JP2004218226A - 制振装置及びその取付方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は既存の住宅に制振装置を取り付ける際の手間及びコストを削減することを課題とする。
【解決手段】制振装置10は、柱22の上方の傾動を伝達する上部伝達部材28と、柱22の下方の傾動を伝達する下部伝達部材30と、上部伝達部材28と下部伝達部材30との間に設けられた油圧ダンパ32と、上部伝達部材28を柱22の上部側面に取り付ける上部ブラケット34と、下部伝達部材30を柱22の下部側面に取り付ける下部ブラケット36と、柱22の上部側面に固定され上部ブラケット34を支持する上部固定板42と、柱22の下部側面に固定され下部ブラケット36を支持する下部固定板44と、を備えてなる。よって、制振装置10を設置した後は、新しい天井板20や床板16を取り付ける必要がなく、その分設置作業に手間がかからず、設置コストも安価に抑えられる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダンパの減衰動作により構造物の振動エネルギを吸収するよう構成された制振装置及びその取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の制振装置としては、例えば、構造物の梁に固定される上部伝達部材と床側の基礎に固定される下部伝達部材との間に油圧ダンパが取り付けられており、油圧ダンパのシリンダ端部及びピストンロッド端部が水平方向の振動を伝える上部伝達部材又は下部伝達部材に連結されたものがある。また、この制振装置は、住宅の壁内に油圧ダンパを収納させており、油圧ダンパを露出させないように構成されている(特許文献1を参照)。
【0003】
上記のように構成された制振装置においては、構造物に水平方向の振動が入力されると、構造物の横揺れに伴って上部伝達部材と下部伝達部材との間で相対変位が生じる。これにより、油圧ダンパでは、作動油が充填されたシリンダ内をピストンが摺動して作動油の粘性抵抗による減衰力を発生する。そして、構造物の振動は、油圧ダンパの減衰動作により緩衝されて振幅が抑制される。
【0004】
【特許文献1】特開2002−106204号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の制振装置では、住宅の壁部の内部に収納する構成であるので、住宅を新築する際に上部伝達部材、下部伝達部材、油圧ダンパを壁内に設置する工事を行った後に壁板材を打ち付けていた。
【0006】
ところで、上記のような新築以外の住宅にも制振装置を取り付けることが検討されている。既に建築されてから数年が経過した既存の住宅においては、構造物外観の見栄えを損なわないで耐震性を向上させるのに、制振装置を室内側から取り付けることが望まれており、しかも、できる限り低コストでその工事を行いたいという要望がある。
【0007】
上記のような従来の制振装置を、室内側から設置する場合には、壁面、天井板及び床板を外し、上梁及び下梁を露出させて設置する必要がある。この場合、特に設置後に天井板及び床板を元に戻すことは難しく、例えば、建築後、十数年が経過した場合には、同じ材料の天井板及び床板が無かったり、見つかったとしても経時変化による変色などが生じている。
【0008】
そのため、制振装置を設置した後に天井板を取り付けると、新しい天井板は他の天井板(数年が経過して変色している)と色が異なっているので、その取付部分だけが新しくなって見栄えが悪くなってしまう。また、全ての天井板を新しいものに交換すると、工事費が高価になってしまい、予算をオーバする等してしまう。
【0009】
また、同様に制振装置を設置する場所の壁板を新しく取り付けると、その壁板部分だけが新しいので、やはり見栄えが悪くなってしまう。この場合、新しい壁板の前にタンスなどの家具を置くことで、新しい壁板及び床板を隠すことができるものの天井板まで隠すことができない。
【0010】
そこで、本発明は上記課題を解決した制振装置及びその取付方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有する。
上記請求項1の発明は、構造物の柱間に設けられ、柱の上方の傾動を伝達する上部伝達部材と、構造物の柱間に設けられ、柱の下方の傾動を伝達する下部伝達部材と、上部伝達部材と下部伝達部材との間に設けられ、上部伝達部材と下部伝達部材との相対変位を緩衝するダンパと、構造物の上梁から離間した柱間に横架され、上部伝達部材を柱の上部側面に取り付ける上部取付部材と、構造物の下梁から離間した柱間に横架され、下部伝達部材を柱の下部側面に取り付ける下部取付部材と、を備えたものであり、床板及び天井板を剥がすことなく壁内にダンパを取り付けることが可能になる。
【0012】
上記請求項2の発明は、上部取付部材及び下部取付部材の、両端部を柱の側面に沿うように延在形成された固定板に固定したものであり、工場などで上部伝達部材、下部伝達部材、ダンパが組み付けられた組立体を容易に取り付けることが可能になり、取付作業に要する時間を短縮する。
【0013】
上記請求項3の発明は、上部取付部材が、上部伝達部材の上端に沿うように柱間に横架される水平支持部と、柱間に横架され、水平支持部に沿って延在し、上部伝達部材の上端に結合される垂直支持部と、水平支持部の両端より柱の側面に沿うように延在され、柱の側面に固定される固定部と、を備えたものであり、上部伝達部材を柱の上部側面に固定することが可能になる。
【0014】
上記請求項4の発明は、下部取付部材が、下部伝達部材の下端に沿うように柱間に横架される水平支持部と、柱間に横架され、水平支持部に沿って延在し、下部伝達部材の下端に結合される垂直支持部と、水平支持部の両端より柱の側面に沿うように延在され、柱の側面に固定される固定部と、を備えたものであり、下部伝達部材を柱の下部側面に固定することが可能になる。
【0015】
上記請求項5の発明は、取付部材が、水平支持部から前記梁側に突出して梁に当接する高さ位置規制部を有するものであり、取付部材を下梁よりも所定距離上方に位置し、上梁よりも所定距離下方に位置するように位置合わせすることが可能になる。
【0016】
上記請求項6の発明は、請求項1記載の制振装置の取付方法において、柱間の内部空間を塞ぐ内壁面を除去する第1の過程と、柱の側面に沿うように延在形成された固定板を固定する第2の過程と、制振装置を内部空間に挿入し、上部取付部材及び下部取付部材を固定板に固定する第3の過程と、柱間の内部空間を閉塞する壁板を柱に固定する第4の過程と、を実行するものであり、床板及び天井板を剥がすことなく壁内にダンパを取り付けることが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明になる制振装置の一実施例の取り付け状態を示す斜視図である。図2は図1に示す制振装置の正面図である。図3は図2中A−A線に沿う縦断面図である。図4は図2中B−B線に沿う横断面図である。尚、図1乃至図4において、外壁及び化粧板を省略してある。
【0018】
図1乃至図4に示されるように、制振装置10は、構造物の基礎12に横架された下梁14の上方に位置する床板16と、2階床を支持するように横架された上梁18より下方に位置する天井板20との間に取り付けられている。また、制振装置10は、構造物としては、例えば、既に建設された木造住宅などに取り付けられる。
【0019】
下梁14と上梁18との間には、複数の柱22が所定間隔毎に起立している。この一対の柱22間とにより形成された壁内が制振装置10を取り付けるための空間となる。床板16は、下梁14の上面に横架された角材24に取り付けられている。天井板20は、上梁18の下面に固定された複数の支柱26に取り付けられている。従って、制振装置10は、床板16と天井板20と一対の柱22との間に形成された空間27内に取り付けられる。
【0020】
制振装置10は、柱22の上方の傾動を伝達する上部伝達部材28と、柱22の下方の傾動を伝達する下部伝達部材30と、上部伝達部材28と下部伝達部材30との間に設けられた油圧ダンパ(緩衝部材)32と、上梁18から離間した高さ位置で柱22間に横架され、上部伝達部材28を柱22の上部側面に取り付ける上部ブラケット(上部取付部材)34と、下梁14から離間した高さ位置で柱22間に横架され、下部伝達部材30を柱22の下部側面に取り付ける下部ブラケット(下部取付部材)36と、柱22の上部側面に固定され上部ブラケット34を支持する上部固定板42と、柱22の下部側面に固定され下部ブラケット36を支持する下部固定板44と、を備えてなる。
【0021】
上部伝達部材28及び下部伝達部材30は、木製合板からなり、設置すべき住宅の空間の大きさ、すなわち柱22間の水平距離(幅寸法La)及び床板16から天井板20までの垂直距離(高さ寸法Lb)に応じた寸法、形状に形成されている。
【0022】
また、油圧ダンパ32は、シリンダ32aと、シリンダ32a内を摺動するピストン(図示せず)と、ピストンに連結されたピストンロッド32bとから構成されており、シリンダ32a内部には作動油が充填されている。
【0023】
そして、油圧ダンパ32のシリンダ32aの端部は、上部伝達部材28の下端に固定されたダンパ用ブラケット38により回動可能に支持されている。また、ピストンロッド32bの端部は、下部伝達部材30の上端に固定されたダンパ用ブラケット40により回動可能に支持されている。ダンパ用ブラケット38及び40は、金属製であり、水平方向の荷重に耐えられるように形成されている。
【0024】
そのため、下梁14に地震による振動が伝播して柱22が傾動し、上部伝達部材28と下部伝達部材30との間で水平方向の相対変位が生じると、油圧ダンパ32では、シリンダ32aに対してピストン及びピストンロッド32bが摺動して抵抗力を発生させる。これにより、下梁14と上梁18との相対変位の加速度が減速され、当該住宅(構造物)の振動が制振される。
【0025】
上部伝達部材28、下部伝達部材30、油圧ダンパ32は、工場において、予め組み立てられた組立体(アッシー)として当該住宅がある現地へ輸送される。
【0026】
上部固定板42及び下部固定板44は、釘やボルトなどの締結部材により柱22の側面に固定される固定部42a,44aと、固定部42a,44aより水平方向に突出する当接部42b,44bとを有する。この上部固定板42及び下部固定板44は、制振装置10の荷重を支えるため、及び油圧ダンパ32の抵抗力を柱22の長手方向に分散作用させて柱22への応力集中を防止するため、固定部42a,44aが柱22の側面に沿って延在形成されており、多数の締結部材により強固に固定される。
【0027】
また、上部固定板42の上端及び下部固定板44の下端には、上部ブラケット34及び下部ブラケット36に当接する当接部42b,44bが水平方向に突出している。そして、下部伝達部材30は、下部ブラケット36の両端を柱22に固定された下部固定板44の当接部44bに載置した後、当接部44bに固定される。
【0028】
ここで、上部ブラケット34及び下部ブラケット36の構成について説明する。尚、上部ブラケット34と下部ブラケット36とは、同一形状であるので、以下、下部ブラケット36について説明する。
【0029】
図5は下部ブラケット36の背面図である。図6は下部ブラケット36の平面図である。図7は下部ブラケット36の正面図である。
【0030】
図5乃至図7に示されるように、下部ブラケット36は、水平方向に延在する取付板46と、取付板46の両端に連結される固定部材48,50とから構成されている。
【0031】
取付板46は、断面形状がL字状に形成されており、固定部材48,50に載置される底板(水平支持部)46aと、底板46aより垂立した垂直板(垂直支持部)46bとを有する。垂直板46bには、固定部材48,50と連結される一対のボルト挿通孔46cと、下部伝達部材30に釘またはボルト等の締結部材を挿通するための小孔46dが多数設けられている。
【0032】
図8は図6中のC部を拡大して示す平面図である。図9は図6中のD部を拡大して示す正面図である。
【0033】
図8及び図9に示されるように、固定部材48,50は、底板46aが載置される底部48a,50aと、柱22の側面に対向するように底部48a,50aより垂直方向に曲げられた側部(固定部)48b,50bと、底部48a,50a及び側部48b,50bより起立するように設けられた垂直部48c,50cとを有する。
【0034】
垂直部48c,50cには、前述した取付板46の両端に連結されるボルト52を挿通するための長孔48d,50dが設けられている。この長孔48d,50dは、柱22の間隔に応じて固定部材48,50の水平方向の位置を調整することができるように水平方向に延在するように形成されている。
【0035】
ここで、上記構成とされた制振装置10の取付方法の手順について説明する。作業手順▲1▼では、まず、制振装置10を既存の構造物の壁面内部に設置する前段階として、柱22間の水平距離(幅寸法La)及び床板16から天井板20までの垂直距離(高さ寸法Lb)を測定する。制振装置10を製作する工場では、この幅寸法La及び高さ寸法Lbに基づいて制振装置10の各部材の寸法を決めて製造し、上部伝達部材28、下部伝達部材30、油圧ダンパ32を組み立てる。
【0036】
作業手順▲2▼では、図10に示されるように、制振装置10を設置する場所の壁面を除去する。そして、上部固定板42を柱22の上部側面に釘またはボルト等の締結部材を用いて固定し、下部固定板44を柱22の下部側面にボルト等の締結部材を用いて固定する。
【0037】
上部固定板42は、当接部42bの高さ位置が天井板20よりも下方に位置するように取り付けられる。下部固定板44は、当接部44bの高さ位置が床板16よりも上方に位置するように取り付けられる。そのため、制振装置10を取り付けるために、天井板20や床板16を剥がす必要がなく、その分設置作業に手間がかからず、短時間での設置が可能になる。
【0038】
作業手順▲3▼では、図11に示されるように、ボルト等の締結部材を用いて上部固定板42に上部ブラケット34を固定し、ボルト等の締結部材を用いて下部固定板44に下部ブラケット36を固定する。この際、上部ブラケット34の取付位置は、上部固定板42の当接部42aによって決まる。また、下部ブラケット36の取付位置は、下部固定板44の当接部44aによって決まる。
【0039】
作業手順▲4▼では、図12に示されるように、制振装置10の下部伝達部材30を下部ブラケット36の取付板46に載置した状態で下部伝達部材30の下部を取付板46にボルト等の締結部材を用いて固定する。この際、下部伝達部材30は、下部ブラケット36の取付位置によって床板16よりも上方に位置するように取り付けられる。
【0040】
続いて、上部伝達部材28の上部を上部ブラケット34にボルト等の締結部材を用いて固定する。この際、上部伝達部材28は、上部ブラケット34の取付位置によって天井板20よりも下方に位置するように取り付けられる。
【0041】
作業手順▲4▼では、上記のように設置された制振装置10を覆うように柱22間に壁パネル(図示せず)を取り付ける。このように、制振装置10を設置した後は、柱22間に壁パネルを取り付けるだけなので、新しい天井板20や床板16を取り付ける必要がなく、その分設置作業に手間がかからず、短時間での設置が可能になると共に、設置コストも安価に抑えられる。
【0042】
しかも、当該住宅が古い場合でも、制振装置10が設置された柱22間の壁パネルのみが新しくなるため、当該壁パネルの前に壁パネルと同じ大きさのタンスや本棚などの家具を置くことにより隠すことができるので、周囲との違和感を無くすことが可能になる。これで、制振装置10の取付作業が終了する。
【0043】
ここで、変形例について図13を参照して説明する。
図13に示されるように、変形例の下部固定板44は、下方に延在する高さ位置規制部52を有する。この高さ位置規制部52は、下梁14に対する下部固定板44の取り付け高さ位置を合わせるものであり、下端が下梁14に当接することにより、下部固定板44の高さ方向の取付位置を規定する。
【0044】
すなわち、下部固定板44は、高さ位置規制部52を下梁14に当接させることにより、当接部44bの高さ位置が床板16よりも上方に位置するように取り付けられる。
【0045】
また、変形例の上部固定板42は、上方に延在する高さ位置規制部52を有する。この高さ位置規制部52は、上梁18に対する上部固定板42の取り付け高さ位置を合わせるものであり、上端が上梁18に当接することにより、上部固定板42の高さ方向の取付位置を規定する。
【0046】
すなわち、上部固定板42は、高さ位置規制部52を上梁18に当接させることにより、当接部42bの高さ位置が天井板20よりも下方に位置するように取り付けられる。
【0047】
これにより、当接部42b,44bに固定される上部ブラケット34及び下部ブラケット36は、高さ方向の取付位置が容易に位置合わせされると共に、上部ブラケット34及び下部ブラケット36が傾斜して取り付けられることを防止できる。そして、上部ブラケット34に固定される上部伝達部材28及び下部ブラケット36に固定される下部伝達部材30は、高さ方向の取付位置を容易に位置合わせされる。
【0048】
尚、上記実施の形態では、天井板20と床板16との間に制振装置10を取り付けた場合を一例として挙げたが、これに限らず、本発明における上梁18から離間した柱22間の取付部分及び下梁14から離間した柱22間の取付部分として、例えば夫々住宅内部の鴨居と敷居を用いても構わない。この場合、地震が発生する可能性が大きい場合に発せられる地震警報発生後にふすまを外して、その代わりに上記制振装置10を鴨居と敷居との間に設置することで、住宅の耐震性を向上させて、地震の発生に備えることができる。
【0049】
また、上記実施の形態では、天井板20と床板16との間に制振装置10を取り付けた場合を一例として挙げたが、これに限らず、住人が所有するタンスや本棚等の家具の高さに合わせて、本発明における上梁から離間した柱間の部分及び下梁から離間した部分に制振装置10を設置するようにしても良い。
【0050】
尚、上記実施の形態では、既存の木造住宅に制振装置10を取り付ける場合を一例として挙げたが、これに限らず、木造以外の住宅、例えば、軽量鉄骨を用いた住宅などにも適用できるのは勿論である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、構造物の柱間に設けられ、柱の上方の傾動を伝達する上部伝達部材と、構造物の柱間に設けられ、柱の下方の傾動を伝達する下部伝達部材と、上部伝達部材と下部伝達部材との間に設けられ、上部伝達部材と下部伝達部材との相対変位を緩衝するダンパと、構造物の上梁から離間した柱間に横架され、上部伝達部材を柱の上部側面に取り付ける上部取付部材と、構造物の下梁から離間した柱間に横架され、下部伝達部材を柱の下部側面に取り付ける下部取付部材と、を備えたため、床板及び天井板を剥がすことなく壁内にダンパを取り付けることができる。そのため、設置作業を短時間で行えると共に、設置コストも安価に抑えられる。また、設置後に新しい床板及び天井板を取り付ける作業が不要になる。
【0052】
上記請求項2の発明によれば、上部取付部材及び下部取付部材の、両端部を柱の側面に沿うように延在形成された固定板に固定したため、工場などで上部伝達部材、下部伝達部材、ダンパが組み付けられた組立体を容易に取り付けることが可能になり、取付作業に要する時間を短縮する。
【0053】
上記請求項3の発明によれば、上部取付部材が、上部伝達部材の上端に沿うように柱間に横架される水平支持部と、柱間に横架され、水平支持部に沿って延在し、上部伝達部材の上端に結合される垂直支持部と、水平支持部の両端より柱の側面に沿うように延在され、柱の側面に固定される固定部と、を備えたため、上部伝達部材を柱の上部側面に固定することができる。
【0054】
上記請求項4の発明によれば、下部取付部材が、下部伝達部材の下端に沿うように柱間に横架される水平支持部と、柱間に横架され、水平支持部に沿って延在し、下部伝達部材の下端に結合される垂直支持部と、水平支持部の両端より柱の側面に沿うように延在され、柱の側面に固定される固定部と、を備えたため、下部伝達部材を柱の下部側面に固定することができる。
【0055】
上記請求項5の発明によれば、取付部材が、水平支持部から前記梁側に突出して梁に当接する高さ位置規制部を有するものであり、取付部材を下梁よりも所定距離上方に位置し、上梁よりも所定距離下方に位置するように位置合わせすることができる。
【0056】
上記請求項6の発明によれば、請求項1記載の制振装置の取付方法において、柱間の内部空間を塞ぐ内壁面を除去する第1の過程と、柱の側面に沿うように延在形成された固定板を固定する第2の過程と、制振装置を内部空間に挿入し、上部取付部材及び下部取付部材を固定板に固定する第3の過程と、柱間の内部空間を閉塞する壁板を柱に固定する第4の過程と、を実行するため、床板及び天井板を剥がすことなく壁内にダンパを取り付けることができる。そのため、設置作業を短時間で行えると共に、設置コストも安価に抑えられる。また、設置後に新しい床板及び天井板を取り付ける作業が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる制振装置の一実施例の取り付け状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す制振装置の正面図である。
【図3】図2中A−A線に沿う縦断面図である。
【図4】図2中B−B線に沿う横断面図である。
【図5】下部ブラケット36の背面図である。
【図6】下部ブラケット36の平面図である。
【図7】下部ブラケット36の正面図である。
【図8】図6中のC部を拡大して示す平面図である。
【図9】図6中のD部を拡大して示す正面図である。
【図10】作業手順▲2▼を説明するための工程図である。
【図11】作業手順▲3▼を説明するための工程図である。
【図12】作業手順▲4▼を説明するための工程図である。
【図13】変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 制振装置
12 基礎
14 下梁
16 床板
18 上梁
20 天井板
22 柱
27 空間
28 上部伝達部材
30 下部伝達部材
32 油圧ダンパ
34 上部ブラケット
36 下部ブラケット
38,40 ダンパ用ブラケット
42 上部固定板
44 下部固定板
46 取付板
48,50 固定部材
52 高さ位置規制部

Claims (6)

  1. 構造物の柱間に設けられ、前記柱の上方の傾動を伝達する上部伝達部材と、
    前記構造物の柱間に設けられ、前記柱の下方の傾動を伝達する下部伝達部材と、
    前記上部伝達部材と前記下部伝達部材との間に設けられ、前記上部伝達部材と前記下部伝達部材との相対変位を緩衝するダンパと、
    前記構造物の上梁から離間した柱間に横架され、前記上部伝達部材を前記柱の上部側面に取り付ける上部取付部材と、
    前記構造物の下梁から離間した柱間に横架され、前記下部伝達部材を前記柱の下部側面に取り付ける下部取付部材と、
    を備えたことを特徴とする制振装置。
  2. 前記上部取付部材及び前記下部取付部材は、両端部を前記柱の側面に沿うように延在形成された固定板に固定されることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  3. 前記上部取付部材は、
    前記上部伝達部材の上端に沿うように前記柱間に横架される水平支持部と、
    前記柱間に横架され、前記水平支持部に沿って延在し、前記上部伝達部材の上端に結合される垂直支持部と、
    前記水平支持部の両端より前記柱の側面に沿うように延在され、前記柱の側面に固定される固定部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  4. 前記下部取付部材は、
    前記下部伝達部材の下端に沿うように前記柱間に横架される水平支持部と、
    前記柱間に横架され、前記水平支持部に沿って延在し、前記下部伝達部材の下端に結合される垂直支持部と、
    前記水平支持部の両端より前記柱の側面に沿うように延在され、前記柱の側面に固定される固定部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  5. 前記取付部材は、前記水平支持部から前記梁側に突出して前記梁に当接する高さ位置規制部を有することを特徴とする請求項3または4記載の制振装置。
  6. 前記請求項1記載の制振装置の取付方法において、
    前記柱間の内部空間を塞ぐ内壁面を除去する第1の過程と、
    前記柱の側面に沿うように延在形成された固定板を固定する第2の過程と、
    前記制振装置を前記内部空間に挿入し、前記上部取付部材及び前記下部取付部材を前記固定板に固定する第3の過程と、
    前記柱間の内部空間を閉塞する壁板を前記柱に固定する第4の過程と、
    を実行することを特徴とする制振装置の取付方法。
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