JP2004216508A - コアドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】孔径が3mmから20mm程度の比較的小径の孔を穿孔する際に、切出コアをスムーズに排出することが可能なコアドリルを提供する。
【解決手段】コアドリル1は、円筒形状のコアドリル本体2と、このコアドリル本体2に対して着脱可能に取り付けられた押し出しピン3とから構成されている。押し出しピン3は、筒状の押し出しピン本体4と、プッシュロッド5とからなり、押し出しピン本体4の内部にはバネ6が封入され、バネ6の一端にプッシュロッド5が当接している。押し出しピン3は、固定ねじ7によってコアドリル本体2に固定されている。
符号8は、コアドリル本体2の下端側に一体に設けられた円筒状ドリル部8であり、円筒状ドリル部8の下端には、ダイヤモンド等の砥粒を含む刃部9が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】コアドリル1は、円筒形状のコアドリル本体2と、このコアドリル本体2に対して着脱可能に取り付けられた押し出しピン3とから構成されている。押し出しピン3は、筒状の押し出しピン本体4と、プッシュロッド5とからなり、押し出しピン本体4の内部にはバネ6が封入され、バネ6の一端にプッシュロッド5が当接している。押し出しピン3は、固定ねじ7によってコアドリル本体2に固定されている。
符号8は、コアドリル本体2の下端側に一体に設けられた円筒状ドリル部8であり、円筒状ドリル部8の下端には、ダイヤモンド等の砥粒を含む刃部9が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス等の硬脆材料に対して孔径が3mmから20mm程度の比較的小径の孔を穿孔するために用いられるコアドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ガラス等の硬脆材料に対する穿孔作業には、ダイヤモンド等の砥粒を固着した切刃を備えたコアドリルが使用されている。
コアドリルを用いた一般的な穿孔方法としては、穿孔対象であるガラスの上面と下面とにコアドリルを配置し、下面よりガラスの厚さの1/2だけ切込み、その後上面より残りの1/2を切込むことによって、ガラス板の穿孔が完了する。
穿孔を自動的に行う自動穿孔機によって連続的に穿孔を行う場合には、くり抜かれたガラスの切出コアがスムーズに取り除かれることが必要となる。
しかし、くり抜かれたガラスの切出コアが斜めに傾くと、コアドリルの内周内に切出コアが引っかかって抜けなくなり、連続加工が不可能となる。
このような切出コアの排出を促進するために、コアドリルを取り付ける穿孔装置にセンターピンを取り付け、このセンターピンを穿孔装置内部において摺動できるようにした装置がある(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−24617号公報(段落番号0011から0020)
【特許文献2】
特開2001−9618号公報(段落番号0010から0045)
【特許文献3】
実用新案登録第2598160号公報(段落番号0007から0014)
【特許文献4】
実開昭58−44113号公報(第1図)
【0004】
これらの穿孔装置において、センターピンには、バネで被削材の切出コアに圧力を加えて強制的に切出コアを押し出すための押し出し棒が連結されており、穿孔後この押し出し棒を操作することで、切出コアを排出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この装置では、切出コアを排出するためのセンターピンが穿孔装置に取り付けられており、装置の構造が複雑なものとなっている。この穿孔装置はその構造上、比較的分厚い板材などに対して大口径の孔を穿孔するのには適しているものの、孔径が3mmから20mm程度の比較的小径の孔を穿孔することは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、孔径が3mmから20mm程度の比較的小径の孔を穿孔する際に、切出コアをスムーズに排出することが可能なコアドリルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、コアドリル本体の下端側に一体に設けられた円筒状ドリル部の下端には、砥粒を含む刃部が形成され、前記コアドリル本体の下端側に中心軸に沿って押し出しピンが着脱可能に取り付けられ、前記押し出しピンは、押し出しピン本体と、プッシュロッドとからなり、前記押し出しピン本体の内部にはバネが封入され、このバネの一端に前記プッシュロッドが当接していることを特徴とする。
【0007】
穿孔工程の途中及び終了時においては、くり抜かれたガラスの切出コアが刃部に囲まれた空隙内に残留しているため、プッシュロッドは切出コアによって押し上げられ、押し出しピン本体の内部に封入されたバネが圧縮される。
穿孔工程が終了した後、刃部がガラス基板中の孔から引き抜かれると、圧縮されていたバネの復元力によって、プッシュロッドが刃部に囲まれた空隙内に残留する切出コアを押圧する。これによって、切出コアが刃部に囲まれた空隙からスムーズに排出される。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコアドリルにおいて、前記押し出しピン本体の内部に封入されたバネのバネ定数が0.098N/mm〜1.47N/mmであることを特徴とする。
バネのバネ定数をこの範囲内とすることにより、被削材であるガラス等の硬脆材料に割れを生じることなく、切出コアを円筒状ドリル部内の空隙からスムーズに排出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係るコアドリルの構成を示す。
図1において、コアドリル1は、円筒形状のコアドリル本体2と、このコアドリル本体2の下端側に中心軸に沿って着脱可能に取り付けられた押し出しピン3とから構成されている。押し出しピン3は、筒状の押し出しピン本体4と、プッシュロッド5とからなり、押し出しピン本体4の内部にはバネ6が封入され、バネ6の一端にプッシュロッド5が当接している。押し出しピン本体4は、固定ねじ7によってコアドリル本体2に固定されている。
符号8は、コアドリル本体2の下端側に一体に設けられた円筒状ドリル部であり、この円筒状ドリル部8の下端には、ダイヤモンド等の砥粒を含む刃部9が形成されている。
【0010】
図2に、押し出しピン3の詳細を示す。プッシュロッド5の一端は、筒状の押し出しピン本体4内においてバネ6の一端に当接している。プッシュロッド5の他端、すなわち被削材に接触する側の先端形状は、均一な押し出し圧力をかけるためには平型であることが好ましい。ただし、回転速度が15000rpmを超える高速回転で穿孔する際には、先端部の摩耗が激しくなるため、先端形状を円錐型とするほうが、安定して加工することができる。
プッシュロッド5の材質は、耐久性に優れ、安価である鉄、真鍮等を用いることが好ましい。
【0011】
次に、このコアドリルの動作について説明する。
ここでは、被削材である硬脆材料がガラスである場合について説明する。
コアドリル本体2は穿孔装置の主軸に取り付けられ、被削材であるガラスに対し、円筒状ドリル部8の下端に設けられた刃部9が押し当てられて研削される。
図3に、穿孔工程におけるコアドリル1の状態を示す。刃部9がガラス内に食い込むことによって、ガラスが穿孔され、穿孔工程の途中及び終了時においては、くり抜かれたガラスの切出コア11が刃部9に囲まれた空隙10に残留している。
この穿孔工程において、プッシュロッド5は切出コアによって押し上げられ、これに伴って、押し出しピン本体4の内部に封入されたバネ6が圧縮される。
【0012】
図4は、刃部9が戻り工程に入って孔から引き抜かれるときの状態を示す。刃部9が孔から引き抜かれると、圧縮されていたバネ6の復元力によって、プッシュロッド5が刃部9に囲まれた空隙10に残留する切出コア11を押圧する。これによって、切出コア11が刃部9に囲まれた空隙10から排出される。
【0013】
押し出しピン本体4の内部に封入されるバネ6の圧力は、穿孔されるガラスの厚さや、くり抜かれる切出コアの大きさによって選択することができる。
例えば、厚さ0.3mm以下のガラスを穿孔する場合には、バネ6のバネ定数は0.196N/mm以下であることが好ましく、特に、0.098N/mmであることが最適である。バネ6の圧力がこの範囲より高すぎると、ガラスに過度の負担がかかるため、穿孔途中において割れを生じやすい。但し、バネ6のバネ定数が0.0784N/mm以下であると、くり抜かれたガラスの切出コアを排出するための圧力を十分に得ることができない。
従って、ガラスの切出コアを排出するためには、バネ6のバネ定数は0.0784N/mm以上であることが必要であり、ガラスの切出コアを効率よく排出するためには、0.098N/mm以上とすることが好ましい。
【0014】
厚さが10mm程度のガラスを穿孔する場合には、切出コアがコアドリルの内面に引っかかりやすくなる。このような引っかかりを無くしてスムーズに切出コアを排出するためには、バネ6の圧力を大きくすることが必要となり、バネ定数は0.98N/mm以上であることが好ましく、特に、1.176N/mmであることが最適である。但し、バネ6のバネ定数が1.47N/mmを超えると、穿孔工程の終了時にガラスに大きなカケが発生しやすくなる。そのため、バネ6のバネ定数を1.47N/mm以下とすることが好ましい。
【0015】
本実施形態に係るコアドリルにおいては、押し出しピン3はコアドリル本体2に対して着脱可能に取り付けられている。このような構成とすることにより、押し出しピン3をコアドリル本体2から取り外すことができ、刃部9が電着法によって形成されている場合には、刃部9に対してダイヤモンド砥粒を再電着して、刃部9の研削性能を持続させることができる。
【0016】
以下、具体例を示す。
(実施例)
図1に示す構成のコアドリルを作製した。
コアドリルの寸法及び仕様は、以下の通りである。
円筒状ドリル部8の外径 9mm、長さ 75mm
刃部9の厚さ 0.8mm、長さ 5mm
刃部9の仕様 SD120−P
バネ6のバネ定数 0.98N/mm
【0017】
(比較例1)
実施例と同じ寸法であるが、押し出しピン3を設けない、従来の構成のコアドリルを作製した。
(比較例2)
実施例と同じ寸法であって、押し出しピン3を設けたコアドリルを作製した。押し出しピン本体4の内部に封入されるバネ6のバネ定数は、実施例より大きくして1.96N/mmとした。
【0018】
以上のコアドリルを用いて、厚さ5mmのフロート板ガラスを被削材として穿孔試験を行った。
試験は、自動穿孔コアリングマシンを使用し、上下面連続コアリングによる穿孔方法により実施した。
試験条件は、以下の通りである。
ドリル回転速度 12000rpm
切込み速度 10mm/min
切込み深さ 下面において2.6mm、上面において2.5mm
穿孔回数 500回
【0019】
以上の穿孔試験の結果、実施例のコアドリルでは、すべての穿孔工程において切出コアが抜け、500個の孔を連続して穿孔することが可能であった。
これに対し、比較例1のコアドリルでは、50孔目で切出コアがコアドリル内面に引っかかり、その時点で連続運転が不可能となった。
また、比較例2のコアドリルでは、すべての穿孔工程において切出コアは抜けるが、穿孔時にガラスがプッシュロッド5によって強く押されることにより、カケの発生が見られた。
以上の結果から、押し出しピン3を設けることによって、穿孔工程において切出コアをスムーズに排出することが可能であることが確認された。また、押し出しピン3内に封入されたバネ6の圧力をガラスの厚さに応じて好適なものとすることによって、ガラスのカケを発生させずに、穿孔工程において切出コアをスムーズに排出できることが確認された。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、以下の効果を奏することができる。
(1)コアドリル本体に対して着脱可能に取り付けられた押し出しピンを備え、押し出しピンは、押し出しピン本体と、プッシュロッドとからなり、押し出しピン本体の内部にはバネが封入され、このバネの一端にプッシュロッドが当接するようにしたことにより、穿孔工程において切出コアをスムーズに排出することができ、連続して穿孔作業を行うことが可能となる。
(2)本発明のコアドリルは、コアドリル自体に切出コアを排出するための機構を設けているため、特別な装置を設けることなく、簡便に切出コアを排出することができる。
(3)円筒状ドリル部内にプッシュロッドを設けているため、孔径が3mmから20mm程度の比較的小径の孔を穿孔する際に、切出コアをスムーズに排出することができ、連続して穿孔作業を行うことが可能となる。
(4)押し出しピン本体の内部に封入されたバネのバネ定数を0.098N/mm〜1.47N/mmとすることにより、被削材であるガラス等の硬脆材料に割れを生じることなく、切出コアを円筒状ドリル部内の空隙からスムーズに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るコアドリルの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコアドリルに設けられた押し出しピンの詳細を示す図である。
【図3】穿孔工程におけるコアドリルの状態を示す図である。
【図4】円筒状ドリル部が戻り工程に入って孔から引き抜かれるときの状態を示す図である。
【符号の説明】
1 コアドリル
2 コアドリル本体
3 押し出しピン
4 押し出しピン本体
5 プッシュロッド
6 バネ
7 固定ねじ
8 円筒状ドリル部
9 刃部
10 空隙
11 切出コア
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス等の硬脆材料に対して孔径が3mmから20mm程度の比較的小径の孔を穿孔するために用いられるコアドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ガラス等の硬脆材料に対する穿孔作業には、ダイヤモンド等の砥粒を固着した切刃を備えたコアドリルが使用されている。
コアドリルを用いた一般的な穿孔方法としては、穿孔対象であるガラスの上面と下面とにコアドリルを配置し、下面よりガラスの厚さの1/2だけ切込み、その後上面より残りの1/2を切込むことによって、ガラス板の穿孔が完了する。
穿孔を自動的に行う自動穿孔機によって連続的に穿孔を行う場合には、くり抜かれたガラスの切出コアがスムーズに取り除かれることが必要となる。
しかし、くり抜かれたガラスの切出コアが斜めに傾くと、コアドリルの内周内に切出コアが引っかかって抜けなくなり、連続加工が不可能となる。
このような切出コアの排出を促進するために、コアドリルを取り付ける穿孔装置にセンターピンを取り付け、このセンターピンを穿孔装置内部において摺動できるようにした装置がある(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−24617号公報(段落番号0011から0020)
【特許文献2】
特開2001−9618号公報(段落番号0010から0045)
【特許文献3】
実用新案登録第2598160号公報(段落番号0007から0014)
【特許文献4】
実開昭58−44113号公報(第1図)
【0004】
これらの穿孔装置において、センターピンには、バネで被削材の切出コアに圧力を加えて強制的に切出コアを押し出すための押し出し棒が連結されており、穿孔後この押し出し棒を操作することで、切出コアを排出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この装置では、切出コアを排出するためのセンターピンが穿孔装置に取り付けられており、装置の構造が複雑なものとなっている。この穿孔装置はその構造上、比較的分厚い板材などに対して大口径の孔を穿孔するのには適しているものの、孔径が3mmから20mm程度の比較的小径の孔を穿孔することは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、孔径が3mmから20mm程度の比較的小径の孔を穿孔する際に、切出コアをスムーズに排出することが可能なコアドリルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、コアドリル本体の下端側に一体に設けられた円筒状ドリル部の下端には、砥粒を含む刃部が形成され、前記コアドリル本体の下端側に中心軸に沿って押し出しピンが着脱可能に取り付けられ、前記押し出しピンは、押し出しピン本体と、プッシュロッドとからなり、前記押し出しピン本体の内部にはバネが封入され、このバネの一端に前記プッシュロッドが当接していることを特徴とする。
【0007】
穿孔工程の途中及び終了時においては、くり抜かれたガラスの切出コアが刃部に囲まれた空隙内に残留しているため、プッシュロッドは切出コアによって押し上げられ、押し出しピン本体の内部に封入されたバネが圧縮される。
穿孔工程が終了した後、刃部がガラス基板中の孔から引き抜かれると、圧縮されていたバネの復元力によって、プッシュロッドが刃部に囲まれた空隙内に残留する切出コアを押圧する。これによって、切出コアが刃部に囲まれた空隙からスムーズに排出される。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコアドリルにおいて、前記押し出しピン本体の内部に封入されたバネのバネ定数が0.098N/mm〜1.47N/mmであることを特徴とする。
バネのバネ定数をこの範囲内とすることにより、被削材であるガラス等の硬脆材料に割れを生じることなく、切出コアを円筒状ドリル部内の空隙からスムーズに排出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係るコアドリルの構成を示す。
図1において、コアドリル1は、円筒形状のコアドリル本体2と、このコアドリル本体2の下端側に中心軸に沿って着脱可能に取り付けられた押し出しピン3とから構成されている。押し出しピン3は、筒状の押し出しピン本体4と、プッシュロッド5とからなり、押し出しピン本体4の内部にはバネ6が封入され、バネ6の一端にプッシュロッド5が当接している。押し出しピン本体4は、固定ねじ7によってコアドリル本体2に固定されている。
符号8は、コアドリル本体2の下端側に一体に設けられた円筒状ドリル部であり、この円筒状ドリル部8の下端には、ダイヤモンド等の砥粒を含む刃部9が形成されている。
【0010】
図2に、押し出しピン3の詳細を示す。プッシュロッド5の一端は、筒状の押し出しピン本体4内においてバネ6の一端に当接している。プッシュロッド5の他端、すなわち被削材に接触する側の先端形状は、均一な押し出し圧力をかけるためには平型であることが好ましい。ただし、回転速度が15000rpmを超える高速回転で穿孔する際には、先端部の摩耗が激しくなるため、先端形状を円錐型とするほうが、安定して加工することができる。
プッシュロッド5の材質は、耐久性に優れ、安価である鉄、真鍮等を用いることが好ましい。
【0011】
次に、このコアドリルの動作について説明する。
ここでは、被削材である硬脆材料がガラスである場合について説明する。
コアドリル本体2は穿孔装置の主軸に取り付けられ、被削材であるガラスに対し、円筒状ドリル部8の下端に設けられた刃部9が押し当てられて研削される。
図3に、穿孔工程におけるコアドリル1の状態を示す。刃部9がガラス内に食い込むことによって、ガラスが穿孔され、穿孔工程の途中及び終了時においては、くり抜かれたガラスの切出コア11が刃部9に囲まれた空隙10に残留している。
この穿孔工程において、プッシュロッド5は切出コアによって押し上げられ、これに伴って、押し出しピン本体4の内部に封入されたバネ6が圧縮される。
【0012】
図4は、刃部9が戻り工程に入って孔から引き抜かれるときの状態を示す。刃部9が孔から引き抜かれると、圧縮されていたバネ6の復元力によって、プッシュロッド5が刃部9に囲まれた空隙10に残留する切出コア11を押圧する。これによって、切出コア11が刃部9に囲まれた空隙10から排出される。
【0013】
押し出しピン本体4の内部に封入されるバネ6の圧力は、穿孔されるガラスの厚さや、くり抜かれる切出コアの大きさによって選択することができる。
例えば、厚さ0.3mm以下のガラスを穿孔する場合には、バネ6のバネ定数は0.196N/mm以下であることが好ましく、特に、0.098N/mmであることが最適である。バネ6の圧力がこの範囲より高すぎると、ガラスに過度の負担がかかるため、穿孔途中において割れを生じやすい。但し、バネ6のバネ定数が0.0784N/mm以下であると、くり抜かれたガラスの切出コアを排出するための圧力を十分に得ることができない。
従って、ガラスの切出コアを排出するためには、バネ6のバネ定数は0.0784N/mm以上であることが必要であり、ガラスの切出コアを効率よく排出するためには、0.098N/mm以上とすることが好ましい。
【0014】
厚さが10mm程度のガラスを穿孔する場合には、切出コアがコアドリルの内面に引っかかりやすくなる。このような引っかかりを無くしてスムーズに切出コアを排出するためには、バネ6の圧力を大きくすることが必要となり、バネ定数は0.98N/mm以上であることが好ましく、特に、1.176N/mmであることが最適である。但し、バネ6のバネ定数が1.47N/mmを超えると、穿孔工程の終了時にガラスに大きなカケが発生しやすくなる。そのため、バネ6のバネ定数を1.47N/mm以下とすることが好ましい。
【0015】
本実施形態に係るコアドリルにおいては、押し出しピン3はコアドリル本体2に対して着脱可能に取り付けられている。このような構成とすることにより、押し出しピン3をコアドリル本体2から取り外すことができ、刃部9が電着法によって形成されている場合には、刃部9に対してダイヤモンド砥粒を再電着して、刃部9の研削性能を持続させることができる。
【0016】
以下、具体例を示す。
(実施例)
図1に示す構成のコアドリルを作製した。
コアドリルの寸法及び仕様は、以下の通りである。
円筒状ドリル部8の外径 9mm、長さ 75mm
刃部9の厚さ 0.8mm、長さ 5mm
刃部9の仕様 SD120−P
バネ6のバネ定数 0.98N/mm
【0017】
(比較例1)
実施例と同じ寸法であるが、押し出しピン3を設けない、従来の構成のコアドリルを作製した。
(比較例2)
実施例と同じ寸法であって、押し出しピン3を設けたコアドリルを作製した。押し出しピン本体4の内部に封入されるバネ6のバネ定数は、実施例より大きくして1.96N/mmとした。
【0018】
以上のコアドリルを用いて、厚さ5mmのフロート板ガラスを被削材として穿孔試験を行った。
試験は、自動穿孔コアリングマシンを使用し、上下面連続コアリングによる穿孔方法により実施した。
試験条件は、以下の通りである。
ドリル回転速度 12000rpm
切込み速度 10mm/min
切込み深さ 下面において2.6mm、上面において2.5mm
穿孔回数 500回
【0019】
以上の穿孔試験の結果、実施例のコアドリルでは、すべての穿孔工程において切出コアが抜け、500個の孔を連続して穿孔することが可能であった。
これに対し、比較例1のコアドリルでは、50孔目で切出コアがコアドリル内面に引っかかり、その時点で連続運転が不可能となった。
また、比較例2のコアドリルでは、すべての穿孔工程において切出コアは抜けるが、穿孔時にガラスがプッシュロッド5によって強く押されることにより、カケの発生が見られた。
以上の結果から、押し出しピン3を設けることによって、穿孔工程において切出コアをスムーズに排出することが可能であることが確認された。また、押し出しピン3内に封入されたバネ6の圧力をガラスの厚さに応じて好適なものとすることによって、ガラスのカケを発生させずに、穿孔工程において切出コアをスムーズに排出できることが確認された。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、以下の効果を奏することができる。
(1)コアドリル本体に対して着脱可能に取り付けられた押し出しピンを備え、押し出しピンは、押し出しピン本体と、プッシュロッドとからなり、押し出しピン本体の内部にはバネが封入され、このバネの一端にプッシュロッドが当接するようにしたことにより、穿孔工程において切出コアをスムーズに排出することができ、連続して穿孔作業を行うことが可能となる。
(2)本発明のコアドリルは、コアドリル自体に切出コアを排出するための機構を設けているため、特別な装置を設けることなく、簡便に切出コアを排出することができる。
(3)円筒状ドリル部内にプッシュロッドを設けているため、孔径が3mmから20mm程度の比較的小径の孔を穿孔する際に、切出コアをスムーズに排出することができ、連続して穿孔作業を行うことが可能となる。
(4)押し出しピン本体の内部に封入されたバネのバネ定数を0.098N/mm〜1.47N/mmとすることにより、被削材であるガラス等の硬脆材料に割れを生じることなく、切出コアを円筒状ドリル部内の空隙からスムーズに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るコアドリルの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコアドリルに設けられた押し出しピンの詳細を示す図である。
【図3】穿孔工程におけるコアドリルの状態を示す図である。
【図4】円筒状ドリル部が戻り工程に入って孔から引き抜かれるときの状態を示す図である。
【符号の説明】
1 コアドリル
2 コアドリル本体
3 押し出しピン
4 押し出しピン本体
5 プッシュロッド
6 バネ
7 固定ねじ
8 円筒状ドリル部
9 刃部
10 空隙
11 切出コア
Claims (2)
- コアドリル本体の下端側に一体に設けられた円筒状ドリル部の下端には、砥粒を含む刃部が形成され、
前記コアドリル本体の下端側に中心軸に沿って押し出しピンが着脱可能に取り付けられ、
前記押し出しピンは、押し出しピン本体と、プッシュロッドとからなり、
前記押し出しピン本体の内部にはバネが封入され、このバネの一端に前記プッシュロッドが当接していることを特徴とするコアドリル。 - 前記押し出しピン本体の内部に封入されたバネのバネ定数が0.098N/mm〜1.47N/mmであることを特徴とする請求項1記載のコアドリル。
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JP (1) | JP2004216508A (ja) |
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