JP2009088289A - 固体撮像素子およびその製造方法並びに撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換部の開口率を改善して、感度を向上させることができるとともに、電荷転送効率も改善できる固体撮像素子およびその製造方法並びに撮像装置を得る。
【解決手段】光に感応して信号電荷を発生する複数の光電変換素子10を行列状に配置した画素部11と、光電変換素子10が発生した信号電荷を読み出して転送する垂直電荷転送部12とが半導体基板表面層に形成され、電荷転送部12が、信号電荷の転送を行うための複数の第1転送電極と、この第1転送電極同士の間に設けられた複数の第2転送電極とを有し、半導体基板の光電変換素子10の形成された領域と、半導体基板の第2転送電極下方の領域の少なくとも一部に、反射防止膜を延在させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換部を行列状に配置した画素部と、光電変換部に隣接して帯状に設けられ光電変換部が発生した信号電荷を読み出して列方向へ転送する電荷転送部とが半導体基板表面層に形成された固体撮像素子およびその製造方法並びに撮像装置に関する。
CCD撮像素子等の固体撮像素子は、光に感応して電荷を発生する光電変換素子を行列状に配置した画素部と、これら光電変換素子に隣接して帯状に設けられ各光電変換素子が発生した信号電荷を転送する複数の電荷転送部とを有している。この種の固体撮像素子では、シリコン基板表面の反射によって、入射光の損失が大きくなり、十分な感度が得られないことがある。
これの解決策として、光電変換領域上にシリコン窒化膜による反射防止膜を形成することが提案されている。ところが、固体撮像装置において暗電流を低減するための有効な手段として、水素シンター処理があるが、シリコン窒化膜による反射防止膜形成後に水素シンター処理を行った場合、シリコン窒化膜によりシリコンへの水素の到達が遮られ、シリコンのダングリングボンドの水素終端を十分に行うことができない不具合が生じる。
そこで、例えば特許文献1には、光電変換領域となるn型半導体領域のシリコン基板上に、シリコン窒化膜からなる反射防止膜を形成するとともに、転送電極上部の反射防止膜の一部を取り除いた固体撮像装置が開示されている。図14に示すように、この固体撮像装置は、P型シリコン基板1を用いて構成され、そのP型シリコン基板1の表面には、光電変換領域となるn型半導体領域2と、転送領域となる第2半導体領域3と、画素間を分離するp型半導体領域4とが形成されている。そのP型シリコン基板1のn型半導体領域2上には、薄いシリコン酸化膜5aが形成され、その薄いシリコン酸化膜5a上に、屈折率がシリコン酸化膜よりも大きくシリコンよりも小さいシリコン窒化膜からなる反射防止膜6が形成される。この反射防止膜6は、転送領域では、シリコン酸化膜5aを介し転送電極7上部に形成されている。さらには、転送電極7上部に形成された反射防止膜6の一部6aは、外部から水素を送り込むために取り除かれている。
転送領域では、シリコン基板上にシリコン酸化膜5c、その上部にシリコン窒化膜8、さらにその上部にシリコン酸化膜5dが積層された所謂ONO(SiO2/SiN/SiO2)膜が形成され、さらにその上部に転送電極7が形成されている。シリコン窒化膜からなる反射防止膜6とシリコン窒化膜8はシリコン酸化膜5aを介して隔てられ接触しない構造となっている。転送領域の反射防止膜6の上部は、シリコン酸化膜5bに被覆され、さらに入射光を遮断するために遮光膜9に被覆される。
これにより、感度を増大するためにシリコン酸化膜を介してシリコン表面全面に反射防止膜6を形成した場合においても、暗電流を低減するために有効な、水素によるシリコンのダングリングボンドの終端を十分に行うことが可能となり、感度を向上させ、暗電流を低減させている。
特開2000−12817号公報
しかしながら、上記した従来の固体撮像装置は、光電変換部(n型半導体領域2)上に形成するシリコン窒化膜からなる反射防止膜6を、転送電極7上の一部6aで開口する構成をとるが、転送電極7の側壁には同一層でシリコン窒化膜からなる反射防止膜6bが形成されてしまうため、側壁の壁厚(基板表面に沿った側壁の幅)が増して光電変換部の開口率低下につながり、特に微細化が進んだ固体撮像装置ではその影響が無視できなくなってきている。また、垂直転送路の電荷転送効率も常に改善が必要とされている。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、光電変換部の開口率を改善して、感度を向上させることができるとともに、電荷転送効率も改善できる固体撮像素子およびその製造方法並びに撮像装置を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 光に感応して信号電荷を発生する光電変換部を行列状に配置した画素部と、前記光電変換部が発生した信号電荷を読み出して転送する電荷転送部とが半導体基板表面層に形成された固体撮像素子であって、
前記電荷転送部が、信号電荷の転送を行うための複数の第1転送電極と、該第1転送電極同士の間に設けられた複数の第2転送電極と、を有し、
前記半導体基板の前記光電変換部の形成された領域の少なくとも一部と、前記半導体基板の前記第2転送電極下方の領域の少なくとも一部に、反射防止膜が延在している固体撮像素子。
この固体撮像素子によれば、光電変換部の形成された領域の少なくとも一部と、第2転送電極下方の領域の少なくとも一部に延在させたゲート絶縁膜が、反射防止膜として機能することとなり、従来、第2転送電極形成後に形成した反射防止膜が省略される。これにより、厚みの増した電極側壁の表面に反射防止膜が形成されなくなり、電極側壁の薄肉化が可能となる。また、第1転送電極下と第2転送電極下のゲート絶縁膜が個々に形成されることにより、各電極下のポテンシャルが調整可能となり、電荷転送効率の改善が可能となる。
(2) (1)記載の固体撮像素子であって、
前記反射防止膜がシリコン窒化膜を含む固体撮像素子。
この固体撮像素子によれば、反射防止膜が、シリコン窒化膜(屈折率およそ2.0程度)によって形成されることで、シリコン酸化膜(屈折率およそ1.45程度)よりも反射防止効果の大きい反射防止膜が容易に形成可能となる。
(3) (1)または(2)記載の固体撮像素子であって、
前記第1転送電極下方のゲート絶縁膜は、単層のシリコン酸化膜からなり、
前記第2転送電極下方のゲート絶縁膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜の積層構造からなる固体撮像素子。
この固体撮像素子によれば、光電変換部に近接する第2転送電極下方のゲート絶縁膜は、積層構造となることで電位ポテンシャルが深くなり、第2転送電極よりも光電変換部から離れた第1転送電極下方のゲート絶縁膜は、単層となることで電位ポテンシャルが浅くなる。これにより、信号電荷を転送する転送路に、転送方向に向かって徐々に深くなるポテンシャル勾配が形成される。
(4) 光に感応して信号電荷を発生する光電変換部を行列状に配置した画素部と、前記光電変換部が発生した信号電荷を読み出して転送する電荷転送部とが半導体基板表面層に形成され、前記電荷転送部が、信号電荷の転送を行うための複数の第1転送電極と、該第1転送電極同士の間に設けられた複数の第2転送電極と、を有する固体撮像素子の製造方法であって、
前記半導体基板上にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第1転送電極をパターニング形成する工程と、
前記第1転送電極を含む全面にシリコン窒化膜を形成する工程と、
前記第1転送電極の側面にシリコン酸化膜からなるサイドウォールを形成する工程と、
前記光電変換部の少なくとも一部をマスクして前記シリコン窒化膜を選択的に除去する工程と、
前記第1転送電極に隣接して該第1転送電極の脇部における前記シリコン窒化膜が除去された領域を下方に含むように前記第2転送電極をパターニング形成する工程と、
を含む固体撮像素子の製造方法。
この固体撮像素子の製造方法によれば、第2転送電極下のゲート絶縁膜(シリコン窒化膜)が光電変換部上に残されることで、反射防止膜として機能し、従来、第2転送電極形成後に形成した反射防止膜の成膜が省略される。これにより、電極側壁の薄肉化が可能となる。また、第1転送電極下と第2転送電極下のゲート絶縁膜を個々に形成することが可能となる。
(5) (4)記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記半導体基板上に形成されるシリコン酸化膜が、熱酸化膜である固体撮像素子の製造方法。
この固体撮像素子の製造方法によれば、耐圧性のよい層間絶縁膜が容易に作成される。
(6) (4)または(5)記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記サイドウォールは、シリコン酸化膜をCVDで成膜した後に、異方性エッチングにより前記第1転送電極の側面のみに残して形成する固体撮像素子の製造方法。
この固体撮像素子の製造方法によれば、シリコン窒化膜が成膜され、さらに表面全面を覆うようにシリコン酸化膜が成膜された後に、異方性エッチングにより、第1転送電極の側面に残存させたシリコン酸化膜によりサイドウォールが形成される。
(7) (4)〜(6)のいずれか1項記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記シリコン窒化膜を選択的に除去する工程が、前記第1転送電極の前記光電変換素子側の脇部をマスクして選択的に除去する固体撮像素子の製造方法。
この固体撮像素子の製造方法によれば、光電変換部に近接する第2転送電極下方から光電変換部から離れた第1転送電極下方までのゲート絶縁膜に、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜による3層領域と、同種のシリコン酸化膜による2層領域と、シリコン酸化膜のみによる1層領域のポテンシャル勾配(電位スロープ)がより確かな階段構造として形成可能となり、電荷転送効率が向上する。
(8) (4)〜(7)のいずれか1項記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記半導体基板上にシリコン酸化膜を形成する工程が、前記半導体基板上にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜をこの順で成膜してから、少なくとも前記光電変換部の領域に対してシリコン酸化膜のみの単層構造にする固体撮像素子の製造方法。
この固体撮像素子の製造方法によれば、最初に、半導体基板上の全面にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜からなる3層構造のONO膜が形成された後、上層側からシリコン酸化膜、シリコン窒化膜が選択的に除去されることで、第1転送電極下と第2転送電極下のゲート絶縁膜が個々に形成可能となり、画素部と周辺回路部とで別々にゲート絶縁膜を形成する必要がなく、プロセスが簡略化される。
(9) (1)〜(3)のいずれか1項記載の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子に光学像を結像させる光学系と、
を備えた撮像装置。
この撮像装置によれば、開口率の改善された固体撮像素子が用いられ、高感度が得られる。また、電荷転送効率も改善される。さらに、シリコン窒化膜が選択的に除去されることで、水素シンター処理におけるシリコンへの水素の到達が良好となった固体撮像素子が用いられ、暗電流が低減される。
本発明に係る固体撮像素子によれば、半導体基板の光電変換部の形成された領域の少なくとも一部と、第2転送電極下方の領域の少なくとも一部に、ゲート絶縁膜を延在させ、反射防止膜として機能させるので、従来、第2転送電極形成後に形成した反射防止膜を省略できる。これにより、電極側壁の薄肉化を可能にして、光電変換部の開口率を改善し、感度を向上させることができる。また、第1転送電極下と第2転送電極下のゲート絶縁膜を個々に形成することにより、各電極下のポテンシャルを調整し、電荷転送効率を改善することができる。特に、第2転送電極下のゲート絶縁膜厚を転送路途中で薄くすることにより、転送路にポテンシャル勾配を形成し、電荷転送効率を改善することができる。
本発明に係る固体撮像素子の製造方法によれば、半導体基板上にシリコン酸化膜を形成し、第1転送電極をパターニング形成し、第1転送電極を含む全面にシリコン窒化膜を形成し、第1転送電極の側面にシリコン酸化膜からなるサイドウォールを形成し、光電変換部の少なくとも一部をマスクしてシリコン窒化膜を選択的に除去し、第1転送電極に隣接して第1転送電極の脇部におけるシリコン窒化膜が除去された領域を下方に含むように第2転送電極をパターニング形成するので、第2転送電極下のゲート絶縁膜(シリコン窒化膜)を光電変換部上に残すことにより、反射防止膜として機能させることができ、従来、第2転送電極形成後に形成した反射防止膜の成膜を省略できる。これにより、電極側壁の薄肉化を可能にして、光電変換部の開口率を改善し、高感度の固体撮像素子を製造できる。また、第1転送電極下と第2転送電極下のゲート絶縁膜を個々に形成することが可能となり、各電極下のポテンシャルを調整し、電荷転送効率を改善することができる。特に、第2転送電極下のゲート絶縁膜厚を転送路途中で薄くすることにより、転送路にポテンシャル勾配を形成して、電荷転送効率の高い固体撮像素子を製造できる。
本発明に係る撮像装置によれば、上記の固体撮像素子と、固体撮像素子に光学像を結像させる光学系とを備えたので、光電変換部の開口率を改善して感度を向上させることができ、また、電荷転送効率を高めることができる。さらに、固体撮像素子のシリコン窒化膜が選択的に除去されるので、水素シンター処理におけるシリコンへの水素の到達が良好となり、暗電流を低減させて、白キズの少ない高品位な画像を得ることができる。
以下、本発明に係る固体撮像素子およびその製造方法並びに撮像装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る固体撮像素子の基本構成を示すブロック図である。
固体撮像素子100は、多数の光電変換部である光電変換素子10が平面上に行方向(矢印Xの方向)及び列方向(矢印Yの方向)に沿って並ぶように二次元配置された画素部11を有している。各々の光電変換素子10は、半導体で構成されるフォトダイオードであり、各々の受光面に入射した光の強さと露光時間の長さとで定まる光量に応じた信号電荷を生成する。つまり、複数の光電変換素子10のそれぞれが生成する信号電荷の量が、二次元画像を構成するそれぞれの画素の明るさに相当する。
二次元配置された多数の光電変換素子10のそれぞれが出力する信号電荷を固体撮像素子100の出力端子OUTから適切な順番にしたがって時系列のフレーム毎の信号として取り出すために、複数の電荷転送部である垂直電荷転送部(VCCD)12(1)〜12(n)と、ラインメモリ13と、水平電荷転送部(HCCD)14と、出力増幅器15とが固体撮像素子100に備わっている。
各々の垂直電荷転送部12は、光電変換素子10と隣接する位置に、Y方向に向かって延設されており、1列分の光電変換素子10のそれぞれから信号電荷を受け取った後、列毎に信号電荷を縦方向(矢印Y方向)に順次に転送する。
垂直電荷転送部12(1)〜12(n)の出力側にはラインメモリ13が配置されており、垂直電荷転送部12(1)〜12(n)から出力される1行分の信号電荷がラインメモリ13上に一時的に蓄積される。
ラインメモリ13に蓄積された1行分の信号電荷は、ラインメモリ13から水平電荷転送部14に転送され、その結果、水平電荷転送部14に1行分の信号電荷が保持される。水平電荷転送部14は、それ自身が保持している1行分の信号電荷を1画素単位で水平方向(矢印X方向)に順次に転送する。水平電荷転送部14から出力される信号電荷は、出力増幅器15で増幅され、出力端子OUTに送られる。
このような読み出し動作を実現するのに必要な制御信号、すなわち、垂直転送制御信号φV(通常は複数相の信号)と、転送制御信号φLMと、水平転送制御信号φH(通常は複数相の信号)とがそれぞれ所定のタイミング信号発生回路(図示せず)によって生成され、固体撮像素子100の垂直電荷転送部12、ラインメモリ13、水平電荷転送部14にそれぞれ印加される。
ここで、固体撮像素子100のさらに具体的な構成例について、図2を参照しながら以下に説明する。
図2は図1に示した固体撮像素子のより具体的な構造を表す平面図である。
この例では、多数の光電変換素子10が一行毎に半ピッチずらされたパターン(所謂ハニカム配列)を形成するように配置されている。ここで、本明細書でいう「ハニカム配列」とは、奇数番目に当たる光電変換素子列中の各光電変換素子10に対し、偶数番目に当たる光電変換素子列中の光電変換素子10の各々が、光電変換素子列内での光電変換素子10のピッチの約1/2、列方向にずれ、奇数番目に当たる光電変換素子行中の各光電変換素子10に対し、偶数番目に当たる光電変換素子行中の光電変換素子10の各々が、光電変換素子行内での光電変換素子10のピッチの約1/2、行方向にずれ、光電変換素子列の各々が奇数行または偶数行の光電変換素子10のみを含むような、多数個の光電変換素子10の配置を意味する。「ハニカム配列」は、多数個の光電変換素子10を複数行、複数列に亘って行列状に配置する際の一形態である。
また、カラー画像を撮影可能な固体撮像素子100を想定しているので、図2中に「G1」、「G2」、「B」、「R」で示すように、それぞれの光電変換素子10は検出する色成分が予め定められている。すなわち、「G1」、「G2」が示された各光電変換素子10は緑色の色成分の明るさを検出し、「B」が示された各光電変換素子10は青色の色成分の明るさを検出し、「R」が示された各光電変換素子10は赤色の色成分の明るさを検出する。なお、各色の配列はこれに限らず、他の配列であっても構わない。
実際には、各光電変換素子10の受光面の前面に配置された光学フィルタの分光特性によって、各光電変換素子10の検出する色成分が定まる。図2に示す例では、光電変換素子10の列毎に区分して、4種類のフィルタ列FC1、FC2、FC3、FC4が配置してある。フィルタ列FC1の光学フィルタは縁色フィルタ(G1)のみによって構成され、フィルタ列FC2の光学フィルタは交互に配置された青色フィルタ(B)と赤色フィルタ(R)とで構成され、フィルタ列FC3の光学フィルタは緑色フィルタ(G2)のみによって構成され、フィルタ列FC4の光学フィルタは交互に配置された赤色フィルタ(R)と青色フィルタ(B)とで構成されている。
すなわち、フィルタ列FC1が配置された列の各光電変換素子10については「G1」、すなわち緑色の色成分を検出し、フィルタ列FC2が配置された列の各光電変換素子10については「B」(青色)又は「R」(赤色)の色成分を検出し、フィルタ列FC3が配置された列の各光電変換素子10については「G2」、すなわち緑色の色成分を検出し、フィルタ列FC4が配置された列の各光電変換素子10については「R」(赤色)又は「B」(青色)の色成分を検出する。
光電変換素子10の列毎に、各列と隣接する位置に垂直電荷転送部12が蛇行する形状で形成されている。各々の垂直電荷転送部12は、半導体基板16に形成された垂直電荷転送チャネル17と、半導体基板16上に電気的絶縁膜(図示せず)を介して配置された多数本の第1転送電極18と、第2転送電極19と、第1補助転送電極20と、第2補助転送電極21と、第3補助転送電極22とを備えている。なお、23は水平電荷転送チャネルを表す。
固体撮像素子100は、各電極(18,19,20,21,22)に所定の電圧を印加して各垂直電荷転送チャネル17上に所定の電位分布を形成し、各電極に印加する電圧を順次に切り替えることにより、図1に示す垂直電荷転送部(VCCD)12において各画素の信号電荷を目的の方向に向けて順次に転送することができる。
第1転送電極18及び第2転送電極19は、光電変換素子10の行毎にそれぞれ1つずつ形成されている。なお、各第1転送電極18は、光電変換素子10から垂直電荷転送部12の垂直電荷転送チャネル17への信号電荷の転送を制御するための読出しゲートとしても機能する。
矢印Y方向に交互に並んでいる第2転送電極19及び第1転送電極18のそれぞれには、図2に示すように、4相の垂直転送制御信号(あるいは駆動パルスと呼ぶ)φV1、φV2、φV3、φV4のいずれかが各第2転送電極19及び第1転送電極18の配置された位置関係に応じて印加される。同様に、第1補助転送電極20には垂直転送制御信号φV2が印加され、第2補助転送電極21には垂直転送制御信号φV3が印加され、第3補助転送電極22には垂直転送制御信号φV4が印加される。
図3は図2の要部拡大図である。
垂直電荷転送部12の各々は、図2に示す半導体基板16に形成された垂直電荷転送チャネル17と、垂直電荷転送チャネル17と平面視上交差する第1転送電極18および第2転送電極19とを含んで構成される。垂直電荷転送チャネル17の各々は、対応する光電変換素子列に沿って蛇行しつつ、図中ではその右側に延在する。
第1転送電極18と第2転送電極19とは、重ね合わせ構造をなす。第2転送電極19の線幅方向の縁部が、第1転送電極18の線幅方向の縁部に0.2μm未満の重なり幅で重なる。一方、第1転送電極18および第2転送電極19の各々は、奇数行の光電変換素子行に対しては、この光電変換素子行に沿って蛇行しつつその下流側に延在し、偶数行の光電変換素子行に対しては、この光電変換素子行に沿って蛇行しつつその上流側に延在する。
第1転送電極18と第2転送電極19との重なり部分は、光電変換素子行方向に対して斜行する斜行領域と、光電変換素子行方向に延在する水平領域とを含む。斜行領域の各々は、垂直電荷転送チャネル17上に位置する。
第1転送電極18と第2転送電極19とは、光電変換素子列の1列おきに、八角形状の開口部を画定する。光電変換素子10それぞれの表面は、平面視上、これらの八角形状の開口部から露出する。
第1転送電極18および第2転送電極19は、それぞれ、垂直電荷転送チャネル17の各々と平面視上交差する領域を有する。これらの領域の各々は、その下の電荷転送チャネルとともに、1つの電荷転送段を構成する。1個の光電変換素子10に対して4つの電荷転送段が形成されている。光電変換素子行を構成する光電変換素子10に対応する読み出しゲートは、第2転送電極19と第1転送電極18とによって画定される八角形状の開口部を平面視したときの右下の辺に沿って、その外側に形成される。
図4は図3のA1−A2断面図である。
上記のように光電変換素子10を複数行、複数列に亘って行列状に配置した画素部11には、光電変換素子10に隣接して複数の帯状に設けられ光電変換素子10が発生した信号電荷を読み出して列方向へ転送する垂直電荷転送部12が半導体基板表面層に形成される。垂直電荷転送部12は、この垂直電荷転送部12に沿った信号電荷の転送を行うための複数の第1転送電極18と、この第1転送電極18同士の間に設けられ光電変換素子10から信号電荷の読み出しおよび垂直電荷転送部12に沿った信号電荷の転送を行うための複数の第2転送電極19とを有する。
半導体基板16上にはシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜24が形成され、ゲート絶縁膜24上には第1転送電極18が設けられる。この第1転送電極18の側壁には絶縁膜25が形成され、上面には後段の第2転送電極19に対するCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理のためのストッパ膜30が形成されている。ゲート絶縁膜24上と、第1転送電極18の絶縁膜25表面にはシリコン窒化膜からなる反射防止膜28が形成される。なお、反射防止膜28は光電変換部以外では層間膜としての機能となるが、ここでは説明を簡単にするために反射防止膜と呼称して説明することにする。また、第1転送電極18の側壁の層間膜26にはシリコン酸化膜からなるサイドウォール27が後述の異方性エッチングによって形成されている。
反射防止膜28は、その一部分26a,26bが除去されて、図3に示す垂直電荷転送部12に交差するストライプ状に形成される。また、反射防止膜28は光電変換素子10の一部を覆うように形成されている。この反射防止膜28の除去された一部分26a,26bにより、シリコン窒化膜による反射防止膜形成後に水素シンター処理が可能となる。反射防止膜28は、ストライプ状のマスクにて形成することにより、表面凹凸の大きいパターン上においても他の膜に乗り上げることなく、正確なパターンで形成可能となる。反射防止膜28は、第1転送電極18下には形成されず、第2転送電極19下の一部に延在する。反射防止膜28上、反射防止膜28の除去された一部分26a,26b上、サイドウォール27表面にはシリコン酸化膜からなる酸化膜29が設けられる。この酸化膜29上には、反射防止膜28の一部分とサイドウォール27側面の酸化膜29aに沿って第2転送電極19が形成されている。
つまり、半導体基板16の光電変換素子10の形成された領域の少なくとも一部と、半導体基板16の第2転送電極19下方の領域の少なくとも一部に、反射防止膜28が延在している。
この固体撮像素子100では、光電変換素子10の形成された領域の少なくとも一部と、第2転送電極19下方の領域の少なくとも一部に延在させた絶縁膜が反射防止膜28として機能することとなり、従来、第2転送電極19の形成後に形成した反射防止膜の成膜工程が省略される。これにより、第2転送電極19の側壁の表面に反射防止膜28が形成されなくなり、第2転送電極19の側壁が光電変換素子10側に突出せずに形成可能となる。また、第1転送電極18下と第2転送電極19下のゲート絶縁膜が個々に形成されることにより、各電極下のポテンシャルがゲート絶縁膜の厚みにより調整可能となり、電位スロープを付けることで電荷転送効率の改善が可能となる。
また、本実施形態の構成によれば、反射防止膜28はシリコン窒化膜を含む。反射防止膜28がシリコン窒化膜(屈折率およそ2.0程度)によって形成されることで、シリコン酸化膜(屈折率およそ1.45程度)よりも反射防止効果の大きい反射防止膜28が容易に形成可能となる。
また、第1転送電極18下方のゲート絶縁膜24は、単層のシリコン酸化膜からなり、第2転送電極19下方のゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜24、反射防止膜28、酸化膜29)は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜のONO積層構造からなる。
なお、本実施形態の固体撮像素子の大略的な構造は、以下のように表すことができる。
すなわち、固体撮像素子は、
(1)半導体基板16と、
(2)半導体基板16の一表面側に複数行、複数列に亘る行列状に形成された多数個の光電変換素子10と、
(3)光電変換素子列の1列毎に光電変換素子列に近接して半導体基板16に形成された垂直電荷転送チャネル17と、
(4)半導体基板16上に電気的絶縁層を介して形成された複数本の第1転送電極18であって、各々が、光電変換素子の列方向に沿って互いに間隔をあけながら光電変換素子の行方向に延在する導電層とこの導電層を覆う電気絶縁性被膜とを有し、垂直電荷転送チャネル17の各々と平面視上交差して平面視上の交差部それぞれにおいて電荷転送段を構成する複数本の第1転送電極18と、
(5)電気的絶縁層上に第1転送電極18と1本ずつ交互に配設された複数本の第2転送電極19であって、各々が、光電変換部行方向に延在する導電層とこの導電層を覆う電気絶縁性被膜とを有するとともに、垂直電荷転送チャネル17それぞれの上方において近接する第1転送電極の線幅方向の縁部に重なり、垂直電荷転送チャネル17の各々と平面視上交差して平面視上の交差部それぞれにおいて電荷転送段を構成する複数本の第2転送電極19と、
を備えた構成となっている。
次に、上記した固体撮像素子100の製造方法を説明する。
図5は本発明に係る固体撮像装置の製造手順を(a)〜(d)で表した工程説明図、図6は図5に続く製造手順を(a)、(b)で表した工程説明図、図7は図6(a)の平面図、図8は第1、第2転送電極下方の領域に形成されるポテンシャル勾配を表した模式図である。
図5(a)に示すように、先ず、半導体基板16上に単層のシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜24を形成する。シリコン酸化膜は、加熱形成される熱酸化膜として形成する。
図5(b)に示すように、第1転送電極18の上面にCMPのストッパ膜30を形成し、第1転送電極18をゲート絶縁膜24上にパターニング形成する。そして、軽く熱酸化させることで、第1転送電極18の側壁に絶縁膜25を20〜30nm形成する。
図5(c)に示すように、第1転送電極18を含む全面にシリコン窒化膜からなる反射防止膜28を5〜30nm形成する。
その状態で、図5(d)に示すように、CVDによりシリコン酸化膜を成膜し、異方性エッチングにて層間膜としてのサイドウォール27を形成する。サイドウォール27は、シリコン酸化膜をCVDで成膜した後に、異方性エッチングにより第1転送電極18の側面のみに残して形成される。
図6(a)および図7に示すように、第2転送電極19下の垂直電荷転送チャネル17上と、光電変換素子10上との少なくとも一部分26a,26bをマスクして、シリコン窒化膜からなる反射防止膜28をエッチングで除去する。これにより、反射防止膜28の一部分26a,26bが選択的に除去され、図7に示す垂直電荷転送部12に交差するストライプ状の反射防止膜28が形成される。このように、シリコン窒化膜の選択的な除去を、第1転送電極18の光電変換素子側の脇部をマスクして選択的に行うことで、光電変換素子10に近接する第2転送電極下方から、光電変換素子10より離れた第1転送電極下方までの間のゲート絶縁膜を、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜による3層領域と、同種のシリコン酸化膜同士またはシリコン酸化膜のみによる1層領域のポテンシャル勾配(電位スロープ)がより確かな階段構造として形成される(図8参照)。
次いで、図6(b)に示すように、シリコン酸化膜からなる酸化膜29を全面に4〜6nm程度、CVDにて形成する。
最後に、図4に示すように、第1転送電極18に隣接して、この第1転送電極18の脇部におけるシリコン窒化膜からなる反射防止膜28が除去された領域26a,26bを下方に含むように、第2転送電極19をパターニング形成する。したがって、第2転送電極下方の領域は、ゲート構造がシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜からなるONO積層部Fと、シリコン酸化膜からなる単層部Tとに分けられている。
この製造方法では、第2転送電極19下のゲート絶縁膜(シリコン窒化膜である反射防止膜28)が光電変換素子10上に残されることで、反射防止膜28として機能し、従来、第2転送電極形成後に形成した反射防止膜の成膜が省略される。これにより、第2転送電極19の側壁に反射防止膜が形成されることがなく、第2転送電極19の側壁の薄肉化が可能となるので、光電変換素子10の開口率を改善し、感度を向上させることができる。また、従来、第2転送電極形成後に形成した反射防止膜の成膜工程を省略でき、工程を簡略化することができる。
また、第1転送電極18下と第2転送電極19下のゲート絶縁膜を個々に形成することが可能となり、各電極下のポテンシャルを調整し、電荷転送効率を改善することができる。特に、第2転送電極19下のゲート絶縁膜厚を転送路途中で薄くすることにより、転送路にポテンシャル勾配を形成し、電荷転送効率を改善することができる。
すなわち、図8に示すように、光電変換素子10に近接する第2転送電極19下方のゲート絶縁膜は、3層の積層構造となることで電位ポテンシャルが深くなり、第2転送電極19よりも光電変換素子10から離れた第1転送電極18下方のゲート絶縁膜は、単層となることで電位ポテンシャルが浅くなる。これにより、垂直電荷転送部12において、信号電荷の転送方向に向かって深くなるポテンシャル勾配の電位スロープが形成されることになる。なお、図8においては、図3のA1−A2断面で電位ポテンシャルを示しているが、本願の電荷転送効率を向上する効果は、垂直電荷転送部12の電荷転送方向に沿ったポテンシャル勾配が形成されることで、垂直電荷転送部12における電荷転送効率を向上させるものである。
以上のように、本実施形態の固体撮像素子の構成によれば、第1転送電極18側壁の薄肉化を可能にして、光電変換素子10の開口率を改善し、高感度の固体撮像素子100とすることができる。また、第1転送電極18下と第2転送電極19下のゲート絶縁膜を個々に形成し、第2転送電極19下のゲート絶縁膜厚を転送路途中で薄くすることにより、転送路にポテンシャル勾配を形成して、電荷転送効率の高い固体撮像素子100とすることができる。なお、第2転送電極19下にイオン注入処理により別途にポテンシャル勾配を設けることも可能であるが、その場合には工程が増えることになる。しかし、本実施の形態によれば、簡素な工程にてポテンシャル勾配を設けることができる。
次に、本発明に係る製造方法の第二の実施の形態を説明する。
図9は第2の実施の形態による製造手順を(a)〜(c)で表した工程説明図、図10は図9(a)の平面図、図11は図9(c)の平面図である。なお、図9は図10,図11中のB1−B2断面を示す。
本実施形態の固体撮像素子100Aは、上記の固体撮像素子100と同様に、図9(a)に示すように、第1転送電極18を含む全面にシリコン窒化膜からなる反射防止膜28を形成し、CVDによりシリコン酸化膜を成膜した後、異方性エッチングにて層間膜としてのサイドウォール27を形成する。
次いで、図9(a)、図10に示すように、反射防止膜28の少なくとも一部分26bをエッチングにて選択的に除去する。本実施形態では、前述の固体撮像素子100の場合の一部分26aは反射防止膜が除去されていない。この一部分26bの開口により、シリコン窒化膜による反射防止膜形成後に水素シンター処理が可能となる。
次いで、図9(b)に示すように、シリコン酸化膜からなる酸化膜29を全面に4〜6nm程度CVDにて形成する。
そして、第1転送電極18に隣接して、この第1転送電極18の脇部に、第2転送電極19をパターニング形成する。したがって、第2転送電極下方の領域は、ゲート構造がシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜からなるONO積層部Fが形成される。このときの第2転送電極19の平面視を図11に示した。
これにより、光電変換素子10に近接する第2転送電極下方から、光電変換素子10から離れた第1転送電極下方までのゲート絶縁膜に、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜による3層領域と、シリコン酸化膜のみによる1層領域のポテンシャル勾配(電位スロープ)が階段構造として形成される。
この固体撮像素子の製造方法によれば、シリコン窒化膜からなる反射防止膜28の一部分26aを除去しない分、工程を簡素にすることができ、また、光電変換素子10を覆う反射防止膜28の面積を増大できるので、光電変換素子10の感度向上が図られる。
以上の実施形態においては、ゲート酸化膜としてシリコン酸化膜を用いているが、本発明に係る製造方法はこれに限らず、ゲート絶縁膜をONO膜としてもよい。図12はゲート絶縁膜がONO膜である変形例の製造手順を(a)〜(d)で表した工程説明図である。この場合、図12(a)に示すように、半導体基板16上に、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜24、シリコン窒化膜からなる層間膜26、シリコン酸化膜からなる酸化膜29(すなわち、ONO膜)を先に積層する。
次いで、図12(b)に示すように、少なくとも画素部11の酸化膜29、層間膜26を除去してゲート絶縁膜24のみを残す。
そして、図12(c)に示すように、第1転送電極18をゲート絶縁膜24上にパターニング形成する。第1転送電極18の上面にはCMPのストッパ膜30を形成し、軽く熱酸化させて側壁に絶縁膜25を20〜30nm形成する。
図12(d)に示すように、第1転送電極18を含む全面にシリコン窒化膜からなる反射防止膜28を再度5〜30nmで形成する。以降の工程は、上記の固体撮像素子100の図5(d)、および図6に示す工程と同様に、異方性エッチングにてサイドウォール27を形成し、反射防止膜28の一部分26a,26bを除去し、酸化膜29を形成した後、第2転送電極19をパターニング形成する。
つまり、半導体基板16上にシリコン酸化膜を形成する工程が、一旦はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜のONO膜を形成し、その後に、少なくとも光電変換素子10の領域に対してシリコン酸化膜のみの単層構造にすることで行われる。固体撮像素子には、画素部11と周辺回路部とがあり、第1実施形態では、画素部11と周辺回路部のゲート絶縁膜を別々に形成、すなわち、画素部11にシリコン酸化膜を形成し、周辺回路部はONO膜とすることを基本とするが、第2実施形態では、画素部11も周辺回路部も一旦、ONO膜をゲート絶縁膜として形成して、画素部11のみシリコン酸化膜の1層のみを残すようにする。また、図示例のように画素部全面に対してシリコン窒化膜、シリコン酸化膜を除去する方法に限らず、光電変換素子10から垂直電荷転送チャネルへの電位スロープが形成されるように各層の厚みを適宜制御して成膜することであってもよい。
このように、最初に、半導体基板16上の全面にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜からなる3層構造のONO膜が形成された後、上層側からシリコン酸化膜、シリコン窒化膜が選択的に除去されることで、第1転送電極下と第2転送電極下のゲート絶縁膜が個々に形成可能となる。したがって、画素部11と周辺回路部とで別々にゲート絶縁膜を形成する必要がなく、共通のプロセスにより効率良くゲート絶縁膜を形成でき、プロセスを簡略化できる。
次に、上記実施形態の固体撮像素子100を備えた撮像装置であるデジタルカメラについて説明する。
図13は本発明に係る固体撮像素子を搭載したデジタルカメラのブロック図である。
図示するデジタルカメラ、すなわち撮像装置40は、撮影レンズ41と、上記した固体撮像素子100と、この両者の間に設けられた絞り42と、赤外線カットフィルタ45と、光学ローパスフィルタ47とを備える。デジタルカメラ40の全体を統括制御するCPU49は、フラッシュ発光部51および受光部53を制御し、レンズ駆動部55を制御して撮影レンズ41の位置をフォーカス位置に調整し、絞り駆動部57を介し絞り42の開口量を制御して露光量調整を行う。撮影レンズ41、絞り42、赤外線カットフィルタ45、光学ローパスフィルタ47は固体撮像素子100に光学像を結像させる光学系として機能する。
また、CPU49は、撮像素子駆動部59を介して固体撮像素子100を駆動し、撮影レンズ41を通して撮像した被写体画像を色信号として出力させる。CPU49には、操作部61を通してユーザからの指示信号が入力され、CPU49はこの指示にしたがって各種制御を行う。
デジタルカメラ40の電気制御系は、固体撮像素子100の出力に接続されたアナログ信号処理部67と、このアナログ信号処理部67から出力されたRGBの色信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路69とを備え、これらはCPU49によって制御される。
さらに、このデジタルカメラ40の電気制御系は、メインメモリ(フレームメモリ)71に接続されたメモリ制御部73と、ガンマ補正演算,RGB/YC変換処理,画像合成処理等の画像処理を行うデジタル信号処理部75と、撮像画像をJPEG画像に圧縮したり圧縮画像を伸張したりする圧縮伸張処理部77と、測光データを積算しデジタル信号処理部75が行うホワイトバランス補正のゲインを求める積算部79と、着脱自在の記録媒体81が接続される外部メモリ制御部83と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部85が接続される表示制御部87とを備え、これらは、制御バス89およびデータバス91によって相互に接続され、CPU49からの指令によって制御される。
本実施の形態によるデジタルカメラ40で被写体画像を撮像する場合、図1に示す各光電変換素子10が受光量に応じた信号電荷を蓄積し、この信号電荷を先ずVCCD12に読み出し、VCCD12に沿ってHCCD14の方向に転送する。
各信号電荷をVCCD12に読み出す直前のタイミングでは、各VCCD12やHCCD14は掃き出し動作によって空の状態になっている。注入された所定電荷量の上記読出処理後に、各画素の受光量に応じた信号電荷を固体撮像素子100から読み出し、デジタル信号処理部75は、被写体画像データを生成する。
このデジタルカメラ40によれば、固体撮像素子100と、固体撮像素子100に光学像を結像させる光学系とを備えたので、光電変換素子10の開口率を改善し、感度を向上させることができ、また、電荷転送効率を高めることができる。さらに、固体撮像素子100のシリコン窒化膜(層間膜26)が選択的に除去されるので、水素シンター処理におけるシリコンへの水素の到達が良好となり、暗電流を低減させて、白キズの少ない高品位な画像を得ることができる。
なお、上記した実施の形態では、固体撮像素子100,100Aがハニカム構成である場合を例に説明したが、本発明に係る固体撮像素子は、正方画素であっても上記同様の効果を奏するものである。
本発明は、半導体基板の光電変換部の形成された領域の少なくとも一部と、半導体基板の第2転送電極下方の領域の少なくとも一部に、反射防止膜が延在している固体撮像素子に対し、光電変換部の開口率を改善して、感度を向上させることができるとともに、電荷転送効率も改善でき、例えば、電子カメラやビデオカメラ、或いは携帯端末などへの利用に有効である。
本発明に係る固体撮像素子の基本構成を示すブロック図である。 図1に示した固体撮像素子のより具体的な構造を表す平面図である。 図2の要部拡大図である。 図3のA1−A2断面図である。 本発明に係る固体撮像装置の製造手順を(a)〜(d)で表した工程説明図である。 図5に続く製造手順を(a)、(b)で表した工程説明図である。 図6(a)の平面図である。 第1、第2転送電極下方の領域に形成されるポテンシャル勾配を表した模式図である。 第2の実施の形態による製造手順を(a)〜(c)で表した工程説明図である。 図9(a)の平面図である。 図9(c)の平面図である。 ゲート絶縁膜がONO膜である変形例の製造手順を(a)〜(d)で表した工程説明図である。 本発明に係る固体撮像素子を搭載したデジタルカメラのブロック図である。 従来の固体撮像素子の要部断面図である。
符号の説明
10 光電変換素子(光電変換部)
11 画素部
12 垂直電荷転送部(電荷転送部)
16 半導体基板
18 第1転送電極
19 第2転送電極
24 第1電荷転送部下方のゲート絶縁膜
27 サイドウォール
28 反射防止膜
29a 第1転送電極の側面
40 デジタルカメラ(撮像装置)
41 撮影レンズ
42 絞り
45 赤外線カットフィルタ
47 光学ローパスフィルタ
100 固体撮像素子

Claims (9)

  1. 光に感応して信号電荷を発生する光電変換部を行列状に配置した画素部と、前記光電変換部が発生した信号電荷を読み出して転送する電荷転送部とが半導体基板表面層に形成された固体撮像素子であって、
    前記電荷転送部が、信号電荷の転送を行うための複数の第1転送電極と、該第1転送電極同士の間に設けられた複数の第2転送電極と、を有し、
    前記半導体基板の前記光電変換部の形成された領域の少なくとも一部と、前記半導体基板の前記第2転送電極下方の領域の少なくとも一部に、反射防止膜が延在している固体撮像素子。
  2. 請求項1記載の固体撮像素子であって、
    前記反射防止膜がシリコン窒化膜を含む固体撮像素子。
  3. 請求項1または請求項2記載の固体撮像素子であって、
    前記第1転送電極下方のゲート絶縁膜は、単層のシリコン酸化膜からなり、
    前記第2転送電極下方のゲート絶縁膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜の積層構造からなる固体撮像素子。
  4. 光に感応して信号電荷を発生する光電変換部を行列状に配置した画素部と、前記光電変換部が発生した信号電荷を読み出して転送する電荷転送部とが半導体基板表面層に形成され、前記電荷転送部が、信号電荷の転送を行うための複数の第1転送電極と、該第1転送電極同士の間に設けられた複数の第2転送電極と、を有する固体撮像素子の製造方法であって、
    前記半導体基板上にシリコン酸化膜を形成する工程と、
    前記第1転送電極をパターニング形成する工程と、
    前記第1転送電極を含む全面にシリコン窒化膜を形成する工程と、
    前記第1転送電極の側面にシリコン酸化膜からなるサイドウォールを形成する工程と、
    前記光電変換部の少なくとも一部をマスクして前記シリコン窒化膜を選択的に除去する工程と、
    前記第1転送電極に隣接して該第1転送電極の脇部における前記シリコン窒化膜が除去された領域を下方に含むように前記第2転送電極をパターニング形成する工程と、
    を含む固体撮像素子の製造方法。
  5. 請求項4記載の固体撮像素子の製造方法であって、
    前記半導体基板上に形成されるシリコン酸化膜が、熱酸化膜である固体撮像素子の製造方法。
  6. 請求項4または請求項5記載の固体撮像素子の製造方法であって、
    前記サイドウォールは、シリコン酸化膜をCVDで成膜した後に、異方性エッチングにより前記第1転送電極の側面のみに残して形成する固体撮像素子の製造方法。
  7. 請求項4〜請求項6のいずれか1項記載の固体撮像素子の製造方法であって、
    前記シリコン窒化膜を選択的に除去する工程が、前記第1転送電極の前記光電変換素子側の脇部をマスクして選択的に除去する固体撮像素子の製造方法。
  8. 請求項4〜請求項7のいずれか1項記載の固体撮像素子の製造方法であって、
    前記半導体基板上にシリコン酸化膜を形成する工程が、前記半導体基板上にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜をこの順で成膜してから、少なくとも前記光電変換部の領域に対してシリコン酸化膜のみの単層構造にする固体撮像素子の製造方法。
  9. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子に光学像を結像させる光学系と、
    を備えた撮像装置。
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