JP2004217413A - エレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータかごの側面に救出口を有するエレベータにおいて、やむを得ず救出口と調速機をエレベータかごの同じ側の側面に配置する場合であっても、救出口と調速機ロープとが重ならない、救出作業時における作業性、安全性の向上したエレベータ装置を得る。
【解決手段】機械室10に上部綱車12を有する調速機11を、昇降路1下部に下部綱車13をそれぞれ配置し、上部そらせ車16および下部そらせ車17により、上部綱車12から懸垂する調速機ロープ14を水平方向に変位させることで、昇降路1内を昇降するエレベータかご3の救出口5と調速機ロープ14とが重ならないように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】機械室10に上部綱車12を有する調速機11を、昇降路1下部に下部綱車13をそれぞれ配置し、上部そらせ車16および下部そらせ車17により、上部綱車12から懸垂する調速機ロープ14を水平方向に変位させることで、昇降路1内を昇降するエレベータかご3の救出口5と調速機ロープ14とが重ならないように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータかごの側面に救出口を有するエレベータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高層ビルなどで用いられるエレベータでは、建物を複数の階床ごとでいくつかのゾーンに区切り、各ゾーンごとにそれぞれエレベータかごを割り当て、それぞれのエレベータかごはその担当ゾーン以外の途中階には停止しないという、いわゆる急行ゾーンを設けてエレベータのサービスを行う方式が一般的である。このような急行ゾーンを有するエレベータでは、エレベータかごの側面に救出口が備えられており、この救出口は、乗場が設けられていない急行ゾーンでかごが不時停止した場合に、隣接するかごを不時停止したかごと同じ高さの位置に停止させ、かご内の乗客を救出するために用いられる。ここで、エレベータかごの周辺には、かごの昇降に必要な各機器が配置されるため、調速機については、各機器の配置レイアウト等の制約により、救出口と同じ側のかご側面に配置されるのが一般的であった。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−272674号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようなエレベータかごの側面に救出口を有するエレベータでは、従来、調速機ロープは調速機の綱車と張り車との間でのみ巻き掛けられていたことにより、調速機の綱車および張り車の直径によってエレベータかごと調速機ロープとの位置関係が決定されてしまい、その結果、調速機ロープが救出口と重なるように配置されていた。そのため、エレベータかごが不時停止してしまった場合に、この不時停止したエレベータかごの救出口と隣接するエレベータかごの救出口との間に救出用の渡し板を設置する際に、作業者が人力でロープをずらす必要があるなど、作業性に問題があった。
【0005】
そこで、本発明では、エレベータかごの側面に救出口を有するエレベータにおいて、各機器の配置などの制約により、やむを得ず救出口と調速機をエレベータかごの同じ側の側面に配置する場合であっても、救出口と調速機ロープが重ならないようにし、これにより、救出作業時における作業性、安全性の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のエレベータ装置は、正面に出入口、側面に救出口がそれぞれ設けられ、昇降路内を昇降するエレベータかごと、エレベータかごの救出口側に、エレベータかごの昇降区間より上方および下方にそれぞれ配置された、上部綱車を有する調速機および下部綱車、あるいは上部綱車および下部綱車を有する調速機と、上部綱車および下部綱車に巻き掛けられて上部綱車と下部綱車との間に環状に張り渡された調速機ロープと、それぞれ上部綱車および下部綱車の近傍に設置され、上部綱車から懸垂する調速機ロープが巻き掛けられ、懸垂する調速機ロープを水平方向に変位させる上部そらせ車および下部そらせ車とを備え、昇降路内を昇降するエレベータかごの救出口と調速機ロープとが重ならないようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略する場合がある。
【0008】
図1は、この発明の実施の形態によるエレベータ装置をエレベータかごの救出口側から見た側面図である。図2は、図1におけるエレベータ装置を上方から見下ろした平面図である。
【0009】
図1、図2では、昇降路1内にエレベータかご3が二台並列に配置されている。それぞれのエレベータかご3は、かご3の両側面に対向する一対のガイドレール2に案内されて昇降路1内を昇降する。二台のエレベータかご3には、それぞれのかご3の正面に出入口4が設けられており、二台のエレベータかご3が対向しあう側面には、それぞれ救出口5が設置されている。救出口5は、救出扉5aにより開閉が行われる。なお、本明細書中で、説明の便宜上、図2の左側のエレベータかごを不時停止したエレベータかご3aとし、隣接する右側のエレベータかごを救出に用いるエレベータかご3bとする場合がある。
【0010】
機械室10には、上部綱車12を有する調速機11が設置されている。なお、機械室10には、巻上機など(図示せず)の他の機器も配置されている。昇降路1下部には、下部綱車13が配置され、ここでは張り車として用いられている。また、上部綱車12の近傍、この実施の形態では、上部綱車12に対して機械室10の底面を間に挟んで昇降路1内の上部に上部そらせ車16が配置されている。また、下部綱車13の近傍に、下部そらせ車17が配置されている。すなわち、上部そらせ車16、下部そらせ車17は、ともに昇降路1内に配置されている。ここで、本発明では、単一のそらせ車を単位そらせ車18と称し、上部そらせ車16および下部そらせ車17は、単位そらせ車18を一つまたは複数個用いて構成されたものとして扱う。なお、この実施の形態では、上部そらせ車16、下部そらせ車17はそれぞれ一対の単位そらせ車18によって構成されており、詳細は後述によるが、ガイドレール2に取付腕19(図3参照)を介して設置されている。また、調速機11は、上部綱車12を有して機械室10に配置されている例を示しているが、調速機11は、下部綱車13を有し、昇降路1下部に配置される構成であってもよく、その場合には、上部綱車12が張り車として用いられる。
【0011】
次に、調速機ロープ14は、調速機11の上部綱車12と下部綱車13に巻き掛けられて、上部綱車12と下部綱車13との間に環状に張り渡されている。また、調速機ロープ14は、上部そらせ車16、下部そらせ車17にも巻き掛けられており、調速機11の上部綱車12に巻き掛けられて対向して懸垂する調速機ロープ14が、上部そらせ車16、下部そらせ車17によって水平方向に変位させられており、対向する調速機ロープ14との間隔が広げられている。なお、張り車用おもり15が下部綱車13に懸垂することで調速機ロープ14に所定の張力が与えられている。このように上部そらせ車16、下部そらせ車17を用い、調速機ロープ14を水平方向に変位させるようにすることで、エレベータかご3の救出口5と調速機11が同じ側のかご3側面に配置される場合であっても、エレベータかご3の救出口5と調速機ロープ14が重ならないように配置されていることで、救出時に不時停止したエレベータかご3aに、隣接するエレベータかご3bから救出用の渡し板6を渡す際に、調速機ロープ14が渡し板6に干渉することをなくすことができ、救出時の作業性、安全性を向上できる。
【0012】
ここで、エレベータかご3側面の救出口5は、人が移動するための出入口であるため、法令により、救出口5の有効幅は350mm以上と定められている。また、調速機11として使用される綱車の直径は主に240〜320mm程度である。そのため、救出口5に調速機ロープ11が重ならないようにするためには、対向する調速機ロープ14の間隔を救出口5の有効幅350mm以上確保する必要がある。したがって、本発明では、上部そらせ車16、下部そらせ車17を用いて救出口5と調速機ロープ14が重ならないようにロープ間隔を設定するが、好ましいロープ間隔としては、余裕をみて調速機ロープ14の中心間で380mm以上とすることが望ましい。なお、ロープ間隔の上限としては、600mmから救出口5の有効幅の2倍の700mm程度あれば十分である。
【0013】
次に、図3は、この発明の実施の形態によるエレベータ装置で用いるそらせ車の配置例を示す図である。図3(A)は、図1と同様に昇降路の側面方向からみた側面図であり、実線により、昇降路内の上部に配置された上部そらせ車の配置を主に示し、二点鎖線により、対応する下部そらせ車の配置も示すものである。また、図3(B)は、図3(A)を昇降路の上方から見下ろした平面図である。
【0014】
図3より、前述のように、上部そらせ車16、下部そらせ車17は、ともに取付腕19を介してガイドレール2に設置されている。この実施の形態においては、昇降路1の上部および下部において、同一形状の取付腕19がそれぞれガイドレール2にレールクリップ20を用いて固定されている。ここで、上部そらせ車16、下部そらせ車17を構成する単位そらせ車18は、次のように取付腕19に配列して装備されている。単位そらせ車18は、取付腕19のそらせ車取付面19a上に仮想した四角形の各頂点位置を単位そらせ車18の回転中心として取り付けられる。上部そらせ車16は、四角形の対角線上にある二つの頂点に対応する位置を回転中心としてそれぞれ取付腕19に取り付けられた一対の単位そらせ車18によって構成されている。下部そらせ車17は、図3(A)で二点鎖線で示すように、四角形のもう一方の対角線上にある二つの頂点に対応する位置を回転中心としてそれぞれ取付腕19に取り付けられた一対の単位そらせ車18によって構成されている。
【0015】
さらに詳述すると、取付腕19のそらせ車取付面19a上に仮想した四角形は、四角形の一方の対辺がともに昇降路1の上下方向と平行になるように設定されている。また、上部そらせ車16を例に説明すると、単位そらせ車18は、ガイドレール2に近く、かつ上部綱車12に近い四角形の頂点に対応する位置とその対角線上にある頂点に対応する位置とを回転中心に用いて取り付けられている。そのため、調速機ロープ14の巻き掛けられ方としては、上部綱車12に巻き掛けられて懸垂する調速機ロープ14が、ガイドレール2に近く、かつ上部綱車12に近い単位そらせ車18に最初に巻き掛けられ、次にこの単位そらせ車18の対角線上にある単位そらせ車18に巻き掛けられ、対向する調速機ロープ14の間隔が水平方向に変位させられている。下部そらせ車17についても、同様にして単位そらせ車18が配置されるので、その説明を省略する。
【0016】
以上より、この実施の形態にかかるエレベータ装置では、上部そらせ車16、下部そらせ車17を用いて対向する調速機ロープ14の間隔を水平方向に変位させることで、救出口5と調速機ロープ14とが重ならないようにすることができる。そのため、調速機11の綱車や張り車(上部綱車12または下部綱車13)の直径を変更する必要がなく、標準のままで本発明のエレベータへの実装・適用が可能となる。また、上部そらせ車16、下部そらせ車17を取付腕19を介してガイドレール2によって昇降路1内に配置することで、機械室10などに配置する場合と比べて建築との取り合いを考慮することなく、そらせ車の設置が可能となる。また、取付腕19に対する単位そらせ車18の取り付け方を変更するだけで、一種類のそらせ車および取付腕で、上部そらせ車16、下部そらせ車17の双方に対応できるようになり、部品の共通化、生産性の向上を図ることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明にかかるエレベータ装置は、以上のように構成されているので、やむを得ず救出口と調速機を同じ側のかご側面に配置する場合であっても、救出口と調速機ロープが重ならないように配置されていることで、救出用渡し板を隣接するエレベータかごから不時停止したエレベータかごに渡す際に、渡し板と調速機ロープの干渉を無くし、救出時の作業性、安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態によるエレベータ装置をエレベータかごの救出口側から見た側面図である。
【図2】図1におけるエレベータ装置を上方から見下ろした平面図である。
【図3】この発明の実施の形態によるエレベータ装置で用いるそらせ車の配置例を示す図である。
【符号の説明】
1 昇降路、 2 ガイドレール、 3 エレベータかご、 5 救出口、 6 渡し板、 10 機械室、 11 調速機、 12 上部綱車、 13 下部綱車、 14 調速機ロープ、 16 上部そらせ車、 17 下部そらせ車、 18 単位そらせ車、 19 取付腕。
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータかごの側面に救出口を有するエレベータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高層ビルなどで用いられるエレベータでは、建物を複数の階床ごとでいくつかのゾーンに区切り、各ゾーンごとにそれぞれエレベータかごを割り当て、それぞれのエレベータかごはその担当ゾーン以外の途中階には停止しないという、いわゆる急行ゾーンを設けてエレベータのサービスを行う方式が一般的である。このような急行ゾーンを有するエレベータでは、エレベータかごの側面に救出口が備えられており、この救出口は、乗場が設けられていない急行ゾーンでかごが不時停止した場合に、隣接するかごを不時停止したかごと同じ高さの位置に停止させ、かご内の乗客を救出するために用いられる。ここで、エレベータかごの周辺には、かごの昇降に必要な各機器が配置されるため、調速機については、各機器の配置レイアウト等の制約により、救出口と同じ側のかご側面に配置されるのが一般的であった。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−272674号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようなエレベータかごの側面に救出口を有するエレベータでは、従来、調速機ロープは調速機の綱車と張り車との間でのみ巻き掛けられていたことにより、調速機の綱車および張り車の直径によってエレベータかごと調速機ロープとの位置関係が決定されてしまい、その結果、調速機ロープが救出口と重なるように配置されていた。そのため、エレベータかごが不時停止してしまった場合に、この不時停止したエレベータかごの救出口と隣接するエレベータかごの救出口との間に救出用の渡し板を設置する際に、作業者が人力でロープをずらす必要があるなど、作業性に問題があった。
【0005】
そこで、本発明では、エレベータかごの側面に救出口を有するエレベータにおいて、各機器の配置などの制約により、やむを得ず救出口と調速機をエレベータかごの同じ側の側面に配置する場合であっても、救出口と調速機ロープが重ならないようにし、これにより、救出作業時における作業性、安全性の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のエレベータ装置は、正面に出入口、側面に救出口がそれぞれ設けられ、昇降路内を昇降するエレベータかごと、エレベータかごの救出口側に、エレベータかごの昇降区間より上方および下方にそれぞれ配置された、上部綱車を有する調速機および下部綱車、あるいは上部綱車および下部綱車を有する調速機と、上部綱車および下部綱車に巻き掛けられて上部綱車と下部綱車との間に環状に張り渡された調速機ロープと、それぞれ上部綱車および下部綱車の近傍に設置され、上部綱車から懸垂する調速機ロープが巻き掛けられ、懸垂する調速機ロープを水平方向に変位させる上部そらせ車および下部そらせ車とを備え、昇降路内を昇降するエレベータかごの救出口と調速機ロープとが重ならないようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略する場合がある。
【0008】
図1は、この発明の実施の形態によるエレベータ装置をエレベータかごの救出口側から見た側面図である。図2は、図1におけるエレベータ装置を上方から見下ろした平面図である。
【0009】
図1、図2では、昇降路1内にエレベータかご3が二台並列に配置されている。それぞれのエレベータかご3は、かご3の両側面に対向する一対のガイドレール2に案内されて昇降路1内を昇降する。二台のエレベータかご3には、それぞれのかご3の正面に出入口4が設けられており、二台のエレベータかご3が対向しあう側面には、それぞれ救出口5が設置されている。救出口5は、救出扉5aにより開閉が行われる。なお、本明細書中で、説明の便宜上、図2の左側のエレベータかごを不時停止したエレベータかご3aとし、隣接する右側のエレベータかごを救出に用いるエレベータかご3bとする場合がある。
【0010】
機械室10には、上部綱車12を有する調速機11が設置されている。なお、機械室10には、巻上機など(図示せず)の他の機器も配置されている。昇降路1下部には、下部綱車13が配置され、ここでは張り車として用いられている。また、上部綱車12の近傍、この実施の形態では、上部綱車12に対して機械室10の底面を間に挟んで昇降路1内の上部に上部そらせ車16が配置されている。また、下部綱車13の近傍に、下部そらせ車17が配置されている。すなわち、上部そらせ車16、下部そらせ車17は、ともに昇降路1内に配置されている。ここで、本発明では、単一のそらせ車を単位そらせ車18と称し、上部そらせ車16および下部そらせ車17は、単位そらせ車18を一つまたは複数個用いて構成されたものとして扱う。なお、この実施の形態では、上部そらせ車16、下部そらせ車17はそれぞれ一対の単位そらせ車18によって構成されており、詳細は後述によるが、ガイドレール2に取付腕19(図3参照)を介して設置されている。また、調速機11は、上部綱車12を有して機械室10に配置されている例を示しているが、調速機11は、下部綱車13を有し、昇降路1下部に配置される構成であってもよく、その場合には、上部綱車12が張り車として用いられる。
【0011】
次に、調速機ロープ14は、調速機11の上部綱車12と下部綱車13に巻き掛けられて、上部綱車12と下部綱車13との間に環状に張り渡されている。また、調速機ロープ14は、上部そらせ車16、下部そらせ車17にも巻き掛けられており、調速機11の上部綱車12に巻き掛けられて対向して懸垂する調速機ロープ14が、上部そらせ車16、下部そらせ車17によって水平方向に変位させられており、対向する調速機ロープ14との間隔が広げられている。なお、張り車用おもり15が下部綱車13に懸垂することで調速機ロープ14に所定の張力が与えられている。このように上部そらせ車16、下部そらせ車17を用い、調速機ロープ14を水平方向に変位させるようにすることで、エレベータかご3の救出口5と調速機11が同じ側のかご3側面に配置される場合であっても、エレベータかご3の救出口5と調速機ロープ14が重ならないように配置されていることで、救出時に不時停止したエレベータかご3aに、隣接するエレベータかご3bから救出用の渡し板6を渡す際に、調速機ロープ14が渡し板6に干渉することをなくすことができ、救出時の作業性、安全性を向上できる。
【0012】
ここで、エレベータかご3側面の救出口5は、人が移動するための出入口であるため、法令により、救出口5の有効幅は350mm以上と定められている。また、調速機11として使用される綱車の直径は主に240〜320mm程度である。そのため、救出口5に調速機ロープ11が重ならないようにするためには、対向する調速機ロープ14の間隔を救出口5の有効幅350mm以上確保する必要がある。したがって、本発明では、上部そらせ車16、下部そらせ車17を用いて救出口5と調速機ロープ14が重ならないようにロープ間隔を設定するが、好ましいロープ間隔としては、余裕をみて調速機ロープ14の中心間で380mm以上とすることが望ましい。なお、ロープ間隔の上限としては、600mmから救出口5の有効幅の2倍の700mm程度あれば十分である。
【0013】
次に、図3は、この発明の実施の形態によるエレベータ装置で用いるそらせ車の配置例を示す図である。図3(A)は、図1と同様に昇降路の側面方向からみた側面図であり、実線により、昇降路内の上部に配置された上部そらせ車の配置を主に示し、二点鎖線により、対応する下部そらせ車の配置も示すものである。また、図3(B)は、図3(A)を昇降路の上方から見下ろした平面図である。
【0014】
図3より、前述のように、上部そらせ車16、下部そらせ車17は、ともに取付腕19を介してガイドレール2に設置されている。この実施の形態においては、昇降路1の上部および下部において、同一形状の取付腕19がそれぞれガイドレール2にレールクリップ20を用いて固定されている。ここで、上部そらせ車16、下部そらせ車17を構成する単位そらせ車18は、次のように取付腕19に配列して装備されている。単位そらせ車18は、取付腕19のそらせ車取付面19a上に仮想した四角形の各頂点位置を単位そらせ車18の回転中心として取り付けられる。上部そらせ車16は、四角形の対角線上にある二つの頂点に対応する位置を回転中心としてそれぞれ取付腕19に取り付けられた一対の単位そらせ車18によって構成されている。下部そらせ車17は、図3(A)で二点鎖線で示すように、四角形のもう一方の対角線上にある二つの頂点に対応する位置を回転中心としてそれぞれ取付腕19に取り付けられた一対の単位そらせ車18によって構成されている。
【0015】
さらに詳述すると、取付腕19のそらせ車取付面19a上に仮想した四角形は、四角形の一方の対辺がともに昇降路1の上下方向と平行になるように設定されている。また、上部そらせ車16を例に説明すると、単位そらせ車18は、ガイドレール2に近く、かつ上部綱車12に近い四角形の頂点に対応する位置とその対角線上にある頂点に対応する位置とを回転中心に用いて取り付けられている。そのため、調速機ロープ14の巻き掛けられ方としては、上部綱車12に巻き掛けられて懸垂する調速機ロープ14が、ガイドレール2に近く、かつ上部綱車12に近い単位そらせ車18に最初に巻き掛けられ、次にこの単位そらせ車18の対角線上にある単位そらせ車18に巻き掛けられ、対向する調速機ロープ14の間隔が水平方向に変位させられている。下部そらせ車17についても、同様にして単位そらせ車18が配置されるので、その説明を省略する。
【0016】
以上より、この実施の形態にかかるエレベータ装置では、上部そらせ車16、下部そらせ車17を用いて対向する調速機ロープ14の間隔を水平方向に変位させることで、救出口5と調速機ロープ14とが重ならないようにすることができる。そのため、調速機11の綱車や張り車(上部綱車12または下部綱車13)の直径を変更する必要がなく、標準のままで本発明のエレベータへの実装・適用が可能となる。また、上部そらせ車16、下部そらせ車17を取付腕19を介してガイドレール2によって昇降路1内に配置することで、機械室10などに配置する場合と比べて建築との取り合いを考慮することなく、そらせ車の設置が可能となる。また、取付腕19に対する単位そらせ車18の取り付け方を変更するだけで、一種類のそらせ車および取付腕で、上部そらせ車16、下部そらせ車17の双方に対応できるようになり、部品の共通化、生産性の向上を図ることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明にかかるエレベータ装置は、以上のように構成されているので、やむを得ず救出口と調速機を同じ側のかご側面に配置する場合であっても、救出口と調速機ロープが重ならないように配置されていることで、救出用渡し板を隣接するエレベータかごから不時停止したエレベータかごに渡す際に、渡し板と調速機ロープの干渉を無くし、救出時の作業性、安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態によるエレベータ装置をエレベータかごの救出口側から見た側面図である。
【図2】図1におけるエレベータ装置を上方から見下ろした平面図である。
【図3】この発明の実施の形態によるエレベータ装置で用いるそらせ車の配置例を示す図である。
【符号の説明】
1 昇降路、 2 ガイドレール、 3 エレベータかご、 5 救出口、 6 渡し板、 10 機械室、 11 調速機、 12 上部綱車、 13 下部綱車、 14 調速機ロープ、 16 上部そらせ車、 17 下部そらせ車、 18 単位そらせ車、 19 取付腕。
Claims (5)
- 正面に出入口、側面に救出口がそれぞれ設けられ、昇降路内を昇降するエレベータかごと、
前記エレベータかごの前記救出口側に、前記エレベータかごの昇降区間より上方および下方にそれぞれ配置された、上部綱車を有する調速機および下部綱車、あるいは上部綱車および下部綱車を有する調速機と、
前記上部綱車および下部綱車に巻き掛けられて前記上部綱車と下部綱車との間に環状に張り渡された調速機ロープと、
それぞれ前記上部綱車および下部綱車の近傍に設置され、前記上部綱車から懸垂する前記調速機ロープが巻き掛けられ、懸垂する前記調速機ロープを水平方向に変位させる上部そらせ車および下部そらせ車とを備え、
前記昇降路内を昇降する前記エレベータかごの前記救出口と前記調速機ロープとが重ならないようにしたことを特徴とするエレベータ装置。 - 前記上部綱車に巻き掛けられて対向して懸垂する前記調速機ロープの少なくとも一方が、前記上部そらせ車および下部そらせ車によって水平方向に変位させられ、対向する前記調速機ロープの間隔が、前記調速機ロープ中心間で380mm以上となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
- 前記上部そらせ車および下部そらせ車は、前記昇降路内に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ装置。
- 前記上部そらせ車および下部そらせ車は、それぞれの取付腕を介して前記エレベータかごのガイドレールに設置されていることを特徴とする請求項3に記載のエレベータ装置。
- 前記上部そらせ車および下部そらせ車は、同一形状の前記取付腕にそれぞれ取り付けられており、前記上部そらせ車は、前記取付腕上に仮想した四角形の一方の対角線上にある二つの頂点に対応する位置をそれぞれ回転中心として取り付けられる一対の単位そらせ車により構成され、前記下部そらせ車は、前記四角形のもう一方の対角線上にある二つの頂点に対応する位置をそれぞれ回転中心として取り付けられる一対の前記単位そらせ車により構成されていることを特徴とする請求項4に記載のエレベータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003010209A JP2004217413A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | エレベータ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003010209A JP2004217413A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | エレベータ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004217413A true JP2004217413A (ja) | 2004-08-05 |
Family
ID=32899483
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JP (1) | JP2004217413A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102211726A (zh) * | 2010-04-02 | 2011-10-12 | 涂翼民 | 吊笼与对重的速度传感超速触发装置 |
CN105253747A (zh) * | 2015-11-27 | 2016-01-20 | 佛山住友富士电梯有限公司 | 一种设有救援装置的电梯 |
-
2003
- 2003-01-17 JP JP2003010209A patent/JP2004217413A/ja active Pending
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CN105253747A (zh) * | 2015-11-27 | 2016-01-20 | 佛山住友富士电梯有限公司 | 一种设有救援装置的电梯 |
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