JP2004213935A - 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダークスポットの生じない、発光性に優れた有機EL素子をを提供する。
【解決手段】第一の電極を有する透明基板に有機発光層を形成した後、少なくとも前記有機発光層の上に第二の電極を形成する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法であって、有機発光層を形成する前の第一の電極を有する透明基板に、水溶性有機溶剤と前記基板表面とを接触させることにより、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子を製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】第一の電極を有する透明基板に有機発光層を形成した後、少なくとも前記有機発光層の上に第二の電極を形成する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法であって、有機発光層を形成する前の第一の電極を有する透明基板に、水溶性有機溶剤と前記基板表面とを接触させることにより、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子を製造する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
水発明は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と略記する)ディスプレイは、自己発光型で視野角の制限がない、高輝度である、パネルを薄くすることができる、低電圧で駆動できる、反応速度が速い、RGB(赤青緑)の3原色によるフルカラー化が可能である、などの特徴を有している。
この有機EL素子の発光体部(有機発光層)の一般的な構成ては、透明基板上に順次設けられた第一の電極(透明電極層(陽極))/有機エレクトロルミネッセンス材料層(有機発光体薄膜層(有機発光層))/第二の電極(金属電極層(陰極))という構成である。この基本構成に正孔注入輸送層や電子注入層を適宜設けたもの、例えば陽極/正孔注入輸送層/有機発光層/陰極や、陽極/正孔注入輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極などの構成のものが、実用化されている。当該正孔注入輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、また、電子注入層は陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。そして、当該正孔注入輸送層を発光層と陽極との間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入され、さらに、発光層に陰極又は電子注入層より注入された電子は、正孔注入輸送層が電子を輸送しないので、正孔注入輸送層と発光層との界面に蓄積され発光効率が上がることが知られている。
【0003】
このような構成を有する有機ELディスプレイ素子(以下、有機EL素子ということがある)は電流駆動型の発光素子であり、発光させるためには陽極と陰極との間に高電流を流さなければならない。その結果、発光時において素子が発熱し、素子の周囲に酸素や水分があった場合にはこれらの酸素や水分による素子構成材料の酸化が促進されて素子が劣化する。酸化や水による有機EL素子の劣化の代表的なものはダークスポットの発生及びその成長である。ダークスポットとは発光欠陥点のことである。そして、有機EL素子の駆動に伴って当該素子の構成材料の酸化が進むと、既存のダークスポットの成長が起こり、ついには発光面全体にダークスポットが拡がるという好ましくない事態を招来する。
こうした問題を解決するため、有機発光層を形成する前に、基板を純水で洗浄する方法が広く採用されている(特開平8−315981号公報実施例など)。
しかしながら、より高性能な有機ELディスプレイの要請に応えるため、有機EL材料が多く開発される中で、上述した方法では、十分にダークスポットの発生を防ぐことができなくなっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−315981号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術の下、本発明者は、ダークスポットの発生原因を調べたところ、基板に吸着した微量の水分や微粒子によってダークスポットが生じることを確認した。そして、この基板に吸着した水分や微粒子を除去する方法を検討した結果、第一の電極が形成された透明基板を、水親和性有機溶剤と接触させると、微粒子ばかりでなく、水分も除去できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、第一の電極を有する透明基板に有機発光層を形成した後、少なくとも前記有機発光層の上に第二の電極を形成する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法であって、有機発光層を形成する前の第一の電極を有する透明基板に、水溶性有機溶剤と前記基板表面とを接触させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法が提供され、また、この方法により製造された有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳述する。
本発明で用いる有機溶剤は、水溶性有機溶剤であり、好ましくは有機溶剤100gに対して、水が50g以上溶解するものであり、より好ましくは有機溶剤100gに対して、水が80g〜300g溶解するものである。
また、操作性の観点から、水溶性有機溶剤の沸点は、通常60〜120℃、好ましくは70〜100℃、より好ましくは70〜90℃である。
このような有機溶剤としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノールなどの脂肪族アルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどのヘテロ原子含有溶剤などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤の中でも、好ましくは脂肪族アルコールであり、より好ましくはプロパノール(760mmHgでの沸点97℃)、イソプロパノール(760mmHgでの沸点82℃)、イソブタノール(740mmHgでの沸点99℃)などの炭素数3〜4の直鎖又は分岐の脂肪族アルコールであり、環境安全性や生産性の観点からイソプロパノールが特に好ましい。
【0008】
この水溶性有機溶剤と接触させる第一の電極を有する透明基板は、ガラスや透明樹脂などの透明基板に電極が形成されたものである。通常この電極は陽極として機能する。
ここで第一の電極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物を電極物質とする透明電極が好ましく用いられる。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/cm2以下のものが好ましい。このようなものとしては、ITO(インジウムチンオキシド)、SnO2、ZnO、In−Zn−Oなどの導電性材料を電極物質とするものを挙げることができる。この第一の電極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させればよい。第一の電極の厚みは、材料にもよるが通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
【0009】
また、第一の電極を有する透明基板は、電気絶縁性隔壁を有していても良い。電気絶縁性隔壁は、ポリイミド樹脂やフェノール樹脂など、一般的に電気絶縁性隔壁として用いられる耐熱性の樹脂を用いて形成することができる。具体的には例えばフォトリソグラフィ法を利用して形成された樹脂製の隔壁が挙げられる。隔壁の形成方法は、例えば、第一の電極を有する透明基板上に、特許第2989064号公報に記載されたアルカリ可溶性フェノール樹脂と架橋剤と露光光を吸収する化合物とを含有するネガ型フォトレジストを塗布、露光、現像して前記第一の電極の一部が露出するように(通常は、交差するように)、オーバーハング形状の隔壁を形成する方法(特開平8−315981号公報など)が挙げられる。
【0010】
次いで、第一の電極を有する透明基板に、有機EL材料を積層することになるが、本発明の方法は、有機EL材料を積層する前に、第一の電極を有する透明基板表面を、前述した水溶性有機溶剤と接触させる工程(以下、溶剤処理工程ということがある)を有することに特徴がある。
【0011】
接触させる方法に格別な制限はないが、(1)第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤を噴霧する方法、(2)第一の電極を有する透明基板を水溶性有機溶剤に浸漬する方法、(3)第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤の蒸気を当てる方法などが挙げられ、特に(3)水溶性有機溶剤の蒸気を当てる方法は、微粒子の除去が容易である点から好ましい。
【0012】
(3)第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤の蒸気を当てる方法は、例えば、水溶性有機溶剤の入った容器の開口部の上部に第一の電極を有する透明基板を配置し、水溶性有機溶剤を加熱することで、発生した蒸気と第一の電極を有する透明基板表面とを接触させる方法が挙げられる。
第一の電極を有する透明基板は、水溶性有機溶剤の入った容器の開口部の上部に配置されていればよく、容器内の水溶性有機溶剤の液面に対して、平行に配置しても良いし、任意の角度を持って斜めに配置しても良い。複数の基板を一度に処理する場合、複数の基板を一定の間隔で支持体に並べ、水溶性有機溶剤の液面に対して、基板の面を30〜80°程度の角度になるように斜めに配置するのが良い。
本発明においては、水溶性有機溶剤の蒸気を当てることで、第一の電極を有する透明基板表面に、水溶性有機溶剤の液滴が形成される。そしてこの液滴は次第に大きく成長し、やがて前記基板表面から落下する。この液滴に、前記基板表面に吸着した水分や微粒子が溶解又は分散するため、液滴が落下すると同時に、水分と微粒子とが基板表面から除去される。
【0013】
この方法においては、水溶性有機溶剤の蒸気が当たることで、第一の電極を有する透明基板の温度が上昇するので、必要に応じて、前記基板表面の温度を制御しながら、水溶性有機溶剤の蒸気を複数回繰り返して前記基板と接触させる。又、密閉容器を用いて、第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤の蒸気を当てる場合、水溶性有機溶剤の加熱を一時的に停止することで密閉容器内の温度制御を行うのが好ましい。
【0014】
第一の電極を有する透明基板表面と水溶性有機溶剤との接触時間は、接触方法に応じて任意に設定できるが、例えば(3)第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤の蒸気を当てる方法の場合、1つの基板に対して、通常0.5分〜60分、好ましくは1分〜30分、より好ましくは1分〜20分である。接触時間が短すぎると、水分や微粒子の除去が不十分となり、長すぎると生産性に劣る。
【0015】
第一の電極を有する透明基板表面と水溶性有機溶剤との接触は、環境安全性の観点から、密閉された容器内で行われることが好ましく、この密閉容器に、冷却管を付けて、蒸気となった水溶性有機溶剤を冷却し、これを回収すれば水溶性有機溶剤をリサイクルして使用することができる。
このような溶剤処理工程の最後に、通常前記基板を冷却する。冷却は、前記基板の表面温度が、通常10〜40℃、好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃になるまで行う。また、基板の水分吸着を防止する観点から、この基板の冷却は、前記密閉容器内で行うのが好ましい。
【0016】
また、第一の電極を有する透明基板と水溶性有機溶剤とを接触させる前に、前記基板表面を、純水で予備洗浄してもよい。純水で予備洗浄した場合、基板を乾燥させて水分を除去するのが好ましい。
【0017】
このような溶剤処理工程に賦された基板上に、有機発光層を形成する。
有機発光層は(1)電界印加時に、陽極又は正孔注入輸送層により正孔を注入することができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能などを有している。この発光層に用いられる発光材料の種類については特に制限はなく、従来有機EL素子における発光材料として公知のものを用いることができる。このような発光材料の具体例としては、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤や、金属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物、ジスチリルピラジン誘導体、芳香族ジメチリジン化合物などが挙げられる。
【0018】
正孔注入輸送層は、正孔伝達化合物からなる層であって、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入輸送層を陽極と発光層との間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。その上、発光層に陰極又は電子注入層により注入された電子は、発光層と正孔注入輸送層の界面に存在する電子の障壁により、この発光層内の界面付近に蓄積されEL素子の発光効率を向上させ、発光性能の優れた有機EL素子とすることができる。この正孔注入輸送層に用いられる正孔伝達化合物については特に制限はなく、従来有機EL素子における正孔伝達化合物として公知のものを使用することができる。この正孔伝達化合物の具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系化合物、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマーなどの特定の導電性高分子オリゴマーなどが挙げられる。
【0019】
電子注入層は、陰極により注入される電子を有機発光層に伝達する機能を有している。この電子注入層に用いられる電子伝達化合物については特に制限はなく、従来有機EL素子における電子伝達化合物として公知のものを使用することができる。このような電子伝達化合物の具体例としては、ニトロ置換フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、さらには8−キノリノール又はその誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ−8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリラート)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)カリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)ベリリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノール)ベリリウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノール)亜鉛、ビス(8−キノリノール)スズ、トリス(7−プロピル−8−キノリノール)アルミニウムなどが挙げられる。
なお、上記有機発光層、正孔注入輸送層及び電子注入層は、それぞれの材料の一種又は二種以上からなる一層で構成されていてもよく、あるいは異なる材料からなる層を二層以上積層したものであってもよい。
【0020】
また、上記の正孔注入輸送層、有機発光層及び電子注入層は、それらを構成する材料の薄膜を形成させることにより、作製される。その方法としては、例えばスピンコート法、キャスト法、蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、真空蒸着法が好ましい。この薄膜化に、この蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類、分子堆積膜の目的とする結晶構造、会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−5〜10−1Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜1μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物などを電極物質とする金属電極が用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、Al/酸化アルミニウム、インジウム、希土類金属などが挙げられる。当該陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、電極としてのシート抵抗は数百Ω/cm2以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、特に50〜200nmの範囲が好ましい。
【0021】
本発明の有機EL素子の製造方法の1例について説明する。
ガラス板などの透明基板上に、蒸着法やスパッタリング法などの方法でパターニングされた透明電極膜(陽極)を形成したのち、その上に厚さが、通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜2μmの絶縁膜を、従来公知の方法で設ける。この絶縁膜としては、通常用いられているポリイミド樹脂膜を設けてもよいし、あるいは遮光膜を兼ねる目的で、(1)黒色有機顔料及び/又は赤、青、緑、紫、黄、シアン、マゼンタの中から選ばれる少なくとも2種の有機顔料を混合して擬似黒色化した混色有機顔料からなる有機系顔料と、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラックから選ばれる少なくとも1種の遮光材と、感光性樹脂とを溶剤中に含有させてなる遮光膜形成用レジストや、(2)アルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物、黒色顔料及び溶剤を含む遮光膜形成用レジストなどを用い、フォトリソグラフィ法により設けてもよい。
【0022】
次いで、このようにして透明基板上に設けられた絶縁膜を介して、従来公知の方法によりレジストパターン層を形成させる。このレジストパターン層の断面形状としては、矩形型及び逆テーパ型のいずれであってもよい。
断面形状が矩形型のレジストパターン層を形成させる場合、使用するフォトレジストとしては、非化学増幅型、化学増幅型のいずれであってもよいし、ポジ型、ネガ型のいずれであってもよい。このようなフォトレジストとしては、例えば(1)アルカリ可溶性ノボラック型樹脂と、キノンジアシド基含有化合物を必須成分として含む非化学増幅型のポジ型フォトレジスト、(2)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が変化する樹脂と、放射線の照射により酸を発生する化合物を必須成分として含む化学増幅型のポジ型フォトレジスト及び(3)アルカリ可溶性樹脂と、酸架橋性物質と、放射線の照射により酸を発生する化合物を必須成分として含む化学増幅型のネガ型フォトレジストなどを挙げることができる。
【0023】
一方、断面形状が逆テーパ型のレジストパターン層を形成させる場合、使用するフォトレジストとしては、例えば特許第2989064号記載のもの、具体的には(A)光線による露光によって、又は露光と引き続く熱処理によって架橋する成分、(B)アルカリ可溶性樹脂、及び(C)露光する光線を吸収する化合物を少なくとも1種含有し、かつ、アルカリ性水溶液を現像液とするネガ型フォトレジストなどを挙げることができる。
【0024】
これらのフォトレジストを用いて、レジストパターン層を設ける方法としては特に制限はなく、従来慣用されているフォトリソグラフィ法によって、断面形状が矩形型又は逆テーパ型のレジストパターン層を形成することができる。このレジストパターン層の厚さは、通常0.5〜数μm程度である。
【0025】
次に、このようにして、パターニングされた透明電極膜を有する透明基板上に、絶縁膜を介してレジストパターン層を形成したのち、冷却管を付けた密閉された容器内に、水溶性有機溶剤を入れ、次いでこの水溶性有機溶剤の液面から10〜50cm上に第一の電極を有する透明基板を固定する。
その後、容器を加熱して、イソプロパノールの蒸気を、容器上部に固定された基板表面に当てる。基板表面の温度が、水溶性有機溶剤の沸点と略同一温度となった時点で、前記容器の加熱を停止し、基板表面の温度が、水溶性有機溶剤の沸点をaとしたとき、(a−20)℃、好ましくは(a−15)℃、より好ましくは(a−10)℃になった時点で、前記容器の加熱を再開する。加熱開始と加熱停止とをそれぞれ2〜3回行った後、前記基板を冷却する。基板の水分吸着を防止する観点から、この基板の冷却は、前記密閉容器内で行うのが好ましい。
【0026】
こうして、第一の電極を有する透明基板と水溶性有機溶剤とを接触させた後、まず、真空蒸着法により正孔注入輸送層を設ける。この場合、蒸着条件は使用する化合物(正孔注入輸送層の材料)、目的とする正孔注入輸送層の結晶構造や再結合構造等により異なるが、一般に蒸着源温度50〜450℃、真空度1×10−5〜1×10−1Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜1μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
次いで、この正孔注入輸送層上に有機発光層を真空蒸着法により形成する。この場合、その蒸着条件は使用する化合物により異なるが、一般的に正孔注入輸送層の形成と同様な条件範囲の中から選択することができる。膜厚は10〜40nmの範囲が好ましい。
【0027】
次に、この有機発光層上に、真空蒸着法により電子注入層を設ける。この場合、蒸着条件は正孔注入輸送層、有機発光層と同様の条件範囲から選択することができる。膜厚は5nm〜1μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
そして、最後に、真空蒸着法により陰極を積層する。この陰極は金属から構成されるものであり、その膜厚は50〜200nmの範囲が好ましい。
このようにして、透明基板上に、透明電極層(陽極)、有機EL材料層(正孔注入輸送層、有機発光層、電子注入層)及び金属電極層(陰極)からなる積層体(発光体部)が形成される。
更に、このようにして得られた有機EL素子の発光体部上に、酸化バリウムを含む窒素ガスを充填してガラス製の封止缶を形成したり、パーフルオロオレフィンの分解重合物などからなる封止膜を形成すれば、より高度にダークスポット形成を抑制することができる。
【0028】
このようにして得られる有機EL素子の断面構造の一例として、次の構造のものが挙げられる。パターニングされた透明電極が設けられた透明基板上に、この透明電極と交差するように、断面形状が逆テーパ型の電気絶縁性隔壁が設けられ、この隔壁と隔壁との間に、表面に金属電極層を有する有機発光層(透明電極層側から、順次正孔注入輸送層、有機発光層及び電子注入層が設けられた構成のもの)が設けられ、この有機発光層上に金属電極層6aを有する有機EL材料層5aが形成されている有機EL素子。
【0029】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって限定されるものではない。
【0030】
実施例1
(1)第一の電極を有する透明基板の予備洗浄工程
表面にパターニングされたITO透明電極膜12を有する25×75×1.1mmサイズのガラス製の基板表面に、厚さ1.0μmの遮光膜13を介して、膜厚3.5μmの逆テーパ型樹脂隔壁が設けられた有機EL素子用基板(第一の電極を有する透明基板)を、純水で洗浄した後、乾燥窒素を吹きかけて基板を乾燥し、次のような溶剤処理工程を行った。
【0031】
(2)溶剤処理工程
冷却管を付けたガラス製の密閉耐熱容器内に、イソプロパノールを入れ、この耐熱容器の開口部から20cm上に金網を、イソプロパノールの液面に対して約45°の傾斜を付けて設置した。そして、この網の上に、前記有機EL素子用基板10枚を1センチ間隔で保持させたステンレス製の支持体を、第一の電極の形成された面がイソプロパノールの液面側を向くように配置した(図2参照)。また、この基板付近に温度計を設置し、有機EL素子用基板の表面温度を測定した。
その後、前記密閉耐熱容器を加熱して、容器内をイソプロパノール(沸点82℃)で飽和させた。有機EL素子用基板の表面温度が、80℃を超えた時点で、前記密閉耐熱容器の加熱を停止した。更に、有機EL素子用基板の表面温度が72℃になった時点で、加熱を再開し、再び有機EL素子用基板の表面温度が80℃を超えた時点で加熱を停止するサイクルを2回繰り返した後、前記密閉耐熱容器内で、有機EL素子用基板の表面温度が25℃になるまで冷却した。
【0032】
(3)有機発光層の積層工程
このようにして、溶剤処理工程を経た有機EL素子用基板を、市販の蒸着装置[日本真空技術(株)製]の基板ホルダーに固定すると共に、モリブデン製抵抗加熱ボートにN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4■−ジアミン(以下、TPDと略記する)200mgを入れ、また別のモリブデン製抵抗加熱ボートに4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(以下、DPVBiと略記する)200mgを入れたのち、真空槽を1×10−4Paまで減圧した。
【0033】
次いで、TPD入りのボートを215〜220℃まで加熱し、TPDを蒸発速度0.1〜0.3nm/秒で蒸着させて、膜厚60nmの正孔注入輸送層を形成した。この際の基板温度は室温であった。これを真空槽より取り出すことなく、DPVBi入りのボートを240℃まで加熱し、DPVBiを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で上記正孔注入輸送層上に蒸着させ、膜厚40nmの発光層を形成した。この際の基板温度も室温であった。
これを真空槽より取り出し、上記発光層の上にステンレススチール製のマスクを設置し、再び基板ホルダーに固定したのち、モリブデン製ボートにトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、Alq3と略記する)200mgを入れ、また別のモリブデン製ボートにマグネシウムリボン1gを入れ、さらにタングステン製バスケットに銀ワイヤー500mgを入れて、これらのボートを真空槽に装着した。
【0034】
次に、真空槽を1×10−4Paまで減圧してから、Alq3入りのボートを230℃まで加熱し、Alq3を蒸着速度0.01〜0.03nm/秒で上記発光層上に蒸着させて、膜厚20nmの電子注入層を形成した。さらに、銀を蒸着速度0.1nm/秒で上記電子注入層上に蒸着させると同時に、マグネシウムを蒸着速度1.4nm/秒で上記電子注入層上に蒸着させ、マグネシウムと銀との混合金属からなる膜厚150nmの陰極を形成することにより、有機発光層を積層した。得られた有機発光層が形成された基板をガラスで封止して、有機EL素子を得た。尚、有機EL素子の空隙は、酸化バリウムを含む窒素ガスで充填した。
【0035】
(4)有機EL素子の評価
上記(3)で得られた有機EL素子を、85℃で50時間放置した後、素子を室温に戻した。こうして得られた有機EL素子の発光面にはダークスポットは見られず、均一に発光していることが確認された。
【0036】
比較例1
実施例1おいて、(2)溶剤処理工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして封止された有機EL素子を作製し、実施例1と同様にして有機EL素子を評価した。その結果、ダークスポットが広がり、発光できない部分が有機発光体面積の25%あったことが確認された。
【0037】
実施例1及び比較例1の結果から、有機発光層を形成する前に、基板を溶剤処理することにより、ダークスポットの生じない、発光性に優れた有機EL素子が得られることが判った。
【発明の属する技術分野】
水発明は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と略記する)ディスプレイは、自己発光型で視野角の制限がない、高輝度である、パネルを薄くすることができる、低電圧で駆動できる、反応速度が速い、RGB(赤青緑)の3原色によるフルカラー化が可能である、などの特徴を有している。
この有機EL素子の発光体部(有機発光層)の一般的な構成ては、透明基板上に順次設けられた第一の電極(透明電極層(陽極))/有機エレクトロルミネッセンス材料層(有機発光体薄膜層(有機発光層))/第二の電極(金属電極層(陰極))という構成である。この基本構成に正孔注入輸送層や電子注入層を適宜設けたもの、例えば陽極/正孔注入輸送層/有機発光層/陰極や、陽極/正孔注入輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極などの構成のものが、実用化されている。当該正孔注入輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、また、電子注入層は陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。そして、当該正孔注入輸送層を発光層と陽極との間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入され、さらに、発光層に陰極又は電子注入層より注入された電子は、正孔注入輸送層が電子を輸送しないので、正孔注入輸送層と発光層との界面に蓄積され発光効率が上がることが知られている。
【0003】
このような構成を有する有機ELディスプレイ素子(以下、有機EL素子ということがある)は電流駆動型の発光素子であり、発光させるためには陽極と陰極との間に高電流を流さなければならない。その結果、発光時において素子が発熱し、素子の周囲に酸素や水分があった場合にはこれらの酸素や水分による素子構成材料の酸化が促進されて素子が劣化する。酸化や水による有機EL素子の劣化の代表的なものはダークスポットの発生及びその成長である。ダークスポットとは発光欠陥点のことである。そして、有機EL素子の駆動に伴って当該素子の構成材料の酸化が進むと、既存のダークスポットの成長が起こり、ついには発光面全体にダークスポットが拡がるという好ましくない事態を招来する。
こうした問題を解決するため、有機発光層を形成する前に、基板を純水で洗浄する方法が広く採用されている(特開平8−315981号公報実施例など)。
しかしながら、より高性能な有機ELディスプレイの要請に応えるため、有機EL材料が多く開発される中で、上述した方法では、十分にダークスポットの発生を防ぐことができなくなっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−315981号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術の下、本発明者は、ダークスポットの発生原因を調べたところ、基板に吸着した微量の水分や微粒子によってダークスポットが生じることを確認した。そして、この基板に吸着した水分や微粒子を除去する方法を検討した結果、第一の電極が形成された透明基板を、水親和性有機溶剤と接触させると、微粒子ばかりでなく、水分も除去できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、第一の電極を有する透明基板に有機発光層を形成した後、少なくとも前記有機発光層の上に第二の電極を形成する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法であって、有機発光層を形成する前の第一の電極を有する透明基板に、水溶性有機溶剤と前記基板表面とを接触させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法が提供され、また、この方法により製造された有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳述する。
本発明で用いる有機溶剤は、水溶性有機溶剤であり、好ましくは有機溶剤100gに対して、水が50g以上溶解するものであり、より好ましくは有機溶剤100gに対して、水が80g〜300g溶解するものである。
また、操作性の観点から、水溶性有機溶剤の沸点は、通常60〜120℃、好ましくは70〜100℃、より好ましくは70〜90℃である。
このような有機溶剤としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノールなどの脂肪族アルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどのヘテロ原子含有溶剤などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤の中でも、好ましくは脂肪族アルコールであり、より好ましくはプロパノール(760mmHgでの沸点97℃)、イソプロパノール(760mmHgでの沸点82℃)、イソブタノール(740mmHgでの沸点99℃)などの炭素数3〜4の直鎖又は分岐の脂肪族アルコールであり、環境安全性や生産性の観点からイソプロパノールが特に好ましい。
【0008】
この水溶性有機溶剤と接触させる第一の電極を有する透明基板は、ガラスや透明樹脂などの透明基板に電極が形成されたものである。通常この電極は陽極として機能する。
ここで第一の電極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物を電極物質とする透明電極が好ましく用いられる。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/cm2以下のものが好ましい。このようなものとしては、ITO(インジウムチンオキシド)、SnO2、ZnO、In−Zn−Oなどの導電性材料を電極物質とするものを挙げることができる。この第一の電極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させればよい。第一の電極の厚みは、材料にもよるが通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
【0009】
また、第一の電極を有する透明基板は、電気絶縁性隔壁を有していても良い。電気絶縁性隔壁は、ポリイミド樹脂やフェノール樹脂など、一般的に電気絶縁性隔壁として用いられる耐熱性の樹脂を用いて形成することができる。具体的には例えばフォトリソグラフィ法を利用して形成された樹脂製の隔壁が挙げられる。隔壁の形成方法は、例えば、第一の電極を有する透明基板上に、特許第2989064号公報に記載されたアルカリ可溶性フェノール樹脂と架橋剤と露光光を吸収する化合物とを含有するネガ型フォトレジストを塗布、露光、現像して前記第一の電極の一部が露出するように(通常は、交差するように)、オーバーハング形状の隔壁を形成する方法(特開平8−315981号公報など)が挙げられる。
【0010】
次いで、第一の電極を有する透明基板に、有機EL材料を積層することになるが、本発明の方法は、有機EL材料を積層する前に、第一の電極を有する透明基板表面を、前述した水溶性有機溶剤と接触させる工程(以下、溶剤処理工程ということがある)を有することに特徴がある。
【0011】
接触させる方法に格別な制限はないが、(1)第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤を噴霧する方法、(2)第一の電極を有する透明基板を水溶性有機溶剤に浸漬する方法、(3)第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤の蒸気を当てる方法などが挙げられ、特に(3)水溶性有機溶剤の蒸気を当てる方法は、微粒子の除去が容易である点から好ましい。
【0012】
(3)第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤の蒸気を当てる方法は、例えば、水溶性有機溶剤の入った容器の開口部の上部に第一の電極を有する透明基板を配置し、水溶性有機溶剤を加熱することで、発生した蒸気と第一の電極を有する透明基板表面とを接触させる方法が挙げられる。
第一の電極を有する透明基板は、水溶性有機溶剤の入った容器の開口部の上部に配置されていればよく、容器内の水溶性有機溶剤の液面に対して、平行に配置しても良いし、任意の角度を持って斜めに配置しても良い。複数の基板を一度に処理する場合、複数の基板を一定の間隔で支持体に並べ、水溶性有機溶剤の液面に対して、基板の面を30〜80°程度の角度になるように斜めに配置するのが良い。
本発明においては、水溶性有機溶剤の蒸気を当てることで、第一の電極を有する透明基板表面に、水溶性有機溶剤の液滴が形成される。そしてこの液滴は次第に大きく成長し、やがて前記基板表面から落下する。この液滴に、前記基板表面に吸着した水分や微粒子が溶解又は分散するため、液滴が落下すると同時に、水分と微粒子とが基板表面から除去される。
【0013】
この方法においては、水溶性有機溶剤の蒸気が当たることで、第一の電極を有する透明基板の温度が上昇するので、必要に応じて、前記基板表面の温度を制御しながら、水溶性有機溶剤の蒸気を複数回繰り返して前記基板と接触させる。又、密閉容器を用いて、第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤の蒸気を当てる場合、水溶性有機溶剤の加熱を一時的に停止することで密閉容器内の温度制御を行うのが好ましい。
【0014】
第一の電極を有する透明基板表面と水溶性有機溶剤との接触時間は、接触方法に応じて任意に設定できるが、例えば(3)第一の電極を有する透明基板表面に水溶性有機溶剤の蒸気を当てる方法の場合、1つの基板に対して、通常0.5分〜60分、好ましくは1分〜30分、より好ましくは1分〜20分である。接触時間が短すぎると、水分や微粒子の除去が不十分となり、長すぎると生産性に劣る。
【0015】
第一の電極を有する透明基板表面と水溶性有機溶剤との接触は、環境安全性の観点から、密閉された容器内で行われることが好ましく、この密閉容器に、冷却管を付けて、蒸気となった水溶性有機溶剤を冷却し、これを回収すれば水溶性有機溶剤をリサイクルして使用することができる。
このような溶剤処理工程の最後に、通常前記基板を冷却する。冷却は、前記基板の表面温度が、通常10〜40℃、好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃になるまで行う。また、基板の水分吸着を防止する観点から、この基板の冷却は、前記密閉容器内で行うのが好ましい。
【0016】
また、第一の電極を有する透明基板と水溶性有機溶剤とを接触させる前に、前記基板表面を、純水で予備洗浄してもよい。純水で予備洗浄した場合、基板を乾燥させて水分を除去するのが好ましい。
【0017】
このような溶剤処理工程に賦された基板上に、有機発光層を形成する。
有機発光層は(1)電界印加時に、陽極又は正孔注入輸送層により正孔を注入することができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能などを有している。この発光層に用いられる発光材料の種類については特に制限はなく、従来有機EL素子における発光材料として公知のものを用いることができる。このような発光材料の具体例としては、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤や、金属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物、ジスチリルピラジン誘導体、芳香族ジメチリジン化合物などが挙げられる。
【0018】
正孔注入輸送層は、正孔伝達化合物からなる層であって、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入輸送層を陽極と発光層との間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。その上、発光層に陰極又は電子注入層により注入された電子は、発光層と正孔注入輸送層の界面に存在する電子の障壁により、この発光層内の界面付近に蓄積されEL素子の発光効率を向上させ、発光性能の優れた有機EL素子とすることができる。この正孔注入輸送層に用いられる正孔伝達化合物については特に制限はなく、従来有機EL素子における正孔伝達化合物として公知のものを使用することができる。この正孔伝達化合物の具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系化合物、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマーなどの特定の導電性高分子オリゴマーなどが挙げられる。
【0019】
電子注入層は、陰極により注入される電子を有機発光層に伝達する機能を有している。この電子注入層に用いられる電子伝達化合物については特に制限はなく、従来有機EL素子における電子伝達化合物として公知のものを使用することができる。このような電子伝達化合物の具体例としては、ニトロ置換フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、さらには8−キノリノール又はその誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ−8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリラート)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)カリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)ベリリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノール)ベリリウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノール)亜鉛、ビス(8−キノリノール)スズ、トリス(7−プロピル−8−キノリノール)アルミニウムなどが挙げられる。
なお、上記有機発光層、正孔注入輸送層及び電子注入層は、それぞれの材料の一種又は二種以上からなる一層で構成されていてもよく、あるいは異なる材料からなる層を二層以上積層したものであってもよい。
【0020】
また、上記の正孔注入輸送層、有機発光層及び電子注入層は、それらを構成する材料の薄膜を形成させることにより、作製される。その方法としては、例えばスピンコート法、キャスト法、蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、真空蒸着法が好ましい。この薄膜化に、この蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類、分子堆積膜の目的とする結晶構造、会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−5〜10−1Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜1μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物などを電極物質とする金属電極が用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、Al/酸化アルミニウム、インジウム、希土類金属などが挙げられる。当該陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、電極としてのシート抵抗は数百Ω/cm2以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、特に50〜200nmの範囲が好ましい。
【0021】
本発明の有機EL素子の製造方法の1例について説明する。
ガラス板などの透明基板上に、蒸着法やスパッタリング法などの方法でパターニングされた透明電極膜(陽極)を形成したのち、その上に厚さが、通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜2μmの絶縁膜を、従来公知の方法で設ける。この絶縁膜としては、通常用いられているポリイミド樹脂膜を設けてもよいし、あるいは遮光膜を兼ねる目的で、(1)黒色有機顔料及び/又は赤、青、緑、紫、黄、シアン、マゼンタの中から選ばれる少なくとも2種の有機顔料を混合して擬似黒色化した混色有機顔料からなる有機系顔料と、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラックから選ばれる少なくとも1種の遮光材と、感光性樹脂とを溶剤中に含有させてなる遮光膜形成用レジストや、(2)アルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物、黒色顔料及び溶剤を含む遮光膜形成用レジストなどを用い、フォトリソグラフィ法により設けてもよい。
【0022】
次いで、このようにして透明基板上に設けられた絶縁膜を介して、従来公知の方法によりレジストパターン層を形成させる。このレジストパターン層の断面形状としては、矩形型及び逆テーパ型のいずれであってもよい。
断面形状が矩形型のレジストパターン層を形成させる場合、使用するフォトレジストとしては、非化学増幅型、化学増幅型のいずれであってもよいし、ポジ型、ネガ型のいずれであってもよい。このようなフォトレジストとしては、例えば(1)アルカリ可溶性ノボラック型樹脂と、キノンジアシド基含有化合物を必須成分として含む非化学増幅型のポジ型フォトレジスト、(2)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が変化する樹脂と、放射線の照射により酸を発生する化合物を必須成分として含む化学増幅型のポジ型フォトレジスト及び(3)アルカリ可溶性樹脂と、酸架橋性物質と、放射線の照射により酸を発生する化合物を必須成分として含む化学増幅型のネガ型フォトレジストなどを挙げることができる。
【0023】
一方、断面形状が逆テーパ型のレジストパターン層を形成させる場合、使用するフォトレジストとしては、例えば特許第2989064号記載のもの、具体的には(A)光線による露光によって、又は露光と引き続く熱処理によって架橋する成分、(B)アルカリ可溶性樹脂、及び(C)露光する光線を吸収する化合物を少なくとも1種含有し、かつ、アルカリ性水溶液を現像液とするネガ型フォトレジストなどを挙げることができる。
【0024】
これらのフォトレジストを用いて、レジストパターン層を設ける方法としては特に制限はなく、従来慣用されているフォトリソグラフィ法によって、断面形状が矩形型又は逆テーパ型のレジストパターン層を形成することができる。このレジストパターン層の厚さは、通常0.5〜数μm程度である。
【0025】
次に、このようにして、パターニングされた透明電極膜を有する透明基板上に、絶縁膜を介してレジストパターン層を形成したのち、冷却管を付けた密閉された容器内に、水溶性有機溶剤を入れ、次いでこの水溶性有機溶剤の液面から10〜50cm上に第一の電極を有する透明基板を固定する。
その後、容器を加熱して、イソプロパノールの蒸気を、容器上部に固定された基板表面に当てる。基板表面の温度が、水溶性有機溶剤の沸点と略同一温度となった時点で、前記容器の加熱を停止し、基板表面の温度が、水溶性有機溶剤の沸点をaとしたとき、(a−20)℃、好ましくは(a−15)℃、より好ましくは(a−10)℃になった時点で、前記容器の加熱を再開する。加熱開始と加熱停止とをそれぞれ2〜3回行った後、前記基板を冷却する。基板の水分吸着を防止する観点から、この基板の冷却は、前記密閉容器内で行うのが好ましい。
【0026】
こうして、第一の電極を有する透明基板と水溶性有機溶剤とを接触させた後、まず、真空蒸着法により正孔注入輸送層を設ける。この場合、蒸着条件は使用する化合物(正孔注入輸送層の材料)、目的とする正孔注入輸送層の結晶構造や再結合構造等により異なるが、一般に蒸着源温度50〜450℃、真空度1×10−5〜1×10−1Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜1μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
次いで、この正孔注入輸送層上に有機発光層を真空蒸着法により形成する。この場合、その蒸着条件は使用する化合物により異なるが、一般的に正孔注入輸送層の形成と同様な条件範囲の中から選択することができる。膜厚は10〜40nmの範囲が好ましい。
【0027】
次に、この有機発光層上に、真空蒸着法により電子注入層を設ける。この場合、蒸着条件は正孔注入輸送層、有機発光層と同様の条件範囲から選択することができる。膜厚は5nm〜1μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
そして、最後に、真空蒸着法により陰極を積層する。この陰極は金属から構成されるものであり、その膜厚は50〜200nmの範囲が好ましい。
このようにして、透明基板上に、透明電極層(陽極)、有機EL材料層(正孔注入輸送層、有機発光層、電子注入層)及び金属電極層(陰極)からなる積層体(発光体部)が形成される。
更に、このようにして得られた有機EL素子の発光体部上に、酸化バリウムを含む窒素ガスを充填してガラス製の封止缶を形成したり、パーフルオロオレフィンの分解重合物などからなる封止膜を形成すれば、より高度にダークスポット形成を抑制することができる。
【0028】
このようにして得られる有機EL素子の断面構造の一例として、次の構造のものが挙げられる。パターニングされた透明電極が設けられた透明基板上に、この透明電極と交差するように、断面形状が逆テーパ型の電気絶縁性隔壁が設けられ、この隔壁と隔壁との間に、表面に金属電極層を有する有機発光層(透明電極層側から、順次正孔注入輸送層、有機発光層及び電子注入層が設けられた構成のもの)が設けられ、この有機発光層上に金属電極層6aを有する有機EL材料層5aが形成されている有機EL素子。
【0029】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって限定されるものではない。
【0030】
実施例1
(1)第一の電極を有する透明基板の予備洗浄工程
表面にパターニングされたITO透明電極膜12を有する25×75×1.1mmサイズのガラス製の基板表面に、厚さ1.0μmの遮光膜13を介して、膜厚3.5μmの逆テーパ型樹脂隔壁が設けられた有機EL素子用基板(第一の電極を有する透明基板)を、純水で洗浄した後、乾燥窒素を吹きかけて基板を乾燥し、次のような溶剤処理工程を行った。
【0031】
(2)溶剤処理工程
冷却管を付けたガラス製の密閉耐熱容器内に、イソプロパノールを入れ、この耐熱容器の開口部から20cm上に金網を、イソプロパノールの液面に対して約45°の傾斜を付けて設置した。そして、この網の上に、前記有機EL素子用基板10枚を1センチ間隔で保持させたステンレス製の支持体を、第一の電極の形成された面がイソプロパノールの液面側を向くように配置した(図2参照)。また、この基板付近に温度計を設置し、有機EL素子用基板の表面温度を測定した。
その後、前記密閉耐熱容器を加熱して、容器内をイソプロパノール(沸点82℃)で飽和させた。有機EL素子用基板の表面温度が、80℃を超えた時点で、前記密閉耐熱容器の加熱を停止した。更に、有機EL素子用基板の表面温度が72℃になった時点で、加熱を再開し、再び有機EL素子用基板の表面温度が80℃を超えた時点で加熱を停止するサイクルを2回繰り返した後、前記密閉耐熱容器内で、有機EL素子用基板の表面温度が25℃になるまで冷却した。
【0032】
(3)有機発光層の積層工程
このようにして、溶剤処理工程を経た有機EL素子用基板を、市販の蒸着装置[日本真空技術(株)製]の基板ホルダーに固定すると共に、モリブデン製抵抗加熱ボートにN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4■−ジアミン(以下、TPDと略記する)200mgを入れ、また別のモリブデン製抵抗加熱ボートに4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(以下、DPVBiと略記する)200mgを入れたのち、真空槽を1×10−4Paまで減圧した。
【0033】
次いで、TPD入りのボートを215〜220℃まで加熱し、TPDを蒸発速度0.1〜0.3nm/秒で蒸着させて、膜厚60nmの正孔注入輸送層を形成した。この際の基板温度は室温であった。これを真空槽より取り出すことなく、DPVBi入りのボートを240℃まで加熱し、DPVBiを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で上記正孔注入輸送層上に蒸着させ、膜厚40nmの発光層を形成した。この際の基板温度も室温であった。
これを真空槽より取り出し、上記発光層の上にステンレススチール製のマスクを設置し、再び基板ホルダーに固定したのち、モリブデン製ボートにトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、Alq3と略記する)200mgを入れ、また別のモリブデン製ボートにマグネシウムリボン1gを入れ、さらにタングステン製バスケットに銀ワイヤー500mgを入れて、これらのボートを真空槽に装着した。
【0034】
次に、真空槽を1×10−4Paまで減圧してから、Alq3入りのボートを230℃まで加熱し、Alq3を蒸着速度0.01〜0.03nm/秒で上記発光層上に蒸着させて、膜厚20nmの電子注入層を形成した。さらに、銀を蒸着速度0.1nm/秒で上記電子注入層上に蒸着させると同時に、マグネシウムを蒸着速度1.4nm/秒で上記電子注入層上に蒸着させ、マグネシウムと銀との混合金属からなる膜厚150nmの陰極を形成することにより、有機発光層を積層した。得られた有機発光層が形成された基板をガラスで封止して、有機EL素子を得た。尚、有機EL素子の空隙は、酸化バリウムを含む窒素ガスで充填した。
【0035】
(4)有機EL素子の評価
上記(3)で得られた有機EL素子を、85℃で50時間放置した後、素子を室温に戻した。こうして得られた有機EL素子の発光面にはダークスポットは見られず、均一に発光していることが確認された。
【0036】
比較例1
実施例1おいて、(2)溶剤処理工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして封止された有機EL素子を作製し、実施例1と同様にして有機EL素子を評価した。その結果、ダークスポットが広がり、発光できない部分が有機発光体面積の25%あったことが確認された。
【0037】
実施例1及び比較例1の結果から、有機発光層を形成する前に、基板を溶剤処理することにより、ダークスポットの生じない、発光性に優れた有機EL素子が得られることが判った。
Claims (5)
- 第一の電極を有する透明基板に有機発光層を形成した後、少なくとも前記有機発光層の上に第二の電極を形成する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法であって、有機発光層を形成する前の第一の電極を有する透明基板に、水溶性有機溶剤と前記基板表面とを接触させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法。
- 水溶性有機溶剤が、有機溶剤100gに対して、水を50g以上溶解することができるものである請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法。
- 水溶性有機溶剤が、沸点が60〜120℃のものである請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法。
- 基板表面と水溶性有機溶剤とを接触させる方法が、溶剤を加熱して生じた蒸気を基板表面に接触させる方法である請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかの方法により製造された有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子。
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---|---|---|---|
JP2002379490A JP2004213935A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017159257A (ja) * | 2016-03-10 | 2017-09-14 | 住友化学株式会社 | 電極付き基板の製造方法及び有機el素子の製造方法 |
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2002
- 2002-12-27 JP JP2002379490A patent/JP2004213935A/ja active Pending
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