JP2004217700A - 3次元架橋型樹脂およびその用途 - Google Patents

3次元架橋型樹脂およびその用途 Download PDF

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登 川崎
Osamu Kougo
修 高後
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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性、剛性、低吸水性、耐薬品性、可とう性などが向上した3次元架橋型樹脂を提供することを目的としている。また、本発明は、重合時に重合反応の暴走を生じずに製造される3次元架橋型樹脂を提供することを目的としている。
【解決手段】〈1〉メチルメタクリレート、
〈2〉下記一般式(1)で表される化合物、
〈3〉ラジカル開始剤、
を含有する組成物を重合してなることを特徴とする3次元架橋型樹脂。
Figure 2004217700

(式中、R1およびR2はそれぞれ独立にヒドロキシ(メタ)アクリレートの残基、Iは脂肪族系、芳香族系、または脂環族系ジイソシアネートの残基、Polはポリエーテルジオール、またはポリエステルジオールの残基を表す。また、nは1〜5の整数を表す。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元架橋型樹脂および該樹脂から形成された透明部材、より詳しくは、メチルメタクリレート(MMA)と特定の化合物を共重合させてなる3次元架橋型樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタクリル樹脂(PMMA)は、優れた透明性および耐候性を有し機械的物性とのバランスがとれていることからグレージング材、自動車用透明部品、液晶用導光板や拡散板またはスクリーン板などの光学部品、店舗用看板、大型水槽などのディスプレイ、自動販売機前面板、パチンコ/ゲーム機周辺部品、カーポートなどの建材、バスタブなどのサニタリー部材、照明カバーなどの照明器具部品に広く用いられている。
この中にあって、PMMAの物性に対する要求も多様化しており、例えば耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性、低吸水性、剛性、耐擦傷性などである。
ここで、PMMAのキャストはMMAモノマーを直接重合する方法であるから、PMMAの改質への自由度が高く、前記の物性を付与させやすい特徴がある。
ところが、MMAモノマーは粘度が極めて低く、例えば拡散板製造のために拡散材などの粒子を添加してキャストしようとしても、粒子が沈降してしまうので均一に分散できないという問題がある。また、改質処方により前記の物性は向上しても、可とう性など、樹脂成形品の切削や賦形加工などの際にも影響を及ぶす物性をも向上させるには至っていない。
更に、重合の面からは、該モノマーの重合収縮率が高いので特に大判で厚物の重合時の温度管理は厳しいものが要求され、改質のために他のモノマーなどを加えた場合にはそれらモノマーの性状をも加味した更に注意深い温度管理が必要とされる。このことに関して言えば、MMAモノマーをプレ重合してシロップ状MMAにすることにより重合収縮率を下げる方法もとられている。しかし、プレ重合自体が厳密な重合条件(特に温度管理)を要するものであり、それはMMAの製造メーカー、或いはPMMAの成形メーカーのノウハウである場合が少なくない。
【先行技術文献1】
特開2002−53622号公報
【0003】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、MMAモノマーの粘度を自在に調整してなる3次元架橋型樹脂を提供することを目的とし、また、重合収縮率が下がることにより重合収縮の影響が緩和され、また同時に重合反応の暴走が抑止されて製造される該樹脂を提供することを目的としている。更に、耐熱性、剛性、耐薬品性などが向上し、可とう性などが付与された該樹脂を提供することをも目的としている。また更に、本発明は、本発明の樹脂からなる透明部材、ディスプレイ用透明部材および自動車用透明部材を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の3次元架橋型樹脂は、
▲1▼〈1〉メチルメタクリレート、
〈2〉下記一般式(1)(化10)で表される化合物
〈3〉ラジカル開始剤、
を含有する組成物を重合してなることを特徴とする3次元架橋型樹脂
【0005】
【化10】
Figure 2004217700
【0006】
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立にヒドロキシ(メタ)アクリレートの残基、Iは脂肪族系、芳香族系、または脂環族系ジイソシアネートの残基、Polはポリエーテルジオール、またはポリエステルジオールの残基を表す。また、nは1〜5の整数を表す。)
▲2▼下記一般式(2)(化11)または一般式(3)(化12)で表される化合物を1種以上、更に含有する組成物を重合してなることを特徴とする▲1▼記載の3次元架橋型樹脂
【0007】
【化11】
Figure 2004217700
【0008】
(式中、R3〜R5はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。また、nは1〜3の整数を表す。)
【0009】
【化12】
Figure 2004217700
【0010】
(式中、R6〜R11はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。また、nは1〜3の整数を表す。)
▲3▼下記一般式(4)(化13)で表わされる化合物を更に含有する組成物を重合してなることを特徴とする▲1▼または▲2▼記載の3次元架橋型樹脂
【0011】
【化13】
Figure 2004217700
【0012】
(式中、R12は水素原子又はメチル基を表す。)
▲4▼下記一般式(5)(化14)〜(9)(化18)で表される化合物群から選ばれた少なくとも一種の化合物を更に含有する組成物を重合してなることを特徴とする▲1▼〜▲3▼記載の3次元架橋型樹脂
【0013】
【化14】
Figure 2004217700
【0014】
(式中、R13は水素原子又はメチル基を表す。また、nは0〜3の整数を表す。)
【0015】
【化15】
Figure 2004217700
【0016】
(式中、R14は水素原子又はメチル基を表す。また、nは0〜3の整数を表す。)
【0017】
【化16】
Figure 2004217700
【0018】
(式中、R15およびR16はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。)
【0019】
【化17】
Figure 2004217700
【0020】
(式中、R17は水素原子またはメチル基を表す。)
【0021】
【化18】
Figure 2004217700
【0022】
(式中、R18は水素原子またはメチル基を表す。)
▲5▼▲1▼〜▲4▼記載の3次元架橋型樹脂を成形してなる光学部品および透明部材(ディスプレイ用透明部材、自動車用透明部材等)
からなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
3次元架橋型樹脂
本発明の3次元架橋型樹脂は、
▲1▼〈1〉メチルメタクリレート、
〈2〉前記一般式(1)で表される化合物、
〈3〉ラジカル開始剤、
を含有する組成物、または、
▲2▼〈4〉前記一般式(2)または(3)で表される化合物、
を1種以上、更に含有する上記▲1▼の組成物、或いは、
▲3▼〈5〉前記一般式(4)で表される化合物、
を更に含有する上記▲1▼または▲2▼の組成物、若しくは、
▲4▼〈6〉前記一般式(5)〜(9)で表される化合物群から選ばれた少なくとも1種の化合物、
を更に含有する上記▲1▼〜▲3▼の組成物、
を共重合してなる。
【0024】
以下、各化合物を詳しく説明する。
一般式(1)で表される化合物は、ポリエーテルジオールまたはポリエステルジオールとジイソシアネートを付加反応させてなる重合度が1〜5のウレタン化ポリエーテルジオールまたはポリエステルジオールを、ヒドロキシ(メタ)アクリレートと付加反応させてなるポリエーテル型またはポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートである。
ここで、ポリエーテルジオールとしては、ジ(エチレンオキサイド)ジオール、トリ(エチレンオキサイド)ジオール、テトラ(エチレンオキサイド)ジオール、ペンタ(エチレンオキサイド)ジオール、ヘキサ(エチレンオキサイド)ジオール、ジ(プロピレンオキサイド)ジオール、トリ(プロピレンオキサイド)ジオール、テトラ(プロピレンオキサイド)ジオール、ペンタ(プロピレンオキサイド)ジオール、ヘキサ(プロピレンオキサイド)ジオール、ジ(ブチレンオキサイド)ジオール、トリ(ブチレンオキサイド)ジオール、テトラ(ブチレンオキサイド)ジオール、ペンタ(ブチレンオキサイド)ジオール、ヘキサ(ブチレンオキサイド)ジオールなどのポリエポキシドジオール類、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドジオール、ジ(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド)ジオール、トリ(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド)ジオールなどのコポリ(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド)ジオール類、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールSなどのビスフェノール類、スピログリコール、カプロラクトン変性ジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどから選ばれたグリコール(1モル)とアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などから選ばれた有機二塩基酸(2モル)を縮合反応させてなる生成物(1モル)と1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどから選ばれたジオール(2モル)との縮合反応生成物が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、水添2,4−TDI、水添2,6−TDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)などが挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシドールジアクリレート、グリシドールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレートなどが挙げられる。
【0025】
一般式(1)で表される化合物として可とう性の観点から好ましいのは、
トリ(エチレンオキサイド)ジオール、トリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ジ(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド)ジオール、ジ(ブチレンオキサイド)ジオール、エトキシ化ビスフェノールA、スピログリコールなどから選ばれたポリエーテルジオールと、
または、エチレングリコール(1モル)とアジピン酸(2モル)を縮合反応させてなる生成物(1モル)と1,4−ブタンジオール(2モル)との縮合反応生成物、エチレングリコール(1モル)とアジピン酸(2モル)を縮合反応させてなる生成物(1モル)と1,6−ヘキサンジオール(2モル)との縮合反応生成物、エチレングリコール(1モル)とテレフタル酸(2モル)を縮合反応させてなる生成物(1モル)と1,6−ヘキサンジオール(2モル)との縮合反応生成物、エチレングリコール(1モル)とイソフタル酸(2モル)を縮合反応させてなる生成物(1モル)と1,6−ヘキサンジオール(2モル)との縮合反応生成物などから選ばれたポリエステルジオールと、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネートなどから選ばれたジイソシアネートを付加反応させてなる重合度が1〜3のウレタン化ポリエーテルジオールまたはポリエステルジオール(1モル)を、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリシドールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどから選ばれたヒドロキシ(メタ)アクリレート(2モル)と付加反応させてなるポリエーテル型またはポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートである。
また、特に好ましいのは、ジ(ブチレンオキサイド)ジオールとイソホロンジイソシアネートを付加反応させてなる重合度が2のウレタン化ポリエーテルジオール(1モル)を、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2モル)と付加反応させてなるポリエーテル型ウレタンアクリレート、エチレングリコール(1モル)とアジピン酸(2モル)を縮合反応させてなる生成物(1モル)と1,6−ヘキサンジオール(2モル)との縮合反応生成物であるポリエステルジオールとイソホロンジイソシアネートを付加反応させてなる重合度が2のウレタン化ポリエステルジオール(1モル)を、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2モル)と付加反応させてなるポリエステル型ウレタンアクリレートである。
尚、一般式(1)で表されるこれらウレタン(メタ)アクリレートの多くは市販されている。
【0026】
前記一般式(2)で表される化合物は、具体的には、トリス{N−(2−アクリロイルオキシエチル)}イソシアヌレート、トリス{N−(2−メタクリロイルオキシエチル)}イソシアヌレート、トリス{N−(2−アクリロイルオキシ−エトキシエチル)}イソシアヌレート、トリス{N−(2−メタクリロイルオキシ−エトキシエチル)イソシアヌレート、トリス{N−(2−アクリロイルオキシ−エトキシエチル−オキシエチル)イソシアヌレート、トリス{(2−メタクリロイルオキシエトキシエチル−オキシエチル)}イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0027】
一般式(2)で表される化合物で特に好ましいのは、耐熱性、剛性等の観点から、トリス{N−(2−アクリロイルオキシエチル)}イソシアヌレート、トリス{N−(2−メタクリロイルオキシエチル)}イソシアヌレート、トリス{N−(2−アクリロイルオキシ−エトキシエチル)}イソシアヌレート、トリス{N−(2−メタクリロイルオキシ−エトキシエチル)イソシアヌレートである。
【0028】
前記一般式(3)で表される化合物は、具体的には、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(アクリロイルエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(メタクリロイルエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(アクリロイルジエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(メタクリロイルジエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(アクリロイルトリエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(メタクリロイルトリエチレンジオキシ)トリホスファゼンなどが挙げられる。
【0029】
一般式(3)で表される化合物で特に好ましいのは、耐熱性、剛性等の観点から、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(アクリロイルエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(メタクリロイルエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼンである。
【0030】
前記一般式(4)で表される化合物は、具体的には、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−メタクリロイルオキシエチルカルバメート、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−メタクリロイルオキシプロパン−2−イルカルバメートである。
【0031】
前記一般式(5)〜(9)で表される化合物群の化合物は、具体的には、
一般式(5)の化合物は、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、2−(ジシクロペンタニルオキシ)エチルアクリレート、2−(ジシクロペンタニルオキシ)エチルメタクリレート、2−(ジシクロペンタニルオキシ)エチル−2’−(アクリロイルオキシ)エチルエーテル、2−(ジシクロペンタニルオキシ)エチル−2’−(メタクリロイルオキシ)エチルエーテル、2−{2−(ジシクロペンタニルオキシ)エチルオキシ}−1−{2’−(アクリロイルオキシ)エチルオキシ}エタン、2−{2−(ジシクロペンタニルオキシ)エチルオキシ}−1−{2’−(メタクリロイルオキシ)エチルオキシ}エタンである。
一般式(6)の化合物は、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチルアクリレート、2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチルメタクリレート、2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチル−2’−(アクリロイルオキシ)エチルエーテル、2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチル−2’−(メタクリロイルオキシ)エチルエーテル、2−{2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチルオキシ}−1−{2’−(アクリロイルオキシ)エチルオキシ}エタン、2−{2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチルオキシ}−1−{2’−(メタクリロイルオキシ)エチルオキシ}エタンである。
一般式(7)の化合物は、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジメタクリレートである。
一般式(8)の化合物は、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレートである。
そして、一般式(9)の化合物は、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートである。
【0032】
一般式(5)〜(9)で表される化合物群から選ばれる化合物で特に好ましいのは、低吸水性の観点から、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチルアクリレート、2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチルメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、およびシクロヘキシルメタクリレートである。
【0033】
これら一般式(1)〜(9)で表される化合物群から選ばれた数種の化合物とMMA、およびラジカル開始剤を含有する組成物を共重合することにより、特徴的な3次元架橋型樹脂が製造される。
▲1▼一般式(1)で表される化合物は構造的にはソフトセグメントとハードセグメントからなる長鎖状のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであり、一般式(1)で表される化合物とMMAとの共重合により、PMMAの優れた透明性を維持しつつ、可とう性が付与された3次元架橋型樹脂がなされる。尚、選択する一般式(1)で表される化合物の構造によっては耐薬品性や耐候性をも向上した該樹脂をなすことができる。また、この化合物は一様に高粘度であるのでMMAモノマーとの混合モノマーの粘度を自在に調整できるし、重合収縮率を下げることができるため、特に大判で厚物の樹脂板を製造する際にはその重合収縮の影響を緩和させる効果が大きい。
▲2▼上記▲1▼の組成物に一般式(2)または(3)で表される化合物を加えて実施すると上記特性に加え耐熱性や剛性、および耐薬品性が向上した該樹脂をなす。
▲3▼上記▲1▼または▲2▼のモノマー組成物に一般式(4)で表される化合物を加えて共重合させてなる該樹脂は耐熱性、剛性、および耐薬品性が更に向上したものとなる。ここで、一般式(4)で表される化合物を加える意義は共重合樹脂の物性向上に先立つこと、共重合の暴走反応を抑止することにある。
一般式(4)で表される化合物は同一分子内に重合速度が比較的遅いイソプロペニル基と、重合速度が比較的早いメタクリル基を有していることから、他の化合物の重合基と作用し合い、特にMMAの単独重合による暴走反応を抑止すると推察する。
▲4▼一般式(5)〜(9)で表される化合物群はその各々の化学構造からして吸水率が低い化合物群である。従って、これら化合物群から選ばれた化合物を上記の▲1▼、▲2▼、または▲3▼の組成物に加えて共重合を実施することにより、低吸水性の該樹脂をなすことができる。
尚、可とう性が良いことから耐衝撃性の向上も期待できる。
【0034】
MMAと各化合物との使用割合は本発明の効果を発揮し得る範囲で任意であるが、通常はMMA100重量部に対し、一般式(1)の化合物は10〜70重量部の範囲である。10重量部未満では樹脂に可とう性を付与する効果は期待できないし、70重量部以上では一般式(2)或いは(3)の化合物、または(4)の化合物による樹脂の耐熱性や剛性などの向上効果が薄れるので好ましくない。
【0035】
一般式(2)或いは(3)で表される化合物は5〜50重量部の範囲である。5重量部未満では耐熱性や剛性などの向上はなされないし、50重量部以上では一般式(1)の化合物の使用割合にもよるが樹脂の可とう性を下げる懸念があり好ましくない。尚、一般式(2)或いは(3)の化合物の重量部は、一般式(2)或いは(3)の化合物の重量部<一般式(1)の化合物の重量部であるのが好ましい。
【0036】
一般式(4)の化合物は5〜50重量部の範囲である。5重量部未満では暴走反応の抑止や樹脂の耐熱性などの向上効果は望めず、50重量部以上でも効果は変わらない。
【0037】
また、一般式(5)〜(9)で表される化合物群から選ばれた少なくとも1種の化合物はやはりMMA100重量部に対し、5〜50重量部である。5重量部未満では樹脂の低吸水性化は望めないし、50重量部以上では樹脂の耐熱性を下げるので好ましくない。尚、本化合物群の化合物を2種以上用いる場合のその使用割合は、その総重量がMMA100重量部に対して5〜50重量部である。
【0038】
本発明ではラジカル開始剤として、(a)10時間半減期温度50〜75℃の有機過酸化物と、(b)10時間半減期温度95〜120℃の有機過酸化物とから、少なくとも1種を併用すると好ましい。
(a)10時間半減期温度50〜75℃の有機過酸化物としては、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
また、(b)10時間半減期温度が95〜120℃の有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチル−ジパーオキシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0039】
(a)10時間半減期温度50〜75℃の有機過酸化物(有機過酸化物(a))と、(b)10時間半減期温度95〜120℃の有機過酸化物(有機過酸化物(b))との使用割合は、有機過酸化物(a)≧有機過酸化物(b)であるのが好ましい。また、有機過酸化物(b)は、10時間半減期温度が95〜110℃であるのがより好ましい。
共重合に際し、ラジカル開始剤として、有機過酸化物(a)と有機過酸化物(b)とを併用すると、10時間半減期温度50〜75℃の有機過酸化物(a)がまず作用して重合が開始し初期重合が進み、そして、ある段階で10時間半減期温度95〜120℃の有機過酸化物(b)が作用して更に重合が進むと共に架橋が進行すると考えられる。このため、ラジカル開始剤として有機過酸化物(a)と有機過酸化物(b)とを併用することにより共重合反応をスムースに進めることができる。
【0040】
ラジカル開始剤の使用量は、共重合に供される組成物に対して、ラジカル開始剤の総量が0.01〜5重量%の範囲となる量であるのが望まれる。
このようにして調製した組成物には他の重合性モノマー、酸化防止剤や帯電防止剤などを必要に応じて、また、例えば拡散板用に製造する樹脂ならば該組成物に拡散粒子などを加え、よく混合後脱気を施して共重合に備える。
【0041】
共重合はどのような方法で行ってもよく、例えば注型重合では次のように行うことができる。尚、注型重合するに当たっては、離型剤を用いなくてもよいが、用いるならば内部離型剤が利用しやすく、シリコン系、フッ素系、ワックス系、脂肪族金属石鹸系、酸性リン酸エステル系など、通常用いられる離型剤から選択すればよい。尚、使用量は組成物に対し0.02〜0.3重量%の範囲である。注型重合は、所望の形状の樹脂成型体をなす鋳型の空間部に先に調製した組成物を注入し加熱重合を行い、その後脱型して成型体を得る重合法である。ここで、該鋳型には組成物を封じ込める、組成物の重合収縮に鋳型を追随させるなどの目的のためにガスケットを配設する。
平板の樹脂成型体を得るには、ガラスやステンレスからなる鋳型を選択し、ガスケットとしては塩化ビニルやシリコン樹脂製のシートやチューブから選択して用いるのが一般的である。
本発明における共重合の加熱温度は組成物およびラジカル開始剤の種類や使用量にもよるが、通常は40〜170℃であるのが望ましい。より具体的には、加熱初期の温度が40℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であって、加熱終期の温度が170℃以下、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下であるのが望ましく、それぞれの温度範囲において、一定温度に保つ時間および昇温速度を適宜選択し、段階的に昇温する温度条件とするのが望ましい。また、重合時間は、加熱温度にもよるが通常は4〜7時間、好ましくは5〜7時間であるのが望ましい。
【0042】
本発明の3次元架橋型樹脂において、組成物の粘度は所望の粘度になるように一番低粘度のMMAと一番高粘度の一般式(1)の化合物の重量部割合を柱に、樹脂物性を考慮して他の化合物を組合わせて調整するが、25℃における粘度が20〜150mPa・sの範囲であるのが好ましい。
また、樹脂の重合収縮率は18%以下、好ましくは15%以下が望ましい。
可とう性は樹脂板の適度のしなりで推し量り、注型重合の脱型で樹脂板が鋳型から引き剥がされる時、樹脂板の割れ発生の程度を指標とする。
吸水性の指標である吸水率は、例えば厚さ2mmの樹脂板においては、通常は0.45%以下であり、好ましくは0.45%以下、より好ましくは0.40%以下である。一方、耐熱性の指標であるTgは、好ましくは125℃以上、より好ましくは130℃以上である。また、剛性の指標である曲げ弾性率は、通常は3.2GPa以上、好ましくは3.6GPa以上、より好ましくは4.0GPa以上である。
更に、本発明の3次元架橋型樹脂は、アセトンやトルエンなどの有機溶剤、苛性ソーダや硫酸などの無機アルカリや無機酸の水溶液に対し耐性を示す。
【0043】
用途
本発明の3次元架橋型樹脂は、低吸水性、耐熱性、剛性、耐薬品性、可とう性、などへの要求が現行のPMMAを相当程度超える分野に好適に用いることができる。例えば、建築物用グリージング材、各種のカバー、看板などに物性が向上した材として置き換えが可能である。また、透明部材、ディスプレイ用透明部材、或いは自動車用透明部材などとして有用である。
透明部材としては、具体的には案内表示板、間仕切り、展示ケース、光天井材、サニタリー・バスタブ材、サウナなど高温・多湿室のグレージング材などが揚げられる。
ディスプレイ用透明部材としては、具体的には、リアプロジェクター用成形部品(拡散型リアプロジェクション・スクリーン、レンチキュラー・スクリーン、球面レンズ型/直交レンチキュラー型レンズアレイ・スクリーン、フレネルレンズ付拡散型/フレネルレンズ付レンチキュラー・スクリーン、リアプロジェクションTV用投写レンズ、リアプロジェクションTV用前面板など)、PDP前面板、液晶パネル保護板、液晶基板、液晶用拡散板、有機EL基板、タッチパネル基板などが挙げられる。
また、自動車用透明部材としては、具体的には、ヘッド/テールランプレンズ、ルーフ窓、リヤクォーター窓、フロント/リヤパネル、サイドバイザーなどが挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例および比較例において、重量部はgを表わす。
〈評価方法〉
樹脂物性などの評価は、以下のようにして行った。
・重合の容易性: 暴走反応(ワカメ現象:樹脂表面が樹皮状を呈し乱れる現象)の有無、程度を以下の基準により目視で判定した。
○ 起こらない
△ 部分的に起こる
× 全面に起こる
・可とう性 :脱型時の樹脂板のしなりの程度を以下の基準により目視で判定した。
○ 十分なしなりを呈する(樹脂板が割れることがない)。
△ しなりがやや不十分(樹脂板が割れる場合がある)
× しなりが不十分(樹脂板が割れる場合が多い)
・吸水性 : ASTM D570法で厚さ2mmの樹脂板の吸水率を測定した。
・耐熱性 :リガク(株)のTMA分析装置(TAS300)でTgを測定した。
・剛性 : JIS K7171法で曲げ弾性率を測定した。
・耐薬品性 : JIS K7114法でアセトン、IPA(イソフ゜ロハ゜ノール)、トルエン、10%苛性ソーダ水溶液、10%硫酸水溶液、各々につい て試験を行い以下の基準により目視で判定した。
○ 何ら異常が認められない
△ 膨潤/クラックが発生する
× 溶解する
【0045】
(調製例1)
攪拌機、温度計、乾燥管および滴下ロートを備えた四つ口フラスコにN−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)イソシアネート450.0g、ジブチルスズジラウレート0.22gを仕込み、内温45〜50℃で2−ヒドロキシエチルメタクリレート291.0gを3時間かけて滴下した。その後、50℃で7時間熟成反応を行い、無色透明な粘稠液体、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−メタクリロイルオキシエチルカルバメート[(4)−1]を得た。
【0046】
(調製例2)
攪拌機、温度計、乾燥管および滴下ロートを備えた四つ口フラスコにN−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)イソシアネート450.0g、ジブチルスズジラウレート0.22gを仕込み、内温45〜50℃で2−メチル−1−メタクリロイルオキシエタノール322.5gを3時間かけて滴下した。その後、50℃で7時間熟成反応を行い、無色透明な粘稠液体、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−メタクリロイルオキシプロパン−2−イルカルバメート[(4)−2]を得た。
【0047】
【実施例1】
MMA100重量部と、トリ(エチレンオキサイド)ジオール(EO)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)(モル比:EO/IPDI/HEA=3/4/2)を縮合反応させてなる重合度が3のポリエーテル型ウレタンアクリレート[(1)−1]40重量部の混合液に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2重量部とt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1重量部を添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を、一辺が500mmのガラス板に塩化ビニル製のガスケットを配した空間距離が2mmの注型重合用鋳型に注入した。その後、熱風循環炉で最初に70℃で2時間加熱し、継いで70℃から130℃まで3時間かけて昇温し、最後に130℃で1時間加熱して重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0048】
【実施例2】
MMA100重量部と、トリ(プロピレンオキサイド)ジオール(PO)、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(モル比:PO/TDI/HEMA=3/4/2)を縮合反応させてなる重合度が3のポリエーテル型ウレタンアクリレート[(1)−2]30重量部と、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(アクリロイルエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼン[(3)−1]20重量部の混合液に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2重量部とt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1重量部を添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、実施例1に示したと同じ加熱条件で重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0049】
【実施例3】
MMA100重量部と、ジ(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド)ジオール(EPO)、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、グリシドールジメタクリレート(GDMA)(モル比:EO/TDI/GD=2/3/2)を縮合反応させてなる重合度が2のポリエーテル型ウレタンアクリレート[(1)−3]30重量部と、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−メタクリロイルオキシプロパン−2−イルカルバメート[(4)−2]30重量部の混合液に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2重量部とt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1重量部を添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、実施例1に示したと同じ加熱条件で重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0050】
【実施例4】
MMA100重量部とエトキシ化ビスフェノールA(EB)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(モル比:EB/HMDI/HEMA=1/2/2)を縮合反応させてなる重合度が1のポリエーテル型ウレタンアクリレート[(1)−4]35重量部と、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート[(7)−1]25重量部の混合液に、ラウロイルパーオキサイド0.2重量部とベンゾイルパーオキサイド0.3重量部を添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、最初に60℃で2時間加熱し、継いで60℃から130℃まで3時間かけて昇温し、最後に130℃で1時間加熱して重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0051】
【実施例5】
MMA100重量部と、ジ(ブチレンオキサイド)ジオール(BO)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)(モル比:BO/HMDI/HEMA=1/2/2)を縮合反応させてなる重合度が1のポリエーテル型ウレタンアクリレート[(1)−5]30重量部と、トリス{N−(2−アクリロイルオキシエチル)}イソシアヌレート[(2)−1]15重量部と、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−メタクリロイルオキシエチルカルバメート[(4)−1]20重量部と、ジシクロペンタニルアクリレート[(5)−1]10重量部の混合液に、ラウロイルパーオキサイド0.2重量部とベンゾイルパーオキサイド0.3重量部とを添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、実施例4に示したと同じ加熱条件で重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0052】
【実施例6】
MMA100重量部と、エチレングリコール(EG)、アジピン酸(AD)、1,6−ヘキサンジオール(HD)(モル比:EG/AD/HD=1/2/2)を縮合反応させてなるポリエステルジオール(EAH)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(モル比:EAH/IPDI/PETA=1/2/2)を縮合反応してなる重合度が1のポリエステル型ウレタンアクリレート[(1)−6]20重量部の混合液に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5重量部を添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、最初に60℃で1時間加熱し、継いで60℃から130℃まで4時間かけて昇温し、最後に130℃で1時間加熱して重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0053】
【実施例7】
MMA100重量部と、エチレングリコール(EG)、テレフタル酸(TP)、1,6−ヘキサンジオール(HD)(モル比:EG/TP/HD=1/2/2)を縮合反応させてなるポリエステルジオール(ETH)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(HMDI)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)(モル比:ETH/HMDI/HPA=1/2/2)を縮合反応してなる重合度が1のポリエステル型ウレタンアクリレート[(1)−7]25重量部と、1,1,3,3,5,5−ヘキサキス(アクリロイルエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼン[(3)−1]20重量部の混合液に、ラウロイルパーオキサイド0.2重量部とベンゾイルパーオキサイド0.3重量部とを添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、実施例6に示したと同じ加熱条件で重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0054】
【実施例8】
MMA100重量部と、エチレングリコール(EG)、アジピン酸(AD)、1,4−ブタンジオール(BD)(モル比:EG/AD/BD=1/2/2)を縮合反応させてなるポリエステルジオール(EAB)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)(モル比:EAB/TMHMDI/HPA=1/2/2)を縮合反応してなる重合度が1のポリエステル型ウレタンアクリレート[(1)−8]30重量部と、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−メタクリロイルオキシプロパン−2−イルカルバメート[(4)−2]25重量部の混合液に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2重量部とt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1重量部とを添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、実施例1に示したと同じ加熱条件で重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0055】
【実施例9】
MMA100重量部と、エチレングリコール(EG)、イソフタル酸(IP)、1,6−ヘキサンジオール(HD)(モル比:EG/IP/HD=1/2/2)を縮合反応させてなるポリエステルジオール(EIH)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(HMDI)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(モル比:EIH/HMDI/HEMA=1/2/2)を縮合反応してなる重合度が1のポリエステル型ウレタンアクリレート[(1)−9]30重量部と、シクロヘキシルメタクリレート[(9)−1]20重量部の混合液に、ラウロイルパーオキサイド0.2重量部とベンゾイルパーオキサイド0.3重量部とを添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、実施例4に示したと同じ加熱条件で重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0056】
【実施例10】
MMA100重量部と、エチレングリコール(EG)、アジピン酸(AD)、1,6−ヘキサンジオール(HD)(モル比:EG/AD/HD=1/2/2)を縮合反応させてなるポリエステルジオール(EAH)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)(モル比:EAH/IPDI/HEA=2/3/2)を縮合反応してなる重合度が2のポリエステル型ウレタンアクリレート[(1)−10]20重量部と、トリス{N−(2−アクリロイルオキシエチル)}イソシアヌレート[(2)−1]15重量部と、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−メタクリロイルオキシカルバメート[(4)−1]25重量部と、イソボルニルメタクリレート[(8)−1]15重量部の混合液に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2重量部とt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1重量部とを添加混合し、その後脱気して重合に備えた。この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、実施例1に示したと同じ加熱条件で重合を行った。
重合中何ら異常は認められず、脱型の際にも樹脂板が割れることなく、面状態が良好な透明樹脂板を得た。
【0057】
【比較例1】
MMA100重量部に、ラウロイルパーオキサイド0.3重量部とベンゾイルパーオキサイド0.2重量部とを添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、最初に60℃で2時間加熱し、継いで60℃から130℃まで4時間かけて昇温し、最後に130℃で1時間加熱して重合を行った。
重合中70℃付近でガスケット近傍にワカメ現象が発生した。また、脱型の際にも樹脂板の一部にクラックが入った。
【0058】
【比較例2】
MMA100重量部と、トリス{N−(2−アクリロイルオキシエチル)}イソシアヌレート[(2)−1]20重量部の混合液に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2重量部とt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1重量部とを添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、比較例1に示したと同じ加熱条件で重合を行った。
重合中70℃付近で重合が暴走し、樹脂板のほぼ全面にワカメ現象が発生した。また、脱型の際にも樹脂板の大部分にクラックが入った。
【0059】
【比較例3】
MMA100重量部と、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−メタクリロイルオキシエチルカルバメート[(4)−1]20重量部と、シクロヘキシルアクリレート[(9)−1]10重量部の混合液に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2重量部とt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1重量部を添加混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を実施例1に示したと同じ注型重合用鋳型に注入し、実施例1に示したと同じ加熱条件で重合を行った。
重合中80℃付近でガスケット近傍にワカメ現象が発生した。また、脱型の際には樹脂板の一部にクラックが入った。
上記実施例1〜10および比較例1〜3について、組成物および組成比を表−1(表1)に、また樹脂の物性評価を表−2(表2)に示す。
【0060】
【表1】
Figure 2004217700
【0061】
【表2】
Figure 2004217700
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、透明性、低吸水性、耐熱性、剛性、耐薬品性、可とう性などに優れた3次元架橋型樹脂を、重合反応の暴走を伴うことなく生産性よく提供することができる。
また、本発明によれば、本発明の3次元架橋型樹脂から形成され、上記特性に優れた透明部材、ディスプレイ用透明部材、自動車用透明部材を提供することができる。

Claims (5)

  1. 〈1〉メチルメタクリレート、
    〈2〉下記一般式(1)(化1)で表される化合物、
    〈3〉ラジカル開始剤、
    を含有する組成物を重合してなることを特徴とする3次元架橋型樹脂。
    Figure 2004217700
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立にヒドロキシ(メタ)アクリレートの残基、Iは脂肪族系、芳香族系、または脂環族系ジイソシアネートの残基、Polはポリエーテルジオール、またはポリエステルジオールの残基を表す。また、nは1〜5の整数を表す。)
  2. 下記一般式(2)(化2)または一般式(3)(化3)で表される化合物を1種以上、更に含有する組成物を重合してなることを特徴とする請求項1記載の3次元架橋型樹脂。
    Figure 2004217700
    (式中、R3〜R5はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。また、nは1〜3の整数を表す。)
    Figure 2004217700
    (式中、R6〜R11はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。また、nは1〜3の整数を表す。)
  3. 下記一般式(4)(化4)で表わされる化合物を更に含有する組成物を重合してなることを特徴とする請求項1〜2記載の3次元架橋型樹脂。
    Figure 2004217700
    (式中、R12は水素原子又はメチル基を表す。)
  4. 下記一般式(5)(化5)〜(9)(化9)で表される化合物群から選ばれた一種以上の化合物を更に含有する組成物を重合してなることを特徴とする請求項1〜3記載の3次元架橋型樹脂。
    Figure 2004217700
    (式中、R13は水素原子又はメチル基を表す。また、nは0〜3の整数を表す。)
    Figure 2004217700
    (式中、R14は水素原子又はメチル基を表す。また、nは0〜3の整数を表す。)
    Figure 2004217700
    (式中、R15およびR16はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。)
    Figure 2004217700
    (式中、R17は水素原子またはメチル基を表す。)
    Figure 2004217700
    (式中、R18は水素原子またはメチル基を表す。)
  5. 請求項1〜4記載の3次元架橋型樹脂を成形してなる透明部材。
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