JP2004216674A - プラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】注型ガスケット2をその軸線方向から挟持するガスケット挟持機構22と、注型ガスケット2の上側開口端部に嵌合する上型モールド3を押し込む第1のモールド押込み機構23と、注型ガスケット2下側開口端部に嵌合する下型モールド4を押し込む第2のモールド押込み機構24を備えている。ガスケット挟持機構22は、ガスケット押えリング34と下型リング35とで注型ガスケット2を挟持する。第1のモールド押込み機構23は、ガスケット押込み部材58によって上型モールド3を注型ガスケット2に押し込む。ガスケット挟持機構22全体が注型ガスケット2をガスケット押えリング34と下型リング35とで挟持した状態で下降すると、第2のモールド押込み機構24を構成する複数本の押しピン68が下型モールド4を注型ガスケット2に押し込む。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、注型重合法によってプラスチックレンズを成形する際に用いられるプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックレンズを成形する方法として注型重合法が知られている。注型重合に用いられるプラスチックレンズ成形用鋳型は、通常プラスチックレンズの光学面(凸面と凹面)を形成する一対の光学面形成用モールドと、これらのモールドが所定の間隔を保って嵌合される注型ガスケットとで構成され、これら3部材によって形成された空間(キャビティ)内に液状のモノマーを充填し、所定温度に加熱重合して硬化させることによりプラスチックレンズを成形するようにしている(例えば、特許文献1〜5、非特許文献1等参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−98631号公報
【特許文献2】
実開昭55−134224号公報
【特許文献3】
実公平6−39951号公報
【特許文献4】
US特許第4251474号
【特許文献5】
特開平4−232706号公報
【非特許文献1】
「眼鏡」メディカル葵出版、1987年7月1日、p.79〜81
【0004】
上記特公平6−98631号公報に記載されたプラスチックレンズの製造方法及びプラスチックレンズ注型ガスケットは、注型ガスケットを筒状体に形成し、その内面にリング状の突起部を周方向に沿って形成し、レンズの前面(凸側光学面)を形成する上型モールドを注型ガスケット内に押込むことにより前記突起部に周縁部を当接させて位置決めし、レンズの後面(凹側光学面)を形成する下型モールドを押し型によってガスケット内に押込んでレンズ成形用の鋳型としている。下型モールドの押し込み量は、前記注型ガスケットに押し込まれる押し型の凸状段部の高さ寸法によって決定している。
【0005】
上記実公平6−39951号公報に記載されたプラスチックレンズ成形用鋳型は、合成樹脂によって弾性を有する筒状体に形成したガスケットの内壁面で一対のモールドを挟持するとともに、これらモールドをガスケットの内壁面に周方向に沿って突設したリング状の突起部で位置決めするようにしている。
【0006】
上記実開昭55−134224号公報、実公平6−39951号公報およびUS特許第4251474号に記載されたプラスチックレンズ成形用鋳型は、ガスケットの内壁面にリング状の凸部を円周方向に突設し、このリング状凸部に2つのモールドを押し付けることによりこれらモールドを位置決めしている。
【0007】
上記特開平4−232706号公報に記載されたプラスチックレンズ成形用鋳型は、ガスケットの内壁面にリング状の保持帯をその全周にわたって突設するとともに、複数個の保持部を周方向に適宜間隔をおいて突設し、リング状の保持帯によって一方のモールドを位置決めし、複数個の保持部によって他方のモールドを位置決めしている。
【0008】
上記メディカル葵出版の「眼鏡」に記載されたプラスチックレンズの形成法は、短軸の筒状体からなるガスケットの内壁面に周方向に沿ってリング状の突起部を一体に突設し、この突起部で上型および下型モールドを位置決めするようにしている。
【0009】
注型ガスケットに一対のモールドを組込むときに的確な組込みが行われないと、モールドが注型ガスケットの軸線に対して傾いたり、一対のモールドの間隔が大きすぎたり小さすぎたりしてレンズに偏肉不良(プリズム不良)や肉厚不良が生じ不良品となる。このため、2つのモールドを正確に組込むための装置として、従来から種々提案されている(例えば、特許文献6,7)。
【0010】
【特許文献6】
特開昭55−123430号公報
【特許文献7】
特表2001−512383号公報
【0011】
上記した特開昭55−123430号公報に記載されたレンズ成形用鋳型の作成方法並びに装置は、2つのモールドをそのレンズ光学面形成用側面が一定の関係位置(レンズ光学面形成用基準位置)になるように基準板によって位置決め保持した後、これらモールドを基準板から離間させ、次いで基準板を取り除いてその位置にリング状ガスケットを代わりに設置し、しかる後2つのモールドをレンズ光学面形成用基準位置まで戻してリング状ガスケットに嵌め込むようにしている。
【0012】
上記特表2001−512383号公報に記載されたレンズ成形用鋳型は、レンズの凹面を形成する後部鋳型(モールド)を線形アクチュエータによってガスケットに押込むようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来、プラスチックレンズ成形用鋳型を組付けるための方法としては、上記の特開昭55−123430号公報や特表2001−512383号公報に記載された組付け方法が知られている。しかしながら、特開昭55−123430号公報に記載されたレンズ成形用鋳型の作成方法並びに装置は、予め基準板によって2つのモールドのレンズ光学面形成用側面をレンズ光学面形成用基準位置に位置決めした後に、モールドを基準板から離間させて基準板を注型ガスケットと交換し、2つのモールドを注型ガスケットに押込んで元の位置(レンズ光学面形成用基準位置)に戻すようにしているので、基準板と注型ガスケットの交換作業を必要とし、鋳型の組付けに長時間を要するという問題があった。
また、レンズの種類(大きさ、度数)に応じて複数種の基準板を準備する必要があり、その保管、管理が煩雑になるという問題もあった。
【0014】
特表2001−512383号公報に記載された装置は、ロボットアームに設けた空気圧グリッパーを前部鋳型の前面に着脱可能に係合してガスケットを保持し、後部鋳型を線形アクチュエータによってガスケットに押込むようにしているため、上記した特開昭55−123430号公報に記載された基準板を必要とせず、鋳型の組付け時間を短縮することができる利点を有している。しかしながら、空気圧グリッパーをガスケットの外周に嵌合してガスケットを保持しているので、レンズの種類(大きさ、度数)に応じて複数種の空気圧グリッパーを準備する必要があり、その保管、管理が煩雑になるという問題があった。
【0015】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、注型ガスケットと2つのモールドを自動的かつ高精度に組込むことができ、偏肉不良、肉厚不良等が生じないようにしたプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置を提供することにある。
【0016】
また、本発明は各種鋳型に対して簡便に対応することができるプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、注型ガスケットをその軸線方向から挟持するガスケット挟持機構と、前記注型ガスケットの一方の開口端部に嵌合する一方のモールドを注型ガスケット内に押込む第1のモールド押込み機構と、前記注型ガスケットの他方の開口端部に嵌合する他方のモールドを前記一方のモールドと所定の間隔を保って対向するように注型ガスケット内に押込む第2のモールド押込み機構とを備えたものである。
このような構成においては、第1、第2のモールド押込み機構を備えているので2つのモールドを注型ガスケットに対して自動的に組込むことができる。また、モールドの押込み時にガスケット挟持機構によって注型ガスケットを挟持しているので、注型ガスケットが位置ずれしたりすることもない。さらに、弾性を有する材質からなる注型ガスケットを使用することができ、拡径方向の弾性変形を可能にする。
【0018】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記ガスケット挟持機構と前記第2のモールド押込み機構は相対的に接近離間自在に配設されているものである。
このような構成においては、ガスケット挟持機構と第2のモールド押込み機構が相対的に接近すると、前記第2のモールド押込み機構が他方のモールドを注型ガスケットに押込む。この場合、ガスケット挟持機構を第2のモールド押込み機構に対して接近させたり、反対に第2のモールド押込み機構をガスケット挟持機構に対して接近させればよい。
【0019】
第3の発明は、上記第1の発明において、前記ガスケット挟持機構が、それぞれリング状に形成されて接近離間自在に配設された第1、第2の挟持手段と、前記第1、第2の挟持手段によって注型ガスケットの各開口端面を挟持させる挾持用駆動装置とを備え、前記第2の挟持手段が、前記注型ガスケットが両端開口部にモールドがそれぞれ嵌合した状態で設置され、第2のモールド押込み機構側のモールドの周縁部が嵌合する嵌合溝を有するものである。
このような構成においては、第1、第2の挟持手段によって注型ガスケットを軸線方向から挟持する。注型ガスケットは嵌合溝とモールドの嵌合によって第2の挟持手段に設置される。
【0020】
第4の発明は、上記第3の発明において、前記ガスケット挟持機構が、ガイドポストに沿って摺動自在に配設された互いに対向する2つのプレートを備え、一方のプレートには第1の挟持手段と、前記一方のプレートを前記ガイドポストに沿って移動させて前記第1の挟持手段を注型ガスケットの一方の開口端面に押し付ける挟持用駆動装置とが取付けられ、他方のプレートには第2の挟持手段が着脱自在に設置されるとともに、前記第1、第2の挟持手段が注型ガスケットを挟持した状態で前記2つのプレートを前記ガイドポストに沿って第2のモールド押込み機構方向に一体的に移動させるガスケット移動用駆動装置が設けられているものである。
このような構成においては、注型ガスケットが第1、第2の挟持手段によって挟持された状態で一対のプレートを一体的に移動させることにより、第2のモールド押込み機構が当該機構側のモールドを注型ガスケット内に押込む。
【0021】
第5の発明は、上記第3または第4の発明において、前記第1のモールド押込み機構は、第1の挟持手段に進退自在に嵌挿されたモールド押込み部材と、このモールド押込み部材をモールドに押し付けるモールド押込み用駆動装置とを備え、前記第2のモールド押込み機構は、第2の挟持手段の内周面に当接するように広がる方向に付勢された複数本の押しピンを備えているものである。
このような構成においては、モールド押込み部材が一方のモールドを注型ガスケットに押込み、複数本の押しピンが他方のモールドを注型ガスケットに押込む。押しピンは広がる方向に付勢されているので、内径が異なる複数種の第2の挟持手段に対して共通に使用することができる。
【0022】
第6の発明は、上記第5の発明において、各押しピンは高さ調整自在に配設されているものである。
このような構成においては、押しピンの高さを変えることにより、プリズムレンズの成形を可能にする。
【0023】
第7の発明は、上記第1〜第6の発明のうちのいずれか1つにおいて、前記第2のモールド押込み機構によるモールドの押し移動量を調整するモールド押し移動量調整機構を備えているものである。
このような構成においては、モールド押し移動量調整機構によってモールドの押し移動量を数値制御することによりモールドを注型ガスケットに対して高精度に組付けることができる。
【0024】
第8の発明は、上記第7の発明において、前記モールド押し移動量調整機構が、スプライン軸と、このスプライン軸を回転させる調整用駆動装置と、前記スプライン軸に対して摺動自在にスプライン結合する調整ねじと、この調整ねじが螺合する固定ナットと、ガスケット挟持機構に設けられ前記調整ねじの移動を制限するストッパとを備えているものである。
このような構成においては、調整ねじに大きな負荷が加わっていてもスプライン結合によって回転部に負荷がかかることなく固定ナットとの螺合により調整ねじに負荷を受けるものである。したがって、スプライン結合はむらなく円滑に回転を伝達することができる。
ストッパと調整ねじとの距離はレンズの種類に対応して調整され、ガスケット挟持機構と第2のモールド押込み機構との相対的な移動量、言い換えれば第2のモールド押込み機構による他方のモールドの押し移動量を規定する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る組付け装置によって組付けられるプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け前の分解断面図、図2はモールドを注型ガスケットに仮固定した状態を示す断面図、図3はモールドを注型ガスケットに組込んでプラスチックレンズ成形用鋳型とした状態を示す断面図、図4は同組付け装置の要部の斜視図、図5は同組付け装置の要部の正面図、図6は図5のVI−VI線断面図、図7は図5のVII −VII 線断面図である。図8は第2のモールド押込み機構の平面図で、レンズ標準外径が70mm用の下型リングと押しピンとの関係を示す図、図9はレンズ標準外径が60mm用の下型リングと押しピンとの関係を示す図、図10はレンズ標準外径が80mm用の下型リングと押しピンとの関係を示す図、図11はプラスチックレンズ成形用鋳型を下型リングに設置した状態の要部の断面図、図12は同組付け装置の制御ブロック図、図13は位置制御回路を示すブロック図、図14〜図16はプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け動作を説明するための図である。
【0026】
先ず、プラスチックレンズの成形に用いられるプラスチックレンズ成形用鋳型を主として図1〜図3に基づいて詳述する。
全体を符号1で示すプラスチックレンズ成形用鋳型は、注型ガスケット2と、この注型ガスケット2に組み込まれる一対のモールド3,4とで構成されている。注型ガスケット2は、合成樹脂の射出成形によって一体に形成されることにより円筒体2Aと、この円筒体2Aの外周面に一体に突設された注入口部2Bとで構成されている。なお、ここでは、注型ガスケット2を垂直に設置した状態で2つのモールド3,4を組込むため、以下の説明では上側となる一方のモールド3を上型モールド3、下側となる他方のモールド4を下型モールド4ともいう。
【0027】
前記円筒体2Aは、内周面の中間部にリング状の突起部5が円周に沿って一体に突設されている。突起部5は、断面形状が三角形を呈することにより、円筒体2Aの軸線と適宜な角度で交叉する上面5a、斜面5bを有し、前記上面5aが上型モールド3の凹面3bの周縁部を受け止めて支持する支持面を形成している。リング状の突起部5の断面形状は三角形に限らず、台形や四角形など、上型モールド3を受け止めて支持できる形状であればよい。また、必ずしもリング状でなくてもよく、周方向に適宜間隔をおいて複数個の保持部を突設してもよい。
【0028】
ただし、上型モールド3を注型ガスケット2に押込むとき、片肉にならないように平行に押込むことができる場合は、上型モールド3の位置決め用突起部5は理論上必須の要件ではない。また、レンズの厚さの精度がそれほど厳格に要求されないセミフィニッシュレンズである場合も突起部5を必要とせず、十分に対応できる。
【0029】
円筒体2Aには、モノマー注入口6が前記突起部5の直下に前記注入口部2Bに対応して形成されている。このモノマー注入口6は、筒状体2Aの周方向に長いスリット状に形成されており、筒状体2Aの内部と前記注入口部2Bの内部とを連通させている。
【0030】
筒状体2Aの外径Dは全長にわたって一定ではあるが、内径は一定ではなく、両端開口部に各モールド3,4を自然に外れない状態で仮固定する薄肉のモールドガイド部7,8と、これらのモールドガイド部7,8に続くテーパ部9,10がそれぞれ形成されている。モールドガイド部7,8は、内径dがモールド3,4の外径D1 と略等しく、長さL1 ,L2 (筒状体2Aの軸線方向の長さ)がモールド3,4のコバ厚LA,LBより小さく設定されている。
【0031】
ここで、モールド3,4が「自然に外れない状態」とは、モールド外径に対してモールドガイド部7,8の内径がやや小さい状態をいい、ガスケット材料に柔軟性をもたせることにより、モールド3,4を軽く押せばモールドガイド部7,8に容易に嵌合できる状態である。したがって、モールド3,4をモールドガイド部7,8にはめ込んだ状態では、モールド3,4が自然に脱落しない状態になっている。
【0032】
前記テーパ部9,10は、モールド3,4の筒状体2Aに対する嵌合寸法を規定しモールドガイド部7,8に仮固定するとともに、筒状体2A内への押込みを容易にするためのもので、内側に向かって傾斜している。筒状体2Aの中央部の内周面(テーパ部8,9間の内周面)の内径d1 は一定で、当然のことながらモールド3,4の外径D1 より小さく設定されている。
【0033】
筒状体2Aの上端開口部側のテーパ部9は、上型モールド3を仮の位置決め状態にセットする場合、上型モールド3が保持されている状態を確保する上で有用である。本実施の形態の場合、上型モールド3の位置決め用突起部5が形成されているので、上型モールド3を押込んでいくと、そこで係止されるようになっている。したがって、上型モールド3の位置決め制御が機械的に容易になるので、仮の位置決めの状態での上型モールド3の初期位置の精度はあまり問題にならない。また、上型モールド3を押し込む第1の押込み手段(後述する)による偏肉差の発生も問題ない。テーパ部9,10は、上側モールド3および下型モールド4を注型ガスケット2内に無理なく押し込むことができ、ガスケットの材料の削れ発生を防ぐ上で有用である。また、下端開口部側のテーパ部10は、下型モールド4の初期の仮の位置決めを補助する機能を有している。
【0034】
前記注入口部2Bは、プラスチックレンズの成形時にモノマーを筒状体2A内に注入するための部分で、図1において紙面と平行な縦断面形状が台形の漏斗状に形成され(図4参照)、前記円筒体2Aの注入口6に連通する内側開口部12が前記注入口6と略同一の横長スリット状で最小の縦断面積を有し、円筒体2A側とは反対側の開口部13が矩形で最大の断面積を有している。
【0035】
このような注型ガスケット2の材質としては、一般的な眼鏡レンズ用のモノマー(例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系樹脂、ポリウレタン径樹脂等)の重合収縮率が7〜15%前後と高いため、プラスチックレンズ成形用鋳型1にモノマーが充填され、重合が行われる際に、その重合収縮にモールド4(上型モールド3の位置決め用突起部5がない場合はモールド3と4)が追従して移動できるように可撓性(弾性)を有する物性をもつ材料が選択される。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などポリエチレン系樹脂等の熱可塑性材料が一般的に使用される(例えば、特許文献8〜12参照)。特に好ましいのは、本実施の形態で使用されている超低密度ポリエチレン樹脂である。
【0036】
【特許文献8】
特開平2−185586号公報
【特許文献9】
特開平5−8230号公報
【特許文献10】
特開平8−302336号公報
【特許文献11】
特開平2000−191846号公報
【特許文献12】
特開平2000−190342号公報
なお、出願人は本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0037】
また、注型ガスケット2が径方向に弾性変形可能であることによりモールド3,4の嵌合および保持を可能にしている。すなわち、図3に示すようにモールド3,4を筒状体2Aのモールドガイド部7,8よりもさらに奥へ所定量押込むと、モールドガイド部7,8より奥側は内径d1 がモールド3,4の外径D1 より小さいため、筒状体2Aは拡径方向に弾性変形して樽型になり、その復元力によって各モールド3,4の外周を締付けて保持していることにより、モールド3,4の保持状態が強化される。モールド3,4を図1に示すように円筒体2Aから完全に抜き出すか、または図2に示すようにモールドガイド部7,8の位置まで引き出すと元の形状に復帰し、外径Dが全長にわたって一定になる。なお、筒状体2Aによるモールド3,4の保持力は、モノマーの重合収縮に対応できるようになっており、モールド3,4の外径D1 と注型ガスケット2の材質、形状との関係は、予め重合中の注型ガスケット2、モールド3,4の挙動を考慮して設計されている。
【0038】
前記一対のモールド3,4はそれぞれメニスカス形状に形成されて同一の外径D1 を有している。一方のモールド3は、表面が緩やかに湾曲する凸面3aに形成、裏面が同じく緩やかに湾曲する凹面3bに形成されている。凸面3aはレンズ面として使用しない面であり、任意の仕上げ面に形成されている。凹面3bは成形しようとするプラスチックレンズの凸面側の転写面となっている。このため、凹面3bは所定の曲率で鏡面仕上げされている。このようなモールド3は、凹面3bを内側にして前記注型ガスケット2の一方のモールドガイド部7に嵌着されることにより仮固定される(図2)。
【0039】
他方のモールド4は、同じく表面が凸面4aに形成され、裏面が凹面4bに形成され、凸面4aを内側にして前記注型ガスケット2の他方のモールドガイド部8に嵌着されることにより仮固定される。凸面4aは、前記一方のモールド3の凹面3bの曲率半径より小さい曲面に形成されており、成形しようとするプラスチックレンズの凹面側の転写面となっている。このため、凸面4aは所定の曲率で鏡面仕上げされている。一方、凹面4bはレンズ面として使用しない面であり、任意の仕上げ面に形成されている。ただし、凹面4bの周縁部は、メニスカス形状に拘わらず光軸と直交するリング状の平坦面4cに形成されている。これはモールド4を第2の押込み手段によって押込むとき、傾いて片肉が生じないようにするためと、第2の押込み手段として複数本の押しピンを使用しているためと、モールド3,4が仮固定された注型ガスケット2を第2の挟持手段に嵌合し設置したときに、水平な状態で正確に初期位置に位置決めできるようにするためである。すなわち、図11に示すように第2の挟持手段である下型リング35の嵌合溝38に下型モールド4の周縁部を嵌合し、次に第1の押込み手段によって注型ガスケット2を上方から押圧して下端面全体を下型リング35の上面に押し付けることで、注型ガスケット2の原点位置を決めている。
【0040】
モールド3,4の大きさは、製造するレンズ径に依存するが、モールド離型後、レンズを整形するために丸め加工する場合は、この丸め加工で削られる分を見込んでレンズ径より大き目に設定される。
【0041】
このような一対のモールド3,4を図2に示すようにモールドガイド部7,8にそれぞれ嵌合して仮固定した後、後述する組込み装置20によって注型ガスケット2にそれぞれ押込んで所定の位置に位置決めすることにより、プラスチックレンズ成形用鋳型1の組付けが完了する。この場合、上型モールド3は、凹面3bの周縁部が突起部5の支持面5aに当接することで位置決めされるため、注型ガスケット2への押し移動量は成形しようとするレンズの種類に拘わらず一定である。これに対して、下型モールド4は成形しようとするレンズの種類(度数)に応じた押し移動量(H)で押し込まれることにより、上型モールド3と所定の間隔を保って対向する。これにより、前記注型ガスケット2および2つのモールド3,4とによって囲まれた空間がプラスチックレンズ形成用のキャビティ13(図3)を形成し、前記注入口6を介して前記注入口部2Bの内部と連通し、モノマーが注入される。この場合、一対のモールド3,4を上下反転させて注型ガスケット2に組込んでプラスチックレンズ成形用鋳型1を組立てるようにしてもよいことは勿論である。
【0042】
次に、上記構成からなるプラスチックレンズ成形用鋳型1の組込み装置の構成、組込み方法等を図4〜図16に基づいて詳述する。
全体を符号20で示すプラスチックレンズ成形用鋳型の組込み装置は、筐体21、この筐体21に配設されたガスケット挟持機構22、上型モールド3を注型ガスケット2に押込む第1のモールド押込み機構23、下型モールド4を注型ガスケット2に押込む第2のモールド押込み機構24、下型モールド4の押し移動量を製作しようとするレンズの種類に対応させて調整するモールド押し移動量調整機構25等で構成されている。
【0043】
前記ガスケット挟持機構22は、前記筐体21の上面板を構成するベースプレート28上に垂直に立設された複数本のガイドポスト(タイバー)29にリニアブッシュ30を介して上下動自在に配設された2つのプレート、すなわちアッパープレート31とロアプレート32を有し、これら両プレートに前記注型ガスケット2を挟持する第1、第2の挟持手段であるガスケット押えリング34と下型リング35がそれぞれ配設されている。
【0044】
前記ガイドポスト29の上下端は、トッププレート40と前記ベースプレート28に設けた貫通孔を貫通し、シャフトホルダー41によってそれぞれ固定されている。ベースプレート28とトッププレート40は、背面板42によって連結されている。
【0045】
前記ロアプレート32の前端部にはリング取付孔36が形成されている。リング取付孔36は、図11に示すように上側が大径穴部36aで、下側が小径穴部36bとからなる異径の貫通孔に形成され、大径穴部36aに前記下型リング35が着脱自在に嵌合されている。
【0046】
前記ガスケット押えリング34は、下面34aで注型ガスケット2の上側開口端面を押圧するものであり、アッパープレート31の前端部下面に固定されている。ガスケット押えリング34の中心孔34bは、注型ガスケット2の内径d1 より十分小さい孔径を有し、この中心孔34bに前記第1のモールド押込み機構23が組み込まれている。
【0047】
前記下型リング35は、前記注型ガスケット2の内径d1 よりやや小さめの孔径を有する貫通孔37を有し、また、この貫通孔37の上端側開口部にはリング状の嵌合溝38が全周にわたって形成されており、この嵌合溝38に前記下型モールド4の周縁部で注型ガスケット2の下方に突出している下端部が嵌合される。このような下型リング35は、レンズ径に対応させてリング幅が異なるものが用意されているが、いずれも外径は前記リング取付孔36の大径穴部36aに嵌合し得るのものである必要があるため共通である。一般的に、標準外径が60mm、65mm、70mm、75mm、80mmのレンズ径に対応する5種類の下型リング35が用意されている。
【0048】
前記ガスケット挟持機構22は、さらに前記アッパープレート31をガイドポスト29に沿って上下動させるガスケット押え用エアシリング(挾持用駆動装置)45と、前記アッパープレート31とロアプレート32を同じくガイドポスト29に沿って一体的に上下動させるメインエアシリンダ(ガスケット移動用駆動装置)46を備えている。
【0049】
前記ガスケット押え用エアシリンダ45は、シリンダ本体45Aが前記アッパープレート31の上面に下向きに設置され、ピストンロッド45Bが前記アッパープレート31に設けた挿通孔50を非接触状態で上下動自在に貫通し、下端部が前記ロアプレート32の上面に設けたジョイント51に連結されている。ピストンロッド45Bは、通常シリンダ本体45Aから最大ストローク突出(前進)した状態に保持されることにより、アッパープレート31を図6に示す最も高い初期位置に保持している。このとき第1、第2の挟持手段であるガスケット押えリング34と下型リング35は最大ストローク離間しており、この状態でシリンダ本体45Aへのエアの供給切替えによってピストンロッド45Bを上昇させると、ピストンロッド45B自体は下端がジョイント51に固定されているため上昇することができず、シリンダ本体45Aがアッパープレート31とともに一体に下降してガスケット押えリング34により上型モールド3を押圧し、さらに下降すると注型ガスケット2の上端面を押圧するように構成されている。ガスケット押え用エアシリンダ45による引側出力、すなわちガスケット押えリング34が注型ガスケット2を押圧するときの力(押圧力)は、495N(ニュートン)に設定されているが、これに限らず図示しないレギュレータによって調整可能に構成されている。
【0050】
前記メインエアシリンダ46は、シリンダ本外46Aが前記ロアプレート32の上面に下向きに設置され、ピストンロッド46Bがロアプレート32に設けた挿通孔33(図7)を非接触状態で上下動自在に貫通し、下端部が前記ベースプレート28の上面に設けたジョイント54に連結されている。ピストンロッド46Bは、通常シリンダ本体46Aから最大ストローク突出(前進)した状態に保持されることにより、ロアプレート32を前記モールド押し移動量調整機構25の調整ねじ87に対して最も高い初期位置に保持している。この状態において、シリンダ本体46Aへのエアの供給切替えによってピストンロッド46Bを上昇させると、ピストンロッド46B自体はジョイント54に対して固定されているため上昇することができず、シリンダ本体46Aがロアプレート32と一体に下降して下型モールド4が第2のモールド押込み機構24を押圧するように構成されている。このときのメインエアシリンダ46の引側出力、すなわち下型モールド4を第2のモールド押込み機構24に押し付ける力(押圧力)は、前記ガスケット押え用エアシリンダ45による押圧力に比べて十分に大きい値、例えば1400N(ニュートン)に設定されているが、これに限らず図示しないレギュレータによって調整可能に構成されている。
【0051】
図6において、前記第1のモールド押込み機構23は、前記ガスケット押えリング34の中心孔34bに出没自在に嵌挿された第1の押込み手段である押込み部材58と、この押込み部材58を上下動させる上型モールド押え用エアシリンダ59とで構成されている。押込み部材58は、円柱状に形成されて、下面に円錐台形状の凹部60が形成され、この凹部60を取り囲む環状の下面が前記上型モールド3の上面3aを押圧する押圧面61を形成されている。押圧面61は平坦面に形成され、通常ガスケット押えリング34の下面であるガスケット押え面34aと同一面を形成している。
【0052】
前記上型モールド押え用エアシリンダ59は、シリンダ本体59Aが前記アッパープレート31の上面に下向きに設置され、ピストンロッド59Bがアッパープレート31に設けた挿通孔63を非接触状態で上下動自在に貫通し、下端に前記押込み部材58が固定されている。上型モールド押え用エアシリンダ59の押側出力、すなわち上型モールド3を注型ガスケット2内に押し込む力(押圧力)は、前記ガスケット押え用エアシリンダ45による押圧力に比べて小さい値、例えば254N(ニュートン)に設定されているが、これに限らず図示しないレギュレータによって調整可能に構成されている。
【0053】
図6および図8において、前記第2のモールド押込み機構24は、前記ベースプレート28上に設置されたLMガイド65と、このLMガイド65に沿って接近離間自在に配設された2つのスライドプレート66,67と、各スライドプレート66,67上にそれぞれ4本ずつ突設された、第2の押込み手段である合計8本の押しピン68(68a〜68h)と、これらの押しピン68を前記スライドプレート66,67を介して開く方向に付勢することにより押しピン68を前記下型リング35の内周面に押し付けるピン開閉用エアシリンダ70等で構成されている。
【0054】
前記押しピン68は、製作しようとするレンズ径によって下型リング35の内周面に対する接触の仕方が異なり、ある特定の大きさの下型リング35、例えばレンズ標準外径が70mm用の下型リング35に対して図8に示すように全ての押しピン68a〜68hの外周面が貫通孔37の孔壁に接触するように同心円状に配列されている。下型リング35のレンズ標準外径が60mm用の場合は、図9に示すように2つのスライドプレート66,67が互いに接近するため、LMガイド65から遠い位置に立設されている外側4本の押しピン68a,68d,68e,68hのみが貫通孔37の孔壁に接触し、内側4本の押しピン68b,68c,68f,68gは離間している。下型リング35のレンズ標準外径が80mm用の場合は、図10に示すように2つのスライドプレート66,67が互いに離間しているため、LMガイド65に近い位置に立設されている内側4本の押しピン68b,68c,68f,68gのみが貫通孔37の孔壁に接触し、外側4本の押しピン68a,68d,68e,68hは離間している。このような押しピン68は、レンズ径によっては下型リング35の貫通孔37の孔壁に接触しないものであっても、下型モールド4の平坦面4cよりも完全に内側になることはなく、上面の一部が前記平坦面4cと重なり合う。したがって、レンズ径の大小に拘わらず全ての押しピン68を下型モールド4の押込みに寄与させることができる。
【0055】
前記ピン開閉用エアシリンダ70は、シリンダ本体70Aが一方のスライドプレート66に固定され、ピストンロッド70Bが他方のスライドプレート67にジョイント71を介して連結されている。ピン開閉用エアシリンダ70の押圧力は11Nに設定されているが、これに限定されるものではなく図示しないレギュレータで調整できるようになっている。モールド3,4を注型ガスケット2の各開口端部に嵌合させて仮組付けした状態のプラスチックレンズ成形用鋳型1を下型リング35上にセットしたとき、押しピン68は図11に示すように下型リング35の内部に位置して上面が下型モールド4の平坦面4cに接触しないように設定されている。ただし、これに限らず下型モールド4を押しピン68の上に設置してもよい。なお、押しピン68を開方向に付勢する手段としては、エアシリンダ70に限らず、圧縮コイルばね、引張りコイルばね等を用いてもよい。また、図8において、73はスライドプレート66,67の接近を制限するストッパ、74はステーである。
【0056】
ここで、本実施の形態においては、第2の押込み手段である押しピン68を8本用い、レンズ標準外径が70mm用の下型リング35に対して8本全ての押しピン68をリング内周に接触させ、レンズ標準外径が70mm用以外の下型リング35に対しては4本のみを接触させるようにしたが、これに限らず例えば1本ずつ独立した4〜8本の押しピン68を用い、これらを下型リング35の中心から放射状にそれぞれ移動自在に配設しかつ開く方向(放射方向)に付勢した場合は、内径が異なる全ての下型リング35の内周面に対して全ての押しピン68を接触させることが可能である。
【0057】
図4、図5および図7において、前記モールド押し移動量調整機構25は、レンズの種類に応じて予め下型モールド4の注型ガスケット2に対する押し移動量(H)を設定しておくためのもので、スプライン軸75を回転させるステッピングモータ74を備えている。ステッピングモータ74は、前記ロアプレート32の上方に位置する水平な支持板76に立設した垂直な取付板77にブラケット78を介して下向きに設置され、その出力軸79に前記スプライン軸75の上端がカップリング80を介して連結されている。
【0058】
前記スプライン軸75は、前記支持板76、ロアプレート32およびベースプレート28に形成した貫通孔81,82,83を非接触状態で貫通し、下端が前記筐体21のボトムプレート84上に固定した軸受85によって回転自在に軸支されている。スプライン軸75には、調整ねじ87がスプライン軸受88を介して嵌装されている。調整ねじ87は、下端開口部に前記スプライン軸受88が嵌合固定されて、前記ベースプレート28の下面に固定した固定ナット89に螺合しており、上端がベースプレート28の上方に突出している。前記スプライン軸受88は、スプライン軸75のスプライン75Aに摺動自在に嵌合している。前記ロアプレート32の下面には、リング状のストッパ91が前記調整ねじ87に対応して固定されており、これら両部材間に製作しようとするレンズの種類に応じた距離H(下型モールド4の押し移動量)が設定されている。なお、ストッパ91の中心孔には、前記スプライン軸75が上下動自在に貫通している。
【0059】
前記調整ねじ87は通常原点操作により最下位置に保持されており、下型モールド4の押し移動量(距離H)を設定する際に、ステッピングモータ74の駆動によって所望の高さ位置に上昇される。すなわち、ステッピングモータ74を駆動すると出力軸79の回転がカップリング80を介してスプライン軸75に伝達され、さらにこの回転がスプライン軸受88を介して調整ねじ87に伝達される。したがって、調整ねじ87は固定ナット89に対して回転しながら所望の高さまで上昇して停止し、ストッパ91との間に距離Hが設定される。このモールド押し移動量調整機構25の場合、調整ねじ87にガスケット移動用駆動機構46の押圧力が負荷として加わっても、スプライン結合によりステッピングモータ74の回転部に負荷がかかることがなく、固定ナット89との螺合により調整ねじ87は確実に負荷を受けることができ、スプライン結合はむらなく確実に回転を伝達することができる。
【0060】
前記下型モールド4の押し移動量(距離H)は、調整ねじ87が原点操作により最下位置に保持したときの調整ねじ87の上面からストッパ91の下面までの最大距離に対して、調整ねじが原点位置からレンズの度数毎により設定された分上昇した移動距離(可変値:Xi)を引いた値であり、さらにXiにはレンズ処方による設定レンズ厚、加熱重合工程におけるレンズモノマーの重合収縮および注型ガスケットの熱変形によるモールド移動の調整量、組付けによる注型ガスケットの変形量、下型リングと押しピンとの関係などが考慮されている。
【0061】
また、レンズモノマーはレンズ材料により重合収縮率が異なり、同様に注型ガスケットもガスケット材料により熱変形量も異なる。さらに、厳密にはガスケットの厚さを含む形状的要素やモールドの形状的要素も熱変形に影響する。したがって、押し移動量(H)は、これら全てのファクターを複合した実験的なデータから割り出された検証値が用いられている。
【0062】
図5において、前記ボトムプレート84上には、第1、第2の原点センサ93,94と、下限センサ95および上限センサ96が配設されており、これらセンサに対応して前記スプライン軸75と調整ねじ87には、センサ用スリットカム97とセンサ用円板98がそれぞれ配設されている。第1の原点センサ93はフォトセンサからなり、スプライン軸75に取付けた前記センサ用スリットカム97のスリット97aを検出することにより、スプライン軸75の停止時の回転角度を光学的に検出するものである。第2の原点センサ94は反射型の光電センサからなり、前記センサ用円板98を光学的に検出することにより、調整ねじ87の初期位置の高さを検出するものである。下限センサ95と上限センサ96は調整ねじ87がオーバーランしたときに、これを検出して前記ステッピングモータ74の駆動を停止させるためのもので、同じく反射型の光電センサが用いられているが、これに限らずリミットスイッチであってもよい。なお、99A,99Bは、上記したセンサが取付けられているステーである。
【0063】
図12において、前記組付け装置20を制御するプログラムコントローラ100は、I/O制御102、モータ位置決めコントローラ103、コンピュータインタフェース104を備え、これらをデータバス105によって接続しCPU101で管理している。I/O制御102は、ガスケット押え用エアシリンダ45、上型モールド押え用エアシリンダ59、ピン開閉用エアシリンダ70およびメインエアシリンダ46がそれぞれ電磁弁110a〜110dを介して接続されており、操作盤111の入、出力装置からの信号が入力される。モータ位置決めコントローラ103にはステッピングモータ74がモータドライバ112を介して接続されるとともに、第1、第2の原点センサ93,94が接続されている。コンピュータインタフェース104は、外部のパーソナルコンピュータ121に接続されている。
【0064】
操作盤111の入力装置(操作スイッチ、設定器)の信号がI/O制御102を介してCPU101に入力されると、予めプログラミングされたCPU101によって装置全体の処理が行われる。すなわち、CPU101の指令によってI/O制御102を介して電磁弁110a〜110dを順次駆動することによってガスケット押え用エアシリンダ45、上型モールド押え用エアシリンダ59、ピン開閉用エアシリンダ70およびメインエアシリンダ46がそれぞれ動作する。また、CPU101の位置決め指令を受けたモータ位置決めコントローラ103からモータドライバ112を介してモールド押し移動量調整機構25のステッピングモータ74を駆動すると、スプライン軸75が回転して調整ねじ87を所望の高さ位置まで上昇させ、ストッパ91との間に所定の距離Hを設定する。
【0065】
図13において、操作盤111またはパーソナルコンピュータ121の入力装置より押し移動量データを入力すると、CPU101は、このデータをパルス量に変換し、データバス105を介してモータ位置決めコントローラ103に伝達する。モータ位置決めコントローラ103は、パルス列でモータドライバ112をコントロールするユニットであり、CPU101より設定されたパルス量データをパルス列に変換してモータドライバ112を介してステッピングモータ74に出力する。ステッピングモータ74は与えられたパルスの量に相当する回転数だけ回転することにより、調整ねじ87を上昇させる。ステッピングモータ74には回転位置を検出するためのエンコーダが設けられており、その検知信号がモータドライバ112にフィードバックされることにより高精度な位置制御が行われる。また、モータ位置決めコントローラ103は、第2の原点センサ94によってセンサ用円板98(図5)を検出することにより調整ねじ87の初期位置決めをし、さらに、第1原点センサ93によってセンサ用スリットカム97を検出することにより調整ねじ87の原点位置としている。
【0066】
次に、上記した組付け装置20によるプラスチックレンズ用成型鋳型1の組付け手順について説明する。
ここでは、注型方法でレンズを成形するとき、上型モールド3を位置決めできるように内壁にリング状の突起部5を突設した注型ガスケット2に一対のモールド3,4を圧入してキャビティ13を形成する組付け方法について説明する。
【0067】
予め、注型ガスケット2に組付けられるモールド3,4の種類に応じて適正なキャビティ13が形成できるように、注型ガスケット2にモールド4を押込むための押し移動量をモールド押し移動量調整機構25によって設定しておく。この押し移動量は、調整ねじ87の上面からストッパ91の下面までの距離Hで決定される。その距離Hを設定するには、予め第2、第1の原点センサ94,93がセンサ用円板98とセンサ用スリットカム97を検出する位置を調整ねじ87の原点位置として保持しておき、その原点位置からの数値により必要とする距離Hとなるように調整ねじ87を回転して上昇させる。具体的には、ステッピングモータ74を駆動して出力軸79の回転をカップリング80を介してスプライン軸75に伝達し、さらにその回転をスプライン軸受88に伝達する。スプライン軸受88は、調整ねじ87に固定されているので、ステッピングモータ74の回転は調整ねじ87に伝達され、ベースプレート28に固定されている固定ナット89との螺合により調整ねじ87は所定の高さまで上昇して停止することにより、ストッパ91との間に所定の距離Hが設定される。なお、スプライン軸受88は、スプライン軸75に対して摺動自在にスプライン結合しているので、調整ねじ87は固定ナット89に対して回転しながら上下動することができる。
【0068】
次に、製造しようとするプラスチックレンズの種類に対応した注型ガスケット2、一対のモールド3,4および下型リング35を用意し、下型リング35をロアプレート32の嵌合孔36の大径穴部36aに押込み仮固定する。次いで、一対のモールド3,4を注型ガスケット2のモールドガイド部7,8に光学面形成用側面(3b,4a)が互いに対向するようにそれぞれ圧入し仮組付けする。この状態において、上型モールド3の上面中央部は注型ガスケット2の上端開口部より上方に突出している。一方、下型モールド4の周縁部の一部は注型ガスケット2の下端開口部より下方に突出している。図2はこの状態を示す。次に、この仮組付け状態のプラスチックレンズ成形鋳型1を前記下型リング35に設置する(図6、図11)。この設置は、下型モールド4の周縁部で注型ガスケット2の下方に突出している部分を下型リング35の嵌合溝38に嵌合することで行われる。この状態では注型ガスケット2の下端は、下型リング35の上面に未だ接触していない(図11)。なお、モールド3,4の注型ガスケット2に対する仮組付け作業は、手作業でもよいし、ロボット等による自動組付けであってもよい。また、モールド押し移動量調整機構25による距離Hの調整作業と、プラスチックレンズ成形用鋳型1の下型リング35への装着は手順が前後してもよい。
【0069】
プラスチックレンズ成形用鋳型1が下型リング35に設置されると、ガスケット押え用エアシリンダ45が動作し、ピストンロッド45Bを後退させることでアッパープレート31を下降させ、ガスケット押えリング34の下面34aを上型モールド3の上面に押圧する。このため、上型モールド3は、注型ガスケット2の内部に押し込まれ、完全に押し込まれると、ガスケット押えリング34の下面34aが注型ガスケット2の上端面を押圧し、下端面を下型リング35の上面に押付ける。これによって、注型ガスケット2は、ガスケット押えリング34と下型リング35とによって軸線方向からのみ挟持される。図14はこの状態を示す。
【0070】
上型モールド3をガスケット押えリング34によって注型ガスケット2に押し込んだとき、上型モールド3はテーパ部9を乗り越えることで、注型ガスケット2の上端部を外側に弾性変形させて拡径化させる。
【0071】
次に、上型モールド押え用エアシリンダ59を動作させてピストンロッド59Bをシリンダ本体59Aから伸張させる。これによりピストンロッド59Bが下降して押込み部材58をガスケット押えリング34の下方に突出させ上型モールド3を更に押込み、注型ガスケット2の内周面に突設しているリング状の突起部5の支持面5aに押付けて上型モールド3を位置決めする(図15)。このとき、ガスケット押え用エアシリンダ45の出力は上型モールド押え用エアシリンダ59の出力よりも大きく設定されているので、押込み部材58を上型モールド3に押付けても、注型ガスケット2を押圧しているガスケット押えリング34がアッパープレート31とともに上方に移動復帰して注型ガスケット2の挟持状態を解除することはない。また、注型ガスケット2は内径d1 が上型モールド3の外径D1 より小さく設定されているので、上型モールド3が押し込まれると拡径方向に弾性変形し、その復元力でモールド3を締付けて位置決め保持する。
【0072】
次に、注型ガスケット2をガスケット押えリング34と下型リング35によって挟持した状態でメインエアシリンダ46を動作させ、ピストンロッド46Bを後退させることでロアプレート32を距離Hだけ下降させる。このとき、アッパープレート31はロアプレート32にガスケット押え用エアシリンダ45を介して結合されていることから、ロアプレート32と一定の間隔を保持したままの状態で一体に下降し、注型ガスケット2はガスケット押えリング34と下型リング35によって挟持され、上型モールド3が押込み部材58によって押圧された状態を保持する。
【0073】
アッパープレート31とロアプレート32の下降によって注型ガスケット2を下降させると、下型リング35に嵌合している下型モールド4の下面4cが押しピン68の上面に接触し、さらにロアプレート32が一定距離下降することで注型ガスケット2もさらに下降する。したがって、下型モールド4は押しピン68によって突き上げられ,
注型ガスケット2のテーパ部10を乗り越えることにより注型ガスケット2の内部に押し込まれる。そして、ロアプレート32に固定されているストッパ91が調整ねじ87の上面に当接すると下型モールド4の押込み操作が終了して上型モールド3と下型モールド4が所定の間隔を保って対向し、これらモールド3,4と注型ガスケット2とでキャビティ13が形成される。ロアプレート32の下降が完了して下型モールド4を注型ガスケット2に押込むと、注型ガスケット2は径方向に弾性変形して下型モールド4を締付け所定の位置に位置決め保持する(図16)。
【0074】
下型モールド4の押込み時において、押しピン68が立設されているスライドプレート66,67はピン開閉用エアシリンダ70によって開く方向に付勢されているため、押しピン68は下型リング35の内周面に接触した状態を保持している。このように押しピン68を開方向に付勢して下型リング35の内周面に押し付けるようにすると、内径の異なる下型リング35であっても押しピン68自体は交換する必要がなく共通に使用することができる(図8〜図10)。
【0075】
ここで、下型モールド4を注型ガスケット2に押込み決められた位置に保持するためには、調整ねじ87の上面からストッパ91の下面までの距離Hをレンズ毎に決めてやればよい。また、注型ガスケット2はガスケット押えリング34と下型リング35によって挟持された状態で垂直に下降するので、下型モールド4は注型ガスケット2の内周面に対して傾いたりすることがなく押しピン68によって正確に押し込まれる。
【0076】
下型モールド4を押しピン68によって注型ガスケット2に押込み、ストッパ91を調整ねじ87に押し付けた状態が一定時間経過すると、上型モールド押え用エアシリンダ59のピストンロッド59Bを後退させて押込み部材58による上型モールド3の押圧状態を解除する。さらに、ガスケット押え用エアシリンダ45のピストンロッド45Bを前進させ、またメインエアシリンダ46のピストンロッド46Bを前進させてガスケット挟持機構22を初期位置に復帰させることにより注型ガスケット2の挟持状態を解除し、もって注型ガスケット2と一対のモールド3,4の自動組付けが完了する。
【0077】
モールド3,4の組付け作業が完了した後、押込み部材58の制御は、連続的に退避操作を行うのではなく、注型ガスケット2が一旦樽型に弾性変形し、安定したモールドの挟持状態になるのを確認してから退避操作を行うことが好ましい。これは、注型ガスケット2の可撓性のタイムラグを考慮するためである。
【0078】
このような組付け装置20においては、プラスチックレンズ成形用鋳型1を自動的に組付けることができるので、組付けの作業性を向上させることができ、また組付けのばらつきが少なく、モールド3,4を注型ガスケット2に対して高精度に組付けることができる。また、下型モールド4を組込むときの押し移動量(H)をモールド押し移動量調整機構25によって自由に設定できるので、複数種のプラスチックレンズ成形用鋳型の組付けが可能である。
【0079】
また、開閉自在な複数本の押しピン68を用いて下型モールド4を押込むようにしているので、内径が異なる各種の下型リング35に対して共通に使用することができ、上記した特開平6−986312号公報のように押し型を交換する必要がなく、装置の取り扱いが簡単かつ容易である。
【0080】
さらに、注型ガスケット2を軸線方向からのみ挟持した状態でモールド3,4を押込むようにしているので、押込みによる注型ガスケット2の拡径方向の弾性変形を可能にし確実に押込むことができる。
【0081】
図17は本発明の他の実施の形態を示す要部の断面図、図18は押しピンの高さ調整機構を示す図である。
この実施の形態は、モールド4をその光学面形成側面4aを下に向けて注型ガスケット2の上端側開口部より押込み部材58によって押込んで突起部5の支持面5aに押し付け、モールド3をその光学面形成用側面3bを上に向けて注型ガスケット2の下端側開口部より複数本の押しピン68によって押込むようにするとともに、各押しピン68の高さを高さ調整機構130によって個々独立に調整可能にしたものである。
【0082】
高さ調整機構130としては、押しピン68の周面に形成したラック131と、スライドプレート66(67)に設けられ前記ラック131が噛合するピニオン132と、前記ピニオン132を回転させる図示しないモータとで構成した例を示したが、これに限らずエアシリンダ等を用いることも可能である。また、押しピン68を交換するようにしてもよい。
【0083】
このような構造においては、各押しピン68の高さを個々独立に制御することができるので、下側のモールド3を上側のモールド4に対して傾けて組込むことができ、眼位補正に用いられるプリズムレンズの製作が可能である。
【0084】
なお、上記した実施の形態では、注型ガスケット2を垂直に設置して上下方向から挟持するようにした縦型の組付け装置20を示したが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、注型ガスケット2を水平に設置して水平方向から挟持するようにした横型の組付け装置にも適用することができる。その場合は、下型リング35が横向きになっているため、この横向きのリング35の嵌合溝38にモールド4の周縁部を水平方向から嵌合することになる。したがって、リング35から鋳型が脱落し易く、第1、第2の挟持手段であるガスケット押えリング34と下型リング35によって注型ガスケット2を挟持するまでの間、適宜な支持手段によって注型ガスケット2を支持しておくことが好ましい。
【0085】
また、上記した実施の形態では、注型ガスケット2をガスケット押えリング34と下型リング35とで挟持した状態でロアプレート32を下降させ、下型モールド4を押しピン68に押し付けるようにしたが、下型モールド4と押しピン68の動きは相対的なものであるため、押しピン68の上昇によって下型モールド4を注型ガスケット2に押込むようにしてもよい。
さらに、各種機構の駆動装置としてエアシリンダ45,46,59を用いたが、モータを使用することも可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置によれば、注型ガスケットを軸線方向から挟持するだけでよく、モールドの押込みによる注型ガスケットの拡径方向の弾性変形を可能にし、モールドを確実にかつ高精度に押込むことができる。
また、プラスチックレンズ成形用鋳型を自動的に組付けることができ、組付けの作業性を向上させることができる。
また、モールドを押込むときの押し移動量を自由に設定できるので、各種のプラスチックレンズ成形用鋳型の組付けが可能である。
また、開閉自在な押しピンを用いてモールドを押込むようにしているので、内径の異なる第2の挟持手段を用意しておくだけで径の異なる複数種の鋳型に対して共通に使用することができ、装置の取り扱いが簡単かつ容易である。
さらに、押しピンの高さを個々独立に調整可能にしたので、プリズムレンズの製作も可能であり、装置の汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る組付け装置によって組付けられるプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け前の分解断面図である。
【図2】モールドを注型ガスケットに仮固定した状態を示す断面図である。
【図3】モールドを注型ガスケットに組込んでプラスチックレンズ成形用鋳型とした状態を示す断面図である。
【図4】同組付け装置の要部の斜視図である。
【図5】同組付け装置の要部の正面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】図5のVII −VII 線断面図である。
【図8】第2のモールド押込み機構の平面図で、レンズ標準外径が70mm用の下型リングと押しピンとの関係を示す図である。
【図9】レンズ標準外径が60mm用の下型リングと押しピンとの関係を示す図である。
【図10】レンズ標準外径が80mm用の下型リングと押しピンとの関係を示す図である。
【図11】プラスチックレンズ成形用鋳型を下型リングに設置した状態の要部の断面図である。
【図12】組付け装置の制御ブロック図である。
【図13】位置制御回路を示すブロック図である。
【図14】プラスチックレンズ成形用鋳型の組付け動作を説明するための図である。
【図15】プラスチックレンズ成形用鋳型の組付け動作を説明するための図である。
【図16】プラスチックレンズ成形用鋳型の組付け動作を説明するための図である。
【図17】本発明の他の実施の形態を示す要部の断面図である。
【図18】押しピンの高さ調整機構を示す図である。
【符号の説明】
1…プラスチックレンズ成形用鋳型、2…注型ガスケット、3,4…モールド、5…突起部、7,8…モールドガイド部、9,10…テーパ部、22…ガスケット挟持機構、23…第1のモールド押込み機構、24…第2のモールド押込み機構、25…モールド押し移動量調整機構、29…ガイドポスト、31,32…プレート、34…第1の挟持手段、35…第2の挟持手段、38…嵌合溝、45…挾持用駆動装置(ガスケット押え用エアシリンダ)、46…ガスケット移動用駆動装置(メインエアシリンダ)、58…モールド押込み部材、59…モールド押込み用駆動装置(上型モールド押え用エアシリンダ)、68…押しピン、75…スプライン軸、74…調整用駆動装置(ステッピングモータ)、87…調整ねじ、89…固定ナット、91…ストッパ。
Claims (8)
- 注型ガスケットをその軸線方向から挟持するガスケット挟持機構と、前記注型ガスケットの一方の開口端部に嵌合する一方のモールドを注型ガスケット内に押込む第1のモールド押込み機構と、前記注型ガスケットの他方の開口端部に嵌合する他方のモールドを前記一方のモールドと所定の間隔を保って対向するように注型ガスケット内に押込む第2のモールド押込み機構とを備えたことを特徴とするプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置。
- 請求項1記載のプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置において、
前記ガスケット挟持機構と前記第2のモールド押込み機構は相対的に接近離間自在に配設されていることを特徴とするプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置。 - 請求項1記載のプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置において、
前記ガスケット挟持機構は、互いに対向し少なくとも一方が他方に対して接近離間自在に配設された第1、第2の挟持手段と、前記第1、第2の挟持手段によって注型ガスケットを軸線方向から挟持させる挾持用駆動装置とを備え、
前記第2の挟持手段は、前記注型ガスケットが両端開口部にモールドがそれぞれ嵌合した状態で設置され、第2のモールド押込み機構によって押し込まれる他方のモールドの周縁部が嵌合する嵌合溝を有することを特徴とするプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置。 - 請求項3記載のプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置において、
前記ガスケット挟持機構は、ガイドポストに沿って摺動自在に配設された互いに対向する2つのプレートを備え、一方のプレートには第1の挟持手段と、この一方のプレートを前記ガイドポストに沿って移動させて前記第1の挟持手段を注型ガスケットの一方の開口端面に押し付ける挟持用駆動装置とが取付けられ、他方のプレートには第2の挟持手段が着脱自在に設置されるとともに、前記第1、第2の挟持手段が注型ガスケットを挟持した状態で前記2つのプレートを前記ガイドポストに沿って第2のモールド押込み機構方向に一体的に移動させるガスケット移動用駆動装置が設けられていることを特徴とするプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置。 - 請求項3または4記載のプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置において、
前記第1のモールド押込み機構は、第1の挟持手段に進退自在に嵌挿されたモールド押込み部材と、このモールド押込み部材をモールドに押し付けるモールド押込み用駆動装置とを備え、
前記第2のモールド押込み機構は、第2の挟持手段の内周面に当接するように広がる方向に付勢された複数本の押しピンを備えていることを特徴とするプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置。 - 請求項5記載のプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置において、
各押しピンは高さ調整自在に配設されていることを特徴とするプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置。 - 請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載のプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置において、
前記第2のモールド押込み機構によるモールドの押し移動量を調整するモールド押し移動量調整機構を備えていることを特徴とするプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置。 - 請求項7記載のプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置において、
前記モールド押し移動量調整機構は、スプライン軸と、このスプライン軸を回転させる調整用駆動装置と、前記スプライン軸に対して摺動自在にスプライン結合する調整ねじと、この調整ねじが螺合する固定ナットと、ガスケット挟持機構に設けられ前記調整ねじの移動を制限するストッパとを備えていることを特徴とするプラスチックレンズ成形用鋳型の組付け装置。
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