JP2004214308A - 圧電素子 - Google Patents

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岳彦 川崎
Tamayoshi Kurashima
玲伊 倉島
Masatake Akaike
正剛 赤池
Takatsugi Wada
隆亜 和田
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Abstract

【課題】圧電体薄膜の結晶成長方向の乱れを低減し良好な特性をもつ圧電素子を提供する。
【解決手段】本発明の圧電素子16は、第1電極7と、第1電極上に形成された圧電体薄膜8と、圧電体薄膜上に形成された第2電極9と、振動板11とを有する圧電素子である。平滑な基板面を有する第1基板1の面上に形成した電極層2を第2基板5に転写して、第1電極7が形成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高品位の印刷を行うプリンターとしてインクジェットプリンターが普及している。このようなインクジェットプリンターは、印刷用途のみならず捺染、工業用の薬液やパターン材料の塗布など極めて広い応用が期待されるものである。インクジェットプリンターには、代表的なものとして圧電素子を用いる圧電式と、ヒーターによる加熱を用いる熱式があり、いずれも高性能化の開発が進んでいる。
【0003】
圧電式インクジェットプリンターのヘッド部に用いられる液滴噴射装置においては、一般にPb (ZrxTi(1-x)) O3(以下PZT)系などの圧電性セラミックスを用いた圧電素子と振動板をケーシング部材(インク室)に接着剤を用いて接合した構成をとる。このような液滴噴射装置ではより高い解像度を得るためにインク室やノズルの多素子化・集積化が図られており、圧電体薄膜を用いこれを半導体プロセスで微細加工して圧電素子を作製する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような方法によればノズルの構造が2000dpiもの多素子化・高密度化を実現することが可能である。上記の特許文献1に開示されている液滴噴射装置においては、その製造方法としては、MgO基板上に電極を形成し、電極上に鉛系誘電体層を形成し、鉛系誘電体層上にさらに第2電極を形成し、第2電極上に振動板を形成した後、MgO基板の全て、もしくは一部を除去し、振動板の上にインク液体を収容するための圧力室を形成する方法である。誘電体層としてはPZT系のc軸方向に配向した結晶性のよい薄膜が用いられている。
【0004】
また、従来の技術としては、平滑な基板面を有する第1基板上に形成した金属電極層と第2基板とを金属からなる接合層を介して接合し、第1基板を金属電極層から剥離して第1基板の平坦な基板面形状を金属電極層表面に転写して形成される電極基板がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
また、従来の技術としては、MgO単結晶、SrTiO3単結晶、サファイアなどの材料上にはPtなどの電極材料の配向膜を容易に形成できるものがある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0006】
また、従来の技術としては、陽極接合がある(例えば、非特許文献2参照。)。
【0007】
また、従来の技術としては、Si半導体集積回路の配線間や配線―基板間の拡散防止層として一般に用いられる高融点金属化合物薄膜の一例として、反応性物理蒸着により形成されるTiN膜がある(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
また、従来の技術として、マルチイオンビームスパッタ法により415℃という低温でPZT系の配向膜が形成できることが知られている(例えば、非特許文献3参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−286953号公報
【特許文献2】
特開平10−334523号公報
【非特許文献1】
小舟他、日本化学会誌、1993年、第11巻、p.1225−1230
【非特許文献2】
ワリス、外(G. Wallis et. al.)、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)、第40巻、10号、p.3946
【特許文献3】
特開平07―006980号公報
【非特許文献3】
ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Japanese Journal of Applied Physics)、1993年、第32巻、p.4057
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に開示されている液滴噴射装置においては、多素子化・集積化を図るためにそれぞれの圧電素子は非常に微細なものとなるが、このような微細な圧電素子で液滴の吐出に充分な振動板の変位量及び圧力を得るためには、用いる圧電体薄膜には高い圧電性が要求される。しかしながら上記従来の技術においては、基板上にPt層などの電極を形成した上に圧電材料を形成しており、このような方法においては電極層表面に金属材料などの結晶粒界による表面凹凸が存在し、その上に積層する圧電材料薄膜の結晶成長方向に乱れを生じさせる。圧電材料の分極方向は結晶軸方向に異方性があるため、この結晶軸方向の乱れが圧電素子の特性を低下させる原因となっていた。
【0011】
さらにこのような圧電素子を用いた液滴噴射装置の吐出効率を低下させていた。
【0012】
また、上記従来の技術の製造工程においては、c軸配向させて結晶性のよいPZT薄膜を形成するためにMgO基板を用いているが、この基板は溶解により除去しており、高価なMgO基板を再利用することができず、コスト高を招く問題点があった。
【0013】
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、圧電体薄膜の結晶成長方向の乱れを低減し良好な特性をもつ圧電素子を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧電素子は、第1電極と、第1電極上に形成された圧電体薄膜と、圧電体薄膜上に形成された第2電極と、振動板とを有する圧電素子であって、平滑な基板面を有する第1基板面上に形成した電極層を第2基板に転写して、第1電極が形成される。
【0015】
本発明によれば、圧電体薄膜の結晶成長方向の乱れを低減し良好な特性をもつ圧電素子を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、良好な特性を有する圧電素子、及びその圧電素子を用いた液滴噴射装置を製造するものである。
【0017】
本発明の圧電素子においては、以下のようにして作製する高い平坦性を有する第1電極を形成後に第1電極上に圧電体薄膜を形成するもので、この工程以外の積層、接合及び貼り合わせ、剥離や微細加工などの素子作製プロセスは任意に構成することができる。
【0018】
本発明の圧電素子においては、まず第1に高い平滑性を有する第1電極を形成する。特許文献2に、平滑な基板面を有する第1基板上に形成した金属電極層と第2基板とを金属からなる接合層を介して接合し、第1基板を金属電極層から剥離して第1基板の平坦な基板面形状を金属電極層表面に転写して形成される電極基板が開示されている。
【0019】
本発明においては、第1基板として平滑な基板面を有する材料を用いる。好ましいものとしては、結晶の劈開面、溶融したガラス表面、Siウェハーの表面酸化膜面などがあげられる。それらの中でもとりわけ本発明に好適なものは以下の2つである。
【0020】
(1)Siウェハーの表面熱酸化膜面:現在の半導体技術によれば大面積で原子レベルの平滑性を有するものが安価に提供されている。低コストで平滑性の高い第1電極を形成できる。
【0021】
(2)酸化物単結晶の劈開面:MgO単結晶などは、<100>方位に容易に劈開して平滑な面を作製できる。このような結晶の劈開面は、必要に応じて研磨、エッチング処理、アニールなどの平坦化、清浄化処理を行うこともできる。好ましい材料として、MgO単結晶、SrTiO3単結晶、サファイアなどがあげられる。このような材料上にはPtなどの電極材料の配向膜を容易に形成できる(非特許文献1)ことから、本発明に好適な高い配向性をもつ圧電体薄膜を積層堆積することが容易となる。
【0022】
上記の2つの基板材料に共通の特徴として、表面が酸化物であることより後述する金属電極層に用いる貴金属系の材料との化学的結合力が弱く密着性が低いため、界面より容易に剥離することができる。
【0023】
次に、第1基板上に電極層を形成する。電極層材料としては高い導電性を有し、圧電体薄膜作製工程等の加熱などに耐え得るものの中から適宜選択する。さらに、前記第1基板材料と密着性の低いものが好ましい。好ましいものの例としては、Pt、Au、Pd、Ir,Rh、Ruなどの貴金属系材料があげられる。またこれらの合金、積層膜なども用いることができる。電極層の形成方法としては、従来公知の薄膜形成方法を適宜用いることができるが、基板に対して入射する電極材料粒子のエネルギーが比較的小さく、電極層と基板との物理的な結合力が弱い方法が好ましい。例としてスパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、MBE法などである。
【0024】
次に、第2基板と電極層とを接合する工程を行う。第2基板は圧電素子の振動板あるいは振動板を形成する材料も用いることができる。接合工程は第1基板と電極層との間の密着性より高い強度で接合できる方法の中から適当な方法を選択するが、好ましいものとして以下の方法があげられる。
【0025】
(1)金属などからなる接合層を介した圧着:第2基板上に金属などからなる接合層を形成し、電極層と面同士を合わせた後、両基板を押し付け合うように加圧して接合する。この際必要に応じて加熱を行う。接合層としては金属元素同士結合を阻害する酸化皮膜が形成されにくく展性に富む金属が好ましく、例としてはAuがあげられる。また他にPt、Pd、Ir、Rh、Ruなどの貴金属系材料もあげられる。またこれらの合金、積層膜なども用いることができる。またこれら接合層と第2基板の間には充分な密着性が必要であるため、第2基板表面にTi、Cr、W、Taなどよりなる密着層を予め形成しておくことが好ましい。またこのような接合層は必要に応じて電極層上にも形成する。
【0026】
(2)陽極接合:第2基板と電極層とを両同士を合わせた後、両基板を押し付け合うようにした状態で、第2基板と電極層との間に電界を印加して陽極接合(非特許文献2)を行う。この際必要に応じて加熱を行う。電極層上には、必要に応じて予め陽極接合に適した、例えばAlなどの材料を接合層として形成しておくこともできる。このような方法では、第2基板としてガラス材料を用いる。
【0027】
(3)共晶化を用いた接合:第2基板と電極層とを電極層と面同士を合わせた後、両基板を押し付け合うようにした状態で、第2基板材料と電極層との共晶点以上の温度に加熱し、界面での共晶化を行う。第2基板と電極層上には、必要に応じて予め共晶化する材料を接合層として形成しておくこともできる。共晶化は上記界面のみで起こればよいので加熱は短時間とし、RTA (Rapid Thermal Anneal) などの手法を用いる。
【0028】
(4)積層堆積:電極層上に第2基板を構成する材料を積層堆積して形成する。例としてはスパッタリングなどによりSiO2やガラス材料など圧電素子の振動板を堆積することがあげられる。
【0029】
上記の圧着あるいは陽極接合における接合層としてAuあるいはAlなどの拡散速度の大きな材料を用いる場合、後述する圧電体薄膜の形成などの高温工程における第1基板あるいは電極層、圧電体薄膜との相互拡散を防止するために、必要に応じて拡散防止層を設ける。
【0030】
拡散防止層としては上記密着層として用いるTi、Cr、W、Taなどをバリアメタルとしてそのまま利用することもできる。さらにSi半導体集積回路の配線間や配線―基板間の拡散防止層として一般に用いられる高融点金属化合物薄膜も好ましく用いられる。一例として、特許文献3に開示されている反応性物理蒸着により形成されるTiN膜などがあげられ、600℃程度までの高温工程においても剥離などが発生しないため本発明に用いる拡散防止層として好適である。なお、これら接合層及び拡散防止層は後工程において適宜除去する。
【0031】
次に、第1基板を電極層より剥離して第1基板の平坦な基板面形状を電極層表面に転写して形成する工程を行う。剥離は第1基板と電極層の界面の基板端部より鋭利な刃状の剥離用治具を挿入して引き剥がす方法などを用いることができる。また、第1基板を溶解除去する方法も用いることができる。
【0032】
以上の工程により、第1基板の平坦な基板面形状を転写した第1電極を形成することができる。このような第1電極は、第2基板とほぼ同等の平滑性を有する表面を有する。
【0033】
次に、このようにして作製した第1電極上に、圧電体薄膜を形成する工程を行う。圧電材料としては所望の駆動特性が得られるものであれば特に限定されず用いることができる。例としては、PZT系材料、ZnO等である。薄膜の作製方法としては、スパッタ法、CVD法などの気相成長や、ゾルゲル法など公知の方法が必要に応じて用いられる。また、本発明における圧電体薄膜形成は基板上の接合層/拡散防止層/第1電極の層間拡散や熱応力による剥離などを防止するために、できるだけ低温で圧電体薄膜を形成できる方法によることが好ましい。例としてマルチイオンビームスパッタ法によれば415℃という低温でPZT系の配向膜が形成できることが知られており(非特許文献3)、本発明にも好ましく用いられる。膜厚は10μm以下とすることでフォトリソグラフィーなどの半導体加工プロセスを利用して多数の圧電素子を一括して作製できる。
【0034】
次に、圧電体薄膜上に第2電極を形成する工程を行う。第2電極材料としては高い導電性を有するものの中から適宜選択する。また圧電体薄膜と十分な密着性をもつものが好ましい。
【0035】
以上のようにして作製した第1電極、圧電体薄膜、第2電極を振動板に接合すると共に所望の形状に加工し、圧電素子を作製する。振動板材料として好ましく用いられるものに薄片化したガラス質材料、スパッタリングなどの方法により作製するSiO2、金属材料などがあげられる。接合方法や関連する工程は特に限定されないが、例として以下のようにして行う。
(1)振動板上に第1電極、圧電体薄膜、第2電極を積層して形成する。この方法においては、第1基板上に形成した電極層上に振動板を積層・堆積して形成した後第1基板と電極層を界面より剥離して第1電極を形成し、圧電体薄膜、第2電極を積層して形成してもよい。
(2)第2基板上に第1電極、圧電体薄膜、第2電極を積層した後、振動板に接合し、第2基板を除去する。
【0036】
また、本発明の液滴噴射装置は、上記圧電素子を、凹状部分及び開口部をもつケーシング部材(インク室)に直接接合して作製される。ケーシング部材は、ガラス、樹脂、金属などで作製される。好ましい例としてSi単結晶基板の異方性エッチング形成されるものがあげられ、このようにすることで半導体加工プロセスを用いてノズルの多素子化・集積化が可能で、インクジェットとして高い解像度を得ることができる。またケーシング部材には必要に応じて電極や駆動などに用いる回路などを予め形成することもできる。
【0037】
本発明によれば、圧電体薄膜の結晶成長方向の乱れを低減し良好な特性をもつ圧電素子を提供し、これを用いた高効率の液滴噴射装置を低コストに提供することができる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。
【0039】
[実施例1]
本実施例の圧電素子及び液滴噴射装置の作製工程図を図1に示す。図1は断面方向の概略を示している。
【0040】
まず図1(a)に示すように、第1基板1上に電極層2を形成した。第1基板1としてはMgO単結晶を用いた。この第1基板1は面方位(100)で、表面をtapping-mode AFM (デジタルインスツルメント社製NanoScope III)による観察で1μm平方において表面粗さRaは0.4nm以下のものである。この第1基板1上に、スパッタ法を用いてPtを200nm堆積し、電極層2を形成した。成膜方法は、ターゲットとしてPtを用い、Arガスで、ターゲットに対して高周波パワーが4W/cm2となるように印加し、基板温度は700℃として行った。このようにして得られた電極層2をX線回折装置(理学電機(株)製RAD―2R)により評価したところ結晶軸(100)が基板面に垂直方向に配向していることが確認された。また、この電極層2の表面(第1基板1と接しない側)についてtapping-mode AFM(デジタルインスツルメント社製NanoScope III)による観察を行ったところ、1μm平方において表面粗さRaは0.8nm乃至1.0nm程度で、結晶粒界の凹凸部分が観察された。
【0041】
次に、図1(b)に示すように、電極層2上に拡散防止層3と第1の接合層4を順に形成した。拡散防止層4としては、反応性スパッタ法を用い、別途イオンガンよりArイオンビームを照射しながらTiを100nm、TiNを100nm連続して堆積して形成した。続いて接合層3としてスパッタ法によりAuを20nm堆積した。
【0042】
次に、図1(c)に示すように、第2基板5上に第2の接合層6としてTiを100nm、Auを50nm連続的に堆積した。第2基板5としては第1基板1と同じMgO単結晶を用いた。
【0043】
次に、図1(d)に示すように、第1基板1と第2基板5を接合層面同士を合わせて接合面を密着させた後、両基板を押し付け合うように加圧した。圧力は10kg/cm2とし、1分間保持した。この際両基板は150℃に保持し、圧力解放後に室温まで冷却した。
【0044】
次に、図1(e)に示すように、第1基板1を電極層2との界面より剥離し、第1基板の平坦な基板面形状を表面に転写した第1電極7を形成した。剥離は界面に基板端部より鋭利な刃状の剥離用治具を挿入して行った。このようにしてられた第1電極7の表面(第1基板1に接していた側)をtapping-mode AFM(デジタルインスツルメント社製NanoScope III)により観察したところ、1μm平方において表面粗さRaは0.5nm以下で、第1基板1の表面性を反映した平滑性を有していた。
【0045】
次に、図1(f)に示すように、第1電極7表面上に圧電体薄膜8を形成した。圧電体薄膜としてはマルチイオンビームスパッタ法を用いてPZT系材料を3μm堆積した。成膜方法は、ターゲットとしてPb、Zr、Ti及びLaの金属を用い、それぞれのターゲットに約1kVに加速したArイオンビームを照射してスパッタリングし、同時にO2ガスを基板近傍に供給しながら基板温度450℃として成膜を行った。薄膜形成の初期にPb(LaxTi(1-x))Oxのバッファー層を堆積した後、膜組成がPb1.0Zr0.5Ti0.5Oxとなるように各ターゲットに照射するイオンビームのイオン電流を調整して堆積した。
【0046】
このようにして得られた圧電体薄膜8をX線回折装置(理学電機(株)製RAD―2R)により評価したところ結晶のc軸が基板面に垂直方向に配向していることが確認された。また、圧電体薄膜8の断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製S―5000H)にて観察したところ、基板面に垂直な柱状の結晶構造が観察された。
【0047】
次に、図1(g)に示すように、圧電体薄膜8の表面にスパッタ法を用いてPtを200nm、Alを10nm堆積し、第2電極9を形成した。
【0048】
次に、図1(h)に示すように、第2電極9上に振動板材料10を接合する工程を行った。振動板材料10としては厚さ40μmのコーニング#7740ガラスを用いた。接合は、第2電極9表面と振動板材料10の接合面を清浄化して重ね合わせ、350℃に加熱し、振動板材料10と第2電極9の間に第2電極9側の陽極として200Vの電圧を印加し、さらに押し付けた。
【0049】
次に、図1(i)に示すように、振動板材料10を研磨薄片化する工程を行った。研磨薄片化は、ラッピングマシンと研磨剤を用いて、振動板材料10を研磨して平均で3μmの厚さまで薄片化すると同時に、凹凸やうねりを除去して平坦化した。また、研磨の際、研磨剤粒子径を段階的に微小なものにしていき、最終的にコロイダルシリカを用いて研磨面を鏡面仕上げした。このようにして平坦な研磨面を有する振動板11を形成した。
【0050】
次に、図1(j)に示すように、振動板11の表面とケーシング部材12を直接接合する工程を行った。ケーシング部材は、面方位(100)のSi単結晶基板にフォトリソグラフィーとTMAH溶液による異方性エッチングで空隙13、凹部14、吐出口15を形成したものを用いた。この接合工程は、上記圧電素子と振動板との接合と同様の方法で行った。ただ接合時の加熱温度は150℃、印加電圧は250Vとした。
【0051】
続いて図1(k)に示すように、第2基板5を除去した。第2基板5の除去は、予めレジストなどを保護剤として第2基板5の露出面以外の箇所に塗布し、リン酸溶液に浸して第2基板5のMgOを溶解除去した。この際の条件は、リン酸85%のものを用い、温度を80℃に保ちながら撹拌し、約3時間で溶解した。
【0052】
最後に図1(l)に示すように、拡散防止層3、第1の接合層4、第2の接合層6を除去した後、フォトリソグラフィーとエッチングを用いて第1電極7、圧電体薄膜8、第2の電極9をパターニング加工した。幅100μm、長さ1mmとした。さらにダイシングソーを用いて吐出口部先端部分を切断して開口を形成した。以上のようにして圧電素子16、及び液滴噴射装置17を作製した。
【0053】
以上のようにして作製した本実施例の圧電素子は、電圧印加によって十分なたわみ変位を得ることができた。さらに本実施例の液滴噴射装置は上記の電圧印加によって良好な液滴噴射特性を示した。
【0054】
以上本実施例によれば、平滑性の高い電極上に圧電体薄膜を成長させることにより、分極方向である結晶軸方向の乱れを低減し、良好な特性を有する圧電素子を作製することができた。
【0055】
さらに本実施例によれば、微細な圧電素子でも液滴の吐出に十分な振動板の変位量及び圧力を得ることができ、高効率の液滴噴射装置を提供することができた。
【0056】
[実施例2]
本実施例は、第1基板上に形成した電極層をケーシング部材に接合した振動板上に転写して第1電極を形成し、その上に圧電体薄膜、第2電極を順に形成し、圧電素子を形成した例である。
【0057】
本実施例の圧電素子及び液滴噴射装置の作製工程図を図2に示す。図2は断面方向の概略を示している。
【0058】
まず図2(a)に示すように、第1基板1上に電極層2を形成した。第1基板1としては表面に熱酸化膜を300nm形成したSiウェハーを用いた。この第1基板1は表面を実施例1と同様のAFMによる観察で1μm平方において表面粗さRaは0.2nm以下のものである。この第1基板1上に、スパッタ法を用いてPtとAuの合金を200nm堆積し、電極層2を形成した。成膜方法は、ターゲットとしてPt及びAuを用い、Arガスで、ターゲットに対して高周波パワーが4W乃至7W/cm2としてPtとAuの比率は1:1となるように調整して印加し、基板加熱はなしとして行った。このようにして得られた電極層2を実施例1と同様にX線回折装置により評価したところPt―Au合金の結晶軸(111)が基板面に垂直方向に配向していることが確認された。また、この電極層2の表面(第1基板1と接しない側)について同様にAFMによる観察を行ったところ、1μm平方において表面粗さRaは0.6nm乃至0.8nm程度で、結晶粒界の凹凸部分が観察された。
【0059】
次に、図2(b)に示すように、電極層2上に第1の接合層4としてAuを20nm堆積した。
【0060】
次に、図2(c)に示すように、第2基板5上に第2の接合層6としてTiを5nm、Auを20nm連続的に堆積した。本実施例においては第2基板5として振動板11を予めケーシング部材12に接合したものを用いている。
【0061】
振動板材料10としては厚さ40μmのコーニング#7740ガラスを用いた。ケーシング部材としては実施例1と同様に面方位(100)のSi単結晶基板にフォトリソグラフィーとTMAH溶液による異方性エッチングで空隙13、凹部14、吐出口15を形成したものを用いた。接合はケーシング部材12表面と振動板材料10の第1の接合面10を清浄化して重ね合わせ、250℃に加熱し、振動板材料10とケーシング部材12の間にケーシング部材側を陽極として200Vの電圧を印加し、さらに押し付けた。さらに振動板材料10は研磨薄片化して振動板11を形成した。研磨薄片化は、ラッピングマシンと研磨剤を用いて、振動板材料10を研磨して平均で3μmの厚さまで薄片化すると同時に、凹凸やうねりを除去して平坦化した。また、研磨の際、研磨剤粒子径を段階的に微小なものにしていき、最終的にコロイダルシリカを用いて研磨面を鏡面仕上げした。このようにして平坦な研磨面を有する振動板11を形成した。
【0062】
次に、図2(d)に示すように、第1基板1と第2基板5を接合層同士を合わせ接合面を密着させた後、両基板を押し付け合うように加圧した。圧力は10kg/cm2とし、1分間保持した。この際両基板は150℃に保持し、圧力解放後に室温まで冷却した。
【0063】
次に、図2(e)に示すように、第1基板1を電極層2との界面より剥離し、第1基板の平坦な基板面形状を表面に転写した第1電極7を形成した。剥離は前記界面に基板端部より鋭利な刃状の剥離用治具を挿入して行った。このようにして得られた第1電極7の表面(第1の基板1に接していた側)を実施例1と同様にAFMにより観察したところ、1μm平方において表面粗さRaは0.4nm以下で、第1基板1の表面性を反映した平滑性を有していた。
【0064】
次に、図2(f)に示すように、第1電極7表面上に圧電体薄膜8を形成した。圧電体薄膜としてはRFスパッタ法を用いてZnOを8μm堆積した。成膜方法は、ターゲットとしてZnO焼結体を用い、ArとO2を1:1に混合したガスで、ターゲットに対して高周波パワーが4W/cm2となるように印加し、基板温度は250℃として行った。
【0065】
このようにして得られた圧電体薄膜8を実施例1と同様にX線回折装置により評価したところ結晶のc軸が基板面に垂直方向に配向していることが確認された。また、圧電体薄膜8の断面を実施例1と同様に走査型電子顕微鏡にて観察したところ、基板面に垂直な柱状の結晶構造が観察された。
【0066】
次に、図2(g)に示すように、圧電体薄膜8の表面にスパッタ法を用いてPtを200nm堆積し、第2電極9を形成した。
【0067】
最後に図2(h)に示すように、フォトリソグラフィーとエッチングを用いて第1電極7、圧電体薄膜8、第2電極9をパターニング加工した。幅150μm、長さ1.2mmとした。さらにダイシングソーを用いて吐出口部先端部分を切断して開口を形成した。以上のようにして圧電素子16、及び液滴噴射装置17を作製した。
【0068】
以上のようにして作製した本実施例の圧電素子は、電圧印加によって十分なたわみ変位を得ることができた。さらに本実施例の液滴噴射装置は上記の電圧印加によって良好な液滴噴射特性を示した。
【0069】
以上本実施例によれば、平滑性の高い電極上に圧電体薄膜を成長させることにより、分極方向である結晶軸方向の乱れを低減し、良好な特性を有する圧電素子を作製することができた。さらに本実施例によれば、微細な圧電素子でも液滴の吐出に十分な振動板の変位量及び圧力を得ることができ、高効率の液滴噴射装置を提供することができた。
【0070】
また、実施例1と比較して低コストで平滑性の高い第1電極を形成でき、低コスト化を図ることができた。
【0071】
[実施例3]
本実施例は、第1基板上に形成した高い配向性を有する電極層と振動板を積層してケーシング部材に接合・転写して第1電極を形成し、その上に高い配向性を有する圧電体薄膜を直接形成し、さらに第2電極を形成して圧電素子を形成した例である。
【0072】
本実施例の圧電素子及び液滴噴射装置の作製工程図を図3に示す。図3は断面方向の概略を示している。
【0073】
まず図3(a)に示すように、第1基板1上に電極層2を形成した。第1基板1としてはMgO単結晶を用いた。この第1基板1は面方位(100)で、表面を実施例1と同様なAFMによる観察で、1μm平方において表面粗さRaは0.4nm以下のものである。この第1基板1上に、スパッタ法を用いてPtを200nm堆積し、電極層2を形成した。成膜方法は、ターゲットとしてPtを用い、Arガスで、ターゲットに対して高周波パワーが4W/cm2となるように印加し、基板温度700℃として行った。このようにして得られた電極層2を実施例1と同様にX線回折装置により評価したところ結晶軸(100)が基板面に垂直方向に配向していることが確認された。また、この電極層2の表面(第1基板1と接しない側)について実施例1と同様にAFMによる観察を行ったところ、1μm平方において表面粗さRaは0.8nm乃至1.0nm程度で、結晶粒界の凹凸部分が観察された。
【0074】
次に、図3(b)に示すように、電極層2上に拡散防止層3と第1の接合層4を順に形成した。形成方法は実施例1と同様とした。ただし拡散防止層3の膜厚は実施例1の1/2とした。
【0075】
次に、図3(c)に示すように、第2基板を形成した。第2基板としては、面方位(100)のSi単結晶基板両面にLP―CVC法により窒化シリコン被膜18を150nmの厚さで形成した後、片側の面に振動板材料10となるSiO2をスパッタリングにより3μmの厚さに形成した。
【0076】
次に、図3(d)に示すように、第2基板5の振動板材料10上に拡散防止層19及び第2の接合層6を順に形成した。拡散防止層及び接合層の膜厚及び形成方法は図3(b)に示した工程とそれぞれ同様とした。
【0077】
次に、図3(e)に示すように、第1基板1と第2基板5を接合層面同士を合わせ接合面を密着させた後、両基板を押し付け合うように加圧した。圧力は10kg/cm2とし、1分間保持した。この際両基板は150℃に保持し、圧力解放後に室温まで冷却した。
【0078】
次に、図3(f)に示すように、第1基板1を電極層2との界面より剥離し、第1基板の平坦な基板面形状を表面医転写した第1電極7を形成した。剥離は界面に基板端部より鋭利な刃状の剥離用治具を挿入して行った。このようにして得られた第1電極7の表面(第1の基板1に接していた側)を実施例1と同様にAFMにより観察したところ、1μm平方において表面粗さRaは0.4nm以下で、第1基板1の表面性を反映した平滑性を有していた。
【0079】
次に、図3(g)に示すように、第1電極7表面上に圧電体薄膜8を形成した。圧電体薄膜としてはPZT系材料を3μm堆積した。成膜方法は実施例1と全く同様とした。
【0080】
このようにして得られた圧電体薄膜8を実施例1と同様にX線回折装置により評価したところ、配向の程度は実施例1よりも低いもののほぼ同様に結晶のc軸が基板面に垂直方向に配向していることが確認された。また、圧電体薄膜8の断面を実施例1と同様に走査型電子顕微鏡にて観察したところ、基板面に垂直な柱状の結晶構造が観察された。
【0081】
次に、図3(h)に示すように、圧電体薄膜8の表面にスパッタ法を用いてPtを200nm堆積し、第2電極9を形成した。
【0082】
次に、図3(i)に示すように、第2基板の圧電体薄膜に対向する側の窒化シリコン被膜17をフォトリソグラフィーを用いてパターニングしてエッチングマスクとし、TMAH溶液による異方性エッチングで凹部14、吐出口15を形成した。さらに振動板11もメンブレン構造に形成した。
【0083】
次に、図3(j)に示すように、図中下方よりArプラズマによるドライエッチングを行い、図示した箇所の窒化シリコン被膜18を除去した。
【0084】
最後に次に、図3(k)に示すように、空隙13を形成した第3基板20を接合し液滴噴射装置を完成させた。以上のようにして圧電素子16、及び液滴噴射装置17を作製した。
【0085】
以上のようにして作製した本実施例の圧電素子は、電圧印加によって充分なたわみ変位を得ることができた。さらに本実施例の液滴噴射装置は上記の電圧印加によって良好な液滴噴射特性を示した。
【0086】
なお、本実施例の図3(f)に示した工程において剥離した第1基板であるMgO単結晶基板を簡単な研磨及びエッチングによる平坦化処理を施した後に、これを用いて再度本実施例の圧電素子及び液滴噴射装置を作製したところ、全く同様に作製することができた。
【0087】
以上本実施例によれば、平滑性の高い電極上に圧電体薄膜を成長させることにより、分極方向である結晶軸方向の乱れを低減し、良好な特性を有する圧電素子を作製することができた。さらに本実施例によれば、微細な圧電素子でも液滴の吐出に十分な振動板の変位量及び圧力を得ることができ高効率の液滴噴射装置を提供することができた。
【0088】
さらに本実施例によれば、高効率な圧電素子に必要なc軸配向させた結晶性のよいPZT薄膜を形成するにあたり用いる、高価なMgO基板を再利用することが可能となり、低コストで圧電素子及びこれを用いた液滴噴射装置を提供することもできた。
【0089】
また本実施例では、実施例1とほぼ同様な高い配向性を有する圧電体薄膜を振動板上に直接形成することが可能で、実施例1に比較して接合工程を削減できる。
【0090】
以上、本発明の3つの実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内特定の説明と図に限定されるのではなく、本特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0091】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0092】
本発明の実施態様は、第1電極と、第1電極上に形成された圧電体薄膜と、圧電体薄膜上に形成された第2電極と、振動板とを有する圧電素子であって、平滑な基板面を有する第1基板面上に形成した電極層を第2基板に転写して、第1電極が形成される圧電素子である。
【0093】
本実施態様によれば、平滑性の高い電極上に圧電体薄膜を成長させることにより、分極方向である結晶軸方向の乱れを低減し、良好な特性を有する圧電素子を作製することができる。
【0094】
また、本発明においては、第1基板として、酸化物単結晶を用いることが好ましい。
【0095】
本実施態様によれば、好適な高い配向性をもつ圧電体薄膜を積層堆積することが容易となる。
【0096】
また、本発明においては、第1基板として、表面に熱酸化膜を形成したSiウェハーを用いることが好ましい。
【0097】
本実施態様によれば、低コストで平滑性の高い第1電極を形成できる。
【0098】
また、本発明においては、第2基板と電極層が、第2基板上及び/または電極層上に形成した接合層を介した接合であることが好ましい。
【0099】
また、本発明においては、接合層と第2基板及び/または電極層との間に拡散防止層を有することが好ましい。
【0100】
本実施態様によれば、圧電体薄膜の形成などの高温工程における第1基板あるいは電極層、圧電体薄膜との相互拡散を防止することができる。
【0101】
本発明の他の実施態様は、上記の圧電素子を凹状部分及び開口部をもつケーシング部材(インク室)に直接接合してなる液滴噴射装置である。
【0102】
本実施態様によれば、微細な圧電素子でも液滴の吐出に十分な振動板の変位量及び圧力を得ることができ、高効率の液滴噴射装置を提供することができる。
【0103】
本発明の他の実施態様は、第1電極と、第1電極上に形成された圧電体薄膜と、圧電体薄膜上に形成された第2電極と、振動板とを有する圧電素子の製造方法であって、平滑な基板面を有する第1基板面上に電極層を形成する工程と、第2基板と電極層とを接合する工程と、第1基板を前記電極層より剥離して前記第1基板の平坦な基板面形状を電極層表面に転写して、第1電極が形成される工程とを有する圧電素子の製造方法である。
【0104】
本実施態様によれば、高効率な圧電素子に必要なc軸配向させた結晶性のよいPZT薄膜を形成するにあたり用いる、高価なMgO基板を再利用することが可能となり、低コストで圧電素子を提供することができる。
【0105】
本発明の他の実施態様は、上記の圧電素子の製造方法により、圧電素子を製造する工程と、圧電素子を凹状部分及び開口部をもつケーシング部材(インク室)に直接接合する工程とを有する液滴噴射装置の製造方法である。
【0106】
本実施態様によれば、高効率な圧電素子に必要なc軸配向させた結晶性のよいPZT薄膜を形成するにあたり用いる、高価なMgO基板を再利用することが可能となり、低コストで液滴噴射装置を提供することができる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明には以下の効果がある。
【0108】
本発明によれば、平滑性の高い電極上に圧電体薄膜を成長させることにより、分極方向である結晶軸方向の乱れを低減し、良好な特性を有する圧電素子を作製することができる。
【0109】
さらに本発明によれば、微細な圧電素子でも液滴の吐出に十分な振動板の変位量及び圧力を得ることができ、高効率の液滴噴射装置を提供することができる。
【0110】
さらに本発明によれば、高効率な圧電素子に必要なc軸配向させた結晶性のよいPZT薄膜を形成するにあたり用いる、高価なMgO基板を再利用することが可能となり、低コストで圧電素子及びこれを用いた液滴噴射装置を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の圧電素子及び液滴噴射装置の作製方法の工程図である。
【図2】実施例2の圧電素子及び液滴噴射装置の作製方法の工程図である。
【図3】実施例3の圧電素子及び液滴噴射装置の作製方法の工程図である。
【符号の説明】
1 第1基板
2 電極層
3 拡散防止層
4 第1の接合層
5 第2基板
6 第2の接合層
7 第1電極
8 圧電体薄膜
9 第2電極
10 振動板材料
11 振動板
12 ケーシング部材(インク室)
13 空隙
14 凹部
15 吐出口
16 圧電素子
17 液滴噴射装置
18 窒化シリコン被膜
19 拡散防止層
20 第3基板

Claims (1)

  1. 第1電極と、該第1電極上に形成された圧電体薄膜と、該圧電体薄膜上に形成された第2電極と、振動板とを有する圧電素子であって、
    平滑な基板面を有する第1基板面上に形成した電極層を第2基板に転写して、前記第1電極が形成されることを特徴とする圧電素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007266275A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Seiko Epson Corp アクチュエータ装置、それを備えた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びにアクチュエータ装置の製造方法
JP2008218620A (ja) 2007-03-02 2008-09-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電体薄膜素子、圧電体薄膜素子の製造方法、インクジェットヘッド、およびインクジェット式記録装置
JP2009071295A (ja) * 2007-08-21 2009-04-02 Fujifilm Corp 圧電素子及びそれを用いた液体吐出装置

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