JP2004217457A - 光ファイバ用プリフォームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クラッド部および該クラッド部に包囲されたコア部を有する円筒状の形状をしたガラスからなる光ファイバ用プリフォームを作製し、前記光ファイバ用プリフォームの端部の少なくとも一方を溶断した溶断プリフォームを作製した後、該端部にダミーガラスロッドを溶着して該ダミーガラスロッドの部分に対して機械的な加工を行い、少なくとも一方の端部に実質的に該プリフォームの長手方向に垂直で平面の形状を有する光ファイバ用プリフォームを得る。または、前記溶断プリフォームと端部の形状が実質的に平面の形状を有するダミーガラスロッドを溶着して、少なくとも一方の端部に実質的に該プリフォームの長手方向に垂直で平面の形状を有する光ファイバ用プリフォームを得る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ用プリフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
「特許文献1」に開示されているように、ゲルマニウムが添加されたガラスは純石英ガラスよりも熱膨張係数が大きいため冷却時に歪みが残りやすく、ゲルマニウムを添加したガラスからなるコア部と前記コア部の周囲に位置する屈折率が前記コア部よりも低いガラスを成分とするクラッド部とを有する光ファイバ用プリフォームを機械的な手段で切断加工した際、前記コア部にクラックが発生しやすいことが一般的に知られている。特に、多量のゲルマニウムが添加されたコア部を有し、かつ前記コア部の材質とクラッド部の材質とが著しく異なった構造を有する光ファイバ用プリフォームにおいては、残留する歪みが大きいため、該プリフォームを機械的手段で加工した際にコア部におけるクラックの発生を避けることが困難である。
【0003】
例えば、近年の波長分割多重方式による伝送の技術の発展に伴い、ファイバ型部品として偏波面保持光ファイバが注目されている。その中でも、特に応力付与型の偏波面保持光ファイバは、比較的作製が容易であることに加え、低損失で偏波クロストーク特性に優れており温度変化や機械的な外乱による影響に対しても良好な偏波面保持特性を示すことから、光部品などに多く利用されている。この応力付与型の偏波面保持光ファイバは、図4に示すような断面構造を有しており、光伝送路となるコア2の両側に熱膨張係数をクラッド3よりも大きくしたガラスからなる応力付与部25’が配置されている。
【0004】
応力付与型の偏波面保持光ファイバ用プリフォームは、周知の方法で作られた光ファイバプリフォームを加工することで作製することができる。より具体的には、周知の方法で作られた光ファイバプリフォームのコア部と平行となるように二本の貫通孔を形成する。ここで、前記二本の貫通孔は、長手方向に垂直な断面においてコアに対して対称となる所定の箇所に位置する必要があり、この寸法の精度が製品に大きな影響を与えることになる。従って、精度の良い貫通孔を形成するために、貫通孔を形成する前の光ファイバ用プリフォームは、長手方向に対して精度の高い垂直な断面を持つことが必要である。続いて、前記二本の貫通孔に、コア部に応力を付与するために軟化温度と熱膨張係数がクラッド部と異なっているガラスからなる応力付与材を挿入して、加熱により前記光ファイバ用プリフォームと前記応力付与材を一体化した後、線引きすることにより、応力付与型の偏波面保持光ファイバを得ることができる。
【0005】
上述の光ファイバを偏波面保持化させる技術を応用して、様々なタイプの光ファイバが開発されている。その一つとして、光ファイバの非線形効果を積極的に利用した応力付与型の偏波面保持高非線形光ファイバが知られている。高非線形光ファイバでは、光ファイバの非線形性を高めるために、光ファイバ用プリフォームのコアとクラッドの比屈折率差Δを大きくするが、これに伴いコアとクラッドの材質の違いから熱膨張係数や粘度の違いが大きくなり、コアに大きな歪みが生じる。このようなΔの大きい光ファイバ用プリフォームの少なくとも一方の端部が、実質的に該プリフォームの長手方向に垂直で平面の形状の端面を有する光ファイバ用プリフォームへ加工するために、ダイヤモンドカッター等の機械的手段で切断すると、切断の衝撃でコア部にクラックが発生する。その後の研削、研磨、組立作業を経る間に、発生したクラックがコアの長手方向に進展し、光ファイバ用プリフォ−ムの殆どが使用不能になることがある。結果として、光ファイバの製造の歩留まりを著しく低下させてしまうと言う問題がある。
【0006】
この解決手段として、従来から「特許文献2」の実施形態1に開示されている作製方法が知られている。この作製方法は以下のとおりである。
【0007】
まず、図5(a)に示すように、気相合成法によりコア15を含むコアロッド14を作製する。16はクラッドである。
【0008】
次に、図5(b)に示すように、コアロッド14を適当な径に延伸して適当な長さに溶断して、その両端に同じ径のダミーガラスロッド17を接続する。
【0009】
次に、図5(c)に示すように、任意の本数のコアロッド14をダミーガラスロッド17を介して接続し、その両端にサポートガラスロッド18を接続して外付け用コアロッド19とする。
【0010】
次に、図5(d)に示すように、前記外付け用コアロッド19の周辺に外付けでスート20を形成する。
【0011】
次に、図5(e)に示すように、周知の方法で外付けしたスート20を透明ガラス化し、不連続なコアを含む光ファイバ用プリフォーム21を作製する。
【0012】
次に、図5(f)に示すように、コアの存在しない位置で前記光ファイバ用プリフォーム21を長手方向に対して垂直に切断し、両端部にコアが存在せず、両端部が実質的に該プリフォームの長手方向に垂直で平面の形状の端面を有する加工前プリフォーム22を得る。
【0013】
次に、前記加工前プリフォーム22の応力付与部となる位置に貫通孔24を開け、加工プリフォーム23を作製する(図5(g))。
【0014】
続いて、図5(h)に示すように、周知の方法で加工プリフォーム23と応力付与材25、ガラスパイプ26、口出し部27、ガラス蓋28、ガラスロッド29を一体化して線引プリフォーム30を作製し、線引を行うことで応力付与型の偏波面保持光ファイバを作製する。ここで、ガラスパイプ26は、線引きプリフォーム30を線引炉に導入するための支持棒である。また、口出し部27は線引き時に口出しを行うためのものである。また、ガラス蓋28は線引前に加工後プリフォーム23を加熱して応力付与材25を溶融させる際に、熱膨張率の大きい応力付与材25が貫通孔24から溢れることを防止するためのものであり、ガラスロッド29はガラス蓋28を押さえるためのおもりとなるものである。
【0015】
また、「特許文献2」の実施形態2に、コアロッドに対してスートの外付けではなく、コアロッドの周囲にシリカ粉末を配置して加圧することにより多孔質成形体を形成し、所定の熱処理を施すことにより光ファイバ用プリフォームを作製する方法も開示されている。
【0016】
上述の「特許文献2」に開示された発明によれば、光ファイバ用プリフォームの両端部にコアの存在しない部位を作製し、その部位に対して切断加工等の機械的な加工を行うため、コアにクラックが発生する恐れが少なくなる。
【0017】
特許文献1:特開平10−72227号公報
特許文献2:特開平11−199260号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、「特許文献2」の実施形態1及び実施形態2に開示されているコアロッドに対してスートの外付けもしくはシリカ粉末の成形を行った後に周知の方法により透明ガラス化を行って光ファイバ用プリフォームを作製する一連の工程において、光ファイバ用プリフォームの一部に後工程や製品の品質に影響を与えるような気泡の発生や異物の混入等の異常部位が発生することがある。通常、このような異常部位が発生した場合、前記異常部位を切断により除去した後、残りの問題の無い部分を製造の後工程へと進行させる。
【0019】
しかし、前記光ファイバ用プリフォームでは、コアの存在しない部位のみにしか機械的な手段によって切断を行うことができないため、コアが存在する領域と前記コアの両端に位置するコアが存在しない領域を合わせた部分を一つの単位とした場合、例え小さな領域であっても異常部位が存在している場合は、その一単位の全体を使用不可能な不良品として扱わなければならない。従って、光ファイバ用プリフォームの製造において、著しく歩留まりを悪化させてしまうことになる。
【0020】
また、上述の異常部位の除去手段として、酸水素火炎等を用いた溶断により異常部分を切断する方法がある。この方法では機械的な手段の切断と比較するとコア部にクラックが発生する恐れが極めて少なくなるが、異常部が除去された後は、該プリフォームの構造上、コア部が連続して存在する部分が限られていることに加え、溶断作業時に引き伸ばされることにより変形した使用できない部分が形成されることから、前記一単位としたプリフォームのサイズが小さくなり、得られる光ファイバが短くなってしまうために製造の効率が極めて悪くなってしまうという問題がある。
【0021】
また、「特許文献2」の実施形態1及び実施形態2に開示されている、コアロッドに対してスートの外付けもしくはシリカ粉末の成形を行った後に、周知の方法により透明ガラス化を行って光ファイバ用プリフォームを作製する工程では、透明ガラス化工程の際に収縮が起こるため、あらかじめ得られる光ファイバ用プリフォームが所望の大きさとなるように計算を行う必要があり、手間がかかるため作業の効率が悪く、製造を行う上で問題があった。
【0022】
さらに、コアが存在しない部位のみにしか機械的な切断を行うことができないことから、光ファイバ用プリフォームの長さが制限されてしまうため、例えば組となる応力付与材の長さに合わせるなどの目的に応じて該プリフォームを任意の長さに調整する事ができず、無駄が生じるという問題があった。
【0023】
加えて、「特許文献2」の実施形態1に開示された方法では、外付け用のコアロッドは、任意の本数のコアロッドをダミーガラスロッドを介して接続し、さらにその両端にサポートガラスロッドを接続することにより作製されている。この方法では、接続箇所が多いために、両端に位置する二本のサポートガラスロッドを結んだ外付け用コアロッド全体の中心軸に対して、各々のコアロッドの中心軸が一致せずに接続されてしまう軸ずれが発生しやすくなる。このような軸のずれた外付け用コアロッドに対してスートを外付けした場合、各々のコアロッドに対して径方向に不均一にスートが堆積することになる。その結果、以降の工程で、周知の方法により脱水及び透明透明ガラス化を行うことにより得られた光ファイバ用プリフォームは、コアが変形したり、クラッドの中心軸に対してコアの中心軸がずれたところに位置したりすることになるため、前記光ファイバ用プリフォームを線引きして得られた光ファイバに、光学特性不良やコアの偏心による特性不良が発生することになる。
【0024】
このように、最終的なクラッドが形成されていない段階であるコアロッドの状態で、ダミーガラスロッドの接続加工を施してコアの存在しない部位を形成する方法は、光ファイバの製造の歩留まりを悪化させるという問題があった。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の問題を解決すべくなされたもので、最終的なクラッドまで形成した光ファイバ用プリフォームの端部を酸水素火炎等により所定の長さに溶断して作製した溶断プリフォームに対して、前記溶断プリフォームの該端部にダミーガラスロッドを溶融接続させたダミーガラス接続プリフォームを作製した後、前記ダミーガラス接続プリフォームのダミーガラスロッドの部分をダイヤモンドカッターを用いた切断加工等の機械的な手段で加工することによって実質的に該プリフォームの長手方向に対して垂直な平面の形状である端面を有する加工前プリフォームを得ることを特徴とする光ファイバ用プリフォームの製造方法である(請求項1、及び請求項2)。
【0026】
また、本発明は、前記溶断プリフォームに溶着する前のダミーガラスロッドの少なくとも一方の端面が実質的に平面の形状を有しており、前記溶断プリフォームと前記ダミーガラスロッドを溶着して作製したダミーガラス接続プリフォームの端部が、溶着後のダミーガラスロッドに対する機械的な加工の実施を伴うことなく、実質的に該プリフォームの長手方向に垂直で平面の形状の端面となっていることを特徴とする光ファイバ用プリフォームの製造方法である(請求項3)。
【0027】
通常、光ファイバ用プリフォームのコア部が存在する部分に対して切断を行う場合、ダイヤモンドカッター等の機械的な手段で切断を行うとコアの切断部にクラックが発生する。しかし、本発明では酸水素火炎等により溶断を行うためにコア部にクラックが発生する恐れが極めて少なくなる。そこで、本発明によれば、「特許文献2」に開示された発明で実施することができなかった光ファイバ用プリフォームを任意の長さに切断することを可能とし、光ファイバ用プリフォームに異常部位が存在している場合、前記異常部位を取り除くことが可能となる。
【0028】
さらに本発明では、組となる応力付与材の長さに合わせるなどの目的に応じて任意のプリフォーム長に切断することが可能であるため、無駄を生じさせることが無くなり製造の歩留まりが向上する。
【0029】
加えて、本発明では、最終的なクラッドまで形成した光ファイバ用プリフォームに対してコアの存在しない部位を形成させる。従って、「特許文献2」に開示されているように最終的なクラッドが形成されていない状態であるコアロッドの段階においてコアの存在しない部位を形成する場合と比較すると、コアの変形やコアのクラッドに対する偏心を生じる恐れが著しく減少するため、不良の発生する恐れが少なくなり、製造の歩留まりが向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)以下、図面に基づいて本発明の実施の形態の一例を説明する。
図1(a)〜(e)は、本発明にかかる応力付与型の偏波面保持光ファイバ用プリフォームの製造方法の一実施形態の説明図である。本実施形態の製造工程は以下の通りである。
【0031】
図1(a)に示すように、VAD法やMCVD法などの一般的な方法によりコアロッドを作製した後、外付け法などによりスートプリフォームを合成し、脱水、透明ガラス化、延伸等を経て、最終的なクラッド3まで形成したコア2を含む光ファイバ用プリフォーム1を作製する。4はサポートガラスロッドである。
【0032】
次に、図1(b)に示すように、光ファイバ用プリフォーム1を適当な外径になるように延伸した後、適当な長さに溶断する。5は溶断後の溶断プリフォームである。
【0033】
次に、図1(c)に示すように、前記溶断プリフォーム5の両端に同じ径のダミーガラスロッド6を溶着させたダミーガラス接続プリフォーム7を作製する。
【0034】
次に、ダミーガラス接続プリフォーム7のダミーガラスロッド6の部分に対して、ダイヤモンドカッターによる機械的な切断加工を行い、図1(d)に示すように、両端部が実質的に該プリフォームの長手方向に対して垂直な平面の形状の端面を有する加工前プリフォーム8を作製する。
【0035】
続いて、得られた加工前プリフォーム8に対して、図5に示した周知の方法に従い、応力付与型の偏波面保持光ファイバ用プリフォームを作製することができる。なお、前記加工前プリフォーム8は、図5(f)に示した加工前プリフォーム22に相当する。
【0036】
ここで、上述のダミーガラス接続プリフォーム7を加工前プリフォーム8の形状へと加工する工程、すなわち光ファイバ用プリフォームの端部を平面形状に加工する工程は、後の工程において該プリフォームに貫通孔を形成するための加工を実施するために必要とされる。通常、貫通孔の形成には、回転砥石やドリル、超音波等を利用した高精度の加工技術能力を有する孔あけ加工設備が用いられる。特に、光ファイバ用プリフォームの加工では、その加工の寸法精度が、得られる光ファイバの光学的な特性等に直接影響を与えることになる。そこで、最終的な貫通孔の寸法精度に大きな影響を与える下孔加工を行う際には、下孔加工が行われる光ファイバ用プリフォームの端部を実質的に該プリフォームの長手方向に対して垂直で平面の形状の端面に加工し、砥石やドリル等の加工工具に対して、プリフォームの端面に対して垂直な方向のみの力が与えられるようにして、貫通孔の加工位置のずれや貫通孔の長手方向の曲がり等を誘発する原因となるような前記加工具に対する異常な方向への力を極力発生させないようにする。この結果、その後の加工においても該プリフォームの長手方向に対して平行方向に曲がり等の異常を生じさせることなく貫通孔を形成することができる。
【0037】
なお、実質的にプリフォームの長手方向に対して垂直で平面の形状を有する形状の端面とは、上述のプリフォームに貫通孔を形成する加工を行うことができる程度に長手方向に対して垂直であって、且つ平面状の形状を有する端面のことをいう。つまり、理想的には寸法精度の面において厳密にプリフォームの長手方向に対して垂直で平面の形状となっていることが望ましいが、例えば該端面の形状が完全な平面をなさず、若干の段差や凹凸、曲面部分が存在していたとしても、上述の加工を実施することが可能であるという条件を満たしていれば特に問わない。
【0038】
さらに、下孔加工を含む、貫通孔を形成するための一連の加工工程に対して影響を及ぼさず、さらにその後の工程に影響を及ぼすような問題がなければ、該プリフォームの端面が全面にわたり前記形状を有している必要はなく、前記端面において、少なくとも上述の貫通孔を形成する加工を行うために必要な部位のみが前記形状を有していれば良いことは言うまでもない。
【0039】
ところで、上述の実施形態では、溶断プリフォーム5の両端に溶着させるダミーガラスロッド6の径を前記溶断プリフォーム5と同じにしたが、後の製造工程において支障が無ければ、ダミーガラスロッド6の径に関しては特に問わない。
すなわち、ダミーガラスロッド5の長手方向に対して、必ずしも均一な径である必要はなく、例えばテーパ状の形状や、径が異なる複数本のガラスロッド同士を接続するなどして得た長手方向の複数箇所に異なった径の部分が存在する形状を有するダミーガラスロッドを用いても構わない。
【0040】
また、上述の実施形態では、光ファイバ用プリフォーム1の両端部に対して溶断を行った後、溶断プリフォーム5の両端部に対してダミーガラスロッド6を接続してコアの存在しない部位を形成したが、目的に応じて、光ファイバ用プリフォーム1の一方の端部のみに対して溶断やダミーガラスロッドの接続を行い、コアの存在しない部位を形成しても良い。
【0041】
また、上述の実施形態では、ダミーガラスロッド6の部分を上述の形状にするための機械的な切断加工の方法としてダイヤモンドカッターを用いたが、例えばワイヤソーやダイヤモンド砥粒以外の材質からなる砥石などダイヤモンドカッター以外の周知の機械的な切断加工の手段を用いても良いことは言うまでもない。
【0042】
さらに、機械的な加工によって上述の形状を得る方法は、切断加工に限らない。すなわち、上述の形状を得ることを目的として前記ダミーガラスロッドに対して行われる加工作業において、切断加工を伴わない研削加工や研磨加工等の他の方法のみによる機械的な加工も含み、当然ながら上述の切断加工や研削加工、研磨加工等の異なる複数の機械的な加工方法を組み合わせても良い。加えて、前記機械的な加工の後の端面に対してフッ化水素酸によるエッチング等の化学的な処理や火炎による研磨等の加工方法を組み合わせたり、ガラスカッター等によりガラスロッドを切断する箇所の周囲に切込みを入れた後に熱的な衝撃を与えて径方向に切断したりする方法など、少なくとも前記加工工程の一部に機械的な加工を有している加工方法も含む。
【0043】
ところで、前記切断加工の際に残しておくダミーガラスロッドの部分の長さは特に問わないが、あまり短くすると、前記切断加工を行う部分がプリフォームのコア部に近づくことになるため、加工作業の際に生じる振動等の衝撃によってコア部にクラックが発生する恐れが増すことになるため望ましくない。一方、必要以上に長くすると、例えば後の工程である貫通孔を形成するための加工の際に必要以上に加工を行わなければならない部分が多くなったり、応力付与材と一体化して線引きプリフォームを作製する際に前記応力付与材に無駄な部分が多く生じたりするなど製造の効率の悪化をもたらすことになる。これらの観点から、前記ダミーガラスロッドの部分に対するガラスカッターによる切断加工の際には、2〜20mm程度の前記ダミーガラスロッドの部分を残しておくことが望ましい。
なお、研磨加工等の切断加工以外の加工を行う場合は、この限りではない。
【0044】
(実施形態2)図2は、本発明の他の実施形態の説明図である。
図2(a)に示すように、溶断プリフォーム5の両端部に対して、端部の形状が実質的に平面の形状を有し、且つ適当な長さを有しているダミーガラスロッド9を溶着することにより、両端部が実質的に該プリフォームの長手方向に対して垂直で平面の形状の端面を有する加工前プリフォーム10を作製する(図2(b))。
【0045】
ここで得られた加工前プリフォーム10は、図1(d)で示した実施形態1の加工前プリフォーム8と同等のものであり、続いて、実施形態1と同様に図5に示した周知の方法に従い、応力付与型の偏波面保持光ファイバ用プリフォームを作製することができる。なお、図2において、図1と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
(実施形態3)実施形態1におけるダミーガラスロッド6の材質については、溶断プリフォーム5との接続が良好であり、且つダミーガラスロッド6がダイヤモンドカッターによる切断等の機械的な手段で加工された際にクラックを生じず、後の製造工程に対して問題を生じないと言う条件を満たしていれば、純粋な石英ガラスに限らず、例えばGe、F、B、P、Al、Cl、Na、K、Ca等の適当なドーパントがドープされた石英ガラスであっても良い。
【0047】
さらに、上述の条件を満たしていれば、ダミーガラスロッド6の材質については、必ずしも均質な組成である必要がないことは言うまでもない。例えば、ダミーガラスロッド6の材質を制御することによって、化学的性質や軟化温度等の特性を調整することができる。
【0048】
そこで、例えば、ダミーガラスロッド6と溶断プリフォーム5のコア2やクラッド3との接合特性を良好にして作業を容易にする目的で、図3に示すようにコア2とクラッド3にほぼ対応させた位置に合わせて第1のガラス層12と第2のガラス層13を配置した二層からなる均質でない組成のダミーガラスロッド11を用いても良い。ここで、第1のガラス層12、および第2のガラス層13は、上述の例で示したような適当なドーパントがドープされた石英ガラスからなり、それぞれコアとの接合が良好な組成を有するガラス、およびクラッドとの接合が良好な組成を有するガラスから構成されている。また、ダミーガラスロッド11は、必ずしも二層の構造を有する必要はなく、溶断プリフォーム5の構造に合わせて、三層以上の複数の層、もしくは多層ではない構造を有する均質でない組成のものであっても良いことは言うまでもない。なお、図3において、図1と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
なお、本実施形態3は、実施形態2にも適用が可能であることは言うまでもない。
【0050】
(実施例)実施例に基づいて具体的に説明する。
VAD法で作製した比屈折率差2.8%のコアロッドにSiO2スートを外付けし、周知の方法により脱水及び透明透明ガラス化、延伸を行うことにより、全長が約1000mmの光ファイバ用プリフォームを作製した。この光ファイバ用プリフォームを酸水素火炎により長さ約150mmの長さに溶断した溶断プリフォームを作製した後、前記溶断プリフォームの各両端部に対して、別に用意した二本の石英ガラス製のダミーガラスロッドの端部を溶着させたダミーガラス接続プリフォームを作製した。次に、前記ダミーガラス接続プリフォームのダミーガラスロッドの部分に対して、コア部を有する光ファイバ用プリフォームの本体部分との接続面から約15mmの位置をダイヤモンドカッターで機械的な切断を行うことにより、両端部が実質的に該プリフォームの長手方向に対して垂直で平面の形状の端面を有する長さ約180mmの加工前プリフォームを得た。その後、図5に示した周知の方法に従い、線引プリフォームを作製し、周知の加熱延伸法により線引きして、外径125μmの応力付与型の偏波面保持光ファイバを得た。
【0051】
なお、本発明の方法は、応力付与型の偏波面保持光ファイバ用プリフォームの作製に限らず、いわゆる空孔付加型光ファイバ用プリフォームの作製等の光ファイバ用プリフォームの端部に機械的な加工を行う必要がある光ファイバ用プリフォームの製造の際にも用いることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のことから、本発明によれば、光ファイバ用プリフォームの製造において、コアに損傷を与えることなく加工を行うことができる。さらに、目的に応じて任意のプリフォーム長に切断することが可能であるため無駄を生じさせることが無くなることに加え、ファイバ化後にコアの変形やコアのクラッドに対する偏心を生じる恐れが著しく減少するため不良の発生する恐れが少なくなり、製造の歩留まりが向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の実施形態1の説明図である。
【図2】本発明の実施形態2の説明図である。
【図3】本発明の実施形態3の説明図である。
【図4】応力付与型の偏波面保持光ファイバの断面図である。
【図5】(a)〜(h)は、従来の応力付与型の偏波面保持光ファイバ用プリフォームの製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ用プリフォーム
2 コア
3 クラッド
4 サポートガラスロッド
5 溶断プリフォーム
6 ダミーガラスロッド
7 ダミーガラス接続プリフォーム
8 加工前プリフォーム
9 ダミーガラスロッド
10 加工前プリフォーム
11 ダミーガラスロッド
12 第1のガラス層
13 第2のガラス層
Claims (3)
- クラッド部および前記クラッド部に包囲されたコア部を有する円筒状の形状をしたガラスからなる光ファイバ用プリフォームを作製する第1工程と、前記光ファイバ用プリフォームの端部の少なくとも一方を溶断した溶断プリフォームを作製する第2工程と、前記溶断プリフォームの溶断された端部の少なくとも一方に対してダミーガラスロッドを溶着して、少なくとも一方の端部にダミーガラスロッドが接続されたプリフォームからなるダミーガラス接続プリフォームを作製する第3工程と、前記第3工程で作製したダミーガラス接続プリフォームのダミーガラスロッドの部分に対して機械的な加工を行う第4工程とを具備することを特徴とする光ファイバ用プリフォームの製造方法。
- 前記第4工程で作製した加工前プリフォームの端部の少なくとも一方が、実質的に前記加工前プリフォームの長手方向に垂直で平面の形状の端面を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用プリフォームの製造方法。
- クラッド部および前記クラッド部に包囲されたコア部を有する円筒状の形状をしたガラスからなる光ファイバ用プリフォームを作製する第1工程と、前記光ファイバ用プリフォームの端部の少なくとも一方を溶断した溶断プリフォームを作製する第2工程と、前記溶断プリフォームの溶断された端部の少なくとも一方に対して、端部の形状が実質的に平面の形状を有しているダミーガラスロッドを溶着して、少なくとも一方の端部にダミーガラスロッドが接続されたプリフォームからなるダミーガラス接続プリフォームを作製する第3工程とを具備し、
前記第3工程で作製したダミーガラス接続プリフォームの端部の少なくとも一方が、溶着後のダミーガラスロッドに対する機械的な加工の実施を伴うことなく、実質的に前記ダミーガラス接続プリフォームの長手方向に垂直で平面の形状の端面を有することを特徴とする光ファイバ用プリフォームの製造方法。
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KR100958270B1 (ko) | 2007-05-09 | 2010-05-19 | 후루카와 일렉트릭 노쓰 아메리카 인코포레이티드 | 광섬유 프리폼들에서 낮은 D/d 비 코어 로드들의 클래딩대 코어 비(D/d)를 증가시키는 방법 |
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