フォトセンサ410の波長特性は近似的にRGBの3つの波長光(R光とG光とB光)を検出する特性となる。また、基板バイアス電圧Vsub2とした場合、フォトセンサ410の波長特性は近似的にRGBのうちGとBの2つの波長光(G光とB光)を検出する特性となる。
さらに、基板バイアス電圧Vsub3とした場合、フォトセンサ410の波長特性は近似的にRGBのうちBの波長光(G光)を検出する特性となる。なお、B光の感度だけを有するポテンシャル分布を得るには、基板バイアス電圧Vsub3によってオーバーフロードレインの深さを0.5μmとすることが必要となる。
なお、このような基板バイアス電圧の切り換え制御に対してオーバーフローバリアの機能を適正に成立させるには、例えばフォトセンサ410のn層414の深い領域に薄いn領域、もしくは若干の濃度を有するp領域を設けることが有効である。
【0037】
図13は本例の固体撮像素子における基板バイアス電圧の切り換え動作を従来と対比して示すタイミングチャートである。
図13(A)に示すように、従来は基板バイアス電圧を固定値で用いており、例えば1フィールド読み出し方式においては、1フィールドに1回の読み出し動作を実行していたが、本例では図13(B)に示すように、例えば1フィールド期間内で3つの基板バイアス電圧Vsub1、Vsub2、Vsub3を順番に切り換え、各基板バイアス電圧Vsub1、Vsub2、Vsub3に対応して1フィールド期間に3回の読み出し動作を行う。このように、高速な読み出し動作を行えば、各出力信号の時間的なずれも小さいものとなり、高画質を維持できる。
【0038】
以上の動作により、1つの画素から3つの分光特性を有する信号を読み出すことができ、図12に示すような、各分光特性を有する信号を取得できる。
そこで、後段の信号処理回路(図示せず)の演算処理により、基板バイアス電圧Vsub1で読み出した出力信号と基板バイアス電圧Vsub2で読み出した出力信号との減算((R+G+B)−(G+B))を行い、R光成分の信号を得る。また、基板バイアス電圧Vsub2で読み出した出力信号と基板バイアス電圧Vsub3で読み出した出力信号との減算((G+B)−(B))を行い、G光成分の信号を得る。さらに、基板バイアス電圧Vsub3で読み出した出力信号からB光成分の信号を得る。
このようにして、カラーフィルタを用いることなく、RGBのカラー撮像信号を得ることができる。
【0039】
以上のような本発明の第2の実施の形態例によれば、以下のような効果を得ることが可能である。
(1)フォトセンサのプロファイルに対し、基板バイアス電圧を変調させることにより、1画素で3色分の信号を取り出すことができるので、従来は必要としていたカラーフィルタ無しでもカラー信号処理が可能となり、簡単な構造のCCDが製造することができる。
(2)この結果、フィルタ無しにより集光条件等のSi基板上における高さ方向の制約が少なくなり、さらなるセルサイズの縮小が可能となる。
(3)また、1画素で3色の信号を生成するので、同サイズで同画素数の固体撮像素子に対して解像度を向上することができる。
(4)さらに、カラーフィルタを廃止できるとともに、構造的に新たな要素を付加する必要がなく、極めて簡素な素子構造を実現でき、製造コストの低減にも寄与できる。
なお、以上の例は、RGBカラー画像を撮像する構成について説明したが、さらに他の波長成分の検出が可能なセンサを形成することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の固体撮像素子によれば、半導体基板中に入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて複数の波長成分光の光電変換を行う光電変換手段を設けたことから、カラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、複数の波長成分光の撮像を行うことが可能となる。
また、本発明の固体撮像素子では、積層基板の各SOI構造層の分光特性により、各層の光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0041】
また、本発明の固体撮像素子では、半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することで、光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることにより、1つの光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0042】
また、本発明の固体撮像素子の製造方法では、撮像素子機能部を設けたSOI構造層を複数積層して積層基板を作成する工程で、各SOI構造層に異なる分光特性を持たせることにより、各SOI構造層の分光特性により、各層の光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことができる固体撮像素子を容易に作成することが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を容易に作成することが可能となり、高性能な固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【0043】
また、本発明の固体撮像素子の制御方法では、半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することで、光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせることにより、1つの光電変換素子によって異なる光成分を受光し、各光電変換素子からの出力信号を適宜演算処理することにより、カラー画像やその他の可視光以外の波長光の検出を行うことが可能となる。
したがって、上記従来例のようにカラーフィルタやプリズムを用いる必要がなく、また半導体基板の深さ方向に複数層のPN接合を設けることなく、良好な色分解精度を有する固体撮像素子を低コストで提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例による多層張り合わせSOI法で形成したカラー固体撮像素子の積層構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す固体撮像素子の具体例としてのインタライン転送方式のCCD固体撮像素子の構造例を示す断面図である。
【図3】図1に示す固体撮像素子の具体例としてのフレーム転送方式のCCD固体撮像素子の構造例を示す断面図である。
【図4】図1に示す固体撮像素子でRGBの色分解可能な3層構造の多層基板を構成した例を示す断面図である。
【図5】入射可視光のスペクトルの一例(白色光の例)とスペクトルを分解した場合の例を示す説明図である。
【図6】図1に示す固体撮像素子の製造工程を示す断面図である。
【図7】図1に示す固体撮像素子の製造工程を示す断面図である。
【図8】図1に示す固体撮像素子の製造工程を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態例による多層張り合わせSOI法で形成したカラー固体撮像素子の積層構造の他の例を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態例による固体撮像素子の画素部の構造を示す断面図である。
【図11】図10に示す固体撮像素子における基板バイアス電圧の切り換え制御に伴うフォトセンサのポテンシャルの変化を示す説明図である。
【図12】図10に示す固体撮像素子における基板バイアス電圧に対するフォトセンサの分光特性の一例を示す説明図である。
【図13】図10に示す固体撮像素子における基板バイアス電圧の切り換え動作を従来と対比して示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10……支持基板、21、22、23……絶縁層、31、32、33……単結晶シリコン層、40、410……フォトセンサ、50、420……CCD転送レジスタ、60、430……読み出しゲート部、70、440……チャネルストップ部、400……シリコン基板。
Claims (28)
- 半導体基板中に入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて複数の波長成分光の光電変換を行う光電変換手段を設けたことを特徴とする固体撮像素子。
- 前記光電変換手段によって光電変換された複数の波長成分光に対応する複数の光電変換信号に基づいて撮像信号を算出する信号処理手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 絶縁層上に半導体単結晶層を形成してなるSOI構造層を複数積層して構成され、前記複数のSOI構造層が入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて各層ごとに異なる分光特性を有する積層基板と、
前記積層基板の各半導体単結晶層に形成され、前記積層基板を透過された光を受光する光電変換素子、及び前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部を含む撮像素子機能部と、
を有することを特徴とする固体撮像素子。 - 前記積層基板が各SOI構造層を貼り合わせて形成される貼り合わせ基板であることを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
- 前記複数のSOI構造層の膜厚の調整によって前記分光特性を持たせることを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
- 前記積層基板の絶縁層と半導体単結晶層との界面に、分光反射率及び分光透過率を最適化した光学薄膜を配置したことを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
- 前記積層基板の各SOI構造層がRGBの3原色光に対応する分光特性を有する3つのSOI構造層を含むことを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
- 前記積層基板の各SOI構造層が赤外光に対応する分光特性を有するSOI構造層を含むことを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
- 前記積層基板の各SOI構造層が紫外光に対応する分光特性を有するSOI構造層を含むことを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
- 前記半導体単結晶層が薄膜単結晶シリコン層であることを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
- 半導体基板の上層部に形成された光電変換素子と、
前記半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することにより、前記光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、前記光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせるバイアス制御部と、
前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部と、
を有することを特徴とする固体撮像素子。 - 前記半導体基板の前記光電変換素子の深部に形成されるオーバーフローバリア部を有し、前記バイアス制御部によってバイアス電圧を切り換え制御することにより、前記オーバーフローバリア部の深さ位置を制御することを特徴とする請求項11記載の固体撮像素子。
- 前記光電変換素子によって光電変換された複数の波長成分光に対応する複数の光電変換信号に基づいて撮像信号を算出する演算部を有することを特徴とする請求項11記載の固体撮像素子。
- 前記バイアス制御部によって第1のバイアス電圧を印加して3原色光のR光とG光とB光を含む第1の撮像信号を取得し、前記バイアス制御部によって第2のバイアス電圧を印加して3原色光のG光とB光を含む第2の撮像信号を取得し、前記バイアス制御部によって第3のバイアス電圧を印加して3原色光のB光を含む第3の撮像信号を取得することを特徴とする請求項11記載の固体撮像素子。
- 前記第1の撮像信号から第2の撮像信号を減算することによりR光を算出し、前記第2の撮像信号から第3の撮像信号を減算することにより、G光を算出することを特徴とする請求項14記載の固体撮像素子。
- 絶縁層上に半導体単結晶層を形成してなるSOI構造層を複数積層し、前記複数のSOI構造層が入射光の波長毎の光吸収係数の差を用いて各層ごとに異なる分光特性を有する積層基板を形成する工程と、
前記積層基板の各半導体単結晶層に、前記積層基板を透過された光を受光する光電変換素子、及び前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部を含む撮像素子機能部を形成する工程と、
を有することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。 - 半導体基板上に形成された半導体単結晶層に撮像素子機能部を形成し、前記半導体基板の撮像素子機能部を形成した面に支持基板上に形成された絶縁層を貼り合わせ、前記半導体単結晶層から半導体基板を分離する作業を繰り返すことを特徴とする請求項16記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記複数のSOI構造層の膜厚の調整によって前記分光特性を持たせることを特徴とする請求項16記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記積層基板の絶縁層と半導体単結晶層との界面に、分光反射率及び分光透過率を最適化した光学薄膜を配置することを特徴とする請求項16記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記積層基板の各SOI構造層がRGBの3原色光に対応する分光特性を有する3つのSOI構造層を含むことを特徴とする請求項16記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記積層基板の各SOI構造層が赤外光に対応する分光特性を有するSOI構造層を含むことを特徴とする請求項16記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記積層基板の各SOI構造層が紫外光に対応する分光特性を有するSOI構造層を含むことを特徴とする請求項16記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記半導体単結晶層が薄膜単結晶シリコン層であることを特徴とする請求項16記載の固体撮像素子の製造方法。
- 半導体基板の上層部に形成された光電変換素子と、前記半導体基板にバイアス電圧を印加するバイアス制御部と、前記光電変換素子の出力を外部に伝達する伝達部とを有する固体撮像素子の制御方法であって、
前記半導体基板に印加するバイアス電圧を切り換え制御することにより、前記光電変換素子における光電変換の波長特性を切り換え、前記光電変換素子で複数の波長成分光の光電変換を行わせる、
ことを特徴とする固体撮像素子の制御方法。 - 前記バイアス制御部によってバイアス電圧を切り換え制御することにより、前記半導体基板の前記光電変換素子の深部に形成されるオーバーフローバリア部の深さ位置を制御することを特徴とする請求項24記載の固体撮像素子の制御方法。
- 前記光電変換素子によって光電変換された複数の波長成分光に対応する複数の光電変換信号に基づいて撮像信号を算出することを特徴とする請求項24記載の固体撮像素子の制御方法。
- 前記バイアス制御部によって第1のバイアス電圧を印加して3原色光のR光とG光とB光を含む第1の撮像信号を取得し、前記バイアス制御部によって第2のバイアス電圧を印加して3原色光のG光とB光を含む第2の撮像信号を取得し、前記バイアス制御部によって第3のバイアス電圧を印加して3原色光のB光を含む第3の撮像信号を取得することを特徴とする請求項24記載の固体撮像素子の制御方法。
- 前記第1の撮像信号から第2の撮像信号を減算することによりR光を算出し、前記第2の撮像信号から第3の撮像信号を減算することにより、G光を算出することを特徴とする請求項27記載の固体撮像素子の制御方法。
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