JP2004217161A - ケーブル式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブル式ステアリング装置の操作ケーブルに過大な張力が作用して永久伸びが発生するのを防止する。
【解決手段】駆動プーリケーシング12に、ステアリングハンドルに接続されたステアリングシャフト29と、駆動プーリ59を支持するプーリシャフト32とを同軸に支持し、ステアリングシャフト29およびプーリシャフト32の対向する軸端間にトルクリミッタ38を配置する。ステアリングハンドルに過大な操舵トルクが入力されても、トルクリミッタ38がスリップしてステアリングシャフト29およびプーリシャフト32の相対回転を許容するので、操作ケーブルのインナーケーブル15i,16iに過大な張力が作用して永久伸びが発生するのを阻止し、インナーケーブル15i,16iの張力の低下を最小限に抑えて操舵フィーリングの低下を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングハンドルとステアリングギヤボックスとをボーデンケーブル等の撓み易い操作ケーブルで接続したケーブル式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるケーブル式ステアリング装置は、例えば下記特許文献1,2,3により公知である。
【0003】
この種のケーブル式ステアリング装置に使用される操作ケーブルは、一般に断面略矩形のコイルばねをモールドした合成樹脂製のアウターチューブと、その内部にスライド自在に収納される金属縒り線よりなるインナーケーブルとから構成されており、アウターチューブおよびインナーケーブルの両方に可撓性を持たせることで、任意の形状に屈曲可能にしてレイアウトの自由度を高めている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−25623号公報
【特許文献2】
特開平10−59197号公報
【特許文献3】
特開平8−2431号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車輪が縁石に乗り上げたりした場合に操作ケーブルのインナーケーブルに過大な張力が作用する場合が考えられ、その張力によって金属縒り線よりなるインナーケーブルに永久伸びが発生する可能性がある。このようにインナーケーブルに永久伸びが発生すると、インナーケーブルの張力が低下して操舵フィーリングが低下する問題がある。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ケーブル式ステアリング装置の操作ケーブルに過大な張力が作用して永久伸びが発生するのを防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ステアリングハンドルに連結されて回転する駆動プーリと車輪を転舵するステアリングギヤボックスに連結されて回転する従動プーリとを操作ケーブルで接続し、ステアリングハンドルに入力される操舵トルクを操作ケーブルを介してステアリングギヤボックスに伝達するケーブル式ステアリング装置において、ステアリングハンドルと駆動プーリとの間および従動プーリとステアリングギヤボックスとの間の少なくとも一方に、所定値以上のトルクの伝達を阻止する伝達トルク制限機構を設けたことを特徴とするケーブル式ステアリング装置が提案される。
【0008】
上記構成によれば、ステアリングハンドルと駆動プーリとの間、あるいは従動プーリとステアリングギヤボックスとの間に、所定値以上のトルクの伝達を阻止する伝達トルク制限機構を設けたので、操作ケーブルに過大な張力が作用して永久伸びが発生するのを阻止し、インナーケーブルの張力の低下を最小限に抑えて操舵フィーリングの低下を防止することができる。
【0009】
また請求項2に記載された発明によれば、ステアリングハンドルに連結されて回転する駆動プーリと車輪を転舵するステアリングギヤボックスに連結されて回転する従動プーリとを操作ケーブルで接続し、ステアリングハンドルに入力される操舵トルクを操作ケーブルを介してステアリングギヤボックスに伝達するケーブル式ステアリング装置において、ステアリングハンドルと駆動プーリとの間および従動プーリとステアリングギヤボックスとの間の少なくとも一方に、トルクの伝達を緩衝する伝達トルク緩衝機構を設けたことを特徴とするケーブル式ステアリング装置が提案される。
【0010】
上記構成によれば、ステアリングハンドルと駆動プーリとの間、あるいは従動プーリとステアリングギヤボックスとの間に、急激なトルクの伝達を緩衝する伝達トルク緩衝機構を設けたので、操作ケーブルに過大な張力が作用して永久伸びが発生するのを阻止し、インナーケーブルの張力の低下を最小限に抑えて操舵フィーリングの低下を防止することができる。
【0011】
尚、実施例のトルクリミッタ38,38′は本発明の伝達トルク制限機構に対応し、実施例のトーションバー92,93は本発明の伝達トルク緩衝機構に対応する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図5は本発明の第1実施例を示すもので、図1はケーブル式ステアリング装置の全体斜視図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3部拡大図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図1の5−5線拡大断面図である。
【0014】
図1に示すように、自動車のステアリングハンドル11の前方に設けた駆動プーリケーシング12と、ステアリングギヤボックス13の上方に設けた従動プーリケーシング14とが、ボーデンケーブルよりなる2本の操作ケーブル15,16によって接続される。ステアリングギヤボックス13の両端部から車体左右方向に延びるタイロッド17L,17Rが、左右の車輪WL,WRを支持するナックル(図示せず)に接続される。ステアリングハンドル11に入力される操舵トルクを操舵トルクセンサ(図示せず)で検出し、その操舵トルクが入力される制御装置18からの司令で従動プーリケーシング14と一体のギヤケーシング19に設けたアクチュエータ20が作動し、ドライバーのステアリング操作をアシストする。
【0015】
図2に示すように、駆動プーリケーシング12は、リヤハウジング21およびフロントハウジング23をボルト24…で結合してなり、フロントハウジング23の前面に図示せぬボルトでフロントカバー25が結合される。駆動プーリケーシング12は、リヤハウジング21に設けたブラケット21aが取付ステー26にピン27で固定され、フロントハウジング23に設けたブラケット23aが取付ステー26にボルト28で固定される。
【0016】
ステアリングハンドル11に接続されるステアリングシャフト29は、2個のボールベアリング30,31でリヤハウジング21に回転自在に支持される。ステアリングシャフト29と同軸に配置されたプーリシャフト32の外周に金属製のプーリボス33が固定されており、このプーリボス33の外周に形成したセレーション部33aを覆うように合成樹脂製の駆動プーリ本体34が一体にモールドされる。プーリシャフト32およびプーリボス33が2個のボールベアリング35,36でそれぞれフロントハウジング23およびフロントカバー25に回転自在に支持される。プーリボス33および駆動プーリ本体34は本発明の駆動プーリ59を構成する。
【0017】
プーリシャフト32の前端部とプーリボス33とはセレーション結合部51において結合されるとともに、プーリシャフト32の前端部に向かって先細になったテーパー結合部52を介して結合される。プーリシャフト32の前端にナット53がねじ込まれており、ナット53からの荷重でプーリボス33をプーリシャフト32に沿って後方に付勢することにより、テーパー結合部52を充分な面圧で密着させてプーリシャフト32およびプーリボス33を強固に一体化することができる。これにより、セレーション結合部51に存在する微小なガタの影響を解消し、騒音の発生を抑制することができるだけでなく操舵フィーリングを向上させることができる。ナット53を締め付けるとき、駆動プーリ59が軸方向に移動可能であるため、駆動プーリケーシング12に無理な荷重が加わることが防止される。
【0018】
図3から明らかなように、ステアリングシャフト29の前端に形成した小径部29aの外周に筒状のジョイント37がスプライン結合されており、このジョイント37の前端から径方向に延びるフランジ37aを覆うように、プーリシャフト32の後端にフランジ32aが一体に形成される。
【0019】
ステアリングシャフト29およびプーリシャフト32間に配置されるトルクリミッタ38は、プーリシャフト32のフランジ32aの外周を覆うカバー部材39を備えており、プーリシャフト32のフランジ32aとカバー部材39のフランジ39aとの間に、摩擦材40、ジョイント37のフランジ37a、摩擦材41、ワッシャ42および皿ばね43が軸線方向に積層される。
【0020】
図2および図4から明らかなように、2本の操作ケーブル15,16は、断面略矩形のコイルばねをモールドした合成樹脂製のアウターチューブ15o,16oと、その内部にスライド自在に収納される金属縒り線よりなるインナーケーブル15i,16iとから構成される。2本のインナーケーブル15i,16iの端部に固定した短円柱状のピン54,54が駆動プーリ本体34の両端面に形成したピン孔34a,34aに嵌合し、ピン54,54から延びる2本のインナーケーブル15i,16iは駆動プーリ本体34の外周に形成した1本の螺旋溝34bに沿って相互に接近する方向に巻き付けられた後、プーリシャフト32の軸線に直交する方向に引き出される。
【0021】
合成樹脂製の駆動プーリ本体34のピン孔34a,34aの底部はプーリボス33のセレーション部33aと駆動プーリ本体34との境界部に達しており、ピン54,54を外した状態では、前記境界部を容易に目視することができる。従って、プーリボス33にセレーション部33aが形成されていない不適切な状態で駆動プーリ本体34がモールドされたような加工ミスを確実に発見することができる。
【0022】
フロントハウジング23には円筒状をなす2個の接続部23b,23bが形成されており、それらの内部にアウターチューブ結合部材56,56のボス部56a,56aが固定される。ボス部56a,56aから接続部23b,23bの外部に延びるパイプ部56b,56bがアウターチューブ15o,16oの外周に嵌合し、かしめ部56c,56cをかしめることでアウターチューブ15o,16oの端部がフロントハウジング23に固定される。アウターチューブ結合部材56,56のボス部56a,56aの内周には、インナーケーブル15i,16iとボス部56a,56aとが直接擦れるのを防止すべく、滑りの良い合成樹脂製のガイドブッシュ57,57が保持される。
【0023】
フロントハウジング23の接続部23b,23bの外周から操作ケーブル15,16のアウターチューブ15o,16oの所定位置まで(例えば、アウターチューブ結合部材56,56のパイプ部56b,56bから露出する部分まで)がゴム製カバー58,58で覆われる。弾性を有するゴム製カバー58,58はフロントハウジング23の接続部23b,23bの外周と、アウターチューブ15o,16oの外周とに密着してシールするため、アウターチューブ15o,16oをフロントハウジング23に結合するアウターチューブ結合部材56,56のかしめ部56c,56cや、アウターチューブ結合部材56,56のボス部56a,56aと接続部23b,23bとの隙間から水分が浸入するのを防止することができる。
【0024】
図5に示すように、従動プーリケーシング14は図示せぬボルトで結合されたアッパーハウジング61とロアハウジング62とから構成され、ギヤケーシング19はギヤケーシング本体63と、ギヤケーシング本体63の上面に図示せぬボルトで結合されたアッパーカバー64とから構成され、ロアハウジング62とアッパーカバー64とが複数本のボルト65…で結合される。
【0025】
アッパーハウジング61に設けたボールベアリング66と、ロアハウジング62に設けたボールベアリング67とによってプーリシャフト70が回転自在に支持され、ギヤケーシング本体63に設けた2個のボールベアリング68,69によってプーリシャフト70と同軸に配置したアウトプットシャフト55が回転自在に支持される。最上部のボールベアリング66は、プーリシャフト70を直接支持しておらず、プーリシャフト70の外周に固定したプーリボス71を支持している。アッパーハウジング61に設けたボールベアリング66は環状のナット72で抜け止めされ、ギヤケーシング本体63に設けた下側のボールベアリング69は袋状のナット73で抜け止めされる。
【0026】
プーリシャフト70の上端部とプーリボス71とはセレーション結合部74において結合されるとともに、プーリシャフト70の上端部に向かって先細になったテーパー結合部75を介して結合される。プーリシャフト70の上端にナット76がねじ込まれており、ナット76からの荷重でプーリボス71をプーリシャフト70に沿って下方に付勢することにより、テーパー結合部75を充分な面圧で密着させてプーリシャフト70およびプーリボス71を強固に一体化することで、セレーション結合部74に存在する微小なガタの影響を解消して騒音の発生を抑制し、また操舵フィーリングを向上させることができる。ナット76を締め付けるとき、従動プーリ60が軸方向に移動可能であるため、従動プーリケーシング14やギヤケーシング19に無理な荷重が加わることが防止される。
【0027】
プーリボス71の外周のセレーション部71aに合成樹脂製の従動プーリ本体77が一体にモールドされており、2本の操作ケーブル15,16のインナーケーブル15i,16iの端部に固定した短円柱状のピン78,78が従動プーリ本体77の両端面に形成したピン孔77a,77aに嵌合し、ピン78,78から延びる2本のインナーケーブル15i,16iは従動プーリ本体77の外周に形成した1本の螺旋溝77bに沿って相互に接近する方向に巻き付けられた後、プーリシャフト70の軸線に直交する方向に引き出される。プーリボス71および従動プーリ本体77は本発明の従動プーリ60を構成する。
【0028】
合成樹脂製の従動プーリ本体77のピン孔77a,77aの底部はプーリボス71のセレーション部71aと従動プーリ本体77との境界部に達しており、ピン78,78を外した状態では、前記境界部を容易に目視することができる。従って、プーリボス71にセレーション部71aが形成されていない状態で従動プーリ本体77がモールドされたような加工ミスを確実に発見することができる。
【0029】
従動プーリケーシング14には円筒状をなす2個の接続部14a,14aが形成されており、それらの内部にアウターチューブ結合部材79,79のボス部79a,79aが固定される。ボス部79a,79aから接続部14a,14aの外部に延びるパイプ部79b,79bがアウターチューブ15o,16oの外周に嵌合し、かしめ部79c,79cをかしめることでアウターチューブ15o,16oの端部が従動プーリケーシング14に固定される。アウターチューブ結合部材79,79のボス部79a,79aの内周には、インナーケーブル15i,16iとボス部79a,79aとが直接擦れるのを防止すべく、滑りの良い合成樹脂製のガイドブッシュ80,80が保持される。
【0030】
従動プーリケーシング14のほぼ全体から、接続部14a,14aを経て操作ケーブル15,16のアウターチューブ15o,16oの所定位置まで(例えば、アウターチューブ結合部材79,79のパイプ部79b,79bから露出する部分まで)が単一のゴム製カバー81で覆われる。このゴム製カバー81によって、水分が最も浸入し易いアウターチューブ結合部材79,79のかしめ部79c,79cを確実にシールできるだけでなく、従動プーリケーシング14のアッパーハウジング61およびロアハウジング62の割り面や、プーリシャフト70の上端を支持するボールベアリング66からの水分の浸入をも阻止することができる。
【0031】
シール部材91を介して従動プーリケーシング14との間をシールされたギヤケーシング19の上部において、アウトプットシャフト55に固定されたウオームホイール82と、電気モータよりなるアクチュエータ20(図1参照)の出力軸20aに固定したウオーム83とが噛み合っている。アウトプットシャフト55の下部に形成したピニオン84に、ステアリングギヤボックス13(図1参照)のラック85が噛み合っており、その噛み合い部においてラック85がピニオン84に向けて付勢される。
【0032】
即ち、ギヤケーシング本体63に形成した貫通孔63aにスライド部材86がOリング87を介してスライド可能に嵌合しており、貫通孔63aにねじ結合したばね座88とスライド部材86との間に配置したコイルばね89の弾発力で、スライド部材86に設けた低摩擦部材90がラック85の背面に当接する。これにより、アウトプットシャフト55の回転がピニオン84を介してラック85に伝達されて車輪WL,WRが転舵される際に、ラック85は大きな摺動抵抗を受けることなくガタや撓みの発生を防止されてスムーズに作動することができる。
【0033】
ギヤケーシング19のアッパーカバー64の内部に、プーリシャフト70の下端に設けたフランジ70aとアウトプットシャフト55の上端とを接続するトルクリミッタ38′が配置される。このトルクリミッタ38′の構造は、駆動プーケーシング12内に設けたトルクリミッタ38の構造と同じであるため、その構成要素に同じ符号を付すことで重複する説明を省略する。
【0034】
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0035】
車両を旋回させるべくステアリングハンドル11を操作すると、図2に示すように、操舵トルクがステアリングシャフト29を介してプーリシャフト32に伝達され、駆動プーリ本体34に巻き付けられた操作ケーブル15,16の一方のインナーケーブル15i,16iが引かれ、他方のインナーケーブル15i,16iが弛められることにより、駆動プーリ59の回転が従動プーリ60に伝達される。その結果、図5に示すプーリシャフト70が回転し、ステアリングギヤボックス13内のピニオン84、ラック85およびタイロッド17L,17Rを介して車輪WL,WRに操舵トルクが伝達される。
【0036】
図示せぬ操舵トルクセンサで検出した操舵トルクが制御装置18に入力されると、その操舵トルクが予め設定した所定値に保持されるように制御装置18がアクチュエータ20を駆動する。これにより、アクチュエータ20のトルクがウオーム83およびウオームホイール82を介してアウトプットシャフト55に伝達され、ドライバーによるハンドル操作がアシストされる。
【0037】
さて、ステアリングハンドル11からステアリングシャフト29に入力される操舵トルクが所定値未満である場合、あるいは車輪WL,WRからプーリシャフト32に入力される反力トルクが所定値未満である場合、駆動プーリケーシング12内のトルクリミッタ38が皿ばね43の弾発力で付勢された摩擦材40,41を介してステアリングシャフト29に設けたジョイント37およびプーリシャフト32のフランジ32aを一体化することで、ステアリングシャフト29およびプーリシャフト32は相互にスリップすることなくトルクを伝達することができる。
【0038】
一方、前記操舵トルクあるいは前記反力トルクが所定値以上になると、トルクリミッタ38の摩擦材40,41がスリップすることでステアリングシャフト29およびプーリシャフト32が相対回転し、金属縒り線で構成された操作ケーブル15,16のインナーケーブル15i,16iに過剰な張力が作用するのを防止することができる。その結果、インナーケーブル15i,16iに永久伸びが発生するのを回避し、インナーケーブル15i,16iの張力が低下して操舵フィーリングが低下するのを防止することができる。
【0039】
同様に、ギヤケーシング19内のトルクリミッタ38′も前記操舵トルクあるいは前記反力トルクが所定値以上になるとスリップし、プーリシャフト70およびアウトプットシャフト55の相対回転を許容することで、インナーケーブル15i,16iに永久伸びが発生するのを防止することができる。
【0040】
図6〜図8は本発明の第2実施例を示すもので、図6は前記図2に対応する図、図7は前記図5に対応する図、図8は操舵系に衝撃トルクが入力したときのトーションバーの作用を説明するグラフである。
【0041】
図2に示す第1実施例では、ステアリングシャフト29とプーリシャフト32とを別部材に分割し、それらをトルクリミッタ38で接続しているが、図6に示す第2実施例では、ステアリングシャフト29と、プーリシャフト32と、それらを接続するトーションバー92とを一部材で一体に形成している。
【0042】
図8に示すように、トーションバー92に実線で示す衝撃的なトルクが入力されると、トーションバー92を通過したトルクは破線で示すように緩衝されてピーク値は大幅に低くなる。具体的には、トーションバー92の直径dと、長さLと、捩じれ角θと、トルクTと、剪断弾性係数Gとの間には、
θ=32TL/(πGd
の関係が成立するので、直径dおよび長さLにより決まる捩じれ角θを適切な値に設定することで、衝撃的なトルクを緩衝してインナーケーブル15i,16iのに作用する最大張力を減少させることができる。これにより、インナーケーブル15i,16iに永久伸びが発生するのを回避して操舵フィーリングが低下するのを防止することができる。
【0043】
また図5に示す第1実施例では、プーリシャフト70とアウトプットシャフト55とを別部材に分割し、それらをトルクリミッタ38′で接続しているが、図7に示す第2実施例では、プーリシャフト70と、アウトプットシャフト55と、それらを接続するトーションバー93とを一部材で一体に形成している。このトーションバー93も、それに入力される衝撃的なトルクのピーク値を低減する機能を有するため、インナーケーブル15i,16iに永久伸びが発生しないようにして操舵フィーリングが低下するのを防止することができる。
【0044】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0045】
例えば、第1実施例ではステアリングハンドル11と駆動プーリ59との間および従動プーリ60とステアリングギヤボックス13との間の両方にトルクリミッタ38,38′を設けているが、その一方だけに設けても良い。
【0046】
また第2実施例ではステアリングハンドル11と駆動プーリ59との間および従動プーリ60とステアリングギヤボックス13との間の両方にトーションバー92,93を設けているが、その一方だけに設けても良い。
【0047】
また第1、第2実施例ではアクチュエータ20でドライバーのステアリング操作をアシストしているが、本発明はアクチュエータ20を備えていないマニュル操舵のケーブル式ステアリング装置に対しても適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、ステアリングハンドルと駆動プーリとの間、あるいは従動プーリとステアリングギヤボックスとの間に、所定値以上のトルクの伝達を阻止する伝達トルク制限機構を設けたので、操作ケーブルに過大な張力が作用して永久伸びが発生するのを阻止し、インナーケーブルの張力の低下を最小限に抑えて操舵フィーリングの低下を防止することができる。 また請求項2に記載された発明によれば、ステアリングハンドルと駆動プーリとの間、あるいは従動プーリとステアリングギヤボックスとの間に、トルクの伝達を緩衝する伝達トルク緩衝機構を設けたので、操作ケーブルに過大な張力が作用して永久伸びが発生するのを阻止し、インナーケーブルの張力の低下を最小限に抑えて操舵フィーリングの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケーブル式ステアリング装置の全体斜視図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】図2の3部拡大図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】図1の5−5線拡大断面図
【図6】本発明の第2実施例に係る、前記図2に対応する図
【図7】本発明の第2実施例に係る、前記図5に対応する図
【図8】操舵系に衝撃トルクが入力したときのトーションバーの作用を説明するグラフ
【符号の説明】
11 ステアリングハンドル
13 ステアリングギヤボックス
15 操作ケーブル
16 操作ケーブル
38 トルクリミッタ(伝達トルク制限機構)
38′ トルクリミッタ(伝達トルク制限機構)
59 駆動プーリ
60 従動プーリ
92 トーションバー(伝達トルク緩衝機構)
93 トーションバー(伝達トルク緩衝機構)
WL 車輪
WR 車輪

Claims (2)

  1. ステアリングハンドル(11)に連結されて回転する駆動プーリ(59)と車輪(WL,WR)を転舵するステアリングギヤボックス(13)に連結されて回転する従動プーリ(60)とを操作ケーブル(15,16)で接続し、ステアリングハンドル(11)に入力される操舵トルクを操作ケーブル(15,16)を介してステアリングギヤボックス(13)に伝達するケーブル式ステアリング装置において、
    ステアリングハンドル(11)と駆動プーリ(59)との間および従動プーリ(60)とステアリングギヤボックス(13)との間の少なくとも一方に、所定値以上のトルクの伝達を阻止する伝達トルク制限機構(38,38′)を設けたことを特徴とするケーブル式ステアリング装置。
  2. ステアリングハンドル(11)に連結されて回転する駆動プーリ(59)と車輪(WL,WR)を転舵するステアリングギヤボックス(13)に連結されて回転する従動プーリ(60)とを操作ケーブル(15,16)で接続し、ステアリングハンドル(11)に入力される操舵トルクを操作ケーブル(15,16)を介してステアリングギヤボックス(13)に伝達するケーブル式ステアリング装置において、
    ステアリングハンドル(11)と駆動プーリ(59)との間および従動プーリ(60)とステアリングギヤボックス(13)との間の少なくとも一方に、トルクの伝達を緩衝する伝達トルク緩衝機構(92,93)を設けたことを特徴とするケーブル式ステアリング装置。
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