JP2004221462A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SiCウェハ102上に、SiCをエピタキシャル成長させて、4H−SiCエピタキシャル層104を層厚十数μm形成する。4H−SiCエピタキシャル層104上に、少なくとも、Siをエピタキシャル成長させて成るSiエピタキシャル層を含むコンタクト緩衝層106を形成する。処理後のSiCウェハ102上に、Al、AlSiまたはポリSiを蒸着して、電極108を層厚0.1〜1μm形成する。電極形成後のSiCウェハ102に、アニール温度700℃以下で、熱処理を行うことで、半導体と金属(電極)との接触部分でのオーミックコンタクトを実現する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、SiC(炭化ケイ素)半導体を用いた半導体装置を製造する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
SiC半導体は、バンドギャップが広いため、耐熱性に優れており、高温での使用に適している。また、動作時のオン抵抗も低いため、小さいサイズでも大電流を流すことができ、小型化に適している。
【0003】
一方、半導体装置において、外部との接続のための電極を形成する場合、電極となる金属を半導体に接合する必要がある。しかも、その接触部分では、オーミックコンタクト(すなわち、整流性がなく、電流と電圧の関係がオームの法則に従う接触)を実現する必要があり、さらに、接触抵抗をできる限り下げる必要がある。
【0004】
SiC半導体を用いた半導体装置において、電極を形成する場合、従来では、例えば、下記の特許文献1〜3に記載されているように、SiC半導体に1018cm−3以上の高濃度でドーピング(N,Asなど)を行った後、そのSiC半導体の表面にNiを蒸着し、950℃以上の高温で熱処理し合金化することにより、SiC半導体とNi(金属)との接触部分でオーミックコンタクトを実現すると共に、接触抵抗を下げるようにしていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−61475号公報
【特許文献2】
特開平9−82663号公報
【特許文献3】
特開2000−150417号公報
【0006】
また、他の方法としては、下記の非特許文献1に記載されているように、SiC半導体に1018cm−3以上の高濃度でドーピング(N,Asなど)を行った後、SiC半導体の表面にSiを蒸着し、続けてNiを蒸着し、750℃以上の高温で熱処理し、NiSi2の合金層を形成することにより、SiとNi(金属)との接触部分でオーミックコンタクトを実現すると共に、接触抵抗を下げるようにしていた。
【0007】
【非特許文献1】
中村智宣、他2名,「低温熱処理により形成したNiSi2電極の評価」,第49回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集(2002.3 東海大学 湘南校舎),p.431,29p−ZR−3
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような既提案例においては、次のような問題点があった。
【0009】
すなわち、既提案例においては、接触抵抗を下げるために、熱処理温度(アニール温度)を750〜950℃以上と高温にして、金属の半導体層への拡散や金属と半導体との合金化を促進しているが、その結果として、NiがSiCやSiに侵入し拡散して、NiSi2の合金層や多結晶層を形成し、金属の表面や金属と半導体との界面のモホロジ(平坦性)が劣化したり、半導体との界面が半導体側に拡張したりして、半導体装置として、微細化や高集積化が図れないという問題があった。
【0010】
また、上記したNiSi2合金層は安定的ではないため、半導体装置が実際に動作している際に、高温下で長期間放置されたり、長期間通電状態にあったりすると、Niが半導体側にさらに拡散し、NiSi2の生成が進むことにより、接触抵抗の抵抗値が変化するという問題もあった。
【0011】
さらに、合金化によって、Niが半導体側に侵入し拡散する他、反対に、Siが金属側に析出するため、金属層(Ni)がNiSi2合金層に置き換わり、外部との接続のために、電極にワイヤーボンド材(Al,Auなど)を接続しようとしても、NiSi2合金層とワイヤーボンド材との接合性が悪いため、ワイヤーボンド材が剥がれやすいという問題もあった。
【0012】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、金属の表面や金属と半導体との界面のモホロジの劣化や、界面の拡張を抑えると共に、接触抵抗の抵抗値の安定性や、電極とワイヤーボンド材との接合性を向上させることができる半導体装置の製造技術を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の第1の製造方法は、半導体装置を製造する方法であって、
(a)SiCをエピタキシャル成長させて成るSiCエピタキシャル層を有するウエハを用意する工程と、
(b)前記SiCエピタキシャル層上に、少なくとも、Siをエピタキシャル成長させて成るSiエピタキシャル層を含む、コンタクト緩衝層を形成する工程と、
(c)前記コンタクト緩衝層上に電極を形成する工程と、
(d)前記電極形成後の前記ウエハに所定温度で熱処理を行う工程と、
を備える要旨とする。
【0014】
このように、第1の製造方法では、SiCエピタキシャル層上に、Siエピタキシャル層を含むコンタクト緩衝層を形成し、そのコンタクト緩衝層上に電極を形成している。SiはSiCに比較してバンドギャップが小さいため、活性化エネルギの小さいドーパントの使用が可能であり、それによって、低抵抗化を図ることができる。また、SiはSiCに比較して融点も低いため、工程(d)において低いアニール温度で熱処理を行っても、Siと金属(電極)との合金化が可能である。さらに、Siエピタキシャル層は、Siをエピタキシャル成長させて形成しているため、Siを蒸着して層を形成する場合のように多結晶化することがなく、しかも、Siのバンドギャップが小さいことにより、電極材として、例えば、Alや、AlSiや、ポリSiなど用いることが可能であり、アニール温度が低くても、良好なオーミックコンタクトを実現することができ、接触抵抗も下げることができる。
【0015】
従って、低いアニール温度で熱処理を行うことが可能であるため、金属の表面や金属と半導体との界面のモホロジの劣化や、界面の拡張を抑えることができ、半導体装置として、微細化や高集積化を図ることができる。また、電極材として、Alや、AlSiや、ポリSiなど用いることができるので、接触抵抗の抵抗値の安定化を図ることができ、電極とワイヤーボンド材との接合性も向上させることができる。
【0016】
本発明の第1の製造方法において、前記工程(b)では、前記コンタクト緩衝層を、前記Siエピタキシャル層のみで形成するようにしてもよい。
【0017】
本発明の第1の製造方法において、前記工程(b)では、前記Siエピタキシャル層の厚さが100nm以下となるように、前記コンタクト緩衝層を形成するようにしてもよい。
【0018】
本発明の第1の製造方法において、前記工程(b)では、前記Siエピタキシャル層と、前記SiCエピタキシャル層と、を交互に積層して、前記コンタクト緩衝層を形成するようにしてもよい。この場合において、前記工程(b)では、交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層の厚さが、それぞれ、10nm以下となるように、前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0019】
コンタクト緩衝層をSi/SiCの多層構造とし、各層の厚さを10nm以下と薄くすることによって、Siの禁制帯の高エネルギ側に、超格子構造に伴うサブバンドが発生して、伝導帯の不連続を緩和する。また、層の厚さを薄くすることにより、結晶が柔軟に伸びて、結晶欠陥の発生を抑制する。従って、抵抗の上昇を抑えることができる。
【0020】
また、コンタクト緩衝層をSi/SiCの多層構造とする場合において、前記工程(b)では、交互に積層される前記Siエピタキシャル層の厚さをtSi、前記SiCエピタキシャル層の厚さをtSiCとした場合に、各層の厚さの比tSi/tSiCが、段階的に大きくなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0021】
このように構成することによって、積層するに従って、コンタクト緩衝層の組成はSiに近づくことになるため、結晶欠陥の発生を抑制することができる。
【0022】
さらに、コンタクト緩衝層をSi/SiCの多層構造とする場合において、前記工程(b)では、交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層のうち、前記Siエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記SiCエピタキシャル層の厚さがほぼ一定となるように、前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0023】
Siエピタキシャル層の厚さが積層順に従って段階的に厚くなることにより、サブバンドのエネルギ準位も、積層順に従って段階的に低くなり、Siの伝導帯のエネルギ準位に近づくため、伝導帯の不連続をさらに緩和することができる。
また、コンタクト緩衝層をSi/SiCの多層構造とする場合において、前記工程(b)では、交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層のうち、前記Siエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に薄くなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0024】
このように構成することにより、積層するに従って、コンタクト緩衝層の組成はより早くSiに近づくことになり、結晶欠陥の発生をさらに抑制することができる。
【0025】
本発明の第2の製造方法は、半導体装置を製造する方法であって、
(a)SiCをエピタキシャル成長させて成る4H−SiCエピタキシャル層を有するウエハを用意する工程と、
(b)前記4H−SiCエピタキシャル層上に、少なくとも、SiCをエピタキシャル成長させて成る3C−SiCエピタキシャル層を含む、第1のコンタクト緩衝層を形成する工程と、
(c)前記第1のコンタクト緩衝層上に、少なくとも、Siをエピタキシャル成長させて成るSiエピタキシャル層を含む、第2のコンタクト緩衝層を形成する工程と、
(d)前記第2のコンタクト緩衝層上に電極を形成する工程と、
(e)前記電極形成後の前記ウエハに所定温度で熱処理を行う工程と、
を備えることを要旨とする。
【0026】
このように、第2の製造方法では、4H−SiCエピタキシャル層上に、3C−SiCエピタキシャル層を含む第1のコンタクト緩衝層を形成し、その第1のコンタクト緩衝層上に、Siエピタキシャル層を含む第2のコンタクト緩衝層を形成し、そのコンタクト緩衝層上に電極を形成している。第1の製造方法の場合と同様に、SiはSiCに比較してバンドギャップが小さいため、活性化エネルギの小さいドーパントの使用が可能であり、低抵抗化を図ることができる。また、SiはSiCに比較して融点も低いため、工程(e)において低いアニール温度で熱処理を行っても、Siと金属(電極)との合金化が可能である。さらに、Siエピタキシャル層は多結晶化することがなく、Siのバンドギャップが小さいことにより、電極材として、Alや、AlSiや、ポリSiなど用いることが可能であり、アニール温度が低くても、良好なオーミックコンタクトを実現することができ、接触抵抗も下げることができる。
【0027】
よって、第2の製造方法においても、金属の表面や金属と半導体との界面のモホロジの劣化や、界面の拡張を抑えることができ、半導体装置として、微細化や高集積化を図ることができる。また、接触抵抗の抵抗値の安定化を図ることができ、電極とワイヤーボンド材との接合性も向上させることができる。
【0028】
本発明の第2の製造方法において、前記工程(b)では、前記第1のコンタクト緩衝層を、前記3C−SiCエピタキシャル層のみで形成し、
前記工程(c)では、前記第2のコンタクト緩衝層を、前記Siエピタキシャル層のみで形成することが好ましい。
【0029】
このように、4H−SiCエピタキシャル層上に、第1のコンタクト緩衝層として3C−SiCエピタキシャル層を形成することにより、4H−SiCエピタキシャル層と3C−SiCエピタキシャル層とは、格子定数がほぼ同じであるため、格子不整合に伴う結晶欠陥の発生は生じない。また、第2のコンタクト緩衝層であるSiエピタキシャル層の下に、第1のコンタクト緩衝層206として3C−SiCエピタキシャル層を配して、Siに対する電子親和力の大きな3C−SiCを用いることで、3C−SiCエピタキシャル層とSiエピタキシャル層との間(ヘテロ接合界面)に生じる障壁を小さくして、伝導帯の不連続を緩和し、抵抗の上昇を抑えることができる。
【0030】
本発明の第2の製造方法において、前記工程(b)では、前記3C−SiCエピタキシャル層と、前記4H−SiCエピタキシャル層と、を交互に積層して、前記第1のコンタクト緩衝層を形成することが好ましい。
【0031】
第1のコンタクト緩衝層において、3C−SiCエピタキシャル層と4H−SiCエピタキシャル層とは、格子定数がほぼ同じであるため、積層時での格子不整に伴う結晶欠陥の発生は生じない。
【0032】
第1のコンタクト緩衝層を3C−SiC/4H−SiCの多層構造とする場合において、前記工程(b)では、交互に積層される前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層の厚さが、それぞれ、10nm以下となるように、前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0033】
3C−SiC/4H−SiCの多層構造とした第1のコンタクト緩衝層において、各層の厚さを10nm以下と薄くすることにより、3C−SiCの禁制帯の高エネルギ側に、超格子構造に伴うサブバンドが発生して、伝導帯の不連続を緩和する。
【0034】
第1のコンタクト緩衝層を3C−SiC/4H−SiCの多層構造とする場合において、前記工程(b)では、交互に積層される前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さをt3C−SiC、前記4H−SiCエピタキシャル層の厚さをt4H−SiCとした場合に、各層の厚さの比t3C−SiC/t4H−SiCが、段階的に大きくなるように、前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層を積層するようにしてもよい。
【0035】
また、第1のコンタクト緩衝層を3C−SiC/4H−SiCの多層構造とする場合において、前記工程(b)では、交互に積層される前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層のうち、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記4H−SiCエピタキシャル層の厚さがほぼ一定となるように、前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0036】
このように、3C−SiCエピタキシャル層の厚さが積層順に従って段階的に厚くなることにより、サブバンドのエネルギ準位も、積層順に従って段階的に低くなり、3C−SiCの伝導帯のエネルギ準位に近づくため、伝導帯の不連続をさらに緩和することができる。
【0037】
さらに、第1のコンタクト緩衝層を3C−SiC/4H−SiCの多層構造とする場合において、前記工程(b)では、交互に積層される前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層のうち、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記4H−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に薄くなるように、前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層を積層するようにしてもよい。
【0038】
また、第1のコンタクト緩衝層を3C−SiC/4H−SiCの多層構造とする場合において、前記工程(c)では、前記第2のコンタクト緩衝層を、前記Siエピタキシャル層のみで形成するようにしてもよい。
【0039】
本発明の第2の製造方法において、前記工程(c)では、前記Siエピタキシャル層と、前記3C−SiCエピタキシャル層と、を交互に積層して、前記第2のコンタクト緩衝層を形成するようにしてもよい。
【0040】
第2のコンタクト緩衝層をSi/3C−SiCの多層構造とする場合において、前記工程(b)では、交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが、それぞれ、10nm以下となるように、前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0041】
Si/3C−SiCの多層構造とした第2のコンタクト緩衝層において、各層の厚さを10nm以下と薄くすることにより、3C−SiCの禁制帯の高エネルギ側に、超格子構造に伴うサブバンドが発生して、伝導帯の不連続を緩和する。
【0042】
第2のコンタクト緩衝層をSi/3C−SiCの多層構造とする場合において、前記工程(c)では、交互に積層される前記Siエピタキシャル層の厚さをtSi、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さをt3C−SiCとした場合に、各層の厚さの比tSi/t3C−SiCが、段階的に大きくなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0043】
このように構成することにより、積層するに従って、第2のコンタクト緩衝層の組成はSiに近づくことになるため、Si/3C−SiCの格子定数差による格子不整合に伴う結晶欠陥の発生をさらに低減することができる。
【0044】
また、第2のコンタクト緩衝層をSi/3C−SiCの多層構造とする場合において、前記工程(c)では、交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層のうち、前記Siエピタキシャル層の厚さがほぼ一定となり、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に薄くなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0045】
このように、3C−SiCエピタキシャル層の厚さが積層順に従って段階的に薄くなることにより、サブバンドのエネルギ準位も、積層順に従って段階的に低くなり、Siの伝導帯のエネルギ準位に近づくため、伝導帯の不連続をさらに緩和することができる。
【0046】
さらに、第2のコンタクト緩衝層をSi/3C−SiCの多層構造とする場合において、前記工程(c)では、交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層のうち、前記Siエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に薄くなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層を積層することが好ましい。
【0047】
このように構成することより、積層するに従って、第2のコンタクト緩衝層の組成はより早くSiに近づくことになり、結晶欠陥の発生をさらに抑制することができる。
【0048】
なお、本発明は、上記した製造方法などの方法発明の態様に限ることなく、半導体装置などの装置発明としての態様で実現することも可能である。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1の実施例:
A−1.コンタクト緩衝層の第1の具体例:
A−2.コンタクト緩衝層の第2の具体例:
A−3.コンタクト緩衝層の第3の具体例:
A−4.コンタクト緩衝層の第4の具体例:
B.第2の実施例:
B−1.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第1の具体例:
B−2.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第2の具体例:
B−3.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第3の具体例:
B−4.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第4の具体例:
B−5.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第5の具体例:
C.適用例:
【0050】
A.第1の実施例:
図1は本発明の第1の実施例としての半導体装置の基本構成部分の製造手順を模式的に示した断面図である。本実施例の半導体装置は、SiC(炭化ケイ素)半導体を用いた半導体装置である。
【0051】
まず、層の厚さ(以下、層厚という)が数百μmのn+型のSiCウェハ102を用意する。SiCウェハ102としては、4H(4層六方晶構造)−SiCのウエハを用いる。
【0052】
次に、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置において、SiH4(シラン),C3H8(プロパン)などの混合ガスを用い、成長温度1400〜2000℃で、SiCウェハ102上に、n−型のSiCをエピタキシャル成長させて、所望の導電特性を持つn−型の4H−SiCエピタキシャル層104(ドーパント:窒素,N型伝導,キャリア濃度:1×1016cm−3)を層厚十数μm形成する(図1(a))。
【0053】
次に、CVD装置において、4H−SiCエピタキシャル層104上に、後述するようにして、少なくとも、Si(ケイ素)をエピタキシャル成長させて成るSiエピタキシャル層を含むコンタクト緩衝層106を形成する(図1(b))。
【0054】
次に、処理後のSiCウェハ102を真空蒸着機(スパッタ蒸着機)またはCVD装置に装填し、そのSiCウェハ102上に、Al(アルミニウム)、AlSi(アルミニウムシリコン)またはポリSi(As[ヒ素]またはP[リン]ドープ)を蒸着して、電極108を層厚0.1〜1μm形成する(図1(c))。
【0055】
最後に、電極形成後のSiCウェハ102に、アニール温度700℃以下で、熱処理を行うことで、半導体と金属(電極)との接触部分でのオーミックコンタクトを実現する。
【0056】
以上により、電極/コンタクト緩衝層(Siエピタキシャル層を含む)/SiC半導体層を基本構成とし、オーミックコンタクトと低い接触抵抗とを実現した半導体装置を製造することが可能となる。
【0057】
このように、本実施例においては、コンタクト緩衝層106がSiエピタキシャル層を含んでいる。SiはSiCに比較してバンドギャップが小さいため、活性化エネルギの小さいドーパント(すなわち、浅い不純物準位を形成できる不純物)の使用が可能であり、それによって、低抵抗化を図ることができる。また、SiはSiCに比較して融点も低いため、上記したとおり、700℃以下という低いアニール温度で熱処理を行っても、Siと金属(電極)との合金化が可能である。さらに、Siエピタキシャル層は、Siをエピタキシャル成長させて形成しているため、Siを蒸着して層を形成する場合のように多結晶化することがなく、しかも、Siのバンドギャップが小さいことにより、電極材として、上記したようなAlや、AlSiや、ポリSiなど用いることが可能であり、アニール温度が低くても、良好なオーミックコンタクトを実現することができ、接触抵抗も下げることができる。
【0058】
従って、低いアニール温度で熱処理を行うことが可能であるため、金属の表面や金属と半導体との界面のモホロジの劣化や、界面の拡張を抑えることができ、半導体装置として、微細化や高集積化を図ることができる。また、電極材として、Alや、AlSiや、ポリSiなど用いることができるので、接触抵抗の抵抗値の安定化を図ることができ、電極とワイヤーボンド材との接合性も向上させることができる。
【0059】
A−1.コンタクト緩衝層の第1の具体例:
図2は図1におけるコンタクト緩衝層106の第1の具体例を模式的に示した断面図である。この具体例では、コンタクト緩衝層106をSiエピタキシャル層のみで形成している。
【0060】
すなわち、CVD装置において、SiH4,AsH3(アルシン)(またはPH3[フォスフィン])などの混合ガスを用い、4H−SiCエピタキシャル層104形成時よりも低い成長温度1050〜1200℃で、4H−SiCエピタキシャル層104の上に、Siをエピタキシャル成長させて、Siエピタキシャル層106Aを層厚100nm以下(より好ましくは10nm以下)で形成する。なお、Siエピタキシャル層106Aのキャリア濃度は、3×1018cm−3以上とする。また、CVD装置としては、4H−SiCエピタキシャル層104形成時と同じ装置を用い、その同じ装置内で大気開放することなく、4H−SiCエピタキシャル層104に引き続いて、Siエピタキシャル層106Aを形成することにより、高品質な接触抵抗特性を実現するようにする。
【0061】
以上のようにして、コンタクト緩衝層106をSiエピタキシャル層106Aのみで形成することによって、上述した実施例の効果を奏することができる。
【0062】
A−2.コンタクト緩衝層の第2の具体例:
図3は図1におけるコンタクト緩衝層106の第2の具体例を模式的に示した断面図である。上記した第1の具体例の構成では、4H−SiCエピタキシャル層104とSiエピタキシャル層106Aとの間(ヘテロ接合界面)で伝導帯の不連続が生じることにより、また、格子定数の差に伴い、結晶欠陥が発生することにより、抵抗の上昇が懸念される。そこで、本具体例では、Siエピタキシャル層と4H−SiCエピタキシャル層とを交互に積層して、コンタクト緩衝層106を形成することにより、伝導体の不連続を緩和すると共に、結晶欠陥の発生を抑制するようにしている。
【0063】
すなわち、CVD装置において、SiH4,AsH3(またはPH3)などの混合ガスを用い、4H−SiCエピタキシャル層104形成時よりも低い成長温度1050〜1200℃で、4H−SiCエピタキシャル層104の上に、Siをエピタキシャル成長させて、Siエピタキシャル層106Aを層厚10nm以下で形成し、次に、SiH4,C3H8,AsH3(またはPH3)などの混合ガスを用い、成長温度1050〜1200℃で、SiCをエピタキシャル成長させて、4H−SiCエピタキシャル層106Bを層厚10nm以下で形成する。以下、同様にして、Siエピタキシャル層106Aの形成と4H−SiCエピタキシャル層106Bの形成を交互に繰り返して、Siエピタキシャル層106Aと4H−SiCエピタキシャル層106Bをそれぞれほぼ一定の層厚で交互に積層し、コンタクト緩衝層106を形成する。なお、交互に積層する回数は、標準的には3〜5回とする。
【0064】
図4は図3における4H−SiCエピタキシャル層104及びコンタクト緩衝層106部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。図4において、縦軸はエネルギを示し、横軸は厚さ方向を示している。また、各矩形ブロックは、それぞれ、禁制帯を示しており、4H−SiCの禁制帯のバンドギャップは、Eg=3.27eVであり、Siの禁制帯のバンドギャップはEg=1.1eVであり、4H−SiCとSiとの間には、0.7eVの障壁(バリア)が存在する。上記した第1の具体例では、この障壁の存在によって4H−SiCエピタキシャル層104とSiエピタキシャル層106Aとの間(ヘテロ接合界面)で伝導帯の不連続が生じていた。これに対し、本具体例では、コンタクト緩衝層106をSi/SiCの多層構造とし、各層厚を10nm以下と薄くすることによって、図4に示すように、量子効果によってSiのバンドが分離し、Siの禁制帯の高エネルギ側に、超格子構造に伴うサブバンドが発生して、伝導帯の不連続を緩和する。また、層厚を薄くすることにより、結晶が柔軟に伸びて、結晶欠陥の発生を抑制する。従って、抵抗の上昇を抑えることができる。
【0065】
A−3.コンタクト緩衝層の第3の具体例:
図5は図1におけるコンタクト緩衝層106の第3の具体例を模式的に示した断面図である。上記した第2の具体例の構成では、コンタクト緩衝層106を形成するSiエピタキシャル層106A及び4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚はそれぞれをほぼ一定となっていたが、本具体例では、4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚は一定とするものの、Siエピタキシャル層106Aの層厚を積層順に従って段階的に厚くするようにしている。
【0066】
すなわち、CVD装置において、第2の具体例の場合と同様に、Siエピタキシャル層106Aの形成と4H−SiCエピタキシャル層106Bの形成を交互に繰り返して、Siエピタキシャル層106Aと4H−SiCエピタキシャル層106Bを交互に積層し、コンタクト緩衝層106を形成する。但し、4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚は10nmと一定とするが、Siエピタキシャル層106Aの層厚は、積層順に従って、0.5,1,2,5,10nmと、段階的に厚くする。なお、このような層厚の変更は、混合ガスの導入時間など、成長時間を調整することで実現することができる。このことは、後の具体例や実施例においても同様である。
【0067】
図6は図5における4H−SiCエピタキシャル層104及びコンタクト緩衝層106部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。図6においても、縦軸はエネルギを示し、横軸は厚さ方向を示している。また、各矩形ブロックは、それぞれ、禁制帯を示している。本具体例では、コンタクト緩衝層106をSi/SiCの多層構造とし、4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚は一定とするものの、Siエピタキシャル層106Aの層厚を積層順に従って段階的に厚くすることにより、Siエピタキシャル層106Aの層厚tSiと4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚tSiCとの比tSi/tSiCが、積層順に従って段階的に大きくなるようにしている。よって、積層するに従って、コンタクト緩衝層106の組成はSiに近づくことになるため、結晶欠陥の発生を抑制することができる。
【0068】
また、Siの禁制帯の高エネルギ側に生じるサブバンドのエネルギ準位は、Siエピタキシャル層106Aの層厚が薄くなるほど、高くなり、厚くなるほど、低くなる。従って、Siエピタキシャル層106Aの層厚が積層順に従って段階的に厚くなることにより、サブバンドのエネルギ準位も、積層順に従って段階的に低くなり、Siの伝導帯のエネルギ準位に近づくため、伝導帯の不連続を第2の具体例の場合よりもさらに緩和することができる。
【0069】
A−4.コンタクト緩衝層の第4の具体例:
図7は図1におけるコンタクト緩衝層106の第4の具体例を模式的に示した断面図である。上記した第3の具体例の構成では、Siエピタキシャル層106Aの層厚は積層順に従って段階的に厚くしていたが、4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚は一定であった。これに対し、本具体例では、Siエピタキシャル層106Aの層厚は積層順に従って段階的に厚くし、4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚は逆に積層順に従って段階的に薄くするようにする。
【0070】
すなわち、CVD装置において、第2の具体例の場合と同様に、Siエピタキシャル層106Aの形成と4H−SiCエピタキシャル層106Bの形成を交互に繰り返して、Siエピタキシャル層106Aと4H−SiCエピタキシャル層106Bを交互に積層し、コンタクト緩衝層106を形成する。但し、Siエピタキシャル層106Aの層厚は、積層順に従って、0.5,1,2,5,10nmと、段階的に厚くし、4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚は、積層順に従って、10,5,2,1nmと、段階的に薄くする。
【0071】
このように、本具体例では、コンタクト緩衝層106をSi/SiCの多層構造とすると共に、Siエピタキシャル層106Aの層厚は積層順に従って段階的に厚くし、4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚は積層順に従って段階的に薄くすることにより、Siエピタキシャル層106Aと4H−SiCエピタキシャル層106Bとの層厚の比tSi/tSiCが、積層順に従って段階的に大きくなるようにし、その比の変化率も、第3の具体例の場合より大きくなるようにしている。よって、積層するに従って、コンタクト緩衝層106の組成はより早くSiに近づくことになり、結晶欠陥の発生をさらに抑制することができる。
【0072】
また、Siエピタキシャル層106Aの層厚が積層順に従って段階的に厚くなることにより、サブバンドのエネルギ準位も、積層順に従って段階的に低くなり、Siの伝導帯のエネルギ準位に近づくため、伝導帯の不連続を緩和することができる。
【0073】
B.第2の実施例:
図8は本発明の第2の実施例としての半導体装置の基本構成部分の製造手順を模式的に示した断面図である。本実施例の半導体装置も、SiC半導体を用いた半導体装置である。上記した第1の実施例では、4H−SiCエピタキシャル層104と電極108との間に1つのコンタクト緩衝層106を形成していたのに対し、本実施例では、4H−SiCエピタキシャル層と電極との間に2つのコンタクト緩衝層を形成するようにしている。
【0074】
まず、層厚数百μmのn+型のSiCウェハ202を用意する。SiCウェハ202としては、4H−SiCのウエハを用いる。
次に、CVD装置において、SiH4,C3H8などの混合ガスを用い、成長温度1400〜2000℃で、SiCウェハ202上に、n−型のSiCをエピタキシャル成長させて、所望の導電特性を持つn−型の4H−SiCエピタキシャル層204(ドーパント:窒素,N型伝導,キャリア濃度:1×1016cm−3)を層厚十数μm形成する(図8(a))。
【0075】
次に、CVD装置において、4H−SiCエピタキシャル層204上に、後述するようにして、少なくとも、SiCをエピタキシャル成長させて成る3C(3層立方晶構造)−Siエピタキシャル層を含む第1のコンタクト緩衝層206を形成する(図8(b))。
【0076】
次に、CVD装置において、第1のコンタクト緩衝層206上に、後述するようにして、少なくとも、Siをエピタキシャル成長させて成るSiエピタキシャル層を含む第2のコンタクト緩衝層208を形成する(図8(c))。
【0077】
次に、処理後のSiCウェハ202を真空蒸着機(スパッタ蒸着機)またはCDV装置に装填し、そのSiCウェハ202上に、Al、AlSiまたはポリSi(AsまたはPドープ)を蒸着して、電極210を層厚0.1〜1μm形成する(図8(d))。
【0078】
最後に、電極形成後のSiCウェハ102に、アニール温度700℃以下で、熱処理を行うことで、半導体と金属(電極)との接触部分でのオーミックコンタクトを実現する。
【0079】
以上により、電極/第2のコンタクト緩衝層(Siエピタキシャル層を含む)/第1のコンタクト緩衝層(3C−Siエピタキシャル層を含む)/4H−SiC半導体層を基本構成とし、オーミックコンタクトと低い接触抵抗とを実現した半導体装置を製造することが可能となる。
【0080】
このように、本実施例においても、第2のコンタクト緩衝層208がSiエピタキシャル層を含んでいる。従って、第1の実施例の場合と同様に、SiはSiCに比較してバンドギャップが小さいため、活性化エネルギの小さいドーパントの使用が可能であり、それによって、低抵抗化を図ることができる。また、SiはSiCに比較して融点も低いため、700℃以下という低いアニール温度で熱処理を行っても、Siと金属(電極)との合金化が可能である。さらに、Siエピタキシャル層は、Siをエピタキシャル成長させて形成しているため、Siを蒸着して層を形成する場合のように多結晶化することがなく、しかも、Siのバンドギャップが小さいことにより、電極材として、上記したようなAlや、AlSiや、ポリSiなど用いることが可能であり、アニール温度が低くても、良好なオーミックコンタクトを実現することができ、接触抵抗も下げることができる。
【0081】
よって、本実施例においても、低いアニール温度で熱処理を行うことが可能であるため、金属の表面や金属と半導体との界面のモホロジの劣化や、界面の拡張を抑えることができ、半導体装置として、微細化や高集積化を図ることができる。また、電極材として、Alや、AlSiや、ポリSiなど用いることができるので、接触抵抗の抵抗値の安定化を図ることができ、電極とワイヤーボンド材との接合性も向上させることができる。
【0082】
B−1.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第1の具体例:
図9は図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第1の具体例を模式的に示した断面図である。この具体例では、第1のコンタクト緩衝層206を3C−SiCエピタキシャル層のみで形成し、第2のコンタクト緩衝層208をSiエピタキシャル層のみで形成している。
【0083】
すなわち、CVD装置において、まず、SiH4,C3H8,AsH3(またはPH3)などの混合ガスを用い、4H−SiCエピタキシャル層104形成時よりも低い成長温度1050〜1200℃で、4H−SiCエピタキシャル層204の上に、SiCをエピタキシャル成長させて、第1のコンタクト緩衝層206として、3C−SiCエピタキシャル層206Aを層厚100nm以下(より好ましくは10nm以下)で形成する。
【0084】
次に、同じCVD装置において、SiH4,AsH3(またはPH3あるいはN2)などの混合ガスを用い、3C−SiCエピタキシャル層206A形成時と同じ成長温度1050〜1200℃で、第1のコンタクト緩衝層206である3C−SiCエピタキシャル層206A上に、Siをエピタキシャル成長させて、第2のコンタクト緩衝層208として、Siエピタキシャル層208Aを層厚100nm以下(より好ましくは10nm以下)で形成する。
【0085】
以上のようにして、第1のコンタクト緩衝層206を3C−SiCエピタキシャル層206Aのみで、第2のコンタクト緩衝層208をSiエピタキシャル層208Aのみで、それぞれ形成することによって、上述した実施例の効果を奏することができる。
【0086】
図10は図9における4H−SiCエピタキシャル層204,第1のコンタクト緩衝層206及び第2のコンタクト緩衝層208部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。図10においても、図4などと同様に、縦軸はエネルギを示し、横軸は厚さ方向を示している。また、各矩形ブロックは、それぞれ、禁制帯を示しており、4H−SiCの禁制帯のバンドギャップはEg=3.27eVであり、3C−SiCの禁制帯のバンドギャップはEg=2.39eVであり、Siの禁制帯のバンドギャップはEg=1.1eVである。本具体例では、4H−SiCエピタキシャル層104上に、第1のコンタクト緩衝層206である3C−SiCエピタキシャル層206Aを配することにより、4H−SiCエピタキシャル層204と3C−SiCエピタキシャル層206Aとは、格子定数がほぼ同じであるため、格子不整合に伴う結晶欠陥の発生は生じない。
【0087】
また、本具体例において、第2のコンタクト緩衝層208であるSiエピタキシャル層208Aの下に、第1のコンタクト緩衝層206である3C−SiCエピタキシャル層206Aを配して、Siに対する電子親和力の大きな3C−SiCを用いることで、3C−SiCエピタキシャル層206AとSiエピタキシャル層208Aとの間(ヘテロ接合界面)に生じる障壁を小さくして、伝導帯の不連続を緩和し、抵抗の上昇を抑えることができる。
【0088】
B−2.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第2の具体例:
図11は図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第2の具体例を模式的に示した断面図である。本実施例における上記した第1の具体例の構成では、第1のコンタクト緩衝層206を3C−SiCエピタキシャル層206Aのみで形成していたが、本具体例では、3H−SiCエピタキシャル層と4H−SiCエピタキシャル層とを交互に積層して、第1のコンタクト緩衝層206を形成すると共に、4H−SiCエピタキシャル層の層厚は一定とするものの、3C−SiCエピタキシャル層の層厚を積層順に従って段階的に厚くするようにしている。
【0089】
すなわち、CVD装置において、まず、SiH4,C3H8,AsH3(またはPH3あるいはN2)などの混合ガスを用い、4H−SiCエピタキシャル層104形成時よりも低い成長温度1050〜1200℃で、4H−SiCエピタキシャル層204の上に、SiCをエピタキシャル成長させて、3C−SiCエピタキシャル層206Aを層厚10nmで形成し、続いて、3C−SiCエピタキシャル層206A形成時と同じ混合ガスを用い、3C−SiCエピタキシャル層206A形成時よりも高い成長温度1400〜2000℃で、3C−SiCエピタキシャル層206A上に、SiCをエピタキシャル成長させて、4H−SiCエピタキシャル層206Bを層厚0.5nmで形成する。以下、同様にして、3C−SiCエピタキシャル層206Aの形成と4H−SiCエピタキシャル層206Bの形成を交互に繰り返して、3C−SiCエピタキシャル層206Aと4H−SiCエピタキシャル層206Bを交互に積層し、第1のコンタクト緩衝層206を形成する。但し、4H−SiCエピタキシャル層206Bの層厚は10nmと一定とするが、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚は、0.5nmで形成した後、積層順に従って、1,2,5,10nmと、段階的に厚くする。
【0090】
次に、同じCVD装置において、SiH4,AsH3(またはPH3)などの混合ガスを用い、3C−SiCエピタキシャル層206A形成時と同じ成長温度1050〜1200℃で、第1のコンタクト緩衝層206中の最上層である3C−SiCエピタキシャル層206A上に、Siをエピタキシャル成長させて、第2のコンタクト緩衝層208として、Siエピタキシャル層208Aを層厚100nm以下(より好ましくは10nm以下)で形成する。
【0091】
図12は図11における4H−SiCエピタキシャル層204,第1のコンタクト緩衝層206及び第2のコンタクト緩衝層208部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。図12においても、図4などと同様に、縦軸はエネルギを示し、横軸は厚さ方向を示している。また、各矩形ブロックは、それぞれ、禁制帯を示している。本具体例では、第1のコンタクト緩衝層206を3C−SiC/4H−SiCの多層構造とし、4H−SiCエピタキシャル層206Bの層厚は一定とするものの、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚を積層順に従って段階的に厚くすることにより、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚t3C−SiCと4H−SiCエピタキシャル層106Bの層厚t4H−SiCとの比t3C−SiC/t4H−SiCが、積層順に従って段階的に大きくなるようにしている。よって、積層するに従って、第1のコンタクト緩衝層206の組成は3C−SiCに近づくことになる。第1のコンタクト緩衝層206において、3C−SiCエピタキシャル層206Aと4H−SiCエピタキシャル層206Bとは、格子定数がほぼ同じであるため、積層時での格子不整に伴う結晶欠陥の発生は生じない。
【0092】
また、3C−SiC/4H−SiCの多層構造とした第1のコンタクト緩衝層206において、各層厚を10nm以下と薄くすることによって、図12に示すように、量子効果によって3C−SiCのバンドが分離し、3C−SiCの禁制帯の高エネルギ側に、超格子構造に伴うサブバンドが発生する。そのサブバンドのエネルギ準位は、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚が薄くなるほど、高くなり、厚くなるほど、低くなる。従って、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚が積層順に従って段階的に厚くなることにより、サブバンドのエネルギ準位も、積層順に従って段階的に低くなり、3C−SiCiの伝導帯のエネルギ準位に近づくため、伝導帯の不連続を緩和することができる。
【0093】
B−3.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第3の具体例:
図13は図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第3の具体例を模式的に示した断面図である。本実施例における上記した第2の具体例の構成では、第1のコンタクト緩衝層206において、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚は積層順に従って段階的に厚くしていたが、4H−SiCエピタキシャル層206Bの層厚は一定であった。これに対し、本具体例では、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚は積層順に従って段階的に厚くし、4H−SiCエピタキシャル層206Bの層厚は逆に積層順に従って段階的に薄くするようにする。
【0094】
すなわち、CVD装置において、まず、第2の具体例の場合と同様に、3C−SiCエピタキシャル層206Aの形成と4H−SiCエピタキシャル層206Bの形成を交互に繰り返して、3C−SiCエピタキシャル層206Aと4H−SiCエピタキシャル層206Bを交互に積層し、第1のコンタクト緩衝層206を形成する。但し、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚は、積層順に従って、0.5,1,2,5,10nmと、段階的に厚くし、4H−SiCエピタキシャル層206Bの層厚は、積層順に従って、10,5,2,1nmと、段階的に薄くする。
【0095】
次に、同じCVD装置において、第2の具体例の場合と同様に、第1のコンタクト緩衝層206中の最上層である3C−SiCエピタキシャル層206A上に、第2のコンタクト緩衝層208として、Siエピタキシャル層208Aを層厚100nm以下(より好ましくは10nm以下)で形成する。
【0096】
このように、本具体例では、第1のコンタクト緩衝層206を3C−SiC/4H−SiCの多層構造とすると共に、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚は積層順に従って段階的に厚くし、4H−SiCエピタキシャル層206Bの層厚は積層順に従って段階的に薄くすることにより、3C−SiCエピタキシャル層206Aと4H−SiCエピタキシャル層206Bとの層厚の比t3C−SiC/t4H−SiCが、積層順に従って段階的に大きくなるようにし、その比の変化率も、第2の具体例の場合より大きくなるようにしている。よって、積層するに従って、第1のコンタクト緩衝層206の組成はより早く3C−SiCに近づくことになる。
【0097】
また、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚が積層順に従って段階的に厚くなることにより、サブバンドのエネルギ準位も、積層順に従って段階的に低くなり、3C−SiCの伝導帯のエネルギ準位に近づくため、伝導帯の不連続を緩和することができる。
【0098】
B−4.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第4の具体例:
図14は図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第4の具体例を模式的に示した断面図である。本実施例における上記した第2の具体例の構成では、第2のコンタクト緩衝層208をSiエピタキシャル層208Aのみで形成していたが、本具体例では、Siエピタキシャル層と3C−SiCエピタキシャル層を交互に積層して、第2のコンタクト緩衝層208を形成すると共に、Siエピタキシャル層の層厚は一定とするものの、3C−SiCエピタキシャル層の層厚を積層順に従って段階的に厚くするようにしている。
【0099】
すなわち、CVD装置において、まず、第2の具体例の場合と同様に、3C−SiCエピタキシャル層206Aの形成と4H−SiCエピタキシャル層206Bの形成を交互に繰り返して、3C−SiCエピタキシャル層206Aと4H−SiCエピタキシャル層206Bを交互に積層し、第1のコンタクト緩衝層206を形成する。但し、4H−SiCエピタキシャル層206Bの層厚は10nmと一定とするが、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚は、積層順に従って、0.5,1,2,5,10nmと、段階的に厚くする。
【0100】
次に、同じCVD装置において、SiH4,AsH3(またはPH3あるいはN2)などの混合ガスを用い、3C−SiCエピタキシャル層206A形成時と同じ成長温度1050〜1200℃で、第1のコンタクト緩衝層206中の最上層である3C−SiCエピタキシャル層206A上に、Siをエピタキシャル成長させて、Siエピタキシャル層208Aを層厚10nmで形成し、続いて、SiH4,C3H8,AsH3(またはPH3あるいはN2)などの混合ガスを用い、Siエピタキシャル層208A形成時と同じ成長温度1050〜1200℃で、Siエピタキシャル層208A上に、SiCをエピタキシャル成長させて、3C−SiCエピタキシャル層208Bを層厚5nmで形成する。以下、同様にして、Siエピタキシャル層208Aの形成と3C−SiCエピタキシャル層208Bの形成を交互に繰り返して、Siエピタキシャル層208Aと3C−SiCエピタキシャル層208Bを交互に積層し、第2のコンタクト緩衝層208を形成する。但し、Siエピタキシャル層208Aの層厚は10nmと一定とするが、3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚は、5nmで形成した後、積層順に従って、2nmと、段階的に薄くする。そして、最上層に配されるSiエピタキシャル層208Aの層厚は100nm以下(より好ましくは10nm以下)で形成する。
【0101】
図15は図14における4H−SiCエピタキシャル層204,第1のコンタクト緩衝層206及び第2のコンタクト緩衝層208部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。図15においても、図4などと同様に、縦軸はエネルギを示し、横軸は厚さ方向を示している。また、各矩形ブロックは、それぞれ、禁制帯を示している。本具体例では、第1のコンタクト緩衝層206を3C−SiC/4H−SiCの多層構造とするだけでなく、第2のコンタクト緩衝層208もSi/3C−SiCの多層構造とし、しかも、Siエピタキシャル層208Aの層厚は一定とするものの、3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚を積層順に従って段階的に薄くすることにより、Siエピタキシャル層208Aの層厚tSiと3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚t3C−SiCとの比tSi/t3C−SiCが、積層順に従って段階的に大きくなるようにしている。よって、積層するに従って、第2のコンタクト緩衝層208の組成はSiに近づくことになるため、Si/3C−SiCの格子定数差による格子不整合に伴う結晶欠陥の発生をさらに低減することができる。
【0102】
また、Si/3C−SiCの多層構造とした第2のコンタクト緩衝層208において、各層厚を10nm以下と薄くすることによって、図15に示すように、量子効果によって3C−SiCのバンドが分離し、3C−SiCの禁制帯の高エネルギ側に、超格子構造に伴うサブバンドが発生する。そのサブバンドのエネルギ準位は、3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚が薄くなるほど、高くなり、厚くなるほど、低くなる。従って、3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚が積層順に従って段階的に薄くなることにより、サブバンドのエネルギ準位も、積層順に従って段階的に低くなり、Siの伝導帯のエネルギ準位に近づくため、伝導帯の不連続をさらに緩和することができる。
【0103】
B−5.第1及び第2のコンタクト緩衝層の第5の具体例:
図16は図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第5の具体例を模式的に示した断面図である。本実施例における上記した第4の具体例の構成では、第2のコンタクト緩衝層208において、3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚は積層順に従って段階的に薄くしていたが、Siエピタキシャル層208Aの層厚は一定であった。これに対し、本具体例では、3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚は積層順に従って段階的に薄くし、Siエピタキシャル層208Aの層厚は逆に積層順に従って段階的に薄くするようにする。
【0104】
すなわち、CVD装置において、まず、第2の具体例の場合と同様に、3C−SiCエピタキシャル層206Aの形成と4H−SiCエピタキシャル層206Bの形成を交互に繰り返して、3C−SiCエピタキシャル層206Aと4H−SiCエピタキシャル層206Bを交互に積層し、第1のコンタクト緩衝層206を形成する。但し、4H−SiCエピタキシャル層206Bの層厚は10nmと一定とするが、3C−SiCエピタキシャル層206Aの層厚は、積層順に従って、0.5,1,2,5,10nmと、段階的に厚くする。
【0105】
次に、同じCVD装置において、第4の具体例の場合と同様に、Siエピタキシャル層208Aの形成と3C−SiCエピタキシャル層208Bの形成を交互に繰り返して、Siエピタキシャル層208Aと3C−SiCエピタキシャル層208Bを交互に積層し、第2のコンタクト緩衝層208を形成する。但し、Siエピタキシャル層208Aの層厚は、積層順に従って、0.5,1,2,1nmと、段階的に厚くし、3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚は、積層順に従って、5,2nmと、段階的に薄くする。そして、最上層に配されるSiエピタキシャル層208Aの層厚は100nm以下(より好ましくは10nm以下)で形成する。
【0106】
このように、本具体例では、第2のコンタクト緩衝層208をSi/3C−SiCの多層構造とすると共に、Siエピタキシャル層208Aの層厚は積層順に従って段階的に厚くし、3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚は積層順に従って段階的に薄くすることにより、Siエピタキシャル層208Aと3C−SiCエピタキシャル層208Bとの層厚の比tSi/t3C−SiCが、積層順に従って段階的に大きくなるようにし、その比の変化率も、第4の具体例の場合より大きくなるようにしている。よって、積層するに従って、第2のコンタクト緩衝層208の組成はより早くSiに近づくことになり、結晶欠陥の発生をさらに抑制することができる。
【0107】
また、3C−SiCエピタキシャル層208Bの層厚が積層順に従って段階的に薄くなることにより、サブバンドのエネルギ準位も、積層順に従って段階的に低くなり、Siの伝導帯のエネルギ準位に近づくため、伝導帯の不連続をさらに緩和することができる。
【0108】
C.適用例:
次に、第1または第2の実施例において得られた半導体装置の基本構成部分を利用して、例えば、パワーMOSFETを製造する方法について説明する。なお、製造方法は、第1の実施例の基本構成部分を用いる場合も、第2の実施例の基本構成部分を用いる場合も同じであるので、代表して、第1の実施例の基本構成部分を用いる場合を例として説明する。
【0109】
図17は第1の実施例の基本構成部分を用いてパワーMOSFETを製造する工程を模式的に示した断面図である。
【0110】
まず、第1の実施例において得られる電極/コンタクト緩衝層(Siエピタキシャル層を含む)/SiC半導体層から成る半導体装置の基本構成部分のうち、コンタクト緩衝層(Siエピタキシャル層を含む)/SiC半導体層の部分を用意し、ゲートを形成したい領域を開口したフォトレジストをフォトリソグラフにより形成し、そのフォトレジストを用いて、ドライエッチングを行って、上記領域におけるコンタクト緩衝層106を除去し、その後、形成したフォトレジストを除去する(図17(a))。但し、第1の具体例の如く、コンタクト緩衝層106がSiエピタキシャル層106Aのみで形成される場合では、ドライエッチングの代わりに、HFなどによるウェットエッチングを適用することも可能である。
【0111】
次に、ゲートを形成したい領域に、熱酸化などよってゲート絶縁膜(SiO2)を形成する。
【0112】
続いて、ソースを形成したい領域に、イオン注入法により、p型領域及びn型領域をそれぞれ形成する(図17(b))。すなわち、不純物としてB(ホウ素)やAlを注入して、p型領域を形成し、電気炉にて加熱することで、キャリアの活性化を行う。その後、不純物としてAsやPを注入して、n型領域を形成し、電気炉にて加熱することで、キャリアの活性化を行う。なお、これら電気炉での加熱処理は、条件の調整により、1回の処理にて対応することは可能である。次に、SiCウェハ102の裏面に、電極材としてNiなどを用いて、真空蒸着(スパッタ法など)によりドレイン電極を形成して、その後、電気炉において、アニール温度950℃以上、Ar(アルゴン)またはH2(水素)雰囲気下で、加熱することにより、合金化し、オーミックコンタクトを実現する。
【0113】
次に、表面のうち、上記したソースを形成したい領域に、電極材としてAlまたはポリSiなどを用いて、真空蒸着(スパッタ法など)によりソース電極を形成して、その後、電気炉において、アニール温度700℃以下、Ar(アルゴン)またはH2(水素)雰囲気下で、加熱することにより、合金化し、オーミックコンタクトを実現する。なお、電極材がポリSiである場合には、CVDによってソース電極を形成することも可能である。
【0114】
さらに、上記したゲートを形成したい領域に、電極材としてAlまたはポリSiなどを用いて、真空蒸着(スパッタ法など)によりゲート電極を形成する(図17(c))。なお、電極材がポリSiである場合には、CVDによってゲート電極を形成することも可能である。
【0115】
こうして、第1の実施例の基本構成部分を用いて縦型のパワーMOSFETを製造することができる。
【0116】
なお、SiCウェハ102の裏面にも、表面と同様に、コンタクト緩衝層を形成するようにすれば、そのコンタクト緩衝層上にドレイン電極を形成することにより、電気炉での加熱の際に、アニール温度が700℃以下でも、オーミックコンタクトを実現することが可能となる。
【0117】
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0118】
上記した第1の実施例においては、SiCウェハ102として、4H−SiCのウエハを用い、その上に4H−SiCエピタキシャル層104を形成すると共に、第2ないし第4の具体例では、コンタクト緩衝層106に4H−SiCエピタキシャル層106Bを用いていた。しかしながら、SiCウェハ102として、4H−SiCのウエハに代えて、3C−SiCを用いても良く、その場合には、その上に、4H−SiCエピタキシャル層104の代わりに、3C−SiCエピタキシャル層を形成すると共に、第2ないし第4の具体例では、コンタクト緩衝層106に4H−SiCエピタキシャル層106Bの代わりに、3C−SiCエピタキシャル層を用いるようにする。
【0119】
上記した第2の実施例において、第2ないし第5の具体例では、第1のコンタクト緩衝層206における3C−SiCエピタキシャル層206Aと4H−SiCエピタキシャル層206Bの交互に積層する回数や、第2のコンタクト緩衝層208におけるSiエピタキシャル層208Aと3C−SiCエピタキシャル層208Bの交互に積層する回数は、標準的には、2〜5回であるが、それ以上の回数であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての半導体装置の基本構成部分の製造手順を模式的に示した断面図である。
【図2】図1におけるコンタクト緩衝層106の第1の具体例を模式的に示した断面図である。
【図3】図1におけるコンタクト緩衝層106の第2の具体例を模式的に示した断面図である。
【図4】図3における4H−SiCエピタキシャル層104及びコンタクト緩衝層106部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。
【図5】図1におけるコンタクト緩衝層106の第3の具体例を模式的に示した断面図である。
【図6】図5における4H−SiCエピタキシャル層104及びコンタクト緩衝層106部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。
【図7】図1におけるコンタクト緩衝層106の第4の具体例を模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例としての半導体装置の基本構成部分の製造手順を模式的に示した断面図である。
【図9】図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第1の具体例を模式的に示した断面図である。
【図10】図9における4H−SiCエピタキシャル層204,第1のコンタクト緩衝層206及び第2のコンタクト緩衝層208部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。
【図11】図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第2の具体例を模式的に示した断面図である。
【図12】図11における4H−SiCエピタキシャル層204,第1のコンタクト緩衝層206及び第2のコンタクト緩衝層208部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。
【図13】図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第3の具体例を模式的に示した断面図である。
【図14】図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第4の具体例を模式的に示した断面図である。
【図15】図14における4H−SiCエピタキシャル層204,第1のコンタクト緩衝層206及び第2のコンタクト緩衝層208部分におけるエネルギバンド構造を示す説明図である。
【図16】図8における第1及び第2のコンタクト緩衝層206,208の第5の具体例を模式的に示した断面図である。
【図17】は第1の実施例の基本構成部分を用いてパワーMOSFETを製造する工程を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
102…SiCウェハ
104…4H−SiCエピタキシャル層
106…コンタクト緩衝層
106A…Siエピタキシャル層
106B…4H−SiCエピタキシャル層
108…電極
202…SiCウェハ
204…4H−SiCエピタキシャル層
206…第1のコンタクト緩衝層
206A…3C−SiCエピタキシャル層
206B…4H−SiCエピタキシャル層
208…第2のコンタクト緩衝層
208A…Siエピタキシャル層
208B…3C−SiCエピタキシャル層
210…電極
Claims (23)
- 半導体装置を製造する方法であって、
(a)SiCをエピタキシャル成長させて成るSiCエピタキシャル層を有するウエハを用意する工程と、
(b)前記SiCエピタキシャル層上に、少なくとも、Siをエピタキシャル成長させて成るSiエピタキシャル層を含む、コンタクト緩衝層を形成する工程と、
(c)前記コンタクト緩衝層上に電極を形成する工程と、
(d)前記電極形成後の前記ウエハに所定温度で熱処理を行う工程と、
を備える半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
前記コンタクト緩衝層を、前記Siエピタキシャル層のみで形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
前記Siエピタキシャル層の厚さが100nm以下となるように、前記コンタクト緩衝層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
前記Siエピタキシャル層と、前記SiCエピタキシャル層と、を交互に積層して、前記コンタクト緩衝層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層の厚さが、それぞれ、10nm以下となるように、前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
交互に積層される前記Siエピタキシャル層の厚さをtSi、前記SiCエピタキシャル層の厚さをtSiCとした場合に、各層の厚さの比tSi/tSiCが、段階的に大きくなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層のうち、前記Siエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記SiCエピタキシャル層の厚さがほぼ一定となるように、前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層のうち、前記Siエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に薄くなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体装置を製造する方法であって、
(a)SiCをエピタキシャル成長させて成る4H−SiCエピタキシャル層を有するウエハを用意する工程と、
(b)前記4H−SiCエピタキシャル層上に、少なくとも、SiCをエピタキシャル成長させて成る3C−SiCエピタキシャル層を含む、第1のコンタクト緩衝層を形成する工程と、
(c)前記第1のコンタクト緩衝層上に、少なくとも、Siをエピタキシャル成長させて成るSiエピタキシャル層を含む、第2のコンタクト緩衝層を形成する工程と、
(d)前記第2のコンタクト緩衝層上に電極を形成する工程と、
(e)前記電極形成後の前記ウエハに所定温度で熱処理を行う工程と、
を備える半導体装置の製造方法。 - 請求項9に記載の半導体装置を製造する方法において、
前記工程(b)では、
前記第1のコンタクト緩衝層を、前記3C−SiCエピタキシャル層のみで形成し、
前記工程(c)では、
前記第2のコンタクト緩衝層を、前記Siエピタキシャル層のみで形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
前記3C−SiCエピタキシャル層と、前記4H−SiCエピタキシャル層と、を交互に積層して、前記第1のコンタクト緩衝層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
交互に積層される前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層の厚さが、それぞれ、10nm以下となるように、前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
交互に積層される前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さをt3C−SiC、前記4H−SiCエピタキシャル層の厚さをt4H−SiCとした場合に、各層の厚さの比t3C−SiC/t4H−SiCが、段階的に大きくなるように、前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
交互に積層される前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層のうち、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記4H−SiCエピタキシャル層の厚さがほぼ一定となるように、前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
交互に積層される前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層のうち、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記4H−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に薄くなるように、前記3C−SiCエピタキシャル層及び前記4H−SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項11ないし請求項15のうちの任意の1つに記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)では、
前記第2のコンタクト緩衝層を、前記Siエピタキシャル層のみで形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項11ないし請求項15のうちの任意の1つに記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)では、
前記Siエピタキシャル層と、前記3C−SiCエピタキシャル層と、を交互に積層して、前記第2のコンタクト緩衝層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)では、
交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが、それぞれ、10nm以下となるように、前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)では、
交互に積層される前記Siエピタキシャル層の厚さをtSi、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さをt3C−SiCとした場合に、各層の厚さの比tSi/t3C−SiCが、段階的に大きくなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項19に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)では、
交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層のうち、前記Siエピタキシャル層の厚さがほぼ一定となり、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に薄くなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項19に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)では、
交互に積層される前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層のうち、前記Siエピタキシャル層の厚さが段階的に厚くなり、前記3C−SiCエピタキシャル層の厚さが段階的に薄くなるように、前記Siエピタキシャル層及び前記3C−SiCエピタキシャル層を積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体装置であって、
SiCをエピタキシャル成長させて成るSiCエピタキシャル層と、
該SiCエピタキシャル層上に配置され、少なくとも、Siをエピタキシャル成長させて成るSiエピタキシャル層を含むコンタクト緩衝層と、
該コンタクト緩衝層上に配置される電極と、
を備える半導体装置。 - 半導体装置であって、
SiCをエピタキシャル成長させて成る4H−SiCエピタキシャル層と、
該4H−SiCエピタキシャル層上に配置され、少なくとも、SiCをエピタキシャル成長させて成る3C−SiCエピタキシャル層を含む第1のコンタクト緩衝層と、
該第1のコンタクト緩衝層上に配置され、少なくとも、Siをエピタキシャル成長させて成るSiエピタキシャル層を含む第2のコンタクト緩衝層と、
該第2のコンタクト緩衝層上に配置される電極と、
を備える半導体装置。
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