JP2004215085A - 平面アンテナの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】平面アンテナ4の回路基板5への固定の工程を簡略化することができ、かつ、固定強度も十分である平面アンテナの固定構造を提供する。
【解決手段】回路基板5上に平面アンテナ4を固定した平面アンテナの固定構造において、平面アンテナ4は回路基板5上に直接設置する。また、平面アンテナ4と回路基板5との固定には、平面アンテナ4の裏面の一部から突出する突起10を回路基板5に穿設された取付孔11に係止させることにより行う。
【選択図】 図1
【解決手段】回路基板5上に平面アンテナ4を固定した平面アンテナの固定構造において、平面アンテナ4は回路基板5上に直接設置する。また、平面アンテナ4と回路基板5との固定には、平面アンテナ4の裏面の一部から突出する突起10を回路基板5に穿設された取付孔11に係止させることにより行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面アンテナの固定構造に関するものである。また、本発明は、回路基板上に固定された平面アンテナの構造に関するものである。
【0002】
近時、自動車に搭載される情報機器として、GPS(衛星測位システム;global positioning system)や、VICS(道路交通情報通信システム;vehicle information and communication system)を利用したナビゲーション装置、更にはETC(自動料金収受システム;electronic toll collection system)を利用した有料道路における料金自動支払システム等の無線情報端末の普及が目覚ましい。これらの情報機器は例えば、図11に示すような形態で自動車に搭載される。
【0003】
ところでこれらの車載用情報機器において用いられるアンテナの一種として平面アンテナが用いられている。これは例えば図8のように構成される。ここで、a)は平面図、b)は側面断面図である。平面アンテナは1.5GHz帯用のものとして一辺が略30mm、厚みが略4mmの平面の矩形状の誘電体1の表面に放射素子2、裏面には接地導体3が形成されている。これを回路に実装する場合は、図9のように、平面アンテナ4を直接回路基板5上に配置し、給電ピン7を放射素子2と回路基板5にそれぞれ半田部8、9によって半田付けされて接続と固定が兼ねられている。
【0004】
ところが、図9のような形態では、平面アンテナ4の重量を給電ピン7に盛られた半田部8、9のみで支えることになる。そのため、車載用として用いる場合には、走行中の激しい振動、給電ピン7と誘電体1の熱膨張率の違いによるストレス等により、応力が半田部8、9に集中し、ここに亀裂が入るという問題があった。特に、平面アンテナをGPSの衛星電波を受信する場合には、受信する信号が微弱であるため、半田部8、9にわずかな亀裂が入るだけで、導通が悪化し、受信感度が著しく低下する。
【0005】
そこで、図10に示したように、接地導体3に両面粘着テープ6を用いて回路基板5に貼り付け、平面アンテナ4を固定することも行われている。この場合は、平面アンテナ4には、貫通孔7´を開け、給電ピン7を挿入し、給電ピン7の頭の部分と放射素子2及び、給電ピン7の先と回路基板5の裏面で半田8、9付けを行い、回路基板5と放射素子2とで導通をとっている。こうすることで両面テープ6が緩衝材として作用し、半田部8、9への負荷を軽減し亀裂の発生をある程度防止することができる。
【0006】
【特許文献1】
実開平5−018115号公報
特開2001−16026号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10のような形態では以下のような問題があった。まず、平面アンテナ4の回路基板5への固定には両面粘着テープ6を用いているため、両面粘着テープ6を貼り付ける工程が必要となり、作業工程が増加するという問題があった。また、平面アンテナを車載用として用いる場合は、周辺環境の変動が激しいため、両面粘着テープ6の粘着強度が次第に劣化し、固定が甘くなっていくという問題があった。
【0008】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたもので、平面アンテナの回路基板への固定の工程を簡略化することができ、かつ、固定強度も十分な、平面アンテナの固定構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る平面アンテナの固定構造は、
誘電体と、前記誘電体の表面に形成した放射素子と、前記誘電体の裏面から前記誘電体を貫通して前記放射素子に接続される給電ピンを備えた平面アンテナを回路基板上に固定する平面アンテナの固定構造において、前記平面アンテナの裏面は前記回路基板上に直接接触し、前記平面アンテナの裏面の一部から突出する突起を前記回路基板に穿設された取付孔に係止して固定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る平面アンテナの固定構造は、請求項1に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記突起は前記誘電体に穿設した孔に圧入されたピン状部材であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る平面アンテナの固定構造は、請求項1記載の平面アンテナの固定構造であって、前記突起は前記誘電体にモールドされたピン状部材であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る平面アンテナの固定構造は、請求項2に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記ピン状部材は給電ピンであり、前記放射素子が巻き込まれた貫通孔に圧入されることにより前記放射素子と前記給電ピンが電気的に接続されることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る平面アンテナの固定構造は、請求項1乃至4に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記突起は先端に鉤状部を備え、前記回路基板に穿設された取付孔を通過して前記取付孔の縁部に前記鉤状部が係止されることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る平面アンテナの固定構造は、請求項1乃至4に記載の平面アンテナであって、前記突起は先端に膨大部を有し、前記回路基板は穿設された大形孔と前記大形孔に連続する狭幅溝を有し、前記膨大部が前記大形孔を通過後前記突起は狭幅溝内に移動されて係止されることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の平面アンテナの固定構造は、請求項1乃至4に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記突起の先端は前記回路基板に穿設された取付孔を通過後、膨大部が形成されて係止されることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の平面アンテナの固定構造は、回路基板上に固定された平面アンテナの構造において、平面アンテナは回路基板上に直接接触し、平面アンテナの上方から伸びる押え部材により固定されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る平面アンテナの固定構造は、請求項8に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記押え部材は、前記平面アンテナ及び前記回路基板を格納する筐体の一部分であることを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る回路基板は、請求項1乃至9に記載の平面アンテナの固定構造を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項11に係る無線情報端末は、請求項10に記載の回路基板を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項12に係る自動車は、請求項11に記載の無線情報端末を搭載したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の形態は、図1に例示するように、平面アンテナ4は誘電体1表面の放射素子2と裏面の接地導体3から構成されている。誘電体1および接地導体3には貫通孔7´が穿設され、給電ピン7により回路基板5の給電回路と放射素子2が電気的に接続されている。この平面アンテナ4を回路基板5上に固定した平面アンテナの固定構造において、平面アンテナ4は回路基板5上に直接接触し、平面アンテナ4の裏面の一部から突起10が突出している。突起10は回路基板5に穿設された取付孔11を貫通し、この取付孔11にて係止して固定されている。
なお、給電ピン7と放射素子2、および回路基板5上の回路との接続は半田付けにより行われている。
【0022】
図1のような形態では、回路基板5上への平面アンテナ4の固定には平面アンテナ4の下面の一部から突出する突起10が取付孔11で強固に係止して固定されている。このため、両面粘着テープを用いなくても、平面アンテナ4の振動、熱膨張による応力は突起10や取付孔11及び係止部が負担し、半田付け部8、9への負荷が軽減される。即ち両面粘着テープは不要となり、固定の工程を簡略化することができる。
【0023】
なお、ここで、突起10を取付孔11にて係止させる手段は、図1のように突起10が回路基板5を貫き、平面アンテナ4が回路基板5から離れる力に対して突起10が回路基板5から抜けないようにするものであれば何でも適用できる。
【0024】
例えば、図2(a)のように、突起の先端に鉤状部101を備え、回路基板5に穿設された取付孔11を通過して取付孔11の縁部に鉤状部101が係止されるようにする。この場合は例えば突起を弾性変形可能な材質で構成し、鉤状部101の案内傾斜部102を設けておけば、平面アンテナ4を回路基板5上の所定の箇所へ上から押し込むことにより、鉤状部101は弾性変形しながら取付孔11を通過し、通過後に復元して係止、固定することができる。
【0025】
また、図2(b)のように、突起10を取付孔11に通過させた後、先端に膨大部103を形成して係止してもよい。膨大部103を形成する手段としては、熱変形させるもの、常温で塑性変形させるもの、弾性変形によるもの、別の部材を付加するものなど種々の手段を採用可能である。
【0026】
なお、図2(c)のように、回路基板5に穿設された大形孔13と大形孔13に連続する狭幅溝14を設け、膨大部103が大形孔13を通過後突起が狭幅溝14内に移動されて係止されるようにしてもよい。係止された状態は、図2(b)と同じようになる。
【0027】
これらの突起は単数であっても複数であっても良い。また、給電ピンを兼ねるものであっても良いがこの場合には半田部8、9とりわけ半田部8に負荷がかからないように平面アンテナ4と給電ピン7との固定手段を工夫することが望ましい。
【0028】
例えば、図3に示すように給電ピン7を誘電体1を含む平面アンテナ4に穿設した貫通孔7´の誘電体1の部分に圧入して平面アンテナ4と給電ピン7を固定することができる。この場合に給電ピン7に貫通孔7´の径より大径な部分71を設けておけばはめあいが硬くなり強固に固定することができる。このような構成によれば給電ピン7と突起を兼ねることができる。
【0029】
特に、図4に示すように放射素子2を貫通孔7´の内面に巻き込み、給電ピン7を圧入した場合には圧入により給電ピン7と放射素子2は電気的に接続されるため半田部8を省略することができる。
【0030】
また、給電ピン7を誘電体1でモールドして給電ピン7と平面アンテナ4を固定することもできる。この場合に図5に示すように給電ピン7にアンカー部72を設けておけばアンカー部72が誘電体1内に入り込み、より強固に固定できるので好ましい。
【0031】
なお、給電ピン7が突起を兼ねない場合には、図6(a)に示すように貫通しない孔105に突起10を圧入したり、図6(b)に示すようにモールドしても良い。これらの場合には、突起10と回路基板5の固定には前述した種々の手段を採ることができる。なお、孔105は勿論貫通するものであってもよい。
【0032】
突起10を用いて平面アンテナ4を回路基板5に固定するもの以外に、図7に示されているように平面アンテナ4の上方から伸びる押え部材15により固定されている形態も可能である。
【0033】
すなわち、回路基板5上に直接平面アンテナ4を置き、上方から伸びる押え部材15により、平面アンテナ4の固定を行う。これにより、既存の平面アンテナに特別な加工をすることなくそのまま用いることができる。特に、押え部材15を平面アンテナ4、回路基板5を格納するレドームなどの筐体16と一体にすると固定の工程をより簡略化することができる。すなわち、組み立て工程において、筐体13をかぶせるだけで、平面アンテナ4を回路基板5に固定する工程が完了する。なお、図7においては、給電ピン7、半田部8、9は回路基板5と、放射素子2との導通をとるためにのみ用いられる。そのため、半田部8、9には振動や熱膨張による応力はかからず、半田部8、9に亀裂が生じることもない。
【0034】
図11に示すように、GPS用アンテナとして平面アンテナ4を1.5GHz帯用のものとして一辺が略30mm、厚みが略4mmの平面の矩形状の誘電体1の表面に放射素子2、裏面には接地導体3を形成し、前述の平面アンテナの固定構造を備えたアンテナモジュール20含むカーナビシステム21を自動車に搭載した場合には、振動や熱膨張による特に給電ピン7の半田部8、9の劣化を抑制して信頼性の高い高機能な無線情報端末を構成することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、平面アンテナ4の回路基板5への固定の工程を簡略化することができ、かつ、固定強度も十分な、平面アンテナの固定構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図2】本発明の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図3】本発明の別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図4】本発明のさらに別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図5】本発明の別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図8】平面アンテナを表す図である。a):平面図、b):側面断面図
【図9】従来の平面アンテナの固定構造である。
【図10】従来の平面アンテナの固定構造である。
【図11】平面アンテナを用いたアンテナモジュールを自動車に利用する例である。
【符号の説明】
1 誘電体
2 放射素子
3 接地導体
4 平面アンテナ
5 回路基板
6 両面粘着テープ
7 給電ピン
71 大径部
72 アンカー部
7´ 貫通孔
8 半田部
9 半田部
10 突起
101 鉤状部
102 案内傾斜部
103 膨大部
104 アンカー部
105 孔
11 取付孔
13 大形孔
14 狭幅溝
15 押え部材
16 筐体
20 アンテナモジュール
21 カーナビシステム
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面アンテナの固定構造に関するものである。また、本発明は、回路基板上に固定された平面アンテナの構造に関するものである。
【0002】
近時、自動車に搭載される情報機器として、GPS(衛星測位システム;global positioning system)や、VICS(道路交通情報通信システム;vehicle information and communication system)を利用したナビゲーション装置、更にはETC(自動料金収受システム;electronic toll collection system)を利用した有料道路における料金自動支払システム等の無線情報端末の普及が目覚ましい。これらの情報機器は例えば、図11に示すような形態で自動車に搭載される。
【0003】
ところでこれらの車載用情報機器において用いられるアンテナの一種として平面アンテナが用いられている。これは例えば図8のように構成される。ここで、a)は平面図、b)は側面断面図である。平面アンテナは1.5GHz帯用のものとして一辺が略30mm、厚みが略4mmの平面の矩形状の誘電体1の表面に放射素子2、裏面には接地導体3が形成されている。これを回路に実装する場合は、図9のように、平面アンテナ4を直接回路基板5上に配置し、給電ピン7を放射素子2と回路基板5にそれぞれ半田部8、9によって半田付けされて接続と固定が兼ねられている。
【0004】
ところが、図9のような形態では、平面アンテナ4の重量を給電ピン7に盛られた半田部8、9のみで支えることになる。そのため、車載用として用いる場合には、走行中の激しい振動、給電ピン7と誘電体1の熱膨張率の違いによるストレス等により、応力が半田部8、9に集中し、ここに亀裂が入るという問題があった。特に、平面アンテナをGPSの衛星電波を受信する場合には、受信する信号が微弱であるため、半田部8、9にわずかな亀裂が入るだけで、導通が悪化し、受信感度が著しく低下する。
【0005】
そこで、図10に示したように、接地導体3に両面粘着テープ6を用いて回路基板5に貼り付け、平面アンテナ4を固定することも行われている。この場合は、平面アンテナ4には、貫通孔7´を開け、給電ピン7を挿入し、給電ピン7の頭の部分と放射素子2及び、給電ピン7の先と回路基板5の裏面で半田8、9付けを行い、回路基板5と放射素子2とで導通をとっている。こうすることで両面テープ6が緩衝材として作用し、半田部8、9への負荷を軽減し亀裂の発生をある程度防止することができる。
【0006】
【特許文献1】
実開平5−018115号公報
特開2001−16026号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10のような形態では以下のような問題があった。まず、平面アンテナ4の回路基板5への固定には両面粘着テープ6を用いているため、両面粘着テープ6を貼り付ける工程が必要となり、作業工程が増加するという問題があった。また、平面アンテナを車載用として用いる場合は、周辺環境の変動が激しいため、両面粘着テープ6の粘着強度が次第に劣化し、固定が甘くなっていくという問題があった。
【0008】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたもので、平面アンテナの回路基板への固定の工程を簡略化することができ、かつ、固定強度も十分な、平面アンテナの固定構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る平面アンテナの固定構造は、
誘電体と、前記誘電体の表面に形成した放射素子と、前記誘電体の裏面から前記誘電体を貫通して前記放射素子に接続される給電ピンを備えた平面アンテナを回路基板上に固定する平面アンテナの固定構造において、前記平面アンテナの裏面は前記回路基板上に直接接触し、前記平面アンテナの裏面の一部から突出する突起を前記回路基板に穿設された取付孔に係止して固定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る平面アンテナの固定構造は、請求項1に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記突起は前記誘電体に穿設した孔に圧入されたピン状部材であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る平面アンテナの固定構造は、請求項1記載の平面アンテナの固定構造であって、前記突起は前記誘電体にモールドされたピン状部材であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る平面アンテナの固定構造は、請求項2に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記ピン状部材は給電ピンであり、前記放射素子が巻き込まれた貫通孔に圧入されることにより前記放射素子と前記給電ピンが電気的に接続されることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る平面アンテナの固定構造は、請求項1乃至4に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記突起は先端に鉤状部を備え、前記回路基板に穿設された取付孔を通過して前記取付孔の縁部に前記鉤状部が係止されることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る平面アンテナの固定構造は、請求項1乃至4に記載の平面アンテナであって、前記突起は先端に膨大部を有し、前記回路基板は穿設された大形孔と前記大形孔に連続する狭幅溝を有し、前記膨大部が前記大形孔を通過後前記突起は狭幅溝内に移動されて係止されることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の平面アンテナの固定構造は、請求項1乃至4に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記突起の先端は前記回路基板に穿設された取付孔を通過後、膨大部が形成されて係止されることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の平面アンテナの固定構造は、回路基板上に固定された平面アンテナの構造において、平面アンテナは回路基板上に直接接触し、平面アンテナの上方から伸びる押え部材により固定されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る平面アンテナの固定構造は、請求項8に記載の平面アンテナの固定構造であって、前記押え部材は、前記平面アンテナ及び前記回路基板を格納する筐体の一部分であることを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る回路基板は、請求項1乃至9に記載の平面アンテナの固定構造を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項11に係る無線情報端末は、請求項10に記載の回路基板を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項12に係る自動車は、請求項11に記載の無線情報端末を搭載したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の形態は、図1に例示するように、平面アンテナ4は誘電体1表面の放射素子2と裏面の接地導体3から構成されている。誘電体1および接地導体3には貫通孔7´が穿設され、給電ピン7により回路基板5の給電回路と放射素子2が電気的に接続されている。この平面アンテナ4を回路基板5上に固定した平面アンテナの固定構造において、平面アンテナ4は回路基板5上に直接接触し、平面アンテナ4の裏面の一部から突起10が突出している。突起10は回路基板5に穿設された取付孔11を貫通し、この取付孔11にて係止して固定されている。
なお、給電ピン7と放射素子2、および回路基板5上の回路との接続は半田付けにより行われている。
【0022】
図1のような形態では、回路基板5上への平面アンテナ4の固定には平面アンテナ4の下面の一部から突出する突起10が取付孔11で強固に係止して固定されている。このため、両面粘着テープを用いなくても、平面アンテナ4の振動、熱膨張による応力は突起10や取付孔11及び係止部が負担し、半田付け部8、9への負荷が軽減される。即ち両面粘着テープは不要となり、固定の工程を簡略化することができる。
【0023】
なお、ここで、突起10を取付孔11にて係止させる手段は、図1のように突起10が回路基板5を貫き、平面アンテナ4が回路基板5から離れる力に対して突起10が回路基板5から抜けないようにするものであれば何でも適用できる。
【0024】
例えば、図2(a)のように、突起の先端に鉤状部101を備え、回路基板5に穿設された取付孔11を通過して取付孔11の縁部に鉤状部101が係止されるようにする。この場合は例えば突起を弾性変形可能な材質で構成し、鉤状部101の案内傾斜部102を設けておけば、平面アンテナ4を回路基板5上の所定の箇所へ上から押し込むことにより、鉤状部101は弾性変形しながら取付孔11を通過し、通過後に復元して係止、固定することができる。
【0025】
また、図2(b)のように、突起10を取付孔11に通過させた後、先端に膨大部103を形成して係止してもよい。膨大部103を形成する手段としては、熱変形させるもの、常温で塑性変形させるもの、弾性変形によるもの、別の部材を付加するものなど種々の手段を採用可能である。
【0026】
なお、図2(c)のように、回路基板5に穿設された大形孔13と大形孔13に連続する狭幅溝14を設け、膨大部103が大形孔13を通過後突起が狭幅溝14内に移動されて係止されるようにしてもよい。係止された状態は、図2(b)と同じようになる。
【0027】
これらの突起は単数であっても複数であっても良い。また、給電ピンを兼ねるものであっても良いがこの場合には半田部8、9とりわけ半田部8に負荷がかからないように平面アンテナ4と給電ピン7との固定手段を工夫することが望ましい。
【0028】
例えば、図3に示すように給電ピン7を誘電体1を含む平面アンテナ4に穿設した貫通孔7´の誘電体1の部分に圧入して平面アンテナ4と給電ピン7を固定することができる。この場合に給電ピン7に貫通孔7´の径より大径な部分71を設けておけばはめあいが硬くなり強固に固定することができる。このような構成によれば給電ピン7と突起を兼ねることができる。
【0029】
特に、図4に示すように放射素子2を貫通孔7´の内面に巻き込み、給電ピン7を圧入した場合には圧入により給電ピン7と放射素子2は電気的に接続されるため半田部8を省略することができる。
【0030】
また、給電ピン7を誘電体1でモールドして給電ピン7と平面アンテナ4を固定することもできる。この場合に図5に示すように給電ピン7にアンカー部72を設けておけばアンカー部72が誘電体1内に入り込み、より強固に固定できるので好ましい。
【0031】
なお、給電ピン7が突起を兼ねない場合には、図6(a)に示すように貫通しない孔105に突起10を圧入したり、図6(b)に示すようにモールドしても良い。これらの場合には、突起10と回路基板5の固定には前述した種々の手段を採ることができる。なお、孔105は勿論貫通するものであってもよい。
【0032】
突起10を用いて平面アンテナ4を回路基板5に固定するもの以外に、図7に示されているように平面アンテナ4の上方から伸びる押え部材15により固定されている形態も可能である。
【0033】
すなわち、回路基板5上に直接平面アンテナ4を置き、上方から伸びる押え部材15により、平面アンテナ4の固定を行う。これにより、既存の平面アンテナに特別な加工をすることなくそのまま用いることができる。特に、押え部材15を平面アンテナ4、回路基板5を格納するレドームなどの筐体16と一体にすると固定の工程をより簡略化することができる。すなわち、組み立て工程において、筐体13をかぶせるだけで、平面アンテナ4を回路基板5に固定する工程が完了する。なお、図7においては、給電ピン7、半田部8、9は回路基板5と、放射素子2との導通をとるためにのみ用いられる。そのため、半田部8、9には振動や熱膨張による応力はかからず、半田部8、9に亀裂が生じることもない。
【0034】
図11に示すように、GPS用アンテナとして平面アンテナ4を1.5GHz帯用のものとして一辺が略30mm、厚みが略4mmの平面の矩形状の誘電体1の表面に放射素子2、裏面には接地導体3を形成し、前述の平面アンテナの固定構造を備えたアンテナモジュール20含むカーナビシステム21を自動車に搭載した場合には、振動や熱膨張による特に給電ピン7の半田部8、9の劣化を抑制して信頼性の高い高機能な無線情報端末を構成することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、平面アンテナ4の回路基板5への固定の工程を簡略化することができ、かつ、固定強度も十分な、平面アンテナの固定構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図2】本発明の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図3】本発明の別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図4】本発明のさらに別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図5】本発明の別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態に係る平面アンテナの固定構造である。
【図8】平面アンテナを表す図である。a):平面図、b):側面断面図
【図9】従来の平面アンテナの固定構造である。
【図10】従来の平面アンテナの固定構造である。
【図11】平面アンテナを用いたアンテナモジュールを自動車に利用する例である。
【符号の説明】
1 誘電体
2 放射素子
3 接地導体
4 平面アンテナ
5 回路基板
6 両面粘着テープ
7 給電ピン
71 大径部
72 アンカー部
7´ 貫通孔
8 半田部
9 半田部
10 突起
101 鉤状部
102 案内傾斜部
103 膨大部
104 アンカー部
105 孔
11 取付孔
13 大形孔
14 狭幅溝
15 押え部材
16 筐体
20 アンテナモジュール
21 カーナビシステム
Claims (12)
- 誘電体と、前記誘電体の表面に形成した放射素子と、前記誘電体の裏面から前記誘電体を貫通して前記放射素子に接続される給電ピンを備えた平面アンテナを回路基板上に固定する平面アンテナの固定構造において、前記平面アンテナの裏面は前記回路基板上に直接接触し、前記平面アンテナの裏面の一部から突出する突起を前記回路基板に穿設された取付孔に係止して固定されていることを特徴とする平面アンテナの固定構造。
- 前記突起は前記誘電体に穿設した孔に圧入されたピン状部材であることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ固定構造。
- 前記突起は前記誘電体にモールドされたピン状部材であることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナの固定構造。
- 前記ピン状部材は給電ピンであり、前記放射素子が巻き込まれた貫通孔に圧入されることにより前記放射素子と前記給電ピンが電気的に接続されることを特徴とする請求項2に記載の平面アンテナの固定構造。
- 前記突起は先端に鉤状部を備え、前記回路基板に穿設された取付孔を通過して前記取付孔の縁部に前記鉤状部が係止されることを特徴とする請求項1乃至4に記載の平面アンテナの固定構造。
- 前記突起は先端に膨大部を有し、前記回路基板は穿設された大形孔と前記大形孔に連続する狭幅溝を有し、前記膨大部が前記大形孔を通過後前記突起は狭幅溝内に移動されて係止されることを特徴とする請求項1乃至4に記載の平面アンテナの固定構造。
- 前記突起の先端は前記回路基板に穿設された取付孔を通過後、膨大部が形成されて係止されることを特徴とする請求項1乃至4に記載の平面アンテナの固定構造。
- 回路基板上に固定された平面アンテナの構造において、平面アンテナは回路基板上に直接接触し、平面アンテナの上方から伸びる押え部材により固定されていることを特徴とする平面アンテナの固定構造。
- 前記押え部材は、前記平面アンテナ及び前記回路基板を格納する筐体の一部分であることを特徴とする請求項8記載の平面アンテナの固定構造。
- 請求項1乃至9に記載の平面アンテナの固定構造を備えた回路基板。
- 請求項10に記載の回路基板を備えたことを特徴とする無線情報端末。
- 請求項11に記載の無線情報端末を搭載したことを特徴とする自動車。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007266822A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Casio Comput Co Ltd | アンテナ装置 |
JP2008073743A (ja) * | 2006-09-22 | 2008-04-03 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 金属体への棒状導電体の半田付け方法及び半田付け構造体 |
-
2003
- 2003-01-07 JP JP2003001315A patent/JP2004215085A/ja active Pending
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