JP2004214472A - プリント配線板及びその識別方法 - Google Patents

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Naoyuki Akiyama
直之 秋山
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Toppan Inc
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Abstract

【課題】電子機器等で使われるプリント配線板の基板の種別と順番を識別する方法に関し、プリント配線板の製造工程において、目視で確認することが容易でかつ、画像処理装置等の機器による自動認識が可能な識別マークを備えたプリント配線板とその識別方法を提供する。
【解決手段】プリント配線板の製造工程において、プリント配線板を所定の枚数まで積み重ねた状態で、一方の側端面にV字型の識別パターンが現れるように表面を削り取ることにより識別マークを形成し、前記識別マークの位置の測定値の情報から、プリント配線板の種類および積み重ねた順番を抽出し、識別するプリント配線板の識別方法。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子機器等で使われるプリント配線板の基板の種別と順番を識別する方法に関し、プリント配線板の製造工程において、目視で確認することが容易でかつ、画像処理装置等の機器による自動認識が可能なプリント配線板及びその識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板は片面から両面、多層とその製造工程数は層構成が増えるとその数倍以上の割合で多くなっている。この製造工程中はもちろんのこと、製品として出荷する際は、他の種類の基板が混じらない様にプリント配線板には、種類や順番を示す識別記号をつけている。
【0003】
プリント配線板の表面に数字やコードからなる識別記号を形成する方法には、印刷やレーザーやドリルにより基板表面の一部を削り取る加工により文字や数字、記号等を形成する方法がある。
【0004】
これらの方法で識別記号を形成した場合、肉眼で見たり、カメラで撮像するために1枚ずつ取り出してから行う必要があった。以上の問題点に対してはプリント配線板の端面に識別記号を設ければよいことになる。
【0005】
ここで、数字や文字からなる識別記号を端面に形成する場合、厚み1mm前後の基板一枚ずつに対して、端面に数字や文字のパターンを形成するのは煩雑で、形成したとしても、プリント配線板の製造工程では表面に全面に樹脂を塗布したり、薬液処理をすると文字がつぶれたり、消えるなどの障害により情報が失われたり、誤った認識をしてしまう問題点がある。また、これらの識別記号が見えなくなってしまう問題点もある。
【0006】
数字や文字ではないパターンとしてバーコードの様な3つ以上の幾何学的なパターンの配列で番号を認識させる方法がある。
【0007】
これには1枚ずつ異なる幾何学パターンを作成して行く必要があるため、非常に手間がかかる点や、機械では認識できるものの人間が一瞥しただけでは判別しにくいという問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は電子機器等で使われるプリント配線板の基板の種別と順番を識別する方法に関し、プリント配線板の製造工程において、目視で確認することが容易でかつ、画像処理装置等の機器による自動認識が可能な識別マークを備えたプリント配線板とその識別方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、プリント配線板を所定の枚数まで積み重ねた状態で、プリント配線板の一方の側端面にV字型の識別パターンが現れるよう、プリント配線板の一方の側端面に識別マークを形成することを特徴とするプリント配線板である。
【0010】
本発明の請求項2に係る発明は、上記識別マークが、所定の枚数まで積み重ねた状態のプリント配線板の一方の側端面に、前記側端面の一部表面を削り取ることによりV字型の識別パターンを形成することを特徴とする請求項1記載のプリント配線板である。
【0011】
本発明の請求項3に係る発明は、所定の枚数まで積み重ねたプリント配線板の一方の側端面に作成した上記V字型の識別パターンが、前記プリント配線板を一枚ずつに分離することにより2つの溝型の識別マークとなり、前記2つの溝型の識別マークの位置測定値の情報から、プリント配線板の種類および積み重ねた順番を抽出し、識別することを特徴とする請求項1又は2項記載のプリント配線板の識別方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に従って詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明のV字型の識別パターンの一実施例の側面図である。図1は種類Aのプリント配線板11枚積み重ねたロット1にドリル刃を使うルーター加工機によりV字型の識別パターン2を形成したものである。
【0014】
図1に示すように、種類Aのプリント配線板を積み重ねたロット1の側面図である。種類Aのプリント配線板が上側よりA−01、A−02、A−03〜A−11まで11枚積み重ねた1つのロット1であり、側面にはV字型の識別パターン2が形成されている。前記ロット1の左端部からV字型の識別パターンの斜線が交わる位置までの距離3は任意に設定する。また、このV字型の識別パターンは、水平に積み重ねたプリント配線板の表裏に対しては上又は下方向に統一すること、さらにV字型の識別パターンは傾きを持ち、且つ左右対称の形状とする必要がある。また、最上段または最下段のプリント配線板にV字型の識別パターンの上端または下端が来るようにする必要がある。
【0015】
例えば、前記ロット1を崩し、再度積み重ねた場合、同じ種類のプリント配線板がV字型の識別パターンを形成した時と同じ順番で重ねてあれば、端面に形成した識別パターンはV字型に見える。もしこの順番が1枚でも違っていると識別パターンはV字型に見えないため、同じ種類のものが番号順に並んでいるか否かを一目で確認できる。
【0016】
また、順番がちがっていて、識別パターンがV字型に並ぶ様にプリント配線板を入れ替える場合、基板の表面などを見なくとも、端面の識別パターンを見て順番どおりに並べ替えることができる。
【0017】
あるV字型の識別パターンは、例えば種類Aのプリント配線板のロットに形成し、別の例えば種類Bのプリント配線板のロットには、基板材料を投入する際にV字型の識別パターンの開き角度の変更やV字型の識別パターンの中心位置を幅方向にずらした位置に変更して形成する。
【0018】
また、ロットの種類のわからなくなったプリント配線板が出てきた場合でも、2つの溝型の識別マークの傾き角や中心線の位置を確認することで、種類の相違が確認でき、分別出来る。
【0019】
こうしてV字型の識別パターン2を形成したプリント配線板のロットを一枚ずつに分離すると、プリント配線板の一方の側端面には、2つの溝型の識別マークが得られる。
【0020】
次に、種類Aのプリント配線板を11枚積み重ねたロットの上から6枚目の基板10の状態を図2に示す。この基板には識別マーク(左)20と識別マーク(右)21が形成されている。
【0021】
図2は、本発明の識別マークの一実施例の側面図である。図2に示すように、プリント配線板10はA−06のV字型の識別パターン2の一部分が識別マーク4であり、前記識別マーク4には、識別マーク(左)20と識別マーク(右)21が形成されている。前記識別マーク20、21は固有の傾斜角と、固有の中心線位置の情報を持っている。
【0022】
また、種類の判別や番号はV字型の識別パターンを形成した際、寸法データをもとに2つの溝型の識別マークの中心位置や識別マーク間距離により計算で求めることができるため、画像処理系などにより識別マークの位置データが得られれば、種類や順番の検索作業の自動化も可能になる。
【0023】
順番の求め方は、V字型の識別パターンの開き角、基板の厚み、2つの溝型の識別マーク間距離を計測することにより、V字型の識別パターンの閉じた側からの枚数番号nは以下の(1)式から求めることができる。
n=L/h×cosθ/sinθ ―――――――(1)
n:V字型の識別パターンの閉じた側からの枚数番号
2θ:V字型の識別パターンの開き角
h:基板の厚み
2L:2つの溝型の識別マーク間距離
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施の事例を図面を用いて説明する。
【0025】
〈実施例1〉
実施例1は、種類Aのプリント配線板を11枚積み重ねたロット1の一方の側端面にV字型の識別パターン2を形成した。(図1参照)
【0026】
この時、V字型の識別パターンはプリント配線板の左端からV字型の識別パターンの2つの斜線が交わる点までの距離3の位置にくる様に形成したものである。このV字型の識別パターンはV字型の開き角30# 、幅が1.0mm、深さが0.5mmになる様に表面を削り加工した。
【0027】
ここで、V字型の開き角やV字型の識別パターンの2つの斜線が交わる点までの距離3は、本実施例で使用した数値以外に設定してもよい。V字型の識別パターンが全ての基板に形成できる様な範囲に設定する。
【0028】
今回、V字型の識別パターン2の形成方法は、ドリル刃を使うルーター加工機を使用したが、プリント配線板の端面に溝を作成するにはレーザー加工機や刃物を使用することも可能で、溝が形成できれば加工する手段は問わない。
【0029】
また、V字型の識別パターン2は塗料などを塗布することでも形成可能ではあるが、プリント配線板の形成工程で、薬液処理により塗布した塗料が剥がれ落ちたり、薬液の付着により、プリント配線板の端面と見分けがつかなくなることがあるので、適宜選択する必要がある。
【0030】
例えば図3に示すように、種類Aのプリント配線板(図1参照)の上から6番目と上から9番目の基板の識別マーク位置の比較例である。プリント配線板形成を11枚重ねたロット1の上から9枚目の基板(A−09)101を取り出し、6枚目の基板(A−06)10と比較する方法を図3に示している。
【0031】
基板の左端の位置を合わせると基板10の識別マーク(左)20と識別マーク(右)21の中点と基板101の識別マーク(左)201と識別マーク(右)211の中点が基板の左端からの距離がプリント配線板の左端からV字型の識別パターンの2つの斜線が交わる位置までの距離3と一致することがわかる。これは同じ種類の基板であることがわかる。
【0032】
また、基板10の識別マーク(左)20と識別マーク(右)21間の距離40と基板101の識別マーク(左)201と識別マーク(右)211間の距離401とを比較すると距離401の方が距離40より大きいことがわかる。
【0033】
基板の積み重ねの番号順の並べ替えでは大小関係のみを判断できれば、良いが正確に番号まで知りたい場合、説明した前記(1)式の数式を用いることで順番を知ることができる。
【0034】
〈実施例2〉
実施例2は、種類Bのプリント配線板を11枚積み重ねたロット100にルーター加工機によりV字型の識別パターン202を形成した(図4参照)。この時、V字型の識別パターンはプリント配線板の左端からV字型の識別パターンの2つの斜線が交わる点までの距離303の位置にくる様に形成したものである。
【0035】
このパターンのその他の加工条件としてはV字型の開き角30#、幅が1.0mm、深さが0.5mmで、実施例1と同じ方法により加工した。
【0036】
例えば図5に示すように、種類Bのプリント配線板(図4参照)の基板(B−06)102と種類Aのプリント配線板(図1参照)の上から6枚目の基板(A−06)10を比較した状態を図5に示す。
【0037】
図5は、同じ番号(−06)の種類Aと種類Bのプリント配線板の識別マーク位置の比較例である。ここで、基板10の識別マーク(左)20と識別マーク(右)21間の距離40と基板102の識別マーク(左)22と識別マーク(右)23間の距離41が同じではあることがわかる。
【0038】
これは順番の数値が同じことを意味することになるが、基板の左端の位置を合わせると基板の左端から基板10の識別マーク(左)20と識別マーク(右)21の中点までの距離3と基板の左端から基板102の識別マーク(左)22と識別マーク(右)23の中点までの距離303が異なることから、プリント配線板の種類が異なることがわかる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、基板を重ねて、端面にV字型の識別パターンを形成することにより、それ以降の工程にて端面のパターンの並び具合を監視することで、複数の種類を目視で確実に判別し、同じ種類の基板についてはその番号順も確実に並べ替えることができる識別方法が提供され、さらに画像処理装置等の機器による自動認識が可能となる識別マークを備えたプリント配線板とその識別方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のV字型の識別パターンを形成した種類Aのプリント配線板を積み重ねたロットの側面図。
【図2】本発明の種類Aのプリント配線板の側面図。
【図3】本発明の種類Aのプリント配線板の上から6番目と上から9番目の基板の識別マーク位置の比較例。
【図4】本発明のV字型の識別パターンを形成した種類Bのプリント配線板を積み重ねたロットの側面図。
【図5】同じ番号の種類Aと種類Bのプリント配線板の識別マーク位置の比較例
【符号の説明】
1…種類Aのプリント配線板を積み重ねた物
100…種類Bのプリント配線板を積み重ねた物
2…V字型の識別パターン
3…種類Aのプリント配線板の左端からV字型の識別パターンの2つの斜線が交わる点までの距離
4…識別マーク
303…種類Bのプリント配線板の左端からV字型の識別パターンの2つの斜線が交わる点までの距離
10…プリント配線板
101…プリント配線板
102…プリント配線板
20…識別マーク(左)
21…識別マーク(右)
201…識別マーク(左)
211…識別マーク(右)
22…識別マーク(左)
23…識別マーク(右)
40…基板10の識別マーク(左)20と識別マーク(右)21間の距離
401…基板101の識別マーク(左)201と識別マーク(右)211間の距離
41…基板102の識別マーク(左)22と識別マーク(右)23間の距離

Claims (3)

  1. プリント配線板を所定の枚数まで積み重ねた状態で、プリント配線板の一方の側端面にV字型の識別パターンが現れるようプリント配線板の一方の側端面に識別マークを形成することを特徴とするプリント配線板。
  2. 上記識別マークが、所定の枚数まで積み重ねた状態のプリント配線板の一方の側端面に、前記側端面の一部表面を削り取ることによりV字型の識別パターンを形成することを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
  3. 所定の枚数まで積み重ねたプリント配線板の一方の側端面に作成した上記V字型の識別パターンが、前記プリント配線板を一枚ずつに分離することにより2つの溝型の識別マークとなり、前記2つの溝型の識別マークの位置測定値の情報から、プリント配線板の種類および積み重ねた順番を抽出し、識別することを特徴とする請求項1又は2項記載のプリント配線板の識別方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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