JP2004220247A - イベント提供方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】人を楽しませるためのイベントでありながら、端末を介したシステムのやりとりだけでは人間味に乏しく、嘘くさい仮想現実になりがちなこと。
【解決手段】イベント提供システムサーバ1は、利用者端末3に対して役者担当スタッフ5に出会うための手掛かり情報とともにイベント内で利用者2に実行させる課題情報を送信する一方で、役者担当スタッフ5の持つスタッフ端末6には、手掛かり情報を頼りに接触してきた利用者2に対して伝達する伝達情報を送信しておく。利用者2は役者担当スタッフ5から伝達情報を入手して、利用者端末3を用いてイベント提供システムサーバ1に報告情報として送信することでイベントにおける課題を達成する。イベントに合わせた役柄を演じる役者担当スタッフ5の存在は、イベント提供システムサーバ1が提供するイベントに人間味をもたらすとともにイベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来る。
【選択図】 図1
【解決手段】イベント提供システムサーバ1は、利用者端末3に対して役者担当スタッフ5に出会うための手掛かり情報とともにイベント内で利用者2に実行させる課題情報を送信する一方で、役者担当スタッフ5の持つスタッフ端末6には、手掛かり情報を頼りに接触してきた利用者2に対して伝達する伝達情報を送信しておく。利用者2は役者担当スタッフ5から伝達情報を入手して、利用者端末3を用いてイベント提供システムサーバ1に報告情報として送信することでイベントにおける課題を達成する。イベントに合わせた役柄を演じる役者担当スタッフ5の存在は、イベント提供システムサーバ1が提供するイベントに人間味をもたらすとともにイベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イベント提供、特に利用者が持つ利用者端末を用いてイベントを提供するイベント提供方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
利用者端末をバーチャルな世界であるコンピュータゲームに取り込む先行技術として、特開2002−224447号公報が挙げられる。この先行技術は、ディスプレイに表示された道具一覧の中に携帯電話が含まれており、利用者が入力部を操作することによって選択された携帯電話に仮想現実(バーチャルリアリティ)で存在する相手先を示す架空の電話番号を入力することにより、あたかも携帯電話で会話をしているかの雰囲気を演出するものである。ただし、これは現実世界で利用者が普段利用している携帯電話そのものを使うものではない。
【0003】
利用者端末を用いて現実世界における利用者の行動を仮想現実に取り込む先行技術として、特開2002−049681号公報が挙げられる。この先行技術は、ゲームの進行に従って現実世界を実際に移動する利用者が、現実世界に実在する店舗や施設などから情報を取得し、利用者が携帯する利用者端末に入力することによって、現実世界における利用者の行動を仮想現実のゲームの進行に取り込むものである。ただし、これは利用者に提供する情報に人に喋らした情報を含むものでなく、あらかじめ用意した情報でゲームを進行するものである。
【0004】
端末を用いて利用者を驚かせる先行技術として、特開2002−273059号公報が挙げられる。この先行技術は、端末を用いて手品ゲームをするシステムであって、手品ゲームの仕込み者が利用者に気づかれないようにシステムに当てさせる答えを端末に入力することによって、あたかも端末が当てたかのように見せるものである。ただし、手品ゲームの主役はあくまで端末であって、端末の傍らにいる手品ゲームの仕込み者は単なる脇役に過ぎない。なお、手品ゲームに用いる端末は1種類であり、役割の異なる端末を必要としていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−224447号公報
【特許文献2】
特開2002−049681号公報
【特許文献3】
特開2002−273059号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
通信インフラの発達と携帯電話の急速な普及に伴って、今や携帯電話は我々の生活に欠かせない道具になっている。その携帯電話にバーチャルリアリティを追求しようとしているゲーム業界が目をつけた。
【0007】
そもそもバーチャルリアリティを追求するゲームは、あらかじめ用意された仮想空間の中に自らを登場人物として投影し、その登場人物に対して利用者が何らかの入力装置を用いて指示を与えたり、仮想空間内で設定された選択肢を利用者が選択したりすることによって、利用者があたかも仮想空間の中を自分の意志で自由に行動しているかのような、いわゆる擬似的な体験をさせることから始まっている。
【0008】
ところが、これらの仮想空間は利用者にとって感覚的に自らと隔離された箱庭のようなものでしかなく、どれだけ現実味を帯びた設定や演出をしてもディスプレイなどの表示装置に対してキーボードやマウス、コントローラなどの入力装置を介して操作していては、現実世界とは別物であると利用者に思われても致し方なかった。つまり、どれだけの現実味を帯びた設定や演出をどこまで工夫したとしても利用者にとっては、単に仮想空間内にいる「つもり」でしかないという問題点があった。
【0009】
そこで、利用者が普段利用している利用者端末をゲームの入出力装置に用いて、利用者が実際にいる現実世界の場所(現在地)を取得して、その現在地周辺の地図を利用者端末に表示して、地図上にあらかじめ配置されたイベントスポット(イベントが発生する場所)に誘導することによって、現実世界を実際に移動する利用者にイベントスポットに関連したイベントの実行を促すゲームが発明されている。このゲームでは、利用者端末に表示された地図は現実世界を表わす地図ではあるが、利用者端末上で発生するイベントは一種の仮想現実であり、現実世界に仮想現実を取り込むことで両者を融合させようとしている。
【0010】
ただし、これらのイベントは常に利用者端末を介してのやりとりである。実はすべての情報が利用者端末を介して利用者に伝えられることが問題であった。なぜなら、利用者が楽しむイベントの中に人が介在することがなく、すべての情報が利用者端末を介して伝えられるのであるならば、どれだけ周到に用意された仮想現実であっても、結局は味気ないものになってしまうからである。IT技術が進歩して、世の中がどんなに便利になったとしても、人は人とのふれあいなくして生きてはいけない。それは人を楽しませるイベントであっても同様である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の本質は、イベント提供システムが提供するイベントに役者担当スタッフを活用することである。役者担当スタッフが有するスタッフ端末にイベント提供システムからあらかじめ送信される口裏合わせ情報に基づいて、役者担当スタッフはイベント内における役割を演じる。イベントに合わせた役柄を演じる役者担当スタッフの存在は、イベント提供システムが提供するイベントに人間味をもたらすとともにイベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来る。なお、このようにイベントが創りだす仮想現実の中で一人で何役もこなす役者担当スタッフを支援することが、本発明におけるイベント提供システムならではの効果である。つまり、一人で何役もこなせば、それらの役がごちゃごちゃになって、せっかくイベントが創りだした仮想現実の世界を台無しにしてしまうかもしれない役者担当スタッフの演技をシステムは支援することが出来る。
【0012】
本発明は、利用者が有する利用者端末を介して該利用者に課題を与えるイベントを、そのイベントにおいて一人で何役もこなす役者担当スタッフが有するスタッフ端末を用いて提供するために、前記利用者に与える課題情報と前記利用者が前記役者担当スタッフと接触するための手掛かり情報とを前記利用者端末に送信するイベント情報として、前記役者担当スタッフに演技させる役柄について指示する役柄情報と前記利用者端末に送信する手掛かり情報と該手掛かり情報を頼りに接触してきた前記利用者に伝達するための伝達情報とを前記スタッフ端末に送信する口裏合わせ情報として記憶するイベント情報データベースと、前記イベント情報の前記利用者端末への送信要求を受け付けると、該送信要求に基づいて前記イベント情報データベースから前記イベント情報とともに前記イベント情報に対応する前記口裏合わせ情報を取得する情報取得手段と、取得した前記口裏合わせ情報を前記スタッフ端末に送信し、前記スタッフ端末から送信した前記口裏合わせ情報の受信完了を示す受信完了情報を受信すると、前記イベント情報データベースから取得した前記イベント情報を前記利用者端末に送信する情報送信手段と、前記利用者端末に送信した前記イベント情報に含まれる前記課題情報に応じた報告情報を受信すると、前記スタッフ端末に送信した前記口裏合わせ情報に含まれる前記伝達情報と照合する情報照合手段と、前記報告情報と前記伝達情報の照合結果が一致した場合には、与えたイベントの課題を前記利用者が達成したと判断する判断手段とを有するようにした。
【0013】
対応するスタッフ端末は、前記イベント提供システムから前記役柄情報と前記手掛かり情報と前記伝達情報で構成される前記口裏合わせ情報を受信すると、受信した前記口裏合わせ情報を前記役者担当スタッフに対して出力する情報出力手段と、情報出力手段に出力した前記役柄情報に基づいて自らが実行する役割について心の準備が出来た前記役者担当スタッフから準備完了を示す入力を受け付ける情報入力手段と、前記情報入力手段が前記役者担当スタッフから準備完了を示す入力を受け付けると、前記イベント提供システムへ前記口裏合わせ情報の受信完了情報を送信する情報送信手段とを有するとよい。
【0014】
また、スタッフ端末の有する情報出力手段は、受信した前記手掛かり情報に基づいて前記利用者を確認した上で受信した前記伝達情報を前記利用者に伝達するように前記役者担当スタッフに対して指示する指示情報を出力するようにするとよい。
【0015】
対応する利用者端末は、前記イベント提供システムから前記課題情報と前記手掛かり情報で構成される前記イベント情報を受信すると、受信した前記手掛かり情報を手掛かりにして前記役者担当スタッフと接触して受信した課題情報を実行するように前記利用者に指示する指示情報を出力する情報出力手段を有するとよい。
【0016】
また、利用者端末は、前記情報出力手段に出力した前記課題情報に基づく入力を受け付ける情報入力手段と、前記情報入力手段に前記課題情報に基づく入力を受け付けると、受け付けた情報を前記課題情報に対する報告情報としてイベント提供システムに送信する情報送信手段とを有するとよい。
【0017】
ここで言うところの課題情報とは、イベント提供システムが提供するイベント内で利用者が実行する課題に関する情報のことであり、目的地を指定した課題もある。目的地が指定してある場合には目的地に移動した後に、目的地が指定してない場合には利用者のいる場所で、まず手掛かり情報を頼りにイベントが用意した役者担当スタッフを探すことになる。ここで言うところの手掛かり情報とは、役者担当スタッフと出会う(めぐり会う、接触する)ための手掛かりとなる情報のことであり、例えば面識のないもの同士が出会うために用いる合言葉であったり、役者担当スタッフの服装や持ち物などの外観に関する情報であったりする。ただし、この手掛かり情報は、利用者が役者担当スタッフの見つけ出して同じイベントに参加していることを証明するものであるならその種類は特に問わない。
【0018】
ここで言うところの伝達情報とは、イベント提供システムからスタッフ端末へあらかじめ送信されている口裏合わせ情報のうちのひとつであり、手掛かり情報を頼りに接触してきた利用者に伝達する情報のことである。役者担当スタッフに課題達成の確認をさせる場合には、利用者がどんな課題を課されているのかを示す課題情報とその課題の達成条件が伝達情報に付与されているとよい。スタッフ端末は、役者担当スタッフに対して課題情報と達成条件を情報出力部に出力するとともに、達成条件を満たした利用者に伝達情報を伝達するよう指示する指示情報を情報情報出力部に出力するとよい。この情報に基づいて役者担当スタッフは口頭またはメモリカードなどの記録媒体を介して利用者に伝達情報を伝達する。役者担当スタッフから口頭で伝達情報を受け取った利用者は、受け取った伝達情報を利用者端末に自ら入力する。また、記録媒体で受け取った利用者は、受け取った記憶媒体を利用者端末にセットして、利用者端末に伝達情報を受け渡すことになる。利用者端末に入力または受け渡された伝達情報は、利用者端末によってイベント提供システムへの報告情報としてイベント提供システムへ送信される。利用者端末から報告情報を受信したイベント提供システムは、スタッフ端末に送信した口裏合わせ情報をデータベースから取得して、口裏合わせ情報に含まれる伝達情報と照合し、一致すると(利用者が役者担当スタッフと接触し、役者担当スタッフによってイベントの課題達成が判断されたと見なすことが出来るので)、利用者端末を介して利用者に与えたイベントの課題が達成されたと判断する。イベントの課題が達成されたと判断した後は、あらかじめ定めるシナリオに基づいて、または達成状況に応じて次のイベントを決めたり、全イベントが終了したと判断した場合には結末情報を利用者端末に送信するとよい。
【0019】
このように役者担当スタッフをイベント提供システムが提供するイベントに用いることで、イベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来るだけでなく、システムの処理では課題達成の判定が難しいイベントでも役者担当スタッフの判断に委ねることが出来る。例えば、人の主観で判断するものは役者担当スタッフに委ねてしまえばよく、「(利用者に)役者担当スタッフであることを見抜かれたか(ばれたか)?」以外にも「(利用者の行為に)ユーモアがあったか(利用者の言動が面白かったか)?」「(早食いで)制限時間内に完食できたか?」などもイベント提供システムが提供するイベントの課題とすることが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るイベント提供システムの具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図である。
【0022】
同図は、イベント提供システムが提供するイベントによって利用者2を向かわせる目的地にあらかじめ役者担当スタッフ5を配置して、イベントの進行にイベント提供者としてのイベントスタッフを活用する場合の仕組みを示す。同図において、イベント提供システムサーバ1は、役者担当スタッフ5に対する口裏合わせのための事前情報を役者担当スタッフ5の持つスタッフ端末6に送信した上で、利用者端末3に目的地と課題、さらに役者担当スタッフ5に引き合わせるための手掛かり情報を送信する。手掛かり情報を利用者端末3に受信した利用者2は、目的地に到着すると受信した手掛かり情報に基づいて役者担当スタッフ5を探すことになる。
【0023】
なお、利用者端末3は、イベント提供システムサーバ1から課題情報と手掛かり情報で構成されるイベント情報を受信すると、受信した手掛かり情報を手掛かりにして役者担当スタッフ5と接触して受信した課題情報を実行するように利用者2に指示する指示情報を出力するようにしてもよい。このような指示情報によって、利用者2はイベント提供システムサーバ1が提供するイベントにおいて何をすればよいのかを明確に理解することが出来る。
【0024】
イベント提供システムが提供するイベント情報は、利用者2に実行させるための課題を含んでおり、場合によってはその課題を実行するための場所が目的地として指定されている。もちろん課題だけでもイベント提供システムが提供するイベントは成り立つが、さらに目的地を指定しておくことによって利用者2がその目的地に向かって移動することになり、様々な場所をめぐることを楽しむ観光などへの応用が期待できる。よって、以下の実施形態では基本的に、より複雑な内容となる「目的地を指定した課題」で説明をするが、「課題のみ」であっても仕組みとしては同様であると考えてよい。目的地を指定しない場合は、利用者2のいる場所でイベントを提供することになる。
【0025】
利用者2は役者担当スタッフ5と接触した後に、役者担当スタッフ5から入手した情報を報告情報としてイベント提供システムサーバ1に利用者端末3を用いて報告する。この報告情報を受信したイベント提供システムサーバ1は、スタッフ端末6に送信した口裏合わせ情報と照合して一致すれば、利用者2がイベントにおける課題をクリア(達成)したと見なすことが出来る。
【0026】
図2は、図1を補足する、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図である。
【0027】
同図は、イベントの起点について説明する図である。同図において、イベント提供システムサーバ1は、利用者2の有する利用者端末3より直接的または間接的に取得した利用者端末アドレスに基づき、イベント情報DB(データベース)4から取得した課題(または目的地と課題)を含むイベント情報を利用者端末3に送信する。イベントは、利用者2の指示に応じて開始されても、利用者2の要望を受け付けた後にあらかじめ用意されたトリガ(きっかけ)によって開始されてもよい。
【0028】
ここで言うところのトリガとは、例えば利用者2がある場所やエリアに到達したことや通過したことを示す情報などによるものであり、例えば場所情報タグ7から取得された場所情報をイベント提供システムサーバ1が直接的または間接的に取得することによって生じる。このトリガは、イベント進行のきっかけに用いられてもよい。なお、利用者2がいる現在位置を示す場所情報は、利用者端末3が有する場所情報取得機能からの取得、または利用者2自身の入力によって利用者端末3から取得されてもよい。
【0029】
図3は、図2とは別の場合の、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図である。
【0030】
同図は、図2で説明するトリガにパスゲート8を通過した利用者2に関する情報を用いる場合である。同図において、利用者2は情報記憶媒体9または利用者端末3を用いてパスゲート8を通過する。利用者2が通過する際にパスゲート8は、情報記憶媒体9または利用者端末3から利用者端末アドレスを読み取ってあらかじめパスゲート8が有するパスゲートコードとともに利用者2の通過検知結果をイベント提供システムサーバ1に送信する。イベント提供システムサーバ1は、パスゲート8より取得した利用者端末アドレスに基づき、イベント情報DB(データベース)4から取得した課題(または目的地と課題)を含むイベント情報を利用者端末3に送信する。
【0031】
なお、パスゲートコードが示すパスゲート8の設置場所に基づいて目的地を選択してもよい。利用者2が通過したパスゲート8の設置場所とは、利用者2が通過した通過場所を意味し、利用者2の行動に合わせた目的地の設定が可能となる。なお、パスゲート8が公共交通機関の駅などに設置された自動改札や電車、バス、などの移動車両への出入り口であり、情報記憶媒体9が乗車券(何度も乗り降りが出来る、例えば一日乗車券や定期券などが好ましい)であれば、利用者2を監視することなく、乗車券が有効な期間中にその乗車券を使用している間だけイベント情報の送信が可能となる。つまり、パスゲート8を用いると利用者2のプライバシーに配慮した情報提供が出来る。
【0032】
ここで言うところのパスゲートコードとは、受信したイベント提供システムサーバ1がパスゲート8に関する基礎情報をあらかじめ記憶するデータベースより取得するために用いるためのコードであり、通信に関わる情報量削減が出来る。もちろん、パスゲートコードを用いずにパスゲート8に関する基礎情報を都度、受信しても構わない。
【0033】
図4は、本発明における実施形態の具体例を説明する図である。
【0034】
同図では、イベント提供システムサーバ1から提供するイベントが始まる際の利用者端末3の具体例について説明する。同図において、図4(a)は、これから利用者2の身に起こる状況が受け入れやすいように前もって説明しておくための前説情報を文字情報として出力している利用者端末3の表示画面を示している。表示画面に表示している「おや?道の真ん中にケータイが落ちています。あなたは何だろうと思って拾ってみました。すると、突然ベルが鳴ります・・・。あなたは思わず通話スイッチを押してしまいました。」のうち、前説情報として「おや?道の真ん中にケータイが落ちています。あなたは何だろうと思って拾ってみました。」と表示された部分が、イベント提供システムサーバ1から提供されるイベントにおける利用者2に関する架空の状況設定である。また、同様に前説情報として「すると、突然ベルが鳴ります・・・。」と表示された部分が、これから利用者2の身に起こる具体的な状況であり、通話機能の着信を示す着信音が突然鳴ることを具体的に説明している。なお、前説情報に続く「あなたは、思わず通話スイッチを押してしまいました。」と表示された部分は、利用者2に行動を促すための情報であり、利用者2の行動を誘導するような一種の暗示情報の役目を果たしている。
【0035】
まず、前説情報を読んだ利用者2は、その前説情報に書かれたとおりのこと(図中の具体例では『電話のベルが鳴ること』)が、目の前の現実として利用者2が今、持っている利用者端末3で実際に起こることによって、前説情報で示された架空の状況設定がまるで現実であったかのように錯覚できる。つまり、この具体例によれば利用者2が個人的に持っていた利用者端末3(図中の『ケータイ』)が、まるで今、道の真ん中で拾った利用者端末3であるかのように思えるのである。そして、この利用者端末3を拾ってしまったが故に、この利用者端末3によって誰かが伝える(実は架空の)状況に巻き込まれていくのだというような納得性が利用者2の感覚の中に生じるので、イベント提供システムサーバ1が提供するイベントの臨場感溢れる架空の状況設定にごく自然に感情移入できるという効果が期待できる。
【0036】
別の言い方をすれば、前もって提供された前説情報のとおりに目の前の現実が動いたことによって、架空の状況設定があたかも現実であったかのように利用者2の感覚上で仮想現実が現実世界と融合させることが出来ると言える。または、架空の状況設定と現実世界とが利用者2が有する利用者端末3によって、ごく自然なつながりで切り替わったとも言える。また別の言い方をすれば、前説情報で前もって説明しておいたことが実際に起これば、この前説情報は利用者2にとって一種の予言でもあり、これから起こることをあたかもズバリ言い当てる予言を目の当たりにした利用者2は、システムが提供する情報を信じやすくなっている状態であるとも言える。つまり、実際に利用者2の目の前で鳴る着信音は、利用者2にとって感情移入しやすくする「きっかけ」なのである。
【0037】
図4(b)〜(d)は利用者端末3の音声出力部から出力される音声情報である。図4(b)は、利用者端末3が鳴らした通話機能の着信音であり、具体的には「トゥルル、トゥルル」という音を出力している。図4(c)は、音声出力部から出力される音声情報であり、具体的には「(謎の男の声で)君は誰だ?まぁ名前なんぞはどうでもいい。君はたった今から我々側のスパイになった。さっそく、最初の任務を伝える。清水寺参道から三年坂を下った先の円山公園で他のスパイとコンタクトをとって(接触して)パスワードを入手せよ。制限時間は45分。君はそれらしい相手に『スパイ』と言ってみろ。すると相手は『最高!』と答える。いいな、合言葉は『スパイ』『最高!』だぞ。くれぐれも周りの人間に怪しまれないようにうまくやれ。わかったな。パスワードがわかったらメールで報告してくれたまえ。もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命の保障はない。(または、『もちろん、わかっているとは思うが、我々の命運はすべて君にかかっている』など)以上。プツ(通話が一方的に切れる音)」という言葉と音を出力している。図4(c)に示す言葉と音は、図4(b)に応じた利用者2が通話スイッチを操作することによって出力され、「君は誰だ?まぁ名前なんぞはどうでもいい。君はたった今から我々側のスパイになった。さっそく、最初の任務を伝える。」および「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない。」または「もちろん、わかっているとは思うが、我々の命運はすべて君にかかっている」という言葉が、イベント提供システムサーバ1から提供されるイベントにおける利用者2に関する架空の状況設定の続きである。
【0038】
また、「清水寺参道から三年坂を下った先の円山公園で他のスパイとコンタクトをとって(接触して)パスワードを入手せよ。制限時間は45分。君はそれらしい相手に『スパイ』と言ってみろ。すると相手は『最高!』と答える。いいな、合言葉は『スパイ』『最高!』だぞ。くれぐれも周りの人間に怪しまれないようにうまくやれ。わかったな。パスワードがわかったらメールで報告してくれたまえ。」という言葉が、架空の状況設定における指示情報であり、基本的に目的地と課題によって構成されている。図例では「清水寺参道から三年坂を下った先の円山公園」が目的地となり、制限時間の「45分」以内に「合言葉である『スパイ』『最高!』」を用いて、他のスパイに成りすました役者担当スタッフと接触し、接触した役者担当スタッフから「入手したパスワードをメールで報告」することが課題となる。図4(d)は、利用者端末3が鳴らした通話機能の通話不通音であり、図4(c)に示す音声情報の出力が完了すると出力される。通話不通音としては、具体的には「ツゥー、ツゥー、ツゥー」という音を出力している。
【0039】
図4(e)は、利用者2に「(何かの行動を)しなければならない」と思わせる強い動機を促すために制限時間のカウントダウンを文字または画像情報として出力している利用者端末3の表示画面を示している。制限時間のカウントダウンを表示する図4(e)では、図4(c)に示す音声情報で出力した課題と忘れてはならない合言葉を同時に示すとよく、利用者2が何をいつまでにすればよいかを利用者端末3を用いて確認できる。具体的に44分58秒を示すカウントダウン表示の下側に表示されている「ボスに報告」のアイコン表示は、図4(c)に示す音声情報で謎の男の声による音声が指示した「メールで報告」に対応しており、このアイコンに対応した情報入力部を操作することによって、図6に示す報告画面へと切り替わる。
【0040】
この具体例において、利用者2に強い動機を生じさせる演出にはいくつかのポイントがある。第1のポイントとしては、利用者2に対し電話をかけていることになっている架空の人物のキャラ(声またはしゃべり口調やその内容からわかる人格、人物特徴)が、非常識な人であることである。ここで言うところの非常識な人とは、一般の常識(つまり、利用者2が思う常識)が通用しない相手であると利用者2に思わせる人のことである。この架空の人物を非常識な人だと利用者2が一度認めてしまえば、利用者2はこの相手をなんとか説得しようなどとは思わない。なお、非常識さは初対面の相手である利用者2に理不尽な要求を一方的に押し付け、一方的に押し付けた後は一方的に電話を切ってしまう態度によく表れており、利用者2にとって非常識なことをあたかも当たり前であるかのように言い切る言葉や態度、姿勢によって醸し出される。ここで言うところの理不尽な要求とは、具体的に「問答無用でスパイにしてしまったこと」と「制限時間を設定した任務(別の言い方ではミッション、使命)を与えること」である。つまり、これらの演出によって、利用者2に「(相手は非常識な人であるので)この人には何を言っても仕方がない。(相手によって)示されたルールでなんとかするしかない」などという割りきりの気持ちを生じさせることが出来る。一度行動することに対して自ら割り切れた利用者2は自発的に行動を持続する効果もある。
【0041】
第2のポイントとしては、同様に架空の人物のキャラがいい加減(無責任)な人であることである。ここで言うところの無責任な人とは、利用者2が実行する行為のすべての責任を利用者2自身に負わせる人のことである。この架空の人物を無責任な人だと利用者2が一度認めてしまえば、利用者2はこの相手に決して頼ろうなどとは思わない。なお、無責任さは、一方的に与えた課題の失敗に対して利用者2自身に責任を問う態度によく表れている。図例では、非日常的な世界に生きるスパイとしてのイメージを膨らませるために「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない」という表現を用いているが、「結果について当局は一切の責任を負わない、一切関知しない」などの表現も同様の効果を持つ。
【0042】
第3のポイントとしては、一方的にしゃべって一方的に切るという有無を言わさぬ行為にさらに追い討ちをかけるように、利用者2が例えば「なんだ、そりゃ!」など言っているうちも制限時間を刻一刻と減らすという有無を言わさぬ表示を利用者2に見せることにある。ただし、この制限時間のカウントダウンは表示の代わりに例えば「58秒、57秒、・・・2秒、1秒、28分、59秒、58秒・・・」のように音声で知らせてもよい。
【0043】
このように、第1のポイントによって演出された「なんとか説得しようとは思わない相手」であり、第2のポイントによって演出された「決して頼ろうとは思わない相手」から与えられた指示情報に対して、第3のポイントによって演出された「利用者2は何か思案している間にも刻一刻と時間が無くなっていく様を目のあたりにすること」によって、「してもよい」し、「しなくてもよい」といったどちらを選んでもよいという弱い動機ではなく、「自分でなんとかしなければ何も解決しない」ので、「(相手によって示されたルールで)とにかく行動する」という強い動機によってほとんどの利用者2に行動を決断させることが出来る。もちろん、「とにかく行動する」理由を「自分でなんとかしなければ何も解決しない」とはっきり意識できる利用者2ばかりではないが、無意識に「自分でなんとかしなければ何も解決しない」とは思うことも多く、「とにかく行動する」動機付けにこれら3つの要点による演出が役立っている。また、利用者2が例えば「ぐずぐずしていらない」、「まず目的地に行かなくてはならない」などと思ったり、そのようなことを言ったりしただけでも、すでに利用者2の気持ちのなかに「とにかく行動する」動機が生じたと判断してよい。
【0044】
図5は、本発明における実施形態の具体例を説明する図である。
【0045】
同図は、役者担当スタッフ5の持つスタッフ端末6に送信する口裏合わせのための事前情報の具体例を示す。同図において、表示画面には、事前(口裏合わせ)情報として、利用者2を確認するための合言葉と、合言葉を確認した利用者2に伝えるパスワードおよび役者担当スタッフ5が演じる役柄の特徴が示されている。合言葉は、具体的に「『スパイ』と聞かれたら、元気よく『最高!』と言う」と表示されている。パスワードは、具体的に「とらやのなごり雪は今が食べごろ」と表示されており、利用者2が役者担当スタッフ5と接触できたことが確認できるものであれば特にその種類および内容は問わない。パスワードを広告宣伝に活用してもよく、図例では「とらや」という茶菓子屋の「なごり雪」という銘菓の宣伝文句にしてあり、副次的効果としてこのように利用者2に伝えられた宣伝文句が利用者2の意識に摺り込まれることが期待できる。
【0046】
役柄は、具体的に「ごく普通の人にしか見えないが、実はスパイ」と表示されている。また、役柄における注意点として「最初は(つまり、利用者2に自らが役者担当スタッフであることを見抜かれるまでは)すっとぼけること」、「合言葉『最高!』を言うときには、相手(利用者2)がびっくりするくらい元気よく。ギャップ大で」、「パスワードを伝えたらすぐに(その場を)立ち去ること」と表示されている。役者担当スタッフ5は、これらの事前情報に基づいて自分なりの役柄を演じることが出来る。ちなみにこの役者担当スタッフ5を用いたイベントでは、最初は役者担当スタッフ5に(自らは利用者2が参加しているイベントに関わりがないかのように)とぼけさせることによって利用者2を動揺させると、合言葉を言うときには利用者2を驚かせることができ、イベントのメリハリをうまく作り出すことが出来る。人を楽しませることを目的とするイベントにはこれくらいのいたずら心があってもよい。
【0047】
図6は、本発明における実施形態の具体例を説明する図である。
【0048】
同図において、図6(a)は、図4(e)に示す「ボスに報告」のアイコン表示に対応した情報入力部を操作した後の利用者端末3の表示例である。利用者2から課題の解答(図12の機能ブロック図に示す『課題に対する結果』、図中の具体例では、役者担当スタッフ5から入手したパスワード『とらやのなごり雪は今が食べごろ』)を入力する入力欄と入力後にイベント提供システムサーバ1に入力された回答情報を送信するための「送信」アイコンが表示されている。図6(b)は、図6(a)に示す「送信」アイコン表示に対応した情報入力部を操作した後の利用者端末3の表示例であり、図6(a)で入力した解答の送信確認を利用者2に対して出力している。なお、このパスワードは利用者端末3によってイベント提供システムサーバ1に送信され、イベントの達成をイベント提供システムサーバ1に判断させるための判断材料となる。
【0049】
図7は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバのハードブロック図である。
【0050】
同図において、サーバ操作者10とはイベント提供システムサーバ1の操作者で、サーバの管理(運営、監視、維持などを含む)者のことである。情報入出力部11とは、イベント提供システムサーバ1がサーバ操作者10と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部11−1と情報出力部11−2で構成される。情報入力部11−1における入力装置としては、例えばキーボード、テンキー、マウス、バーコードリーダなどが該当し、サーバ操作者10の入力がシステムに対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部11−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、プリンタなどが該当し、サーバ操作者10に対してシステムから情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部12とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部13とは、演算部12が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部14とは、ネットワーク15を介して外部システムとの通信を制御する部位である。DB(データベース)管理部16とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。
【0051】
DB管理部16に管理される処理プログラム17とは、イベント提供システムサーバ1の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。同様にイベント情報DB4とは、利用者端末3およびスタッフ端末6に送信されるイベント情報、口裏合わせ情報およびそれら情報に関連する情報を記憶するデータベースのことである。同様に配信情報DB18とは、イベント提供システムサーバ1が利用者端末3やその他の端末に送信した情報を配信結果として記憶しておくデータベースのことである。同様にその他のプログラム・データ19とは、上記以外の例えばサーバ操作者10が使用するワードプロセッサや表計算プログラムなどのアプリケーションソフトウェアやそれらに付随するデータなどが該当する。
【0052】
図8は、本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図である。
【0053】
同図において、情報入出力部20とは、利用者端末3が利用者2と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部20−1と情報出力部20−2で構成される。情報入力部20−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、利用者2の入力が利用者端末3に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部20−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、利用者2に対して利用者端末3から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部21とは、利用者端末3がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。記憶部22とは、利用者端末3の目的を達成するために必要なプログラムを記憶する記憶エリアと演算部21が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部23とは、イベント提供システムサーバ1などと通信する場合にネットワーク15を介して情報の送受信をする部位である。
【0054】
図9は、本発明の実施形態におけるスタッフ端末のハードブロック図である。
【0055】
同図において、情報入出力部24とは、スタッフ端末6が役者担当スタッフ5と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部24−1と情報出力部24−2で構成される。情報入力部24−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、役者担当スタッフ6の入力がスタッフ端末5に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部24−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、役者担当スタッフ5に対してスタッフ端末6から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部25とは、スタッフ端末6がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。記憶部26とは、利用者端末3の目的を達成するために必要なプログラムを記憶する記憶エリアと演算部25が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部27とは、イベント提供システムサーバ1などと通信する場合にネットワーク15を介して情報の送受信をする部位である。
【0056】
図10は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバの機能ブロック図である。
【0057】
同図において、イベント提供システムサーバ1は、パスゲート8からイベント情報の送信トリガ(きっかけ)を受け付ける機能と、受け付けた情報が持つ意味を(どう解釈するか)判断する機能とを有する。トリガ(きっかけ)については図2および図3で説明したとおりである。受け付けた情報が持つ意味をどう解釈するかの判断とは、例えばパスゲート8から受信したパスゲートコードまたは基礎情報に基づいて、利用者2の場所(現在位置、通過場所などの場所)や行動(具体的には、駅の出入り口に設置された自動改札の場合には、駅構内に入って電車に乗ろうとしている状態であるのか、電車で移動して駅構内を出た状態であるのかがわかるなど、ある程度パターン化した大雑把、大まかな行動)の判断のことである。このように利用者2の場所や行動を把握したイベント提供システムサーバ1は、例えば提供するイベントの設定時間を短くしたり長くしたりしてイベントのリズムを変えたりすることが出来る。もちろん、次に提供するイベントの内容やイベントの成否判定に加味してもよい。具体的な処理としてはパスゲート8から受け付けた情報は、イベント情報の取得のタイミングや取得した情報の送信タイミングに加味される。
【0058】
さらに、イベント提供システムサーバ1は、利用者端末3からイベント情報の送信要求を受け付ける機能と、パスゲート8や利用者端末3から受け付けた情報に基づいてイベント情報DB4からイベント情報とともにイベント情報に対応する口裏合わせ情報を取得する機能と、取得した口裏合わせ情報をスタッフ端末6に送信する機能と、口裏合わせ情報を送信したスタッフ端末6から受信完了情報を受信する機能と、スタッフ端末6からの受信完了情報の受信に応じてイベント情報DB4から取得したイベント情報を利用者端末3に送信する機能と、送信結果を配信情報DB18に記憶する機能とを有する。
【0059】
口裏合わせ情報を受信したスタッフ端末6では、受信した口裏合わせ情報を役者担当スタッフ5に対して情報出力部に出力し、口裏あわせ情報を見て自らが実行する役割について心の準備が出来た役者担当スタッフ5から準備完了を示す入力を情報入力手段24−1から受け付ける。情報入力手段24−1が役者担当スタッフ5から準備完了を示す入力を受け付けると、スタッフ端末6はイベント提供システムサーバ1に口裏合わせ情報の受信完了報告情報を送信する。
【0060】
どれだけ優秀な、どれだけ経験を積んだ役者担当スタッフ5であっても、一人の人間である。心の準備が出来ぬままに架空の人物を演じさせるとイベントの架空の世界を台無しにしてしまう恐れもある。また、役者担当スタッフ5の能力を十分、引き出すためにも心の準備をする時間を少しであっても確保することは重要である。ただし、スタッフ端末6からの応答がなかったり(あらかじめ定める時間が経過すること)、その応答が鈍かったり(操作が緩慢であること)することもある。操作が無応答(無反応)や緩慢であると判断した場合には、イベントを間延びさせないために役者担当スタッフ5に(イベント提供システムサーバ1から、またはスタッフ端末6から)準備を促す警告を与えてもよい。
【0061】
また、口裏合わせ情報を受信したスタッフ端末6では、受信した口裏合わせ情報に含まれる手掛かり情報を情報出力手段24−1に出力して(手掛かり情報の出力は、利用者2が役者担当スタッフ5と出会うための手掛かりにする情報を役者担当スタッフ5自らも知っておくようにという指示を意味する)、さらに、このイベント提供システムサーバ1から受信した手掛かり情報に基づいて利用者2を確認した上で、口裏合わせ情報に示す伝達情報を利用者2に伝達する旨を指示する指示情報を情報出力手段24−1に出力するとよい。このような指示情報を用いるとイベント提供システムサーバ1が提供するイベントの主旨を役者担当スタッフ5に理解させることができ、終始一貫したイベントの円滑な進行が期待できる。
【0062】
図11は、図10に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムサーバとスタッフ端末および利用者端末の演算部におけるフローチャートである。
【0063】
同図において、イベント提供システムサーバ1は、役者担当スタッフ5を使ったイベントを発生させると判断すると(ST1101)、発生させるイベントに対応する口裏合わせ情報をイベント情報DB4から取得し(ST1102)、取得した口裏合わせ情報をスタッフ端末6に送信する(ST1103)。スタッフ端末6は、イベント提供システムサーバ1から口裏合わせ情報を受信すると、受信した口裏合わせ情報を記憶部26に記憶し(ST1104)、必要に応じて受信した口裏合わせ情報を記憶部26から取得して、取得した口裏合わせ情報を情報出力部24−2に出力し(ST1105)、情報入力部24−1から準備完了を示す操作を受け付けると(ST1106)、口裏合わせ情報の受信完了報告をイベント提供システムサーバ1に送信して(ST1107)、処理を終了する。イベント提供システムサーバ1は、口裏合わせ情報を送信したスタッフ端末6から受信完了情報を受信すると、スタッフ端末6からの受信完了情報の受信に応じてイベント情報DB4からイベント情報を取得して、取得したイベント情報を利用者端末3に送信し(ST1108)、送信結果を配信情報DB18に記憶して(ST1109)、処理を終了する。ST1108でイベント情報DB4から取得するイベント情報は、ST1102で対応する口裏合わせ情報とともに取得してもよい。利用者端末3は、イベント提供システムサーバ1からイベント情報を受信すると、受信したイベント情報を記憶部22に記憶し(ST1110)、必要に応じて受信したイベント情報を情報出力部20−2に出力して(ST1111)、処理を終了する。ここで言うところの「必要に応じて」とは、「イベントの進行に合わせて」という意味であると考えてよい。
【0064】
図12は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバの機能ブロック図である。
【0065】
同図において、イベント提供システムサーバ1は、利用者端末3から指示情報に含まれる課題に対する結果情報を受信する機能と、受信した結果情報に基づいてイベント情報DB4から対象となる利用者端末3に送信したイベント情報を読み出す機能と、読み出したイベント情報(より具体的には、イベント情報に含まれる課題)に基づいて受信した結果情報を判断する機能と、判断結果に基づいて次のイベント情報または結末情報をイベント情報DB4から読み出す機能と、送信対象となる利用者端末3に読み出した情報を送信する機能と、利用者端末3に送信した送信結果を配信情報DB18に記憶する機能とを有する。
【0066】
図13は、図12に示すシステム全体図に対応するイベント提供システムサーバの演算部におけるフローチャートである。
【0067】
同図において、イベント提供システムサーバ1は、利用者端末3からイベント情報に含まれる課題に対する結果情報を受信すると(ST1301)、受信した結果情報に基づいてイベント情報DB4から対象となるスタッフ端末5に送信した口裏合わせ情報を取得し(ST1302)、取得した口裏合わせ情報と受信した結果情報が一致するか否かを判断して(ST1303)、一致した場合には、課題のクリアによりミッション完了と判断し(ST1304)、課題に対する判断結果から全てのイベントが終了したか否かを判断して(ST1305)、終了したと判断された場合には結末情報がイベント情報DB4から取得され(ST1306)、終了していないと判断された場合には次のイベント情報がイベント情報DB4から取得され(ST1307)、取得した情報を利用者端末3に送信し(ST1310)、利用者端末3に送信した送信結果を配信情報DB18に記憶して(ST1311)、処理を終了する。ST1303で一致しなかった場合には、課題はクリアされていない(ミッション未達成)と判断し(ST1308)、ミッション未達成を通知する情報をイベント情報DB4から取得して(ST1309)、取得した情報を利用者端末3に送信し(ST1310)、利用者端末3に送信した送信結果を配信情報DB18に記憶して(ST1311)、処理を終了する。
【0068】
図14は、本発明における実施形態の具体例を説明する図である。
【0069】
同図は、図6に示す解答入力で正しい解答(イベントクリアを示す結果情報)を入力してイベント提供システムサーバ1に送信した場合に、指示情報に示す課題をクリアしたことによって、全イベント(ゲーム)が終了したと判断したイベント提供システムサーバ1から送信された場合に利用者端末3から出力される良い結末(グッドエンド)情報の具体例を示す。同図において、図14(a)は、図4(b)と同様に利用者端末3が鳴らした着信音であり、図14(c)は、図4(d)と同様に利用者端末3が鳴らした通話機能の通話不通音である。図14(b)は、音声出力部から出力される音声情報であり、図14(a)に応じた利用者2が通話スイッチを操作することによって出力され、具体的には「上出来、上出来。さすが私が見込んだだけのことはある。今日のところはこの辺でかんべんしておいてやろう。また頼む。プツ(通話が一方的に切れる音)」という言葉と音を出力している。図14(d)は、良い結末(グッドエンド)情報を文字または画像情報として出力している利用者端末3の表示画面を示している。表示画面に表示している「ミッションはすべて達成。あなたはやっとこさ、解放されました。でも、いつ、この無責任なボスから次のミッションが来るかもしれませんよ。とりあえず、おつかれ様でした。」は、図4(c)に示されるイベント提供システムサーバ1から提供されるイベントにおける利用者2に関する架空の状況設定の結末であり、次回提供するイベントへつながっていく含みを持たせている。この含みは次回のイベントでまた感情移入しやすくなるようないわゆる伏線の役割をする。
【0070】
図15は、本発明における第1実施形態の具体例を説明する図である。
【0071】
同図は、図6に示す解答入力で正しい解答(イベントクリアを示す結果情報)でない情報を送信した場合、または制限時間のカウントダウンが0になってしまった場合に利用者端末3から出力される悪い結末(バッドエンド)情報の具体例を示す。同図において、図15(a)は、図4(b)と同様に利用者端末3が鳴らした着信音であり、図15(c)は、図4(d)と同様に利用者端末3が鳴らした通話機能の通話不通音である。図15(b)は、音声出力部から出力される音声情報であり、図15(a)に応じた利用者2が通話スイッチを操作することによって出力され、具体的には「残念だったな。プツ(通話が一方的に切れる音)」という言葉と音を出力している。図15(d)は、悪い結末(バッドエンド)情報を文字または画像情報として出力している利用者端末3の表示画面を示している。表示画面に表示している「ミッション失敗。あなたはスマキにして鴨川に流されました。どんぶらこ、どんぶらこ。川の流れに身を任せ、どこまで流れて行ってしまうのか」は、図4(c)に示す「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない。」に対応しており、課題がクリア出来なかった悲壮感の中にもユーモアを感じさせる内容にしてある。
【0072】
【発明の効果】
以上記載の本発明によれば、イベントに合わせた役柄を演じる役者担当スタッフの存在は、イベント提供システムが提供するイベントに人間味をもたらすとともにイベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来る。
【0073】
また、役者担当スタッフをイベント提供システムが提供するイベントに用いることで、イベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来るだけでなく、システムの処理では課題達成の判定が難しいイベントでも役者担当スタッフの判断に委ねることが出来る。
【0074】
なお、このようにイベントが創りだす仮想現実の中で一人で何役もこなす役者担当スタッフを支援することが、本発明におけるイベント提供システムならではの効果である。つまり、一人で何役もこなせば、それらの役がごちゃごちゃになって、せっかくイベントが創りだした仮想現実の世界を台無しにしてしまうかもしれない役者担当スタッフの演技をシステムは支援することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図
【図2】図1を補足する、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図
【図3】図2とは別の場合の、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図
【図4】本発明における実施形態の具体例を説明する図
【図5】本発明における実施形態の具体例を説明する図
【図6】本発明における実施形態の具体例を説明する図
【図7】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバのハードブロック図
【図8】本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図
【図9】本発明の実施形態におけるスタッフ端末のハードブロック図
【図10】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバの機能ブロック図
【図11】図10に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムサーバとスタッフ端末および利用者端末の演算部におけるフローチャート
【図12】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバの機能ブロック図
【図13】図12に示すシステム全体図に対応するイベント提供システムサーバの演算部におけるフローチャート
【図14】本発明における実施形態の具体例を説明する図
【図15】本発明における第1実施形態の具体例を説明する図
【符号の説明】
1 イベント提供システムサーバ
2 利用者
3 利用者端末
4 イベント情報DB
5 役者担当スタッフ
6 スタッフ端末
7 場所情報タグ
8 パスゲート
9 情報記憶媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、イベント提供、特に利用者が持つ利用者端末を用いてイベントを提供するイベント提供方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
利用者端末をバーチャルな世界であるコンピュータゲームに取り込む先行技術として、特開2002−224447号公報が挙げられる。この先行技術は、ディスプレイに表示された道具一覧の中に携帯電話が含まれており、利用者が入力部を操作することによって選択された携帯電話に仮想現実(バーチャルリアリティ)で存在する相手先を示す架空の電話番号を入力することにより、あたかも携帯電話で会話をしているかの雰囲気を演出するものである。ただし、これは現実世界で利用者が普段利用している携帯電話そのものを使うものではない。
【0003】
利用者端末を用いて現実世界における利用者の行動を仮想現実に取り込む先行技術として、特開2002−049681号公報が挙げられる。この先行技術は、ゲームの進行に従って現実世界を実際に移動する利用者が、現実世界に実在する店舗や施設などから情報を取得し、利用者が携帯する利用者端末に入力することによって、現実世界における利用者の行動を仮想現実のゲームの進行に取り込むものである。ただし、これは利用者に提供する情報に人に喋らした情報を含むものでなく、あらかじめ用意した情報でゲームを進行するものである。
【0004】
端末を用いて利用者を驚かせる先行技術として、特開2002−273059号公報が挙げられる。この先行技術は、端末を用いて手品ゲームをするシステムであって、手品ゲームの仕込み者が利用者に気づかれないようにシステムに当てさせる答えを端末に入力することによって、あたかも端末が当てたかのように見せるものである。ただし、手品ゲームの主役はあくまで端末であって、端末の傍らにいる手品ゲームの仕込み者は単なる脇役に過ぎない。なお、手品ゲームに用いる端末は1種類であり、役割の異なる端末を必要としていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−224447号公報
【特許文献2】
特開2002−049681号公報
【特許文献3】
特開2002−273059号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
通信インフラの発達と携帯電話の急速な普及に伴って、今や携帯電話は我々の生活に欠かせない道具になっている。その携帯電話にバーチャルリアリティを追求しようとしているゲーム業界が目をつけた。
【0007】
そもそもバーチャルリアリティを追求するゲームは、あらかじめ用意された仮想空間の中に自らを登場人物として投影し、その登場人物に対して利用者が何らかの入力装置を用いて指示を与えたり、仮想空間内で設定された選択肢を利用者が選択したりすることによって、利用者があたかも仮想空間の中を自分の意志で自由に行動しているかのような、いわゆる擬似的な体験をさせることから始まっている。
【0008】
ところが、これらの仮想空間は利用者にとって感覚的に自らと隔離された箱庭のようなものでしかなく、どれだけ現実味を帯びた設定や演出をしてもディスプレイなどの表示装置に対してキーボードやマウス、コントローラなどの入力装置を介して操作していては、現実世界とは別物であると利用者に思われても致し方なかった。つまり、どれだけの現実味を帯びた設定や演出をどこまで工夫したとしても利用者にとっては、単に仮想空間内にいる「つもり」でしかないという問題点があった。
【0009】
そこで、利用者が普段利用している利用者端末をゲームの入出力装置に用いて、利用者が実際にいる現実世界の場所(現在地)を取得して、その現在地周辺の地図を利用者端末に表示して、地図上にあらかじめ配置されたイベントスポット(イベントが発生する場所)に誘導することによって、現実世界を実際に移動する利用者にイベントスポットに関連したイベントの実行を促すゲームが発明されている。このゲームでは、利用者端末に表示された地図は現実世界を表わす地図ではあるが、利用者端末上で発生するイベントは一種の仮想現実であり、現実世界に仮想現実を取り込むことで両者を融合させようとしている。
【0010】
ただし、これらのイベントは常に利用者端末を介してのやりとりである。実はすべての情報が利用者端末を介して利用者に伝えられることが問題であった。なぜなら、利用者が楽しむイベントの中に人が介在することがなく、すべての情報が利用者端末を介して伝えられるのであるならば、どれだけ周到に用意された仮想現実であっても、結局は味気ないものになってしまうからである。IT技術が進歩して、世の中がどんなに便利になったとしても、人は人とのふれあいなくして生きてはいけない。それは人を楽しませるイベントであっても同様である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の本質は、イベント提供システムが提供するイベントに役者担当スタッフを活用することである。役者担当スタッフが有するスタッフ端末にイベント提供システムからあらかじめ送信される口裏合わせ情報に基づいて、役者担当スタッフはイベント内における役割を演じる。イベントに合わせた役柄を演じる役者担当スタッフの存在は、イベント提供システムが提供するイベントに人間味をもたらすとともにイベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来る。なお、このようにイベントが創りだす仮想現実の中で一人で何役もこなす役者担当スタッフを支援することが、本発明におけるイベント提供システムならではの効果である。つまり、一人で何役もこなせば、それらの役がごちゃごちゃになって、せっかくイベントが創りだした仮想現実の世界を台無しにしてしまうかもしれない役者担当スタッフの演技をシステムは支援することが出来る。
【0012】
本発明は、利用者が有する利用者端末を介して該利用者に課題を与えるイベントを、そのイベントにおいて一人で何役もこなす役者担当スタッフが有するスタッフ端末を用いて提供するために、前記利用者に与える課題情報と前記利用者が前記役者担当スタッフと接触するための手掛かり情報とを前記利用者端末に送信するイベント情報として、前記役者担当スタッフに演技させる役柄について指示する役柄情報と前記利用者端末に送信する手掛かり情報と該手掛かり情報を頼りに接触してきた前記利用者に伝達するための伝達情報とを前記スタッフ端末に送信する口裏合わせ情報として記憶するイベント情報データベースと、前記イベント情報の前記利用者端末への送信要求を受け付けると、該送信要求に基づいて前記イベント情報データベースから前記イベント情報とともに前記イベント情報に対応する前記口裏合わせ情報を取得する情報取得手段と、取得した前記口裏合わせ情報を前記スタッフ端末に送信し、前記スタッフ端末から送信した前記口裏合わせ情報の受信完了を示す受信完了情報を受信すると、前記イベント情報データベースから取得した前記イベント情報を前記利用者端末に送信する情報送信手段と、前記利用者端末に送信した前記イベント情報に含まれる前記課題情報に応じた報告情報を受信すると、前記スタッフ端末に送信した前記口裏合わせ情報に含まれる前記伝達情報と照合する情報照合手段と、前記報告情報と前記伝達情報の照合結果が一致した場合には、与えたイベントの課題を前記利用者が達成したと判断する判断手段とを有するようにした。
【0013】
対応するスタッフ端末は、前記イベント提供システムから前記役柄情報と前記手掛かり情報と前記伝達情報で構成される前記口裏合わせ情報を受信すると、受信した前記口裏合わせ情報を前記役者担当スタッフに対して出力する情報出力手段と、情報出力手段に出力した前記役柄情報に基づいて自らが実行する役割について心の準備が出来た前記役者担当スタッフから準備完了を示す入力を受け付ける情報入力手段と、前記情報入力手段が前記役者担当スタッフから準備完了を示す入力を受け付けると、前記イベント提供システムへ前記口裏合わせ情報の受信完了情報を送信する情報送信手段とを有するとよい。
【0014】
また、スタッフ端末の有する情報出力手段は、受信した前記手掛かり情報に基づいて前記利用者を確認した上で受信した前記伝達情報を前記利用者に伝達するように前記役者担当スタッフに対して指示する指示情報を出力するようにするとよい。
【0015】
対応する利用者端末は、前記イベント提供システムから前記課題情報と前記手掛かり情報で構成される前記イベント情報を受信すると、受信した前記手掛かり情報を手掛かりにして前記役者担当スタッフと接触して受信した課題情報を実行するように前記利用者に指示する指示情報を出力する情報出力手段を有するとよい。
【0016】
また、利用者端末は、前記情報出力手段に出力した前記課題情報に基づく入力を受け付ける情報入力手段と、前記情報入力手段に前記課題情報に基づく入力を受け付けると、受け付けた情報を前記課題情報に対する報告情報としてイベント提供システムに送信する情報送信手段とを有するとよい。
【0017】
ここで言うところの課題情報とは、イベント提供システムが提供するイベント内で利用者が実行する課題に関する情報のことであり、目的地を指定した課題もある。目的地が指定してある場合には目的地に移動した後に、目的地が指定してない場合には利用者のいる場所で、まず手掛かり情報を頼りにイベントが用意した役者担当スタッフを探すことになる。ここで言うところの手掛かり情報とは、役者担当スタッフと出会う(めぐり会う、接触する)ための手掛かりとなる情報のことであり、例えば面識のないもの同士が出会うために用いる合言葉であったり、役者担当スタッフの服装や持ち物などの外観に関する情報であったりする。ただし、この手掛かり情報は、利用者が役者担当スタッフの見つけ出して同じイベントに参加していることを証明するものであるならその種類は特に問わない。
【0018】
ここで言うところの伝達情報とは、イベント提供システムからスタッフ端末へあらかじめ送信されている口裏合わせ情報のうちのひとつであり、手掛かり情報を頼りに接触してきた利用者に伝達する情報のことである。役者担当スタッフに課題達成の確認をさせる場合には、利用者がどんな課題を課されているのかを示す課題情報とその課題の達成条件が伝達情報に付与されているとよい。スタッフ端末は、役者担当スタッフに対して課題情報と達成条件を情報出力部に出力するとともに、達成条件を満たした利用者に伝達情報を伝達するよう指示する指示情報を情報情報出力部に出力するとよい。この情報に基づいて役者担当スタッフは口頭またはメモリカードなどの記録媒体を介して利用者に伝達情報を伝達する。役者担当スタッフから口頭で伝達情報を受け取った利用者は、受け取った伝達情報を利用者端末に自ら入力する。また、記録媒体で受け取った利用者は、受け取った記憶媒体を利用者端末にセットして、利用者端末に伝達情報を受け渡すことになる。利用者端末に入力または受け渡された伝達情報は、利用者端末によってイベント提供システムへの報告情報としてイベント提供システムへ送信される。利用者端末から報告情報を受信したイベント提供システムは、スタッフ端末に送信した口裏合わせ情報をデータベースから取得して、口裏合わせ情報に含まれる伝達情報と照合し、一致すると(利用者が役者担当スタッフと接触し、役者担当スタッフによってイベントの課題達成が判断されたと見なすことが出来るので)、利用者端末を介して利用者に与えたイベントの課題が達成されたと判断する。イベントの課題が達成されたと判断した後は、あらかじめ定めるシナリオに基づいて、または達成状況に応じて次のイベントを決めたり、全イベントが終了したと判断した場合には結末情報を利用者端末に送信するとよい。
【0019】
このように役者担当スタッフをイベント提供システムが提供するイベントに用いることで、イベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来るだけでなく、システムの処理では課題達成の判定が難しいイベントでも役者担当スタッフの判断に委ねることが出来る。例えば、人の主観で判断するものは役者担当スタッフに委ねてしまえばよく、「(利用者に)役者担当スタッフであることを見抜かれたか(ばれたか)?」以外にも「(利用者の行為に)ユーモアがあったか(利用者の言動が面白かったか)?」「(早食いで)制限時間内に完食できたか?」などもイベント提供システムが提供するイベントの課題とすることが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るイベント提供システムの具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図である。
【0022】
同図は、イベント提供システムが提供するイベントによって利用者2を向かわせる目的地にあらかじめ役者担当スタッフ5を配置して、イベントの進行にイベント提供者としてのイベントスタッフを活用する場合の仕組みを示す。同図において、イベント提供システムサーバ1は、役者担当スタッフ5に対する口裏合わせのための事前情報を役者担当スタッフ5の持つスタッフ端末6に送信した上で、利用者端末3に目的地と課題、さらに役者担当スタッフ5に引き合わせるための手掛かり情報を送信する。手掛かり情報を利用者端末3に受信した利用者2は、目的地に到着すると受信した手掛かり情報に基づいて役者担当スタッフ5を探すことになる。
【0023】
なお、利用者端末3は、イベント提供システムサーバ1から課題情報と手掛かり情報で構成されるイベント情報を受信すると、受信した手掛かり情報を手掛かりにして役者担当スタッフ5と接触して受信した課題情報を実行するように利用者2に指示する指示情報を出力するようにしてもよい。このような指示情報によって、利用者2はイベント提供システムサーバ1が提供するイベントにおいて何をすればよいのかを明確に理解することが出来る。
【0024】
イベント提供システムが提供するイベント情報は、利用者2に実行させるための課題を含んでおり、場合によってはその課題を実行するための場所が目的地として指定されている。もちろん課題だけでもイベント提供システムが提供するイベントは成り立つが、さらに目的地を指定しておくことによって利用者2がその目的地に向かって移動することになり、様々な場所をめぐることを楽しむ観光などへの応用が期待できる。よって、以下の実施形態では基本的に、より複雑な内容となる「目的地を指定した課題」で説明をするが、「課題のみ」であっても仕組みとしては同様であると考えてよい。目的地を指定しない場合は、利用者2のいる場所でイベントを提供することになる。
【0025】
利用者2は役者担当スタッフ5と接触した後に、役者担当スタッフ5から入手した情報を報告情報としてイベント提供システムサーバ1に利用者端末3を用いて報告する。この報告情報を受信したイベント提供システムサーバ1は、スタッフ端末6に送信した口裏合わせ情報と照合して一致すれば、利用者2がイベントにおける課題をクリア(達成)したと見なすことが出来る。
【0026】
図2は、図1を補足する、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図である。
【0027】
同図は、イベントの起点について説明する図である。同図において、イベント提供システムサーバ1は、利用者2の有する利用者端末3より直接的または間接的に取得した利用者端末アドレスに基づき、イベント情報DB(データベース)4から取得した課題(または目的地と課題)を含むイベント情報を利用者端末3に送信する。イベントは、利用者2の指示に応じて開始されても、利用者2の要望を受け付けた後にあらかじめ用意されたトリガ(きっかけ)によって開始されてもよい。
【0028】
ここで言うところのトリガとは、例えば利用者2がある場所やエリアに到達したことや通過したことを示す情報などによるものであり、例えば場所情報タグ7から取得された場所情報をイベント提供システムサーバ1が直接的または間接的に取得することによって生じる。このトリガは、イベント進行のきっかけに用いられてもよい。なお、利用者2がいる現在位置を示す場所情報は、利用者端末3が有する場所情報取得機能からの取得、または利用者2自身の入力によって利用者端末3から取得されてもよい。
【0029】
図3は、図2とは別の場合の、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図である。
【0030】
同図は、図2で説明するトリガにパスゲート8を通過した利用者2に関する情報を用いる場合である。同図において、利用者2は情報記憶媒体9または利用者端末3を用いてパスゲート8を通過する。利用者2が通過する際にパスゲート8は、情報記憶媒体9または利用者端末3から利用者端末アドレスを読み取ってあらかじめパスゲート8が有するパスゲートコードとともに利用者2の通過検知結果をイベント提供システムサーバ1に送信する。イベント提供システムサーバ1は、パスゲート8より取得した利用者端末アドレスに基づき、イベント情報DB(データベース)4から取得した課題(または目的地と課題)を含むイベント情報を利用者端末3に送信する。
【0031】
なお、パスゲートコードが示すパスゲート8の設置場所に基づいて目的地を選択してもよい。利用者2が通過したパスゲート8の設置場所とは、利用者2が通過した通過場所を意味し、利用者2の行動に合わせた目的地の設定が可能となる。なお、パスゲート8が公共交通機関の駅などに設置された自動改札や電車、バス、などの移動車両への出入り口であり、情報記憶媒体9が乗車券(何度も乗り降りが出来る、例えば一日乗車券や定期券などが好ましい)であれば、利用者2を監視することなく、乗車券が有効な期間中にその乗車券を使用している間だけイベント情報の送信が可能となる。つまり、パスゲート8を用いると利用者2のプライバシーに配慮した情報提供が出来る。
【0032】
ここで言うところのパスゲートコードとは、受信したイベント提供システムサーバ1がパスゲート8に関する基礎情報をあらかじめ記憶するデータベースより取得するために用いるためのコードであり、通信に関わる情報量削減が出来る。もちろん、パスゲートコードを用いずにパスゲート8に関する基礎情報を都度、受信しても構わない。
【0033】
図4は、本発明における実施形態の具体例を説明する図である。
【0034】
同図では、イベント提供システムサーバ1から提供するイベントが始まる際の利用者端末3の具体例について説明する。同図において、図4(a)は、これから利用者2の身に起こる状況が受け入れやすいように前もって説明しておくための前説情報を文字情報として出力している利用者端末3の表示画面を示している。表示画面に表示している「おや?道の真ん中にケータイが落ちています。あなたは何だろうと思って拾ってみました。すると、突然ベルが鳴ります・・・。あなたは思わず通話スイッチを押してしまいました。」のうち、前説情報として「おや?道の真ん中にケータイが落ちています。あなたは何だろうと思って拾ってみました。」と表示された部分が、イベント提供システムサーバ1から提供されるイベントにおける利用者2に関する架空の状況設定である。また、同様に前説情報として「すると、突然ベルが鳴ります・・・。」と表示された部分が、これから利用者2の身に起こる具体的な状況であり、通話機能の着信を示す着信音が突然鳴ることを具体的に説明している。なお、前説情報に続く「あなたは、思わず通話スイッチを押してしまいました。」と表示された部分は、利用者2に行動を促すための情報であり、利用者2の行動を誘導するような一種の暗示情報の役目を果たしている。
【0035】
まず、前説情報を読んだ利用者2は、その前説情報に書かれたとおりのこと(図中の具体例では『電話のベルが鳴ること』)が、目の前の現実として利用者2が今、持っている利用者端末3で実際に起こることによって、前説情報で示された架空の状況設定がまるで現実であったかのように錯覚できる。つまり、この具体例によれば利用者2が個人的に持っていた利用者端末3(図中の『ケータイ』)が、まるで今、道の真ん中で拾った利用者端末3であるかのように思えるのである。そして、この利用者端末3を拾ってしまったが故に、この利用者端末3によって誰かが伝える(実は架空の)状況に巻き込まれていくのだというような納得性が利用者2の感覚の中に生じるので、イベント提供システムサーバ1が提供するイベントの臨場感溢れる架空の状況設定にごく自然に感情移入できるという効果が期待できる。
【0036】
別の言い方をすれば、前もって提供された前説情報のとおりに目の前の現実が動いたことによって、架空の状況設定があたかも現実であったかのように利用者2の感覚上で仮想現実が現実世界と融合させることが出来ると言える。または、架空の状況設定と現実世界とが利用者2が有する利用者端末3によって、ごく自然なつながりで切り替わったとも言える。また別の言い方をすれば、前説情報で前もって説明しておいたことが実際に起これば、この前説情報は利用者2にとって一種の予言でもあり、これから起こることをあたかもズバリ言い当てる予言を目の当たりにした利用者2は、システムが提供する情報を信じやすくなっている状態であるとも言える。つまり、実際に利用者2の目の前で鳴る着信音は、利用者2にとって感情移入しやすくする「きっかけ」なのである。
【0037】
図4(b)〜(d)は利用者端末3の音声出力部から出力される音声情報である。図4(b)は、利用者端末3が鳴らした通話機能の着信音であり、具体的には「トゥルル、トゥルル」という音を出力している。図4(c)は、音声出力部から出力される音声情報であり、具体的には「(謎の男の声で)君は誰だ?まぁ名前なんぞはどうでもいい。君はたった今から我々側のスパイになった。さっそく、最初の任務を伝える。清水寺参道から三年坂を下った先の円山公園で他のスパイとコンタクトをとって(接触して)パスワードを入手せよ。制限時間は45分。君はそれらしい相手に『スパイ』と言ってみろ。すると相手は『最高!』と答える。いいな、合言葉は『スパイ』『最高!』だぞ。くれぐれも周りの人間に怪しまれないようにうまくやれ。わかったな。パスワードがわかったらメールで報告してくれたまえ。もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命の保障はない。(または、『もちろん、わかっているとは思うが、我々の命運はすべて君にかかっている』など)以上。プツ(通話が一方的に切れる音)」という言葉と音を出力している。図4(c)に示す言葉と音は、図4(b)に応じた利用者2が通話スイッチを操作することによって出力され、「君は誰だ?まぁ名前なんぞはどうでもいい。君はたった今から我々側のスパイになった。さっそく、最初の任務を伝える。」および「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない。」または「もちろん、わかっているとは思うが、我々の命運はすべて君にかかっている」という言葉が、イベント提供システムサーバ1から提供されるイベントにおける利用者2に関する架空の状況設定の続きである。
【0038】
また、「清水寺参道から三年坂を下った先の円山公園で他のスパイとコンタクトをとって(接触して)パスワードを入手せよ。制限時間は45分。君はそれらしい相手に『スパイ』と言ってみろ。すると相手は『最高!』と答える。いいな、合言葉は『スパイ』『最高!』だぞ。くれぐれも周りの人間に怪しまれないようにうまくやれ。わかったな。パスワードがわかったらメールで報告してくれたまえ。」という言葉が、架空の状況設定における指示情報であり、基本的に目的地と課題によって構成されている。図例では「清水寺参道から三年坂を下った先の円山公園」が目的地となり、制限時間の「45分」以内に「合言葉である『スパイ』『最高!』」を用いて、他のスパイに成りすました役者担当スタッフと接触し、接触した役者担当スタッフから「入手したパスワードをメールで報告」することが課題となる。図4(d)は、利用者端末3が鳴らした通話機能の通話不通音であり、図4(c)に示す音声情報の出力が完了すると出力される。通話不通音としては、具体的には「ツゥー、ツゥー、ツゥー」という音を出力している。
【0039】
図4(e)は、利用者2に「(何かの行動を)しなければならない」と思わせる強い動機を促すために制限時間のカウントダウンを文字または画像情報として出力している利用者端末3の表示画面を示している。制限時間のカウントダウンを表示する図4(e)では、図4(c)に示す音声情報で出力した課題と忘れてはならない合言葉を同時に示すとよく、利用者2が何をいつまでにすればよいかを利用者端末3を用いて確認できる。具体的に44分58秒を示すカウントダウン表示の下側に表示されている「ボスに報告」のアイコン表示は、図4(c)に示す音声情報で謎の男の声による音声が指示した「メールで報告」に対応しており、このアイコンに対応した情報入力部を操作することによって、図6に示す報告画面へと切り替わる。
【0040】
この具体例において、利用者2に強い動機を生じさせる演出にはいくつかのポイントがある。第1のポイントとしては、利用者2に対し電話をかけていることになっている架空の人物のキャラ(声またはしゃべり口調やその内容からわかる人格、人物特徴)が、非常識な人であることである。ここで言うところの非常識な人とは、一般の常識(つまり、利用者2が思う常識)が通用しない相手であると利用者2に思わせる人のことである。この架空の人物を非常識な人だと利用者2が一度認めてしまえば、利用者2はこの相手をなんとか説得しようなどとは思わない。なお、非常識さは初対面の相手である利用者2に理不尽な要求を一方的に押し付け、一方的に押し付けた後は一方的に電話を切ってしまう態度によく表れており、利用者2にとって非常識なことをあたかも当たり前であるかのように言い切る言葉や態度、姿勢によって醸し出される。ここで言うところの理不尽な要求とは、具体的に「問答無用でスパイにしてしまったこと」と「制限時間を設定した任務(別の言い方ではミッション、使命)を与えること」である。つまり、これらの演出によって、利用者2に「(相手は非常識な人であるので)この人には何を言っても仕方がない。(相手によって)示されたルールでなんとかするしかない」などという割りきりの気持ちを生じさせることが出来る。一度行動することに対して自ら割り切れた利用者2は自発的に行動を持続する効果もある。
【0041】
第2のポイントとしては、同様に架空の人物のキャラがいい加減(無責任)な人であることである。ここで言うところの無責任な人とは、利用者2が実行する行為のすべての責任を利用者2自身に負わせる人のことである。この架空の人物を無責任な人だと利用者2が一度認めてしまえば、利用者2はこの相手に決して頼ろうなどとは思わない。なお、無責任さは、一方的に与えた課題の失敗に対して利用者2自身に責任を問う態度によく表れている。図例では、非日常的な世界に生きるスパイとしてのイメージを膨らませるために「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない」という表現を用いているが、「結果について当局は一切の責任を負わない、一切関知しない」などの表現も同様の効果を持つ。
【0042】
第3のポイントとしては、一方的にしゃべって一方的に切るという有無を言わさぬ行為にさらに追い討ちをかけるように、利用者2が例えば「なんだ、そりゃ!」など言っているうちも制限時間を刻一刻と減らすという有無を言わさぬ表示を利用者2に見せることにある。ただし、この制限時間のカウントダウンは表示の代わりに例えば「58秒、57秒、・・・2秒、1秒、28分、59秒、58秒・・・」のように音声で知らせてもよい。
【0043】
このように、第1のポイントによって演出された「なんとか説得しようとは思わない相手」であり、第2のポイントによって演出された「決して頼ろうとは思わない相手」から与えられた指示情報に対して、第3のポイントによって演出された「利用者2は何か思案している間にも刻一刻と時間が無くなっていく様を目のあたりにすること」によって、「してもよい」し、「しなくてもよい」といったどちらを選んでもよいという弱い動機ではなく、「自分でなんとかしなければ何も解決しない」ので、「(相手によって示されたルールで)とにかく行動する」という強い動機によってほとんどの利用者2に行動を決断させることが出来る。もちろん、「とにかく行動する」理由を「自分でなんとかしなければ何も解決しない」とはっきり意識できる利用者2ばかりではないが、無意識に「自分でなんとかしなければ何も解決しない」とは思うことも多く、「とにかく行動する」動機付けにこれら3つの要点による演出が役立っている。また、利用者2が例えば「ぐずぐずしていらない」、「まず目的地に行かなくてはならない」などと思ったり、そのようなことを言ったりしただけでも、すでに利用者2の気持ちのなかに「とにかく行動する」動機が生じたと判断してよい。
【0044】
図5は、本発明における実施形態の具体例を説明する図である。
【0045】
同図は、役者担当スタッフ5の持つスタッフ端末6に送信する口裏合わせのための事前情報の具体例を示す。同図において、表示画面には、事前(口裏合わせ)情報として、利用者2を確認するための合言葉と、合言葉を確認した利用者2に伝えるパスワードおよび役者担当スタッフ5が演じる役柄の特徴が示されている。合言葉は、具体的に「『スパイ』と聞かれたら、元気よく『最高!』と言う」と表示されている。パスワードは、具体的に「とらやのなごり雪は今が食べごろ」と表示されており、利用者2が役者担当スタッフ5と接触できたことが確認できるものであれば特にその種類および内容は問わない。パスワードを広告宣伝に活用してもよく、図例では「とらや」という茶菓子屋の「なごり雪」という銘菓の宣伝文句にしてあり、副次的効果としてこのように利用者2に伝えられた宣伝文句が利用者2の意識に摺り込まれることが期待できる。
【0046】
役柄は、具体的に「ごく普通の人にしか見えないが、実はスパイ」と表示されている。また、役柄における注意点として「最初は(つまり、利用者2に自らが役者担当スタッフであることを見抜かれるまでは)すっとぼけること」、「合言葉『最高!』を言うときには、相手(利用者2)がびっくりするくらい元気よく。ギャップ大で」、「パスワードを伝えたらすぐに(その場を)立ち去ること」と表示されている。役者担当スタッフ5は、これらの事前情報に基づいて自分なりの役柄を演じることが出来る。ちなみにこの役者担当スタッフ5を用いたイベントでは、最初は役者担当スタッフ5に(自らは利用者2が参加しているイベントに関わりがないかのように)とぼけさせることによって利用者2を動揺させると、合言葉を言うときには利用者2を驚かせることができ、イベントのメリハリをうまく作り出すことが出来る。人を楽しませることを目的とするイベントにはこれくらいのいたずら心があってもよい。
【0047】
図6は、本発明における実施形態の具体例を説明する図である。
【0048】
同図において、図6(a)は、図4(e)に示す「ボスに報告」のアイコン表示に対応した情報入力部を操作した後の利用者端末3の表示例である。利用者2から課題の解答(図12の機能ブロック図に示す『課題に対する結果』、図中の具体例では、役者担当スタッフ5から入手したパスワード『とらやのなごり雪は今が食べごろ』)を入力する入力欄と入力後にイベント提供システムサーバ1に入力された回答情報を送信するための「送信」アイコンが表示されている。図6(b)は、図6(a)に示す「送信」アイコン表示に対応した情報入力部を操作した後の利用者端末3の表示例であり、図6(a)で入力した解答の送信確認を利用者2に対して出力している。なお、このパスワードは利用者端末3によってイベント提供システムサーバ1に送信され、イベントの達成をイベント提供システムサーバ1に判断させるための判断材料となる。
【0049】
図7は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバのハードブロック図である。
【0050】
同図において、サーバ操作者10とはイベント提供システムサーバ1の操作者で、サーバの管理(運営、監視、維持などを含む)者のことである。情報入出力部11とは、イベント提供システムサーバ1がサーバ操作者10と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部11−1と情報出力部11−2で構成される。情報入力部11−1における入力装置としては、例えばキーボード、テンキー、マウス、バーコードリーダなどが該当し、サーバ操作者10の入力がシステムに対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部11−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、プリンタなどが該当し、サーバ操作者10に対してシステムから情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部12とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部13とは、演算部12が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部14とは、ネットワーク15を介して外部システムとの通信を制御する部位である。DB(データベース)管理部16とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。
【0051】
DB管理部16に管理される処理プログラム17とは、イベント提供システムサーバ1の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。同様にイベント情報DB4とは、利用者端末3およびスタッフ端末6に送信されるイベント情報、口裏合わせ情報およびそれら情報に関連する情報を記憶するデータベースのことである。同様に配信情報DB18とは、イベント提供システムサーバ1が利用者端末3やその他の端末に送信した情報を配信結果として記憶しておくデータベースのことである。同様にその他のプログラム・データ19とは、上記以外の例えばサーバ操作者10が使用するワードプロセッサや表計算プログラムなどのアプリケーションソフトウェアやそれらに付随するデータなどが該当する。
【0052】
図8は、本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図である。
【0053】
同図において、情報入出力部20とは、利用者端末3が利用者2と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部20−1と情報出力部20−2で構成される。情報入力部20−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、利用者2の入力が利用者端末3に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部20−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、利用者2に対して利用者端末3から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部21とは、利用者端末3がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。記憶部22とは、利用者端末3の目的を達成するために必要なプログラムを記憶する記憶エリアと演算部21が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部23とは、イベント提供システムサーバ1などと通信する場合にネットワーク15を介して情報の送受信をする部位である。
【0054】
図9は、本発明の実施形態におけるスタッフ端末のハードブロック図である。
【0055】
同図において、情報入出力部24とは、スタッフ端末6が役者担当スタッフ5と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部24−1と情報出力部24−2で構成される。情報入力部24−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、役者担当スタッフ6の入力がスタッフ端末5に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部24−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、役者担当スタッフ5に対してスタッフ端末6から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部25とは、スタッフ端末6がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。記憶部26とは、利用者端末3の目的を達成するために必要なプログラムを記憶する記憶エリアと演算部25が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部27とは、イベント提供システムサーバ1などと通信する場合にネットワーク15を介して情報の送受信をする部位である。
【0056】
図10は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバの機能ブロック図である。
【0057】
同図において、イベント提供システムサーバ1は、パスゲート8からイベント情報の送信トリガ(きっかけ)を受け付ける機能と、受け付けた情報が持つ意味を(どう解釈するか)判断する機能とを有する。トリガ(きっかけ)については図2および図3で説明したとおりである。受け付けた情報が持つ意味をどう解釈するかの判断とは、例えばパスゲート8から受信したパスゲートコードまたは基礎情報に基づいて、利用者2の場所(現在位置、通過場所などの場所)や行動(具体的には、駅の出入り口に設置された自動改札の場合には、駅構内に入って電車に乗ろうとしている状態であるのか、電車で移動して駅構内を出た状態であるのかがわかるなど、ある程度パターン化した大雑把、大まかな行動)の判断のことである。このように利用者2の場所や行動を把握したイベント提供システムサーバ1は、例えば提供するイベントの設定時間を短くしたり長くしたりしてイベントのリズムを変えたりすることが出来る。もちろん、次に提供するイベントの内容やイベントの成否判定に加味してもよい。具体的な処理としてはパスゲート8から受け付けた情報は、イベント情報の取得のタイミングや取得した情報の送信タイミングに加味される。
【0058】
さらに、イベント提供システムサーバ1は、利用者端末3からイベント情報の送信要求を受け付ける機能と、パスゲート8や利用者端末3から受け付けた情報に基づいてイベント情報DB4からイベント情報とともにイベント情報に対応する口裏合わせ情報を取得する機能と、取得した口裏合わせ情報をスタッフ端末6に送信する機能と、口裏合わせ情報を送信したスタッフ端末6から受信完了情報を受信する機能と、スタッフ端末6からの受信完了情報の受信に応じてイベント情報DB4から取得したイベント情報を利用者端末3に送信する機能と、送信結果を配信情報DB18に記憶する機能とを有する。
【0059】
口裏合わせ情報を受信したスタッフ端末6では、受信した口裏合わせ情報を役者担当スタッフ5に対して情報出力部に出力し、口裏あわせ情報を見て自らが実行する役割について心の準備が出来た役者担当スタッフ5から準備完了を示す入力を情報入力手段24−1から受け付ける。情報入力手段24−1が役者担当スタッフ5から準備完了を示す入力を受け付けると、スタッフ端末6はイベント提供システムサーバ1に口裏合わせ情報の受信完了報告情報を送信する。
【0060】
どれだけ優秀な、どれだけ経験を積んだ役者担当スタッフ5であっても、一人の人間である。心の準備が出来ぬままに架空の人物を演じさせるとイベントの架空の世界を台無しにしてしまう恐れもある。また、役者担当スタッフ5の能力を十分、引き出すためにも心の準備をする時間を少しであっても確保することは重要である。ただし、スタッフ端末6からの応答がなかったり(あらかじめ定める時間が経過すること)、その応答が鈍かったり(操作が緩慢であること)することもある。操作が無応答(無反応)や緩慢であると判断した場合には、イベントを間延びさせないために役者担当スタッフ5に(イベント提供システムサーバ1から、またはスタッフ端末6から)準備を促す警告を与えてもよい。
【0061】
また、口裏合わせ情報を受信したスタッフ端末6では、受信した口裏合わせ情報に含まれる手掛かり情報を情報出力手段24−1に出力して(手掛かり情報の出力は、利用者2が役者担当スタッフ5と出会うための手掛かりにする情報を役者担当スタッフ5自らも知っておくようにという指示を意味する)、さらに、このイベント提供システムサーバ1から受信した手掛かり情報に基づいて利用者2を確認した上で、口裏合わせ情報に示す伝達情報を利用者2に伝達する旨を指示する指示情報を情報出力手段24−1に出力するとよい。このような指示情報を用いるとイベント提供システムサーバ1が提供するイベントの主旨を役者担当スタッフ5に理解させることができ、終始一貫したイベントの円滑な進行が期待できる。
【0062】
図11は、図10に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムサーバとスタッフ端末および利用者端末の演算部におけるフローチャートである。
【0063】
同図において、イベント提供システムサーバ1は、役者担当スタッフ5を使ったイベントを発生させると判断すると(ST1101)、発生させるイベントに対応する口裏合わせ情報をイベント情報DB4から取得し(ST1102)、取得した口裏合わせ情報をスタッフ端末6に送信する(ST1103)。スタッフ端末6は、イベント提供システムサーバ1から口裏合わせ情報を受信すると、受信した口裏合わせ情報を記憶部26に記憶し(ST1104)、必要に応じて受信した口裏合わせ情報を記憶部26から取得して、取得した口裏合わせ情報を情報出力部24−2に出力し(ST1105)、情報入力部24−1から準備完了を示す操作を受け付けると(ST1106)、口裏合わせ情報の受信完了報告をイベント提供システムサーバ1に送信して(ST1107)、処理を終了する。イベント提供システムサーバ1は、口裏合わせ情報を送信したスタッフ端末6から受信完了情報を受信すると、スタッフ端末6からの受信完了情報の受信に応じてイベント情報DB4からイベント情報を取得して、取得したイベント情報を利用者端末3に送信し(ST1108)、送信結果を配信情報DB18に記憶して(ST1109)、処理を終了する。ST1108でイベント情報DB4から取得するイベント情報は、ST1102で対応する口裏合わせ情報とともに取得してもよい。利用者端末3は、イベント提供システムサーバ1からイベント情報を受信すると、受信したイベント情報を記憶部22に記憶し(ST1110)、必要に応じて受信したイベント情報を情報出力部20−2に出力して(ST1111)、処理を終了する。ここで言うところの「必要に応じて」とは、「イベントの進行に合わせて」という意味であると考えてよい。
【0064】
図12は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバの機能ブロック図である。
【0065】
同図において、イベント提供システムサーバ1は、利用者端末3から指示情報に含まれる課題に対する結果情報を受信する機能と、受信した結果情報に基づいてイベント情報DB4から対象となる利用者端末3に送信したイベント情報を読み出す機能と、読み出したイベント情報(より具体的には、イベント情報に含まれる課題)に基づいて受信した結果情報を判断する機能と、判断結果に基づいて次のイベント情報または結末情報をイベント情報DB4から読み出す機能と、送信対象となる利用者端末3に読み出した情報を送信する機能と、利用者端末3に送信した送信結果を配信情報DB18に記憶する機能とを有する。
【0066】
図13は、図12に示すシステム全体図に対応するイベント提供システムサーバの演算部におけるフローチャートである。
【0067】
同図において、イベント提供システムサーバ1は、利用者端末3からイベント情報に含まれる課題に対する結果情報を受信すると(ST1301)、受信した結果情報に基づいてイベント情報DB4から対象となるスタッフ端末5に送信した口裏合わせ情報を取得し(ST1302)、取得した口裏合わせ情報と受信した結果情報が一致するか否かを判断して(ST1303)、一致した場合には、課題のクリアによりミッション完了と判断し(ST1304)、課題に対する判断結果から全てのイベントが終了したか否かを判断して(ST1305)、終了したと判断された場合には結末情報がイベント情報DB4から取得され(ST1306)、終了していないと判断された場合には次のイベント情報がイベント情報DB4から取得され(ST1307)、取得した情報を利用者端末3に送信し(ST1310)、利用者端末3に送信した送信結果を配信情報DB18に記憶して(ST1311)、処理を終了する。ST1303で一致しなかった場合には、課題はクリアされていない(ミッション未達成)と判断し(ST1308)、ミッション未達成を通知する情報をイベント情報DB4から取得して(ST1309)、取得した情報を利用者端末3に送信し(ST1310)、利用者端末3に送信した送信結果を配信情報DB18に記憶して(ST1311)、処理を終了する。
【0068】
図14は、本発明における実施形態の具体例を説明する図である。
【0069】
同図は、図6に示す解答入力で正しい解答(イベントクリアを示す結果情報)を入力してイベント提供システムサーバ1に送信した場合に、指示情報に示す課題をクリアしたことによって、全イベント(ゲーム)が終了したと判断したイベント提供システムサーバ1から送信された場合に利用者端末3から出力される良い結末(グッドエンド)情報の具体例を示す。同図において、図14(a)は、図4(b)と同様に利用者端末3が鳴らした着信音であり、図14(c)は、図4(d)と同様に利用者端末3が鳴らした通話機能の通話不通音である。図14(b)は、音声出力部から出力される音声情報であり、図14(a)に応じた利用者2が通話スイッチを操作することによって出力され、具体的には「上出来、上出来。さすが私が見込んだだけのことはある。今日のところはこの辺でかんべんしておいてやろう。また頼む。プツ(通話が一方的に切れる音)」という言葉と音を出力している。図14(d)は、良い結末(グッドエンド)情報を文字または画像情報として出力している利用者端末3の表示画面を示している。表示画面に表示している「ミッションはすべて達成。あなたはやっとこさ、解放されました。でも、いつ、この無責任なボスから次のミッションが来るかもしれませんよ。とりあえず、おつかれ様でした。」は、図4(c)に示されるイベント提供システムサーバ1から提供されるイベントにおける利用者2に関する架空の状況設定の結末であり、次回提供するイベントへつながっていく含みを持たせている。この含みは次回のイベントでまた感情移入しやすくなるようないわゆる伏線の役割をする。
【0070】
図15は、本発明における第1実施形態の具体例を説明する図である。
【0071】
同図は、図6に示す解答入力で正しい解答(イベントクリアを示す結果情報)でない情報を送信した場合、または制限時間のカウントダウンが0になってしまった場合に利用者端末3から出力される悪い結末(バッドエンド)情報の具体例を示す。同図において、図15(a)は、図4(b)と同様に利用者端末3が鳴らした着信音であり、図15(c)は、図4(d)と同様に利用者端末3が鳴らした通話機能の通話不通音である。図15(b)は、音声出力部から出力される音声情報であり、図15(a)に応じた利用者2が通話スイッチを操作することによって出力され、具体的には「残念だったな。プツ(通話が一方的に切れる音)」という言葉と音を出力している。図15(d)は、悪い結末(バッドエンド)情報を文字または画像情報として出力している利用者端末3の表示画面を示している。表示画面に表示している「ミッション失敗。あなたはスマキにして鴨川に流されました。どんぶらこ、どんぶらこ。川の流れに身を任せ、どこまで流れて行ってしまうのか」は、図4(c)に示す「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない。」に対応しており、課題がクリア出来なかった悲壮感の中にもユーモアを感じさせる内容にしてある。
【0072】
【発明の効果】
以上記載の本発明によれば、イベントに合わせた役柄を演じる役者担当スタッフの存在は、イベント提供システムが提供するイベントに人間味をもたらすとともにイベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来る。
【0073】
また、役者担当スタッフをイベント提供システムが提供するイベントに用いることで、イベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来るだけでなく、システムの処理では課題達成の判定が難しいイベントでも役者担当スタッフの判断に委ねることが出来る。
【0074】
なお、このようにイベントが創りだす仮想現実の中で一人で何役もこなす役者担当スタッフを支援することが、本発明におけるイベント提供システムならではの効果である。つまり、一人で何役もこなせば、それらの役がごちゃごちゃになって、せっかくイベントが創りだした仮想現実の世界を台無しにしてしまうかもしれない役者担当スタッフの演技をシステムは支援することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図
【図2】図1を補足する、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図
【図3】図2とは別の場合の、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図
【図4】本発明における実施形態の具体例を説明する図
【図5】本発明における実施形態の具体例を説明する図
【図6】本発明における実施形態の具体例を説明する図
【図7】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバのハードブロック図
【図8】本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図
【図9】本発明の実施形態におけるスタッフ端末のハードブロック図
【図10】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバの機能ブロック図
【図11】図10に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムサーバとスタッフ端末および利用者端末の演算部におけるフローチャート
【図12】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバの機能ブロック図
【図13】図12に示すシステム全体図に対応するイベント提供システムサーバの演算部におけるフローチャート
【図14】本発明における実施形態の具体例を説明する図
【図15】本発明における第1実施形態の具体例を説明する図
【符号の説明】
1 イベント提供システムサーバ
2 利用者
3 利用者端末
4 イベント情報DB
5 役者担当スタッフ
6 スタッフ端末
7 場所情報タグ
8 パスゲート
9 情報記憶媒体
Claims (6)
- 利用者が有する利用者端末を介して該利用者に課題を与えるイベントを、そのイベントにおいて一人で何役もこなす役者担当スタッフが有するスタッフ端末を用いて提供するイベント提供方法であって、
前記利用者に与える課題情報と前記利用者が前記役者担当スタッフと接触するための手掛かり情報とを前記利用者端末に送信するイベント情報として、前記役者担当スタッフに演技させる役柄について指示する役柄情報と前記利用者端末に送信する手掛かり情報と該手掛かり情報を頼りに接触してきた前記利用者に伝達するための伝達情報とを前記スタッフ端末に送信する口裏合わせ情報としてイベント情報データベースに記憶し、
前記イベント情報の前記利用者端末への送信要求を受け付けると、該送信要求に基づいて前記イベント情報データベースから前記イベント情報とともに前記イベント情報に対応する前記口裏合わせ情報を取得し、
取得した前記口裏合わせ情報を前記スタッフ端末に送信し、
前記スタッフ端末から送信した前記口裏合わせ情報の受信完了を示す受信完了情報を受信すると、前記イベント情報データベースから取得した前記イベント情報を前記利用者端末に送信し、
前記利用者端末に送信した前記イベント情報に含まれる前記課題情報に応じた報告情報を受信すると、前記スタッフ端末に送信した前記口裏合わせ情報に含まれる前記伝達情報と照合し、
前記報告情報と前記伝達情報の照合結果が一致した場合には、与えたイベントの課題を前記利用者が達成したと判断することを特徴とするイベント提供方法。 - 利用者が有する利用者端末を介して該利用者に課題を与えるイベントを、そのイベントにおいて一人で何役もこなす役者担当スタッフが有するスタッフ端末を用いて提供するイベント提供システムであって、
前記利用者に与える課題情報と前記利用者が前記役者担当スタッフと接触するための手掛かり情報とを前記利用者端末に送信するイベント情報として、前記役者担当スタッフに演技させる役柄について指示する役柄情報と前記利用者端末に送信する手掛かり情報と該手掛かり情報を頼りに接触してきた前記利用者に伝達するための伝達情報とを前記スタッフ端末に送信する口裏合わせ情報として記憶するイベント情報データベースと、
前記イベント情報の前記利用者端末への送信要求を受け付けると、該送信要求に基づいて前記イベント情報データベースから前記イベント情報とともに前記イベント情報に対応する前記口裏合わせ情報を取得する情報取得手段と、
取得した前記口裏合わせ情報を前記スタッフ端末に送信し、前記スタッフ端末から送信した前記口裏合わせ情報の受信完了を示す受信完了情報を受信すると、前記イベント情報データベースから取得した前記イベント情報を前記利用者端末に送信する情報送信手段と、
前記利用者端末に送信した前記イベント情報に含まれる前記課題情報に応じた報告情報を受信すると、前記スタッフ端末に送信した前記口裏合わせ情報に含まれる前記伝達情報と照合する情報照合手段と、
前記報告情報と前記伝達情報の照合結果が一致した場合には、与えたイベントの課題を前記利用者が達成したと判断する判断手段と
を有することを特徴とするイベント提供システム。 - 請求項2に記載のイベント提供システムから前記口裏合わせ情報を受信するスタッフ端末であって、
前記イベント提供システムから前記役柄情報と前記手掛かり情報と前記伝達情報で構成される前記口裏合わせ情報を受信すると、受信した前記口裏合わせ情報を前記役者担当スタッフに対して出力する情報出力手段と、
情報出力手段に出力した前記役柄情報に基づいて自らが実行する役割について心の準備が出来た前記役者担当スタッフから準備完了を示す入力を受け付ける情報入力手段と、
前記情報入力手段が前記役者担当スタッフから準備完了を示す入力を受け付けると、前記イベント提供システムへ前記口裏合わせ情報の受信完了情報を送信する情報送信手段と
を有することを特徴とするスタッフ端末。 - 前記情報出力手段は、受信した前記手掛かり情報に基づいて前記利用者を確認した上で受信した前記伝達情報を前記利用者に伝達するように前記役者担当スタッフに対して指示する指示情報を出力することを特徴とする請求項3に記載のスタッフ端末。
- 請求項2に記載のイベント提供システムから前記イベント情報を受信する利用者端末であって、
前記イベント提供システムから前記課題情報と前記手掛かり情報で構成される前記イベント情報を受信すると、受信した前記手掛かり情報を手掛かりにして前記役者担当スタッフと接触して受信した課題情報を実行するように前記利用者に指示する指示情報を出力する情報出力手段を
有することを特徴とする利用者端末。 - 前記情報出力手段に出力した前記課題情報に基づく入力を受け付ける情報入力手段と、
前記情報入力手段に前記課題情報に基づく入力を受け付けると、受け付けた情報を前記課題情報に対する報告情報としてイベント提供システムに送信する情報送信手段と
を有することを特徴とする請求項5に記載の利用者端末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003005778A JP2004220247A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | イベント提供方法及びシステム |
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JP2003005778A JP2004220247A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | イベント提供方法及びシステム |
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-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003005778A patent/JP2004220247A/ja active Pending
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