JP2004215461A - ステッピングモータの駆動制御装置およびそれを備えたプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な制御方式によって、駆動中のステッピングモータの励磁モードを切換可能な構成を提供する。
【解決手段】モータ駆動中の加速期間および減速期間途中に設けられたモード切換点は、モータ駆動開始からのパルス信号の生成数で定義されるステップ数が所定数S1,S4に到達することよって検知される。モード切換点が検知されると、モータを駆動したままで、ステップ角がそれぞれ異なるクォータステップとハーフステップ/フルステップとの間で、ステッピングモータの励磁モードが切換えられる。
【選択図】 図2
【解決手段】モータ駆動中の加速期間および減速期間途中に設けられたモード切換点は、モータ駆動開始からのパルス信号の生成数で定義されるステップ数が所定数S1,S4に到達することよって検知される。モード切換点が検知されると、モータを駆動したままで、ステップ角がそれぞれ異なるクォータステップとハーフステップ/フルステップとの間で、ステッピングモータの励磁モードが切換えられる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステッピングモータの駆動制御装置に関し、より特定的には、複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータの駆動制御装置および、それを備えたプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、ステッピングモータの回転速度は、励磁モードとパルス信号の生成間隔とによって決定される。ステッピングモータは、1つのパルス信号に応答して、ステップ角だけ回転する。たとえば、4相モータの場合、励磁モードとしては、1/4ステップ(クォータステップ)のW(ダブル)1−2相励磁、ハーフステップの1−2相励磁および2相励磁、ならびにフルステップの1相励磁、2相励磁等がある。ハーフステップにおけるステップ角は、クォータステップのときの2倍であり、フルステップにおけるステップ角は、クォータステップ時の4倍となる。なお、以下、本明細書では、ステップ角に関するクォータステップ、ハーフステップおよびフルステップのそれぞれを、励磁モードと称することとする。
【0003】
加減速回転や等速回転を伴った所定の速度パターンに従ってステッピングモータを駆動するためには、当該速度パターンに応じて、パルス信号の生成間隔(パルスレート)や励磁モードを設定する必要がある。
【0004】
たとえば、特許文献1には、速度パターンを規定するためのパラメータ(スタート周波数、高速周波数、加速レート、減速レート等)に基づいてパルス信号を生成するとともに、当該パルス信号の生成数に応じて、ステッピングモータの減速開始点を検知する構成が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、ステッピングモータを停止させずに、かつ、モータ速度の瞬間的な半減もしくは倍増によるトルク振動を防止して、滑らかに励磁モードを切換えるための機構が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−69886号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平5−300797号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようなステッピングモータは、種々の機器に応用されているが、たとえば、インクジェット方式のプリンタにおいて、給紙(ペーパフィード)のための駆動モータとして用いられる場合がある。このような給紙動作においては、紙送り初期においては、紙をしっかり噛み込ませるために比較的小さなステップ角で徐々にモータを回転する必要がある一方で、一旦紙送り動作が安定した後には、高速な紙送りを実行するためにモータを高速で回転する必要がある。
【0009】
また、印刷時の紙送りについても、印刷モード、たとえばフルカラーモードであるか否か等に応じて、要求される紙送り速度や速度パターンが種々変わってくる。このように、インクジェット方式の給紙機構に用いられるステッピングモータにおいては、動作態様に対応して、要求される速度、ステップ角やトルクが種々異なってくる。
【0010】
この際に、最も細かいピッチで紙送りが必要となる動作態様における当該ピッチを、モータのステップ角と合せてやる必要がある。一方、このように決定されたステップ角のままで高速に紙送りを実行するには、要求される回転速度が高くなり高価なステッピングモータが必要となってしまう。
【0011】
したがって、ステッピングモータを効率的に使用するには、加速動作および減速動作を伴う一連の動作中においても、ステッピングモータの励磁モードを滑らかに変更して、細かいステップ角での動作および大きいステップ角での高速動作の両方に対応させることが望ましい。
【0012】
しかしながら、特許文献1においては、生成されたパルス数のカウントに応じて、動作状態の切換点を簡易に検知する構成が開示されているものの、一連の動作中にモータの励磁モードを切換えるための構成については、開示されていない。
【0013】
また、特許文献2においては、駆動中に1ステップ当りのステップ角を変更する目的で励磁モードを変更する構成が示されているが、励磁モード切換の前後において、トルク変動が発生しないようにパルス生成を制御する構成となっている。このため、パルス生成のための制御が複雑化するという問題点が新たに発生する。
【0014】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、簡易な制御方式によって、駆動中にステッピングモータの励磁モードを変更可能なステッピングモータの駆動制御装置ならびにそれを備えたプリンタを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に従うプリンタは、ステップ角が第1の角度である第1のモードならびびステップ角が第1の角度の2倍である第2のモードおよびステップ角が第1の角度の4倍である第3のモードの少なくとも一方を含む複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータと、ステッピングモータを予め定められた速度パターンに従って駆動するための駆動制御装置とを備える。駆動制御装置は、速度パターンを示すデータを予め記憶する記憶手段と、記憶手段から読出されたデータに基づいて、速度パターンに応じた間隔でパルス信号を生成するパルス生成手段と、複数の励磁モードの1つを選択的に設定するための励磁モード制御手段と、ステッピングモータの加速期間および減速期間の少なくとも一方において、途中に少なくとも1回設けられるモード切換点をパルス信号の計数値と所定値との比較によって検出する検出手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、パルス生成手段からのパルス信号とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御するモータ励磁制御手段とを含む。励磁モード制御手段は、検出手段によって検出されたモード切換点で励磁モードの設定を変更し、モータ励磁制御手段は、パルス信号に応答して複数の位相状態のうちの1つを周期的に選択するカウンタ手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードとカウンタ手段によって選択された位相状態とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御する電流制御手段とを有する。第1のモードにおいては、複数の位相状態のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第2のモードにおいては、複数の位相状態のうちの連続する2つずつで構成される組のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第3のモードにおいては、複数の位相状態のうちの連続する4つずつで構成される組のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第2および第3のモードの各々において、同一の組に含まれる各位相状態において、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルは同様に設定される。
【0016】
本発明に従うステッピングモータの駆動制御装置は、複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータを予め定められた速度パターンに従って駆動するためのステッピングモータの駆動制御装置であって、速度パターンを示すデータを予め記憶する記憶手段と、記憶手段から読出されたデータに基づいて、速度パターンに応じた間隔でパルス信号を生成するパルス生成手段と、複数の励磁モードの1つを選択的に設定するための励磁モード制御手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、パルス生成手段からのパルス信号とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御するモータ励磁制御手段とを備え、励磁モード制御手段は、ステッピングモータの駆動中に、途中に少なくとも1回設けられるモード切換点で励磁モードの設定を変更する、。
【0017】
好ましくは、モード切換点は、ステッピングモータの加速期間および減速期間の少なくとも一方において、途中に少なくとも1回設けられる。
【0018】
また好ましくは、ステッピングモータの駆動制御装置は、パルス信号の計数値と所定値との比較によって、モード切換点を検出する検出手段をさらに備え、励磁モード制御手段は、検出手段によって検出されたモード切換点で励磁モードの設定を変更する。
【0019】
あるいは好ましくは、励磁モードは、ステップ角が第1の角度である第1のモードと、ステップ角が第1の角度の2倍である第2のモード、およびステップ角が第1の角度の4倍である第3のモードの少なくとも一方とを含む。
【0020】
好ましくは、モータ励磁制御手段は、パルス信号に応答して、複数の位相状態のうちの1つを周期的に選択するカウンタ手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、カウンタ手段によって選択された位相状態とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御する電流制御手段とを含む。
【0021】
さらに好ましくは、励磁モードは、ステップ角が第1の角度である第1のモードと、ステップ角が第1の角度の2倍である第2のモード、およびステップ角が第1の角度の4倍である第3のモードの少なくとも一方とを含む。第1のモードにおいては、複数の位相状態のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の方向およびレベルの少なくとも一方は異なり、第2のモードにおいては、複数の位相状態のうちの連続する2つずつで構成される組のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第3のモードにおいては、複数の位相状態のうちの連続する4つずつで構成される組のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第2および第3のモードの各々において、同一の組に含まれる各位相状態において、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルは同一に設定される。
【0022】
この発明の他の構成に従うプリンタは、複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータと、ステッピングモータを予め定められた速度パターンに従って駆動するための駆動制御装置とを備える。駆動制御装置は、速度パターンを示すデータを予め記憶する記憶手段と、記憶手段から読出されたデータに基づいて、速度パターンに応じた間隔でパルス信号を生成するパルス生成手段と、複数の励磁モードの1つを選択的に設定するための励磁モード制御手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、パルス生成手段からのパルス信号とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御するモータ励磁制御手段とを含む。励磁モード制御手段は、ステッピングモータの駆動中に、途中に少なくとも1回設けられるモード切換点で励磁モードの設定を変更する。
【0023】
好ましくは、モード切換点は、ステッピングモータの加速期間および減速期間の少なくとも一方において、途中に少なくとも1回設けられる。
【0024】
あるいは好ましくは、ステッピングモータは、給紙モータである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態に従うステッピングモータの駆動制御装置10の全体構成を示すブロック図である。
【0027】
図1を参照して、本発明に従うステッピングモータの駆動制御装置10は、ステッピングモータ50の励磁電流を制御するモータドライバIC40に対して、励磁電流の極性および電流量(レベル)を指示する駆動制御信号DVSを与える。
【0028】
ステッピングモータ50は、ステップ角がθsであるクォータステップと、ステップ角が2・θsであるハーフステップと、ステップ角が4・θsであるフルステップとの3つの駆動モード(励磁モード)で運転可能であるものとする。
【0029】
駆動制御装置10は、記憶部15と、プロセッサ20と、制御部30とを備える。
【0030】
記憶部15は、ステッピングモータ50が所定動作を実行するために予め定められた速度パターンを示すデータを格納した速度パターンデータテーブル70を有する。プロセッサ20は、ステッピングモータ50の駆動開始時に、駆動開始信号STRを制御部30に供給するとともに、速度パターンデータテーブル70から読出した速度パターンデータTDに基づいて、パルス信号の生成間隔を指示する制御データCDを制御部30へ与える。
【0031】
制御部30は、プロセッサ20からの制御データCDに応じた間隔でパルス信号CPSを生成するパルス生成回路80と、パルス生成回路80からのパルス信号CPSおよびステッピングモータの励磁モードに応じて駆動制御信号DVSを生成するモータ駆動制御信号生成回路90とを含む。
【0032】
まず、図2を用いて、ステッピングモータ50の速度パターン例を説明する。図2を参照して、縦軸は、ステッピングモータの設定速度を示し、横軸は、モータ駆動開始からのパルス信号CPSの生成数(累計値)に相当するステップ数を示す。
【0033】
モータ駆動が開始されると、初期値であるステップ数S0からステップ数S2までの加速区間においては、ステッピングモータ50が加速される。さらに、ステップ数S2からS3までの定速区間においてはステッピングモータ50は定速運転される。ステップ数S3からS5までの減速区間ではステッピングモータ50は減速されて、ステップ数S5の時点において、モータ駆動が停止されてステッピングモータ50は停止する。パルス信号の生成数および生成間隔は、駆動中での励磁モードの切換えを考慮することなく、ステッピングモータ50が常時クォータステップで駆動された場合に対応して設定される。したがって、一連の動作によるステッピングモータ50の回転量は、ステップ角θsと総ステップ数S(F)との積で示される。
【0034】
加速期間の総ステップ数を示す加速ステップ数S(A)は、S(A)=S2−S0で与えられる。同様に、定速期間の総ステップ数を示す定速ステップ数S(C)は、S(C)=S3−S2で与えられ、減速期間の総ステップ数を示す減速ステップ数S(D)は、S(D)=S5−S3で与えられる。
【0035】
さらに、モータ駆動中、たとえば加速期間および減速期間のそれぞれにおいて、その途中にモード切換点が設けられる。すなわち、加速期間中には、モータの加速開始(ステップ数S0)から加速切換ステップ数S(AC)経過後のステップ数S1において、ステッピングモータ50の駆動モードが切換えられる。同様に、減速期間中には、モータの減速開始(ステップ数S3)から減速切換ステップ数S(DC)経過後のステップ数S4において、ステッピングモータ50の駆動モードが切換えられる。
【0036】
たとえば、プリンタの給紙機構に用いられるステッピングモータにおいては、図2の速度パターンは、総ステップ数S(F)に相当する目標距離分の、基本的な紙送り動作に相当する。すなわち、紙送り動作の初期段階においては、スリップを防止するために、クォータステップで駆動することで、ステッピングモータを細かいステップ角で低速に回転させながら徐々に加速していく。さらに、給紙が安定してスリップの危険性が低くなった後では、モータを高速に回転させることが必要となるので、加速期間の途中において、ステップ角が大きくなるように励磁モードをハーフステップまたはフルステップに切換える。
【0037】
さらに、目標距離が近づくと、停止精度を向上するために、モータを徐々に減速し、かつ減速期間の途中からは、細かいステップ角に戻すように励磁モードを再びクォータステップへ切換える。このようにして、安定的かつ高速な給紙動作を、モータ性能を効率的に活用して実行することができる。
【0038】
なお、図2に示した速度パターンでは、説明を簡単にするために、加速期間および減速期間における加速度(減速度)を一定としているが、速度はパルス間隔の設定に応じて、連続的あるいはステップ的に任意に変更できる。また、加速期間あるいは減速期間において、複数のモード切換点を設けでもよい。あるいは、加速期間および減速期間の一方のみに、または定速期間中にもモード切換点を設けることも可能である。
【0039】
図3は、図1に示した制御部30の構成を詳細に説明する回路図である。
図3を参照して、パルス生成回路80は、既に説明したように、記憶部15から読出された速度パターンデータによって示される、その時点での設定速度を反映した制御データCDに応じて、パルス信号CPSを生成する。具体的には、パルス信号CPSは、クォータステップでのステップ角θsに基づいて、指定のモータ速度に応じた間隔で生成される。
【0040】
モータ駆動制御信号生成回路90は、モータ励磁制御部200と、励磁モード制御部210と、検出部215とを含む。検出部215は、カウンタ220〜224と、一致ゲート231〜235とを有する。
【0041】
検出部215は、パルス信号CPSの生成数をカウントして、図2に示したステップ数S1〜S5を検出する。励磁モード制御部210は、検出部215からの検出信号DT1〜DT5に基づいて、ステッピングモータ50の励磁モードを選択的に設定するためのモード信号MD(0)〜MD(2)を生成する。これらのモード信号は、励磁モードをクォータステップに設定する場合には、MD(0)=1,MD(1)=MD(2)=0に設定され、励磁モードをハーフステップに設定する場合には、MD(1)=1,MD(0)=MD(2)=0に設定され、励磁モードをフルステップに設定する場合には、MD(2)=1,MD(0)=MD(1)=0に設定される。
【0042】
カウンタ220のカウント値FSの初期値は、総ステップ数S(F)に設定される。カウンタ220は、駆動開始信号STRに応答して活性化され、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値FSを1ずつ減算する。
【0043】
カウンタ221のカウント値ASの初期値は、加速ステップ数S(A)に設定される。カウンタ221は、加速期間の開始時に励磁モード制御部210によって活性化される制御信号ACに応答して活性化され、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値ASを1ずつ減算する。
【0044】
カウンタ222のカウント値DSの初期値は、減速ステップ数S(D)に設定される。カウンタ222は、減速期間の開始時に励磁モード制御部210によって活性化される制御信号DCに応答して活性化されて、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値DSを1ずつ減算する。
【0045】
カウンタ223のカウント値ACSの初期値は、加速切換ステップ数S(AC)に設定される。カウンタ223は、加速期間の開始時に励磁モード制御部210によって活性化される制御信号ACCに応答して活性化されて、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値ACSを1ずつ減算する。
【0046】
カウンタ224のカウント値DCSの初期値は、減速切換ステップ数S(DC)に設定される。カウンタ224は、減速期間の開始時に励磁モード制御部210によって活性化される制御信号DCCに応答して活性化されて、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値DCSを1ずつ減算する。
【0047】
一致ゲート231は、カウンタ223のカウント値ACSが0に達すると、検出信号DT1を生成する。検出信号DT1によって、加速期間における励磁モード切換点、すなわち図2におけるステップ数S1が検知される。
【0048】
一致ゲート232は、カウンタ221のカウント値ASが0に達すると、検出信号DT2を生成する。検出信号DT2によって、加速期間の終了点、すなわち図2におけるステップ数S2が検知される。
【0049】
一致ゲート233は、カウンタ220のカウント値FSがカウント値DSの初期値(すなわち減速ステップ数S(D))に達すると、検出信号DT3を生成する。検出信号DT3によって、減速期間の開始点、すなわち図2におけるステップ数S3が検知される。
【0050】
一致ゲート234は、カウンタ224のカウント値DCSが0に達すると、検出信号DT4を生成する。検出信号DT4によって、減速期間における励磁モード切換点、すなわち図2におけるステップ数S4が検知される。
【0051】
一致ゲート235は、カウンタ222のカウント値DSが0に達すると、検出信号DT5を生成する。検出信号DT5によって、減速期間の終了点、すなわち図2におけるステップ数S5が検知される。
【0052】
検出信号DT1〜DT5は励磁モード制御部210に送られる。励磁モード制御部210は、プロセッサ20からの駆動開始信号STRをカウンタ220に供給するとともに、駆動開始信号STRを受けたタイミングで制御信号SACおよびACを活性化し、さらに、検出信号DT3を受けたタイミングで制御信号DCおよびDCCを活性化する。
【0053】
また、励磁モード制御部210は、検出信号DT1およびDT4に応答して、ステッピングモータの励磁モードを切換える。すなわち、初期的にはクォータステップに設定された励磁モードは、検出信号DT1に応答してハーフステップまたはフルステップに切換えられ、検出信号DT4に応答して、再びクォータステップへ戻される。
【0054】
図4は、図3に示した検出部215の動作を説明するフローチャートである。図4を参照して、モータの駆動制御が開始されると、まず、カウンタ220〜224のカウント値およびモード制御信号が初期値に設定される。既に説明したように、カウント値FS=S(F)に設定され、カウント値ACS=S(AC)に設定され、AC=S(A)に設定され、DC=S(D)に設定され、DCS=S(DC)に設定される。一方、励磁モードをクォータステップに設定するために、モード信号は、MD(0)=1,MD(1)=MD(2)=0に設定される(ステップS100)。
【0055】
まず加速期間が開始され、カウント値ACSが0に達するまでの間(ステップS110)、パルス信号CPSの生成に応答して、カウント値ACS、ASおよびFSは1ずつ減算される(ステップS120)。そして、カウント値ACS=0に達すると、加速期間におけるモード切換点が到達したことが検出される。したがって、励磁モードをクォータステップからハーフステップまたはフルステップへ変更するために、モード信号MD(0)=0に設定するとともに、モード信号MD(1)=1またはMD(2)=1に設定する(ステップS130)。
【0056】
励磁モードの変更後の残りの加速期間は、カウント値ASが0に達するまでの間実行される(ステップS140)。すなわち、カウント値ASが0に達するまで、カウント値ASおよびFSは、パルス信号CPSの生成に応答して1ずつ減算される(ステップS150)。
【0057】
カウント値FSが0に達すると、加速期間が終了したことが検出されるので、定速期間へ移行する。定速期間では、カウント値FSがカウント値DSの初期値(すなわち、減速ステップ数S(D))に達するまでの間(ステップS160)、パルス信号CPSの生成に応答して、カウント値FSは1ずつ減算される(ステップS170)。
【0058】
カウント値ASがカウント値DSの初期値に達すると、定速期間が終了したことが検出されるので、減速期間へ移行する。減速期間が開始されると、カウント値DCSが0に達するまでの間(ステップS180)、パルス信号CPSの生成に応答して、カウント値DCS、DSおよびFSは1ずつ減算される(ステップS190)。そして、カウント値DCS=0に達すると、減速期間におけるモード切換点が到達したことが検出される。したがって、励磁モードを再びクォータステップへ戻すために、モード信号MD(0)=1に設定するとともに、モード信号MD(1)=MD(2)=0に設定する(ステップS200)。
【0059】
励磁モードの変更後の残りの減速期間は、カウント値DSおよびFSが0に達するまでの間実行される(ステップ210)。すなわち、カウント値DSおよびFSが0に達するまで、カウント値DSおよびFSは、パルス信号CPSの生成に応答して1ずつ減算される(ステップS220)。
【0060】
カウント値DSおよびFSが0に達すると、モータの駆動制御は終了され、モータが停止する(ステップS230)。
【0061】
すなわち、図4に示したフローチャートに基づいて、検出部215をソフトウェアによって構成することもできる。なお、一般的には、検出部215は、図3に示すようにハードウェアで構成した方が高速化に適している。
【0062】
図5は、図4に示したモータの動作状態の遷移を示す図である。
図5を参照して、駆動開始信号STRが0の間は、アイドル状態100が維持され、駆動開始信号STR=1に設定されると、モータの駆動制御が開始されて、アイドル状態100から加速♯1状態110に移行する。加速♯1状態110では、ステッピングモータはクォータステップで駆動され、カウント値ACS=0に達するまでの間、加速♯1状態110は維持される。
【0063】
カウント値ACS=0に達すると、モード切換点が検出されて、加速♯1状態110から加速♯2状態120へ移行する。加速♯2状態120では、ステッピングモータはハーフステップまたはフルステップで駆動され、カウント値AS=0に達するまでの間、加速♯2状態120は維持される。
【0064】
カウント値AS=0に達すると、定速期間が開始されて、加速♯2状態120から定速状態130へ移行する。定速状態130では、ステッピングモータは加速♯2状態120と同一の励磁モードで駆動され、カウント値FSがカウント値DSの初期値、すなわち減速ステップ数S(D)に達するまでの間、定速状態130は維持される。
【0065】
カウント値FSがカウント値DSの初期値に達すると、減速期間が開始されて、定速状態130から減速♯1状態140へ移行する。減速♯1状態140では、ステッピングモータは加速♯2状態120と同一の励磁モードで駆動され、カウント値DCS=0に達するまでの間、減速♯1状態140は維持される。
【0066】
カウント値DCS=0に達すると、モード切換点が検出されて、減速♯1状態140から減速♯2状態150へ移行する。減速♯2状態150では、ステッピングモータは再びクォータステップで駆動される。カウント値DS=0に達するまでの間、加速♯2状態120は維持される。
【0067】
図6は、モータ励磁制御部200の構成を示すブロック図である。
図6を参照して、モータ励磁制御部200は、位相カウンタ250と、励磁電流制御部260とを有する。位相カウンタ250は、4ビットのカウント信号PP(0)〜PP(3)を1ずつインクリメントする。ここで、カウント信号PP(0)〜PP(3)によって示されるカウント値(0〜15)を、PP(3:0)と表記する。ここでは、4ビットのカウント信号PP(0)〜PP(3)のうち、PP(3)が最上位ビットであり、PP(0)が最下位ビットであるものとする。
【0068】
励磁電流制御部260は、モード信号MD(0)〜MD(2)およびカウント値PP(3:0)に応じて決定される駆動制御信号DVSを、図1に示したモータドライブIC40へ供給する。
【0069】
図7は、駆動制御信号DVSを設定する励磁電流制御部260の動作を説明する図である。
【0070】
図7(a)においては、クォータステップにおける駆動制御信号DVSの生成が示され、図7(b)および図7(c)には、ハーフステップおよびフルステップにおける駆動制御信号DVSの生成がそれぞれ示される。
【0071】
各励磁モードにおいて、駆動制御信号DVSは、ステッピングモータの励磁電流の極性を示す制御信号PH1,PH2と、電流量を示す制御信号I01,I11,I02,I12とを含む。制御信号PH1およびI01,I11の組合せによって、1つの相の励磁電流の極性および電流量(レベル)が示される。具体的には、制御信号PH1の“0”および“1”は、対応する励磁電流の正極性および負極性にそれぞれ対応し、制御信号I01,I11によって、(I01,I11)=(00),(01),(10),(11)の4レベルの電流量が示される。同様に、制御信号PH2およびI02,I12の組合せによって、他の相の励磁電流の極性および電流量が示される。
【0072】
各励磁モードにおいて、カウント値PP(3:0)に応じて、0〜15の16個の位相状態のうちの1つが周期的に選択され、制御信号PH1,PH2および制御信号I01,I11,I02,I12が決定される。
【0073】
図7(a)に示されるように、クォータステップでは、各位相状態において、すなわち、カウント値PP(3:0)がパルス信号CPSの生成に応答して1インクリメントされるたびに、少なくとも1つの相において励磁電流の極性および電流量の少なくとも一方が切換えられて、ステップ角θsずつステッピングモータが回転する。
【0074】
これに対して、図7(b)に示されるハーフステップ時には、連続した2つの位相状態毎に組が構成され、各組においては、各相の励磁電流の極性および電流量は同一とされる。したがって、カウント値PP(3:0)が2変化する度に、すなわち、パルス信号CPSが2つ生成されるたびに、少なくとも1つの相において励磁電流の極性および電流量の少なくとも一方が切換えられて、ステッピングモータがステップ角2・θsで回転する。
【0075】
同様に、図7(c)に示されるフルステップ時には、連続した4つの位相状態毎に組が構成され、各組においては、各相の励磁電流の極性および電流量は同一とされる。したがって、カウント値PP(3:0)が4変化する度に、すなわち、パルス信号CPSが4つ生成されるたびに、少なくとも1つの相において励磁電流の極性および電流量の少なくとも一方が切換えられて、ステッピングモータがステップ角4・θsで回転する。
【0076】
このように励磁電流を制御することにより、励磁モードの切換にかかわらず、パルス信号CPSの生成数とステッピングモータの回転角度とを正しく対応付けることができる。
【0077】
以上説明したように、本発明のステッピングモータの駆動装置によれば、モータ駆動中において、加速期間および減速期間の途中に予め設けられたモード切換点において、ステッピングモータの励磁モードを変更して、ステップ角を滑らかに変更できる。したがって、加速開始時および停止前時では細かいステップ角で、高速動作時には大きいステップ角でステッピングモータを駆動できるため、安定起動および高停止精度と、高速化とを両立した動作を、モータ性能を効率的に活用して実行することができる。
【0078】
また、図6および図7に示した方式で、ステッピングモータの相電流を制御して励磁モードを設定することにより、駆動中での励磁モードの切換えを考慮することなく、クォータステップ時におけるステップ角θsで統一的に計算して、パルス信号CPSの生成数および生成間隔を設定することができる。この結果、パルス信号を生成するために記憶部15に格納される速度パターンデータテーブルを小型化することができる。
【0079】
さらに、図8には、本発明のステッピングモータの駆動装置を備えたプリンタの全体構成を示す概略ブロック図が示される。
【0080】
図8を参照して、パソコン310は、インクジェットプリンタ380を制御する装置であって、USB制御部311と、操作入力部312と、コマンド出力部313と、印字データ出力部314とを含む。
【0081】
操作入力部312は、ユーザからの印刷指示を受け付ける。印字データ出力部314は、プログラムとそのプログラムを実行するCPUにより実現され、印字データを出力する。コマンド出力部313は、プログラムとそのプログラムを実行するCPUにより実現され、給紙コマンド、印字開始コマンド、印字終了コマンド、および排紙コマンドを出力する。USB制御部311は、印刷開始コマンド、給紙コマンド、印刷終了コマンド、排紙コマンド、および印字データをUSBケーブル315へ出力する。
【0082】
本発明のステッピングモータの駆動装置を備えたプリンタの代表例として示されるインクジェットプリンタ380は、制御部320と、キャリアモータ328と、給紙モータ329と、キャリア332と、フィードローラ330と、排紙ローラ331とを含む。
【0083】
制御部320は、CPU321と、USB制御部322と、ROM323と、ASIC324とからなる。ROM323は、CPU321が実行するプログラムを格納する。USB制御部322は、パソコン310からUSBケーブル315を通じて送られてくる印刷開始コマンド、給紙コマンド、印字データ、印刷終了コマンドおよび排紙コマンドを受信する。
【0084】
ASIC324は、キャリアモータ制御部325と、給紙モータ制御部326と、印字制御部327とからなる。キャリアモータ制御部325は、キャリアモータ328の駆動を制御する。キャリアモータ328は、キャリア332を主走査方向に移動させる。
【0085】
キャリア332には、印字ヘッド334にインクを供給するインクカートリッジ333が装着される。印字制御部327は、キャリア332に装着されたインクカートリッジ333の印字ヘッド334の印字を制御する。
【0086】
給紙モータ制御部326は、給紙モータ329の駆動を制御する。給紙モータ329は、プリント用紙を副走査方向に搬送する。給紙モータ329は、フィードローラ330を駆動し、フィードローラ330が回転すると、この回転がベルトを介して排紙ローラ331に伝わり排紙ローラ331も回転する。給紙モータ329は、1行の印字が終了すると、次の行を印字するために、プリント用紙を副走査方向に搬送する。
【0087】
CPU321は、給紙コマンドを受け取ると、給紙モータ制御部326を指示して、給紙モータ329を駆動させる。
【0088】
CPU321は、印刷開始コマンドを受け取ると、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を駆動させて、キャリア332をホームポジションから印刷開始位置に移動させる。
【0089】
CPU321は、印字データを受け取ると、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を駆動させて、キャリア332を主走査方向に移動させながら、印字制御部324を指示して、キャリア332に装着されたインクカートリッジ333の印字ヘッド334にインクを噴射させることで印字データを印字させる。
【0090】
CPU321は、1行分の印字が終了すると、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を停止させて、キャリア332を停止させる。そして、CPU321は、給紙モータ制御部326を指示して、給紙モータ329を駆動させて、プリント用紙を行間だけ副走査方向に移動させる。
【0091】
CPU321は、印刷終了コマンドを受け取ると、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を停止させて、キャリア332を停止させる。
【0092】
さらに、CPU321は、排紙コマンドを受けると、給紙モータ制御部326を指示して、給紙モータ329を駆動させてプリント用紙を排紙させるとともに、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を駆動してキャリア332をホームポジションに移動させる。
【0093】
CPU321は、プリント用紙が排紙されてから、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を駆動してキャリア332をホームポジションに移動させる
給紙モータ329には、ステッピングモータが用いられる。既に説明したように、給紙動作を安定的かつ高速に行なうには、図2に示したような速度パターン設定および励磁モード切換とすることが望ましい。したがって、給紙モータ制御部326を、本願発明に従うステッピングモータの駆動制御装置、すなわち図1に示した駆動制御装置10およびモータドライバIC40で構成することにより、給紙モータ329を高コスト化することなく、安定的かつ高速な給紙動作を実行することができる。なお、図2に示された速度パターン設定および励磁モード切換を、排紙動作やその他の動作ごとに細分化して最適に設定することが可能である。
【0094】
また、キャリアモータ制御部325を、本願発明に従うステッピングモータの駆動制御装置で構成して、ステッピングモータで構成されたキャリアモータ328の駆動を制御することも可能である。あるいは、インクジェットプリンタ380内に設けられた他のステッピングモータを、本願発明に従うステッピングモータの駆動制御で駆動制御することも可能である。
【0095】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に従うステッピングモータの駆動制御装置によれば、ステッピングモータ駆動中に、予め設けられたモード切換点で励磁モードを変更してステップ角を滑らかに変更できる。したがって、加速開始時および停止前時では細かいステップ角で、高速動作時には大きいステップ角でステッピングモータを駆動できるため、安定起動および高停止精度と、高速化とを両立した動作を、モータ性能を効率的に活用して実行することができる。
【0097】
さらに、このようなステッピングモータを備えたプリンタによれば、ステッピングモータの高コスト化を招くことなく、安定的かつ高速に給紙動作や排紙動作等を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に従うステッピングモータの駆動制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるステッピングモータの速度パターン例を説明する図である。
【図3】図1に示した制御部30の構成を詳細に説明する回路図である。
【図4】図3に示した検出部215の動作を説明するフローチャートである。
【図5】図4に対応したモータ動作状態の遷移を示す図である。
【図6】図3に示した信号生成部の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示した励磁制御電流制御部の動作を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に従うステッピングモータの駆動制御装置を備えたプリンタの全体構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
10 駆動制御装置、15 記憶部、20 プロセッサ、30 制御部、40モータドライバIC、50 ステッピングモータ、70 速度パターンデータテーブル、80 パルス生成回路、90 モータ駆動制御信号生成回路、200モータ励磁制御部、210 励磁モード制御部、250 位相カウンタ、260 励磁電流制御部、325 キャリアモータ制御部、326 給紙モータ制御部、328 キャリアモータ、329 給紙モータ、380 インクジェットプリンタ、CPS パルス信号、DVS 駆動制御信号、MD(0)〜MD(2)モード信号、PP(3:0) カウント値、θs ステップ角(クォータステップ)。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステッピングモータの駆動制御装置に関し、より特定的には、複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータの駆動制御装置および、それを備えたプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、ステッピングモータの回転速度は、励磁モードとパルス信号の生成間隔とによって決定される。ステッピングモータは、1つのパルス信号に応答して、ステップ角だけ回転する。たとえば、4相モータの場合、励磁モードとしては、1/4ステップ(クォータステップ)のW(ダブル)1−2相励磁、ハーフステップの1−2相励磁および2相励磁、ならびにフルステップの1相励磁、2相励磁等がある。ハーフステップにおけるステップ角は、クォータステップのときの2倍であり、フルステップにおけるステップ角は、クォータステップ時の4倍となる。なお、以下、本明細書では、ステップ角に関するクォータステップ、ハーフステップおよびフルステップのそれぞれを、励磁モードと称することとする。
【0003】
加減速回転や等速回転を伴った所定の速度パターンに従ってステッピングモータを駆動するためには、当該速度パターンに応じて、パルス信号の生成間隔(パルスレート)や励磁モードを設定する必要がある。
【0004】
たとえば、特許文献1には、速度パターンを規定するためのパラメータ(スタート周波数、高速周波数、加速レート、減速レート等)に基づいてパルス信号を生成するとともに、当該パルス信号の生成数に応じて、ステッピングモータの減速開始点を検知する構成が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、ステッピングモータを停止させずに、かつ、モータ速度の瞬間的な半減もしくは倍増によるトルク振動を防止して、滑らかに励磁モードを切換えるための機構が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−69886号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平5−300797号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようなステッピングモータは、種々の機器に応用されているが、たとえば、インクジェット方式のプリンタにおいて、給紙(ペーパフィード)のための駆動モータとして用いられる場合がある。このような給紙動作においては、紙送り初期においては、紙をしっかり噛み込ませるために比較的小さなステップ角で徐々にモータを回転する必要がある一方で、一旦紙送り動作が安定した後には、高速な紙送りを実行するためにモータを高速で回転する必要がある。
【0009】
また、印刷時の紙送りについても、印刷モード、たとえばフルカラーモードであるか否か等に応じて、要求される紙送り速度や速度パターンが種々変わってくる。このように、インクジェット方式の給紙機構に用いられるステッピングモータにおいては、動作態様に対応して、要求される速度、ステップ角やトルクが種々異なってくる。
【0010】
この際に、最も細かいピッチで紙送りが必要となる動作態様における当該ピッチを、モータのステップ角と合せてやる必要がある。一方、このように決定されたステップ角のままで高速に紙送りを実行するには、要求される回転速度が高くなり高価なステッピングモータが必要となってしまう。
【0011】
したがって、ステッピングモータを効率的に使用するには、加速動作および減速動作を伴う一連の動作中においても、ステッピングモータの励磁モードを滑らかに変更して、細かいステップ角での動作および大きいステップ角での高速動作の両方に対応させることが望ましい。
【0012】
しかしながら、特許文献1においては、生成されたパルス数のカウントに応じて、動作状態の切換点を簡易に検知する構成が開示されているものの、一連の動作中にモータの励磁モードを切換えるための構成については、開示されていない。
【0013】
また、特許文献2においては、駆動中に1ステップ当りのステップ角を変更する目的で励磁モードを変更する構成が示されているが、励磁モード切換の前後において、トルク変動が発生しないようにパルス生成を制御する構成となっている。このため、パルス生成のための制御が複雑化するという問題点が新たに発生する。
【0014】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、簡易な制御方式によって、駆動中にステッピングモータの励磁モードを変更可能なステッピングモータの駆動制御装置ならびにそれを備えたプリンタを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に従うプリンタは、ステップ角が第1の角度である第1のモードならびびステップ角が第1の角度の2倍である第2のモードおよびステップ角が第1の角度の4倍である第3のモードの少なくとも一方を含む複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータと、ステッピングモータを予め定められた速度パターンに従って駆動するための駆動制御装置とを備える。駆動制御装置は、速度パターンを示すデータを予め記憶する記憶手段と、記憶手段から読出されたデータに基づいて、速度パターンに応じた間隔でパルス信号を生成するパルス生成手段と、複数の励磁モードの1つを選択的に設定するための励磁モード制御手段と、ステッピングモータの加速期間および減速期間の少なくとも一方において、途中に少なくとも1回設けられるモード切換点をパルス信号の計数値と所定値との比較によって検出する検出手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、パルス生成手段からのパルス信号とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御するモータ励磁制御手段とを含む。励磁モード制御手段は、検出手段によって検出されたモード切換点で励磁モードの設定を変更し、モータ励磁制御手段は、パルス信号に応答して複数の位相状態のうちの1つを周期的に選択するカウンタ手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードとカウンタ手段によって選択された位相状態とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御する電流制御手段とを有する。第1のモードにおいては、複数の位相状態のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第2のモードにおいては、複数の位相状態のうちの連続する2つずつで構成される組のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第3のモードにおいては、複数の位相状態のうちの連続する4つずつで構成される組のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第2および第3のモードの各々において、同一の組に含まれる各位相状態において、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルは同様に設定される。
【0016】
本発明に従うステッピングモータの駆動制御装置は、複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータを予め定められた速度パターンに従って駆動するためのステッピングモータの駆動制御装置であって、速度パターンを示すデータを予め記憶する記憶手段と、記憶手段から読出されたデータに基づいて、速度パターンに応じた間隔でパルス信号を生成するパルス生成手段と、複数の励磁モードの1つを選択的に設定するための励磁モード制御手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、パルス生成手段からのパルス信号とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御するモータ励磁制御手段とを備え、励磁モード制御手段は、ステッピングモータの駆動中に、途中に少なくとも1回設けられるモード切換点で励磁モードの設定を変更する、。
【0017】
好ましくは、モード切換点は、ステッピングモータの加速期間および減速期間の少なくとも一方において、途中に少なくとも1回設けられる。
【0018】
また好ましくは、ステッピングモータの駆動制御装置は、パルス信号の計数値と所定値との比較によって、モード切換点を検出する検出手段をさらに備え、励磁モード制御手段は、検出手段によって検出されたモード切換点で励磁モードの設定を変更する。
【0019】
あるいは好ましくは、励磁モードは、ステップ角が第1の角度である第1のモードと、ステップ角が第1の角度の2倍である第2のモード、およびステップ角が第1の角度の4倍である第3のモードの少なくとも一方とを含む。
【0020】
好ましくは、モータ励磁制御手段は、パルス信号に応答して、複数の位相状態のうちの1つを周期的に選択するカウンタ手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、カウンタ手段によって選択された位相状態とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御する電流制御手段とを含む。
【0021】
さらに好ましくは、励磁モードは、ステップ角が第1の角度である第1のモードと、ステップ角が第1の角度の2倍である第2のモード、およびステップ角が第1の角度の4倍である第3のモードの少なくとも一方とを含む。第1のモードにおいては、複数の位相状態のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の方向およびレベルの少なくとも一方は異なり、第2のモードにおいては、複数の位相状態のうちの連続する2つずつで構成される組のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第3のモードにおいては、複数の位相状態のうちの連続する4つずつで構成される組のそれぞれにおいて、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、第2および第3のモードの各々において、同一の組に含まれる各位相状態において、ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルは同一に設定される。
【0022】
この発明の他の構成に従うプリンタは、複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータと、ステッピングモータを予め定められた速度パターンに従って駆動するための駆動制御装置とを備える。駆動制御装置は、速度パターンを示すデータを予め記憶する記憶手段と、記憶手段から読出されたデータに基づいて、速度パターンに応じた間隔でパルス信号を生成するパルス生成手段と、複数の励磁モードの1つを選択的に設定するための励磁モード制御手段と、励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、パルス生成手段からのパルス信号とに応じて、ステッピングモータの励磁電流を制御するモータ励磁制御手段とを含む。励磁モード制御手段は、ステッピングモータの駆動中に、途中に少なくとも1回設けられるモード切換点で励磁モードの設定を変更する。
【0023】
好ましくは、モード切換点は、ステッピングモータの加速期間および減速期間の少なくとも一方において、途中に少なくとも1回設けられる。
【0024】
あるいは好ましくは、ステッピングモータは、給紙モータである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態に従うステッピングモータの駆動制御装置10の全体構成を示すブロック図である。
【0027】
図1を参照して、本発明に従うステッピングモータの駆動制御装置10は、ステッピングモータ50の励磁電流を制御するモータドライバIC40に対して、励磁電流の極性および電流量(レベル)を指示する駆動制御信号DVSを与える。
【0028】
ステッピングモータ50は、ステップ角がθsであるクォータステップと、ステップ角が2・θsであるハーフステップと、ステップ角が4・θsであるフルステップとの3つの駆動モード(励磁モード)で運転可能であるものとする。
【0029】
駆動制御装置10は、記憶部15と、プロセッサ20と、制御部30とを備える。
【0030】
記憶部15は、ステッピングモータ50が所定動作を実行するために予め定められた速度パターンを示すデータを格納した速度パターンデータテーブル70を有する。プロセッサ20は、ステッピングモータ50の駆動開始時に、駆動開始信号STRを制御部30に供給するとともに、速度パターンデータテーブル70から読出した速度パターンデータTDに基づいて、パルス信号の生成間隔を指示する制御データCDを制御部30へ与える。
【0031】
制御部30は、プロセッサ20からの制御データCDに応じた間隔でパルス信号CPSを生成するパルス生成回路80と、パルス生成回路80からのパルス信号CPSおよびステッピングモータの励磁モードに応じて駆動制御信号DVSを生成するモータ駆動制御信号生成回路90とを含む。
【0032】
まず、図2を用いて、ステッピングモータ50の速度パターン例を説明する。図2を参照して、縦軸は、ステッピングモータの設定速度を示し、横軸は、モータ駆動開始からのパルス信号CPSの生成数(累計値)に相当するステップ数を示す。
【0033】
モータ駆動が開始されると、初期値であるステップ数S0からステップ数S2までの加速区間においては、ステッピングモータ50が加速される。さらに、ステップ数S2からS3までの定速区間においてはステッピングモータ50は定速運転される。ステップ数S3からS5までの減速区間ではステッピングモータ50は減速されて、ステップ数S5の時点において、モータ駆動が停止されてステッピングモータ50は停止する。パルス信号の生成数および生成間隔は、駆動中での励磁モードの切換えを考慮することなく、ステッピングモータ50が常時クォータステップで駆動された場合に対応して設定される。したがって、一連の動作によるステッピングモータ50の回転量は、ステップ角θsと総ステップ数S(F)との積で示される。
【0034】
加速期間の総ステップ数を示す加速ステップ数S(A)は、S(A)=S2−S0で与えられる。同様に、定速期間の総ステップ数を示す定速ステップ数S(C)は、S(C)=S3−S2で与えられ、減速期間の総ステップ数を示す減速ステップ数S(D)は、S(D)=S5−S3で与えられる。
【0035】
さらに、モータ駆動中、たとえば加速期間および減速期間のそれぞれにおいて、その途中にモード切換点が設けられる。すなわち、加速期間中には、モータの加速開始(ステップ数S0)から加速切換ステップ数S(AC)経過後のステップ数S1において、ステッピングモータ50の駆動モードが切換えられる。同様に、減速期間中には、モータの減速開始(ステップ数S3)から減速切換ステップ数S(DC)経過後のステップ数S4において、ステッピングモータ50の駆動モードが切換えられる。
【0036】
たとえば、プリンタの給紙機構に用いられるステッピングモータにおいては、図2の速度パターンは、総ステップ数S(F)に相当する目標距離分の、基本的な紙送り動作に相当する。すなわち、紙送り動作の初期段階においては、スリップを防止するために、クォータステップで駆動することで、ステッピングモータを細かいステップ角で低速に回転させながら徐々に加速していく。さらに、給紙が安定してスリップの危険性が低くなった後では、モータを高速に回転させることが必要となるので、加速期間の途中において、ステップ角が大きくなるように励磁モードをハーフステップまたはフルステップに切換える。
【0037】
さらに、目標距離が近づくと、停止精度を向上するために、モータを徐々に減速し、かつ減速期間の途中からは、細かいステップ角に戻すように励磁モードを再びクォータステップへ切換える。このようにして、安定的かつ高速な給紙動作を、モータ性能を効率的に活用して実行することができる。
【0038】
なお、図2に示した速度パターンでは、説明を簡単にするために、加速期間および減速期間における加速度(減速度)を一定としているが、速度はパルス間隔の設定に応じて、連続的あるいはステップ的に任意に変更できる。また、加速期間あるいは減速期間において、複数のモード切換点を設けでもよい。あるいは、加速期間および減速期間の一方のみに、または定速期間中にもモード切換点を設けることも可能である。
【0039】
図3は、図1に示した制御部30の構成を詳細に説明する回路図である。
図3を参照して、パルス生成回路80は、既に説明したように、記憶部15から読出された速度パターンデータによって示される、その時点での設定速度を反映した制御データCDに応じて、パルス信号CPSを生成する。具体的には、パルス信号CPSは、クォータステップでのステップ角θsに基づいて、指定のモータ速度に応じた間隔で生成される。
【0040】
モータ駆動制御信号生成回路90は、モータ励磁制御部200と、励磁モード制御部210と、検出部215とを含む。検出部215は、カウンタ220〜224と、一致ゲート231〜235とを有する。
【0041】
検出部215は、パルス信号CPSの生成数をカウントして、図2に示したステップ数S1〜S5を検出する。励磁モード制御部210は、検出部215からの検出信号DT1〜DT5に基づいて、ステッピングモータ50の励磁モードを選択的に設定するためのモード信号MD(0)〜MD(2)を生成する。これらのモード信号は、励磁モードをクォータステップに設定する場合には、MD(0)=1,MD(1)=MD(2)=0に設定され、励磁モードをハーフステップに設定する場合には、MD(1)=1,MD(0)=MD(2)=0に設定され、励磁モードをフルステップに設定する場合には、MD(2)=1,MD(0)=MD(1)=0に設定される。
【0042】
カウンタ220のカウント値FSの初期値は、総ステップ数S(F)に設定される。カウンタ220は、駆動開始信号STRに応答して活性化され、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値FSを1ずつ減算する。
【0043】
カウンタ221のカウント値ASの初期値は、加速ステップ数S(A)に設定される。カウンタ221は、加速期間の開始時に励磁モード制御部210によって活性化される制御信号ACに応答して活性化され、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値ASを1ずつ減算する。
【0044】
カウンタ222のカウント値DSの初期値は、減速ステップ数S(D)に設定される。カウンタ222は、減速期間の開始時に励磁モード制御部210によって活性化される制御信号DCに応答して活性化されて、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値DSを1ずつ減算する。
【0045】
カウンタ223のカウント値ACSの初期値は、加速切換ステップ数S(AC)に設定される。カウンタ223は、加速期間の開始時に励磁モード制御部210によって活性化される制御信号ACCに応答して活性化されて、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値ACSを1ずつ減算する。
【0046】
カウンタ224のカウント値DCSの初期値は、減速切換ステップ数S(DC)に設定される。カウンタ224は、減速期間の開始時に励磁モード制御部210によって活性化される制御信号DCCに応答して活性化されて、以降にパルス信号CPSが1つ生成される毎に、カウント値DCSを1ずつ減算する。
【0047】
一致ゲート231は、カウンタ223のカウント値ACSが0に達すると、検出信号DT1を生成する。検出信号DT1によって、加速期間における励磁モード切換点、すなわち図2におけるステップ数S1が検知される。
【0048】
一致ゲート232は、カウンタ221のカウント値ASが0に達すると、検出信号DT2を生成する。検出信号DT2によって、加速期間の終了点、すなわち図2におけるステップ数S2が検知される。
【0049】
一致ゲート233は、カウンタ220のカウント値FSがカウント値DSの初期値(すなわち減速ステップ数S(D))に達すると、検出信号DT3を生成する。検出信号DT3によって、減速期間の開始点、すなわち図2におけるステップ数S3が検知される。
【0050】
一致ゲート234は、カウンタ224のカウント値DCSが0に達すると、検出信号DT4を生成する。検出信号DT4によって、減速期間における励磁モード切換点、すなわち図2におけるステップ数S4が検知される。
【0051】
一致ゲート235は、カウンタ222のカウント値DSが0に達すると、検出信号DT5を生成する。検出信号DT5によって、減速期間の終了点、すなわち図2におけるステップ数S5が検知される。
【0052】
検出信号DT1〜DT5は励磁モード制御部210に送られる。励磁モード制御部210は、プロセッサ20からの駆動開始信号STRをカウンタ220に供給するとともに、駆動開始信号STRを受けたタイミングで制御信号SACおよびACを活性化し、さらに、検出信号DT3を受けたタイミングで制御信号DCおよびDCCを活性化する。
【0053】
また、励磁モード制御部210は、検出信号DT1およびDT4に応答して、ステッピングモータの励磁モードを切換える。すなわち、初期的にはクォータステップに設定された励磁モードは、検出信号DT1に応答してハーフステップまたはフルステップに切換えられ、検出信号DT4に応答して、再びクォータステップへ戻される。
【0054】
図4は、図3に示した検出部215の動作を説明するフローチャートである。図4を参照して、モータの駆動制御が開始されると、まず、カウンタ220〜224のカウント値およびモード制御信号が初期値に設定される。既に説明したように、カウント値FS=S(F)に設定され、カウント値ACS=S(AC)に設定され、AC=S(A)に設定され、DC=S(D)に設定され、DCS=S(DC)に設定される。一方、励磁モードをクォータステップに設定するために、モード信号は、MD(0)=1,MD(1)=MD(2)=0に設定される(ステップS100)。
【0055】
まず加速期間が開始され、カウント値ACSが0に達するまでの間(ステップS110)、パルス信号CPSの生成に応答して、カウント値ACS、ASおよびFSは1ずつ減算される(ステップS120)。そして、カウント値ACS=0に達すると、加速期間におけるモード切換点が到達したことが検出される。したがって、励磁モードをクォータステップからハーフステップまたはフルステップへ変更するために、モード信号MD(0)=0に設定するとともに、モード信号MD(1)=1またはMD(2)=1に設定する(ステップS130)。
【0056】
励磁モードの変更後の残りの加速期間は、カウント値ASが0に達するまでの間実行される(ステップS140)。すなわち、カウント値ASが0に達するまで、カウント値ASおよびFSは、パルス信号CPSの生成に応答して1ずつ減算される(ステップS150)。
【0057】
カウント値FSが0に達すると、加速期間が終了したことが検出されるので、定速期間へ移行する。定速期間では、カウント値FSがカウント値DSの初期値(すなわち、減速ステップ数S(D))に達するまでの間(ステップS160)、パルス信号CPSの生成に応答して、カウント値FSは1ずつ減算される(ステップS170)。
【0058】
カウント値ASがカウント値DSの初期値に達すると、定速期間が終了したことが検出されるので、減速期間へ移行する。減速期間が開始されると、カウント値DCSが0に達するまでの間(ステップS180)、パルス信号CPSの生成に応答して、カウント値DCS、DSおよびFSは1ずつ減算される(ステップS190)。そして、カウント値DCS=0に達すると、減速期間におけるモード切換点が到達したことが検出される。したがって、励磁モードを再びクォータステップへ戻すために、モード信号MD(0)=1に設定するとともに、モード信号MD(1)=MD(2)=0に設定する(ステップS200)。
【0059】
励磁モードの変更後の残りの減速期間は、カウント値DSおよびFSが0に達するまでの間実行される(ステップ210)。すなわち、カウント値DSおよびFSが0に達するまで、カウント値DSおよびFSは、パルス信号CPSの生成に応答して1ずつ減算される(ステップS220)。
【0060】
カウント値DSおよびFSが0に達すると、モータの駆動制御は終了され、モータが停止する(ステップS230)。
【0061】
すなわち、図4に示したフローチャートに基づいて、検出部215をソフトウェアによって構成することもできる。なお、一般的には、検出部215は、図3に示すようにハードウェアで構成した方が高速化に適している。
【0062】
図5は、図4に示したモータの動作状態の遷移を示す図である。
図5を参照して、駆動開始信号STRが0の間は、アイドル状態100が維持され、駆動開始信号STR=1に設定されると、モータの駆動制御が開始されて、アイドル状態100から加速♯1状態110に移行する。加速♯1状態110では、ステッピングモータはクォータステップで駆動され、カウント値ACS=0に達するまでの間、加速♯1状態110は維持される。
【0063】
カウント値ACS=0に達すると、モード切換点が検出されて、加速♯1状態110から加速♯2状態120へ移行する。加速♯2状態120では、ステッピングモータはハーフステップまたはフルステップで駆動され、カウント値AS=0に達するまでの間、加速♯2状態120は維持される。
【0064】
カウント値AS=0に達すると、定速期間が開始されて、加速♯2状態120から定速状態130へ移行する。定速状態130では、ステッピングモータは加速♯2状態120と同一の励磁モードで駆動され、カウント値FSがカウント値DSの初期値、すなわち減速ステップ数S(D)に達するまでの間、定速状態130は維持される。
【0065】
カウント値FSがカウント値DSの初期値に達すると、減速期間が開始されて、定速状態130から減速♯1状態140へ移行する。減速♯1状態140では、ステッピングモータは加速♯2状態120と同一の励磁モードで駆動され、カウント値DCS=0に達するまでの間、減速♯1状態140は維持される。
【0066】
カウント値DCS=0に達すると、モード切換点が検出されて、減速♯1状態140から減速♯2状態150へ移行する。減速♯2状態150では、ステッピングモータは再びクォータステップで駆動される。カウント値DS=0に達するまでの間、加速♯2状態120は維持される。
【0067】
図6は、モータ励磁制御部200の構成を示すブロック図である。
図6を参照して、モータ励磁制御部200は、位相カウンタ250と、励磁電流制御部260とを有する。位相カウンタ250は、4ビットのカウント信号PP(0)〜PP(3)を1ずつインクリメントする。ここで、カウント信号PP(0)〜PP(3)によって示されるカウント値(0〜15)を、PP(3:0)と表記する。ここでは、4ビットのカウント信号PP(0)〜PP(3)のうち、PP(3)が最上位ビットであり、PP(0)が最下位ビットであるものとする。
【0068】
励磁電流制御部260は、モード信号MD(0)〜MD(2)およびカウント値PP(3:0)に応じて決定される駆動制御信号DVSを、図1に示したモータドライブIC40へ供給する。
【0069】
図7は、駆動制御信号DVSを設定する励磁電流制御部260の動作を説明する図である。
【0070】
図7(a)においては、クォータステップにおける駆動制御信号DVSの生成が示され、図7(b)および図7(c)には、ハーフステップおよびフルステップにおける駆動制御信号DVSの生成がそれぞれ示される。
【0071】
各励磁モードにおいて、駆動制御信号DVSは、ステッピングモータの励磁電流の極性を示す制御信号PH1,PH2と、電流量を示す制御信号I01,I11,I02,I12とを含む。制御信号PH1およびI01,I11の組合せによって、1つの相の励磁電流の極性および電流量(レベル)が示される。具体的には、制御信号PH1の“0”および“1”は、対応する励磁電流の正極性および負極性にそれぞれ対応し、制御信号I01,I11によって、(I01,I11)=(00),(01),(10),(11)の4レベルの電流量が示される。同様に、制御信号PH2およびI02,I12の組合せによって、他の相の励磁電流の極性および電流量が示される。
【0072】
各励磁モードにおいて、カウント値PP(3:0)に応じて、0〜15の16個の位相状態のうちの1つが周期的に選択され、制御信号PH1,PH2および制御信号I01,I11,I02,I12が決定される。
【0073】
図7(a)に示されるように、クォータステップでは、各位相状態において、すなわち、カウント値PP(3:0)がパルス信号CPSの生成に応答して1インクリメントされるたびに、少なくとも1つの相において励磁電流の極性および電流量の少なくとも一方が切換えられて、ステップ角θsずつステッピングモータが回転する。
【0074】
これに対して、図7(b)に示されるハーフステップ時には、連続した2つの位相状態毎に組が構成され、各組においては、各相の励磁電流の極性および電流量は同一とされる。したがって、カウント値PP(3:0)が2変化する度に、すなわち、パルス信号CPSが2つ生成されるたびに、少なくとも1つの相において励磁電流の極性および電流量の少なくとも一方が切換えられて、ステッピングモータがステップ角2・θsで回転する。
【0075】
同様に、図7(c)に示されるフルステップ時には、連続した4つの位相状態毎に組が構成され、各組においては、各相の励磁電流の極性および電流量は同一とされる。したがって、カウント値PP(3:0)が4変化する度に、すなわち、パルス信号CPSが4つ生成されるたびに、少なくとも1つの相において励磁電流の極性および電流量の少なくとも一方が切換えられて、ステッピングモータがステップ角4・θsで回転する。
【0076】
このように励磁電流を制御することにより、励磁モードの切換にかかわらず、パルス信号CPSの生成数とステッピングモータの回転角度とを正しく対応付けることができる。
【0077】
以上説明したように、本発明のステッピングモータの駆動装置によれば、モータ駆動中において、加速期間および減速期間の途中に予め設けられたモード切換点において、ステッピングモータの励磁モードを変更して、ステップ角を滑らかに変更できる。したがって、加速開始時および停止前時では細かいステップ角で、高速動作時には大きいステップ角でステッピングモータを駆動できるため、安定起動および高停止精度と、高速化とを両立した動作を、モータ性能を効率的に活用して実行することができる。
【0078】
また、図6および図7に示した方式で、ステッピングモータの相電流を制御して励磁モードを設定することにより、駆動中での励磁モードの切換えを考慮することなく、クォータステップ時におけるステップ角θsで統一的に計算して、パルス信号CPSの生成数および生成間隔を設定することができる。この結果、パルス信号を生成するために記憶部15に格納される速度パターンデータテーブルを小型化することができる。
【0079】
さらに、図8には、本発明のステッピングモータの駆動装置を備えたプリンタの全体構成を示す概略ブロック図が示される。
【0080】
図8を参照して、パソコン310は、インクジェットプリンタ380を制御する装置であって、USB制御部311と、操作入力部312と、コマンド出力部313と、印字データ出力部314とを含む。
【0081】
操作入力部312は、ユーザからの印刷指示を受け付ける。印字データ出力部314は、プログラムとそのプログラムを実行するCPUにより実現され、印字データを出力する。コマンド出力部313は、プログラムとそのプログラムを実行するCPUにより実現され、給紙コマンド、印字開始コマンド、印字終了コマンド、および排紙コマンドを出力する。USB制御部311は、印刷開始コマンド、給紙コマンド、印刷終了コマンド、排紙コマンド、および印字データをUSBケーブル315へ出力する。
【0082】
本発明のステッピングモータの駆動装置を備えたプリンタの代表例として示されるインクジェットプリンタ380は、制御部320と、キャリアモータ328と、給紙モータ329と、キャリア332と、フィードローラ330と、排紙ローラ331とを含む。
【0083】
制御部320は、CPU321と、USB制御部322と、ROM323と、ASIC324とからなる。ROM323は、CPU321が実行するプログラムを格納する。USB制御部322は、パソコン310からUSBケーブル315を通じて送られてくる印刷開始コマンド、給紙コマンド、印字データ、印刷終了コマンドおよび排紙コマンドを受信する。
【0084】
ASIC324は、キャリアモータ制御部325と、給紙モータ制御部326と、印字制御部327とからなる。キャリアモータ制御部325は、キャリアモータ328の駆動を制御する。キャリアモータ328は、キャリア332を主走査方向に移動させる。
【0085】
キャリア332には、印字ヘッド334にインクを供給するインクカートリッジ333が装着される。印字制御部327は、キャリア332に装着されたインクカートリッジ333の印字ヘッド334の印字を制御する。
【0086】
給紙モータ制御部326は、給紙モータ329の駆動を制御する。給紙モータ329は、プリント用紙を副走査方向に搬送する。給紙モータ329は、フィードローラ330を駆動し、フィードローラ330が回転すると、この回転がベルトを介して排紙ローラ331に伝わり排紙ローラ331も回転する。給紙モータ329は、1行の印字が終了すると、次の行を印字するために、プリント用紙を副走査方向に搬送する。
【0087】
CPU321は、給紙コマンドを受け取ると、給紙モータ制御部326を指示して、給紙モータ329を駆動させる。
【0088】
CPU321は、印刷開始コマンドを受け取ると、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を駆動させて、キャリア332をホームポジションから印刷開始位置に移動させる。
【0089】
CPU321は、印字データを受け取ると、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を駆動させて、キャリア332を主走査方向に移動させながら、印字制御部324を指示して、キャリア332に装着されたインクカートリッジ333の印字ヘッド334にインクを噴射させることで印字データを印字させる。
【0090】
CPU321は、1行分の印字が終了すると、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を停止させて、キャリア332を停止させる。そして、CPU321は、給紙モータ制御部326を指示して、給紙モータ329を駆動させて、プリント用紙を行間だけ副走査方向に移動させる。
【0091】
CPU321は、印刷終了コマンドを受け取ると、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を停止させて、キャリア332を停止させる。
【0092】
さらに、CPU321は、排紙コマンドを受けると、給紙モータ制御部326を指示して、給紙モータ329を駆動させてプリント用紙を排紙させるとともに、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を駆動してキャリア332をホームポジションに移動させる。
【0093】
CPU321は、プリント用紙が排紙されてから、キャリアモータ制御部325を指示して、キャリアモータ328を駆動してキャリア332をホームポジションに移動させる
給紙モータ329には、ステッピングモータが用いられる。既に説明したように、給紙動作を安定的かつ高速に行なうには、図2に示したような速度パターン設定および励磁モード切換とすることが望ましい。したがって、給紙モータ制御部326を、本願発明に従うステッピングモータの駆動制御装置、すなわち図1に示した駆動制御装置10およびモータドライバIC40で構成することにより、給紙モータ329を高コスト化することなく、安定的かつ高速な給紙動作を実行することができる。なお、図2に示された速度パターン設定および励磁モード切換を、排紙動作やその他の動作ごとに細分化して最適に設定することが可能である。
【0094】
また、キャリアモータ制御部325を、本願発明に従うステッピングモータの駆動制御装置で構成して、ステッピングモータで構成されたキャリアモータ328の駆動を制御することも可能である。あるいは、インクジェットプリンタ380内に設けられた他のステッピングモータを、本願発明に従うステッピングモータの駆動制御で駆動制御することも可能である。
【0095】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に従うステッピングモータの駆動制御装置によれば、ステッピングモータ駆動中に、予め設けられたモード切換点で励磁モードを変更してステップ角を滑らかに変更できる。したがって、加速開始時および停止前時では細かいステップ角で、高速動作時には大きいステップ角でステッピングモータを駆動できるため、安定起動および高停止精度と、高速化とを両立した動作を、モータ性能を効率的に活用して実行することができる。
【0097】
さらに、このようなステッピングモータを備えたプリンタによれば、ステッピングモータの高コスト化を招くことなく、安定的かつ高速に給紙動作や排紙動作等を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に従うステッピングモータの駆動制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるステッピングモータの速度パターン例を説明する図である。
【図3】図1に示した制御部30の構成を詳細に説明する回路図である。
【図4】図3に示した検出部215の動作を説明するフローチャートである。
【図5】図4に対応したモータ動作状態の遷移を示す図である。
【図6】図3に示した信号生成部の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示した励磁制御電流制御部の動作を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に従うステッピングモータの駆動制御装置を備えたプリンタの全体構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
10 駆動制御装置、15 記憶部、20 プロセッサ、30 制御部、40モータドライバIC、50 ステッピングモータ、70 速度パターンデータテーブル、80 パルス生成回路、90 モータ駆動制御信号生成回路、200モータ励磁制御部、210 励磁モード制御部、250 位相カウンタ、260 励磁電流制御部、325 キャリアモータ制御部、326 給紙モータ制御部、328 キャリアモータ、329 給紙モータ、380 インクジェットプリンタ、CPS パルス信号、DVS 駆動制御信号、MD(0)〜MD(2)モード信号、PP(3:0) カウント値、θs ステップ角(クォータステップ)。
Claims (10)
- ステップ角が第1の角度である第1のモードと、前記ステップ角が前記第1の角度の2倍である第2のモードおよび前記ステップ角が前記第1の角度の4倍である第3のモードの少なくとも一方とを含む複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータと、
前記ステッピングモータを予め定められた速度パターンに従って駆動するための駆動制御装置とを備え、
前記駆動制御装置は、
前記速度パターンを示すデータを予め記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読出された前記データに基づいて、前記速度パターンに応じた間隔でパルス信号を生成するパルス生成手段と、
前記複数の励磁モードの1つを選択的に設定するための励磁モード制御手段と、
前記ステッピングモータの加速期間および減速期間の少なくとも一方において途中に少なくとも1回設けられるモード切換点を、前記パルス信号の計数値と所定値との比較によって検出する検出手段と、
前記励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、前記パルス生成手段からの前記パルス信号とに応じて、前記ステッピングモータの励磁電流を制御するモータ励磁制御手段とを含み、
前記励磁モード制御手段は、前記検出手段によって検出された前記モード切換点で前記励磁モードの設定を変更し、
前記モータ励磁制御手段は、
前記パルス信号に応答して、複数の位相状態のうちの1つを周期的に選択するカウンタ手段と、
前記励磁モード制御手段によって設定された前記励磁モードと、前記カウンタ手段によって選択された前記位相状態とに応じて、前記ステッピングモータの励磁電流を制御する電流制御手段とを有し、
前記第1のモードにおいては、前記複数の位相状態のそれぞれにおいて、前記ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、前記第2のモードにおいては、前記複数の位相状態のうちの連続する2つずつで構成される組のそれぞれにおいて、前記ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、
前記第3のモードにおいては、前記複数の位相状態のうちの連続する4つずつで構成される組のそれぞれにおいて、前記ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、
前記第2および第3のモードの各々において、同一の前記組に含まれる各前記位相状態において、前記ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルは同様に設定される、プリンタ。 - 複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータを予め定められた速度パターンに従って駆動するためのステッピングモータの駆動制御装置であって、
前記速度パターンを示すデータを予め記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読出された前記データに基づいて、前記速度パターンに応じた間隔でパルス信号を生成するパルス生成手段と、
前記複数の励磁モードの1つを選択的に設定するための励磁モード制御手段と、
前記励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、前記パルス生成手段からの前記パルス信号とに応じて、前記ステッピングモータの励磁電流を制御するモータ励磁制御手段とを備え、
前記励磁モード制御手段は、前記ステッピングモータの駆動中に、途中に少なくとも1回設けられるモード切換点で前記励磁モードの設定を変更する、ステッピングモータの駆動制御装置。 - 前記モード切換点は、前記ステッピングモータの加速期間および減速期間の少なくとも一方において、途中に少なくとも1回設けられる、請求項2記載のステッピングモータの駆動制御装置。
- 前記パルス信号の計数値と所定値との比較によって、前記モード切換点を検出する検出手段をさらに備え、
前記励磁モード制御手段は、前記検出手段によって検出された前記モード切換点で前記励磁モードの設定を変更する、請求項2記載のステッピングモータの駆動制御装置。 - 前記励磁モードは、
ステップ角が第1の角度である第1のモードと、
前記ステップ角が前記第1の角度の2倍である第2のモード、および前記ステップ角が前記第1の角度の4倍である第3のモードの少なくとも一方とを含む、請求項2記載のステッピングモータの駆動制御装置。 - 前記モータ励磁制御手段は、
前記パルス信号に応答して、複数の位相状態のうちの1つを周期的に選択するカウンタ手段と、
前記励磁モード制御手段によって設定された前記励磁モードと、前記カウンタ手段によって選択された前記位相状態とに応じて、前記ステッピングモータの励磁電流を制御する電流制御手段とを含む、請求項2記載のステッピングモータの駆動制御装置。 - 前記励磁モードは、
ステップ角が第1の角度である第1のモードと、
前記ステップ角が前記第1の角度の2倍である第2のモード、および前記ステップ角が前記第1の角度の4倍である第3のモードの少なくとも一方とを含み、前記第1のモードにおいては、前記複数の位相状態のそれぞれにおいて、前記ステッピングモータの励磁電流の方向およびレベルの少なくとも一方は異なり、前記第2のモードにおいては、前記複数の位相状態のうちの連続する2つずつで構成される組のそれぞれにおいて、前記ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、
前記第3のモードにおいては、前記複数の位相状態のうちの連続する4つずつで構成される組のそれぞれにおいて、前記ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルの少なくとも一方は異なり、
前記第2および第3のモードの各々において、同一の前記組に含まれる各前記位相状態において、前記ステッピングモータの励磁電流の極性およびレベルは同一に設定される、請求項6記載のステッピングモータの駆動制御装置。 - 複数の励磁モードで駆動可能なステッピングモータと、
前記ステッピングモータを予め定められた速度パターンに従って駆動するための駆動制御装置とを備え、
前記駆動制御装置は、
前記速度パターンを示すデータを予め記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読出された前記データに基づいて、前記速度パターンに応じた間隔でパルス信号を生成するパルス生成手段と、
前記複数の励磁モードの1つを選択的に設定するための励磁モード制御手段と、
前記励磁モード制御手段によって設定された励磁モードと、前記パルス生成手段からの前記パルス信号とに応じて、前記ステッピングモータの励磁電流を制御するモータ励磁制御手段とを備え、
前記励磁モード制御手段は、前記ステッピングモータの駆動中に、途中に少なくとも1回設けられるモード切換点で前記励磁モードの設定を変更する、プリンタ。 - 前記モード切換点は、前記ステッピングモータの加速期間および減速期間の少なくとも一方において、途中に少なくとも1回設けられる、請求項8記載のプリンタ。
- 前記ステッピングモータは、給紙モータである、請求項8記載のプリンタ。
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