JP2004216307A - 光触媒担体の製造方法 - Google Patents

光触媒担体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004216307A
JP2004216307A JP2003008209A JP2003008209A JP2004216307A JP 2004216307 A JP2004216307 A JP 2004216307A JP 2003008209 A JP2003008209 A JP 2003008209A JP 2003008209 A JP2003008209 A JP 2003008209A JP 2004216307 A JP2004216307 A JP 2004216307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
producing
porous structure
photocatalyst layer
carrier according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003008209A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihiro Nakai
道弘 中居
Kazuo Sanada
和夫 真田
Hiroshi Kuami
寛 朽網
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2003008209A priority Critical patent/JP2004216307A/ja
Publication of JP2004216307A publication Critical patent/JP2004216307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、光ファイバの製造技術に着目し、ガラス母材の延伸によるファイバ化と光触媒の担持工程とを連続的に行う光触媒を担持させた光触媒担体の製造方法を提供するものである。
【解決手段】かゝる本発明は、石英ガラスなどのガラス母材100を線引きし、当該線引きされたファイバ100aの外周に多孔質構造の下地層300を形成した後、さらに、この上に、多孔質構造の光触媒層200を形成する光触媒担体の製造方法にあり、これにより、ガラス母材の延伸によるファイバ化と光触媒の担持工程とが連続的にスムーズに行われるため、ファイバ状の光触媒担体を低コストで生産することができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒を担持させた光触媒担体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光触媒は、その優れた特性からいろいろ分野での応用が期待されている。代表的な光触媒としてはTiOが挙げられ、基本的には、380nm以下の波長の光(紫外線、紫外光とも同義)が照射されると、活性化して周囲にある有機化合物などを分解する機能(光触媒分解機能)や周囲にある水と馴染み易くなる機能(光親水化機能)などがあるとされている。
【0003】
しかも、光触媒の反応には、熱エネルギーを必要としないため、常温での反応が可能となるだけでなく、熱と比較して、光の応答速度の速さ故に反応の制御性にも優れているなどの利点が挙げられている。
【0004】
このような優れた特性を有する光触媒であるが、触媒の機能上、当然のことであるが、先ず反応物質と接触している必要があり、また、それと同時に反応光である、紫外線が触媒部分に有効に到達することが必要とされる。
【0005】
例えば、光触媒を汚水などの流体浄化フィルタなどとして使用する場合、その汚れによって汚水の光透過性が悪いと、光触媒の側方に設置したUVランプなどからの紫外線が十分に伝達されないなどのことが問題となっている。また、汚水の分解反応は光触媒との接触部分で起きるため、浄化効率の向上の観点から、光触媒の表面積をどのようにして増すか、或いは、光触媒の担持部分を反応物質に対してどのようにして化学的に安定化させるか、さらには、反応温度下での機械的強度をどのようにして確保するかなどの問題がある。
【0006】
このような問題を解決するため、既に種々の形態からなる光触媒担体などが提案されている。特に、紫外線の伝達手段として、石英ガラスなどのコア、クラッドからなる光ファイバに着目し、この外周に光触媒を担持させたもの(特許文献1参照)や、ガラス管に着目し、その外側や内側に光触媒を担持させるもの(特許文献2参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−140579号 2〜3頁、図2
【特許文献2】
特開平10−59721号 2〜3頁、図1、図2
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この紫外線の伝達手段としての光ファイバやガラス管は、その長手方向への反応光の伝送特性に優れ、また、光触媒が直接ガラス材料に接触しているため、良好な結果が得られるものの、上記の場合、出来上がった光ファイバやガラス管に対して、光触媒を担持させる方法で製造されている。
このため、製造が面倒で、コスト上昇の要因となったり、ガラス管などの場合、あまり長尺なものは製造し難いなどの問題もあった。
【0009】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、光ファイバの製造技術に着目し、ガラス母材の延伸(線引き)によるファイバ化と光触媒層の担持工程とを連続的に行うことにより、生産性の大幅な向上を図った製造方法を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の本発明は、ガラス母材を線引きし、当該線引きされたファイバの外周に光触媒層を形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法にある。
【0011】
請求項2の本発明は、前記光触媒層を、火炎堆積法により多孔質構造の光触媒層とすることを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0012】
請求項3の本発明は、前記光触媒層を、熱酸化法により多孔質構造の光触媒層とすることを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0013】
請求項4の本発明は、前記光触媒層を、ゾルゲル法により多孔質構造の光触媒層とすることを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0014】
請求項5の本発明は、前記光触媒層を、過酸化チタン水溶液を塗布して形成することを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0015】
請求項6の本発明は、前記光触媒層を、光触媒粒子の含有された溶液を塗布して形成することを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0016】
請求項7の本発明は、前記請求項4〜5のいずれかにおいて、光触媒粒子の含有された溶液を混入して併用することを特徴とする光触媒担体の製造方法にある。
【0017】
請求項8の本発明は、前記請求項1〜7のいずれかにおいて、前記光触媒層下に多孔質構造の下地層を形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法にある。
【0018】
請求項9の本発明は、前記多孔質構造の下地層を、火炎堆積法により形成することを特徴とする請求項8記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0019】
請求項10の本発明は、前記多孔質構造の下地層を、熱酸化法により形成することを特徴とする請求項8記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0020】
請求項11の本発明は、前記多孔質構造の下地層を、ゾルゲル法により形成することを特徴とする請求項8記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0021】
請求項12の本発明は、ガラス母材の外周に多孔質構造の光触媒層を形成した後、当該ガラス母材の一端を線引きし、当該線引きにより前記ガラス母材と共に前記光触媒層部分を延伸するすることを特徴とする光触媒担体の製造方法にある。
【0022】
請求項13の本発明は、前記多孔質構造の光触媒層を、火炎堆積法により形成することを特徴とする請求項12記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0023】
請求項14の本発明は、前記多孔質構造の光触媒層を、熱酸化法により形成することを特徴とする請求項12記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0024】
請求項15の本発明は、前記多孔質構造の光触媒層を、ゾルゲル法により形成することを特徴とする請求項12記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0025】
請求項16の本発明は、前記請求項12〜15のいずれかにおいて、前記光触媒層下に多孔質構造の下地層を形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法にある。
【0026】
請求項17の本発明は、前記多孔質構造の下地層を、火炎堆積法により形成することを特徴とする請求項16記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0027】
請求項18の本発明は、前記多孔質構造の下地層を、熱酸化法により形成することを特徴とする請求項16記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0028】
請求項19の本発明は、前記多孔質構造の下地層を、ゾルゲル法により形成することを特徴とする請求項16記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0029】
請求項20の本発明は、ガラス母材の長手方向に1又は複数の穴を開け、当該穴の内面に光触媒層を形成した後、前記ガラス母材を線引きすることを特徴とする光触媒担体の製造方法にある。
【0030】
請求項21の本発明は、前記光触媒層を、多孔質構造の光触媒層として形成することを特徴とする請求項20記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0031】
請求項22の本発明は、前記光触媒層下に多孔質構造の下地層を形成することを特徴とする請求項20又は21記載の光触媒担体の製造方法にある。
【0032】
請求項23の本発明は、前記請求項1〜22のいずれかにおいて、前記光触媒層の長手方向の光放射率を、徐々に増える漸増又は徐々に減る漸減の不定放射率構造に形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法にある。
【0033】
請求項24の本発明は、前記請求項8〜11、16〜19、22のいずれかにおいて、前記下地層の長手方向の光放射率を、徐々に増える漸増又は徐々に減る漸減の不定放射率構造に形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法にある。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る光触媒担体の製造方法の一例を示したものである。この方法では、ガラス母材100を線引きし、引き続き、線引きされたファイバ100aの外周にTiOなどからなる光触媒層200を形成する。
【0035】
ガラス母材100としては、光ファイバ用の一層又は複数の層よりなる石英ガラス母材の使用が好ましい。線引きは、光ファイバの線引きとほぼ同様で、母材下端を加熱炉10で加熱しつつ、下方から牽引することで行う。光触媒層200の形成にあたっては、火炎バーナ20を用いて、TiOの微粒子を堆積させることで行う(火炎堆積法)。この火炎部分では、次式による反応が行われる。
TiCl+2HO→TiO+4HCl
【0036】
また、この光触媒層200の形成では、原料ガス(TiCl)と酸素を供給し、加熱して、下記の次式による反応により、TiOの微粒子を堆積させることもできる(熱酸化法)。
TiCl+O→TiO+Cl
【0037】
上記TiO微粒子は、多孔質構造として堆積されるため、単位体積当たりの表面積が大きく、大きな光触媒作用が期待できる。なお、TiO微粒子を、ファイバ外周に均等に堆積させるには、母材側か、火炎バーナ20側かを回転させて、両者を相対的に回転させるようにすればよい。
【0038】
TiO微粒子の大きさは、5nm〜500nm程度となり、堆積時のままでは柔らかいので、この後、加熱して半焼結を行い、適当に冷却すればよい。ここで、半焼結とは、多孔質構造が失われない程度の温度(例えば1200℃以下、200〜1000℃程度の温度)で加熱したり、又は通常の焼結温度(例えば1300℃程度)であるが、短い時間加熱することをいう(以下同じ)。これにより、適度の硬さと比表面積〔例えば10g/cm以上、以下同じ)〕を備えた光触媒層200が得られる。なお、TiO以外の光触媒材料としては、ZnO、Fe、GaAs、CdS、GaP、SrTiO、WOなども用いることができる。
【0039】
これにより、線引きと光触媒層形成が連続して行われるため、ファイバ状の光触媒担体を、高い生産性を持って製造することができる。
【0040】
この光触媒担体では、コアとなるファイバ100a部分の一端側から、紫外線を入力させれば、紫外線はファイバ100aの長手方向に伝播されると同時に、一種のクラッドとなる、光触媒層200部分で化学反応して、所定の光触媒機能が得られる。
【0041】
図2〜図3は、本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示したものである。これらの方法も、基本的には、図1の方法と同様であるが、光触媒層200の形成方法が異なる。図2は、ゾルゲル法による場合を示したもので、例えばダイ30を用いて、TiO微粒子生成用の溶液(例えばチタンアルコキシド=Ti(CO))200aをファイバ100aの外周にコーティングし、その後、乾燥、焼成して、TiO微粒子を生成する方法である。このゾルゲル法では、TiO微粒子の大きさとして、4nm〜100nm程度のものが得られる。なお、このコーティングに際しては、ダイ30に限らず、ノズルや刷毛などによる塗布、ディップなどの浸漬によってもよい。
【0042】
図3は、噴射ノズル40による塗布法を示したもので、例えば、過酸化チタン水溶液を塗布したり、或いは、光触媒粒子そのものが含有された溶液を塗布する方法である。ここで、過酸化チタン(TiO)の水溶液というのは、塗布後、例えば200℃程度の温度で焼成(乾燥)させれば、活性を持つ光触媒粒子が生成されるというものである。また、直接光触媒粒子が含有された溶液でも、塗布後、200℃程度の温度で乾燥させればよい。なお、この塗布においても、ノズルの噴射に限らず、ダイやディップなどの浸漬によってもよい。
【0043】
これらの方法により、いずもの場合にも、所定の硬さと比表面積を有する光触媒層200が得られる。なお、上記ゾルゲル法や過酸化チタン水溶液を用いた方法では、後の乾燥、焼成により光触媒粒子が生成されるわけであるが、これらに、光触媒粒子が含有された溶液を混入して併用することもできる。
勿論、これらの各方法の場合でも、図1の場合と同様の作用、効果などを備えたファイバ状の光触媒担体が得られる。
【0044】
図4〜図6は、本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示したものである。これらの方法では、光触媒層200を形成する前に、ファイバ100aの外周に多孔質構造の下地層300を形成する。
【0045】
この下地層300は、例えば、火炎バーナ20から、SiOなどの微粒子を堆積させることで得られる(火炎堆積法)。特にSiO微粒子(スート)の場合、母材材料と同種材料であることから、良好な密着力が得られる。この火炎部分では、次式による反応が行われる。
SiCl+2HO→SiO+4HCl
【0046】
また、この下地層300は、原料ガス(SiCl)と酸素を供給し、加熱して、下記の次式による反応により、SiOの微粒子を堆積させることもできる(熱酸化法)。
SiCl+O→SiO+Cl
【0047】
この多孔質構造で表面積の大きな下地層300があることで、後にこの上に形成される、光触媒層200も安定して密着される。なお、下地層300の形成にあたっても、その形成後、半焼結を行い、適当に冷却することで、所定の硬さを確保することができる。また、下地層300の形成は、この火炎堆積法による場合の他、上記図2の場合と同様、ダイを用いてシリコンアルコキシドをファイバ100aの外周にコーティングする方法でもできる(ゾルゲル法)。
【0048】
図7〜図8は、本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示したものである。この方法では、ガラス母材100の外周に多孔質構造の光触媒層200を形成した後、ガラス母材100の一端(下端)を線引きし、この線引きによりガラス母材100と共に光触媒層200部分を延伸する。
【0049】
多孔質構造の光触媒層200は、上記した火炎堆積法や熱酸化法により形成し、線引き時の加熱にあっては、光触媒層200の多孔質構造が失われない温度(例えば1200℃以下、200〜1000℃程度の温度)で行う。この際、融点を下げるため、ガラス母材100側にフッ素(F)、ホウ素(B)、リン(P)、ゲルマニウム(Ge)などをドープすることができるが、入射された紫外光の透過率の点からすると、フッ素のドープが望ましい。上記線引き後の冷却により、所定の硬さ及び比表面積の光触媒層200が得られる。
【0050】
これにより、光触媒層200の形成から、線引きによるファイバ化がスムーズに行われるため、ファイバ状の光触媒担体を、高い生産性を持って製造することができる。
【0051】
ガラス母材外周への多孔質構造の光触媒層200の形成にあっては、図9に示すように、ダイ30を用いてTiO微粒子の含まれた溶液(チタンアルコキシド)200aを、ガラス母材100の外周にコーティングしてもよい(ゾルゲル法)。この場合、200℃以下の温度で乾燥させ、所定の硬度を確保した後、線引きを行うものとする。
【0052】
図10は、本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示したものである。この方法では、ガラス母材100の外周に、多孔質構造の下地層300を形成した後、線引きし、この後、さらに光触媒層200を形成する。
【0053】
この多孔質構造の下地層300の形成にあたっては、図7の火炎堆積法や熱酸化法、図9のゾルゲル法により、SiO微粒子を堆積させて行う。また、光触媒層200の形成にあたっては、上述した火炎堆積法、熱酸化法、ゾルゲル法、さらには、図3に示した噴射ノズルを用いた塗布コーティング法により行えばよい。いずれにしても、これらの方法により、下地層300を有する、ファイバ状の光触媒担体が得られる。
【0054】
図11〜図13は、本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示したものである。この方法では、ガラス母材100の長手方向に複数の穴110(1個の場合も可)を開け、この穴110の内面に光触媒層200を形成した後、ガラス母材100を線引きする。
【0055】
穴110内への光触媒層200の形成にあたっては、光ファイバ製造技術である、MCVD法やPCVD法を用いたり、或いはアーク溶射法や、チタンアルコキシドを用いるゾルゲル法などを用いて、所定のTiO微粒子などを堆積させて行う。ここで、アーク溶射法とは、熱源に電気を用い、2本の金属ワイヤを電極としてアークを発生させ、これにより生成されるTiO微粒子を穴110内に付着させる方法である。これらの方法による光触媒層200は、通常多孔質構造として堆積される。
【0056】
この穴110内へ光触媒層200の堆積されたガラス母材100の線引きにあたっては、加熱炉10で加熱するわけであるが、この際、光触媒層200の多孔質構造が失われない温度(例えば1200℃以下、200〜1000℃程度の温度)で行うものとする。
【0057】
これにより、光触媒層の形成から、線引きによるファイバ化がスムーズに行われるため、ファイバ状の光触媒担体を高い生産性を持って製造することができる。
【0058】
図14は、本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示したものである。この方法では、図13における線引きの際、線引きされたファイバ100aの外周に、さらに、上記した火炎堆積法や熱酸化法によりTiO微粒子などを堆積させる。これにより、穴110内周は勿論のこと、ファイバ100aの外周にも、光触媒層200を施した、ファイバ状の光触媒担体を、高い生産性を持って製造することができる。なお、ファイバ外周側の光触媒層200の形成にあたっては、上記したような、ゾルゲル法、又は過酸化チタン水溶液や光触媒粒子の含有された溶液の噴射ノズルなどによる塗布法によっても行うことができる。
【0059】
図15は、本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示したものである。この方法では、ガラス母材100の穴110内に、多孔質構造の下地層300を形成した後、この内側に光触媒層200を形成し、この後、線引きする。
【0060】
この多孔質構造の下地層300の形成にあたっても、光触媒層200の場合と同様、MCVD法、PCVD法、アーク溶射法や、シリコンアルコキシドを用いるゾルゲル法などを用いて、所定のSiO微粒子などを堆積させればよい。
【0061】
以上の各例では、光触媒層200や下地層300の長手方向に対する、紫外線の放射率などについて、特に触れず、ほぼ均一に形成することを前提としているが、本発明のような、ファイバ状の光触媒担体の場合、入射された紫外線が、ファイバ100aの長手方向の全長、或いは特定の長さ区間において、ほぼ均一に放射されることが望ましい。このため、光触媒層200や下地層300の形成時、屈折率を変えるドーパントを長手方向に傾斜状に増減するように添加して、それらの光放射率を、徐々に増える漸増、又は徐々に減る漸減の不定放射率構造に形成することもできる。この光放射率の漸増、又は漸減にあたっては、ドーパント添加の他に、多孔質構造部分の密度を変えることで対応することもできる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る光触媒担体の製造方法によると、光ファイバの製造技術に着目し、ガラス母材の延伸(線引き)によるファイバ化と光触媒層、及びこれと下地層の担持工程とを連続的にスムーズに行うことができるため、生産性の大幅な向上が期待でき、ファイバ状の光触媒担体のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光触媒担体の製造方法の一例を示した部分縦断面図である。
【図2】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した部分縦断面図である。
【図3】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した部分縦断面図である。
【図4】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した部分縦断面図である。
【図5】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した部分縦断面図である。
【図6】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した部分縦断面図である。
【図7】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した前段工程の斜視図である。
【図8】図7の光触媒担体の製造方法の後段工程の部分縦断面図である。
【図9】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した前段工程の部分縦断面図である。
【図10】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した後段工程の部分縦断面図である。
【図11】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した前段工程の概略斜視図である。
【図12】図11の前段工程によるガラス母材の端面図である。
【図13】図11の光触媒担体の製造方法の後段工程の部分縦断面図である。
【図14】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した後段工程の部分縦断面図である。
【図15】本発明に係る光触媒担体の製造方法の他の例を示した前段工程によるガラス母材の端面図である。
【符号の説明】
10 加熱炉
20 火炎バーナ
30 ダイ
40 噴射ノズル
100 ガラス母材
100a 線引きされたファイバ
200 光触媒層
300 下地層

Claims (24)

  1. ガラス母材を線引きし、当該線引きされたファイバの外周に光触媒層を形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法。
  2. 前記光触媒層を、火炎堆積法により多孔質構造の光触媒層とすることを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法。
  3. 前記光触媒層を、熱酸化法により多孔質構造の光触媒層とすることを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法。
  4. 前記光触媒層を、ゾルゲル法により多孔質構造の光触媒層とすることを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法。
  5. 前記光触媒層を、過酸化チタン水溶液を塗布して形成することを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法。
  6. 前記光触媒層を、光触媒粒子の含有された溶液を塗布して形成することを特徴とする請求項1記載の光触媒担体の製造方法。
  7. 前記請求項4〜5のいずれかにおいて、光触媒粒子の含有された溶液を混入して併用することを特徴とする光触媒担体の製造方法。
  8. 前記請求項1〜7のいずれかにおいて、前記光触媒層下に多孔質構造の下地層を形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法。
  9. 前記多孔質構造の下地層を、火炎堆積法により形成することを特徴とする請求項8記載の光触媒担体の製造方法。
  10. 前記多孔質構造の下地層を、熱酸化法により形成することを特徴とする請求項8記載の光触媒担体の製造方法。
  11. 前記多孔質構造の下地層を、ゾルゲル法により形成することを特徴とする請求項8記載の光触媒担体の製造方法。
  12. ガラス母材の外周に多孔質構造の光触媒層を形成した後、当該ガラス母材の一端を線引きし、当該線引きにより前記ガラス母材と共に前記光触媒層部分を延伸するすることを特徴とする光触媒担体の製造方法。
  13. 前記多孔質構造の光触媒層を、火炎堆積法により形成することを特徴とする請求項12記載の光触媒担体の製造方法。
  14. 前記多孔質構造の光触媒層を、熱酸化法により形成することを特徴とする請求項12記載の光触媒担体の製造方法。
  15. 前記多孔質構造の光触媒層を、ゾルゲル法により形成することを特徴とする請求項12記載の光触媒担体の製造方法。
  16. 前記請求項12〜15のいずれかにおいて、前記光触媒層下に多孔質構造の下地層を形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法。
  17. 前記多孔質構造の下地層を、火炎堆積法により形成することを特徴とする請求項16記載の光触媒担体の製造方法。
  18. 前記多孔質構造の下地層を、熱酸化法により形成することを特徴とする請求項16記載の光触媒担体の製造方法。
  19. 前記多孔質構造の下地層を、ゾルゲル法により形成することを特徴とする請求項16記載の光触媒担体の製造方法。
  20. ガラス母材の長手方向に1又は複数の穴を開け、当該穴の内面に光触媒層を形成した後、前記ガラス母材を線引きすることを特徴とする光触媒担体の製造方法。
  21. 前記光触媒層を、多孔質構造の光触媒層として形成することを特徴とする請求項20記載の光触媒担体の製造方法。
  22. 前記光触媒層下に多孔質構造の下地層を形成することを特徴とする請求項20又は21記載の光触媒担体の製造方法。
  23. 前記請求項1〜22のいずれかにおいて、前記光触媒層の長手方向の光放射率を、徐々に増える漸増又は徐々に減る漸減の不定放射率構造に形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法。
  24. 前記請求項8〜11、16〜19、22のいずれかにおいて、前記下地層の長手方向の光放射率を、徐々に増える漸増又は徐々に減る漸減の不定放射率構造に形成することを特徴とする光触媒担体の製造方法。
JP2003008209A 2003-01-16 2003-01-16 光触媒担体の製造方法 Pending JP2004216307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003008209A JP2004216307A (ja) 2003-01-16 2003-01-16 光触媒担体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003008209A JP2004216307A (ja) 2003-01-16 2003-01-16 光触媒担体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004216307A true JP2004216307A (ja) 2004-08-05

Family

ID=32898083

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003008209A Pending JP2004216307A (ja) 2003-01-16 2003-01-16 光触媒担体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004216307A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012114720A1 (ja) * 2011-02-22 2012-08-30 国立大学法人信州大学 光反応器及びその製造方法
CN107335386A (zh) * 2016-04-29 2017-11-10 中国科学院大连化学物理研究所 一种催化反应器构型及制备和在无氧条件下催化甲烷直接合成乙烯的方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012114720A1 (ja) * 2011-02-22 2012-08-30 国立大学法人信州大学 光反応器及びその製造方法
CN107335386A (zh) * 2016-04-29 2017-11-10 中国科学院大连化学物理研究所 一种催化反应器构型及制备和在无氧条件下催化甲烷直接合成乙烯的方法
JP2019514673A (ja) * 2016-04-29 2019-06-06 中国科学院大▲連▼化学物理研究所Dalian Institute Of Chemical Physics,Chinese Academy Of Sciences 触媒反応器構成及び調製、並びに無酸素条件下でメタンを触媒化することによりエチレンを直接合成する方法
EP3450419A4 (en) * 2016-04-29 2019-12-04 Dalian Institute Of Chemical Physics, Chinese Academy Of Sciences CONFIGURATION AND PREPARATION OF CATALYTIC REACTOR AND METHYLENE DIRECT METHYLENE SYNTHESIS METHOD BY CATALYSIS OF METHANE TRANSFORMATION IN OXYGEN-FREE STATE
CN107335386B (zh) * 2016-04-29 2021-01-22 中国科学院大连化学物理研究所 一种催化反应器构型及制备和在无氧条件下催化甲烷直接合成乙烯的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR830002158B1 (ko) 연속이동 가능 출발부재를 갖는 광도파관 프리폼을 형성하는 방법
TW552437B (en) Method of manufacture of an optical waveguide article including a fluorine-containing zone
KR900008503B1 (ko) 광파이버용 유리모재의 제조법
WO2013021759A1 (ja) 光ファイバ母材および光ファイバの製造方法
CA2648530A1 (en) Photocatalytic window and method of making same
JPS61141632A (ja) 光ファイバーの製造方法
KR20140043134A (ko) 낮은 인덱스 트랜치를 갖는 광섬유 프리폼을 제조하는 방법
JPH08502470A (ja) 石英ガラス光波導体のための予備成形体を製造する方法および装置
JP2006016299A (ja) 光ファイバの製造方法
JP4043768B2 (ja) 光ファイバ用母材の製造方法
JP2004216307A (ja) 光触媒担体の製造方法
JP5326570B2 (ja) 光ファイバ母材製造方法、光ファイバ製造方法、及び光ファイバ
US8202437B2 (en) Method for producing a photonic crystal
KR101157674B1 (ko) 광섬유용 다공질 유리 모재의 제조 방법 및 유리 모재
JP5660657B2 (ja) 高屈折率合成シリカガラスの製造方法、該方法に用いるマッフル炉、及び該方法により得られるシリカガラス
WO2003084889A1 (fr) Procede de fabrication d'une fibre optique et fibre optique ainsi obtenue
JP2002047027A (ja) 光ファイバ用プリフォーム及びシングルモード光ファイバ
EP1414764A1 (en) Outside vapor deposition apparatus for making optical fiber preform and method for making optical fiber preform using the same
CN102690054B (zh) 制造光纤预制件的方法和形成光纤的方法
WO2003048409A1 (en) Apparatus for depositing a plasma chemical vapor deposition coating on the inside of an optical fiber preform
JP2004174399A (ja) 光触媒用担体
KR20020067992A (ko) 수트 예비 성형물의 형성 방법
JPS6086047A (ja) 光フアイバ用ガラス母材の製造方法
KR100800813B1 (ko) 광섬유 모재의 제조 방법, 이 방법에 의해 제조된 광섬유모재 및 광섬유
JPS60263103A (ja) 光フアイバ用母材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090512