JP2004214138A - 同軸ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】シールド性能、特に低周波帯域でのシールド性能の向上が図れる同軸ケーブルを提供する。
【解決手段】この同軸ケーブルは、車両に配索され、各種の信号伝送に用いられるものであって、内部導体1と、絶縁層3と、錫メッキ軟銅線により形成される金属編組からなる3層又は4層の外部導体層5,7,9と、外被11とを備えて構成されている。この金属材料により形成された外部導体層5,7,9を3層設けたことによる効果により、シールド性能、特に低周波帯域でのシールド性能の向上が図れる。
【選択図】 図1
【解決手段】この同軸ケーブルは、車両に配索され、各種の信号伝送に用いられるものであって、内部導体1と、絶縁層3と、錫メッキ軟銅線により形成される金属編組からなる3層又は4層の外部導体層5,7,9と、外被11とを備えて構成されている。この金属材料により形成された外部導体層5,7,9を3層設けたことによる効果により、シールド性能、特に低周波帯域でのシールド性能の向上が図れる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に配索され、信号伝送に用いられる同軸ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
図11及び図12は、従来の同軸ケーブルの断面図である。図11の同軸ケーブルは、同図に示すように、内部導体101と、内部導体101を外囲する絶縁層103と、その絶縁層103を介して内部導体101を外囲する外部導体層105と、外部導体105の外側に設けられる外被107とを備えている。外部導体層105は、軟銅線又は錫メッキ軟銅線を素線として網目状に円筒形に編み合わされた1重の金属編組により構成されている。この同軸ケーブルは、テレビジョンアンテナ、ラジオアンテナ、GPSアンテナ等の各種アンテナの受信信号伝送用や、映像信号(RGB信号等)の伝送用などの幅広い用途に用いられている。
【0003】
図12の同軸ケーブルは、同図に示すように、2層の外部導体層105,109が設けられている。各層の外部導体層105,109は、図11の外部導体層105と同様に、軟銅線又は錫メッキ軟銅線を素線として網目状に円筒形に編み合わされた1重の金属編組により構成されている。この同軸ケーブルは、GPSアンテナ及びVICSアンテナの受信信号等の高周波信号の伝送用などに主に使用されている。
【0004】
なお、本発明に関連する先行技術としては特許文献1に記載のものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平2001−143543公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の図11の同軸ケーブルでは、シールド層である外部導体層105が1層しか設けられていないため、シールド性能が低い。
【0007】
また、上記の図12の同軸ケーブルは、2層の外部導体層105,109を設けているため、高周波帯域では比較的高いシールド性能が実現できるものの、低周波帯域(特に、1MHz以下の帯域)のシールド性能が低いままである。
【0008】
ところで、車両に搭載する信号伝送用の同軸ケーブルでは、その同軸ケーブルの周辺に位置する各種搭載機器の配線等からのノイズの影響を受けやすい。このため、一般的には、同軸ケーブルの配索経路を電源線や制御信号線等から隔離した経路に設定している。しかし、近年の車室内の拡大化の傾向等により、配線材の配索スペースが削減される傾向にあり、信号伝送用の同軸ケーブルと電源線等の他のケーブルとを異なる経路に配索することが困難になりつつあり、各種ケーブルの配索経路の統合の必要性が向上しており、そのためには、同軸ケーブルの耐ノイズ特性(シールド性能)の向上が課題となっている。特に、ラジオアンテナの受信信号伝送用の同軸ケーブルについていえば、世界的にみてラジオ放送の周波数が100kHz台から存在しているのに対して、そのような低周波帯域については上記の図12又は図13の同軸ケーブルを用いても十分に対応できず、シールド性能の向上が特に必要となっている。
【0009】
そこで、本発明は、シールド性能、特に低周波帯域でのシールド性能の向上が図れる同軸ケーブルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、車両に配索され、信号伝送に用いられる同軸ケーブルであって、信号を伝送する内部導体と、前記内部導体を外囲する絶縁層と、金属材料により形成され、前記絶縁層を介して前記内部導体を外囲する少なくとも3層の外部導体層と、を備えている。
【0011】
また、好ましくは、前記外部導体層は、前記金属材料により形成された金属素線が網目状に編まれてなる金属編組により構成されるのがよい。
【0012】
また、好ましくは、前記外部導体層は、前記金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに螺旋状に巻回されて構成されているのがよい。
【0013】
また、好ましくは、前記外部導体層は、前記金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに逆向きの螺旋巻回方向で2重に巻回されて構成されているのがよい。
【0014】
また、好ましくは、前記外部導体層は、前記金属材料により形成された帯状の金属シートが、その外部導体層より内側の構成要素を包み込むように外装されて構成されるのがよい。
【0015】
また、好ましくは、前記金属材料として銅が用いられるのがよい。
【0016】
また、好ましくは、前記同軸ケーブルは、車両に設置されるアンテナと、そのアンテナを介して電波信号の受信及び送信の少なくともいずれか一方を行う車載機器との間の信号経路の少なくとも一部に介装されるのがよい。
【0017】
また、好ましくは、前記同軸ケーブルは、車載機器間における映像信号の伝送路として用いられるのがよい。
【0018】
また、好ましくは、前記同軸ケーブルは、車載機器間における通信経路として用いられるのがよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る同軸ケーブルの断面図である。この同軸ケーブルは、車両に配索され、各種の信号伝送に用いられるものであって、構成要素として、図1に示すように、信号を伝送する内部導体1と、その内部導体1を外囲する絶縁層3と、その絶縁層3を介して内部導体1を外囲する3層の外部導体層5,7,9と、外被11とを備えて構成されている。
【0020】
内部導体1は、銅又は銅合金等の高導電性金属により構成されている。本実施形態では、錫メッキ軟銅線からなる複数の金属素線が撚り合わされて構成されている。絶縁層3は、樹脂(例えば架橋PE)が押出成形されて形成されている。
【0021】
ここで、本実施形態に係る同軸ケーブルの各部の寸法例を記載しておくと、50Ω系の場合では、内部導体1は線径0.18mmの7本の錫メッキ軟銅線が撚り合わされて構成されており、絶縁層3の外径は1.6mmに設定され、外部導体5,7,9からなる導体層の外径は3.1mmに設定され、外被11の外径は4.0mmに設定される。また、70Ω系の場合では、内部導体1が線径0.10mmの7本の錫メッキ軟銅線が撚り合わされて構成される点が50Ω系と異なるのみで、他の各部分の寸法及び構成は50Ω系と同様である。
【0022】
外部導体層5,7,9は、図2に示すように、金属材料により形成された複数の金属素線21が網目状に編まれてなる金属編組23により構成される。本実施形態では、金属素線21として、銅線、軟銅線、又はそれらに錫や亜鉛等をメッキしたメッキ線などが用いられている。より詳細には、本実施形態では、錫メッキ軟銅線が金属素線21として用いられている。
【0023】
ここで、金属編組23の構成についてさらに具体的に説明する。金属編組23は、複数(例えば4本)の金属素線21からなる複数(例えば16本)の編材25を、図2ないし4に示すように、上下に順次交差させつつ円筒形に編み合わせて構成されている。金属編組23の表面密度Bは、シールド性能及び曲げ柔軟性等の観点から最適な値に設定される。なお、表面密度Bは、編組ピッチP、編組層心径D、持本数m、打数n、編組素線径dをパラメータとして、以下の(数1)のように与えられる。
【0024】
【数1】
【0025】
外部導体層5,7,9の表面密度B等についての具体例については、例えば、導体層5は表面密度Bが87%、編組素線径dが0.1mmに設定され、導体層7は表面密度Bが90%、編組素線径dが0.1mmに設定され、導体層9は表面密度Bが89%、編組素線径dが0.1mmに設定される。
【0026】
外被11は、樹脂(PVC等)が押出成形されて形成されている。
【0027】
図5は、本実施形態(図1)に係る同軸ケーブルと前述の図11及び図12の同軸ケーブルとのシールド効果を各周波数について試験して比較したグラフであり、グラフG1が本実施形態に係る同軸ケーブルに対応し、グラフG2が図11の同軸ケーブルに対応し、グラフG3が図12の同軸ケーブルに対応している。なお、グラフG4は、後述する第2実施形態に係る同軸ケーブルのシールド効果を示している。なお、試験はIEC61196−1に準拠して行った。
【0028】
その試験において、条件を同一にするめ、各同軸ケーブルのシールド層である外部導体層5,7,9,105,109以外の構成については実質的に同一条件としている。本実施形態に係る同軸ケーブルの外部導体層5,7,9の構成は前述の具体例の内容が採用されている。図11の同軸ケーブルの外部導体層105の構成は、その金属編組の金属素線に線径0.1mmの錫メッキ軟銅線が用いられて、表面密度が89%に設定されている。図12の同軸ケーブルについては、その内側の外部導体層105の構成が、その金属編組の金属素線に線径0.1mmの錫メッキ軟銅線が用いられて、表面密度が87%に設定されており、その外側の外部導体層109の構成が、その金属編組の金属素線に線径0.1mmの錫メッキ軟銅線が用いられて、表面密度が90%に設定されている。
【0029】
図5のグラフG1〜G3より明らかなように、例えば、周波数が1MHzのところに着目すると、前述の従来品の中で最もシールド効果の高い図12の同軸ケーブルではそのシールド効果が約30dBとなっている。こに対して、本実施形態に係る同軸ケーブルでは約45dBのシールド効果が得られており、これによって従来品に比して少なくとも約15dBのシールド効果の改善が得られている。ほぼ同様に、課題となっていた1MHz以下の帯域においても、本実施形態に係る同軸ケーブルでは従来品に対して大幅は改善が図れている。このため、本実施形態に係る同軸ケーブルを1MHz以下の周波数帯域の用途に用いると、従来品との比較においてその性能をより有効に発揮させることができる。
【0030】
図6は、本実施形態に係る同軸ケーブルが適用し得る車載ケーブルの具体例を示す図である。本実施形態に係る同軸ケーブルの用途としては、図6に示すように、車両後方(例えば後部ウィンドウ)に設けられる図示しないラジオアンテナ又はテレビジョンアンテナと、車載機器(例えばオーディオ機器、情報処理装置(カーナビゲーション装置を含む)、ETCユニット本体など)31との間を接続する受信信号伝送用のケーブル33,35がある。また、車両の後方等に設けられる自動車電話ユニット37と車載機器31との間を接続する信号伝送用のケーブル39、及び自動車電話ユニット37とそのアンテナユニット41との間を接続する信号伝送用のケーブル43も用途となり得る。
【0031】
また、GPSアンテナユニット45、ETCアンテナユニット47又はVICSアンテナユニット49と車載機器31との間を接続する信号伝送用のケーブル51,53,55も用途となり得る。また、車両周辺の死角領域等を撮像するために設けられる図示しない車載カメラユニットと車載機器31との間に設けられる映像信号(RGB信号等)の伝送用のケーブルや、車載機器31と図示しない表示装置(LCD等)との間の映像信号伝送用のケーブルとしても利用可能である。また、通信機能を有する図示しない各車載機器間で行われる通信(LAN等)の通信回線構成用のケーブルとしても利用可能である。
【0032】
以上のように、本実施形態に係る同軸ケーブルによれば、金属材料により形成された外部導体層5,7,9を3層設けたことによる効果により、シールド性能、特に低周波帯域でのシールド性能の向上が図れる。例えば、従来より特に課題となっていた1MHz以下の帯域において大きなシールド性能の改善が図れる。
【0033】
これによって、ラジオアンテナの受信信号等の各種の信号伝送用のケーブルと、電源線等の他のケーブルとを同一経路で車両に配索することができ、車両における電線配索スペースの削減が図れる。例えば、ラジオアンテナ又はテレビアンテナの受信信号伝送用のケーブル33,35を、図7又は図8に示すように、他の電線61と共に特定のワイヤハーネス(フロアハーネス等)63中に挿入したり、ワイヤハーネス63に併設したりすることができる。なお、図7及び図8中における符号65は、電線61の結束用又は保護用の外装部材(テープ、プロテクタ等)を示している。
【0034】
また、外部導体層5,7,9が、金属材料により形成された金属素線21が網目状に編まれてなる金属編組23により構成されるため、高いシールド性能を確保しつつ、車両に配索する際の3次元的に複雑な変形にも柔軟に対応することができる同軸ケーブルを提供できる。
【0035】
また、外部導体層5,7,9を構成する金属素線21に、導電性が高く、安価で加工も容易な錫メッキ軟銅線が用いられているため、安価で高いシールド性能を有する同軸ケーブルを提供できる。
【0036】
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態に係る同軸ケーブルの断面図である。本実施形態に係る同軸ケーブルが前述の第1実施形態に係る同軸ケーブルと実質的に異なる点は、外部導体層の層数が異なる点のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0037】
本実施形態に係る同軸ケーブルでは、図9に示すように、4層の外部導体層5,7,9,13が設けられている。なお、本実施形態において追加された外部導体層13の基本的な構成は、他の外部導体層5,7,9と同様である。
【0038】
本実施形態における外部導体層5,7,9,13の表面密度B等についての具体例については、例えば、導体層5は表面密度Bが87%、編組素線径dが0.1mmに設定され、導体層7は表面密度Bが95%、編組素線径dが0.18mmに設定され、導体層9は表面密度Bが89%、編組素線径dが0.1mmに設定され、導体層13は表面密度Bが96%、編組素線径dが0.18mmに設定される。そして、このような設定条件の下で、第1実施形態の場合と同様なシールド試験を行うと、前述の図5のグラフG4に示すような結果が得られた。
【0039】
以上のように、本実施形態においても、高導電性金属材料により形成された外部導体層5,7,9,13を4層設けたことによる効果により、シールド性能の向上等の点で、前述の第1実施形態以上の効果が得られる。
【0040】
<変形例>
以下に、上記の第1及び第2実施形態に係る同軸ケーブルの変形例について記載する。
【0041】
また、第1及び第2実施形態に係る同軸ケーブルにおいて、外部導体層5,7,9,13を、金属編組の代わりに、図10に示されるように、金属材料により形成された金属素線(例えば錫メッキ軟銅線)81,83を同軸ケーブルの中心軸回りに逆向きの螺旋巻回方向で2重に巻回して構成してもよい。金属素線81は内側の巻回層を構成し、金属素線83は外側の巻回層を構成しており、これらは互いに交差するように2重に重なり合って螺旋状に巻回されている。この場合の金属素線81,83の巻回面上における表面密度は、第1及び第2実施形態に係る外部導体層5,7,9,13の金属編組と同等なレベルに設定される。また、図10に示す構成のさらなる変形例として、外部導体層5,7,9,13を、金属素線81,83の一方を1重に螺旋状に巻回して構成してもよい。
【0042】
また、第1及び第2実施形態に係る同軸ケーブルにおいて、外部導体層5,7,9,13を、金属編組の代わりに、高導電性金属材料により形成された金属フィルム(例えば銅フィルム)と樹脂フィルム(例えばPETフィルム)とが張り合わされてなる所定幅の帯状の複合金属テープ(金属テープ)によって構成してもよい。この場合、この複合金属テープは、それより内側に位置する構成要素を包む込むように外装される。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、金属材料により形成された外部導体層を3層以上設けた効果により、シールド性能、特に低周波帯域でのシールド性能の向上が図れる。例えば、従来より特に課題となっていた1MHz以下の帯域において大きなシールド性能の改善が図れる。
【0044】
請求項2に記載の発明によれば、外部導体層が、金属材料により形成された金属素線が網目状に編まれてなる金属編組により構成されるため、高いシールド性能を確保しつつ、車両に配索する際の3次元的に複雑な変形にも柔軟に対応することができる同軸ケーブルを提供できる。
【0045】
請求項3に記載の発明によれば、外部導体層が、金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに螺旋状に巻回されて構成されているため、高いシールド性能を確保しつつ、車両に配索する際の3次元的に複雑な変形にも柔軟に対応することができる同軸ケーブルを提供できる。
【0046】
請求項4に記載の発明によれば、外部導体層が、金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに逆向きの螺旋巻回方向で2重に巻回されて構成されているため、高いシールド性能を確保しつつ、車両に配索する際の3次元的に複雑な変形にも柔軟に対応することができる同軸ケーブルを提供できる。
【0047】
また、外部導体層が、金属素線が逆向きの螺旋方向で2重に巻回されているため、2重に螺旋状に巻回された内側の金属素線と外側の金属素線とが交差するようにして巻回されており、これによって、より高いシールド性能が得られる。
【0048】
請求項5に記載の発明によれば、外部導体層が、金属材料により形成された帯状の金属シートがその外部導体層より内側の構成要素を包み込むように外装されて構成されるため、隙間なくシールドすることができ、これによってより高いシールド性能が得られる。
【0049】
請求項6に記載の発明によれば、外部導体層を形成するための金属材料として、高い導電性を有し、安価で加工も容易な銅が用いられるため、安価で高いシールド性能を有する同軸ケーブルを提供できる。
【0050】
請求項7に記載の発明によれば、シールド性能の向上により、アンテナの受信信号を伝送するためのケーブルを、電源線等の他のケーブルと同一経路で車両に配索することができ、車両における電線配索スペースの削減が図れる。
【0051】
請求項8に記載の発明によれば、シールド性能の向上により、車載機器間で映像信号を伝送するためのケーブルを、電源線等の他のケーブルと同一経路で車両に配索することができ、車両における電線配索スペースの削減が図れる。
【0052】
請求項9に記載の発明によれば、シールド性能の向上により、車載機器間の通信経路を構成するためのケーブルを、電源線等の他のケーブルと同一経路で車両に配索することができ、車両における電線配索スペースの削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る同軸ケーブルの断面図である。
【図2】金属編組の構成を部分的に拡大して示す図である。
【図3】外部導体層を構成する金属編組の構成を示す断面図である。
【図4】外部導体層を構成する金属編組の構成を示す側面図である。
【図5】図1、図9、図11及び図12の同軸ケーブルのシールド効果を各周波数について比較したグラフである。
【図6】図1の同軸ケーブルが適用し得る車載ケーブルの具体例を示す図である。
【図7】図1の同軸ケーブルの車両への配索例を示す断面図である。
【図8】図1の同軸ケーブルの車両への配索例を示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る同軸ケーブルの断面図である。
【図10】図1又は図2の同軸ケーブルの外部導体層の変形例を示す側面図である。
【図11】従来の同軸ケーブルの断面図である。
【図12】従来の同軸ケーブルの断面図である。
【符号の説明】
1 内部導体
3 絶縁層
5,7,9,13 外部導体層
11 外被
21 金属素線
23 金属編組
33,35 同軸ケーブル
63 ワイヤハーネス
81,83 金属素線
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に配索され、信号伝送に用いられる同軸ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
図11及び図12は、従来の同軸ケーブルの断面図である。図11の同軸ケーブルは、同図に示すように、内部導体101と、内部導体101を外囲する絶縁層103と、その絶縁層103を介して内部導体101を外囲する外部導体層105と、外部導体105の外側に設けられる外被107とを備えている。外部導体層105は、軟銅線又は錫メッキ軟銅線を素線として網目状に円筒形に編み合わされた1重の金属編組により構成されている。この同軸ケーブルは、テレビジョンアンテナ、ラジオアンテナ、GPSアンテナ等の各種アンテナの受信信号伝送用や、映像信号(RGB信号等)の伝送用などの幅広い用途に用いられている。
【0003】
図12の同軸ケーブルは、同図に示すように、2層の外部導体層105,109が設けられている。各層の外部導体層105,109は、図11の外部導体層105と同様に、軟銅線又は錫メッキ軟銅線を素線として網目状に円筒形に編み合わされた1重の金属編組により構成されている。この同軸ケーブルは、GPSアンテナ及びVICSアンテナの受信信号等の高周波信号の伝送用などに主に使用されている。
【0004】
なお、本発明に関連する先行技術としては特許文献1に記載のものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平2001−143543公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の図11の同軸ケーブルでは、シールド層である外部導体層105が1層しか設けられていないため、シールド性能が低い。
【0007】
また、上記の図12の同軸ケーブルは、2層の外部導体層105,109を設けているため、高周波帯域では比較的高いシールド性能が実現できるものの、低周波帯域(特に、1MHz以下の帯域)のシールド性能が低いままである。
【0008】
ところで、車両に搭載する信号伝送用の同軸ケーブルでは、その同軸ケーブルの周辺に位置する各種搭載機器の配線等からのノイズの影響を受けやすい。このため、一般的には、同軸ケーブルの配索経路を電源線や制御信号線等から隔離した経路に設定している。しかし、近年の車室内の拡大化の傾向等により、配線材の配索スペースが削減される傾向にあり、信号伝送用の同軸ケーブルと電源線等の他のケーブルとを異なる経路に配索することが困難になりつつあり、各種ケーブルの配索経路の統合の必要性が向上しており、そのためには、同軸ケーブルの耐ノイズ特性(シールド性能)の向上が課題となっている。特に、ラジオアンテナの受信信号伝送用の同軸ケーブルについていえば、世界的にみてラジオ放送の周波数が100kHz台から存在しているのに対して、そのような低周波帯域については上記の図12又は図13の同軸ケーブルを用いても十分に対応できず、シールド性能の向上が特に必要となっている。
【0009】
そこで、本発明は、シールド性能、特に低周波帯域でのシールド性能の向上が図れる同軸ケーブルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、車両に配索され、信号伝送に用いられる同軸ケーブルであって、信号を伝送する内部導体と、前記内部導体を外囲する絶縁層と、金属材料により形成され、前記絶縁層を介して前記内部導体を外囲する少なくとも3層の外部導体層と、を備えている。
【0011】
また、好ましくは、前記外部導体層は、前記金属材料により形成された金属素線が網目状に編まれてなる金属編組により構成されるのがよい。
【0012】
また、好ましくは、前記外部導体層は、前記金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに螺旋状に巻回されて構成されているのがよい。
【0013】
また、好ましくは、前記外部導体層は、前記金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに逆向きの螺旋巻回方向で2重に巻回されて構成されているのがよい。
【0014】
また、好ましくは、前記外部導体層は、前記金属材料により形成された帯状の金属シートが、その外部導体層より内側の構成要素を包み込むように外装されて構成されるのがよい。
【0015】
また、好ましくは、前記金属材料として銅が用いられるのがよい。
【0016】
また、好ましくは、前記同軸ケーブルは、車両に設置されるアンテナと、そのアンテナを介して電波信号の受信及び送信の少なくともいずれか一方を行う車載機器との間の信号経路の少なくとも一部に介装されるのがよい。
【0017】
また、好ましくは、前記同軸ケーブルは、車載機器間における映像信号の伝送路として用いられるのがよい。
【0018】
また、好ましくは、前記同軸ケーブルは、車載機器間における通信経路として用いられるのがよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る同軸ケーブルの断面図である。この同軸ケーブルは、車両に配索され、各種の信号伝送に用いられるものであって、構成要素として、図1に示すように、信号を伝送する内部導体1と、その内部導体1を外囲する絶縁層3と、その絶縁層3を介して内部導体1を外囲する3層の外部導体層5,7,9と、外被11とを備えて構成されている。
【0020】
内部導体1は、銅又は銅合金等の高導電性金属により構成されている。本実施形態では、錫メッキ軟銅線からなる複数の金属素線が撚り合わされて構成されている。絶縁層3は、樹脂(例えば架橋PE)が押出成形されて形成されている。
【0021】
ここで、本実施形態に係る同軸ケーブルの各部の寸法例を記載しておくと、50Ω系の場合では、内部導体1は線径0.18mmの7本の錫メッキ軟銅線が撚り合わされて構成されており、絶縁層3の外径は1.6mmに設定され、外部導体5,7,9からなる導体層の外径は3.1mmに設定され、外被11の外径は4.0mmに設定される。また、70Ω系の場合では、内部導体1が線径0.10mmの7本の錫メッキ軟銅線が撚り合わされて構成される点が50Ω系と異なるのみで、他の各部分の寸法及び構成は50Ω系と同様である。
【0022】
外部導体層5,7,9は、図2に示すように、金属材料により形成された複数の金属素線21が網目状に編まれてなる金属編組23により構成される。本実施形態では、金属素線21として、銅線、軟銅線、又はそれらに錫や亜鉛等をメッキしたメッキ線などが用いられている。より詳細には、本実施形態では、錫メッキ軟銅線が金属素線21として用いられている。
【0023】
ここで、金属編組23の構成についてさらに具体的に説明する。金属編組23は、複数(例えば4本)の金属素線21からなる複数(例えば16本)の編材25を、図2ないし4に示すように、上下に順次交差させつつ円筒形に編み合わせて構成されている。金属編組23の表面密度Bは、シールド性能及び曲げ柔軟性等の観点から最適な値に設定される。なお、表面密度Bは、編組ピッチP、編組層心径D、持本数m、打数n、編組素線径dをパラメータとして、以下の(数1)のように与えられる。
【0024】
【数1】
【0025】
外部導体層5,7,9の表面密度B等についての具体例については、例えば、導体層5は表面密度Bが87%、編組素線径dが0.1mmに設定され、導体層7は表面密度Bが90%、編組素線径dが0.1mmに設定され、導体層9は表面密度Bが89%、編組素線径dが0.1mmに設定される。
【0026】
外被11は、樹脂(PVC等)が押出成形されて形成されている。
【0027】
図5は、本実施形態(図1)に係る同軸ケーブルと前述の図11及び図12の同軸ケーブルとのシールド効果を各周波数について試験して比較したグラフであり、グラフG1が本実施形態に係る同軸ケーブルに対応し、グラフG2が図11の同軸ケーブルに対応し、グラフG3が図12の同軸ケーブルに対応している。なお、グラフG4は、後述する第2実施形態に係る同軸ケーブルのシールド効果を示している。なお、試験はIEC61196−1に準拠して行った。
【0028】
その試験において、条件を同一にするめ、各同軸ケーブルのシールド層である外部導体層5,7,9,105,109以外の構成については実質的に同一条件としている。本実施形態に係る同軸ケーブルの外部導体層5,7,9の構成は前述の具体例の内容が採用されている。図11の同軸ケーブルの外部導体層105の構成は、その金属編組の金属素線に線径0.1mmの錫メッキ軟銅線が用いられて、表面密度が89%に設定されている。図12の同軸ケーブルについては、その内側の外部導体層105の構成が、その金属編組の金属素線に線径0.1mmの錫メッキ軟銅線が用いられて、表面密度が87%に設定されており、その外側の外部導体層109の構成が、その金属編組の金属素線に線径0.1mmの錫メッキ軟銅線が用いられて、表面密度が90%に設定されている。
【0029】
図5のグラフG1〜G3より明らかなように、例えば、周波数が1MHzのところに着目すると、前述の従来品の中で最もシールド効果の高い図12の同軸ケーブルではそのシールド効果が約30dBとなっている。こに対して、本実施形態に係る同軸ケーブルでは約45dBのシールド効果が得られており、これによって従来品に比して少なくとも約15dBのシールド効果の改善が得られている。ほぼ同様に、課題となっていた1MHz以下の帯域においても、本実施形態に係る同軸ケーブルでは従来品に対して大幅は改善が図れている。このため、本実施形態に係る同軸ケーブルを1MHz以下の周波数帯域の用途に用いると、従来品との比較においてその性能をより有効に発揮させることができる。
【0030】
図6は、本実施形態に係る同軸ケーブルが適用し得る車載ケーブルの具体例を示す図である。本実施形態に係る同軸ケーブルの用途としては、図6に示すように、車両後方(例えば後部ウィンドウ)に設けられる図示しないラジオアンテナ又はテレビジョンアンテナと、車載機器(例えばオーディオ機器、情報処理装置(カーナビゲーション装置を含む)、ETCユニット本体など)31との間を接続する受信信号伝送用のケーブル33,35がある。また、車両の後方等に設けられる自動車電話ユニット37と車載機器31との間を接続する信号伝送用のケーブル39、及び自動車電話ユニット37とそのアンテナユニット41との間を接続する信号伝送用のケーブル43も用途となり得る。
【0031】
また、GPSアンテナユニット45、ETCアンテナユニット47又はVICSアンテナユニット49と車載機器31との間を接続する信号伝送用のケーブル51,53,55も用途となり得る。また、車両周辺の死角領域等を撮像するために設けられる図示しない車載カメラユニットと車載機器31との間に設けられる映像信号(RGB信号等)の伝送用のケーブルや、車載機器31と図示しない表示装置(LCD等)との間の映像信号伝送用のケーブルとしても利用可能である。また、通信機能を有する図示しない各車載機器間で行われる通信(LAN等)の通信回線構成用のケーブルとしても利用可能である。
【0032】
以上のように、本実施形態に係る同軸ケーブルによれば、金属材料により形成された外部導体層5,7,9を3層設けたことによる効果により、シールド性能、特に低周波帯域でのシールド性能の向上が図れる。例えば、従来より特に課題となっていた1MHz以下の帯域において大きなシールド性能の改善が図れる。
【0033】
これによって、ラジオアンテナの受信信号等の各種の信号伝送用のケーブルと、電源線等の他のケーブルとを同一経路で車両に配索することができ、車両における電線配索スペースの削減が図れる。例えば、ラジオアンテナ又はテレビアンテナの受信信号伝送用のケーブル33,35を、図7又は図8に示すように、他の電線61と共に特定のワイヤハーネス(フロアハーネス等)63中に挿入したり、ワイヤハーネス63に併設したりすることができる。なお、図7及び図8中における符号65は、電線61の結束用又は保護用の外装部材(テープ、プロテクタ等)を示している。
【0034】
また、外部導体層5,7,9が、金属材料により形成された金属素線21が網目状に編まれてなる金属編組23により構成されるため、高いシールド性能を確保しつつ、車両に配索する際の3次元的に複雑な変形にも柔軟に対応することができる同軸ケーブルを提供できる。
【0035】
また、外部導体層5,7,9を構成する金属素線21に、導電性が高く、安価で加工も容易な錫メッキ軟銅線が用いられているため、安価で高いシールド性能を有する同軸ケーブルを提供できる。
【0036】
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態に係る同軸ケーブルの断面図である。本実施形態に係る同軸ケーブルが前述の第1実施形態に係る同軸ケーブルと実質的に異なる点は、外部導体層の層数が異なる点のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0037】
本実施形態に係る同軸ケーブルでは、図9に示すように、4層の外部導体層5,7,9,13が設けられている。なお、本実施形態において追加された外部導体層13の基本的な構成は、他の外部導体層5,7,9と同様である。
【0038】
本実施形態における外部導体層5,7,9,13の表面密度B等についての具体例については、例えば、導体層5は表面密度Bが87%、編組素線径dが0.1mmに設定され、導体層7は表面密度Bが95%、編組素線径dが0.18mmに設定され、導体層9は表面密度Bが89%、編組素線径dが0.1mmに設定され、導体層13は表面密度Bが96%、編組素線径dが0.18mmに設定される。そして、このような設定条件の下で、第1実施形態の場合と同様なシールド試験を行うと、前述の図5のグラフG4に示すような結果が得られた。
【0039】
以上のように、本実施形態においても、高導電性金属材料により形成された外部導体層5,7,9,13を4層設けたことによる効果により、シールド性能の向上等の点で、前述の第1実施形態以上の効果が得られる。
【0040】
<変形例>
以下に、上記の第1及び第2実施形態に係る同軸ケーブルの変形例について記載する。
【0041】
また、第1及び第2実施形態に係る同軸ケーブルにおいて、外部導体層5,7,9,13を、金属編組の代わりに、図10に示されるように、金属材料により形成された金属素線(例えば錫メッキ軟銅線)81,83を同軸ケーブルの中心軸回りに逆向きの螺旋巻回方向で2重に巻回して構成してもよい。金属素線81は内側の巻回層を構成し、金属素線83は外側の巻回層を構成しており、これらは互いに交差するように2重に重なり合って螺旋状に巻回されている。この場合の金属素線81,83の巻回面上における表面密度は、第1及び第2実施形態に係る外部導体層5,7,9,13の金属編組と同等なレベルに設定される。また、図10に示す構成のさらなる変形例として、外部導体層5,7,9,13を、金属素線81,83の一方を1重に螺旋状に巻回して構成してもよい。
【0042】
また、第1及び第2実施形態に係る同軸ケーブルにおいて、外部導体層5,7,9,13を、金属編組の代わりに、高導電性金属材料により形成された金属フィルム(例えば銅フィルム)と樹脂フィルム(例えばPETフィルム)とが張り合わされてなる所定幅の帯状の複合金属テープ(金属テープ)によって構成してもよい。この場合、この複合金属テープは、それより内側に位置する構成要素を包む込むように外装される。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、金属材料により形成された外部導体層を3層以上設けた効果により、シールド性能、特に低周波帯域でのシールド性能の向上が図れる。例えば、従来より特に課題となっていた1MHz以下の帯域において大きなシールド性能の改善が図れる。
【0044】
請求項2に記載の発明によれば、外部導体層が、金属材料により形成された金属素線が網目状に編まれてなる金属編組により構成されるため、高いシールド性能を確保しつつ、車両に配索する際の3次元的に複雑な変形にも柔軟に対応することができる同軸ケーブルを提供できる。
【0045】
請求項3に記載の発明によれば、外部導体層が、金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに螺旋状に巻回されて構成されているため、高いシールド性能を確保しつつ、車両に配索する際の3次元的に複雑な変形にも柔軟に対応することができる同軸ケーブルを提供できる。
【0046】
請求項4に記載の発明によれば、外部導体層が、金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに逆向きの螺旋巻回方向で2重に巻回されて構成されているため、高いシールド性能を確保しつつ、車両に配索する際の3次元的に複雑な変形にも柔軟に対応することができる同軸ケーブルを提供できる。
【0047】
また、外部導体層が、金属素線が逆向きの螺旋方向で2重に巻回されているため、2重に螺旋状に巻回された内側の金属素線と外側の金属素線とが交差するようにして巻回されており、これによって、より高いシールド性能が得られる。
【0048】
請求項5に記載の発明によれば、外部導体層が、金属材料により形成された帯状の金属シートがその外部導体層より内側の構成要素を包み込むように外装されて構成されるため、隙間なくシールドすることができ、これによってより高いシールド性能が得られる。
【0049】
請求項6に記載の発明によれば、外部導体層を形成するための金属材料として、高い導電性を有し、安価で加工も容易な銅が用いられるため、安価で高いシールド性能を有する同軸ケーブルを提供できる。
【0050】
請求項7に記載の発明によれば、シールド性能の向上により、アンテナの受信信号を伝送するためのケーブルを、電源線等の他のケーブルと同一経路で車両に配索することができ、車両における電線配索スペースの削減が図れる。
【0051】
請求項8に記載の発明によれば、シールド性能の向上により、車載機器間で映像信号を伝送するためのケーブルを、電源線等の他のケーブルと同一経路で車両に配索することができ、車両における電線配索スペースの削減が図れる。
【0052】
請求項9に記載の発明によれば、シールド性能の向上により、車載機器間の通信経路を構成するためのケーブルを、電源線等の他のケーブルと同一経路で車両に配索することができ、車両における電線配索スペースの削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る同軸ケーブルの断面図である。
【図2】金属編組の構成を部分的に拡大して示す図である。
【図3】外部導体層を構成する金属編組の構成を示す断面図である。
【図4】外部導体層を構成する金属編組の構成を示す側面図である。
【図5】図1、図9、図11及び図12の同軸ケーブルのシールド効果を各周波数について比較したグラフである。
【図6】図1の同軸ケーブルが適用し得る車載ケーブルの具体例を示す図である。
【図7】図1の同軸ケーブルの車両への配索例を示す断面図である。
【図8】図1の同軸ケーブルの車両への配索例を示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る同軸ケーブルの断面図である。
【図10】図1又は図2の同軸ケーブルの外部導体層の変形例を示す側面図である。
【図11】従来の同軸ケーブルの断面図である。
【図12】従来の同軸ケーブルの断面図である。
【符号の説明】
1 内部導体
3 絶縁層
5,7,9,13 外部導体層
11 外被
21 金属素線
23 金属編組
33,35 同軸ケーブル
63 ワイヤハーネス
81,83 金属素線
Claims (9)
- 車両に配索され、信号伝送に用いられる同軸ケーブルであって、
信号を伝送する内部導体と、
前記内部導体を外囲する絶縁層と、
金属材料により形成され、前記絶縁層を介して前記内部導体を外囲する少なくとも3層の外部導体層と、
を備える、同軸ケーブル。 - 請求項1に記載の同軸ケーブルにおいて、
前記外部導体層は、前記金属材料により形成された金属素線が網目状に編まれてなる金属編組により構成される、同軸ケーブル。 - 請求項1に記載の同軸ケーブルにおいて、
前記外部導体層は、前記金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに螺旋状に巻回されて構成されている、同軸ケーブル。 - 請求項1に記載の同軸ケーブルにおいて、
前記外部導体層は、前記金属材料により形成された金属素線がこの同軸ケーブルの中心軸回りに逆向きの螺旋巻回方向で2重に巻回されて構成されている、同軸ケーブル。 - 請求項1に記載の同軸ケーブルにおいて、
前記外部導体層は、前記金属材料により形成された帯状の金属シートが、その外部導体層より内側の構成要素を包み込むように外装されて構成される、同軸ケーブル。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の同軸ケーブルにおいて、
前記金属材料として銅が用いられる、同軸ケーブル。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の同軸ケーブルにおいて、
前記同軸ケーブルは、車両に設置されるアンテナと、そのアンテナを介して電波信号の受信及び送信の少なくともいずれか一方を行う車載機器との間の信号経路の少なくとも一部に介装される、同軸ケーブル。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の同軸ケーブルにおいて、
前記同軸ケーブルは、車載機器間における映像信号の伝送路として用いられる、同軸ケーブル。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の同軸ケーブルにおいおて、
前記同軸ケーブルは、車載機器間における通信経路として用いられる、同軸ケーブル。
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