JP2004213852A - 可視画像形成方法、プログラムおよび可視画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ディスクにレーザ光を照射して、第1の記録データ(EFM変調データ等)が指定する長さのピットを形成する光ディスク記録装置を用いて、前記光ディスクに可視画像を形成する。前記第1のデータとデータフォーマットが同じダミーデータを予め用意しておき、当該ダミーデータの一部を可視画像形成用データに置換して第2の記録データを生成する。そして、この第2の記録データにおける前記可視画像形成用データを抽出する抽出し、抽出した前記可視画像形成用データが指定する長さのピットを前記光ディスクに形成させることで、可視画像の形成をする。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに対するデータ記録の他に、可視画像の形成を行うことができる光ディスク記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−R(Compact Disc−Recordable)などの光ディスクに対し、オーディオ等のデータの記録といった本来のデータ記録とは別に、文字や図柄等の可視画像を形成することが可能な光ディスク記録装置が提供されつつある。この種の光ディスク記録装置は、データ記録をしなかった領域にレーザ光を照射し、未記録領域の一部を熱変色させることにより、文字や図柄等の可視画像を形成するというものである(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
ヤマハ株式会社、CD−R/RW製品公式ウェブサイト”DiscT@2”、[online]、平成14年8月2日、ヤマハ株式会社、[平成14年10月11日検索]、インターネット<URL:http://www.yamaha.co.jp/product/computer/handbook/discta2.html>
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ディスク記録装置において、データ記録時に処理されるデータはEFM変調されており、可視画像形成時に処理されるデータとは、そのフォーマットなどが大きく異なるものであった。このため、光ディスク記録装置に、データ記録時に使用する信号処理回路と、可視画像形成時に使用する信号処理回路とをそれぞれ別途設けなければならず、装置の回路規模が大きくなってしまったり、新規LSIの設計や制御プログラムの大幅変更が必要になったりする、という問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光ディスクに対してデータ記録をする構成に対し、少ない変更によって、可視画像形成することが可能な可視画像形成方法、そのためのプログラム、可視画像形成システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る可視画像形成方法は、光ディスクに対し、予め定められたフォーマットの第1の記録データにしたがってレーザ光を照射して、当該第1の記録データで指定される長さのピットを形成する光ディスク記録装置を用いて、前記光ディスクに可視画像を形成する方法であって、前記フォーマットの一部領域に可視画像形成用データを埋め込んで第2の記録データを生成する生成過程と、前記第2の記録データから、可視画像形成用データを抽出する抽出過程と、前記光ディスクに対し、抽出した可視画像形成用データに応じたピットを形成する形成過程とを有することを特徴とする。この方法によれば、データ記録をするときであっても、可視画像形成をするときであっても、共通のフォーマットで定められたデータで処理可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係る光ディスク記録装置を含む可視画像形成システム(以下、単にシステムという)の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、システム700は、光ディスク記録装置100とホストコンピュータ110とにより構成されており、光ディスク記録装置100にセットされた光ディスク200に、データ記録や可視画像形成をするものである。
【0008】
<ホストコンピュータ>
システム700を構成するホストコンピュータ110は、パソコン等であり、表示画面やキーボード等のキー入力手段を有している。ホストコンピュータ110には、本システム700を利用して、データ記録や可視画像形成するためのための専用のアプリケーションプログラムが予めインストールされている。このアプリケーションプログラムを用い、ホストコンピュータ110は、データ記録時に、光ディスク200に記録すべきデータ(オーディオデータや文書データなど)を光ディスク記録装置100に供給する。また、ホストコンピュータ110は、可視画像形成時には、光ディスク200に形成するための画像データ(ビットマップデータなど)を後述するように座標変換して光ディスク記録装置100に供給する。
【0009】
<光ディスク>
次に、光ディスク200についてCD−Rを例にとって説明する。図2は、光ディスク200の部分断面図である。この図に示すように、光ディスク200は、記録面からみると、基板保護層201、記録層202、反射層203、保護層204を積層した構造となっている。
記録層202上には、螺旋状にグルーブ(案内溝)202Gが形成されており、データ記録時には、グルーブ202Gに沿ってレーザ光が照射される(オン・グルーブ記録)。記録層202は、レーザ光の照射により一定以上の熱量が与えられると、レーザ光照射部分の反射率が変化するように構成される。この反射率が異なる部分をピットと呼び、グルーブ202G上に形成されたピットとピットの間部分をランドという。
【0010】
次に、このような光ディスク200に、どのようにしてデータ記録、あるいは可視画像形成がされるかについて説明する。図3は、グルーブ202Gに沿ってレーザ光が照射された結果、グルーブ202G上にピット202Pおよびランド202Lが形成された状態を示す図である。個々のピット202Pやランド202Lの長さは、数百nm〜数μm程度の範囲において、記録データの内容によって定まる。
なお、実際のグルーブ202Gは、ゆるやかに蛇行形成されており、この蛇行信号を復調することによってディスク位置情報(アドレス情報)が得られるようになっているが、説明の便宜上、図において、グルーブ202Gの蛇行は省略されている。
【0011】
記録したデータの再生をするときは、グルーブ202Gに沿って、再生用(サーボ用)の低い強度のレーザ光が照射される。ピット202Pとランド202Lの反射率は異なるから、グルーブ202Gに沿ってレーザ光を照射したときに得られる反射光の強度変化を検出することにより、ピット202Pやランド202Lの長さが検出され、これによりデータの再生処理が行われる。
【0012】
次に、どのように可視画像形成時がされるかを説明する。可視画像の形成も、データ記録時と同様に、光ディスク200(記録層202)上にピット202Pが形成されることによって行われる点では同じである。
図4〜図6は、ピット202Pが形成されることにより、光ディスク200に可視画像形成が行われた状態を図示したものである。ここでは、アルファベット文字の「A」を可視画像として形成した例を示した。
図4は、光ディスク200の全体図であり、図5は、図4における領域41の拡大図であり、図6は、図5における領域42の拡大図である。なお、図6は、データ記録時(図3)との対比を明確にするために、図4および図5とは上下反転の関係にある。
図6に拡大図として示したように、アルファベット「A」の文字形に対応する領域に、ピット202Pが形成されており、これにより、光ディスク200全体としてみた場合に、アルファベット文字の「A」が可視画像として視認される。
【0013】
より具体的に説明すると、ピット202Pが形成された部分と、ピットが形成されていない部分(すなわち、ランド部分)とでは、その反射率が相違する。このため、光ディスク200全体に白色光(波長400nm〜700nm程度の光の可視光)を入射させると、ピット202Pにより反射される反射光と、ピット202Pが形成されていない部分により反射される反射光とで、光強度が相違する点によって画像が表現されるのである。
【0014】
ここで、可視画像を形成するピット202Pの長さは任意である。図5に示すように、アルファベットの「A」の文字形に相当するピットを形成しても良いし、図7に示すように、同じ長さの細かいピット202Pを格子状に形成しても良い。また、図8に示すように、異なる長さの細かいピット202Pを形成するようにしても良い。たとえば、部分的にEFMデータに対応するピット202Pを形成するようにしても良い。
いずれにしても、光ディスク200全体でみたときに、ピット202Pの形成による反射率の低下が認識できる程度であれば良いのである。
【0015】
<光ディスク記録装置>
説明を再び図1に戻して、光ディスク記録装置100の構成について説明する。この図において、制御部16は、メモリ(記憶部)16Mに予め格納されるプログラムに従い、装置各部を統括する。
スピンドルモータ11は、光ディスク200を回転駆動するモータである。本実施形態では、データ記録をするときも可視画像の形成をするときも、光ディスク200は、線速度一定(CLV:Constant Linear Velocity)で回転駆動することとする。
光ピックアップ10は、レーザダイオードや、対物レンズ、ミラー等の光学系、戻り光を受光する受光素子などを一体としたユニットである。
【0016】
データ記録(再生)や可視画像を形成する際、光ピックアップ10は、光ディスク200に対して、レーザ光を照射し、レーザ光を照射した際に得られる反射光(戻り光)を受光する。ここで、データ再生時には、光ピックアップ10は、受光信号であるEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調されたRF信号をRFアンプ12に出力する。なお、厳密に言えば「EFM変調」とは、正しくない表現であるが、本説明においては、「8−14ビット変換」という意味で用いることにする。
光ピックアップ10は、モニタダイオードを有し、レーザ光を照射した際に、モニタダイオードに電流が流れると、この電流量に対応する信号をレーザパワー制御回路(LPC)20に供給する。
RFアンプ12は、データ記録や可視画像形成の際に、光ディスク200にレーザ光を照射して得られる反射光に係る信号をサーボ回路13、アドレス検出回路14などに供給し、データ再生時には、光ピックアップ10からのRF信号を増幅し、これをサーボ回路13、デコーダ15などに供給する。
【0017】
デコーダ15は、データ再生の際に、RFアンプ12から供給されるEFM変調されたRF信号をEFM復調し、再生データに変換する。
アドレス検出回路14は、データ記録時や可視画像形成時、RFアンプ12から供給される信号からウォブル信号成分を抽出し、ウォブル信号成分に含まれるアドレス情報(ディスクの位置情報)を復号した情報を、制御部16に出力する。
サーボ回路13は、スピンドルモータ11における回転制御や、光ピックアップ10におけるフォーカス制御、トラッキング制御等を行う。ここで、スピンドルモータ11における回転制御とは、アドレス情報で示されるディスク位置が外側に移動するにつれ、スピンドルモータ11の回転速度を低下させて、当該ディスク位置における線速度が一定とさせる制御であり、光ピックアップ10におけるフォーカス制御とは、光ディスク200の回転時に、光ディスク200に対するレーザ光のスポット径が一定となるように、対物レンズを光ディスク200の記録面とは垂直方向に操作する制御であり、トラッキング制御とは、光ディスク200の回転時にレーザ光の照射点がグルーブ202Gに追従するように、対物レンズを光ディスク200の記録面とは水平方向に操作する制御である。
レーザパワー制御回路20は、光ピックアップ10のレーザダイオードから照射されるレーザ光の強度(パワー強度が最適となるように制御するための回路である。詳細には、レーザパワー制御回路20は、光ピックアップ10のモニタダイオードから供給される電流値が制御部16から供給される最適なレーザパワーの目標値を示す情報に一致するように、レーザドライバ19を制御する。なお、最適なレーザパワーの目標値は、記録実験等により予め求められている。
【0018】
一方、バッファメモリ29は、データ記録時では、ホストコンピュータ110から供給されるデータ、すなわち、光ディスク200に記録すべきデータ(オーディオデータや文書データなど)を先入れ先出し形式にて記憶する一方、可視画像形成時では、画像データを座標変換したデータを、先入れ先出し形式にて記憶する。
【0019】
エンコーダ17は、データ記録時において、バッファメモリ29から読み出されたデータ(オーディオデータなど)に対するEFM変調や符号誤り訂正エンコード処理(以下、CIRC;Cross Interleave Reed−Solomon Code処理という)といった処理を実行して、処理後のデータ(以下、これを第1の記録データという)をストラテジ回路18に供給する。
【0020】
また、ホストコンピュータ110のメモリ(記憶部)110Mには、第1の記録データとは同一のデータフォーマット形式で、あるデータが予め記憶されている。このデータは、形式的にみれば第1の記録データとデータフォーマットが同一であるが、光ディスク200に記録することを目的としたデータではなく、以下に説明する第2の記録データを生成するために、いわばダミーデータとして用意されたものである。
可視画像形成時においては、このダミーデータがホストコンピュータ110から制御部16による制御を介して、エンコーダ17に供給される。
エンコーダ17は、供給されたダミーデータの一部を、画像メモリ110Gから供給された画像データに置換し、これを第2の記録データとして出力する。エンコーダ17は、生成した第2の記録データをストラテジ回路18に供給する。
【0021】
後述するように、第2の記録データは、ダミーデータの一部を、別のデータに置換したものに過ぎない。したがって、第1の記録データと、第2の記録データのデータフォーマットは同じものになり、両者記録データに対する信号処理は、共通の回路により処理することが可能になる。なお、具体的な信号処理の内容については後述する。
【0022】
ストラテジ回路18は、光ディスク200に対するレーザ光の照射タイミングを指定するパルス信号(ストラテジ信号)を生成する回路である。詳細には、ストラテジ回路18は、データ記録時に、エンコーダ17から供給される第1の記録データがピット202Pを形成すべきものである場合に、そのデータに対応する長さのピット202Pを光ディスク200上に形成するためのストラテジ信号を生成して、レーザドライバ19に供給する。
【0023】
一方、ストラテジ回路18は、可視画像形成時に、エンコーダ17から供給される第2の記録データがピット202Pを形成すべきものである場合に、そのデータに対応する長さのピット202Pを光ディスク200上に形成するためのストラテジ信号を生成して、レーザドライバ19に供給する。
【0024】
レーザドライバ19は、光ピックアップ10によるレーザダイオードを、ストラテジ回路18から供給されるストラテジ信号によって指定される照射タイミングであって、かつ、レーザパワー制御回路20によって制御された強度で照射するように駆動する。このようにして、光ピックアップ10から光ディスク200にレーザ光が照射され、これにより、データ記録あるいは可視画像形成が行われることになる。
【0025】
<第1の記録データ>
次に、エンコーダ17による第1の記録データおよび第2の記録データのうち、説明の便宜上、前者に係る第1の記録データの内容について先に説明する。
第1の記録データは、フレームと呼ばれるフォーマットで形式化される。図9は、1フレーム分のフォーマットを示す図である。
フレームの先頭には、24ビットからなるフレーム同期データDframeが付加されている。フレーム同期データDframeは、予め決められたパターンのデータであり、データ処理時に、フレームの先頭を特定する同期のために用いられる。なお、フレーム同期データDframeは、レーザ光の照射レベルを確認するためのキャリブレーション用データとしても用いられる。
【0026】
フレーム同期データDframeの直後には、14ビット(EFM変調前で言えば、8ビットすなわち1バイト)のサブコードデータ(サブコーディングともいう)Dsubが配置されるが、その内容については後述する。
サブコードデータDsubに続いて、メインデータDmainが配置される。メインデータDmainは、音楽データや文書データといった記録すべき24シンボル(1シンボルは、14ビット)のデータと、当該データを保証するための8シンボルのパリティとから構成される。
ここで、24ビットのフレーム同期データDframeも1シンボルとみなすと、各シンボル間には、それぞれ結合のための3ビットが付加されている。したがって、1フレームは、計588チャンネルビットとなる。
なお、1フレームにおける24シンボルのデータは、音楽信号を16ビット・周波数44.1kHzで標本化したL、Rの2チャネルの6サンプル分に相当する。したがって、1フレームの期間は、136μs(=6/44100)となる。
【0027】
ここで、サブコードデータDsubの内容を詳細に説明すると、このサブフレームデータDsubは、図10に示されるように、98個のフレームによって1つのブロック(サブコーディングフレーム)として扱われる。なお、このサブコーディングフレームには、識別のためのサブコーディングフレーム番号が付与される。
図11は、1サブコーディングフレームにおけるサブコードデータDsubの構成を示す図である。この図においては、1サブコーディングフレームを構成する98個のフレームに対し、それぞれ「1」から「98」までのフレーム番号が付与されている。したがって、サブコードデータDsubについては、サブコーディングフレーム番号と、そのサブコーディングフレームにおけるフレーム番号によって一義的に特定することができるようになっている。また、図11においては、説明の便宜上、EFM変調前の8ビットで区切った状態で説明する。
【0028】
1サブコーディングフレームにおける98個のサブコードデータDsubのうち、フレーム番号が「1」であるサブコードデータDsubは、S0と呼ばれ、また、フレーム番号が「2」であるサブコードデータDsubは、S1と呼ばれて、いずれも同期信号として用いられる。したがって、1サブコーディングフレームにおけるサブコードデータは、同期信号S0、S1を先頭とした96バイトのブロックと見ることもできる。
【0029】
フレーム番号「3」から「98」までのサブコードデータは、Pデータ、Qデータ、Rデータ、…、Wデータと呼ばれる8種類の独立したデータから構成される。なお、図11では、これらのデータを構成するビットを特定するために、例えば、Pデータのうち、フレーム番号が「3」、「4」、…、「98」であるものは、P1、P2、…、P96として表記されている。また、Qデータのうち、フレーム番号が「3」、「4」、…、「98」であるものは、Q1、Q2、…、Q96として表記されている。他のRデータ等についても同様である。
なお、Pデータは、データを記録する場合に、当該記録データに係る情報を表すために用いられ、また、Qデータは、記録データの時間情報(オーディオデータの場合は、曲番号や記録時間等の情報)を表すために用いられる。
【0030】
このように第1の記録データは、記録データそのもの(音楽データや文書データなど)であるメインデータDmainだけでなく、当該記録データに付随して、フレーム同期データDframeや、サブコードデータDsubとともに、フレーム化される。
【0031】
<第2の記録データ>
次に、可視画像形成時に、エンコーダ17による第2の記録データの内容を詳述する。
第2の記録データは、上述した第1の記録データのフレームフォーマットにおけるサブコードデータDsubの部分を、可視画像を形成するためのデータ(以下、可視画像形成用データDx)に置換したものに相当する。そして、サブコードデータDsubと可視画像形成用データDxとはいずれも8ビットであるから、これにより、第1の記録データと第2の記録データとは、フォーマット的には同じものになる。
【0032】
図12に、サブコードデータDsubと、可視画像形成用データDxについて、内容を対比させて図示した。以下、この図を用いて可視画像形成用データDxの内容を説明する。
この図に示されるようにフレーム番号が「1」および「2」である可視画像形成用データDxには、サブコードデータDsubと、同一の同期信号S0、S1がそれぞれ割り当てられる。したがって、第2の記録データにおいても、この同期信号S0、S1を検出することによって、98個のフレームを1つのブロックとしたときのブロック先頭が検出される。
【0033】
フレーム番号「3」から「98」までのフレームにおける可視画像形成用データDxには、光ディスク200に形成すべきピット202Pの長さを指定するデータが割り当てられる。ここで、具体的に可視画像形成用データDxの内容を説明する前に、本実施形態において、光ディスク200に可視画像を形成する際の基準となる座標について説明する。
【0034】
図13は、本実施形態において可視画像形成のために採用した座標の内容を示す。なお、この座標のことをCLV座標と呼ぶことにする。
図13に示したように、光ディスク200の記録層202には、グルーブ202Gが、内周側から外周側に向かって時計回りで螺旋状に形成されている。ここで、本実施形態では、グルーブの開始地点を基準点(0行0列)とし、光ディスク200が線速度一定で回転したときに、基準点から1フレームに相当する期間だけ移動した分が、形成すべき画像の単位領域(ドット)と規定する。このため、光ディスク200が回転したときのレーザ光の照射点は、1フレームに相当する期間経過する毎に、0列、1列、2列、3列、……、と移行する。
ここで、光ディスク200の中心から当該基準点を通過して径方向外側に延在する仮想的な直線を基準線とすると、光ディスク200は、1回転する毎に、当該基準線を1回またぐので、基準線を通過する毎に1行だけ移行したことにする。このため、基準点から時計回りにグルーブ202Gを1周した分が最初の0行であり、以下、光ディスクが1回転する毎に走査される部分を、順番に1行、2行、3行、……、となる。
【0035】
このように、CLV座標では、形成すべき画像の単位領域は、グルーブ202G上において行と列とによって特定されることになり、換言すれば、CLV座標では、光ディスク200上に螺旋状に形成されたグルーブ202Gが、均等間隔に分割されるとともに、これら分割領域は、形成すべき画像の単位領域が割り当てられたものとなる。
ここで、レーザ光の照射点に対応して、サブコードデータとして、当該照射点に対応する単位領域の可視画像形成用データDxを供給し、当該データにしたがって、単位領域におけるピット長が規定する構成が単純に想定される。ただし、この構成において注意しなければならないのは、フレーム番号が「1」および「2」であるフレームのサブコードには、同期信号S0、S1が割り当てられているので、このままでは、当該フレームに相当する期間において、単位領域のピットを形成することができない点にある。
【0036】
そこでまず、本実施形態では、図12の右で示されるように、1フレームにおいて、1つの単位領域のピット長を規定する階調データを7ビットとして、1ビット分余らす。なお、階調データが7ビットで表現されると、ピット202Pの長さは、十進表記で「0」〜「127」の128段階で規定される。光ディスク200の単位領域における反射率は、ピット202Pの総延長により決まるので、これにより、単位領域において、階調を表現することが可能となる。
次に、各フレームにおいて余剰となった1ビットを集めて、不足する2つの単位領域の階調データを構成することにする。
結局、フレーム番号が「3」〜「98」のサブコードデータにおける8ビットのうち、7ビットを用いて、96個の単位領域における階調データとし、当該フレームのサブコードデータにおける残余の1ビットを集めて、2個の単位領域における階調データとして、計98個の階調データとする。
詳細には、フレーム番号が「3」〜「98」のフレームのサブコードデータは、7ビットの階調データPWM1〜96を規定する一方、フレーム番号が「3」〜「9」のフレームのサブフレームデータのうち、残余の1ビットCm1〜Cm7を集めた7ビットによって、階調データPWM97とし、フレーム番号が「10」〜「16」のフレームのサブフレームデータのうち、残余の1ビットCm10〜Cm16の7ビットを集めて、階調データPWM98とする。
【0037】
なお、図12において、フレーム番号が「17」〜「98」のサブコードデータのビットCm15〜Cm96については、本実施形態においては、特に使用を想定しないが、描画等に係る制御コマンドとして任意に割り当てるようにしても良い。
【0038】
また、1フレームに相当する期間とは、上述したように136μsであり、本実施形態では、上述したように線速度一定である。したがって、線速度が例えば1.2m/sである場合、単位領域における列方向(回転方向)の距離は、ドットの位置が内周側であるか外周側であるかを問わずに、163μm(=1.2m/s×136μs)で一定となる。
また、このCLV座標では、ディスクの外周側に向かうにつれて、フレーム数(単位領域の個数)は多くなる。このため、螺旋状のグルーブ202Gにおいて、1フレームに相当する期間の移動距離分毎に順番にドットを割り当てると、ある行の最終列と、その次行の先頭列(0列)との境界は、基準線上に必ずしも存在する訳ではない。すなわち、本実施形態における行という概念は多少の誤差を伴うことになる。
【0039】
<記録動作>
次に、システム700による記録動作について説明する。
【0040】
<ホストコンピュータにおける処理>
はじめに、システム700のうち、光ディスク記録装置100の前に、説明の便宜のために、ホストコンピュータ110における処理の内容を説明する。まず、ユーザがキー入力手段に対して所定操作を行うと、ホストコンピュータ110は、本システム700に係る専用アプリケーションプログラムを起動する。このプログラムの起動により、ホストコンピュータ110と光ディスク記録装置100との間におけるデータ通信路が確立する。
【0041】
ホストコンピュータ110における処理のうち、データ記録時における動作は、次の通りである。すなわち、ホストコンピュータ110は、光ディスク記録装置100に対して、データ記録を指示する制御信号を送信した後、ユーザが記録を指示したデータ(オーディオデータや文書データ)を順次光ディスク記録装置100に送信する。
【0042】
次に、ホストコンピュータ110における処理のうち、可視画像形成時における動作について詳述する。図14は、可視画像形成時におけるホストコンピュータ110の動作内容を示すフローチャートである。
まず、ホストコンピュータ110は、ユーザが指定した可視画像に係るビットマップデータを、画像メモリ(記憶部)110Gから読み出す(ステップSa1)。次いで、ホストコンピュータ110は、読み出したビットマップデータに対するデータ変換処理、すなわち、xyの直交座標からCLV座標へのデータ変換処理を行う(ステップSa2)。なお、本実施形態においては、光ディスク200に形成する可視画像に係るデータ(ビットマップデータ)はホストコンピュータ110に用意されていることを想定するが、CD−ROMなどの記憶媒体を介して所望の画像データを用意しても良い。
【0043】
xyの直交座標からCLV座標へのデータ変換処理について説明すると、ホストコンピュータ110に用意される可視画像用のビットマップデータは、図15(a)に示すように、xyの直交座標によってその画像内容が表現される。ここでは十字図形「+」に係るビットマップデータの例を示している。このようなビットマップデータをそのまま用いて、CLV座標(図13参照)で規定される光ディスク200上にピット202Pを形成すると、図15(b)に示されるような、十字図形「+」が歪んだ形状が可視画像として形成されてしまう。
【0044】
このため、ホストコンピュータ110は、直行座標のデータを、一旦、図16(a)に示すような極座標のデータに変換する処理をする。この極座標は、光ディスク200の中心を原点とし、r座標をディスク半径外側方向とし、θ座標をディスクにおける時計回りの回転角度としたものである。
なお、図16(a)においては、説明の便宜上、座標間隔を大きく示しているが、実際にはさらに細かい座標により、1つずつの単位領域で示されるドットが表現されている(後述する図17(a)についても同様である)。
このように極座標に変換したデータを用いて、CLV座標で規定される光ディスク200上にピット202Pを形成していくと、図16(b)に示されるような可視画像が形成される。すなわち、この段階では「+」のうち、横線については直線になるように調整されるものの、縦線については、直線にならない。これは、CLV座標では、ディスク外周に向かうにつれて(r成分が大きくなるにつれて)、単位領域の個数が増加する性質によるものである。
【0045】
このため、ホストコンピュータ110は、極座標に変換したデータに対し、光ディスク200のメディア毎の線速度、トラックピッチ、内周半径といった要素を考慮して、図17(a)に示すように、CLV座標に変換する処理をさらに施す。
すなわち、ホストコンピュータ110は、ある座標値について着目した場合に、その座標値におけるθ方向成分については、r方向成分が大きくなるにつれて、小さくなるように変換する。
このように、可視画像用のデータを、直交座標→極座標→CLV座標に変換して、当該変換したデータにしたがって、ピット202Pを形成すると、図17(b)に示されるような直交座標と相似の十字図形「+」が光ディスク200上に形成されることになる。
ホストコンピュータ110は、CLV座標に変換したデータを随時もしくは画像メモリ110Gに蓄えて、光ディスク記録装置100に供給する(図14:ステップSa3)。
これにより、その後、光ディスク記録装置100では、光ディスク200に対してレーザ光を照射し、可視画像を形成することになる。
【0046】
<光ディスク記録装置における動作>
次に、データ記録時における光ディスク記録装置100の動作について説明する。まず、ホストコンピュータ110からデータ記録開始の制御信号が供給されると、光ディスク記録装置100の制御部16は、装置各部を制御して、データ記録のための準備を行う。具体的には、ユーザによりセットされた光ディスク200を回転駆動(CLV駆動)し、光ピックアップ10からレーザ光が照射されるよう制御する。一方、ホストコンピュータ110から供給されたデータは、バッファメモリ29に記憶された後、エンコーダ17によって第1の記録データに変換され、さらに、ストラテジ回路18によって、ストラテジ信号として、レーザドライバ19に供給される。これによって、ストラテジ信号にしたがってピット202Pが形成されて、データが記録されることとなる。
【0047】
この記録動作を、データの流れという観点から説明する。図18は、データ記録時において、光ディスク記録装置100内のデータの流れを示した図である。データ記録時において、ホストコンピュータ110からは、記録すべきメインデータおよびサブデータ(サブコード)が光ディスク記録装置100に供給される(Sd11)。制御部16は、供給されたメインデータおよびサブデータを、一旦、バッファメモリ29に記憶させた後に、それぞれ読み出してエンコーダ17に供給する(Sd12)。
【0048】
エンコーダ17は、供給されたメインデータに対し、符号誤り訂正エンコード処理(CIRC)を実行する(Sd13)。さらに、エンコーダ17は、サブコードと符号誤り訂正処理が施されたメインデータとに対し、EFM変調処理を施すとともに(Sd14)、上述したフレームとしてまとめ、さらに、そのフレームを98個まとめてサブコーディングフレームとするフォーマット化を実行して、第1の記録データとしてストラテジ回路18に供給する(Sd15)。
ストラテジ回路18は、エンコーダ17から供給される第1の記録データからストラテジ信号を生成して、当該ストラテジ信号をレーザドライバ19に供給する(Sd16)。これにより、ストラテジ信号にしたがってレーザ光が光ディスク200に照射されて、データが記録されることとなる。
【0049】
次に、可視画像形成時における光ディスク記録装置100の動作について説明する。図19は、可視画像形成時において、光ディスク記録装置100内のデータの流れを示した図である。
データ記録時において、光ディスク記録装置100には、ダミーデータがホストコンピュータ110のメモリ110Mから供給される(Se11)一方、CLV座標に変換された画像データがホストコンピュータ110の画像メモリ110Gから供給される(Se12)。
【0050】
制御部16は、供給されたダミーデータおよび画像データを、一旦、バッファメモリ29に記憶させた後に、それぞれ読み出してエンコーダ17に供給する(Se13)。
エンコーダ17は、供給されたダミーデータに対し、データ記録時と同様な信号処理、すなわち符号誤り訂正エンコード処理(CIRC)を実行する(Se14)。さらに、エンコーダ17は、画像データと符号誤り訂正エンコード処理が施されたダミーデータとに対し、EFM変調処理を施すとともに(Se15)、上述したフレームとしてまとめ、そのフレームを98個まとめてサブコーディングフレームとするフォーマット化を実行して、第2の記録データとしてストラテジ回路18に供給する(Se16)。
【0051】
一方、ストラテジ回路18は、フレーム同期データDframeによってフレームの先頭を特定し、さらに、同期信号S0、S1によって1ブロック分を特定して、当該ブロックのサブコードデータとしての可視画像形成用データDxを分離し、さらに、当該可視画像形成用データDxから、単位領域に相当する階調データを抽出するとともに(Se17)、当該階調データを、その値に応じたパルス幅の信号に変換する(Se18)。階調データは、単位領域におけるピット長を規定するので、このパルス幅も、ピットの長さに対応したものとなる。
【0052】
そして、ストラテジ回路18は、例えば、このようなパルス幅を有する信号と、レーザ光の照射を規定するマルチパルスLMPとの論理積信号を、ストラテジ信号として生成して、レーザドライバ19に順次供給する(Se19)。
これにより、光ディスク200のグルーブ202G上であって、階調データに対応する単位領域には、レーザ光が、ストラテジ信号で規定される照射タイミングで、かつ、レーザパワー制御回路20によって制御された強度で照射される結果、当該階調データで指定された長さのピットが形成される動作が、繰り返される。
このような動作が、1フレーム毎に繰り返し実行されて、可視画像が形成される。
【0053】
<動作タイミング>
図20は、可視画像形成時において、ストラテジ回路18における処理信号のタイミングチャートを示したものである。この図において、信号「/EFMSY」は、フレーム同期信号Dframeの位置を示す負論理信号であり、L(ロー)レベルになってから次にローレベルになるまでの期間が1フレームの期間に対応している。
信号「EFM」は、第2の記録データを示す信号である。第2の信号において、フレーム同期データDframeに後続する部分にサブコードデータDsubとしての可視画像形成用データDxが位置している。
【0054】
ストラテジ回路18は、あるサブコーディングフレームであって、フレーム番号が「3」から「98」までの各フレームにおいて、サブコードデータとしての可視画像形成用データDxを抽出すると、当該可視画像形成用データDxに含まれる階調データの値に応じたパルス幅の「階調PWM」に変換する。
また、ストラテジ回路18は、あるサブコーディングフレームにおいて、フレーム番号が「1」のフレームでは、その1つ前のサブコーディングフレームにおいてまとめられた階調データPWM97を、「2」のフレームでは、その前のサブコーディングフレームにおいてまとめられた階調データPWM98を、それぞれ当該階調データの値に応じたパルス幅の「階調PWM」に変換する。
さらに、ストラテジ回路18は、「階調PWM」と、マルチパルスLMP(図20において図示省略)との論理積信号を、図20(a)に示されるストラテジ信号LMP0として生成する。
【0055】
ところで、1個の単位領域分の階調データは7ビットで表現されて、128段階で変化するので、「階調PWM」におけるパルス幅も、各段階に対応して広狭する必要がある。一方、単位領域は、グルーブ202Gにおいて、1フレームに相当する間隔で配列しなければならない。そこで、本実施形態において、パルス幅の広狭させる際に中心となるタイミングを規定し、このタイミングを基準にして、パルス幅が時間的前方および後方に拡大・縮小される。これにより、「階調PWM」において隣接するパルスの中心同士の間隔は1フレームに相当する期間となるので、単位領域における列方向の間隔も常に一定となる。
一方、あるフレームにおいて階調データが抽出されないと、「階調PWM」のパルス幅が確定しないので、「階調PWM」のパルス幅が最も拡がった場合のパルスの先端は、その階調データが抽出されたタイミングよりも後に位置する関係が必要となる。このため、図20に示されるように、本実施形態では、あるフレームにおける可視画像形成用データDxに含まれる階調データに相当する「階調PWM」のパルスを、そのフレームにおいて変換するのではなく、その次のフレームにおいて変換することにしている。
なお、パルス幅については、中心となるタイミングから時間的後方に拡げても良いし、上記関係を満たす限り、時間的前方に拡げても良い。
また、マルチパルスLMPによっては、同一のパルス幅の集合としたストラテジ信号としても良いし(図20(b)参照)、「階調PWM」をそのままストラテジ信号としても良い(図20(c)参照)。
【0056】
このような光ディスク記録装置100によれば、光ディスク200に対してデータ記録をする構成(図18参照)において、ストラテジ回路18のアルゴリズムを多少変更することによって(図19参照)、可視画像を形成することが可能となる。
【0057】
<応用・変形>
本発明は、上述した実施形態に限られず、種々の応用・変形が可能である。
【0058】
(1)上述実施形態では、1フレームについて、光ディスク200のグルーブ202Gにける1つの単位領域を割り当て、ピットの長さを指定するようにしていたが、1フレームごとに、2以上の単位領域を割り当てても良い。
例えば1フレームについて、2つの単位領域を割り当てるようにしても良い。図21は、1フレームについて、2つの単位領域を割り当てた場合における可視画像形成用データDxの一例を示す図である。この図に示される例では、1つのフレームについて、3ビットで示される階調データPWM(0,1,2)が2つ割り当てられた構成となっている。また、未使用の例えばビットCm1〜Cm3、ビットCm4〜Cm6、ビットCm7〜Cm9、ビットCm10〜Cm12によって不足する4つの階調データが構成される。
この構成によれば、1フレームに対応する期間に、2つの単位領域が形成されるので、形成される可視画像の解像度は、上述した実施形態よりも向上することになる。このため、階調表現よりも、画像の解像度を重視したいときに有効である。
【0059】
(2)また、サブコードデータDsubのうち、PデータやQデータは、光ディスク200の記録位置や記録時間などを示す有意なデータである。これらのPデータやQデータはそのままにしておき、残りのRデータ、Sデータ、……、Wデータの領域についてのみ、可視画像形成用データの埋め込みに用いても良い。
この場合、メインデータDmainをあえてダミーデータとする必要はなく、記録用のデータを格納しておいても良い。すなわち、この例によれば、RデータからWデータのサブコードに描画データを格納し、メインにオーディオデータを格納する、といった具合に、2つのデータを共存させた構成にすることができるのである。
図22は、本変形例における可視画像形成用データDxのデータ内容を示したものである。本変形例によれば、PデータやQデータは残されるから、これらのデータを用いてストラテジ信号の出力タイミングなどを制御することも可能である。
なお、この例では、1フレームについて、割り当てられる階調データPWMは5ビットであるので、32段階の階調表現が可能となる。また、未使用のRデータに相当する例えばビットCm1〜Cm5、ビットCm6〜Cm10によって不足する2つの階調データが構成される。
【0060】
(3)サブコードデータDsub以外のデータが格納される領域に、可視画像形成用データを格納するようにしても良い。たとえば、メインデータDmainの一部あるいは全部が格納される領域に、可視画像形成用データを格納するようにしても良い。たとえば、メインデータDmainの1バイト目はインターリーブされていないため、容易に抽出することができる。2バイト目以降のデータについても、インターリーブの内容を考慮し、データを予め並べ換えておくようにしても良い。
いずれにしても、第2の記録データとして、可視画像を形成するために光ディスク200に形成すべきピット202Pに係る情報を格納しておけば、ストラテジ回路18により、可視画像形成するためのストラテジ信号が生成され、これにより、光ディスク200に対する可視画像形成が行われる。
【0061】
(4)上述した実施形態においては、光ディスク記録装置100の構成(図1参照)について、分かりやすくするために、エンコーダ17と、ストラテジ回路18、レーザドライバ19、光ピックアップ10をそれぞれ別の構成要素として説明した。
これに対して、各構成要素のいくつかを1つにまとめるようにして構成しても良い。たとえば、エンコーダ17とストラテジ回路18については、実際の光ディスク記録装置100においては、1つの専用ICとして設計されていることが多い。また、光ピックアップ10に、レーザドライバ19とストラテジ回路18の部分を収容するようにしても良い。
【0062】
(5)光ディスク200について、CLVではなく、CAV(Constant AngularVelocity)で回転駆動するようにしても良い。この場合は、直行座標のビットマップデータを極座標(図15(b)参照)に変換して、第2の記録データを生成すれば良い。
【0063】
(6)また上述実施形態において、光ディスク記録装置100のエンコーダ17やストラテジ回路18の処理は、プログラムによって実現することも可能である。このため、たとえば第2の記録データを生成する処理や、第2の記録データに含まれる可視画像形成用データDxを抽出してストラテジ信号を生成する処理等は、プログラムによりソフト的に実現するようにしても良い。
プログラムにより実現する場合は、制御部16のメモリ16Mにプログラムをインストールすることになるが、このインストールは、例えば、ファームウェアの書き換えという形で実現される。したがって、ホストコンピュータ110を介してインストールしても良いし、プログラムが記録されたCD等を光ディスク記録装置100にセットすることにより直接インストールしても良い。さらに、インターネット等を介したインストール、いわゆるネット配信を利用することによりインストールするようにしても良い。
【0064】
(7)光ディスク200としてCD−R以外の記録媒体、たとえば、CD−RW(Compact Disc ReWritable)、データ記録可能なDVD(Digital Versatile Disc)、Blue Disc等を想定してもよい。いずれにしても、レーザ光の照射によりディスクの部分領域の反射率を変化させてデータ記録をする光ディスク記録装置に対しては、本発明を適用することができる。なお、記録媒体によって、記録データに係る規格(フォーマット)は異なるが、データ記録時に処理対象とするデータの一部を可視画像形成用のデータに置換する処理を実行すれば、上述実施形態と同様な効果を奏することが可能となる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ディスクに対してデータ記録をする構成に対し、少ない変更によって、可視画像を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光ディスク記録装置を含むシステムの構成を示す図である。
【図2】同光ディスク記録装置において記録対象となる光ディスクの部分側断面図である。
【図3】同光ディスクにピットが形成された状態を示す図である。
【図4】光ディスクに形成された可視画像を説明するための図である。
【図5】光ディスクに形成された可視画像を説明するための図である。
【図6】光ディスクに形成された可視画像を説明するための図である。
【図7】可視画像のピットの一例を示す図である。
【図8】可視画像のピットの一例を示す図である。
【図9】フレームの構成を示す図である。
【図10】サブコーディングフレームの構成を示す図である。
【図11】サブコードデータの内容を示す図である。
【図12】第1および第2の記録データの内容を示す図である。
【図13】CLV座標を説明するための図である。
【図14】可視画像形成時におけるホストコンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図15】座標変換処理を説明するための図である。
【図16】座標変換処理を説明するための図である。
【図17】座標変換処理を説明するための図である。
【図18】可視画像形成時における光ディスク記録装置の動作を説明するための図である。
【図19】可視画像形成時における光ディスク記録装置の動作を説明するための図である。
【図20】光ディスク記録装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図21】本発明の変形例を説明する図である。
【図22】本発明の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
10…光ピックアップ、11…スピンドルモータ、12…RFアンプ、13…サーボ回路、14…アドレス検出回路、15…デコーダ、16…制御部、17…エンコーダ、18…ストラテジ回路、19…レーザドライバ、20…レーザパワー制御回路、29…バッファメモリ、100…光ディスク記録装置、110…ホストコンピュータ、200…光ディスク、201…基板保護層、202…記録層、202G…グルーブ、202P…ピット、202L…ランド、203…反射層、204…保護層、700…可視画像形成システム
Claims (6)
- 光ディスクに対し、予め定められたフォーマットの第1の記録データにしたがってレーザ光を照射して、当該第1の記録データで指定される長さのピットを形成する光ディスク記録装置を用いて、前記光ディスクに可視画像を形成する方法であって、
前記フォーマットの一部領域に可視画像形成用データを埋め込んで第2の記録データを生成する生成過程と、
前記第2の記録データから、可視画像形成用データを抽出する抽出過程と、
前記光ディスクに対し、抽出した可視画像形成用データに応じたピットを形成する形成過程と
を有することを特徴とする可視画像形成方法。 - 前記光ディスクは、その記録面に螺旋状の案内溝を有し、
前記可視画像形成用データは、案内溝を略等距離に区切った領域の各々に対して、形成すべきピット長を指定するものである
ことを特徴とする請求項1に記載の可視画像形成方法。 - 直交座標により画像内容が表現されたデータを、各案内溝領域において形成すべきピット長を指定するデータに変換して、前記可視画像形成用データとする変換過程を、前記生成過程よりも前に有すること
ことを特徴とする請求項2に記載の可視画像形成方法。 - 前記フォーマットは、複数のフレームを1つのブロックとするものであり、
前記生成過程は、各フレームにおいてメインデータが配置する領域の一部または全部に前記可視画像形成用データを埋め込む
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可視画像形成方法。 - 光ディスクに対し、予め定められたフォーマットの第1の記録データにしたがってレーザ光を照射して、当該第1の記録データで指定される長さのピットを形成するコンピュータを、
前記フォーマットの一部領域に可視画像形成用データを埋め込んで第2の記録データを生成する生成手段、
前記第2の記録データから、可視画像形成用データを抽出する抽出手段、および、
前記光ディスクに対し、抽出した可視画像形成用データに応じたピットを形成する形成手段
として機能させることを特徴とするプログラム。 - 光ディスクに対し、予め定められたフォーマットの第1の記録データにしたがってレーザ光を照射して、当該第1の記録データで指定される長さのピットを形成する可視画像形成システムであって、
前記フォーマットの一部領域に可視画像形成用データを埋め込んで第2の記録データを生成する生成手段と、
前記第2の記録データから、可視画像形成用データを抽出する抽出手段と、
前記光ディスクに対し、抽出した可視画像形成用データに応じたピットを形成する形成手段と
を具備することを特徴とする可視画像形成システム。
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