JP4211461B2 - Ofdm信号復調装置および方法 - Google Patents

Ofdm信号復調装置および方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、OFDM信号復調装置および方法に関し、特に、より正確に、搬送波周波数誤差成分を検出することができるようにしたOFDM信号復調装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル信号を伝送する方式として、直交周波数分割多重(OFDM)方式と呼ばれる変調方式が用いられている。このOFDM方式は、伝送帯域内に多数の直交する副搬送波を用意し、それぞれの副搬送波の振幅および位相にデータを割り当て、PSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)によりデジタル変調する方式である。
【0003】
OFDM時間領域信号は、OFDMシンボルと呼ばれるシンボル単位で伝送される。OFDMシンボルの例を図1に示す。
【0004】
図1において、「OFDMシンボル」と記載されている矢印の範囲が、1つのOFDMシンボルの占める区間を示している。また、図1において、「ガードインターバル」および「有効シンボル」と記載されているように、OFDMシンボルは、ガードインターバル(図1中、AからBまでの区間)および有効シンボル(図1中、BからCまでの区間)により構成されている。ガードインターバルは、有効シンボルの後ろの部分(図1中、斜線が引かれた部分)の波形が、所定の割合分だけコピーされ、有効シンボルの直前の位置に付加されたものである。
【0005】
ガードインターバルを付加することにより、ガードインターバルよりも短いマルチパスに関しては、受信装置(例えば、非特許文献1参照)側で適切な信号処理を施すことで、マルチパスの影響を除去することが可能となる。このような特徴により、OFDM方式は、マルチパス妨害の影響を強く受ける地上波デジタル放送に適用されることが多い。このようなOFDM方式を採用した地上波デジタル放送としては、例えばDVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)やISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)等の規格がある。
【0006】
例えば、ISDB-TSB規格のモード3においては、有効シンボル内に、512本の副搬送波が含まれており、その副搬送波間隔は、125/126≒0.992kHzとなっている。また、有効シンボル内の512本の副搬送波のうち、433本の副搬送波にデータが変調されている。ガードインターバルは、有効シンボルの1/4、1/8、1/16、および1/32のうちいずれかの割合の時間長の信号とされている。
【0007】
また、OFDM方式では、一般的に、複数の連続するOFDMシンボルによって構成されたOFDM伝送フレームと呼ばれる伝送単位が定められている。例えばISDB-TSB規格においては、204個のOFDMシンボルにより1個のOFDM伝送フレームが構成されている。このOFDM伝送フレーム単位を基準として、パイロット信号(例えばCP(Continual Pilot)、SP(Scattered Pilot)、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)、およびTPS(Transmission Parameter Signaling)など)の挿入位置が定められている。
【0008】
このようなOFDM方式で変調された信号を受信する受信装置の構成例は、例えば、非特許文献1に記載されている。
【0009】
次に、図2を参照して、非特許文献1に記載の受信装置について説明する。なお、図2は、非特許文献1に記載の受信装置の構成例を、一部だけ改変してある。
【0010】
図2において、アンテナ11は、放送局により放送されたデジタル放送を受信し、RF(Radio Frequency)信号としてチューナ12に供給する。
【0011】
チューナ12は、乗算器12aおよび局部発振器12bを有し、アンテナ11から供給されたRF信号を、IF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、IF信号をバンドパスフィルタ(BPS)13に供給する。なお、局部発振器12bから発振される受信キャリア信号の発振周波数は、チャンネル選択回路32から供給されるチャンネル選択信号に応じて、切り替えられる。
【0012】
BPS13は、チューナ12から供給されたIF信号をフィルタリングして、A/D(Analog/Digital)変換回路14に供給する。
【0013】
A/D変換回路14は、BPS13から供給されたIF信号をA/D変換し、デジタル化されたIF信号をDC(Direct Current)キャンセル回路15に供給する。なお、ISDB-TSB規格のモード3で、ガードインターバルが有効シンボルの1/4の時間長の場合、A/D変換回路14は、OFDM時間領域信号の有効シンボル区間の信号を1024サンプルだけサンプリングし、ガードインターバル区間の信号を256サンプルだけサンプリングするようなサンプリングレートで、IF信号を量子化する。
【0014】
DCキャンセル回路15は、A/D変換回路14から供給されたIF信号のDC成分を除去し、DC成分が除去されたIF信号をデジタル直交復調回路16に供給する。
【0015】
デジタル直交復調回路16は、DCキャンセル回路15から供給されたIF信号を、所定の周波数(搬送波周波数)の搬送波信号により直交復調し、ベースバンドのOFDM信号を、同期回路17に供給する。デジタル直交復調回路16により生成されたベースバンドのOFDM信号(OFDM時間領域信号)は、実軸成分(Iチャネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号となる。
【0016】
同期回路17は、FTT演算回路19から出力された信号に基づいて、デジタル直交復調回路16から供給されたベースバンドのOFDM信号(OFDM時間領域信号)の搬送波周波数誤差を補正して、FTT演算回路19に供給する。また、同期回路17は、ベースバンドのOFDM信号、FFT演算回路19により復調された各副搬送波に変調されていた信号、フレーム抽出回路18により検出されたCP,SPなどのパイロット信号、およびチャンネル選択回路32から供給されるチャンネル選択信号を用いて、OFDMシンボルの境界を算出し、FFT回路19に対してFFT演算の演算開始タイミングを設定する。
【0017】
フレーム抽出回路18は、FFT演算回路19により復調された信号に基づき、OFDM伝送フレームの境界を抽出するとともに、OFDM伝送フレーム内に含まれているCPおよびSP、並びにTMCCおよびTPC(伝送制御情報)などのパイロット信号を復調し、同期回路17および伝送制御情報復号回路31に供給する。
【0018】
FFT演算回路19は、同期回路17から供給されたOFDM時間領域信号から有効シンボル長分の信号(例えば、ISDB-TSB規格のモード3の場合、1024サンプル)を抜き出し、抜き出した信号に対してFFT演算を行う。すなわち、FFT演算回路19は、1つのOFDMシンボルからガードインターバル長分の信号を除き、残った信号に対してFFT演算を行う。FFT演算を行うために抜き出される信号の範囲は、その抜き出した信号点が連続していれば、1つのOFDMシンボルの任意の位置でよい。つまり、その抜き出す信号の範囲の開始位置は、図1に示すように、OFDMシンボルの先頭の境界位置(図1中のAの位置)から、ガードインターバルの終了位置(図1中のBの位置)までの間のいずれかの位置となる。なお、FTT演算回路19によりFTT演算される信号の範囲は、FTTウィンドウと呼ばれる。
【0019】
FFT演算回路19により抽出された各副搬送波に変調されていた信号(OFDM周波数領域信号)は、実軸成分(Iチャネル信号)と虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号である。FFT演算回路19により抽出された信号は、同期回路17、フレーム抽出回路18、およびキャリア復調回路20に供給される。
【0020】
キャリア復調回路20は、伝送制御情報復号回路31からの指示に従って、FFT演算回路19から出力された各副搬送波から復調された後の信号に対してキャリア復調を行う。例えばISDB-TSB規格のOFDM信号を復調する場合であれば、キャリア復調回路20は、例えば、DQPSKの差動復調、又はQPSK、16QAM、64QAMの同期復調を行う。キャリア復調回路20は、キャリア復調された信号を周波数デインタリーブ回路21に供給する。
【0021】
周波数デインタリーブ回路21は、キャリア復調回路20から供給された信号に対して、周波数方向のデインタリーブ処理を施し、デインタリーブ処理後の信号を時間デインタリーブ回路22に供給する。
【0022】
時間デインタリーブ回路22は、伝送制御情報復号回路31から供給された伝送制御情報に従って、周波数デインタリーブ回路21から供給された信号に対して、時間方向のデインタリーブ処理を施し、デインタリーブ処理後の信号をデマッピング回路23に供給する。
【0023】
デマッピング回路23は、伝送制御情報復号回路31から供給された伝送制御情報に従って、時間デインタリーブ回路22から供給された、キャリア復調された信号(複素信号)に対してデータの再割付処理(デマッピング処理)を行い、伝送データ系列を復元する。例えばISDB-TSB規格のOFDM信号を復調する場合であれば、デマッピング回路23は、QPSK、16QAM又は64QAMに対応したデマッピング処理を行う。デマッピング回路23は、復元された伝送データ系列を、ビットデインタリーブ回路24に供給する。
【0024】
ビットデインタリーブ回路24は、伝送制御情報復号回路31から供給された伝送制御情報に従って、デマッピング回路23から供給された伝送データ系列に対して、多値シンボルの誤り分散のためのビットインタリーブに対応したデインタリーブ処理を施し、デインタリーブ処理後の信号をデパンクチャ回路25に供給する。
【0025】
デパンクチャ回路25は、伝送制御情報復号回路31から供給された伝送制御情報に従って、ビットデインタリーブ回路24から供給された信号に対して、伝送ビットの削減のためのパンクチャリング処理に対応したデパンクチャリング処理を施し、デパンクチャリング処理後の信号をビダビ回路26に供給する。
【0026】
ビタビ回路26は、デパンクチャ回路25から供給された信号に対して、畳み込み符号化されたビット列の復号のためのビタビ復号処理を施し、ビタビ復号処理後の信号をバイトデインタリーブ回路27に供給する。
【0027】
バイトデインタリーブ回路27は、ビタビ回路26から供給された信号に対して、バイト単位でのデインタリーブ処理を施し、デインタリーブ処理後の信号を拡散信号除去回路28に供給する。
【0028】
拡散信号除去回路28は、バイトデインタリーブ回路27から供給された信号に対して、エネルギ拡散処理に対応したエネルギ逆拡散処理を施し、エネルギ逆拡散処理後の信号をトランスポートストリーム生成回路29に供給する。
【0029】
トランスポートストリーム生成回路29は、例えばヌルパケット等の各放送方式で規定されるデータを、ストリームの所定の位置に挿入する。また、トランスポートストリーム生成回路29は、断続的に供給されてくるストリームのビット間隔を平滑化して時間的に連続したストリームとする、いわゆるスムージング処理を行う。トランスポートストリーム生成回路29は、スムージング処理がされた伝送データ系列を、RS復号回路30に供給する。
【0030】
RS復号回路30は、伝送制御情報復号回路31から供給された伝送制御情報に従って、入力された伝送データ系列に対してリードソロモン復号処理を行い、MPEG-2システムズで規定されたトランスポートストリームとして出力する。
【0031】
伝送制御情報復号回路31は、OFDM伝送フレームの所定の位置に変調されているTMCCやTPCといった伝送制御情報を復号する。伝送制御情報復号回路31は、復号された伝送制御情報を、キャリア復調回路20、時間デインタリーブ回路22、デマッピング回路23、ビットデインタリーブ回路24、デパンクチャ回路25、およびRS復号回路30に供給する。伝送制御情報は、各回路の復調や再生等の制御に用いられる。
【0032】
チャンネル選択回路32は、チャンネル選択信号を生成し、これをチューナ12、同期回路17、およびキャリア復調回路20に供給する。
【0033】
次に、図2の同期回路17の詳細な構成例を図3を参照して説明する。なお、上記したように、同期回路17は、OFDM信号の搬送波周波数誤差の補正処理とともに、FFT回路19に対してFFT演算の演算開始タイミングを設定する処理を行なっているが、図が煩雑になるのを避けるため、図3の構成例には、OFDM信号の搬送波周波数誤差の補正処理を行なう部分のみを図示した(FFT演算の演算開始タイミングを設定する処理を行なう部分は図示を省略した)。
【0034】
搬送波周波数誤差補正回路61は、デジタル直交復調回路16から出力されたベースバンドのOFDM信号に対して、数値制御発振回路(NCO)69から供給される搬送波周波数誤差補正信号(複素信号)を複素乗算する。ベースバンドのOFDM信号は、搬送波周波数誤差補正信号が複素乗算されると、その中心周波数が、当該搬送波周波数誤差補正信号の周波数分シフトする。従って、OFDM信号の搬送波周波数誤差の補正(OFDM信号の中心周波数をキャリア周波数に一致させる処理)を行うことができる。
【0035】
ガードインターバル相関演算回路62は、搬送波周波数誤差補正回路61から供給されたベースバンドのOFDM信号を有効シンボル分遅延させた遅延信号を生成し、遅延していないOFDM信号と遅延したOFDM信号とを複素乗算して、その信号をガードインターバル長の遅延量の移動和演算を行うことにより、ガードインターバル部分の相関値を示す信号(ガード相関信号)を生成する。ガード相関信号は、OFDMシンボルの境界位置で振幅成分がちょうどピークとなる複素信号となる。ガードインターバル相関演算回路62は、ガード相関信号を角度変換回路64、およびシンボル境界検出回路63の二乗演算回路71に供給する。
【0036】
シンボル境界検出回路63は、二乗演算回路71、シンボル長周期カウンタ72、および最大値検出回路73により構成される。
【0037】
二乗演算回路71は、ガードインターバル相関演算回路62から出力されたガード相関信号(複素信号)の実数成分と虚数成分とをそれぞれ二乗し、二乗した値を加算して、二乗成分を算出し、二乗成分を最大値検出回路73に供給する。
【0038】
シンボル長周期カウンタ72は、OFDMシンボル長の周期で制御信号を最大値検出回路73に供給する。
【0039】
最大値検出回路73は、シンボル長周期カウンタ72からの制御信号に基づいて、1シンボル長区間に1度、二乗成分のピーク位置を検出し、そのピーク位置のタイミング(ピークタイミング)を角度変換回路64に出力する。
【0040】
角度変換回路64は、ガードインターバル相関演算回路62から入力されたガード相関信号、および最大値検出回路73から与えられたピークタイミングに基づいて、1シンボル長区間に1度、ピークタイミングにおけるガード相関信号の位相成分を検出する。従って、位相成分は、OFDM信号のシンボル境界位置におけるガード相関信号の位相を示す。
【0041】
この位相成分は、デジタル直交復号後のOFDM信号の中心周波数がずれていなければ、0となる。しかしながら、中心周波数がずれていれば、この位相成分は、そのずれ量分だけ位相回転する。つまり、位相成分は、デジタル直交復号後のOFDM信号の中心周波数のずれ量を示している。もっとも、この位相成分は、副搬送波の周波数間隔で1回転してしまうため、副搬送波の周波数間隔の±1/2以下の精度の情報となる。
【0042】
角度変換回路64は、検出したガード相関信号の位相成分(以下、ガード相関信号の位相成分をガードインターバル相関角度と称する)を移動平均フィルタ65に供給する。
【0043】
移動平均フィルタ65は、1シンボル長区間毎に1度だけ動作し、角度変換回路64から、シンボル単位で供給されるガードインターバル相関角度に対して、タップ数N(Nは自然数)の移動平均を算出して、ガードインターバル相関角度を平滑化して、平滑化されたガードインターバル相関角度を積分器66に供給する。
【0044】
積分器66は、遅延量1の遅延器を有し、移動平均フィルタ65から供給された、平滑化されたガードインターバル相関角度を累加算することにより、副搬送波の周波数間隔に対して±1/2以下の精度の周波数誤差である狭帯域搬送波周波数誤差を算出し、算出された狭帯域搬送波周波数誤差をNCO69に供給する。
【0045】
広帯域搬送波周波数誤差検出回路67は、FTT演算回路17から供給された、FFT演算された後の各副搬送波からパイロット信号を抽出し、そのパイロット信号のシンボル間の回転速度を算出する。パイロット信号の回転速度は、副搬送波の周波数間隔精度の搬送波周波数誤差量である広帯域搬送波周波数誤差を示す成分である。広帯域搬送波周波数誤差検出回路67は、算出した広帯域搬送波周波数誤差を積分器68に供給する。
【0046】
積分器68は、遅延量1の遅延器を有し、1シンボル長区間に1度だけ動作して、広帯域搬送波周波数誤差検出回路67から供給された、当該シンボルにおける広帯域搬送波周波数誤差を累加算して、累加算された広帯域搬送波周波数誤差をNCO69に供給する。
【0047】
NCO69は、積分器66から供給された狭帯域搬送波周波数誤差、および積分器68から供給された広帯域搬送波周波数誤差の和から、搬送波周波数誤差補正信号を生成し、生成された搬送波周波数誤差補正信号を搬送波周波数誤差補正回路61に供給する。
【0048】
一般に、OFDMの復調では、2種類の搬送波周波数誤差量を独立に検出し、その2種類の搬送波周波数誤差を加算して、NCO69に与える制御信号としている。2種類の搬送波周波数誤差のうちの一つは、副搬送波の周波数間隔の精度の周波数誤差である広帯域搬送波周波数誤差であり、もう一つは、副搬送波の周波数間隔に対して±1/2以下の精度の周波数誤差である狭帯域搬送波周波数誤差である。
【0049】
以上に説明したように、同期回路17では、狭帯域搬送波周波数誤差を、図3に示す、ガードインターバル相関演算回路62、シンボル境界検出回路63、角度変換回路64、移動平均フィルタ65、および積分器66により算出し、広帯域搬送波周波数誤差を、広帯域搬送波周波数誤差検出回路67および積分器68により算出する。
【0050】
次に、図3の広帯域搬送波周波数誤差検出回路67による広帯域搬送波周波数誤差の算出原理について説明する。
【0051】
OFDM信号には、一般に、TMCCパイロット信号等のような、位相および振幅が、ある特定の条件に定められている信号が含まれている。このパイロット信号は、有効シンボル内の複数のインデックスの副搬送波に挿入されている。有効シンボル内に含まれているパイロット信号の個数、およびその挿入位置の配置パターンは、予め規格により定められている。
【0052】
例えば、ISDB-TSB規格の3モードで、QPSKの場合、1つの有効シンボル内に512本の副搬送波(0乃至511)が存在する。この512本の副搬送波のうち、12本の副搬送波にTMCCパイロット信号およびACパイロット信号が含まれている。例えば、セグメントNO.0のセグメントでは、副搬送波のインデックス番号(信号が変調されている433本の範囲内)で示す場合、TMCCパイロット信号が、101番、131番、286番、および349番に配置され、ACパイロット信号が、7番、89番、206番、209番、226番、244番、377番、および407番に配置されている。このように、パイロット信号の配置パターンは、予め定められている。
【0053】
また、これらのTMCCパイロット信号およびACパイロット信号は、BPSK変調することにより、各副搬送波の位相のランダム化を図っている。
【0054】
広帯域搬送波周波数誤差検出回路67は、FFT演算回路19から供給された、FTT演算後のOFDM周波数領域信号に対して、例えば、時間的に前後したシンボル間で、2回の差動復調を行なうことにより、パイロット信号を抽出する。
【0055】
次に、図3の広帯域搬送波周波数誤差検出回路67の詳細な構成例を図4を参照して説明する。なお、図4は、ISDB-TSB規格のOFDM信号を受信する場合の広帯域搬送波周波数誤差検出回路67の構成例を表している。
【0056】
図4において、差動復調回路121は、ファーストインファーストアウトメモリ(以下、FIFOと略記する)131および132、符号反転回路133、並びに複素乗算回路134から構成されており、FTT演算回路19から供給されるOFDM周波数領域信号(Iチャンネルデータ、およびQチャンネルデータ)の差動復調を行うようになされている。すなわち、遅延されたIおよびQチャンネルデータと、新たに入力されたIおよびQチャンネルデータの位相差を算出して出力するようになされている。
【0057】
FIFO131および132は、それぞれ、IチャンネルデータとQチャンネルデータを1シンボル期間だけ遅延して出力するようになされている。符号反転回路133は、FIFO132の出力データの符号を反転して出力する。
【0058】
複素乗算回路134は、遅延されていないIチャンネルデータとQチャンネルデータをI,Qと表し、遅延されたIチャンネルデータとQチャンネルデータをそれぞれI-1,Q-1とそれぞれ表すと、以下の式(1)に示す複素演算を行い、演算結果を実数成分Iと虚数成分Qとに分けて出力するようになされている。なお、ここで、jは虚数を表す。
【0059】
(I+jQ)(I-1−jQ-1) ・・・(1)
【0060】
差動復調回路122は、FIFO141および142、符号反転回路143、並びに複素乗算回路144により構成されている。なお、差動復調回路122の複素乗算回路144は、複素乗算結果のI軸成分(実数成分)だけを差動復調データとして出力するようになされている。その他の構成は、差動復調回路121の場合と同様であるのでその説明は省略する。
【0061】
メモリ123は、複素乗算回路144から出力される1シンボル分の差動復調データを所定の順序で格納するようになされている。また、メモリ123は、パイロット信号選択データが供給されたとき、パイロット信号選択データで指定されたアドレスに記憶された差動復調データのみを読みだし、累加算回路126に供給する。
【0062】
パイロット信号選択データ発生回路124は、1つの有効シンボルを構成する複数の副搬送波(例えば、ISDB-TSB規格のモード3、QPSK変調の場合、512の副搬送波)の中からパイロット信号が変調されている複数の副搬送波(例えば、ISDB-TSB規格のモード3、QPSK変調の場合、12の副搬送波)の配置を特定するインデックス番号の集合データ保持しており、このインデックス番号の集合データを、メモリ123の読み出しアドレスを指定するパイロット信号選択データとしてメモリ123に出力するとともに、制御回路125の制御に応じて、そのデータを適宜シフトさせて(データに対して一律に所定の値を加算または減算して)複数のパイロット信号選択データを生成して出力するようになされている(詳細は後述する)。
【0063】
制御回路125は、パイロット信号選択データ発生回路124、累加算回路126、最大値検出回路127、ゲート回路129、および、周波数誤差記憶回路128を制御するようになされている。
【0064】
累加算回路126は、新たな1シンボル分のデータが入力される直前に制御回路125によりリセットされた後、メモリ123から出力される信号を累加算するようになされている。
【0065】
最大値検出回路127は、セレクタ151、RAM152、および、比較回路153により構成されており、累加算回路126から出力される各パイロット信号選択データにより選択された信号の累加算値の中で、最大値をとるものを検出するようになされている。
【0066】
セレクタ151は、比較回路153の制御に応じて、RAM152に格納されている値(現在までの最大値)と累加算回路126から新たに出力された累加算値のうち、大きい方を選択してRAM152に供給するようになされている。RAM152は、セレクタ151から供給された現在までの最大値を格納するようになされている。比較回路153は、累加算回路126の出力と、RAM152に格納されている値を比較し、その結果に応じてセレクタ151および161にイネーブル信号を出力する。
【0067】
周波数誤差記憶回路128は、セレクタ161およびRAM162により構成されており、最大値検出回路127により検出された最大値に対応するパイロット信号選択データのシフト量を記憶するようになされている。
【0068】
すなわち、セレクタ161は、比較回路153からのイネーブル信号の有無に応じて、制御回路125から出力されているパイロット信号選択データのシフト量またはRAM162に記憶されている現在までにおける累加算値の最大値に対応するパイロット信号選択データのシフト量の何れか一方を選択して、RAM162に供給するようになされている。RAM162は、セレクタ161から出力されたシフト量を記憶するようになされている。
【0069】
ゲート回路129は、全てのパイロット信号選択データに対する処理が終了した時点で、RAM162に記憶されている再生搬送波周波数誤差つまりパイロット信号選択データパターンのシフト量を出力するようになされている。
【0070】
次に、図4の広帯域搬送波周波数誤差検出回路67の動作について図5乃至図7を参照して説明する。
【0071】
FFT演算回路19により副搬送波成分に分解されたIチャンネルデータおよびQチャンネルデータは、1段目の差動復調回路121に入力される。
【0072】
1段目の差動復調回路121においては、FIFO131およびFIFO132により、IチャンネルデータおよびQチャンネルデータが1シンボル期間だけ遅延されて、複素乗算回路134と符号反転回路133にそれぞれ出力される。符号反転回路133は、FIFO132の出力データの符号を反転して複素乗算回路134に出力する。
【0073】
複素乗算回路134は、前述の式(1)に従って、1シンボル前と現在のデータの位相差を算出して、I成分とQ成分を出力する。
【0074】
2段目の差動復調回路122においても、前述の差動復調回路121と同様の処理が行われ、得られたデータのうち、I軸のデータのみが出力される。
【0075】
図5は1段目および2段目の差動復調回路121および122による差動復調処理の結果得られるデータ信号とパイロット信号との位相変遷を示す図である。パイロット信号はBPSK変調されているものとする。
【0076】
図5AはFFT演算により各副搬送波周波数成分に分解されたIチャンネルデータおよびQチャンネルデータをシンボル毎に位相平面上に示したものである。Da(n),Db(n)は、第n番目のOFDMシンボルのFFT後の副搬送波周波数がDa,Dbであるデータ信号をそれぞれ示している。また、Pa(n),Pb(n),Pc(n)は、第n番目のOFDMシンボルのFFT後の副搬送波周波数がPa,Pb,Pcであるパイロット信号をそれぞれ示している。パイロット信号は、本来、一定の振幅および位相情報を有しているが、再生搬送波周波数誤差等の影響により、シンボル毎に多少の位相回転を生じている場合がある。
【0077】
また、図5Bは、1段目の差動復調回路121の出力I,Qをシンボル毎に位相平面上に示したものであり、dDa(n),dDb(n)はそれぞれ副搬送波周波数がDa,Dbである第(n−1)番目のシンボルと第n番目のシンボルとの差動復調信号である。またdPa(n),dPb(n),dPc(n)はそれぞれ副搬送波周波数がPa,Pb,Pcである第(n−1)番目のシンボルと第n番目のシンボルと差動復調信号である。
【0078】
さらに、図5Cは、2段目の差動復調回路122の出力を示しており、ddDa,ddDbは、それぞれ副搬送波周波数がDa,Dbである第(n−1)番目のシンボルと第n番目シンボルを差動復調したものと、第n番目のシンボルと第(n+1)番目のシンボルとを差動復調したものとを、さらに、差動復調した結果である。またddPa,ddPb,ddPcはそれぞれ副搬送波周波数Pa,Pb,Pcの第(n−1)番目のシンボルと第n番目シンボルを差動復調したものと、第n番目のシンボルと第(n+1)番目シンボルを差動復調したものとをさらに差動復調した結果である。
【0079】
パイロット信号Pa,Pb,Pcは、パイロット信号が一定位相の信号である。例えば、ISDB-TSB規格の場合、パイロット信号は、差動BPSK変調されているため、連続するシンボル間の位相差は0度(0radian)または180度(πradian)となっている。このことから、1段目の差動復調ではFFT窓位相誤差、再生搬送波位相誤差が除外され、再生搬送波周波数誤差、および再生クロック周波数誤差に依存した位相誤差が残る。なお、1段目の差動復調後に残った位相誤差はいずれも時間に依存しないため、差動復調後のデータ間で一定となる。そこで、さらに2段目の差動復調を1段目の差動復調が施されたデータの間で行うことで、1段目の差動復調で残った位相誤差を取り除くことができる。その結果、パイロット信号はI軸上の値に収束する(図5C参照)。
【0080】
一方、データ信号Da,Dbはシンボル間でランダムな位相を取るために、差動復調を行った後もその位相はデータ毎にランダムになり、その結果、I軸データもI軸上でランダムに分散する。従って、パイロット信号のみが取り出されたI軸データを累加算した結果は、データ信号のみが取り出されたI軸データを累加算した結果に比べて遥かに大きい値となり、この累加算の最大値がどのパイロット信号選択データにより得られたかを判断することによって再生周波数誤差を推定することが出来る。
【0081】
差動復調回路122から出力される差動復調データ(I)は、出力される順番にメモリ123に記憶されていく。そして、差動復調データが1シンボル分、メモリ123に記憶されると、以下に述べる再生搬送波周波数誤差推定処理が実行される。
【0082】
再生搬送波周波数誤差推定処理が実行されると、先ず、累加算データを記憶しておくRAM152は、制御回路125から出力される信号cによって初期化され、値0が書き込まれる。また同時に、周波数誤差記憶回路128の周波数誤差量を記憶するRAM162も、制御回路125の信号cによって初期化されて値0が書き込まれる。なお、RAM152および162の初期化は、1シンボルに対する再生搬送波周波数誤差推定処理が実行される直前に繰り返し実行される。
【0083】
そして、制御回路125は、パイロット信号選択データ発生回路124を制御し、パイロット信号選択データの発生を開始させる。ここで、パイロット信号選択データ発生回路124の詳細な動作について以下に説明する。
【0084】
図6Aは、送信装置で搬送波周波数により変調される前の副搬送波周波数を表し、図6Bは、送信装置で搬送波周波数fcにより変調された副搬送波を表し、図6Cは、受信装置により復調された副搬送波を表している。Δfは、副搬送波周波数間隔を表している。副搬送波周波数間隔Δfの副搬送波は、送信装置で、搬送波周波数fcにより変調され、受信装置に送信される。受信装置は、受信された信号を復調する。正確に搬送波周波数fcで復調することができれば、副搬送波は、図6Aの状態に戻ることができるが、正確に搬送波周波数fcで復調することはできず、(搬送波周波数fc)+(搬送波周波数誤差fe)の周波数で復調されてしまう。その結果、図6Cに示されるように、副搬送波は、搬送波周波数誤差fe分だけ、ずれた位置に復調されてしまう。
【0085】
ここで、パイロット信号が、インデックス番号7,89,101,131,206,209,226,244,286,349,377,407の副搬送波に変調されていたとする。再生搬送波が周波数誤差を含んでいない場合、パイロット信号選択データ発生回路124が、パイロット信号選択データ(パイロット信号の序数の集合)として、第7番目、第89番目、第101番目、第131番目、第206番目、第209番目、第226番目、第244番目、第286番目、第349番目、第377番目、および第407番目を選択する情報を出力した場合、上記した理由により、累加算回路126により算出される累加算値が最大となる。
【0086】
一方、再生搬送波が1副搬送波周波数間隔分だけ高い方向に搬送波周波数誤差feを含んでいた場合、パイロット信号は、第8番目、第90番目、第102番目、第132番目、第207番目、第210番目、第227番目、第245番目、第287番目、第350番目、第378番目、および第408番目に配置されることになるので、全ての情報を1搬送波周波数間隔だけ高い方にシフトさせたパイロット信号選択データがパイロット信号選択データ発生回路124から出力された場合、累加算回路126により算出される累加算値が最大となる。
【0087】
従って、パイロット信号選択データ発生回路124は、パイロット信号選択データとして、送信側において規定されている、パイロット信号の配置パターンを、周波数軸上において、高周波側または低周波側にそれぞれ搬送波周波数間隔ずつシフトさせたものを複数用意している。
【0088】
図7は、そのようなパイロット信号選択データの一例を示している。
【0089】
図7において、fe=0におけるデータは、パイロット信号が変調されている副搬送波のインデックス番号により構成され、この集合データは、規格で定められている。図7においては、集合データは、12個のインデックス番号により構成されている。また、fe=−Δf、およびfe=−2Δfは、規格で定められたfe=0におけるデータを、周波数軸上において、低周波側にそれぞれ1または2搬送波周波数間隔だけシフトさせたものである。また、fe=−10Δfは、規格で定められたfe=0におけるデータを、周波数軸上において、低周波側に10搬送波周波数間隔だけシフトさせたものである。
【0090】
一方、fe=Δf、およびfe=2Δfは、規格で定められたfe=0におけるデータを、周波数軸上において、高周波側にそれぞれ1または2搬送波周波数間隔だけシフトさせたものである。また、fe=10Δfは、規格で定められたfe=0におけるデータを、周波数軸上において、高周波側に10搬送波周波数間隔だけシフトさせたものである。なお、図示は省略しているが、fe=−3Δf乃至fe=−9Δfの情報、およびfe=3Δf乃至fe=9Δfの情報も、パイロット信号選択データとして含まれている。
【0091】
なお、例えば、fe=−10Δfのように、シフト量が所定の値より大きい場合、fe=0のインデックス番号を10だけシフトさせると、値が0以下になってしまうことがある。この場合、インデックス番号をマイナスにするのではなく、インデックス番号(例えば、0乃至511)をサイクリックにくり返す。
【0092】
パイロット信号選択データ発生回路124は、制御回路125に制御され、最初のパイロット信号選択データとしてfe=−10Δfに示す情報を発生し、メモリ123に供給する。そして、処理の進行に同期して、1シンボル期間中に、fe=−9Δf、fe=−8Δf、fe=−7Δf、fe=−6Δfの順番で、fe=10Δfまで、fe=−9Δf乃至fe=10Δfに示すデータを逐次発生してメモリ123に出力する。
【0093】
メモリ123は、パイロット信号選択データ発生回路124から出力されたパイロット信号選択データによって指定されるアドレスに格納されているデータを逐次読み出して、累加算回路126に供給する。例えば、パイロット信号選択データ発生回路124から、図7に示されるように、fe=−10Δf乃至fe=10Δfの21パターンのデータが供給された場合、メモリ123は、各パターン毎に、12個のデータを読み出して、累加算回路126に供給する。従って、累加算回路126には、12個のデータが、21パターン分供給される。
【0094】
累加算回路126は、パイロット信号選択データにより選択された、1搬送波周波数誤差量分の2回差動復調データ(図7の場合12個のインデックス番号に対応してメモリ123から読み出された12個のデータ)がメモリ123から供給されると、例えば、それらの2回差動復調データの絶対値を全て累加算して、順次出力する。この累加算回路126は、1シンボル期間内に、図7に示されるような21パターンのパイロット信号選択データが1パターンずつメモリ123に供給される度にリセットされる。従って、累加算回路126は、1シンボル期間内の、例えば、21個の累加算結果を、1つずつ、順次出力してゆくことになる。累加算回路126は、累加算結果を、最大値検出回路127のセレクタ151および比較回路153に供給する。
【0095】
累加算回路126の演算結果は、最大値検出回路127の比較回路153とセレクタ151に供給される。またセレクタ151には同時にRAM152で記憶された値が供給されている。比較回路153は、累加算回路126から新たに供給された累加算値と、RAM152に記憶されているこれまでで最大の累加算値とを比較し、累加算回路126から新たに供給された累加算値が、RAM152に記憶されているこれまでで最大の累加算値より大きい場合、イネーブル信号をセレクタ151およびセレクタ161に供給する。セレクタ151は、比較回路153からイネーブル信号が供給された場合、累加算回路126から供給された累加算値をRAM152に記憶させる。RAM152に供給された値は、次の比較動作に用いられる。従って、RAM152には、累加算回路126から供給される、例えば21個の累加算値のうち、最も大きい値が格納されることになる。また、1シンボル期間内で、比較回路153から最後にイネーブル信号が発生されるタイミングは、例えば、21個の累加算値のうち、最も大きい累加算値が選択されたときとなる。なお、RAM152は、1シンボル期間毎に内部データが消去される。
【0096】
周波数誤差記憶回路128のセレクタ161には、制御回路125から、パイロット信号選択データ発生回路124に供給するシフト量feが、パイロット信号選択データ発生回路124に供給されるタイミングに同期して供給される。セレクタ161は、制御回路125から供給されるパイロット信号選択データのシフト量fe、または、RAM162に記憶されているこれまでの最大値に対応するシフト量feの何れかを、比較回路153からの出力に応じて選択してRAM162に供給する。すなわち、セレクタ161は、比較回路153から、イネーブル信号が供給された場合、そのときに制御回路125から供給されたシフト量feを選択して、RAM162に記憶させ、比較回路153から、イネーブル信号が供給されていない場合、RAM162に記憶されたシフト量feを継続して記憶させる。これにより、RAM162には、累加算値が最も大きいときのシフト量feが記憶されることになる。
【0097】
制御回路125は、最大値検出回路127または周波数誤差記憶回路128のRAM152および162が更新されると、パイロット信号選択データ発生回路124を制御して、次のパイロット信号選択データを次々と発生させ、上記の一連の相関値最大値検出動作を繰り返し実行させる。
【0098】
制御回路125は、最後のパイロット信号選択データに対する処理が終了した時点でゲート回路129を信号dにより制御し、RAM162に記憶されている再生搬送波周波数誤差、つまり最大値に対応するパイロット信号選択データのシフト量feを出力する。再生搬送波周波数誤差は、図3の積分器68に供給される。
【0099】
以上、広帯域搬送波周波数誤差検出回路67は、IチャンネルデータおよびQチャンネルデータに対して2段の差動復調を施した後に、シフトされた複数のパイロット信号選択データを用いて再生搬送波周波数の誤差を検出して補正する。
【0100】
【非特許文献1】
「地上デジタル音声放送用受信装置 標準規格(望ましい仕様) ARIB STD-B30 1.1版」,社団法人電波産業界,平成13年5月31日 策定,平成14年3月28日 1.1改定,p.10−14
【0101】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示される従来の広帯域搬送波周波数誤差検出回路67は、広帯域搬送波周波数誤差を検出するために、パイロット信号を用いるが、例えば、ISDB-TSB規格では、1OFDMシンボルに含まれるTMCCパイロット信号およびACパイロット信号の総数は、モード1で3本、モード3で12本と、非常に少ない。
【0102】
上述したように、広帯域搬送波周波数誤差検出回路67は、パイロット信号のみが取り出されたI軸データを累加算した結果は、データ信号のみが取り出されたI軸データを累加算した結果に比べて遥かに大きい値となることを利用して、広帯域搬送波周波数誤差を検出している。
【0103】
ところが、1OFDMシンボルに含まれるパイロット信号が少ない場合、パイロット信号のみが取り出されたI軸データを累加算した結果が、データ信号のみが取り出されたI軸データを累加算した結果と、あまり変わらない値になってしまうことがあり、広帯域搬送波周波数誤差を精度良く検出することができないという課題があった。
【0104】
例えば、受信されたOFDM信号に雑音や誤差が含まれていた場合、パイロット信号のみが取り出されたI軸データを累加算した結果より、データ信号のみが取り出されたI軸データを累加算した結果のほうが、大きな値になってしまう可能性がある。
【0105】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より高精度に搬送波周波数誤差を検出することができるようにするものである。
【0106】
【課題を解決するための手段】
本発明のOFDM信号復調装置は、搬送波周波数誤差を補正するための搬送波周波数誤差補正信号とOFDM信号とを複素乗算する搬送波周波数誤差補正手段と、搬送波周波数誤差補正手段により補正されたOFDM信号を1OFDMシンボル単位でフーリエ変換して周波数領域信号を生成する変換手段と、周波数領域信号を用いて、OFDM信号の搬送波周波数誤差を算出する搬送波周波数誤差算出手段とを備え、搬送波周波数誤差算出手段は、累積加算する OFDM シンボル中のパイロット信号の総数が所定の数になるようなシンボル数にわたって、周波数領域信号に基づくデータを累積加算することを特徴とする。
【0109】
本発明のOFDM信号復調方法は、搬送波周波数誤差を補正するための搬送波周波数誤差補正信号とOFDM信号とを複素乗算する搬送波周波数誤差補正ステップと、搬送波周波数誤差補正ステップの処理により補正されたOFDM信号を1OFDMシンボル単位でフーリエ変換して周波数領域信号を生成する変換ステップと、周波数領域信号を用いて、OFDM信号の搬送波周波数誤差を算出する搬送波周波数誤差算出ステップとを含み、搬送波周波数誤差算出ステップの処理は、累積加算する OFDM シンボル中のパイロット信号の総数が所定の数になるようなシンボル数にわたって、周波数領域信号に基づくデータを累積加算することを特徴とする。
【0110】
本発明のOFDM信号復調装置および方法においては、搬送波周波数誤差を補正するための搬送波周波数誤差補正信号とOFDM信号とが複素乗算され、補正されたOFDM信号が1OFDMシンボル単位でフーリエ変換されて周波数領域信号が生成され、周波数領域信号を用いて、OFDM信号の搬送波周波数誤差が算出される。また、累積加算する OFDM シンボル中のパイロット信号の総数が所定の数になるようなシンボル数にわたって、周波数領域信号に基づくデータが累積加算される
【0111】
本発明は、例えばOFDM信号受信装置に適用することができる。
【0112】
【発明の実施の形態】
図8は、本発明を適用した受信装置201の構成例を表している。
【0113】
図8において、アンテナ211は、放送局により放送されたデジタル放送の放送を受信し、RF信号としてチューナ212に供給する。
【0114】
チューナ212は、乗算器212aおよび局部発振器212bを有し、アンテナ211から供給されたRF信号を、IF信号に周波数変換し、IF信号をバンドパスフィルタ(BPS)213に供給する。
【0115】
BPS213は、チューナ212から供給されたIF信号をフィルタリングして、A/D変換回路214に供給する。
【0116】
A/D変換回路214は、BPS213から供給されたIF信号をA/D変換し、デジタル化されたIF信号をDC(Direct Current)キャンセル回路215に供給する。
【0117】
DCキャンセル回路215は、A/D変換回路214から供給されたIF信号のDC成分を除去し、DC成分が除去されたIF信号をデジタル直交復調回路216に供給する。
【0118】
デジタル直交復調回路216は、DCキャンセル回路215から供給されたIF信号を、所定の周波数(搬送波周波数)の搬送波信号により直交復調し、ベースバンドのOFDM信号(OFDM時間領域信号)を生成する。デジタル直交復調回路216により生成されたベースバンドのOFDM信号は、実軸成分(Iチャネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号となる。デジタル直交復調回路216は、生成したOFDM時間領域信号を搬送波周波数誤差補正回路217に供給する。
【0119】
搬送波周波数誤差補正回路217は、デジタル直交復調回路216から供給されたOFDM時間領域信号に対して、NCO234から供給された搬送波周波数誤差補正信号を複素乗算し、OFDM信号の搬送波周波数誤差成分を除去する。搬送波周波数誤差補正回路217は、搬送波周波数誤差成分が除去されたOFDM信号をFFT演算回路218、タイミング同期回路231、および狭帯域搬送波周波数誤差検出回路232に供給する。
【0120】
FTT演算回路218は、タイミング同期回路231からのFTT演算開始タイミングの指示に基づいて、搬送波周波数誤差補正回路217から供給されたOFDM時間領域信号に対してFTT演算を行い、各副搬送波に直交変調されているデータを抽出して、抽出されたデータを、FFT窓位相誤差補正回路219に供給する。FFT演算回路218から出力される信号は、FFTされた後のいわゆる周波数領域の信号である。このことから、以下、FFT演算後の信号をOFDM周波数領域信号と称する。
【0121】
FFT窓位相誤差補正回路219は、FFT演算回路218から供給されたOFDM周波数領域信号に対して、OFDMシンボルの実際の境界位置と、FFT演算範囲の開始タイミングとのずれによって生じてしまう位相回転成分の補正を行う。すなわち、FFT窓位相誤差補正回路219は、サンプリング周期以下の精度で生じるずれを位相補正している。具体的には、FFT演算回路218から出力されるOFDM周波数領域信号に対して、タイミング同期回路231から供給される位相補正信号(複素信号)を複素乗算して、位相回転補正を行う。位相回転補正がされたOFDM周波数領域信号は、等化回路220、広帯域搬送波周波数誤差検出回路233、フレーム同期回路235、および伝送制御情報復号回路236に供給される。
【0122】
等化回路220は、フレーム同期回路235から供給されるOFDMシンボル番号を基準にして、パイロット信号を特定し、特定されたパイロット信号を用いて、OFDM周波数領域信号の位相等化、および振幅等化を行い、位相等化、および振幅等化を実行されたOFDM周波数領域信号をデインタリーブ・誤り訂正回路221に供給する。
【0123】
デインタリーブ・誤り訂正回路221は、等化回路220から供給されたOFDM周波数領域信号の各搬送波に変調されている情報を、その変調方式に応じて検波し、デマッピング処理等を行って、データを復号する。その後、デインタリーブ・誤り訂正回路221は、復号されたデータに対して、誤り訂正処理を行って、OFDM復調データをトランスポートストリーム生成回路222に供給する。
【0124】
トランスポートストリーム生成回路222は、デインタリーブ・誤り訂正回路221から供給されたOFDM復調データに対して、放送方式で規定されたタイミングに基づいて、所定のデータ信号を多重するとともに、デインタリーブ・誤り訂正回路221から供給される断続的なOFDM復調データを、TSクロック生成回路237から供給されるTSクロックを用いて、平滑化して連続的に出力するようにスムージング処理を行い、MPEG-2トランスポートストリーム(TS)を出力する。なお、OFDM復調データに対して多重する所定のデータ信号は、例えば、ISDB-TSB規格では、OFDM信号で伝送されないヌルパケットである。
【0125】
タイミング同期回路231は、搬送波周波数誤差補正回路217から供給されたOFDM時間領域信号に基づいて、OFDMシンボルの境界位置を特定し、FTT演算回路218がFTT演算を行なうべきタイミングを求め、求められたタイミングをFTT演算回路218に通知する。また、タイミング同期回路231は、OFDM時間領域信号のデータ生成クロック周波数と受信装置201のクロック周波数の違いから生じるクロック周波数誤差を推定し、この推定値(クロック周波数誤差信号)をFFT窓位相誤差補正回路219およびTSクロック生成回路237に通知する。さらに、タイミング同期回路231は、特定したOFDMシンボルの境界位置を、後述する広帯域搬送波周波数誤差検出回路233の制御回路303に通知する。
【0126】
狭帯域搬送波周波数誤差検出回路232は、搬送波周波数誤差補正回路217から供給されたOFDM時間領域信号に基づいて、副搬送波の周波数間隔(例えば0.992kHz)の±1/2以下の精度の狭帯域搬送波周波数誤差を算出し、算出された狭帯域搬送波周波数誤差をNCO234に供給する。狭帯域搬送波周波数誤差検出回路232は、従来の受信装置におけるガードインターバル相関演算回路62、シンボル境界検出回路63、角度変換回路64、移動平均フィルタ65、および積分器66により構成されるようにしても良い。
【0127】
広帯域搬送波周波数誤差検出回路233は、FTT窓位相誤差補正回路219から供給されたOFDM周波数領域信号に基づいて、副搬送波の周波数間隔(例えば0.992kHz)精度の広帯域副搬送波周波数誤差を算出し、算出された広帯域副搬送波周波数誤差をNCO234に供給する。
【0128】
NCO234は、狭帯域搬送波周波数誤差検出回路232から供給された狭帯域搬送波周波数誤差、および広帯域搬送波周波数誤差検出回路233から供給された広帯域副搬送波周波数誤差を加算し、加算して得られた搬送波周波数誤差に応じて、周波数が増減する搬送波周波数誤差補正信号を生成し、生成された搬送波周波数誤差補正信号を搬送波周波数誤差補正回路217に供給する。なお、搬送波周波数誤差補正信号は、複素信号である。
【0129】
フレーム同期回路235は、FFT窓位相誤差補正回路219から供給されたOFDM周波数領域信号に基づいて、OFDM伝送フレームの所定の位置に含まれる同期ワードを検出して、OFDM伝送フレームの開始タイミングを特定し、特定されたOFDM伝送フレームの開始タイミングに基づいて、OFDMシンボル番号を算出し、これを等化回路220に供給する。
【0130】
伝送制御情報復号回路236は、FFT窓位相誤差補正回路219から供給されたOFDM周波数領域信号に基づいて、所定の副搬送波位置に変調されている、例えばTMCCやTPS等のような伝送制御情報を復号する。伝送制御情報復号回路236は、復号した伝送制御情報を、例えば、図示せぬシステムコントローラ等に供給する。システムコントローラは、供給された伝送制御情報を用いて、復調や再生の処理を制御する。
【0131】
TSクロック生成回路237はタイミング同期回路231から供給されたクロック周波数誤差信号を用いて、受信されたOFDM信号に同期したTSクロックを生成し、生成されたTSクロックをトランスポートストリーム生成回路222に供給する。
【0132】
次に、図9は、図8の広帯域搬送波周波数誤差検出回路233の詳細な構成例を表している。
【0133】
図9において、差動復調回路301は、角度変換回路321、FIFO322、および減算回路323により構成されている。差動復調回路301の角度変換回路321は、図8のFFT窓位相誤差補正回路219から供給された複素数信号(OFDM周波数領域信号)の、I軸とQ軸により形成される平面上での角度を求め、求められた角度に基づく角度信号をFIFO322および減算回路323に供給する。
【0134】
FIFO322は、角度変換回路321から供給された角度信号を、1シンボル長分遅延させて、減算回路323に供給する。減算回路323は、角度変換回路321から供給された角度信号、およびFIFO322から供給された角度信号に基づいて、角度変換回路321により求められた角度から、FIFO322により遅延された角度を差し引くことにより、差動復調を行い、差動復調結果をパイロット相関演算回路305−1乃至305−2n(nは、2以上の整数)に供給する。
【0135】
パイロット信号位置発生回路302は、制御回路303から、OFDM周波数領域信号のシンボル開始位置が通知されると、このシンボル開始位置に基づいて、入力されたOFDM周波数領域信号に対して、パイロット信号が挿入されているべき位置にフラグ(以下、累加算実行フラグと称する)を発生し、発生された累加算実行フラグを、パイロット相関演算回路305−1の累加算回路333−1、および遅延器304−1に通知する。なお、パイロット信号位置発生回路302は、搬送波周波数誤差feが、fe=−NΔfである場合の累加算実行フラグを発生する。
【0136】
制御回路303は、タイミング同期回路231から、OFDM周波数領域信号のシンボル開始位置を通知されると、OFDM周波数領域信号のシンボル開始位置をパイロット信号位置発生回路302、および累加算回路333−1乃至333−2nに、適宜、通知する。また、制御回路303は、累加算回路333−1乃至333−2nにより累加算するシンボル数を自らに設定しており、パイロット相関演算回路305−1が設定されたシンボル中の累加算を終了したタイミングでフラグ(以下、第1の累加算終了フラグと称する)を発生し、発生された第1の累加算終了フラグをカウンタ306、並びにセレクタ351および371に通知する。また、制御回路303は、パイロット相関演算回路305−2nが設定されたシンボル中の累加算を終了したタイミングでフラグ(以下、第2の累加算終了フラグと称する)を発生し、発生された第2の累加算終了フラグをゲート回路310に通知する。
【0137】
遅延量1の遅延器304−1乃至304−(2n−1)は、累加算実行フラグが供給されると、供給された累加算実行フラグを1動作分だけ遅延させて出力する。なお、上記したように、nは、2以上の整数である。
【0138】
パイロット相関演算回路305−1は、位相補正回路331−1、尤度変換回路332−1、および累加算回路333−1により構成される。位相補正回路331−1は、差動復調回路301から供給された角度信号を、搬送波周波数誤差量とガードインターバル長に基づいて位相補正し、位相補正された角度信号を尤度変換回路332−1に供給する。なお、位相補正回路331−1による位相補正の詳細な説明は後述する。尤度変換回路332−1は、位相補正回路331−1から供給された角度信号を、0度(0radian)および180度(2πradian)の場合に、最大値(例えば1)をとり、90度(π/2radian)および270度(3π/2radian)の場合に、最低値(例えば−1)をとるように、尤度変換する。尤度変換回路332−1は、尤度変換して得られた算出値を累加算回路333−1に供給する。累加算回路333−1は、累加算実行フラグが入力された場合、尤度変換回路332−1から供給された算出値を累加算し、適宜、累加算した算出値をセレクタ307に出力する。また、累加算回路333−1は、制御回路303から、OFDM周波数領域信号のシンボル開始位置が通知されると、保持している累加算値をリセットする。これにより、設定された数のシンボルにおけるパイロット相関を演算する。
【0139】
パイロット相関演算回路305−(n−1)乃至305−2nの位相補正回路331−(n−1)乃至331−2nは、パイロット相関演算回路305−1の位相補正回路331−1と同様、差動復調回路301から供給された角度信号を、搬送波周波数誤差量とガードインターバル長に基づいて位相補正し、位相補正された角度信号を尤度変換回路332−(n−1)乃至332−2nに供給する。ただし、位相補正回路331−(n−1)乃至331−2nは、それぞれ異なる搬送波周波数誤差量が設定されており、それぞれに設定された、異なる搬送波周波数誤差量に基づいて、位相補正を行う。なお、nは、2以上の整数である。
【0140】
また、パイロット相関演算回路305−(n−1)乃至305−2nの尤度変換回路332−(n−1)乃至332−2n、および累加算回路333−(n−1)乃至333−2nは、それぞれ、パイロット相関演算回路305−1の尤度変換回路332−1、および累加算回路333−1と同様の動作を実行するため、説明は省略する。
【0141】
カウンタ306は、制御回路303から、第1の累加算終了フラグが供給された場合、カウントを開始し、−nから(n−1)までカウントする。カウンタ306は、1カウントごとに、セレクタ307、およびセレクタ371に対して、カウントした値を通知する。なお、パイロット相関演算回路305−1乃至305−2nは、それぞれに設定された搬送波周波数誤差量に応じて、累加算するタイミングがずれるため、カウンタ306の出力と、それぞれのパイロット相関演算回路305−1乃至305−2nの累加算終了のタイミングは同期する。
【0142】
セレクタ307は、カウンタ306から供給される値に従って、パイロット相関演算回路305−1乃至305−2nの累加算回路333−(n−1)乃至333−2nから、順次、累加算値を読み出し、読み出した累加算値を、最大値検出回路308のセレクタ351および比較回路353に供給する。
【0143】
すなわち、セレクタ307は、カウンタ306から、−nが供給された場合、累加算回路333−1に記憶された累加算値を読み出し、以降も、順次、カウンタ306から、−2が供給された場合、累加算回路333−(n−1)に記憶された累加算値を読み出し、カウンタ306から、−1が供給された場合、累加算回路333−nに記憶された累加算値を読み出し、カウンタ306から、0が供給された場合、累加算回路333−(n+1)に記憶された累加算値を読み出し、カウンタ306から、n−1が供給された場合、累加算回路333−2nに記憶された累加算値を読み出し、読み出した累加算値を、最大値検出回路308のセレクタ351および比較回路353に供給する。
【0144】
最大値検出回路308は、セレクタ351、レジスタ352、および比較回路353により構成され、セレクタ307から供給された累加算値の中で最大値をとるものを検出する。
【0145】
セレクタ351は、比較回路353の制御に応じて、レジスタ352に格納されている値(現在までの最大値)とセレクタ307から新たに供給された累加算値のうち、大きい方を選択してレジスタ352に供給する。また、セレクタ351は、制御回路303から第1の累加算終了フラグが供給された場合、レジスタ352に、セレクタ307から供給された累加算値を格納させる(それまで格納されていた値は消去される)。レジスタ352は、セレクタ351から供給された現在までの最大値を格納する。比較回路353は、セレクタ307から供給された累加算値と、レジスタ352に格納されている値を比較し、セレクタ307から供給された累加算値が、レジスタ352に格納されている値より大きかった場合、セレクタ351および371にイネーブル信号を出力する。
【0146】
周波数誤差記憶回路309は、セレクタ371およびレジスタ372により構成され、最大値検出回路308により最大値が検出されたタイミングで、カウンタ306から入力された値を記憶する。
【0147】
すなわち、セレクタ371は、カウンタ306から値が入力された場合、カウンタ306から入力された値、およびレジスタ372に格納されている値のうちいずれか一方を選択して、レジスタ372に格納する。具体的には、セレクタ371は、比較回路353からイネーブル信号が入力された場合、カウンタ306から入力された値を、レジスタ372に格納し、比較回路353からイネーブル信号が入力されていない場合、レジスタ372から供給された値をレジスタ372に再格納する。また、セレクタ371は、制御回路303から第1の累加算終了フラグが供給された場合、レジスタ372に、セレクタ371から供給された累加算値を格納させる(それまで格納されていた値は消去される)。
【0148】
これにより、パイロット相関演算回路305−1乃至305−2nのうち、最も大きい累加算値を算出したパイロット相関演算回路を特定することができ、結果的に、搬送波周波数誤差量を特定することができる。周波数誤差記憶回路309は、セレクタ307から最も大きい累加算値が出力された場合にカウンタ306から供給された値を、搬送波周波数誤差量の推定値として記憶する。
【0149】
ゲート回路310は、制御回路303から、第2の累加算終了フラグが供給されたタイミングで、レジスタ372に格納されている値を、1シンボルにおける搬送波周波数誤差量としてラッチし、図8のNCO234に出力する。
【0150】
次に、図10のフローチャートを参照して、受信装置201の受信処理について説明する。
【0151】
図10のステップS1において、チューナ212は、アンテナ211に受信されたRF信号を、IF信号に周波数変換し、IF信号をバンドパスフィルタ(BPS)213に供給する。
【0152】
ステップS2において、BPS213は、チューナ212から供給されたIF信号をフィルタリングして、A/D変換回路214に供給する。
【0153】
ステップS3において、A/D変換回路214は、BPS213から供給されたIF信号をA/D変換し、デジタル化されたIF信号をDCキャンセル回路215に供給する。
【0154】
ステップS4において、DCキャンセル回路215は、A/D変換回路214から供給されたIF信号のDC成分を除去し、DC成分が除去されたIF信号をデジタル直交復調回路216に供給する。
【0155】
ステップS5において、デジタル直交復調回路216は、DCキャンセル回路215から供給されたIF信号を、搬送波周波数の搬送波信号により直交復調して、ベースバンドのOFDM信号(OFDM時間領域信号)を生成し、生成したOFDM時間領域信号を搬送波周波数誤差補正回路217に供給する。
【0156】
ステップS6において、搬送波周波数誤差補正回路217は、デジタル直交復調回路216から供給されたOFDM時間領域信号に対して、NCO234から供給された搬送波周波数誤差補正信号を複素乗算して、OFDM信号の搬送波周波数誤差成分を除去し、搬送波周波数誤差成分が除去されたOFDM信号をFFT演算回路218、タイミング同期回路231、および狭帯域搬送波周波数誤差検出回路232に供給する。
【0157】
ステップS7において、タイミング同期回路231は、搬送波周波数誤差補正回路217から供給されたOFDM時間領域信号に基づいて、OFDMシンボルの境界位置を特定し、FTT演算回路218がFTT演算を行うべきタイミングを求め、求められたタイミングをFTT演算回路218に通知するとともに、OFDM時間領域信号のデータ生成クロック周波数と受信装置201のクロック周波数の違いから生じるクロック周波数誤差値を求め、これをFFT窓位相誤差補正回路219およびTSクロック生成回路237に通知する。
【0158】
ステップS8において、FTT演算回路218は、タイミング同期回路231からのFTT演算開始タイミングの指示に基づいて、搬送波周波数誤差補正回路217から供給されたOFDM時間領域信号に対してFTT演算を行い、各副搬送波に直交変調されているデータを抽出して、抽出されたデータ(OFDM周波数領域信号)を、FFT窓位相誤差補正回路219に供給する。
【0159】
ステップS9において、FFT窓位相誤差補正回路219は、FFT演算回路218から供給されたOFDM周波数領域信号に対して、タイミング同期回路231から供給された位相補正信号(複素信号)を複素乗算して、位相回転成分の補正を行い、補正後のOFDM周波数領域信号を等化回路220、広帯域搬送波周波数誤差検出回路233、フレーム同期回路235、および伝送制御情報復号回路236に供給する。
【0160】
伝送制御情報復号回路236は、FFT窓位相誤差補正回路219から供給されたOFDM周波数領域信号に基づいて、所定の副搬送波位置に変調されている伝送制御情報を復号し、復号した伝送制御情報を、例えば、図示せぬシステムコントローラ等に供給する。
【0161】
ステップS10において、フレーム同期回路235は、FFT窓位相誤差補正回路219から供給されたOFDM周波数領域信号に基づいて、OFDM伝送フレームの所定の位置に含まれる同期ワードを検出して、OFDM伝送フレームの開始タイミングを特定し、特定されたOFDM伝送フレームの開始タイミングに基づいて、OFDMシンボル番号を算出し、これを等化回路220に供給する。
【0162】
ステップS11において、等化回路220は、フレーム同期回路235から供給されたOFDMシンボル番号を基準にして、パイロット信号を特定し、特定されたパイロット信号を用いて、OFDM周波数領域信号の位相等化、および振幅等化を行い、位相等化、および振幅等化を実行されたOFDM周波数領域信号をデインタリーブ・誤り訂正回路221に供給する。
【0163】
ステップS12において、デインタリーブ・誤り訂正回路221は、各搬送波に変調されている情報を、その変調方式に応じて検波し、デマッピング処理等を行って、データを復号し、復号されたデータに対して誤り訂正処理を行って、OFDM復調データをトランスポートストリーム生成回路222に供給する。
【0164】
ステップS13において、TSクロック生成回路237はタイミング同期回路231から供給されたクロック周波数誤差信号を用いて、受信されたOFDM信号に同期したTSクロックを生成し、生成されたTSクロックをトランスポートストリーム生成回路222に供給する。
【0165】
ステップS14において、トランスポートストリーム生成回路222は、デインタリーブ・誤り訂正回路221から供給されたOFDM復調データに対して、放送方式で規定されたタイミングに基づいて、所定のデータ信号を多重するとともに、デインタリーブ・誤り訂正回路221から供給される断続的なOFDM復調データを、TSクロック生成回路237から供給されるTSクロックを用いて、平滑化して連続的に出力するようにスムージング処理を行い、MPEG-2トランスポートストリーム(TS)を出力する。
【0166】
以上のようにして、受信装置201の受信処理が実行される。
【0167】
図10のステップS6において、搬送波周波数誤差補正回路217は、デジタル直交復調回路216から供給されたOFDM時間領域信号の搬送波周波数誤差成分を除去しているが、そのために、NCO234から供給された搬送波周波数誤差補正信号を利用している。次に、この搬送波周波数誤差補正信号が生成され、搬送波周波数誤差補正回路217に供給されるまでの処理、すなわち搬送波周波数誤差補正信号生成処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0168】
図11のステップS51において、狭帯域搬送波周波数誤差検出回路232は、搬送波周波数誤差補正回路217から供給されたOFDM時間領域信号に基づいて、副搬送波の周波数間隔(例えば0.992kHz)の±1/2以下の精度の狭帯域搬送波周波数誤差を算出し、算出された狭帯域搬送波周波数誤差をNCO234に供給する。
【0169】
ステップS52において、広帯域搬送波周波数誤差検出回路233は、FTT窓位相誤差補正回路219から供給されたOFDM周波数領域信号に基づいて、副搬送波の周波数間隔(例えば0.992kHz)精度の広帯域副搬送波周波数誤差を算出し、算出された広帯域副搬送波周波数誤差をNCO234に供給する。ステップS52の処理の詳細な説明は後述する。
【0170】
ステップS53において、NCO234は、狭帯域搬送波周波数誤差検出回路232から供給された狭帯域搬送波周波数誤差、および広帯域搬送波周波数誤差検出回路233から供給された広帯域副搬送波周波数誤差を加算し、加算して得られた搬送波周波数誤差に応じて、周波数が増減する搬送波周波数誤差補正信号を生成し、生成された搬送波周波数誤差補正信号を搬送波周波数誤差補正回路217に供給する。
【0171】
以上のようにして、搬送波周波数誤差補正信号生成処理が実行される。
【0172】
次に、広帯域搬送波周波数誤差検出回路233による広帯域副搬送波周波数誤差の算出について詳細に説明する。広帯域搬送波周波数誤差検出回路233は、後述する図12のパイロット相関演算処理、および図15の広帯域搬送波周波数誤差算出処理により、広帯域搬送波周波数誤差を算出する。
【0173】
まず、図12のフローチャートを参照して、受信装置のパイロット相関演算処理について説明する。また、適宜、図13および図14を参照する。
【0174】
ステップS101において、広帯域搬送波周波数誤差検出回路233の差動復調回路301は、FTT窓位相誤差補正回路219から供給されたOFDM周波数領域信号を角度変換し、差動復調する。すなわち、差動復調回路301の角度変換回路321は、FFT窓位相誤差補正回路219から供給された複素数信号(OFDM周波数領域信号)の、I軸とQ軸により形成される平面上での角度を求め、求められた角度に基づく角度信号をFIFO322および減算回路323に供給する。FIFO322は、角度変換回路321から供給された角度信号を、1シンボル長分遅延させて、減算回路323に供給する。減算回路323は、角度変換回路321から供給された角度信号、およびFIFO322から供給された角度信号に基づいて、角度変換回路321により求められた角度から、FIFO322により遅延された角度を差し引くことにより、差動復調を行い、差動復調結果の角度信号をパイロット相関演算回路305−1乃至305−2nに供給する。
【0175】
図13Aは、FFT演算により各副搬送波周波数成分に分解されたIチャンネルデータおよびQチャンネルデータを、シンボル毎に、位相平面上に示したものである。Da(n),Db(n)は第n番目のOFDMシンボルのFFT後の副搬送波周波数がDa,Dbである情報データをそれぞれ示しており、また、Pa(n),Pb(n),Pc(n)は第n番目のOFDMシンボルのFFT後の副搬送波周波数がPa,Pb,Pcであるパイロット信号をそれぞれ示している。
【0176】
また、図13Bは、差動復調回路301により差動復調された後の角度信号を位相平面上に示したものであり、dDa,dDbはそれぞれ副搬送波周波数がDa,Dbである第(n−1)番目のシンボルと第n番目のシンボルとの差動復調信号である。またdPa,dPb,dPcはそれぞれ副搬送波周波数がPa,Pb,Pcである第(n−1)番目のシンボルと第n番目のシンボルと差動復調信号である。
【0177】
図12に戻って、ステップS102において、位相補正回路331−1乃至331−2nは、差動復調回路301から供給された角度信号を、予め設定された搬送波周波数誤差量およびガードインターバル比に基づいて補正する。この処理について、図14を参照して説明する。
【0178】
図14は、搬送波周波数誤差量およびガードインターバル比の関係を表している。図14において、横軸は時間軸である。
【0179】
図14において、矢印で示されているTsの範囲は、1シンボル長を表している。また、矢印で示されているTuの範囲は、有効シンボル長を表している。また、矢印で示されているTgの範囲は、ガードインターバル長を表している。なお、ガードインターバル長の、有効シンボル長に対する比(割合)は、例えば、1/4、1/8、1/16、または1/32に設定されており、図14においては、ガードインターバル長の、有効シンボル長に対する比(割合)をGとする。ガードインターバル長Tgは、以下の式(2)によって表される。
【0180】
Tg=G×Tu ・・・(2)
【0181】
また、図14において、矢印で示されているFTT windowの範囲は、FTTウィンドウの範囲を表している。なお、図14においては、FTTウィンドウの範囲は、有効シンボルTuの範囲と同一となっているが、必ずしも、有効シンボルTuの範囲と同一でなくて良い。
【0182】
また、図14において、Nは、搬送波周波数誤差量を表している。すなわち、副搬送波周波数間隔をΔfとして、N=1の場合、搬送波周波数誤差量feは、fe=Δfである。また、N=2の場合、搬送波周波数誤差量feは、fe=2Δfである。また、N=3の場合、搬送波周波数誤差量feは、fe=3Δfである。すなわち、搬送波周波数誤差量feは、fe=NΔfである。
【0183】
図14において、1番上の波形は、搬送波周波数誤差量N=1、ガードインターバル比G=1/4の場合の波形を表し、上から2番目の波形は、搬送波周波数誤差量N=2、ガードインターバル比G=1/4の場合の波形を表し、上から3番目の波形は、搬送波周波数誤差量N=3、ガードインターバル比G=1/4の場合の波形を表し、1番下の波形は、搬送波周波数誤差量N=1、ガードインターバル比G=1/8の場合の波形を表している。
【0184】
まず、図14の1番上の波形に注目すると、(n−1)番目のシンボルの開始位置では、位相は0だが、n番目のシンボルの開始位置では、位相がπ/2だけ位相回転して、π/2となり、(n+1)番目のシンボルの開始位置では、位相が、さらにπ/2だけ位相回転して、πとなっている。
【0185】
図14の上から2番目の波形に注目すると、(n−1)番目のシンボルの開始位置では、位相は0だが、n番目のシンボルの開始位置では、位相がπだけ位相回転して、πとなり、(n+1)番目のシンボルの開始位置では、位相が、さらにπだけ位相回転して、2πとなっている。
【0186】
図14の上から3番目の波形に注目すると、(n−1)番目のシンボルの開始位置では、位相は0だが、n番目のシンボルの開始位置では、位相が3π/2だけ位相回転して、3π/2となり、(n+1)番目のシンボルの開始位置では、位相が、さらに3π/2だけ位相回転して、3πとなっている。
【0187】
図14の1番下の波形に注目すると、(n−1)番目のシンボルの開始位置では、位相は0だが、n番目のシンボルの開始位置では、位相がπ/4だけ位相回転して、π/4となり、(n+1)番目のシンボルの開始位置では、位相が、さらにπ/4だけ位相回転して、π/2となり、(n+1)番目のシンボルの終了位置では、位相が、さらにπ/4だけ位相回転して、3π/4となっている。
【0188】
すなわち、位相は、搬送波周波数誤差量Nとガードインターバル比Gに基づいて、1シンボル毎に2π×G×Nずつ回転してしまう。
【0189】
そこで、位相補正回路331−1乃至331−2nは、この位相回転を補正する。
【0190】
すなわち、位相補正回路331−1乃至331−2nは、それぞれ異なる搬送波周波数誤差量が設定されている。具体的には、位相補正回路331−1には、搬送波周波数誤差量feの候補として、fe=−NΔfが設定され、位相補正回路331−(n−1)には、搬送波周波数誤差量feの候補として、fe=−Δfが設定され、位相補正回路331−nには、搬送波周波数誤差量feの候補として、fe=0(すなわち、誤差なし)が設定され、位相補正回路331−nには、搬送波周波数誤差量feの候補として、fe=Δfが設定され、位相補正回路331−2nには、搬送波周波数誤差量feの候補として、fe=(N−1)Δfが設定されている。
【0191】
また、位相補正回路331−1乃至331−2nには、受信されたOFDM信号に基づいて、ガードインターバル比Gが設定されている。
【0192】
位相補正回路331−1乃至331−2nは、それぞれに設定された搬送波周波数誤差量feとガードインターバル比Gに基づいて求められる位相回転量(=2π×G×N)に従って、位相回転量分だけ角度信号を位相補正する。
【0193】
図13Cは、図13Bの位相から位相回転分だけ位相補正された角度信号を位相平面上に示したものであり、dDa,dDb、およびdPa,dPb,dPcはそれぞれ図13BにおけるdDa,dDb、およびdPa,dPb,dPcと対応している。
【0194】
図13Cに示されているように、位相回転分だけ位相補正された結果、パイロット信号の差動復調信号dPa,dPbは、位相が0度(0radian)に移動し、パイロット信号の差動復調信号dPcは、位相が180度(πradian)に移動している。
【0195】
位相補正回路331−1乃至331−2nは、それぞれに設定された搬送波周波数誤差量feに基づいて、角度信号を位相補正した後、補正された角度信号を尤度変換回路332−1乃至332−2nに供給する。
【0196】
図12に戻り、ステップS103において、尤度変換回路332−1乃至332−2nは、位相補正回路331−1乃至331−2nから供給された角度信号を、0度(0radian)および180度(2πradian)の場合に、最大値(例えば1)をとり、90度(π/2radian)および270度(3π/2radian)の場合に、最低値(例えば−1)をとるように、尤度変換する。
【0197】
図13Dは、尤度変換後の位相平面上における信号の位置を表している。図13Dに示されるように、信号は、0radian(0度)、およびπradian(180度)の場合、最大値である1に変換され、π/2radian(90度)、および3π/2adian(270度)の場合、最低値である−1に変換される。
【0198】
尤度変換回路332−1乃至332−2nは、図13Dに示されるようにして、角度信号を尤度に変換し、累加算回路333−1乃至333−2nに供給する。
【0199】
図12に戻り、ステップS104において、累加算回路333−1乃至333−2nは、パイロット信号位置発生回路302、または遅延器304−1乃至304−(2n−1)から、累加算実行フラグが供給されたか否かを判定し、パイロット信号位置発生回路302、または遅延器304−1乃至304−(2n−1)から、累加算実行フラグが供給された場合、処理はステップS105に進む。
【0200】
ステップS105において、累加算回路333−1乃至333−2nは、尤度加算回路332−1乃至332−2nから供給された尤度を累加算する。その後、処理はステップS101に戻り、上述したステップS101以降の処理がくり返される。
【0201】
ステップS104において、累加算回路333−1乃至333−2nが、パイロット信号位置発生回路302、または遅延器304−1乃至304−(2n−1)から、累加算実行フラグが供給されていないと判定した場合、ステップS105の処理はスキップされ、ステップS101に戻り、上述したステップS101以降の処理がくり返される。
【0202】
以上のようにして、パイロット相関演算処理が実行される。なお、ステップS104の処理は、累加算回路333−1乃至333−2nが、それぞれで実行しており、ある累加算回路に累加算実行フラグが供給されたとき、他の累加算回路には累加算実行フラグが供給されていないこともある。その場合、累加算実行フラグが供給された累加算回路は、ステップS105に進んで、尤度を累加算し、累加算実行フラグが供給されていない累加算回路は、ステップS105の処理をスキップし、供給された尤度は廃棄する。
【0203】
次に、図15および図16のフローチャートを参照して、図11のステップS52の処理、すなわち広帯域搬送波周波数誤差算出処理について説明する。なお、図15の処理は、上述した図14のパイロット相関演算処理と並列して実行される。
【0204】
タイミング同期回路231から、OFDM周波数領域信号のシンボル開始位置を通知されると、図15のステップS151において、制御回路303は、OFDM周波数領域信号のシンボル開始位置を、パケット信号位置発生回路302、および累加算回路333−1乃至333−2nに通知する。
【0205】
制御回路303からシンボル開始位置が通知された累加算回路333−1乃至333−2nは、ステップS152において、保持している累加算値をリセットする。
【0206】
制御回路303からシンボル開始位置が通知されたパイロット信号位置発生回路302は、ステップS153において、累加算実行フラグを発生させるタイミングを設定する。なお、パイロット信号位置発生回路302は、搬送波周波数誤差feが、fe=−NΔfである場合の累加算実行フラグを発生する。
【0207】
ステップS154において、パイロット信号位置発生回路302は、ステップS153で設定されたタイミングに基づいて、累加算実行フラグを発生し、出力する。図17を参照して、累加算実行フラグの発生タイミングについて説明する。
【0208】
図17の「OFDM周波数領域信号」の記載の右側には、パイロット信号の配置例が示されている。すなわち、図17の「OFDM周波数領域信号」の記載の右側に示されている、上を向いた複数の矢印は、OFDM周波数領域信号の複数の副搬送波に変調されたパイロット信号およびデータ信号を表しており、この矢印のうち、実線の矢印はデータ信号を表し、点線の矢印はパイロット信号を表している。図17に示される例においては、パイロット信号は、左から9番目、11番目、17番目、および21番目に配置されている。以下、左から9番目のパイロット信号をパイロット信号a、11番目のパイロット信号をパイロット信号b、17番目のパイロット信号をパイロット信号c、21番目のパイロット信号をパイロット信号dと称する。
【0209】
上述したように、OFDM周波数領域信号の複数の副搬送波における、パイロット信号の配置パターンは、規格によって予め定められており、パイロット信号位置発生回路302は、パイロット信号の配置パターン(パイロット信号が変調されている副搬送波のインデックス番号)を予め記憶している。そこで、パイロット信号位置発生回路302は、記憶している配置に基づいて、累加算実行フラグを発生する。なお、上記したように、パイロット信号位置発生回路302は、搬送波周波数誤差量feがfe=−NΔfである場合のパイロット信号の出現位置に一致するように、累加算実行フラグを発生する。
【0210】
図17の「fe=−NΔf」の記載の右側には、搬送波周波数誤差量feが、fe=−NΔfの場合に発生される累加算実行フラグ、および後述する第1の累加算終了フラグが示されている。以下、図17に示されるように、累加算実行フラグを、左側から順番に、累加算実行フラグa、累加算実行フラグb、累加算実行フラグc、および累加算実行フラグdと称する。
【0211】
累加算実行フラグa乃至dを発生させるタイミングは、パイロット信号位置発生回路302に予め記憶された、パイロット信号の配置に対応しており、累加算実行フラグa乃至dは、遅延器により遅延されることにより、それぞれが異なるタイミングで、累加算回路333−1乃至333−2nに供給される。すなわち、パイロット信号位置発生回路302により発生された累加算実行フラグは、発生されたタイミングで、累加算回路333−1に供給され、1動作分遅延されて、累加算回路333−2(不図示)に供給され、さらに1動作分遅延されて、累加算回路333−3(不図示)に供給されてゆく。そして、パイロット信号位置発生回路302により発生された累加算実行フラグは、累加算回路333−2nには、2n−1動作分だけ遅延されて供給される。
【0212】
パイロット信号位置発生回路302により、発生された累加算実行フラグaは、まず、累加算回路333−1に供給されるとともに、遅延器304−1に供給される。このとき、累加算回路333−1は、上記したように、ステップS104で、累加算実行フラグが供給されたと判定し、ステップS105で、尤度変換回路332−1から供給された尤度を累加算する。尤度変換回路332−1から供給される尤度は、位相補正回路331−1により、搬送波周波数誤差feがfe=−NΔfであるとして位相補正された角度信号を元に算出されたものである。従って、パイロット相関演算回路305−1は、搬送波周波数誤差feがfe=−NΔfであるとの仮定に基づいて、位相補正し、尤度変換し、パイロット信号の出現位置に対応する尤度を累加算することができる。
【0213】
ところで、パイロット信号位置発生回路302により、発生された累加算実行フラグaは、遅延器304−1により1動作分だけ遅延された後、図17の「fe=−(N−1)Δf」の記載の右側に示されたタイミングで、累加算回路333−2(不図示)に供給されるとともに、遅延器304−2(不図示)に供給される。図17に示されるように、累加算フラグaは、副搬送波周波数間隔分(Δf分)だけ右側にシフトしている。累加算回路333−2も、累加算回路333−1と同様に、ステップS104で、累加算実行フラグが供給されたと判定し、ステップS105で、尤度変換回路332−2(不図示)から供給された尤度を累加算する。尤度変換回路332−2から供給される尤度は、位相補正回路331−2(不図示)により、搬送波周波数誤差feがfe=−(N−1)Δfであるとして位相補正された角度信号を元に算出されたものである。これにより、パイロット相関演算回路305−2(不図示)は、搬送波周波数誤差feがfe=−(N−1)Δfであるとの仮定に基づいて、位相補正し、尤度変換し、パイロット信号の出現位置に対応する尤度を累加算することができる。
【0214】
以下も同様に、累加算実行フラグaは、遅延器により遅延されるとともに、累加算回路に供給され、累加算回路は、累加算実行フラグaが供給されたタイミングで、尤度変換回路から供給された尤度を累加算してゆく。
【0215】
その結果、パイロット相関演算回路305−(n−1)は、搬送波周波数誤差feがfe=−Δfであるとの仮定に基づいて、位相補正し、尤度変換し、パイロット信号の出現位置に対応する尤度を累加算し、パイロット相関演算回路305−nは、搬送波周波数誤差feがfe=0であるとの仮定に基づいて、位相補正し、尤度変換し、パイロット信号の出現位置に対応する尤度を累加算し、パイロット相関演算回路305−(n+1)は、搬送波周波数誤差feがfe=Δfであるとの仮定に基づいて、位相補正し、尤度変換し、パイロット信号の出現位置に対応する尤度を累加算し、パイロット相関演算回路305−2nは、搬送波周波数誤差feがfe=(N−1)Δfであるとの仮定に基づいて、位相補正し、尤度変換し、パイロット信号の出現位置に対応する尤度を累加算することができる。
【0216】
パイロット信号位置発生回路302は、累加算実行フラグaを発生した後、予め記憶しているパイロット信号の配置に基づいて、所定のタイミングで、次の累加算実行フラグbを発生し、累加算実行フラグbを累加算回路333−1および遅延器304−1に供給する。累加算実行フラグbにおいても、上記した累加算実行フラグaの場合と同様の処理が実行される。
【0217】
以下、累加算実行フラグcも、上記と同様に、所定のタイミングで、パイロット信号位置発生回路302により発生され、これらの累加算実行フラグcに基づいて、上記と同様の処理が実行される。
【0218】
そして、パイロット信号位置発生回路302は、シンボル内で最後の累加算実行フラグdを発生したとき(1シンボル分の累加算実行フラグの発生が全て実行されたとき)、ステップS155において、設定されたシンボル数分の累加算が実行されたか否かを判定する。
【0219】
すなわち、制御回路303は、図18のフローチャートを参照して後述する累加算数制御処理により、累加算回路333−1乃至333−2nが尤度を累加算するシンボル数Xを設定している。そこで、制御回路303は、設定されたシンボル数X分の累加算実行フラグがパイロット信号位置発生回路302から出力されたか否かを判定し、まだ設定されたシンボル数X分の累加算実行フラグがパイロット信号位置発生回路302から出力されていない場合、処理はステップS156に進む。
【0220】
ステップS156において、タイミング同期回路231から、OFDM周波数領域信号のシンボル開始位置を通知されると、制御回路303は、OFDM周波数領域信号のシンボル開始位置を、パケット信号位置発生回路302に通知する。その後、処理はステップS153に戻り、ステップS153以降の処理がくり返される。
【0221】
以上のようにして、ステップS152で、累加算回路333−1乃至333−2nがリセットされた後、予め設定されたシンボル数分の尤度が累加算回路333−1乃至333−2nにより累加算されるまで、ステップS153乃至ステップS156の処理がくり返される。
【0222】
そして、ステップS155で、制御回路303が、予め設定されたシンボル数X分の累加算実行フラグの出力が実行されたと判定した場合、処理は、ステップS157に進む。
【0223】
ステップS157において、制御回路303は、第1の累加算終了フラグを発生し、第1の累加算終了フラグをカウンタ306、セレクタ351、およびセレクタ371に供給する。
【0224】
ステップS157の処理の後、図16のステップS158において、第1の累加算終了フラグが供給されたセレクタ351は、レジスタ352に格納されている値をリセットする。また、第1の累加算終了フラグが供給されたセレクタ371は、レジスタ372に格納されている値をリセットする。
【0225】
ステップS159において、カウンタ306は、カウントを開始し、カウントした値(−n)をセレクタ307およびセレクタ371に供給する。これ以降、カウンタ306は、所定のタイミングで、−(n−1)乃至(n−1)までカウントする。
【0226】
ステップS160において、セレクタ307は、カウンタ306から供給された値に基づいて、累加算回路333−1乃至333−2nのうち、カウンタ306から供給された値に対応する累加算回路に累加算された値を読み出し、読み出した累加算値をセレクタ351および比較回路353に供給する処理を開始する。
【0227】
すなわち、セレクタ307は、カウンタ306から−nが供給された場合、累加算回路333−1に記憶された累加算値を読み出して、読み出した累加算値をセレクタ351および比較回路353に供給し、カウンタ306から−(n−1)が供給された場合、累加算回路333−2(不図示)に記憶された累加算値を読み出して、読み出した累加算値をセレクタ351および比較回路353に供給し、カウンタ306から−(n−2)が供給された場合、累加算回路333−3(不図示)に記憶された累加算値を読み出して、読み出した累加算値をセレクタ351および比較回路353に供給する。
【0228】
以下も同様に、セレクタ307は、カウンタ306から−2が供給された場合、累加算回路333−(n−1)に記憶された累加算値を読み出して、読み出した累加算値をセレクタ351および比較回路353に供給し、カウンタ306から−1が供給された場合、累加算回路333−nに記憶された累加算値を読み出して、読み出した累加算値をセレクタ351および比較回路353に供給し、カウンタ306から0が供給された場合、累加算回路333−(n+1)に記憶された累加算値を読み出して、読み出した累加算値をセレクタ351および比較回路353に供給し、カウンタ306から(n−1)が供給された場合、累加算回路333−2nに記憶された累加算値を読み出して、読み出した累加算値をセレクタ351および比較回路353に供給する。
【0229】
セレクタ307が累加算回路333−1乃至333−2nからそれぞれ累加算値を読み出すタイミングは、累加算回路333−1乃至333−2nが、それぞれ累加算実行フラグに基づいて、設定されたシンボル数X分の尤度を累加算し終えたタイミングである。したがって、セレクタ307により読み出される累加算値は、設定されたシンボル数X分の累加算実行フラグに基づく累加算値となる。
【0230】
ステップS160で、セレクタ307から累加算値の供給が開始されると、ステップS161において、最大値検出回路308は、セレクタ307から供給された累加算値に基づいて、累加算値の最大値を検出する処理を開始する。すなわち、比較回路353は、セレクタ307から供給された累加算値と、レジスタ352に格納されている値を比較し、セレクタ307から供給された累加算値が、レジスタ352に格納されている値より大きい場合、セレクタ351および371にイネーブル信号を出力する。
【0231】
セレクタ351は、比較回路353からのイネーブル信号の有無に基づいて、レジスタ352に格納されている値とセレクタ307から新たに供給された累加算値のうち、大きい方を選択してレジスタ352に供給する。すなわち、セレクタ351は、比較回路353よりイネーブル信号が供給された場合、セレクタ307から供給された累加算値を選択してレジスタ352に格納させ、比較回路353よりイネーブル信号が供給されなかった場合、レジスタ352に格納されている値を選択して、レジスタ352に再格納させる。
【0232】
ステップS159で、カウンタ306から、カウントされた値の供給が開始されたとき、ステップS162において、周波数誤差記憶回路309は、カウンタ306から供給された値の記憶を開始する。すなわち、周波数誤差記憶回路309のセレクタ371には、カウンタ306から順次、値が供給される。セレクタ371は、カウンタ306から値が供給されたとき、最大値検出回路308の比較回路353からイネーブル信号が供給された場合、カウンタ306から供給された値をレジスタ372に格納し、カウンタ306から値が供給されたとき、最大値検出回路308の比較回路353からイネーブル信号が供給されなかった場合、レジスタ372から供給された値をレジスタ372に再格納する。
【0233】
これにより、累加算値が最大値をとるタイミングでカウンタ306から出力された値が、レジスタ372に記憶されることになる。
【0234】
カウンタ306によるカウントが終了するタイミング(カウンタ306が(n−1)を出力したタイミング)で、ステップS163において、制御回路303は、第2の累加算終了フラグをゲート回路310に供給する。
【0235】
ステップS164において、ゲート回路310は、周波数誤差記憶回路309のレジスタ372に格納された値をラッチし、これを広帯域搬送波周波数誤差量としてNCO234に供給する。
【0236】
以上のようにして、広帯域搬送波周波数誤差算出処理が実行される。
【0237】
OFDM時間領域信号は、搬送波周波数誤差を含んでいる。これは、各副搬送波が、搬送波周波数誤差feで変調されている状態ということができる。そのため、各副搬送波は、ガードインターバルの区間において、連続するシンボル間で、一定量ずつ位相回転してしまう。
【0238】
すなわち、例えば、ISDB-TSB規格の場合、パイロット信号は、差動BPSK変調されているため、連続するシンボル間の位相差は0度(0radian)または180度(πradian)となっているが、再生された搬送波が搬送波周波数誤差を含んでいる場合、ガードインターバル区間において、一定量ずつ位相が回転してしまうため、連続するシンボル間の位相差を0度(0radian)または180度(πradian)として検出することができなくなってしまう。そこで、上記したように、位相補正回路331−1乃至331−2nにより位相回転に相当する分だけ、位相を補正することにより、連続するシンボル間での位相回転を除去し、連続するシンボル間の位相差を0度(0radian)または180度(πradian)として検出することができるようになる。
【0239】
以上説明したように、差動復調回路を2個設ける代わりに、差動復調回路は1個にし、位相補正回路331−1乃至331−2nにより搬送波周波数誤差量に応じた位相補正を行うような構成にすることにより、メモリを削減することができ、ひいては、回路規模を縮小することが可能となる。
【0240】
また、差動復調は、1回行う毎に、誤差が生じてしまうが、差動復調を行う回数を従来の2回から1回に減らしたことにより、差動復調による誤差を減らすことが可能となる。
【0241】
また、以上のようにして、ステップS152で、累加算回路333−1乃至333−2nがリセットされた後、予め設定されたシンボル数X分の尤度が累加算回路333−1乃至333−2nにより累加算されるまで、ステップS153乃至ステップS156の処理をくり返すことにより、尤度は、設定されたシンボル数X分だけ累加算されることになり、パイロット信号のみの尤度が累加算された累加算値を、データ信号のみの尤度が累加算された累加算値より、遥かに大きなものとすることができる。従って、最大値検出回路308は、パイロット信号のみの累加算値を、正確に最大値として検出することができ、その結果、正確に、広帯域搬送波周波数誤差を検出することができる。
【0242】
次に、制御回路303が、尤度を累加算するシンボル数Xを設定する処理、すなわち、累加算数制御処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0243】
ステップS181において、制御回路303は、受信するOFDM信号の1OFDMシンボルに含まれるパイロット信号の数を取得する。例えば、ISDB-TSB規格においては、1OFDMシンボルに含まれているTMCCパイロット信号とACパイロット信号の総数は、変調方式がQPSK、16QAM、および64QAMのいずれかである場合、モード1で3本、モード2で6本、モード3で12本である。制御回路303は、受信するOFDM信号の規格やモードに応じて、1OFDMシンボル内に含まれるパイロット信号の数を特定する。例えば、受信されるOFDM信号の規格やモードは、ユーザが、図示せぬ操作部から入力するようにしても良い。
【0244】
ステップS182において、制御回路303は、ステップS181で取得した、1OFDMシンボルに含まれるパイロット信号の数に基づいて、尤度を累加算すべきシンボル数Xを自らに設定する。すなわち、制御回路303は、予め、尤度を累加算すべきパイロット信号の数(Pnとする)を保持しており、シンボル数XのOFDMシンボルに含まれるパイロット信号の数が、この基準数Pn以上になるように、シンボル数Xを設定する。ここで、ステップS181で取得された、1OFDMシンボルに含まれるパイロット信号の数をSnとおくと、制御回路は、式(3)を満たすように、シンボル数Xを設定する。
【0245】
Sn×X>Pn ・・・(3)
【0246】
以上のようにして、尤度を加算するシンボル数Xが設定される。制御回路303は、設定されたシンボル数X分だけ、図15のステップS153乃至ステップS156の処理をくり返すことにより、正確に搬送波周波数誤差を検出することができる分だけ、尤度を累加算することができる。
【0247】
なお、以上の説明においては、予め、尤度を累加算すべきパイロット信号の数Pnが、固定的に設定されているが、この基準数Pnは、例えば、規格毎、またはモード毎に異なる値でも良い。例えば、ISDB-TSB規格のモード1の場合、Pn=10、モード2の場合、Pn=15、モード3の場合、Pn=20のようにしても良い。
【0248】
なお、図9に示される広帯域搬送波周波数誤差検出回路の回路構成は、一例であり、本発明が、図9に示された回路構成に限定されることを意味するものではない。例えば、図4に示されるような従来の広帯域搬送波周波数誤差検出回路に本発明を適用しても良い。
【0249】
すなわち、本発明を図4のような構成の広帯域搬送波周波数誤差検出回路に適用した場合、差動復調回路121および122により2回差動復調された復調データは、予め設定されたシンボル数X分だけ、メモリ123に記憶される。そして、パイロット信号選択データ発生回路124は、設定されたシンボル数X分のパイロット信号選択データ(読み出しアドレス)をメモリに供給し、メモリ123は、供給されたパイロット信号選択データに対応するアドレスのデータのみを読み出して、累加算回路126に供給する。従って、累加算回路126は、設定されたシンボル数X分だけ、復調データを足し算することになり、パイロット信号のみの復調データを累加算した結果は、データ信号のみの復調データを累加算した結果と比較して、遥かに大きな値となる。よって、1OFDMシンボル内に含まれているパイロット信号数が少ない場合でも、正確に広帯域搬送波周波数誤差成分を検出することが可能となる。
【0250】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0251】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、OFDM信号を受信する際に、搬送波周波数誤差成分を検出し、除去することができる。
【0252】
また、本発明によれば、より正確に、搬送波周波数誤差成分を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 OFDM信号の構成を説明する図である。
【図2】従来の受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の同期回路を詳細に説明する図である。
【図4】図3の広帯域搬送波周波数誤差演算回路を詳細に説明する図である。
【図5】図4の広帯域搬送波周波数誤差演算回路により補正されるOFDM信号の位相を説明する図である。
【図6】搬送波周波数誤差について説明する図である。
【図7】図4のパイロット信号選択データ発生回路から出力されるパイロット信号選択データの例を示す図である。
【図8】本発明の受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の広帯域搬送波周波数誤差検出回路を詳細に示すブロック図である。
【図10】受信装置の受信処理を説明するフローチャートである。
【図11】受信装置の搬送波周波数誤差補正信号生成処理を説明するフローチャートである。
【図12】受信装置のパイロット相関演算処理を説明するフローチャートである。
【図13】位相補正について説明する図である。
【図14】位相誤差について説明する図である。
【図15】図11のステップS52の処理を詳細に説明するフローチャートである。
【図16】図11のステップS52の処理を詳細に説明する、図15に続くフローチャートである。
【図17】累加算回路が尤度を累加算するタイミングを説明する図である。
【図18】受信装置の累加算数制御処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
217 搬送波周波数誤差補正回路, 233 広帯域搬送波周波数誤差検出回路, 301 差動復調回路, 302 パイロット信号位置発生回路, 303 制御回路, 304−1乃至304−(2n−1) 遅延器, 305−1乃至305−2n パイロット相関演算回路, 306 カウンタ, 307セレクタ, 308 最大値検出回路, 309 周波数誤差記憶回路, 310 ゲート回路, 321 角度変換回路, 322 FIFO, 323 減算回路, 331−1乃至331−2n 位相補正回路, 332−1乃至332−2n 尤度変換回路, 333−1乃至333−2n 累加算回路, 351セレクタ, 352 レジスタ, 353 比較回路, 371 セレクタ,372 レジスタ, 401 角度変換回路

Claims (2)

  1. パイロット信号が含まれるOFDM信号を復調するOFDM信号復調装置において、
    搬送波周波数誤差を補正するための搬送波周波数誤差補正信号と前記OFDM信号とを複素乗算する搬送波周波数誤差補正手段と、
    前記搬送波周波数誤差補正手段により補正された前記OFDM信号を1OFDMシンボル単位でフーリエ変換して周波数領域信号を生成する変換手段と、
    前記周波数領域信号を用いて、前記OFDM信号の搬送波周波数誤差を算出する搬送波周波数誤差算出手段と
    を備え、
    前記搬送波周波数誤差算出手段は、累積加算する OFDM シンボル中のパイロット信号の総数が所定の数になるようなシンボル数にわたって、前記周波数領域信号に基づくデータを累積加算する
    ことを特徴とするOFDM信号復調装置。
  2. パイロット信号が含まれるOFDM信号を復調するOFDM信号復調方法において、
    搬送波周波数誤差を補正するための搬送波周波数誤差補正信号と前記OFDM信号とを複素乗算する搬送波周波数誤差補正ステップと、
    前記搬送波周波数誤差補正ステップの処理により補正された前記OFDM信号を1OFDMシンボル単位でフーリエ変換して周波数領域信号を生成する変換ステップと

    前記周波数領域信号を用いて、前記OFDM信号の搬送波周波数誤差を算出する搬送波周波数誤差算出ステップとを含み、
    前記搬送波周波数誤差算出ステップの処理は、累積加算する OFDM シンボル中のパイロット信号の総数が所定の数になるようなシンボル数にわたって、前記周波数領域信号に基づくデータを累積加算する
    ことを特徴とするOFDM信号復調方法。
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