JP2004221409A - ペルチェモジュール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で安価な省電流動作のペルチェモジュール装置を提供する。
【解決手段】ペルチェモジュール1は、第1と第2の基板6,7の間に複数の熱電変換素子5を配置して形成し、電極を介してこれらの熱電変換素子5を接続して接続回路8を形成する。接続回路8に電流を流すことにより第1の基板6を吸熱側部材と成す。このペルチェモジュールは、吸熱側部材の最大吸熱量を得るためにペルチェモジュール1に必要な電流値の20〜80%の範囲内で設定した設定値の電流がペルチェモジュール駆動の定電圧印加時に流れるように内部抵抗を設定する。ペルチェモジュール1の熱電変換素子5の接続回路8に省電流制御素子3を介設し、吸熱側部材(第1の基板6)の温度が回路開設定温度以下のときに熱電変換素子5の接続回路8を開とし、回路閉設定温度以上となったら接続回路8を閉として復帰させる。
【選択図】 図1
【解決手段】ペルチェモジュール1は、第1と第2の基板6,7の間に複数の熱電変換素子5を配置して形成し、電極を介してこれらの熱電変換素子5を接続して接続回路8を形成する。接続回路8に電流を流すことにより第1の基板6を吸熱側部材と成す。このペルチェモジュールは、吸熱側部材の最大吸熱量を得るためにペルチェモジュール1に必要な電流値の20〜80%の範囲内で設定した設定値の電流がペルチェモジュール駆動の定電圧印加時に流れるように内部抵抗を設定する。ペルチェモジュール1の熱電変換素子5の接続回路8に省電流制御素子3を介設し、吸熱側部材(第1の基板6)の温度が回路開設定温度以下のときに熱電変換素子5の接続回路8を開とし、回路閉設定温度以上となったら接続回路8を閉として復帰させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばDVD、パーソナルコンピュータや、サーバー、高性能電子計算機等の電子機器におけるLD,CPU、CCDなどの発熱を伴う電子部品に取り付けて、主に電子機器或いは電子部品の冷却を行うために用いられるペルチェモジュール装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
ペルチェモジュールは、光通信分野等の様々な分野に用いられている。例えば図7(a)、(b)に示すように、ペルチェモジュール1は、互いに間隔を介して上下に配置された第1の基板6と第2の基板7の間に、複数の熱電変換素子5(5a,5b)を立設配置して形成されている。
【0003】
基板6,7は、電気絶縁性を有する板状の電気絶縁性部材であり、例えばアルミナ(Al2O3)等のセラミックにより形成されている。基板6,7には、それぞれ、その片面側(対向面側)に複数の導通用の電極2が互いに間隔を介して配列形成されている。第1の基板6と第2の基板7は、電極2の位置を互いにずらした状態で電極形成面16,17を対向させて配置されている。
【0004】
前記熱電変換素子5は対応する電極2を介して直列に接続され、熱電変換素子5の接続回路が形成されている。なお、電極2上には図示されていない半田が形成されて該半田を介して熱電変換素子5が電極2上に固定されている。
【0005】
熱電変換素子5(5a,5b)は、ペルチェ素子として一般的に知られており、P型半導体により形成されたP型の熱電変換素子5aと、N型半導体により形成されたN型の熱電変換素子5bとが交互に1対以上(ここでは複数対)配置されている。このように、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bが交互に配置され、電極2を介して直列に接続されてPN素子対が形成されている。
【0006】
P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは、それぞれ、例えばビスマス・テルル等の金属間化合物にアンチモン、セレン等の元素を添加することにより形成されている。
【0007】
ペルチェモジュール1は、リード線28から電極2に電流を流すと、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bに電流が流れて、熱電変換素子5(5a,5b)と電極2との接合部(界面)で冷却・加熱効果が生じる。つまり、前記接合部を流れる電流の方向によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部が発熱せしめられると共に他方の端部が冷却せしめられるいわゆるペルチェ効果が生じる。
【0008】
このペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方側が吸熱側と成して他方側が放熱側と成す。例えば熱電変換素子5(5a,5b)の一方側である第1の基板6側の端部が冷却せしめられると、第1の基板6を介し、基板6の上側に設けられた部材の冷却(吸熱)が行われる。つまり、ペルチェモジュール1は、一般に、IC等の電子部品の発熱体を冷却するために用いられ、熱電変換素子5の接続回路に電流を流すことにより、発熱体側に設けられる第1の基板6を吸熱側基板と成す。
【0009】
図8には、従来のペルチェモジュール1を用いて発熱体9を冷却する冷却システムの例を示す。図8に示すように、従来は、サーミスタ30で発熱体9の温度を検出し、この検出温度をモニタしながら、この検出温度と設定温度との差をコントローラ31により計算し、必要な電流を流すようにしていた。なお、このシステムにおいて、DC電源32からは、コントローラ31を介してペルチェモジュール1に電圧が印加される(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−201204
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示すようなシステムにおいて、ペルチェモジュール1で消費されない電力はコントローラ31内の抵抗により熱となって消費されるため、無駄にエネルギーが使われることになるといった問題があった。つまり、この方式では精度よく温度をある範囲で制御することが出来る特徴はあるものの、エネルギー的には無駄が大きかった。
【0012】
また、コントローラ31は、例えば1つの値段が数万円程度で高価であるために、システム構築コストが高くなり、さらに、大型の装置であるために、システムを形成するためのスペースを広く必要とするといった問題もあった。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、冷却のための温度制御を行ない、かつそれを極めてエネルギー効率良く実現できる小型で安価なペルチェモジュール装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、交互に1対以上配置されたP型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子と、これらの熱電変換素子を接続する電極とを有して熱電変換素子の接続回路が形成され、該熱電変換素子の接続回路に電流を流すことにより前記熱電変換素子の一端側が吸熱側と成して他端側が放熱側と成すペルチェモジュールを有し、該ペルチェモジュールの吸熱側には絶縁性を有する板状または膜状の吸熱側部材が設けられ、前記熱電変換素子の接続回路には省電流制御素子が介設されており、該省電流制御素子は前記吸熱側部材または被冷却体あるいは両者の中間の温度に基づいて、該温度が回路開設定温度以下のときに熱電変換素子の接続回路を開とする回路開機能と、熱電変換素子の接続回路を開とした後に前記吸熱側部材または被冷却体あるいは両者の中間の温度が回路開設定温度より大きい回路閉設定温度以上になったときに、前記熱電変換素子の接続回路を閉とすることにより熱電変換素子の接続回路に再び電流が流れるようにする回路復帰機能とを有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0015】
また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、前記省電流制御素子はペルチェモジュールの吸熱側部材またはその近傍に設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0016】
さらに、第3の発明は、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記ペルチェモジュールは、吸熱側部材の最大吸熱量を得るためにペルチェモジュールに必要な電流値の20〜80%の範囲内で設定した設定値の電流がペルチェモジュール駆動の定電圧印加時に流れるように内部抵抗を設定した構成をもって課題を解決する手段としている。
【0017】
さらに、第4の発明は、上記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記回路開設定温度と回路閉設定温度の少なくとも一方が互いに異なる複数の省電流制御素子を有し、これら複数の省電流制御素子と熱電変換素子の接続回路との接続を切り換えるスイッチを有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0018】
さらに、第5の発明は、上記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記省電流制御素子はバイメタルまたは形状記憶合金を有して形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
【0020】
図1には、本発明に係るペルチェモジュール装置の第1実施形態例が模式的に示されている。同図に示すように、本実施形態例の装置はペルチェモジュール1を有し、このペルチェモジュール1には四角柱状の熱電変換素子5(5a,5b)が複数設けられている。1つの熱電変換素子5(5a,5b)の大きさは0.7mm×0.7mm×1.3mmであり、高さが1.3mmである。
【0021】
これらの熱電変換素子5a,5bは、紙面に垂直な方向にも交互に複数配置されている。本実施形態例では、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを55対組み合わせ、電極2(図1には図示せず)を介して、図1(a)の破線で示す熱電変換素子5の接続回路8を形成している。なお、本実施形態例において、図1(a)に示すA点が、図1には図示されていない基板奥行き方向に配設された複数の電極2と熱電変換素子5を介し、図7(b)に示したように、基板の奥側に図1に示すリード線28と間隔を介して平行に設けられたリード線(図示せず)に電気的に接続されている。
【0022】
本実施形態例の第1の特徴は、図1(a)に示すように、ペルチェモジュール1の第1の基板6に、熱電変換素子5の接続回路8に介設された省電流制御素子3を設けたことである。ここで、第1の基板6は、板状の吸熱側部材であり、例えばペルチェモジュール1によって吸熱する発熱体に接触して設けられる。
【0023】
該省電流制御素子3は、第1の基板6の温度に基づき、第1の基板6の温度が回路開設定温度以下になったときに、図1(b)に示すように、熱電変換素子5の接続回路8を開とする回路開機能を有し、また、熱電変換素子5の接続回路8を開とした後に第1の基板6の温度が回路開設定温度より大きい回路閉設定温度以上になったときに、図1(c)に示すように元の態様に戻り、熱電変換素子5の接続回路8を閉とすることにより、熱電変換素子5の接続回路8に再び電流が流れるようにする回路復帰機能を有する。
【0024】
本実施形態例において、省電流制御素子3はバイメタルにより形成されており、上記回路開設定温度は20℃、回路閉設定温度は40℃としている。
【0025】
図1(a)に示すように、省電流制御素子3の一端側を第1の基板6の一端側の固定部4に固定してあり、この固定部4には熱電変換素子5の接続回路8が接続されている。また、省電流制御素子3の他端側は、常時(普段)、第2の基板7の接触部10に接触させて設けられており、この接触部10には熱電変換素子5の接続回路8のリード線側が接続されている。省電流制御素子3は上記態様で、熱電変換素子5の接続回路8に接続され、接続回路8は閉状態と成している。
【0026】
また、上記の如く、本実施形態例では、上記回路開設定温度は20℃としており、本実施形態例で適用しているバイメタルの省電流制御素子3は、その温度が20℃以下の時には図1(b)に示すように変形するので、第1の基板6が20℃以下になると、省電流制御素子3は変形によって他端側が接触部10から外れ、熱電変換素子5の接続回路を開とする。その後、第1の基板6の温度が回路開設定温度より大きい回路閉設定温度以上になったときには、図1(c)に示すように元の態様に戻り、熱電変換素子5の接続回路8を閉とすることにより、熱電変換素子5の接続回路8に再び電流が流れるようにする。
【0027】
本実施形態例の第2の特徴は、ペルチェモジュール駆動の定電圧印加時に、ペルチェモジュール1の吸熱側部材(第1の基板6)の最大吸熱量を得るためにペルチェモジュール1に必要な電流値の20〜80%の範囲内で設定した設定値の電流が流れるように、内部抵抗を設定していることである。なお、以下、吸熱側部材の最大吸熱量を得るためにペルチェモジュール1に必要な電流値をImaxと言う。
【0028】
上記ペルチェモジュール駆動の定電圧は、パソコンやLDの駆動電圧と共通の電源を使用するのが一般的であり、本実施形態例では、5Vである。そこで、本実施形態例で適用しているペルチェモジュール1は、5Vの定電圧印加時に、Imax(2.33V)の60%の設定値である1.4Aの電流が流れるように内部抵抗を設定しており、その値はおおよそ3.3Ωである。
【0029】
なお、図3には、ペルチェモジュール1の電流―電圧特性が、図4には、ペルチェモジュール1の電流(ペルチェモジュール1への投入電流)と吸熱側部材の吸熱量との関係がそれぞれ示されている。図4に示すように、本実施形態例で適用しているペルチェモジュール1は、上記設定値(1.4V)の電流を流すことにより、5Wの吸熱量を得ることができる。
【0030】
本実施形態例は以上のように構成されており、図1(a)に示すように、熱電変換素子5の接続回路8を閉とした状態で、例えば図2に示すように、ペルチェモジュール1の吸熱側部材である第1の基板6側に、冷却対象物である発熱体9を設けて熱的に接続すると、ペルチェモジュール1が発熱体9を冷却開始する。
【0031】
なお、発熱体9は例えばCPUであり、図2において、発熱体9は実装基板21上に実装され、サーマルグリース20を介してペルチェモジュール1に熱的に接続されている。また、図2は、ペルチェモジュール1の放熱側基板となる第2の基板7側にヒートシンク11を設けて放熱効率を向上させた例を示している。
【0032】
ここで、ペルチェモジュール1の冷却対象である発熱体9の発熱量は3Wであり、上記のように、本実施形態例のペルチェモジュール装置に設けられているペルチェモジュール1の吸熱量は5Wであるので、本実施形態例の装置は発熱体9の吸熱(冷却)を十分に行うことができる。
【0033】
また、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流をImax(ここでは2.33V)近傍以上(Imaxの80%を超える値)としたり、Imaxの20%未満の小さい値とすると、例えば図5に示すように、ペルチェモジュール1の成績係数(投入電流に対する吸熱量の比)が小さくなり、エネルギー効率が悪くなる。つまり、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流を、Imaxの80%を超える値とすると、成績係数がほぼ0.5を下回り、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流をImaxの20%未満の小さい値とすると、急激な吸熱量減少が生じて設定した冷却性能が安定的に得られない。
【0034】
それに対し、本実施形態例では、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流をImaxの60%の1.4Vとしており、このときの成績係数は約0.7であるので、比較的エネルギー効率の良好な領域でペルチェモジュール1を作動することができる。
【0035】
なお、本発明者が、上記および図5に示したような、ペルチェモジュール駆動時の電流(Imaxに対する割合)と成績係数との関係を、仕様が異なる様々なペルチェモジュール1について求めた結果、同様の結果が得られ、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流をImaxの20%〜80%の範囲内で設定した電流とすることにより、成績係数をほぼ0.5以上として、比較的エネルギー効率の良好な領域でペルチェモジュール1を作動することができる。
【0036】
そして、本実施形態例においては、第1の基板6の温度が20℃以下になると、図1(b)に示すように、省電流制御素子3が熱電変換素子5の接続回路8を開として(バイメタルが変形して接続回路8が開き)、ペルチェモジュール1に流れる電流は遮断される。
【0037】
また、ペルチェモジュール1による冷却が行われずに、再び発熱体9の温度が上昇し、第1の基板6の温度が40℃以上になったときには、図1(c)に示すように、省電流制御素子3が熱電変換素子5の接続回路8を閉とすることにより、熱電変換素子5の接続回路8に再び電流が流れるようにする。そうすると、ペルチェモジュール1による発熱体9の冷却が再開され、発熱体9が設定温度(ここでは60℃)以上となるのを防ぐことができる。
【0038】
本実施形態例において、上記省電流制御素子3による熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作は、第1の基板6の温度に基づいて行われるものであり、この温度は熱電変換素子5の極近傍の温度であるため、熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作を精度良く行うことができる。
【0039】
また、本実施形態例では、上記のように、省電流制御素子3によって熱電変換素子5の接続回路8の開閉が行われることから、ペルチェモジュール1に無駄な電流が流れることが抑制され、かつ、発熱体9の温度を設定温度以下に保つことができる。
【0040】
なお、ペルチェモジュール1の冷却能力が被冷却体の発熱量を上回るように回路閉時の電流を設定するが、実際の使用環境では周囲温度の上下があるため、この電流値は余裕を持って設定されることになる。したがって、回路閉のときペルチェモジュール1の冷却作用により、次第に、ペルチェモジュール1の低温側基板の温度と被冷却体の温度は下がる。本実施形態例では、この時冷却に要するエネルギーは殆どすべてペルチェモジュール1で消費され、それは被冷却体の温度を下げることに使われることになる。
【0041】
実際に、本実施形態例のペルチェモジュール装置によって発熱体9の冷却を行ったところ、上記動作により、発熱体9の温度を常に50℃以下に保つことができ、かつ、本装置に投入された電流の大部分を発熱体9の冷却作用に用いることができ、省電力化が実現できた。
【0042】
また、本実施形態例の装置は、ペルチェモジュール1にバイメタルの省電流制御素子3を接続しただけの非常に簡単な構成であり、従来のコントローラ31を設ける構成に必要な温度センサも不要である。しかも、上記省電流制御素子3を形成するバイメタルは非常に安価で小型の素子であるため、本実施形態例は、従来例のようなコントローラ31を設けるシステム構成に比べて遙かに小型で安価なペルチェモジュール装置を実現できる。
【0043】
図6には、本発明に係るペルチェモジュール装置の第2実施形態例が模式的に示されている。第2実施形態例は上記第1実施形態例とほぼ同様に構成されており、図6(a)には、第2実施形態例の側面図が、図6(b)には、第2実施形態例の装置の平面図が第2の基板7と電極2を省略して示されている。
【0044】
第2実施形態例が上記第1実施形態例と異なる特徴的なことは、省電流制御素子3を第1の基板6の基板面上に配置固定したことである。省電流制御素子3は、バイメタルを有しており、このバイメタルが回路開設定温度や回路閉設定温度に対応する変形動作することにより、熱電変換素子5の接続回路8の開閉を行う。
【0045】
第2実施形態例も上記第1実施形態例と同様の動作により同様の効果を奏することができる。
【0046】
なお、本発明は上記各実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記第1、第2実施形態例では、回路開設定温度を20℃とし、回路閉設定温度を40℃としたが、回路開設定温度や回路閉設定温度は特に限定されるものでなく適宜設定されるものであり、回路開設定温度を回路閉設定温度より小さく設定すればよい。
【0047】
一般的には回路閉の温度は電子部品の作動上限温度を超えないように設定し、また回路開の温度はそれより小さくすることになる。なお、回路開設定温度をあまり低くすることは、結露の問題が生ずる場合があり好ましくない、また、回路開設定温度が回路閉設定温度に近い場合には、回路の開閉が頻繁に行なわれることになるため、回路開設定温度と回路閉設定温度は、バイメタルなど制御素子の長期信頼性との兼ね合いで設定するべきである。
【0048】
また、上記各実施形態例では、ペルチェモジュール駆動の定電圧印加時にImaxの60%の電流が流れるように、ペルチェモジュール1の内部抵抗を設定したが、内部抵抗は、Imaxの20〜80%の範囲内で設定した設定値の電流が、ペルチェモジュール駆動の定電圧印加時に流れるように設定すればよい。
【0049】
さらに、上記各実施形態例では、省電流制御素子3は、ペルチェモジュール1の吸熱側部材である第1の基板6の温度に基づいて熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作を行ったが、省電流制御素子3は、被冷却体の温度に基づいて、あるいは、被冷却体と吸熱側部材の中間の温度に基づいて熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作を行うようにしてもよい。
【0050】
さらに、本発明に適用されるペルチェモジュール1の大きさやその詳細構成は特に限定されるものでなく適宜設定されるものでいる。例えば、図9には、薄膜型のペルチェモジュール1に省電流制御素子3を接続して本発明のペルチェモジュール装置を形成した例が示されている。図9(a)は、この装置の平面図、図9(b)はA−A’断面図である。
【0051】
この例において、ペルチェモジュール1は、1対のP型の熱電変換素子5(5a)とN型の熱電変換素子5(5b)を並設し、その両端側に設けた電極2(2a,2b)を介して熱電変換素子5aと5bを接続し、熱電変換素子5(5a,5b)の接続回路8を形成する。省電流制御素子3は例えば絶縁性を有する吸熱側膜26上に設けられ、導線27を介して接続回路8に接続されている。
【0052】
このように、図9に示す例においても、熱電変換素子5(5a,5b)の接続回路8には省電流制御素子3が介設され、接続回路8に電流を流すと、熱電変換素子5(5a,5b)の一端側(電極2a側)が吸熱側と成し、他端側(電極2b側)は放熱側と成す。このペルチェモジュール1の吸熱側の吸熱側膜26は、絶縁性を有する膜状の吸熱側部材である。吸熱側膜26は例えばAl2O3により形成され、この吸熱側膜26を介して被冷却体(例えば発熱体9)が設けられている。
【0053】
この例において、省電流制御素子3は例えば吸熱側膜26の温度に基づいて熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作を行い、それにより、各実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【0054】
さらに、図10に示すように、回路開設定温度と回路閉設定温度の少なくとも一方が互いに異なる複数(ここでは2つ)の省電流制御素子3(3a,3b)を有し、これら複数の省電流制御素子3(3a,3b)と熱電変換素子5の接続回路8との接続を切り換えるスイッチ15を有する構成としてもよい。なお、図10の(a)において、スイッチ15は接続回路8と第1の省電流制御素子3aとを接続している状態を示しており、図の鎖線に示す態様とすることにより、スイッチ15が接続回路8と第2の省電流制御素子3bとを接続することになる。
【0055】
図10に示す例において、第1の省電流制御素子3aは、回路開設定温度が40℃、回路閉設定温度が50℃であるバイメタルにより形成し、第2の省電流制御素子3bは、回路開設定温度が30℃、回路閉設定温度が40℃であるバイメタルにより形成している。これらはペルチェモジュール1の冷却側であるセラミック製の第1の基板6上に実装されており、前記スイッチ15も基板6上に設けられている。
【0056】
このように、スイッチ15により複数の省電流制御素子3と熱電変換素子5の接続回路8との接続を切り換える構成のペルチェモジュール装置は、夏場と冬場で仕様環境温度に応じてペルチェモジュール装置の冷却の設定を変えたい場合や、被冷却体の冷却条件を必要に応じて切り換えたいときなどに有効に適用される。なお、省電流制御素子3を3つ以上設けてスイッチ15により切り換える構成も本発明に適用できる。
【0057】
さらに、上記各実施形態例では、省電流制御素子3はバイメタルを有して構成されていたが、省電流制御素子3はバイメタルの代わりに形状記憶合金とばね等の弾性部材を有して構成してもよい。この場合、回路開設定温度で形状記憶合金が変形して熱電変換素子5の接続回路8を開とし、回路閉設定温度でばね等の弾性部材の弾性復元力によって熱電変換素子5の接続回路8を閉とするように構成する。
【0058】
さらに、本発明は、上記各実施形態例と同様に、ペルチェモジュール1の絶縁性を有する板状または膜状の吸熱側部材またはその近傍に省電流制御素子3を設ける等して、熱電変換素子5の接続回路8に省電流制御素子3を介設して形成されるものであり、省電流制御素子3を吸熱側部材の近傍に設ける場合は、高熱伝導性部材を介して省電流制御素子3を吸熱側部材に熱的に接続する。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、ペルチェモジュールに省電流制御素子を設け、ペルチェモジュールの吸熱側部材または被冷却体あるいはその中間の温度が回路開設定温度以下の時には省電流制御素子によって熱電変換素子の接続回路の開動作を行い、省電流制御素子が熱電変換素子の接続回路を開とした後に吸熱側部材または被冷却体あるいはその中間の温度が回路開設定温度より大きい回路閉設定温度以上になったときに、熱電変換素子の接続回路を閉とすることにより熱電変換素子の接続回路に再び電流が流れるようにしたものであるから、ペルチェモジュールに無駄な電流が流れることを抑制でき、効率的に冷却対象を冷却してその温度を設定温度以下に保つことができる。
【0060】
また、本発明の装置は、ペルチェモジュールにバイメタル等の省電流制御素子を接続しただけの非常に簡単な構成であるために、従来例のようなコントローラを設けてペルチェモジュールの熱電変換素子回路のオン・オフを行う冷却システムに比べて遙かに小型で安価なペルチェモジュール装置を実現できる。
【0061】
また、本発明において、省電流制御素子をペルチェモジュールの吸熱側部材またはその近傍に設けた構成によれば、上記効果を奏するペルチェモジュール装置を容易に実現できる。
【0062】
さらに、本発明において、ペルチェモジュールの定電圧での駆動時に流れる電流を設定電流となるように内部抵抗を設定した構成によれば、効率良く冷却対象物の冷却を行うことができる。
【0063】
さらに、本発明において、回路開設定温度と回路閉設定温度の少なくとも一方が互いに異なる複数の省電流制御素子を有し、これら複数の省電流制御素子と熱電変換素子の接続回路との接続を切り換えるスイッチを有する構成によれば、使用される環境温度に合わせ、温度制御範囲を適切に変更することができるので、被冷却素子の温度を設定温度より低く保つという課題に対し、実際の環境温度に合わせて、複数の省電流制御素子と熱電変換素子との接続を切り換えることができ、より的確に、ペルチェモジュールの省電流化を図れる。
【0064】
さらに、バイメタルや形状記憶合金は非常に安価で小型の素子であるため、バイメタルまたは形状記憶合金を有する省電流制御素子を設ける構成の本発明は、装置の小型化と低価格化をより一層確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るペルチェモジュール装置の第1実施形態例の要部構成とその動作を模式的に示す説明図である。
【図2】上記第1実施形態例による発熱体の冷却適用例を示す説明図である。
【図3】第1実施形態例に適用したペルチェモジュールの電流―電圧特性を示すグラフである。
【図4】第1実施形態例に適用したペルチェモジュールの投入電流と吸熱量との関係を示すグラフである。
【図5】第1実施形態例に適用したペルチェモジュールの投入電流と成績係数との関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係るペルチェモジュール装置の第2実施形態例の要部構成を模式的に示す説明図である。
【図7】ペルチェモジュールの構成例を示す説明図である。
【図8】従来のペルチェモジュールを用いた冷却システムを示す説明図である。
【図9】本発明に係るペルチェモジュール装置の他の実施形態例を模式的に示す平面説明図(a)とA−A’断面図(b)である。
【図10】本発明に係るペルチェモジュール装置の、さらに他の実施形態例を模式的に示す平面説明図(a)と側面図(b)である。
【符号の説明】
1 ペルチェモジュール
2 電極
3 省電流制御素子
4 固定部
5,5a,5b 熱電変換素子
6 第1の基板
7 第2の基板
8 接続回路
9 発熱体
11 ヒートシンク
26 吸熱側膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばDVD、パーソナルコンピュータや、サーバー、高性能電子計算機等の電子機器におけるLD,CPU、CCDなどの発熱を伴う電子部品に取り付けて、主に電子機器或いは電子部品の冷却を行うために用いられるペルチェモジュール装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
ペルチェモジュールは、光通信分野等の様々な分野に用いられている。例えば図7(a)、(b)に示すように、ペルチェモジュール1は、互いに間隔を介して上下に配置された第1の基板6と第2の基板7の間に、複数の熱電変換素子5(5a,5b)を立設配置して形成されている。
【0003】
基板6,7は、電気絶縁性を有する板状の電気絶縁性部材であり、例えばアルミナ(Al2O3)等のセラミックにより形成されている。基板6,7には、それぞれ、その片面側(対向面側)に複数の導通用の電極2が互いに間隔を介して配列形成されている。第1の基板6と第2の基板7は、電極2の位置を互いにずらした状態で電極形成面16,17を対向させて配置されている。
【0004】
前記熱電変換素子5は対応する電極2を介して直列に接続され、熱電変換素子5の接続回路が形成されている。なお、電極2上には図示されていない半田が形成されて該半田を介して熱電変換素子5が電極2上に固定されている。
【0005】
熱電変換素子5(5a,5b)は、ペルチェ素子として一般的に知られており、P型半導体により形成されたP型の熱電変換素子5aと、N型半導体により形成されたN型の熱電変換素子5bとが交互に1対以上(ここでは複数対)配置されている。このように、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bが交互に配置され、電極2を介して直列に接続されてPN素子対が形成されている。
【0006】
P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは、それぞれ、例えばビスマス・テルル等の金属間化合物にアンチモン、セレン等の元素を添加することにより形成されている。
【0007】
ペルチェモジュール1は、リード線28から電極2に電流を流すと、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bに電流が流れて、熱電変換素子5(5a,5b)と電極2との接合部(界面)で冷却・加熱効果が生じる。つまり、前記接合部を流れる電流の方向によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部が発熱せしめられると共に他方の端部が冷却せしめられるいわゆるペルチェ効果が生じる。
【0008】
このペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方側が吸熱側と成して他方側が放熱側と成す。例えば熱電変換素子5(5a,5b)の一方側である第1の基板6側の端部が冷却せしめられると、第1の基板6を介し、基板6の上側に設けられた部材の冷却(吸熱)が行われる。つまり、ペルチェモジュール1は、一般に、IC等の電子部品の発熱体を冷却するために用いられ、熱電変換素子5の接続回路に電流を流すことにより、発熱体側に設けられる第1の基板6を吸熱側基板と成す。
【0009】
図8には、従来のペルチェモジュール1を用いて発熱体9を冷却する冷却システムの例を示す。図8に示すように、従来は、サーミスタ30で発熱体9の温度を検出し、この検出温度をモニタしながら、この検出温度と設定温度との差をコントローラ31により計算し、必要な電流を流すようにしていた。なお、このシステムにおいて、DC電源32からは、コントローラ31を介してペルチェモジュール1に電圧が印加される(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−201204
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示すようなシステムにおいて、ペルチェモジュール1で消費されない電力はコントローラ31内の抵抗により熱となって消費されるため、無駄にエネルギーが使われることになるといった問題があった。つまり、この方式では精度よく温度をある範囲で制御することが出来る特徴はあるものの、エネルギー的には無駄が大きかった。
【0012】
また、コントローラ31は、例えば1つの値段が数万円程度で高価であるために、システム構築コストが高くなり、さらに、大型の装置であるために、システムを形成するためのスペースを広く必要とするといった問題もあった。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、冷却のための温度制御を行ない、かつそれを極めてエネルギー効率良く実現できる小型で安価なペルチェモジュール装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、交互に1対以上配置されたP型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子と、これらの熱電変換素子を接続する電極とを有して熱電変換素子の接続回路が形成され、該熱電変換素子の接続回路に電流を流すことにより前記熱電変換素子の一端側が吸熱側と成して他端側が放熱側と成すペルチェモジュールを有し、該ペルチェモジュールの吸熱側には絶縁性を有する板状または膜状の吸熱側部材が設けられ、前記熱電変換素子の接続回路には省電流制御素子が介設されており、該省電流制御素子は前記吸熱側部材または被冷却体あるいは両者の中間の温度に基づいて、該温度が回路開設定温度以下のときに熱電変換素子の接続回路を開とする回路開機能と、熱電変換素子の接続回路を開とした後に前記吸熱側部材または被冷却体あるいは両者の中間の温度が回路開設定温度より大きい回路閉設定温度以上になったときに、前記熱電変換素子の接続回路を閉とすることにより熱電変換素子の接続回路に再び電流が流れるようにする回路復帰機能とを有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0015】
また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、前記省電流制御素子はペルチェモジュールの吸熱側部材またはその近傍に設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0016】
さらに、第3の発明は、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記ペルチェモジュールは、吸熱側部材の最大吸熱量を得るためにペルチェモジュールに必要な電流値の20〜80%の範囲内で設定した設定値の電流がペルチェモジュール駆動の定電圧印加時に流れるように内部抵抗を設定した構成をもって課題を解決する手段としている。
【0017】
さらに、第4の発明は、上記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記回路開設定温度と回路閉設定温度の少なくとも一方が互いに異なる複数の省電流制御素子を有し、これら複数の省電流制御素子と熱電変換素子の接続回路との接続を切り換えるスイッチを有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0018】
さらに、第5の発明は、上記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記省電流制御素子はバイメタルまたは形状記憶合金を有して形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
【0020】
図1には、本発明に係るペルチェモジュール装置の第1実施形態例が模式的に示されている。同図に示すように、本実施形態例の装置はペルチェモジュール1を有し、このペルチェモジュール1には四角柱状の熱電変換素子5(5a,5b)が複数設けられている。1つの熱電変換素子5(5a,5b)の大きさは0.7mm×0.7mm×1.3mmであり、高さが1.3mmである。
【0021】
これらの熱電変換素子5a,5bは、紙面に垂直な方向にも交互に複数配置されている。本実施形態例では、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを55対組み合わせ、電極2(図1には図示せず)を介して、図1(a)の破線で示す熱電変換素子5の接続回路8を形成している。なお、本実施形態例において、図1(a)に示すA点が、図1には図示されていない基板奥行き方向に配設された複数の電極2と熱電変換素子5を介し、図7(b)に示したように、基板の奥側に図1に示すリード線28と間隔を介して平行に設けられたリード線(図示せず)に電気的に接続されている。
【0022】
本実施形態例の第1の特徴は、図1(a)に示すように、ペルチェモジュール1の第1の基板6に、熱電変換素子5の接続回路8に介設された省電流制御素子3を設けたことである。ここで、第1の基板6は、板状の吸熱側部材であり、例えばペルチェモジュール1によって吸熱する発熱体に接触して設けられる。
【0023】
該省電流制御素子3は、第1の基板6の温度に基づき、第1の基板6の温度が回路開設定温度以下になったときに、図1(b)に示すように、熱電変換素子5の接続回路8を開とする回路開機能を有し、また、熱電変換素子5の接続回路8を開とした後に第1の基板6の温度が回路開設定温度より大きい回路閉設定温度以上になったときに、図1(c)に示すように元の態様に戻り、熱電変換素子5の接続回路8を閉とすることにより、熱電変換素子5の接続回路8に再び電流が流れるようにする回路復帰機能を有する。
【0024】
本実施形態例において、省電流制御素子3はバイメタルにより形成されており、上記回路開設定温度は20℃、回路閉設定温度は40℃としている。
【0025】
図1(a)に示すように、省電流制御素子3の一端側を第1の基板6の一端側の固定部4に固定してあり、この固定部4には熱電変換素子5の接続回路8が接続されている。また、省電流制御素子3の他端側は、常時(普段)、第2の基板7の接触部10に接触させて設けられており、この接触部10には熱電変換素子5の接続回路8のリード線側が接続されている。省電流制御素子3は上記態様で、熱電変換素子5の接続回路8に接続され、接続回路8は閉状態と成している。
【0026】
また、上記の如く、本実施形態例では、上記回路開設定温度は20℃としており、本実施形態例で適用しているバイメタルの省電流制御素子3は、その温度が20℃以下の時には図1(b)に示すように変形するので、第1の基板6が20℃以下になると、省電流制御素子3は変形によって他端側が接触部10から外れ、熱電変換素子5の接続回路を開とする。その後、第1の基板6の温度が回路開設定温度より大きい回路閉設定温度以上になったときには、図1(c)に示すように元の態様に戻り、熱電変換素子5の接続回路8を閉とすることにより、熱電変換素子5の接続回路8に再び電流が流れるようにする。
【0027】
本実施形態例の第2の特徴は、ペルチェモジュール駆動の定電圧印加時に、ペルチェモジュール1の吸熱側部材(第1の基板6)の最大吸熱量を得るためにペルチェモジュール1に必要な電流値の20〜80%の範囲内で設定した設定値の電流が流れるように、内部抵抗を設定していることである。なお、以下、吸熱側部材の最大吸熱量を得るためにペルチェモジュール1に必要な電流値をImaxと言う。
【0028】
上記ペルチェモジュール駆動の定電圧は、パソコンやLDの駆動電圧と共通の電源を使用するのが一般的であり、本実施形態例では、5Vである。そこで、本実施形態例で適用しているペルチェモジュール1は、5Vの定電圧印加時に、Imax(2.33V)の60%の設定値である1.4Aの電流が流れるように内部抵抗を設定しており、その値はおおよそ3.3Ωである。
【0029】
なお、図3には、ペルチェモジュール1の電流―電圧特性が、図4には、ペルチェモジュール1の電流(ペルチェモジュール1への投入電流)と吸熱側部材の吸熱量との関係がそれぞれ示されている。図4に示すように、本実施形態例で適用しているペルチェモジュール1は、上記設定値(1.4V)の電流を流すことにより、5Wの吸熱量を得ることができる。
【0030】
本実施形態例は以上のように構成されており、図1(a)に示すように、熱電変換素子5の接続回路8を閉とした状態で、例えば図2に示すように、ペルチェモジュール1の吸熱側部材である第1の基板6側に、冷却対象物である発熱体9を設けて熱的に接続すると、ペルチェモジュール1が発熱体9を冷却開始する。
【0031】
なお、発熱体9は例えばCPUであり、図2において、発熱体9は実装基板21上に実装され、サーマルグリース20を介してペルチェモジュール1に熱的に接続されている。また、図2は、ペルチェモジュール1の放熱側基板となる第2の基板7側にヒートシンク11を設けて放熱効率を向上させた例を示している。
【0032】
ここで、ペルチェモジュール1の冷却対象である発熱体9の発熱量は3Wであり、上記のように、本実施形態例のペルチェモジュール装置に設けられているペルチェモジュール1の吸熱量は5Wであるので、本実施形態例の装置は発熱体9の吸熱(冷却)を十分に行うことができる。
【0033】
また、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流をImax(ここでは2.33V)近傍以上(Imaxの80%を超える値)としたり、Imaxの20%未満の小さい値とすると、例えば図5に示すように、ペルチェモジュール1の成績係数(投入電流に対する吸熱量の比)が小さくなり、エネルギー効率が悪くなる。つまり、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流を、Imaxの80%を超える値とすると、成績係数がほぼ0.5を下回り、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流をImaxの20%未満の小さい値とすると、急激な吸熱量減少が生じて設定した冷却性能が安定的に得られない。
【0034】
それに対し、本実施形態例では、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流をImaxの60%の1.4Vとしており、このときの成績係数は約0.7であるので、比較的エネルギー効率の良好な領域でペルチェモジュール1を作動することができる。
【0035】
なお、本発明者が、上記および図5に示したような、ペルチェモジュール駆動時の電流(Imaxに対する割合)と成績係数との関係を、仕様が異なる様々なペルチェモジュール1について求めた結果、同様の結果が得られ、ペルチェモジュール駆動時に流れる電流をImaxの20%〜80%の範囲内で設定した電流とすることにより、成績係数をほぼ0.5以上として、比較的エネルギー効率の良好な領域でペルチェモジュール1を作動することができる。
【0036】
そして、本実施形態例においては、第1の基板6の温度が20℃以下になると、図1(b)に示すように、省電流制御素子3が熱電変換素子5の接続回路8を開として(バイメタルが変形して接続回路8が開き)、ペルチェモジュール1に流れる電流は遮断される。
【0037】
また、ペルチェモジュール1による冷却が行われずに、再び発熱体9の温度が上昇し、第1の基板6の温度が40℃以上になったときには、図1(c)に示すように、省電流制御素子3が熱電変換素子5の接続回路8を閉とすることにより、熱電変換素子5の接続回路8に再び電流が流れるようにする。そうすると、ペルチェモジュール1による発熱体9の冷却が再開され、発熱体9が設定温度(ここでは60℃)以上となるのを防ぐことができる。
【0038】
本実施形態例において、上記省電流制御素子3による熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作は、第1の基板6の温度に基づいて行われるものであり、この温度は熱電変換素子5の極近傍の温度であるため、熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作を精度良く行うことができる。
【0039】
また、本実施形態例では、上記のように、省電流制御素子3によって熱電変換素子5の接続回路8の開閉が行われることから、ペルチェモジュール1に無駄な電流が流れることが抑制され、かつ、発熱体9の温度を設定温度以下に保つことができる。
【0040】
なお、ペルチェモジュール1の冷却能力が被冷却体の発熱量を上回るように回路閉時の電流を設定するが、実際の使用環境では周囲温度の上下があるため、この電流値は余裕を持って設定されることになる。したがって、回路閉のときペルチェモジュール1の冷却作用により、次第に、ペルチェモジュール1の低温側基板の温度と被冷却体の温度は下がる。本実施形態例では、この時冷却に要するエネルギーは殆どすべてペルチェモジュール1で消費され、それは被冷却体の温度を下げることに使われることになる。
【0041】
実際に、本実施形態例のペルチェモジュール装置によって発熱体9の冷却を行ったところ、上記動作により、発熱体9の温度を常に50℃以下に保つことができ、かつ、本装置に投入された電流の大部分を発熱体9の冷却作用に用いることができ、省電力化が実現できた。
【0042】
また、本実施形態例の装置は、ペルチェモジュール1にバイメタルの省電流制御素子3を接続しただけの非常に簡単な構成であり、従来のコントローラ31を設ける構成に必要な温度センサも不要である。しかも、上記省電流制御素子3を形成するバイメタルは非常に安価で小型の素子であるため、本実施形態例は、従来例のようなコントローラ31を設けるシステム構成に比べて遙かに小型で安価なペルチェモジュール装置を実現できる。
【0043】
図6には、本発明に係るペルチェモジュール装置の第2実施形態例が模式的に示されている。第2実施形態例は上記第1実施形態例とほぼ同様に構成されており、図6(a)には、第2実施形態例の側面図が、図6(b)には、第2実施形態例の装置の平面図が第2の基板7と電極2を省略して示されている。
【0044】
第2実施形態例が上記第1実施形態例と異なる特徴的なことは、省電流制御素子3を第1の基板6の基板面上に配置固定したことである。省電流制御素子3は、バイメタルを有しており、このバイメタルが回路開設定温度や回路閉設定温度に対応する変形動作することにより、熱電変換素子5の接続回路8の開閉を行う。
【0045】
第2実施形態例も上記第1実施形態例と同様の動作により同様の効果を奏することができる。
【0046】
なお、本発明は上記各実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記第1、第2実施形態例では、回路開設定温度を20℃とし、回路閉設定温度を40℃としたが、回路開設定温度や回路閉設定温度は特に限定されるものでなく適宜設定されるものであり、回路開設定温度を回路閉設定温度より小さく設定すればよい。
【0047】
一般的には回路閉の温度は電子部品の作動上限温度を超えないように設定し、また回路開の温度はそれより小さくすることになる。なお、回路開設定温度をあまり低くすることは、結露の問題が生ずる場合があり好ましくない、また、回路開設定温度が回路閉設定温度に近い場合には、回路の開閉が頻繁に行なわれることになるため、回路開設定温度と回路閉設定温度は、バイメタルなど制御素子の長期信頼性との兼ね合いで設定するべきである。
【0048】
また、上記各実施形態例では、ペルチェモジュール駆動の定電圧印加時にImaxの60%の電流が流れるように、ペルチェモジュール1の内部抵抗を設定したが、内部抵抗は、Imaxの20〜80%の範囲内で設定した設定値の電流が、ペルチェモジュール駆動の定電圧印加時に流れるように設定すればよい。
【0049】
さらに、上記各実施形態例では、省電流制御素子3は、ペルチェモジュール1の吸熱側部材である第1の基板6の温度に基づいて熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作を行ったが、省電流制御素子3は、被冷却体の温度に基づいて、あるいは、被冷却体と吸熱側部材の中間の温度に基づいて熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作を行うようにしてもよい。
【0050】
さらに、本発明に適用されるペルチェモジュール1の大きさやその詳細構成は特に限定されるものでなく適宜設定されるものでいる。例えば、図9には、薄膜型のペルチェモジュール1に省電流制御素子3を接続して本発明のペルチェモジュール装置を形成した例が示されている。図9(a)は、この装置の平面図、図9(b)はA−A’断面図である。
【0051】
この例において、ペルチェモジュール1は、1対のP型の熱電変換素子5(5a)とN型の熱電変換素子5(5b)を並設し、その両端側に設けた電極2(2a,2b)を介して熱電変換素子5aと5bを接続し、熱電変換素子5(5a,5b)の接続回路8を形成する。省電流制御素子3は例えば絶縁性を有する吸熱側膜26上に設けられ、導線27を介して接続回路8に接続されている。
【0052】
このように、図9に示す例においても、熱電変換素子5(5a,5b)の接続回路8には省電流制御素子3が介設され、接続回路8に電流を流すと、熱電変換素子5(5a,5b)の一端側(電極2a側)が吸熱側と成し、他端側(電極2b側)は放熱側と成す。このペルチェモジュール1の吸熱側の吸熱側膜26は、絶縁性を有する膜状の吸熱側部材である。吸熱側膜26は例えばAl2O3により形成され、この吸熱側膜26を介して被冷却体(例えば発熱体9)が設けられている。
【0053】
この例において、省電流制御素子3は例えば吸熱側膜26の温度に基づいて熱電変換素子5の接続回路8の開閉動作を行い、それにより、各実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【0054】
さらに、図10に示すように、回路開設定温度と回路閉設定温度の少なくとも一方が互いに異なる複数(ここでは2つ)の省電流制御素子3(3a,3b)を有し、これら複数の省電流制御素子3(3a,3b)と熱電変換素子5の接続回路8との接続を切り換えるスイッチ15を有する構成としてもよい。なお、図10の(a)において、スイッチ15は接続回路8と第1の省電流制御素子3aとを接続している状態を示しており、図の鎖線に示す態様とすることにより、スイッチ15が接続回路8と第2の省電流制御素子3bとを接続することになる。
【0055】
図10に示す例において、第1の省電流制御素子3aは、回路開設定温度が40℃、回路閉設定温度が50℃であるバイメタルにより形成し、第2の省電流制御素子3bは、回路開設定温度が30℃、回路閉設定温度が40℃であるバイメタルにより形成している。これらはペルチェモジュール1の冷却側であるセラミック製の第1の基板6上に実装されており、前記スイッチ15も基板6上に設けられている。
【0056】
このように、スイッチ15により複数の省電流制御素子3と熱電変換素子5の接続回路8との接続を切り換える構成のペルチェモジュール装置は、夏場と冬場で仕様環境温度に応じてペルチェモジュール装置の冷却の設定を変えたい場合や、被冷却体の冷却条件を必要に応じて切り換えたいときなどに有効に適用される。なお、省電流制御素子3を3つ以上設けてスイッチ15により切り換える構成も本発明に適用できる。
【0057】
さらに、上記各実施形態例では、省電流制御素子3はバイメタルを有して構成されていたが、省電流制御素子3はバイメタルの代わりに形状記憶合金とばね等の弾性部材を有して構成してもよい。この場合、回路開設定温度で形状記憶合金が変形して熱電変換素子5の接続回路8を開とし、回路閉設定温度でばね等の弾性部材の弾性復元力によって熱電変換素子5の接続回路8を閉とするように構成する。
【0058】
さらに、本発明は、上記各実施形態例と同様に、ペルチェモジュール1の絶縁性を有する板状または膜状の吸熱側部材またはその近傍に省電流制御素子3を設ける等して、熱電変換素子5の接続回路8に省電流制御素子3を介設して形成されるものであり、省電流制御素子3を吸熱側部材の近傍に設ける場合は、高熱伝導性部材を介して省電流制御素子3を吸熱側部材に熱的に接続する。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、ペルチェモジュールに省電流制御素子を設け、ペルチェモジュールの吸熱側部材または被冷却体あるいはその中間の温度が回路開設定温度以下の時には省電流制御素子によって熱電変換素子の接続回路の開動作を行い、省電流制御素子が熱電変換素子の接続回路を開とした後に吸熱側部材または被冷却体あるいはその中間の温度が回路開設定温度より大きい回路閉設定温度以上になったときに、熱電変換素子の接続回路を閉とすることにより熱電変換素子の接続回路に再び電流が流れるようにしたものであるから、ペルチェモジュールに無駄な電流が流れることを抑制でき、効率的に冷却対象を冷却してその温度を設定温度以下に保つことができる。
【0060】
また、本発明の装置は、ペルチェモジュールにバイメタル等の省電流制御素子を接続しただけの非常に簡単な構成であるために、従来例のようなコントローラを設けてペルチェモジュールの熱電変換素子回路のオン・オフを行う冷却システムに比べて遙かに小型で安価なペルチェモジュール装置を実現できる。
【0061】
また、本発明において、省電流制御素子をペルチェモジュールの吸熱側部材またはその近傍に設けた構成によれば、上記効果を奏するペルチェモジュール装置を容易に実現できる。
【0062】
さらに、本発明において、ペルチェモジュールの定電圧での駆動時に流れる電流を設定電流となるように内部抵抗を設定した構成によれば、効率良く冷却対象物の冷却を行うことができる。
【0063】
さらに、本発明において、回路開設定温度と回路閉設定温度の少なくとも一方が互いに異なる複数の省電流制御素子を有し、これら複数の省電流制御素子と熱電変換素子の接続回路との接続を切り換えるスイッチを有する構成によれば、使用される環境温度に合わせ、温度制御範囲を適切に変更することができるので、被冷却素子の温度を設定温度より低く保つという課題に対し、実際の環境温度に合わせて、複数の省電流制御素子と熱電変換素子との接続を切り換えることができ、より的確に、ペルチェモジュールの省電流化を図れる。
【0064】
さらに、バイメタルや形状記憶合金は非常に安価で小型の素子であるため、バイメタルまたは形状記憶合金を有する省電流制御素子を設ける構成の本発明は、装置の小型化と低価格化をより一層確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るペルチェモジュール装置の第1実施形態例の要部構成とその動作を模式的に示す説明図である。
【図2】上記第1実施形態例による発熱体の冷却適用例を示す説明図である。
【図3】第1実施形態例に適用したペルチェモジュールの電流―電圧特性を示すグラフである。
【図4】第1実施形態例に適用したペルチェモジュールの投入電流と吸熱量との関係を示すグラフである。
【図5】第1実施形態例に適用したペルチェモジュールの投入電流と成績係数との関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係るペルチェモジュール装置の第2実施形態例の要部構成を模式的に示す説明図である。
【図7】ペルチェモジュールの構成例を示す説明図である。
【図8】従来のペルチェモジュールを用いた冷却システムを示す説明図である。
【図9】本発明に係るペルチェモジュール装置の他の実施形態例を模式的に示す平面説明図(a)とA−A’断面図(b)である。
【図10】本発明に係るペルチェモジュール装置の、さらに他の実施形態例を模式的に示す平面説明図(a)と側面図(b)である。
【符号の説明】
1 ペルチェモジュール
2 電極
3 省電流制御素子
4 固定部
5,5a,5b 熱電変換素子
6 第1の基板
7 第2の基板
8 接続回路
9 発熱体
11 ヒートシンク
26 吸熱側膜
Claims (5)
- 交互に1対以上配置されたP型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子と、これらの熱電変換素子を接続する電極とを有して熱電変換素子の接続回路が形成され、該熱電変換素子の接続回路に電流を流すことにより前記熱電変換素子の一端側が吸熱側と成して他端側が放熱側と成すペルチェモジュールを有し、該ペルチェモジュールの吸熱側には絶縁性を有する板状または膜状の吸熱側部材が設けられ、前記熱電変換素子の接続回路には省電流制御素子が介設されており、該省電流制御素子は前記吸熱側部材または被冷却体あるいは両者の中間の温度に基づいて、該温度が回路開設定温度以下のときに熱電変換素子の接続回路を開とする回路開機能と、熱電変換素子の接続回路を開とした後に前記吸熱側部材または被冷却体あるいは両者の中間の温度が回路開設定温度より大きい回路閉設定温度以上になったときに、前記熱電変換素子の接続回路を閉とすることにより熱電変換素子の接続回路に再び電流が流れるようにする回路復帰機能とを有することを特徴とするペルチェモジュール装置。
- 省電流制御素子はペルチェモジュールの吸熱側部材またはその近傍に設けられていることを特徴とする請求項1記載のペルチェモジュール装置。
- ペルチェモジュールは、吸熱側部材の最大吸熱量を得るためにペルチェモジュールに必要な電流値の20〜80%の範囲内で設定した設定値の電流がペルチェモジュール駆動の定電圧印加時に流れるように内部抵抗を設定したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のペルチェモジュール装置。
- 回路開設定温度と回路閉設定温度の少なくとも一方が互いに異なる複数の省電流制御素子を有し、これら複数の省電流制御素子と熱電変換素子の接続回路との接続を切り換えるスイッチを有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のペルチェモジュール装置。
- 省電流制御素子はバイメタルまたは形状記憶合金を有して形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のペルチェモジュール装置。
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