JP2004216587A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】解像度の切換に必要なバッファモメリの容量増大を抑制できるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】主走査方向にスライド可能なインクキャリッジ2から副走査方向に搬送される用紙11にインク滴を吐き出して画像を形成し、1ドットを形成する複数のインク滴のインク滴数を変化させることにより、画像の階調を表現するマルチドロップ印字を行うとともに、ドットのピッチを変化させることのできる装置であって、画像処理部に設けられ、予め定める階調レベル以上になるとドットピッチを小さく切り換え、切換以前のドットピッチでのドット密度の変化と1ドットを形成するインク滴数の変化とを組み合わせて階調を表現する解像度切換部と、画像処理部で形成された出力印字データを保持してこれをインクキャリッジ2の印字ヘッド4に順次付与する出力バッファとを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1ドットの画素を複数のインク滴で形成し、そのインク滴数を変化させることにより、階調を表現するマルチドロップ印字を行うことのできるインクジェット記録装置に関し、より詳しくは、ドットのピッチ(解像度)を変化させるものにおいて、その階調(濃度)の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録装置には様々な装置があるが、その一つとして、記録媒体である用紙に対してインク滴を吐き出し、画像を形成するインクジェットプリンタがあげられる。この種のインクジェットプリンタは、図33に示すように、通常は画像を形成する1の画素p上にインク滴iを1滴だけ吐き出し、1ドットで1画素を形成するが、近年、同一の画素p内に複数のインク滴iを吐き出すことにより、画素濃度を調整する(階調制御)技術が開発・採用されている。
【0003】
ところで、インクジェットプリンタによりカラー印刷する場合には、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各カラーインクを重ね合わせることにより画像を形成する。
しかしながら、階調を制御すると、カラーインク同士が互いに混色したり、あるいは用紙に吸収されずに画素pの外部に流出するという不具合の生じるおそれがある。
【0004】
このような不具合に鑑み、従来、1画素内に数滴のインクを吐き出した場合に、用紙に対するインクの吸収時間を短縮する印刷方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、吸収されにくいブラックインクの画素pを4つの小さいドット群に分割形成(マルチドロップ方式)することにより、その吸収効率を向上させるものである。この方法によれば、ブラックインクと他のカラーインクとの画素径を均一化し、インクの流れ込みや滲みを制御してシャープで鮮明な画像を得ることができる。
なお、特許文献1には、ブラックインクの下地として、カラーインクを用いる技術も提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8‐197831号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、画素径を揃える目的のみでドット群の形成状態を設定するようにしている。このため、高速印刷やインク消費量を節約可能な印刷は不可能である。
そこで、本件発明者は、このような問題を解消するため、特願2001‐353538号や特願2001‐354615号において、ある濃度を閾値として、ドットピッチが小さく切り換えられる場合(例えば、600dpiから300dpi)には、ドットピッチを小さく切り換え、この切換によりドットピッチが小さくなっても、画素領域を変化させずに(すなわち、300dpiの大きいままで)1画素領域を複数のドットで構成するようにし、ドット密度(その1画素領域当たりのドット数)の変化と1ドットを形成するインク滴数の変化とを組み合わせて階調表現する技術を提案している。
【0007】
係る先行技術によれば、高濃度の部分だけドットピッチを小さく切り換え、インク消費量を節約しつつ、低濃度の部分では高速印字し、速度とインク消費量とを両立した印字を行うことが可能となる。
しかし、係る先行技術では、優れた効果が得られるものの、解像度の切換に必要なバッファモメリの容量が増大するという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、解像度の切換に必要なバッファモメリの容量増大を抑制することのできるインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
【0009】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、画像の解像度切換に必要なバッファモメリの容量増大を抑制することのできるインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を達成するため、主走査方向にスライド可能なインクキャリッジから副走査方向に搬送される記録媒体にインク滴を吐き出して画像を形成し、1ドットを形成する複数のインク滴のインク滴数を変化させることにより、画像の階調を表現するマルチドロップ印字を行うとともに、ドットのピッチを変化させることのできるものであって、
画像処理手段に設けられ、予め定める階調レベル以上になるとドットピッチを小さく切り換え、切換以前のドットピッチでのドット密度の変化と1ドットを形成するインク滴数の変化とを組み合わせて階調を表現する解像度切換手段と、画像処理手段で形成された出力印字データを保持してこれをインクキャリッジの印字ヘッドに順次付与する出力バッファとを含んでなることを特徴としている。
なお、解像度切換手段を画像処理手段の最終段に設けることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、1ドットを形成する複数のインク滴のインク滴数を変化させることにより、規定の画像領域における1ドットの面積を変化させ、階調を表現するマルチドロップ印字を行うことができ、しかも、300dpiと600dpiのようにドットピッチをも変化させることのできる装置において、事前に指定したドットピッチにより印字するだけではなく、事前に指定したドットピッチが大きい場合(300dpiと600dpiの場合には300dpi)には、解像度切換手段が予め定める階調レベル(濃度)以上になるときに、ドットピッチを小さく切り換え(例えば600dpiから300dpi)、この切換によりドットピッチが小さくなっても、画素領域を変化させず(すなわち300dpiの大きいままで)に1画素領域を複数のドットを構成するようにし、ドット密度(その1画素領域当たりのドット数)の変化と1ドットを形成するインク滴数の変化とを組み合わせて階調を表現する。
【0012】
そして、解像度切換手段を、インクジェット記録装置に入力された画像データに、色変換や誤差拡散等の画像処理を施す画像処理手段に設ける。
したがって、1画素領域を複数のドットで構成したほうがインクの着滴位置が分散し、同じ階調を表現する場合にも、より少ないインク消費量にすることができる。また、インク消費量の削減が可能なマルチドロップで解像度の切換が可能な印字を行うことができ、係る印字を1スワス分の出力バッファで実現することもできる。
【0013】
また、本発明によれば、ドットピッチの切換判断やその切り換えを行う場合には、切換後におけるデータへの変換を、色変換や誤差拡散等の画像処理が施された最終データに対して行うことができるので、安定した判断が期待できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態におけるインクジェット記録装置は、図1や図2に示すインクジェットプリンタ1からなり、本体である筐体2に、インクを供給するインクキャリッジ3と、記録媒体である複数枚の用紙11を斜めに立てて貯える給紙トレイ10等が配設される。
【0015】
インクキャリッジ3は、図1や図2に示すように、インク吐出ノズルからインクを吐き出す印字ヘッド4と、この印字ヘッド4にインクを供給する印字タンク5とを備え、筐体2の内部両側間に軸架されたシャフト6に貫通支持されており、このシャフト6に案内されつつ主走査方向(矢印参照)にスライドするよう機能する。筐体2の内部には、シャフト6に対して平行に位置するエンドレスのタイミングベルト7がタイミングベルトローラ8を介して巻架され、このタイミングベルトローラ8がタイミングベルト駆動装置9の動作で回転することにより、インクキャリッジ3がシャフト6にガイドされつつ主走査方向にスライドする。
【0016】
給紙トレイ10は、複数枚の用紙11を積層収容し、この用紙11がピックアップローラ12と押圧部材13とに挟持されるようピックアップされる。そして、用紙11は、給紙ローラ14により、インクキャリッジ3と印字台として機能するプラテン15との間に搬送される。この際、印字ヘッド4のインク吐出ノズルは、インクキャリッジ3のリフィル能力に応じた周期で印字タンク5からインクを供給される。さらに、インクキャリッジ3の印字ヘッド4は、図示しない外部装置から受信した印字データDに応じ、インク吐出ノズルから用紙11にインクを吐き出しながら主走査方向に主走査する。その後、1主走査毎に用紙11が所定のピッチで用紙11の搬送方向に副走査(矢印参照)されることにより、用紙11に画像が形成され、画像の形成された用紙11が排紙ローラ16により排紙トレイ17に搬送される。
【0017】
次に、インクジェットプリンタ1の制御機構について説明する。先ず、インクジェットプリンタ1の制御機構は、図3に示すように、制御部20の画像処理部21、制御部20の駆動系制御部22、制御部20のインターフェイス部23、制御部20のメモリ24、印字ヘッド4、この印字ヘッド4を駆動するヘッド駆動回路25、タイミングベルト7を回転駆動するキャリッジモータ26、このキャリッジモータ26を駆動するキャリッジ駆動回路27、ピックアップローラ12,給紙ローラ14,排紙ローラ16を回転させる用紙搬送モータ28、この用紙搬送モータ28を駆動させる用紙搬送駆動回路29から構成される。
【0018】
インクジェットプリンタ1は、外部からの印字コマンド及び印字データDをインターフェイス部23を介して受信し、所定の画像を形成する。制御部20は、画像処理部21、駆動系制御部22、インターフェイス部23、及びメモリ24から構成され、画像を形成するため、ヘッド駆動回路25、キャリッジ駆動回路27、用紙搬送駆動回路29に対して所定の信号を出力する。
【0019】
画像処理部21は印字コマンドと印字データDを処理することができ、処理データはメモリ24に格納されたり、メモリ24から引き出される。また、画像処理部21は、外部からの印字コマンドと印字データDを受けて画像形成時におけるドット密度を切り換えたり、インク消費量を低減するため、インク消費モードと印字時間を短縮するための高速印字モードとを切り換える。
【0020】
メモリ24は図示しないRAMとROMとを備え、RAMは主に印字コマンド及び印字データDを一時的に格納するよう機能する。ROMは、インクジェットプリンタ1の制御プログラム、又は各種テーブル類を予め格納することができる。また、駆動系制御部22は、キャリッジ駆動回路27と用紙搬送駆動回路29とをそれぞれ制御する。
【0021】
本実施形態のインクジェットプリンタ1は、1ドットを複数のインク滴iで形成し、そのインク滴数を変化させることにより、階調を表現するマルチドロップ印字を行うことができるとともに、例えば300dpiと600dpiのようにドットのピッチ(解像度)を変化させるプリンタであり、図4に示す画像処理部21で解像度を切り換える点に特徴がある。同図において、画像データ入力部40に入力された画像データ(例えば、RGBの256階調)は、SRGB変換部41でSRGB変換され、Lab変換部42でLab信号に変換され、さらにYMCK変換部43でYMCK信号に変換される。
【0022】
これらの色変換が終了した画像データは、ハーフトーン処理部44によりハーフトーン(誤差拡散)処理される。このような従来からの画像処理が終了した、例えばYMCKで8階調の300dpiの画像データは、解像度切換部45に入力され、階調(濃度)が予め定める閾値以上になると、600dpiのデータに変化し、インク消費量の低減が図られる。解像度の切換が終了した、例えばYMCKで8階調の300dpi又は600dpiの画像データは、出力バッファ46から印字ヘッド4に順次入力される。
【0023】
したがって、解像度切換部45を画像処理部21中に設けることにより、その解像度の切り換えに用いるメモリ24を1スワス分の出力バッファ46で実現することができる。また、画像処理部21の最終段に解像度切換部45を設けることにより、解像度の切換判断及びその切換時に切換後のデータ変換を、色変換や誤差拡散等の画像処理が施された最終データに対して行うことができるので、安定した判断が大いに期待できる。
【0024】
ここで、インクジェットプリンタ1における印字ヘッド4からインクを吐き出す工程について説明する。本実施形態のインクジェットプリンタ1では、画像処理部21が画素面積率を変更して画像の階調を調整する。また、階調の調整過程でドット密度を切り換えることにより、インク消費量の低減と滲みによる画質の低下防止を図るよう設定される。
【0025】
図5ないし図22は、1画素に対してインク滴iを吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。同図において、dn(n=1〜8)は同じ位置にインク滴iを何滴吐き出したかを表し、×m(m=2〜4)は300dpiの画素領域中に幾つのドットを形成するかを示す。これらの記号の横には、300dpiの画素領域におけるインクの浸透面積の割合を%で表示した。したがって、例えば図7の場合には、インク滴iを同じ位置に3滴吐き出し、それによるインクの浸透面積の比率が42%であることを示す。
【0026】
図5ないし図11は、300dpiの画素領域中に1のドットを形成するもので、インク滴iを順に1つずつ増加させている。本実施形態における1滴のインク量は、3ピコリットルであり、300dpiモードで図5ないし図11に示す9階調で変化させた場合のインク量及び面積率の変化を表1と図23に示し、ドット径の変化を図24に示す。
【0027】
【表1】
Figure 2004216587
【0028】
また、図12ないし図22は、600dpiの解像度によるもので、300dpiの画素領域を主走査方向及び副走査方向の2つに分割し、300dpiの画素領域の中に最大4つのドットを形成するものである。したがって、例えば図21の場合には、4ドットのうち、2つを1滴、残りの2つを2滴で構成し、それによる浸透面積の比率が90%であることを表している。この600dpiの場合にも、300dpiの場合と同様、11階調で変化させた場合のインク量及び面積率の変化を表2と図25に示す。
【0029】
【表2】
Figure 2004216587
【0030】
ここで、図23に示すように、インク滴iの数に対して浸透面積は線形には増加せず、インク滴数が多くなるほど増加率は小さくなる。また、600dpiでは、例えば図14や図15等から明らかなように、同じインク滴数でも分散して吐き出すほうが浸透面積が拡大する。このため、表2、図5ないし図22、図25に示すように、600dpiのドットの形成順が決定されている。そして、上記解像度切換部45は、600dpiの解像度が予め指定されている場合には、その解像度で出力画像データを作成し、300dpiに設定されている場合に、予め定める濃度を閾値として1スワス分ずつ解像度を切り換え可能とする。例えば、300dpiでは階調レベル3以上が切り換え可能範囲となり、600dpiでは階調レベル3以上が切り換え可能範囲となる。
【0031】
そして、切換の閾値を、速度重視の場合には面積率81%以上、画質及びインク消費量の低減重視の場合には51%以上、又は600dpiで固定する。これにより、速度重視の場合には、インク消費量が多くなるものの、可能な限り300dpiで印字し、インク消費量重視の場合には、インク速度が遅くなるが、可能な限り600dpiで印字するようになる。したがって、ユーザの要求に十分に応えることができる。
【0032】
例えば、階調レベル0〜4を300dpiとし、階調レベル5〜10を600dpiとした場合の面積率、インク量及び画素構成の変化を表3に示す。これにより、例えば300dpiで階調レベル7の場合には、7滴のインクを必要とするのに対し、面積率75%に近い600dpiでの面積率が74%の階調レベル7では、2滴のインクが3ドット、したがって6滴のインクで済ませることができる。
【0033】
【表3】
Figure 2004216587
【0034】
一方、300dpiで階調レベル4の場合には、4滴のインクを必要とするのに対し、面積率52%に対して、600dpiでの面積率が41%の階調レベル3と、面積率が61%の階調レベル5とを繰り返し用いることにより、(2+3)/2滴のインクで済ませることができる。このように画像処理を併用することでも、インク量の削減が大いに期待できる。また、表4及び図26に、14階調とし、階調レベル0〜8を300dpiとし、階調レベル9〜13を600dpiとした場合の面積率、インク量及び画素構成の変化を示す。
【0035】
【表4】
Figure 2004216587
【0036】
図27に解像度切換部45による解像度の切り換え動作を示す。ステップS1では、解像度がデフォルト値の300dpiにセットされ、ステップS2では、1スワス分の画像データが読み込まれる。ステップS3では、1つのデータの階調レベルが予め定める閾値α、例えば上記のように速度重視の場合には81%以上、画質及びインク消費量の低減を重視する場合には51%又は600dpiで固定するため、0%と比較され、閾値α未満であれば、ステップS4に移り、閾値α以上であれば、ステップS5で600dpiにモード変更された後にステップS4に移ることとなる。ステップS4では、1スワス分の画像データのチェックが終了したか否かが判断され、終了していない場合には、ステップS3に戻ることとなる。こうして1スワス分の画像データの1つでも閾値α以上のデータがあると、600dpiにセットされ、ステップS6に移る。
【0037】
ステップS6では、その解像度のモードデータが出力され、ステップS7では引き続き1スワス分の画像データの本体が出力される。ステップS8では、印字が完了したか否かが判断され、未印字データが残っている場合にはステップS1に復帰する。さらに、ユーザによる設定やセンサの検知結果に対応し、用紙11の種類に応じて解像度の切換の閾値、各階調でのインク滴数を変化させるようにしても良い。図29に用紙11の相違によるインク量の変化に対するドット径の変化を示す。同じインク量であっても、インクの染み込み難いコート紙のほうがドット径の小さくなることを窺い知ることができる。
【0038】
したがって、解像度の切換の閾値を用紙11の種類に応じて変化させ、かつ各階調でのインク滴数をも変化させることにより、用紙11とインクとの組み合わせで決定されるインクの染めこみ具合に対応して上記制御が可能になる。これにより、各用紙11に対する最適条件を設定することができ、例えば普通紙の印字時間の短縮やコート紙による画質向上の効果等を有効に得ることができる。
【0039】
次に、図30は本発明の第2の実施形態を示すもので、同図は1列分の印字例を示しており、X方向が主走査方向(行方向)であり、Y方向が副走査方向(列方向)である。この実施形態においては、解像度の切換によるインク滴iの着滴位置を補正するようにしている。
すなわち、300dpiが連続するときには、用紙11も1/300ずつ送られ、600dpiが連続するときには、印字ヘッド4の1パス(往路)に用紙11が1/600ずつ送られ、2パス(復路)にも用紙11が1/600インチ送られることにより、600dpiでも印字速度が大きく低下しないようになっている。
【0040】
そして、図30に示すように、300dpiから600dpiに切り換わる際には、1/300インチで送られた場合、第1の破線で示すようにYofsのオーバーランを生じてしまう。Yofsの過多を防止するため、用紙11は(1/300−1/1200)インチ送られ、同様に600dpiから300dpiに切り換わる際には、1/600インチで送られた場合、第1の破線で示すようにYofsの送り量不足を招いてしまう。Yofsの送り量不足を防ぐため、往路の基準で(1/300+1/1200)インチ送られる。
【0041】
すなわち、300dpiのドット中心に対して600dpiでは1/1200インチに相当するオフセット量Yofsだけオフセットが生じ、これを補正する。また同様に、X方向にも1/1200インチに相当するオフセット量Xofsだけオフセットが生じ、これは吐出しタイミングを変化させることにより補正する。
【0042】
図31は上記オフセットの補正動作を説明するフローチャートである。ステップP1では、解像度のモードを受信し、ステップP2では、300dpiであるか否かが判断され、300dpiの場合にはステップP3に移る。このステップP3では、前回も300dpiであったか否かが判断され、そうである場合、すなわち300dpiが継続している場合には、ステップP4に移り、オフセット補正量Yofsが0にセットされる。これに対し、ステップP3において、前回が300dpiではない場合、すなわち600dpiから300dpiに切り換わった際にはステップP5に移り、オフセット補正量Yofsが+1/1200にセットされる。ステップP4、P5からは、ステップP6に移り、300dpiではX方向のオフセット補正を行う必要がないので、オフセット補正量Yofsが0にセットされる。
【0043】
一方、ステップP2において、受信された解像度のモードが300dpiでない場合には、ステップP13に移り、前回も600dpiであったか否かが判断され、そうである場合、すなわち300dpiが継続している場合には、ステップP14に移り、オフセット補正量Yofsが0にセットされる。これに対し、ステップP13において、前回が600dpiではない場合、すなわち300dpiから600dpiに切り換わった際にはステップP15に移り、オフセット補正量Yofsが−1/1200にセットされる。ステップP14、P15からは、ステップP16に移り、X方向のオフセット補正量Xofsが−1/1200インチにセットされる。
【0044】
ステップP6、P16からは、ステップP7に移り、印字の完了したか否かが判断され、未印字データが残存している場合には、ステップP8に移り、次のモードが受信されるまで待機し、受信されるとステップP2に移る。このようにして解像度の切換に応じてドット位置の補正量を切り換えるので、正規の位置に画素pを印字することが可能になり、良好な画質を維持することが可能になる。
【0045】
次に、図32は本発明の第3の実施形態を示すフローチャートで、この場合には、ドット密度に応じて画素pを完成させるパス数を切り換えるようにしている。この実施形態では、ノズルピッチが300dpiで偶数nチャネルのノズルが形成され、ヘット幅が1スワスとなるヘッドを用いた場合を想定しており、したがって1スワス印字が終了すると、n/300インチ用紙11を給送すれば良い。
同図において、ステップQ1では300dpiのモードであるか否かが判断され、そうである場合にはステップQ2に移り、1パス印字としてステップQ3でのインクキャリッジ走査の往路において、全てのノズルを駆動して印字し、ステップQ4で用紙送り量LFを上記n/300インチとして用紙11を給送しつつステップQ5でインクキャリッジ3を復帰させる。
【0046】
これに対して、ステップQ1において、300dpiのモードでない場合にはステップQ12に移り、2パス印字としてステップQ13でのキャリッジ走査の往路で奇数番目のノズルを駆動して印字し、ステップQ14で用紙送り量LFを上記n/600インチとして用紙11を給送する。その後、ステップQ15でインクキャリッジ3を復帰させつつ、その復路で偶数番目のノズルを駆動して印字し、ステップQ16で用紙送り量LFを上記n/600インチとして残りの給送を行う。ステップQ5、Q16からはステップQ6に移り、1スワス分の印字を完了する。
【0047】
このように300dpiのモード時には1パスで片方向印字(偶数又は奇数走査に限定)とし、600dpiのモード時には2パスで往復印字(全ての走査)により画素pを完成させることで、キャリッジ走査方向の着滴精度の影響が大きい低密度(300dpi)印字時には、片方向印字により高い着滴位置精度を確保することができる。また、精度の影響が緩和される高密度(600dpi)印字時には、往復印字により印字時間を短縮することができる。
【0048】
なお、マルチドロップ印字方式には、1スキャンでインクを1滴だけ吐き出し、必要滴数分スキャンを繰り返す方式と、高速吐出しヘッドを使用して従来の数〜+KHz程度の駆動パルスに対して百KHz程度の駆動パルスを用い、1スキャンで必要滴数(例えば、最大8個)バースト状に連続吐出しする方式とがあるが、図32の場合は1スキャンで必要滴数連続吐き出しする方式である。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、画像処理手段に設けられ、予め定める階調レベル以上になるとドットピッチを小さく切り換え、切換以前のドットピッチでのドット密度の変化と1ドットを形成するインク滴数の変化とを組み合わせて階調を表現する解像度切換手段と、画像処理手段で形成された出力印字データを保持してこれをインクキャリッジの印字ヘッドに順次付与する出力バッファとを含むので、解像度の切換に必要なバッファモメリの容量増大を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態におけるインクジェットプリンタを示す斜視説明図である。
【図2】図1の模式断面説明図である。
【図3】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態におけるインクジェットプリンタの制御機構を示す模式説明図である。
【図4】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における解像度の切換を示す説明図である。
【図5】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図6】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図7】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図8】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図9】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図10】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図11】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図12】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図13】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図14】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図15】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図16】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図17】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図18】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図19】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図20】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図21】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図22】本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態における1画素に対してインク滴を吐き出すことにより形成されたドットを階調別に示した平面図である。
【図23】300dpiモードにより9階調で変化させた場合のインク量及び面積率の変化を示す説明図である。
【図24】図23におけるドット径の変化を示す説明図である。
【図25】600dpiモードにより11階調で変化させた場合のインク量及び面積率の変化を示す説明図である。
【図26】14階調とし、階調レベル0〜8を300dpiとし、階調レベル9〜13を600dpiとした場合の面積率、インク量及び画素構成の変化を示す説明図である。
【図27】解像度切換部による解像度の切換動作を示す説明図である。
【図28】解像度切換部による解像度の切換動作を示す説明図である。
【図29】用紙の相違によるインク量の変化に対するドット径の変化を示す説明図である。
【図30】本発明に係るインクジェット記録装置の第2の実施形態を示す説明図である。
【図31】本発明に係るインクジェット記録装置の第2の実施形態におけるオフセットの補正動作を説明するフローチャートである。
【図32】本発明に係るインクジェット記録装置の第3の実施形態におけるオフセットの補正動作を説明するフローチャートである。
【図33】画像を形成する1の画素上にインク滴を1滴だけ吐き出し、1ドットで1画素を形成する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
3 インクキャリッジ
4 印字ヘッド
5 印字タンク
7 タイミングベルト
9 タイミングベルト駆動装置
10 給紙トレイ
11 用紙(記録媒体)
12 ピックアップローラ
13 押圧部材
14 給紙ローラ
16 排紙ローラ
17 排紙トレイ
20 制御部
21 画像処理部
22 駆動系制御部
23 インターフェイス部
24 メモリ
25 ヘッド駆動回路
40 画像データ入力部
41 SRGB変換部
42 Lab変換部
43 YMCK変換部
44 ハーフトーン処理部
45 解像度切換部(解像度切換手段)
46 出力バッファ
D 印字データ
i インク滴
p 画素

Claims (2)

  1. 主走査方向にスライド可能なインクキャリッジから副走査方向に搬送される記録媒体にインク滴を吐き出して画像を形成し、1ドットを形成する複数のインク滴のインク滴数を変化させることにより、画像の階調を表現するマルチドロップ印字を行うとともに、ドットのピッチを変化させることのできるインクジェット記録装置であって、
    画像処理手段に設けられ、予め定める階調レベル以上になるとドットピッチを小さく切り換え、切換以前のドットピッチでのドット密度の変化と1ドットを形成するインク滴数の変化とを組み合わせて階調を表現する解像度切換手段と、画像処理手段で形成された出力印字データを保持してこれをインクキャリッジの印字ヘッドに順次付与する出力バッファとを含んでなることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 解像度切換手段を画像処理手段の最終段に設けた請求項1記載のインクジェット記録装置。
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