JP2004217165A - 建設機械のワイパー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロントウインドの左右一方の側における下方の視界を損なわずフロントウインド上方の払拭領域を拡大できる建設機械のワイパー装置を提供する。
【解決手段】運転室のフロントウインド10を払拭するワイパーブレード1と揺動するように駆動されるワイパーアーム2とを備えた建設機械のワイパー装置において、ワイパーブレード1と共にフロントウインド10を払拭する補助ワイパーブレード1aと、両ワイパーブレード1,1aを連結する複数のブレードリンク5a,5bと、基部をワイパーアーム1に対し偏心させて回動可能に軸着し先端部をブレードリンク5bに回動可能に軸着してワイパーアーム1の揺動時にブレードリンク5a,5bを傾動させるリンク傾動用アーム6とを設けて、ワイパーアーム2を揺動させる過程で補助ワイパーブレード1aがワイパーブレード1よりもフロントウインド10の上方側を払拭するように構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショベル、クレーン等の建設機械における運転室のフロントウインドを払拭する建設機械のワイパー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ショベル、クレーン等の建設機械では、運転室のフロントウインドに付着した雨水や土砂等のほこりを払拭するため、運転室の前方にワイパー装置を付設している。こうしたワイパー装置は、乗用車等の一般車両でも付設しているが、一般車両では、専ら走行時における前方の視界を確保するために設けている。これに対し、建設機械では、ショベルによる掘削作業や構築物の解体作業、クレーンによる荷物の上げ下し作業等のフロント(建設作業機)による建設作業の状況をオペレータが目ではっきりと確認できるようにすることを主目的にしてワイパー装置を設けているため、ワイパー装置に要求される性能が一般車両とは自ずから異なる。本発明は、こうした建設機械のワイパー装置について、フロントによる建設作業を行いやすくするように改良しようとするものである。
【0003】
そこで、後に詳述する本発明の特徴を容易に理解できるようにするため、建設機械のワイパー装置に関する従来の技術を図2に基づいて説明する。図2は、従来のワイパー装置を設けた油圧ショベルにおける運転室のフロントウインドの正面図である。この図2には、ワイパーブレード1とワイパーアーム2とからなる一つのワイパーについて、揺動始点に位置するときの状態と揺動終点に位置するときの状態とを同時に図示している。
【0004】
ここで、念のため申し添えると、図2を立てて見た状態が油圧ショベルにおける運転室のフロントウインドを表したものであり、フロントウインドは、同図に示すように上下方向に長い長方形状をなしており、この点は、一般車両のフロントウインドと異なる。図2は、運転室のフロントウインドを室外前方から見た図であるので、ワイパー装置がフロントウインドの右側に取り付けられているように見えるが、運転室内から見たときには、ワイパー装置がフロントウインドの左側に揺動可能に取り付けられている。また、図示はしていないが、ブーム、アーム及びバケット等を備えた油圧ショベルのフロントが運転室内から見てその右側に設置されている。以下、左右とは、運転室内から見たときの向きをいう。
【0005】
図2において、1はワイパーアーム2に取り付けられワイパーアーム2の揺動により運転室のフロントウインド10の窓ガラス11を払拭するワイパーブレード、2はフロントウインド10の前側に回動可能に軸着され揺動するように駆動されるワイパーアーム、3はこのワイパーアーム2を揺動するように駆動するための動力源となるワイパーモータ、4はワイパーアーム2を揺動できるように回動可能に軸着したワイパーアームの回動軸、10は運転室の前方の窓をなす上下方向に長い長方形のフロントウインド、11はこのフロントウインド10の窓ガラス、12はフロントウインド10の窓枠である。
【0006】
ワイパーブレード1は、例えば引き抜くことにより取り外せるように、ワイパーアーム2に対して交換可能に取り付けられている。フロントウインド10の窓枠12には、モータ取付部12aが形成され、ワイパーアーム2及びワイパーモータ3は、このモータ取付部12aに取り付けられている。ワイパーモータ3は、その回転運動が図示しない機構により揺動運動に変換されることにより、ワイパーアーム2を回動軸4を中心に揺動させるように駆動する。
【0007】
建設機械が図2の例のようにショベルの場合には、運転室を旋回フレームの左側に寄せてフロントを運転室の右側に設置することから、ワイパーアーム2やワイパーモータ3は、右側の視界を損なわないようにするために窓枠12の左側に取り付ける。ちなみに、建設機械がクレーンの場合には、運転室を右側に寄せてフロントを運転室の左側に設置することから、ワイパーアーム2やワイパーモータ3は、左側の視界を損なわないようにするために窓枠12の右側に取り付けている。ワイパー装置において、乗用車等の一般車両では、走行時における前方の視界を確保するため、フロントウインドの中央部の視界を良好にすることが最も必要であるが、建設機械では、フロントによる作業状況を確認できるようにするため、前記のようにフロントウインド10の左右一方の側の視界を良好にすることが最重要事項であり、この点が一般車両とは大きく異なる。
【0008】
従来の建設機械のワイパー装置は、このような構造を備えているので、ワイパーモータ3を駆動すると、ワイパーアーム2が揺動してワイパーブレード1によりフロントウインド10の窓ガラス11を払拭する。その場合、ワイパーブレード1は、ワイパーアーム2の揺動に伴って円弧を描くように運動し、図2に示す上下の円弧状の鎖線S,S間の領域において窓ガラス11を払拭する。したがって、従来の建設機械のワイパー装置では、図2における上方の円弧状の鎖線Sの外側領域については窓ガラス11を払拭することができない。この種の建設機械のワイパー装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0009】
【特許文献1】
実公平7ー55170号公報(第1−3頁、図1−6)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ショベルやクレーン等の建設機械では、上方及び下方の双方の位置でフロントにより作業を行うことから、これら双方の位置でのフロントによる作業状況を、運転席のフロントウインドを透して目視できるようにすることが必要である。例えば、ショベルでは、運転室の右側の上方位置及び下方位置でそれぞれビル等の構築物の解体作業及び掘削作業をバケットにより行うことから、上方や下方での作業対象物へのバケットの接触状況をオペレータがフロントウインドの右側を透して目で確認できるようにすることが必要である。また、クレーンでは、運転室の左側で荷物の上げ下し作業を行うことから、上方や下方での吊り荷の移送状況をフロントウインドの左側を透して目で確認できるようにすることが必要である。
【0011】
こうしたことから、ショベルやクレーン等の建設機械では、フロントウインドを上下に長い長方形状に形成している。ちなみに、標準型の油圧ショベルでは、運転室の前面が縦1m前後、横1m70cm前後に形成しており、フロントウインドは、その運転室の前面の大部分を占めている。このようにフロントウインドを長方形状に形成しているため、従来の建設機械のワイパー装置では、図2に示したように、ワイパーブレードで払拭できない領域がフロントウインドの左右一方の側(図2の油圧ショベルの例ではフロントウインド10の右側)の特に上方に、かなりの範囲にわたって生じる。
【0012】
そのため、フロントウインドの上方に雨水やほこり等が付着したときには、上方の視界が通常時よりも狭められることになるので、建設機械が例えば油圧ショベルの場合には、フロントの操縦時に、オペレータは、下から斜め右上を覗き込むような姿勢を頻繁にとらなければならなくなって極度に疲れる。また、こうしたことを回避するため、ワイパーアームやワイパーモータの取付位置を左右反対側にしてフロントウインドの左右一方の側における上方の払拭領域を広げると、今度は、下方の視界がワイパーアーム及びワイパーモータやこれらの取付手段により常時損なわれることになる。
【0013】
本発明は、こうした従来の技術の問題を解消するために創作されたものであって、その技術課題は、フロントウインドの左右一方の側における下方の視界を損なうことなくフロントウインドの上方の払拭領域を従来よりも拡大することができる建設機械のワイパー装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、こうした技術課題を達成するため、
回動可能に軸着され揺動するように駆動されるワイパーアームと、このワイパーアームに取り付けられワイパーアームの揺動により建設機械の運転室のフロントウインドを払拭するワイパーブレードとを備えた建設機械のワイパー装置において、
このワイパーブレードと共に運転室のフロントウインドを払拭する補助ワイパーブレードと、この補助ワイパーブレードとワイパーブレードとを連結する複数のリンクと、一端側をワイパーアームに対し偏心させて回動可能に軸着し他端側を複数のリンクの一つに回動可能に軸着してワイパーアームの揺動時にリンクを傾動させるリンク傾動用アームとを設けて、ワイパーアームを揺動させる過程で補助ワイパーブレードがワイパーブレードよりもフロントウインドの上方側を払拭するように、ワイパー装置を構成した。
【0015】
このように構成された本発明の建設機械のワイパー装置では、ワイパーアームを揺動するように駆動すると、補助ワイパーブレードとワイパーブレードとを連結する複数のリンクもこれに伴って変位するが、他端側をこれら複数のリンクの一つに回動可能に軸着しているリンク傾動用アームの一端側をワイパーアームに対し偏心させて軸着するようにしているため、このリンク傾動用アームは、ワイパーアームを揺動させる過程で、複数のリンクの一つを、漸次起したり倒したりするように傾動させる。この間、他のリンクは、前記リンクの傾動に連動して、起きたり倒れたりするように傾動する。そうすると、こうしたリンクの傾動運動に伴って、補助ワイパーブレードは、複数のリンクより安定状態で支持されながらワイパーブレードよりも外側に突出して、ワイパーブレードによる払拭領域よりも上方のフロントウインドの領域を払拭する。
【0016】
その場合、この補助ワイパーブレードによる払拭領域よりも内側のフロントウインドの領域は、ワイパーブレードが払拭し、これら外側及び内側の中間のフロントウインドの領域は、二つのワイパーブレードが払拭して二度払拭する。このように、本発明の建設機械のワイパー装置では、フロントウインドの各領域を、ワイパーブレードと補助ワイパーブレードとで相互に補完し合いながら協働して払拭するので、フロントウインドの左右一方の側(例えば、ショベルではフロントウインドの右側、クレーンではフロントウインドの左側)における下方の視界を損なうことなく、フロントウインドの上方の払拭領域を従来よりも拡大することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを示す具体化例を図1に基づいて説明することにより本発明の実施の形態を明らかにする。図1は、本発明の具体化例に係る建設機械のワイパー装置を設けた油圧ショベルにおける運転室のフロントウインドの正面図である。図1において図2と同一の符号を付けた部分は、図2と同等の部分を表す。この図1には、ワイパーブレード1、補助ワイパーブレード1a、ワイパーアーム2等からなる一つのワイパーについて、これが各位置に揺動している状態を同時に図示している。
【0018】
この図1の建設機械のワイパー装置は、図2の従来のワイパー装置と同様、回動軸4で回動可能に軸着され、ワイパーモータ3で揺動するように駆動されるワイパーアーム2と、このワイパーアーム2に交換可能に取り付けられ、ワイパーアーム2の揺動により運転室のフロントウインド10を払拭するワイパーブレード1とを備えている。そして、ワイパーアーム2及びワイパーモータ3は、右側の視界を損なわないように、窓枠12の左側に形成したモータ取付部12aに取り付けられていて、基本的な構造は、従来のワイパー装置と変わらない。
【0019】
この図1の建設機械のワイパー装置の最大の特徴は、こうした構造を備えた建設機械のワイパー装置において、ワイパーブレード1と共に運転室のフロントウインド10を払拭する補助ワイパーブレード1aと、この補助ワイパーブレード1aとワイパーブレード1とを連結する一対のブレードリンク5a,5bと、基部をなす一端側をワイパーアーム2に対し偏心させて回動可能に軸着し、他端側を一対のブレードリンク5a,5bの内側のブレードリンク5bに回動可能に軸着して、ワイパーアーム2の揺動時にブレードリンク5bをワイパーブレード1に対し傾動させるリンク傾動用アーム6とを設けて、ワイパーアーム2を揺動させる過程で補助ワイパーブレード1aがワイパーブレード1よりもフロントウインド10の上方側を払拭するように構成した点にある。
【0020】
その構造を更に具体的に述べると、補助ワイパーブレード1aには、ワイパーブレード1と同じ規格のものを使用している。一対のブレードリンク5a,5bは、長さが等しくピン孔の位置も等しい同一規格のものを用いて、ワイパーブレード1と補助ワイパーブレード1aに、互いに平行になるようにピンで回動可能に軸着することにより、補助ワイパーブレード1aをワイパーブレード1に対して平行移動させることができるように連結している。リンク傾動用アーム6の基部を取り付けるため、窓枠12の外側のモータ取付部12a近辺には、ブラケット8を立設している。ここに示す例では、ブレードリンクを一対設けているが、更に多く設けて、これらのブレードリンクの一つにリンク傾動用アーム6を回動可能に軸着するようにしてもよい。
【0021】
リンク傾動用アーム6は、基部をアーム回動軸7aによりブラケット8に回動可能に軸着し、先端部をアーム回動軸7bにより内側のブレードリンク5bの中央部に回動可能に軸着している。このリンク傾動用アーム6をブラケット8に軸着するためのアーム回動軸7aは、回転軸4に対し距離Lを置いて斜め上方に偏心させて配置している。補助ワイパーブレード1aは、揺動始点Pの位置及び揺動終点Pの位置において、ブレードリンク5a,5bが倒れてワイパーブレード1と重なり合っており、先端部同士がほぼ揃えられるようにしている。
【0022】
後述するように、補助ワイパーブレード1aは、ワイパーアーム2の揺動時にリンク傾動用アーム6でブレードリンク5bを傾動させることにより、ワイパーブレード1よりも上方側(外側)に突出するが、このときの補助ワイパーブレード1aの上方側への突出量Mは、リンク傾動用アーム6が、回転軸4の中心とアーム回動軸7aの中心とを結ぶ線上に位置するとき、すなわちPの位置にあるときに、ブレードリンク5a,5bが揺動始点Pの位置にあるときとは逆方向に倒れて最大となり、その突出量Mは、回転軸4とアーム回動軸7aの中心間の距離Lとほぼ等しくなる。したがって、回転軸4に対するアーム回動軸7aの距離Lや位置を選択することにより、ワイパーブレード1に対する補助ワイパーブレード1aの最大突出量や最大突出位置を適宜調整することができる。
【0023】
このような構造を備えた建設機械のワイパー装置にあっては、ワイパーモータ3を駆動してワイパーアーム2を揺動させると、ワイパーブレード1と補助ワイパーブレード1aとを連結する一対のブレードリンク5a,5bは、ワイパーアーム2に随伴して旋回するがごとく変位する。この間、ワイパーブレード1は、その揺動に伴って、図1の鎖線Sと鎖線Sの間の領域においてフロントウインド10を払拭する。一方、先端部をアーム回動軸7bで内側のブレードリンク5bに軸着しているリンク傾動用アーム6は、基部をワイパーアーム2に対しアーム回動軸7aで偏心させて軸着しているため、ワイパーブレード1が揺動して内側のブレードリンク5bが変位する過程で、同ブレードリンク5bを漸次起したり倒したりするように傾動させる。
【0024】
すなわち、図1に示すように、リンク傾動用アーム6は、揺動始点Pの位置で倒れていた内側のブレードリンク5bを、ワイパーブレード1がPの位置まで揺動したときに起立させる。次いで、ワイパーブレード1がフロントウインド10の対角線近傍のPの位置まで揺動したときに、揺動始点Pの位置にあるときとは逆方向にブレードリンク5bを倒し、ワイパーブレード1がPの位置まで揺動したときにブレードリンク5bを起立させ、揺動終点Pの位置に到達したときにブレードリンク5bを倒す。この間、外側のブレードリンク5aは、内側のブレードリンク5bに倣って起きたり倒れたりするように傾動する。
【0025】
そうすると、こうしたブレードリンク5a,5bの傾動運動に伴って、補助ワイパーブレード1aは、ワイパーブレード1に対して平行姿勢を保つようにブレードリンク5a,5bにより安定状態で支持されながらワイパーブレード1よりも上方側に突出して、図1の鎖線Tと鎖線Tの間の領域においてフロントウインド10を払拭する。すなわち、補助ワイパーブレード1aは、運転室内から見て左寄り上方のPの位置付近でワイパーブレード1よりも可成上方側に突出してフロントウインド10の上方の払拭範囲を拡大し、フロントウインド10の右上隅近くのPの位置付近で最大限突出してフロントウインド10の上方の払拭範囲を更に拡大する。次いで、補助ワイパーブレード1aは、横幅の狭いフロントウインド10の右側のPの位置付近で突出量を半減して、右の縦窓枠12に接触しないようにしながら同窓枠12の近くまでフロントウインド10を払拭する。そして、揺動終点Pの位置に至ると、ワイパーブレード1に対し突出しなくなるが、それまでは、突出しているので、フロントウインド10の下方の払拭領域も、従来より拡大することができ、同領域の何れの位置でも、払拭領域が少なくとも従来より縮小するようなことはない。
【0026】
その結果、補助ワイパーブレード1aは、突出した部分でワイパーブレード1による払拭領域よりも外側のフロントウインド10の領域(鎖線Sと鎖線T間の領域)を払拭するとともに、それ以外の部分でワイパーブレード1による払拭領域と重複する領域(鎖線Sと鎖線T間の領域)を払拭して、同領域を二つのワイパーブレード1,1aで二重に払拭する。また、補助ワイパーブレード1aによる払拭領域よりも内側のフロントウインド10の領域(鎖線Tと鎖線S間の領域)は、ワイパーブレード1が払拭する。
【0027】
このように、この建設機械のワイパー装置では、フロントウインド10の各領域を、ワイパーブレード1と補助ワイパーブレード1aとで相互に補完し合いながら協働して払拭するので、フロントウインド10の左右一方の側(例えば、ショベルではフロントウインド10の右側、クレーンではフロントウインド10の左側)における下方の視界を損なうことなく、フロントウインド10の上方の払拭領域を従来よりも拡大することができる。その結果、オペレータは、無理な姿勢をとることなくフロントの操縦を行うことができる。
【0028】
フロントウインド10の中央部(鎖線Sと鎖線T間の部分)は、特に汚れやすく面積も広いが、この建設機械のワイパー装置では、こうした中央部をワイパーブレード1と補助ワイパーブレード1aとにより二度払拭するようにしているので、フロントウインド10の払拭を合理的に行うことができる。また、補助ワイパーブレード1aは、一対のブレードリンク5a,5bに支持されながらフロントウインド10の払拭を行うので、フロントウインド10の払拭を安定した状態で行うことができる。
【0029】
こうした効果は、基部側をワイパーアーム2に対し偏心させて回動可能に軸着し、先端部側を複数のブレードリンク5a,5bの一つに回動可能に軸着して、ワイパーアーム2の揺動時にそのブレードリンク5a,5bの一つを傾動させるリンク傾動用アーム6を設け、回転軸4に対するアーム回動軸7aの偏心位置及び両軸4,7a間の距離Lを適切に設定すれば、発揮させることが可能である。図1の例では、回転軸4とアーム回動軸7aの軸心を結ぶ線を、回転軸4の中心とフロントウインド10の右上隅を結ぶ線分に対してやや下方に傾斜させるようにしているが、回転軸4とアーム回動軸7aの軸心を結ぶ線を前記線分に対して特に±20°程度の角度範囲に納めるようにするとともに回転軸4とアーム回動軸7a間の距離Lを適切に設定すれば、補助ワイパーブレード1aの最大突出位置をフロントウインド10の右上隅近辺に定めることができ、フロントウインド10の右側について、下方の視界を損なうことなく、フロントウインド10の上方の払拭領域を従来よりも大幅に拡大することができる。フロントウインド10の左側の払拭領域を拡大したい場合も、同様にして拡大することができる。
【0030】
図1のワイパー装置は、図2の従来のワイパー装置と対比すれば明らかなように、従来のワイパー装置の基本的な構造を変更することなく、これに補助ワイパーブレード1aやこれに関連してブレードリンク5a,5b及びリンク傾動用アーム6等を付加したものであるので、この図1のワイパー装置を製作するときには、従来のワイパー装置の製造装置を廃棄することなく有効に活用することができる。また、このワイパー装置では、補助ワイパーブレード1aにワイパーブレード1と同じ規格のものを使用しており、ブレードリンク5a,5bも同一規格のものを用いればよいので、付加する使用部品の種類を少なくすることができて効率的に製作することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の建設機械のワイパー装置は、特に、「ワイパーブレードと共に運転室のフロントウインドを払拭する補助ワイパーブレードと、この補助ワイパーブレードとワイパーブレードとを連結する複数のリンクと、一端側をワイパーアームに対し偏心させて回動可能に軸着し他端側を複数のリンクの一つに回動可能に軸着してワイパーアームの揺動時にリンクを傾動させるリンク傾動用アームとを設けて、ワイパーアームを揺動させる過程で補助ワイパーブレードがワイパーブレードよりもフロントウインドの上方側を払拭するように構成した」ので、フロントウインドの左右一方の側における下方の視界を損なうことなくフロントウインドの上方の払拭領域を従来よりも拡大することができることができる。その結果、オペレータは、無理な姿勢をとることなくフロントの操縦を行うことができる。
【0032】
こうした基本的な効果を奏することに加え、本発明の建設機械のワイパー装置では、特に汚れやすく面積の広いフロントウインドの中央部をワイパーブレードと補助ワイパーブレードとにより二重に払拭するようにしているので、フロントウインドの払拭を合理的に行うことができる。また、補助ワイパーブレードは、複数のリンクに支持されながらフロントウインドの払拭を行うので、フロントウインドの払拭を安定した状態で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例に係る建設機械のワイパー装置を設けた油圧ショベルにおける運転室のフロントウインドの正面図である。
【図2】従来のワイパー装置を設けた油圧ショベルにおける運転室のフロントウインドの正面図である。
【符号の説明】
1 ワイパーブレード
1a 補助ワイパーブレード
2 ワイパーアーム
3 ワイパーモータ
4 ワイパーアームの回動軸
5a,5b ブレードリンク
6 リンク傾動用アーム
7a,7b アーム回動軸
8 ブラケット
10 フロントウインド
11 窓ガラス
12 窓枠
12a モータ取付部
L 回転軸4とアーム回動軸7aの中心間の距離
M 補助ワイパーブレード1aの上方側への突出量

Claims (1)

  1. 回動可能に軸着され揺動するように駆動されるワイパーアームと、このワイパーアームに取り付けられワイパーアームの揺動により建設機械の運転室のフロントウインドを払拭するワイパーブレードとを備えた建設機械のワイパー装置において、このワイパーブレードと共に運転室のフロントウインドを払拭する補助ワイパーブレードと、この補助ワイパーブレードとワイパーブレードとを連結する複数のリンクと、一端側をワイパーアームに対し偏心させて回動可能に軸着し他端側を複数のリンクの一つに回動可能に軸着してワイパーアームの揺動時にリンクを傾動させるリンク傾動用アームとを設けて、ワイパーアームを揺動させる過程で補助ワイパーブレードがワイパーブレードよりもフロントウインドの上方側を払拭するように構成したことを特徴とする建設機械のワイパー装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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