JP2004214960A - Ofdm復調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭帯域のキャリア周波数誤差を正しく算出して、正確にキャリア周波数誤差を補正する。
【解決手段】本発明のOFDM復調装置は、ガード相関のピーク値を検出するピーク検出回路32を備えている。ピーク検出回路32は、所定数のシンボル周期でガード相関信号を累積して累積信号を生成し、この累積信号からシンボル境界を示すピークタイミングを検出する。ピーク検出回路32は、検出したピークタイミングにおけるガード相関信号の位相成分を、1シンボルに1回算出する。算出された位相成分は、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路に供給され、OFDM信号の中心周波数のずれ量が補正される。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明のOFDM復調装置は、ガード相関のピーク値を検出するピーク検出回路32を備えている。ピーク検出回路32は、所定数のシンボル周期でガード相関信号を累積して累積信号を生成し、この累積信号からシンボル境界を示すピークタイミングを検出する。ピーク検出回路32は、検出したピークタイミングにおけるガード相関信号の位相成分を、1シンボルに1回算出する。算出された位相成分は、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路に供給され、OFDM信号の中心周波数のずれ量が補正される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の変調信号を復調するOFDM復調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル信号を伝送する方式として、直交周波数分割多重方式(以下、OFDM方式と呼ぶ。OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)と呼ばれる変調方式が用いられている。OFDM方式は、伝送帯域内に多数の直交する副搬送波(サブキャリア)を設け、各サブキャリアの振幅及び位相にPSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)によりデータを割り当てて、デジタル変調する方式である。
【0003】
OFDM方式は、多数のサブキャリアで伝送帯域を分割するため、サブキャリア1波あたりの帯域は狭くなり変調速度は遅くなるが、トータルの伝送速度は、従来の変調方式と変わらないという特徴を有している。また、OFDM方式は、多数のサブキャリアが並列に伝送されるのでシンボル速度が遅くなり、シンボルの時間長に対する相対的なマルチパスの時間長を短くすることができ、マルチパス妨害を受けにくくなるという特徴を有している。
【0004】
また、OFDM方式は、複数のサブキャリアに対してデータの割り当てが行われることから、変調時には逆フーリエ変換を行うIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)演算回路、復調時にはフーリエ変換を行うFFT(Fast FourierTransform)演算回路を用いることにより、送受信回路を構成することができるという特徴を有している。
【0005】
以上のような特徴からOFDM方式は、マルチパス妨害の影響を強く受ける地上波デジタル放送に適用されることが多い。このようなOFDM方式を採用した地上波デジタル放送としては、例えば、DVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)やISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting −Terrestrial)といった規格がある。
【0006】
OFDM方式の伝送シンボル(以下、OFDMシンボルと呼ぶ。)は、図33に示すように、送信時にIFFTが行われる信号期間である有効シンボルと、この有効シンボルの後半の一部分の波形がそのままコピーされたガードインターバルとから構成されている。ガードインターバルは、OFDMシンボルの前半部分に設けられている。OFDM方式では、このようなガードインターバルが設けられることにより、マルチパスによるシンボル間干渉を許容し、マルチパス耐性を向上させている。
【0007】
例えばISDB−TSB規格(日本で採用されている地上デジタル音声放送の放送規格)のモード3では、有効シンボル内に、512本のサブキャリアが含まれており、そのサブキャリア間隔は、125/126≒0.992kHzとなる。また、このISDB−TSB規格のモード3では、有効シンボル内の512本のサブキャリアのうち、433本のサブキャリアに伝送データ系列が変調されている。また、ISDB−TSB規格のモード3では、ガードインターバルの時間長が、有効シンボルの時間長の1/4,1/8,1/16,1/32のいずれかとなる。
【0008】
また、OFDM方式では、一般的に、複数の連続するOFDMシンボルによって構成されたOFDM伝送フレームと呼ばれる伝送単位が定められている。OFDM方式では、OFDM伝送フレーム単位で、所定の位相及び振幅のパイロット信号(CP(Continual Pilot)やSP(Scattered Pilot)と呼ばれている。)、伝送制御情報(TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)やTPS(Transmission Parameter Signaling)と呼ばれている。)の挿入位置が定められている。OFDM方式では、このようなパイロット信号(CP,SP)や伝送制御情報(TMCC,TPS)等の情報を伝送することによって、受信機側で各種の同期処理や、復調及び復号の制御を行うことが可能となる。
【0009】
例えば、ISDB−TSB規格では、204OFDMシンボルで1つのOFDM伝送フレームを形成している。
【0010】
従来のOFDM受信装置の構成例は、例えば、下記の非特許文献1に示されている。以下、この非特許文献1に基づき作製された従来のOFDM受信装置について説明をする。
【0011】
図34に、従来のOFDM受信装置のブロック構成図を示す。
【0012】
従来のOFDM受信装置100は、図34に示すように、アンテナ101と、チューナ102と、バンドパスフィルタ(BPF)103と、A/D変換回路104と、DCキャンセル回路105と、デジタル直交復調回路106と、FFT演算回路107と、フレーム抽出回路108と、同期回路109と、キャリア復調回路110と、周波数デインタリーブ回路111と、時間デインタリーブ回路112と、デマッピング回路113と、ビットデインタリーブ回路114と、デパンクチャ回路115と、ビタビ回路116と、バイトデインタリーブ回路117と、拡散信号除去回路118と、トランスポートストリーム生成回路119と、RS復号回路120と、伝送制御情報復号回路121と、チャンネル選択回路122とを備えている。
【0013】
放送局から放送されたデジタル放送の放送波は、OFDM受信装置100のアンテナ101により受信され、RF信号としてチューナ102に供給される。
【0014】
アンテナ101により受信されたRF信号は、乗算器102a及び局部発振器102bからなるチューナ102によりIF信号に周波数変換され、BPF103に供給される。局部発振器102bから発振される受信キャリア信号の発振周波数は、チャンネル選択回路122から供給されるチャンネル選択信号に応じて切り換えられる。
【0015】
チューナ102から出力されたIF信号は、BPF103によりフィルタリングされた後、A/D変換回路104によりデジタル化される。デジタル化されたIF信号は、DCキャンセル回路105によりDC成分が除去され、デジタル直交復調回路106に供給される。
【0016】
デジタル直交復調回路106は、所定の周波数(キャリア周波数)のキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号を出力する。ベースバンドのOFDM信号は、直交復調された結果、実軸成分(Iチャネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号となる。デジタル直交復調回路106から出力されるベースバンドのOFDM信号は、FFT演算回路107及び同期回路109に供給される。
【0017】
FFT演算回路107は、ベースバンドのOFDM信号に対してFFT演算を行い、各サブキャリアに直交変調されている信号を抽出して出力する。
【0018】
FFT演算回路107は、1つのOFDMシンボルから有効シンボル長分の信号を抜き出し、抜き出した信号に対してFFT演算を行う。すなわち、FFT演算回路107は、1つのOFDMシンボルからガードインターバル長分の信号を除き、残った信号に対してFFT演算を行う。FFT演算を行うために抜き出される信号の範囲は、その抜き出した信号点が連続していれば、1つのOFDMシンボルの任意の位置でよい。つまり、その抜き出す信号の範囲の開始位置は、図33に示すように、OFDMシンボルの先頭の境界位置(図33中のAの位置)から、ガードインターバルの終了位置(図33中のBの位置)までの間のいずれかの位置となる。
【0019】
FFT演算回路107により抽出された各サブキャリアに変調されていた信号は、実軸成分(Iチャネル信号)と虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号である。FFT演算回路107により抽出された信号は、フレーム抽出回路108、同期回路109及びキャリア復調回路110に供給される。
【0020】
フレーム抽出回路108は、FFT演算回路107により復調された信号に基づき、OFDM伝送フレームの境界を抽出するとともに、OFDM伝送フレーム内に含まれているCP,SP等のパイロット信号,TMCCやTPC等の伝送制御情報を復調し、同期回路109及び伝送制御情報復号回路121に供給する。
【0021】
同期回路109は、ベースバンドのOFDM信号、FFT演算回路107により復調された後の各サブキャリアに変調されていた信号、フレーム抽出回路108により検出されたCP,SP等のパイロット信号、及び、チャンネル選択回路122から供給されるチャンネル選択信号を用いて、OFDMシンボルの境界を算出し、FFT回路107に対してFFT演算の演算開始タイミングを設定する。
【0022】
キャリア復調回路110は、FFT演算回路107から出力された各サブキャリアから復調された後の信号が供給され、その信号に対してキャリア復調を行う。例えばISDB−TSB規格のOFDM信号を復調する場合であれば、キャリア復調回路110は、例えば、DQPSKの差動復調又はQPSK、16QAM、64QAMの同期復調を行う。
【0023】
キャリア復調された信号は、周波数デインタリーブ回路111によって周波数方向のデインタリーブ処理がされ、続いて、時間デインタリーブ回路112によって時間方向のデインタリーブ処理がされた後、デマッピング回路113に供給される。
【0024】
デマッピング回路113は、キャリア復調された信号(複素信号)に対してデータの再割付処理(デマッピング処理)を行い、伝送データ系列を復元する。例えばISDB−TSB規格のOFDM信号を復調する場合であれば、デマッピング回路113は、QPSK、16QAM又は64QAMに対応したデマッピング処理を行う。
【0025】
デマッピング回路113から出力され伝送データ系列は、ビットデインタリーブ回路114、デパンクチャ回路115、ビタビ回路116、バイトデインタリーブ回路117、拡散信号除去回路118を通過することにより、多値シンボルの誤り分散のためのビットインタリーブに対応したデインタリーブ処理、伝送ビットの削減のためのパンクチャリング処理に対応したデパンクチャリング処理、畳み込み符号化されたビット列の復号のためのビタビ復号処理、バイト単位でのデインタリーブ処理、エネルギ拡散処理に対応したエネルギ逆拡散処理が行われ、トランスポートストリーム生成回路119に入力される。
【0026】
トランスポートストリーム生成回路119は、例えばヌルパケット等の各放送方式で規定されるデータを、ストリームの所定の位置に挿入する。また、トランスポートストリーム生成回路119は、断続的に供給されてくるストリームのビット間隔を平滑化して時間的に連続したストリームとする、いわゆるスムージング処理を行う。スムージング処理がされた伝送データ系列は、RS復号回路120に供給される。
【0027】
RS復号回路120は、入力された伝送データ系列に対してリードソロモン復号処理を行い、MPEG−2システムズで規定されたトランスポートストリームとして出力する。
【0028】
伝送制御情報復号回路121は、OFDM伝送フレームの所定の位置に変調されているTMCCやTPCといった伝送制御情報を復号する。復号された伝送制御情報は、キャリア復調回路110、時間デインタリーブ回路112、デマッピング回路113、ビットデインタリーブ回路114、及び、トランスポートストリーム生成回路119に供給され、各回路の復調や再生等の制御に用いられる。
【0029】
つぎに、同期回路109のキャリア周波数誤差の補正制御回路について説明をする。
【0030】
同期回路109は、図35に示すように、キャリア周波数誤差補正回路130と、NCO(数値制御発振回路)131とを備えている。
【0031】
キャリア周波数誤差補正回路130は、デジタル直交復調回路106から出力されたベースバンドのOFDM信号に対して、NCO131から出力される周波数補正信号(複素信号)を複素乗算する。ベースバンドのOFDM信号は、周波数補正信号が複素乗算されると、その中心周波数が、当該周波数誤差補正信号の周波数分シフトする。従って、同期回路109では、OFDM信号のキャリア周波数誤差の補正(OFDM信号の中心周波数をキャリア周波数に一致させる処理)を行うことができる。
【0032】
NCO131から出力される周波数補正信号の発振周波数を制御するため、同期回路109では、ベースバンドのOFDM信号に含まれているキャリア周波数誤差(OFDM信号の中心周波数のずれ量)を算出する。
【0033】
一般に、OFDMの復調では、2種類のキャリア周波数誤差量を独立に検出し、その2種類のキャリア周波数誤差を加算して、NCO131に与える制御信号としている。2種類のキャリア周波数誤差のうちの一つは、サブキャリアの周波数間隔の精度の周波数誤差である広帯域キャリア周波数誤差であり、もう一つは、サブキャリアの周波数間隔に対して±1/2以下の精度の周波数誤差である狭帯域キャリア周波数誤差である。
【0034】
同期回路109では、広帯域のキャリア周波数誤差を、図35に示す、周波数誤差算出回路132と、累積加算回路133とによって算出している。
【0035】
キャリア周波数誤差算出回路132は、FFT演算された後の各サブキャリアからパイロット信号を抽出し、そのパイロット信号のシンボル間の回転速度を算出する。パイロット信号の回転速度は、サブキャリアの周波数間隔精度のキャリア周波数誤差量を示す成分である。累積加算回路133は、キャリア周波数誤差算出回路132から出力された回転速度を累積することにより、NCO131に与える制御量に変換する。累積加算回路133にから出力される制御量は、NCO131に供給される。
【0036】
また、同期回路109では、狭帯域のキャリア周波数誤差を、図35に示す、ガードインターバル相関演算回路134と、二乗演算回路135と、最大値検出回路136と、角度変換回路137と、移動平均フィルタ138と、累積加算回路139とにより算出している。
【0037】
ガードインターバル相関演算回路134には、図36(A)に示すような、キャリア周波数誤差補正回路130から出力されたベースバンドのOFDM信号が入力される。ガードインターバル相関演算回路134は、図36(B)に示すように、入力されたOFDM信号を有効シンボル分遅延させた遅延信号を生成する。ガードインターバル相関演算回路134は、遅延していないOFDM信号と遅延したOFDM信号とを複素乗算し、その信号をガードインターバル長の遅延量の移動和演算を行うことにより、図36(C)及び図36(D)に示すようなガードインターバル部分の相関値を示す信号(ガード相関信号)を生成する。ガード相関信号は、OFDMシンボルの境界位置で振幅成分がちょうどピークとなる複素信号となる。
【0038】
二乗演算回路135は、ガードインターバル相関演算回路134から出力されたガード相関信号(複素信号)の実数成分と虚数成分とをそれぞれ二乗し、二乗した値を加算して、図36(E)に示すような、二乗成分を算出する。
【0039】
最大値検出回路136は、図36(F)に示すように、二乗成分のピーク位置を検出し、そのピーク位置のタイミング(ピークタイミング)を出力する。
【0040】
角度変換回路137は、ガードインターバル相関演算回路134からガード相関信号が入力される。角度変換回路137は、図36(G)に示すように、最大値検出回路136から与えられたピークタイミングでのガード相関信号の位相成分を検出する。従って、位相成分は、OFDM信号のシンボル境界位置におけるガード相関信号の位相を示す。
【0041】
ここで、この位相成分は、デジタル直交復号後のOFDM信号の中心周波数がずれていなければ、0となる。しかしながら、中心周波数がずれていれば、この位相成分は、そのずれ量分だけ位相回転する。つまり、位相成分は、デジタル直交復号後のOFDM信号の中心周波数のずれ量を示している。もっとも、この位相成分は、サブキャリアの周波数間隔で一回転してしまうため、サブキャリアの周波数間隔の±1/2以下の精度の情報となる。
【0042】
移動平均フィルタ137には、角度変換回路137から出力された位相成分が入力される。移動平均フィルタ137は、シンボル単位で出力される位相成分に対して、タップ数X(Xは自然数。)の移動平均を算出する。
【0043】
移動平均フィルタ137から出力される位相成分の移動平均値は、累積加算回路139に入力される。累積加算回路139は、移動平均フィルタ138から出力された平均化された位相成分をタップ数1のレジスタを用いて累積することにより、NCO131に与える制御量に変換する。累積加算回路139にから出力される制御量は、NCO131に供給される。
【0044】
従来のOFMD受信装置では、以上のように広帯域のキャリア周波数誤差と狭帯域のキャリア周波数誤差を求め、2つのキャリア周波数誤差に基づき周波数が制御された周波数補正信号をOFDM信号に複素乗算している。このことにより、従来のOFDM受信装置では、デジタル直交復調回路106のキャリア周波数のずれの影響による、ベースバンドのOFDM信号の中心周波数のずれの補正を行うことができる。
【0045】
【非特許文献1】
「地上デジタル音声放送用受信装置 標準規格(望ましい仕様) ARIB STD−B30 1.1版」,社団法人電波産業界,平成13年5月31日 策定,平成14年3月28日 1.1改定,p.10−14
【非特許文献2】
M.Sandell, J.V.D.Beek, and P.O.Borjesson, ”Timing and frequency synchronization in OFDM systems using the cyclic prefix”, Proc.International Symposiam on Synchronization, Essen, Germany, December 14−15, 1995, pp.16−19
【0046】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ベースバンドのOFDM信号には、様々な伝送路の状態の影響による誤差やノイズが含まれており、ガードインターバルの相関を検出したとしても正確なシンボル境界位置をできない場合がある。また、ガードインターバルの期間以外の信号部分でもなんらかの相関を有する場合もあり、ガードインターバルの相関を検出したとしても正確なシンボル境界位置をできない場合がある。そのため、図36(G)のφ´で示すように、狭帯域キャリア周波数誤差量を示すガード相関信号の位相成分が正しく検出できないことがある。
【0047】
このような問題を解決するため、例えば、ガード相関信号を所定個のシンボル分累積し、その累積成分に基づきシンボル境界位置を検出する方法が提案されている(例えば、非特許文献2)。しかしながら、このような方法を適用した場合には、所定個のシンボルに1回しか位相成分を検出できず、狭帯域のキャリア周波数誤差の補正制御の応答が遅かった。
【0048】
また、狭帯域キャリア周波数誤差を補正する回路は、全体としてフィードバックループを形成している。そのため、狭帯域のキャリア周波数誤差の補正制御の同期が確立するまでに、つまり、キャリア周波数誤差が収束するまでに、多くの時間を費やしてしまう。
【0049】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、狭帯域のキャリア周波数誤差を正しく算出して、正確にキャリア周波数誤差を補正するとともに、キャリア周波数誤差の収束速度を早くすることができるOFDM復調装置を提供することを目的とする。
【0050】
本発明は、狭帯域のキャリア周波数誤差を検出してOFDM信号のキャリア周波数誤差を補正するフィードバックループの回路安定性を向上させることができるOFDM復調装置を提供することを目的とする。
【0051】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るOFDM復調装置は、OFDM信号の中心周波数のずれ量を示す補正信号に基づき、上記OFDM信号の中心周波数のずれ量を補正するキャリア周波数誤差補正手段と、上記キャリア周波数誤差補正手段により補正がされた後のOFDM信号が入力され、当該OFDM信号のガードインターバル部分の自己相関値を複素成分で示すガード相関信号を生成し、当該ガード相関信号のピークタイミングを検出し、当該ピークタイミングに基づき位相成分を算出するガード相関検出手段と、上記ガード相関検出手段により算出された上記位相成分に基づき、上記OFDM信号の中心周波数と本来のキャリア周波数とのずれ量であるキャリア周波数誤差を算出するキャリア周波数誤差算出手段と、上記キャリア周波数誤差算出手段により算出されたキャリア周波数誤差に基づき、上記補正信号を生成する補正信号生成手段とを備えている。
【0052】
上記ガード相関検出手段は、上記ガード相関信号の上記伝送シンボル周期内における同一位相の信号成分を累積して累積信号を生成し、上記累積信号のピークタイミングを検出し、上記ピークタイミングにおける上記ガード相関信号又は累積信号の位相成分を1伝送シンボル毎に算出して出力する。
【0053】
このように本発明に係るOFDM復調装置では、ガード相関信号の伝送シンボル周期内における同一位相の信号成分を累積して累積信号を生成し、この累積信号のピークタイミングを検出し、このピークタイミングにおけるガード相関信号又は累積信号の位相成分を1シンボル毎に算出する。そして、このOFDM復調装置では、算出した位相成分に基づきOFDM信号の中心周波数のずれ量を補正する。
【0054】
本発明に係るOFDM復調装置は、OFDM信号の中心周波数のずれ量を示す補正信号に基づき、上記OFDM信号の中心周波数のずれ量を補正するキャリア周波数誤差補正手段と、キャリア周波数誤差補正手段により補正がされた後のOFDM信号が入力され、当該OFDM信号のガードインターバル部分の自己相関値を複素成分で示すガード相関信号を生成し、当該ガード相関信号のピークタイミングを検出し、当該ピークタイミングに基づき位相成分を算出するガード相関検出手段と、上記ガード相関検出手段により算出された上記位相成分に基づき、上記OFDM信号の中心周波数と本来のキャリア周波数とのずれ量であるキャリア周波数誤差を算出するキャリア周波数誤差算出手段と、上記キャリア周波数誤差算出手段により算出されたキャリア周波数誤差に基づき、上記補正信号を生成する補正信号生成手段とを備えている。
【0055】
上記キャリア周波数誤差算出手段は、ガード相関検出手段により検出された上記位相成分のXサンプル(Xは2以上の偶数。)に対する移動平均を算出する移動平均部と、上記移動平均部から出力された移動平均結果値に対して、タップ数がX/2の積分を行う積分部とを有し、上記積分部の積分結果に基づき、OFDM信号の中心周波数のずれ量を補正する。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用したOFDM受信装置について説明をする。なお、実施の形態で参照する各図面中の二重線は、複素信号を示している。
【0057】
第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態のOFDM受信装置について説明をする。
【0058】
OFDM受信装置の全体構成
図1に、本発明の実施の形態のOFDM受信装置のブロック構成図を示す。なお、図1中、二重線で示した信号は、複素信号である。
【0059】
本発明の実施の形態のOFDM受信装置1は、図1に示すように、アンテナ2と、チューナ3と、バンドパスフィルタ(BPF)4と、A/D変換回路5と、クロック発生回路6と、DCキャンセル回路7と、デジタル直交復調回路8と、キャリア周波数誤差補正回路9と、FFT演算回路10と、位相補正回路11と、ガード相関/ピーク検出回路12と、タイミング同期回路13と、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14と、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15と、加算回路16と、数値制御発振回路(NCO)17と、フレーム同期回路18と、等化回路19と、デマッピング回路20と、伝送路復号回路21と、伝送制御情報復号回路22とを備えている。
【0060】
放送局から放送されたデジタル放送の放送波は、OFDM受信装置1のアンテナ2により受信され、RF信号としてチューナ3に供給される。
【0061】
アンテナ2により受信されたRF信号は、乗算器3a及び局部発振器3bからなるチューナ3によりIF信号に周波数変換され、BPF4に供給される。チューナ3から出力されたIF信号は、BPF4によりフィルタリングされた後、A/D変換回路5に供給される。
【0062】
A/D変換回路5は、クロック発生回路6から供給されるサンプリングクロック(周波数fCLK)によりIF信号をサンプリングして、このIF信号をデジタル化する。サンプリングクロックの周波数fCLKは、後段のデジタル直交復調後の有効シンボルのサンプリング点数が、サブキャリアの本数になるような周波数に設定されている。つまり、ISDB−TSB規格(モード3)の場合であれば、後段のデジタル直交復調回路8によってデジタル直交復調したのちの有効シンボルが512サンプル、ガードインターバルが128サンプル(1/4の時間長の場合)でサンプリングされているような、サンプリングクロックが設定されている。
【0063】
なお、後段のデジタル直交復調回路8によってデジタル直交復調を行う際、キャリア信号として−Sin成分及びCos成分の2相信号が必要となる。そのため、本装置1では、A/D変換回路5のサンプリングクロックとして供給する周波数をIF信号の中心周波数fIFの4倍の周波数とすることによって、デジタル直交復調回路8に供給する2相のキャリア信号を生成可能としている。そして、デジタル直交復調後に、4fIFのサンプリングクロックの周波数を1/4にダウンサンプリングすれば、1OFDMシンボル内の有効シンボルのサンプリング点数を、OFDMシンボル内に含まれているサブキャリアの本数にすることができる。
【0064】
また、クロック発生回路6は、A/D変換回路5に対してサンプリングクロック(fCLK)を供給するとともに、本OFDM受信装置1内の各回路に対してもこのサンプリングクロック(fCLK)に同期した動作クロックを供給する。
【0065】
さらに、クロック発生回路6から発生されるサンプリングクロックは、受信したOFDM信号の伝送クロックに対して非同期の自走クロックである。つまり、クロック発生回路6から発生されるクロックは、その周波数及び位相がPLL等によってOFDM信号の伝送クロックと同期しておらず、自走状態で動作している。このようにサンプリングクロックを自走状態とすることが可能なのは、シンボル同期回路13や後述するクロック周波数誤差推定回路によって、OFDM信号の伝送クロックとサンプリングクロックとの周波数誤差を検出し、その周波数誤差成分に基づきフィードフォワード処理により後段でその誤差を除去しているためである。本OFDM受信装置1では、このようにクロック発生回路6を非同期の自走クロックとしているが、本発明は、フィードバック制御によりサンプリングクロック周波数を可変制御する装置にも適用することは可能である。
【0066】
A/D変換回路5よりデジタル化されたIF信号は、DCキャンセル回路7に供給され、このDCキャンセル回路7によってDC成分が除去された後、デジタル直交復調回路8に供給される。
【0067】
デジタル直交復調回路8は、所定のキャリア周波数(fC)の2相のキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号を出力する。デジタル直交復調回路8から出力されるベースバンドのOFDM信号は、FFT演算される前のいわゆる時間領域の信号である。このことから、以下、FFT演算前のベースバンド信号を、OFDM時間領域信号と呼ぶ。OFDM時間領域信号は、直交復調された結果、実軸成分(Iチャネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号となる。デジタル直交復調回路8から出力されるOFDM時間領域信号は、キャリア周波数誤差補正回路9に供給される。
【0068】
キャリア周波数誤差補正回路9は、NCO17から出力されたキャリア周波数誤差補正信号と、デジタル直交復調後のOFDM時間領域信号とを複素乗算することによって、OFDM時間領域信号のキャリア周波数誤差を補正する。すなわち、キャリア周波数誤差補正回路9は、デジタル直交復調時に用いたキャリア信号の周波数と、伝送されてきたOFDM信号(IF信号)の中心周波数との違いにより生じる誤差を補正する。キャリア周波数誤差補正回路9によりキャリア周波数誤差が補正されたOFDM時間領域信号は、FFT演算回路10及びガード相関/ピーク検出回路12に供給される。
【0069】
FFT演算回路10は、1つのOFDMシンボルから有効シンボル長の信号を抜き出し、すなわち、1つのOFDMシンボルの全サンプルからガードインターバル分のサンプル数のサンプルを除いた信号を抜き出し、抜き出した信号に対してFFT演算を行う。抜き出し範囲を特定するタイミング(FFT演算の演算開始タイミング)は、タイミング同期回路13から与えられるスタートフラグにより設定される。FFT演算回路10は、1つのOFDMシンボルに対して1回のFFT演算処理を行い、OFDMシンボル内の各サブキャリアに変調されている信号成分を抽出する。FFT演算回路10から出力される信号は、FFTされた後のいわゆる周波数領域の信号である。このことから、以下、FFT演算後の信号をOFDM周波数領域信号と呼ぶ。FFT演算回路10から出力されたOFDM周波数領域信号は、OFDM時間領域信号と同様に、実軸成分(Iチャネル信号)と虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号である。OFDM周波数領域信号は、位相補正回路11に供給される。
【0070】
位相補正回路11は、OFDM周波数領域信号に対して、OFDMシンボルの実際の境界位置と、FFT演算範囲の開始タイミングとのずれによって生じてしまう位相回転成分の補正を行う。位相補正回路11は、サンプリング周期以下の精度で生じるずれを位相補正している。具体的には、FFT演算回路10から出力されるOFDM周波数領域信号に対して、タイミング同期回路13から供給される位相補正信号(複素信号)を複素乗算して、位相回転補正を行う。位相回転補正がされたOFDM周波数領域信号は、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15、フレーム同期回路18、等化回路19及び伝送制御情報復号回路22に供給される。
【0071】
ガード相関/ピーク検出回路12には、OFDM時間領域信号が入力される。ガード相関/ピーク検出回路12は、入力されたOFDM時間領域信号と、有効シンボル分遅延したOFDM時間領域信号との相関値を求める。ここで、相関を求める時間長は、ガードインターバルの時間長に設定してある。このため、この相関値を示す信号(以下、ガード相関信号という。)は、OFDMシンボルの境界位置でちょうどピークとなる信号となる。ガード相関/ピーク検出回路12は、ガード相関信号のピーク位置を検出し、そのピーク位置のタイミングを特定する値(ピークタイミング値Np)を出力する。
【0072】
また、ガード相関/ピーク検出回路12は、このガード相関信号のピーク位置における相関値の位相を示す値も検出する。この位相値は、OFDM信号の中心周波数と、デジタル直交復号後のキャリア周波数とが完全に一致していれば、0となる。しかしながら、ずれていれば、この位相値は、そのずれ量分だけ位相回転する。つまり、この位相値は、受信したOFDM信号の中心周波数と、デジタル直交復号後のOFDM信号の中心周波数のずれ量を示している。もっとも、この位相値は、サブキャリアの周波数間隔(例えば、ISDB−TSBのモード3であれば、0.992kHz)で一回転してしまうため、サブキャリアの周波数間隔の±1/2以下の精度の情報となる。
【0073】
ガード相関/ピーク検出回路12から出力されたピークタイミング値は、タイミング同期回路13に供給され、OFDMシンボルの境界位置での相関値の位相は、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14に供給される。
【0074】
タイミング同期回路13は、ガード相関/ピーク検出回路12から出力されたピークタイミング値に対して、例えば、フィルタリング処理等を行って、OFDMシンボルの境界位置の推定を行い、その境界位置の推定値に基づきFFT演算を行うための演算開始タイミングを決定する。演算開始タイミングは、FFT演算回路10に供給される。FFT演算回路10では、この演算開始タイミングに基づき、入力されてくるOFDM時間領域信号からFFT演算範囲の信号を抜き出して、FFT演算を行う。また、タイミング同期回路13は、推定されたOFDMシンボルの境界位置と、FFT演算を行う演算開始タイミングとの時間ずれに伴い生じてしまう位相回転量を算出し、算出した位相回転量に基づき位相補正信号(複素信号)を生成し、位相補正回路11に供給する。
【0075】
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14は、OFDMシンボルの境界位置での相関値の位相に基づき、デジタル直交復調時の中心周波数のずれ量のうちの狭帯域の成分を示す狭帯域キャリア周波数誤差成分を算出する。具体的に、狭帯域キャリア周波数誤差成分は、サブキャリアの周波数間隔の±1/2以下の精度の中心周波数のずれ量である。狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14により求められた狭帯域キャリア周波数誤差成分は、加算回路16に供給される。
【0076】
広帯域キャリア周波数誤差算出回路15は、位相補正回路11から出力されたOFDM周波数領域信号に基づき、デジタル直交復調時の中心周波数のずれ量のうち広帯域の成分を示す広帯域キャリア周波数誤差成分を算出する。広帯域キャリア周波数誤差成分は、サブキャリアの周波数の間隔精度の中心周波数のずれ量である。
【0077】
広帯域キャリア周波数誤差算出回路15により求められた広帯域キャリア周波数誤差成分は、加算回路16に供給される。
【0078】
加算回路16は、狭帯域キャリア誤差検出回路14により算出された狭帯域キャリア誤差成分と、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15により算出された広帯域キャリア誤差成分とを加算して、キャリア補正回路9から出力されたベースバンドOFDM信号のトータルの中心周波数のずれ量を算出する。加算回路16は、算出したトータルの中心周波数のずれ量を、周波数誤差値として出力する。加算回路16から出力された周波数誤差値は、NCO17に供給される。
【0079】
NCO17は、いわゆる数値制御発振器であり、加算回路16から出力された周波数誤差値に応じて増減するキャリア周波数誤差補正信号を発生する。NCO17は、例えば、供給された周波数誤差値がプラスの値であればキャリア周波数誤差補正信号の発振周波数を減少させ、供給されたキャリア周波数誤差値がマイナスの値であれば誤差補正信号の発振周波数を増加させるような制御を行う。NCO17は、このように制御することによって、周波数誤差値が0となるところで発振周波数が安定するようなキャリア周波数誤差補正信号を発生する。
【0080】
フレーム同期回路18は、OFDM伝送フレームの所定の位置に挿入されている同期ワードを検出し、OFDM伝送フレームの開始タイミングを検出する。フレーム同期回路18は、OFDM伝送フレームの開始タイミングに基づき各OFDMシンボルのシンボル番号を特定し、等化回路19等に供給する。
【0081】
等化回路19は、OFDM周波数領域信号に対して、いわゆる等化処理を行う。等化回路19は、フレーム同期回路18から供給されたシンボル番号に基づき、OFDM周波数領域信号内に挿入されているSP(Scattered Pilots)信号と呼ばれるパイロット信号を検出する。等化回路19は、検出したSP信号から伝送路の周波数特性を推定し、推定した伝送路の周波数特性の逆特性をOFDM周波数領域信号に乗算する。等化回路19では、このような処理を行うことによって、伝送路の影響によるひずみを除去し、本来送信された信号を復元することができる。等化回路19により等化処理がされたOFDM周波数領域信号は、デマッピング回路20に供給される。
【0082】
デマッピング回路20は、等化処理がされたOFDM周波数領域信号(複素信号)に対して、その変調方式(例えば、QPSK、16QAM又は64QAM)に対応したデータの再割付処理(デマッピング処理)を行い、伝送データ系列を復元する。デマッピング回路20から出力され伝送データ系列は、伝送路復号回路21に供給される。
【0083】
伝送路復号回路21は、入力された伝送データ系列に対して、その放送方式に対応した伝送路復号処理を行う。例えば、伝送路復号回路21では、時間方向のインタリーブ処理に対応した時間デインタリーブ処理、周波数方向のインタリーブに対応した周波数デインタリーブ処理、多値シンボルの誤り分散のためのビットインタリーブに対応したデインタリーブ処理、伝送ビットの削減のためのパンクチャリング処理に対応したデパンクチャリング処理、畳み込み符号化されたビット列の復号のためのビタビ復号処理、バイト単位でのデインタリーブ処理、エネルギ拡散処理に対応したエネルギ逆拡散処理、RS符号化処理に対応したエラー訂正処理等を行う。
【0084】
このように伝送路復号がされた伝送データ系列は、例えば、MPEG−2システムズに規定されたトランスポートストリームとして出力される。
【0085】
伝送制御情報復号回路22は、OFDM伝送フレームの所定の位置に変調されているTMCCやTPCといった伝送制御情報を復号する。
【0086】
ガード相関 / ピーク検出回路
つぎに、ガード相関/ピーク検出回路12の詳細な構成について説明をする。
【0087】
なお、以下の説明をするにあたり、Nu,Ng,Nsという定数(Nu,Ng,Nsは、自然数である。)を用いる。Nuは、1つの有効シンボル内のサンプリング数である。すなわち、サブキャリア本数と一致する。Ngは、ガードインターバル内のサンプリング数である。例えば、ガードインターバル長が有効シンボル長の1/4であれば、Ng=Nu/4となる。Nsは、1つのOFDMシンボルのサンプリング数である。すなわち、Ns=Nu+Ngとなる。
【0088】
図2及び図3に、ガード相関/ピーク検出回路12のブロック構成図を示す。図4に、ガード相関/ピーク検出回路12内の各信号のタイミングチャートを示す。
【0089】
ガード相関/ピーク検出回路12は、図2に示すように、ガードインターバルの自己相関を示すガード相関信号を生成するガード相関検出回路31と、ガード相関信号のピーク位置を検出するピーク検出回路32とを備えている。
【0090】
(ガード相関検出回路)
ガード相関検出回路31は、遅延回路33と、複素共役回路34と、乗算回路35と、移動和回路36とを有している。
【0091】
キャリア周波数誤差補正回路9から出力されたOFDM時間領域信号(図4(A))は、遅延回路33及び乗算回路35に供給される。遅延回路33は、Nu個のレジスタ群から構成されるシフトレジスタであり、入力されたOFDM時間領域信号を有効シンボル時間分遅延させる。遅延回路33により有効シンボル時間分遅延されたOFDM時間領域信号(図4(B))は、複素共役回路34に入力される。
【0092】
複素共役回路34は、有効シンボル期間分遅延されたOFDM時間領域信号の複素共役を算出し、乗算回路35に供給する。
【0093】
乗算回路35は、遅延されていないOFDM時間領域信号(図4(A))と、有効シンボル期間分遅延されたOFDM時間領域信号(図4(B))の複素共役信号とを、1サンプル毎に乗算する。乗算結果は移動和回路36に入力される。
【0094】
移動和回路36は、例えば、Ng個のレジスタ群から構成されるシフトレジスタと、各レジスタに格納されている値の総和を演算する加算器とから構成される。このような構成の移動和回路36は、1サンプル毎に乗算回路35から順次入力されてくる乗算結果に対して、Ngサンプル毎の移動和演算を行う。移動和回路36から出力される信号が、OFDM時間領域信号と、有効シンボル(Nuサンプル)分の遅延がされたOFDM時間領域信号との相関を示したガード相関信号となる。
【0095】
ガード相関信号は、図4(C),図4(D)に示すように、実数成分がCI(t)、虚数成分がCQ(t)で表される複素信号(CI(t)+jCQ(t))となる。なお、tは時間を示す変数である。ガード相関信号は、相関値が高い部分でレベルが高くなり、相関値が低い部分でレベルが低くなる信号である。従って、ガード相関信号は、理想的には、OFDMシンボルの境界位置をピークとした山形の波形が繰り返される信号となる。
【0096】
ガード相関信号は、移動和演算回路36からピーク検出回路32に供給される。
【0097】
(ピーク検出回路)
ピーク検出回路32は、ガード相関信号がピークとなるピークタイミングNp、並びに、そのピークタイミングNpでのガード相関信号の位相値θpを発生する回路である。
【0098】
ピーク検出回路32には、累積加算周期Tというパラメータが設定されている。累積加算周期Tは、ピークタイミング値Npの発生周期となる。つまり、ピーク検出回路32からは、累積加算周期T毎に、1つのピークタイミング値Npが出力される。また、累積加算周期Tは、OFDMシンボル長のM倍(Mは自然数)となっており、ピーク検出回路32は、この周期毎に、ガード相関信号に対してOFDMシンボル単位での累積を行う。また、ピーク検出回路32は、累積加算周期T毎(Mシンボル毎)にピークタイミング値Npを発生するのに対して、1シンボル毎に位相値θpを発生する。
【0099】
ピーク検出回路32は、図3に示すように、二乗回路41と、角度変換回路42と、シンボル長カウンタ43と、累加算制御回路44と、検出タイミング制御回路45と、セレクタ46と、メモリ47と、加算回路48と、最大値検出回路49とを有している。
【0100】
ガード相関検出回路31から出力されたガード相関信号は、二乗回路41及び角度変換回路42に供給される。
【0101】
二乗回路41は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)をそれぞれ二乗して、それらを加算する。加算した結果、図4(E)に示すような、ガード相関信号の振幅成分を示した、二乗信号({CI2+CQ2}(t))が生成される。ガード相関信号の二乗信号は、セレクタ46及び加算回路48に供給される。
【0102】
角度変換回路42は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)に対してTan−1(CQ/CI)の演算を行い、ガード相関信号の位相成分θ(t)を求める。ガード相関信号の位相成分θ(t)は、最大値検出回路49に供給される。
【0103】
シンボル長カウンタ43は、動作クロックをカウントするカウンタである。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、0からNs−1までが1ずつインクリメントされ、Ns−1を超えると0に戻るように巡回する。つまり、シンボル長カウンタ43は、図4(I)に示すように、そのカウント値Nが、OFDMシンボルのサンプル数(Ns)で1周期となっている。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、累加算制御回路44、検出タイミング制御回路45及び最大値検出回路49に供給される。また、シンボル長カウンタ43は、図4(K)に示すようなカウント値Nが0となったタイミングで1クロック分High(1)となる有効フラグを発行する。この有効フラグは、シンボルタイミングを示すフラグとなる。
【0104】
累加算制御回路44は、シンボル長カウンタ43の巡回回数をカウントする制御回路である。累加算制御回路44は、例えばカウント値Nが0となったタイミングや桁上がり信号をカウントすることにより、シンボル長カウンタ43の巡回回数をカウントする。また、累加算制御回路44は、シンボル長カウンタ43の巡回回数を、1からMまで巡回的にカウントする。つまり、累加算制御回路44のカウント値は、シンボル長カウンタ43が1周期分(1シンボル分)のカウントを終える毎に、内部のカウント値を1ずつインクリメントされ、Mを超えると1に戻るように巡回する。つまり、累加算制御回路44は、図4(G)に示すような累積加算周期Tで1周期となる巡回カウンタであり、そのカウント値が累積加算周期T内におけるカウンタ値Nの現在の巡回回数を示すこととなる。
【0105】
さらに、累加算制御回路44は、そのカウント値に応じて、セレクタ46を切り換える切換信号を発生する。累加算制御回路44は、累積加算期間T内における一巡目(例えばカウント値が1)のときには、セレクタ46を二乗回路41側に切り換え、累積加算期間T内における二巡目以降(カウント値が2〜M)のときには、セレクタ46を加算回路48側に切り換える切換信号を発生する。
【0106】
検出タイミング制御回路45は、最大値検出区間を決定する。最大値検出区間は、図4(G)に示すように、シンボル長カウンタ43のカウンタ値Nが累積加算期間T内における最終巡回にあるときの区間である。検出タイミング制御回路45は、累加算制御回路44内のカウント値を参照し、シンボル長カウンタ43のカウント値Nが累積加算周期Tにおける最終巡回のとき(つまり、累加算制御回路44のカウント値がMのとき)に、最大値検出回路49に対して最大値検出処理を行わせるための許可信号を発行する。
【0107】
セレクタ46は、ガード相関信号の振幅成分を示す二乗信号及び加算器48から出力された信号が入力され、いずれか一方の信号を選択して出力する。セレクタ46は、累加算制御回路44から与えられる切換信号に応じて、出力する信号を切り換える。具体的には、累積加算周期T内におけるカウント値Nの一巡目には二乗回路41から出力された信号を出力し、累積加算周期T内におけるカウント値Nの二巡目以降には加算回路48から出力された信号を出力する。セレクタ46から出力される信号は、メモリ47及び最大値検出回路49に供給される。
【0108】
メモリ47は、シンボル長カウンタ43のカウント数(Ns)分のサンプルを格納する領域を有している。つまり、メモリ47は、1シンボル長分のサンプルを格納する領域を有している。メモリ47は、セレクタ46から出力された信号を、1サンプル毎に格納していき、各サンプルをそれぞれ1シンボル期間分保持したのち出力する。つまり、メモリ47は、セレクタ46から出力された信号を1シンボル期間分遅延させて出力する。
【0109】
加算回路48には、二乗回路41から出力されたガード相関信号の振幅成分を示す二乗信号と、メモリ47から出力された信号が入力される。加算回路48に入力される2つの信号は、タイミングが1シンボル分ずれているが、加算するサンプル点同士のシンボル内におけるタイミングは一致している。加算回路48は、入力された2つの信号を1サンプル毎に加算して出力する。この結果、加算回路48からは、図4(F)に示すような、ガード相関信号の振幅成分を、シンボル単位で重ね合わせて、累積加算周期Tの期間分累積した累積信号が出力される。なお、この累積信号は、セレクタ46が累積加算周期Tに一回、累積処理がリセットするので、Mシンボル周期で累積処理が繰り返えされることとなる。
【0110】
最大値検出回路49には、セレクタ46から出力された累積信号、並びに、角度変換回路42から出力された位相成分が入力される。
【0111】
最大値検出回路49は、検出タイミング制御回路45から最大値検出区間を特定する許可信号が発生されているときに、累積信号の各サンプル点のレベルを監視し、最もレベルの高いサンプル点を見つけ出す。なお、最大値検出区間は、Mシンボル分のガード相関信号の振幅成分が累積された区間となる。従って、最大値検出回路49は、Mシンボル分の振幅成分を累積した結果に対してレベルを監視することとなる。
【0112】
最大値検出回路49は、図4(J)に示すように、見つけ出した最大レベルのサンプルタイミングでのシンボル長カウンタ43のカウント値を検出する。この検出したカウント値がガード相関信号の最大値時刻を示すピークタイミング値Npとなる。このピークタイミング値Npは、累積加算周期T毎、つまり、Mシンボル毎に更新される。
【0113】
それとともに、最大値検出回路49は、Mシンボル毎に更新されるピークタイミング値Npを格納しておく。最大値検出回路49は、この格納されたピークタイミング値Npとシンボル長カウンタ43のカウント値Nを比較して、その値が一致したときに、図4(L)に示すように、角度変換回路42から出力された位相成分を取り込んで、出力する。つまり、Mシンボル毎に更新されるピークタイミング値Npの値に基づき、1シンボル毎に位相成分を検出して、出力する。この位相成分が、ガード相関信号の最大値時刻での位相値θpとなる。
【0114】
ピーク検出回路32から出力されるピークタイミング値Npは、タイミング同期回路13に供給され、OFDMシンボルの境界位置の算出処理に用いられる。ピーク検出回路32から出力される位相値θpは、1シンボル毎に狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14に供給され、狭帯域のキャリア周波数誤差の算出に用いられる。
【0115】
このようにピーク検出回路32では、ガード相関信号をシンボル単位で重ね合わせて、M個のシンボルにわたりガード相関信号を累積した累積信号を生成している。そして、ピーク検出回路32では、この累積信号に対して最大値の検索を行って最大値タイミングを検出している。そのため、ピーク検出回路32では、例えば、伝送路の状態が悪化していたり、受信信号にノイズが含まれていたりしていても、誤差成分が平均化され、正確な最大値タイミング及び位相値を検出することができる。さらに、ピーク検出回路32では、正確に算出された最大値タイミングに基づき位相成分を算出する。位相成分は、Mシンボル毎ではなく、1シンボル毎に算出されるので、後段の狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14による狭帯域のキャリア周波数誤差の補正制御の収束速度を早くすることができる。
【0116】
キャリア周波数誤差算出回路
つぎに、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14及び広帯域キャリア周波数誤差算出回路15について説明をする。
【0117】
図5に、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14及び広帯域キャリア周波数誤差算出回路15のブロック構成図を示す。
【0118】
(狭帯域キャリア周波数誤差)
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14から出力される位相値θpは、ベースバンドOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の±1/2以下の精度の中心周波数のずれ量を示している。狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14は、この位相値θpを平均化するとともに、位相値θpを累積加算してNCO17に与える制御量に変換する回路である。
【0119】
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14は、図5に示すように、移動平均フィルタ51と、累積加算回路52とを有している。
【0120】
移動平均フィルタ51には、ガード相関/ピーク検出回路12から出力された位相値θp及び有効フラグが入力される。位相値θpが転送されてくる周期は、1シンボル周期である。
【0121】
移動平均フィルタ51は、1シンボル毎に入力されてくる位相値θpに対して、タップ数X(Xは自然数)の移動平均を算出する回路である。
【0122】
移動平均フィルタ51は、例えば、X個のイネーブル機能付きのレジスタ群から構成されたシフトレジスタと、各レジスタに格納されている値の総和を演算する加算器と、加算器の出力値に1/Xを乗算する乗算器とから構成されている。シフトレジスタの各レジスタのイネーブルポートには有効フラグが入力され、初段のレジスタにはガード相関/ピーク検出回路12から出力された位相値θpが入力される。このようなシフトレジスタは、有効フラグに同期して格納値を次のレジスタに転送する。つまり、シフトレジスタは、1シンボル毎に格納値の転送を行う。加算器は、シフトレジスタに格納されている連続したX個の位相値θpを全て加算して、X個の位相値θpの移動和を算出する。乗算器は、X個の位相値θpの移動和に対して1/Xを乗算することによって、X個の位相値θpの移動平均を算出する。移動平均フィルタ51は、この乗算器の乗算結果を出力する。
【0123】
移動平均フィルタ51によりXタップの移動平均値とされた位相値θpは、累積加算回路52に供給される。
【0124】
累積加算回路52は、1タップのレジスタ52aと、加算器52bとから構成されている。レジスタ52aは、イネーブル機能付きのレジスタで、イネーブルポートに有効フラグが入力され、入力ポートに加算器52bの出力値が入力される。レジスタ52aは、加算器52bから出力される加算結果を1サンプル分(1シンボル分)遅延させる遅延器として機能する。加算器52bは、移動平均フィルタ51から出力された移動平均化された位相値θpと、レジスタ52bの格納値とを加算して出力する。累積加算回路52は、加算器52bの加算結果を出力する。
【0125】
このように累積加算回路52では、移動平均化された位相値θpを累積加算する。すなわち、累積加算回路52では、現在の制御量(累積加算回路52から出力されている値)に対して、誤差量(位相値θp)を加算することによって、新たな制御量を生成している。
【0126】
以上のような狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14では、この累積加算回路52から出力される値を、狭帯域キャリア周波数誤差として加算回路16に出力する。この狭帯域キャリア周波数誤差は、加算回路16により広帯域キャリア周波数誤差と加算されたのちNCO17に供給され、その結果、キャリア周波数誤差補正回路8に供給する周波数補正信号の周波数が制御される。
【0127】
従って、狭帯域キャリア周波数誤差の制御では、狭帯域キャリア周波数誤差の補正制御の同期が安定する前は、累積加算回路52から出力される狭帯域キャリア周波数誤差値が変動する。それに対して、狭帯域キャリア周波数誤差の補正制御の同期が安定した後は、移動平均化された位相値θpが0となり、累積加算回路52から出力される狭帯域キャリア周波数誤差値が一定となる。
【0128】
(広帯域キャリア周波数誤差)
広帯域キャリア周波数誤差算出回路15は、ベースバンドOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の精度の中心周波数のずれ量を算出し、そのずれ量を累積加算してNCO17に与える制御量に変換する回路である。
【0129】
広帯域キャリア周波数誤差算出回路15は、図5に示すように、誤差量算出回路53と、累積加算回路54とを有している。
【0130】
誤差量算出回路53には、FFT演算後のOFDM周波数領域信号がフィードバックされて入力される。誤差量算出回路53は、OFDM周波数領域信号に基づき、ベースバンドのOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の精度の中心周波数のずれ量を算出する。
【0131】
誤差量算出回路53による広帯域キャリア周波数誤差成分の算出原理について簡単に説明する。
【0132】
OFDM信号には、一般に、位相及び振幅がある特定の条件に定められているパイロット信号が含まれている。このパイロット信号は、特定の位相及び振幅を常に表している信号であり、有効シンボル内の特定のサブキャリアに挿入されている。有効シンボル内に含まれるパイロット信号の数、及び、その挿入位置の配置パターンは、予め規格により定められている。誤差量算出回路53は、FFT演算後のOFDM周波数領域信号に対して、例えば時間的に前後したシンボル間で2回の差動復調を行うことによってパイロット信号の位相の変化速度を抽出する。そして、抽出したパイロット信号の変化速度に基づき、ベースバンドOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の精度の中心周波数のずれ量を算出する。
【0133】
誤差量算出回路53は、例えば以上のように算出されたベースバンドOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の精度の中心周波数のずれ量を、累積加算回路54に出力する。
【0134】
累積加算回路54は、1タップのレジスタ54aと、加算器54bとから構成されている。レジスタ54aは、イネーブル機能付きのレジスタで、イネーブルポートには誤差量算出回路53から発生されるずれ量成分の有効フラグが入力され、入力ポートに加算器54bの出力値が入力される。レジスタ54aは、加算器54bから出力される加算結果を1サンプル分遅延させる遅延器として機能する。加算器54bは、誤差量算出回路53から出力されたずれ量と、レジスタ54aの格納値とを加算して出力する。累積加算回路54は、加算器54bの加算結果を出力する。
【0135】
このように累積加算回路54では、誤差量算出回路53から出力されたずれ量を累積加算する。すなわち、累積加算回路54では、現在の制御量(累積加算回路54から出力されている値)に対して、誤差量(誤差量算出回路53から出力されたずれ量)を加算することによって、新たな制御量を生成している。
【0136】
以上のような広帯域キャリア周波数誤差算出回路15では、この累積加算回路54から出力される値を、広帯域キャリア周波数誤差として加算回路16に出力する。この広帯域キャリア周波数誤差は、加算回路16により狭帯域キャリア周波数誤差と加算されたのちNCO17に供給され、その結果、キャリア周波数誤差補正回路8に供給する補正信号の周波数が制御される。
【0137】
第1の実施の形態の効果
以上のように、本発明の第1の実施の形態のOFDM受信装置1では、ガード相関信号をシンボル単位で重ね合わせて、M個のシンボルにわたりガード相関信号を累積した累積信号を生成し、この累積信号に対して最大値の検索を行って最大値タイミングを検出する。このため、OFDM受信装置1では、例えば、伝送路の状態が悪化していたり、受信信号にノイズが含まれていたりしていても、その誤差成分が除去され、正確な最大値タイミング及び位相成分を検出することができる。従って、OFDM受信装置1では、シンボル境界位置の同期制御並びに狭帯域のキャリア周波数補正制御を、より正確に行うことができる。さらに、OFDM受信装置1では、位相成分は、Mシンボル毎ではなく、1シンボル毎に算出されるので、狭帯域のキャリア周波数誤差の補正制御の収束速度を早くすることができる。
【0138】
第1の変形例
つぎに、上述したピーク検出回路32を変形した第1の変形例について、図6〜図12を参照して説明をする。
【0139】
図6〜図12に示すピーク検出回路32は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。これら図6〜図12に示す変形例では、M個(Mは自然数)のシンボル毎にガード相関信号を累積して、M個のシンボルに1回のピークタイミング値Npを出力し、1シンボルに1回の位相値θpを出力する回路である。
【0140】
以下、第1の変形例を説明するにあたり、図3に示したピーク検出回路内の構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0141】
図6に示すピーク検出回路32は、図3に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。振幅回路61は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)をそれぞれ二乗して、それらを加算し、さらにその加算結果の平方根を算出する回路である。振幅回路61から出力される振幅信号は、セレクタ46及び加算回路48に供給される。
【0142】
図7に示すピーク検出回路32は、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をする回路である。そのため、図7に示すピーク検出回路32では、セレクタ46、メモリ47及び加算回路48を、全て複素信号を取り扱う回路としている。また、セレクタ46及び加算回路48に対して、そのままガード相関検出回路31から出力されるガード相関信号を入力している。また、二乗回路41及び角度変換回路42は、セレクタ46の出力信号に対して処理を行い、最大値検出回路49は、二乗回路41の出力信号に対して最大値検出を行っている。なお、図7では、角度変換回路42の入力信号は、セレクタ46の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0143】
図8に示すピーク検出回路32は、図7に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。振幅回路61は、図6に示した振幅回路と同一である。
【0144】
図9に示すピーク検出回路32は、累加算制御回路44及び検出タイミング制御回路45に対して、累加算数Mを外部のコントローラやユーザにより設定可能とした回路である。図9に示すピーク検出回路32は、外部から累加算制御回路44及び検出タイミング制御回路45に対して累加算数Mを設定できるパスを備えている。累加算制御回路44及び検出タイミング制御回路45は、外部からの設定入力に応じて、内部に設定されている累加算数Mの値を変更する。
【0145】
図10に示すピーク検出回路32は、図9に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。振幅回路61は、図6に示した振幅回路と同一である。
【0146】
図11に示すピーク検出回路32は、図9に示すピーク検出回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をする回路としたものである。累加算制御回路44及び検出タイミング制御回路45以外の構成要素は、図7に示した回路と同一である。なお、図11では、角度変換回路42の入力信号は、セレクタ46の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0147】
図12に示すピーク検出回路32は、図11に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。振幅回路61は、図6に示した振幅回路と同一である。
【0148】
第2の変形例
つぎに、ピーク検出回路32を変形した第2の変形例について、図13を参照して説明をする。
【0149】
図13に示すピーク検出回路60は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。図13に示すピーク検出回路は、Mシンボル分の上記ガード相関信号を累積して、1シンボルに1回のピークタイミング値Np及び位相値θpを出力する回路である。
【0150】
なお、以下の第2の変形例を説明するにあたり、図3に示したピーク検出回路内の構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0151】
図13に示すピーク検出回路60には、累積加算周期Tというパラメータが設定されている。累積加算周期Tは、OFDMシンボルのM倍(Mは自然数)となっており、ピーク検出回路60は、ガード相関信号に対してこの累積加算周期分の累積処理を行う。
【0152】
ピーク検出回路60は、図13に示すように、二乗回路41と、角度変換回路42と、シンボル長カウンタ43と、書き込み制御回路63と、第1〜第Mのメモリ64−1〜64−Mと、加算回路65と、最大値検出回路49とを有している。
【0153】
ガード相関検出回路31から出力されたガード相関信号は、二乗回路41及び角度変換回路42に供給される。
【0154】
二乗回路41は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)をそれぞれ二乗して、それらを加算する。加算した結果、二乗信号({CI2+CQ2}(t))が生成される。ガード相関信号の二乗信号は、書き込み制御回路63に供給される。
【0155】
角度変換回路42は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)に対してTan−1(CQ/CI)の演算を行い、ガード相関信号の位相成分θ(t)を求める。ガード相関信号の位相成分θ(t)は、最大値検出回路49に供給される。
【0156】
シンボル長カウンタ43は、動作クロックをカウントするカウンタである。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、0からNs−1までが1ずつインクリメントされ、Ns−1を超えると0に戻るように巡回する。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、書き込み制御回路63及び最大値検出回路49に供給される。また、シンボル長カウンタ43は、カウント値Nが0となったタイミングで1クロック分High(1)となる有効フラグを発行する。
【0157】
書き込み制御回路63は、M個のメモリ64−1〜64−Mのうちいずれか一つを選択し、選択したメモリに対して、二乗回路41から出力される二乗信号を書き込む。書き込み制御回路63は、シンボル長カウンタ43のカウント値Nが0になったタイミングや桁上がり信号が発行されたタイミングで、選択するメモリを切り換える。書き込み制御回路63は、例えば、第1のメモリ64−1→第2のメモリ64−2→第3のメモリ64−3→第4のメモリ64−4→…といったように、メモリの番号を1つずつインクリメントしていくように切り換えていく。そして、最終のメモリ(第Mのメモリ64−M)の次には、また最初の第1のメモリ64−1を選択する。すなわち、書き込み制御回路63は、シンボル長カウンタ43の一周期毎に、M個のメモリ64−1〜64−Mを巡回的に選択する。そして、書き込み制御回路63は、選択しているメモリ64−1〜64−Mに対して、1シンボル長の二乗信号を書き込む。
【0158】
第1〜第Mの64−1〜64−Mは、シンボル長カウンタ43のカウント数(Ns)分のサンプルを格納する領域を有している。つまり、第1〜第Mの64−1〜64−Mは、1シンボル長分のサンプルを格納する領域を有している。第1〜第Mの64−1〜64−Mは、書き込み制御回路63から出力された1シンボル長の信号を、次の信号が書き込まれるまで保持する。
【0159】
加算回路65は、第1〜第Mのメモリ64−1〜64−Mに書き込まれている信号を全て読み出して、それらを加算する。なお、各メモリ64−1〜64−Mには、Ns個のサンプルデータが格納されているが、加算回路65は、シンボル長カウンタ43のカウント値Nに同期させてアドレスを指定し、各メモリ64−1〜64−M内の同一のアドレス領域に格納されている1つのサンプルのみを読み出し、それらを加算する。つまり、加算回路65は、シンボル周期内の同一のサンプリングタイミングの信号同士を加算して出力する。この結果、加算回路65からは、シンボル単位でMシンボル範囲の移動和演算がされた二乗信号が、累積信号として出力されることとなる。
【0160】
最大値検出回路49は、加算回路65から出力された累積信号(1シンボル単位で移動和演算がされた二乗信号)、並びに、角度変換回路42から出力された位相成分が入力される。
【0161】
最大値検出回路49は、1シンボル毎に、累積信号の各サンプル点のレベルを監視し、最もレベルの高いサンプル点を見つけ出す。最大値検出回路49は、見つけ出した最大レベルのサンプルタイミングでのシンボル長カウンタ43のカウント値を検出する。また、最大値検出回路49は、その最大レベルのサンプルタイミングでの角度変換回路42から出力される位相も検出する。
【0162】
最大値検出回路49は、有効フラグがHigh(1)とされたタイミングで、検出したカウント値を出力する。このカウント値が、ガード相関信号の最大値時刻を示すピークタイミング値Npとなる。それとともに、最大値検出回路49は、有効フラグがHigh(1)とされたタイミングで、検出した位相成分を出力する。この位相成分が、ガード相関信号の最大値時刻での位相値θpとなる。
【0163】
以上のようなピーク検出回路60では、ガード相関信号をシンボル単位で重ね合わせて、Mシンボルの範囲でガード相関信号を移動和演算した累積信号を生成する。このため、ピーク検出回路60では、検出したピークタイミング値Np及び位相値θpをともに1シンボル毎に発生することができる。
【0164】
第3の変形例
つぎに、上記第2の変形例のピーク検出回路60をさらに変形した第3の変形例について、図14〜図20を参照して説明をする。
【0165】
図14〜図20に示すピーク検出回路60は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。図14〜図20のピーク検出回路は、Mシンボル分の上記ガード相関信号を累積して、1シンボルに1回のピークタイミング値Np及び位相値θpを出力する回路である。
【0166】
なお、以下の第3の変形例を説明をするにあたり、図3に示したピーク検出回路内の構成要素並びに第1及び第2の変形例で示したピーク検出回路内の各構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0167】
図14に示すピーク検出回路60は、図13に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0168】
図15に示すピーク検出回路60は、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をする回路である。そのため、図15に示すピーク検出回路60では、書き込み制御回路63、第1〜第Mのメモリ64−1〜64−M及び加算回路65は、全て複素信号を取り扱う回路としている。また、書き込み制御回路63に対して、そのままガード相関検出回路31から出力されるガード相関信号を入力している。また、二乗回路41及び角度変換回路42は、加算回路65の出力信号に対して処理を行い、最大値検出回路49は、二乗回路41の出力信号に対して最大値検出を行っている。なお、図15では、角度変換回路42の入力信号は、加算回路65の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0169】
図16に示すピーク検出回路60は、図15に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0170】
図17に示すピーク検出回路60は、書き込み制御回路63に対して、累加算数Mを外部のコントローラやユーザにより設定可能とした回路である。図17に示すピーク検出回路60は、外部から書き込み制御回路63に対して累加算数Mを設定できるパスを備えている。また、図17に示すピーク検出回路60は、第1〜第Lのメモリ64−1〜64−Lを備えている。Lは、自然数である。書き込み制御回路63は、外部からの設定入力に応じて、内部に設定されている累加算数Mの値を変更する。設定されるMの値は、L以下とされている。図17に示す書き込み制御回路63は、第1〜第Lのメモリ64−1〜64−Lのうち、第1から第Mまでのメモリを選択し、累加算数Mを可変制御する。
【0171】
図18に示すピーク検出回路60は、図17に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0172】
図19に示すピーク検出回路60は、図17に示すピーク検出回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をする回路としたものである。書き込み制御回路63以外の構成要素は、図15に示した回路と同一である。なお、図19では、角度変換回路42の入力信号は、加算回路65の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0173】
図20に示すピーク検出回路60は、図19に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0174】
第4の変形例
つぎに、第1の実施の形態のOFDM受信装置1のピーク検出回路32を変形した第4の変形例について、図21を参照して説明をする。
【0175】
図21に示すピーク検出回路70は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。図21に示すピーク検出回路70は、ガード相関信号を完全に累積して、1シンボルに1回のピークタイミング値Np及び位相値θpを出力する回路である。
【0176】
なお、以下の第4の変形例を説明をするにあたり、図3に示したピーク検出回路内の構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0177】
図21に示すピーク検出回路70は、二乗回路41と、角度変換回路42と、シンボル長カウンタ43と、積分器71と、最大値検出回路49とを有している。
【0178】
ガード相関検出回路31から出力されたガード相関信号は、二乗回路41及び角度変換回路42に供給される。
【0179】
二乗回路41は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)をそれぞれ二乗して、それらを加算する。加算した結果、二乗信号({CI2+CQ2}(t))が生成される。ガード相関信号の二乗信号は、積分器71に供給される。
【0180】
角度変換回路42は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)に対してTan−1(CQ/CI)の演算を行い、ガード相関信号の位相成分θ(t)を求める。ガード相関信号の位相成分θ(t)は、最大値検出回路49に供給される。
【0181】
シンボル長カウンタ43は、動作クロックをカウントするカウンタである。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、0からNs−1までが1ずつインクリメントされ、Ns−1を超えると0に戻るように巡回する。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、書き込み制御回路63及び最大値検出回路49に供給される。また、シンボル長カウンタ43は、カウント値Nが0となったタイミングで1クロック分High(1)となる有効フラグを発行する。
【0182】
積分器71は、メモリ71aと、加算器71bとから構成されている。
【0183】
メモリ71aは、シンボル長カウンタ43のカウント数(Ns)分のサンプルを格納する領域を有している。つまり、メモリ71aは、1シンボル長分のサンプルを格納する領域を有している。メモリ71aは、加算器71bから出力された信号を、1サンプル毎に格納していき、各サンプルをそれぞれ1シンボル期間分保持したのち出力する。つまり、メモリ71aは、加算器71bから出力された信号を1シンボル期間分遅延させて出力する。
【0184】
加算器71bには、二乗回路41から出力されたガード相関信号の振幅成分を示す二乗信号と、メモリ71aから出力された信号が入力される。加算器71bに入力される2つの信号は、タイミングが1シンボル分ずれているが、加算するサンプル点同士のシンボル内におけるタイミングは一致している。加算器71bは、入力された2つの信号を1サンプル毎に加算して出力する。この結果、加算器71bからは、ガード相関信号の振幅成分を、シンボル単位で重ね合わせた累積信号が出力される。
【0185】
このような積分器71の出力値は、累積信号として最大値検出回路49に供給される。
【0186】
最大値検出回路49は、積分器71から出力された累積信号(1シンボル単位で積分演算がされた二乗信号)、並びに、角度変換回路42から出力された位相成分が入力される。
【0187】
最大値検出回路49は、1シンボル毎に、累積信号の各サンプル点のレベルを監視し、最もレベルの高いサンプル点を見つけ出す。最大値検出回路49は、見つけ出した最大レベルのサンプルタイミングでのシンボル長カウンタ43のカウント値を検出する。また、最大値検出回路49は、その最大レベルのサンプルタイミングでの角度変換回路42から出力される位相も検出する。
【0188】
最大値検出回路49は、有効フラグがHigh(1)とされたタイミングで、検出したカウント値を出力する。つまり、1シンボル毎に、検出したカウント値を出力する。このカウント値が、ガード相関信号の最大値時刻を示すピークタイミング値Npとなる。それとともに、最大値検出回路49は、有効フラグがHigh(1)とされたタイミングで、検出した位相成分を出力する。この位相成分が、ガード相関信号の最大値時刻での位相値θpとなる。
【0189】
以上のようなピーク検出回路80では、ガード相関信号をシンボル単位で重ね合わせて、ガード相関信号を完全積分した累積信号を生成する。このため、ピーク検出回路70では、検出したピークタイミング値Np及び位相値θpをともに1シンボル毎に発生することができる。
【0190】
第5の変形例
つぎに、上記第4の変形例のピーク検出回路70をさらに変形した第5の変形例について、図22〜図28を参照して説明をする。
【0191】
図22〜図28に示すピーク検出回路70は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。図22〜図28のピーク検出回路は、Mシンボル分のガード相関信号を累積して、1シンボルに1回のピークタイミング値Np及び位相値θpを出力する回路である。
【0192】
なお、以下の第4の変形例を説明をするにあたり、図21に示したピーク検出回路内の構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0193】
図22に示すピーク検出回路70は、図21に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0194】
図23に示すピーク検出回路70は、複素信号であるガード相関信号をまず積分し、その累積信号に対して二乗演算をする回路である。そのため、図23に示すピーク検出回路70では、積分器71が複素信号を取り扱う回路としている。また、積分器71に対して、そのままガード相関検出回路31から出力されるガード相関信号を入力している。また、二乗回路41及び角度変換回路42は、積分器71の出力信号に対して処理を行い、最大値検出回路49は、二乗回路41の出力信号に対して最大値検出を行っている。なお、図23では、角度変換回路42の入力信号は、積分器71の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0195】
図24に示すピーク検出回路70は、図23に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0196】
図25に示すピーク検出回路70は、図21に示すピーク検出回路の積分器71をローパスフィルタ72に変更したものである。つまり、加算器71bの入力部分に所定の係数(k1,k2)を乗算する乗算器72a,72bを設けたローパスフィルタ72を、積分器71に代えて設けたものである。
【0197】
図26に示すピーク検出回路70は、図22に示すピーク検出回路の積分器71をローパスフィルタ72に変更したものである。ローパスフィルタ71は、図25に示したものと同一である。
【0198】
図27に示すピーク検出回路70は、図23に示すピーク検出回路の積分器71をローパスフィルタ72に変更したものである。ローパスフィルタ71は、図25に示したものと同一である。
【0199】
図28に示すピーク検出回路70は、図24に示すピーク検出回路の積分器71をローパスフィルタ72に変更したものである。ローパスフィルタ71は、図25に示したものと同一である。
【0200】
第6の変形例
つぎに、上記第6の変形例について説明をする。
【0201】
第6の変形例は、上述した実施の形態並びに各変形例のピーク検出回路内に設けられている二乗回路41及び振幅回路61の変形例である。
【0202】
二乗回路41及び振幅回路61は、例えば、図29に示すように、演算器74と、セレクタ75とにより構成してもよい。
【0203】
演算器74は、複素信号に対して二乗演算又は振幅演算を行う回路である。セレクタ75は、演算回路74の出力信号、及び、入力される複素信号のうちの実数信号の2つの信号が入力され、その2つの信号のうち一方を出力する。
【0204】
セレクタ75は、同期確立フラグに応じて切り換えられる。同期確立フラグは、シンボル同期処理やキャリア周波数誤差の同期処理等の同期が確立しているか、確立していないかを示すフラグである。例えばコントローラ等は、復調や復号の状態を判断して、同期確立フラグを発行する。シンボル同期処理やキャリア周波数誤差の同期処理等の同期が確立していないと同期確立フラグに示されている場合には、セレクタ75は、演算回路74からの出力信号を選択する。一方、シンボル同期処理やキャリア周波数誤差の同期処理等の同期が確立したと同期確立フラグに示されている場合には、実数信号を選択する。
【0205】
ガード相関信号は、復調の同期処理が確立した後には、一般に実数成分に信号が集中し、虚数成分には、ノイズ、伝送路状態の影響による誤差、ガードインターバル以外での相関値がレベルに多く含まれてしまうが、この変形例では、同期確立後には実数成分のみを用いて処理を行うので、同期確立後にはノイズ等の影響を除去しながら正確なキャリア周波数誤差の補正をすることができる。
【0206】
第2の実施の形態
つぎに、本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置について説明をする。
【0207】
なお、本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置は、第1の実施の形態のOFDM受信装置のうちの狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14を変更した装置である。従って、本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置は、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路以外の構成要素が第1の実施の形態のOFDM受信装置1と同一である。
【0208】
また、第2の実施の形態の説明では、上記変更部分及びその関連部分についてのみ説明をし、他の構成要素についての説明は省略する。ただし、本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置では、ガード相関信号を累積するガード相関/ピーク検出回路12を用いずに、従来のガード相関/ピーク検出回路を用いてもよい。
【0209】
本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置は、図30に示すように、キャリア周波数誤差補正回路8と、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15と、加算回路16と、NCO17と、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80とを備えている。
【0210】
(狭帯域キャリア周波数誤差)
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、移動平均フィルタ81と、遅延補償累積加算回路82とを有している。
【0211】
移動平均フィルタ81には、ガード相関/ピーク検出回路12から出力された位相値θp及び有効フラグが入力される。位相値θpが転送されてくる周期は、1シンボル周期である。
【0212】
移動平均フィルタ81は、1シンボル毎に入力されてくる位相値θpに対して、タップ数Xの移動平均を算出する回路である。この第2の実施の形態においては、Xは2以上の偶数である。
【0213】
移動平均フィルタ81は、例えば、X個のイネーブル機能付きのレジスタ群から構成されたシフトレジスタと、各レジスタに格納されている値の総和を演算する加算器と、加算器の出力値に1/Xを乗算する乗算器とから構成されている。シフトレジスタの各レジスタのイネーブルポートには有効フラグが入力され、初段のレジスタにはガード相関/ピーク検出回路12から出力された位相値θpが入力される。このようなシフトレジスタは、有効フラグに同期して格納値を次のレジスタに転送する。つまり、シフトレジスタは、1シンボル毎に格納値の転送を行う。加算器は、シフトレジスタに格納されている連続したX個の位相値θpを全て加算して、X個の位相値θpの移動和を算出する。乗算器は、X個の位相値θpの移動和に対して1/Xを乗算することによって、X個の位相値θpの移動平均を算出する。移動平均フィルタ81は、この乗算器の乗算結果を出力する。
【0214】
移動平均フィルタ81によりMタップの移動平均値とされた位相値θpは、遅延補償累積加算回路82に供給される。
【0215】
遅延補償累積加算回路82は、X/2個のレジスタ群から構成されたシフトレジスタ82aと、加算器82bとから構成されている。シフトレジスタ82aの各レジスタは、イネーブル機能付きのレジスタで、イネーブルポートに有効フラグが入力される。シフトレジスタ82aの初段のレジスタには加算器82bの出力値が入力される。このようなシフトレジスタ82aは、有効フラグに同期して格納値を次のレジスタに転送する。つまり、シフトレジスタ82aは、加算器82bから出力される加算結果を再度加算器82bにフィードバックするパスに設けられ、そのフィードバックパスを通過する値をX/2サンプル分遅延させる遅延器として機能する。
【0216】
加算器82bは、移動平均フィルタ81から出力された移動平均化された位相値θpと、シフトレジスタ82bの最終段のレジスタの格納値とを加算して出力する。
【0217】
このような遅延補償累積加算回路82は、加算器82bの加算結果を出力する。
【0218】
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80では、遅延補償累積加算回路82から出力される値を、狭帯域キャリア周波数誤差として加算回路16に出力する。この狭帯域キャリア周波数誤差は、加算回路16により広帯域キャリア周波数誤差と加算されたのちNCO17に供給され、その結果、キャリア周波数誤差補正回路8に供給する周波数補正信号の周波数が制御される。
【0219】
(第2の実施の形態の効果)
以上のように狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80では、Xタップで移動平均化された位相値θpを、その2分の1のタップ数のX/2タップの遅延器を用いて累積加算する。
【0220】
従って、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80では、移動平均時の遅延時間を累積加算器により補償して出力することができる。そのため、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80では、動作開始時における応答を早くし、フィードバックループの安定性を向上させることができ、より正確にキャリア周波数の補正を行うことができる。
【0221】
(第2の実施の形態の変形例)
また、以上のような狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、図31に示すように構成してもよい。
【0222】
図31に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、シフトレジスタ82aの各レジスタ、並びに、NCO17に、外部から設定される初期値をロードするパスが設けられている。この図31に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、復調の開始時に、規格上のキャリア周波数と、当該OFDM受信装置のデジタル直交復調回路に設定されているキャリア周波数との差分周波数を、上記初期値としてロードする。このように復調の開始時に初期値をロードすることによって、復調開始時における初期の狭帯域キャリア周波数誤差を少なくし、制御ループが安定化するまでの時間を短縮することができる。
【0223】
また、以上のような狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、図32に示すように構成してもよい。
【0224】
図32に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、シフトレジスタ82aの全てのレジスタの後段に加算器を設けている。各加算器は、前段のレジスタの出力値と、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15から出力された広帯域キャリア周波数誤差を加算し、その加算結果を次段のレジスタに転送している。
【0225】
このように狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80を構成することによって、狭帯域キャリア周波数誤差と広帯域キャリア周波数誤差とを加算してNCO17に供給する加算器16を設けずに、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80の出力値をそのままNCO17に供給する構成とすることができる。
【0226】
【発明の効果】
本発明に係るOFDM復調装置では、ガード相関信号の伝送シンボル周期内における同一位相の信号成分を累積して累積信号を生成し、この累積信号のピークタイミングを検出し、検出したピークタイミングにおけるガード相関信号又は累積信号の位相成分を1伝送シンボル毎に算出して出力する。そして、このOFDM復調装置では、算出した位相成分に基づきOFDM信号の中心周波数のずれ量を補正する。
【0227】
このことから本発明に係るOFDM復調装置では、狭帯域のキャリア周波数誤差を正しく算出して正確にキャリア周波数誤差を補正するとともに、キャリア周波数誤差の収束速度を早くすることができる。
【0228】
本発明に係るOFDM復調装置では、ガード相関検出手段により検出された位相成分のXサンプル(Xは2以上の偶数。)に対する移動平均を算出する移動平均部と、移動平均部から出力された移動平均結果値に対して、タップ数がX/2の積分を行う積分部とを有し、当該積分部の積分結果に基づきOFDM信号の中心周波数のずれ量を補正する。
【0229】
このことから本発明にかかるOFDM復調装置では、動作開始時における積分部の応答を早くし、狭帯域のキャリア周波数誤差を検出してOFDM信号のキャリア周波数誤差を補正するフィードバックループの回路安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のOFDM受信装置のブロック構成図である。
【図2】第1の実施の形態のOFDM受信装置のガード相関/ピーク検出回路のブロック構成図である。
【図3】第1の実施の形態のOFDM受信装置のピーク検出回路のブロック構成図である。
【図4】第1の実施の形態のOFDM受信装置のガード相関/ピーク検出回路内の各信号のタイミングチャートである。
【図5】第1の実施の形態のOFDM受信装置の狭帯域キャリア周波数誤差算出回路及び広帯域キャリア周波数誤差算出回路のブロック構成図である。
【図6】図3に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図7】図3に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図8】図7に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図9】図3に示す回路を、累加算制御回路及び検出タイミング制御回路に対して、累加算数を外部のコントローラやユーザにより設定可能とするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図10】図9に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図11】図9に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図12】図11に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図13】複数のメモリを設けて累積を行うピーク検出回路のブロック構成図である。
【図14】図13に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図15】図13に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図16】図15に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図17】図13に示す回路を、累加算制御回路及び検出タイミング制御回路に対して、累加算数を外部のコントローラやユーザにより設定可能とするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図18】図17に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図19】図17に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図20】図11に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図21】積分器を設けて累積を行うピーク検出回路のブロック構成図である。
【図22】図21に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図23】図21に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図24】図23に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図25】図21に示す積分器に代えてローパスフィルタを設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図26】図25に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図27】図25に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図28】図27に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図29】上記の各ピーク検出回路で用いられる二乗回路及び振幅回路の変形例を示すブロック構成図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置に備えられる狭帯域キャリア周波数誤差算出回路のブロック構成図である。
【図31】図30に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路に初期値のロード機能を設けた回路のブロック構成図である。
【図32】図30に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路に広帯域キャリア周波数誤差を加算する機能を設けた回路のブロック構成図である。
【図33】OFDM方式の伝送シンボルについて説明するための図である。
【図34】従来のOFDM受信装置のブロック構成図である。
【図35】従来のOFDM受信装置の同期回路内の狭帯域キャリア周波数誤差補正処理並びに広帯域キャリア周波数誤差補正処理を行う回路を示すブロック構成図である。
【図36】従来の狭帯域キャリア周波数誤差補正処理で用いられる各信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 OFDM受信装置、2 アンテナ、3 チューナ、4 バンドパスフィルタ、5 A/D変換回路、6 クロック発生回路、7 DCキャンセル回路、8デジタル直交復調回路、9 キャリア周波数誤差補正回路、10 FFT演算回路、11 位相補正回路、12 ガード相関/ピーク検出回路、13 タイミング同期回路、14 狭帯域キャリア周波数誤差算出回路、15 広帯域キャリア周波数誤差算出回路、16 加算回路、17 数値制御発振回路、18 フレーム同期回路、19 等化回路、20 デマッピング回路、21 伝送路復号回路、22 伝送制御情報復号回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の変調信号を復調するOFDM復調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル信号を伝送する方式として、直交周波数分割多重方式(以下、OFDM方式と呼ぶ。OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)と呼ばれる変調方式が用いられている。OFDM方式は、伝送帯域内に多数の直交する副搬送波(サブキャリア)を設け、各サブキャリアの振幅及び位相にPSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)によりデータを割り当てて、デジタル変調する方式である。
【0003】
OFDM方式は、多数のサブキャリアで伝送帯域を分割するため、サブキャリア1波あたりの帯域は狭くなり変調速度は遅くなるが、トータルの伝送速度は、従来の変調方式と変わらないという特徴を有している。また、OFDM方式は、多数のサブキャリアが並列に伝送されるのでシンボル速度が遅くなり、シンボルの時間長に対する相対的なマルチパスの時間長を短くすることができ、マルチパス妨害を受けにくくなるという特徴を有している。
【0004】
また、OFDM方式は、複数のサブキャリアに対してデータの割り当てが行われることから、変調時には逆フーリエ変換を行うIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)演算回路、復調時にはフーリエ変換を行うFFT(Fast FourierTransform)演算回路を用いることにより、送受信回路を構成することができるという特徴を有している。
【0005】
以上のような特徴からOFDM方式は、マルチパス妨害の影響を強く受ける地上波デジタル放送に適用されることが多い。このようなOFDM方式を採用した地上波デジタル放送としては、例えば、DVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)やISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting −Terrestrial)といった規格がある。
【0006】
OFDM方式の伝送シンボル(以下、OFDMシンボルと呼ぶ。)は、図33に示すように、送信時にIFFTが行われる信号期間である有効シンボルと、この有効シンボルの後半の一部分の波形がそのままコピーされたガードインターバルとから構成されている。ガードインターバルは、OFDMシンボルの前半部分に設けられている。OFDM方式では、このようなガードインターバルが設けられることにより、マルチパスによるシンボル間干渉を許容し、マルチパス耐性を向上させている。
【0007】
例えばISDB−TSB規格(日本で採用されている地上デジタル音声放送の放送規格)のモード3では、有効シンボル内に、512本のサブキャリアが含まれており、そのサブキャリア間隔は、125/126≒0.992kHzとなる。また、このISDB−TSB規格のモード3では、有効シンボル内の512本のサブキャリアのうち、433本のサブキャリアに伝送データ系列が変調されている。また、ISDB−TSB規格のモード3では、ガードインターバルの時間長が、有効シンボルの時間長の1/4,1/8,1/16,1/32のいずれかとなる。
【0008】
また、OFDM方式では、一般的に、複数の連続するOFDMシンボルによって構成されたOFDM伝送フレームと呼ばれる伝送単位が定められている。OFDM方式では、OFDM伝送フレーム単位で、所定の位相及び振幅のパイロット信号(CP(Continual Pilot)やSP(Scattered Pilot)と呼ばれている。)、伝送制御情報(TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)やTPS(Transmission Parameter Signaling)と呼ばれている。)の挿入位置が定められている。OFDM方式では、このようなパイロット信号(CP,SP)や伝送制御情報(TMCC,TPS)等の情報を伝送することによって、受信機側で各種の同期処理や、復調及び復号の制御を行うことが可能となる。
【0009】
例えば、ISDB−TSB規格では、204OFDMシンボルで1つのOFDM伝送フレームを形成している。
【0010】
従来のOFDM受信装置の構成例は、例えば、下記の非特許文献1に示されている。以下、この非特許文献1に基づき作製された従来のOFDM受信装置について説明をする。
【0011】
図34に、従来のOFDM受信装置のブロック構成図を示す。
【0012】
従来のOFDM受信装置100は、図34に示すように、アンテナ101と、チューナ102と、バンドパスフィルタ(BPF)103と、A/D変換回路104と、DCキャンセル回路105と、デジタル直交復調回路106と、FFT演算回路107と、フレーム抽出回路108と、同期回路109と、キャリア復調回路110と、周波数デインタリーブ回路111と、時間デインタリーブ回路112と、デマッピング回路113と、ビットデインタリーブ回路114と、デパンクチャ回路115と、ビタビ回路116と、バイトデインタリーブ回路117と、拡散信号除去回路118と、トランスポートストリーム生成回路119と、RS復号回路120と、伝送制御情報復号回路121と、チャンネル選択回路122とを備えている。
【0013】
放送局から放送されたデジタル放送の放送波は、OFDM受信装置100のアンテナ101により受信され、RF信号としてチューナ102に供給される。
【0014】
アンテナ101により受信されたRF信号は、乗算器102a及び局部発振器102bからなるチューナ102によりIF信号に周波数変換され、BPF103に供給される。局部発振器102bから発振される受信キャリア信号の発振周波数は、チャンネル選択回路122から供給されるチャンネル選択信号に応じて切り換えられる。
【0015】
チューナ102から出力されたIF信号は、BPF103によりフィルタリングされた後、A/D変換回路104によりデジタル化される。デジタル化されたIF信号は、DCキャンセル回路105によりDC成分が除去され、デジタル直交復調回路106に供給される。
【0016】
デジタル直交復調回路106は、所定の周波数(キャリア周波数)のキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号を出力する。ベースバンドのOFDM信号は、直交復調された結果、実軸成分(Iチャネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号となる。デジタル直交復調回路106から出力されるベースバンドのOFDM信号は、FFT演算回路107及び同期回路109に供給される。
【0017】
FFT演算回路107は、ベースバンドのOFDM信号に対してFFT演算を行い、各サブキャリアに直交変調されている信号を抽出して出力する。
【0018】
FFT演算回路107は、1つのOFDMシンボルから有効シンボル長分の信号を抜き出し、抜き出した信号に対してFFT演算を行う。すなわち、FFT演算回路107は、1つのOFDMシンボルからガードインターバル長分の信号を除き、残った信号に対してFFT演算を行う。FFT演算を行うために抜き出される信号の範囲は、その抜き出した信号点が連続していれば、1つのOFDMシンボルの任意の位置でよい。つまり、その抜き出す信号の範囲の開始位置は、図33に示すように、OFDMシンボルの先頭の境界位置(図33中のAの位置)から、ガードインターバルの終了位置(図33中のBの位置)までの間のいずれかの位置となる。
【0019】
FFT演算回路107により抽出された各サブキャリアに変調されていた信号は、実軸成分(Iチャネル信号)と虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号である。FFT演算回路107により抽出された信号は、フレーム抽出回路108、同期回路109及びキャリア復調回路110に供給される。
【0020】
フレーム抽出回路108は、FFT演算回路107により復調された信号に基づき、OFDM伝送フレームの境界を抽出するとともに、OFDM伝送フレーム内に含まれているCP,SP等のパイロット信号,TMCCやTPC等の伝送制御情報を復調し、同期回路109及び伝送制御情報復号回路121に供給する。
【0021】
同期回路109は、ベースバンドのOFDM信号、FFT演算回路107により復調された後の各サブキャリアに変調されていた信号、フレーム抽出回路108により検出されたCP,SP等のパイロット信号、及び、チャンネル選択回路122から供給されるチャンネル選択信号を用いて、OFDMシンボルの境界を算出し、FFT回路107に対してFFT演算の演算開始タイミングを設定する。
【0022】
キャリア復調回路110は、FFT演算回路107から出力された各サブキャリアから復調された後の信号が供給され、その信号に対してキャリア復調を行う。例えばISDB−TSB規格のOFDM信号を復調する場合であれば、キャリア復調回路110は、例えば、DQPSKの差動復調又はQPSK、16QAM、64QAMの同期復調を行う。
【0023】
キャリア復調された信号は、周波数デインタリーブ回路111によって周波数方向のデインタリーブ処理がされ、続いて、時間デインタリーブ回路112によって時間方向のデインタリーブ処理がされた後、デマッピング回路113に供給される。
【0024】
デマッピング回路113は、キャリア復調された信号(複素信号)に対してデータの再割付処理(デマッピング処理)を行い、伝送データ系列を復元する。例えばISDB−TSB規格のOFDM信号を復調する場合であれば、デマッピング回路113は、QPSK、16QAM又は64QAMに対応したデマッピング処理を行う。
【0025】
デマッピング回路113から出力され伝送データ系列は、ビットデインタリーブ回路114、デパンクチャ回路115、ビタビ回路116、バイトデインタリーブ回路117、拡散信号除去回路118を通過することにより、多値シンボルの誤り分散のためのビットインタリーブに対応したデインタリーブ処理、伝送ビットの削減のためのパンクチャリング処理に対応したデパンクチャリング処理、畳み込み符号化されたビット列の復号のためのビタビ復号処理、バイト単位でのデインタリーブ処理、エネルギ拡散処理に対応したエネルギ逆拡散処理が行われ、トランスポートストリーム生成回路119に入力される。
【0026】
トランスポートストリーム生成回路119は、例えばヌルパケット等の各放送方式で規定されるデータを、ストリームの所定の位置に挿入する。また、トランスポートストリーム生成回路119は、断続的に供給されてくるストリームのビット間隔を平滑化して時間的に連続したストリームとする、いわゆるスムージング処理を行う。スムージング処理がされた伝送データ系列は、RS復号回路120に供給される。
【0027】
RS復号回路120は、入力された伝送データ系列に対してリードソロモン復号処理を行い、MPEG−2システムズで規定されたトランスポートストリームとして出力する。
【0028】
伝送制御情報復号回路121は、OFDM伝送フレームの所定の位置に変調されているTMCCやTPCといった伝送制御情報を復号する。復号された伝送制御情報は、キャリア復調回路110、時間デインタリーブ回路112、デマッピング回路113、ビットデインタリーブ回路114、及び、トランスポートストリーム生成回路119に供給され、各回路の復調や再生等の制御に用いられる。
【0029】
つぎに、同期回路109のキャリア周波数誤差の補正制御回路について説明をする。
【0030】
同期回路109は、図35に示すように、キャリア周波数誤差補正回路130と、NCO(数値制御発振回路)131とを備えている。
【0031】
キャリア周波数誤差補正回路130は、デジタル直交復調回路106から出力されたベースバンドのOFDM信号に対して、NCO131から出力される周波数補正信号(複素信号)を複素乗算する。ベースバンドのOFDM信号は、周波数補正信号が複素乗算されると、その中心周波数が、当該周波数誤差補正信号の周波数分シフトする。従って、同期回路109では、OFDM信号のキャリア周波数誤差の補正(OFDM信号の中心周波数をキャリア周波数に一致させる処理)を行うことができる。
【0032】
NCO131から出力される周波数補正信号の発振周波数を制御するため、同期回路109では、ベースバンドのOFDM信号に含まれているキャリア周波数誤差(OFDM信号の中心周波数のずれ量)を算出する。
【0033】
一般に、OFDMの復調では、2種類のキャリア周波数誤差量を独立に検出し、その2種類のキャリア周波数誤差を加算して、NCO131に与える制御信号としている。2種類のキャリア周波数誤差のうちの一つは、サブキャリアの周波数間隔の精度の周波数誤差である広帯域キャリア周波数誤差であり、もう一つは、サブキャリアの周波数間隔に対して±1/2以下の精度の周波数誤差である狭帯域キャリア周波数誤差である。
【0034】
同期回路109では、広帯域のキャリア周波数誤差を、図35に示す、周波数誤差算出回路132と、累積加算回路133とによって算出している。
【0035】
キャリア周波数誤差算出回路132は、FFT演算された後の各サブキャリアからパイロット信号を抽出し、そのパイロット信号のシンボル間の回転速度を算出する。パイロット信号の回転速度は、サブキャリアの周波数間隔精度のキャリア周波数誤差量を示す成分である。累積加算回路133は、キャリア周波数誤差算出回路132から出力された回転速度を累積することにより、NCO131に与える制御量に変換する。累積加算回路133にから出力される制御量は、NCO131に供給される。
【0036】
また、同期回路109では、狭帯域のキャリア周波数誤差を、図35に示す、ガードインターバル相関演算回路134と、二乗演算回路135と、最大値検出回路136と、角度変換回路137と、移動平均フィルタ138と、累積加算回路139とにより算出している。
【0037】
ガードインターバル相関演算回路134には、図36(A)に示すような、キャリア周波数誤差補正回路130から出力されたベースバンドのOFDM信号が入力される。ガードインターバル相関演算回路134は、図36(B)に示すように、入力されたOFDM信号を有効シンボル分遅延させた遅延信号を生成する。ガードインターバル相関演算回路134は、遅延していないOFDM信号と遅延したOFDM信号とを複素乗算し、その信号をガードインターバル長の遅延量の移動和演算を行うことにより、図36(C)及び図36(D)に示すようなガードインターバル部分の相関値を示す信号(ガード相関信号)を生成する。ガード相関信号は、OFDMシンボルの境界位置で振幅成分がちょうどピークとなる複素信号となる。
【0038】
二乗演算回路135は、ガードインターバル相関演算回路134から出力されたガード相関信号(複素信号)の実数成分と虚数成分とをそれぞれ二乗し、二乗した値を加算して、図36(E)に示すような、二乗成分を算出する。
【0039】
最大値検出回路136は、図36(F)に示すように、二乗成分のピーク位置を検出し、そのピーク位置のタイミング(ピークタイミング)を出力する。
【0040】
角度変換回路137は、ガードインターバル相関演算回路134からガード相関信号が入力される。角度変換回路137は、図36(G)に示すように、最大値検出回路136から与えられたピークタイミングでのガード相関信号の位相成分を検出する。従って、位相成分は、OFDM信号のシンボル境界位置におけるガード相関信号の位相を示す。
【0041】
ここで、この位相成分は、デジタル直交復号後のOFDM信号の中心周波数がずれていなければ、0となる。しかしながら、中心周波数がずれていれば、この位相成分は、そのずれ量分だけ位相回転する。つまり、位相成分は、デジタル直交復号後のOFDM信号の中心周波数のずれ量を示している。もっとも、この位相成分は、サブキャリアの周波数間隔で一回転してしまうため、サブキャリアの周波数間隔の±1/2以下の精度の情報となる。
【0042】
移動平均フィルタ137には、角度変換回路137から出力された位相成分が入力される。移動平均フィルタ137は、シンボル単位で出力される位相成分に対して、タップ数X(Xは自然数。)の移動平均を算出する。
【0043】
移動平均フィルタ137から出力される位相成分の移動平均値は、累積加算回路139に入力される。累積加算回路139は、移動平均フィルタ138から出力された平均化された位相成分をタップ数1のレジスタを用いて累積することにより、NCO131に与える制御量に変換する。累積加算回路139にから出力される制御量は、NCO131に供給される。
【0044】
従来のOFMD受信装置では、以上のように広帯域のキャリア周波数誤差と狭帯域のキャリア周波数誤差を求め、2つのキャリア周波数誤差に基づき周波数が制御された周波数補正信号をOFDM信号に複素乗算している。このことにより、従来のOFDM受信装置では、デジタル直交復調回路106のキャリア周波数のずれの影響による、ベースバンドのOFDM信号の中心周波数のずれの補正を行うことができる。
【0045】
【非特許文献1】
「地上デジタル音声放送用受信装置 標準規格(望ましい仕様) ARIB STD−B30 1.1版」,社団法人電波産業界,平成13年5月31日 策定,平成14年3月28日 1.1改定,p.10−14
【非特許文献2】
M.Sandell, J.V.D.Beek, and P.O.Borjesson, ”Timing and frequency synchronization in OFDM systems using the cyclic prefix”, Proc.International Symposiam on Synchronization, Essen, Germany, December 14−15, 1995, pp.16−19
【0046】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ベースバンドのOFDM信号には、様々な伝送路の状態の影響による誤差やノイズが含まれており、ガードインターバルの相関を検出したとしても正確なシンボル境界位置をできない場合がある。また、ガードインターバルの期間以外の信号部分でもなんらかの相関を有する場合もあり、ガードインターバルの相関を検出したとしても正確なシンボル境界位置をできない場合がある。そのため、図36(G)のφ´で示すように、狭帯域キャリア周波数誤差量を示すガード相関信号の位相成分が正しく検出できないことがある。
【0047】
このような問題を解決するため、例えば、ガード相関信号を所定個のシンボル分累積し、その累積成分に基づきシンボル境界位置を検出する方法が提案されている(例えば、非特許文献2)。しかしながら、このような方法を適用した場合には、所定個のシンボルに1回しか位相成分を検出できず、狭帯域のキャリア周波数誤差の補正制御の応答が遅かった。
【0048】
また、狭帯域キャリア周波数誤差を補正する回路は、全体としてフィードバックループを形成している。そのため、狭帯域のキャリア周波数誤差の補正制御の同期が確立するまでに、つまり、キャリア周波数誤差が収束するまでに、多くの時間を費やしてしまう。
【0049】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、狭帯域のキャリア周波数誤差を正しく算出して、正確にキャリア周波数誤差を補正するとともに、キャリア周波数誤差の収束速度を早くすることができるOFDM復調装置を提供することを目的とする。
【0050】
本発明は、狭帯域のキャリア周波数誤差を検出してOFDM信号のキャリア周波数誤差を補正するフィードバックループの回路安定性を向上させることができるOFDM復調装置を提供することを目的とする。
【0051】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るOFDM復調装置は、OFDM信号の中心周波数のずれ量を示す補正信号に基づき、上記OFDM信号の中心周波数のずれ量を補正するキャリア周波数誤差補正手段と、上記キャリア周波数誤差補正手段により補正がされた後のOFDM信号が入力され、当該OFDM信号のガードインターバル部分の自己相関値を複素成分で示すガード相関信号を生成し、当該ガード相関信号のピークタイミングを検出し、当該ピークタイミングに基づき位相成分を算出するガード相関検出手段と、上記ガード相関検出手段により算出された上記位相成分に基づき、上記OFDM信号の中心周波数と本来のキャリア周波数とのずれ量であるキャリア周波数誤差を算出するキャリア周波数誤差算出手段と、上記キャリア周波数誤差算出手段により算出されたキャリア周波数誤差に基づき、上記補正信号を生成する補正信号生成手段とを備えている。
【0052】
上記ガード相関検出手段は、上記ガード相関信号の上記伝送シンボル周期内における同一位相の信号成分を累積して累積信号を生成し、上記累積信号のピークタイミングを検出し、上記ピークタイミングにおける上記ガード相関信号又は累積信号の位相成分を1伝送シンボル毎に算出して出力する。
【0053】
このように本発明に係るOFDM復調装置では、ガード相関信号の伝送シンボル周期内における同一位相の信号成分を累積して累積信号を生成し、この累積信号のピークタイミングを検出し、このピークタイミングにおけるガード相関信号又は累積信号の位相成分を1シンボル毎に算出する。そして、このOFDM復調装置では、算出した位相成分に基づきOFDM信号の中心周波数のずれ量を補正する。
【0054】
本発明に係るOFDM復調装置は、OFDM信号の中心周波数のずれ量を示す補正信号に基づき、上記OFDM信号の中心周波数のずれ量を補正するキャリア周波数誤差補正手段と、キャリア周波数誤差補正手段により補正がされた後のOFDM信号が入力され、当該OFDM信号のガードインターバル部分の自己相関値を複素成分で示すガード相関信号を生成し、当該ガード相関信号のピークタイミングを検出し、当該ピークタイミングに基づき位相成分を算出するガード相関検出手段と、上記ガード相関検出手段により算出された上記位相成分に基づき、上記OFDM信号の中心周波数と本来のキャリア周波数とのずれ量であるキャリア周波数誤差を算出するキャリア周波数誤差算出手段と、上記キャリア周波数誤差算出手段により算出されたキャリア周波数誤差に基づき、上記補正信号を生成する補正信号生成手段とを備えている。
【0055】
上記キャリア周波数誤差算出手段は、ガード相関検出手段により検出された上記位相成分のXサンプル(Xは2以上の偶数。)に対する移動平均を算出する移動平均部と、上記移動平均部から出力された移動平均結果値に対して、タップ数がX/2の積分を行う積分部とを有し、上記積分部の積分結果に基づき、OFDM信号の中心周波数のずれ量を補正する。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用したOFDM受信装置について説明をする。なお、実施の形態で参照する各図面中の二重線は、複素信号を示している。
【0057】
第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態のOFDM受信装置について説明をする。
【0058】
OFDM受信装置の全体構成
図1に、本発明の実施の形態のOFDM受信装置のブロック構成図を示す。なお、図1中、二重線で示した信号は、複素信号である。
【0059】
本発明の実施の形態のOFDM受信装置1は、図1に示すように、アンテナ2と、チューナ3と、バンドパスフィルタ(BPF)4と、A/D変換回路5と、クロック発生回路6と、DCキャンセル回路7と、デジタル直交復調回路8と、キャリア周波数誤差補正回路9と、FFT演算回路10と、位相補正回路11と、ガード相関/ピーク検出回路12と、タイミング同期回路13と、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14と、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15と、加算回路16と、数値制御発振回路(NCO)17と、フレーム同期回路18と、等化回路19と、デマッピング回路20と、伝送路復号回路21と、伝送制御情報復号回路22とを備えている。
【0060】
放送局から放送されたデジタル放送の放送波は、OFDM受信装置1のアンテナ2により受信され、RF信号としてチューナ3に供給される。
【0061】
アンテナ2により受信されたRF信号は、乗算器3a及び局部発振器3bからなるチューナ3によりIF信号に周波数変換され、BPF4に供給される。チューナ3から出力されたIF信号は、BPF4によりフィルタリングされた後、A/D変換回路5に供給される。
【0062】
A/D変換回路5は、クロック発生回路6から供給されるサンプリングクロック(周波数fCLK)によりIF信号をサンプリングして、このIF信号をデジタル化する。サンプリングクロックの周波数fCLKは、後段のデジタル直交復調後の有効シンボルのサンプリング点数が、サブキャリアの本数になるような周波数に設定されている。つまり、ISDB−TSB規格(モード3)の場合であれば、後段のデジタル直交復調回路8によってデジタル直交復調したのちの有効シンボルが512サンプル、ガードインターバルが128サンプル(1/4の時間長の場合)でサンプリングされているような、サンプリングクロックが設定されている。
【0063】
なお、後段のデジタル直交復調回路8によってデジタル直交復調を行う際、キャリア信号として−Sin成分及びCos成分の2相信号が必要となる。そのため、本装置1では、A/D変換回路5のサンプリングクロックとして供給する周波数をIF信号の中心周波数fIFの4倍の周波数とすることによって、デジタル直交復調回路8に供給する2相のキャリア信号を生成可能としている。そして、デジタル直交復調後に、4fIFのサンプリングクロックの周波数を1/4にダウンサンプリングすれば、1OFDMシンボル内の有効シンボルのサンプリング点数を、OFDMシンボル内に含まれているサブキャリアの本数にすることができる。
【0064】
また、クロック発生回路6は、A/D変換回路5に対してサンプリングクロック(fCLK)を供給するとともに、本OFDM受信装置1内の各回路に対してもこのサンプリングクロック(fCLK)に同期した動作クロックを供給する。
【0065】
さらに、クロック発生回路6から発生されるサンプリングクロックは、受信したOFDM信号の伝送クロックに対して非同期の自走クロックである。つまり、クロック発生回路6から発生されるクロックは、その周波数及び位相がPLL等によってOFDM信号の伝送クロックと同期しておらず、自走状態で動作している。このようにサンプリングクロックを自走状態とすることが可能なのは、シンボル同期回路13や後述するクロック周波数誤差推定回路によって、OFDM信号の伝送クロックとサンプリングクロックとの周波数誤差を検出し、その周波数誤差成分に基づきフィードフォワード処理により後段でその誤差を除去しているためである。本OFDM受信装置1では、このようにクロック発生回路6を非同期の自走クロックとしているが、本発明は、フィードバック制御によりサンプリングクロック周波数を可変制御する装置にも適用することは可能である。
【0066】
A/D変換回路5よりデジタル化されたIF信号は、DCキャンセル回路7に供給され、このDCキャンセル回路7によってDC成分が除去された後、デジタル直交復調回路8に供給される。
【0067】
デジタル直交復調回路8は、所定のキャリア周波数(fC)の2相のキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号を出力する。デジタル直交復調回路8から出力されるベースバンドのOFDM信号は、FFT演算される前のいわゆる時間領域の信号である。このことから、以下、FFT演算前のベースバンド信号を、OFDM時間領域信号と呼ぶ。OFDM時間領域信号は、直交復調された結果、実軸成分(Iチャネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号となる。デジタル直交復調回路8から出力されるOFDM時間領域信号は、キャリア周波数誤差補正回路9に供給される。
【0068】
キャリア周波数誤差補正回路9は、NCO17から出力されたキャリア周波数誤差補正信号と、デジタル直交復調後のOFDM時間領域信号とを複素乗算することによって、OFDM時間領域信号のキャリア周波数誤差を補正する。すなわち、キャリア周波数誤差補正回路9は、デジタル直交復調時に用いたキャリア信号の周波数と、伝送されてきたOFDM信号(IF信号)の中心周波数との違いにより生じる誤差を補正する。キャリア周波数誤差補正回路9によりキャリア周波数誤差が補正されたOFDM時間領域信号は、FFT演算回路10及びガード相関/ピーク検出回路12に供給される。
【0069】
FFT演算回路10は、1つのOFDMシンボルから有効シンボル長の信号を抜き出し、すなわち、1つのOFDMシンボルの全サンプルからガードインターバル分のサンプル数のサンプルを除いた信号を抜き出し、抜き出した信号に対してFFT演算を行う。抜き出し範囲を特定するタイミング(FFT演算の演算開始タイミング)は、タイミング同期回路13から与えられるスタートフラグにより設定される。FFT演算回路10は、1つのOFDMシンボルに対して1回のFFT演算処理を行い、OFDMシンボル内の各サブキャリアに変調されている信号成分を抽出する。FFT演算回路10から出力される信号は、FFTされた後のいわゆる周波数領域の信号である。このことから、以下、FFT演算後の信号をOFDM周波数領域信号と呼ぶ。FFT演算回路10から出力されたOFDM周波数領域信号は、OFDM時間領域信号と同様に、実軸成分(Iチャネル信号)と虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号である。OFDM周波数領域信号は、位相補正回路11に供給される。
【0070】
位相補正回路11は、OFDM周波数領域信号に対して、OFDMシンボルの実際の境界位置と、FFT演算範囲の開始タイミングとのずれによって生じてしまう位相回転成分の補正を行う。位相補正回路11は、サンプリング周期以下の精度で生じるずれを位相補正している。具体的には、FFT演算回路10から出力されるOFDM周波数領域信号に対して、タイミング同期回路13から供給される位相補正信号(複素信号)を複素乗算して、位相回転補正を行う。位相回転補正がされたOFDM周波数領域信号は、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15、フレーム同期回路18、等化回路19及び伝送制御情報復号回路22に供給される。
【0071】
ガード相関/ピーク検出回路12には、OFDM時間領域信号が入力される。ガード相関/ピーク検出回路12は、入力されたOFDM時間領域信号と、有効シンボル分遅延したOFDM時間領域信号との相関値を求める。ここで、相関を求める時間長は、ガードインターバルの時間長に設定してある。このため、この相関値を示す信号(以下、ガード相関信号という。)は、OFDMシンボルの境界位置でちょうどピークとなる信号となる。ガード相関/ピーク検出回路12は、ガード相関信号のピーク位置を検出し、そのピーク位置のタイミングを特定する値(ピークタイミング値Np)を出力する。
【0072】
また、ガード相関/ピーク検出回路12は、このガード相関信号のピーク位置における相関値の位相を示す値も検出する。この位相値は、OFDM信号の中心周波数と、デジタル直交復号後のキャリア周波数とが完全に一致していれば、0となる。しかしながら、ずれていれば、この位相値は、そのずれ量分だけ位相回転する。つまり、この位相値は、受信したOFDM信号の中心周波数と、デジタル直交復号後のOFDM信号の中心周波数のずれ量を示している。もっとも、この位相値は、サブキャリアの周波数間隔(例えば、ISDB−TSBのモード3であれば、0.992kHz)で一回転してしまうため、サブキャリアの周波数間隔の±1/2以下の精度の情報となる。
【0073】
ガード相関/ピーク検出回路12から出力されたピークタイミング値は、タイミング同期回路13に供給され、OFDMシンボルの境界位置での相関値の位相は、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14に供給される。
【0074】
タイミング同期回路13は、ガード相関/ピーク検出回路12から出力されたピークタイミング値に対して、例えば、フィルタリング処理等を行って、OFDMシンボルの境界位置の推定を行い、その境界位置の推定値に基づきFFT演算を行うための演算開始タイミングを決定する。演算開始タイミングは、FFT演算回路10に供給される。FFT演算回路10では、この演算開始タイミングに基づき、入力されてくるOFDM時間領域信号からFFT演算範囲の信号を抜き出して、FFT演算を行う。また、タイミング同期回路13は、推定されたOFDMシンボルの境界位置と、FFT演算を行う演算開始タイミングとの時間ずれに伴い生じてしまう位相回転量を算出し、算出した位相回転量に基づき位相補正信号(複素信号)を生成し、位相補正回路11に供給する。
【0075】
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14は、OFDMシンボルの境界位置での相関値の位相に基づき、デジタル直交復調時の中心周波数のずれ量のうちの狭帯域の成分を示す狭帯域キャリア周波数誤差成分を算出する。具体的に、狭帯域キャリア周波数誤差成分は、サブキャリアの周波数間隔の±1/2以下の精度の中心周波数のずれ量である。狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14により求められた狭帯域キャリア周波数誤差成分は、加算回路16に供給される。
【0076】
広帯域キャリア周波数誤差算出回路15は、位相補正回路11から出力されたOFDM周波数領域信号に基づき、デジタル直交復調時の中心周波数のずれ量のうち広帯域の成分を示す広帯域キャリア周波数誤差成分を算出する。広帯域キャリア周波数誤差成分は、サブキャリアの周波数の間隔精度の中心周波数のずれ量である。
【0077】
広帯域キャリア周波数誤差算出回路15により求められた広帯域キャリア周波数誤差成分は、加算回路16に供給される。
【0078】
加算回路16は、狭帯域キャリア誤差検出回路14により算出された狭帯域キャリア誤差成分と、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15により算出された広帯域キャリア誤差成分とを加算して、キャリア補正回路9から出力されたベースバンドOFDM信号のトータルの中心周波数のずれ量を算出する。加算回路16は、算出したトータルの中心周波数のずれ量を、周波数誤差値として出力する。加算回路16から出力された周波数誤差値は、NCO17に供給される。
【0079】
NCO17は、いわゆる数値制御発振器であり、加算回路16から出力された周波数誤差値に応じて増減するキャリア周波数誤差補正信号を発生する。NCO17は、例えば、供給された周波数誤差値がプラスの値であればキャリア周波数誤差補正信号の発振周波数を減少させ、供給されたキャリア周波数誤差値がマイナスの値であれば誤差補正信号の発振周波数を増加させるような制御を行う。NCO17は、このように制御することによって、周波数誤差値が0となるところで発振周波数が安定するようなキャリア周波数誤差補正信号を発生する。
【0080】
フレーム同期回路18は、OFDM伝送フレームの所定の位置に挿入されている同期ワードを検出し、OFDM伝送フレームの開始タイミングを検出する。フレーム同期回路18は、OFDM伝送フレームの開始タイミングに基づき各OFDMシンボルのシンボル番号を特定し、等化回路19等に供給する。
【0081】
等化回路19は、OFDM周波数領域信号に対して、いわゆる等化処理を行う。等化回路19は、フレーム同期回路18から供給されたシンボル番号に基づき、OFDM周波数領域信号内に挿入されているSP(Scattered Pilots)信号と呼ばれるパイロット信号を検出する。等化回路19は、検出したSP信号から伝送路の周波数特性を推定し、推定した伝送路の周波数特性の逆特性をOFDM周波数領域信号に乗算する。等化回路19では、このような処理を行うことによって、伝送路の影響によるひずみを除去し、本来送信された信号を復元することができる。等化回路19により等化処理がされたOFDM周波数領域信号は、デマッピング回路20に供給される。
【0082】
デマッピング回路20は、等化処理がされたOFDM周波数領域信号(複素信号)に対して、その変調方式(例えば、QPSK、16QAM又は64QAM)に対応したデータの再割付処理(デマッピング処理)を行い、伝送データ系列を復元する。デマッピング回路20から出力され伝送データ系列は、伝送路復号回路21に供給される。
【0083】
伝送路復号回路21は、入力された伝送データ系列に対して、その放送方式に対応した伝送路復号処理を行う。例えば、伝送路復号回路21では、時間方向のインタリーブ処理に対応した時間デインタリーブ処理、周波数方向のインタリーブに対応した周波数デインタリーブ処理、多値シンボルの誤り分散のためのビットインタリーブに対応したデインタリーブ処理、伝送ビットの削減のためのパンクチャリング処理に対応したデパンクチャリング処理、畳み込み符号化されたビット列の復号のためのビタビ復号処理、バイト単位でのデインタリーブ処理、エネルギ拡散処理に対応したエネルギ逆拡散処理、RS符号化処理に対応したエラー訂正処理等を行う。
【0084】
このように伝送路復号がされた伝送データ系列は、例えば、MPEG−2システムズに規定されたトランスポートストリームとして出力される。
【0085】
伝送制御情報復号回路22は、OFDM伝送フレームの所定の位置に変調されているTMCCやTPCといった伝送制御情報を復号する。
【0086】
ガード相関 / ピーク検出回路
つぎに、ガード相関/ピーク検出回路12の詳細な構成について説明をする。
【0087】
なお、以下の説明をするにあたり、Nu,Ng,Nsという定数(Nu,Ng,Nsは、自然数である。)を用いる。Nuは、1つの有効シンボル内のサンプリング数である。すなわち、サブキャリア本数と一致する。Ngは、ガードインターバル内のサンプリング数である。例えば、ガードインターバル長が有効シンボル長の1/4であれば、Ng=Nu/4となる。Nsは、1つのOFDMシンボルのサンプリング数である。すなわち、Ns=Nu+Ngとなる。
【0088】
図2及び図3に、ガード相関/ピーク検出回路12のブロック構成図を示す。図4に、ガード相関/ピーク検出回路12内の各信号のタイミングチャートを示す。
【0089】
ガード相関/ピーク検出回路12は、図2に示すように、ガードインターバルの自己相関を示すガード相関信号を生成するガード相関検出回路31と、ガード相関信号のピーク位置を検出するピーク検出回路32とを備えている。
【0090】
(ガード相関検出回路)
ガード相関検出回路31は、遅延回路33と、複素共役回路34と、乗算回路35と、移動和回路36とを有している。
【0091】
キャリア周波数誤差補正回路9から出力されたOFDM時間領域信号(図4(A))は、遅延回路33及び乗算回路35に供給される。遅延回路33は、Nu個のレジスタ群から構成されるシフトレジスタであり、入力されたOFDM時間領域信号を有効シンボル時間分遅延させる。遅延回路33により有効シンボル時間分遅延されたOFDM時間領域信号(図4(B))は、複素共役回路34に入力される。
【0092】
複素共役回路34は、有効シンボル期間分遅延されたOFDM時間領域信号の複素共役を算出し、乗算回路35に供給する。
【0093】
乗算回路35は、遅延されていないOFDM時間領域信号(図4(A))と、有効シンボル期間分遅延されたOFDM時間領域信号(図4(B))の複素共役信号とを、1サンプル毎に乗算する。乗算結果は移動和回路36に入力される。
【0094】
移動和回路36は、例えば、Ng個のレジスタ群から構成されるシフトレジスタと、各レジスタに格納されている値の総和を演算する加算器とから構成される。このような構成の移動和回路36は、1サンプル毎に乗算回路35から順次入力されてくる乗算結果に対して、Ngサンプル毎の移動和演算を行う。移動和回路36から出力される信号が、OFDM時間領域信号と、有効シンボル(Nuサンプル)分の遅延がされたOFDM時間領域信号との相関を示したガード相関信号となる。
【0095】
ガード相関信号は、図4(C),図4(D)に示すように、実数成分がCI(t)、虚数成分がCQ(t)で表される複素信号(CI(t)+jCQ(t))となる。なお、tは時間を示す変数である。ガード相関信号は、相関値が高い部分でレベルが高くなり、相関値が低い部分でレベルが低くなる信号である。従って、ガード相関信号は、理想的には、OFDMシンボルの境界位置をピークとした山形の波形が繰り返される信号となる。
【0096】
ガード相関信号は、移動和演算回路36からピーク検出回路32に供給される。
【0097】
(ピーク検出回路)
ピーク検出回路32は、ガード相関信号がピークとなるピークタイミングNp、並びに、そのピークタイミングNpでのガード相関信号の位相値θpを発生する回路である。
【0098】
ピーク検出回路32には、累積加算周期Tというパラメータが設定されている。累積加算周期Tは、ピークタイミング値Npの発生周期となる。つまり、ピーク検出回路32からは、累積加算周期T毎に、1つのピークタイミング値Npが出力される。また、累積加算周期Tは、OFDMシンボル長のM倍(Mは自然数)となっており、ピーク検出回路32は、この周期毎に、ガード相関信号に対してOFDMシンボル単位での累積を行う。また、ピーク検出回路32は、累積加算周期T毎(Mシンボル毎)にピークタイミング値Npを発生するのに対して、1シンボル毎に位相値θpを発生する。
【0099】
ピーク検出回路32は、図3に示すように、二乗回路41と、角度変換回路42と、シンボル長カウンタ43と、累加算制御回路44と、検出タイミング制御回路45と、セレクタ46と、メモリ47と、加算回路48と、最大値検出回路49とを有している。
【0100】
ガード相関検出回路31から出力されたガード相関信号は、二乗回路41及び角度変換回路42に供給される。
【0101】
二乗回路41は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)をそれぞれ二乗して、それらを加算する。加算した結果、図4(E)に示すような、ガード相関信号の振幅成分を示した、二乗信号({CI2+CQ2}(t))が生成される。ガード相関信号の二乗信号は、セレクタ46及び加算回路48に供給される。
【0102】
角度変換回路42は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)に対してTan−1(CQ/CI)の演算を行い、ガード相関信号の位相成分θ(t)を求める。ガード相関信号の位相成分θ(t)は、最大値検出回路49に供給される。
【0103】
シンボル長カウンタ43は、動作クロックをカウントするカウンタである。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、0からNs−1までが1ずつインクリメントされ、Ns−1を超えると0に戻るように巡回する。つまり、シンボル長カウンタ43は、図4(I)に示すように、そのカウント値Nが、OFDMシンボルのサンプル数(Ns)で1周期となっている。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、累加算制御回路44、検出タイミング制御回路45及び最大値検出回路49に供給される。また、シンボル長カウンタ43は、図4(K)に示すようなカウント値Nが0となったタイミングで1クロック分High(1)となる有効フラグを発行する。この有効フラグは、シンボルタイミングを示すフラグとなる。
【0104】
累加算制御回路44は、シンボル長カウンタ43の巡回回数をカウントする制御回路である。累加算制御回路44は、例えばカウント値Nが0となったタイミングや桁上がり信号をカウントすることにより、シンボル長カウンタ43の巡回回数をカウントする。また、累加算制御回路44は、シンボル長カウンタ43の巡回回数を、1からMまで巡回的にカウントする。つまり、累加算制御回路44のカウント値は、シンボル長カウンタ43が1周期分(1シンボル分)のカウントを終える毎に、内部のカウント値を1ずつインクリメントされ、Mを超えると1に戻るように巡回する。つまり、累加算制御回路44は、図4(G)に示すような累積加算周期Tで1周期となる巡回カウンタであり、そのカウント値が累積加算周期T内におけるカウンタ値Nの現在の巡回回数を示すこととなる。
【0105】
さらに、累加算制御回路44は、そのカウント値に応じて、セレクタ46を切り換える切換信号を発生する。累加算制御回路44は、累積加算期間T内における一巡目(例えばカウント値が1)のときには、セレクタ46を二乗回路41側に切り換え、累積加算期間T内における二巡目以降(カウント値が2〜M)のときには、セレクタ46を加算回路48側に切り換える切換信号を発生する。
【0106】
検出タイミング制御回路45は、最大値検出区間を決定する。最大値検出区間は、図4(G)に示すように、シンボル長カウンタ43のカウンタ値Nが累積加算期間T内における最終巡回にあるときの区間である。検出タイミング制御回路45は、累加算制御回路44内のカウント値を参照し、シンボル長カウンタ43のカウント値Nが累積加算周期Tにおける最終巡回のとき(つまり、累加算制御回路44のカウント値がMのとき)に、最大値検出回路49に対して最大値検出処理を行わせるための許可信号を発行する。
【0107】
セレクタ46は、ガード相関信号の振幅成分を示す二乗信号及び加算器48から出力された信号が入力され、いずれか一方の信号を選択して出力する。セレクタ46は、累加算制御回路44から与えられる切換信号に応じて、出力する信号を切り換える。具体的には、累積加算周期T内におけるカウント値Nの一巡目には二乗回路41から出力された信号を出力し、累積加算周期T内におけるカウント値Nの二巡目以降には加算回路48から出力された信号を出力する。セレクタ46から出力される信号は、メモリ47及び最大値検出回路49に供給される。
【0108】
メモリ47は、シンボル長カウンタ43のカウント数(Ns)分のサンプルを格納する領域を有している。つまり、メモリ47は、1シンボル長分のサンプルを格納する領域を有している。メモリ47は、セレクタ46から出力された信号を、1サンプル毎に格納していき、各サンプルをそれぞれ1シンボル期間分保持したのち出力する。つまり、メモリ47は、セレクタ46から出力された信号を1シンボル期間分遅延させて出力する。
【0109】
加算回路48には、二乗回路41から出力されたガード相関信号の振幅成分を示す二乗信号と、メモリ47から出力された信号が入力される。加算回路48に入力される2つの信号は、タイミングが1シンボル分ずれているが、加算するサンプル点同士のシンボル内におけるタイミングは一致している。加算回路48は、入力された2つの信号を1サンプル毎に加算して出力する。この結果、加算回路48からは、図4(F)に示すような、ガード相関信号の振幅成分を、シンボル単位で重ね合わせて、累積加算周期Tの期間分累積した累積信号が出力される。なお、この累積信号は、セレクタ46が累積加算周期Tに一回、累積処理がリセットするので、Mシンボル周期で累積処理が繰り返えされることとなる。
【0110】
最大値検出回路49には、セレクタ46から出力された累積信号、並びに、角度変換回路42から出力された位相成分が入力される。
【0111】
最大値検出回路49は、検出タイミング制御回路45から最大値検出区間を特定する許可信号が発生されているときに、累積信号の各サンプル点のレベルを監視し、最もレベルの高いサンプル点を見つけ出す。なお、最大値検出区間は、Mシンボル分のガード相関信号の振幅成分が累積された区間となる。従って、最大値検出回路49は、Mシンボル分の振幅成分を累積した結果に対してレベルを監視することとなる。
【0112】
最大値検出回路49は、図4(J)に示すように、見つけ出した最大レベルのサンプルタイミングでのシンボル長カウンタ43のカウント値を検出する。この検出したカウント値がガード相関信号の最大値時刻を示すピークタイミング値Npとなる。このピークタイミング値Npは、累積加算周期T毎、つまり、Mシンボル毎に更新される。
【0113】
それとともに、最大値検出回路49は、Mシンボル毎に更新されるピークタイミング値Npを格納しておく。最大値検出回路49は、この格納されたピークタイミング値Npとシンボル長カウンタ43のカウント値Nを比較して、その値が一致したときに、図4(L)に示すように、角度変換回路42から出力された位相成分を取り込んで、出力する。つまり、Mシンボル毎に更新されるピークタイミング値Npの値に基づき、1シンボル毎に位相成分を検出して、出力する。この位相成分が、ガード相関信号の最大値時刻での位相値θpとなる。
【0114】
ピーク検出回路32から出力されるピークタイミング値Npは、タイミング同期回路13に供給され、OFDMシンボルの境界位置の算出処理に用いられる。ピーク検出回路32から出力される位相値θpは、1シンボル毎に狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14に供給され、狭帯域のキャリア周波数誤差の算出に用いられる。
【0115】
このようにピーク検出回路32では、ガード相関信号をシンボル単位で重ね合わせて、M個のシンボルにわたりガード相関信号を累積した累積信号を生成している。そして、ピーク検出回路32では、この累積信号に対して最大値の検索を行って最大値タイミングを検出している。そのため、ピーク検出回路32では、例えば、伝送路の状態が悪化していたり、受信信号にノイズが含まれていたりしていても、誤差成分が平均化され、正確な最大値タイミング及び位相値を検出することができる。さらに、ピーク検出回路32では、正確に算出された最大値タイミングに基づき位相成分を算出する。位相成分は、Mシンボル毎ではなく、1シンボル毎に算出されるので、後段の狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14による狭帯域のキャリア周波数誤差の補正制御の収束速度を早くすることができる。
【0116】
キャリア周波数誤差算出回路
つぎに、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14及び広帯域キャリア周波数誤差算出回路15について説明をする。
【0117】
図5に、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14及び広帯域キャリア周波数誤差算出回路15のブロック構成図を示す。
【0118】
(狭帯域キャリア周波数誤差)
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14から出力される位相値θpは、ベースバンドOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の±1/2以下の精度の中心周波数のずれ量を示している。狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14は、この位相値θpを平均化するとともに、位相値θpを累積加算してNCO17に与える制御量に変換する回路である。
【0119】
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14は、図5に示すように、移動平均フィルタ51と、累積加算回路52とを有している。
【0120】
移動平均フィルタ51には、ガード相関/ピーク検出回路12から出力された位相値θp及び有効フラグが入力される。位相値θpが転送されてくる周期は、1シンボル周期である。
【0121】
移動平均フィルタ51は、1シンボル毎に入力されてくる位相値θpに対して、タップ数X(Xは自然数)の移動平均を算出する回路である。
【0122】
移動平均フィルタ51は、例えば、X個のイネーブル機能付きのレジスタ群から構成されたシフトレジスタと、各レジスタに格納されている値の総和を演算する加算器と、加算器の出力値に1/Xを乗算する乗算器とから構成されている。シフトレジスタの各レジスタのイネーブルポートには有効フラグが入力され、初段のレジスタにはガード相関/ピーク検出回路12から出力された位相値θpが入力される。このようなシフトレジスタは、有効フラグに同期して格納値を次のレジスタに転送する。つまり、シフトレジスタは、1シンボル毎に格納値の転送を行う。加算器は、シフトレジスタに格納されている連続したX個の位相値θpを全て加算して、X個の位相値θpの移動和を算出する。乗算器は、X個の位相値θpの移動和に対して1/Xを乗算することによって、X個の位相値θpの移動平均を算出する。移動平均フィルタ51は、この乗算器の乗算結果を出力する。
【0123】
移動平均フィルタ51によりXタップの移動平均値とされた位相値θpは、累積加算回路52に供給される。
【0124】
累積加算回路52は、1タップのレジスタ52aと、加算器52bとから構成されている。レジスタ52aは、イネーブル機能付きのレジスタで、イネーブルポートに有効フラグが入力され、入力ポートに加算器52bの出力値が入力される。レジスタ52aは、加算器52bから出力される加算結果を1サンプル分(1シンボル分)遅延させる遅延器として機能する。加算器52bは、移動平均フィルタ51から出力された移動平均化された位相値θpと、レジスタ52bの格納値とを加算して出力する。累積加算回路52は、加算器52bの加算結果を出力する。
【0125】
このように累積加算回路52では、移動平均化された位相値θpを累積加算する。すなわち、累積加算回路52では、現在の制御量(累積加算回路52から出力されている値)に対して、誤差量(位相値θp)を加算することによって、新たな制御量を生成している。
【0126】
以上のような狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14では、この累積加算回路52から出力される値を、狭帯域キャリア周波数誤差として加算回路16に出力する。この狭帯域キャリア周波数誤差は、加算回路16により広帯域キャリア周波数誤差と加算されたのちNCO17に供給され、その結果、キャリア周波数誤差補正回路8に供給する周波数補正信号の周波数が制御される。
【0127】
従って、狭帯域キャリア周波数誤差の制御では、狭帯域キャリア周波数誤差の補正制御の同期が安定する前は、累積加算回路52から出力される狭帯域キャリア周波数誤差値が変動する。それに対して、狭帯域キャリア周波数誤差の補正制御の同期が安定した後は、移動平均化された位相値θpが0となり、累積加算回路52から出力される狭帯域キャリア周波数誤差値が一定となる。
【0128】
(広帯域キャリア周波数誤差)
広帯域キャリア周波数誤差算出回路15は、ベースバンドOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の精度の中心周波数のずれ量を算出し、そのずれ量を累積加算してNCO17に与える制御量に変換する回路である。
【0129】
広帯域キャリア周波数誤差算出回路15は、図5に示すように、誤差量算出回路53と、累積加算回路54とを有している。
【0130】
誤差量算出回路53には、FFT演算後のOFDM周波数領域信号がフィードバックされて入力される。誤差量算出回路53は、OFDM周波数領域信号に基づき、ベースバンドのOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の精度の中心周波数のずれ量を算出する。
【0131】
誤差量算出回路53による広帯域キャリア周波数誤差成分の算出原理について簡単に説明する。
【0132】
OFDM信号には、一般に、位相及び振幅がある特定の条件に定められているパイロット信号が含まれている。このパイロット信号は、特定の位相及び振幅を常に表している信号であり、有効シンボル内の特定のサブキャリアに挿入されている。有効シンボル内に含まれるパイロット信号の数、及び、その挿入位置の配置パターンは、予め規格により定められている。誤差量算出回路53は、FFT演算後のOFDM周波数領域信号に対して、例えば時間的に前後したシンボル間で2回の差動復調を行うことによってパイロット信号の位相の変化速度を抽出する。そして、抽出したパイロット信号の変化速度に基づき、ベースバンドOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の精度の中心周波数のずれ量を算出する。
【0133】
誤差量算出回路53は、例えば以上のように算出されたベースバンドOFDM信号のサブキャリアの周波数間隔の精度の中心周波数のずれ量を、累積加算回路54に出力する。
【0134】
累積加算回路54は、1タップのレジスタ54aと、加算器54bとから構成されている。レジスタ54aは、イネーブル機能付きのレジスタで、イネーブルポートには誤差量算出回路53から発生されるずれ量成分の有効フラグが入力され、入力ポートに加算器54bの出力値が入力される。レジスタ54aは、加算器54bから出力される加算結果を1サンプル分遅延させる遅延器として機能する。加算器54bは、誤差量算出回路53から出力されたずれ量と、レジスタ54aの格納値とを加算して出力する。累積加算回路54は、加算器54bの加算結果を出力する。
【0135】
このように累積加算回路54では、誤差量算出回路53から出力されたずれ量を累積加算する。すなわち、累積加算回路54では、現在の制御量(累積加算回路54から出力されている値)に対して、誤差量(誤差量算出回路53から出力されたずれ量)を加算することによって、新たな制御量を生成している。
【0136】
以上のような広帯域キャリア周波数誤差算出回路15では、この累積加算回路54から出力される値を、広帯域キャリア周波数誤差として加算回路16に出力する。この広帯域キャリア周波数誤差は、加算回路16により狭帯域キャリア周波数誤差と加算されたのちNCO17に供給され、その結果、キャリア周波数誤差補正回路8に供給する補正信号の周波数が制御される。
【0137】
第1の実施の形態の効果
以上のように、本発明の第1の実施の形態のOFDM受信装置1では、ガード相関信号をシンボル単位で重ね合わせて、M個のシンボルにわたりガード相関信号を累積した累積信号を生成し、この累積信号に対して最大値の検索を行って最大値タイミングを検出する。このため、OFDM受信装置1では、例えば、伝送路の状態が悪化していたり、受信信号にノイズが含まれていたりしていても、その誤差成分が除去され、正確な最大値タイミング及び位相成分を検出することができる。従って、OFDM受信装置1では、シンボル境界位置の同期制御並びに狭帯域のキャリア周波数補正制御を、より正確に行うことができる。さらに、OFDM受信装置1では、位相成分は、Mシンボル毎ではなく、1シンボル毎に算出されるので、狭帯域のキャリア周波数誤差の補正制御の収束速度を早くすることができる。
【0138】
第1の変形例
つぎに、上述したピーク検出回路32を変形した第1の変形例について、図6〜図12を参照して説明をする。
【0139】
図6〜図12に示すピーク検出回路32は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。これら図6〜図12に示す変形例では、M個(Mは自然数)のシンボル毎にガード相関信号を累積して、M個のシンボルに1回のピークタイミング値Npを出力し、1シンボルに1回の位相値θpを出力する回路である。
【0140】
以下、第1の変形例を説明するにあたり、図3に示したピーク検出回路内の構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0141】
図6に示すピーク検出回路32は、図3に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。振幅回路61は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)をそれぞれ二乗して、それらを加算し、さらにその加算結果の平方根を算出する回路である。振幅回路61から出力される振幅信号は、セレクタ46及び加算回路48に供給される。
【0142】
図7に示すピーク検出回路32は、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をする回路である。そのため、図7に示すピーク検出回路32では、セレクタ46、メモリ47及び加算回路48を、全て複素信号を取り扱う回路としている。また、セレクタ46及び加算回路48に対して、そのままガード相関検出回路31から出力されるガード相関信号を入力している。また、二乗回路41及び角度変換回路42は、セレクタ46の出力信号に対して処理を行い、最大値検出回路49は、二乗回路41の出力信号に対して最大値検出を行っている。なお、図7では、角度変換回路42の入力信号は、セレクタ46の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0143】
図8に示すピーク検出回路32は、図7に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。振幅回路61は、図6に示した振幅回路と同一である。
【0144】
図9に示すピーク検出回路32は、累加算制御回路44及び検出タイミング制御回路45に対して、累加算数Mを外部のコントローラやユーザにより設定可能とした回路である。図9に示すピーク検出回路32は、外部から累加算制御回路44及び検出タイミング制御回路45に対して累加算数Mを設定できるパスを備えている。累加算制御回路44及び検出タイミング制御回路45は、外部からの設定入力に応じて、内部に設定されている累加算数Mの値を変更する。
【0145】
図10に示すピーク検出回路32は、図9に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。振幅回路61は、図6に示した振幅回路と同一である。
【0146】
図11に示すピーク検出回路32は、図9に示すピーク検出回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をする回路としたものである。累加算制御回路44及び検出タイミング制御回路45以外の構成要素は、図7に示した回路と同一である。なお、図11では、角度変換回路42の入力信号は、セレクタ46の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0147】
図12に示すピーク検出回路32は、図11に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。振幅回路61は、図6に示した振幅回路と同一である。
【0148】
第2の変形例
つぎに、ピーク検出回路32を変形した第2の変形例について、図13を参照して説明をする。
【0149】
図13に示すピーク検出回路60は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。図13に示すピーク検出回路は、Mシンボル分の上記ガード相関信号を累積して、1シンボルに1回のピークタイミング値Np及び位相値θpを出力する回路である。
【0150】
なお、以下の第2の変形例を説明するにあたり、図3に示したピーク検出回路内の構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0151】
図13に示すピーク検出回路60には、累積加算周期Tというパラメータが設定されている。累積加算周期Tは、OFDMシンボルのM倍(Mは自然数)となっており、ピーク検出回路60は、ガード相関信号に対してこの累積加算周期分の累積処理を行う。
【0152】
ピーク検出回路60は、図13に示すように、二乗回路41と、角度変換回路42と、シンボル長カウンタ43と、書き込み制御回路63と、第1〜第Mのメモリ64−1〜64−Mと、加算回路65と、最大値検出回路49とを有している。
【0153】
ガード相関検出回路31から出力されたガード相関信号は、二乗回路41及び角度変換回路42に供給される。
【0154】
二乗回路41は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)をそれぞれ二乗して、それらを加算する。加算した結果、二乗信号({CI2+CQ2}(t))が生成される。ガード相関信号の二乗信号は、書き込み制御回路63に供給される。
【0155】
角度変換回路42は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)に対してTan−1(CQ/CI)の演算を行い、ガード相関信号の位相成分θ(t)を求める。ガード相関信号の位相成分θ(t)は、最大値検出回路49に供給される。
【0156】
シンボル長カウンタ43は、動作クロックをカウントするカウンタである。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、0からNs−1までが1ずつインクリメントされ、Ns−1を超えると0に戻るように巡回する。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、書き込み制御回路63及び最大値検出回路49に供給される。また、シンボル長カウンタ43は、カウント値Nが0となったタイミングで1クロック分High(1)となる有効フラグを発行する。
【0157】
書き込み制御回路63は、M個のメモリ64−1〜64−Mのうちいずれか一つを選択し、選択したメモリに対して、二乗回路41から出力される二乗信号を書き込む。書き込み制御回路63は、シンボル長カウンタ43のカウント値Nが0になったタイミングや桁上がり信号が発行されたタイミングで、選択するメモリを切り換える。書き込み制御回路63は、例えば、第1のメモリ64−1→第2のメモリ64−2→第3のメモリ64−3→第4のメモリ64−4→…といったように、メモリの番号を1つずつインクリメントしていくように切り換えていく。そして、最終のメモリ(第Mのメモリ64−M)の次には、また最初の第1のメモリ64−1を選択する。すなわち、書き込み制御回路63は、シンボル長カウンタ43の一周期毎に、M個のメモリ64−1〜64−Mを巡回的に選択する。そして、書き込み制御回路63は、選択しているメモリ64−1〜64−Mに対して、1シンボル長の二乗信号を書き込む。
【0158】
第1〜第Mの64−1〜64−Mは、シンボル長カウンタ43のカウント数(Ns)分のサンプルを格納する領域を有している。つまり、第1〜第Mの64−1〜64−Mは、1シンボル長分のサンプルを格納する領域を有している。第1〜第Mの64−1〜64−Mは、書き込み制御回路63から出力された1シンボル長の信号を、次の信号が書き込まれるまで保持する。
【0159】
加算回路65は、第1〜第Mのメモリ64−1〜64−Mに書き込まれている信号を全て読み出して、それらを加算する。なお、各メモリ64−1〜64−Mには、Ns個のサンプルデータが格納されているが、加算回路65は、シンボル長カウンタ43のカウント値Nに同期させてアドレスを指定し、各メモリ64−1〜64−M内の同一のアドレス領域に格納されている1つのサンプルのみを読み出し、それらを加算する。つまり、加算回路65は、シンボル周期内の同一のサンプリングタイミングの信号同士を加算して出力する。この結果、加算回路65からは、シンボル単位でMシンボル範囲の移動和演算がされた二乗信号が、累積信号として出力されることとなる。
【0160】
最大値検出回路49は、加算回路65から出力された累積信号(1シンボル単位で移動和演算がされた二乗信号)、並びに、角度変換回路42から出力された位相成分が入力される。
【0161】
最大値検出回路49は、1シンボル毎に、累積信号の各サンプル点のレベルを監視し、最もレベルの高いサンプル点を見つけ出す。最大値検出回路49は、見つけ出した最大レベルのサンプルタイミングでのシンボル長カウンタ43のカウント値を検出する。また、最大値検出回路49は、その最大レベルのサンプルタイミングでの角度変換回路42から出力される位相も検出する。
【0162】
最大値検出回路49は、有効フラグがHigh(1)とされたタイミングで、検出したカウント値を出力する。このカウント値が、ガード相関信号の最大値時刻を示すピークタイミング値Npとなる。それとともに、最大値検出回路49は、有効フラグがHigh(1)とされたタイミングで、検出した位相成分を出力する。この位相成分が、ガード相関信号の最大値時刻での位相値θpとなる。
【0163】
以上のようなピーク検出回路60では、ガード相関信号をシンボル単位で重ね合わせて、Mシンボルの範囲でガード相関信号を移動和演算した累積信号を生成する。このため、ピーク検出回路60では、検出したピークタイミング値Np及び位相値θpをともに1シンボル毎に発生することができる。
【0164】
第3の変形例
つぎに、上記第2の変形例のピーク検出回路60をさらに変形した第3の変形例について、図14〜図20を参照して説明をする。
【0165】
図14〜図20に示すピーク検出回路60は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。図14〜図20のピーク検出回路は、Mシンボル分の上記ガード相関信号を累積して、1シンボルに1回のピークタイミング値Np及び位相値θpを出力する回路である。
【0166】
なお、以下の第3の変形例を説明をするにあたり、図3に示したピーク検出回路内の構成要素並びに第1及び第2の変形例で示したピーク検出回路内の各構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0167】
図14に示すピーク検出回路60は、図13に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0168】
図15に示すピーク検出回路60は、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をする回路である。そのため、図15に示すピーク検出回路60では、書き込み制御回路63、第1〜第Mのメモリ64−1〜64−M及び加算回路65は、全て複素信号を取り扱う回路としている。また、書き込み制御回路63に対して、そのままガード相関検出回路31から出力されるガード相関信号を入力している。また、二乗回路41及び角度変換回路42は、加算回路65の出力信号に対して処理を行い、最大値検出回路49は、二乗回路41の出力信号に対して最大値検出を行っている。なお、図15では、角度変換回路42の入力信号は、加算回路65の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0169】
図16に示すピーク検出回路60は、図15に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0170】
図17に示すピーク検出回路60は、書き込み制御回路63に対して、累加算数Mを外部のコントローラやユーザにより設定可能とした回路である。図17に示すピーク検出回路60は、外部から書き込み制御回路63に対して累加算数Mを設定できるパスを備えている。また、図17に示すピーク検出回路60は、第1〜第Lのメモリ64−1〜64−Lを備えている。Lは、自然数である。書き込み制御回路63は、外部からの設定入力に応じて、内部に設定されている累加算数Mの値を変更する。設定されるMの値は、L以下とされている。図17に示す書き込み制御回路63は、第1〜第Lのメモリ64−1〜64−Lのうち、第1から第Mまでのメモリを選択し、累加算数Mを可変制御する。
【0171】
図18に示すピーク検出回路60は、図17に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0172】
図19に示すピーク検出回路60は、図17に示すピーク検出回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をする回路としたものである。書き込み制御回路63以外の構成要素は、図15に示した回路と同一である。なお、図19では、角度変換回路42の入力信号は、加算回路65の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0173】
図20に示すピーク検出回路60は、図19に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0174】
第4の変形例
つぎに、第1の実施の形態のOFDM受信装置1のピーク検出回路32を変形した第4の変形例について、図21を参照して説明をする。
【0175】
図21に示すピーク検出回路70は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。図21に示すピーク検出回路70は、ガード相関信号を完全に累積して、1シンボルに1回のピークタイミング値Np及び位相値θpを出力する回路である。
【0176】
なお、以下の第4の変形例を説明をするにあたり、図3に示したピーク検出回路内の構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0177】
図21に示すピーク検出回路70は、二乗回路41と、角度変換回路42と、シンボル長カウンタ43と、積分器71と、最大値検出回路49とを有している。
【0178】
ガード相関検出回路31から出力されたガード相関信号は、二乗回路41及び角度変換回路42に供給される。
【0179】
二乗回路41は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)をそれぞれ二乗して、それらを加算する。加算した結果、二乗信号({CI2+CQ2}(t))が生成される。ガード相関信号の二乗信号は、積分器71に供給される。
【0180】
角度変換回路42は、ガード相関信号の実数成分(CI)及び虚数成分(CQ)に対してTan−1(CQ/CI)の演算を行い、ガード相関信号の位相成分θ(t)を求める。ガード相関信号の位相成分θ(t)は、最大値検出回路49に供給される。
【0181】
シンボル長カウンタ43は、動作クロックをカウントするカウンタである。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、0からNs−1までが1ずつインクリメントされ、Ns−1を超えると0に戻るように巡回する。シンボル長カウンタ43のカウント値Nは、書き込み制御回路63及び最大値検出回路49に供給される。また、シンボル長カウンタ43は、カウント値Nが0となったタイミングで1クロック分High(1)となる有効フラグを発行する。
【0182】
積分器71は、メモリ71aと、加算器71bとから構成されている。
【0183】
メモリ71aは、シンボル長カウンタ43のカウント数(Ns)分のサンプルを格納する領域を有している。つまり、メモリ71aは、1シンボル長分のサンプルを格納する領域を有している。メモリ71aは、加算器71bから出力された信号を、1サンプル毎に格納していき、各サンプルをそれぞれ1シンボル期間分保持したのち出力する。つまり、メモリ71aは、加算器71bから出力された信号を1シンボル期間分遅延させて出力する。
【0184】
加算器71bには、二乗回路41から出力されたガード相関信号の振幅成分を示す二乗信号と、メモリ71aから出力された信号が入力される。加算器71bに入力される2つの信号は、タイミングが1シンボル分ずれているが、加算するサンプル点同士のシンボル内におけるタイミングは一致している。加算器71bは、入力された2つの信号を1サンプル毎に加算して出力する。この結果、加算器71bからは、ガード相関信号の振幅成分を、シンボル単位で重ね合わせた累積信号が出力される。
【0185】
このような積分器71の出力値は、累積信号として最大値検出回路49に供給される。
【0186】
最大値検出回路49は、積分器71から出力された累積信号(1シンボル単位で積分演算がされた二乗信号)、並びに、角度変換回路42から出力された位相成分が入力される。
【0187】
最大値検出回路49は、1シンボル毎に、累積信号の各サンプル点のレベルを監視し、最もレベルの高いサンプル点を見つけ出す。最大値検出回路49は、見つけ出した最大レベルのサンプルタイミングでのシンボル長カウンタ43のカウント値を検出する。また、最大値検出回路49は、その最大レベルのサンプルタイミングでの角度変換回路42から出力される位相も検出する。
【0188】
最大値検出回路49は、有効フラグがHigh(1)とされたタイミングで、検出したカウント値を出力する。つまり、1シンボル毎に、検出したカウント値を出力する。このカウント値が、ガード相関信号の最大値時刻を示すピークタイミング値Npとなる。それとともに、最大値検出回路49は、有効フラグがHigh(1)とされたタイミングで、検出した位相成分を出力する。この位相成分が、ガード相関信号の最大値時刻での位相値θpとなる。
【0189】
以上のようなピーク検出回路80では、ガード相関信号をシンボル単位で重ね合わせて、ガード相関信号を完全積分した累積信号を生成する。このため、ピーク検出回路70では、検出したピークタイミング値Np及び位相値θpをともに1シンボル毎に発生することができる。
【0190】
第5の変形例
つぎに、上記第4の変形例のピーク検出回路70をさらに変形した第5の変形例について、図22〜図28を参照して説明をする。
【0191】
図22〜図28に示すピーク検出回路70は、図3に示したピーク検出回路に代えて、第1の実施の形態のOFDM受信装置、並びに、後述する第2の実施の形態のOFDM受信装置に適用することが可能である。図22〜図28のピーク検出回路は、Mシンボル分のガード相関信号を累積して、1シンボルに1回のピークタイミング値Np及び位相値θpを出力する回路である。
【0192】
なお、以下の第4の変形例を説明をするにあたり、図21に示したピーク検出回路内の構成要素と同一の機能を有する構成要素については、図面中に同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0193】
図22に示すピーク検出回路70は、図21に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0194】
図23に示すピーク検出回路70は、複素信号であるガード相関信号をまず積分し、その累積信号に対して二乗演算をする回路である。そのため、図23に示すピーク検出回路70では、積分器71が複素信号を取り扱う回路としている。また、積分器71に対して、そのままガード相関検出回路31から出力されるガード相関信号を入力している。また、二乗回路41及び角度変換回路42は、積分器71の出力信号に対して処理を行い、最大値検出回路49は、二乗回路41の出力信号に対して最大値検出を行っている。なお、図23では、角度変換回路42の入力信号は、積分器71の出力信号(累積された後のガード相関信号)となっているが、累積される前のガード相関信号であってもよい。
【0195】
図24に示すピーク検出回路70は、図23に示すピーク検出回路の二乗回路41に代えて振幅回路61を設けたものである。
【0196】
図25に示すピーク検出回路70は、図21に示すピーク検出回路の積分器71をローパスフィルタ72に変更したものである。つまり、加算器71bの入力部分に所定の係数(k1,k2)を乗算する乗算器72a,72bを設けたローパスフィルタ72を、積分器71に代えて設けたものである。
【0197】
図26に示すピーク検出回路70は、図22に示すピーク検出回路の積分器71をローパスフィルタ72に変更したものである。ローパスフィルタ71は、図25に示したものと同一である。
【0198】
図27に示すピーク検出回路70は、図23に示すピーク検出回路の積分器71をローパスフィルタ72に変更したものである。ローパスフィルタ71は、図25に示したものと同一である。
【0199】
図28に示すピーク検出回路70は、図24に示すピーク検出回路の積分器71をローパスフィルタ72に変更したものである。ローパスフィルタ71は、図25に示したものと同一である。
【0200】
第6の変形例
つぎに、上記第6の変形例について説明をする。
【0201】
第6の変形例は、上述した実施の形態並びに各変形例のピーク検出回路内に設けられている二乗回路41及び振幅回路61の変形例である。
【0202】
二乗回路41及び振幅回路61は、例えば、図29に示すように、演算器74と、セレクタ75とにより構成してもよい。
【0203】
演算器74は、複素信号に対して二乗演算又は振幅演算を行う回路である。セレクタ75は、演算回路74の出力信号、及び、入力される複素信号のうちの実数信号の2つの信号が入力され、その2つの信号のうち一方を出力する。
【0204】
セレクタ75は、同期確立フラグに応じて切り換えられる。同期確立フラグは、シンボル同期処理やキャリア周波数誤差の同期処理等の同期が確立しているか、確立していないかを示すフラグである。例えばコントローラ等は、復調や復号の状態を判断して、同期確立フラグを発行する。シンボル同期処理やキャリア周波数誤差の同期処理等の同期が確立していないと同期確立フラグに示されている場合には、セレクタ75は、演算回路74からの出力信号を選択する。一方、シンボル同期処理やキャリア周波数誤差の同期処理等の同期が確立したと同期確立フラグに示されている場合には、実数信号を選択する。
【0205】
ガード相関信号は、復調の同期処理が確立した後には、一般に実数成分に信号が集中し、虚数成分には、ノイズ、伝送路状態の影響による誤差、ガードインターバル以外での相関値がレベルに多く含まれてしまうが、この変形例では、同期確立後には実数成分のみを用いて処理を行うので、同期確立後にはノイズ等の影響を除去しながら正確なキャリア周波数誤差の補正をすることができる。
【0206】
第2の実施の形態
つぎに、本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置について説明をする。
【0207】
なお、本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置は、第1の実施の形態のOFDM受信装置のうちの狭帯域キャリア周波数誤差算出回路14を変更した装置である。従って、本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置は、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路以外の構成要素が第1の実施の形態のOFDM受信装置1と同一である。
【0208】
また、第2の実施の形態の説明では、上記変更部分及びその関連部分についてのみ説明をし、他の構成要素についての説明は省略する。ただし、本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置では、ガード相関信号を累積するガード相関/ピーク検出回路12を用いずに、従来のガード相関/ピーク検出回路を用いてもよい。
【0209】
本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置は、図30に示すように、キャリア周波数誤差補正回路8と、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15と、加算回路16と、NCO17と、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80とを備えている。
【0210】
(狭帯域キャリア周波数誤差)
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、移動平均フィルタ81と、遅延補償累積加算回路82とを有している。
【0211】
移動平均フィルタ81には、ガード相関/ピーク検出回路12から出力された位相値θp及び有効フラグが入力される。位相値θpが転送されてくる周期は、1シンボル周期である。
【0212】
移動平均フィルタ81は、1シンボル毎に入力されてくる位相値θpに対して、タップ数Xの移動平均を算出する回路である。この第2の実施の形態においては、Xは2以上の偶数である。
【0213】
移動平均フィルタ81は、例えば、X個のイネーブル機能付きのレジスタ群から構成されたシフトレジスタと、各レジスタに格納されている値の総和を演算する加算器と、加算器の出力値に1/Xを乗算する乗算器とから構成されている。シフトレジスタの各レジスタのイネーブルポートには有効フラグが入力され、初段のレジスタにはガード相関/ピーク検出回路12から出力された位相値θpが入力される。このようなシフトレジスタは、有効フラグに同期して格納値を次のレジスタに転送する。つまり、シフトレジスタは、1シンボル毎に格納値の転送を行う。加算器は、シフトレジスタに格納されている連続したX個の位相値θpを全て加算して、X個の位相値θpの移動和を算出する。乗算器は、X個の位相値θpの移動和に対して1/Xを乗算することによって、X個の位相値θpの移動平均を算出する。移動平均フィルタ81は、この乗算器の乗算結果を出力する。
【0214】
移動平均フィルタ81によりMタップの移動平均値とされた位相値θpは、遅延補償累積加算回路82に供給される。
【0215】
遅延補償累積加算回路82は、X/2個のレジスタ群から構成されたシフトレジスタ82aと、加算器82bとから構成されている。シフトレジスタ82aの各レジスタは、イネーブル機能付きのレジスタで、イネーブルポートに有効フラグが入力される。シフトレジスタ82aの初段のレジスタには加算器82bの出力値が入力される。このようなシフトレジスタ82aは、有効フラグに同期して格納値を次のレジスタに転送する。つまり、シフトレジスタ82aは、加算器82bから出力される加算結果を再度加算器82bにフィードバックするパスに設けられ、そのフィードバックパスを通過する値をX/2サンプル分遅延させる遅延器として機能する。
【0216】
加算器82bは、移動平均フィルタ81から出力された移動平均化された位相値θpと、シフトレジスタ82bの最終段のレジスタの格納値とを加算して出力する。
【0217】
このような遅延補償累積加算回路82は、加算器82bの加算結果を出力する。
【0218】
狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80では、遅延補償累積加算回路82から出力される値を、狭帯域キャリア周波数誤差として加算回路16に出力する。この狭帯域キャリア周波数誤差は、加算回路16により広帯域キャリア周波数誤差と加算されたのちNCO17に供給され、その結果、キャリア周波数誤差補正回路8に供給する周波数補正信号の周波数が制御される。
【0219】
(第2の実施の形態の効果)
以上のように狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80では、Xタップで移動平均化された位相値θpを、その2分の1のタップ数のX/2タップの遅延器を用いて累積加算する。
【0220】
従って、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80では、移動平均時の遅延時間を累積加算器により補償して出力することができる。そのため、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80では、動作開始時における応答を早くし、フィードバックループの安定性を向上させることができ、より正確にキャリア周波数の補正を行うことができる。
【0221】
(第2の実施の形態の変形例)
また、以上のような狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、図31に示すように構成してもよい。
【0222】
図31に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、シフトレジスタ82aの各レジスタ、並びに、NCO17に、外部から設定される初期値をロードするパスが設けられている。この図31に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、復調の開始時に、規格上のキャリア周波数と、当該OFDM受信装置のデジタル直交復調回路に設定されているキャリア周波数との差分周波数を、上記初期値としてロードする。このように復調の開始時に初期値をロードすることによって、復調開始時における初期の狭帯域キャリア周波数誤差を少なくし、制御ループが安定化するまでの時間を短縮することができる。
【0223】
また、以上のような狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、図32に示すように構成してもよい。
【0224】
図32に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80は、シフトレジスタ82aの全てのレジスタの後段に加算器を設けている。各加算器は、前段のレジスタの出力値と、広帯域キャリア周波数誤差算出回路15から出力された広帯域キャリア周波数誤差を加算し、その加算結果を次段のレジスタに転送している。
【0225】
このように狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80を構成することによって、狭帯域キャリア周波数誤差と広帯域キャリア周波数誤差とを加算してNCO17に供給する加算器16を設けずに、狭帯域キャリア周波数誤差算出回路80の出力値をそのままNCO17に供給する構成とすることができる。
【0226】
【発明の効果】
本発明に係るOFDM復調装置では、ガード相関信号の伝送シンボル周期内における同一位相の信号成分を累積して累積信号を生成し、この累積信号のピークタイミングを検出し、検出したピークタイミングにおけるガード相関信号又は累積信号の位相成分を1伝送シンボル毎に算出して出力する。そして、このOFDM復調装置では、算出した位相成分に基づきOFDM信号の中心周波数のずれ量を補正する。
【0227】
このことから本発明に係るOFDM復調装置では、狭帯域のキャリア周波数誤差を正しく算出して正確にキャリア周波数誤差を補正するとともに、キャリア周波数誤差の収束速度を早くすることができる。
【0228】
本発明に係るOFDM復調装置では、ガード相関検出手段により検出された位相成分のXサンプル(Xは2以上の偶数。)に対する移動平均を算出する移動平均部と、移動平均部から出力された移動平均結果値に対して、タップ数がX/2の積分を行う積分部とを有し、当該積分部の積分結果に基づきOFDM信号の中心周波数のずれ量を補正する。
【0229】
このことから本発明にかかるOFDM復調装置では、動作開始時における積分部の応答を早くし、狭帯域のキャリア周波数誤差を検出してOFDM信号のキャリア周波数誤差を補正するフィードバックループの回路安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のOFDM受信装置のブロック構成図である。
【図2】第1の実施の形態のOFDM受信装置のガード相関/ピーク検出回路のブロック構成図である。
【図3】第1の実施の形態のOFDM受信装置のピーク検出回路のブロック構成図である。
【図4】第1の実施の形態のOFDM受信装置のガード相関/ピーク検出回路内の各信号のタイミングチャートである。
【図5】第1の実施の形態のOFDM受信装置の狭帯域キャリア周波数誤差算出回路及び広帯域キャリア周波数誤差算出回路のブロック構成図である。
【図6】図3に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図7】図3に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図8】図7に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図9】図3に示す回路を、累加算制御回路及び検出タイミング制御回路に対して、累加算数を外部のコントローラやユーザにより設定可能とするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図10】図9に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図11】図9に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図12】図11に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図13】複数のメモリを設けて累積を行うピーク検出回路のブロック構成図である。
【図14】図13に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図15】図13に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図16】図15に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図17】図13に示す回路を、累加算制御回路及び検出タイミング制御回路に対して、累加算数を外部のコントローラやユーザにより設定可能とするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図18】図17に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図19】図17に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図20】図11に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図21】積分器を設けて累積を行うピーク検出回路のブロック構成図である。
【図22】図21に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図23】図21に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図24】図23に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図25】図21に示す積分器に代えてローパスフィルタを設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図26】図25に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図27】図25に示す回路を、複素信号であるガード相関信号をまず累積して、その累積信号に対して二乗演算をするように変形したピーク検出回路のブロック構成図である。
【図28】図27に示す二乗回路に代えて振幅回路を設けたピーク検出回路のブロック構成図である。
【図29】上記の各ピーク検出回路で用いられる二乗回路及び振幅回路の変形例を示すブロック構成図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態のOFDM受信装置に備えられる狭帯域キャリア周波数誤差算出回路のブロック構成図である。
【図31】図30に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路に初期値のロード機能を設けた回路のブロック構成図である。
【図32】図30に示す狭帯域キャリア周波数誤差算出回路に広帯域キャリア周波数誤差を加算する機能を設けた回路のブロック構成図である。
【図33】OFDM方式の伝送シンボルについて説明するための図である。
【図34】従来のOFDM受信装置のブロック構成図である。
【図35】従来のOFDM受信装置の同期回路内の狭帯域キャリア周波数誤差補正処理並びに広帯域キャリア周波数誤差補正処理を行う回路を示すブロック構成図である。
【図36】従来の狭帯域キャリア周波数誤差補正処理で用いられる各信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 OFDM受信装置、2 アンテナ、3 チューナ、4 バンドパスフィルタ、5 A/D変換回路、6 クロック発生回路、7 DCキャンセル回路、8デジタル直交復調回路、9 キャリア周波数誤差補正回路、10 FFT演算回路、11 位相補正回路、12 ガード相関/ピーク検出回路、13 タイミング同期回路、14 狭帯域キャリア周波数誤差算出回路、15 広帯域キャリア周波数誤差算出回路、16 加算回路、17 数値制御発振回路、18 フレーム同期回路、19 等化回路、20 デマッピング回路、21 伝送路復号回路、22 伝送制御情報復号回路
Claims (10)
- 情報系列が時分割されて複数のサブキャリアに変調されることにより生成された有効シンボルと、この有効シンボルの一部の信号波形が複写されることにより生成されたガードインターバルとが含まれた伝送シンボルを伝送単位とする直交周波数分割多重(OFDM)信号を復調するOFDM復調装置において、
上記OFDM信号の中心周波数のずれ量を示す補正信号に基づき、上記OFDM信号の中心周波数のずれ量を補正するキャリア周波数誤差補正手段と、
上記キャリア周波数誤差補正手段により補正がされた後のOFDM信号が入力され、当該OFDM信号のガードインターバル部分の自己相関値を複素成分で示すガード相関信号を生成し、当該ガード相関信号のピークタイミングを検出し、当該ピークタイミングに基づき位相成分を算出するガード相関検出手段と、
上記ガード相関検出手段により算出された上記位相成分に基づき、上記OFDM信号の中心周波数と本来のキャリア周波数とのずれ量であるキャリア周波数誤差を算出するキャリア周波数誤差算出手段と、
上記キャリア周波数誤差算出手段により算出されたキャリア周波数誤差に基づき、上記補正信号を生成する補正信号生成手段とを備え、
上記ガード相関検出手段は、
上記ガード相関信号の上記伝送シンボル周期内における同一位相の信号成分を累積して累積信号を生成し、
上記累積信号のピークタイミングを検出し、
上記ピークタイミングにおける上記ガード相関信号又は累積信号の位相成分を1伝送シンボル毎に算出して出力すること
を特徴とするOFDM復調装置。 - 上記ガード相関検出手段は、M個(Mは自然数)の伝送シンボル毎に上記ガード相関信号を累積して上記累積信号を生成し、生成した累積信号に基づきM個の伝送シンボル周期でピークタイミングを検出し、
M個の伝送シンボル周期で検出されるピークタイミングに基づき、当該ピークタイミングにおける上記ガード相関信号又は累積信号の位相成分を1伝送シンボル毎に算出して出力すること
を特徴とする請求項1記載のOFDM復調装置。 - 上記ガード相関検出手段は、連続したM個の伝送シンボル分の上記ガード相関信号の移動和を算出して上記累積信号を生成し、生成した累積信号に基づき伝送シンボル周期でピークタイミングを検出し、
伝送シンボル周期で検出されるピークタイミングに基づき、当該ピークタイミングにおける上記ガード相関信号又は累積信号の位相成分を1伝送シンボル毎に算出して出力すること
を特徴とする請求項1記載のOFDM復調装置。 - 上記ガード相関検出手段は、ガード相関信号と一つ前の伝送シンボル周期の累積信号とを加算することによって上記累積信号を生成し、生成した累積信号に基づき伝送シンボル周期でピークタイミングを検出し、
伝送シンボル周期で検出されるピークタイミングに基づき、当該ピークタイミングにおける上記ガード相関信号又は累積信号の位相成分を1伝送シンボル毎に算出して出力すること
を特徴とする請求項1記載のOFDM復調装置。 - 上記ガード相関検出手段は、ガード相関信号を伝送シンボル周期で平均化することによって上記累積信号を生成し、生成した累積信号に基づき伝送シンボル周期でピークタイミングを検出し、
伝送シンボル周期で検出されるピークタイミングに基づき、当該ピークタイミングにおける上記ガード相関信号又は累積信号の位相成分を1伝送シンボル毎に算出して出力すること
を特徴とする請求項1記載のOFDM復調装置。 - 上記ガード相関検出手段は、上記OFDM信号の伝送シンボルのタイミングを再生するタイミング同期処理が確立した場合には、上記ガード相関信号の実数成分のみを用いてピークタイミングを検出すること
を特徴とする請求項1記載のOFDM復調装置。 - 情報系列が時分割されて複数のサブキャリアに変調されることにより生成された有効シンボルと、この有効シンボルの一部の信号波形が複写されることにより生成されたガードインターバルとが含まれた伝送シンボルを伝送単位とする直交周波数分割多重(OFDM)信号を復調するOFDM復調装置において、
上記OFDM信号の中心周波数のずれ量を示す補正信号に基づき、上記OFDM信号の中心周波数のずれ量を補正するキャリア周波数誤差補正手段と、
上記キャリア周波数誤差補正手段により補正がされた後のOFDM信号が入力され、当該OFDM信号のガードインターバル部分の自己相関値を複素成分で示すガード相関信号を生成し、当該ガード相関信号のピークタイミングを検出し、当該ピークタイミングに基づき位相成分を算出するガード相関検出手段と、
上記ガード相関検出手段により算出された上記位相成分に基づき、上記OFDM信号の中心周波数と本来のキャリア周波数とのずれ量であるキャリア周波数誤差を算出するキャリア周波数誤差算出手段と、
上記キャリア周波数誤差算出手段により算出されたキャリア周波数誤差に基づき、上記補正信号を生成する補正信号生成手段とを備え、
上記キャリア周波数誤差算出手段は、
上記ガード相関検出手段により検出された上記位相成分のXサンプル(Xは2以上の偶数。)に対する移動平均を算出する移動平均部と、
上記移動平均部から出力された移動平均結果値に対して、タップ数がX/2の積分を行う積分部とを有し、
上記積分部の積分結果に基づき、上記キャリア周波数誤差を算出すること
を特徴とするOFDM復調装置。 - 上記キャリア周波数誤差算出手段は、
OFDM信号の復調開始時に、上記OFDM信号の中心周波数のずれ量の初期推定値のうち、上記OFDM信号のサブキャリア間隔以下の精度の成分を、各上記タップに格納すること
を特徴とする請求項7記載のOFDM復調装置。 - 上記キャリア周波数誤差算出手段は、上記OFDM信号のサブキャリア間隔精度の上記OFDM信号の中心周波数と本来のキャリア周波数とのずれ量と、上記積分部の積分結果とを加算して、上記キャリア周波数誤差を算出すること
を特徴とする請求項7記載のOFDM復調装置。 - 上記キャリア周波数誤差算出手段は、
上記積分部内の各タップには、加算部が設けられ、
上記加算部は、タップの出力値と、上記OFDM信号のサブキャリア間隔精度の上記OFDM信号の中心周波数と本来のキャリア周波数とのずれ量とを加算した加算値を出力すること
を特徴とする請求項7記載のOFDM復調装置。
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